JP2007107435A - ターボファン及びこれを用いた空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ファン吹出口における羽根高さ方向の風速分布を均一化して運転音を低減したターボファン、及びこのターボファンを適用して運転を低減した空気調和機を提供すること。
【解決手段】本発明のターボファンは、モータの回転軸を固定するハブ24と、ハブ24の外周側に形成された主板25と、主板25に対向配置されて気体流路26を形成するシュラウド27と、これら主板25とシュラウド27との間に配置された複数枚の羽根28と、シュラウド27の吸入側に配置されたベルマウス22とを有するものであって、羽根28の後縁28aのシュラウド27側がシュラウド27の外周縁27aの半径方向外側に突出するように形成されている。また、本発明の空気調和機は、上記構成のターボファンを搭載したものである。
【選択図】図6
【解決手段】本発明のターボファンは、モータの回転軸を固定するハブ24と、ハブ24の外周側に形成された主板25と、主板25に対向配置されて気体流路26を形成するシュラウド27と、これら主板25とシュラウド27との間に配置された複数枚の羽根28と、シュラウド27の吸入側に配置されたベルマウス22とを有するものであって、羽根28の後縁28aのシュラウド27側がシュラウド27の外周縁27aの半径方向外側に突出するように形成されている。また、本発明の空気調和機は、上記構成のターボファンを搭載したものである。
【選択図】図6
Description
本発明は、ターボファン及びこれを用いた空気調和機に関し、特にターボファン及びこれを用いた空気調和機における騒音の低減に関する。
一般に、ターボファンは、高効率、かつ低騒音であることから空気調和機に多用されている。また、最近の空気調和機としては、業務用では天井埋込型の空気調和機が多く利用され、また、家庭用では壁掛け型の空気調和機が多く利用されている。そして、これら空気調和機においては、小型コンパクト化のためにターボファンの吹出側に熱交換器を配置する構造が多くなってきている。
このようにターボファンの吹出側に熱交換器を配置する構造においては、熱交換器における風速分布を均一化するために、羽根車の軸方向長さ、つまり羽根の高さを熱交換器のサイズに合わせて大きくしなければならない場合が多くなってきている。
ところで、一般に、ターボファンでは、シュラウド表面(シュラウドの、主板に対向する側の面)のファン吹出口近傍において剥離流が生じ、この剥離流により騒音が発生するとともに、ファン吹出口における空気流の風速分布が主板側に偏った状態になるという問題がある。また、ターボファンの吹出側に熱交換器等を配置した空気調和機では、ファン吹出口における空気流の風速分布が主板側に偏った状態になるため、熱交換器の風速分布が不均一となって、熱交換器の熱交換効率の低下及び熱交換器の通風抵抗の増加を招き、惹いては、ファン動力の増加及びエネルギー効率の低下を招く原因となっていた。
この剥離流を図8及び図9により説明する。図8は、従来例のターボファンの羽根車外観斜視図であり、図9は、同ターボファンの部分縦断面図である。これら図に示すように、ターボファンは、モータの回転軸を固定するハブ101と、ハブ101の外周側に一体に形成された主板102と、主板102に対向配置されて気体流路103を形成するシュラウド104と、これら主板102とシュラウド104との間に配置された複数枚の羽根105と、シュラウド104の吸入側に配置されたベルマウス106とを有している。そして、ハブ101、主板102、シュラウド104及び羽根105が、このターボファンの羽根車を構成している。この羽根車は図8の矢印Rの方向に回転する。
