JP2014234843A - 真空断熱材および断熱機器 - Google Patents

真空断熱材および断熱機器 Download PDF

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Abstract

【課題】断熱特性を向上できる真空断熱材、この真空断熱材を用いた冷蔵庫および給湯器を提供する。
【解決手段】ホウ素酸化物を1.0重量%以上5.0重量%以下、珪素酸化物を少なくとも50重量%含むガラスからなる繊維集合体である芯材と、ガス吸着剤とを、ガスバリア性を有する外包材で包み、外包材の内部が減圧されて封止された真空断熱材。
【選択図】図4

Description

本発明は、真空断熱材、この真空断熱材を用いた断熱機器に関する。
本技術分野の背景技術として、特開2008−57745号公報(特許文献1)がある。この公報には、「真空断熱材1は、ガラス繊維からなる芯材2と水分吸着材3とをガスバリア性を有する外包材4で被覆して外包材4の内部を減圧密閉してなり、ガラス繊維はアルカリケイ酸ガラスであり、ZrO、ZnO、TiOのうち、少なくともいずれか1成分を含み、かつZrO、ZnO、TiOの合計は重量%で、0.5〜13%の範囲内で含まれる組成からなる。」と記載されている(要約参照)。
特開2008−57745号公報
近年、地球環境保護の観点または省エネルギー化の観点から、家電製品や産業機器の断熱性向上が検討されている。この種の機器の断熱に用いられる断熱材としては、樹脂フォームや有機または無機の繊維があるが、断熱性を向上しようとした場合に、断熱材の厚さを厚くする必要がある。そして、断熱材の厚さを厚くした場合には、機器全体の容積が増大してしまう。これに対し、断熱材を厚くして、且つ機器の容積を変更しない場合には、部品等を実装できるスペースの割合が低くなってしまう等の課題が生じてしまう。
この課題を解決するために、樹脂フォームや無機繊維などにて断熱性に優れた真空断熱材が提案されている。真空断熱材は、ガスバリア性を有する外包材を袋状にし、この外包材の内部に繊維集合体からなる芯材およびガス吸着用のゲッター剤を入れてから、この外包材の内部を減圧した後、外包材の端部を封止して作製される。真空断熱材は、従来の樹脂フォームや無機繊維等の断熱材と比較して、20倍から40倍の断熱性を有することから、断熱材の厚さを薄くしても十分な断熱を行うことが可能である。
さらに、断熱材の伝熱は、固体と気体成分との熱伝導、輻射および対流熱伝達によって引き起こされる。一方、外包材の内部を減圧して作製される真空断熱材は、気体成分の熱伝導および対流熱伝達に関しては影響が小さい。さらに、真空断熱材は、常温以下の温度領域での使用において、輻射の寄与もほとんどないため、固体成分の熱伝導を抑制することが重要である。このことから、断熱性能に優れる真空断熱材用の芯材として、例えばガラス繊維、セラミック繊維、ロックウール繊維等の平均繊維径が1.0μm〜5.0μmの無機繊維等の種々の繊維材料が用いられている。
そして、上記特許文献1においては、ホウ素酸化物を含むことで、ガラス素材の強度が増加し真空断熱材の断熱特性を向上させている。しかしながら、ホウ素酸化物のガラスに対する濃度が高すぎるとガラスの耐水性が低下してしまう。また、耐水性が低下すると繊維化され表面積が増加したガラスの表面に空気中の水分や炭酸ガスが化学的に吸着してしまう。さらに、吸着されたガスは、真空断熱材作製時の減圧で除去することが容易ではなく、真空断熱材の作製後、徐々に外包材内の空間に放出されていき、真空断熱材中の真空度が低下してしまう。すなわち、真空断熱材の断熱特性は、内部の真空度の影響を受けるため、内部の真空度の低下によって断熱特性が低下してしまう。
そこで、本発明は、断熱特性を向上することができる真空断熱材、この真空断熱材を用いた冷蔵庫や給湯器等の断熱機器を提供する。
上記課題を解決するため、本発明は、ホウ素酸化物を1.0重量%以上5.0重量%以下、珪素酸化物を少なくとも50重量%含むガラスからなる繊維集合体が用いられた真空断熱材である。
