JP5178135B2 - 車両用アクスルハウジングの製造方法 - Google Patents

車両用アクスルハウジングの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、直管材を原材料とし、この直管材のプレス加工により形成される全体として一体的な管形状の車両用アクスルハウジングの製造方法に関するものである。
上記車両用アクスルハウジングの製造方法には、従来、下記特許文献1〜3に示されるものがある。これら公報における上記製造方法によれば、まず、平板材をプレス加工して断面U字形状の一対の中間品を形成する。次に、これら中間品の各開口を閉じるよう、これら中間品の開口の開口縁部同士を互いに突き合わせ、これら突き合わせ部を互いに溶接加工する。これにより、軸心が直線的に延び、その軸方向の各部断面形状が閉断面となる上記アクスルハウジングが形成されこととされる。
特開2005−132249号公報 特開平10−329503号公報 等開閉8−187535号公報
ところで、上記製造方法によれば、次のような問題点がある。
即ち、第1に、ワークを溶接加工した場合には、通常、アークブローによるブローホールやビードの乱れなどが発生しがちであり、このため、溶接部には強度不足が生じるおそれがある。このため、上記従来の技術のように、溶接加工する場合には、一般に、上記平板材の板厚を予めある程度大きくすることにより、上記溶接部の肉厚を大きくできるようにし、これにより、上記強度不足を補填することが行われる。
しかし、上記のように板厚を大きくすると、アクスルハウジングの質量が過大となり、このアクスルハウジングを車両に適用した場合には、懸架装置のばね下質量が大きくなって、車両の操縦性や乗り心地が低下するおそれを生じる。
また、第2に、上記製造方法では、プレス加工に加えて、これとは加工技術や設備が大きく異なる溶接加工が必要とされている。このため、上記各加工のための熟練者や設備が広範にわたることとなり、よって、上記アクスルハウジングの製造作業は極めて煩雑となりがちである。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、アクスルハウジングを軽量にし、このアクスルハウジングを車両に適用することにより、この車両の操縦性や乗り心地をより向上させるようにすることである。
また、本発明の他の目的は、上記アクスルハウジングの製造作業がより容易にできるようにすることである。
請求項1の発明は、軸心2が直線的に延び、溶接部を有しない一体的な管形状をなすアクスルハウジング1であって、このアクスルハウジング1の軸方向の各端部側を構成する直管部3に車軸が内有可能とされ、また、アクスルハウジング1の軸方向の中途部が上記直管部3よりも断面形状が大きい膨出部4とされてこの膨出部4に差動歯車組が内有可能とされた車両用アクスルハウジングの製造方法に関するものである。
なお、上記請求項1中の「溶接部を有しない」における「溶接部」には、上記直管部3や後述の直管材17自体の形成に適用される溶接部や、上記アクスルハウジング1に対する補強材や付属品の取り付けのための溶接部は含まれないこととする。
また、請求項1の発明は、
軸心16が直線的に延びる一体的な管材31の軸方向の各端部側を上記直管部3とし、上記軸心16に対する直交方向Aで互いに対面する上記管材31の軸方向の中途部における各側壁33に、この管材31の軸方向の軸方向に長く延びるスロット34をそれぞれ形成し、このように形成された管材を第1中間品35とする「第1工程」と、
上記第1中間品35を軸方向に圧縮し、上記スロット34を拡開させて中間開口44を形成することにより、この第1中間品35の中途部を上記軸心16と直交方向Aとに対する他の直交方向Bの外方に塑性変形させて上記膨出部4を形成し、このように形成された管材を第2中間品45とする「第2工程」とを備えたことを特徴とするものである。
請求項の発明は、上記「第1工程」以前の「前段工程」として、軸心16が直線的に延びる直管材17を軸方向に圧縮することにより、この直管材17の軸方向の中途部を上記軸心19に対する上記各直交方向A,Bの外方に塑性変形させて前段膨出部30を形成し、このように形成された管材を上記「第1工程」の管材31として、上記前段膨出部30の各側壁33に上記スロット34を形成することを特徴とする請求項に記載の車両用アクスルハウジングの製造方法である。