ターボファンの羽根車は、シュラウド104の外周直径と主板102の外周直径とは略同一に形成され、さらに、羽根105の後縁105aは、シュラウド104の外周縁104a及び主板102の外周縁102aと略一致するように形成されていた。一方、ベルマウス106は、このターボファンが用いられる空気調和機を構成するケーシング等の構成部材に取り付けられていた。なお、ベルマウス106の中央部がファン吸込口107を構成し、気体流路103の外周側がファン吹出口108を構成している。
このような構成のターボファンでは、ファン吹出口108から吹き出される空気流のうち一部がベルマウス106表面に沿ってシュラウド104の吸入口104b側に回り、ベルマウス106とシュラウド104との隙間109から吸入されている。また、吸入された空気は、シュラウド表面104cに沿ってファン吹出口へ流れ、再度ファン吹出口108から吹き出されるという循環空気流を形成している。しかし、シュラウド表面104cは吸入口104bからファン吹出口108にかけての形状変化が急激であるため、ファン吹出口108近傍で剥離流Eが形成されていた。そして、この剥離流Eにより、前述のように、騒音が発生し、ファン吹出口108における風速分布が主板102側に偏るという問題があった。
このような問題を解決するものとして、特許文献1記載のターボファンが提案されている。このターボファンは、基本的な構造が上記図8及び図9と同一であって、羽根105の形状が改善工夫されている。この改善工夫として、例えば次のように構成されている。羽根105は、後縁105aのシュラウド104側の位置(この場合、後縁105aとシュラウド104との結合位置)が、後縁105aの主板102側の位置(後縁105aと主板102との結合位置)よりも反回転方向に所定量オフセットされている。また、シュラウド側翼素の正圧面が凸状に形成されるとともに、シュラウド側翼素のキャンバー線の最大そり位置が翼弦長の中間位置より前縁側に位置している。さらに、シュラウド側羽根入口角が、シュラウド側羽根翼素のキャンバー線を単円弧キャンバー線とした場合と同じ角度に形成されるとともに、主板側翼素のキャンバー線が単円弧形状とされている。このようにすることにより、シュラウド側羽根出口角を大きくして、このシュラウド側羽根出口角を主板側羽根出口角に近づけている。
特許文献1の従来ターボファンは、上記のように羽根105を構成することにより、羽根の前縁105bから流入して羽根の後縁105aに向かって流れる空気流に対し、シュラウド104方向への力を与えて、剥離流Eを抑制するようにしている。また、この従来ターボファンは、シュラウド側羽根出口角を主板側羽根出口角に近づけることで、ファン吹出口108における羽根105の高さ方向における風速分布の均一化を図っている。
特開平5−312189号公報、段落番号0001〜0014、0032、0036〜0047
しかしながら、この従来ターボファンにあっては、未だ、シュラウド104表面のファン吹出口108近傍に発生する剥離流Eを十分に抑制できていなかった。このため、剥離流Eによる騒音を十分に抑制できていなかった、また、ファン吹出口108における羽根105の高さ方向の風速分布が主板102側へ偏っていた。また、特許文献1のターボファンを搭載した空気調和機では運転音が大きいという問題があった。また、特許文献1のターボファンを用い、ファン吹出側に熱交換器を配置した空気調和機にあっては、熱交換器における風速分布が不均一となるため、熱交換器の通風抵抗が大きくなってファン動力が大きくなるとともに、熱交換器の熱交換効率が低くなっていた。この結果、空気調和機のエネルギー効率が低くなるといった問題があった。このような理由により、特許文献1のターボファンにおいても、ファン吹出口における羽根高さ方向の風速分布の更なる改善が求められていた。
本発明は、従来技術に存在するこのような問題点に着目してなされたものである。すなわち、本発明は、ターボファン一般に適用できる新規な構成であって、ターボファンのシュラウド表面のファン吹出口近傍に発生する剥離流を抑制することにより、ターボファンのファン吹出口における羽根高さ方向の風速分布を均一化するとともに、ターボファンの運転音を低減することを目的とする。またターボファンを搭載する空気調和機において、このように構成されたターボファンを用いることにより空気調和機の運転音を低減することを目的とする。
