JP2004048019A - 内燃機関用点火装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】センタコア7、低圧側コア18あるいは高圧側コア9を、1次ボビン1、2次ボビン3あるいはケース5などの弾性材からなる構成部材に内包する、または、高圧側コア9を2次ボビン3に形成したポケット部3aに収納する、あるいは、低圧側コア18を弾性部材12で被覆するなどの構成とすることによって、絶縁用エポキシ樹脂6から隔離した内燃機関用点火装置。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関用点火装置に係り、特に、プラグホール内に収納される円筒形の点火装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の点火装置は、特開平2−92913号公報に開示されているように、円筒形のケース内部に開磁路コアを収容し、該コアの外に1次コイルと2次コイルを嵌合して、前記ケース内に絶縁用樹脂を注型し硬化させると共に、該ケース内の筒壁中にサイドコアを内蔵する開磁路形の点火装置であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術では、コアの周囲が直接充填絶縁材に接触しており、コアと充填絶縁材との熱膨張係数の差が大きいため、熱衝撃などにより充填絶縁材の内部においてクラックが発生し、あるいは、充填絶縁材とコアなどの構成部材との間に剥離が発生し、その発生部分で絶縁破壊が起きるという問題があった。
【0004】
従って本発明は、内部クラックや絶縁材と構成部材間の剥離を防止し、絶縁耐久性に優れた信頼性の高い内燃機関用点火装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する内燃機関用点火装置は、1次コイルと該1次コイルに電気絶縁層を介して巻層された2次コイルとからなる円筒形のコイル層と、
該コイル層の筒内に配置され軸方向に延長されたセンタコアと、該センタコアの両端にあって2次コイル低圧側及び高圧側に分けて半径方向に延長されてそれぞれ配置された低圧側コア及び高圧側コアとから構成され、磁気的に結合された内側閉磁路を形成する内部コアと、
前記コイル層と前記内部コアとの間を電気的に絶縁する充填絶縁材と、
前記内部コアを前記充填絶縁材から隔離するように当該内部コアを内包する弾性材から成る構成部材と、
前記充填絶縁材が充填され、当該充填絶縁材で固定される前記内部コアと前記構成部材と前記コイル層とを収容するケースと、
軸方向に延長し円周方向に拡がることの可能な切れ目を有し、前記ケースの外周に配置されて外側閉磁路を形成する円筒形の外部コアとを含むものである。
【0006】
さらに、前記構成部材は、前記1次コイル用の1次ボビンと兼用され、該1次ボビンは、前記センタコア及び前記低圧側コアを内包し、前記1次ボビンに内包された前記低圧側コアは、当該低圧側コアの上方を弾性部材で軸方向上方から被覆され、前記充填絶縁材から隔離されるものであっても良い。
【0007】
換言すれば、充填絶縁材が、コアと直接に接することがないように、コアの周囲を1次ボビン、2次ボビンあるいはケースなどの構成部材で内包し、充填絶縁材から隔離する構造とする。またさらに、1次ボビン、2次ボビンあるいはケース等の構成部材で内包し難い部分は、コアと充填絶縁材の間に熱応力を吸収する弾性部材で被覆し隔離する構造とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照し説明する。
【0009】
図1は、本発明による一実施例の内燃機関用点火装置の構成を示す断面図である。1次ボビン1は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリフェニレンサルファイド(PPS)等の弾性材としての熱可塑性合成樹脂で成形され、該1次ボビン1には1次コイル2が巻層されている。また、変性ポリフェニレンオキサイド(変性PPO)等の弾性材としての熱可塑性合成樹脂で成形された2次ボビン3には、2次コイル4が巻層されている。そして、少なくとも1次コイル2と2次コイル4とから、円筒形のコイル層が構成される。すなわち、ボビンの無い構造のコイル層の場合は、単に1次コイルに電気絶縁層を介して2次コイルが巻層されるものである。
