JP2004056295A - 電子部品及び弾性表面波装置 - Google Patents

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大村 正志
Toshiyuki Baba
馬場 俊行
Koji Yamamoto
山本 浩司
Jiro Inoue
井上 二郎
Mamoru Ogawa
小川 守
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Abstract

【課題】フェースダウン方式で電子部品素子がケース基板に接合されており、両者の間の空間を封止するように樹脂封止層が設けられている電子部品であって、樹脂の電子部品素子の機能領域への流入を確実に抑制し得る構造を備えた電子部品を提供する。
【解決手段】ケース基板2に対して、機能電極が5が設けられている第1の主面側から弾性表面波素子3がフェイスダウン方式でケース基板2に接合されており、ケース基板2と弾性表面波素子3との間の空隙Aが樹脂封止層10により封止されており、弾性表面波素子3の機能電極としてのIDT電極5が設けられている部分の外側に、枠状の第1のダム部材8が設けられており、かつ配線電極6a、6bの側縁において、樹脂の内側への流延を防止するために、外側に突出するようにトラップ部材11が設けられている、電子部品。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば弾性表面波装置のように、電子部品素子がフェイスダウン方式でケース基板に接合されている電子部品及び弾性表面波装置に関し、より詳細には、電子部品素子とケース基板との間の空隙を封止するための樹脂の機能部への流入を抑制する構造が備えられた電子部品及び弾性表面波装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、弾性表面波装置などの電子部品では、電子部品素子をフェースダウン方式でケース基板上に接合し、電子部品素子の機能部分を樹脂により封止した構造が種々提案されている。
【0003】
図9は、この種の電子部品の一例としての弾性表面波装置に用いられる弾性表面波素子の底面図であり、図10は、該弾性表面波装置を説明するための略図的正面断面図である。
【0004】
弾性表面波装置101では、ケース基板102上に、フェースダウン方式で弾性表面波素子103が接合されている。弾性表面波素子103は圧電基板104を有し、圧電基板104の片面にIDT電極などの機能電極105及び配線電極106が形成されている。また、機能電極105及び配線電極106が形成されている部分の周囲を囲むように枠状のダム部材107が形成されている。製造に際しては、弾性表面波素子103が、フェースダウン方式でケース基板102に接合される。すなわち、図2では図示されていない部分において、配線電極106が金属バンプによりケース基板102上の電極(図示せず)に接合される。しかる後、熱硬化性樹脂を付与し、硬化させることにより、ケース基板102と弾性表面波素子103との間の空隙Aが樹脂封止層108により封止される。
【0005】
ところで、上記樹脂封止層108が、硬化に先立ち、機能電極105に至ると、弾性表面波素子103の特性が劣化する。そこで、弾性表面波素子103に枠状のダム部材107が設けられている。このようなダム部材107を有する構成は、例えば、特開平5−55303号公報に開示されている。ダム部材107を設けることにより、樹脂封止層108を構成する樹脂が硬化前に機能電極105側に流れることが抑制される。
【0006】
しかしながら、ダム部材107を設けた場合においても、樹脂封止層108を構成する樹脂の溶融粘度、ケース基板102と弾性表面波素子103との間の間隔等によっては、ダム部材107を越えて硬化前の樹脂が機能電極105側に流入することがあった。すなわち、樹脂封止層108を形成する場合、硬化開始時には、樹脂の粘度が低いため、ダム部材107を越えて機能電極105側に流延しがちであった。
【0007】
その結果、図10に示すように、樹脂封止層108の一部が機能電極105側に至ったり、甚だしき場合には、図11に示すようにダム部材107を越えて樹脂封止層108が大量に流入することもあった。
【0008】
他方、機能電極105と配線電極106とが設けられているが、配線電極106の内側端は機能電極105に至るように形成されている。従って、図12(a),(b)に略図的部分拡大斜視図で示すように、配線電極106の端縁106a,106bに沿って、樹脂封止層108を構成する樹脂108aが機能電極側に流延しがちであった。
【0009】