本発明は上記課題に鑑み成されたものである。本発明に係るターボファンは、モータの回転軸を固定するハブと、ハブの外周側に形成された主板と、主板に対向配置されて気体流路を形成するシュラウドと、これら主板とシュラウドとの間に配置された複数枚の羽根と、シュラウドの吸入側に配置されたベルマウスとを有し、前記羽根の後縁のシュラウド側がシュラウドの外周縁の半径方向外側に突出するように形成されていることを特徴とする。なお、本明細書においては、シュラウドの、主板に対向する側の面を、シュラウド表面と称し、その反対側の面をシュラウド裏面と称するものとする。
上述の如く構成されたターボファンによれば、羽根の後縁がシュラウドの外周縁から半径方向外側へ突出しているので、ファン吹出口から吹き出される吹出気流の一部がシュラウドの外周縁で邪魔されずにベルマウス側に回りやすくなる。このため、ベルマウス側に回る空気流が多くなり、ベルマウス表面からシュラウドとベルマウスとの隙間を通して吸入される空気量が増加し、シュラウド表面に沿ってシュラウドの吸入口からファン吹出口に向かって流れる空気流が増加する。この結果、シュラウド表面のファン吹出口近傍に発生する剥離流が抑制されて、ターボファンの運転音が低下するとともに、ファン吹出口における羽根高さ方向の風速分布が均一化される。
また、前記羽根の後縁は、シュラウドの外周縁の半径方向外側に突出するとともに、シュラウド裏面側方向へ突出するように構成されているものとするのが好ましい。このようにシュラウド裏面側方向へ羽根の後縁を突出させると、シュラウド裏面に沿ってシュラウドの中心側から外周に向かって流れる空気流が発生する。そして、この空気流は、シュラウドとベルマウスとの間の空間を循環する循環気流に形成される。したがって、ファン吹出口からの吹出気流の一部がこの循環気流に引き込まれてベルマウス側に流れる量が増加する。これにより、シュラウドとベルマウスとの隙間から吸い込まれる空気量が増加し、シュラウド表面に沿ってシュラウドの吸入口からファン吹出口に向かって流れる空気流が増加する。この結果、シュラウド表面のファン吹出口近傍に発生する剥離流がさらに抑制されて、ターボファンの運転音がさらに低下するとともに、ファン吹出口における羽根高さ方向の風速分布がさらに均一化される。
また、前記羽根は、3次元曲面を描く羽根であって、該羽根の後縁が羽根の正圧面及び負圧面を延長した形状でシュラウド裏面側に突出しているのが好ましい。このように構成すると、3次元曲面の羽根の形状により突出した羽根の後縁で吹出気流の一部をベルマウス側に向けることができる。したがって、シュラウドとベルマウスとの間の空間に形成される循環気流、並びに、ファン吹出口からベルマウスの表面を経由して、シュラウドとベルマウスとの隙間からシュラウド表面に沿ってファン吹出口に向かって流れる空気流が増加する。この結果、シュラウド表面のファン吹出口近傍に発生する剥離流がより一層抑制されるので、ターボファンの運転音がより一層低下するとともに、ファン吹出口における羽根高さ方向の風速分布がより一層均一化する。
また、本発明に係る空気調和機は、上記のように構成されたターボファンを搭載したものである。この空気調和機によれば、ターボファンの運転音が低減されるので、空気調和機の騒音を低減することができる。
また、上記のように構成されたターボファンを搭載した空気調和機において、ターボファンのファン吸込口の前面に室内空気を吸い込む空気吸込口を有し、前記ターボファンの吹出側に熱交換器を配置し、この熱交換器の下流側に室内へ空気を吹き出す空気吹出口を配置したものとしてもよい。このように構成した空気調和機によれば、熱交換器の前後方向の寸法を小さくすることにより、空気調和機の前後方向の寸法を小さくすることができる。また、ターボファンのファン吹出口における羽根高さ方向の風速分布が均一化されて、熱交換器の風速分布が改善される。その結果、熱交換器の熱交換効率が改善されるとともに機内抵抗が低減され、空気調和機のエネルギー効率が改善される。