本発明によれば、繊維集合体に用いるガラスのヤング率および耐水性を高くでき、真空断熱材に用いた際の断熱特性を向上することができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の各実施例における真空断熱材の概略断面図である。 上記真空断熱材を備えた冷蔵庫の概略断面図である。 上記真空断熱材を備えた給湯器の概略断面図である。 上記実施例1ないし実施例3、および比較例1ないし比較例3の繊維集合体のガラスの特性を示す表である。 上記実施例1ないし実施例3、および比較例1ないし比較例3のホウ素酸化物(B)の添加量とヤング率と耐水性との関係を示すグラフである。
本発明に係る真空断熱材1は、図1に示すように、繊維集合体2からなる芯材と、ガス吸着用のガス吸着剤としてのゲッター剤4とをガスバリア性を有する外包材3で包み、この外包材3の内部を減圧した後、この外包材3の開口している端部3aを封止して形成されている。そして、真空断熱材1は、繊維集合体2を形成する繊維が、ホウ素酸化物(B)を1.0重量%以上5.0重量%以下含むガラス組成からなる、いわゆるグラスウールとされている。なお、ホウ素酸化物は、好ましくは2.5重量%以上4.8重量%以下、より好ましくは2.65重量%以上4.79重量%以下である。
具体的に、繊維集合体2に用いられるガラスは、ホウ素酸化物を1.0重量%以上5.0重量%以下含み、ガラス状態を形成する組成からなればよいが、特に汎用性および環境面の点から、珪素酸化物(SiO)を主成分とするホウケイ酸系ガラスが好ましい。珪素酸化物は、含有量が減少することによって液相温度が上昇するため、他の成分量と比した含有量が重量%で最も大きいことが好ましく、珪素酸化物を少なくとも50重量%含むことがより好ましい。一方、珪素酸化物は、含有量が増大することによって粘性が高くなることで生産性が低下するため、70重量%以下が好ましい。次に、このガラスは、アルミ酸化物(Al)が増加することにより液相温度が上昇するとともに粘性が高くなるため、アルミ酸化物の含有量は5.0重量%以下が好ましく、より好ましくは2.0重量%以下が好ましい。一方、アルミ酸化物の含有量が低いと素材強度が低下するため、アルミ酸化物を0.1重量%以上含むことが好ましい。
さらに、このガラスは、ナトリウム酸化物(NaO)およびカリウム酸化物(KO)の添加量が増加すると素材強度が低下するため、これらの合計の添加量は15.0重量%以下が好ましい。一方、添加量が減少すると溶融温度の上昇を招くことから、これらの合計の添加量は10.0重量%以上が好ましい。また、マグネシウム酸化物(MgO)の添加量は、素材強度が向上する点から2.0重量%以上が好ましい。また、液相温度の上昇を抑制する点からマグネシウム酸化物の添加量は、5.0重量%以下が好ましい。
そして、このガラスは、素材強度を高めることができる点から、カルシウム酸化物(CaO)を2.0重量%以上含むことが好ましい。一方、10.0重量%を超えると液相温度を上昇させることから、10.0重量%以下のカルシウム酸化物を含むことが好ましい。さらに、このガラスは、その他の成分として、3.0重量%未満であればガラス全体への影響がほとんどないことから、不純物を含む天然原料または組成の異なる、いわゆる市中カレット等を用いることができる。また、このガラスの作製時においては、例えばアンチモン酸化物等の清澄剤を用いることができ、清澄剤を用いることで、泡切れを良好にして生産性を向上することができる。
さらに、繊維集合体2に用いられるガラスの形成方法としては、例えば溶融遠心法や火炎法等が可能であるが、繊維径の均一性や未繊維化のガラス粒の混入を考慮すると、溶融遠心法が特に好ましい。また、このガラスの繊維径は、例えばマイクロネア繊度または走査型電子顕微鏡等にて測定できる。走査型電子顕微鏡による測定は、例えば、顕微鏡写真において複数箇所例えば50箇所の繊維径を測定して統計処理することで繊維径(平均繊維径)を求めることができる。工業的な生産性を考慮すると、平均繊維径で10μm以下、さらには5μm以下がより好ましい。上述の方法で繊維化されたガラスは、吸引機能つきのコンベア(図示せず)上に積層集綿されてグラスウールマットとされる。グラスウールマットは、所定の形状に切断されて断熱材とされ真空断熱材1用の芯材とされる。なお、この芯材は、各用途に用いる前に熱プレスによる成形等の工程が加えられて、形が整えられることもある。
