JP2004051642A - 含フッ素アルコキシ芳香族化合物の製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 式
Ar−X
(式中、Arは電子供与性の基から選ばれる任意の1〜3個で置換された芳香族基であり、Xは含フッ素アルコキシ基である。)で表される含フッ素アルコキシ芳香族化合物を製造するにあたり、式
Ar−Y
(式中、Yはハロゲン原子であり、Arは前記と同意義である。)で表されるハロゲン化芳香族化合物と式M−X(式中、Mはアルカリ金属であり、Xは前記と同意義である。)で表される含フッ素アルコキシドを、ハロゲン化銅の存在下、ジメチルアセトアミド又はジメチルホルムアミド溶媒中で反応させることを特徴とする含フッ素アルコキシ芳香族化合物の製造法。
【選択図】 なし
Description
含フッ素アルコキシ芳香族化合物の製造にあたり、電子求引性基を持つハロゲン化芳香族化合物は活性であり、ヘキサメチルフォスホラミド(HMPT)又はジメチルホルムアミド(DMF)溶媒中で、容易に含フッ素アルコキサイドと反応し含フッ素アルコキシ芳香族化合物を製造することができる(非特許文献1)。一方、電子供与性基を持つ不活性なハロゲン化芳香族化合物でも、ハロゲンとしてヨウ素を用い、2倍モルのヨウ化銅の存在下HMPT溶媒を用いることで含フッ素アルコキシ芳香族化合物を得ることができる報告がある(非特許文献3)。しかし、本報告には、HMPT溶媒中では還元的にヨード原子が脱離する副反応が、特に高温にすると起こると記載されている。また、DMF溶媒中ではアルコキシドが導入されずジメチルアミノ化が副反応として起こること、ハロゲンとしてブロムでは長時間反応させても30%以下の収率であること、クロルでは反応しないことが記載されている。また。さらに、電子供与性基としてアルキル基、アルコキシ基の例があるだけであり、水酸基については記載がない。 荒井昭治ら,ファインケミカル,29巻,5−15頁(2000年) J.P.Idouxら,J.Org,Chem.,1983,48,3771 H.Suzukiら,Synthesis,1985,499
本発明は、式
Ar−X
(式中、Arは電子供与性の基から選ばれる任意の1〜3個で置換された芳香族基であり、Xは含フッ素アルコキシ基である。)で表される含フッ素アルコキシ芳香族化合物を製造するにあたり、式
Ar−Y
(式中、Yはハロゲン原子であり、Arは前記と同意義である。)で表されるハロゲン化芳香族化合物と式M−X(式中、Mはアルカリ金属であり、Xは前記と同意義である。)で表される含フッ素アルコキシドを、ハロゲン化銅の存在下、ジメチルアセトアミド又はジメチルホルムアミド溶媒中で反応させることを特徴とする含フッ素アルコキシ芳香族化合物の製造法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、芳香族基とは1〜3の環からなる芳香族基であり、例えばフェニル基、ナフチル基、アンスラニル基、ピリジル基、キノリル基、インドリル基などが挙げられる。当該芳香族基は任意の官能基で置換されていてもよい。任意の官能基は反応に関与しないものであればいずれであってもよいが、本願発明は一般にこの種の反応に適しないとされている電子供与性基が芳香族基に置換していても反応が進行することに特徴があるので、電子供与性基が好ましい。このような電子供与性基としては、水酸基、アルコキシ基、アシロキシ基、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アミノ基及びアシルアミノ基が挙げられ、これらの電子供与性基から選ばれる1〜3個で芳香族基が置換される。
含フッ素アルコキシ基とはフッ素原子が置換した直鎖状又は分枝鎖状のアルコキシ基であり、炭素原子数は特に限定されるものではないが2〜5個が好ましい。それらは、例えば2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2−フルオロエチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基などが挙げられる。
Yで示されるハロゲン原子とは、塩素、臭素、ヨウ素原子などであるが、本発明が利便性の効果を奏するのは塩素原子である。
Mで示されるアルカリ金属は、リチウム、カリウム、ナトリウムなどが挙げられる。
ハロゲン化銅のハロゲン原子は、塩素、臭素又はヨウ素原子である。
本発明に用いられる溶媒としては、ジメチルアセトアミド又はジメチルホルムアミドなどが用いられるが、ジメチルアセトアミドがより好ましい。