請求項の発明は、上記軸心16を水平とし、かつ、上記他の直交方向Bを上下方向として見たとき、上記第1中間品35の軸方向における上記スロット34の中央部の上、下方に位置する上記側壁33の上、下部33a,33bの各高さ寸法Hが、上記スロット34の他部のそれよりもそれぞれ小さくなるようこのスロット34を形成したことを特徴とする請求項に記載の車両用アクスルハウジングの製造方法である。
請求項の発明は、上記直管材17の断面形状を円形にしたことを特徴とする請求項に記載の車両用アクスルハウジングの製造方法である。
請求項の発明は、上記直管材17の断面形状を矩形にしたことを特徴とする請求項に記載の車両用アクスルハウジングの製造方法である。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号や図面番号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、軸心が直線的に延び、溶接部を有しない一体的な管形状をなすアクスルハウジングであって、このアクスルハウジングの軸方向の各端部側を構成する直管部に車軸が内有可能とされ、また、アクスルハウジングの軸方向の中途部が上記直管部よりも断面形状が大きい膨出部とされてこの膨出部に差動歯車組が内有可能とされた車両用アクスルハウジングの製造方法である。
即ち、従来のアクスルハウジングの製造方法では、その溶接部における強度不足の補填のために、この溶接部の肉厚を大きくできるよう原材料の板厚をある程度大きくしていたが、このような従来の技術のアクスルハウジングに比べ、上記発明のアクスルハウジングは溶接部を有しない一体的な管形状であるため、このアクスルハウジングの各部の板厚を大きくすることを抑制したままで、このアクスルハウジングの各部に所望強度を確保することができる。
よって、上記アクスルハウジングを軽量にできることから、このアクスルハウジングを車両に適用することにより、この車両の操縦性や乗り心地をより向上させることができる。
また、請求項1の発明は、
軸心が直線的に延びる一体的な管材の軸方向の各端部側を上記直管部とし、上記軸心に対する直交方向で互いに対面する上記管材の軸方向の中途部における各側壁に、この管材の軸方向に長く延びるスロットをそれぞれ形成し、このように形成された管材を第1中間品とする「第1工程」と、
上記第1中間品を軸方向に圧縮し、上記スロットを拡開させて中間開口を形成することにより、この第1中間品の中途部を上記軸心と直交方向とに対する他の直交方向の外方に塑性変形させて上記膨出部を形成し、このように形成された管材を第2中間品とする「第2工程」とを備えている。
このため、上記アクスルハウジングは、単に軸心が直線的に延びた一体的な管材から溶接加工を経ることなく、ほとんどプレス加工により製造されることから、加工技術や設備が互いに大きく異なるプレス加工と溶接加工とを共に用いていた従来の技術に比べて、上記アクスルハウジングの製造はより容易にできる。
請求項の発明は、上記「第1工程」以前の「前段工程」として、軸心が直線的に延びる直管材を軸方向に圧縮することにより、この直管材の軸方向の中途部を上記軸心に対する上記各直交方向の外方に塑性変形させて前段膨出部を形成し、このように形成された管材を上記「第1工程」の管材として、上記前段膨出部の各側壁に上記スロットを形成するようにしている。
このため、上記アクスルハウジングの原材料は構成の極めて簡単な直管材であり、よって、上記アクスルハウジングの製造は安価に達成される。
請求項の発明は、上記軸心を水平とし、かつ、上記他の直交方向を上下方向として見たとき、上記第1中間品の軸方向における上記スロットの中央部の上、下方に位置する上記側壁の上、下部の各高さ寸法が、上記スロットの他部のそれよりもそれぞれ小さくなるようこのスロットを形成している。
このため、上記第1中間品の軸方向で上記スロットに対応する上記第1中間品の部分のうち、上記スロットの中央部に対応する上記第1中間品の部分の強度がより低くなる。よって、上記「第2工程」において、第1中間品を軸方向に圧縮して上記スロットを拡開させる場合、この拡開が円滑、かつ、より精度よくなされることから、上記膨出部の形成が容易にでき、その分、アクスルハウジングの製造が更に容易にできる。
