JP2004050925A - 駐車補助ブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】駐車時の運転者の運転操作を補助して、停車に至る車両の走行状態の制御を、運転フィーリングを悪化させることなく簡便かつ安全に行えるようにする。
【解決手段】周辺監視制御ECU8は検出した障害物との距離に応じて制動距離Lを算出する。ブレーキ制御ECU1は制動距離Lと車速に応じて目標の減速度を算出して制動要求値とすると共に、クリープ速度程度の目標速度で走行するために必要な制動力と制動要求値とを比較して、大きい方の制動要求値(目標制動力)を選択し、この目標制動力をブレーキ装置に発生させることにより、車速、ブレーキ操作、アクセル操作などの走行状況および障害物との距離に応じて、目標速度での走行(定速モード)の後、障害物に接近した位置での停車(停車モード)を、運転者の意図に沿って自動的に行うことができる。
【選択図】 図1
【解決手段】周辺監視制御ECU8は検出した障害物との距離に応じて制動距離Lを算出する。ブレーキ制御ECU1は制動距離Lと車速に応じて目標の減速度を算出して制動要求値とすると共に、クリープ速度程度の目標速度で走行するために必要な制動力と制動要求値とを比較して、大きい方の制動要求値(目標制動力)を選択し、この目標制動力をブレーキ装置に発生させることにより、車速、ブレーキ操作、アクセル操作などの走行状況および障害物との距離に応じて、目標速度での走行(定速モード)の後、障害物に接近した位置での停車(停車モード)を、運転者の意図に沿って自動的に行うことができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の自動ブレーキ装置に関し、さらに詳しくは、駐車時に補助的に作動するブレーキ装置にする。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、駐車時または発進時にスロットル開度を小さくして急発進を防止し、あるいは、大きな制動力を発生させて障害物への衝突を防止するもの(特開2000−136738号公報)があった。
【0003】
しかし、障害物との距離に無関係にスロットルを絞ったり、または制動力を発生させたりしているので、確実な衝突回避のために、減速度が大きくなるよう設定する必要があり、このため急停止が発生するなど、車速変化が運転者の意図や予想と異なるために、運転フィーリングが悪化するという問題があった。
【0004】
なお、走行中に車両前方をレーダで監視し、検出した障害物との距離に応じて警報を発したり、自動的にブレーキをかけて車両を減速、停止させるもの(特開昭52−124628号公報)もあるが、駐車時に運転者の運転操作を補助するものではない。
【0005】
本発明は上記点に鑑みて、駐車時の運転者の運転操作を補助して、停車に至る車両の走行状態の制御を、運転フィーリングを悪化させることなく簡便かつ安全に行えるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、車両(VL)の各輪(4FR、4FL、4RL、4RR)に制動力を付与する制動力付与手段(2、3)と、前記車両のエンジン(70)の出力を制御するエンジン制御手段(7)と、前記制動力付与手段およびエンジン制御手段の少なくとも一方を動作して前記車両をあらかじめ設定された目標速度以下で走行させる定速モードで動作する速度リミッタ手段(1)と、前記車両から障害物までの距離を検出するとともに、該距離に応じた制動要求値を出力する周辺監視手段(8、54)と、前記制動要求値に基づき、前記制動力付与手段を制御して制動力を付与して前記車両を停止させる停車モードで動作するブレーキ制御手段(1)と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、周辺監視手段により検出された車両と障害物との距離に応じて制動要求値が決定され、定速モードにより設定された目標速度以下で走行制御された車両を、この制動要求値に基づいて制動力付与手段により停車させるので、車両と障害物との距離がどのような場合であっても、運転者にとって良好な運転フィーリングで車両を自動的に停止させることができる。
【0008】
この発明において、請求項2に記載のように、前記速度リミッタ手段は、前記制動力付与手段を駆動するために前記ブレーキ制御手段へ制動要求値を出力するとともに、前記ブレーキ制御手段は、前記速度リミッタ手段からの制動要求値と前記周辺監視手段からの制動要求値とを比較し、大きい方の制動要求値に基づいて前記制動力付与手段を駆動して制動力を発生させるようにして、上記定速モードまたは停車モードを動作させることができる。
【0009】
前記制動力付与手段は、請求項3に記載のように、第1駆動信号により第1の制動力を発生するとともに該第1駆動信号の解除により前記第1の制動力が0に変化する第1ブレーキ手段(2)と、第2駆動信号により第2の制動力を発生するとともに該第2駆動信号の解除により前記第2の制動力が維持される第2ブレーキ手段(3)とを備えることができる。
【0010】
なお、上記第1ブレーキ手段は、例えば、運転者のブレーキペダル操作に応じてブレーキ油圧を各輪のホイールシリンダに与えることにより第1の制動力を発生または解除させる油圧ブレーキ装置や、運転者のブレーキペダル操作に応じてモータにより各輪のブレーキキャリパを直動して第1の制動力を発生または解除させる電動ブレーキ装置を用いることができる。
【0011】
さらに、上記第2ブレーキ手段は、例えば、パーキングブレーキの動作をモータにより行って第2の制動力を発生させ、このモータの駆動信号を解除してモータを停止させてもこの第2の制動力が解除されない電動パーキングブレーキ装置を用いることができる。
【0012】
また、前記速度リミッタ手段は、請求項4に記載のように、前記制動力付与手段を動作させる場合には、前記第1および第2ブレーキ手段の少なくともいずれか一方を駆動して制動力を発生させることができる。
【0013】
さらにまた、前記ブレーキ制御手段は、請求項5に記載のように、前記制動要求値に基づき前記第1ブレーキ手段による第1の制動力を発生させて車両を停止させ、該車両の停止後には前記第1駆動信号を解除するとともに前記第2駆動信号により前記第2ブレーキ手段に前記第2の制動力を発生させることができる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記周辺監視手段は、前記障害物までの距離に応じて、前記停車モードにおける走行停止までに車両が移動すべき目標制動距離を前記制動要求値として算出することを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、周辺監視手段が検出した車両と障害物との距離に応じて、停止モード中に車両が停止するまでに移動すべき距離である目標制動距離を算出し、この目標制動距離を制動要求値とするので、ブレーキ制御手段により動作する制動力付与手段は、目標制動距離で車両を確実に停止させることができる。
【0016】
なお、前記周辺監視手段は、前記制動要求値を、請求項7に記載のように、前記車両の速度または前記車両と障害物との相対速度のいずれかにより補正することができ、これにより、障害物までの距離や車両の速度など、駐車時の状況に応じて運転フィーリングを悪化させることなく簡便かつ安全に停車を行わせることができる。
【0017】
なお、前記周辺監視手段の距離測定範囲を、請求項8に記載のように、前記速度リミッタ手段に設定されている目標速度または車両の実際の速度のいずれかに基づき変更するようにすれば、速度が大きい場合には長距離範囲の測定を可能にし、速度が低い場合にはおよび短距離範囲、すなわち高精度測定を行うことができる。
【0018】
請求項9に記載の発明は、前記速度リミッタ手段は、前記目標速度を、運転者の運転操作を表わす運転操作量、前記車両の走行路面の路面状態を表わす路面状態量および前記周辺監視手段により検出された前記障害物までの距離の少なくともいずれか1つにより補正することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、目標速度を、運転操作量、路面状態量または障害物までの距離により補正するので、駐車時の状況に応じて運転フィーリングを悪化させることなく定速モードでの動作を行うことができる。
【0020】
なお、制動力付与手段が複数のブレーキ手段を備えている場合には、一方のブレーキ手段に故障などの異常が発生した場合に、そのブレーキ手段の動作、すなわち制動力の発生を停止し、他方のブレーキ手段により各輪に制動力を付与する。
【0021】
すなわち、請求項10に記載のように、前記速度リミッタ手段は、前記定速モードでの動作中に前記制動力付与手段が有する前記一方のブレーキ手段に故障が生じた場合に、前記他方のブレーキ手段の駆動に切替えて前記定速モードでの動作を継続することができる。
【0022】
また、請求項11に記載のように、前記ブレーキ制御手段は、前記停車モードでの動作中に前記制動力付与手段が有する前記一方のブレーキ手段に故障が生じた場合に、前記他方のブレーキ手段の駆動に切替えて前記停車モードでの動作を継続することができる。
【0023】
請求項12に記載の発明は、前記車両の停止後、前記障害物までの距離が設定された最終駐車完了位置までの距離と等しくなるまで前記車両を移動させる停止位置補正モードで動作する最終駐車完了位置補正手段(1)を更に備えることを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、最終駐車完了位置補正手段が停止位置補正モードでの動作によりにより、停車モードにおいて車両が停止した状態より予め設定された最終駐車完了位置まで車両をさらに移動させて、その最終駐車完了位置で車両を停止させることができる。
【0025】
なお、請求項13に記載のように、車両の移動量を検出する移動量検出手段(1、5)を備え、前記最終駐車完了位置補正手段は、前記周辺監視手段による前記車両から障害物までの距離が、前記移動量検出手段による前記車両から最終駐車完了位置までの距離に等しくなるまで、前記エンジン制御手段および制動力付与手段の少なくともいずれか一方を動作して前記車両を移動させることができる。
【0026】
上記移動量検出手段は、請求項14に記載のように、前記周辺監視手段による前記車両から障害物までの距離の検出値に基づき前記車両の移動量を算出して移動量の検出値とすることができる。
【0027】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明の実施形態の駐車補助ブレーキ装置について、図面を参照して説明する。
【0029】
なお、本実施形態の駐車補助ブレーキ装置の動作モードである駐車補助ブレーキ制御モードは、駐車時に目標速度以下の低速で走行する定速モード、定速モードでの走行後、障害物との距離に応じて制動力を制御して車両を所定位置で停止させる停車モード、および、停車モードによる停車後、設定された最終駐車完了位置へ更に走行させてその最終駐車完了位置で停止させる停止位置補正モードを含む。
【0030】
本第1実施形態は定速モードおよび停止モードで動作する駐車補助ブレーキ装置に関するものであり、後述する第2実施形態では、定速モード、停止モードでの動作の後、停止位置補正モードで動作する駐車補助ブレーキ装置に関するものである。
【0031】
図1は、本実施形態の全体構成を示す図であり、第1および第2実施形態に共通して用いることができる。図中、車両VLの右前輪、左前輪、右後輪、左後輪をそれぞれ、FR、FL、RR、RLで表わす。
【0032】
本実施形態は、車両VLに搭載されている、ブレーキ制御手段としてのブレーキ制御ECU1と、第1ブレーキ手段としての油圧ブレーキ装置2と、油圧ブレーキ装置2と第1配管系統11および第2配管系統21でそれぞれダイアゴナル接続されている各車輪4FR、4RL、4FL、4RR毎のホイールシリンダ(以下、W/Cという)41FR、41RL、41FL、41RRと、第2ブレーキ手段としての電動パーキングブレーキ(以下、PKBという)3と、PKB3と後輪4RL、4RRの各ブレーキキャリパとをそれぞれ接続するブレーキワイヤ31R、31Lと、各車輪の回転速度を検出する車輪速度センサ5(5FR、5RL、5FL、5RR)と、各種電子機器の入出力信号を伝送する車内LANバス6と、左右の前輪4FR、4FLをそれぞれ車軸72R、72Lおよび自動変速機(AT)71を介して回転駆動するエンジン(E/G)70と、E/G70の出力を制御するエンジン制御手段としてのエンジン制御ECU7と、周辺監視手段としての周辺監視制御ECU8と、ハザードランプなどの各種ランプやブザーなどの警報装置からなるランプ・警報装置9と、ハンドル操舵量を検出する操舵量センサ51、アクセルペダルの操作量を検出するアクセル操作量センサ52、ブレーキペダルの操作量を検出するブレーキ操作量センサ53および車両VL周辺の障害物を検出する障害物センサ54を備えるセンサ手段50と、ブレーキ制御ECU1へ制動要求を出力する渋滞追従ECU81、車間制御ECU82および居眠り防止ECU83を備える制動要求出力手段80とを備えている。
【0033】
第1ブレーキ手段としての油圧ブレーキ装置2および第2ブレーキ手段としてのPKB3は制動力付与手段に相当し、ブレーキ制御ECU1は速度リミッタ手段として後述する定速モードで動作する。
【0034】
ブレーキ制御ECU1、エンジン制御ECU7、周辺監視制御ECU8、ランプ・警報装置9、センサ手段50、および制動要求出力手段80はそれぞれ車内LANバス6に接続され、それぞれ、車内LANバス6を介して互いに信号の送受を行っている。
【0035】
AT71は、E/G70の回転を車軸72R、72Lに伝達するトルクコンバータを内蔵した公知の装置であり、図示しない制御装置により変速制御される。特に本第1実施形態では、クリープ現象により車両が低速で走行する(以下、クリープ走行という)状態を積極的に利用して駐車補助ブレーキ制御を行うので、AT71の制御装置については説明を省略する。
【0036】
ブレーキ制御ECU1は、コンピュータにより構成されており、車輪速度センサ5からの車輪速度、車内LANバス6を介して周辺監視制御ECU8や制動要求出力手段80からの制動要求、および各種センサ5、50からのセンサ信号を入力し、後述する油圧ブレーキ装置2およびPKB3を制御するための駆動信号やエンジン制御ECU7へのE/G70の出力調整のための信号を出力する。
【0037】
ここで、制動力付与手段を構成する第1ブレーキ手段である油圧ブレーキ装置2について、図2を参照して説明する。
【0038】
マスターシリンダ(以下、M/Cという)10は、運転者により図示しないブレーキペダルが踏み込まれると、ブレーキ操作量センサ53が検出したブレーキペダルの踏力に応じたM/C圧を発生し、それぞれ第1配管系統11および第2配管系統21を介して各車輪に備えられたW/C41FR、41RL及び41FL、41RRに伝達され、第1の制動力を発生するようになっている。
【0039】
以下では、第1配管系統11、特に、右前輪4FRに関わる配管系統を中心に説明するが、他の車輪および第2配管系統についても同様である。
【0040】
なお、アンチスキッド制御(以下、ABS制御という)は、ブレーキ制御ECU1により公知の制御方法で実行されるもので、詳細な説明は省略する。
【0041】
