JP2004046952A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁性層の塗膜強度が高く、分散性に優れており、また磁性層の表面平滑性・電磁変換特性、特殊な使用環境下での耐久性に優れた塗布型磁気記録媒体を提供すること。
【解決手段】非磁性支持体上に、磁性粉と結合剤を溶剤中に分散させた磁性塗料を塗布してなる磁気記録媒体において、前記結合剤が、
芳香族含有ポリエステルと芳香族ジイソシアネートをウレタン化してなる芳
香族系ポリエステルポリウレタン樹脂と、
分子量60〜250のグリコールと芳香族ジイソシアネートをウレタン基濃
度3.0mmol/g以上の条件でウレタン化してなるポリウレタン樹脂と
の2種類のポリウレタン樹脂を含有している、磁気記録媒体。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハイビジョンVTRやデジタルVTRなどの高性能化に伴い、磁気記録媒体の特性向上が求められている。
【0003】
特に、磁気記録媒体の高密度及び大容量化を目指して、より記録波長の短波長化が進んでいることから、使用される磁性粉のサイズも微粒子化が検討されている。そして、これらの高性能微粒子磁性粉を十分に分散させる上で重要な課題となる技術として、分散性と耐久性を兼ね備えた磁気記録用バインダー樹脂の開発が待たれている。
【0004】
従来、一般的な磁気記録用バインダー樹脂としては、塩化ビニル系共重合体、ポリウレタン樹脂、セルロース系樹脂(特開平7−176035号)、フェノキシ樹脂、ポリアセタール樹脂(特開平7−192251号)等があり、これらを単独又は混合して使用している。
【0005】
これらの樹脂の中で、ポリウレタン樹脂は広範囲の物性を有し、各種の官能基の導入が可能であることから、これまで数多くの検討がなされてきた。
【0006】
例えば、特開平7−235044号では、三級アミンを極性基として有するポリウレタン樹脂を用いることによって優れた電磁変換特性が得られることが開示されている。
【0007】
また、近年では使用される磁性粉のサイズも微粒子化が検討されていることから、低粘度であり、高固形分での分散性が必要とされている。このため、例えば特開平3−190983号及び特開平3−203811号では、アルキルホスフィン基を導入した特定の組成のポリウレタン樹脂を用いる方法が開示されている。
【0008】
さらに、特開平7−50010号では、分散性に効果のある結合剤として、特定のアミンを用いたウレタンウレアについて開示してあり、これまでも多くの検討がなされてきた。
【0009】
一方、繰り返しVTRなどで記録再生した場合の耐久性とは別に、常に未使用の磁気記録媒体のみを連続して記録再生するような使用方法、例えばビデオソフトを大量にダビングする場合、耐久性の結果に差があることが知られている。また、この場合では一般的に、常に未使用の磁気記録媒体のみを連続して記録再生するほうが、耐久性としては厳しい条件となることも知られている。これは、磁気記録媒体表面の付着物などがヘッドに堆積し易いためと考えられる。
【0010】
上記と同様にして、放送局などで使用されるカムコーダーなどのビデオテープの使用においても、取材用と編集用のVTRを使い分けすることで、常に新しいテープのみを連続して使用することから、より高い耐久性が必要とされている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、耐久性を向上させるためには、研磨剤の種類や粒子径などを調整して、ヘッドウエア(ヘッド摩耗)量を大きくすることが効果的であるが、この場合、ヘッドをより大きく削るために使用時間が短くなるデメリットがある。また、研磨剤量を増やしたりすることで、磁気特性の悪化や粗度の悪化によって電磁変換特性に悪影響を及ぼしてしまう。
【0012】
これまで検討されてきたいずれの結合剤を使用しても、先述のような特別な使用条件での耐久性を満足できなかった。また、研磨剤の種類や添加量などで磁気記録媒体の研磨力を変えた場合でも、電磁変換特性とのバランスのため、十分な効果が得られないことが多かった。
【0013】
従って、磁気記録媒体に添加する研磨剤によらず、塗膜としての強度を向上させることで、耐久性の向上を図る必要があり、より塗膜強度を高く保持できる磁性塗膜の組成開発が必要とされている。
【0014】
また、一方で、磁気記録媒体の地球環境負荷を低減するために、磁気記録媒体に一般に使用されている塩化ビニル系樹脂を使用しない組成の検討が進められている。塩化ビニル系樹脂は、焼却時に、塩化水素を発生することから、焼却炉を腐食することや、ダイオキシンの発生源になると考えられることなどの問題がある。このため、塩化ビニル系樹脂の代替として、分散性、耐久性に優れた磁気記録媒体用の結合剤の検討が期待されている。
【0015】
そこで、本発明の目的は、磁性層の塗膜強度が高く、分散性に優れており、また磁性層の表面平滑性・電磁変換特性、特殊な使用環境下での耐久性に優れた塗布型磁気記録媒体を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、非磁性支持体上に、磁性粉と結合剤を溶剤中に分散させた磁性塗料を塗布してなる磁気記録媒体において、前記結合剤が、
芳香族含有ポリエステルと芳香族ジイソシアネートをウレタン化してなる芳
香族系ポリエステルポリウレタン樹脂と、
分子量60〜250のグリコールと芳香族ジイソシアネートをウレタン基濃
度3.0mmol/g以上の条件でウレタン化してなるポリウレタン樹脂と
の2種類のポリウレタン樹脂を含有している、磁気記録媒体に係るものである(以下、本発明の第1の磁気記録媒体と称する。)。
【0017】
また、非磁性支持体上に、磁性粉と結合剤を溶剤中に分散させた磁性塗料を塗布してなる磁気記録媒体において、前記結合剤が、
芳香族含有ポリエステルと芳香族ジイソシアネートをウレタン化してなる芳
香族系ポリエステルポリウレタン樹脂と、
分子量60〜250のグリコール、アミノアルコール、ジアミンと芳香族ジイソシアネートをウレタン基濃度とウレア基濃度の合計で3.0mmol/g
以上の条件でウレタン化してなるポリウレタンウレア樹脂と
の2種類のポリウレタン樹脂を含有している、磁気記録媒体に係るものである(以下、本発明の第2の磁気記録媒体と称する。)。
【0018】
本発明の第1又は第2の磁気記録媒体によれば、前記ウレタン基濃度が3.0mmol/g以上の前記ポリウレタン樹脂又はウレタン基濃度とウレア基濃度の合計で3.0mmol/g以上の前記ポリウレタンウレア樹脂を前記結合剤の一部としているので、上記したような磁気記録媒体に添加する研磨剤等の種類や粒子径を調整しなくても磁性塗膜の強度が高くなり、耐久性が良好である。
【0019】
また、前記ポリウレタン樹脂又は前記ポリウレタンウレア樹脂と、同じ芳香族系のポリエステルを含有するポリウレタン樹脂とを組み合わせて用いるので、結合剤樹脂の相溶性も良好になり、電磁変換特性並びに耐久性に優れた磁気記録媒体である。
【0020】
即ち、疎水性の高い長鎖のアルキル基を持たず、芳香族のベンゼン環骨格を有する樹脂同士を組み合わせているので、結合剤同士の相溶性を大幅に改善し、これによって磁性塗料の分散性を向上することができ、優れた電磁変換特性が得られる。また、磁性層表面の平滑になることから、耐久性もより向上する。
【0021】
さらに、前記結合剤に、一般的に使用される塩化ビニル系共重合体などの含ハロゲン系樹脂を使用しないことから、地球環境に配慮した磁気記録媒体を供与できる技術として有効である。
【0022】
また、本発明は、非磁性支持体上に、磁性粉と結合剤を溶剤中に分散させた磁性塗料を塗布してなる磁気記録媒体において、前記結合剤が、水、分子量60〜250のグリコール並びにトリオール、ジアミン、アミノアルコールと、ジイソシアネートとからなり、水酸基量が0.5〜1.0mmol/gのポリウレタン樹脂を含有している、磁気記録媒体に係るものである(以下、本発明の第3の磁気記録媒体と称する。)。
【0023】