本発明に係るターボファンによれば、羽根の後縁がシュラウド外周から突出しているので、ファン吹出口からの吹出気流の一部がシュラウドの外周縁で邪魔されずにベルマウス側に回りやすくなる。このため、ベルマウス側に回る気流が多くなり、シュラウドとベルマウスとの隙間からシュラウド表面に沿ってファン吹出口に向かって流れる空気流が増加する。この結果、シュラウド表面のファン吹出口近傍に発生する剥離流が抑制されて、ターボファンの運転音が低下するとともに、ファン吹出口における羽根高さ方向の風速分布が均一化される。また、このターボファンを空気調和機に用いることにより、空気調和機の運転音を低減させることができる。
以下、この発明の実施の形態に係るターボファン及びこのターボファンを搭載した空気調和機について、図面に基づき説明する。
この実施の形態に係る空気調和機は、図1の外観斜視図に示すように、横長箱型形状に形成された壁掛型空気調和機の室内ユニットである。また、この室内ユニットは、図2の平断面図に示すように、奥行き寸法が小さくなるように形成されており、本体ケーシング1内に室内ファンとしてのターボファン2と、室内空気を冷却又は加熱する熱交換器4とが収納されている。
この実施の形態に係る空気調和機は、図1の外観斜視図に示すように、横長箱型形状に形成された壁掛型空気調和機の室内ユニットである。また、この室内ユニットは、図2の平断面図に示すように、奥行き寸法が小さくなるように形成されており、本体ケーシング1内に室内ファンとしてのターボファン2と、室内空気を冷却又は加熱する熱交換器4とが収納されている。
本体ケーシング1は、図1の外観斜視図に示すように、前面に前板11を備えている、この前板11は、中央部に室内空気を吸い込む空気吸込口12を備え、左右側方部分に、熱交換器4で熱交換された空気を吹き出すための空気吹出口13を備えている。また、本体ケーシング1の内部は、図2の平断面図及び図3の前面開放斜視図に示すように、中央部にターボファン2を配置し、その左右両側に熱交換器4を配置している。ターボファン2は空気吸込口12から吸入した空気を左右側方に吹き出すように配置され、熱交換器4がターボファン2の吹出側となるように構成されている。また、本体ケーシング1内は、空気吸込口12から吸入された空気がターボファン2に吸入され、ターボファン2から吹き出された空気が熱交換器4で熱交換され、その後、空気吹出口13から室内に吹出されるように空気通路14が形成されている。
ターボファン2は、図2に示すように、羽根車21と、羽根車21に空気を案内するベルマウス22と、羽根車21を駆動するモータ23とを有している。そして、羽根車21の回転軸、すなわち、モータ23の回転軸23aが本体ケーシング1の前後方向となるように、本体ケーシング1の内部中央部に配置されている。ベルマウス22は、空気吸込口12の背面側となるように配置されている。モータ23は、薄型仕様のモータ、例えばプリントモータが使用されており、羽根車21の背面側において、本体ケーシング1の背壁に固定されている。
羽根車21は、図2〜図6に示すように、モータ23の回転軸23aを固定するハブ24と、ハブ24の外周側に一体に形成された主板25と、主板25に対向配置されて気体流路26を形成するシュラウド27と、これら主板25とシュラウド27との間に配置された7枚の羽根28とから構成されている。なお、図4は羽根車の外観斜視図であり、図5は羽根車の部分拡大外観斜視図であり、図6はターボファンの部分縦断面図である。なお、図3〜図5における矢印Rは羽根車21の回転方向を示している。ベルマウス22は、中央穴部がファン吸込口29を形成するとともに、図2に示すように前板11と協働して熱交換器4の吸込側を区画する仕切壁としても機能している。また、気体流路26の外周側、つまり、羽根28の後縁28a側がファン吹出口30である。