請求項の発明は、上記直管材の断面形状を円形にしている。
このため、特に、アクスルハウジングの直管部が断面円形である場合、上記断面円形の直管材を用いることにより、この直管材の各端部側をそのままアクスルハウジングの各直管部にすることができる。よって、その分、アクスルハウジングの製造がより容易にできる。
請求項の発明は、上記直管材の断面形状を矩形にしている。
このため、特に、アクスルハウジングの直管部が断面矩形である場合、上記断面矩形の直管材を用いることにより、この直管材の各端部をそのままアクスルハウジングの各直管部にすることができる。よって、その分、アクスルハウジングの製造がより容易にできる。
本発明の車両用アクスルハウジングの製造方法に関し、アクスルハウジングを軽量にし、このアクスルハウジングを車両に適用することにより、この車両の操縦性や乗り心地をより向上させるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための最良の形態は、次の如くである。
即ち、車両用アクスルハウジングの製造方法は、軸心が直線的に延び、溶接部を有しない一体的な管形状をなすアクスルハウジングに関するものである。このアクスルハウジングの軸方向の各端部側を構成する直管部に車軸が内有可能とされている。また、アクスルハウジングの軸方向の中途部が上記直管部よりも断面形状が大きい膨出部とされてこの膨出部に差動歯車組が内有可能とされている。そして、このアクスルハウジングの製造方法は、軸心が直線的に延びる一体的な管材の軸方向の各端部側を上記直管部とし、上記軸心に対する直交方向で互いに対面する上記管材の軸方向の中途部における各側壁に、この管材の軸方向に長く延びるスロットをそれぞれ形成し、このように形成された管材を第1中間品とする「第1工程」と、
上記第1中間品を軸方向に圧縮し、上記スロットを拡開させて中間開口を形成することにより、この第1中間品の中途部を上記軸心と直交方向とに対する他の直交方向の外方に塑性変形させて上記膨出部を形成し、このように形成された管材を第2中間品とする「第2工程」とを備えている。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例を添付の図に従って説明する。
図1,2において、符号1は金属製アクスルハウジングであり、これは、車両である自動車(トラック)の後車輪に適用されるものである。また、矢印Frは、この自動車の進行方向の前方を示している。
上記アクスルハウジング1は、軸心2が直線的に延び、溶接部を有しない一体的な管形状体をなしている。上記アクスルハウジング1の軸方向の各端部側は、その軸方向各部断面が互いに同形同大である円形の直管部3とされている。また、これら各直管部3同士は互いに同形同大とされている。そして、これら各直管部3には、その軸心2上に車軸が内有可能とされ、また、上記各直管部3の自由端部には車輪が支持可能とされる。
上記アクスルハウジング1の軸方向の中途部(中央部)が、上記直管部3よりも断面形状が大きい膨出部4とされている。この膨出部4はバンジョー部といわれるもので、この膨出部4の内部には差動歯車組が内有可能とされている。
上記膨出部4は、アクスルハウジング1の正面視(図1)で、ほぼ楕円形状をなし、側面視(図2)で、上下に長い長方形状をなし、その前後幅寸法は、上記直管部3の径寸法Dにほぼ合致している。具体的には、上記膨出部4の上、下部5,6は、上記直管部3よりも上、下方に大きく膨出している。また、上記軸心2に直交する水平方向(前後方向)で、互いに対面する上記膨出部4における各側壁7,8は、互いに平行に延びる平板形状とされ、これら各側壁7,8の外面は、側面視(図2)で、上記直管部3の前後端の接線とほぼ合致している。
上記両側壁7,8のうち、一方(前側)の側壁7には開口9が形成されている。この開口9の開口縁部には厚肉で金属製の円環形状フランジ10が溶接可能とされると共に、このフランジ10に入力軸を支持するデフキャリア11が締結可能とされ、つまり、上記開口9の開口縁部に上記フランジ10を介しデフキャリア11が取り付け可能とされている。また、他方(後側)の側壁8には他の開口12が形成されている。この他の開口12の開口縁部には、この他の開口12を閉じる金属製カバー体13が溶接により取り付け可能とされている。上記両開口9,12は互いほぼ同形同大とされている。
