JP2004051066A - サブフレーム用アルミニウム合金中空形材およびサブフレーム - Google Patents

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Abstract

【課題】曲げ加工におけるしわの発生を抑制し、かつ、被接合材との接合強度および接合剛性の向上などが可能な、サブフレーム用アルミニウム合金中空形材およびサブフレームを提供することである。
【解決手段】二つの長辺フランジ2 、3 と二つの短辺フランジ4 、5 とから構成される略長方形の断面形状を有し、長辺フランジ2 、3 側からと短辺フランジ4 、5 側からの少なくとも2 方向からの曲げ加工により、3 次元方向に湾曲させられて、サブフレームとされるアルミニウム合金中空形材1aであって、前記曲げ加工の際に曲げ内側となる長辺フランジ2 、3 壁中央部に、中空形材1a長手方向に延在させた段差6 を設ける一方、前記短辺フランジ4 、5 が外側方向に張り出す円弧状の形状を有していることである。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン等が搭載され、自動車の車体フレーム (ボディフレーム) に固定される自動車用サブフレームに適した、アルミニウム合金中空形材およびこれを用いたサブフレーム構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車のサブフレームは、車輌の前後にて、ボディフレームの下部に取り付けられ、例えば、前輪操舵後輪駆動(FR)車の場合、車体前部に取りつけられるフロントサブフレームには、エンジン及びフロントサスペンションが取り付けられる。また、車体後部に取り付けられるリアサブフレームには、リアサスペンション及びデファレンシャルギアが搭載される。このエンジン等が取り付けられるサブフレームによりパワートレインが構成され、このパワートレイン上にボディフレームが搭載されて、連結される。従って、サブフレームにはサスペンションを介して走行時に路面からの振動を受け、サブフレームには、サスペンションを介して大きな荷重が印加され、サブフレームとボディフレームとの連結部はそれらの動的な荷重に耐えうるものであることが必要である。
【0003】
図7 に一般的なフロントサブフレームの形状を斜視図で示す。このサブフレームにおいては、本体20a の4隅部に、ボディフレームへカラー部材を介して接合するブラケット23が設けられており、ブラケット23にカラー部材、例えば緩衝用ゴムブッシュを圧入すると共に、その内側にボルト等の棒状締結部材を挿入してこの締結部材によりサブフレームをボディフレームに固定している。そして本体20は、中空材からなるU型の主フレーム21と、クロスメンバ22のフレーム部材を相互に溶接接合することにより、コの字状の枠体に構成されている。
【0004】
また、図8 は一般的なリアサブフレームの形状を斜視図で示す。このサブフレームにおいては、本体20b は、中空材からなる2本の主フレーム21、21と、クロスメンバ22、22の4 本のフレーム部材を相互に溶接接合することにより、所謂井桁状の枠体に構成されている。そして、本体20の4隅部には、ボディフレームへの接合用のブラケット23が設けられており、ブラケット23に例えば緩衝用ゴムブッシュを圧入すると共に、その内側にボルト等の棒状締結部材を挿入してこの締結部材によりサブフレームをボディフレームに固定している。
【0005】
一方、自動車を軽量化するために、サブフレームをアルミニウム合金材により製造することが特開2000−238657 号、特開2000−177621 号等の公報で提案されている。
【0006】
サブフレームをアルミニウム合金材により構成する場合、設計上あるいは構造面からの必要上、主フレームが、前記図7 や図8 の通り、左右方向と上下方向の所謂3 次元方向に湾曲していることが問題になる。また、他部品との干渉を避けるため、あるいは他の部品との接合をしやすくなるために、主フレームの断面形状をフレーム長手方向で変化させねばならないことも問題である。
【0007】
このため、アルミニウム合金材を用いるサブフレームでは、素材として、アルミニウム合金の円管を使用し、これを曲げ加工して三次元的な曲げ形状を作成し、その後、プレス潰し加工およびハイドロフォーミングにより断面形状を各部位で変化させることで、主フレームあるいはクロスメンバーを製作し、その後、フレームおよびその他ブラケットなどを溶接して製作される。
【0008】
