JP2004060622A - シロッコ形遠心ファンロータを用いた遠心送風機および空気調和機 - Google Patents
シロッコ形遠心ファンロータを用いた遠心送風機および空気調和機 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】回転方向前向きの羽根を持つ多翼形(シロッコ形)の遠心ファンロータを利用しつつ、静圧を確保して遠心方向に全周にわたって空気を吐出することができる遠心送風機を提供する。
【解決手段】遠心送風機は、多翼ファンロータ50と、環状のディフューザ70とを備えている。ディフューザ70は、多翼ファンロータ50の外周側に配置される。
【選択図】 図6
【解決手段】遠心送風機は、多翼ファンロータ50と、環状のディフューザ70とを備えている。ディフューザ70は、多翼ファンロータ50の外周側に配置される。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠心送風機および空気調和機、特に、シロッコ形遠心ファンロータを備える遠心送風機および空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気調和機は、主に、圧縮機や熱交換器等を有する室外機と、遠心送風機や熱交換器を有する室内機とから構成されている。室内機としては、壁掛け型、天井埋設型、天井吊下型等のように様々な型の室内機が提供されている。
例えば、天井埋設型の室内機は、図1に示す外観を有しており、図2に示すように、略直方体形状のケーシング11と、ターボファン17と、熱交換器80とを備えている。ケーシング11は、底部の中央には吸込口20が形成され、その吸込口20の外周側には矩形の各辺に対応するように4つの吹出口21が形成されている。ケーシング11の内部には、吸込口20に対応してベルマウス18が配置され、その上方には、吸込口20から空気を吸い込んで側方に空気を吹き出すためのターボファン17が配置されている。このターボファン17と吹出口21との間には、ターボファン17から吹き出された空気を熱交換するために、ターボファン17を囲むようにクロスフィン型の熱交換器80が配置されている(図3参照)。
【0003】
ターボファン17を回転させると、図2の矢印Wに示されるように、室内機1の内部に吸込口20から室内の空気が吸い込まれる。吸い込まれた空気は、図2の矢印Xに示されるように、ターボファン17の外周側に吹き出される。ターボファン17の外周側に吹き出された空気は、矢印Yに示されるように、ターボファン17の外周側に配置された熱交換器80によって熱交換され、ケーシング11の底部に設けられた吹出口21から室内に吹き出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の室内機1のように、取り込んだ空気を遠心方向に全周にわたって概ね均等に送り出す必要がある場合には、羽根が回転方向後ろ向きに湾曲しているターボファンが使われることが多い。
しかし、最近では、室内機の小型化の要請から、室内機の送風機の径を小さくすることが求められている。ここで、単にターボファンの径を小さくすると静圧も落ちてしまうため、代替品が必要となる。そこで、同程度の径で比較したときにターボファンよりも静圧が高くなるシロッコファンを代替品の候補に挙げることができるが、図4に示すように、シロッコファン41は動圧を回収するために渦巻き状のスクロールケーシング60を備えている必要がある。すなわち、従来のシロッコファンでは、図4において1点鎖線の矢印F1で示す空気の流れから明らかなように、遠心方向に全周にわたって空気を吐出する構造となっていない。
【0005】
本発明の課題は、回転方向前向きの羽根を持つ多翼形(シロッコ形)の遠心ファンロータを利用しつつ、静圧を確保して遠心方向に全周にわたって空気を吐出することができる遠心送風機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る遠心送風機は、シロッコ形遠心ファンロータと、環状のディフューザとを備えている。ディフューザは、シロッコ形遠心ファンロータの外周側に配置される。
従来は、シロッコ形遠心ファンロータから遠心方向に吐出される動圧部分の多い空気を、スクロールケーシングによって一方向に集めることで、静圧を確保している。
【0007】
