JP2004050655A - 配線基板への絶縁樹脂層の形成方法 - Google Patents

配線基板への絶縁樹脂層の形成方法 Download PDF

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Shinya Nishimoto
西本 晋也
Shuji Maeda
前田 修二
Daisuke Kanetani
金谷 大介
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Abstract

【課題】熱硬化性樹脂フィルムが硬化して形成される絶縁樹脂層中に空隙が発生することを低減できる配線基板への絶縁樹脂層の形成方法を提供する。
【解決手段】積層物5を、減圧雰囲気において対向する熱盤11、11間で加熱すると共に、一方の熱盤11を覆うように配設されている弾性体からなるダイヤフラム16を圧搾空気により膨張させて積層物5を他方の熱盤11に押し付けた状態で加圧して、配線基板2に熱硬化性樹脂フィルム3が硬化した絶縁樹脂層を形成する配線基板への絶縁樹脂層の形成方法において、対向する熱盤11、11がそれぞれ取りつけられている成型盤12、12の少なくとも何れかに振動を与える振動部材を取付けておき、振動部材によって熱盤11、11間において加熱加圧している積層物5に振動を与えることを特徴とする配線基板への絶縁樹脂層の形成方法。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配線基板の表面に絶縁樹脂層と導体回路層を逐次的に形成して多層プリント配線板を製造する際に使用される配線基板への絶縁樹脂層の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器等に用いられるプリント配線板は、近年の電子機器の小型化や高性能化の要請に伴い、プリント配線板の回路の高密度化への要求が高まってきている。そこで、特開平2−260491号公報などで開示されているように、配線基板の表面に絶縁樹脂層及び導体回路層を逐次的に形成する、いわゆるビルドアップ工法によって多層プリント配線板を製造することが行なわれている。このものは、従来は平面状に広がった回路を三次元的に配置し、回路配置の高密度化と基板面積の小面積化を達成しようとするものである。
【0003】
このビルドアップ工法で多層プリント配線板を作製する場合、回路を有する配線基板の表裏両面に硬化性樹脂フィルムを加熱圧着ロールで積層し、さらに硬化性樹脂フィルムを硬化させて、絶縁樹脂層を配線基板に設けるようにする工法が提案されている(特開平5−136575号公報)。この工法では、配線基板の表裏同時に硬化性樹脂フィルムを積層して絶縁樹脂層を形成することができるために、従来の一般的な液状樹脂を塗布する方法に比べて生産性が高く、また表裏両面の絶縁樹脂層の熱履歴が同じであって品質安定性も良好である。
【0004】
また、このように配線基板の表裏に同時に絶縁樹脂層を形成する工法として、配線基板2の表面に熱硬化性樹脂フィルム3を重ねた積層物5を、図5に示す真空成形装置10内で減圧雰囲気において対向する熱盤11、11間で加熱すると共に、一方の熱盤11を覆うように配設されている弾性体からなるダイヤフラム16を圧搾空気により膨張させて積層物5を他方の熱盤11に押し付けた状態で加圧して、配線基板2に熱硬化性樹脂フィルム3が硬化した絶縁樹脂層を形成することが検討されている(例えば特開2001−313465号公報)。