上記のような問題を解決するには、ダム部材107と、機能電極105及び配線電極108が設けられている領域との間の距離を大きくしたり、ダム部材107の幅方向寸法を広げたりすればよい。しかしながら、これらの対策を採用した場合には、弾性表面波装置101全体の寸法が大きくなり、かつコストが高くつくという問題があった。
【0010】
他方、特開平12−124767号公報には、図13に示す弾性表面波装置111が開示されている。弾性表面波装置111では、弾性表面波素子112が、ケース基板113に樹脂封止層114を介して接合されている。ここては、弾性表面波素子112の機能電極115が設けられている領域を覆うように枠状の封止壁116が予め弾性表面波素子112に接合されている。そして、封止壁116により樹脂封止層114を構成する樹脂の内部への侵入が防止されている。
【0011】
他方、特開平10−215142号公報には、図14に示す弾性表面波装置121が開示されている。弾性表面波装置121では、ケース基板122の上面に凹部122aが形成されている。弾性表面波素子123は、フェースダウン方式でケース基板122に接合されている。上記凹部122aにより、機能電極124が望む空隙Aが形成されている。従って、図14に示されているように、樹脂封止層125を、弾性表面波素子123の側面及び上面を被覆するように設けることにより、空隙Aへの熱硬化性樹脂の流入が防止される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のダム部材107を設けた構成では、樹脂封止層108を構成する樹脂の機能電極105側への流入を確実に防止することができなかった。
【0013】
また、弾性表面波装置111のように、封止壁116を設けた場合には、大量生産に際し、マザーの弾性表面波素子用ウエハー上に多数の封止壁116を接合しなければならなかった。従って、製造工程が複雑とならざるを得なかった。加えて、マザーのウエハーの平坦性が十分でない場合には、あるいはケース基板113を構成するウエハーの平坦性が十分でない場合には、樹脂封止層114により安定に空隙Aを封止することができないことがあった。加えて、フェースダウン方式で弾性表面波素子112の配線電極とケース基板113の電極とをバンプにより接合した場合、枠状封止壁116が先にケース基板113に当接し、バンプによる接合を確実に行い得ないことがあった。
【0014】
さらに、弾性表面波装置121のように、凹部122aを形成した場合には、樹脂の空隙Aへの流入を抑制することはできるものの、ケース基板122を構成するウエハー上に多数の凹部を形成しなければならなかった。従って、製造工程が煩雑となり、かつコストが高くつかざるを得なかった。
【0015】
他方、従来のこの種の電子部品の製造に際しては、紫外線硬化型の樹脂により樹脂封止層が設けられていたが、弾性表面波素子やケース基板に設けられた電極パターンの存在により、紫外線照射による硬化が十分でないこともあった。加えて、高粘度の樹脂を用いた場合には、上述した流入量を制御できず、作業性が十分でないという問題もあった。他方、常温で低粘度の樹脂を用いた場合には、図11に示したように、ダム部材107を受けたとしても、機能電極105側へ多量の樹脂が流入しがちであるという問題があった。
【0016】
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、電子部品素子がケース基板にフェースダウン方式で接合されており、かつ電子部品素子とケース基板との間の空間が樹脂封止層で封止されている電子部品において、樹脂封止層を構成する樹脂の機能電極側への流入を確実に防止することができる電子部品及び弾性表面波装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電子部品は、第1,第2の主面を有し、第1の主面が機能面となるように第1の主面に機能電極と、機能電極に接続された配線電極とが設けられている電子部品素子と、前記電子部品素子が第1の主面側からフェイスダウン方式で接合されているケース基板と、前記ケース基板と電子部品素子の第1の主面との間の空隙を封止するように設けられた樹脂封止層とを備える電子部品において、前記配線電極の延びる方向と交差するように、前記配線電極の側縁から外側に突出されており、樹脂封止層を構成する樹脂の流入を抑制するためのトラップ部材をさらに備えることを特徴とする。
【0018】
本発明では、上記トラップ材部材が設けられているため、配線電極の端縁に沿って樹脂封止層を構成する樹脂が機能電極側に流れるのが抑制される。
本発明の電子部品のある特定の局面では、前記樹脂封止層の前記機能電極側への流入を防止するために、前記電子部品素子の前記機能電極及び配線電極が設けられている領域を囲むように前記電子部品素子またはケース基板に形成された枠状のダム部材とがさらに備えられる。従って、樹脂の機能電極側への流入がより確実に抑制される。
