JP2004056296A - 電子部品及び弾性表面波装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フェースダウン方式で電子部品素子がケース基板に接合されており、両者の間の空間を封止するように樹脂封止層が設けられている電子部品であって、樹脂の電子部品素子の機能領域への流入を確実に抑制し得る構造を備えた電子部品を提供する。
【解決手段】ケース基板2に対して、機能電極が設けられている第1の主面側から弾性表面波素子3がフェースダウン方式で接合されており、ケース基板2と弾性表面波素子3との間の空隙が樹脂封止層10により封止されており、弾性表面波素子3の機能電極としてのIDT電極4が設けられている部分の外側に、樹脂封止層10を構成する樹脂の内側への流延を防止するために、第1の枠状のダム部材8に加えて第1のダム部材8の内側に枠状の第2のダム部材9が設けられている、電子部品。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品素子がケース基板にフェースダウン方式で接合されている構造を有する電子部品及び弾性表面波装置に関し、より詳細には、電子部品素子の機能面への樹脂の流入を防止するための構造が備えられた電子部品及び弾性表面波装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、弾性表面波装置などの電子部品では、電子部品素子をフェースダウン方式でケース基板上に接合し、電子部品素子の機能部分を樹脂により封止した構造が種々提案されている。
【0003】
図7及び図8はこの種の電子部品の一例としての弾性表面波装置を説明するための略図的正面断面図である。
弾性表面波装置101では、ケース基板102上に、フェースダウン方式で弾性表面波素子103が接合されている。弾性表面波素子103では、圧電基板104の片面にIDT電極などの機能電極105及び配線電極(図示されず)が形成されている。また、機能電極105及び配線電極が形成されている部分の周囲を囲むように枠状のダム部材106が形成されている。製造に際しては、弾性表面波素子103が、フェースダウン方式でケース基板102に接合される。すなわち、図示されていない部分において、配線電極が金属バンプによりケース基板102上の電極(図示せず)に接合される。しかる後、紫外線硬化型樹脂を付与し、硬化させることにより、ケース基板102と弾性表面波素子103との間の空隙Aが樹脂封止層107により封止される。
【0004】
ところで、上記樹脂封止層107を構成する樹脂が、硬化に先立ち機能電極105に至ると、弾性表面波素子103の特性が劣化する。そこで、図7に示すように、弾性表面波素子103に枠状のダム部材106が設けられている。このようなダム部材106を有する構成は、例えば、特開平5−55303号公報に開示されている。ダム部材106を設けることにより、樹脂封止層107を構成する樹脂が硬化前に機能電極105側に流れることが抑制される。
【0005】
しかしながら、ダム部材106を設けた場合においても、樹脂封止層107を構成する樹脂の溶融粘度、ケース基板102と弾性表面波素子103との間の間隔等によっては、ダム部材106を越えて硬化前の樹脂が機能電極105側に流入することがあった。
【0006】
すなわち、樹脂封止層107を形成する場合、硬化前は樹脂の粘度が低いため、ダム部材106を越えて機能電極105側に流延しがちであった。その結果、図7に示すように、樹脂封止層107の一部が機能電極105側に至ったり、甚だしき場合には、図8に示すようにダム部材106を越えて樹脂が大量に流入することもあった。
【0007】
他方、弾性表面波素子103では、機能電極105と配線電極とが設けられているが、配線電極は機能電極105に一端が連ねられており、他端が外側に延ばされている。従って、図9に略図的部分拡大斜視図で示すように、配線電極108の端縁108a,108bに沿って、樹脂107aが機能電極側に流延しがちであった。
【0008】
上記のような問題を解決するには、ダム部材106と、機能電極105及び配線電極が設けられている領域との間の距離を大きくしたり、ダム部材106の幅方向寸法を広げたりすればよい。しかしながら、これらの対策を構じた場合には、弾性表面波装置101全体の寸法が大きくなり、かつコストが高くつくという問題があった。
【0009】
他方、特開平12−124767号公報には、図10に示す弾性表面波装置111が開示されている。弾性表面波装置111では、弾性表面波素子112が、ケース基板113に樹脂封止層114を介して接合されている。ここでは、弾性表面波素子112の機能電極115が設けられている領域を覆うように枠状の封止壁116が予め弾性表面波素子112に接合されている。そして、封止壁116により樹脂封止層114を構成する樹脂の内部への侵入が防止されている。
【0010】
