JP2004052774A - 真空断熱材、およびそれを用いた冷凍機器、冷温機器、ならびに真空断熱材芯材とその製造方法 - Google Patents

真空断熱材、およびそれを用いた冷凍機器、冷温機器、ならびに真空断熱材芯材とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】冷蔵庫、冷凍庫、自動販売機等の保温保冷機器において、断熱性能に優れるとともに、軽量かつ生産性に優れ、剛性が高く平面精度が高い真空断熱材、それに用いる真空断熱材芯材およびその製造方法を提供する。また、断熱性能の高い断熱箱体からなり省エネルギーで外観品質に優れた冷蔵庫を提供する。
【解決手段】ボード状芯材と、該芯材を外包する外被材とからなり、内部を減圧後密閉した真空断熱材であって、前記ボード状芯材が繊維不織ウエブの積層体からなり、該芯材の少なくとも片側表面には前記繊維がバインダーにより熱固定された硬化層が形成されている。この真空断熱材を、外箱と内箱によって形成される空間の外箱側に、真空断熱材の硬化層側の面が外箱の内面に対向するように配置し、真空断熱材以外の空間に発泡断熱材を充填することにより、断熱性、外観品質に優れた冷蔵庫が得られる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、断熱を必要とするもの、例えば冷蔵庫、保温保冷容器、自動販売機、電気湯沸かし器、車両、及び住宅等の断熱材として使用可能な真空断熱材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球温暖化防止の観点から省エネルギーが強く望まれており、家庭用電化製品についても省エネルギー化は緊急の課題となっている。特に、冷蔵庫、冷凍庫、自動販売機等の保温保冷機器では熱を効率的に利用するという観点から、優れた断熱性能を有する断熱材が求められている。
【0003】
一般的な断熱材として、グラスウールなどの繊維材やウレタンフォームなどの発泡体が用いられている。しかし、これらの断熱材の断熱性を向上するためには断熱材の厚さを増す必要があり、断熱材を充填できる空間に制限があって、省スペースや空間の有効利用が必要な場合には適用することができない。
【0004】
そこで、高性能な断熱材として真空断熱材が提案されている。これは、スペーサの役割を持つ芯材を、ガスバリア性を有する外被材中に挿入し、内部を減圧にして封止した断熱材である。真空断熱材としては、例えば特開平9−138058号公報に開示されているように、芯材として、グラスウール等の繊維質材を有機系バインダーを用いて固め成形したものを用いることができる。
【0005】
ところで、真空断熱材を冷蔵庫などの断熱箱体に適用する場合は、外箱と内箱によって形成される発泡断熱材を、充填する空間の外箱側か、内箱側か、外箱と内箱との中間位置のいずれかに配置することができるが、実際は、外箱側に配置する。具体的には、外箱内面に真空断熱材を両面テープやホットメルトなどの接着剤を用いて接着することが多い。
【0006】
真空断熱材を内箱側に配置することが少ない理由は、内箱側に配置すれば、真空断熱材の適用面積を小さくすることができるというメリットはあるが、内箱は外箱に比べて変形しやすく、内箱の外面は外箱の内面に比べて凹凸があるため、真空断熱材を強固に内箱の外面に固定することが困難な上に、発泡断熱材を充填した時に、真空断熱材と内箱との間に空洞が形成されやすく、空洞形成に起因して内箱が変形したり、断熱性能が低下するという問題があるからである。
【0007】
また、真空断熱材を外箱と内箱との中間位置に配置することが少ない理由は、外箱と内箱との中間位置に配置すれば、外箱または内箱に近接して発泡断熱材に埋まる冷媒管、配水管、電気配線などの存在物がある面にもその存在物を避けて真空断熱材を適用できるというメリットはあるが、真空断熱材を外箱と内箱との中間位置に固定するために、部品点数が増加し、作業性が悪いという問題や、発泡断熱材を充填した時に、真空断熱材とその固定部材とが発泡断熱材の流動の抵抗となるだけでなく、発泡断熱材の流れを真空断熱材が内箱側と外箱側とに分流させるため、断熱箱体の壁厚の薄肉化が困難で、発泡断熱材の充填密度のバラツキが生じ、空洞が形成されやすく、空洞形成に起因して外箱または内箱が変形したり、断熱性能が低下する可能性があるという問題があるからである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、真空断熱材の芯材として、グラスウール等の繊維とバインダーを用いて成形した際に、バインダーがガラス繊維全体にわたって分散し、繊維成形体の内部も均一に結着されてしまう芯材を用いた場合は、芯材の固体熱伝導率が大きくなり、真空断熱材の断熱性能が悪化するという問題があった。
【0009】
さらに、真空断熱材作製時に排気抵抗が大きくなり、真空断熱材内部の真空度が下がりにくいため、所定の断熱性能を得るには排気時間が長くなり、真空断熱材の生産性が悪化するという問題があった。
【0010】
また、特開昭62−14725号公報には、連続気泡構造を有する硬質ウレタンフォームを芯材とする提案がなされているが、完全連続気泡構造の断熱体を得るために、硬質ウレタンフォームブロックの表面に形成された独立気泡を有する高密度のスキン層を取り除く必要があることから、製品歩留まりが悪化し、工業的に安価に製造することができない問題点があった。
【0011】
一方、断熱箱体の外箱内面に真空断熱材を配置する場合は、真空断熱材の接着面の凹凸が外箱外面の凹凸となって現れやすく、特に家庭用冷蔵庫では、比較的大きな平面で構成される外箱の外観品質(平面精度)は、シビアであり、商品価値に大きな影響を与える。
【0012】
そこで、従来では、真空断熱材の接着面の凹凸の外箱への影響を少なくするために、真空断熱材の接着面の凹凸がなくなるように(真空断熱材の接着面と外箱内面との間に空間が発生しないように)厚めの接着剤層を設けたり、凹凸を吸収する軟質部材を介在させたり、厚さのわりに面積が大きい真空断熱材は反りが発生しやすいため、1平面を1枚の真空断熱材で覆うことを諦めて、やむを得ず複数の真空断熱材を使用しており、外箱の外観品質(平面精度)と断熱箱体の断熱性能を高い次元で両立させるために、剛性が高く平面精度が高い真空断熱材が求められていた。
【0013】
そこで、本発明は、冷蔵庫、冷凍庫、自動販売機等の保温保冷機器において、熱を効率的に利用させることの可能な、断熱性能に優れるとともに、軽量かつ生産性に優れる真空断熱材を提供することを目的とする。また、本発明は、剛性が高く平面精度が高い真空断熱材を提供することを目的とする。また、本発明は、断熱性能の高い断熱箱体からなり省エネルギーで外観品質に優れた冷蔵庫を提供することを目的とする。また、本発明は、真空断熱材芯材、さらには該真空断熱材芯材の製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の真空断熱材は、ボード状芯材と、該芯材を外包する外被材とからなり、内部を減圧後密閉した真空断熱材であって、前記ボード状芯材が繊維不織ウエブの積層体からなり、該芯材の少なくとも片側表面に前記繊維がバインダーにより熱固定された硬化層が形成されてなることを特徴とする。