【0019】
本発明に係る電子部品の他の特定の局面では、トラップ部材が配線電極の両側縁に設けられており、それによって樹脂の機能電極側への流入がより確実に抑制される。
【0020】
本発明に係る電子部品のさらに他の特定の局面では、上記トラップ部材が、配線電極の側縁の沿面距離に比べて、配線電極及びトラップ部材を含む構造の沿面距離が長くなるように設けられているので、樹脂封止層を構成する樹脂の配線電極の側縁に沿って機能電極側に流れることが確実に抑制される。
【0021】
本発明に係る電子部品のさらに別の特定の局面では、トラップ部材が配線電極と同じ材料により配線電極と一体に構成されている。従って、配線電極と同時にかつ付加的な製造工程を必要とすることなくトラップ部材を形成することができる。
【0022】
本発明に係る電子部品のさらに他の特定の局面では、上記トラップ部材が、配線電極と異なる材料で構成されている。従って、広範な材料からトラップ部材を構成する材料を選択することができる。
【0023】
本発明に係る電子部品のさらに別の特定の局面では、上記トラップ部材が、配線電極上を横切るように形成されている。このように、トラップ部材は、配線電極の側縁から外側に突出されている限り、配線電極上を横切るように形成されてもよく、この場合には、配線電極の幅よりも長いトラップ部材を配線電極と交差するように配置するだけで、確実にトラップ部材を形成することができる。また、トラップ部材は、配線電極の内側に形成されてもよい。
【0024】
本発明では、好ましくは、上記ダム部材とケース基板との間隔が15μm以下、より好ましくは10μm以下とされ、それによって樹脂の流入がより確実に抑制される。
【0025】
本発明の電子部品のさらに別の特定の局面では、樹脂封止層を構成する樹脂として、常温時(25℃)における粘度が100〜2000Pa・S、好ましくは500〜1000Pa・Sであり、硬化開始時の粘度が50〜1000Pa・S、好ましくは100〜500Pa・Sであるものが用いられる。この場合には、樹脂の機能電極側への流入をより確実に防止することができる。
【0026】
本発明は、様々な電子部品に適用されるが、本発明のある特定の局面では、上記電子部品素子として弾性表面波素子が用いられ、それによって本発明の弾性表面波装置が構成される。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施例を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0028】
図1(a)及び(b)は、本発明の第1の実施例に用いられる弾性表面波素子の平面図及び(a)中のA−A線に沿う断面図である。図2は、本実施例の弾性表面波装置の正面断面図である。
【0029】
図2に示すように、弾性表面波装置1は、ケース基板2と、ケース基板2に接合される弾性表面波素子3とを有する。ケース基板2は、絶縁性材料により構成されており、絶縁性材料としては、アルミナなどの絶縁性セラミックスあるいは合成樹脂などが挙げられる。図2では図示を省略されているが、ケース基板2の上面2aには、弾性表面波素子3にバンプにより接続される電極が形成されている。
【0030】
図1に戻り、弾性表面波素子3は、複数のIDT電極4,5を有する。IDT電極4,5は、本発明における機能電極を構成している。IDT電極4に接続されるように、配線電極6a,6bが、IDT電極5に電気的に接続されるように配線電極6c,6dが形成されている。配線電極6a〜6dには、破線Bで示す位置にバンプが付与され、バンプによりケース基板2上の電極に配線電極6a〜6dが接合される。すなわち、図2に示されているように、弾性表面波素子3は、機能電極としてのIDT電極4,5が設けられている第1の主面が下面となるようにフェイスダウン方式でケース基板2に接合される。なお、図2ではバンプによる接合部分は示されていない。
【0031】
上記機能電極としてのIDT電極4,5及び配線6a〜6dは、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスや水晶などの圧電材料からなる圧電基板7の第1の主面7aに形成されている。圧電基板7は、主面7aと第2の主面7bとを有する。
【0032】
図1に戻り、弾性表面波素子3においては、配線電極6a〜6dの側縁6a,6a〜6d,6dの途中に、側縁から外側に突出するトラップ部材11が形成されている。本実施例では、トラップ部材11は、配線電極6a〜6dと同じ材料により一体的に形成されており、かつ各配線電極6a〜6dの両側縁6a,6a〜6d,6dに形成されている。
【0033】