他方、特開平10−215142号公報には、図11に示す弾性表面波装置121が開示されている。弾性表面波装置121では、ケース基板122の上面に凹部122aが形成されている。弾性表面波素子123は、フェースダウン方式でケース基板122に接合されている。上記凹部122aにより、機能電極124が望む空隙Aが形成されている。従って、図11に示されているように、樹脂封止層125を、弾性表面波素子123の側面及び上面を被覆するように設けることにより、空隙Aの熱硬化性樹脂の流入が防止される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のダム部材106を設けた構成では、樹脂封止層107を構成する樹脂の機能電極105側への流入を確実に防止することができなかった。
【0012】
また、弾性表面波装置111のように、封止壁116を設けた場合には、大量生産に際しマザーの弾性表面波素子用ウエハー上に多数の封止壁116を接合しなければならなかった。従って、製造工程が複雑化する。加えて、マザーのウエハーの平坦性が十分でない場合には、あるいはケース基板113の平坦性が十分でない場合には、樹脂封止層114により安定に空隙Aを封止することができないことがあった。さらに、フェースダウン方式で弾性表面波素子112の配線電極とケース基板113の電極とをバンプにより接合した場合、枠状封止壁116が先にケース基板113に当接し、バンプによる接合を確実に行い得ないことがあった。
【0013】
さらに、弾性表面波装置121のように、凹部122aを形成した場合には、樹脂の空隙Aへの流入を抑制することができるものの、ケース基板122を構成するウエハー上に多数の凹部を形成しなければならなかった。従って、製造工程が煩雑となり、かつコストが高くつかざるを得なかった。
【0014】
他方、従来のこの種の電子部品の製造に際しては、紫外線硬化型の樹脂や熱硬化型の樹脂により樹脂封止層が設けられていたが、弾性表面波素子やケース基板に設けられた電極パターンの存在により、紫外線照射による硬化が十分でないこともあった。加えて、高粘度の樹脂を用いた場合には、上述した流入量を制御できず、作業性が十分でないという問題もあった。他方、常温で低粘度の樹脂を用いた場合には、図8に示したように、ダム部材106を受けたとしても、機能電極105側へ多量の樹脂が流入しがちであるという問題があった。
【0015】
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、電子部品素子がケース基板にフェースダウン方式で接合されており、かつ電子部品素子とケース基板との間の空間が樹脂封止層で封止されている電子部品において、樹脂封止層を構成する樹脂の機能電極側への流入を確実に防止することができる電子部品及び弾性表面波装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電子部品は、第1,第2の主面を有し、第1の主面が、機能面となるように、第1の主面に機能電極と、機能電極に接続された配線電極とが設けられた電子部品素子と、前記電子部品素子が第1の主面側からフェースダウン方式で接合されているケース基板と、前記ケース基板と電子部品素子の第1の主面との間の空間を封止するように設けられた樹脂封止層と、前記樹脂封止層を構成している樹脂が前記電子部品素子の機能電極側への流入を防止するために、前記機能電極の外側において電子部品素子に設けられており、かつ枠状の第1のダム部材とを備える電子部品において、前記第1のダム部材の内側であって、かつ前記機能電極の周囲において電子部品素子に設けられた枠状の第2のダム部材をさらに備えることを特徴とする。第1のダム部材の内側において、かつ機能電極の周囲に、枠状の第2の部材がさらに設けられているため、樹脂封止層を構成する樹脂が機能電極が設けられている領域へ流入し難くされている。
【0017】
本発明の電子部品のある特定の局面では、第1のダム部材は、機能電極及び配線電極が設けられている領域の外側に設けられている。従って、第1のダム部材が機能電極及び配線電極から遠ざけられているので、樹脂封止層を構成する樹脂の機能電極側への流入をより確実に防止することができる。
【0018】
本発明の別の特定の局面では、上記第2のダム部材は、配線電極の端縁と交叉するように構成されている。従って、配線電極の端縁を伝って樹脂が第2のダム部材の内側に流入し難いため、樹脂封止層を構成する樹脂の機能電極側への流入を確実に防止することができる。
【0019】
本発明のさらに他の特定の局面では、第1,第2のダム部材の少なくとも一方のダム部材の延びる方向に延びるスリットが形成されている。この場合には、スリットにおいて、ダム部材を越えようとした樹脂の内側への進行が抑制されるので、樹脂の機能電極側への流入をより確実に防止することができる。
【0020】