【0015】
繊維不織ウエブの積層材料を用いることにより、繊維不織ウエブ各層間の熱移動が行われ難く断熱性に優れた真空断熱材が得られると共に、表面に形成された硬化層によりハンドリング性が良好となり、また表面平滑性が良好になることで取付時の安定性や断熱性が向上する。一方、内層には殆んど硬化されない層が形成されることで、内層での熱伝導率の低下により断熱効果が向上する。また、繊維不織ウエブを用いているため、芯材全体に連続開孔構造が形成され、この連続開孔構造により減圧容器中での減圧時に外被材と成形体との層間の残存空気が膨張し、溶着周縁部が破れ外被材を設けた効果が失われる事態を回避することができるため、品質が安定化する。
【0016】
本発明の真空断熱材においては、前記ボード状芯材の密度が100〜400kg/mの範囲であることが好ましい。密度が100kg/m以上の場合は芯材を構成する材料の割合を確保できるため、実用上十分な強度を付与することが可能となり、一方密度が400kg/m以下の場合は断熱材に占める芯材の割合を低く抑えることができるため、断熱性が良好となる。
【0017】
また、本発明の真空断熱材においては、前記ボード状芯材の表面硬度が15〜70であることが好ましい。表面硬度が15以上であればハンドリング性や表面平滑性を確保することができ、一方表面硬度が70以下であれば冷蔵庫等を廃棄した後の断熱材の廃棄処理がし易くなる。
【0018】
この表面硬度は、芯材の表面に硬化層が形成されることにより発現されるものであるが、硬化層は前記繊維がバインダーにより熱固定される、すなわち繊維がバインダーにより結着されることによって形成される。該硬化層は、空隙割合が小さく、繊維とバインダーとの結着により形成されるため剛性が高い。したがって、芯材の少なくとも片面(好ましくは両面)にかかる硬化層を形成することにより、芯材の剛度が向上し、ハンドリング性が良好になる。また、芯材の硬度が高くなることで、外被材にて外包後内部を減圧密閉した後でも、断熱材表面の陥没や大きな凹凸が殆んど発生することなく表面の平滑性を保つことができるため、冷凍・冷温機器への取付時の接着性が向上し、断熱効果がより一層良好となる。
【0019】
本発明の真空断熱材においては、前記バインダーが無機材料からなることが好ましい。バインダーに無機材料を用いることにより、バインダーからの経時的な発生ガスが少なくなり、真空断熱材の経時的断熱性能が向上する。
【0020】
また、前記バインダーが、ホウ酸、ホウ酸塩、リン酸、リン酸塩およびこれらの加熱生成物からなる化合物群から選択される少なくとも1種の化合物であることがさらに好ましい。これらの化合物はそれ自身でガラス状物質を形成するため、より硬化層を形成しやすく、特に無機繊維と親和性がよくマイグレーションをおこしにくい。
【0021】
本発明の真空断熱材においては、前記硬化層が繊維不織ウエブの積層体表面に水を噴霧することにより形成されたものであってもよい。この硬化層は、繊維不織ウエブ積層体の表面に単に水を噴霧することで形成されるもので、水の付着によって繊維から溶出する物質(バインダー)により繊維を結着するものである。水を噴霧する方法では内層まで完全に水が浸透することなく内層は結着強度が弱いものとなるので、内層ほど柔軟な芯材を得ることができる。
【0022】
前記の繊維としては無機繊維が好ましく、特にグラスウールもしくはグラスファイバーが好ましい。
【0023】
また、本発明の真空断熱材においては、前記外被材がプラスチック−金属箔ラミネートフィルムであることが好ましい。芯材をラミネートフィルムで被覆することにより断熱効果が向上し、特に、金属箔を内層にしプラスチックを外層にすることにより、金属箔による熱伝導が少なく優れた断熱性能が得られるとともに、断熱箱体への取り付けが容易になり、発泡断熱材との親和性が高くなることで、断熱効果がより一層向上する。
【0024】
したがって、本発明の真空断熱材は、上記特有の構成を有することより、熱伝導率が0.0015〜0.0025W/mKの範囲にある。この断熱性能は、従来のウレタン系断熱材の10倍、グラスウールの20倍に相当するものであり、極めて高いレベルにある。
【0025】
次に、本発明の冷凍機器および冷温機器は、外箱と、内箱と、前記外箱と前記内箱によって形成される空間に発泡断熱材と真空断熱材とを有し、前記真空断熱材を前記空間に配置し、前記真空断熱材以外の前記空間に発泡断熱材を充填してなる冷凍機器および冷温機器であって、前記真空断熱材が上記本発明の真空断熱材であることを特徴とする。
【0026】
外箱と内箱とからなる空間に、本発明の断熱性能に優れた真空断熱材を配置し、それ以外の空間に発泡断熱材を充填することにより、断熱性能に優れた冷凍機器および冷温機器を得ることができる。
【0027】
また、本発明の冷蔵庫は、外箱と、内箱と、前記外箱と前記内箱によって形成される空間に発泡断熱材と真空断熱材とを有し、前記真空断熱材を前記空間の前記外箱側に配置し、前記真空断熱材以外の前記空間に発泡断熱材を充填してなる冷蔵庫であって、前記真空断熱材が上記本発明の真空断熱材であり、前記真空断熱材の前記硬化層側の面が前記外箱の内面に対向していることを特徴とする。
【0028】
本発明の真空断熱材は、芯材の内側層のバインダー濃度を薄くして、芯材内部まで均一なバインダー濃度の芯材を使った従来の真空断熱材よりも軽く、断熱性能を高くできる。また、本発明の真空断熱材は、芯材の表面に硬化層が形成されているため剛性が高い。また、本発明の真空断熱材は、平滑な金型のプレス機で圧縮加熱して芯材に硬化層を形成することにより、硬化層側の表面の平面精度を高くすることができる。また、本発明の真空断熱材は、軽量で剛性が高く平面精度が高いため広い面積のものが使用できる。
【0029】
そして、外箱と内箱とからなる空間の外箱側に、本発明の軽量で剛性が高く断熱性能に優れ平面精度が高い真空断熱材を広い面積で配置し、それ以外の空間に発泡断熱材を充填することにより、外箱の外観品質(平面精度)と断熱箱体の断熱性能を高い次元で両立させることができ、省エネルギーで外観品質に優れた冷蔵庫を得ることができる。
【0030】
また、本発明の冷蔵庫においては、前記外箱の内面における冷媒配管が配設された部分に対して、前記硬化層側の面に前記外被材の外側からプレスで前記冷媒配管を収納可能な溝を形成した前記真空断熱材を、前記溝内に前記冷媒配管が収まるように配置することが好ましい。本発明の真空断熱材は、芯材の内側層のバインダー濃度を薄くして、芯材の内側層を柔らかくすることにより、真空断熱材製造後に外被材の上からプレスで真空断熱材の表面に溝を形成することができる。そして、外箱の内面における冷媒配管が配設された部分に対しても、冷媒配管を避けて複数の小さい真空断熱材を配置することなく、冷媒配管を覆うように大きい真空断熱材を配置することができるため、少ない枚数の真空断熱材で、外箱と冷媒配管の熱が庫内に伝わるのを効率よく断熱でき、省エネルギーに優れた冷蔵庫を得ることができる。
