JP2004060423A - 集成材組立構造建築物およびその建築工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】床面・壁面・天井面・屋根を各々複数の集成材嵌入により形成し、各部材を螺着により組み上げたことを特徴とする。
【選択図】 図18
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、集成材を組み立てて床・壁・屋根を構築してなる集成材組立構造の建築物およびその建築工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、種々の建築工法があるが、本発明にて示すように、集成材を組み合わせて全ネジにて螺着する工法と本工法による建築物は見当たらない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の木造建築は、土台に柱を立ててこの柱に壁材を取り付ける在来工法やツーバイ工法が主流であり、また大きな建築物にはトラス工法が用いられている。
これらの工法はほとんどが釘打ちにて構成するよう設計されている。
近年、集成材梁が開発されてからは上記の工法の梁や柱に集成材が多用されてきたが、部材断面が小さく荷重伝達が難しいため、地震や台風などによる水平荷重に耐えられず倒壊する場合があり、従来工法では安全な住宅を提供できない現況にある。
また、従来工法には以下のような問題点がある。
1.柱と梁の加工が複雑で組立技術を要し、その組み上げには手間と時間を要する。
2.柱の頭部や梁の断面に補強が必要となり、そのための固定金物取付には高度の技術が必要であるが、部分補強のため充分な強度を得られない。
3.柱と梁の荷重伝達が複雑で、構造計算が難しい。
4.柱の断面面積が小さいため、梁に伝わる曲げ応力に対応しにくい。
本発明は、以上のような従来工法に関わる課題を解決するために発明されたもので、大断面集成材を組み合わせ、全ネジによる螺着構造とすることで、高度の技術を要することなく、充分な強度を有する建築物とその工法を提供することを目的として開発されたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
課題を解決する手段として本発明は、床・壁・天井・屋根の各部材を凹部と凸部による嵌入にて組み合わせ、各部材間を全ネジとナットによる螺着により組み上げるものとした。
すなわち、本発明の一つは、床面・壁面・天井面・屋根を各々複数の集成材嵌入により形成し、各部材を螺着により組み上げることを特徴とする集成材組立建築工法である。また本発明の他の一つは、床面・壁面・天井面・屋根を各々複数の集成材嵌入により形成し、各部材を螺着締結により組み上げたことを特徴とする集成材組立構造建築物である。
【0005】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
図において、1はコンクリート製四角枠状の基礎土台で、その内外周に沿って同一高さの段部を有し、等幅の線状凸部を形成している。また、四隅近傍における凸部に8個所のアンカーボルト2が埋設される。
3は木製集成材による床板部材Aである。該部材の上下面には部材外周から等位置を保つ細幅の凹部よりなる壁材嵌合溝4が形成され、また該部材の一方の長辺方向側面には床板嵌合溝5が形成される。6は該部材の長辺方向両端部近傍の壁材嵌合溝内に穿設されるアンカー挿入孔、7はアンカー挿入孔に近接して直角方向に穿設される貫通孔である。
8は床板部材Bで、木製集成材により形成される。該部材の短辺方向上下面には壁材嵌合溝9が形成される。該部材の一方の長辺側面には床板嵌合溝10が、他方の側面には床板嵌合凸部11が形成される。12は該部材側面に穿設される貫通孔、13は壁材嵌合溝内に穿設されるアンカー挿入孔である。
以上の床板部材AとBとの組み合わせによって床面が形成される。
図14にて示すごとく、床面の短辺方向両端に床板部材Aが位置し、その間に複数個の床板部材Bが組合わさって床面となる。つまり、床板嵌合溝に床板嵌合凸部が嵌合し、これがくり返されて一つの床面となる。
床板部材AとBはその上下面に壁材嵌合溝が形成されるが、上面には後述の壁材が、下面には基礎土台の凸部が嵌入される。なお、床板部材Aとこの部材に隣接する床板部材Bにはアンカー挿入孔が穿設され、ここにアンカーボルトが挿通する。さらに、双方の床板部材側面に貫通孔7または12が穿設され、この孔内に長尺ボルトが挿通し、ナットにより各部材間の締め付けがなされて一体となった床面が形成される。
【0006】
20は壁材Aである。本壁材は複数枚の集成材を組み合わせて形成される。
組み合わせ方法は前述の床材同様に、長手方向の凸部と凹部相互の嵌入による。
この壁材はその上下に凸部を有している。
21は貫通孔で、壁材の上縁から下縁まで貫通している。22も貫通孔で、壁材の両端部に位置する凹部溝内に穿設される。23は貫通孔で、壁材の上縁近傍に2個所穿設される。24は四角形の切り欠き部で、ここに窓枠が設けられる。
25は壁材Bで、その外周に凸部を有し、複数枚の集成材により形成される。
26および27は貫通孔である。
壁材Aは床面の長辺方向に、壁材Bは床面の短辺方向に各々立設固定される。
床面外周近傍の壁材嵌合溝に本壁材下端の凸部が嵌入し、両端の貫通孔21および26にアンカーボルトが挿通される。貫通孔22と27間に全ネジが挿通され、壁材AとBを締結する。
なお、双方の壁材の中央上縁から下縁に向けて穿設される貫通孔21内に全ネジが挿通され、ナットにて締め付けて各集成材間を一体化している。
壁材Aに設けた貫通孔23は、天井面下面に接して設ける梁材固定のためのもので、全ネジが挿通される。そして、床面四方に壁材が立設固定されるが、この壁材上方には床面と同一構成による天井面が嵌入固定される。
【0007】
30は屋根材である。図15〜図17に示すように、上下に段部を有するのきげた33上面に複数枚の屋根板31を嵌入し、のきげた間に壁材C34を嵌入保持させ、頂部近傍にむなげた32を設けて本屋根材が構成される。相互の各部材間は凹部と凸部の嵌入によりその位置が規定され、また必要個所に貫通孔が穿設され、全ネジにて螺着される。
のきげた下部の凸部は天井板上面の凹部に嵌入し、アンカーボルトは貫通孔37を通ってナットにて締め付けられる。