トラップ部材11は、配線電極6a〜6dと同じ厚みに形成されている。
また、上記IDT電極4,5及び配線電極6a〜6dが形成されている領域の外側には、枠状のダム部材8が形成されている。ダム部材8は、適宜の絶縁性性材料あるいは導電性材料で構成されている。電磁シールド機能を発現するには、ダム部材8は導電性材料で構成されていることが好ましく、短絡等のおそれを回避するには、ダム部材8は絶縁性材料で構成されていることが望ましい。
【0034】
枠状のダム部材8は、後述する樹脂封止層10を構成する樹脂の内部への進入を防止するために設けられている。
すなわち、弾性表面波素子3は、前述したバンプによりケース基板2に接合されているが、図2に示すように、ケース基板2と弾性表面波素子3との間の空隙Aを封止するために、樹脂封止層10が形成されている。なお、弾性表面波素子3の上面にも樹脂封止層10を構成する樹脂が存在していてもよい。
【0035】
樹脂封止層10は、紫外線硬化型樹脂により構成される。樹脂封止層10を形成するに際しては、溶融状態にある樹脂をケース基板2と弾性表面波素子3との間の空間を周囲に付与し、紫外線を照射することにより硬化させる。なお、樹脂封止層10は熱硬化型樹脂により構成されていてもよい。
【0036】
前述したように、従来、樹脂封止層を構成する樹脂が機能電極側に流れ込み、それによって弾性表面波素子3の特性が劣化するおそれがあった。
本実施例の弾性表面波装置1では、まず、枠状のダム部材8が設けられているため、ダム部材8の存在により樹脂の機能電極としてのIDT電極4,5側への流延が抑制される。しかしながら、ダム部材8のみでは、樹脂の機能電極側への流入を確実に抑制することができない。
【0037】
そこで、本実施例では、上述したトラップ部材11が配線電極6a〜6dの側縁から外側に突出するように形成されている。
硬化開始時に紫外線硬化型の樹脂の粘度は比較的低くなっている。従って、樹脂封止層を構成する樹脂の量を調節したり、ケース基板2と弾性表面波素子3との間の空隙の厚みを調整したとしても、配線電極6a〜6dの側縁を伝ってIDT電極4,5側に流延しがちとなる。ところが、本実施例では、配線電極6a〜6dに上記トラップ部材11が設けられているため、配線電極の側縁を伝ってIDT電極4,5側へ樹脂が流延するのが確実に抑制される。
【0038】
すなわち、図3に示すように、配線電極6aを例にとると、側縁6a,6aから外側にかつ側縁6a,6aに直交する方向に突出するようにトラップ部材11が設けられている。従って、トラップ部材11が設けられていない場合の配線電極6aの側縁の沿面距離に比べて、トラップ部材11及び配線電極6aを含む構造の沿面距離が大きくされている。よって、矢印Cで示す樹脂のIDT電極4,5側への流延が抑制される。
【0039】
このように、本実施例の弾性表面波装置1では、配線電極6a〜6dにトラップ部材11が設けられているため、ダム部材8を越えて内部に進入してきた樹脂が、IDT電極4,5側へ流延するのを確実に抑制することができる。
【0040】
なお、トラップ部材11は、側縁6a,6aに直交する方向に突出されておらずともよく、90°以外の他の角度で交差する方向において側縁6a,6aから突出されていてもよい。
【0041】
上記実施例では、トラップ部材11は、配線電極6a〜6dと同じ材料で構成されていたが、トラップ部材11は、配線電極6a〜6dとは異なる材料で構成されていてもよい。
【0042】
また、図4に示すように、配線電極6eの側縁6e,6eの外側から突出しているだけでなく、複数のトラップ部材11Aが配線電極6eを横切るように形成されていてもよい。
【0043】
図5(a)及び(b)は、トラップ部材のさらに他の例を説明するための平面図である。
図5(a)に示す配線電極6fには、略T字状のトラップ部材11B、11Bが形成されている。すなわち、トラップ部材11B,11Bは、それぞれ、配線電極6fの側縁6fから外側に突出している基部11Bと、基部11Bの先端において配線電極6fの延びる方向と平行に延ばされた先端部11Bとを有する。このような構造を用いることにより、配線電極6fとトラップ部材11Bとからなる構造体の側縁の沿面距離をより大きくすることができ、従ってより確実に樹脂の機能電極側への流延を抑制することができる。
【0044】
さらに、図5(b)に示すように、配線電極6gの側縁6gから外側に突出するように設けられたトラップ部材11Cは、くし歯状の形状を有するものであってもよい。この場合には、配線電極6eの延びる方向に流延してきた樹脂がトラップ部材の配線電極6eと直交する方向に延びる部分を乗り越えたとしても、多数のトラップ部材部分が設けられているため、樹脂の機能電極側への流入を確実に抑制することができる。
【0045】