しかし、ハイドロフォーム工程は、フレーム全面を覆う大型の金型が必要なことから金型費が高く、加工装置も高価で、加工時間も長くなるという問題がある。さらに、金型に挿入するためにプレスする等複雑な予加工が必要となる場合もあり、加工コストが高いという問題がある。このコストの問題が、サブフレームへのアルミニウム合金の採用拡大を妨げる、大きな要因となっていた。
【0009】
また、他部品との干渉を回避できる小さな円管素材を用いた場合には、曲げ加工時のしわは抑制できるものの、当然剛性確保のために肉厚増加による重量増加が問題になる。また、他部品との接合において、接合部が円弧状になることになるため、被接合材となるクロスメンバーの端部を円弧状に切断処理する必要が生じ、コストアップが生じ、接合部についても、線接合やT型突合せ溶接に近くなることで、接合強度および剛性が低下するという問題があった。
【0010】
これに対し、例えば、予め他部品との干渉を回避できるようなアルミニウム合金の異形断面押出形材を用いてハイドロフォーム工程を省略できれば、大幅に加工コストを低減するとともに、円管素材を用いた場合の上記問題を解消することが可能である。
【0011】
しかし、この異形断面押出形材を用いた場合、前記従来の円管に比べて、曲げ加工時にしわが発生しやすいことが大きな問題となる。そして、このような形状不良は、要求される形状精度を満たすことができず、また、サブフレームの保安部品としての特性や信頼性を著しく阻害する。
【0012】
サブフレームの主フレーム (図7 、8 の21) は、前記した通り、3 次元方向に湾曲している。したがって、素材として前記従来の円管に代えて、図6(a)に示すような直線状のアルミニウム合金中空押出形材8 を用いて、曲げ加工のみで成形する場合、図6(a)、(b) 、(c) に各々矢印F1、F2で示すように、少なくとも2 方向からの曲げ加工を受けて、図6 で言う左右方向と上下方向の3 次元方向に湾曲させられる必要がある。即ち、アルミニウム合金中空押出形材8 は、少なくとも、図6(b)に示す、短辺フランジ側11、12からの左右方向曲げ加工F1と、図6(c)に示す長辺フランジ9 、10側からの上下方向の曲げ加工F2とを受けて、3 次元方向に湾曲させられる。
【0013】
サブフレームでは、複雑に様々な部品が存在する狭い領域で、他部品との干渉を回避する必要があり、上記曲げ加工時の曲げ半径自体も非常に小さなものが要求される。このため、上記曲げ加工条件も厳しいものとなるため、図6(b)、(c) に各々13、14で示す通り、特に、曲げ内側となるフランジに、しわが発生しやすくなる。
【0014】
一方、現在、サブフレームの素材として用いられている前記円管については、どの方向に曲げ加工したとしても最も座屈しにくい形状となっており、この断面形状の効果と下記に示す心金の効果により、しわを発生させずに曲げ加工が可能となっている。したがって、このしわの問題は、サブフレームの素材として、前記円管に代えて、異形断面押出形材を用いた際の特有の問題と言える。
【0015】
このしわの発生を抑制するためには、従来から、曲げ加工 (条件) の側の改良によって、形材の形状不良を抑制することが行われている。代表的な例は、曲げ加工時に、形材内部の中空部に心金や中子などを装入して、変形を拘束しつつ曲げ加工する方法である。これらの方法は、例えば、特開平6−142805号、特開平6−170449号、特開平8−300052号、特開平8−300053号、特開平10−300053 号などの公報で種々提案されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの曲げ加工側の改善方法では、心金や中子で拘束されていない領域に、やはり、しわ等の形状不良が生じやすくなる。
【0017】
このような曲げ加工の際の形状不良を抑制するために、サブフレーム自体の設計変更をする場合もある。そして、この設計変更は、具体的には、軽量化を犠牲にする中空形状の肉厚や補強壁の増加や増大、断面乃至全体形状自体の変更などで行われる。しかし、これらの設計変更の必要性は、やはり、サブフレームへのアルミニウム合金の採用拡大を妨げる、大きな要因となる。このため、異形断面押出形材素材の断面形状でのしわ抑制がどうしても必要となる。
【0018】
サブフレームは一般に大型で厚肉の形材であるため、比較的構造が単純なプレスあるいはドローベンダーを用い、2 方向以上の曲げ加工がなされる場合が多い。この場合、曲げ加工の際の形状不良の抑制は、断面形状変更による形材自体の座屈限界応力の向上、あるいは前記心金使用による変形拘束効果に頼らざるを得ないのが現状である。
【0019】