第1配管系統11には、右前輪4FRおよび左後輪4RLのそれぞれに対して、ABS制御時に各W/C41FR、41RLの増圧および保持を調整する増圧制御弁14a、14bが設けられている。また、増圧制御弁14a、14bにそれぞれ並列に逆止弁141a、141bが設けられ、増圧制御弁14a、14bの遮断時にW/C圧が過剰となった場合に液流をM/C10側へ逃がすようになっている。
【0042】
増圧制御弁14a、14bとW/C41FR、41RLとの間から伸びる減圧管路12にはABS制御におけるW/C41FR、41RLの減圧、保持を調整する減圧制御弁15a、15bが設けられている。この減圧管路12はリザーバ16と接続されている。
【0043】
リザーバ16に貯溜されるブレーキ液はモータ20により駆動されるポンプ17によって汲み上げられ第1配管系統11に吐出される。この吐出先は、増圧制御弁14a、14bと後述するマスタカット弁18との間となっている。モータ20は第2配管系統21におけるポンプ27も駆動している。なお、ポンプ17の吐出口には逆止弁171が設けられている。
【0044】
M/C10と増圧制御弁14a、14bとの間には、マスタカット弁(以下、SM弁という)18が配置されている。SM弁18は、非通電時は連通状態、通電時には図示方向の逆止弁による遮断状態となる2位置弁である。この遮断状態では、W/C41FR、41RL側の圧が逆止弁のばねによるクラッキング圧分M/C10側の圧よりも高くなったときにリリースされ、圧を逃がす構造となっている。このSM弁18には並列に逆止弁181が設けられており、M/C10側からW/C41FR、41RL側への流動のみが許容される。
【0045】
M/C10とSM弁18との間と、リザーバ16とは吸引管路13で接続されている。
【0046】
第1配管系統11のM/C10とSM弁18との間には油圧センサ30が設けられ、M/C10の発生圧を検出する。この圧力はM/C10の図示しないセカンダリ室の発生圧力であるが、第2配管系統が接続されるプライマリ室にも同圧が発生しているので、この油圧センサ30は実質的にM/C圧を検出する。また、増圧制御弁14a、14bとW/C41FR、41RLとの間にも油圧センサ19a、19bが設けられ、それぞれW/C圧を検出する。これらの油圧センサの出力信号は、ブレーキ制御ECU1に入力される。
【0047】
上記増圧制御弁14a、14b、減圧制御弁15a、15bは2位置弁であり、ブレーキペダルの非操作時および通常ブレーキ時などの非通電(OFF)時には図示の弁***置、すなわち、増圧制御弁は連通状態、減圧制御弁は遮断(カット)状態にある。また、SM弁18も通常の非通電時には図示の弁***置、すなわち連通状態にある。
【0048】
これら各制御弁は、ブレーキ制御ECU1からの作動信号により動作する。また、ポンプ17、27を駆動するモータ20もブレーキ制御ECU1からの作動信号により動作する。
【0049】
なお、これらの油圧ブレーキ装置2に対する各作動信号は、総じて第1駆動信号に相当する。また、油圧ブレーキ装置2を制御停止(または、制御禁止)にするとは、第1駆動信号を0(非作動状態)、具体的には、増圧制御弁14a、14b、24a、24b、減圧制御弁15a、15b、25a、25bおよびSM弁18、28を全て非通電とし、かつ、モータ20の駆動電流を0とすることである。したがって、油圧ブレーキ装置2は、第1駆動信号が解除されると制動力も解除(制動力=0)される第1ブレーキ手段に相当する。
【0050】
上記油圧ブレーキ装置2の基本的な制御方法について説明する。
【0051】
運転者によりブレーキペダルが踏み込まれるときの通常のブレーキ操作においては、全ての制御弁(SM弁18、増圧制御弁14a、減圧制御弁15a)は非通電(OFF)状態とされ、M/C圧がそのままW/Cに作用し、W/C圧=M/C圧となる。
【0052】
ABS制御中は、タイヤロックを回避するためにW/C圧を減圧する過程と制動力を回復するためにW/C圧を増圧する過程とでそれぞれ動作が異なる。なお、SM弁18はABS制御中は、通常OFF(連通状態)にするとともに、ポンプ17を駆動してリザーバ16よりブレーキ液を吸引する。
【0053】
ABS制御の減圧過程では、増圧制御弁14aを通電状態(ON)すなわち遮断(カット)状態とし、かつ、減圧制御弁15aをON/OFFのデューティー比制御することにより連通/カットの切換えが繰り返されて、W/C41FRよりブレーキ液が所定の変化勾配でリザーバ16へ流れ出しW/C圧が減圧する。
【0054】
ABS制御の増圧過程では、減圧制御弁15aを非通電状態(OFF)すなわちカット状態とし、かつ、増圧制御弁14aをOFF/ONのデューティー比制御することにより連通/カットの切換えが繰り返されて、M/C10よりブレーキ液がW/C41FRに供給されてW/C圧は増圧する。
【0055】
次に、本発明の駐車補助ブレーキ制御、すなわち、ブレーキペダルの踏み込み操作の有無に拘わらず周辺監視制御ECU8や制動要求出力手段80からの制動要求信号に基づいてブレーキ制御ECU1が油圧ブレーキ装置2に対して指示するブレーキ動作中の、増圧過程および減圧過程について説明する。
【0056】
駐車補助ブレーキ制御の増圧過程では、SM弁18をON(カット状態)に、かつ、減圧制御弁15aをOFF(カット状態)にするとともに、ポンプ17を駆動してリザーバ16よりブレーキ液を吸引して吐出圧を発生させた状態で、油圧センサ19aの検出値との比較を行いながら、増圧制御弁14aをOFF/ONのデューティー比制御により所定の変化勾配で、あるいは設定された目標の圧力までW/C圧を増圧する。このとき、必要に応じてM/C10から吸引管路13、リザーバ16を介してブレーキ液がポンプ17の吸引口に補充される。
【0057】
駐車補助ブレーキ制御の減圧過程では、SM弁18をON(カット状態)に、かつ、増圧制御弁14aをON(カット状態)にするとともに、ポンプ17を駆動してリザーバ16よりブレーキ液を吸引して吐出圧を発生させた状態で、油圧センサ19aの検出値との比較を行いながら、減圧制御弁15aをON/OFFのデューティー比制御により所定の勾配で、あるいは設定された目標の圧力までW/C41FRよりブレーキ液を吸引してW/C圧を減圧する。この時、増圧制御弁14aおよびSM弁18がともにカット状態であるため、ポンプ17の吐出圧は増大するが、その圧がSM弁18の逆止弁のばねのクラッキング力より大きくなるとリリースされて圧力が低下する。
【0058】
次に、第2ブレーキ手段であるPKB3について説明する。
【0059】
PKB3は、ブレーキ制御ECU1からの第2駆動信号により動作する図示しないモータおよびギア機構からなるアクチュエータがブレーキワイヤ31R、31Lを介して左右後輪4RR、4RLのブレーキキャリパを駆動することにより制動力すなわち、第2の制動力を発生させる。PKB3のモータは第2駆動信号に基づきデューティー駆動されて正転または逆転し、これにより第2制動力の大きさが制御される。
【0060】
このとき、デューティー比に応じた制動力が発生し、目標の制動力となったらPKB3のモータがロックし、モータロックが検出されるとモータの駆動電流が遮断、すなわち、第2駆動信号が解除されて、PKB3は制御停止(制御禁止)の状態となる。このPKB3の制御停止状態ではギア機構は動かないので、第2の制動力は維持され、ロック状態となる。
【0061】
このPKB3の動作は、駐車補助ブレーキ制御中にブレーキ制御ECU1からの第2駆動信号によって行われる以外に、運転者により図示しないパーキングブレーキスイッチをON/OFF操作した場合にも、その操作信号に基づきブレーキ制御ECU1がPKB3の第2駆動信号を出力することにより動作可能である。
【0062】
車輪速度センサは図2に示すように、各車輪の回転速度を検出する車輪速度センサ5FR、5FL、5RR、5RLからなり、それぞれの出力信号は直接ブレーキ制御ECU1に入力される。なお車輪速度センサ5FR、5FL、5RR、5RLにホール素子による半導体式速度センサを用いることにより、低速度でも確実な車輪回転パルスが得られるので、駐車時の速度でも正確な車速を検出することができる。
【0063】
エンジン制御ECU7は、アクセル操作量センサ52からのアクセル操作量であるアクセル開度信号や、エンジン回転数、水温や排気中の酸素濃度などに基づき走行状態に応じて燃料噴射量を調整してエンジン70へ指令値を与えることによりエンジン出力を制御する。
【0064】
さらに、本第1実施形態においては、エンジン制御ECU7は特に低速時にブレーキ制御ECU1からのエンジン出力調整信号により、アイドル状態からエンジン出力を増加、または、アイドル状態への出力減少を行うと共に、ブレーキ制御ECU2により制動力の制御を併用して車両VLを定速モードで走行させる。すなわちブレーキ制御ECU1とエンジン制御ECU7とは本発明の速度リミッタ手段を構成する。
【0065】
障害物センサ54は、図3に示すように、車両の前部および後部の例えばバンパに設けられたレーザレーダ541により車両の前方および後方に存在する障害物までの距離xを計測し、その微分信号と共に車内LANバス6を介してブレーキ制御ECU1や他の制動要求出力手段へ送る。距離xの微分信号は、前方または後方の走行車両などの障害物との相対速度に相当する。
【0066】
なお、障害物センサ54の測定感度の範囲は、後述するように車速に応じて調整され、車速が高くなるほど距離計測範囲(センサ感度)を長くしている。
【0067】
周辺監視制御ECU8は、障害物センサ54により計測された障害物までの距離xに基づき、車両VLを停止すべき位置までの距離である制動距離Lを算出し、この制動距離Lを制動要求値としてブレーキ制御ECU1へ出力する。
【0068】
渋滞追従ECU81は、交通渋滞時に前方車両の制動および停車状態を検出し、自車VLの車速より前方車両に追突することなく所定車間距離の位置に停止または車間距離を維持するための目標減速度(たとえば、「0.23G(G:重力加速度)の減速」)を算出しECU要求値として、車内LANバス6を介してブレーキ制御ECU1へ出力する。ブレーキ制御ECU1では、例えば、減速度1G=10MPa(Pa:圧力単位、パスカル)により、制動圧(制動油圧)に変換して、その大きさを評価する。
【0069】
車間制御ECU82は、前後の車両などの障害物と自車VLとの距離および相対速度を検出し、障害物との車間距離を、予め設定された、あるいは運転者により設定変更された所定値に保つよう、エンジン制御ECU7による駆動制御やブレーキ制御ECU1による制動制御を行うものである。さらに、本実施形態においては、ECU要求値として、ブレーキ制御ECU1へ目標制動距離(たとえば、「28mで停止」)を出力する。また、前後の障害物との距離が急激に小さくなった場合に、車両進行方向への歩行者等の急な飛び出しの可能性があるため、急制動を可能にする制動要求を出す。なお、前後障害物との距離は障害物センサ54により検出できる。
【0070】
ブレーキ制御ECU1では、現在車速と目標制動距離とから目標減速度を求め、あるいは急制動時の最大減速度の設定を行い、これを、上述と同様制動圧に変換して、大きさを評価する。
【0071】
居眠り防止ECU83は、運転操作状態あるいは運転者の生理状態を検出して運転者の居眠り状態を判定し、運転者に覚醒を促すためにブザーなどの警報や断続的な瞬間制動を行うものであるが、本実施形態においては、ECU要求値として、ブレーキ制御ECU1へ上記覚醒のための目標制動液圧の時間変化値を与える。この制動力の時間変化は、例えば、三角波形状とすることができる。
【0072】
次に、それぞれコンピュータで構成されているブレーキ制御ECU1、エンジン制御ECU7および周辺監視制御ECU8により実行される、駐車補助ブレーキ制御モードについて、フローチャートを参照して説明する。なお、以下に示す各フローチャートで示される動作は、上記各制御ECUにより協同して実行される。
【0073】
図4は、本第1実施形態の駐車補助ブレーキ装置のメインフローチャートであり、主にブレーキ制御ECU1により、制御周期(5〜10ms)毎に繰り返し実行される。
【0074】
本第1実施形態では、上述のように、駐車補助ブレーキ制御として、定速モードによる目標速度以下での移動および停車モードによる目標の制動距離の移動後の停車の各動作を行う。
【0075】
イグニッションオンと共に開始され、ステップS100で、車輪速度センサ5、M/C圧センサ30、W/C圧センサ19、29などの各種センサ入力処理、および、無線LANバス6を介して通信によりエンジン制御ECU7や周辺監視制御ECUおよび制動要求出力手段80などの他システムからの情報の入力処理を行う。
【0076】
ステップS110で、各輪の車輪速度センサ5からの入力パルスを演算処理して、各輪の車輪速度を演算する。さらに、これらの車輪速度のうち従動輪(本実施形態の場合、左右後輪)の車輪速度の平均値により車体速度(車速)を演算する。
【0077】
ステップS120では、通常走行時に行われるブレーキ制御として、上述のABS制御、車輪速度が車体速度より大きくなってスリップ量が所定値以上の場合にエンジン出力および制動力を制御してスリップ量を小さくするトラクション(TRC)制御、および車両の横加速度やヨーレートを検出してそれらが所定値以下となるよう、すなわち車体の安定性を確保できるよう各輪の制動力を制御する横滑り防止(VSC)制御が、それぞれ、走行状況に応じて行われる。
【0078】
ステップS130では、後述するフローに従い、目標車速以下の速度で走行させる定速モードでの動作のために、車速が予め設定された目標速度以下となるようエンジン出力および制動力を調整するための各制御指令値を設定する。
【0079】
ステップS140では、後述するように、周辺監視制御ECU8からの制動要求値としての制動距離Lを制動液圧へ換算する。ブレーキ制御ECU1では換算された制動液圧を制動要求値として扱う。
【0080】
ステップS150では、後述するように、周辺監視制御ECU8の制動要求値と定速モードにおける制動要求値とを比較し、大きい方の制動要求値に基づき、車両の状態に応じて油圧ブレーキ装置2またはPKB3のいずれかを駆動するかの選択および発生させるべき目標制動力の指令値γの設定、すなわちブレーキ制御調停を行う。
【0081】
ステップS160では、ステップS150でのブレーキ制御調停の結果、設定された油圧ブレーキ装置2に対する目標制御圧に基づき油圧ブレーキ装置2に第1駆動信号を出力して第1の制動力を発生させる。
【0082】
ステップS170では、ステップS150でのブレーキ制御調停の結果、設定されたPKB3に対する目標制動力に基づきPKB3に第2駆動信号を出力して第2の制動力を発生させる。
【0083】
ステップS180では、ステップS130(詳しくは、後述するステップS350)で設定されたエンジン制御指令値をエンジン制御ECU7へ送信する。
【0084】
ステップS190では、イグニッションオン中のフェールセーフチェックを行う。すなわち、ブレーキ制御ECU1、油圧ブレーキ装置2、PKB3、およびその他各センサの状態を常時診断する。故障が検出されると、車両VLが危険な状態にならないよう所定の処置を行う。
【0085】
次に、上記ステップS100で入力される周辺監視制御ECU8からの制動要求値Lの算出手順について説明する。
【0086】
図5は、周辺監視制御ECU8による制動要求値Lの算出フローであり、イグニッションオンとともに、制御周期で繰り返し実行される。
【0087】