さらに、上記方法で作成された繊維集合体2を真空断熱材1の芯材として用いる場合は、ガスバリア性を有する外包材3が使用される。外包材3は、例えば表面保護層、ガスバリア層および熱溶着層(図示せず)を含み、これら表面保護層、ガスバリア層および熱溶着層が少なくとも1種類以上の積層されたフィルムとされている。具体的に、表面保護層としては、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、またはポリプロピレンフィルム等の延伸加工品が用いられる。また、ガスバリア層としては、例えば金属蒸着フィルム、無機質蒸着フィルム、または金属箔等が用いられる。さらに、熱溶着層としては、例えば低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、無延伸ポリエチレンレテレフタレートフィルム、または直鎖状低密度ポリエチレンフィルム等が用いられる。
また、外包材3の内部を減圧してから端部3aを封止した後の残存ガスおよび水分を吸着するガス吸着用のゲッター剤4は、繊維集合体2とともに外包材3に収容されており、このゲッター剤4としては、例えばモレキュラーシーブス、シリカゲル、酸化カルシウム、合成ゼオライト、活性炭、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、または水酸化リチウム等を単独又は組合せて用いられる。
さらに、真空断熱材1が用いられる用途としては、図2に示す冷蔵庫5と、図3に示す給湯器15等がある。ここで、図2は、真空断熱材を備えた冷蔵庫の概略断面図である。また、図3は、真空断熱材を備えた給湯器の概略断面図である。
具体的に、冷蔵庫5は、いわゆる冷凍部を有する冷凍冷蔵庫であって、図2に示すように、外側に位置する冷蔵庫外箱9と、この冷蔵庫外箱9の内側に位置する冷蔵庫内箱7とを備えており、これら冷蔵庫内箱7と冷蔵庫外箱9との間に真空断熱材1が張り付けられている。この真空断熱材1は、冷蔵庫内箱7または冷蔵庫外箱9の少なくともいずれか一方に張り付けられた後、これら冷蔵庫内箱7と冷蔵庫外箱9とが組み合わされ、これら冷蔵庫内箱7と冷蔵庫外箱9との間に形成された隙間に断熱材、例えば発泡ウレタン6が注入されて冷蔵庫箱体11が作成されている。なお、冷蔵庫5の開閉可能な扉12についても同様に作製されている。さらに、冷蔵庫箱体11内には、この冷蔵庫箱体11内を冷却するために用いられるコンプレッサ8や、熱交換器(図示せず)等の部品が取り付けられている。
一方、給湯器15は、ヒートポンプ式の給湯器であって、図3に示すように、貯湯タンク16を備えており、この貯湯タンク16の周面に真空断熱材1が張り付けられ周方向に亘って覆われている。貯湯タンク16には、ヒートポンプユニット20にて暖められたお湯が給湯配管19を介して供給されて貯められている。また、貯湯タンク16に貯められたお湯は、給水管17を介して外部へ排水され所定箇所へ給水可能とされている。
以下、本発明に係る真空断熱材の実施例および比較例について図を用いて詳細に説明する。なお、これら実施例によって発明が限定されるものではない。
本実施例1に係る真空断熱材1は、図1に示すように、芯材として繊維集合体2が用いられている。繊維集合体2は、図4に示す組成のガラスを素材としている。ここで、この図4中に示す各数値の単位は、重量%である。具体的に、繊維集合体2を構成するガラスのホウ素酸化物(B)の添加量は、2.65重量%とされている。さらに、繊維集合体2は、組成が調整されたガラスを溶融炉で約1200℃の温度で溶融した後、金属製スピナーを用いた遠心法にて紡糸されている。そして、紡糸した繊維は、吸引機構を有するコンベア上に目付けが1400g/mとなるように集められている。ここで、目付けとは、単位から明らかなように、集めた繊維を1mの大きさにした際の重量を規定したものである。