羽根28は、前述の特許文献1記載のものと同様の3次元曲面の正圧面28b及び負圧面28cを備えたものに形成されている。すなわち、羽根28は、後縁28aのシュラウド27側の位置が、後縁28aの主板25側の位置(後縁28aと主板25との結合位置)よりも反回転方向に所定量オフセットされている。また、シュラウド側翼素の正圧面28bが凸状に形成されるとともに、シュラウド側翼素のキャンバー線の最大そり位置が翼弦長の中間位置より羽根28の前縁28d側に位置している。さらに、シュラウド側羽根入口角が、シュラウド側羽根翼素のキャンバー線を単円弧キャンバー線とした場合と同じ角度に形成されるとともに、主板側翼素のキャンバー線が単円弧形状とされている。
そして、シュラウド27の外周直径が主板25の外周直径より小さく形成され、羽根28の後縁28aが、主板25の外周縁25aに略一致するように形成され、後縁28aのシュラウド27側がシュラウド27の外周縁27aの半径方向外側に突出して突出部分28eを形成している。また、この突出部分28eは、羽根28の正圧面28b及び負圧面28cを延長した形状でシュラウド裏面27b側方向へ突出している。
熱交換器4は、図2に示すように、ターボファン2の吹出側である左右両側に略対称的に分散配置されている。分散配置された両熱交換器4は、図7の外観斜視図に示すように底部スペースを利用して配置される冷媒配管41により連結され、一体となって作用するように構成されている。また、左右の各熱交換器4は、図7に示すように、前板42と後板43との間に扁平チューブ44が前後方向に平行に6列配置され、これら扁平チューブ44間及び扁平チューブ44と前板42又は後板43との間にコルゲートフィン45を介在させ、扁平チューブ44とコルゲートフィン45とをろう付け等により接合したものである。
以上のように構成された空気調和機及び空気調和機に搭載されたターボファンは、次のように作用する。空気調和機の運転が開始されてターボファン2が運転されると、空気吸込口12から室内空気が吸い込まれる。この室内空気は、ファン吸込口29からターボファン2の気体流路26に取り込まれ羽根28により昇圧されてファン吹出口30から吹き出される。ファン吹出口30から吹き出された空気は、左右両側の熱交換器4で熱交換されて、空気吹出口13から室内に吹き出される。
また、ターボファン2は、図5及び図6に示すように、羽根28の後縁28aがシュラウド27の外周縁27aから半径方向外側へ突出して、突出部分28eを形成しているので、ファン吹出口30から吹き出される吹出気流S1の一部S2がシュラウド27の外周縁27aで邪魔されずにベルマウス22側に回りやすくなる。このため、ベルマウス22側に回る空気流が多くなり、ベルマウス22表面からシュラウド27とベルマウス22との隙間31を通して吸入される空気量が増加し、シュラウド表面27c(図6参照)に沿ってシュラウド27の吸入口27dからファン吹出口30に向かって流れる空気流S3が増加する。この結果、シュラウド表面27cのファン吹出口30近傍に発生する剥離流Eが抑制されて、ターボファン2の運転音が低下するとともに、ファン吹出口30における羽根28高さ方向の風速分布が均一化される。
また、羽根28の後縁28aのシュラウド側は、シュラウド27の外周縁27aの半径方向外側に突出する突出部分がシュラウド裏面27b側方向へも突出しているので、シュラウド裏面27bに沿ってシュラウド27の中心側から外周に向かって流れる空気流が発生する。そして、この空気流は、シュラウド27とベルマウス22との間の空間を循環する循環気流S4に形成される。したがって、ファン吹出口30からの吹出気流S1の一部S2がこの循環気流S4に引き込まれてベルマウス22側に流れる量が増加する。これにより、シュラウド27とベルマウス22との隙間31から吸い込まれる空気量が増加し、シュラウド表面27cに沿ってシュラウド27の吸入口27dからファン吹出口30に向かって流れる空気流S3が増加する。この結果、シュラウド表面27cのファン吹出口30近傍に発生する剥離流Eがさらに抑制されて、ターボファン2の運転音がさらに低下するとともに、ファン吹出口30における羽根28高さ方向の風速分布がさらに均一化される。