本発明の第3の磁気記録媒体によれば、前記結合剤が、活性水酸基を多量に導入した前記ポリウレタン樹脂を含有しているので、上記したような磁気記録媒体に添加する研磨剤等の種類や粒子径を調整しなくても塗膜としての強度が向上し、耐久性に優れている。
【0024】
即ち、前記水酸基量が0.5〜1.0mmol/gと特定されており、前記結合剤の構成成分として、多量の水酸基を含有する前記ポリウレタン樹脂を用いることにより、この磁気記録媒体の電磁変換特性並びに耐久性等の性能の向上を図ることができ、これにより、高密度記録並びにデジタル記録に対応できる磁気記録媒体が提供される。
【0025】
また、前記結合剤に、一般的に使用される塩化ビニル系共重合体などの含ハロゲン系樹脂を使用しないことから、地球環境に配慮した磁気記録媒体を供与できる技術として有効である。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明に基づく磁気記録媒体の概略断面図を示すように、本発明に基づく磁気記録媒体1は、非磁性支持体2上に、磁性粉と結合剤が溶剤中に分散された磁性塗料が塗布されてなる磁性層3が形成されている。
【0027】
実施の形態1
本発明に基づく第1又は第2の磁気記録媒体は、前記結合剤が、
フタル酸とジオールをエステル化して得られる前記芳香族含有ポリエステルと、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)や2,4―トルエンジイソシアネート(TDI)などの前記芳香族ジイソシアネートとをウレ
タン化して得られる前記芳香族系ポリエステルポリウレタン樹脂と、
分子量60〜250のグリコール、アミノアルコール、ジアミンと芳香族ジイソシアネートを、ウレタン基濃度3.0mmol/g以上の条件でウレタン化してなるポリウレタン樹脂、或いはウレタン基濃度とウレア基濃度の合計で3.0mmol/g以上の条件でウレタン化してなるポリウレタンウレア樹脂

の2種類のポリウレタン樹脂を含有することが特徴的である。
【0028】
ここで、前記ウレタン基濃度が3.0mmol/g以上の前記ポリウレタン樹脂又はウレタン基濃度とウレア基濃度の合計で3.0mmol/g以上の前記ポリウレタンウレア樹脂を前記結合剤の一部とすることで、磁性塗膜の強度が高くなり、耐久性が良好となる。しかしながら、このポリウレタン樹脂(又はポリウレタンウレア樹脂)だけでは、塗膜の強度は確保できるものの、前記非磁性支持体に対する接着強度が弱くなったり、塗料のチキソ性が高くなり、コーティング性が悪化する傾向があることから、他の樹脂と組み合わせて用いることが必要となる。本発明者は、この点について各種の組み合わせを検討した。
【0029】
例えば、特開平6−96437号公報には、ウレタン基2.5mmol/g以上のポリウレタン樹脂とポリビニルアセタールからなるポリカーボネートポリウレタン樹脂からなる結合剤を用いた磁気記録媒体の記載があるが、ポリウレタン樹脂とポリカーボネートポリウレタン樹脂との相溶性が不十分であり、また耐久性も不十分である。そして、本発明者が鋭意検討した結果、同じ芳香族系のポリエステルを含有するポリウレタン樹脂と組み合わせて用いることで、結合剤樹脂の相溶性も良好になり、電磁変換特性並びに耐久性に優れた磁気記録媒体が得られることを初めて見出した。
【0030】
即ち、疎水性の高い長鎖のアルキル基を持たず、芳香族のベンゼン環骨格を有する樹脂同士を組み合わせることで、結合剤同士の相溶性を大幅に改善し、これによって磁性塗料の分散性を向上することができ、優れた電磁変換特性が得られる。また、磁性層表面の平滑になることから、耐久性もより向上する。
【0031】
以下に、本発明に基づく第1又は第2の磁気記録媒体において、前記結合剤の構成成分として使用される、前記芳香族系ポリエステルポリウレタン樹脂について述べる。
【0032】
前記芳香族含有ポリエステルは、ジカルボン酸とグリコールを脱水縮合(エステル化)したものであり、本発明においては、グリコール過剰で合成することによって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルジオールを使用することができる。
【0033】
また、本発明で使用される前記芳香族含有ポリエステルは、フタル酸系のポリエステル(フタレート)であり、前記フタレートはベンゼン環を有することより、アジペート等と比較してリジットな分子構造となり、樹脂のガラス転移点温度Tgが高く、最終的な磁気記録媒体の耐久性に効果がある。
【0034】
ここで、使用される前記ジカルボン酸は、テレフタル酸(TP)、イソフタル酸(IP)、オルトフタル酸等のフタル酸誘導体以外の、例えば、コハク酸、アジピン酸(AA)、セバシン酸、アゼライン酸等のジカルボン酸、それらの酸エステル、酸無水物等を含まない。
【0035】
前記芳香族含有ポリエステルの分子量は、一般に水酸基価で表される。水酸基価は、単位重量当たりの総水酸基当量であり、単位はKOH(水酸化カリウム)の当量で表され、KOHmg/gが用いられる。前記芳香族含有ポリエステルの分子量は、両末端が水酸基であるものとして換算して、この水酸基価より求められる。なお、本発明において前記芳香族含有ポリエステルの水酸基価は10〜500KOHmg/gが好ましく、より好ましくは50〜300KOHmg/gである。水酸基価が10KOHmg/gより低い場合には、前記芳香族含有ポリエステルの分子量が高くなり、ポリエステル自体の合成が困難になると共に、ウレタン化後のウレタン基(或いは、ウレタン基及びウレア基)の導入量が減少し、分子間の水素結合によるネットワークが少なくなり、ポリウレタン樹脂層の強靭性や強い凝集力が減少することがあるので、好ましくない。また、これとは逆に水酸基価が高すぎると、ポリウレタン樹脂は硬くなる傾向がある。
【0036】
この芳香族含有ポリエステルの水酸基価は用途により適宜選択する必要があり、例えば耐熱性や凝集エネルギーを高めるには、より水酸基価が高く、分子内に硬化剤との架橋点を多く有するように選択することが望ましい。
【0037】
本発明の前記芳香族含有ポリエステルの原料としては、テレフタル酸(TP)、イソフタル酸(IP)、オルトフタル酸、フタル酸、又はこれらの酸無水物などの誘導体と、各種のグリコールが挙げられる。
【0038】
具体的な活性水素化合物としては、エチレングリコール(EG)、1,3−プロピレングリコール(PG)、1,2−PG、1,4−ブタンジオール(BG)、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサンジオール(HG)、3−メチル−1,5−ペンタングリコール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタングリコール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、TMP(トリメチロールプロパン)、グリセリン、ヘキサントリオール、クオドロール或いはビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物等も用いることができる。
【0039】
前記芳香族含有ポリエステルは、上記した原料をフタル酸モル数に対してグリコールのモル数を大過剰とし、ルイス酸などの触媒存在下で脱水縮合し、目標とした水酸基価まで反応することで得られる。
【0040】
そして、得られた前記芳香族含有ポリエステルと、その他の活性水素化合物と、前記芳香族ジイソシアネートとをウレタン化反応させることにより、前記芳香族系ポリエステルポリウレタン樹脂を合成することができる。
【0041】
