JP2005055173A - 灰溶融炉 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 溶融炉本体2の炉底部近傍の耐火材11には、多数のレンガ17を炉室6の内周壁に敷設しており、Cr2O3レンガ17は、Cr2O3またはCr2O3系の材質からなり、これは、Cr2O3鉱石を焼結又は電解した後、粉砕したクリンカを骨材として使用している。耐火材11の厚さ(炉壁の肉厚方向の厚さ)は本実施の形態では230mmとしている。耐火材11の外周部は、スタンプ層15が全体を覆っており、スタンプ層15の材質としては、SiC系スタンプ材やカーボン系充填材等を使用できる。スタンプ層15の外側には、水冷式の冷却ジャケット9が配設されている。
【選択図】 図2
Description
このうち、耐火材11は、多数のレンガ17を積み上げて形成したものであり、従来では、SiCまたはカーボン等の熱伝導率の高いレンガが材料として用いられている。冷却ジャケット9は、水冷のものや空冷のものが使用されるが、耐火材11を冷却することによりレンガ17の耐久性向上を図っている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、灰溶融炉の内壁に用いる耐火材の表面にセルフコーティング層を付着させることにより、耐火材の寿命を延ばすことができる灰溶融炉を提供することを目的とする。
また、本発明は上記目的を達成するために、壁部の内周部に配設される耐火材と、該耐火材の外側を覆うとともに該耐火材の熱膨張を吸収するスタンプ層と、さらに該スタンプ層の外側に配設される冷却ジャケットとを備えた灰溶融炉において、上記耐火材の内周部側にCr2O3からなるレンガを配設し、外周部側にSiCからなるレンガを配設し、かつ上記耐火材の厚さを250mm以下としている。
さらに、上記発明は、上記耐火材であるレンガの目地にCr2O3を含むモルタルを充填することができる。
図1は、本発明に係るプラズマアーク式灰溶融炉1を示す。灰溶融炉1には、溶融炉本体2に囲まれた横断面が円形の炉室6を設けている。溶融炉本体2は、天井壁3を貫通し、横断面が円形のプラズマ電極4が垂下され、該プラズマ電極4は天井壁3に支持されるとともに、上下動できる構成になっている。また、プラズマ電極4は、その先端と対向する炉底壁5に炉底電極7を設置し、これらの電極4,7間に、プラズマ発生用の直流電源8を接続している。直流電源8は、炉底電極7側に+を接続し、プラズマ電極4側に−を接続している。
図1に示すように、溶融炉本体2に形成したプラズマ電極4用の貫通孔には、環状の絶縁スリーブ12を装着し、炉底電極7が貫通する孔には環状の絶縁スリーブ13を装着している。これら絶縁スリーブ12,13は、鉄皮10とプラズマ電極4及び炉底電極7との電気的接触を防いでいる。そして、溶融炉本体2の下壁部には、溶融スラグの排出口である出滓口18が配設されている。
なお、灰溶融炉1には、焼却灰の投入口など図示されていない装備や制御装置等が多数配設されているが、それらの詳細な説明は省略する。
図1に示すように、灰溶融炉1の炉室6には、図示しない投入口から炉底壁上に焼却灰が投入され、灰溶融炉1の炉室6を還元雰囲気にした状態で、直流電源8により電圧を電極4,7間に印加する。すると、該電極4,7間にプラズマアークが発生し、炉室6が1000℃以上の雰囲気となり、焼却灰14が溶融する。焼却灰14は溶融してスラグとなり、出滓口18から排出し、スラグ14の用途に合わせて再利用される。
本実施例のCr2O3レンガと、比較例としてのSiCレンガを用意し、これらを同じ灰溶融炉1の耐火材11に用い炉室6の内周壁の表面をCr2O3レンガとSiCレンガを用いた部分とに分けた。
灰溶融炉の耐火材11の厚さは、Cr2O3レンガ及びSiCレンガの両者共に230mmである。Cr2O3レンガの熱伝導率は、2W/mK〜4WmKであり、SiCの熱伝導率は、20W/mK〜30W/mKである。
灰溶融炉の稼働条件は下記の通りで、試験を行った。
冷却ジャケットの冷却水の温度:40℃
スラグの温度:1500〜1600℃
灰溶融炉の稼働時間:19時間
試験結果を図6に示す。
試験結果より、SiCレンガの表面温度は1133℃であり、Cr2O3レンガの表面温度は1092℃である。なお、セルフコーティング層が生成されていない場合には、熱伝導率等から計算するとCr2O3レンガの温度が1400℃となることが予測される。よって、その温度さから、Cr2O3レンガの表面には、セルフコーティング層が生成しているものと推測される。