これに対し、請求項1の遠心送風機では、シロッコ形遠心ファンロータから吐出される空気を、シロッコ形遠心ファンロータの外周を取り巻く環状のディフューザを通すことによって、静圧を確保している。そして、送風空気は、環状のディフューザから遠心方向に概ね全周にわたって吐出されることになるため、そのような特性が必要なときに従来使われていたターボファンなどに置き換えて本請求項に係る遠心送風機を使うことができるようになる。
【0008】
請求項2に係る遠心送風機は、請求項1に記載の遠心送風機であって、ディフューザから全周に空気が吹き出される。
請求項3に係る遠心送風機は、シロッコ形遠心ファンロータの外周側に熱交換器が環状に配置される請求項1又は2に記載の遠心送風機であって、ディフューザは、熱交換器のフィンにより形成される。
【0009】
空気調和機などにおいては、従来から、遠心方向に全周にわたって空気を吐出するターボファンなどを取り囲むように熱交換器が配置されていることがある。ターボファンなどと熱交換器とは、それぞれ役割が異なり、特に一体性を有するものではない。
これに対し、本請求項の遠心送風機は、シロッコ形遠心ファンロータの外周側に環状に配置される熱交換器を自己の役割のために利用することとし、その熱交換器のフィンをディフューザとして作用させるようにしている。すなわち、熱交換器のフィンは、熱交換器の熱交換効率を向上させるためのものであるとともに、遠心送風機の静圧を確保するためのものとしても作用するようになっている。このように熱交換器のフィンに遠心送風機のディフューザとしての役割を兼任させることによって、遠心送風機および熱交換器を一体と考えたときの占有スペースを小さくすることができ、遠心送風機および熱交換器を搭載する空気調和機などの機器の小型化を図ることができる。
【0010】
請求項4に係る空気調和機は、シロッコ形遠心ファンロータと、熱交換器とを備えている。熱交換器は、シロッコ形遠心ファンロータの外周側に環状に配置されており、内部に冷媒を流す伝熱管と、その伝熱管に装着される複数のフィンとを有している。そして、熱交換器の複数のフィンは、シロッコ形遠心ファンロータの外周側において、ディフューザとしての役割を果たす。
【0011】
従来の空気調和機に、遠心方向に全周にわたって空気を吐出するターボファンを取り囲むようにして熱交換器が配置されているものがある。ターボファンと熱交換器とは、それぞれ役割が異なり、特に一体性を有するものではない。
これに対し、本請求項の空気調和機は、シロッコ形遠心ファンロータの外周側に環状に配置される熱交換器を利用して、シロッコ形遠心ファンロータから吐出される空気の動圧部分を回収する構成を採っている。すなわち、ここでは、熱交換器のフィンが、シロッコ形遠心ファンロータの外周側においてディフューザとして作用するような配置を採っている。このように熱交換器のフィンに遠心送風機のディフューザとしての役割を兼任させることによって、ディフューザを別に備えた遠心送風機と熱交換器との組み合わせに較べ、空気調和機の小型化を図ることができるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
<構成>
本発明の一実施形態に係る遠心送風機42は、図6に示すものであり、ディフューザ付きのスクロールレスシロッコファンである。この遠心送風機42は、前傾翼の多翼ファンロータ50と、その周りに配置される環状のディフューザ70とを備えている。
【0013】
多翼ファンロータ50は、従来のシロッコファンで用いられているものと同等のものであり、複数の前傾翼(回転方向前向きに傾斜する羽根)を有するシロッコ形遠心ファンロータである。多翼ファンロータ50は、図5に示すように、主板51と、リング部材52と、複数の翼53とから構成されている。主板51は、円形であり、図示しないモータによって回転させられる。主板51には中心孔51aが設けられており、この中心孔51aにモータの回転シャフトが装着される。複数の翼53は、環状に等間隔に配置され、回転軸に沿って延びている。各翼53の一端は、主板51の外周部分に固定されている。リング部材52は、環状の部材であり、主板51の外径と同じ又は若干大きい内径を有している。このリング部材52は、複数の翼53の他端において、それらの翼53の外周縁とつながっている。
【0014】
ディフューザ70は、図6に示すように、多翼ファンロータ50の外周部を取り囲むように配置される環状部材であり、基板71と、羽根部材72と、リング部材73とから構成されている。複数の羽根部材72は、一端が基板71に固定され、多翼ファンロータ50の回転軸に平行に延び、他端の外周部分がリング部材73によって一体となっている。このディフューザ70は、多翼ファンロータ50から流出する空気の運動エネルギーを圧力エネルギーとして回収するために設けられており、内周部に多翼ファンロータ50から流入してくる空気を、外周部から遠心方向に全周にわたって送り出す(図6の1点差線で示す矢印F2参照)。すなわち、遠心送風機42では、ディフューザ70から全周に空気が吹き出される。