【0031】
なお、本発明の真空断熱材は、ホットメルトなどの接着剤で外箱に固定することができ、その接着剤の層の厚みは、70〜130μmの範囲であることが好ましい。130μmを超える厚さの接着剤の層を設けることは、接着剤の無駄であり、接着剤は発泡断熱材より熱を伝えやすいため、断熱性能の低下につながる。また、接着剤の層を70μm未満にすると、接着の信頼性が低下する。
【0032】
また、本発明の真空断熱材芯材は、繊維不織ウエブの積層体からなり、該芯材の少なくとも片側表面には前記繊維がバインダーにより熱固定された硬化層が形成されてなることを特徴とする。
【0033】
一般に、バインダーによっては成形体表面層にのみ硬化層を形成し、内部に浸透した少量のバインダーがマイグレーションにより表面層にその大部分が移動し、内部にはほとんど硬化層を形成しないこともある。この場合は、内部に割れを生じ、成形体全体としての強度低下が懸念される。しかし、例えば繊維をボード状に形成した後、表面にバインダーを塗布して圧縮加熱することによりボード状成形体を得る方法によれば、表面層においては、塗布したバインダーが硬化した濃度の大きい層を形成し、内部は浸透した少量のバインダーがあまりマイグレーションをおこさず表面層の内側で硬化する。その結果、ボードの厚み方向に対してバインダー濃度の異なる成形体を得ることができ、かつボード内部でも少量のバインダーが硬化した、強度的にも優れたボード状成形体を得ることができる。
【0034】
したがって、本発明の真空断熱材芯材の製造方法は、繊維を所定形状になるように積層するステップと、積層した繊維ウエブの外面の少なくとも片面にバインダー水溶液あるいは水を塗布するステップと、バインダーを塗布した積層繊維ウエブを100℃以下の温度で圧縮するステップと、圧縮した積層繊維ウエブを100℃以上の温度で加熱圧縮するステップとを含むことを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】
本発明の真空断熱材は、ボード状芯材と、該芯材を外包する外被材とからなり、内部を減圧後密閉した真空断熱材であって、前記ボード状芯材が繊維不織ウエブの積層体からなり、該芯材の少なくとも片側表面には前記繊維がバインダーにより熱固定された硬化(固化)層が形成されてなるものである。かかるボード状芯材は、その表面硬度が15〜70であることが好ましいが、この表面硬度は外被材によるパッケージング前の芯材の表面硬度を表したものである。したがって、外被材によるパッケージング後の真空断熱材としての表面硬度は、50〜80であることが好ましく、望ましくは60〜75の範囲であるのが良い。
【0036】
また、真空断熱材使用後に外被材を破ることにより取り出された状態での芯材の表面硬度は、15〜50であることが好ましく、望ましくは20〜40の範囲であるのがよい。表面硬度が小さすぎる場合はハンドリング性が悪く、廃棄処理工程における作業効率が低下するおそれがあり、一方、芯材の耐久性等を考慮すれば多少の硬度低下があるとしても、表面硬度が高すぎる場合は硬化(固化)層を別途切り取る等の処理が必要となり、工程が煩雑化するおそれがある。
【0037】
なお本発明において、硬度はデュロメーターにより芯材の表面の硬さを測定したときの値で定義され、数値が大きいほど硬く小さいほど柔らかいを意味する。
【0038】
本発明の真空断熱材においては、ボード状芯材の少なくとも片側の表面に、前記繊維がバインダーにより結着されてなる硬化(固化)層が形成されているため、硬化層が形成された外層と内層におけるバインダー濃度が異なる。より具体的には、本発明の真空断熱材は、ボード状成形体の厚み方向における表面層のバインダー濃度が他層よりも高い。表面層のバインダー濃度を他層よりも大きくすることにより、上記の効果に加え、表面平滑性に優れた芯材が得られ、外観的にも優れた真空断熱材が得られる。
【0039】
また、表面層以外の内部にバインダーの濃度が低い部分を設けることにより、内部の固体熱伝導を小さくすることができ、断熱性能が向上する。さらに、バインダー濃度が小さい部分の排気抵抗が小さくなり、排気時の真空度を下がりやすくすることができ、真空断熱材の生産性の向上が期待できる。このように、成形体の厚み方向においてバインダー濃度の異なる芯材を用いることにより、芯材剛性、断熱性能、生産性に優れた真空断熱材を得ることができる。
【0040】
本発明におけるボード状芯材は、繊維不織ウエブ積層体をボード化したものであれば、特に限定はされない。該芯材を構成する繊維は、上記本発明のボード状芯材の特性を満足しうるものであれば、有機繊維あるいは無機繊維のいずれでもよい。繊維としては、例えば、グラスウール、グラスファイバー、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維、ロックウール、炭化ケイ素繊維等の無機繊維、あるいは木綿等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン、アラミド等の合成繊維等の有機繊維などを挙げることができ、公知の材料を使用することができる。圧縮加熱の際の耐熱性の点からは無機繊維が望ましい。中でも、耐候性が高く、耐水性が良好である点より、グラスウール、グラスファイバーが好ましく用いられる。特に、耐候性、耐水性に優れる点より、ホウ素含有ガラスを素材とするものが望ましい。
【0041】
本発明において用いる繊維は、その繊維径は特に限定するものではないが、連続開孔構造を形成することができ、かつ表面硬度が高く軽量な芯材を得る観点より、0.1〜20μm、好ましくは1〜10μm、さらに好ましくは2〜7μmであるのがよい。また、積層体の剥離等を防止する観点より、平均繊維長が5〜15mmのものが好ましく用いられるが、これに限定されない。
【0042】
繊維材料には、本発明のボード状芯材の特性を損なわない範囲で、粉末を添加してもよい。粉末としては、例えば、シリカ、パーライト、カーボンブラック等の無機粉末、あるいは合成樹脂粉末等の有機粉末などをあげることができる。また、ウレタンフォーム、フェノールフォーム、スチレンフォーム等の発泡樹脂の粉砕物等、公知の材料を適宜使用することができる。
【0043】
本発明で用いるバインダーとしては、無機あるいは有機バインダー等を使用できる。具体的には、コロイダルシリカ、アルミナゾル、水ガラス、セッコウ、ホウ酸またはその塩、酸化ホウ素、リン酸またはその塩、ケイ酸ナトリウム、アルキルシリケート等の無機バインダー、あるいはフェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいは酢酸ビニル、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、あるいは天然物接着剤等の有機バインダーをあげることができる。これらを単独または混合して使用したり、あるいはこれらを水あるいは公知の有機溶媒で希釈して使用することも可能である。中でも、無機バインダーが好ましく、特に、ホウ酸、ホウ酸塩、リン酸、リン酸塩、あるいはそれらの加熱生成物のうち少なくとも一種の化合物を含むことが好ましい。