上記入力軸、差動歯車組、各車軸、および各車輪は、この順序で互いに連動連結され、上記入力軸は、クラッチ、変速装置等を介しエンジンと互いに連動連結されている。そして、自動車の走行時には、上記差動歯車組を主体として差動作用が発揮される。
図3〜7により、上記アクスルハウジング1形成用の材料を冷間プレス加工により塑性変形させて、このアクスルハウジング1を製造する製造方法につき説明する。なお、これら各図中(1)は正面図であり、(2)は、この正面図(1)についての部分側面図である。
図3において、上記製造方法の「第1前段工程」として、まず、所定長さに切断され、軸心16が直線的に延び、かつ、軸方向の各部断面が互いに同形同大である一体的な円形の管材である直管材17が準備される。この直管材17の断面形状は、上記アクスルハウジング1の直管部3の断面形状と同じとされ、つまり、この直管材17の軸方向の各端部側は、将来的に上記アクスルハウジング1の各直管部3を構成する。なお、例えば、上記直管材17は材質が鋼材で、直径×肉厚の各部寸法(mm)は、80×5.5とされる。
ある水平な軸心19上に、分割型を構成する一対の第1金型20,20が設けられ、これら両第1金型20,20は、上記軸心19の軸方向で互いに接合、離反可能とされている。
上記両第1金型20,20が互いに接合した状態(図4)で見て、これら両第1金型20,20内には、上記軸心19上に断面が円形の型孔21が形成されている。この型孔21の軸方向の各端部側22は、上記直管部3とほぼ同形同大とされている。また、上記型孔21の軸方向の中央部である中途部23の断面の径寸法は、その軸方向の端部から中央に向かうに従い、上記端部側22と同じ径寸法から始まって徐々に増加することとされ、その増加率は中央付近では徐々に減少することとされている。
そして、図3のように、上記両第1金型20,20が互いに離反した状態で、これら両第1金型20,20における上記型孔21の各端部側22に対し、上記直管材17の各端部側を密に嵌入させて、この直管材17を上記両第1金型20,20内に設置する。
図4において、「第2前段工程」として、上記軸心19上に設けられた一対の押し型25,25と上記両第1金型20,20とを互いに接近させることにより、上記型孔21内の上記直管材17を軸方向に圧縮する。この圧縮により、上記直管材17の軸方向の中途部(中央部)の外面を、上記のように互いに接合した両第1金型20,20内の型孔21の中途部23の内面に全体的に圧接させる。このようにして、上記直管材17の中途部を上記軸心16に対する直交方向A、およびこれら軸心16と直交方向Aとに対する他の直交方向Bの各外方に塑性変形させて断面円形の前段膨出部26を形成する。そして、このように形成された管材を第1前段品27とする。
なお、上記直管材17から第1前段品27を形成する場合、次のようにしてもよい。即ち、上記直管材17の軸方向の中途部の内部にパンタグラフ形状のジャッキや、楔体など補助拡開用の加圧装置を介在させる。そして、上記したように直管材17を軸方向に圧縮する際、この圧縮と共に上記加圧装置により上記直管材17の中途部の内面を外方に向かって加圧し変形させる。これによれば、この直管材17の中途部の外面は上記両第1金型20,20の型孔21の中途部23の内面に、より円滑にかつ精度良く圧接させられる。
図5において、「第3前段工程」として、上記第1前段品27の前段膨出部26を押し型29で加圧することにより断面矩形の前段膨出部30を形成し、この管材を第2前段品31とする。上記前段膨出部30は、その側面視での前後厚さ寸法は上記直管部3の径寸法Dとほぼ同じとされ、高さ寸法は、この径寸法Dよりも大きくされている。
図6において、「第1工程」として、上記第2前段品31の軸方向の中途部である上記前段膨出部30において、上記軸心16に対する上記直交方向Aで互いに対面する前後各側壁33に、この第2前段品31の軸方向に長く延びるスロット34をそれぞれ形成し、このように形成された管材を第1中間品35とする。上記スロット34はプレス打抜きや溶断などにより形成される。また、図例では、上記スロット34は、その互いに対面する両開口縁が少し離れて薄く開口したものとされているが、上記両開口縁が極めて接近した切り目状のものであってもよい。