このような加圧用のダイヤフラム16を備える真空成形装置10を用いて配線基板2の表面に絶縁樹脂層を形成する場合、熱硬化性樹脂フィルム3の加熱時の流動性が低いと、配線基板2の表面の回路1、1間に熱硬化性樹脂フィルム3の溶融樹脂を良好に充填できず、熱硬化性樹脂フィルム3が硬化して形成される絶縁樹脂層中に空隙(ボイド)が発生することがあり、その改善が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、加圧用のダイヤフラムを備える真空成形装置を用いて配線基板の表面に絶縁樹脂層を形成する場合に、配線基板の表面の回路間に熱硬化性樹脂フィルムの溶融樹脂を良好に充填できずに、熱硬化性樹脂フィルムが硬化して形成される絶縁樹脂層中に空隙が発生することを低減できる配線基板への絶縁樹脂層の形成方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の配線基板への絶縁樹脂層の形成方法は、回路を有する配線基板の表面に、その片面に支持フィルムを貼着している熱硬化性樹脂フィルムを、熱硬化性樹脂フィルム露出面が配線基板の回路形成面と接するように重ねた積層物を、減圧雰囲気において対向する熱盤間で加熱すると共に、一方の熱盤を覆うように配設されている弾性体からなるダイヤフラムを圧搾空気により膨張させて積層物を他方の熱盤に押し付けた状態で加圧して、配線基板に熱硬化性樹脂フィルムが硬化した絶縁樹脂層を形成する配線基板への絶縁樹脂層の形成方法において、対向する熱盤がそれぞれ取付けられている成型盤の少なくとも何れかに振動を与える振動部材を取付けておき、振動部材によって熱盤間において加熱加圧している積層物に振動を与えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明の配線基板への絶縁樹脂層の形成方法は、請求項1記載の配線基板への絶縁樹脂層の形成方法において、振動部材を、両方の成型盤それぞれに取付けていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明の配線基板への絶縁樹脂層の形成方法は、請求項1又は請求項2記載の配線基板への絶縁樹脂層の形成方法において、振動部材がバイブレータ又は超音波発振機であることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明の配線基板への絶縁樹脂層の形成方法は、回路を有する配線基板の表面に、その片面に支持フィルムを貼着している熱硬化性樹脂フィルムを、熱硬化性樹脂フィルム露出面が配線基板の回路形成面と接するように重ねた積層物を、減圧雰囲気において対向する熱盤間で加熱すると共に、一方の熱盤を覆うように配設されている弾性体からなるダイヤフラムを圧搾空気により膨張させて積層物を他方の熱盤に押し付けた状態で加圧して、配線基板に熱硬化性樹脂フィルムが硬化した絶縁樹脂層を形成する配線基板への絶縁樹脂層の形成方法において、圧搾空気の圧力を周期的に変動させることによりダイヤフラムで積層物を加圧する圧力を変動させながら前記加圧を行うことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、請求項1〜請求項3に係る発明に対応する第1の実施の形態を説明する。
【0011】
図1は両面に導体回路1を設けた配線基板2の両面に、その片面に支持フィルム4を貼着している熱硬化性樹脂フィルム3を重ねて得られる積層物5を示す断面図である。また、図2は、第1の実施の形態で使用する真空成形装置10に各材料を配置して加熱・加圧を行う積層工程を説明するための模式的に示した断面図である。図3は、配線基板2の表面に熱硬化性樹脂フィルム3が硬化した絶縁樹脂層8を形成した絶縁樹脂層形成基板Aを示す断面図である。
【0012】
第1の実施の形態の配線基板への絶縁樹脂層の形成方法では、図1に示すように、両面に導体回路1を設けた配線基板2の両面に、片面に支持フィルム4を貼着している熱硬化性樹脂フィルム3を、熱硬化性樹脂フィルム露出面5が配線基板2と接するように重ねて積層物5とする。この積層物5を、図2に示す真空成形装置10の熱盤11、11間において加熱加圧する。導体回路1を設けた配線基板2としては、例えば両面銅張積層板にエッチング加工を施して導体回路1を形成したものを使用することができる。また、その片面に支持フィルム4を貼着している熱硬化性樹脂フィルム3としては、ポリエチレンテレフタレート等の支持フィルム4上に、エポキシ樹脂、硬化剤、溶剤等を含む熱硬化性樹脂組成物の塗膜を形成し、この塗膜を加熱して溶媒を除去し、半硬化状態としたフィルム状の固形物を支持フィルム4上に定着したものが用いられるものであり、例えば市販品では松下電工社製「R−0996」などを使用することができる。この支持フィルム4付き熱硬化性樹脂フィルム3は、製造しようとする多層プリント配線板において導体回路を形成する必要のある範囲に対応する寸法に形成して用いるのが好ましい。