また、紡糸した繊維の太さを調べるため、マイクロネア繊度を測定したところ、平均繊維径が4.9μmであった。紡糸した繊維にて作製された繊維集合体2(グラスウール)を、幅500mm×長さ1000mmの大きさに切断してから、200℃の乾燥炉で30分間乾燥した後、目付け1400g/mとしたものを2枚積層する。そして、ゲッター剤4(ユニオン昭和株式会社製:モレキュラシーブス5A)とともに、3方を綴じて袋状にした外包材3に繊維集合体2を入れ、この外包材3の内部を一般的なロータリーポンプにて10分間、大気圧未満の所定圧力に真空引きしてから、拡散ポンプにて10分真空引きした後、この外包材3の開口している側の端部3aをヒートシールで封止して真空断熱材1とした。
この真空断熱材1(厚み:約12mm)の断熱特性を、熱伝導率測定装置(英弘精機株式会社製:オートΛ)にて10℃で測定したところ、断熱特性が98(指数)であった。この断熱特性は、指数で示されており、この指数が高くなるほど断熱特性が良好である。よって、本実施例1に係る真空断熱材1は、断熱特性が95を超えており、非常に断熱性に優れている。また、繊維集合体2を作製したガラスと同じ組成のガラスについてバースト法を用いてヤング率を測定したところ、77.9GPaであった。さらに、このガラスの耐水性を評価するため、ブロックを所定時間、水に浸漬しガラス成分の水への溶出量を測定したところ、水への溶出量は少量であり、耐水性が良好であった。
さらに、同様の方法で種々の大きさの真空断熱材1を作製し、この真空断熱材1を用いて冷蔵庫5を作製し消費電力を測定したところ、後述する比較例1の組成の真空断熱材を用いた場合に比べ、約5%低い結果となった。この結果、本実施例1に係る真空断熱材1を用いることにより、機器の消費電力を低く抑えることができることが分かった。
本実施例2に係る真空断熱材1は、図4に示す組成のガラスを素材とした繊維集合体2が用いられている。具体的に、この繊維集合体2を構成するガラスのホウ素酸化物の添加量は、4.65重量%とされている。さらに、繊維集合体2は、上述した実施例1と同様の方法で作製され、紡糸した繊維の太さを調べるため、マイクロネア繊度を測定したところ、平均繊維径が5.0μmであった。さらに、この繊維集合体2が収容された真空断熱材1(厚み:約12mm)の断熱特性を、熱伝導率測定装置(英弘精機株式会社製:オートΛ)にて10℃で測定したところ、断熱特性が100(指数)であった。
この結果、本実施例2に係る真空断熱材1は、断熱特性が95を超えており、非常に断熱性に優れている。また、繊維集合体2を作製したガラスと同じ組成のガラスについてバースト法を用いてヤング率を測定したところ、79.7GPaであった。さらに、このガラスの耐水性を評価するため、ブロックを水に浸漬しガラス成分の水への溶出量を測定したところ、水への溶出量は少量であり、耐水性は良好であった。
さらに、同様の方法で大きさ800mm×1200mm、厚さ15mmの真空断熱材1を作製し、この真空断熱材1を用いて給湯器15を作製した。ここで、この給湯器15の貯湯タンク10に貯められたお湯は、使用されない限り、この貯湯タンク10内の湯温が低下すると沸かし直しを行う必要があるため、給湯器15の成績係数(COP:Coefficient of Performance)が低下してしまう。そこで、本実施例2に係る真空断熱材1を用いた場合と、従来から用いられている一般的な発砲ウレタンを用いた場合のCOPを比較したところ、本実施例2に係る真空断熱材1を用いることにより、約10%の改善が確認され、機器の消費電力を低く抑えることができることが分かった。
本実施例3に係る繊維集合体1は、図4に示す組成のガラスを素材とした繊維集合体2が用いられている。具体的に、この繊維集合体2を構成するガラスのホウ素酸化物の添加量は、4.79重量%とされている。さらに、繊維集合体2は、上述した実施例1と同様の方法で作製され、紡糸した繊維の太さを調べるため、マイクロネア繊度を測定したところ、平均繊維径が4.5μmであった。さらに、この繊維集合体2が収容された真空断熱材1(厚み:約12mm)の断熱特性を、熱伝導率測定装置(英弘精機株式会社製:オートΛ)にて10℃で測定したところ、断熱特性が100(指数)であった。