なお、前記その他の活性水素化合物としては、先述の芳香族含有ポリエステルの原料であるグリコールと同様の化合物が使用できる。即ち、水、エチレングリコール(EG)、1,3−プロピレングリコール(PG)、1,2−PG、1,4−ブタンジオール(BG)、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサンジオール(HG)、3−メチル−1,5−ペンタングリコール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタングリコール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、TMP、グリセリン、ヘキサントリオール、クオドロール或いはビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物等も用いることができる。
【0042】
前記芳香族系ジイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート(以下、2,4−TDIと称する場合がある。)、2,6−トルエンジイソシアネート(以下、2,6−TDIと称する場合がある。)、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネート等が挙げられる。
【0043】
また、本発明に使用される前記芳香族系ポリエステルポリウレタン樹脂は、磁性粉の分散をより向上させる目的で、アミン系若しくはカルボン酸又はスルホン酸アルカリ金属塩からなる極性基が導入されていてもよい。
【0044】
前記芳香族系ポリエステルポリウレタン樹脂中への前記極性基の導入方法としては、極性基含有グリコール化合物、極性基含有アミノアルコール化合物又は極性基含有ジアミン化合物を鎖延長剤として、直接、ウレタン化反応によって前記芳香族系ポリエステルポリウレタン樹脂中に導入する方法が効果的である。
【0045】
例えば、極性基含有活性水素化合物として用いられる三級アミンの種類としては、脂肪族アミン、芳香族アミン、アルカノールアミン、アルコキシアルキルアミン等が挙げられる。より具体的には、N−メチルジエタノールアミン(NMDEA)、N−メチルジイソプロピルアミン(NMDPA)、ジエチルアミノプロパンジオール(DEAPD)、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、ジイソプロピルアミン、ピペラジン、2−メチル−ピペラジン、(ヒドロキシエチル)ピペラジン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、N−メチルアニリン、N−メチルフエニルアミンなどが挙げられる。
【0046】
また、四級アンモニウム塩の場合、はじめからアンモニウム塩で導入する方法と、三級アミンで前記芳香族系ポリエステルポリウレタン樹脂中に導入した後、アルキル化剤等によって四級化する方法があり、合成法上、どちらの場合も有効な方法として用いられる。
【0047】
四級アンモニウム塩としては、脂肪族アミン塩及びその四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、複素環四級アンモニウム塩などが挙げられ、カウンターイオンとしては塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン元素やハロゲン元素以外のカルボン酸、リン酸などの有機酸等を用いることができる。一般に、ハロゲン元素をカウンターイオンとした四級アンモニウム塩を前記極性基とした場合、保存容器の石油缶などがさびやすくなる弊害が生じることがある。
【0048】
より具体的に、三級アミンを四級化するために使用される四級化剤としては、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、臭化エチル、塩化p−トルエンスルホニル、p−トルエンスルホン酸エチル等のアルキル化剤、リン酸トリエステル、オルト酢酸エステル、クロロ炭酸メチルエステル、クロロ炭酸エチルエステル、クロロ炭酸n−プロピルエステル、クロロ炭酸イソプロピルエステル、クロロ炭酸2−エトキシエチルエステル等のクロロ炭酸エステル、モノクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等のハロメタン系カルボン酸及びそのエステル、リン酸トリエステル類などが使用できる。
【0049】
本発明における三級アミン及び四級アンモニウム塩の極性基量は、好ましくは0.01〜10.0mmol/gであり、より好ましくは0.1〜0.5mmol/gである。極性基量が上記の10.0mmol/gを超える場合、塗料の分散性は向上するが、コーティング性は悪くなり、スジが発生し易くなる傾向がある。また、少ない場合には、塗料の分散性が悪くなることがある。
【0050】
スルホン酸アルカリ金属塩としては、スルホン酸ナトリウム、スルホン酸カリウムなどがあり、効果的な導入量としては0.001〜0.2mmol/gが好ましく、0.01〜0.09mmol/gがより好ましい。導入量が上記の0.001mmol/gより少ない場合には、分散性に対するに効果が小さくなることがあり、0.2mmol/gを超えると、樹脂粘度が高くなりハンドリングが悪くなることがあり、塗料のチキソ性が大きくなることでコーティング性の悪化を招くことがある。
【0051】
カルボン酸の効果的な導入量としては0.001〜0.1mmol/gであり、より好ましくは0.01〜0.05mmol/gである。上記の範囲より少ない場合には分散効果が低下することがあり、多すぎる場合には、前記極性基自体が前記芳香族含有ポリエステルの加水分解を促進するため、長期の保存安定性が懸念される。
【0052】
前記芳香族系ポリエステルポリウレタン樹脂の合成方法としては、前記芳香族含有ポリエステルと、その他の前記活性水素化合物と、前記芳香族系ジイソシアネートとを任意の有機溶媒中で反応させ、ウレタン化させる溶液合成法が好適に用いられる。
【0053】
具体的に溶液合成法では、ウレタン原料となるポリエステル成分とグリコール等の活性水素化合物並びに極性基含有化合物を有機溶媒中に混合・溶解させておき、ジイソシアネート化合物を添加して反応させる方法である。
【0054】
前記芳香族系ポリエステルポリウレタン樹脂は、前記芳香族系ジイソシアネート成分と前記活性水素化合物成分とを、前記芳香族系ジイソシアネート成分中のイソシアネート基に対して、前記活性水素化合物成分中の活性水素基の当量比率が1.0を超える活性水素基過剰条件で反応させることによって得られる。
【0055】
この活性水素基過剰条件は、製造されたポリウレタン前駆体にイソシアネート基が残存せず、活性水素基を含有している状態を形成するのに必要な条件であり、前記芳香族系ジイソシアネート成分中のイソシアネート基に対する前記活性水素化合物成分中の活性水素基の当量比率は、1.0〜2.0が好ましい。ポリイソシアネート成分含有に伴い、イソシアネート基の平均官能基数とトリオール導入等に伴う活性水素化合物成分の平均官能基数によって、ポリウレタン前駆体製造時にゲル化しない条件を決定し、この条件を満たすように配合することが重要である。
【0056】
その配合比率はJ.P.Flory、Khum等が理論的に計算しているゲル化理論に従うが、実際は、前記の活性水素化合物とイソシアネート各分子に含まれる反応基の反応性比を考慮にいれた配合比で反応させることによって、ポリウレタン前駆体はゲル化することなく製造できる。
【0057】
反応装置としては、上記の均一反応が達成できればいかなる装置でもよく、例えば、攪拌装置の付いた反応釜が挙げられる。反応を早く進めるために、触媒として、ポリウレタンの製造において常用される金属触媒やアミン系触媒を用いることもできる。
【0058】
ここで、反応容器は、ウレタン化反応で起こる反応を制御するため、適宜40〜60℃に加温することで、均一な樹脂を合成することが可能となる。また、各種複次反応を押さえるために、窒素雰囲気下で反応させることが望ましい。
【0059】
溶液合成で使用される有機溶媒としては、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、アセトン等のケトン系溶剤のほか、トルエン、キシレン、THFなどが用いられる。
【0060】
