JP2004049912A - 医療用診断または治療装置における患者の位置決め方法および装置 - Google Patents

Abstract

【課題】患者の位置決めを短時間で極力省力化して実施可能にする。
【解決手段】コンピュータユニット６と少なくとも１つの平面内で移動可能な患者用寝台９とを備え、少なくとも１つの光学的な目標マークを患者１０の身体領域に一致させる医療用診断または治療装置１における患者の位置決め方法において、画面１３，１４上に患者１０を表示するために少なくとも１つの撮像機器４，５が使用され、得られた画像と診断または治療装置の座標系との間の空間的な相関関係が既知であり、診断または治療装置１の座標系と空間的に結合されている少なくとも１つの目標マーク１１，１２が画面１３，１４上において患者１０の画像に重ねられ、患者用寝台９の遠隔制御移動によって、患者１０の予め定められた身体領域が少なくとも１つの目標マーク１１，１２と所望の空間的な相関関係にもたらされる。
【選択図】　　図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータユニットと少なくとも１つの平面内で移動可能な患者用寝台とを備え、少なくとも１つの撮像機器が患者を撮影し、画面上に画像として再生する医療用診断または治療装置における患者の位置決め方法および装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
類似の方法および類似の装置は一般に知られている。一般に、患者はレーザ照準器または光照準器により手動にて、例えばコンピュータ断層撮影（ＣＴ）装置において調整され、ＣＴ台が患者近くで手動にて相応の位置へ制御される。例えば、頭部中央をＣＴ装置のＸ線管の回転中心へ垂直に置くことがこのようにして行なわれる。
【０００３】
相応の装置にて行なわれる上述の進行は、診断装置または治療装置のオペレータコンソールや患者との直接的なオペレータによるその都度の不満足な対話でもって時間的に無駄の多いオペレータ手動操作を必要とする。これは、特に、多数の患者ができるだけ短時間にてかかる診断装置を通過させられるべきである連続検査においては欠点となる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の課題は、患者の位置決め短時間でできるだけ省力化して実施することを可能にする、医療用診断または治療装置における患者の位置決め方法および装置を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
方法に関する課題は、本発明によれば、コンピュータユニットと少なくとも１つの平面内で移動可能な患者用寝台とを備え、少なくとも１つの光学的な目標マークを患者の身体領域に一致させる医療用診断または治療装置における患者の位置決め方法において、画面上に患者を表示するために少なくとも１つの撮像機器が使用され、得られた画像と診断または治療装置の座標系との間の空間的な相関関係が既知であり、診断または治療装置の座標系に空間的に結合されている少なくとも１つの目標マークが画面上において患者の画像に重ねられ、患者用寝台の遠隔制御移動によって、患者の予め定められた身体領域が少なくとも１つの目標マークと所望の空間的な相関関係にもたらされることによって解決される。
【０００６】
装置に関する課題は、本発明によれば、コンピュータユニットと少なくとも１つの平面内で移動可能な患者用寝台とを備え、患者の定められた身体領域と一致させられる少なくとも１つの目標マークが設けられている医療用診断または治療装置における患者の位置決め装置において、少なくとも１つの撮像機器と、患者画像の再生のための画面と、医療用診断または治療装置の座標系と空間的に結合されている少なくとも１つの目標マークを画面上で患者画像に重ねるための手段とを設け、患者用寝台の移動によって、患者の予め定められた身体領域が少なくとも１つの目標マークと所望の空間的な相関関係にもたらされることによって解決される。
【０００７】
本発明の特別な実施態様は従属請求項に記載されている。
【０００８】
本発明者は、診断または治療装置に対して空間的な相関関係を有する患者画像が表示されると、画面上でのみ認識できる目標マークを、患者用寝台の遠隔制御移動によって患者の所望の身体領域と一致させることが可能となり、オペレータとの間の対話や手動操作をほとんど無くすことができることに気付いた。
【０００９】
この場合、従来では普通であったようにこの目標マークを実際に患者の上に投影することの必要性なしに、画面上で目標マークが患者画像と重ねられる。この目標マークは診断装置または治療装置の座標系に対して空間的な相関関係にあり、仮想的に画面上に表示される。予め定められた身体領域の位置がこの目標マークとともに互いに所望の状態に持ち込まれるまで、患者を移動させることができる。
【００１０】