この結果、本実施例3に係る真空断熱材1は、断熱特性が95を超えており、非常に断熱性に優れている。また、繊維集合体2を作製したガラスと同じ組成のガラスについてバースト法を用いてヤング率を測定したところ、78.7GPaであった。さらに、このガラスの耐水性を評価するため、ブロックを水に浸漬しガラス成分の水への溶出量を測定したところ、水への溶出量は少量であり、耐水性は良好であった。
比較例1
本比較例1に係る繊維集合体は、図4に示す組成のガラスを素材とした繊維集合体が用いられている。具体的に、この繊維集合体を構成するガラスのホウ素酸化物の添加量は、0.16重量%とされている。さらに、繊維集合体は、上述した実施例1と同様の方法で作製され、紡糸した繊維の太さを調べるため、マイクロネア繊度を測定したところ、平均繊維径が5.1μmであった。さらに、この繊維集合体が収容された真空断熱材(厚み:約11mm)の断熱特性を、熱伝導率測定装置(英弘精機株式会社製:オートΛ)にて10℃で測定したところ、断熱特性が94(指数)であった。
この結果、本比較例1に係る真空断熱材は、断熱特性が95を下回っており、断熱性が低い。また、繊維集合体を作製したガラスと同じ組成のガラスについてバースト法を用いてヤング率を測定したところ、76.6GPaであった。さらに、このガラスの耐水性を評価するため、ブロックを水に浸漬しガラス成分の水への溶出量を測定したところ、水への溶出量は微量であり、耐水性は良好であった。この結果、ホウ素酸化物の含有量を1.0重量%以下の繊維集合体とした場合は、ガラスのヤング率が低くなり、真空断熱材を作製した際に加わる大気圧に耐えることができないため、断熱特性が低下することが分かった。
比較例2
本比較例2に係る繊維集合体は、図4に示す組成のガラスを素材とした繊維集合体が用いられている。具体的に、この繊維集合体を構成するガラスのホウ素酸化物の添加量は、7.14重量%とされている。さらに、繊維集合体2は、上述した実施例1と同様の方法で作製され、紡糸した繊維の太さを調べるため、マイクロネア繊度を測定したところ、平均繊維径が5.1μmであった。さらに、この繊維集合体が収容された真空断熱材(厚み:約12mm)の断熱特性を、熱伝導率測定装置(英弘精機株式会社製:オートΛ)にて10℃で測定したところ、断熱特性が94(指数)であった。
この結果、本比較例2に係る真空断熱材は、断熱特性が95を下回っており、断熱性が低い。また、繊維集合体を作製したガラスと同じ組成のガラスについてバースト法を用いてヤング率を測定したところ、81.4GPaであった。さらに、このガラスの耐水性を評価するため、ブロックを水に浸漬しガラス成分の水への溶出量を測定したところ、水への溶出量が多く、耐水性は不良であった。この結果、ホウ素酸化物の含有量を5.0重量%以上の繊維集合体とした場合は、ガラスのヤング率が高くなるものの、耐水性の低下により、繊維表面に水分等のガスが吸着してしまうため、真空断熱材を作製した後に空間中にガスが拡散し、真空度が低下してしまい断熱特性が低下することが分かった。
比較例3
本比較例3に係る繊維集合体は、図4に示す組成のガラスを素材とした繊維集合体が用いられている。具体的に、この繊維集合体を構成するガラスのホウ素酸化物の添加量は、4.45重量%とされ、珪素酸化物の添加量は、48.50重量%とされている。さらに、繊維集合体は、上述した実施例1と同様の方法で作製され、紡糸した繊維の太さを調べるため、マイクロネア繊度を測定したところ、平均繊維径が6.4μmであった。さらに、この繊維集合体が収容された真空断熱材(厚み:約11mm)の断熱特性を、熱伝導率測定装置(英弘精機株式会社製:オートΛ)にて10℃で測定したところ、断熱特性が92(指数)であった。