【0013】
図2に示す真空成形装置10において、上下の成型盤12、12は上下に対向配置してあり、それぞれの成形盤12にはヒータ等の発熱体を内蔵する熱盤11が固定されていて、下の成形盤12が上下動する構造としている。そして、下側の成型盤12を囲むように設けてあるパッキン18を介して上下の成形盤12、12を型締めして閉じたときには、成形盤12、12間に密閉された真空引き室14が形成されるようにしてある。また下側の成型盤12には、下側の熱盤11の表面を覆うダイヤフラム16を取付けていて、且つ、このダイヤフラム16と、下側の熱盤11との間に空気を圧入するための圧搾空気注入孔15を形成している。ダイヤフラム16は圧搾空気注入孔15から圧搾空気が供給されると、風船のように膨らませることができるようになっていて、供給される圧搾空気によってダイヤフラム16が接触しているものを加圧する働きができるものであり、クロロプレンゴム、シリコン系ゴム、フッ素系樹脂などのゴム状弾性体のシートを用いて形成している。そして、上側の成形盤12には、上下の成形盤12、12間で形成される真空引き室14に通じる真空引き排気孔13が設けてあり、これを介して真空引き室14内の空気を抜くことによって、真空引き室14内を減圧雰囲気にすることができるようにしてある。さらに、図2に示す真空成形装置10では、上下の成形盤12、12それぞれに振動部材であるバイブレータ17を取付けている。
【0014】
第1の実施の形態の配線基板への絶縁樹脂層の形成方法では、図1に示す積層物5を、真空成形装置10内に配置する際に、各熱盤11、11を所定の加熱温度に昇温しておくことが、生産効率の点から好ましい。そして、所定の加熱温度としては、熱硬化性樹脂フィルム3で配線基板2の導体回路1、1間の間隙を充填するためには70℃以上とすることが好ましい。
【0015】
真空成形装置10内に積層物5を配置した後、下の成形盤12を上昇させて上下の成型盤12、12を型締めし、形成される真空引き室14内の空気を真空引き排気孔13から抜くことによって、真空引き室14内を減圧雰囲気にする。その後、圧搾空気注入孔15を介して圧搾空気をダイアフラム16の下側より供給することによって弾性体からなるダイアフラム16が膨張し、積層物5は上の熱盤11に押付けられ、その状態で加熱されながら加圧される。なお、この段階で下の熱盤11とダイアフラム16とは接近した位置にあるので、加圧がダイアフラム16によって行われると共に、加熱は上下の熱盤11、11によって行われる。この実施形態では、圧搾空気をダイアフラム16の下側より供給すると共に、上下の成形盤12、12それぞれに付設しているバイブレータ17によって積層物5に振動を与える。このように加熱加圧の初期段階から積層物5に振動を与えると、配線基板2の表面の回路1、1間に熱硬化性樹脂フィルム3の溶融樹脂を良好に充填できるようになり、熱硬化性樹脂フィルム3が硬化して形成される絶縁樹脂層中に空隙(ボイド)が発生することが防止される。なお、バイブレータ17によって積層物5に振動を与え始めるタイミングは、圧搾空気をダイアフラム16の下側より供給して、ダイアフラム16を膨張させて、積層物5が上の熱盤11に押付けられて加圧が開始され始めた時点以降とすることが、積層物5を位置ずれなく一体化するためには望ましい。
【0016】