ステップS200で、障害物センサ54から障害物との距離xを入力する。
【0088】
ステップS210で、障害物との距離xと車速とに基づき、現在位置(演算時点)から車両を停止すべき位置までの走行距離である制動距離Lを算出する。xとLとは、図6に示すような関係が予め設定されている。制動距離Lは、障害物との距離xに応じて長くなるよう、かつ、所定の距離以上ではLを無限大、すなわち制動力を発生させないように設定されている。
【0089】
さらに、制動距離Lは、同一距離xにおいて車速とともに短くなるよう、すなわち図6において右方向にシフトして設定されている。なお、検出される障害物が、前方または後方の走行車両である場合は、上記車速の代わりに、自車VLとそれらの走行車両との相対速度で図6に示す制動距離Lを補正しても良い。
【0090】
なお、上述したように、障害物センサ54の距離計測範囲(センサ感度)は車速に応じて長くなるよう切替えられる(図7参照)。これにより、低速時は車両周辺の短い距離範囲を精度よく計測できると共に、高速時には車両から遠く隔たった位置までの距離測定が可能になる。
【0091】
ステップS220では、算出された制動距離Lを制動要求値としてブレーキ制御ECU1へ送信する。
【0092】
図8は、上記ステップS130での定速度制御の処理内容である、定速モードでの動作を行うためのエンジン出力および制動力の各制御指令値の設定フローを示している。
【0093】
ステップS300で、車両の進行方向を判定する。具体的には、AT71の変速レバーに備わる図示ないシフトレバー位置センサの信号から、前進または後退を判定する。前進ならばステップS310、後退ならばステップS320へ移行する。
【0094】
ステップS310では、目標速度TVcを数式1により設定する。
【0095】
【数1】
TVc=TVc+K1(α)−max(K2(β),K3(γ))
ここで、TVcは目標速度であり、初期値として、例えば平地でのAT車におけるクリープ速度に相当する7km/hが予め設定されている。
【0096】
また、K1(α)は進行方向に対する路面勾配αに応じて図9に示すように、下り勾配側では勾配が大きくなるに応じて増加し、上り勾配側では0と設定された補正値である。
【0097】
K2(β)はブレーキ操作量センサ53からのブレーキ操作量(ブレーキペダルの踏み込み量、または、ペダル踏力)βに応じて、図10に示すように、βが大きくなるに応じて増加するよう設定された補正値である。
【0098】
さらに、K3(γ)はステップS150で設定された制動力付与手段としての油圧ブレーキ装置2またはPKB3に与えられる目標制動力を発生させるための指令値γに応じて、図11に示すように、γに比例して増加するよう設定された補正値である。このγは、自動ブレーキの制御量、すなわち、運転者によるブレーキペダル操作に拘わらず駐車補助ブレーキ制御中に自動的に制動力を発生させる場合の目標制動力である。
【0099】
数式1中、max(K2,K3)は、K2≧K3のときはK2、K2<K3のときはK3の値とする演算子である。
【0100】
なお、路面勾配αは、例えば、特開2000−6691号公報に記載されているように、車両重量と走行時の前後加速度(車速の微分値)とにより算出される走行抵抗と、エンジン出力およびAT変速比より算出される車輪を駆動するために必要な駆動トルクとから、演算により推定することができる。なお、傾斜計により水平面からの傾斜角を直接計測して、その計測値より勾配αを決定してもよい。
【0101】
数式1より、前進時には、目標速度TVcはブレーキ操作量βまたは目標制動力γに応じて減少させるとともに、下り勾配では勾配の大きさαに応じて増加させるように設定される。
【0102】
一方、ステップS320では、目標速度TVcを、上記補正値K1、K2を用いて数式2により設定する。
【0103】
【数2】
TVc=TVc−K1(α)−max(K2(β),K3(γ))
数式2より、後退時には、目標速度TVcはブレーキ操作量βまたは目標制動力γに応じて減少させるとともに、下り勾配では勾配の大きさαに応じて減少させるように設定される。
【0104】
このステップS310、S320により、定速モードにおける目標速度TVcを、走行状態である進行方向と路面傾斜との関係および、運転者のブレーキ操作フィーリングに適合したものとすることができる。
【0105】
さらに、目標速度TVcを数式1および2のように自動ブレーキの制御量γに応じて補正するようにしているので、運転者によるブレーキ操作(操作量=β)によるブレーキ操作時だけでなく自動ブレーキ制御中でも、定速走行制御における目標速度を下げるような補正を実行でき、制動および加速(エンジン出力増加)の調停ができる。
【0106】
ステップS330では、設定された目標速度TVcと実際の車速Vs0との偏差ΔVを算出する。
【0107】
ステップS340では、偏差ΔVに基づきPID演算により、偏差を0に近づけるために発生すべきエンジン出力および制動力を決定する。
【0108】
ステップS350では、ステップS340で決定されたエンジン出力の目標値に基づき、必要とするスロットル開度(または、一定のスロットル開操作を要求するスロットル開度要求フラグ)としてのエンジン制御指令値を設定する。
【0109】
ステップS360では、ステップS340で決定された制動力より油圧ブレーキ装置2またはPKB3へ与える制動要求値(目標液圧)γを算出しブレーキ制御指令値として設定する。
【0110】
次に、上記ステップS140において行われる周辺監視制御ECU8からの制動要求値Lの制動液圧TPmへの換算手順について説明する。図12はその換算処理フローである。
【0111】
ステップS400で、現在の車速Vs0から制動距離Lで停止する場合の減速度(目標減速度)Tgを、数式3により演算する。
【0112】
【数3】
Tg=(Vs0)2/(2L)
ステップS410で、予め設定されている図13に示される目標減速度Tgと目標液圧TPmとの関係より、目標液圧TPmを算出する。
【0113】
ブレーキ制御ECU1では、この目標液圧TPmを周辺監視制御ECU8からの制動要求値として扱う(ステップS420)。
【0114】
次に、上記ステップS150で実行されるブレーキ制御調停の制御フロー(図14、15、16)について説明する。
【0115】
まず、ステップS500で、周辺監視制御ECU8からの制動要求値(TPm)と、ステップS360で設定された定速モード時の制動要求値とを比較し、大きい方を選択する。
【0116】
ステップS510で車両が停止あるいは停止間際の状態(停止状態という)か否かを、走行状態を表わす情報の1つである車輪速度により判定し、停止状態でないならばステップS520へ、停止状態ならばステップS600へ移行する。
【0117】
ステップS520では、ステップS100における各種入力処理の結果から油圧ブレーキ装置2が正常か否かを判定し、YESならばステップS530へ、NOならばステップS540へ移行する。
【0118】
ステップS540では、PKB3が正常か否かを判定し、NOならばステップS550へ、YESならばステップS560へ移行する。
【0119】
ステップS560では、油圧ブレーキ装置2が異常、かつPKB3が正常であるので、油圧ブレーキ装置2の制御を禁止、すなわち、第1駆動信号を非作動状態(各部駆動電流=0)とする。
【0120】
次にステップS570で、ブレーキ制御ECU1が、PKB3の目標となる制動力としてステップS500で選択されたECU要求値である要求制動力を発生するのに必要な駆動デューティーを設定する。
【0121】
ステップS580では、PKB3が発生している制動力と設定された目標制動力とが等しいか否かを判定する。
【0122】
これはPKB3のモータがロックした、すなわちモータ電流が増加しなくなった、あるいは、モータの回転が停止したことを検出することにより判定される。等しくなければ等しくなるまでこのルーチンを繰り返し、等しければステップS590へ移行してPKB3の制御を終了する。
【0123】
このPKB3の制御終了により、PKB3のモータの駆動力は0となるが、ケーブル31の張力すなわち制動力はそのまま保持される。
【0124】
なお、ステップS540でPKB3も異常と判断されたら、ステップS550で、ブレーキ制御ECU1は油圧ブレーキ装置2およびPKB3の制御を共に禁止する、すなわち、油圧ブレーキ装置2への第1駆動信号をすべて非作動状態に、かつ、PKB3への第2駆動信号を非作動状態にする。
【0125】
一方、ステップS520で油圧ブレーキ装置2が正常と判断されたら、ステップS530で、油圧ブレーキ装置2が発生すべき制動圧(目標制御圧)をステップS500で選択されたECU要求値である要求制動力(制動油圧)に設定し、油圧ブレーキ装置2は、この設定された目標の制動力となるよう、増圧または減圧過程により圧力制御される。
【0126】
次に、ステップS510で車両が停止状態と判定された場合について、図16を参照して説明する。
【0127】
ステップ600で、PKB3が正常か否かを判定し、正常でない場合にはステップS660へ移行し、正常である場合はステップS610で、上記ステップS570と同様、PKB3の目標制動力として選択されたECU要求値である要求制動力となる駆動デューティーを設定する。
【0128】
次にステップS620で、上記ステップS580と同様にPKB3が発生している制動力と設定された目標制動力とが等しいか否かを判定し、等しくなければ等しくなるまでこのルーチンを繰り返し、等しければステップS630へ移行してPKB3の制御を終了する。
【0129】
なお、ステップS610で設定された目標制動力がPKB3の最大発生制動力よりも大きい場合は、PKB3の発生制動力が最大値となった時点でこの処理を終了してステップS630へ移行する。
【0130】
その後、ステップS640で、油圧センサ19の検出値より油圧ブレーキ装置2の制動圧が0となったかを判定し、YESの場合はステップS710で油圧ブレーキ装置2の制御を終了し、NOの場合は油圧ブレーキ装置2による制動圧が残っているのでこれを0に下げるため、ステップS650へ移行する。
【0131】
ステップS650では、油圧ブレーキ装置2の目標制動圧を所定値a下げて再設定し、上記ループを繰り返すことにより発生制動圧を0まで徐々に下げる。
【0132】
上記ステップS660で油圧ブレーキ装置2が正常と判断されると、PKB3が異常であったため、ステップS680でPKB3の制御を禁止する。
【0133】
次に、ステップS690で、油圧ブレーキ装置2の制御時間、たとえば、油圧ブレーキ装置2の各制御弁のソレノイドへの連続通電時間が閾値Tを越えたか否かを判定する。なお、この閾値Tは、発熱を考慮して設計的に決まるソレノイドの連続通電可能時間より小さい値として、予め与えている。判定の結果、NOであればステップS700へ移行し、前記ステップS530と同じ処理を行い、YESであれば、ステップS710で油圧ブレーキ制御を終了する。
【0134】
なお、ステップS660で判定の結果NOであるときは、PKB3も油圧ブレーキ装置2も共に正常でないため、ステップS670で両者の制御を禁止する。
【0135】
以上、ブレーキ制御調停の制御フローにおいて、まず、ステップS500で、周辺監視制御ECU8から出力される障害物までの距離および車速に基づき算出された制動距離Lの液圧換算値としての制動要求値と、定速モードでの一定速度走行のために必要とする目標制動力の液圧換算値としての制動要求値を比較する。
【0136】
この比較の結果、大きい方の制動力を選択し(ステップS150)、ステップS510→S520→S530またはS510→S520→S540→S560〜S590で設定された目標の制動力となるよう、ステップS160またはS170で油圧ブレーキ装置2およびPKB3のいずれか一方、または両者を併用して制動力を発生させる。
【0137】
すなわち、定速モードにおける制動要求値が選択されている場合は、エンジン制御ECU1によるエンジン出力制御と協同して車速が目標車速TVcとなるよう制御され、一方、周辺監視制御ECU8からの制動要求値が選択されている場合は、停車モードにより車両VLが目標の制動距離分、移動した後停止する。
【0138】
この時、油圧ブレーキ装置2に異常が発生した場合にはステップS540→S560〜S590で、油圧ブレーキ装置2の代わりにPKB3により目標となる制動力を発生させて、定速モードまたは停車モードでの動作が行われる。なお、PKB3にも異常が発生している場合には、ステップS540→S550で、油圧ブレーキ装置2およびPKB3の両者とも制御を停止させる。
【0139】
そして、周辺監視制御ECU8からの制動要求値が選択されて、停車モードでの動作により車両VLが停止状態になった場合には、ステップS600〜S650により油圧ブレーキ装置2の目標制御圧をaずつ段階的に減少させながらPKB3に車両停止を維持させるための制動力を発生させて、車速=0すなわち車両を完全に停止させる。
【0140】
なお、この場合も、PKB3に異常が発生している場合にはステップS600→S660→S680→S690→S700、S710により、PKB3の代わりに、油圧ブレーキ装置2により所定の通電時間Tを上限として停止維持のための制動圧を発生させる。さらに、油圧ブレーキ装置にも異常が発生している場合には、ステップS660→S670で、油圧ブレーキ装置2およびPKB3の両者とも制御を停止させる。
【0141】
以上のように、本第1実施形態の駐車補助ブレーキ装置では、車両の各輪に制動力を付与する第1ブレーキ手段としての油圧ブレーキ装置2および第2ブレーキ手段としてのPKB3を備える制動力付与手段と、車両のエンジンの出力を制御するエンジン制御手段としてのエンジン制御ECU7と、油圧ブレーキ装置2、PKB3およびエンジン制御ECU7の少なくともいずれか1つを駆動するブレーキ制御ECU1と、車両から障害物までの距離を検出しその距離に応じた制動距離に相当する制動要求値を出力する周辺監視制御ECU8とを備えている。
【0142】
そして、速度リミッタ手段としてのブレーキ制御ECU1が、予め設定された目標速度を道路勾配αおよびブレーキ操作量βまたは自動ブレーキ制御における目標制動力γに基づき補正して目標速度とし、この目標速度以下で車両を走行させるために必要な目標制動力に相当する制動要求値と周辺監視制御ECU8からの制動要求値との大小比較により、大きい方の制動要求値にしたがって、油圧ブレーキ装置2またはPKB3のいずれかを駆動して車両の各輪に制動力を発生させて、定速モードでの車両走行または停車モードでの制動距離移動後の停車を実行する。
【0143】
したがって、車両と障害物との距離がどのような場合であっても、すなわち、障害物までの距離が比較的長い場合には、定速モードでの動作によりブレーキ操作量および道路勾配に応じた目標速度で走行させ、障害物との距離が短くなると停車モードでの動作により、車速に応じて決められた制動距離Lの走行中に車両を減速、停止させるよう制動力付与手段に制動力を発生させる。これにより、駐車時などにおいて、障害物との距離や路面勾配などの路面状況に適合し、かつ運転者のブレーキ操作意図に沿って、運転者の運転フィーリングを損なうことなく、車両を走行、減速、および停止させることができる。