この結果、本比較例3に係る真空断熱材は、断熱特性が95を下回っており、断熱性が低い。また、繊維集合体2を作製したガラスと同じ組成のガラスについてバースト法を用いてヤング率を測定したところ、80.3GPaであった。さらに、このガラスの耐水性を評価するため、ブロックを水に浸漬しガラス成分の水への溶出量を測定したところ、水への溶出量は少量であり、耐水性は良好であった。この結果、ホウ素酸化物の含有量を1.0重量%以上とした場合であっても、珪素酸化物の濃度を50重量%以下とした繊維集合体の場合には、ガラス溶融時の粘度が高く、細径のグラスウールとならないため、真空断熱材を作製した場合の断熱特性が低下してしまうことが分かった。
<作用効果>
図5は、上記実施例1ないし実施例3、および比較例1ないし比較例3のホウ素酸化物(B)の添加量とヤング率と耐水性(指標)との関係を示すグラフである。図5では、丸の記号が上記実施例1ないし実施例3、および比較例1ないし比較例3のヤング率及びホウ素酸化物の添加量を示し、四角の記号が上記実施例1ないし実施例3、および比較例1ないし比較例3の耐水性(指標)を示すようプロットされている。また、鎖線で引かれた直線は、丸の記号の回帰直線である。すなわち、図5に示すように、繊維集合体に用いられるガラスのヤング率は、ホウ素酸化物の含有量(濃度)の上昇に比例して増大する。また、ガラスの耐水性は、ホウ素酸化物の含有量の上昇に伴って低下する。そして、これらヤング率および耐水性とホウ酸酸化物の含有量との交点は、ホウ素酸化物の含有量が約5.0重量%となる。さらに、ガラスのヤング率が77.0GPaを超えるホウ素酸化物の含有量は、1.0重量%以上となる。
したがって、ホウ素酸化物の含有量を1.0重量%以上5.0重量%以下、好ましくは2.5重量%以上4.8重量%以下、より好ましくは2.65重量%以上4.79重量%以下とすることで、ガラス素材の耐水性の低下を抑制でき、繊維化することによって増加したガラスの表面に吸着する空気中の水分やガスの量を低減できる。この結果、作成後に真空断熱材1の内部の圧力上昇を抑制でき、良好な熱伝導率を示す真空断熱材を得ることができる。以上から、繊維集合体2として用いるガラス繊維の機械的強度と化学的安定性を確保でき、芯材として真空断熱材1に用いた際の断熱特性を向上することができる。
さらに、ホウ素酸化物の含有量を上記数値範囲とした場合に、珪素酸化物の含有量を50重量%よりも多い主成分とした繊維集合体2とすることにより、細径のグラスウールにでき、真空断熱材1を作製した場合の断熱特性を向上できる。また、繊維集合体2として用いられるガラス繊維の平均繊維径は、10μm以下、より好ましくは5μm以下とすることにより、工業的な生産性を確保できる。
以上から、上述した実施例1ないし3に係る真空断熱材1は、繊維集合体として用いられるガラス繊維の素材強度を高め、真空断熱材1を作製した際の大気圧縮応力による芯材の変形を抑制でき、かつガラス繊維の変形量を小さくできるため、各繊維間の接触面積の増大を抑制できる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した各実施例は、本発明を分りやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
さらに、本発明に係る真空断熱材1は、断熱が必要な種々の機器に加え、建築部材等の、特に壁材等への適用も可能である。
1 真空断熱材
2 繊維集合体
3 外包材
4 ゲッター剤(ガス吸着剤)
5 冷蔵庫
15 給湯器

Claims (3)

  1. ホウ素酸化物を1.0重量%以上5.0重量%以下、珪素酸化物を少なくとも50重量%含むガラスからなる繊維集合体である芯材と、ガス吸着剤とを、ガスバリア性を有する外包材で包み、この外包材の内部が減圧されて封止された
    ことを特徴とする真空断熱材。
  2. 請求項1記載の真空断熱材において、
    前記繊維集合体は、平均繊維径が10μm以下である
    ことを特徴とする真空断熱材。
  3. 請求項1又は2記載の真空断熱材を備えた
    ことを特徴とする断熱機器。
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