また、羽根28は、3次元曲面を描くものであって、該羽根28の後縁28aが羽根28の正圧面28b(図5参照)及び負圧面28cを延長した形状でシュラウド裏面27b側に突出した突出部分28eを形成しているので、この3次元曲面を備えた突出部分28eの作用により吹出気流S1の一部S2をベルマウス22側により多く向けることができる。したがって、シュラウド27とベルマウス22との間の空間に形成される循環気流S4、並びに、ファン吹出口30からベルマウス22の表面を経由して、シュラウド27とベルマウス22との隙間からシュラウド表面27cに沿ってファン吹出口30に向かって流れる空気流S3が増加する。この結果、シュラウド表面27cのファン吹出口30近傍に発生する剥離流Eがより一層抑制されるので、ターボファン2の運転音がより一層低下するとともに、ファン吹出口30における羽根28高さ方向の風速分布がより一層均一化する。
また、この実施の形態におけるターボファン2は、前述の特許文献1に記載のターボファンと同様に、羽根28の後縁28aの位置がシュラウド27側と主板25側とで異なっている。すなわち、後縁28aのシュラウド27側の位置が主板25側の位置より反回転方向に所定量オフセットされているので、羽根28の前縁28dから後縁28aに向かって流れる空気流にシュラウド27方向への力が与えられる。したがって、この点からも剥離流Eが抑制される。また、シュラウド側翼素の正圧面が凸状に形成されるとともに、シュラウド側翼素のキャンバー線の最大そり位置が翼弦長の中間位置より前縁28d側に位置している。さらに、シュラウド側羽根入口角が、シュラウド側羽根翼素のキャンバー線を単円弧キャンバー線とした場合と同じ角度に形成されるとともに、主板側翼素のキャンバー線が単円弧形状とされている。このようにすることにより、シュラウド側羽根出口角を大きくして、このシュラウド側羽根出口角を主板側羽根出口角に近づけている。このような構成を有することにより、ファン吹出口30における羽根28の高さ方向の風速分布が均一化されている。
また、この実施の形態に係る空気調和機は、ターボファン2の運転音が低減されるので、空気調和機としての運転音を低減することができる。
また、この空気調和機では、ターボファン2のファン吸込口29の前面に室内空気を吸い込む空気吸込口12を有し、ターボファン2の吹出側に熱交換器4を配置し、この熱交換器4の下流側に室内へ空気を吹き出す空気吹出口13を配置したものとしているので、熱交換器4の前後方向の寸法を小さくすることにより、空気調和機の前後方向の外形寸法を小さくすることが可能となる。また、ターボファン2のファン吹出口30における羽根高さ方向の風速分布が均一化されて、熱交換器4の風速分布が改善される。その結果、熱交換器4の熱交換効率が改善されるとともに機内抵抗が低減され、空気調和機のエネルギー効率が改善される。
また、この空気調和機では、ターボファン2のファン吸込口29の前面に室内空気を吸い込む空気吸込口12を有し、ターボファン2の吹出側に熱交換器4を配置し、この熱交換器4の下流側に室内へ空気を吹き出す空気吹出口13を配置したものとしているので、熱交換器4の前後方向の寸法を小さくすることにより、空気調和機の前後方向の外形寸法を小さくすることが可能となる。また、ターボファン2のファン吹出口30における羽根高さ方向の風速分布が均一化されて、熱交換器4の風速分布が改善される。その結果、熱交換器4の熱交換効率が改善されるとともに機内抵抗が低減され、空気調和機のエネルギー効率が改善される。
本発明は、以上説明した実施の形態において次のように変形することもできる。