なお、これ以外の加工方法として、ストレッチベンダー、マルチベンダーの適用も考えられる。しかし、マルチベンダーは曲げ加工部に圧縮応力が作用することで、逆に、しわが発生しやすいという問題がある。また、ストレッチベンダーでしわを抑制するためには、大きな張力を加える必要があり、このために、装置を通常よりも大型化せざるを得ない問題がある。更に、ストレッチベンダー、マルチベンダーとも、サブフレームのような大型で厚肉の形材を曲げ加工するためには、高い剛性を必要とするため、この点からも、元々装置が大型化し、非常に高価な装置が必要となるため、現実的は加工方法ではない。
【0020】
本発明では、前記ハイドロフォーム工程を省略することで、コストダウンを行うとともに、予加工である曲げ加工におけるしわの発生を抑制し、かつ、被接合材との接合強度および接合剛性の向上、被接合材となる押出形材の端部処理コストの低減が可能な、断面形状を持つサブフレーム用アルミニウム合金中空形材およびこれを用いたサブフレームを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
この目的のための本発明サブフレーム用アルミニウム合金中空形材の要旨は、二つの長辺フランジと二つの短辺フランジとから構成される略長方形の断面形状を有し、長辺フランジ側からと短辺フランジ側からの少なくとも2 方向からの曲げ加工により、3 次元方向に湾曲させられて、サブフレームとされるアルミニウム合金中空形材であって、前記曲げ加工の際に曲げ内側となる長辺フランジ壁中央部に、中空形材長手方向に延在させた段差を設ける一方、前記短辺フランジが外側方向に張り出す円弧状の形状を有していることである。
【0022】
また、本発明サブフレームの要旨は、上記構造のアルミニウム合金中空形材より構成されたサブフレームである。
【0023】
曲げ加工の際に曲げ内側となる長辺フランジ (長辺壁) 中央部に、中空形材内側方向に凹むあるいは中空形材の外側方向に膨らむとともに、中空形材長手方向に延在させた段差を設けることで、長辺フランジ側からの曲げ加工時の、特に、曲げ内側となる長辺フランジ壁の座屈による、しわの発生を防止できる。
【0024】
更に、曲げ加工の際に曲げ内側および曲げ外側となる短辺フランジ (短辺壁) が外側方に張り出す円弧状の形状を有していることで、短辺フランジ側からの曲げ加工時の、特に、曲げ内側となる短辺フランジ壁の座屈による、しわの発生を防止できる。
【0025】
したがって、これらの効果によって、アルミニウム合金中空形材の長辺フランジ側からと短辺フランジ側からの少なくとも2 方向からの曲げ加工により、3 次元方向に湾曲させられて、サブフレームとされるに際しても、素材アルミニウム合金中空形材における、しわの発生を防止乃至抑制できる。
【0026】
なお、本出願人に係る、特開平9−66317 号公報には、本発明の上記段差と同じ凹部を、略長方形の断面形状を有する、アルミニウム合金中空形材の曲げ内側壁部に設けることが開示されている。しかし、この発明は、本発明のような、アルミニウム合金中空形材の長辺フランジ側からと短辺フランジ側からの少なくとも2 方向からの曲げ加工により、3 次元方向に湾曲させる、サブフレーム用途は意図しておらず、1 方向の2 次元曲げしか意図していない。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施態様について図面を参照して具体的に説明する。図1 に本発明に係るサブフレーム用アルミニウム合金中空形材1aの斜視図を示す。図1 において、アルミニウム合金中空形材1aは、互いに略平行な二つの長辺フランジ2 、3 と、互いに略平行な二つの短辺フランジ4 、5 とを、各々略直交させて構成される略長方形の断面形状を有している。
【0028】
また、7 は、長辺フランジ2 、3 同士を縦方向につなぐ、補強用の中リブである。この中リブ自体は、サブフレームとしての要求剛性や強度などに応じ、必要に応じて設けるものである。この点、この中リブを設けない断面口形でも良い。また中リブを設ける場合、図1 の縦方向の中リブを1 本設けた断面日形の他に、縦方向の中リブを2 本設けた断面目形、あるいは短辺フランジ4 、5 同士を横方向につなぐ中リブと合わせて十字状に設けた断面田形など、種々の設け方が含まれる。
【0029】
本発明に係るアルミニウム合金中空形材1aの特徴的な点は、まず、図2 に示すように、少なくとも2 方向からの曲げ加工の内、曲げ加工F1( 図の横方向) の際に、少なくとも曲げ内側および曲げ外側となる短辺フランジ4 が外側方 (図の左右方向) に張り出す円弧状の湾曲した形状を有していることである。
【0030】