【0044】
ホウ酸系化合物としては、例えば、ホウ酸、メタホウ酸、酸化ホウ素、四ホウ酸ナトリウムの各水和物あるいは無水物等のホウ酸ナトリウム類、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸リチウム類、ホウ酸マグネシウム類、ホウ酸カルシウム類、ホウ酸アルミニウム類、ホウ酸亜鉛類、過ホウ酸塩類、アルキルホウ酸、ボロキシン誘導体等があげられる。
【0045】
リン酸系化合物としては、例えば、リン酸、五酸化二リン等の酸化リン、第一リン酸塩、第二リン酸塩、第三リン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、メタリン酸塩等のリン酸塩、それらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩等があげられる。
【0046】
これらのうち、ガラス形成物あるいは水溶性物質が好ましい。例えば、ホウ酸、メタホウ酸、酸化ホウ素、ホウ砂、リン酸、第一リン酸アルミニウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等である。
【0047】
成形体のバインダーとして用いボード状繊維成形体を作製する場合は、上記の化合物を1種あるいは2種以上混合して、あるいはその他のバインダーを混合して、あるいはそれらを希釈して使用する。
【0048】
前記芯材材料へのバインダー付着方法としては、特に限定するものではないが、前記バインダーまたはその希釈液を塗布または噴霧したりして付着させる。具体的には、芯材材料をある程度成形した後にバインダーを噴霧し、その後加熱圧縮することにより、ボード状成形体の厚み方向に対してバインダー濃度の異なる成形体を得ることができる。
【0049】
また、繊維の繊維化時にバインダーやその希釈液を噴霧し、ボードのある部分にはバインダー濃度の大きい繊維を、その他の部分にはバインダー濃度の小さい繊維あるいはバインダーのない繊維を配置し、その後繊維積層体を圧縮加熱等により固形化させることにより、成形体の厚み方向に対しバインダー濃度の異なるボードを得ることも可能である。繊維積層体を用いることにより、各層間の熱移動がしにくくなるため、断熱性が向上する。
【0050】
また、上記バインダーを用いることなく、繊維不織ウエブ積層体表面に水を噴霧し、水の付着によって繊維から溶出する物質(バインダー)により繊維を結着させてもよい。この場合は、内層まで完全に水が浸透することなく内層は結着強度が弱いものとなるので、内層ほど柔軟な芯材を得ることができる。
【0051】
あるいは、バインダー濃度の大きいボード状成形体とバインダー濃度の小さいボード状成形体を2枚以上組み合わせることにより、厚み方向に濃度の異なる芯材を得ることも可能である。
【0052】
バインダー濃度は、芯材に対しバインダーの固形分が0.1wt%以上20wt%以下となるようにバインダーを付着させることが望ましい。バインダー量が多くなると、バインダーからの発生ガスの増加や固体熱伝導率の増加が懸念され、真空断熱材の断熱性能に悪影響を及ぼすことが考えられるからである。一方、バインダー量が少ないと、繊維積層体の固形化が不十分となるからである。
【0053】
バインダー濃度は、ボード状成形体の厚み方向において異なっていることが好ましいが、バインダー濃度の小さい部分に固体熱伝導率、排気抵抗の低減効果を、大きい部分にボードの剛性を付与するという効果をそれぞれもたせることができる。特に、ボード状成形体の少なくとも片面の表面層、あるいは両面の表面層のバインダー濃度が大きいボード状成形体が好ましく、これにより、真空断熱材にしたときに表面性が良好となる。バインダーを付着させた後、積層成形体を圧縮あるいは加熱圧縮することによりボード化する。
【0054】
この場合、ボード状芯材の密度(密度)が100〜400kg/mとなるように加圧することが望ましく、ボード内での密度は異なっていてもよい。密度が100kg/mより小さいと成形体としての形状を保持しにくくなり、400kg/mより大きくなると固体熱伝導率が大きくなり真空断熱材の断熱性能が悪化することが考えられるからである。ボードの密度(密度)は、好ましくは120〜300kg/mであり、さらに好ましくは150〜250kg/mの範囲であるのがよい。
【0055】
なお、ボード状芯材の熱伝導率は、平均温度24℃にて、0.030〜0.038W/mKの範囲であり、好ましくは0.033〜0.037W/mKの範囲であるのがよい。また、ボード状芯材は、取扱性、生産性等を考慮すると、ある程度の剛性を有することが望ましい。芯材の厚み(2枚以上積層した場合は合計厚み)は、特に限定はないが、通常5〜20mm厚のものが用いられる。
【0056】
本発明における外被材としては、特に限定はなく、少なくともガスバリア層および熱融着層を有するものであればよく、必要に応じて表面保護層等を設けてもよい。
【0057】
前記ガスバリア層としては、金属箔、あるいは金属、あるいは無機酸化物、あるいはダイヤモンドライクカーボン蒸着をしたプラスチックフィルム等を用いることができるが、気体透過を低減する目的で用いるものであれば、特に限定するものではない。
【0058】
上記金属箔としては、アルミニウム、ステンレス、鉄等の箔を用いることができるが、特に限定するものではない。
【0059】
また、前記金属等の蒸着を行う基材となるプラスチックフィルムの材料は、特に限定するものではないが、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂、ポリエチレンナフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリイミドなどへの蒸着が好ましい。
【0060】
前記プラスチックフィルム上への金属蒸着の材料は、アルミニウム、コバルト、ニッケル、亜鉛、銅、銀、あるいはそれらの混合物等があげられるが、特に限定するものではない。
【0061】
また、前記プラスチックフィルム上への無機酸化物蒸着の材料は、シリカ、アルミナ等があげられるが、特に限定するものではない。
【0062】
また、熱溶着層としては、低密度ポリエチレンフィルム、鎖状低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、無延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、あるいはそれらの混合体等を用いることができるが、特に限定するものではない。
【0063】
また、ガスバリア層の外面に表面保護層を設けることも可能である。