上記軸心16を水平とし、かつ、上記他の直交方向Bを上下方向として見たとき、上記第1中間品35の軸方向における上記スロット34の中央部の上、下方に位置する上記側壁33の上、下部33a,33bの各高さ寸法Hが、上記スロット34の他部のそれよりもそれぞれ小さくなるようこのスロット34が形成されている。具体的には、上記スロット34の内幅寸法は、上記第1中間品35の軸方向におけるスロット34の中央部が最大とされ、各端部に向かうに従い徐々に減少することとされている。
ある水平な軸心37上に、分割型を構成する一対の第2金型38,38が設けられ、これら両第2金型38,38は、上記軸心37の軸方向で互いに接合、離反可能とされている。
上記両第2金型38,38が互いに接合した状態(図7)で見て、上記両第2金型38,38内には、上記軸心37上に型孔39が形成されている。この型孔39の軸方向の各端部側40は、上記直管部3とほぼ同形同大とされている。また、上記型孔39の軸方向の中央部である中途部41の断面の寸法は、正面視で、その軸方向の端部から中央に向かうに従い、上記端部側40と同じ寸法から始まって直線的に増加し、中央付近ではほぼ一定値とされている。また、上記中途部41の断面の前後方向の幅寸法は、側面視で、上記端部側40の径寸法とほぼ同じとされている。
そして、図6のように、上記両第2金型38,38が互いに離反した状態で、これら両第2金型38,38における上記型孔39の各端部側40に対し、上記第1中間品35の各端部側を密に嵌入させて、この第1中間品35を上記両第2金型38,38内に設置する。
図7において、「第2工程」として、上記軸心37上に設けられた一対の押し型43,43と上記両第2金型38,38とを互いに接近させることにより、上記型孔39内の上記第1中間品35を軸方向に圧縮する。この圧縮により、上記スロット34を拡開させて中間開口44を形成することにより、上記第1中間品35の中途部(中央部)の外面が、上記のように互いに接合した両第2金型38,38内の型孔39の中途部41の内面に全体的に圧接させる。このようにして、上記第1中間品35の中途部を上記他の直交方向Bに塑性変形させて、前記アクスルハウジング1の膨出部4を形成する。そして、このように形成された管材を第2中間品45とする。
上記第2中間品45の軸方向で、その各直管部3と膨出部4との互いの遷移点から、上記中間開口44の各端部に至る長さをLとし、上記各直管部3の径寸法をDとしたとき、0.8D<L<1.2Dとなるように上記第2中間品45が形成されている。
図1,2において、「最終工程」として、上記第2中間品45の中間開口44の開口縁部を切断など仕上げ加工することにより、前記アクスルハウジング1の各開口9,12を形成する。これにより、前記アクスルハウジング1が製造される。なお、必要に応じて、上記第2中間品45の軸方向の端部を切断して、この軸方向の全長を所定長さにしてもよい。また、必要に応じて、上記第2中間品45の軸方向の端部に、延長短管材や車輪支持用の外向きフランジを、溶接などにより取り付けてもよい。
上記構成のアクスルハウジング1によれば、次の効果が生じる。即ち、従来のアクスルハウジング製造方法では、その溶接部における強度不足の補填のために、この溶接部の肉厚を大きくできるよう原材料の板厚をある程度大きくしていた。しかし、このような従来の技術のアクスルハウジングに比べ、上記構成のアクスルハウジング1は溶接部を有しない一体的な管形状である。このため、このアクスルハウジング1の各部の板厚を大きくすることを抑制したままで、このアクスルハウジング1の各部に所望強度を確保することができる。
よって、上記アクスルハウジング1を軽量にできることから、このアクスルハウジング1を自動車に適用することにより、この自動車の操縦性や乗り心地をより向上させることができる。
また、前記自動車用アクスルハウジング1の製造方法であって、
軸心16が直線的に延びる一体的な第2前段品31の軸方向の各端部側を上記直管部3とし、上記軸心16に対する直交方向Aで互いに対面する上記第2前段品31の軸方向の中途部における各側壁33に、この第2前段品31の軸方向に長く延びるスロット34をそれぞれ形成し、このように形成された管材を第1中間品35とする「第1工程」と、