以下に、本発明に基づく第1又は第2の磁気記録媒体において、前記結合剤の構成成分として使用される、ウレタン基濃度3.0mmol/g以上の前記ポリウレタン樹脂又はウレタン基濃度とウレア基濃度の合計で3.0mmol/g以上の前記ポリウレタンウレア樹脂について説明する。
【0061】
ウレタン基濃度3.0mmol/g以上の前記ポリウレタン樹脂は、活性水素化合物と芳香族ジイソシアネートをウレタン基濃度が上記の特定範囲となるようにウレタン化することにより得ることができる。使用される前記活性水素化合物、前記芳香族ジイソシアネート並びに極性基導入源とウレタン化の合成方法などは、上述した前記芳香族系ポリエステルポリウレタン樹脂と同様のものが使用できる。
【0062】
ここで、ウレタン基濃度は、1g当たりのウレタン結合の個数を表し、通常、磁気記録媒体に使用されるポリエステルポリウレタン樹脂の場合、0.5〜2.0mmol/gである。ウレタン基濃度が2.0mmol/gを超えると、通常、樹脂の凝集エネルギーが大きくなるため、各種の有機溶媒に対する溶解性が著しく悪くなり、また樹脂の粘度が高くなりハンドリングが悪くなるため、好ましくないとされていた。例えば、特公平6−19821号公報に、ウレタンとウレアの合計が1.8〜3.0mmol/gのウレタンウレアが含まれている結合剤が記載されているが、この樹脂合成例によれば、これらはウレタン結合濃度が大きく、耐久性に優れるものの、塗布液の粘度上昇に伴う分散性の低下によって電磁変換特性が低下する。
【0063】
ここで、このような問題を解決するために本発明者が鋭意検討したところ、立体的にかさ高い構造を有するグリコールや、側鎖の炭素数の長い構造を有するグリコールを用いることで、ウレタン基濃度が高い樹脂でも、溶解性に優れたポリウレタン樹脂を合成することができることがわかった。さらに、より低分子のグリコールを使用することでウレタン基濃度をより高めることでき、ウレタン基濃度を高くすることが可能となる。
【0064】
また、本発明では、前記活性水素化合物の一部にジアミン誘導体を導入することも可能である。ジアミン誘導体の種類としては、ヘキサメチレンジアミン、キシレンジアミン、イソホロンジアミン(IPDA)、モノエタノールアミン(MEA)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン等のジアミン又はアミノアルコール等が挙げられ、他に特開昭61−107531に示されるイソシアネート基と反応してウレア結合を生成する水、尿素も使うことができる。上記の化合物は、単独又はこれらの混合物の形で使用してもよい。ここで、アミンとイソシアネートが反応して得られるウレア基の濃度は、先述のウレタン基と合計して3.0mmol/g以上とする。
【0065】
そして、本発明に基づく第1又は第2の磁気記録媒体は、前記結合剤の構成成分として、前記芳香族系ポリエステルポリウレタン樹脂と、ウレタン基濃度3.0mmol/g以上の前記ポリウレタン樹脂又はウレタン基濃度とウレア基濃度の合計で3.0mmol/g以上の前記ポリウレタンウレア樹脂との2種類のポリウレタン樹脂を含有する。
【0066】
本発明に基づく第1又は第2の磁気記録媒体によれば、前記ウレタン基濃度が3.0mmol/g以上の前記ポリウレタン樹脂又はウレタン基濃度とウレア基濃度の合計で3.0mmol/g以上の前記ポリウレタンウレア樹脂を前記結合剤の一部としているので、磁性塗膜の強度が高くなり、耐久性が良好である。
【0067】
また、前記ポリウレタン樹脂又は前記ポリウレタンウレア樹脂と、同じ芳香族系のポリエステルを含有するポリウレタン樹脂とを組み合わせて用いるので、結合剤樹脂の相溶性も良好になり、電磁変換特性並びに耐久性に優れた磁気記録媒体である。
【0068】
即ち、疎水性の高い長鎖のアルキル基を持たず、芳香族のベンゼン環骨格を有する樹脂同士を組み合わせているので、結合剤同士の相溶性を大幅に改善し、これによって磁性塗料の分散性を向上することができ、優れた電磁変換特性が得られる。また、磁性層表面の平滑になることから、耐久性もより向上する。
【0069】
さらに、前記結合剤に、一般的に使用される塩化ビニル系共重合体などの含ハロゲン系樹脂を使用しないことから、地球環境に配慮した磁気記録媒体を供与できる技術として有効である。
【0070】
実施の形態2
一方、本発明に基づく第3の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に、磁性粉と結合剤を溶剤中に分散させた磁性塗料を塗布してなる磁気記録媒体において、前記結合剤が、水、分子量60〜250のグリコール並びにトリオール、ジアミン、アミノアルコールと、ジイソシアネートとからなり、水酸基量が0.5〜1.0mmol/gのポリウレタン樹脂を含有していることを特徴としている。
【0071】
従来、ポリウレタン樹脂は、活性水素とジイソシアネートとの反応で得られる樹脂化合物であることから、その樹脂中に多量の活性水素基を残し、かつ、高分子量化する(ポリマー化する)のは困難とされている。また、一般にポリウレタン樹脂中の水酸基量は分子量によるが0.01〜0.1mmol/gのものが使用されており、これより多い場合は塗料の粘度が著しく高くなるので、磁性塗料には不向きとされていたが、本発明者はポリウレタン樹脂中の水酸基量を上記のように特定の範囲とすることで、分散性及び耐久性に優れた磁気記録媒体を得ることができることを初めて見出した。
【0072】
前記ポリウレタン樹脂は、活性水素化合物とジイソシアネートからなる樹脂化合物ある。使用される前記活性水素化合物としては、分子量60〜250のグリコール並びにトリオール、ジアミン、アミノアルコール及び極性基導入源としての各種のアミン誘導体やスルホン酸アルカリ金属塩含有のグリコールが挙げられる。
【0073】
具体的な分子量60〜250のグリコール成分としては、低分子ポリオール、即ち、エチレングリコール(EG)、1,3−プロピレングリコール(PG)、1,2−PG、1,4−ブタンジオール(BG)、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサンジオール(HG)、3−メチル−1,5−ペンタングリコール、ネオペンチルグリコール(NPG)、3,3−ジメタノールヘプタン(DMH)、1,8−オクタングリコール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、TMP、グリセリン、ヘキサントリオール、クオドロール或いはビスフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物等も用いることができる。
【0074】
またジアミン誘導体としては、ヘキサメチレンジアミン、キシレンジアミン、イソホロンジアミン(IPDA)、モノエタノールアミン(MEA)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン等のジアミン又はアミノアルコール等が挙げられ、他にも特開昭61−107531に示されているイソシアネート基と反応してウレア結合を生成する水、尿素も使うことができる。
【0075】
ジイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート(以下、2,4−TDIと称する場合がある。)、2,6−トルエンジイソシアネート(以下、2,6−TDIと称する場合がある。)、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添化トリレンジイソシアネート、水添化キシレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等が使用できる。
【0076】
水酸基濃度は、1g当たりの水酸基の個数を表し、磁性塗料中で、イソシアネート系硬化剤と反応し、分子間の架橋反応の反応点となる。また、水酸基のもつ極性から、磁性粉表面への吸着のポイントとなると考えられることから、従来の結合剤樹脂にも導入されていた。しかしながなら、水酸基を多く導入すると、磁性塗料を構成する有機溶剤との相溶性が悪くなり、塗料粘度が上昇して分散不良などが生じる問題が指摘されている。