本発明の電子部品のさらに別の特定の局面では、樹脂封止層を構成する樹脂として、常温時(25℃)における粘度が100〜2000Pa・S、より好ましくは500〜1000Pa・Sであり、硬化開始時の粘度が50〜1000Pa・S、より好ましくは100〜500Pa・Sであるものが用いられる。
【0021】
本発明は、様々な電子部品に適用されるが、本発明のある特定の局面では、上記電子部品素子として弾性表面波素子が用いられ、それによって本発明の弾性表面波装置が構成される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0023】
図1は、本発明の第1の実施例に係る弾性表面波装置に用いられる弾性表面波素子の底面図であり、図2は、本実施例の弾性表面波装置の部分切欠正面断面図である。
【0024】
図2に示すように弾性表面波装置1は、ケース基板2と、ケース基板2に接合された弾性表面波素子3とを有する。ケース基板2はアルミナなどの絶縁性セラミックスあるいは合成樹脂などにより形成されている。図2では図示を省略されているが、上面2aに弾性表面波素子3にバンプにより接続される電極が形成されている。
【0025】
図1に戻り、弾性表面波素子3は、複数のIDT電極4,5を有する。IDT電極4,5が、本発明における機能電極を構成している。IDT電極4に接続されるように配線電極6a,6bが、IDT電極5に電気的に接続されるように配線電極6c,6dが形成されている。配線電極6a〜6dには、破線Bで示す位置にバンプが付与され、バンプによりケース基板2上の電極に配線電極6a〜6dが接合される。
【0026】
上記機能電極としてのIDT電極4,5及び配線電極6a〜6dは、LiTaO,LiNbOなどの圧電材料からなる圧電基板7の下面7aに形成されている。
【0027】
圧電基板7は、下面7aと上面7b(図2参照)とを第1,第2の主面として有している。
弾性表面波素子3は、図2に示されているように、機能電極としてのIDT電極4,5が形成されている側の主面、すなわち下面7a側からケース基板2にバンプにより接合される。
【0028】
図1に戻り弾性表面波素子3の下面には、第1,第2のダム部材8,9が形成されている。ダム部材8,9は矩形枠状の形状を有するが、円環状などの他の形状を有していてもよい。
【0029】
第1,第2のダム部材8,9を構成する材料としては、合成樹脂などの適宜の絶縁性材料を用いることができる。
第1,第2のダム部材8,9は、後述する樹脂封止層を構成する樹脂の機能電極4,5側への流入を抑制するために設けられている。第2のダム部材9は、第1のダム部材8よりも内側に形成されている。また、第2のダム部材9は、IDT電極4,5が形成されている領域、すなわち機能領域の外側に位置するように設けられている。
【0030】
本実施例では、第1のダム部材8の外側から第2のダム部材9の内側に延びるように配線電極6a〜6dが形成されている。配線電極6a〜6dの内側端部はIDT電極4または5に連ねられている。もっとも、第1のダム部材8は、配線電極6a〜6dの外側に位置するように設けられていてもよい。
【0031】
また、本実施例では、第1,第2のダム部材8,9が、配線電極6a〜6dの端縁と交叉するように設けられている。すなわち、配線電極6aを例に取ると、端縁6a,6aに交叉するように第1のダム部材8が設けられており、第2のダム部材9は、端縁6a,及び端縁6aに交叉するように設けられている。
【0032】
図2に戻り、弾性表面波装置1を製造するに際しては、ケース基板2上に、まず弾性表面波素子3をフェースダウン方式で接合する。すなわち、下面7aがケース基板2と対向するように配置され、図1の矢印Bの位置に付与されたバンプにより、配線電極6a〜6dがケース基板2上の電極(図示せず)に接合される。この場合、ケース基板2の上面2aと、圧電基板7の下面7aとの間に空隙が形成される。空隙Aを封止するために、熱硬化型の樹脂が付与され、熱の照射により硬化されて、樹脂封止層10が形成される。
【0033】
本実施例では、第1,第2のダム部材8,9が設けられているため、図2に示すように、硬化開始時に樹脂の粘度が低下し、樹脂封止層10を構成する樹脂が第1のダム部材8を越えて内側に入り込んだとしても、第2のダム部材9の存在により、第2のダム部材9の内側への樹脂の流入を抑制することができる。
【0034】
従って、樹脂のIDT電極4,5への付着を抑制することができ、それによって弾性表面波素子3の特性の劣化が生じ難くされている。
また、樹脂封止層10を構成する樹脂が低粘度の状態にある場合、該樹脂が、配線電極6a〜6dの端縁を伝って内側に流延しやすくなる。しかしながら、本実施例では、第1,第2のダム部材8,9が、上述したように配線電極6a〜6dの端縁に交叉するように配置されているので、交叉部分において樹脂の配線電極6a〜6dの端縁に沿った移動が確実に抑制される。
【0035】