【0064】
表面保護層としては、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルムの延伸加工品などが利用でき、さらに外側にナイロンフィルムなどを設けると可とう性が向上し、耐折り曲げ性などが向上する。
【0065】
以上のようなフィルムをラミネートして用いる。中でも、プラスチック−金属箔ラミネートフィルムが好ましく用いられる。また、外被材として鉄板、ステンレス板、亜鉛板等の金属板を用いた金属容器を使用してもよい。
【0066】
外被材の袋形状は、四方シール袋、ガゼット袋、三方シール袋、ピロー袋、センターテープシール袋等、特に限定するものでない。また、金属板を直方体に成型して用いる等の方法がある。
【0067】
また、さらに真空断熱体の信頼性を向上させる場合は、ガス吸着剤や水分吸着剤等のゲッター物質を使用することも可能である。
【0068】
本発明の真空断熱材の製造においては、まず外被材を作製し、その後外被材中に芯材を挿入し内部を減圧し封止してもよく、あるいは、減圧槽中に芯材とロール状あるいはシート状のラミネートフィルムからなる外被材を設置し、ロール状あるいはシート状の外被材を芯材に沿わした状態にしてから外被材を熱融着することにより真空断熱材を作製してもよく、あるいは、芯材を挿入した外被材内を直接減圧にして外被材開口部を封止することにより真空断熱材を製造する、あるいは金属板で成形した容器にボード状の芯材を挿入し、真空ポンプと前記金属容器とを管で結んで容器内を減圧とし、その後管を封止し切ることにより真空断熱材とする等の方法があるが、特に指定するものではない。また、ボード状芯材は外被材挿入前に水分乾燥を行ってもよく、また外被材挿入時に吸着剤を一緒に挿入してもよい。
【0069】
本発明の真空断熱材は、表面に硬化層が形成されていることにより、減圧処理後も表面平滑性に優れたものが得られる。なお、表面粗さは、JIS B 0601により求めることができる。
【0070】
また、本発明の真空断熱材は、冷凍機器や冷温機器の断熱材として好ましく用いられる。その場合は、冷凍機器や冷温機器の外箱と内箱とによって形成される空間に発泡断熱体と真空断熱材とを配置するが、前記真空断熱材を前記空間に配置し、前記真空断熱材以外の前記空間に発泡断熱材を充填する。例えば冷蔵庫に適用した場合、冷蔵庫の外箱と内箱の間の空間の外箱側または内箱側に真空断熱材を貼付しその他の空間に樹脂発泡体を充填する、あるいは真空断熱体と発泡樹脂体とを一体発泡した断熱体を冷蔵庫の外箱と内箱の間の空間に配設する、あるいはドア部に同様に使用する、あるいは仕切り板に使用する等、その使用方法は特に指定するものではないが、機械室と内箱との間、あるいは冷凍室の周囲に前記真空断熱材を用いることは、特に断熱効率に優れ、低電力量で冷蔵庫を運転できるため望ましい。
【0071】
冷蔵庫等の冷凍機器や冷温機器に真空断熱材を貼付する場合は、真空断熱材と外箱との間の空洞形成を防止して断熱効果を高める点より、真空断熱材の硬化層側の面を冷蔵庫の外箱の内面に対向させて固定するのが好ましい。固定には、両面テープやホットメルトなどの接着剤を用いることができるが、接着の信頼性が高い点より、ホットメルト接着剤が好ましく用いられる。ホットメルト接着剤の種類は特に限定されず、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、合成ゴム等をベースとするものがあげられる。
【0072】
前記の樹脂発泡体としては、例えば硬質ウレタンフォーム、フェノールフォームやスチレンフォームなどを使用することができるが、特に限定するものではない。
【0073】
また、例えば硬質ウレタンフォームを発泡する際に用いる発泡剤としては、特に限定するものではないが、オゾン層保護、地球温暖化防止の観点から、シクロペンタン、イソペンタン、n−ペンタン、イソブタン、n−ブタン、水(炭酸ガス発泡)、アゾ化合物、アルゴン等が望ましく、特に断熱性能の点からシクロペンタンが特に望ましい。
【0074】
また、冷凍機器・冷温機器に使用する冷媒は、フロン134a、イソブタン、n−ブタン、プロパン、アンモニア、二酸化炭素、水等、特に指定するものではない。
【0075】
本発明において、冷凍機器および冷温機器は、動作温度帯である−30℃から常温で断熱を必要とする機器の代表として示したものであり、例えば保冷車、電子冷却を利用した冷蔵庫等や、自動販売等のより高温までの範囲で温冷熱を利用した冷温機器や、ガス機器あるいはクーラーボックス等動力を必要としない機器も含むものである。
【0076】
さらに、本発明の真空断熱材は、パソコン、ジャーポット、炊飯器等に使用することも可能である。
【0077】
次に本発明の真空断熱材芯材の製造方法を説明する。本発明の製造方法においては、繊維ウエブを所定形状になるように積層するステップと、積層した繊維ウエブの外面の少なくとも片面に水で希釈したバインダー水溶液(あるいは水)を塗布するステップと、バインダーを塗布した積層繊維ウエブを100℃以下の温度で圧縮するステップと、圧縮した積層繊維ウエブを100℃以上の温度で加熱圧縮するステップとを含む。繊維ウエブを所定の形状になるように積層し、積層した繊維ウエブの外面に水で希釈したバインダー水溶液(あるいは水)を塗布する。このとき、積層繊維の片面、あるいは両面、あるいは全表面等任意の外面に、水で希釈したバインダー水溶液(あるいは水)を塗布する。その後、バインダーを塗布した積層繊維ウエブを100℃以下の温度で圧縮するが、これは水分の蒸発しにくい常温圧縮の方が好ましい。
【0078】
ここで、バインダー水溶液の濃度は、バインダーの種類、塗布量、添加量によって変動するため一概に規定することはできないが、水への溶解性を考慮すると0.5〜20重量%とするのが望ましい。バインダー水溶液の塗布量は、特に限定するものではないが、繊維積層体100重量部に対し50重量部以上300重量部以下の割合で使用することが好ましい。使用量が50重量部より少ないと水溶液が繊維積層体の内部に浸透しにくく、300重量部より多いと、この後の加熱圧縮工程で余分な水分が液体状態で流出し、それと共にバインダーも流出するためバインダーにロスが発生するからである。
【0079】
その後、積層繊維を100℃以上の温度で加熱圧縮するが、これは水分を蒸発させること、およびバインダーを硬化させることが目的であり、バインダー硬化温度以上で加熱することが望ましい。加熱圧縮時にバインダーが積層体内部に浸透しすぎるのを防止したり、繊維の溶融を防止する観点より、600℃以下であることが好ましい。
【0080】
一般に、繊維化時にバインダーを塗布した繊維を用いて成形体を作製すると、成形体内で均一なバインダー分布を有するボードを得やすく、濃度勾配を有する成形体を得ることは困難である。しかし、本発明の製造方法によれば、繊維を所定形状に積層し、その積層した繊維の少なくとも一面にバインダーを塗布し、それを100℃以下すなわち水分蒸発以下の温度にて一度圧縮することにより表面層はバインダー濃度が大きく内部はバインダー濃度が小さい状態にし、その後100℃以上の温度で圧縮加熱して水分を蒸発させることにより、厚み方向にバインダー濃度が異なり、しかも成形体内部でも少量のバインダーが結着した芯材を得やすく強度的にも優れた芯材を得ることができる。