上記第1中間品35を軸方向に圧縮し、上記スロット34を拡開させて中間開口44を形成することにより、この第1中間品35の中途部を上記軸心16と直交方向Aとに対する他の直交方向Bの外方に塑性変形させて上記膨出部4を形成し、このように形成された管材を第2中間品45とする「第2工程」とを備えている。
このため、上記アクスルハウジング1は、単に軸心16が直線的に延びた一体的な第2前段品31から溶接加工を経ることなく、ほとんどプレス加工により製造されることから、加工技術や設備が互いに大きく異なるプレス加工と溶接加工とを共に用いていた従来の技術に比べて、上記アクスルハウジング1の製造はより容易にできる。
また、前記したように、「第1工程」以前の「前段工程」として、軸心16が直線的に延びる直管材17を軸方向に圧縮することにより、この直管材17の軸方向の中途部を上記軸心19に対する上記各直交方向A,Bの外方に塑性変形させて断面矩形の前段膨出部30を形成し、このように形成された管材を上記「第1工程」の第2前段品31として、上記前段膨出部30の各側壁33に上記スロット34を形成するようにしている。
このため、上記アクスルハウジング1の原材料は構成の極めて簡単な直管材17であり、よって、上記アクスルハウジング1の製造は安価に達成される。
また、上記したように前段膨出部30は断面矩形であるため、この前段膨出部30の各側壁33は平板形状となる。よって、これら各側壁33が例えば円弧状に屈曲していることに比べ、これら各側壁33におけるスロット34の形成は容易にでき、その分、アクスルハウジング1の製造がより容易にできる。
また、前記したように、上記軸心16を水平とし、かつ、上記他の直交方向Bを上下方向として見たとき、上記第1中間品35の軸方向における上記スロット34の中央部の上、下方に位置する上記側壁33の上、下部33a,33bの各高さ寸法Hが、上記スロット34の他部のそれよりもそれぞれ小さくなるようこのスロット34を形成している。
このため、上記第1中間品35の軸方向で上記スロット34に対応する上記第1中間品35の部分のうち、上記スロット34の中央部に対応する上記第1中間品35の部分の強度がより低くなる。よって、上記「第2工程」において、第1中間品35を軸方向に圧縮して上記スロット34を拡開させる場合、この拡開が円滑、かつ、より精度よくなされることから、上記膨出部4の形成が容易にでき、その分、アクスルハウジング1の製造が更に容易にできる。
また、前記したように、第2中間品45の軸方向で、その各直管部3と膨出部4との互いの遷移点から、上記中間開口44の各端部に至る長さをLとし、上記各直管部3の径寸法をDとしたとき、上記直管部3の材質がSTKMの場合には、0.8D<L<1.2Dとなるように上記第2中間品45を形成している。
ここで、上記長さLが0.8D以下であるとすると、上記中間開口44が過大となり、これに伴い、この中間開口44に基づき形成されるアクスルハウジング1の各開口9,12が過大となる。よって、アクスルハウジング1の強度が無用に低下するおそれを生じると共に、上記各開口9,12を閉じるよう設けられるデフキャリア11やカバー体13が無用に大型になるおそれがある。
一方、上記長さLが1.2D以上であるとすると、上記「第2工程」において、第1中間品35を軸方向に圧縮し、スロット34を拡開させて上記中間開口44を形成するとき、上記第2中間品45の軸方向における上記中間開口44の各端部に応力集中が生じ易くなって、これら端部にクラックが生じるおそれがある。
そこで、上記LとDとを上記のような関係としたのであり、これによれば、アクスルハウジング1に所望の強度が確保されると共に、デフキャリア11やカバー体13が無用に大型になることが防止される。また、上記「第2工程」において、第2中間品45にクラックが生じることが防止される。但し、上記したLとDとの関係を示す数値は、上記直管部3の材質毎に適正に選定することが求められる。
また、前記したように、直管材の断面形状を円形にしている。
このため、アクスルハウジング1の直管部3が前記のように断面円形である場合、上記断面円形の直管材17を用いることにより、この直管材17の各端部側をそのままアクスルハウジング1の各直管部3にすることができる。よって、その分、アクスルハウジング1の製造がより容易にできる。