上記樹脂封止層10を構成する樹脂材料としては、熱硬化型の樹脂が用いられるが、このような熱硬化型の樹脂としては、熱硬化型のエポキシ樹脂などを挙げることができ、特に限定されるものではない。もっとも、熱硬化型の樹脂に変えて、紫外線型の樹脂を用いてもよい。
【0036】
図3は、第1の実施例の弾性表面波装置1の変形例を説明するための図であり、本変形例において用いられる弾性表面波素子の底面図である。
上記実施例では、第1の枠状ダム部材8は、配線電極6a〜6dの一部を通過するように設けられていたが、図3に示すように、第1のダム部材8は、配線電極6a〜6dが設けられている領域の外側に、すなわちバンプが付与される位置Bよりも外側に位置するように設けられてもよい。
【0037】
もっとも、図1に示すように、第1のダム部材8の外側から内側に延びるように配線電極6a〜6dが形成されている構造を採用することにより、弾性表面波装置1のより一層の小型化を図ることができる。
【0038】
図4は、第1の実施例の弾性表面波装置1のさらに他の変形例を説明するための部分切欠正面断面図である。
本実施例では、第1のダム部材8のケース基板2と対向する面8aに、該ダム部材8が延びる方向に延びるスリット8bが形成されている。その他の構造は、第1の実施例と同様であるため、同一部分については、同一の参照番号を付することにより詳細な説明を省略する。
【0039】
本変形例では、スリット8bの存在により、樹脂封止層10を構成する樹脂が第1のダム部材8を越えて内側に流延しようとした場合、スリット8b内に樹脂か侵入することにより、ダム部材8よりも内側への樹脂の流延を抑制することができる。従って、好ましくは、第1のダム部材8のケース基板2に対向している面8aにスリット8bを設けることが望ましい。より好ましくは、第2のダム部材9のケース基板2の対向しいてる面9aにも、同様にスリットを設けることが望ましい。
【0040】
また、図4に示した変形例では、第1のダム部材8にスリット8bが設けられていたが、第1のダム部材8にスリットを設けず、第2のダム部材9にのみスリットを設けてもよい。
【0041】
上記実施例及び変形例の弾性表面波装置では、第1,第2のダム部材8,9を配置することにより、樹脂封止層10を構成する樹脂のIDT電極4,5が形成されている領域への流延が抑制されていた。もっとも、樹脂封止層を構成する樹脂の種類によって、ダム部材8,9を越えてIDT電極4,5側への流入が生じる恐れがある。従って、上記流延を抑制するには、好ましくは、樹脂封止層を構成する樹脂として、内側への流延が生じ難いものを用いることが望ましい。
【0042】
図5は、樹脂封止層を構成する樹脂として、常温(25℃)の粘度が種々異なる樹脂を用い、上記弾性表面波装置1を構成した場合の挿入損失変化を示す。挿入損失の変化は、ネットワークアナライザにより最小挿入損失点での挿入変化量により求められた値であり、第2のダム部材9を越えて内側に樹脂が流延する量に対応する。すなわち、樹脂の内側への流入が多いほど、挿入損失が増加する。
【0043】
図5から明らかなように、常温(25℃)の粘度が100Pa・S以上の範囲にある樹脂を用いることにより、挿入変化が低減し、樹脂のIDT電極4,5が設けられている領域への流入を効果的に抑制し得ることがわかる。なお、粘度が高すぎると、樹脂で封止ができなくなることがあり、粘度は2000Pa・S以下が望ましい。また、常温における粘度が100〜2000Pa・Sの範囲にある樹脂は、硬化開始時での粘度が50〜1000Pa・Sであった。従って、好ましくは、常温における粘度が100〜2000Pa・Sであり、硬化開始時の粘度が50〜1000Pa・Sの範囲にある樹脂、より好ましくは、常温における粘度が500〜1000Pa・Sであり、硬化開始時の粘度が100〜500Pa・Sである樹脂を用いることが望ましい。
【0044】
また、上記実施例では、第1,第2のダム部材8,9が設けられたが、この場合、第1,第2のダム部材8,9のケース基板2に対向している面8a,9aとケース基板2との間の間隔のうち狭い方の間隔を種々変更した場合の樹脂封止層10を構成する樹脂の流入量の変化を示す図である。
【0045】
図6から明らかなように、ダム部材8,9とケース基板2との間の最小間隔を15μm以下、好ましくは10μm以下とすれば、樹脂の流入を効果的に抑制し得ることがわかる。
【0046】
従って、常温における粘度が100〜2000Pa・Sであり、硬化時の粘度が50〜1000Pa・Sの範囲に入る樹脂を用い、かつダム部材とケース基板との間の最小間隔を15μm以下、好ましくは10μm以下すれば、樹脂の機能領域側への流入を確実に抑制し得ることがわかる。
【0047】
上記実施例では、弾性表面波素子をフェースダウン方式でケース基板に接合してなる弾性表面波装置につき説明したが、本発明は、弾性表面波素子以外の電子部品素子を用いた電子部品にも適用することができる。
【0048】