なお、具体的に記載すれば、1次コイル2は、線径0.3〜1.0mm程度のエナメル線を一層あたり数十回ずつ、数層にわたり合計100〜300回程度巻かれている。2次コイル4は、線径0.03〜0.1mm程度のエナメル線を用いて、計5000〜20000回程度分割して巻かれている。
【0010】
一方、ケース5は、1次ボビン1と同じような弾性材としての熱可塑性合成樹脂で成形されており、ケース5とコネクタ部24が一体成形されている。
【0011】
そして、本実施例のような円筒形の点火装置の場合、軸方向の寸法が長くなるため成形上、1°以下のテーパが必要となる。そのため、ケース5の内側にあるコイル収容部にのみ抜きテーパが設けられている。内部コアの主たるコアを形成するセンタコア7は、珪素鋼板をプレス積層して形成されたものであり、弾性材から成る構成部材としての1次ボビン1の内側に配置される。外部コアとしてのサイドコア8は、2次コイル4の外側にあるケース5の外周に配置され、薄い珪素鋼板を円筒状に丸めて成るものである。
【0012】
そしてサイドコア8は、軸方向に延長し円周方向に拡がる切れ目8aを有するが、これについては後述する。本実施例のサイドコア8は、板厚0.3〜0.7mmの珪素鋼板一枚で構成される。しかし、二枚以上重ねうず電流損を減らすと共に、サイドコア8の断面積を増やして出力を向上することも可能である。
【0013】
主たる内側閉磁路を形成するセンタコア7と外側閉磁路を形成するサイドコア8とを磁気的に結合して閉磁路を完成するために、センタコア7の両端にあって半径方向に延長した、2次コイル4の低圧側にある低圧側コア18と、2次コイル4の高圧側にある高圧側コア9とをそれぞれ分けて配置する。尚、センタコア7と高圧側コア9と低圧側コア18とから構成された内部コアが、内側閉磁路を形成している。
【0014】
本実施例では、センタコア7と低圧側コア18は、一体にT字形にプレスされ1次ボビン1の内側に収容されている。そして、低圧側コア18の上部は、可撓性エポキシ樹脂やゴム材などから成る弾性部材12で被覆する。これによって、充填絶縁材としての絶縁用エポキシ樹脂6と、センタコア7及び低圧側コア18とは隔離されている。なお、上記のようにT字形コアに一体に形成することは、磁気エネルギの損失(磁気損)を少なくする、低圧側コア18と1次ボビン1との組立作業性を良くする、または、コア金型費用を軽減することに結び付くものである。
【0015】
高圧側コア9は、弾性材から成る構成部材としての2次ボビン3に設けられたポケット部3aに収納され、絶縁用エポキシ樹脂6と隔離されている。なお、高圧側コア9を収納するポケット部3aは、2次ボビン3にだけでなく、1次ボビン1やケース5に設けることも可能である。即ち、ポケット部3aは、1次ボビン1,2次ボビン3またはケース5のいずれとも一体成形することができる。さらに、ポケット部3aのみ別部品として、ケース5に圧入するあるいは接着固定することもできる。
【0016】
閉磁路コアの一部にはコアギャップがあり、このコアギャップに、1次コイル2により形成された磁束と反対方向の磁束を磁路中に発生させるマグネット10が嵌め込まれている。マグネット10は、磁路中に反対方向の磁束を発生させることにより、珪素鋼板コアの磁化曲線の飽和点以下で動作させるようにしたものである。例えば、保持力5kOe以上のマグネットを使用すれば、熱による減磁が少ないため、樹脂ケースとの一体成形も可能となる。
これらのコイル部構成部品は、ケース5の中に圧入され、Tg点が115℃〜135℃で、かつ熱膨張係数が、 Tg点以下の温度範囲に於ける平均値として 10〜50×10−6/℃の銅ヒートシンクに近い値、例えば、25×10−6/℃程度の絶縁用エポキシ樹脂6からなる絶縁層で高電圧から絶縁される。2次コイル4で発生した高電圧は、点火装置の長さを少しでも低減するように、長手方向に対し、垂直方向に配置された過早着火防止用の高圧ダイオード17,高圧端子13,スプリング14を介して点火プラグに供給される。点火プラグが挿入される部分は、シリコンゴム等のゴムブーツ15で絶縁する。シリンダヘッドカバーと接する部分にはシール用のシールゴム16が設けられている。
【0017】