なお、以上は図示の例による、上記直管材17の断面形状を矩形にしてもよい。
このようにした場合、特に、アクスルハウジング1の直管部3が断面矩形であるとすると、上記断面矩形の直管材17を用いることにより、この直管材17の各端部をそのままアクスルハウジング1の各直管部3にすることができる。よって、その分、アクスルハウジング1の製造がより容易にできる。
また、上記「第1工程」におけるスロット34は、上記直管材17に形成してもよく、断面円形の前段膨出部26に形成してもよい。また、上記各中間開口44をそのまま各開口9,12とし、これによって、上記第2中間品45をそのままアクスルハウジング1としてもよい。
また、上記アクスルハウジング1は、上記自動車の他にトラクタなど農耕用機械、建設用機械、玩具などの車両に適用してもよく、また、前車輪用に適用してもよい。
アクスルハウジングの正面部分断面図である。 アクスルハウジングの側面部分断面図である。 アクスルハウジングの製造方法の「第1前段工程」を示す図である。 アクスルハウジングの製造方法の「第2前段工程」を示す図である。 アクスルハウジングの製造方法の「第3前段工程」を示す図である。 アクスルハウジングの製造方法の「第1工程」を示す図である。 アクスルハウジングの製造方法の「第2工程」を示す図である。
1 アクスルハウジング
2 軸心
3 直管部
4 膨出部
5 上部
6 下部
7 側壁
8 側壁
9 開口
11 デフキャリア
12 他の開口
13 カバー体
16 軸心
17 直管材
19 軸心
20 第1金型
21 型孔
26 前段膨出部
27 第1前段品
30 前段膨出部
31 第2前段品(管材)
33 側壁
33a 上部
33b 下部
34 スロット
35 第1中間品
37 軸心
38 第2金型
39 型孔
44 中間開口
45 第2中間品
A 直交方向
B 他の直交方向
D 径寸法
L 長さ
H 高さ寸法

Claims (5)

  1. 軸心が直線的に延び、溶接部を有しない一体的な管形状をなすアクスルハウジングであって、このアクスルハウジングの軸方向の各端部側を構成する直管部に車軸が内有可能とされ、また、アクスルハウジングの軸方向の中途部が上記直管部よりも断面形状が大きい膨出部とされてこの膨出部に差動歯車組が内有可能とされた車両用アクスルハウジングの製造方法であって、
    軸心が直線的に延びる一体的な管材の軸方向の各端部側を上記直管部とし、上記軸心に対する直交方向で互いに対面する上記管材の軸方向の中途部における各側壁に、この管材の軸方向に長く延びるスロットをそれぞれ形成し、このように形成された管材を第1中間品とする「第1工程」と、
    上記第1中間品を軸方向に圧縮し、上記スロットを拡開させて中間開口を形成することにより、この第1中間品の中途部を上記軸心と直交方向とに対する他の直交方向の外方に塑性変形させて上記膨出部を形成し、このように形成された管材を第2中間品とする「第2工程」とを備えたことを特徴とする車両用アクスルハウジングの製造方法。
  2. 上記「第1工程」以前の「前段工程」として、軸心が直線的に延びる直管材を軸方向に圧縮することにより、この直管材の軸方向の中途部を上記軸心に対する上記各直交方向の外方に塑性変形させて前段膨出部を形成し、このように形成された管材を上記「第1工程」の管材として、上記前段膨出部の各側壁に上記スロットを形成することを特徴とする請求項に記載の車両用アクスルハウジングの製造方法。
  3. 上記軸心を水平とし、かつ、上記他の直交方向を上下方向として見たとき、上記第1中間品の軸方向における上記スロットの中央部の上、下方に位置する上記側壁の上、下部の各高さ寸法が、上記スロットの他部のそれよりもそれぞれ小さくなるようこのスロットを形成したことを特徴とする請求項に記載の車両用アクスルハウジングの製造方法。
  4. 上記直管材の断面形状を円形にしたことを特徴とする請求項に記載の車両用アクスルハウジングの製造方法。
  5. 上記直管材の断面形状を矩形にしたことを特徴とする請求項に記載の車両用アクスルハウジングの製造方法。
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