【0077】
本発明者は、上述したような、単分子若しくは低分子量の活性水素化合物とイソシアネートから合成されるポリウレタン樹脂(若しくはポリウレタンウレア樹脂)のようにウレタン基濃度(又はウレア基濃度)の高いポリウレタン樹脂は、従来の樹脂と比較して有機溶剤との親和性を維持したまま、水酸基の濃度を高くすることが可能となることを見出した。
【0078】
また、立体的にかさ高い構造を有するグリコールや、側鎖の炭素数の長い構造を有するグリコールを用いることで、ウレタン基濃度が高い樹脂でも、有機溶媒に対して相溶性に優れたポリウレタン樹脂を合成できることを初めて知見した。
【0079】
以上のような、前記ポリウレタン樹脂を使用することで、水酸基を多量に導入することができることから、架橋性に優れ、この結果として、分散性及び耐久性を格段に向上することができる。
【0080】
また、前記ポリウレタン樹脂は、磁性粉の分散をより一層向上させる目的で、アミン系若しくはカルボン酸又はスルホン酸アルカリ金属塩からなる極性基が導入されていてもよい。
【0081】
なお、前記ポリウレタン樹脂中への前記極性基の導入方法、アミン系若しくはカルボン酸又はスルホン酸アルカリ金属塩からなる前記極性基の種類及びその導入量などは、上述した本発明に基づく第1又は第2の磁気記録媒体において説明したと同様であってよく、これにより上記したと同様の効果が得られる。
【0082】
次に、本発明で使用される前記ポリウレタン樹脂の製造方法について詳しく述べる。
【0083】
前記ポリウレタン樹脂の合成方法としては、前記活性水素化合物と前記ジイソシアネートを任意の有機溶媒中で反応させる溶液合成法が好適に用いられる。
【0084】
具体的に溶液合成法は、ウレタン原料となるポリオール成分と分子量60〜250のグリコール等の活性水素化合物並びに極性基含有化合物を有機溶媒中に混合・溶解させておき、ジイソシアネート化合物を添加し反応させる方法である。
【0085】
前記ポリウレタン樹脂は、前記ジイソシアネート成分と前記活性水素化合物成分とを、前記ジイソシアネート成分中のイソシアネート基に対して、前記活性水素化合物成分中の活性水素基の当量比率が1.0を超える活性水素基過剰条件で反応させることによって得られる。
【0086】
この活性水素基過剰条件は、製造されたポリウレタン前駆体にイソシアネート基が残存せず、活性水素基を含有している状態を形成するに必要な条件であり、前記ジイソシアネート成分中のイソシアネート基に対する前記活性水素化合物成分中の活性水素基の当量比率は、1.0〜2.0が好ましい。ポリイソシアネート成分含有に伴い、イソシアネート基の平均官能基数とトリオール導入等に伴う活性水素化合物成分の平均官能基数によって、ポリウレタン前駆体製造時にゲル化しない条件を決定し、この条件を満たすように配合することが重要である。
【0087】
その配合比率はJ.P.Flory、Khum等が理論的に計算しているゲル化理論に従うが、実際は、前記の活性水素化合物とイソシアネート各分子に含まれる反応基の反応性比を考慮にいれた配合比で反応させることによって、ポリウレタン前駆体はゲル化することなく製造できる。
【0088】
反応装置としては、上記の均一反応が達成できればいかなる装置でもよく、例えば、攪拌装置の付いた反応釜が挙げられる。反応を早く進めるために、触媒として、ポリウレタンの製造において常用される金属触媒やアミン系触媒を用いることもできる。
【0089】
ここで、反応容器は、ウレタン化反応で起こる反応を制御するため、適宜40〜60℃に加温することで、均一な樹脂を合成することが可能となる。また、各種複次反応を押さえるために、窒素雰囲気下で反応させることが望ましい。
【0090】
溶液合成で使用される有機溶媒としては、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、アセトン等のケトン系溶剤のほか、トルエン、キシレン、THFなどが用いられる。
【0091】
そして、分子量500〜2000の低分子量のポリエステルポリオールを重量比10〜50%程度含有することで、前記ポリウレタン樹脂のガラス転移点温度(Tg)を調整することが可能である。磁気記録媒体の磁性塗膜のTgは好ましくは50〜100℃、より好ましくは60〜80℃である。
【0092】
ここで、Tgを低くするためには比較的分子量の高い脂肪族のポリエステルポリオールを使用し、逆にTgを高く保持する場合には、ポリエステルポリオールを添加しないか、若しくはフタレートなどの芳香族ポリエステルポリオールを使用するのが効果的である。
【0093】
本発明に基づく第3の磁気記録媒体によれば、前記結合剤が、活性水酸基を多量に導入した前記ポリウレタン樹脂を含有しているので、塗膜としての強度が向上し、耐久性に優れている。
【0094】
即ち、前記水酸基量が0.5〜1.0mmol/gと特定されており、前記結合剤の構成成分として、多量の水酸基を含有する前記ポリウレタン樹脂を用いることにより、この磁気記録媒体の電磁変換特性並びに耐久性等の性能の向上を図ることができ、これにより、高密度記録並びにデジタル記録に対応できる磁気記録媒体が提供される。
【0095】
また、前記結合剤に、一般的に使用される塩化ビニル系共重合体などの含ハロゲン系樹脂を使用しないことから、地球環境に配慮した磁気記録媒体を供与できる技術として有効である。
【0096】
次に、本発明(第1、第2及び第3)に基づく磁気記録媒体の組成配合について述べる。
【0097】
本発明に基づく磁気記録媒体に使用可能な強磁性粉末としては、γ−FeO(x=1.33〜1.5)、Co変性γ−FeO(x=1.33〜1.5)、Fe、Ni又はCoを主成分(75%以上)とする強磁性合金、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライトなど公知の強磁性材料が使用できる。
【0098】
また、これらの強磁性粉末には所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ni、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、P、Mn、Zn、Co、Sr、Bなどの原子を含んでいてもかまわない。特に、本発明において、より有用な磁性粉は、強磁性の微粒子メタル粉であり、飽和磁化σs=100〜200Am/kg、BET法による比表面積45〜60m/g、抗磁力90〜200kA/mで顕著な効果がみられる。
【0099】
その他、本発明に基づく磁気記録媒体において、非磁性支持体、磁性層に混入される強磁性粉末以外の組成物である結合剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤、或いは磁性塗料を調製するのに使用される溶剤は従来公知のものがいずれも適応可能であり、何ら限定されない。
【0100】
非磁性支持体の素材としては、一般に磁気記録媒体に使用されるものを使用することができ、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボネイト、ポリイミド、ポリアミドイミド、その他のプラスチック、アルミニウム、銅等の金属、アルミニウム合金、チタン合金等の軽合金、セラミックス、単結晶シリコン等である。
【0101】
磁性層に用いられるカーボンブラックとしては、どの様なカーボンでも構わない。カーボンブラックは、その製法により、アセチレンブラック、ファーネスブラックなどがある。
【0102】
ここで、カーボンブラックは、DBP吸油量が、30〜150ml/100g、好ましくは50〜150ml/100gであり、且つ、平均粒子径が5〜150nm、好ましくは15〜50nmであり、さらにBET法による比表面積が、40〜300m/g、好ましくは100〜250m/gであるものが効果的である。また、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/cc、pHは2.0〜10が好ましい。DBP吸油量がより多いカーボンブラックは、粘度が高くなり、分散性が著しく悪化する。少ない場合では、分散性が悪いため分散工程に時間がかかる。平均粒子径は、より小さいもの程分散時間がかかるが表面性が良く、大きくなる程表面性が悪くなる。このため、先述の範囲が好ましい。