【0144】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の駐車補助ブレーキ装置について、図面を参照して説明する。なお、本第2実施形態では、上記の如く、定速モードおよび停車モードでの動作により車両を停止させたのち、さらに設定された最終駐車完了位置へ走行させてその最終駐車完了位置で停止させる停止位置補正モードでの動作が行われる点が、上記第1実施形態と異なっている。
【0145】
したがって、第2実施形態の全体構成、第1ブレーキ手段としての油圧ブレーキ装置2の構成および障害物センサ54の構成は、それぞれ前記図1、図2および図3に示すものと同じであり、説明を省略する。以下では、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0146】
図17は、本第2実施形態の駐車補助ブレーキ装置のメインフローチャートである。ステップS100からS120は、上記第1実施形態と同じ処理を行う。
【0147】
ステップS125では、駐車アシスト制御を図18に示すフローにしたがって行う。
【0148】
この駐車アシスト制御では、まずステップS132で、上記ステップS130(図4)、すなわちステップS300〜S360(図8)と同じ操作により定速モードで動作する。すなわち、判定された進行方向に応じて、それぞれ路面勾配α(図9)およびブレーキ操作量β(図10)に応じて補正された目標車速TVcになるよう、エンジン出力を増加させるエンジン制御指令値または制動力を発生させるブレーキ制御指令値を出力する。
【0149】
その後、ステップS134で、自動停止制御として、後述する図19のフローにしたがって制動距離Lの演算および制動距離Lから制動液圧の演算を行う。
【0150】
次に、ステップS136で、停車モードでの動作により車両VLが停車した後、運転者の意志により車両を更に移動することにより最終駐車完了位置を補正する制御を、後述する図20のフローにしたがって実行する。
【0151】
図19の自動停止制御フローについて説明する。ステップS800では、上記ステップS210(図5)と同じ処理を行い、周辺監視制御ECU8からの障害物までの距離xに応じて、制動距離Lを算出する。
【0152】
ステップS810では、上記ステップS140(図4)、すなわちステップS400〜S420(図12)と同じ処理を行い、車速Vs0および制動距離Lより目標の減速度Tgを算出し、この目標減速度Tgを図13に示すような比例関係にある目標のブレーキ液圧に換算する。
【0153】
このように、本第2実施形態では、制動距離Lの演算および制動距離Lから制動液圧への換算の処理手順が、上記第1実施形態と異なっているが、それぞれの処理内容は第1実施形態と同じである。
【0154】
次に、ステップS136における最終駐車完了位置補正制御フローについて、図20を参照して説明する。
【0155】
ステップS900で、最終駐車完了位置補正制御完了しているかを、位置補正制御完了フラグの状態に基づき判定する。フラグON、すなわち補正制御が完了していれば、RETURNへ戻り、フラグOFF、すなわち補正制御が完了していなければステップS910へ移行する。
【0156】
ステップS910では、運転者により、本位置補正制御を行う意志がスイッチ(図示せず)などの入力装置により入力されたか否かを判定する。すなわち、このステップS910では、停車モードでの動作により車両が停車した位置より、「あと○○cm移動したい」あるいは「障害物までギリギリ(例えば10cmの距離まで)に接近させたい」という運転者の意志、すなわち最終駐車完了位置を変更したいという運転者の意志が入力されているかを判定する。
【0157】
具体的には、運転者により、現在の停止位置から運転者が想定する最終駐車完了位置までの移動距離(例えば、50cm)、または、最終駐車完了位置の補正位置として障害物からの離間距離(例えば、5cm)が入力されているかを判定する。
【0158】
なお、上記のように、運転者により移動距離に相当する数値そのものが入力されるもの以外に、これらの距離を予め設定しておき、運転者は「障害物までもっと近づく(すなわち設定移動距離だけ移動)」あるいは、「障害物にギリギリ近づく(すなわち設定離間距離まで移動)」の入力を行ってもよい。
【0159】
ステップS920では、入力された運転者の位置補正制御の意志に対して、車両の目標移動距離を算出する。具体的には、あと○○cm動きたいという移動距離の直接入力の場合は、入力された移動距離を停止位置補正モードにおける目標移動距離とし、障害物までの離間距離が入力される場合は、障害物センサ54による現在の停止位置−障害物間距離xから入力された離間距離を差し引いた距離を、目標移動距離とする。
【0160】
いずれの場合も、このステップS920において、運転者の最終駐車完了位置の補正入力により、停車モードにより停車した現在の位置から、運転者が想定する最終駐車完了位置までの目標移動距離が演算される。
【0161】
次にステップS930で、上記ステップS132と同様の処理を行って車両VLを定速モードで移動させると共に、車輪速度センサ5による回転量検出値より車両VLの実移動距離を算出する。
【0162】
なお、このときの車速は、ステップS132における目標速度よりも小さな値とし、設定された目標移動距離に達するにつれて徐々に小さな値となるよう補正する。
【0163】
ステップS940では、上記実移動距離がステップS920で設定された目標移動距離以上になったか否かを判定し、NOの場合は本ルーチンを終了し、YESの場合はステップS950へ移行する。
【0164】
ステップS950では、運転者の最終駐車完了位置の補正意志が満たされたものとして、上記ステップS134の処理により車両VLを停止させるための制動要求値を設定すると共に、位置補正制御完了フラグをONにして、本ルーチンを終了する。
【0165】
以上の処理の実行により、ステップS125の駐車アシスト制御フローを終了する。
【0166】
図17において、ステップS145で、他の制御ECU、すなわち、渋滞追従ECU81、車間制御ECU82および居眠り防止ECU83からの各制動要求値を、上記ステップS140と同じ処理により制動液圧値に換算する。
【0167】
ステップS155では、第1実施形態におけるステップS150と同様のブレーキ制御調停の処理ステップであり、選択された制動要求値に基づき第1ブレーキ手段としての油圧ブレーキ装置2または第2ブレーキ手段としてのPKB3に対する制御指令値が設定される。
【0168】
ステップS155における処理内容を図21に示すフローにしたがって説明する。ステップS505で、各制御ECUからの制動要求値とステップS125で設定した駐車アシストのための制動要求値とを比較し、最も大きい制動要求値を選択する。
【0169】
ここで選択された制動要求値に基づき、上記第1実施形態で説明した図15および図16に示すフローにしたがって制御が進み、油圧ブレーキ装置2または/およびPKB3の制御指令値が設定される。
【0170】
以下、上記第1実施形態と同様、ステップS160ないしS190の処理が行われ、車両VLの各車輪に制動力が付与され、駐車アシスト制御、または他の制御ECUからの制動要求に基づく制動制御が実行される。
【0171】
なお、上述したように、前後障害物との距離が急激に小さくなる場合には、歩行者等の飛び出しの可能性があるため、車間制御ECU82から急制動(最大制動力)の制動要求が出されるので、ステップS505では、この急制動の制動要求が選択され、ステップS160(またはステップS170)で実際にこの急制動の要求に基づき、車両VLを急停車させることができる。
【0172】
以上のように、本第2実施形態の駐車補助ブレーキ装置では、車両の各輪に制動力を付与する第1ブレーキ手段としての油圧ブレーキ装置2および第2ブレーキ手段としてのPKB3を備える制動力付与手段と、車両のエンジンの出力を制御するエンジン制御手段としてのエンジン制御ECU7と、油圧ブレーキ装置2、PKB3およびエンジン制御ECU7の少なくともいずれか1つを駆動するブレーキ制御ECU1と、車両から障害物までの距離を検出しその距離に応じた制動距離に相当する制動要求値を出力する周辺監視制御ECU8とを備えている。
【0173】
そして、速度リミッタ手段としてのブレーキ制御ECU1が、予め設定された目標速度を道路勾配αおよびブレーキ操作量βまたは自動ブレーキ制御における目標制動力γに基づき補正して目標速度とし、この目標速度以下で車両を走行させるために必要な目標制動力に相当する制動要求値と周辺監視制御ECU8および他の制御ECUである渋滞追従ECU81,車間制御ECU82および居眠り防止ECU83からの各制動要求値との大小比較により、最も大きい制動要求値にしたがって、油圧ブレーキ装置2またはPKB3のいずれかを駆動して車両の各輪に制動力を発生させて、定速モードによる車両走行または停車モードによる制動距離移動後の停車、さらには停止位置補正モードにおける最終停車完了位置補正による車両の走行および停止を実行する。
【0174】
したがって、車両と障害物との距離がどのような場合であっても、すなわち、障害物までの距離が比較的長い場合には、定速モードでの動作によりブレーキ操作量および道路勾配に応じた目標速度で走行させ、障害物との距離が短くなると停車モードでの動作により、車速に応じて決められた制動距離Lの走行中に車両を減速、停止させるよう制動力付与手段に制動力を発生させる。これにより、駐車時などにおいて、障害物との距離や路面勾配などの路面状況に適合し、かつ運転者のブレーキ操作意図に沿って、運転者の運転フィーリングを損なうことなく、車両を走行、減速、および停止させることができる。
【0175】
さらに、停止位置補正モードでの動作により、運転状況や車両周辺の状況に応じて運転者が最終的な停車完了位置を障害物に対して近づける(または遠ざける)よう修正したいと意図した場合に、その運転者の意図どおりに車両を移動および停止させることができる。
【0176】
(他の実施形態)
上記第1および第2実施形態では、第1ブレーキ手段として、図2に示すような油圧ブレーキ装置を用いた例について説明したが、これに限らず、いわゆる電動ブレーキ装置を用いてもよい。この電動ブレーキ装置は、制動力発生のために各輪のブレーキディスクにブレーキキャリパに設けられた摩擦材を押しつける力を、油圧で発生させる代わりに、各輪のブレーキキャリパの移動をそれぞれ直動変換機構を介して電動モータにより行って発生させるものである。この場合には、ブレーキ制御ECU1から電動モータへの駆動信号(第1駆動信号に相当)により、電動モータは目標の制動力に応じたデューティー比で駆動される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の駐車補助ブレーキ装置の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態の第1ブレーキ手段としての油圧ブレーキ装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態の障害物センサの構成を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態の駐車補助ブレーキ装置の動作を示すメインフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態の周辺監視制御ECUが行う周辺監視制御の処理を示すフローチャートである。
【図6】障害物までの距離xと制動距離Lとの関係を示す図である。
【図7】車速と障害物センサの距離計測範囲との関係を示す図である。
【図8】本発明の実施形態の定速モードにおけるエンジンおよびブレーキの制御指令値を設定する手順を示すフローチャートである。
【図9】目標速度の補正値K1と路面勾配αとの関係を示す図である。
【図10】目標速度の補正値K2とブレーキ操作量βとの関係を示す図である。
【図11】目標速度の補正値K3と目標制動力γとの関係を示す図である。
【図12】制動要求値としての目標減速度から制動液圧への換算処理を示すフローチャートである。
【図13】目標減速度と制動液圧との関係を示す図である。
【図14】本発明の第1実施形態のブレーキ制御調停の処理手順を示すフローチャートの一部である。
【図15】本発明の実施形態のブレーキ制御調停の処理手順を示すフローチャートの一部である。
【図16】本発明の実施形態のブレーキ制御調停の処理手順を示すフローチャートの一部である。
【図17】本発明の第2実施形態の駐車補助ブレーキ装置の動作を示すメインフローチャートである。
【図18】第2実施形態における駐車アシスト制御の手順を示すフローチャートである。
【図19】第2実施形態における自動停止制御の手順を示すフローチャートである。
【図20】第2実施形態における最終駐車完了位置の補正制御の手順を示すフローチャートである。
【図21】第2実施形態のブレーキ制御調停の処理手順を示すフローチャートの一部である。
【符号の説明】
1…ブレーキ制御ECU、2…油圧ブレーキ装置(第2ブレーキ手段)、
3…PKB(第2ブレーキ手段)、31R,L…ブレーキワイヤ、
4FR、FL、RR、RL…車輪、5…車輪速度センサ、50…センサ手段、
51…操舵量センサ、52…アクセル操作量センサ、
53…ブレーキ操作量センサ、54…障害物センサ、6…車内LANバス、
7…エンジン制御ECU、70…エンジン、71…自動変速機、
72R,L…車軸、8…周辺監視制御ECU、80…制動要求出力手段、
81…渋滞追従制御ECU、82…車間制御ECU、
83…居眠り防止ECU、9…ランプ・警報装置、
10…M/C、11,21…配管系統、12,22…減圧配管、
13、23…吸引配管、14,24…増圧制御弁、15,25…減圧制御弁、16,26…リザーバ、17,27…ポンプ、18,28…マスタカット弁、
19,29,30…圧力センサ、20…モータ、41…W/C。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の自動ブレーキ装置に関し、さらに詳しくは、駐車時に補助的に作動するブレーキ装置にする。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、駐車時または発進時にスロットル開度を小さくして急発進を防止し、あるいは、大きな制動力を発生させて障害物への衝突を防止するもの(特開2000−136738号公報)があった。
【0003】
しかし、障害物との距離に無関係にスロットルを絞ったり、または制動力を発生させたりしているので、確実な衝突回避のために、減速度が大きくなるよう設定する必要があり、このため急停止が発生するなど、車速変化が運転者の意図や予想と異なるために、運転フィーリングが悪化するという問題があった。
【0004】
なお、走行中に車両前方をレーダで監視し、検出した障害物との距離に応じて警報を発したり、自動的にブレーキをかけて車両を減速、停止させるもの(特開昭52−124628号公報)もあるが、駐車時に運転者の運転操作を補助するものではない。
【0005】