【発明の効果】
本発明に係る電子部品では、電子部品素子の機能電極の外側に、枠状の第1,第2ダム部材が設けられているため、樹脂封止層を構成する樹脂を付与し、ケース基板と電子部品素子の第1の主面との間の空間を封止した場合、樹脂の機能領域への流延を確実に抑制することができる。第1のダム部材に加えて第2のダム部材を追加するだけでよいため、第1のダム部材を有する電子部品と同様の製造工程により第1,第2のダム部材を有する本発明の電子部品を容易に得ることができる。従って、本発明によれば、製造工程の煩雑さを招くことなく、特性の安定な電子部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る弾性表面波装置に用いられる弾性表面波素子の底面図。
【図2】本発明の第1の実施例の弾性表面波装置の部分切欠正面断面図。
【図3】第1の実施例の弾性表面波装置の変形例を説明するための弾性表面波素子の底面図。
【図4】第1の実施例の弾性表面波装置のさらに他の変形例を説明するための正面断面図。
【図5】実施例の弾性表面波装置において、樹脂封止層を構成する樹脂の常温(25℃)での粘度を変化させた場合の樹脂の第1,第2のダム部材の内側への流入量の変化を示す図。
【図6】実施例の弾性表面波装置において、ケース基板と第1,第2のダム部材のケース基板に対向している面との間の最小間隔を変化させた場合の樹脂流入量の変化を示す図。
【図7】従来の弾性表面波装置の一例を説明するための表面断面図。
【図8】従来の弾性表面波装置の一例において、樹脂が機能電極側に多量に流入した状態を示す正面断面図。
【図9】従来の弾性表面波装置において、配線電極の端縁に沿って樹脂が流入する状態を説明するための略図的部分切欠斜視図。
【図10】従来の弾性表面波装置の他の例を説明するための正面断面図。
【図11】従来の弾性表面波装置のさらに他の例を説明するための正面断面図。
【符号の説明】
1…弾性表面波装置
2…ケース基板
2a…上面
3…弾性表面波素子
4,5…IDT電極
6a〜6d…配線電極
6a〜6a…端縁
7…圧電基板
7a…下面(第1の主面)
7b…上面(第2の主面)
8…第1のダム部材
8a,9a…ダム部材のケース基板に対向している面
8b…スリット
9…第2のダム部材
10…樹脂封止層
10a…樹脂流入部分

Claims (9)

  1. 第1,第2の主面を有し、第1の主面が、機能面となるように、第1の主面に機能電極と、機能電極に接続された配線電極とが設けられた電子部品素子と、
    前記電子部品素子が第1の主面側からフェースダウン方式で接合されているケース基板と、
    前記ケース基板と電子部品素子の第1の主面との間の空間を封止するように設けられた樹脂封止層と、
    前記樹脂封止層を構成している樹脂が前記電子部品素子の機能電極側への流入を防止するために、前記機能電極の外側において電子部品素子に設けられており、かつ枠状の第1のダム部材とを備える電子部品において、
    前記第1のダム部材の内側であって、かつ前記機能電極の周囲において電子部品素子に設けられた枠状の第2のダム部材をさらに備えることを特徴とする、電子部品。
  2. 前記第1のダム部材が、前記機能電極及び配線電極が設けられている領域の外側に設けられている、請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記第2のダム部材が、前記配線電極の端縁と交叉するように構成されている、請求項1または2に記載の電子部品。
  4. 前記第1,第2のダム部材の少なくとも一方のダム部材の延びる方向に延びるスリットが少なくとも1つ以上形成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の電子部品。
  5. 前記樹脂封止層を構成する樹脂の粘度が、常温時で100〜2000Pa・Sであり、硬化開始時に50〜1000Pa・Sである、請求項1〜4のいずれかに記載の電子部品。
  6. 前記樹脂封止層を構成する樹脂の粘度が、常温時に500〜1000Pa・Sであり、硬化開始時に100〜500Pa・Sである、請求項1〜4のいずれかに記載の電子部品。
  7. 前記ダム部材と前記ケース基板との間隔が15μm以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の電子部品。
  8. 前記ダム部材と前記ケース基板との間隔が10μm以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の電子部品。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の電子部品において、前記電子部品素子が、弾性表面波素子である、弾性表面波装置。
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