コイル上部にあってケース5に収容されるイグナイタユニット20は、点火のための高電圧を発生する電気回路である。そして、箱型にプレス成形された銅またはアルミ製の金属製ベース26内に、パワートランジスタチップ21とハイブリッドIC回路28とが内蔵されており、シリコンゲル29が充填されている。そして、イグナイタユニット20は、ケース5に設けてあるイグナイタユニット20の位置決め突起53,52(図1には図示されていない)で位置決めされる。また、金属製ベース26には、イグナイタ側端子22がポリブチレンテレフタレートなどの熱可塑性合成樹脂で、一体成形されている端子台27がシリコン接着剤で接着されている。イグナイタ側端子22は、1次コイル端子23やコネクタ側端子25と溶接で電気的に接続される。
【0018】
次に、図2の主要部品展開図を用い、本発明の構造について詳しく説明する。
図2は、図1の実施例の主要構成部品の展開図である。
センタコア7は、低圧側コア18と一体にプレス加工され且つ積層され、本発明による一実施例のT字形コアとして形成される。マグネット10が取付けられた後の、センタコア7及び低圧側コア18から成るT字形コアは、1次ボビン1の内側に収容される。換言すれば、一方の内部コアとしてのT字形コアは1次ボビン1に内包されることになる。また、本実施例のような円筒形コイルの場合、1次ボビン1の軸方向上方から低圧側コア18を組み付け易くするために、1次ボビン1には、T字形コアが固定され収容されるためのT字形ポケット部1aが形成されている。したがって、弾性材からなる1次ボビン1が、センタコア7及び低圧側コア18から成る一方の内部コアを充填絶縁材6から隔離するよう、当該内部コアを内包する弾性材から成る構成部材として兼用されることになる。
【0019】
なおこの場合、低圧側コア18が収容された部位の低圧側コア及びサイドコア間の閉磁路ギャップは、ケース5と1次ボビン1の肉厚の分と磁気損とを考慮すれば、1.0mm〜2.5mmの範囲に限定されることになる。そして、低圧側コア18の上部に、熱応力吸収用の可撓性エポキシ樹脂などから成る弾性部材 12を注型するために設けられた、T字形ポケット部1aのT部高さHpは、低圧側コア18のT部高さHcよりも、高くなるように構成されている。
ところで、T字形コアには、いろいろな実施例がある。図3に示す実施例は、センタコア7と低圧側コア18とは、別々に珪素鋼板のプレス幅を変えて多角形形状にプレス積層したブロックを組合せる実施例である。また、図4のように珪素鋼板のプレス工程において幅を順次増減させて積層し円筒形状に近づけ断面積を増やすようにする実施例もある。図3や図4とは別に、センタコア7と低圧側コア18を一体にプレス幅を順次増減させて積層して、図5に示すようにT字形コアを形成することもできる。
【0020】
図2に戻って、図にすように、一方の内部コアを内包した一方の構成部材としての1次ボビン1は、圧入部1cを介して2次ボビン3に圧入される。他方の構成部材としての2次ボビン3は、半径方向から挿入される他方の内部コアとしての高圧側コア9を収納するポケット部3aを有し、該ポケット部3aに高圧側コア9を内包した後に、圧入部3cを介してケース5に圧入固定される。
また、この場合の高圧側コア9とサイドコア8との間の閉磁路ギャップは、ケース5の肉厚と2次ボビン3の肉厚の分と磁気損とを考慮すれば、1.0mm〜2.5mmの範囲に限定されることになる。
そして、1次ボビン1及び2次ボビン3と、2次ボビン3及びケース5の圧入嵌合構造によって、高圧側コア9も絶縁用エポキシ樹脂6から隔離されている。
【0021】
以上のように、弾性材から成る構成部材としての1次ボビン1及び2次ボビン3によって内包された、センタコア7,低圧側コア18及び高圧側コア9からなる内部コアが、充填絶縁材としての絶縁用エポキシ樹脂6とは隔離されているので、内部コアと充填絶縁材との熱膨張係数の差によって発生する熱応力や熱衝撃などが、弾性材から成る構成部材としての1次ボビン1及び2次ボビン3によって吸収され、該熱応力等に起因する絶縁用エポキシ樹脂6のクラックや、絶縁用エポキシ樹脂と他の部材との剥離などが防止される。
【0022】