【0081】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は本実施例のみに限定されるものではない。
【0082】
(実施例1)
図1は本発明の一実施例における真空断熱材の断面図である。1は真空断熱材であり、ボード状芯材2を外被材3中に挿入し、内部を減圧として密封し、真空断熱材1としている。
【0083】
ボード状芯材2は、まず平均繊維径5μm、平均繊維長10mm、真比重2.5g/cmのグラスウール4を所定密度になるまで積層した。バインダーは、グラスウール100重量部に対し、バインダー5として水ガラス10重量部を水90重量部に溶解し、水ガラス水溶液100重量部としたものを使用した。この水ガラス水溶液を、噴霧装置にて、積層したグラスウール4の両表面に噴霧し、その後450℃の熱風循環炉の中で密度が230kg/mとなるように20分間プレスし、ボード状芯材2を得た。ボード状芯材の密度は235kg/m、熱伝導率は0.35W/mKであった。
【0084】
このボード状芯材2の断面図を図2に示す。ボード内面層はあまりバインダー5が残留しておらず、ボード外層にて多くのバインダーが硬化し、表面に硬化層が形成されているのが確認できた。この芯材の表面硬度を測定したところ65であった。
【0085】
また、ボード状芯材の表面の外観をオリンパス製光学顕微鏡BH−2(倍率:580倍)で観察したものを図11に示した。交差した繊維がバインダーにより結着し硬化しているのがわかる。
【0086】
外被材2は、2枚のラミネートフィルムを三方シールにて製袋した。前記2枚のラミネートフィルムのうち、1枚は熱融着層として直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(以下、LLDPEと称す)が50μm、ガスバリア層として厚み15μmのエチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム(以下、EVOHと称す)に膜厚450オングストロームのアルミ蒸着を形成したフィルムと、厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、PETと称す)に450オングストロームのアルミ蒸着を形成したフィルムをアルミ蒸着面同士貼り合わせたフィルムからなり、熱融着層のLLDPEとガスバリア層のEVOHをドライラミネートしている。また、他の1枚は、熱融着層は厚み50μmのLLDPE、その上にガスバリア層として厚み6μmのアルミ箔、さらに保護層として厚み12μmのナイロン,最外層として厚み12μmのナイロンにより構成されている。
【0087】
前記ボード状芯材2を140℃の乾燥炉で1時間乾燥し、外被材3中に挿入し、内部を3Paまで5分間減圧し封止した。
【0088】
以上のようにして作製した真空断熱材1の熱伝導率は、平均温度24℃にて0.0022W/mKであり、その表面硬度は70であった。
【0089】
また、経時信頼性を確認するため加速試験による断熱材の劣化を評価したが、10年経過条件での熱伝導率は平均温度24℃にて0.005W/mKであった。この真空断熱材の外被材を破って芯材を取り出し、その表面硬度を測定したところ60であった。
【0090】
(実施例2)
図3に示す構造の真空断熱材を作製した。外被材3中に、ボード状芯材2Aを挿入し、内部を減圧として密封し、真空断熱材とした。ボード状芯材2Aは、まず平均繊維径5μm、平均繊維長10mm、真比重2.5g/cmのグラスウール4を所定密度になるまで積層した。バインダー5Aは、グラスウール100重量部に対し、バインダーとしてホウ酸3重量部を水97重量部に溶解し、ホウ酸水溶液100重量部としたものを使用した。このホウ酸水溶液を、噴霧装置にて、積層したグラスウール4の両表面に噴霧し、それを一度常温でプレスした。その後350℃の熱風循環炉の中で密度が230kg/mとなるように20分間プレスし、ボード状芯材2Aを得た。このボード状芯材の密度は233kg/m、熱伝導率は0.34W/mKであった。
【0091】
このボード状芯材2Aの断面図を図4に示す。ボード内面層も、外層よりは弱いがバインダーにより結着しており、外層に向けてバインダー量が増大しており、表面に硬化層が形成されているのが確認できた。この芯材の表面硬度を測定したところ45であった。
【0092】
前記ボード状芯材2Aを140℃の乾燥炉で1時間乾燥し、外被材3中に挿入し、内部を3Paまで5分間減圧し封止した。なお、外被材3は、実施例1にて使用した外被材と同様のものを用いた。
【0093】
以上のようにして作製した真空断熱材の熱伝導率は、平均温度24℃にて0.002W/mKであり、その表面硬度は60であった。
【0094】
また、経時信頼性を確認するため加速試験による断熱材の劣化を評価したが、10年経過条件での熱伝導率は平均温度24℃にて0.005W/mKであった。この真空断熱材の外被材を破って芯材を取り出し、その表面硬度を測定したところ35であった。
【0095】
この真空断熱材は、実施例1で得た真空断熱材と比較して、バインダーをホウ酸としたこと、および加熱圧縮前に常温プレスしていることから、芯材内部にもバインダーが残留しているため、芯材内部での割れが起きず、強度的に向上した。
【0096】
(実施例3)
図5に示す構造の真空断熱材を作製した。外被材3中にボード状芯材2Bを挿入し、内部を減圧として密封し、真空断熱材とした。ボード状芯材2Bは3枚のボードからなっている。そのうち2枚(21B)は、平均繊維径5μm、平均繊維長10mm、真比重2.5g/cmのグラスウール4を所定密度になるまで積層したものを、バインダー5Bはグラスウール100重量部に対し、バインダーとしてホウ酸5重量部を水95重量部に溶解し、ホウ酸水溶液100重量部としたものを使用した。このホウ酸水溶液を、噴霧装置にて、積層したグラスウール4の両表面に噴霧し、それを一度常温でプレスした。その後350℃の熱風循環炉の中で密度が230kg/mとなるように20分間プレスした。もう1枚(22B)は、平均繊維径5μm、平均繊維長10mmのグラスウール4を350℃にて圧縮加熱してものを使用した。前記のバインダーを用いたボード状芯材(21B)の表面に硬化層が形成されているのが確認でき、その表面硬度は45であった。
【0097】
これら3枚のボードを、外側がホウ酸を用いたボード(21B)、内側にグラスウールのみを用いたボード(22B)を重ね、ボード状芯材2Bとした。このボード状芯材2Bの断面図を図6に示す。なお、外被材3は、実施例1にて使用した外被材と同様のものを用いた。このボード状芯材の密度は190kg/m、熱伝導率は0.34W/mKであった。