この基本思想にしたがって、本発明者は、コンピュータユニットと少なくとも１つの平面内で移動可能な患者用寝台とを備え、少なくとも１つの光学的な目標マークを患者の身体領域に一致させるようにした医療用診断または治療装置における公知の位置決め方法を改善すること提案する。本発明によれば、改善点は、画面上に患者を表示するために少なくとも１つの撮像機器が使用され、得られた画像と診断または治療装置の座標系との間の空間的な相関関係が既知であり、診断または治療装置の座標系に空間的に結合されている少なくとも１つの目標マークが画面上において患者画像と重ねられ、患者用寝台の遠隔制御移動によって、患者の予め定められた身体領域が少なくとも１つの目標マークと所望の空間的な相関関係にもたらされることにある。
【００１１】
このような目標マークは、例えば簡単な十字マークであってもよいし、診断または治療装置の実際の走査範囲の表示であってもよい。
【００１２】
例えばコンピュータ断層撮影装置の回転軸線の方向に患者を観察する場合、目標マークはコンピュータ断層撮影装置の回転中心であるとよい。
【００１３】
本方法の更なる改善は、患者を一平面に位置決めすることだけを可能にする撮像機器の代わりに、互いに独立し互いに直交する撮影軸線を有する少なくとも２つの撮像機器を使用することにある。この場合には、患者を３次元空間において上述の方法にしたがって所望の位置へ運び込むことができる。
【００１４】
患者の移動または患者用寝台の移動は遠隔制御によって、特に診断または治療装置のオペレータコンソールにおけるジョイスティックまたは方向キーに連動させて行なうことができる。
【００１５】
代替として、もちろん、患者を所望の位置へ移動するのに、画面上の表示と結合しているマウスやトラックボールの動きを使用することもできる。
【００１６】
多数の撮像機器またはカメラを使用する場合、異なる目標マークを使用すると好ましい。撮影方向が例えばＣＴ装置の回転軸線方向に向けられた撮像機器のために目標マークとして回転軸線を表示するための十字マークが使用され、一方患者を上方から撮影する撮像機器のためには目標マークとしてコンピュータ断層撮影装置の目下設定されている走査範囲を使用してもよい。同様に、ここでも、既にＣＴ撮影に先立って個々の断層の位置を表示することを可能にし且つ場合によっては患者位置の修正を行なうことを可能にするために、ＣＴ断層面を表示することができる。
【００１７】
さらに、本発明によれば、入力手段（とくにマウスまたはジョイスティック）によって画面上で目標マークのほかに、目標マークの所望の最終位置を患者画像上にしるし付けし、次に自動制御により目標マークと目標マークの所望の最終位置との間の一致が達成されるまで患者用寝台を移動させる。
【００１８】
上述の本発明による方法に加えて、本発明者は、少なくとも１つの平面内で移動可能な患者用寝台を備え、患者の定められた身体領域に一致させられる少なくとも１つの目標マークが設けられている医療用診断または治療装置における患者の位置決め装置の改善、とりわけ上述の方法を実施するための装置の改善も提案する。本発明の改善は、少なくとも１つの画像撮影装置と、患者画像の再生のための画面と、医療用診断または治療装置の座標系と空間的に結合されている少なくとも１つの目標マークを画面上の患者画像に重ねるための手段とを備え、患者用寝台の移動によって、患者の予め設定された身体領域が少なくとも１つの目標マークと所望の空間的な相関関係にもたらされる点にある。
【００１９】
目標マークは、例えばとくにコンピュータ断層撮影装置の回転中心に一致する十字マークであってよい。しかし、代替として、設定された走査範囲の境界線であってもよいし、あるいは走査される断層面に対するマークであってもよい。
【００２０】
患者の３次元位置決めを行なおうとするならば、少なくとも２つの撮像機器が必要であり、それらの撮影軸線は互いに独立して、とりわけ互いに直交して配置されなければならない。
【００２１】
この場合に、患者用寝台の移動平面ごとに、この移動平面に垂直に配置された撮影軸線を有する１つの撮像機器が設けられるとよい。さらに、少なくとも１つの撮像機器は、３Ｄスキャナー、とりわけレーザスキャナーまたは３Ｄ−ＣＭＯＳセンサーを備えた３Ｄスキャナーであるとよい。
【００２２】
空間的な検出に応じて、画面に表示された患者画像も立体的表示を再生し、この立体的表示は場合によってはオペレータの適当な３Ｄ眼鏡を用いて観察さればければならない。
【００２３】