【0015】
<特徴>
従来は、図4に示すように多翼ファンロータ50から遠心方向に吐出される動圧部分の多い空気を、スクロールケーシング60によって一方向に集めることで、静圧を確保している。
これに対し、本実施形態の遠心送風機42では、多翼ファンロータ50から吐出される空気を、多翼ファンロータ50の外周を取り巻く環状のディフューザ70を通すことによって、静圧を確保している。そして、送風空気は、環状のディフューザ70から遠心方向に概ね全周にわたって吐出されることになるため、そのような特性が必要なときに従来使われていたターボファンなどに置き換えて本実施形態の遠心送風機42を使うことができるようになる。
【0016】
[第2実施形態]
<構成>
本発明の一実施形態に係る空気調和機の室内機は、上記の「従来の技術」の欄で説明した図1〜図3に示す室内機1において、ターボファン17および熱交換器80に代えて、図7に示す熱交換器付き遠心送風機43を採用する。
【0017】
熱交換器付き遠心送風機43は、従来のファン17の役割と熱交換器80の役割の両方を果たすものであり、多翼ファンロータ50と、伝熱管91,92と、フィン93とを備えている。多翼ファンロータ50は、第1実施形態で説明した図5に示すものと同等のものである。伝熱管91,92は、ケーシング111(図2等に示す従来のケーシング11と同等のもの)の4つの角部の一つ(図7の左下の角部)に設けられた冷媒配管用の空間において、図示しない室外機から延びている冷媒配管と連結される。これらの伝熱管91,92は、多翼ファンロータ50の外周側において多翼ファンロータ50を取り囲むように環状に配置されている。フィン93は、環状の伝熱管91,92に沿って多数のものが配列されている。フィン93は、アルミ等の金属から成る薄板部材であり、伝熱管91,92を挿通させるための孔が開けられている。
【0018】
熱交換器付き遠心送風機43において遠心送風機の役割を果たす部分は、多翼ファンロータ50と、その周りに環状に多数が並べられるフィン93とになる。ここでは、フィン93が、多翼ファンロータ50から放射状に吐出される空気の運動エネルギーを圧力勾配に変換して、所定の静圧を確保する役割を果たす。
熱交換器付き遠心送風機43において熱交換器の役割を果たす部分は、伝熱管91,92と、フィン93とになる。ここでは、フィン93が、伝熱管91,92の内部を流れる冷媒と伝熱管91,92の周りを流れる空気との間における熱交換の効率を伝熱面積の拡大によって向上させる役割を果たす。このように、伝熱管91,92およびフィン93は、熱交換器付き遠心送風機43の中で、熱交換器90としての役割を果たす。
【0019】
<特徴>
空気調和機においては、従来から、遠心方向に全周にわたって空気を吐出するターボファンを取り囲むように熱交換器が配置されていることがある(図2および図3に示す従来の室内機の構造を参照)。ターボファンと熱交換器とは、それぞれ役割が異なり、特に一体性を有するものではない。
【0020】
これに対し、本実施形態の遠心送風機43は、多翼ファンロータ50の外周側に環状に配置される熱交換器90を利用して、多翼ファンロータ50から吐出される空気の動圧部分を回収する構成を採るような構成となっている。すなわち、ここでは、熱交換器90のフィン93が、多翼ファンロータ50の外周側においてディフューザとして作用するような配置を採っている。このように熱交換器90のフィン93に遠心送風機のディフューザとしての役割を兼任させることによって、ディフューザを別に備えた遠心送風機と熱交換器との組み合わせに較べ、空気調和機の室内機の小型化を図ることができる。
【0021】
【発明の効果】
請求項1又は2に係る遠心送風機では、シロッコ形遠心ファンロータから吐出される空気を、シロッコ形遠心ファンロータの外周を取り巻く環状のディフューザを通すことによって、静圧を確保している。そして、送風空気は、環状のディフューザから遠心方向に概ね全周にわたって吐出されることになるため、そのような特性が必要なときに従来使われていたターボファンなどに置き換えて本請求項に係る遠心送風機を使うことができるようになる。
【0022】