【0098】
前記ボード状芯材2Bを140℃の乾燥炉で1時間乾燥し、外被材2中に挿入し、内部を3Paまで5分間減圧し封止した。
【0099】
以上のようにして作製した真空断熱材1Bの熱伝導率は、平均温度24℃にて0.0019W/mKであり、その表面硬度は60であった。
【0100】
また、経時信頼性を確認するため加速試験による断熱材の劣化を評価したが、10年経過条件での熱伝導率は、平均温度24℃にて0.005W/mKであった。この真空断熱材の外被材を破って芯材を取り出し、その表面硬度を測定したところ35であった。
【0101】
表面層にホウ酸バインダーつきのボードを、内部層にグラスウールのみのボードを用いたことにより、内部層にバインダーがないことから固体熱伝導率が小さく断熱性能に優れた芯材を得ることができた。
【0102】
(実施例4)
図7は本発明の一実施例における冷凍冷蔵庫の断面図、図8は同冷凍冷蔵庫の断熱箱体の天井面部分の要部拡大断面図である。6は冷蔵庫、7は冷蔵庫を形成する断熱箱体、1Aは真空断熱材である。本実施例では、真空断熱材1Aは、箱体内部の外箱8側に、芯材2Aの硬化層を形成した側の面が外箱8の内面に対向するように配置している。
【0103】
また、本実施例では、外箱8の内面における冷媒配管21が配設された部分に対して、芯材2Aの硬化層を形成した側の面に外被材3の外側からプレスで冷媒配管21を収納可能な溝22を形成した真空断熱材1Aを、溝22内に冷媒配管21が収まるように配置する。
【0104】
また、本実施例では、真空断熱材1Aを、熱可塑性のゲル状のホットメルト形接着剤23で外箱8に固定する。その接着剤23の層の厚みは、約100μmとしているが、70〜130μmの範囲であることが好ましい。接着剤23はローラーなどを用いて真空断熱材1Aにおける外箱に接着させる面に均一に過不足なく塗布しておく。
【0105】
断熱箱体7は、鉄板をプレス成型した外箱8とABS樹脂を真空成型した内箱9とがフランジを介して構成される箱体内部にあらかじめ真空断熱材1Aを配設し、前記真空断熱材1A以外の空間部を、硬質ウレタンフォーム10にて発泡充填したものである。硬質ウレタンフォーム10は、発泡剤としてシクロペンタンを使用している。
【0106】
断熱箱体7は、仕切り板12にて区切られており、上部が冷蔵室13、下部が冷凍室14となっている。仕切り板12にはダンパ15が取り付けられている。
【0107】
16は冷蔵庫内に配置された蒸発器であり、圧縮機18、凝縮器19、キャピラリチューブ20とを順次環状に接続し、冷凍サイクルを形成する。冷凍サイクル内には冷媒であるイソブタンが封入されている。
【0108】
蒸発器は冷蔵室13および冷凍室14の2カ所に設け、それらを直列にまた並列に繋ぎ冷凍サイクルを形成してもよい。
【0109】
また、冷蔵庫6にはドア体11が取り付けられており、ドア体11の内部に真空断熱材1Aが配設され、真空断熱材以外の空間部は硬質ウレタンフォーム10にて発泡充填されている。
【0110】
真空断熱材1Aは実施例2に示したものと同様の構成である。このように構成された冷蔵庫の消費電力量を測定したところ、真空断熱材を装着しない冷蔵庫よりも25%低下しており、断熱効果を確認した。
【0111】
(比較例1)
図9は本発明の一比較例における真空断熱材の断面図である。1aは真空断熱材であり、ボード状芯材2aを外被材3a中に挿入し、内部を減圧として密封し、真空断熱材1aとしている。外被材3aの材料構成は実施例1にて使用した外被材3と同じであり、三方シールにて製袋し、外被材3aとしている。
【0112】
ボード状芯材2aは、グラスウール4a(実施例1で用いたものと同じ)の繊維化後に、繊維表面にバインダー5aが均一に付着するように噴霧した。バインダー水溶液はグラスウール100重量部に対し、バインダーとしてフェノール樹脂10重量部を水90重量部に溶解し、フェノール水溶液100重量部としたものを使用した。このバインダー付き原綿を、所定密度になるように積層し、その後200℃の熱風循環炉の中で密度が230kg/mとなるように20分間プレスした。このボード状芯材の表面硬度を測定したところ75であった。また、このボード状芯材の密度は240kg/m、熱伝導率は0.32W/mKであった。
【0113】
前記ボード状芯材2aを140℃の乾燥炉で1時間乾燥し、外被材2a中に挿入し、内部を3Paまで10分間減圧し封止した。ボード状芯材2aの断面図を図10に示す。
【0114】
以上のようにして作製した真空断熱材1aの熱伝導率は、平均温度24℃にて0.003W/mKであり、その表面硬度は80であった。
【0115】
また、経時信頼性を確認するため加速試験による断熱材の劣化を評価したが、10年経過条件での熱伝導率は、平均温度24℃にて0.021W/mKであった。この真空断熱材の外被材を破って芯材を取り出し、その表面硬度を測定したところ75であった。
【0116】
実施例1と比較して、バインダーとしてフェノール樹脂を用いたこと、およびボード内で均一硬化していることから、初期、経時性能共に悪化する。
【0117】
(比較例2)
図9は本発明の一比較例における真空断熱材の断面図である。1bは真空断熱材であり、ボード状芯材2bを外被材3b中に挿入し、内部を減圧として密封し、真空断熱材1bとした。外被材3bの材料構成は実施例1にて使用した外被材3と同じであり、三方シールにて製袋し、外被材3bとした。
【0118】
ボード状芯材2bは、グラスウール4b(実施例2で用いたものと同じ)の繊維化後に、繊維表面にバインダー5bが均一に付着するように噴霧した。バインダーはグラスウール100重量部に対し、バインダーとしてホウ酸3重量部を水97重量部に溶解し、ホウ酸水溶液100重量部としたものを使用した。このバインダー付き原綿を、所定密度になるように積層し、その後350℃の熱風循環炉の中で密度が230kg/mとなるように20分間プレスした。
【0119】
前記ボード状芯材2bを140℃の乾燥炉で1時間乾燥し、外被材2b中に挿入し、内部を3Paまで10分間減圧し封止した。ボード状芯材2bの断面図を図10に示す。また、このボード状芯材の密度は233kg/m、熱伝導率は0.34W/mKであった。このボード状芯材の表面硬度を測定したところ、45であった。
【0120】
以上のようにして作製した真空断熱材1bの熱伝導率は、平均温度24℃にて0.0025W/mKであり、その表面硬度は60であった。
【0121】
また、経時信頼性を確認するため加速試験による断熱材の劣化を評価したが、10年経過条件での熱伝導率は、平均温度24℃にて0.015W/mKであった。この真空断熱材の外被材を破って芯材を取り出し、その表面硬度を測定したところ、35であった。
【0122】
実施例2と比較して、バインダーを均一硬化させたことから、初期性能が悪化すると共に、排気時間も長時間必要になった。