本発明は上記点に鑑みて、駐車時の運転者の運転操作を補助して、停車に至る車両の走行状態の制御を、運転フィーリングを悪化させることなく簡便かつ安全に行えるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、車両(VL)の各輪(4FR、4FL、4RL、4RR)に制動力を付与する制動力付与手段(2、3)と、前記車両のエンジン(70)の出力を制御するエンジン制御手段(7)と、前記制動力付与手段およびエンジン制御手段の少なくとも一方を動作して前記車両をあらかじめ設定された目標速度以下で走行させる定速モードで動作する速度リミッタ手段(1)と、前記車両から障害物までの距離を検出するとともに、該距離に応じた制動要求値を出力する周辺監視手段(8、54)と、前記制動要求値に基づき、前記制動力付与手段を制御して制動力を付与して前記車両を停止させる停車モードで動作するブレーキ制御手段(1)と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、周辺監視手段により検出された車両と障害物との距離に応じて制動要求値が決定され、定速モードにより設定された目標速度以下で走行制御された車両を、この制動要求値に基づいて制動力付与手段により停車させるので、車両と障害物との距離がどのような場合であっても、運転者にとって良好な運転フィーリングで車両を自動的に停止させることができる。
【0008】
この発明において、請求項2に記載のように、前記速度リミッタ手段は、前記制動力付与手段を駆動するために前記ブレーキ制御手段へ制動要求値を出力するとともに、前記ブレーキ制御手段は、前記速度リミッタ手段からの制動要求値と前記周辺監視手段からの制動要求値とを比較し、大きい方の制動要求値に基づいて前記制動力付与手段を駆動して制動力を発生させるようにして、上記定速モードまたは停車モードを動作させることができる。
【0009】
前記制動力付与手段は、請求項3に記載のように、第1駆動信号により第1の制動力を発生するとともに該第1駆動信号の解除により前記第1の制動力が0に変化する第1ブレーキ手段(2)と、第2駆動信号により第2の制動力を発生するとともに該第2駆動信号の解除により前記第2の制動力が維持される第2ブレーキ手段(3)とを備えることができる。
【0010】
なお、上記第1ブレーキ手段は、例えば、運転者のブレーキペダル操作に応じてブレーキ油圧を各輪のホイールシリンダに与えることにより第1の制動力を発生または解除させる油圧ブレーキ装置や、運転者のブレーキペダル操作に応じてモータにより各輪のブレーキキャリパを直動して第1の制動力を発生または解除させる電動ブレーキ装置を用いることができる。
【0011】
さらに、上記第2ブレーキ手段は、例えば、パーキングブレーキの動作をモータにより行って第2の制動力を発生させ、このモータの駆動信号を解除してモータを停止させてもこの第2の制動力が解除されない電動パーキングブレーキ装置を用いることができる。
【0012】
また、前記速度リミッタ手段は、請求項4に記載のように、前記制動力付与手段を動作させる場合には、前記第1および第2ブレーキ手段の少なくともいずれか一方を駆動して制動力を発生させることができる。
【0013】
さらにまた、前記ブレーキ制御手段は、請求項5に記載のように、前記制動要求値に基づき前記第1ブレーキ手段による第1の制動力を発生させて車両を停止させ、該車両の停止後には前記第1駆動信号を解除するとともに前記第2駆動信号により前記第2ブレーキ手段に前記第2の制動力を発生させることができる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記周辺監視手段は、前記障害物までの距離に応じて、前記停車モードにおける走行停止までに車両が移動すべき目標制動距離を前記制動要求値として算出することを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、周辺監視手段が検出した車両と障害物との距離に応じて、停止モード中に車両が停止するまでに移動すべき距離である目標制動距離を算出し、この目標制動距離を制動要求値とするので、ブレーキ制御手段により動作する制動力付与手段は、目標制動距離で車両を確実に停止させることができる。
【0016】
なお、前記周辺監視手段は、前記制動要求値を、請求項7に記載のように、前記車両の速度または前記車両と障害物との相対速度のいずれかにより補正することができ、これにより、障害物までの距離や車両の速度など、駐車時の状況に応じて運転フィーリングを悪化させることなく簡便かつ安全に停車を行わせることができる。
【0017】
なお、前記周辺監視手段の距離測定範囲を、請求項8に記載のように、前記速度リミッタ手段に設定されている目標速度または車両の実際の速度のいずれかに基づき変更するようにすれば、速度が大きい場合には長距離範囲の測定を可能にし、速度が低い場合にはおよび短距離範囲、すなわち高精度測定を行うことができる。
【0018】
請求項9に記載の発明は、前記速度リミッタ手段は、前記目標速度を、運転者の運転操作を表わす運転操作量、前記車両の走行路面の路面状態を表わす路面状態量および前記周辺監視手段により検出された前記障害物までの距離の少なくともいずれか1つにより補正することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、目標速度を、運転操作量、路面状態量または障害物までの距離により補正するので、駐車時の状況に応じて運転フィーリングを悪化させることなく定速モードでの動作を行うことができる。
【0020】
なお、制動力付与手段が複数のブレーキ手段を備えている場合には、一方のブレーキ手段に故障などの異常が発生した場合に、そのブレーキ手段の動作、すなわち制動力の発生を停止し、他方のブレーキ手段により各輪に制動力を付与する。
【0021】
すなわち、請求項10に記載のように、前記速度リミッタ手段は、前記定速モードでの動作中に前記制動力付与手段が有する前記一方のブレーキ手段に故障が生じた場合に、前記他方のブレーキ手段の駆動に切替えて前記定速モードでの動作を継続することができる。
【0022】
また、請求項11に記載のように、前記ブレーキ制御手段は、前記停車モードでの動作中に前記制動力付与手段が有する前記一方のブレーキ手段に故障が生じた場合に、前記他方のブレーキ手段の駆動に切替えて前記停車モードでの動作を継続することができる。
【0023】
請求項12に記載の発明は、前記車両の停止後、前記障害物までの距離が設定された最終駐車完了位置までの距離と等しくなるまで前記車両を移動させる停止位置補正モードで動作する最終駐車完了位置補正手段(1)を更に備えることを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、最終駐車完了位置補正手段が停止位置補正モードでの動作によりにより、停車モードにおいて車両が停止した状態より予め設定された最終駐車完了位置まで車両をさらに移動させて、その最終駐車完了位置で車両を停止させることができる。
【0025】
なお、請求項13に記載のように、車両の移動量を検出する移動量検出手段(1、5)を備え、前記最終駐車完了位置補正手段は、前記周辺監視手段による前記車両から障害物までの距離が、前記移動量検出手段による前記車両から最終駐車完了位置までの距離に等しくなるまで、前記エンジン制御手段および制動力付与手段の少なくともいずれか一方を動作して前記車両を移動させることができる。
【0026】
上記移動量検出手段は、請求項14に記載のように、前記周辺監視手段による前記車両から障害物までの距離の検出値に基づき前記車両の移動量を算出して移動量の検出値とすることができる。
【0027】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明の実施形態の駐車補助ブレーキ装置について、図面を参照して説明する。
【0029】
なお、本実施形態の駐車補助ブレーキ装置の動作モードである駐車補助ブレーキ制御モードは、駐車時に目標速度以下の低速で走行する定速モード、定速モードでの走行後、障害物との距離に応じて制動力を制御して車両を所定位置で停止させる停車モード、および、停車モードによる停車後、設定された最終駐車完了位置へ更に走行させてその最終駐車完了位置で停止させる停止位置補正モードを含む。
【0030】
本第1実施形態は定速モードおよび停止モードで動作する駐車補助ブレーキ装置に関するものであり、後述する第2実施形態では、定速モード、停止モードでの動作の後、停止位置補正モードで動作する駐車補助ブレーキ装置に関するものである。
【0031】
図1は、本実施形態の全体構成を示す図であり、第1および第2実施形態に共通して用いることができる。図中、車両VLの右前輪、左前輪、右後輪、左後輪をそれぞれ、FR、FL、RR、RLで表わす。
【0032】
本実施形態は、車両VLに搭載されている、ブレーキ制御手段としてのブレーキ制御ECU1と、第1ブレーキ手段としての油圧ブレーキ装置2と、油圧ブレーキ装置2と第1配管系統11および第2配管系統21でそれぞれダイアゴナル接続されている各車輪4FR、4RL、4FL、4RR毎のホイールシリンダ(以下、W/Cという)41FR、41RL、41FL、41RRと、第2ブレーキ手段としての電動パーキングブレーキ(以下、PKBという)3と、PKB3と後輪4RL、4RRの各ブレーキキャリパとをそれぞれ接続するブレーキワイヤ31R、31Lと、各車輪の回転速度を検出する車輪速度センサ5(5FR、5RL、5FL、5RR)と、各種電子機器の入出力信号を伝送する車内LANバス6と、左右の前輪4FR、4FLをそれぞれ車軸72R、72Lおよび自動変速機(AT)71を介して回転駆動するエンジン(E/G)70と、E/G70の出力を制御するエンジン制御手段としてのエンジン制御ECU7と、周辺監視手段としての周辺監視制御ECU8と、ハザードランプなどの各種ランプやブザーなどの警報装置からなるランプ・警報装置9と、ハンドル操舵量を検出する操舵量センサ51、アクセルペダルの操作量を検出するアクセル操作量センサ52、ブレーキペダルの操作量を検出するブレーキ操作量センサ53および車両VL周辺の障害物を検出する障害物センサ54を備えるセンサ手段50と、ブレーキ制御ECU1へ制動要求を出力する渋滞追従ECU81、車間制御ECU82および居眠り防止ECU83を備える制動要求出力手段80とを備えている。
【0033】
第1ブレーキ手段としての油圧ブレーキ装置2および第2ブレーキ手段としてのPKB3は制動力付与手段に相当し、ブレーキ制御ECU1は速度リミッタ手段として後述する定速モードで動作する。
【0034】
ブレーキ制御ECU1、エンジン制御ECU7、周辺監視制御ECU8、ランプ・警報装置9、センサ手段50、および制動要求出力手段80はそれぞれ車内LANバス6に接続され、それぞれ、車内LANバス6を介して互いに信号の送受を行っている。
【0035】
AT71は、E/G70の回転を車軸72R、72Lに伝達するトルクコンバータを内蔵した公知の装置であり、図示しない制御装置により変速制御される。特に本第1実施形態では、クリープ現象により車両が低速で走行する(以下、クリープ走行という)状態を積極的に利用して駐車補助ブレーキ制御を行うので、AT71の制御装置については説明を省略する。
【0036】
ブレーキ制御ECU1は、コンピュータにより構成されており、車輪速度センサ5からの車輪速度、車内LANバス6を介して周辺監視制御ECU8や制動要求出力手段80からの制動要求、および各種センサ5、50からのセンサ信号を入力し、後述する油圧ブレーキ装置2およびPKB3を制御するための駆動信号やエンジン制御ECU7へのE/G70の出力調整のための信号を出力する。
【0037】
ここで、制動力付与手段を構成する第1ブレーキ手段である油圧ブレーキ装置2について、図2を参照して説明する。
【0038】
マスターシリンダ(以下、M/Cという)10は、運転者により図示しないブレーキペダルが踏み込まれると、ブレーキ操作量センサ53が検出したブレーキペダルの踏力に応じたM/C圧を発生し、それぞれ第1配管系統11および第2配管系統21を介して各車輪に備えられたW/C41FR、41RL及び41FL、41RRに伝達され、第1の制動力を発生するようになっている。
【0039】
以下では、第1配管系統11、特に、右前輪4FRに関わる配管系統を中心に説明するが、他の車輪および第2配管系統についても同様である。
【0040】
なお、アンチスキッド制御(以下、ABS制御という)は、ブレーキ制御ECU1により公知の制御方法で実行されるもので、詳細な説明は省略する。
【0041】
第1配管系統11には、右前輪4FRおよび左後輪4RLのそれぞれに対して、ABS制御時に各W/C41FR、41RLの増圧および保持を調整する増圧制御弁14a、14bが設けられている。また、増圧制御弁14a、14bにそれぞれ並列に逆止弁141a、141bが設けられ、増圧制御弁14a、14bの遮断時にW/C圧が過剰となった場合に液流をM/C10側へ逃がすようになっている。
【0042】
増圧制御弁14a、14bとW/C41FR、41RLとの間から伸びる減圧管路12にはABS制御におけるW/C41FR、41RLの減圧、保持を調整する減圧制御弁15a、15bが設けられている。この減圧管路12はリザーバ16と接続されている。
【0043】
リザーバ16に貯溜されるブレーキ液はモータ20により駆動されるポンプ17によって汲み上げられ第1配管系統11に吐出される。この吐出先は、増圧制御弁14a、14bと後述するマスタカット弁18との間となっている。モータ20は第2配管系統21におけるポンプ27も駆動している。なお、ポンプ17の吐出口には逆止弁171が設けられている。
【0044】
M/C10と増圧制御弁14a、14bとの間には、マスタカット弁(以下、SM弁という)18が配置されている。SM弁18は、非通電時は連通状態、通電時には図示方向の逆止弁による遮断状態となる2位置弁である。この遮断状態では、W/C41FR、41RL側の圧が逆止弁のばねによるクラッキング圧分M/C10側の圧よりも高くなったときにリリースされ、圧を逃がす構造となっている。このSM弁18には並列に逆止弁181が設けられており、M/C10側からW/C41FR、41RL側への流動のみが許容される。
【0045】
M/C10とSM弁18との間と、リザーバ16とは吸引管路13で接続されている。
【0046】
第1配管系統11のM/C10とSM弁18との間には油圧センサ30が設けられ、M/C10の発生圧を検出する。この圧力はM/C10の図示しないセカンダリ室の発生圧力であるが、第2配管系統が接続されるプライマリ室にも同圧が発生しているので、この油圧センサ30は実質的にM/C圧を検出する。また、増圧制御弁14a、14bとW/C41FR、41RLとの間にも油圧センサ19a、19bが設けられ、それぞれW/C圧を検出する。これらの油圧センサの出力信号は、ブレーキ制御ECU1に入力される。
【0047】
上記増圧制御弁14a、14b、減圧制御弁15a、15bは2位置弁であり、ブレーキペダルの非操作時および通常ブレーキ時などの非通電(OFF)時には図示の弁***置、すなわち、増圧制御弁は連通状態、減圧制御弁は遮断(カット)状態にある。また、SM弁18も通常の非通電時には図示の弁***置、すなわち連通状態にある。
【0048】
これら各制御弁は、ブレーキ制御ECU1からの作動信号により動作する。また、ポンプ17、27を駆動するモータ20もブレーキ制御ECU1からの作動信号により動作する。
【0049】
なお、これらの油圧ブレーキ装置2に対する各作動信号は、総じて第1駆動信号に相当する。また、油圧ブレーキ装置2を制御停止(または、制御禁止)にするとは、第1駆動信号を0(非作動状態)、具体的には、増圧制御弁14a、14b、24a、24b、減圧制御弁15a、15b、25a、25bおよびSM弁18、28を全て非通電とし、かつ、モータ20の駆動電流を0とすることである。したがって、油圧ブレーキ装置2は、第1駆動信号が解除されると制動力も解除(制動力=0)される第1ブレーキ手段に相当する。