本発明の製造法によれば、含フッ素アルコールを金属アルカリなどを用いる通常の方法により含フッ素アルコキシドとし、これにジメチルアセトアミド又はジメチルホルムアミド溶媒、ハロゲン化芳香族化合物及びハロゲン化銅を加え、加熱下反応させることにより、目的の含フッ素アルコキシ芳香族化合物を得ることができる。反応温度は室温〜150℃であり、110〜130℃が好ましい。反応時間は2〜15時間である。
また、アミノ基と含フッ素アルコキシ基が共に置換している芳香族化合物の合成においても、対応するアシルアミノ基とハロゲン原子をもつ芳香族化合物に本法を適用し、含フッ素アルコキシ化を行い、続いて加水分解すれば容易にアミノ基と含フッ素アルコキシ基が共に置換している芳香族化合物を合成できる。
ハロゲン化銅及びハロゲン化芳香族化合物のハロゲンとしてクロルを使用できるのは原料の入手が簡単になり、価格も安いので極めて経済的である。
溶媒としてジメチルアセトアミド又はジメチルホルムアミドを用いることができるのは、これらが水に良く溶けるので有機溶媒による抽出操作が容易である。むろん、蒸留により溶媒を回収することもできる。
先の{従来の技術}中に記載したHMPT溶媒は健康並びに環境問題の上で有害(carcinogenic)な溶媒であり、大量生産での使用には適さない。又ジメチルホルムアミド溶媒ではジメチルホルムアミドが分解しやすくジメチルアミノ化が起こる(非特許文献3)ことに鑑み、分解しにくいジメチルアセトアミド溶媒を使用したところ、反応は円滑に進行し、不活性と思われたブロムおよびクロル誘導体も含フッ素アルコキシ基と置換することができることを見出した。さらに、ジメチルホルムアミド溶媒でも本反応条件下ではジメチルアミノ化の副反応は起こらないことが確認できた。
実施例1 オルトトリフルオロエトキシフェノールの合成
2,2,2−トリフルオロエチルアルコール(5ml)中に金属ナトリウム(520mg)を冷却下加えソジウム アルコキシドを合成した。次いで、ジメチルホルムアミドDMF(15ml)、オルトブロモフェノール(300mg)及びCuI(664mg)を加え外温120Cで10時間攪拌した。反応終了後、冷却下水(40ml)を加え、不溶物をろ過し、母液に6M HCl(10ml)を加えて酸性とし酢酸エチル(30ml×3)で抽出した。酢酸エチル層を合わせ、水(40ml×3)で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去し残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(AcOEt:hexane=1:2)に付しオルトトリフルオロエトキシフェノール(290mg,87%)を得た。
IR(neat)3560,1600,1505,1240,1170,970,750cm−1
1H NMR (CDCl3)δ4.42(q,JH−F=8.1 Hz,2H),5.58(s,1H),6.85−6.89(m,2H),6.94−6.99(m,2H)
EI−MS m/z 192(M+,81.5),109(100),81(39.6)
HR−MS m/z for C8H7F3O2 calcd 192.0398,found 192.0400
実施例2オルトトリフルオロエトキシフェノールの合成
オルトクロロフェノール(300mg,2.33mmol)及びCuI(223mg)を用い、それ以外は実施例1に従いオルトトリフルオロエトキシフェノール(304mg,68%)を得た。
実施例3オルトトリフルオロエトキシフェノールの合成
CuBr(248mg)を用い、それ以外は実施例1に従いオルトトリフルオロエトキシフェノール(203mg,61%)およびフェノール(41mg,25%)を得た。
実施例4 メタトリフルオロエトキシフェノールの合成
2,2,2−トリフルオロエチルアルコール(5ml)中に金属ナトリウム(520mg)を冷却下加えソジウム アルコキシドを合成した。次いで、DMF(15ml)、メタブロモフェノール(305mg)及びCuI(664mg)を加え外温120Cで10時間攪拌した。反応終了後、冷却下水(40ml)を加え、不溶物をろ過し、母液に6M HCl(10ml)を加え酸性とし酢酸エチル(30ml3)で抽出した。酢酸エチル層を合わせ、水(40ml×3)で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去し残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(AcOEt:hexane=1:5)に付しメタトリフルオロエトキシフェノール(297mg,90%)を得た。
IR(neat):l605,1495,1460,1265,1160cm−1
1H NMR (CDCl3)δ4.32(q,JH−F=7.8Hz,2H),5.0(s,1H),6.46(t,J=2.4Hz,1H),6.49−6.54(m,2H),7.17(t,J=8.4Hz,1H)
EI−MS m/z 192(M+).