【0103】
以上のような条件を満たすカーボンブラックとしては、例えば、コロンビアンカーボン社製の商品名ラーベン(RAVEN)1250(粒径23nm、BET値135.0m/g、DBP吸油量58.0ml/100g)、ラーベン1255(粒径23nm、BET値125.0m/g、DBP吸油量58.0ml/100g)、ラーベン1020(粒径27nm、BET値95.0m/g、DBP吸油量60.0ml/100g)、ラーベン1080(粒径28nm、BET値78.0m/g、DBP吸油量65.0ml/100g)、ラーベン1035、ラーベン1040、ラーベン1060、ラーベン3300、ラーベン450、ラーベン780等、又は、コンダクテック(CONDUCTEX)社製の商品名SC(粒径20nm、BET値220.0m/g、DBP吸油量115.0ml/100g)でもよい。
【0104】
また、旭カーボン社製の商品名#80(粒径23nm、BET値117.0m/g、DBP吸油量113.0ml/100g)、三菱化成社製の商品名#22B(粒径40nm、BET値5.0m/g、DBP吸油量131.0ml/100g)、同#20B(粒径40nm、BET値56.0m/g、DBP吸油量115.0ml/100g)、キャボット社製の商品名ブラックパールズ(BLACK PEARLS)L(粒径24nm、BET値250.0m/g、DBP吸油量60.0ml/100g)、ブラックパールズ800(粒径17.0nm、BET値240.0m/g、DBP吸油量75.0ml/100g)、ブラックパールズ1000、ブラックパールズ1100、ブラックパールズ700、ブラックパールズ905等でもよい。
【0105】
本発明に基づく磁気記録媒体において、非磁性支持体の磁性層側と反対の面に、非磁性のバックコート層を設けてもよい。バックコート層の厚みは0.1〜2.0μmであり、より好ましくは0.3〜1.0μmであり、公知のものが使用できる。
【0106】
潤滑剤としては、従来公知のものがいずれも使用できる。例えば、高級脂肪酸エステル、シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーン、弗素含有シリコーン、又はその他の弗素系潤滑剤、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステル及び金属塩、ポリフェニルエーテル、弗化アルキルエーテル、アルキルカルボン酸アミン塩及び弗化アルキルカルボン酸アミン塩等のアミン系潤滑剤、並びに炭素数12〜24のアルコール類(それぞれ不飽和を含んでも分岐していてもよい)、炭素数12〜24の高級脂肪酸などが使用できる。
【0107】
また、上記高級脂肪酸エステル成分としては、炭素数12〜32の高級脂肪エステル類(それぞれ不飽和を含んでも分岐していてもよい)であり、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、オレイン酸、エイコ酸、エライジン酸、ヘベン酸、リノール酸、リノレイン酸等のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、へプチルエステル、オクチルエステル等がある。
【0108】
具体的な化合物名としては、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ペンチル、ステアリン酸ヘプチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、ミリスチン酸オクチル、ミリスチン酸イソオクチル、パルミチン酸ブチル等が挙げられる。また潤滑剤は、複数の潤滑剤と混合してもかまわない。
【0109】
研磨剤としては、例えば、α−アルミナ、β−アルミナ、溶融アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、ダイヤモンド、ケイ石、ガーネット、窒化珪素、窒化ホウ素、炭化モリブデン、炭化ホウ素、炭化タングステン、酸化チタン等を主成分にして、モース硬度6以上の公知の材料が単独又は組み合わせて使用される。
【0110】
これら研磨剤の平均粒径は、0.01〜2μmが好ましいが、必要に応じて粒子サイズの異なる研磨剤を組み合わせたり、単独の研磨剤でも粒度分布を広げたりして用いることができる。
【0111】
帯電防止剤としては、先述のカーボンブラックの他に、天然界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等の公知の帯電防止剤が使用可能である。
【0112】
本発明においては公知のカップリング剤を使用しても構わない。カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。ここで、当該磁性粉100重量部に対するカップリング剤の添加量は、0.05〜10.00重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜5.00重量部である。
【0113】
シランカップリング剤としては、γ−メタクリロキシプリピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどのビニルシラン化合物やβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシシラン化合物やγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメキシシランなどのアミノシラン化合物やγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトシラン化合物などが好適に用いることができる。
【0114】
チタネート系カップリング剤としては、テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、ビス[2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノレート][2−[(2−アミノエチル)アミノ]エタノレート−0](2−プロパノレート)チタニウム、トリス(イソオクタデカノエート−0)(2−プロパノレート)チタニウム、ビス(ジトリデシルホスファイト−0”)テトラキス(2−プロパノレート)ジハイドロゼンチタネート、ビス(ジオクチルホスファイト−0”)テトラキス(2−プロパノレート)ジハイドロゼンチタネート、トリス(ジオクチルホスファイト−0”)(2−プロパノレート)チタニウム、ビス(ジオクチルホスファイト−0”)[1,2−エタンジオレート(2−)−0,0’]チタニウム、トリス(ドデシルベンゼンスルフォネート−0)(2−プロパノレート)チタニウム、テトラキス[2,2−ビス[(2−プロペニルオキシ)メチル]−1−ブタノレートチタネート等が挙げられる。
【0115】
具体的な商品名としては、例えば、味の素社製のプレンアクトKR TTS、KR 46B、KR 55、KR 41B、KR 38S、KR 138S、KR 238S、338X、KR 12、KR 44、KR 9SA、KR 34S等が好適に用いることができる。
【0116】
アルミニウム系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられ、具体的な商品名としては、味の素社製のプレンアクトAL−M等が好適に用いることができる。
【0117】
磁性塗料を調製する方法としては、いずれも公知の方法が利用できる。例えば、ロールミル、ボールミル、サンドミル、トロンミル、高速ストーンミル、バスケットミル、ディスパー、ホモミキサー、ニーダー、連続ニーダー、エクストルーダー、ホモジナイザー及び超音波分散機等を用いることができる。
【0118】
磁性塗料の塗布では、非磁性支持体上に直接行う前に、接着剤層等の下塗り層や、非磁性支持体上に、コロナ放電処理や電子線照射処理等の前処理を施しても構わない。