このようにして、積層物5は加熱・加圧されて、熱硬化性樹脂フィルム3で配線基板2の導体回路1、1間の間隙が充填されて配線基板2と熱硬化性樹脂フィルム3が一体化される。加熱・加圧を継続することで、熱硬化性樹脂フィルム3が硬化し、配線基板2の表面に熱硬化性樹脂フィルム3が硬化した絶縁樹脂層8が形成される(図3参照)。加熱・加圧を終えた後、ダイアフラム16への圧搾空気の供給を停止すると共に、真空引き室14内を常圧に戻してから、上下の成型盤12、12を型開きし、配線基板2の表面に熱硬化性樹脂フィルム3が硬化した絶縁樹脂層8が形成されたものを真空成形装置10から取り出す。なお、真空成形装置10から取り出してから、さらに加熱や加圧を施すことも可能である。なお、図3では熱硬化性樹脂フィルム3から支持フィルム4を剥離した状態の絶縁樹脂層形成基板Aを示している。
【0017】
また、第1の実施の形態では、上下の成形盤12、12それぞれに取付けているバイブレータ17によって積層物5に振動を与えるようにしたが、上下の成形盤12、12のどちらかのみにバイブレータ17を取付け、そのバイブレータ17によって積層物5に振動を与えるようにしてもよい。また、硬化性樹脂フィルム3が硬化によって流動性がなくなれば、それ以降は回路1、1間に熱硬化性樹脂フィルム3を充填することは期待出来ないので、熱硬化性樹脂フィルム3の流動性がなくなった以降についてはバイブレータ17を停止するようにしてもよい。
【0018】
さらに、第1の実施の形態の変形例として、図4に示す真空成形装置10を用いることも可能である。図4に示す真空成形装置10では、上下の成形盤12、12それぞれの内部に、振動部材である超音波発振機19を内蔵していて、この真空成形装置10を用いる変形例では、上述した図3に示す真空成形装置10におけるバイブレータ17の代りに超音波発振機19によって積層物5に振動を与えることにより、配線基板2の表面の回路1、1間に熱硬化性樹脂フィルム3の溶融樹脂を良好に充填できるようになり、熱硬化性樹脂フィルム3が硬化して形成される絶縁樹脂層中に空隙(ボイド)が発生することが防止される。なお、超音波発振機19は熱盤11を取付けている上下の成形盤12、12それぞれの略中央部の位置に取付けることが、積層物5に十分な振動を与えるためには好ましい。
【0019】
次に、請求項4に係る発明に対応する第2の実施の形態を説明する。
【0020】
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、図1に示す、両面に導体回路1を設けた配線基板2の両面に、片面に支持フィルム4を貼着している熱硬化性樹脂フィルム3を、熱硬化性樹脂フィルム露出面5が配線基板2と接するように重ねている積層物5を使用する。この積層物5を、図5に示す真空成形装置10の熱盤11、11間において加熱加圧する。配線基板2及び片面に支持フィルム4を貼着している熱硬化性樹脂フィルム3については、第1の実施の形態で説明したものを使用することができる。なお、支持フィルム4付き熱硬化性樹脂フィルム3は、製造しようとする多層プリント配線板において導体回路を形成する必要のある範囲に対応する寸法に形成して用いるのが好ましい。
【0021】
図5に示す真空成形装置10は、第1の実施の形態で説明した図2に示す真空成形装置10と、振動部材であるバイブレータ17を備えていない点で異なるが、それ以外は、同様の構造のものである。
【0022】
第2の実施の形態の配線基板への絶縁樹脂層の形成方法では、図5に示す積層物5を、真空成形装置10内に配置する際に、各熱盤11、11を所定の加熱温度に昇温しておくことが、生産効率の点から好ましい。そして、所定の加熱温度としては、熱硬化性樹脂フィルム3で配線基板2の導体回路1、1間の間隙を充填するためには70℃以上とすることが好ましい。
【0023】