請求項3に係る遠心送風機では、シロッコ形遠心ファンロータの外周側に環状に配置される熱交換器を自己の役割のために利用することとし、その熱交換器のフィンをディフューザとして作用させるようにしている。すなわち、熱交換器のフィンは、熱交換器の熱交換効率を向上させるためのものであるとともに、遠心送風機の静圧を確保するためのものとしても作用するようになっている。このように熱交換器のフィンに遠心送風機のディフューザとしての役割を兼任させることによって、遠心送風機および熱交換器を一体と考えたときの占有スペースを小さくすることができ、遠心送風機および熱交換器を搭載する空気調和機などの機器の小型化を図ることができる。
【0023】
請求項4に係る空気調和機では、シロッコ形遠心ファンロータの外周側に環状に配置される熱交換器を利用して、シロッコ形遠心ファンロータから吐出される空気の動圧部分を回収する構成を採っている。すなわち、ここでは、熱交換器のフィンが、シロッコ形遠心ファンロータの外周側においてディフューザとして作用するような配置を採っている。このように熱交換器のフィンに遠心送風機のディフューザとしての役割を兼任させることによって、ディフューザを別に備えた遠心送風機と熱交換器との組み合わせに較べ、空気調和機の小型化を図ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】空気調和機の室内機の外観斜視図。
【図2】従来の室内機の縦断面図。
【図3】従来の室内機の熱交換器の平面配置図。
【図4】従来のスクロールケーシング付きのシロッコファンの概略図。
【図5】多翼ファンロータの平面図。
【図6】本発明の第1実施形態に係るディフューザ付きのスクロールレスシロッコファンの平面図。
【図7】本発明の第2実施形態に係る空気調和機の室内機の平面図。
【符号の説明】
1 空気調和機の室内機
42 遠心送風機
43 熱交換器付き遠心送風機(遠心送風機)
50 多翼ファンロータ(シロッコ形遠心ファンロータ)
70 ディフューザ
90 熱交換器
91,92 伝熱管
93 フィン
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠心送風機および空気調和機、特に、シロッコ形遠心ファンロータを備える遠心送風機および空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気調和機は、主に、圧縮機や熱交換器等を有する室外機と、遠心送風機や熱交換器を有する室内機とから構成されている。室内機としては、壁掛け型、天井埋設型、天井吊下型等のように様々な型の室内機が提供されている。
例えば、天井埋設型の室内機は、図1に示す外観を有しており、図2に示すように、略直方体形状のケーシング11と、ターボファン17と、熱交換器80とを備えている。ケーシング11は、底部の中央には吸込口20が形成され、その吸込口20の外周側には矩形の各辺に対応するように4つの吹出口21が形成されている。ケーシング11の内部には、吸込口20に対応してベルマウス18が配置され、その上方には、吸込口20から空気を吸い込んで側方に空気を吹き出すためのターボファン17が配置されている。このターボファン17と吹出口21との間には、ターボファン17から吹き出された空気を熱交換するために、ターボファン17を囲むようにクロスフィン型の熱交換器80が配置されている(図3参照)。
【0003】
ターボファン17を回転させると、図2の矢印Wに示されるように、室内機1の内部に吸込口20から室内の空気が吸い込まれる。吸い込まれた空気は、図2の矢印Xに示されるように、ターボファン17の外周側に吹き出される。ターボファン17の外周側に吹き出された空気は、矢印Yに示されるように、ターボファン17の外周側に配置された熱交換器80によって熱交換され、ケーシング11の底部に設けられた吹出口21から室内に吹き出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の室内機1のように、取り込んだ空気を遠心方向に全周にわたって概ね均等に送り出す必要がある場合には、羽根が回転方向後ろ向きに湾曲しているターボファンが使われることが多い。
しかし、最近では、室内機の小型化の要請から、室内機の送風機の径を小さくすることが求められている。ここで、単にターボファンの径を小さくすると静圧も落ちてしまうため、代替品が必要となる。そこで、同程度の径で比較したときにターボファンよりも静圧が高くなるシロッコファンを代替品の候補に挙げることができるが、図4に示すように、シロッコファン41は動圧を回収するために渦巻き状のスクロールケーシング60を備えている必要がある。すなわち、従来のシロッコファンでは、図4において1点鎖線の矢印F1で示す空気の流れから明らかなように、遠心方向に全周にわたって空気を吐出する構造となっていない。