【0119】
非磁性支持体上への塗布の方法としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押し出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、グラビアコート、トランスファーロールコート、キャストコート等の方法を挙げることができ、これら以外の方法も使用でき、さらに、押し出しコートによる同時重層塗布でもよい。
【0120】
本発明では、より耐溶剤性を持たせるため平均官能基数2以上のイソシアネート系硬化剤を含む構成とするのが好ましい。即ち、ポリイソシアネートのポリメリック体やポリイソシアネートのポリオールアダクトは、いずれも本発明において好適に使用できる。
【0121】
また、イソシアヌレート基を導入すると、耐熱性や耐久性に優れた性能が発現できる。ここで、ポリイソシアネート化合物分子中に一定比率のイソシアヌレート基及び/又はその他のイソシアネート重合体を含む場合には、生成したポリウレタン系成分中にゲル化には達しない程度の分岐点を導入できる。
【0122】
硬化剤としては、芳香族系イソシアネート及び脂肪族系イソシアネートが挙げられ、これらと活性水素化合物との付加体が好ましい。ここで、特に本発明に基づく第1又は第2の磁気記録媒体において、磁性塗料の耐久性を考慮した場合、前記結合剤中に、前記芳香族系イソシアネートからなる硬化剤を含有していることが、より効果的である。
【0123】
芳香族系イソシアネートとしてはトルエンジイソシアネート(TDI)、1,3−キシレンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、p−フェニルジイソシアネート、m−フェニルジイソシアネート、1,5−ナフチルジイソシアネート等を挙げることができる。
【0124】
また、脂肪族系イソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等を挙げることができる。
【0125】
さらに、これらと付加体を形成する活性水素化合物としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等があり、平均分子量は100〜5000の範囲のものが好ましい。
【0126】
硬化剤の添加量としては、バインダー樹脂の重量比で0〜20重量部が一般的であり、好ましくは0〜10重量部である。ここで、理論上は、ポリウレタン樹脂組成物(若しくは結着剤樹脂組成物)中の活性水素と当量のイソシアネート量となる硬化剤重量で、十分な添加量となる。しかしながら実際の製造上では、水分などにより硬化剤成分のイソシアネートが反応してしまうため、活性水素と当量のイソシアネート量では、不十分である場合が多く、このため活性水素当量より10〜50%過剰量の硬化剤を添加するのが効果的である。
【0127】
さらに、ポリイソシアネートからなる硬化剤を使用した場合、磁性塗料をコーティング後、40〜80℃の温度で数時間硬化反応を促進させることにより、より強い接着性が得られる。
【0128】
なお、図2及び図3は、本発明に基づく磁気記録媒体における、前記結合剤を構成する樹脂の模式図を示すものであり、1の樹脂はポリウレタンタイプ、2の樹脂はポリエステルポリウレタンタイプ、3の樹脂はポリウレタンウレアタイプ及び4の樹脂はポリエステル含有ポリウレタンウレアタイプである。
【0129】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0130】
例1
[ポリウレタン樹脂の合成例]
攪拌機、温度計、窒素シール管を有する容器に、下記表1−1〜表1−3に示したグリコール成分と極性基含有ジオール化合物を混合し、MEK(メチルエチルケトン)により固形分70%(重量%)となるように溶解した。次いで、ジブチル錫ジラウリレート10ppmを加えて温度70℃で撹拌した。このグリコール混合物に、下記構造式(1)で表されるMDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)をR値(OHモル/NCOモル)=0.95となる量添加し、70℃で24時間撹拌を継続した。反応液からポリウレタン樹脂を微量採取し、THF(テトラヒドロフラン)で0.1wt%溶解し、GPCによりポリスチレン換算分子量を測定した。そして、数平均分子量(Mn)が20,000〜80,000となるように適宜MDIを追加して反応を継続し、目標の分子量となった段階で、MEK/TOL=1/1により固形分30%に希釈し、ポリウレタン樹脂を合成した。
【0131】
【化1】
構造式(1):MDI
Figure 2004046952
【0132】
以上に述べた一連の方法と同様の方法により、各種のポリウレタン樹脂を合成した。各ポリウレタン樹脂の組成を下記表1−1〜表1−3にまとめた。
【0133】
【表1】
Figure 2004046952
【0134】
【表2】
Figure 2004046952
【0135】
【表3】
Figure 2004046952
【0136】
なお、上記表1−1〜表1−3において、TDI(トルエンジイソシアネート)は下記構造式(2)で表される。
【0137】
【化2】
構造式(2):TDI
Figure 2004046952
【0138】
〔磁性塗料の作製例〕
次の組成に従って、磁性層を形成するための磁性塗料を調製した。
【0139】
<磁性塗料液>
下記の磁性塗料組成を、連続ニーダで混練した後、サンドミルを用いて分散し、ポリイソシアネートを4重量部とミリスチン酸1重量部を加え、1μmの平均口径を有するフィルターで濾過し磁性塗料とした。
【0140】
メタル磁性粉                        100重量部(σs=150Am/kg、56m/g、Hc=127kA/m)
結合剤:ポリウレタン樹脂                      変量
(上記表1−1〜表1−3、及び下記表2及び表3参照)
カーボンブラック(キャボット社製、商品名:BP−L)      2重量部
アルミナ(住友化学社製、商品名:HII−60A)        6重量部
ステアリン酸ブチル                       1重量部
メチルエチルケトン                      80重量部
シクロヘキサノン                       80重量部
トルエン                           80重量部
【0141】
分散した磁性塗料液を、ダイコートにより、厚さが10μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に3.0μmの厚み構成で塗布した。その後、カレンダー処理を行い、得られた幅広の磁性フィルムを、60℃で24時間キュアーした後、1/2インチ幅に裁断してビデオテープを作製した。
【0142】
上記のようにして作製した各ビデオテープについて、分散性、静磁気特性、耐久性、電磁変換特性、走行性並びに粗度の評価を行った。なお、上記耐久性は、未使用部分のみの連続繰返し使用時の評価とした。
【0143】
[分散性]
磁性塗料液を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ14.0μm)上に塗布・乾燥した後、塗布面の光沢度(グロス)を、日本電色工業社製のデジタル変角光沢計VG−1Dにより入射度45°で測定した。各々の光沢度を、以下の評価基準により表した。
○;光沢度   180%以上
△;      150%以上、180%未満
×;      150%未満
【0144】
[静磁気特性]
作製したテープについて、東英工業株式会社製の室温専用超高度形振動試料型磁力計(VSM−P10−15auto)を用い、20℃、50%RHの条件で測定した。
【0145】
[耐久性]
ベータカムVTR(ソニー社製、商品名BVW−75)を用いて、20℃、50%RHの条件下、120分長のバージンテープについて連続で500時間(125巻)を記録/再生し、出力の変動を測定した。