【0050】
上記油圧ブレーキ装置2の基本的な制御方法について説明する。
【0051】
運転者によりブレーキペダルが踏み込まれるときの通常のブレーキ操作においては、全ての制御弁(SM弁18、増圧制御弁14a、減圧制御弁15a)は非通電(OFF)状態とされ、M/C圧がそのままW/Cに作用し、W/C圧=M/C圧となる。
【0052】
ABS制御中は、タイヤロックを回避するためにW/C圧を減圧する過程と制動力を回復するためにW/C圧を増圧する過程とでそれぞれ動作が異なる。なお、SM弁18はABS制御中は、通常OFF(連通状態)にするとともに、ポンプ17を駆動してリザーバ16よりブレーキ液を吸引する。
【0053】
ABS制御の減圧過程では、増圧制御弁14aを通電状態(ON)すなわち遮断(カット)状態とし、かつ、減圧制御弁15aをON/OFFのデューティー比制御することにより連通/カットの切換えが繰り返されて、W/C41FRよりブレーキ液が所定の変化勾配でリザーバ16へ流れ出しW/C圧が減圧する。
【0054】
ABS制御の増圧過程では、減圧制御弁15aを非通電状態(OFF)すなわちカット状態とし、かつ、増圧制御弁14aをOFF/ONのデューティー比制御することにより連通/カットの切換えが繰り返されて、M/C10よりブレーキ液がW/C41FRに供給されてW/C圧は増圧する。
【0055】
次に、本発明の駐車補助ブレーキ制御、すなわち、ブレーキペダルの踏み込み操作の有無に拘わらず周辺監視制御ECU8や制動要求出力手段80からの制動要求信号に基づいてブレーキ制御ECU1が油圧ブレーキ装置2に対して指示するブレーキ動作中の、増圧過程および減圧過程について説明する。
【0056】
駐車補助ブレーキ制御の増圧過程では、SM弁18をON(カット状態)に、かつ、減圧制御弁15aをOFF(カット状態)にするとともに、ポンプ17を駆動してリザーバ16よりブレーキ液を吸引して吐出圧を発生させた状態で、油圧センサ19aの検出値との比較を行いながら、増圧制御弁14aをOFF/ONのデューティー比制御により所定の変化勾配で、あるいは設定された目標の圧力までW/C圧を増圧する。このとき、必要に応じてM/C10から吸引管路13、リザーバ16を介してブレーキ液がポンプ17の吸引口に補充される。
【0057】
駐車補助ブレーキ制御の減圧過程では、SM弁18をON(カット状態)に、かつ、増圧制御弁14aをON(カット状態)にするとともに、ポンプ17を駆動してリザーバ16よりブレーキ液を吸引して吐出圧を発生させた状態で、油圧センサ19aの検出値との比較を行いながら、減圧制御弁15aをON/OFFのデューティー比制御により所定の勾配で、あるいは設定された目標の圧力までW/C41FRよりブレーキ液を吸引してW/C圧を減圧する。この時、増圧制御弁14aおよびSM弁18がともにカット状態であるため、ポンプ17の吐出圧は増大するが、その圧がSM弁18の逆止弁のばねのクラッキング力より大きくなるとリリースされて圧力が低下する。
【0058】
次に、第2ブレーキ手段であるPKB3について説明する。
【0059】
PKB3は、ブレーキ制御ECU1からの第2駆動信号により動作する図示しないモータおよびギア機構からなるアクチュエータがブレーキワイヤ31R、31Lを介して左右後輪4RR、4RLのブレーキキャリパを駆動することにより制動力すなわち、第2の制動力を発生させる。PKB3のモータは第2駆動信号に基づきデューティー駆動されて正転または逆転し、これにより第2制動力の大きさが制御される。
【0060】
このとき、デューティー比に応じた制動力が発生し、目標の制動力となったらPKB3のモータがロックし、モータロックが検出されるとモータの駆動電流が遮断、すなわち、第2駆動信号が解除されて、PKB3は制御停止(制御禁止)の状態となる。このPKB3の制御停止状態ではギア機構は動かないので、第2の制動力は維持され、ロック状態となる。
【0061】
このPKB3の動作は、駐車補助ブレーキ制御中にブレーキ制御ECU1からの第2駆動信号によって行われる以外に、運転者により図示しないパーキングブレーキスイッチをON/OFF操作した場合にも、その操作信号に基づきブレーキ制御ECU1がPKB3の第2駆動信号を出力することにより動作可能である。
【0062】
車輪速度センサは図2に示すように、各車輪の回転速度を検出する車輪速度センサ5FR、5FL、5RR、5RLからなり、それぞれの出力信号は直接ブレーキ制御ECU1に入力される。なお車輪速度センサ5FR、5FL、5RR、5RLにホール素子による半導体式速度センサを用いることにより、低速度でも確実な車輪回転パルスが得られるので、駐車時の速度でも正確な車速を検出することができる。
【0063】
エンジン制御ECU7は、アクセル操作量センサ52からのアクセル操作量であるアクセル開度信号や、エンジン回転数、水温や排気中の酸素濃度などに基づき走行状態に応じて燃料噴射量を調整してエンジン70へ指令値を与えることによりエンジン出力を制御する。
【0064】
さらに、本第1実施形態においては、エンジン制御ECU7は特に低速時にブレーキ制御ECU1からのエンジン出力調整信号により、アイドル状態からエンジン出力を増加、または、アイドル状態への出力減少を行うと共に、ブレーキ制御ECU2により制動力の制御を併用して車両VLを定速モードで走行させる。すなわちブレーキ制御ECU1とエンジン制御ECU7とは本発明の速度リミッタ手段を構成する。
【0065】
障害物センサ54は、図3に示すように、車両の前部および後部の例えばバンパに設けられたレーザレーダ541により車両の前方および後方に存在する障害物までの距離xを計測し、その微分信号と共に車内LANバス6を介してブレーキ制御ECU1や他の制動要求出力手段へ送る。距離xの微分信号は、前方または後方の走行車両などの障害物との相対速度に相当する。
【0066】
なお、障害物センサ54の測定感度の範囲は、後述するように車速に応じて調整され、車速が高くなるほど距離計測範囲(センサ感度)を長くしている。
【0067】
周辺監視制御ECU8は、障害物センサ54により計測された障害物までの距離xに基づき、車両VLを停止すべき位置までの距離である制動距離Lを算出し、この制動距離Lを制動要求値としてブレーキ制御ECU1へ出力する。
【0068】
渋滞追従ECU81は、交通渋滞時に前方車両の制動および停車状態を検出し、自車VLの車速より前方車両に追突することなく所定車間距離の位置に停止または車間距離を維持するための目標減速度(たとえば、「0.23G(G:重力加速度)の減速」)を算出しECU要求値として、車内LANバス6を介してブレーキ制御ECU1へ出力する。ブレーキ制御ECU1では、例えば、減速度1G=10MPa(Pa:圧力単位、パスカル)により、制動圧(制動油圧)に変換して、その大きさを評価する。
【0069】
車間制御ECU82は、前後の車両などの障害物と自車VLとの距離および相対速度を検出し、障害物との車間距離を、予め設定された、あるいは運転者により設定変更された所定値に保つよう、エンジン制御ECU7による駆動制御やブレーキ制御ECU1による制動制御を行うものである。さらに、本実施形態においては、ECU要求値として、ブレーキ制御ECU1へ目標制動距離(たとえば、「28mで停止」)を出力する。また、前後の障害物との距離が急激に小さくなった場合に、車両進行方向への歩行者等の急な飛び出しの可能性があるため、急制動を可能にする制動要求を出す。なお、前後障害物との距離は障害物センサ54により検出できる。
【0070】
ブレーキ制御ECU1では、現在車速と目標制動距離とから目標減速度を求め、あるいは急制動時の最大減速度の設定を行い、これを、上述と同様制動圧に変換して、大きさを評価する。
【0071】
居眠り防止ECU83は、運転操作状態あるいは運転者の生理状態を検出して運転者の居眠り状態を判定し、運転者に覚醒を促すためにブザーなどの警報や断続的な瞬間制動を行うものであるが、本実施形態においては、ECU要求値として、ブレーキ制御ECU1へ上記覚醒のための目標制動液圧の時間変化値を与える。この制動力の時間変化は、例えば、三角波形状とすることができる。
【0072】
次に、それぞれコンピュータで構成されているブレーキ制御ECU1、エンジン制御ECU7および周辺監視制御ECU8により実行される、駐車補助ブレーキ制御モードについて、フローチャートを参照して説明する。なお、以下に示す各フローチャートで示される動作は、上記各制御ECUにより協同して実行される。
【0073】
図4は、本第1実施形態の駐車補助ブレーキ装置のメインフローチャートであり、主にブレーキ制御ECU1により、制御周期(5〜10ms)毎に繰り返し実行される。
【0074】
本第1実施形態では、上述のように、駐車補助ブレーキ制御として、定速モードによる目標速度以下での移動および停車モードによる目標の制動距離の移動後の停車の各動作を行う。
【0075】
イグニッションオンと共に開始され、ステップS100で、車輪速度センサ5、M/C圧センサ30、W/C圧センサ19、29などの各種センサ入力処理、および、無線LANバス6を介して通信によりエンジン制御ECU7や周辺監視制御ECUおよび制動要求出力手段80などの他システムからの情報の入力処理を行う。
【0076】
ステップS110で、各輪の車輪速度センサ5からの入力パルスを演算処理して、各輪の車輪速度を演算する。さらに、これらの車輪速度のうち従動輪(本実施形態の場合、左右後輪)の車輪速度の平均値により車体速度(車速)を演算する。
【0077】
ステップS120では、通常走行時に行われるブレーキ制御として、上述のABS制御、車輪速度が車体速度より大きくなってスリップ量が所定値以上の場合にエンジン出力および制動力を制御してスリップ量を小さくするトラクション(TRC)制御、および車両の横加速度やヨーレートを検出してそれらが所定値以下となるよう、すなわち車体の安定性を確保できるよう各輪の制動力を制御する横滑り防止(VSC)制御が、それぞれ、走行状況に応じて行われる。
【0078】
ステップS130では、後述するフローに従い、目標車速以下の速度で走行させる定速モードでの動作のために、車速が予め設定された目標速度以下となるようエンジン出力および制動力を調整するための各制御指令値を設定する。
【0079】
ステップS140では、後述するように、周辺監視制御ECU8からの制動要求値としての制動距離Lを制動液圧へ換算する。ブレーキ制御ECU1では換算された制動液圧を制動要求値として扱う。
【0080】
ステップS150では、後述するように、周辺監視制御ECU8の制動要求値と定速モードにおける制動要求値とを比較し、大きい方の制動要求値に基づき、車両の状態に応じて油圧ブレーキ装置2またはPKB3のいずれかを駆動するかの選択および発生させるべき目標制動力の指令値γの設定、すなわちブレーキ制御調停を行う。
【0081】
ステップS160では、ステップS150でのブレーキ制御調停の結果、設定された油圧ブレーキ装置2に対する目標制御圧に基づき油圧ブレーキ装置2に第1駆動信号を出力して第1の制動力を発生させる。
【0082】
ステップS170では、ステップS150でのブレーキ制御調停の結果、設定されたPKB3に対する目標制動力に基づきPKB3に第2駆動信号を出力して第2の制動力を発生させる。
【0083】
ステップS180では、ステップS130(詳しくは、後述するステップS350)で設定されたエンジン制御指令値をエンジン制御ECU7へ送信する。
【0084】
ステップS190では、イグニッションオン中のフェールセーフチェックを行う。すなわち、ブレーキ制御ECU1、油圧ブレーキ装置2、PKB3、およびその他各センサの状態を常時診断する。故障が検出されると、車両VLが危険な状態にならないよう所定の処置を行う。
【0085】
次に、上記ステップS100で入力される周辺監視制御ECU8からの制動要求値Lの算出手順について説明する。
【0086】
図5は、周辺監視制御ECU8による制動要求値Lの算出フローであり、イグニッションオンとともに、制御周期で繰り返し実行される。
【0087】
ステップS200で、障害物センサ54から障害物との距離xを入力する。
【0088】
ステップS210で、障害物との距離xと車速とに基づき、現在位置(演算時点)から車両を停止すべき位置までの走行距離である制動距離Lを算出する。xとLとは、図6に示すような関係が予め設定されている。制動距離Lは、障害物との距離xに応じて長くなるよう、かつ、所定の距離以上ではLを無限大、すなわち制動力を発生させないように設定されている。
【0089】
さらに、制動距離Lは、同一距離xにおいて車速とともに短くなるよう、すなわち図6において右方向にシフトして設定されている。なお、検出される障害物が、前方または後方の走行車両である場合は、上記車速の代わりに、自車VLとそれらの走行車両との相対速度で図6に示す制動距離Lを補正しても良い。
【0090】
なお、上述したように、障害物センサ54の距離計測範囲(センサ感度)は車速に応じて長くなるよう切替えられる(図7参照)。これにより、低速時は車両周辺の短い距離範囲を精度よく計測できると共に、高速時には車両から遠く隔たった位置までの距離測定が可能になる。
【0091】
ステップS220では、算出された制動距離Lを制動要求値としてブレーキ制御ECU1へ送信する。
【0092】
図8は、上記ステップS130での定速度制御の処理内容である、定速モードでの動作を行うためのエンジン出力および制動力の各制御指令値の設定フローを示している。
【0093】
ステップS300で、車両の進行方向を判定する。具体的には、AT71の変速レバーに備わる図示ないシフトレバー位置センサの信号から、前進または後退を判定する。前進ならばステップS310、後退ならばステップS320へ移行する。
【0094】
ステップS310では、目標速度TVcを数式1により設定する。
【0095】
【数1】
TVc=TVc+K1(α)−max(K2(β),K3(γ))
ここで、TVcは目標速度であり、初期値として、例えば平地でのAT車におけるクリープ速度に相当する7km/hが予め設定されている。
【0096】
また、K1(α)は進行方向に対する路面勾配αに応じて図9に示すように、下り勾配側では勾配が大きくなるに応じて増加し、上り勾配側では0と設定された補正値である。
【0097】
K2(β)はブレーキ操作量センサ53からのブレーキ操作量(ブレーキペダルの踏み込み量、または、ペダル踏力)βに応じて、図10に示すように、βが大きくなるに応じて増加するよう設定された補正値である。
【0098】
さらに、K3(γ)はステップS150で設定された制動力付与手段としての油圧ブレーキ装置2またはPKB3に与えられる目標制動力を発生させるための指令値γに応じて、図11に示すように、γに比例して増加するよう設定された補正値である。このγは、自動ブレーキの制御量、すなわち、運転者によるブレーキペダル操作に拘わらず駐車補助ブレーキ制御中に自動的に制動力を発生させる場合の目標制動力である。
【0099】
数式1中、max(K2,K3)は、K2≧K3のときはK2、K2<K3のときはK3の値とする演算子である。
【0100】
なお、路面勾配αは、例えば、特開2000−6691号公報に記載されているように、車両重量と走行時の前後加速度(車速の微分値)とにより算出される走行抵抗と、エンジン出力およびAT変速比より算出される車輪を駆動するために必要な駆動トルクとから、演算により推定することができる。なお、傾斜計により水平面からの傾斜角を直接計測して、その計測値より勾配αを決定してもよい。