さらに、他の有利な実施態様において、本発明による装置において、とくにマウスやジョイスティックの如き入力手段によって画面上で目標マークのほかに目標マークの所望の最終位置を患者画像にしるし付けするための手段が設けられている。さらに、目標マークと目標マークの所望の最終位置との間の一致が達成されるまで患者用寝台を自動的に移動する自動制御手段が設けられるべきである。本発明による装置のこの構成によって、目標マークの所望の最終位置を入力するだけの最小限の操作でもって、コンピュータユニットが実際に存在する目標マークと目標マークの所望の最終位置との間の相関関係を計算し、患者用寝台が同様にこれらの両マークを一致させるように移動されることによって、患者の自動的な位置決めを行うことが可能になる。もちろん、１つの平面においてだけでなく、この操作が機械的に互いに独立な軸線を撮影軸線として有する撮像機器により検出される患者の２画像表示上で行なわれることによって、３次元でも行なうことができる。
【００２４】
なお、上述の機能手段は、患者用寝台の制御を含めて診断または治療装置のコンピュータユニットの動作様式を保証する主としてプログラムまたはプログラムモジュールである。
【００２５】
【発明の実施の形態】
本発明の付加的な特徴および利点は、図面に基づいて行われる優れた実施例の以下の説明から明らかになる。
【００２６】
唯一の図１は本発明によるコンピュータ断層撮影システムの概略図を示し、このシステムは断面図で示されているコンピュータ断層撮影装置（ＣＴ装置）１を備えている。ＣＴ装置１において、回転可能なガントリにはＸ線源３とこれと向かい合っている検出器２があり、検出器２はガントリとともに回転軸線を中心に回転可能に支持されている。ガントリの内側範囲には寝台９がその上に寝ている患者１０と共に概略的に示されている。さらに、断面図には２つのビデオカメラ４，５が示されている。第１のビデオカメラ４は、それの撮影軸線がガントリの回転軸線に対して同軸に配置され、したがって患者を頭の方から撮影する。さらに、第２のビデオカメラ５は、その撮影軸線がガントリの回転軸線に直角になるように患者の横に配置されている。
【００２７】
両ビデオカメラ４，５の撮像は画像表示装置１３，１４に表示されている。画像表示装置１３はガントリ内の患者の撮像を表示し、その場合に、本発明にしたがって、十字マークの形の目標マーク１１がガントリ内にいる患者１０の画像に重ねられている。目標マーク１１はガントリの実際の回転中心を示し、この時点では患者が回転中心の下側に位置していることを明確に示している。キーボードブロック７のキー７．１〜７．４により、患者が図示された平面において図示の十字マークに対して正しい位置を有するようになるまで、オペレータによる遠隔制御で患者用寝台が移動される。
【００２８】
画像表示装置１４にはカメラ５の位置から横方向に撮像された患者１０が表示され、ここでもキーボードブロック８のキー８．１，８．２によって、患者用寝台９の移動およびそれにともなう患者１０の移動が可能にされる。十字マークの形で示されている目標マーク１２に対して、患者はまだ最終の正しい位置にいない。患者用寝台の制御装置のキー８．１，８．２の操作によって、患者はオペレータにより所望の位置へ運ばれる。
【００２９】
キー操作による患者用寝台つまり患者の手動的な移動に対する代替として、
画面自体の上において最終的に目標マーク１１，１２に一致すべき患者部位１１’，１２’にしるし付けし、コンピュータ断層撮影装置１のコンピュータユニット６によって、目標マークの位置の認識、目標マークの所望の最終位置の入力およびこのために必要な翻訳条件に基づいて、十字マーク１１もしくは１２の中心とオペレータによって設定された目標点１１’もしくは１２’との間の一致が達成されるまで患者用寝台を自動的に移動させるようにすることもできる。
【００３０】
したがって、本発明によれば、説明された方法もしくは説明された装置により、患者自体に光マークまたはその他のマークを付けることの必要性なしに、患者を簡単に所望位置に位置決めすることが可能であることは明白である。
【００３１】
さらに、本発明による方法は、Ｘ線コンピュータ断層撮影装置のみならず、本発明の枠を逸脱することなく、磁気共鳴断層撮影装置、血管造影装置、超音波治療装置あるいは放射線治療装置に適用できることはもちろんのことである。したがって、このような位置決め装置を上記装置に接続することができる。
【００３２】
以上述べた本発明の特徴はその都度示した組み合わせのみならず、本発明の枠を越えることなく他の組み合わせまたは単独配置にも適用可能であることは自明のことである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるコンピュータ断層撮影装置の概略図
【符号の説明】
１　　　　　　コンピュータ断層撮影装置
２　　　　　　検出器
３　　　　　　Ｘ線源
４　　　　　　第１のビデオカメラ
５　　　　　　第２のビデオカメラ
６　　　　　　コンピュータユニット
７　　　　　　キーボードブロック
７．１〜７．４　患者用寝台のための方向キー
８　　　　　　キーボードブロック
８．１，８．２　患者用寝台のための方向キー
９　　　　　　患者用寝台
１０　　　　　　患者
１１　　　　　　第１の目標マーク
１１’　　　　　患者部位、目標点