このように短辺フランジを円弧状 (アーチ型形状) とすることで、同等肉厚条件で比較して、短辺フランジの座屈限界応力が直線フランジに比べて大幅に増加する。例えば、直線状フランジの座屈限界応力はフランジ幅bと板厚tを用いて(t/b )2 に比例するのに対して、円弧状フランジの場合にはt/r (r:アーチの半径)に依存する。両者を比べれば、円弧状フランジの方が座屈しにくいことは明白である。
【0031】
この短辺フランジの円弧の形状 (湾曲形状) は、サブフレームの設計される最終形状と曲げ半径で定まる、曲げ加工F1 (図の横方向) に対応して、曲げ内側となる長辺フランジ壁2 の曲げ座屈によるしわの発生を防止できる量乃至大きさとする。したがって、短辺フランジの外側方への張り出しを、図1 のようになめらかな円弧とするだけではなく、幾つかの円弧を複数連続させた、あるいは部分的に円弧にしたような略円弧状などは、上記効果を達成する範囲において適宜選択される。なお、両方の短辺フランジとも円弧形状とせずとも、曲げ方向や曲げ加工の条件によっては、いずれか一方の短辺フランジのみを円弧形状 (湾曲形状) とし、他方の短辺フランジを通常の直線的な形状としても良い。他方の短辺フランジを通常の直線的な形状とすることで、この直線部において、他の車体構造材部材との接合が容易となる利点も有る。
【0032】
本発明に係るアルミニウム合金中空形材1aのもう一つの特徴的な点は、図3 に示すように、少なくとも2 方向からの曲げ加工の内、曲げ加工F2 (図の縦方向) の際に、曲げ加工の際に曲げ内側となる長辺フランジ壁2 の中央部に、中空形材内側方向に凹むとともに中空形材長手方向に延在させた段差6 を設けたことである。なお、この段差6 は、後述する図5 で示すように、中空形材の外側方向に膨らむようにしても良い。
【0033】
このような構成とすることで、曲げ内側となる長辺フランジ壁2 は、曲げ加工F1の際に、段差6 で区分されたそれぞれの壁面6a、6b、6cが各々独立して曲げ加工されることになる。この点、曲げ加工時に曲げ内側壁が有する座屈限界応力は、段差6 により生じた各壁面6a、6b、6cの壁幅により決定される。そしてこれらの各壁面6a、6b、6cは段差の形成されていない曲げ内側壁2 の壁面よりも小さな壁幅であるため、大きな座屈限界応力を有し、結果として、曲げ内側となる長辺フランジ壁2 の座屈による、しわの発生を防止できる。
【0034】
本発明における段差6 は、上記した区分された壁面6a、6b、6cであって、各々独立して曲げ加工される壁面6a、6b、6cを構成するためのものである。したがって、区分された壁面6a、6b、6cを構成できるものであれば、段差6 を構成する凹部や凸部の形状、大きさ (幅など) は適宜選択される。言い換えると、曲げ内側となる長辺フランジ壁2 に設ける段差6 の形状や大きさも、サブフレームの設計される最終形状と曲げ半径で定まる、曲げ加工F2 (図の縦方向) に対応して、曲げ内側となる長辺フランジ壁2 の座屈によるしわの発生を防止できる量乃至大きさとする。
【0035】
なお、長辺側フランジに設ける上記段差については、曲げ加工で影響を受ける部位のみに存在すればよい。言い換えれば、曲げ加工前のプレス加工などにより、この段差6 を、図1 のように1 個だけではなく複数長手方向に平行に分割して設ける、長辺フランジ壁2 の長手方向に複数分割して設ける、等は上記効果を達成する範囲において適宜選択される。また、この段差は曲げ内側となる長辺フランジ壁に設けるので、曲げ加工F2の方向によって、設ける長辺フランジ壁は違ってくる。
【0036】
例えば、図4 に斜視図で示す中空形材のように、少なくとも2 方向からの曲げ加工の内、曲げ加工F2が (図の下から上の方向) の際には、当然、図4 の下側にある長辺フランジ壁2 が、曲げ加工の際に曲げ内側となる。したがって、図4 の場合、段差6 は、この長辺フランジ壁2 の中央部に設けられる。なお、図4 は、中リブを設けない前記断面口形のアルミニウム合金中空形材1bの態様も示している。
【0037】
また、図5 に斜視図で示す中空形材では、前記図1 や図4 のように凹部を設けて段差6 を構成するのではなく、逆に、中空形材1cの外側方向に膨らむように( 外方に張り出すような凸部を設けて) 段差6 を構成した例を示している。
【0038】
更に、本発明では、長辺側フランジに、フランジ3 の3a、フランジ2 の2a、2bなどの、壁面が直線状の壁を設けることが好ましい。このような壁面が直線状の壁を設けることで、面を合わせた形で前記ブラケット23など他の板状部品との接合が可能となり、これによるサブフレームの接合剛性および接合強度の増加も可能となる。また、曲げ外側に当たる短辺側フランジが直線状の場合には、被接合材となるクロスメンバーの端部を直線状に切断することで接合が可能となり、被接合材の端部切断コストの低減も可能となる。