一方、ケース5の外側に配置されて外側閉磁路を形成する、外部コアとしての円筒形のサイドコア8は、軸方向に延長し円周方向に拡がることの可能な切れ目8aを有する。この切れ目8aが円周方向に拡がることによって、内部コアや充填絶縁材などの熱膨張による半径方向の変形や歪みの逃げ場ができる。換言すれば、切れ目8aがないと筒で押さえ付けられた上記変形等は軸方向に逃げることになり、軸方向の熱応力等が増える。したがって、切れ目8aを有することによって、軸方向の熱応力の増加が回避され、該熱応力に起因する絶縁用エポキシ樹脂6のクラックや絶縁用エポキシ樹脂6と他の部材との剥離などが防止されることになる。
【0023】
またさらに、図2に示す主要構成部品であるセンタコア7,低圧側コア18,1次ボビン1,2次ボビン3を、ケース5に組付け後、1次ボビン1のT字形ポケット部1aの隙間、すなわち、前述した(Hp−Hc)の寸法差に、主に軸方向の熱応力吸収のための弾性部材12を注型して、当該低圧側コア18の上方を該弾性部材で軸方向から被覆し、充填絶縁材としての絶縁用エポキシ樹脂6から低圧側コア18またはセンタコア7を隔離するものである。
この弾性部材12によって、内部コアと充填絶縁材との熱膨張係数の差によって発生する軸方向の熱応力(前述のように増加傾向にある軸方向の熱応力)が主に吸収され、前述のクラックや剥離防止の効果をさらに高めることができる。
【0024】
以上を纏めれば、次のようになる。即ち、充填絶縁材が、コアと直接に接することがないように、センタコア、高圧側コアなどのコアの周囲を、1次ボビン、2次ボビンあるいはケース等の構成部材で内包し、充填絶縁材から隔離する構造とすることにより、内部クラックや充填絶縁材と構成部材間の剥離などの発生が防止できる。
また、円筒形コイルの場合、組立作業性を考慮すると、軸方向上方から構成部品を組み付けるようになるので、低圧側コアは1次ボビンの軸方向上方から1次ボビン内に収容される。しかし、低圧側コアの上部は、円筒形コイルの組立作業性の関係から、1次ボビン等の構成部材で該低圧側コアをカバーできないため、熱応力吸収用の弾性部材を低圧側コアと充填絶縁材との間に入れるものである。
【0025】
すなわち、1次ボビン、2次ボビンあるいはケース等の構成部材で内包し難い部分は、コアと充填絶縁材の間に熱応力を吸収する弾性部材で被覆し隔離する構造とすることによって、内部クラックや充填絶縁材と構成部材との剥離などの発生が防止できる。以上の結果、耐熱衝撃性、絶縁性などに優れた信頼性の高い円筒形点火装置が提供される。
【0026】
図6は、本発明による一実施例のイグナイタユニットの配置図である。
図6に示すようにイグナイタユニット20をケース5に設けられている位置決め突起52,53で横方向の位置を固定し、縦方向はケース5に載せることで位置決めする。該位置決め突起52,53は、ケース5の上方からの組立作業性を容易とするように、ケース5の上部端面まで該突起が延長しているものである。コネクタ側端子25aは、1次コイル端子23bと接続され、その他のコネクタ側端子25b,25cは、それぞれイグナイタ側端子22c,22bに接続される。更に、イグナイタ側端子22aと1次コイル端子23aが接続される。1次コイル端子23a,23bは、1次ボビン1から接続する関係上、イグナイタユニット20の両サイドに配置される。
【0027】
次に、図7は、図6の接続構造を示す部分鳥瞰図であり、図を参照して、1次コイルとの接続方法を詳しく説明する。1次ボビン1に、1次コイル端子23aを固定する1次コイル端子圧入ポケット部1bが設けられており、該ポケット部1bに1次コイル端子23aが圧入固定されている。1次コイル端子23aの1次コイル巻きつけ部23a1は、1次ボビン1から半径方向(垂直方向)にL字形に曲げられており、1次コイル2の端末が巻きつけ易いように構成されている。また、イグナイタ側端子22aと溶接される側には、溶接時の応力を緩和・吸収し、1次コイル巻きつけ部23a1に応力が伝わるのを防止する目的で、一部分に湾曲部23a2を設けている。イグナイタ側端子22a,22b,22cおよびコネクタ側端子25a,25b,25cはL字形に加工されている。
【0028】