真空成形装置10内に積層物5を配置した後、下の成形盤12を上昇させて上下の成型盤12、12を型締めし、形成される真空引き室14内の空気を真空引き排気孔13から抜くことによって、真空引き室14内を減圧雰囲気にする。その後、圧搾空気注入孔15を介して圧搾空気をダイアフラム16の下側より供給することによって弾性体からなるダイアフラム16が膨張し、積層物5は上の熱盤11に押付けられ、その状態で加熱しながら加圧される。なお、この段階で下の熱盤11とダイアフラム16とは接近した位置にあるので、加圧がダイアフラム16によって行われると共に、加熱は上下の熱盤11、11によって行われる。
【0024】
第2の実施形態では、圧搾空気の圧力を周期的に変動させることによりダイヤフラム16で積層物5を加圧する圧力を変動させながら積層物5に対する加圧を行う。このように加熱加圧の初期段階から積層物5に対して圧力を変動させながら加圧すると、配線基板2の表面の回路1、1間に熱硬化性樹脂フィルム3の溶融樹脂を良好に充填できるようになり、熱硬化性樹脂フィルム3が硬化して形成される絶縁樹脂層中に空隙(ボイド)が発生することが防止される。圧搾空気の圧力を周期的に変動させる圧力条件及び周期については、特に制限はなく、熱硬化性樹脂フィルム3の溶融樹脂の流動特性、硬化時間等によって決定すればよい。なお、硬化性樹脂フィルム3の硬化進行によって流動性がなくなれば、それ以降は回路1、1間に熱硬化性樹脂フィルム3をさらに充填することは期待出来ないので、熱硬化性樹脂フィルム3の流動性がなくなった以降については積層物5に対する加圧は、一定圧力による加圧に移行してもよい。
【0025】
このようにして、積層物5は加熱・加圧されて、熱硬化性樹脂フィルム3で配線基板2の導体回路1、1間の間隙が充填されて配線基板2と熱硬化性樹脂フィルム3が一体化される。加熱・加圧を継続することで、熱硬化性樹脂フィルム3が硬化し、配線基板2の表面に熱硬化性樹脂フィルム3が硬化した絶縁樹脂層8が形成される(図3参照)。加熱・加圧を終えた後、ダイアフラム16への圧搾空気の供給を停止すると共に、真空引き室14内を常圧に戻してから、上下の成型盤12、12を型開きし、配線基板2の表面に熱硬化性樹脂フィルム3が硬化した絶縁樹脂層8が形成されたものを真空成形装置10から取り出す。なお、真空成形装置10から取り出してから、さらに加熱や加圧を施すことも可能である。なお、図3では熱硬化性樹脂フィルム3から支持フィルム4を剥離した状態の絶縁樹脂層形成基板Aを示している。
【0026】
【実施例】
以下本発明を実施例、比較例によって具体的に説明する。
【0027】
(実施例1)
銅箔で回路幅0.15mm、ピッチ0.30mmの試験用格子状回路1を表裏両面に形成した配線基板2(松下電工株式会社製「R−1766T」、厚さ0.8mm、寸法340×510mm、銅箔厚さ0.035mm)を用い、この配線基板2の両面にそれぞれ一方の面に支持フィルム4(ポリエチレンテレフタレート)を貼着している熱硬化性樹脂フィルム3(松下電工株式会社製「R−0996」、厚さ70μm、寸法330×500mm)を重ねて図1に示す積層物5とした。
【0028】
そして、図2に示す概略断面構造を有する真空成形装置10を用い、上記の第1の実施の形態で説明した手順に従って、上下の各熱盤11、11の温度を100℃に設定した状態で、真空時間60秒、加圧保持時間60秒、圧力0.5MPaの条件で、減圧雰囲気下で上下の成形盤12、12それぞれに付設しているバイブレータ17、17によって積層物5に振動を与えながら、加熱加圧成形をした。なお、バイブレータ17によって積層物5に振動を与え始めるタイミングは、圧搾空気をダイアフラム16の下側より供給して、ダイアフラム16を膨張させて、積層物5が上の熱盤11に押付けられて加圧が開始され始めた時点とした。この真空成形装置10を用いて成形した後、真空成形装置10から一体化した積層物5を取り出し、次いで熱硬化性樹脂フィルム3に貼着されている支持フィルム4を剥がし、さらに、支持フィルム4を剥がしたものを170℃で60分間加熱して硬化させることによって、配線基板2に絶縁樹脂層8を形成した絶縁樹脂層形成基板Aを作製した。
【0029】
(実施例2)