【0039】
本発明では、以上のような素材アルミニウム合金中空形材の構成とし、図2 に示すような、曲げ加工F1( 図の横方向) と、図3 に示すような曲げ加工F2 (図の縦方向) とを少なくとも2 方向以上、組み合わせて行い、3 次元方向に湾曲している前記図6 のサブフレームの主フレーム21、21などに、しわの生成を抑制しながら成形する。
【0040】
この際の曲げ加工方法は、比較的構造が単純で安価な、通常の2 次元曲げ加工装置が、互いに適宜組み合わせて使用可能である。この通常の2 次元曲げ加工装置としては、プレスベンダーや、図9(a)に概略を示す押し曲げ、図9(b)に概略を示す圧縮曲げ、図9(c)に概略を示す回転引き曲げ、回転曲げ、などの装置がある。このように、本発明では、通常の構造が単純で安価な曲げ加工装置を使用してしわの発生を抑制しつつ曲げ加工できる利点も大きい。
【0041】
なお、本発明では、形材の形状自体でしわの発生を抑制しているため、サブフレーム用のアルミニウム合金中空形材が小径で薄肉であれば、前記したストレッチベンダー、マルチベンダーなども使用可能である。ただ、前記した通り、通常の2 次元曲げ加工装置に比して、装置が大型化し、非常に高価な装置が必要となる問題はある。
【0042】
本発明中空形材に用いるアルミニウム合金は、通常、この種構造材の用途に汎用される、AA乃至JIS 規格に規定された 3000 系、5000系、6000系、7000系等のアルミニウム合金が使用可能である。そして、これらアルミニウム合金の内から合金種を適宜選択するとともに、溶体化および焼き入れ処理、人工時効硬化処理などの調質処理条件を適宜選択して、所望の耐力や機械的性質とする。また、本発明アルミニウム合金中空形材自体は、通常の熱間押出加工や、通常の圧延板を成形加工および溶接接合するなどの、常法にて製造できる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、曲げ加工によりサブフレームを製作するに際し、3 次元方向に湾曲させられる曲げ加工時のしわ発生を防止した、サブフレーム用アルミニウム合金中空形材を提供できる。したがって、アルミニウム合金中空形材の曲げ加工により安価にサブフレームを製作することができる。この結果、サブフレームへのアルミニウム合金の用途の拡大を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明アルミニウム合金中空押出形材の一態様を示す斜視図である。
【図2】図1の形材の曲げ加工の態様を示す斜視図である。
【図3】図1の形材の別の曲げ加工の態様を示す斜視図である。
【図4】本発明アルミニウム合金中空押出形材の別の態様を示す斜視図である。
【図5】本発明アルミニウム合金中空押出形材の別の態様を示す斜視図である。
【図6】図5(a)は従来のアルミニウム合金中空押出形材を示す斜視図、図5(b)、(c) は図5(a)の形材の曲げ加工の態様を各々示す斜視図である。
【図7】一般的なフロントサブフレームの形状を示す斜視図である。
【図8】一般的なリアサブフレームの形状を示す斜視図である。
【図9】
通常の曲げ加工装置の例を示し、(a) は押し曲げ、(b) は圧縮曲げ、(c) は回転引き曲げを各々示す概略図である。
【符号の説明】
1 :アルミニウム合金中空押出形材、2 、3:長辺フランジ、
4 、5:短辺フランジ、6:段差、7:中リブ

Claims (4)

  1. 二つの長辺フランジと二つの短辺フランジとから構成される略長方形の断面形状を有し、長辺フランジ側からと短辺フランジ側からの少なくとも2 方向からの曲げ加工により、3 次元方向に湾曲させられて、サブフレームとされるアルミニウム合金中空形材であって、前記曲げ加工の際に曲げ内側となる長辺フランジ壁中央部に、中空形材長手方向に延在させた段差を設ける一方、前記短辺フランジが外側方向に張り出す円弧状の形状を有していることを特徴とするサブフレーム用アルミニウム合金中空形材。
  2. 前記長辺フランジ同士をつなぐ中リブが設けられている請求項1に記載のサブフレーム用アルミニウム合金中空形材。
  3. 前記曲げ加工の際に曲げ外側に当たるフランジを直線状とした請求項1または2に記載のサブフレーム用アルミニウム合金中空形材。
  4. 前記請求項1乃至3のいずれか1項のアルミニウム合金中空形材より構成されたサブフレーム。
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