実施例5 1−ベンジルオキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンゼン
2,2,2−トリフルオロエチルアルコール(5ml)中に金属ナトリウム(262mg)を冷却下加えソジウムアルコキシドを合成した。次いで、ジメチルアセタミド(15ml)、1−ベンジルオキシー4−ブロモベンゼン(300mg)及びCuI(435mg)を加え外温120Cで10時間攪拌した。反応終了後、冷却下水(40ml)を加え、不溶物をろ過し酢酸エチル(30ml×3)で抽出した。酢酸エチル層を合わせ、水(40ml×3)で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去し残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(AcOEt:hexane=1:3)に付し1−ベンジルオキシ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ベンゼン(285mg,91%)を得た。
IR(KBr)1520,1455,1285,1240,1160,830,750cm−1
1H NMR(CDCl3)δ4,29(q,JH−F=8.1Hz,2H),5.03(s,2H),6.48−6.98(m,4H),7.27−7.46(m,5H)
EI−MS m/z 282(M+,45.3),91(100).
実施例6 4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)アセトアニリドの合成
2,2,2−トリフルオロエチルアルコール(5ml)中に金属ナトリウム(322mg)を冷却下加えソジウムアルコキシドを合成した。次いで、ジメチルアセタミド(15ml)、4−ブロモアセトアニリド(300mg)及びCuI(268mg)を加え外温120Cで10時間攪拌した。反応終了後、冷却下水(40ml)を加え、不溶物をろ過し酢酸エチル(30ml×3)で抽出した。酢酸エチル層を合わせ、水(40ml×2)で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去し残渣を再結晶(AcOEt/hexane)し、母液をシリカゲルクロマトグラフィー(AcOEt:hexane=2:l)に付し4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)アセトアニリド(124mg+72mg=196mg,60%)を得た。
IR(KBr)3300,1660,1540,1520,1165,980cm−1
1H NMR(CDCl3)δ2.17(s,3H),4.33(q,JH−F=8,1Hz,2H),6.91(d,J=9.1Hz,2H),7.44(d,J=9.1Hz,2H)
EI−MS m/z 233(M+,85.9),191(82.2),108(100)
実施例7 4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニールアセチックアシドの合成
2,2,2−トリフルオロエチルアルコール(5ml)中に金属ナトリウム(417mg)を冷却下加えソジウムアルコキシドを合成した。次いで、ジメチルアセタミド(15ml)、4−ブロモフェニル酢酸(300mg,1.40mmol)及びCuI(27mg)を加え外温120Cで12時間攪拌した。反応終了後、5%HCl(40ml)を加え酸性とし酢酸エチル(30ml×3)で抽出した。酢酸エチル層を合わせ、水(40ml×2)で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去し残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(AcOEt:hexane=5:1)に付し、4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニールアセチックアシド(197mg,60%)を得た。
IR(KBr)3050,1705,1620,1520,1240,1190,1180cm−1
1H NMR(CDCl3)δ3.62(s,2H),4.34(q,JH−F=8.4Hz,2H),6.91(d,J=8.8Hz,2H),7.24(d,J=8.8Hz,2H)
MS m/z 234(M+,28.4),189(100)
実施例8 3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジンの合成
2,2,2−トリフルオロエチルアルコール(5ml)中に金属ナトリウム(437mg)を冷却下加えソジウム アルコキシドを合成した。次いでジメチルアセタミド(17ml)、3−ブロモピリジン(300mg)及びCuI(36.4mg)を加え外温120Cで3.5時間攪拌した。反応終了後、冷却下水(40ml)を加え、不溶物をろ過し、酢酸エチル(30ml×3)で抽出した。酢酸エチル層を合わせ、水(40ml×3)で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去し残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(AcOEt:hexane=1:3)に付し3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリジン(221mg,66%)を得た。
IR neat:1580,1480,1295,1260,1230,1170 cm−1
1H NMR(CDCl3)δ4.16(q,J=8.1Hz,2H),7.27−7.29(m,2H),8.34(t,J=2.7Hz,1H),8.38(S,1H)
EI−MS m/z 177(M+,100),108(19.8)
実施例9 4−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)トルエンの合成