実施例1と同様に、銅箔で回路幅0.15mm、ピッチ0.30mmの試験用格子状回路1を表裏両面に形成した配線基板2(松下電工株式会社製「R−1766T」、厚さ0.8mm、寸法340×510mm、銅箔厚さ0.035mm)を用い、この配線基板2の両面にそれぞれ一方の面に支持フィルム4(ポリエチレンテレフタレート)を貼着している熱硬化性樹脂フィルム3(松下電工株式会社製「R−0996」、厚さ70μm、寸法330×500mm)を重ねて図1に示す積層物5とした。
【0030】
そして、図5に示す概略断面構造を有する真空成形装置10を用い、上記の第2の実施の形態で説明した手順に従って、上下の各熱盤11、11の温度を100℃に設定した状態で、真空時間60秒、加圧保持時間60秒、最低圧力0.1MPa、最高圧力1.0MPaの条件で、減圧雰囲気下で積層物5を加圧する圧力を周期的に変動させながら、加熱加圧成形をした。加圧する圧力については、圧搾空気の圧力を0.1MPaから1.0MPa、さらに1.0MPaから0.1MPaへと10秒毎に変動させることによりダイヤフラム16で積層物5を加圧する圧力が周期的に変動するようにした。
【0031】
この成形後、真空成形装置10から一体化した積層物5を取り出し、次いで熱硬化性樹脂フィルム3に貼着されている支持フィルム4を剥がし、さらに、支持フィルム4を剥がしたものを、170℃で60分間加熱して硬化させることによって、配線基板2に絶縁樹脂層8を形成した絶縁樹脂層形成基板Aを作製した。
【0032】
(比較例1)
成形盤12、12それぞれに付設しているバイブレータ17、17を動作させないようにした以外は、実施例1と同様にして絶縁樹脂層8を形成した絶縁樹脂層形成基板Aを作製した。
【0033】
上記の実施例1、実施例2及び比較例1で得た絶縁樹脂層形成基板Aの両面を目視で検査し、配線基板の表面の回路間に熱硬化性樹脂フィルムの溶融樹脂を良好に充填できずに、熱硬化性樹脂フィルムが硬化して形成される絶縁樹脂層中に発生している空隙(ボイド)の個数の合計数を調べた。その結果は、得られた絶縁樹脂層形成基板A1枚当り実施例1では2個、実施例2では3個、比較例1では45個であった。この結果から、本発明の実施例は比較例に比べて熱硬化性樹脂フィルムが硬化して形成される絶縁樹脂層中に発生している空隙(ボイド)の個数が低減していることが確認された。
【0034】
【発明の効果】
請求項1〜請求項3に係る発明の配線基板への絶縁樹脂層の形成方法は、回路を有する配線基板の表面に、その片面に支持フィルムを貼着している熱硬化性樹脂フィルムを、熱硬化性樹脂フィルム露出面が配線基板の回路形成面と接するように重ねた積層物を、減圧雰囲気において対向する熱盤間で加熱すると共に、一方の熱盤を覆うように配設されている弾性体からなるダイヤフラムを圧搾空気により膨張させて積層物を他方の熱盤に押し付けた状態で加圧して、配線基板に熱硬化性樹脂フィルムが硬化した絶縁樹脂層を形成する配線基板への絶縁樹脂層の形成方法において、対向する熱盤がそれぞれ取りつけられている成型盤の少なくとも何れかに振動を与える振動部材を取付けておき、振動部材によって熱盤間において加熱加圧している積層物に振動を与えるようにしているので、請求項1〜請求項3に係る発明の配線基板への絶縁樹脂層の形成方法によれば、配線基板の表面の回路間に熱硬化性樹脂フィルムの溶融樹脂を良好に充填できずに、熱硬化性樹脂フィルムが硬化して形成される絶縁樹脂層中に空隙が発生することを低減できる。
【0035】