【0005】
本発明の課題は、回転方向前向きの羽根を持つ多翼形(シロッコ形)の遠心ファンロータを利用しつつ、静圧を確保して遠心方向に全周にわたって空気を吐出することができる遠心送風機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る遠心送風機は、シロッコ形遠心ファンロータと、環状のディフューザとを備えている。ディフューザは、シロッコ形遠心ファンロータの外周側に配置される。
従来は、シロッコ形遠心ファンロータから遠心方向に吐出される動圧部分の多い空気を、スクロールケーシングによって一方向に集めることで、静圧を確保している。
【0007】
これに対し、請求項1の遠心送風機では、シロッコ形遠心ファンロータから吐出される空気を、シロッコ形遠心ファンロータの外周を取り巻く環状のディフューザを通すことによって、静圧を確保している。そして、送風空気は、環状のディフューザから遠心方向に概ね全周にわたって吐出されることになるため、そのような特性が必要なときに従来使われていたターボファンなどに置き換えて本請求項に係る遠心送風機を使うことができるようになる。
【0008】
請求項2に係る遠心送風機は、請求項1に記載の遠心送風機であって、ディフューザから全周に空気が吹き出される。
請求項3に係る遠心送風機は、シロッコ形遠心ファンロータの外周側に熱交換器が環状に配置される請求項1又は2に記載の遠心送風機であって、ディフューザは、熱交換器のフィンにより形成される。
【0009】
空気調和機などにおいては、従来から、遠心方向に全周にわたって空気を吐出するターボファンなどを取り囲むように熱交換器が配置されていることがある。ターボファンなどと熱交換器とは、それぞれ役割が異なり、特に一体性を有するものではない。
これに対し、本請求項の遠心送風機は、シロッコ形遠心ファンロータの外周側に環状に配置される熱交換器を自己の役割のために利用することとし、その熱交換器のフィンをディフューザとして作用させるようにしている。すなわち、熱交換器のフィンは、熱交換器の熱交換効率を向上させるためのものであるとともに、遠心送風機の静圧を確保するためのものとしても作用するようになっている。このように熱交換器のフィンに遠心送風機のディフューザとしての役割を兼任させることによって、遠心送風機および熱交換器を一体と考えたときの占有スペースを小さくすることができ、遠心送風機および熱交換器を搭載する空気調和機などの機器の小型化を図ることができる。
【0010】
請求項4に係る空気調和機は、シロッコ形遠心ファンロータと、熱交換器とを備えている。熱交換器は、シロッコ形遠心ファンロータの外周側に環状に配置されており、内部に冷媒を流す伝熱管と、その伝熱管に装着される複数のフィンとを有している。そして、熱交換器の複数のフィンは、シロッコ形遠心ファンロータの外周側において、ディフューザとしての役割を果たす。
【0011】
従来の空気調和機に、遠心方向に全周にわたって空気を吐出するターボファンを取り囲むようにして熱交換器が配置されているものがある。ターボファンと熱交換器とは、それぞれ役割が異なり、特に一体性を有するものではない。
これに対し、本請求項の空気調和機は、シロッコ形遠心ファンロータの外周側に環状に配置される熱交換器を利用して、シロッコ形遠心ファンロータから吐出される空気の動圧部分を回収する構成を採っている。すなわち、ここでは、熱交換器のフィンが、シロッコ形遠心ファンロータの外周側においてディフューザとして作用するような配置を採っている。このように熱交換器のフィンに遠心送風機のディフューザとしての役割を兼任させることによって、ディフューザを別に備えた遠心送風機と熱交換器との組み合わせに較べ、空気調和機の小型化を図ることができるようになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
<構成>
本発明の一実施形態に係る遠心送風機42は、図6に示すものであり、ディフューザ付きのスクロールレスシロッコファンである。この遠心送風機42は、前傾翼の多翼ファンロータ50と、その周りに配置される環状のディフューザ70とを備えている。
【0013】