【0123】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、成型しやすくハンドリング性に優れるとともに、表面硬度が高く表面平滑性に優れ、かつ固体熱伝導率の小さい断熱性に優れた真空断熱材が得られる。
【0124】
また、真空断熱材芯材の少なくとも片側の表面に、繊維がバインダーにより結着されてなる硬化層が形成されているため、芯材に剛性が付与され取扱いが容易になるとともに、表面平滑性が良好となり、真空断熱材製造時の生産性が向上する。また、芯材の厚み方向において繊維を結着するバインダーの濃度が、表面層において他層よりも大きく、内部では小さい部分が設けられているため、内部の固体熱伝導が小さくなり、断熱性能が向上する。さらに、バインダー濃度が小さい部分の排気抵抗が少なくなり、排気時の真空度を下がりやすくすることができ、真空断熱材の生産性向上が期待できる。
【0125】
また、本発明の冷凍機器、冷温機器によれば、外箱と内箱とからなる空間に、本発明の断熱性能に優れた真空断熱材を配置し、それ以外の空間に発泡断熱材を充填することにより、断熱性能に優れた冷凍機器および冷温機器を得ることができる。
【0126】
また、本発明の真空断熱材芯材の製造方法によれば、厚み方向にバインダー濃度が異なり、しかも成形体内部でも少量のバインダーが結着した本発明の芯材を得やすく、強度的にも優れた芯材を得ることができる。
【0127】
また、本発明の冷蔵庫によれば、外箱と内箱とからなる空間の外箱側に、本発明の軽量で剛性が高く断熱性能に優れ平面精度が高い真空断熱材を広い面積で配置し、それ以外の空間に発泡断熱材を充填することにより、外箱の外観品質(平面精度)と断熱箱体の断熱性能を高い次元で両立させることができ、省エネルギーで外観品質に優れた冷蔵庫を得ることができる。
【0128】
また、本発明の真空断熱材は、真空断熱材製造後に外被材の上からプレスで真空断熱材の表面に溝を形成することができるため、外箱の内面における冷媒配管が配設された部分に対しては、冷媒配管に合った溝を形成した真空断熱材を配置することにより、少ない枚数の真空断熱材を使って、省エネルギーに優れた冷蔵庫を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における真空断熱材の断面模式図である。
【図2】本発明の一実施例におけるボード状芯材の断面模式図である。
【図3】本発明の一実施例における真空断熱材の断面模式図である。
【図4】本発明の一実施例におけるボード状芯材の断面模式図である。
【図5】本発明の一実施例における真空断熱材の断面模式図である。
【図6】本発明の一実施例におけるボード状芯材の断面模式図である。
【図7】本発明の一実施例における冷凍冷蔵庫の断面模式図である。
【図8】冷凍冷蔵庫の断熱箱体の天井面部分の要部拡大断面図である。
【図9】本発明の一比較例における真空断熱材の断面模式図である。
【図10】本発明の一比較例におけるボード状芯材の断面模式図である。
【図11】実施例1のボード状芯材の表面の外観を観察した光学顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 真空断熱材
2 ボード状芯材
3 外被材
4 グラスウール
5 バインダー
6 冷蔵庫
7 断熱箱体
8 外箱
9 内箱
10 硬質ウレタンフォーム
11 ドア体
12 仕切り板
13 冷蔵室
14 冷凍室
15 ダンパ
16 蒸発器
17 機械室
18 圧縮機
19 凝縮器
20 キャピラリチューブ
21 冷媒配管
22 溝
23 ホットメルト形接着剤

Claims (17)

  1. ボード状芯材と、該芯材を外包する外被材とからなり、内部を減圧後密閉した真空断熱材であって、前記ボード状芯材が繊維不織ウエブの積層体からなり、該芯材の少なくとも片側表面に前記繊維がバインダーにより熱固定された硬化層が形成されてなることを特徴とする真空断熱材。
  2. 前記ボード状芯材の密度が、100〜400kg/mの範囲である請求項1に記載の真空断熱材。
  3. 前記ボード状芯材の表面硬度が、15〜70である請求項1または2に記載の真空断熱材芯材。
  4. 前記バインダーが無機材料からなる請求項1〜3のいずれかに記載の真空断熱材。
  5. 前記バインダーが、ホウ酸、ホウ酸塩、リン酸、リン酸塩およびこれらの加熱生成物からなる化合物群から選択される少なくとも1種の化合物である請求項4に記載の真空断熱材。
  6. 前記硬化層が、繊維不織ウエブの積層体表面に水を噴霧することにより形成されたものである請求項1〜5のいずれかに記載の真空断熱材。
  7. 前記繊維が、グラスウールもしくはグラスファイバーである請求項1〜6のいずれかに記載の真空断熱材。
  8. 前記外被材が、プラスチック−金属箔ラミネートフィルムである請求項1〜7のいずれかに記載の真空断熱材。
  9. 熱伝導率が0.0015〜0.0025W/mKの範囲である請求項1〜8のいずれかに記載の真空断熱材。
  10. 外箱と、内箱と、前記外箱と前記内箱によって形成される空間に発泡断熱材と真空断熱材とを有し、前記真空断熱材を前記空間に配置し、前記真空断熱材以外の前記空間に発泡断熱材を充填してなる冷凍機器および冷温機器であって、前記真空断熱材が請求項1〜9のいずれかに記載の真空断熱材であることを特徴とする冷凍機器および冷温機器。
  11. 外箱と、内箱と、前記外箱と前記内箱によって形成される空間に発泡断熱材と真空断熱材とを有し、前記真空断熱材を前記空間の前記外箱側に配置し、前記真空断熱材以外の前記空間に発泡断熱材を充填してなる冷蔵庫であって、前記真空断熱材が請求項1〜9のいずれかに記載の真空断熱材であり、前記真空断熱材の前記硬化層側の面が前記外箱の内面に対向していることを特徴とする冷蔵庫。
  12. 前記外箱の内面における冷媒配管が配設された部分に対して、前記硬化層側の面に前記外被材の外側からプレスで前記冷媒配管を収納可能な溝を形成した前記真空断熱材を、前記溝内に前記冷媒配管が収まるように配置した請求項11に記載の冷蔵庫。
  13. 前記真空断熱材が、前記外箱に接着剤で固定されている請求項11または12に記載の冷蔵庫。
  14. 前記接着剤が、ホットメルトである請求項13に記載の冷蔵庫。
  15. 前記真空断熱材と前記外箱との間の前記接着剤の層の厚みが70〜130μmである請求項13または14に記載の冷蔵庫。
  16. 繊維不織ウエブの積層体からなり、該芯材の少なくとも片側表面には前記繊維がバインダーにより熱固定された硬化層が形成されてなることを特徴とする真空断熱材芯材。
  17. 繊維を所定形状になるように積層するステップと、積層した繊維ウエブの外面の少なくとも片面にバインダー水溶液あるいは水を塗布するステップと、バインダーを塗布した積層繊維ウエブを100℃以下の温度で圧縮するステップと、圧縮した積層繊維ウエブを100℃以上の温度で加熱圧縮するステップとを含むことを特徴とする真空断熱材芯材の製造方法。
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