また、溶接箇所が横一列になるよう配置されている。そのために溶接作業が容易である。さらに、溶接作業の場合は、スパッタがコイル巻線部に飛散しないよう構成する必要があり、本実施例では、図6に示すように、イグナイタユニット20で、コイル巻線部(1次コイル2)をカバーするよう配置する。ただし、絶縁用エポキシ樹脂6の注型性や1次コイル2との配線作業性等に悪影響を及ぼさない範囲に配置する必要がある。さらに、スパッタの飛散する範囲をコイル巻線部から遠ざける意味から、各端子の溶接位置は、ケース5のコイル収容部5cから1mm以上とする。また、溶接する端子の先端は位置は、ケース5の端面から2〜6mm内側の位置に来るように構成し、絶縁用エポキシ樹脂6で必ず覆われるようにし防水信頼性を確保している。
【0029】
以上のようにイグナイタユニット20を固定し、絶縁用エポキシ樹脂6を注型硬化させた後、2次ボビン3のポケット部3aに、高圧側コア9を収納し、接着剤で固定した後、薄板からなるサイドコア8のバネアクションを利用して円筒状のサイドコア8をケース5に装着する。
ところで、サイドコア8の円周方向に拡がる少なくとも1か所に設けられた切れ目8aは、上記バネアクションを利用し易くしており、ケース5にサイドコア8を挿入する場合の組立作業性の向上に役に立つものでもある。さらに切れ目8aは、磁束の1ターンショートを防ぐためにも役に立つものでもある。同時に、サイドコア8の円筒壁面のバネアクションでもって高圧側コア9を押さえ付け、ポケット部3aに高圧側コア9を固定するのに役に立つものでもある。
【0030】
ここで、自動車用のエンジンと円筒形の点火装置の最大外径について、説明する。具体的には、排気容量が1000〜3000cc位の自動車用のエンジンにおいて、狭いシリンダブロックの部分に穿孔したプラグホールに収納される細長い円筒形状の点火装置に対しては、厳しい寸法制限が課せられる。従って、点火装置の2次エネルギ発生値を30(mJ)に限定すれば、点火装置のコイル部位の最大外径はφ22mm〜φ24(mm)の範囲に、該コイル部位の全長は、130〜150(mm)の範囲にある細長い円筒形状に限定される。
したがって、前述したように、低圧側コア18及びサイドコア8間の閉磁路ギャップ、ならびに、高圧側コア9及びサイドコア8間の非直接接触側の閉磁路ギャップは、1.0mm〜2.5mmの範囲に、換言すれば、充填絶縁材から隔離するために内部コアを内包する弾性材の肉厚範囲に、限定されるものである。
【0031】
図8は、本発明による他の実施例の内燃機関用点火装置の構成を示す断面図である。図9は、図8の実施例のイグナイタユニットの配置図である。イグナイタユニット20を1チップタイプイグナイタ42にした場合の実施例である。1チップタイプイグナイタ42は、放熱用の金属板41にねじ止めするか、もしくは熱伝導性に優れた接着剤で固定する。その金属板41がケース5に設けられた位置決め突起52、54で固定される。端子の接続方法、構成等は、図1、図6、図7に示す実施例と同様であるため説明は省略する。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、各コアを、1次ボビン,2次ボビンまたはケースなどの弾性を有する樹脂製の構成部材で内包する、あるいは、コアの一部を弾性部材でカバーするなどによって、絶縁用エポキシ樹脂から隔離することができるので、熱応力によるクラックや構成部材間の剥離が防止され、内燃機関用点火装置の耐久性(耐絶縁劣化性など)が向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例の内燃機関用点火装置の構成を示す断面図である。
【図2】図1の実施例の主要構成部品の展開図である。
【図3】本発明による他の実施例のT字形コアを示す図である。
【図4】本発明による別の実施例のT字形コアを示す図である。
【図5】本発明によるもう一つ別の実施例のT字形コアを示す図である。
【図6】本発明による一実施例のイグナイタユニットの配置図である。
【図7】図6の接続構造を示す部分鳥瞰図である。
【図8】本発明による他の実施例の内燃機関用点火装置の構成を示す断面図である。
【図9】図8の実施例のイグナイタユニットの配置図である。
【符号の説明】