多翼ファンロータ50は、従来のシロッコファンで用いられているものと同等のものであり、複数の前傾翼(回転方向前向きに傾斜する羽根)を有するシロッコ形遠心ファンロータである。多翼ファンロータ50は、図5に示すように、主板51と、リング部材52と、複数の翼53とから構成されている。主板51は、円形であり、図示しないモータによって回転させられる。主板51には中心孔51aが設けられており、この中心孔51aにモータの回転シャフトが装着される。複数の翼53は、環状に等間隔に配置され、回転軸に沿って延びている。各翼53の一端は、主板51の外周部分に固定されている。リング部材52は、環状の部材であり、主板51の外径と同じ又は若干大きい内径を有している。このリング部材52は、複数の翼53の他端において、それらの翼53の外周縁とつながっている。
【0014】
ディフューザ70は、図6に示すように、多翼ファンロータ50の外周部を取り囲むように配置される環状部材であり、基板71と、羽根部材72と、リング部材73とから構成されている。複数の羽根部材72は、一端が基板71に固定され、多翼ファンロータ50の回転軸に平行に延び、他端の外周部分がリング部材73によって一体となっている。このディフューザ70は、多翼ファンロータ50から流出する空気の運動エネルギーを圧力エネルギーとして回収するために設けられており、内周部に多翼ファンロータ50から流入してくる空気を、外周部から遠心方向に全周にわたって送り出す(図6の1点差線で示す矢印F2参照)。すなわち、遠心送風機42では、ディフューザ70から全周に空気が吹き出される。
【0015】
<特徴>
従来は、図4に示すように多翼ファンロータ50から遠心方向に吐出される動圧部分の多い空気を、スクロールケーシング60によって一方向に集めることで、静圧を確保している。
これに対し、本実施形態の遠心送風機42では、多翼ファンロータ50から吐出される空気を、多翼ファンロータ50の外周を取り巻く環状のディフューザ70を通すことによって、静圧を確保している。そして、送風空気は、環状のディフューザ70から遠心方向に概ね全周にわたって吐出されることになるため、そのような特性が必要なときに従来使われていたターボファンなどに置き換えて本実施形態の遠心送風機42を使うことができるようになる。
【0016】
[第2実施形態]
<構成>
本発明の一実施形態に係る空気調和機の室内機は、上記の「従来の技術」の欄で説明した図1〜図3に示す室内機1において、ターボファン17および熱交換器80に代えて、図7に示す熱交換器付き遠心送風機43を採用する。
【0017】
熱交換器付き遠心送風機43は、従来のファン17の役割と熱交換器80の役割の両方を果たすものであり、多翼ファンロータ50と、伝熱管91,92と、フィン93とを備えている。多翼ファンロータ50は、第1実施形態で説明した図5に示すものと同等のものである。伝熱管91,92は、ケーシング111(図2等に示す従来のケーシング11と同等のもの)の4つの角部の一つ(図7の左下の角部)に設けられた冷媒配管用の空間において、図示しない室外機から延びている冷媒配管と連結される。これらの伝熱管91,92は、多翼ファンロータ50の外周側において多翼ファンロータ50を取り囲むように環状に配置されている。フィン93は、環状の伝熱管91,92に沿って多数のものが配列されている。フィン93は、アルミ等の金属から成る薄板部材であり、伝熱管91,92を挿通させるための孔が開けられている。
【0018】
熱交換器付き遠心送風機43において遠心送風機の役割を果たす部分は、多翼ファンロータ50と、その周りに環状に多数が並べられるフィン93とになる。ここでは、フィン93が、多翼ファンロータ50から放射状に吐出される空気の運動エネルギーを圧力勾配に変換して、所定の静圧を確保する役割を果たす。
熱交換器付き遠心送風機43において熱交換器の役割を果たす部分は、伝熱管91,92と、フィン93とになる。ここでは、フィン93が、伝熱管91,92の内部を流れる冷媒と伝熱管91,92の周りを流れる空気との間における熱交換の効率を伝熱面積の拡大によって向上させる役割を果たす。このように、伝熱管91,92およびフィン93は、熱交換器付き遠心送風機43の中で、熱交換器90としての役割を果たす。
【0019】
<特徴>
空気調和機においては、従来から、遠心方向に全周にわたって空気を吐出するターボファンを取り囲むように熱交換器が配置されていることがある(図2および図3に示す従来の室内機の構造を参照)。ターボファンと熱交換器とは、それぞれ役割が異なり、特に一体性を有するものではない。
【0020】