１２　　　　　　第２の目標マーク
１２’　　　　　患者部位、目標点
１３　　　　　　ビデオカメラ４の画像表示
１４　　　　　　ビデオカメラ５の画像表示

Claims (18)

1. コンピュータユニット（６）と少なくとも１つの平面内で移動可能な患者用寝台（９）とを備え、少なくとも１つの光学的な目標マーク（１１，１２）を患者（１０）の身体領域に一致させる医療用診断または治療装置（１）における患者の位置決め方法において、
   画面（１３，１４）上に患者（１０）を表示するために少なくとも１つの撮像機器（４，５）が使用され、得られた画像と診断または治療装置の座標系との間の空間的な相関関係が既知であり、診断または治療装置（１）の座標系に空間的に結合されている少なくとも１つの目標マーク（１１，１２）が画面（１３，１４）上において患者（１０）の画像に重ねられ、患者用寝台（９）の遠隔制御移動によって、患者（１０）の予め定められた身体領域が少なくとも１つの目標マーク（１１，１２）と所望の空間的な相関関係にもたらされることを特徴とする医療用診断または治療装置における患者の位置決め方法。
2. 目標マークとして、医療用診断または治療装置の走査範囲の表示を使用することを特徴とする請求項１記載の方法。
3. 目標マークとして、十字マーク（１１，１２）を使用することを特徴とする請求項１又は２記載の方法。
4. 目標マークとして、コンピュータ断層撮影装置の回転中心（１１）を表示することを特徴とする請求項１乃至３の１つに記載の方法。
5. 互いに独立し互いに直交する撮影軸線を有する少なくとも２つの撮像機器（４，５）を使用することを特徴とする請求項１乃至４の１つに記載の方法。
6. 患者用寝台（９）の移動方向ごとに、その移動平面に垂直に配置された撮影軸線を有する１つの撮像機器（４，５）を使用することを特徴とする請求項５記載の方法。
7. 患者用寝台（９）の移動のために、ジョイスティックまたは方向キー（７．１〜７．４，８．１，８．２）に連動させた遠隔制御を使用することを特徴とする請求項１乃至６の１つに記載の方法。
8. オペレータによる被検査身体領域の選択後、この身体領域の位置決めに有効な目標および／または範囲マーク（１１’，１２’）を挿入することを特徴とする請求項１乃至７の１つに記載の方法。
9. 各撮像機器（４，５）に異なる目標マークを割当てることを特徴とする請求項１乃至８記載の方法。
10. 入力手段によって画面上で目標マークのほかに目標マークの所望の最終位置（１１’，１２’）を患者画像上にしるし付けし、自動制御により目標マークと目標マークの所望の最終位置との間の一致が達成されるまで患者用寝台を移動させることを特徴とする請求項１乃至９の１つに記載の方法。
11. コンピュータユニット（６）と少なくとも１つの平面内で移動可能な患者用寝台（９）とを備え、患者（１０）の定められた身体領域に一致させられる少なくとも１つの目標マーク（１１，１２）が設けられている医療用診断または治療装置における患者の位置決め装置において、
    少なくとも１つの撮像機器（４，５）と、患者画像の再生のための画面（１３，１４）と、医療用診断または治療装置の座標系に空間的に結合されている少なくとも１つの目標マークを画面上で患者画像に重ねるための手段とを設け、患者用寝台の移動によって、患者の予め定められた身体領域が少なくとも１つの目標マークと所望の空間的な相関関係にもたらされることを特徴とする医療用診断または治療装置における患者の位置決め装置。
12. 目標マークはコンピュータ断層撮影装置の回転中心に一致する十字マーク（１１，１２）であることを特徴とする請求項１１記載の装置。
13. 互いに独立し互いに直交する撮影軸線を有する少なくとも２つの撮像機器（４，５）を設けたこと特徴とする請求項１１至１２の１つに記載の装置。
14. 患者用寝台（２）の移動平面ごとに、その移動平面に対して垂直に配置されている撮影軸線を有する１つの撮像機器（４，５）を設けたことを特徴とする請求項１３記載の装置。
15. 少なくとも１つの撮像機器は３Ｄスキャナーであることを特徴とする請求項１１乃至１４の１つに記載の装置。
16. 画面に表示された患者画像の立体的表示がオペレータの３Ｄ眼鏡を用いて可能であることを特徴とする請求項１６記載の装置。
17. 入力手段によって画面上で目標マークのほかに目標マークの所望の最終位置（１１’，１２’）を患者画像にしるし付けするための手段と、目標マークと目標マークの所望の最終位置との間の一致が達成されるまで患者用寝台（９）を自動的に移動する患者用寝台（９）の自動制御手段とを設けたことを特徴とする請求項１１乃至１６の１つに記載の装置。
18. 前記手段はプログラムまたはプログラムモジュールであることを特徴とする請求項１１乃至１７の１つに記載の装置。

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