なお、耐火材11の厚さは、230mmの厚さのときに、最もCr2O3レンガの表面温度が低くなり、それ以上耐火材11の厚さを厚くすると、Cr2O3の温度が高くなるのが分かっており、耐火材11は250mm程度の厚さまで使用できる。
このように、本実施の形態によると灰溶融炉1の出滓口18の耐久性を向上させることができるようになった。したがって、灰溶融炉1の稼働率が向上する。
図に示すように、灰溶融炉の内壁を形成する耐火材11は、Cr2O3レンガ17とSiCレンガ25とで形成され、炉室6の内周壁側をCr2O3レンガ17で形成し、その外側をSiCレンガ25で形成したものである。耐火材11の厚さは両レンガ17,25を合わせて、230mmとしている。レンガは、Cr2O3レンガとSiCレンガを一体にしてもよいし、別体にしてもよい。Cr2O3レンガ17の厚さは、セルフコーティング層が形成されるまでの余裕をみて50mm以上あればよい。その他の灰溶融炉の構造については、上記第1の実施の形態と同じ構成である。
本実施の形態によれば、内壁路の表面側にCr2O3レンガ17を用いて、灰溶融炉の稼働時には、Cr2O3レンガ17の表面にセルフコーティング層を生成させることができる。したがって、Cr2O3レンガ17の外側にSiCレンガ25を使用することにより、上記第1の実施の形態よりも値段の安い灰溶融炉を製造することができる。その他の効果については、上記実施の形態と同じである。
図に示すように、灰溶融炉の内壁を形成する耐火材11は、Cr2O3レンガとSiCレンガ25とで形成され、炉室6の内周壁側をCr2O3レンガで形成し、多数のCr2O3レンガ17間の目地にCr2O3系のモルタル20を充填したものである。その他構造については、上記第1の実施の形態と同じ構成である。
本実施の形態によれば、Cr2O3系のモルタル20をCr2O3レンガ17の目地に充填させているので、目地部の浸食を防止若しくは送らせる効果がある。その他の効果については、上記実施の形態と同じである。
例えば、上記実施の形態の灰溶融炉1のスラグの流れが速い出滓口18の近傍のみ、部分的にCr2O3レンガ17を用い、その他のスラグの流れが無い部分若しくは流れの遅い部分に位置する炉壁にはSiCレンガ25を部分的に用いてもよい。
2 溶融炉本体
3 天井壁
4 プラズマ電極
5 炉底壁
6 炉室
7 炉底電極
8 直流電源
10 鉄皮
11 耐火材
12,13 絶縁スリーブ
14 スラグ
15 スタンプ層
16 メタル
17 Cr2O3レンガ
18 出滓口
20 モルタル
25 SiCレンガ
Claims (3)
- 炉室内壁部の内側に配設される耐火材と、該耐火材の外側を覆うとともに該耐火材の熱膨張を吸収するスタンプ層と、さらに該スタンプ層の外側に配設される冷却ジャケットとを備えた灰溶融炉において、上記耐火材をCr2O3系からなるレンガで形成し、かつ上記耐火材の表面にセルフコーティング層を形成することを特徴とする灰溶融炉。
- 炉室内壁部の内側に配設される耐火材と、該耐火材の外側を覆うとともに該耐火材の熱膨張を吸収するスタンプ層と、さらに該スタンプ層の外側に配設される冷却ジャケットとを備えた灰溶融炉において、上記耐火材の内周部側にCr2O3系からなるレンガを配設し、外周部側にSiCまたはカーボン系からなるレンガを配設し、かつ上記耐火材の表面にセルフコーティング層を形成することを特徴とする灰溶融炉。
- 上記耐火材であるレンガの目地にCr2O3を含むモルタルを充填したことを特徴とする請求項1または2に記載の灰溶融炉。
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JP2004234003A JP2005055173A (ja) | 2004-08-11 | 2004-08-11 | 灰溶融炉 |
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JP2012136393A (ja) * | 2010-12-27 | 2012-07-19 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 五酸化バナジウムの溶融設備 |
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2004
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