1…1次ボビン、1a…T字形ポケット部、1b…1次コイル端子圧入ポケット部、1c,3c…圧入部、2…1次コイル、3…2次ボビン、3a…ポケット部、4…2次コイル、5…ケース、5c…コイル収容部、6…絶縁用エポキシ樹脂、7…センタコア、8…サイドコア、8a…切れ目、9…高圧側コア、10…マグネット、12…弾性部材、13…高圧端子、14…スプリング、15…ゴムブーツ、16…シールゴム、17…高圧ダイオード、18…低圧側コア、20…イグナイタユニット、21…パワートランジスタチップ、22,22a,22b22c…イグナイタ側端子、23,23a,23b…1次コイル端子、23a1…1次コイル巻きつけ部、23a2…1次コイル端子湾曲部、24…コネクタ、25,25a,25b,25c…コネクタ側端子、26…金属性ベース、27…端子台、28…ハイブリッドIC回路、29…シリコンゲル、41…放熱板、 42…1チップイグナイタ、43…ねじ、52,53,54…位置決め突起。
Claims (6)
- 1次コイルと該1次コイルに電気絶縁層を介して巻層された2次コイルとからなる円筒形のコイル層と、
該コイル層の筒内に配置され軸方向に延長されたセンタコアと、該センタコアの両端にあって2次コイル低圧側及び高圧側に分けて半径方向に延長されてそれぞれ配置された低圧側コア及び高圧側コアとから構成され、磁気的に結合された内側閉磁路を形成する内部コアと、
前記コイル層と前記内部コアとの間を電気的に絶縁する充填絶縁材と、
前記内部コアを前記充填絶縁材から隔離するように当該内部コアを内包する弾性材から成る構成部材と、
前記充填絶縁材が充填され、当該充填絶縁材で固定される前記内部コアと前記構成部材と前記コイル層とを収容するケースと、
軸方向に延長し円周方向に拡がることの可能な切れ目を有し、前記ケースの外周に配置されて外側閉磁路を形成する円筒形の外部コアとを含むことを特徴とする内燃機関用点火装置。 - 請求項1において、前記構成部材は、半径方向から挿入される前記高圧側コアを収納するためのポケット部を有することを特徴とする内燃機関用点火装置。
- 請求項1において、前記構成部材は、前記1次コイル用の1次ボビンと兼用され、該1次ボビンは、前記センタコア及び前記低圧側コアを内包することを特徴とする内燃機関用点火装置。
- 請求項3において、前記1次ボビンに内包された前記低圧側コアは、当該低圧側コアの上方を弾性部材で軸方向上方から被覆され、前記充填絶縁材から隔離されることを特徴とする内燃機関用点火装置。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記低圧側コア及び前記外部コアとしてのサイドコア間の閉磁路ギャップ、または、前記高圧側コア及び前記サイドコア間の閉磁路ギャップは、1.0mm〜2.5mmの範囲であることを特徴とする内燃機関用点火装置。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記ケースは、イグナイタユニットを収容することを特徴とする内燃機関用点火装置。
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JP2007232017A (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-13 | Mitsubishi Motors Corp | 板材接合部の補強構造 |
US10384943B2 (en) | 2004-09-09 | 2019-08-20 | Honda Motor Co., Ltd. | Synthesis of small and narrow diameter distributed carbon single walled nanotubes |
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2003
- 2003-07-22 JP JP2003199602A patent/JP2004048019A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10384943B2 (en) | 2004-09-09 | 2019-08-20 | Honda Motor Co., Ltd. | Synthesis of small and narrow diameter distributed carbon single walled nanotubes |
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