【0101】
数式1より、前進時には、目標速度TVcはブレーキ操作量βまたは目標制動力γに応じて減少させるとともに、下り勾配では勾配の大きさαに応じて増加させるように設定される。
【0102】
一方、ステップS320では、目標速度TVcを、上記補正値K1、K2を用いて数式2により設定する。
【0103】
【数2】
TVc=TVc−K1(α)−max(K2(β),K3(γ))
数式2より、後退時には、目標速度TVcはブレーキ操作量βまたは目標制動力γに応じて減少させるとともに、下り勾配では勾配の大きさαに応じて減少させるように設定される。
【0104】
このステップS310、S320により、定速モードにおける目標速度TVcを、走行状態である進行方向と路面傾斜との関係および、運転者のブレーキ操作フィーリングに適合したものとすることができる。
【0105】
さらに、目標速度TVcを数式1および2のように自動ブレーキの制御量γに応じて補正するようにしているので、運転者によるブレーキ操作(操作量=β)によるブレーキ操作時だけでなく自動ブレーキ制御中でも、定速走行制御における目標速度を下げるような補正を実行でき、制動および加速(エンジン出力増加)の調停ができる。
【0106】
ステップS330では、設定された目標速度TVcと実際の車速Vs0との偏差ΔVを算出する。
【0107】
ステップS340では、偏差ΔVに基づきPID演算により、偏差を0に近づけるために発生すべきエンジン出力および制動力を決定する。
【0108】
ステップS350では、ステップS340で決定されたエンジン出力の目標値に基づき、必要とするスロットル開度(または、一定のスロットル開操作を要求するスロットル開度要求フラグ)としてのエンジン制御指令値を設定する。
【0109】
ステップS360では、ステップS340で決定された制動力より油圧ブレーキ装置2またはPKB3へ与える制動要求値(目標液圧)γを算出しブレーキ制御指令値として設定する。
【0110】
次に、上記ステップS140において行われる周辺監視制御ECU8からの制動要求値Lの制動液圧TPmへの換算手順について説明する。図12はその換算処理フローである。
【0111】
ステップS400で、現在の車速Vs0から制動距離Lで停止する場合の減速度(目標減速度)Tgを、数式3により演算する。
【0112】
【数3】
Tg=(Vs0)2/(2L)
ステップS410で、予め設定されている図13に示される目標減速度Tgと目標液圧TPmとの関係より、目標液圧TPmを算出する。
【0113】
ブレーキ制御ECU1では、この目標液圧TPmを周辺監視制御ECU8からの制動要求値として扱う(ステップS420)。
【0114】
次に、上記ステップS150で実行されるブレーキ制御調停の制御フロー(図14、15、16)について説明する。
【0115】
まず、ステップS500で、周辺監視制御ECU8からの制動要求値(TPm)と、ステップS360で設定された定速モード時の制動要求値とを比較し、大きい方を選択する。
【0116】
ステップS510で車両が停止あるいは停止間際の状態(停止状態という)か否かを、走行状態を表わす情報の1つである車輪速度により判定し、停止状態でないならばステップS520へ、停止状態ならばステップS600へ移行する。
【0117】
ステップS520では、ステップS100における各種入力処理の結果から油圧ブレーキ装置2が正常か否かを判定し、YESならばステップS530へ、NOならばステップS540へ移行する。
【0118】
ステップS540では、PKB3が正常か否かを判定し、NOならばステップS550へ、YESならばステップS560へ移行する。
【0119】
ステップS560では、油圧ブレーキ装置2が異常、かつPKB3が正常であるので、油圧ブレーキ装置2の制御を禁止、すなわち、第1駆動信号を非作動状態(各部駆動電流=0)とする。
【0120】
次にステップS570で、ブレーキ制御ECU1が、PKB3の目標となる制動力としてステップS500で選択されたECU要求値である要求制動力を発生するのに必要な駆動デューティーを設定する。
【0121】
ステップS580では、PKB3が発生している制動力と設定された目標制動力とが等しいか否かを判定する。
【0122】
これはPKB3のモータがロックした、すなわちモータ電流が増加しなくなった、あるいは、モータの回転が停止したことを検出することにより判定される。等しくなければ等しくなるまでこのルーチンを繰り返し、等しければステップS590へ移行してPKB3の制御を終了する。
【0123】
このPKB3の制御終了により、PKB3のモータの駆動力は0となるが、ケーブル31の張力すなわち制動力はそのまま保持される。
【0124】
なお、ステップS540でPKB3も異常と判断されたら、ステップS550で、ブレーキ制御ECU1は油圧ブレーキ装置2およびPKB3の制御を共に禁止する、すなわち、油圧ブレーキ装置2への第1駆動信号をすべて非作動状態に、かつ、PKB3への第2駆動信号を非作動状態にする。
【0125】
一方、ステップS520で油圧ブレーキ装置2が正常と判断されたら、ステップS530で、油圧ブレーキ装置2が発生すべき制動圧(目標制御圧)をステップS500で選択されたECU要求値である要求制動力(制動油圧)に設定し、油圧ブレーキ装置2は、この設定された目標の制動力となるよう、増圧または減圧過程により圧力制御される。
【0126】
次に、ステップS510で車両が停止状態と判定された場合について、図16を参照して説明する。
【0127】
ステップ600で、PKB3が正常か否かを判定し、正常でない場合にはステップS660へ移行し、正常である場合はステップS610で、上記ステップS570と同様、PKB3の目標制動力として選択されたECU要求値である要求制動力となる駆動デューティーを設定する。
【0128】
次にステップS620で、上記ステップS580と同様にPKB3が発生している制動力と設定された目標制動力とが等しいか否かを判定し、等しくなければ等しくなるまでこのルーチンを繰り返し、等しければステップS630へ移行してPKB3の制御を終了する。
【0129】
なお、ステップS610で設定された目標制動力がPKB3の最大発生制動力よりも大きい場合は、PKB3の発生制動力が最大値となった時点でこの処理を終了してステップS630へ移行する。
【0130】
その後、ステップS640で、油圧センサ19の検出値より油圧ブレーキ装置2の制動圧が0となったかを判定し、YESの場合はステップS710で油圧ブレーキ装置2の制御を終了し、NOの場合は油圧ブレーキ装置2による制動圧が残っているのでこれを0に下げるため、ステップS650へ移行する。
【0131】
ステップS650では、油圧ブレーキ装置2の目標制動圧を所定値a下げて再設定し、上記ループを繰り返すことにより発生制動圧を0まで徐々に下げる。
【0132】
上記ステップS660で油圧ブレーキ装置2が正常と判断されると、PKB3が異常であったため、ステップS680でPKB3の制御を禁止する。
【0133】
次に、ステップS690で、油圧ブレーキ装置2の制御時間、たとえば、油圧ブレーキ装置2の各制御弁のソレノイドへの連続通電時間が閾値Tを越えたか否かを判定する。なお、この閾値Tは、発熱を考慮して設計的に決まるソレノイドの連続通電可能時間より小さい値として、予め与えている。判定の結果、NOであればステップS700へ移行し、前記ステップS530と同じ処理を行い、YESであれば、ステップS710で油圧ブレーキ制御を終了する。
【0134】
なお、ステップS660で判定の結果NOであるときは、PKB3も油圧ブレーキ装置2も共に正常でないため、ステップS670で両者の制御を禁止する。
【0135】
以上、ブレーキ制御調停の制御フローにおいて、まず、ステップS500で、周辺監視制御ECU8から出力される障害物までの距離および車速に基づき算出された制動距離Lの液圧換算値としての制動要求値と、定速モードでの一定速度走行のために必要とする目標制動力の液圧換算値としての制動要求値を比較する。
【0136】
この比較の結果、大きい方の制動力を選択し(ステップS150)、ステップS510→S520→S530またはS510→S520→S540→S560〜S590で設定された目標の制動力となるよう、ステップS160またはS170で油圧ブレーキ装置2およびPKB3のいずれか一方、または両者を併用して制動力を発生させる。
【0137】
すなわち、定速モードにおける制動要求値が選択されている場合は、エンジン制御ECU1によるエンジン出力制御と協同して車速が目標車速TVcとなるよう制御され、一方、周辺監視制御ECU8からの制動要求値が選択されている場合は、停車モードにより車両VLが目標の制動距離分、移動した後停止する。
【0138】
この時、油圧ブレーキ装置2に異常が発生した場合にはステップS540→S560〜S590で、油圧ブレーキ装置2の代わりにPKB3により目標となる制動力を発生させて、定速モードまたは停車モードでの動作が行われる。なお、PKB3にも異常が発生している場合には、ステップS540→S550で、油圧ブレーキ装置2およびPKB3の両者とも制御を停止させる。
【0139】
そして、周辺監視制御ECU8からの制動要求値が選択されて、停車モードでの動作により車両VLが停止状態になった場合には、ステップS600〜S650により油圧ブレーキ装置2の目標制御圧をaずつ段階的に減少させながらPKB3に車両停止を維持させるための制動力を発生させて、車速=0すなわち車両を完全に停止させる。
【0140】
なお、この場合も、PKB3に異常が発生している場合にはステップS600→S660→S680→S690→S700、S710により、PKB3の代わりに、油圧ブレーキ装置2により所定の通電時間Tを上限として停止維持のための制動圧を発生させる。さらに、油圧ブレーキ装置にも異常が発生している場合には、ステップS660→S670で、油圧ブレーキ装置2およびPKB3の両者とも制御を停止させる。
【0141】
以上のように、本第1実施形態の駐車補助ブレーキ装置では、車両の各輪に制動力を付与する第1ブレーキ手段としての油圧ブレーキ装置2および第2ブレーキ手段としてのPKB3を備える制動力付与手段と、車両のエンジンの出力を制御するエンジン制御手段としてのエンジン制御ECU7と、油圧ブレーキ装置2、PKB3およびエンジン制御ECU7の少なくともいずれか1つを駆動するブレーキ制御ECU1と、車両から障害物までの距離を検出しその距離に応じた制動距離に相当する制動要求値を出力する周辺監視制御ECU8とを備えている。
【0142】
そして、速度リミッタ手段としてのブレーキ制御ECU1が、予め設定された目標速度を道路勾配αおよびブレーキ操作量βまたは自動ブレーキ制御における目標制動力γに基づき補正して目標速度とし、この目標速度以下で車両を走行させるために必要な目標制動力に相当する制動要求値と周辺監視制御ECU8からの制動要求値との大小比較により、大きい方の制動要求値にしたがって、油圧ブレーキ装置2またはPKB3のいずれかを駆動して車両の各輪に制動力を発生させて、定速モードでの車両走行または停車モードでの制動距離移動後の停車を実行する。
【0143】
したがって、車両と障害物との距離がどのような場合であっても、すなわち、障害物までの距離が比較的長い場合には、定速モードでの動作によりブレーキ操作量および道路勾配に応じた目標速度で走行させ、障害物との距離が短くなると停車モードでの動作により、車速に応じて決められた制動距離Lの走行中に車両を減速、停止させるよう制動力付与手段に制動力を発生させる。これにより、駐車時などにおいて、障害物との距離や路面勾配などの路面状況に適合し、かつ運転者のブレーキ操作意図に沿って、運転者の運転フィーリングを損なうことなく、車両を走行、減速、および停止させることができる。
【0144】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の駐車補助ブレーキ装置について、図面を参照して説明する。なお、本第2実施形態では、上記の如く、定速モードおよび停車モードでの動作により車両を停止させたのち、さらに設定された最終駐車完了位置へ走行させてその最終駐車完了位置で停止させる停止位置補正モードでの動作が行われる点が、上記第1実施形態と異なっている。
【0145】
したがって、第2実施形態の全体構成、第1ブレーキ手段としての油圧ブレーキ装置2の構成および障害物センサ54の構成は、それぞれ前記図1、図2および図3に示すものと同じであり、説明を省略する。以下では、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0146】
図17は、本第2実施形態の駐車補助ブレーキ装置のメインフローチャートである。ステップS100からS120は、上記第1実施形態と同じ処理を行う。
【0147】
ステップS125では、駐車アシスト制御を図18に示すフローにしたがって行う。
【0148】
この駐車アシスト制御では、まずステップS132で、上記ステップS130(図4)、すなわちステップS300〜S360(図8)と同じ操作により定速モードで動作する。すなわち、判定された進行方向に応じて、それぞれ路面勾配α(図9)およびブレーキ操作量β(図10)に応じて補正された目標車速TVcになるよう、エンジン出力を増加させるエンジン制御指令値または制動力を発生させるブレーキ制御指令値を出力する。
【0149】
その後、ステップS134で、自動停止制御として、後述する図19のフローにしたがって制動距離Lの演算および制動距離Lから制動液圧の演算を行う。
【0150】
次に、ステップS136で、停車モードでの動作により車両VLが停車した後、運転者の意志により車両を更に移動することにより最終駐車完了位置を補正する制御を、後述する図20のフローにしたがって実行する。
【0151】
図19の自動停止制御フローについて説明する。ステップS800では、上記ステップS210(図5)と同じ処理を行い、周辺監視制御ECU8からの障害物までの距離xに応じて、制動距離Lを算出する。
【0152】
ステップS810では、上記ステップS140(図4)、すなわちステップS400〜S420(図12)と同じ処理を行い、車速Vs0および制動距離Lより目標の減速度Tgを算出し、この目標減速度Tgを図13に示すような比例関係にある目標のブレーキ液圧に換算する。
【0153】
このように、本第2実施形態では、制動距離Lの演算および制動距離Lから制動液圧への換算の処理手順が、上記第1実施形態と異なっているが、それぞれの処理内容は第1実施形態と同じである。
【0154】
次に、ステップS136における最終駐車完了位置補正制御フローについて、図20を参照して説明する。
【0155】
ステップS900で、最終駐車完了位置補正制御完了しているかを、位置補正制御完了フラグの状態に基づき判定する。フラグON、すなわち補正制御が完了していれば、RETURNへ戻り、フラグOFF、すなわち補正制御が完了していなければステップS910へ移行する。
【0156】
ステップS910では、運転者により、本位置補正制御を行う意志がスイッチ(図示せず)などの入力装置により入力されたか否かを判定する。すなわち、このステップS910では、停車モードでの動作により車両が停車した位置より、「あと○○cm移動したい」あるいは「障害物までギリギリ(例えば10cmの距離まで)に接近させたい」という運転者の意志、すなわち最終駐車完了位置を変更したいという運転者の意志が入力されているかを判定する。