また、図6に示すように、配線電極6hの側縁6hから外側に突出されているトラップ部材11Dを形成してもよい。ここでは、配線電極6hの延びる方向と直交する方向に突出される基部11Dの先端から、配線電極6hのIDT電極4,5が設けられている側とは反対側方向に延びる先端部11Dが設けられている。この場合には、図示の矢印Dで示すように、配線電極6hの側縁6hを伝って流れてきた樹脂が、先端部11Dの側縁を伝って、IDT電極4,5側とは反対側に流れることになるため、IDT電極4,5側への樹脂の流入をさらに確実に抑制することができる。
【0046】
なお、図5〜図6では、配線電極の一方の側縁6f,6g,6hにのみトラップ部材11B〜11Dが形成されているが、好ましくは両側縁にトラップ部材11B〜11Dが形成される。
【0047】
上記実施例及び変形例では、トラップ部材11,11A〜11Dを設けることにより、樹脂封止層10を構成する樹脂のIDT電極4,5側への流延が抑制されていた。もっとも、樹脂封止層を構成する樹脂の種類によっては、IDT電極4,5側への流入が生じるおそれは皆無ではない。従って、上記流延を抑制するには、好ましくは、樹脂封止層を構成する樹脂として、内側への流延が生じ難いものを用いることが望ましい。
【0048】
図7は、樹脂封止層10を構成する樹脂として、粘度が種々異なる樹脂を用いた場合の弾性表面波装置1の損失の変化を示す図である。損失とは、例えばネットワークアナライザにより測定された最小挿入損失における損失変化量(dB)を示し、この損失変化量は、樹脂の流入量に対応している。すなわち、樹脂が機能電極4,5側へ流入した場合には、損失変化量が大きくなる。
【0049】
図7から明らかなように、室温時の粘度が100Pa・S以上の範囲にある樹脂を用いることにより、損失変化が低減され、従って樹脂の機能領域側への流入を効果的に抑制し得ることがわかる。
【0050】
なお、粘度が高すぎると、樹脂での封止ができなくなることがあり、粘度が2000Pa・S以下が好ましい。また、常温(25℃)における粘度が100〜2000Pa・Sである範囲の樹脂は、硬化開始時の粘度が50〜1000Pa・Sであった。従って、好ましくは、常温における粘度が100〜2000Pa・Sであり、硬化開始時の粘度が50〜1000Pa・Sの範囲にある樹脂、より好ましくは、常温における粘度が500〜1000Pa・Sであり、硬化開始時の粘度が100〜500Pa・Sである樹脂を用いることが望ましい。このような粘度範囲を実現する樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂やフィラーを入れたエポキシ系樹脂などが挙げられる。
【0051】
また、上記実施例の弾性表面波装置1では、ダム部材8が設けられていたが、ダム部材8のケース基板に対向している面8aと、ケース基板2との間の間隔によっても、樹脂封止層を構成する樹脂の流入量は変化する。図8は、このダム部材8の面8aとケース基板2との間隔を種々変化させた場合の損失変化量(dB)、すなわち樹脂の流入量の変化を示す。
【0052】
図8から明らかなように、ダム部材8の面8aとケース基板2との間の間隔を15μm以下、好ましくは10μm以下とすれば、樹脂の流入を効果的に抑制し得ることがわかる。
【0053】
従って、好ましくは、常温における粘度が100〜2000Pa・Sであり、硬化開始時の粘度が50〜1000Pa・Sの範囲に入る樹脂を用い、かつダム部材8とケース基板2との間の間隔を好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下とすれば、樹脂の機能領域側への流入をより確実に抑制し得ることがわかる。
【0054】
上記実施例では、ダム部材8は弾性表面波素子3側に形成されていたが、ケース基板2側に形成されていてもよい。
上記実施例では、弾性表面波素子をフェイスダウン方式でケース基板に接合してなる弾性表面波装置につき説明したが、本発明は、弾性表面波素子以外の電子部品素子を用いた電子部品にも適用することができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明に係る電子部品では、電子部品素子の機能電極の外側に枠状のダム部材が設けられているだけでなく、配線電極の側縁から外側に突出するようにトラップ部材が設けられているため、樹脂封止層を構成する樹脂の硬化時の機能電極側の流入を確実に抑制することができる。従って、本発明によれば、製造工程をさほど煩雑とすることなく、特性の安定な電子部品を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、本発明の一実施例に係る弾性表面波装置に用いられる弾性表面波素子の平面図及びA−A線に沿う断面図。