2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアルコール(5ml)中に金属ナトリウム(403mg)を冷却下加え次いで暖めてソジウム アルコキシドを合成した。次いで、ジメチルホルムアミド(19ml)、4−ブロモトルエン(300mg)及びCuI(671mg)を加え外温120Cで3.5時間攪拌した。反応終了後、冷却下水(40ml)を加え、不溶物をろ過し、酢酸エチル(30ml×3)で抽出した。酢酸エチル層を合わせ、飽和食塩水(40ml)で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去し残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(AcOEt:hexane=1:20)に付し4−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)トルエン(243mg,62%)を得た。
IR(neat)1620,1590,1470,1125,1110,820 cm−1
1H NMR(CDCl3)δ2.30(s,3H),4.31(t,JH−F=11.9Hz,2H),6.06(tt,JH−F=53.6,5.0Hz,1H),6.82(d,J=8.3Hz,2H),7.11(d,J=8.3Hz,2H)
EI−MS m/z 222(M+,100),121(59.0),107(44.4),91(53.5),77(28.1)
HR−MS m/z for C10H10F4O for calcd 222.0668,found 222.0681.
実施例10 2−(2,2,2−トリフロロエトキシ)アニリンの合成
2,2,2−トリフルオロエチルアルコール(5ml)中に金属ナトリウ厶(200mg)を冷却下加えソジウムアルコキシドを合成した。次いで、ジメチルアセタミド(15ml)、2−ブロモアニリン(300mg)及びCuI(333mg)を加え外温120Cで10時間攪拌した。反応終了後、冷却下水(40ml)を加え、不溶物をろ過し、酢酸エチル(30ml×3)で抽出した。酢酸エチル層を合わせ、水(40ml×2)で洗浄し硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを減圧留去し残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(AcOEt:hexane=1:5)に付し2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)アニリン(52mg,16%)を得た。
IR(neat)3460,3160,1620,1590,1510,1460,1165,980,750cm−1
1H NMR(CDCl3)δ3.84(br s,2H),4.36(q,JH−F=8.1Hz,2H),6.68−6.82(m,3H),6.88(t,J=7.4Hz,1H)
EI−MS m/z 191(M+,56.5),108(100),80(77.4)
HR−MS m/z for C8H7F3O2 calcd 191.0558,found 191.0551
実施例11 4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)キノリンの合成
50mlのナスコールに水素化ナトリウム(60%)(865mg,21.6mmol)を加え、無水ベンゼンで洗浄した後、N,N−ジメチルアセトアミド(3mL)を加え、氷冷下、トリフルオロエタノール(4mL)を加えた。次いでその混合溶液に4−ブロモキノリン(300mg,1,44mmol)、CuI(139mg,0.72mmol)及びN,N−ジメチルアセトアミド(7mL)加え、アルゴンガス下、130℃、5時間、加熱撹拌した。反応終了後、反応溶液に水(30mL)を加え、不要物を吸引ろ過で除いた後、ろ液をAcOEt(25mL x 3)で抽出し,AcOEt層を飽和食塩水で洗浄,Na2SO4で乾燥し、有機溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc:hexane=1:1)で分離精製し、4−トリフルオロエトキシキノリン(293mg,90%,mp38−46℃)を得た。
IR(KBr)1630,1585,1295,1265,1170,1150cm−1
1H NMR(CDCl3)d4.62(q,JH−F=7.9Hz,2H),7.68(t,J=7.1Hz,1H),7.77(t,J=7.1Hz,1H),7.99(d,J=7.1Hz,1H),8.08(s,1H),8.24(d,J=7.1Hz,1H),8.99(s,1H)
EI−MS m/z 227(M+,100),116(57.3),89(17.1)
実施例12 6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)キノリンの合成
50mLのナスコールに水素化ナトリウム(60%)(96mg,2.41mmol)を加え、無水ベンゼンで洗浄した後、N,N−ジメチルアセトアミド(3mL)を加え、氷冷下、トリフルオロエタノール(4mL)を加えた。次いでその混合溶液に6−ブロモキノリン(100mg,0.481mmol)、CuI(92mg,0.481mmol)及びN,N−ジメチルアセトアミド(2mL)加え、アルゴンガス下、130℃、5時間、加熱撹拌した。反応終了後、反応溶液に水(25mL)を加え、不要物を吸引ろ過で除いた後、ろ液をAcOEt(25mLx3)で抽出し、AcOEt層を飽和食塩水で洗浄、Na2SO4で乾燥し、有機溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc:hexane=1:1)で分離精製し、6−トリフルオロエトキシキノリン(99mg,91%,mp 71−74℃)を得た。
IR(KBr)1625,1505,1290,1230,1160,1070,980,830cm−1
1H NMR(CDCl3)d4.49(q,JH−F=8.0Hz,2H);7.12(d,J=2.8Hz,1H),7.35−7.50(m,2H),8.07(d,J=9.1Hz,2H),8.84(d,J=4.1Hz,1H)
EI−MS m/z 227(M+,100),144(18.4),116(60.4),89(12.7).