請求項4に係る発明の配線基板への絶縁樹脂層の形成方法は、回路を有する配線基板の表面に、その片面に支持フィルムを貼着している熱硬化性樹脂フィルムを、熱硬化性樹脂フィルム露出面が配線基板の回路形成面と接するように重ねた積層物を、減圧雰囲気において対向する熱盤間で加熱すると共に、一方の熱盤を覆うように配設されている弾性体からなるダイヤフラムを圧搾空気により膨張させて積層物を他方の熱盤に押し付けた状態で加圧して、配線基板に熱硬化性樹脂フィルムが硬化した絶縁樹脂層を形成する配線基板への絶縁樹脂層の形成方法において、圧搾空気の圧力を周期的に変動させることによりダイヤフラムで積層物を加圧する圧力を変動させながら前記加圧を行うようにしているので、請求項4に係る発明の配線基板への絶縁樹脂層の形成方法によれば、配線基板の表面の回路間に熱硬化性樹脂フィルムの溶融樹脂を良好に充填できずに、熱硬化性樹脂フィルムが硬化して形成される絶縁樹脂層中に空隙が発生することを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態で使用する積層物の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態で使用する真空成形装置に各材料を配置して加熱・加圧を行う積層工程を説明するための模式的に示した断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態で得られる絶縁樹脂層形成基板を示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態の変形例で使用する真空成形装置に各材料を配置して加熱・加圧を行う積層工程を説明するための模式的に示した断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態で使用する真空成形装置に各材料を配置して加熱・加圧を行う積層工程を説明するための模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
1 配線基板
2 導体回路
3 熱硬化性樹脂フィルム
4 支持フィルム
5 積層物
6 熱硬化性樹脂フィルム露出面
8 絶縁樹脂層
A 絶縁樹脂層形成基板
10 真空成形装置
11 熱盤
12 成形盤
13 真空引き排気孔
14 真空引き室
15 圧搾空気注入孔
16 ダイヤフラム
17 バイブレータ
18 パッキン
19 超音波発信機

Claims (4)

  1. 回路を有する配線基板の表面に、その片面に支持フィルムを貼着している熱硬化性樹脂フィルムを、熱硬化性樹脂フィルム露出面が配線基板の回路形成面と接するように重ねた積層物を、減圧雰囲気において対向する熱盤間で加熱すると共に、一方の熱盤を覆うように配設されている弾性体からなるダイヤフラムを圧搾空気により膨張させて積層物を他方の熱盤に押し付けた状態で加圧して、配線基板に熱硬化性樹脂フィルムが硬化した絶縁樹脂層を形成する配線基板への絶縁樹脂層の形成方法において、対向する熱盤がそれぞれ取付けられている成型盤の少なくとも何れかに振動を与える振動部材を取付けておき、振動部材によって熱盤間において加熱加圧している積層物に振動を与えることを特徴とする配線基板への絶縁樹脂層の形成方法。
  2. 振動部材を、両方の成型盤それぞれに取付けていることを特徴とする請求項1記載の配線基板への絶縁樹脂層の形成方法。
  3. 振動部材がバイブレータ又は超音波発振機であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の配線基板への絶縁樹脂層の形成方法。
  4. 回路を有する配線基板の表面に、その片面に支持フィルムを貼着している熱硬化性樹脂フィルムを、熱硬化性樹脂フィルム露出面が配線基板の回路形成面と接するように重ねた積層物を、減圧雰囲気において対向する熱盤間で加熱すると共に、一方の熱盤を覆うように配設されている弾性体からなるダイヤフラムを圧搾空気により膨張させて積層物を他方の熱盤に押し付けた状態で加圧して、配線基板に熱硬化性樹脂フィルムが硬化した絶縁樹脂層を形成する配線基板への絶縁樹脂層の形成方法において、圧搾空気の圧力を周期的に変動させることによりダイヤフラムで積層物を加圧する圧力を変動させながら前記加圧を行うことを特徴とする配線基板への絶縁樹脂層の形成方法。
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