(1)上記実施の形態においては、羽根28を前述の特許文献1に記載の羽根と同様のものとしたが、これに限られるものではない。例えば、特許文献1において従来技術として紹介されているような羽根28、すなわち、羽根28の前縁28d及び後縁28aがそれぞれ主板25及びシュラウド27に直交する二次元形状の羽根28とすることもできる。
(1)上記実施の形態においては、羽根28を前述の特許文献1に記載の羽根と同様のものとしたが、これに限られるものではない。例えば、特許文献1において従来技術として紹介されているような羽根28、すなわち、羽根28の前縁28d及び後縁28aがそれぞれ主板25及びシュラウド27に直交する二次元形状の羽根28とすることもできる。
(2)上記実施の形態では、羽根28の後縁28aがシュラウド裏面27b側に突出しているが、本発明は、このようにシュラウド裏面27b側に突出するものに限定されるものはない。例えば、羽根28を上記(1)に記載のような二次元形状としたものとし、この羽根28の後縁28aをシュラウド裏面27b側には突出させずに、シュラウド27の外周縁27aから半径方向外側のみに突出するものとしてもよい。
(3)上記実施の形態においては、本発明に係るターボファン2を搭載した空気調和機として壁掛型空気調和機について述べたが、これは他の形式にしてもよいことは勿論である。例えば、コンパクト型の天井埋込型などには好適である。また、ターボファン2の吹出側に設ける熱交換器4も、クロスフィンコイル式熱交換器などの他の形式の熱交換器4とすることができることも勿論である。また、空気調和機としては、ターボファン2の吹出側に熱交換器4を配置する構造に限定されるものではなく、ターボファン2の吸込側に熱交換器4を配置する空気調和機としても、本発明に係るターボファン2を適用きることは勿論である。
本発明に係るターボファンは、二次元形状の羽根を備えたもの、三次元形状の羽根を備えたものなどターボファン一般に適用できるものである。また、このターボファンを搭載した空気調和機は、家庭用及び業務用の各種形式の空気調和機に適用することができる。
2 ターボファン、4 熱交換器、12 空気吸込口、13 空気吹出口、22 ベルマウス、23 モータ、23a 回転軸、24 ハブ、25 主板、26 気体流路、27 シュラウド、27a (シュラウドの外周縁)、27b シュラウド裏面、28 羽根、28a 後縁、28b 正圧面、28c 負圧面、29 ファン吸込口
Claims (5)
- モータの回転軸を固定するハブと、ハブの外周側に形成された主板と、主板に対向配置されて気体流路を形成するシュラウドと、これら主板とシュラウドとの間に配置された複数枚の羽根と、シュラウドの吸入側に配置されたベルマウスとを有し、前記羽根の後縁のシュラウド側がシュラウドの外周縁の半径方向外側に突出するように形成されていることを特徴とするターボファン。
- 前記羽根は、後縁のシュラウド側が、シュラウドの外周縁の半径方向外側に突出するとともに、シュラウド裏面側方向へ突出するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のターボファン。
- 前記羽根は、3次元曲面を描く羽根であって、該羽根の後縁が羽根の正圧面及び負圧面を延長した形状でシュラウド裏面側に突出していることを特徴とする請求項2記載のターボファン。
- 請求項1〜3の何れか1項記載のターボファンを搭載したことを特徴とする空気調和機。
- 前記ターボファンのファン吸込口の前面に室内空気を吸い込む空気吸込口を有し、前記ターボファンの吹出側に熱交換器を配置し、この熱交換器の下流側に室内へ空気を吹き出す空気吹出口を配置したことを特徴とする請求項4記載の空気調和機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005297965A JP2007107435A (ja) | 2005-10-12 | 2005-10-12 | ターボファン及びこれを用いた空気調和機 |
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