【図2】本発明の一実施例の弾性表面波装置の側面断面図。
【図3】本発明の一実施例においてトラップ部材を設けたことによる沿面距離の変化を説明するための部分切欠斜視図。
【図4】本発明におけるトラップ部材の変形例を説明するための平面図。
【図5】(a)及び(b)は、本発明におけるトラップ部材の他の変形例を説明するための各平面図。
【図6】本発明におけるトラップ部材の変形例を説明するための平面図。
【図7】実施例の弾性表面波装置において、樹脂封止層を構成する樹脂の室温の粘度を変化させた場合の弾性表面波装置の挿入損失の変化を示す図。
【図8】実施例の弾性表面波装置において、ケース基板とダム部材との間の間隔を変化させた場合の樹脂流入量の変化に相当する挿入損失の変化を示す図。
【図9】従来の弾性表面波装置の一例で用いられている弾性表面波素子を説明するための底面図。
【図10】従来の弾性表面波装置の一例を説明するための正面断面図。
【図11】従来の弾性表面波装置の一例において、樹脂が機能電極側に多量に流入した状態を示す正面断面図。
【図12】従来の弾性表面波装置において、配線電極の端縁に沿って樹脂が流入する状態を説明するための略図的部分切欠斜視図。
【図13】従来の弾性表面波装置の他の例を説明するための正面断面図。
【図14】従来の弾性表面波装置のさらに他の例を説明するための正面断面図。
【符号の説明】
1…弾性表面波装置
2…ケース基板
2a…上面
3…弾性表面波素子
4,5…IDT電極
6a〜6h…配線電極
6a〜6a,6e,6e,6f,6g,6h…端縁
7…圧電基板
7a…下面(第1の主面)
7b…上面(第2の主面)
8…第1のダム部材
8a,9a…ダム部材のケース基板に対向している面
8b…スリット
9…第2のダム部材
10…樹脂封止層
10a…樹脂流入部分
11…トラップ部材
11A〜11D…トラップ部材

Claims (12)

  1. 第1,第2の主面を有し、第1の主面が機能面となるように第1の主面に機能電極と、機能電極に接続された配線電極とが設けられている電子部品素子と、
    前記電子部品素子が第1の主面側からフェイスダウン方式で接合されているケース基板と、
    前記ケース基板と電子部品素子の第1の主面との間の空隙を封止するように設けられた樹脂封止層とを備える電子部品において、
    前記配線電極の延びる方向と交差するように、前記配線電極の側縁から外側に突出されており、樹脂封止層を構成する樹脂の流入を抑制するためのトラップ部材をさらに備えることを特徴とする、電子部品。
  2. 前記樹脂封止層の前記機能電極側への流入を防止するために、前記電子部品素子の前記機能電極及び配線電極が設けられている領域を囲むように前記電子部品素子またはケース基板に形成された枠状のダム部材をさらに備える、請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記トラップ部材が、前記配線電極の両側縁に設けられている、請求項1または2に記載の電子部品。
  4. 前記トラップ部材が、前記配線電極の側縁の沿面距離に比べて、前記配線電極及び前記トラップ部材を含む構造の沿面距離が長くなるように設けられている、請求項1〜3に記載の電子部品。
  5. 前記トラップ部材が前記配線電極と同じ材料により、前記配線電極と一体に構成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の電子部品。
  6. 前記トラップ部材が、前記配線電極とは異なる材料で構成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の電子部品。
  7. 前記トラップ部材が、前記配線電極上を横切るように形成されている、請求項1〜6のいずれかに記載の電子部品。
  8. 前記ダム部材と前記ケース基板との間隔が15μm以下である、請求項2に記載の電子部品。
  9. 前記ダム部材と前記ケース基板との間隔が10μm以下である、請求項2に記載の電子部品。
  10. 前記樹脂封止層を構成する樹脂の粘度が、常温時で100〜2000Pa・Sであり、硬化開始時に50〜1000Pa・Sである、請求項1〜9のいずれかに記載の電子部品。
  11. 前記樹脂封止層を構成する樹脂の粘度が、常温時において500〜1000Pa・Sであり、硬化開始時に100〜500Pa・Sである、請求項1〜9のいずれかに記載の電子部品。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の電子部品において、前記電子部品素子が弾性表面波素子である、弾性表面波装置。
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