これに対し、本実施形態の遠心送風機43は、多翼ファンロータ50の外周側に環状に配置される熱交換器90を利用して、多翼ファンロータ50から吐出される空気の動圧部分を回収する構成を採るような構成となっている。すなわち、ここでは、熱交換器90のフィン93が、多翼ファンロータ50の外周側においてディフューザとして作用するような配置を採っている。このように熱交換器90のフィン93に遠心送風機のディフューザとしての役割を兼任させることによって、ディフューザを別に備えた遠心送風機と熱交換器との組み合わせに較べ、空気調和機の室内機の小型化を図ることができる。
【0021】
【発明の効果】
請求項1又は2に係る遠心送風機では、シロッコ形遠心ファンロータから吐出される空気を、シロッコ形遠心ファンロータの外周を取り巻く環状のディフューザを通すことによって、静圧を確保している。そして、送風空気は、環状のディフューザから遠心方向に概ね全周にわたって吐出されることになるため、そのような特性が必要なときに従来使われていたターボファンなどに置き換えて本請求項に係る遠心送風機を使うことができるようになる。
【0022】
請求項3に係る遠心送風機では、シロッコ形遠心ファンロータの外周側に環状に配置される熱交換器を自己の役割のために利用することとし、その熱交換器のフィンをディフューザとして作用させるようにしている。すなわち、熱交換器のフィンは、熱交換器の熱交換効率を向上させるためのものであるとともに、遠心送風機の静圧を確保するためのものとしても作用するようになっている。このように熱交換器のフィンに遠心送風機のディフューザとしての役割を兼任させることによって、遠心送風機および熱交換器を一体と考えたときの占有スペースを小さくすることができ、遠心送風機および熱交換器を搭載する空気調和機などの機器の小型化を図ることができる。
【0023】
請求項4に係る空気調和機では、シロッコ形遠心ファンロータの外周側に環状に配置される熱交換器を利用して、シロッコ形遠心ファンロータから吐出される空気の動圧部分を回収する構成を採っている。すなわち、ここでは、熱交換器のフィンが、シロッコ形遠心ファンロータの外周側においてディフューザとして作用するような配置を採っている。このように熱交換器のフィンに遠心送風機のディフューザとしての役割を兼任させることによって、ディフューザを別に備えた遠心送風機と熱交換器との組み合わせに較べ、空気調和機の小型化を図ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】空気調和機の室内機の外観斜視図。
【図2】従来の室内機の縦断面図。
【図3】従来の室内機の熱交換器の平面配置図。
【図4】従来のスクロールケーシング付きのシロッコファンの概略図。
【図5】多翼ファンロータの平面図。
【図6】本発明の第1実施形態に係るディフューザ付きのスクロールレスシロッコファンの平面図。
【図7】本発明の第2実施形態に係る空気調和機の室内機の平面図。
【符号の説明】
1 空気調和機の室内機
42 遠心送風機
43 熱交換器付き遠心送風機(遠心送風機)
50 多翼ファンロータ(シロッコ形遠心ファンロータ)
70 ディフューザ
90 熱交換器
91,92 伝熱管
93 フィン
Claims (4)
- シロッコ形遠心ファンロータ(50)と、
前記シロッコ形遠心ファンロータの外周側に配置される環状のディフューザ(70)と、
を備えた遠心送風機(42)。 - 前記ディフューザ(70)から全周に空気が吹き出される、
請求項1に記載の遠心送風機(42)。 - 前記ディフューザは、前記シロッコ形遠心ファンロータ(50)の外周側に環状に配置される熱交換器のフィン(93)により形成される、
請求項1又は2に記載の遠心送風機(43)。 - シロッコ形遠心ファンロータ(50)と、
内部に冷媒を流す伝熱管(91,92)と、前記伝熱管に装着される複数のフィン(93)とを有し、前記シロッコ形遠心ファンロータ(50)の外周側に環状に配置される熱交換器(90)と、
を備え、
前記熱交換器の複数のフィン(93)が、前記シロッコ形遠心ファンロータ(50)の外周側において、ディフューザとしての役割を果たす、
空気調和機。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2002-07-31 JP JP2002224078A patent/JP2004060622A/ja active Pending
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