以上の構成により、基礎土台上に床面、壁材、天井面、屋根材がアンカーボルトを介して挿入螺着される。なお、アンカーボルトは長尺物1本を用いてもよいが、ナットを介して接続して用いてもよい。本例に用いた貫通孔には必要に応じて座ぐり穴を設けてナットの座とすることにより、不要な突出を避けることができる。また、以上の方法により組み上げたままでは金属部品が露出するため、木ダボ(木製円柱材)を作成し、貫通孔や座ぐり部分を埋めて、壁材などの外面と同一面とすることで美麗な仕上がりとなる。
また、必要に応じて屋根や壁面の外面に化粧材を取り付けることができる。
以上が本発明の一実施例である。
【0008】
本発明の概要については既述したが、本発明は従来工法のように柱材を用いずに、集成材を組み合わせて床・壁・天井・屋根を組み上げるところにその特徴がある。そして集成材は板材を接着剤にて接着一体加工したラミナー構造であり、大断面の集成材を用いることで耐力的にも優れたものとすることができる。
本発明は15cm〜18cm厚の集成材にて組み上げるものであり、充分な強度を得られるとともに、全ネジとナットによる締め付けにて各部材を一体化する工法のため、従来法に比べてその完成に要する手間は少なく、施工時間も短縮される。また、構造上その分解も容易である。
各部材は凸部と凹部との嵌合組立のため、すきま風が入ることが無く、全ネジは集成材内部に位置するので、火災時に架構部材が延焼しても、埋設された全ネジやナットの軟化崩壊を防ぐことができる。そして、所定厚の集成材を用いるため、断熱、防音、保湿機能にも優れたものとなる。
以上のごとく、本発明により種々の利点を有する組立建築物とその工法を得ることができる。
【0009】
【発明の効果】
本発明は下記の効果を有する。
1.嵌入とネジ締結により組み上げるため、組立容易で短時間に仕上げることができる。
2.大断面集成材により、床、壁、天井、屋根を構成するため、充分な強度が得られる。
3.柱不要構造のため、補強のための固定金具が不要である。
4.所定厚さの集成材を用いるので、断熱および防音効果に優れている。
以上のごとく、本発明により組立容易であるとともに強度的にも優れた有用なる建築物とその工法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基礎土台の平面図
【図2】本発明の基礎土台の正面図(一部略)
【図3】本発明の床板部材Aの拡大正面図
【図4】本発明の床板部材Aの拡大右側面図
【図5】本発明の床板部材Bの拡大正面図
【図6】本発明の床板部材Bの拡大右側面図
【図7】本発明の床板部材AとBの嵌入説明図
【図8】本発明の壁材Aの平面図
【図9】本発明の壁材Aの正面図
【図10】本発明の壁材Aの右側面図
【図11】本発明の壁材Bの平面図
【図12】本発明の壁材Bの正面図
【図13】本発明の壁材Bの右側面図
【図14】本発明の土台に床面を取り付けた状態の斜視図(アンカーボルト略)
【図15】本発明の屋根材の正面図
【図16】本発明の屋根材の底面図
【図17】本発明の屋根材の右側面図
【図18】本発明の組み上げ状態説明図
【図19】本発明の組み上げ完成図
【符号の説明】
1 基礎土台
2 アンカーボルト
3 床板部材A
4 壁材嵌合溝
5 床板嵌合溝
6 アンカー挿入孔
7 貫通孔
8 床板部材B
9 壁材嵌合溝
10床板嵌合溝
11床板嵌合凸部
12貫通孔
13アンカー挿入孔
20壁材A
21貫通孔
22貫通孔
23貫通孔
24切り欠き部
25壁材B
26貫通孔
27貫通孔
30屋根材
31屋根板
32むなげた
33のきげた
34壁材C
35貫通孔
36貫通孔
37貫通孔
Claims (2)
- 床面・壁面・天井面・屋根を各々複数の集成材嵌入により形成し、各部材を螺着により組み上げることを特徴とする集成材組立建築工法。
- 床面・壁面・天井面・屋根を各々複数の集成材嵌入により形成し、各部材を螺着により組み上げたことを特徴とする集成材組立構造建築物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002258291A JP2004060423A (ja) | 2002-07-30 | 2002-07-30 | 集成材組立構造建築物およびその建築工法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002258291A JP2004060423A (ja) | 2002-07-30 | 2002-07-30 | 集成材組立構造建築物およびその建築工法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004060423A true JP2004060423A (ja) | 2004-02-26 |
Family
ID=31944446
Family Applications (1)
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JP2002258291A Pending JP2004060423A (ja) | 2002-07-30 | 2002-07-30 | 集成材組立構造建築物およびその建築工法 |
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JP (1) | JP2004060423A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04194139A (ja) * | 1990-11-27 | 1992-07-14 | Nakajima:Kk | 建築物のパネル工法 |
JPH11172807A (ja) * | 1997-12-16 | 1999-06-29 | Wako:Kk | 木材ブロック及びこれを用いた壁組立方法 |
-
2002
- 2002-07-30 JP JP2002258291A patent/JP2004060423A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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