実施例13 4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)インドールの合成
50mLのナスコールに水素化ナトリウム(60%)(316mg,7.89mmol)を加え、無水ベンゼンで洗浄した後、N,N−ジメチルアセトアミド(5mL)を加え、氷冷下、トリフルオロエタノール(2mL)を加えた。次いでその混合溶液に4−ブロモインドール(150mg,0.789mmol)、CuI(304mg,1.578mmol)及びN,N−ジメチルアセトアミド(3mL)加え、アルゴンガス下、130℃、4時間、加熱撹拌した。反応終了後、反応溶液に水(25mL)を加え、不要物を吸引ろ過で除いた後、ろ液をAcOEt(30mLx2)で抽出した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc:hexane=1:5)で分離精製し、4−トリフルオロエトキシインドール (116.0mg,68%,mp67−68℃)を得た。
IR(nujol)3400,1585,1500,1160,980,860,750cm−1
1H NMR(CDCl3)d4.50(q,J=8.3Hz,2H),6.49−6.56(m,1H),6.69(t,J=2.4Hz,1H),7.10−7.13(m,2H),7.16(dd,J=3.2,2.4Hz,1H),8.21(brs,1H)
EI−MS m/z 215(M+,100),139(91.6),116(22.4),104(40.9)
Claims (7)
- 式
Ar−X
(式中、Arは電子供与性の基から選ばれる任意の1〜3個で置換された芳香族基であり、Xは含フッ素アルコキシ基である。)で表される含フッ素アルコキシ芳香族化合物を製造するにあたり、式
Ar−Y
(式中、Yはハロゲン原子であり、Arは前記と同意義である。)で表されるハロゲン化芳香族化合物と式M−X(式中、Mはアルカリ金属であり、Xは前記と同意義である。)で表される含フッ素アルコキシドを、ハロゲン化銅の存在下、ジメチルアセトアミド又はジメチルホルムアミド溶媒中で反応させることを特徴とする含フッ素アルコキシ芳香族化合物の製造法。 - 電子供与性の基が、水酸基、アルコキシ基、アシロキシ基、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アミノ基又はアシルアミノ基である請求項1記載の含フッ素アルコキシ芳香族化合物の製造法。
- 芳香族基が、フェニル基、ナフチル基、アンスラニル基、ピリジル基、キノリル基又はインドリル基である請求項1又は2記載の含フッ素アルコキシ芳香族化合物の製造法。
- 芳香族基が、水酸基、アルコキシ基、アシロキシ基、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アミノ基及びアシルアミノ基から選ばれる任意の1〜3個で置換されたフェニル基である請求項1又は2記載の含フッ素アルコキシ芳香族化合物の製造法。
- 芳香族基が、水酸基で置換されたフェニル基である請求項4記載の含フッ素アルコキシ芳香族化合物の製造法。
- Yが、塩素原子である請求項1〜5のいずれか1項記載の含フッ素アルコキシ芳香族化合物の製造法。
- 溶媒が、ジメチルアセトアミドである請求項1〜6のいずれか1項記載の含フッ素アルコキシ芳香族化合物の製造法。
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