【0157】
具体的には、運転者により、現在の停止位置から運転者が想定する最終駐車完了位置までの移動距離(例えば、50cm)、または、最終駐車完了位置の補正位置として障害物からの離間距離(例えば、5cm)が入力されているかを判定する。
【0158】
なお、上記のように、運転者により移動距離に相当する数値そのものが入力されるもの以外に、これらの距離を予め設定しておき、運転者は「障害物までもっと近づく(すなわち設定移動距離だけ移動)」あるいは、「障害物にギリギリ近づく(すなわち設定離間距離まで移動)」の入力を行ってもよい。
【0159】
ステップS920では、入力された運転者の位置補正制御の意志に対して、車両の目標移動距離を算出する。具体的には、あと○○cm動きたいという移動距離の直接入力の場合は、入力された移動距離を停止位置補正モードにおける目標移動距離とし、障害物までの離間距離が入力される場合は、障害物センサ54による現在の停止位置−障害物間距離xから入力された離間距離を差し引いた距離を、目標移動距離とする。
【0160】
いずれの場合も、このステップS920において、運転者の最終駐車完了位置の補正入力により、停車モードにより停車した現在の位置から、運転者が想定する最終駐車完了位置までの目標移動距離が演算される。
【0161】
次にステップS930で、上記ステップS132と同様の処理を行って車両VLを定速モードで移動させると共に、車輪速度センサ5による回転量検出値より車両VLの実移動距離を算出する。
【0162】
なお、このときの車速は、ステップS132における目標速度よりも小さな値とし、設定された目標移動距離に達するにつれて徐々に小さな値となるよう補正する。
【0163】
ステップS940では、上記実移動距離がステップS920で設定された目標移動距離以上になったか否かを判定し、NOの場合は本ルーチンを終了し、YESの場合はステップS950へ移行する。
【0164】
ステップS950では、運転者の最終駐車完了位置の補正意志が満たされたものとして、上記ステップS134の処理により車両VLを停止させるための制動要求値を設定すると共に、位置補正制御完了フラグをONにして、本ルーチンを終了する。
【0165】
以上の処理の実行により、ステップS125の駐車アシスト制御フローを終了する。
【0166】
図17において、ステップS145で、他の制御ECU、すなわち、渋滞追従ECU81、車間制御ECU82および居眠り防止ECU83からの各制動要求値を、上記ステップS140と同じ処理により制動液圧値に換算する。
【0167】
ステップS155では、第1実施形態におけるステップS150と同様のブレーキ制御調停の処理ステップであり、選択された制動要求値に基づき第1ブレーキ手段としての油圧ブレーキ装置2または第2ブレーキ手段としてのPKB3に対する制御指令値が設定される。
【0168】
ステップS155における処理内容を図21に示すフローにしたがって説明する。ステップS505で、各制御ECUからの制動要求値とステップS125で設定した駐車アシストのための制動要求値とを比較し、最も大きい制動要求値を選択する。
【0169】
ここで選択された制動要求値に基づき、上記第1実施形態で説明した図15および図16に示すフローにしたがって制御が進み、油圧ブレーキ装置2または/およびPKB3の制御指令値が設定される。
【0170】
以下、上記第1実施形態と同様、ステップS160ないしS190の処理が行われ、車両VLの各車輪に制動力が付与され、駐車アシスト制御、または他の制御ECUからの制動要求に基づく制動制御が実行される。
【0171】
なお、上述したように、前後障害物との距離が急激に小さくなる場合には、歩行者等の飛び出しの可能性があるため、車間制御ECU82から急制動(最大制動力)の制動要求が出されるので、ステップS505では、この急制動の制動要求が選択され、ステップS160(またはステップS170)で実際にこの急制動の要求に基づき、車両VLを急停車させることができる。
【0172】
以上のように、本第2実施形態の駐車補助ブレーキ装置では、車両の各輪に制動力を付与する第1ブレーキ手段としての油圧ブレーキ装置2および第2ブレーキ手段としてのPKB3を備える制動力付与手段と、車両のエンジンの出力を制御するエンジン制御手段としてのエンジン制御ECU7と、油圧ブレーキ装置2、PKB3およびエンジン制御ECU7の少なくともいずれか1つを駆動するブレーキ制御ECU1と、車両から障害物までの距離を検出しその距離に応じた制動距離に相当する制動要求値を出力する周辺監視制御ECU8とを備えている。
【0173】
そして、速度リミッタ手段としてのブレーキ制御ECU1が、予め設定された目標速度を道路勾配αおよびブレーキ操作量βまたは自動ブレーキ制御における目標制動力γに基づき補正して目標速度とし、この目標速度以下で車両を走行させるために必要な目標制動力に相当する制動要求値と周辺監視制御ECU8および他の制御ECUである渋滞追従ECU81,車間制御ECU82および居眠り防止ECU83からの各制動要求値との大小比較により、最も大きい制動要求値にしたがって、油圧ブレーキ装置2またはPKB3のいずれかを駆動して車両の各輪に制動力を発生させて、定速モードによる車両走行または停車モードによる制動距離移動後の停車、さらには停止位置補正モードにおける最終停車完了位置補正による車両の走行および停止を実行する。
【0174】
したがって、車両と障害物との距離がどのような場合であっても、すなわち、障害物までの距離が比較的長い場合には、定速モードでの動作によりブレーキ操作量および道路勾配に応じた目標速度で走行させ、障害物との距離が短くなると停車モードでの動作により、車速に応じて決められた制動距離Lの走行中に車両を減速、停止させるよう制動力付与手段に制動力を発生させる。これにより、駐車時などにおいて、障害物との距離や路面勾配などの路面状況に適合し、かつ運転者のブレーキ操作意図に沿って、運転者の運転フィーリングを損なうことなく、車両を走行、減速、および停止させることができる。
【0175】
さらに、停止位置補正モードでの動作により、運転状況や車両周辺の状況に応じて運転者が最終的な停車完了位置を障害物に対して近づける(または遠ざける)よう修正したいと意図した場合に、その運転者の意図どおりに車両を移動および停止させることができる。
【0176】
(他の実施形態)
上記第1および第2実施形態では、第1ブレーキ手段として、図2に示すような油圧ブレーキ装置を用いた例について説明したが、これに限らず、いわゆる電動ブレーキ装置を用いてもよい。この電動ブレーキ装置は、制動力発生のために各輪のブレーキディスクにブレーキキャリパに設けられた摩擦材を押しつける力を、油圧で発生させる代わりに、各輪のブレーキキャリパの移動をそれぞれ直動変換機構を介して電動モータにより行って発生させるものである。この場合には、ブレーキ制御ECU1から電動モータへの駆動信号(第1駆動信号に相当)により、電動モータは目標の制動力に応じたデューティー比で駆動される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の駐車補助ブレーキ装置の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態の第1ブレーキ手段としての油圧ブレーキ装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態の障害物センサの構成を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態の駐車補助ブレーキ装置の動作を示すメインフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態の周辺監視制御ECUが行う周辺監視制御の処理を示すフローチャートである。
【図6】障害物までの距離xと制動距離Lとの関係を示す図である。
【図7】車速と障害物センサの距離計測範囲との関係を示す図である。
【図8】本発明の実施形態の定速モードにおけるエンジンおよびブレーキの制御指令値を設定する手順を示すフローチャートである。
【図9】目標速度の補正値K1と路面勾配αとの関係を示す図である。
【図10】目標速度の補正値K2とブレーキ操作量βとの関係を示す図である。
【図11】目標速度の補正値K3と目標制動力γとの関係を示す図である。
【図12】制動要求値としての目標減速度から制動液圧への換算処理を示すフローチャートである。
【図13】目標減速度と制動液圧との関係を示す図である。
【図14】本発明の第1実施形態のブレーキ制御調停の処理手順を示すフローチャートの一部である。
【図15】本発明の実施形態のブレーキ制御調停の処理手順を示すフローチャートの一部である。
【図16】本発明の実施形態のブレーキ制御調停の処理手順を示すフローチャートの一部である。
【図17】本発明の第2実施形態の駐車補助ブレーキ装置の動作を示すメインフローチャートである。
【図18】第2実施形態における駐車アシスト制御の手順を示すフローチャートである。
【図19】第2実施形態における自動停止制御の手順を示すフローチャートである。
【図20】第2実施形態における最終駐車完了位置の補正制御の手順を示すフローチャートである。
【図21】第2実施形態のブレーキ制御調停の処理手順を示すフローチャートの一部である。
【符号の説明】
1…ブレーキ制御ECU、2…油圧ブレーキ装置(第2ブレーキ手段)、
3…PKB(第2ブレーキ手段)、31R,L…ブレーキワイヤ、
4FR、FL、RR、RL…車輪、5…車輪速度センサ、50…センサ手段、
51…操舵量センサ、52…アクセル操作量センサ、
53…ブレーキ操作量センサ、54…障害物センサ、6…車内LANバス、
7…エンジン制御ECU、70…エンジン、71…自動変速機、
72R,L…車軸、8…周辺監視制御ECU、80…制動要求出力手段、
81…渋滞追従制御ECU、82…車間制御ECU、
83…居眠り防止ECU、9…ランプ・警報装置、
10…M/C、11,21…配管系統、12,22…減圧配管、
13、23…吸引配管、14,24…増圧制御弁、15,25…減圧制御弁、16,26…リザーバ、17,27…ポンプ、18,28…マスタカット弁、
19,29,30…圧力センサ、20…モータ、41…W/C。
Claims (14)
- 車両の各輪に制動力を付与する制動力付与手段と、
前記車両のエンジンの出力を制御するエンジン制御手段と、
前記制動力付与手段およびエンジン制御手段の少なくとも一方を動作して前記車両をあらかじめ設定された目標速度以下で走行させる定速モードで動作する速度リミッタ手段と、
前記車両から障害物までの距離を検出するとともに、該距離に応じた制動要求値を出力する周辺監視手段と、
前記制動要求値に基づき、前記制動力付与手段を制御して制動力を付与して前記車両を停止させる停車モードで動作するブレーキ制御手段と、
を備えることを特徴とする駐車補助ブレーキ装置。 - 前記速度リミッタ手段は、前記制動力付与手段を駆動するために前記ブレーキ制御手段へ制動要求値を出力するとともに、
前記ブレーキ制御手段は、前記速度リミッタ手段からの制動要求値と前記周辺監視手段からの制動要求値とを比較し、大きい方の制動要求値に基づいて前記制動力付与手段を駆動して制動力を発生させることを特徴とする請求項1に記載の駐車補助ブレーキ装置。 - 前記制動力付与手段は、第1駆動信号により第1の制動力を発生するとともに該第1駆動信号の解除により前記第1の制動力が0に変化する第1ブレーキ手段と、第2駆動信号により第2の制動力を発生するとともに該第2駆動信号の解除により前記第2の制動力が維持される第2ブレーキ手段とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の駐車補助ブレーキ装置。
- 前記速度リミッタ手段は、前記制動力付与手段を動作させる場合には、前記第1および第2ブレーキ手段の少なくともいずれか一方を駆動して制動力を発生させることを特徴とする請求項3に記載の駐車補助ブレーキ装置。
- 前記ブレーキ制御手段は、前記制動要求値に基づき前記第1ブレーキ手段による第1の制動力を発生させて車両を停止させ、該車両の停止後には前記第1駆動信号を解除するとともに前記第2駆動信号により前記第2ブレーキ手段に前記第2の制動力を発生させることを特徴とする請求項3に記載の駐車補助ブレーキ装置。
- 前記周辺監視手段は、前記障害物までの距離に応じて、前記停車モードにおける走行停止までに車両が移動すべき目標制動距離を前記制動要求値として算出することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の駐車補助ブレーキ装置。
- 前記周辺監視手段は、前記制動要求値を前記車両の速度または前記車両と障害物との相対速度のいずれかにより補正することを特徴とする請求項6に記載の駐車補助ブレーキ装置。
- 前記周辺監視手段の距離測定範囲は、前記速度リミッタ手段に設定されている目標速度または車両の実際の速度のいずれかに基づき変更されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の駐車補助ブレーキ装置。
- 前記速度リミッタ手段は、前記目標速度を、運転者の運転操作を表わす運転操作量、前記車両の走行路面の路面状態を表わす路面状態量および前記周辺監視手段により検出された前記障害物までの距離の少なくともいずれか1つにより補正することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の駐車補助ブレーキ装置。
- 前記速度リミッタ手段は、前記定速モードでの動作中に前記制動力付与手段が有する前記一方のブレーキ手段に故障が生じた場合に、前記他方のブレーキ手段の駆動に切替えて前記定速モードでの動作を継続することを特徴とする請求項3に記載の駐車補助ブレーキ装置。
- 前記ブレーキ制御手段は、前記停車モード実行中に前記制動力付与手段が有する前記一方のブレーキ手段に故障が生じた場合に、前記他方のブレーキ手段の駆動に切替えて前記停車モードの実行を継続することを特徴とする請求項3に記載の駐車補助ブレーキ装置。
- 前記車両の停止後、前記障害物までの距離が設定された最終駐車完了位置までの距離と等しくなるまで前記車両を移動させる停止位置補正モードで動作する最終駐車完了位置補正手段を更に備えることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載の駐車補助ブレーキ装置。
- 車両の移動量を検出する移動量検出手段を備え、前記最終駐車完了位置補正手段は、前記周辺監視手段による前記車両から障害物までの距離が、前記移動量検出手段による前記車両から最終駐車完了位置までの距離に等しくなるまで、前記エンジン制御手段および制動力付与手段の少なくともいずれか一方を動作して前記車両を移動させることを特徴とする請求項12に記載の駐車補助ブレーキ装置。
- 前記移動量検出手段は、前記周辺監視手段による前記車両から障害物までの距離の検出値に基づき前記車両の移動量を算出して移動量の検出値とすることを特徴とする請求項13に記載の駐車補助ブレーキ装置。
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Legal Events
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