◎;出力変動がなく、ヘッド摺動面に粉落ちのないもの
○;出力変動がないが、ヘッド摺動面に粉落ちの見られるもの
△;2.0dB以内の出力変動があるもの
×;ヘッドクロッグ(目づまり)をおこし、出力が取れなくなるヘッドが発生したもの。
【0146】
[電磁変換特性]
電磁変換特性の測定は、デジタルベータカムVTR(ソニー社製、商品名DVW−500)を用い、測定周波数を32MHzとし、比較例1の出力を0dBとして、この比較例1との出力差を測定した。
【0147】
[走行性の評価]
ベータカムVTR(ソニー社製、商品名BVW−75)を用いて、20℃、50%RHの条件下、120分長のテープについて、同じテープを200回の連続走行した。
○;完走したもの
△;摩擦上昇により走行が不安定となったもの
×;摩擦上昇によりハリツキが発生したもの
【0148】
各々の評価項目について評価した結果について、下記表2−1〜表2−2に比較例を、また、下記表3−1〜表3−3に実施例を示す。
【0149】
【表4】
Figure 2004046952
【0150】
【表5】
Figure 2004046952
【0151】
【表6】
Figure 2004046952
【0152】
【表7】
Figure 2004046952
【0153】
【表8】
Figure 2004046952
【0154】
上記表2−1に示されている比較例1〜5は、塩化ビニル系共重合体とポリウレタン樹脂を組み合わせた結果であるが、一定の分散性は確保できるものの、いずれの場合も、耐久性が不十分であることがわかる。
【0155】
また、上記表2−2に示されている比較例6は、芳香族ポリエステルポリウレタンのみを結合剤とした場合であり、この場合は分散性が低くなり、光沢や電磁変換特性も低いものとなった。
【0156】
また、比較例7は、脂肪族ポリエステルポリウレタンとの組み合わせであるが、この場合でも分散性並びに耐久性は満足できる結果は得られないことがわかる。
【0157】
比較例8は、分子量250以上のグリコール成分を使用した場合であるが、耐久性が不十分な結果となっている。
【0158】
さらに、比較例9は、平均分子量500のポリカプロラクトンを使用した場合であるが、この場合、分散性が悪く、電磁変換特性も悪い。
【0159】
これに対して、上記表3−1〜表3−3より明らかなように、実施例1〜7は、ポリウレタン樹脂の組み合わせを替えたものであるが、いずれも良好な結果が得られている。同様にして、実施例8〜10はウレタン樹脂の比率を変えた場合であるか、いずれの結果も良好な特性を示しており、いずれも、実施例を支持している。
【0160】
以上より明らかなように、本発明に基づく磁気記録媒体によれば、前記ウレタン基濃度が3.0mmol/g以上の前記ポリウレタン樹脂又はウレタン基濃度とウレア基濃度の合計で3.0mmol/g以上の前記ポリウレタンウレア樹脂を前記結合剤の一部としているので、上記したような磁気記録媒体に添加する研磨剤等の種類や粒子径を調整しなくても磁性塗膜の強度が高くなり、耐久性が良好である。
【0161】
また、前記ポリウレタン樹脂又は前記ポリウレタンウレア樹脂と、同じ芳香族系のポリエステルを含有するポリウレタン樹脂とを組み合わせて用いるので、結合剤樹脂の相溶性も良好になり、電磁変換特性並びに耐久性に優れた磁気記録媒体である。
【0162】
即ち、疎水性の高い長鎖のアルキル基を持たず、芳香族のベンゼン環骨格を有する樹脂同士を組み合わせているので、結合剤同士の相溶性を大幅に改善し、これによって磁性塗料の分散性を向上することができ、優れた電磁変換特性が得られる。また、磁性層表面の平滑になることから、耐久性もより向上する。
【0163】
例2
[ポリウレタン樹脂の合成例]
攪拌機、温度計、窒素シール管を有する容器に、下記表4−1〜表4−6に示したグリコール成分と極性基含有ジオール化合物を混合し、MEKにより固形分60%(重量%)になるよう溶解した。次いで、ジブチル錫ジラウリレート10ppmを加えて温度70℃で撹拌した。このグリコール混合物にMDIをR値(OHモル/NCOモル)=0.95となる量添加し、70℃で24時間撹拌を継続した。そして、反応液からポリウレタン樹脂を微量採取し、THFで0.1重量%溶解し、GPCによりポリスチレン換算分子量を測定した。数平均分子量(Mn)で20,000〜80,000となるように適宜MDIを追加して反応を継続し、目標の分子量となった段階で、MEK/TOL=1/1により固形分30%に希釈し、ポリウレタン樹脂を合成した。
【0164】
以上に述べた一連の方法と同様の方法により、各種のポリウレタン樹脂を合成した。各ポリウレタン樹脂の組成を下記表4−1〜表4−6にまとめた。また、合成したポリウレタン樹脂のTgを以下の測定方法で測定した。
【0165】
[Tgの測定方法]
ポリウレタン樹脂液(固形分約30wt%)を離型紙上に約30〜50μm厚に塗布した後、60℃で1時間、その後120℃で2時間乾燥し、クリアフィルムを作製した。各々のクリアフィルムを、ORIENTEC社製の動的粘弾性測定器(RHEOVIBRON MODEL RHEO−2000)で測定周波数35Hz、昇温速度2.0℃/minで測定し、Tgを求めた。また、磁性層については、厚さ10μmのPETフィルム上に3μmで塗布した後、60℃で20時間乾燥した。このサンプルを同様に測定し、PETフィルム単体分の結果を差し引きして求めた。
【0166】
【表9】
Figure 2004046952
【0167】
【表10】
Figure 2004046952
【0168】
【表11】
Figure 2004046952
【0169】
【表12】
Figure 2004046952
【0170】
【表13】
Figure 2004046952
【0171】
【表14】
Figure 2004046952
【0172】
次に、これらのポリウレタン樹脂を使用した磁気記録媒体について示す。
【0173】
〔磁性塗料の作製例〕
次の組成に従って、磁性層を形成するための磁性塗料を調製した。
【0174】
<磁性塗料液>
下記の磁性塗料組成を、連続ニーダで混練した後、サンドミルを用いて分散し、ポリイソシアネートを4重量部とミリスチン酸1重量部を加え、1μmの平均口径を有するフィルターで濾過し磁性塗料とした。
【0175】
(磁性塗料液組成)
メタル磁性粉                        100重量部(σs=150Am/kg、56m/g、Hc=127kA/m)
ポリウレタン樹脂(上記表4−1〜表4−6参照)        10重量部
ニトロセルロース(旭化成社製、商品名:NC−1/2H)    10重量部
カーボンブラック(キャボット社製、商品名:BP−L)      2重量部
アルミナ(住友化学社製、商品名:HIT−60)         6重量部
ステアリン酸ブチル                       1重量部
メチルエチルケトン                      80重量部
シクロヘキサノン                       80重量部
トルエン                           80重量部
【0176】
分散した磁性塗料液を、ダイコートにより、厚さが10μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に3.0μmの厚み構成で塗布した。その後、カレンダー処理を行い、得られた幅広の磁性フィルムを、60℃で24時間キュアーした後、1/2インチ幅に裁断して、ビデオテープを作製した。
【0177】
上記のようにして作製した各ビデオテープについて、分散性、静磁気特性、耐久性、電磁変換特性、走行性並びに粗度の評価を行った。なお、上記耐久性とは、未使用部分のみの連続繰返し使用時の耐久性評価を意味する。
【0178】
[分散性]
磁性塗料液を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ14.0μm)上に塗布、乾燥した後、塗布面の光沢度(グロス)を、日本電色工業社製のデジタル変角光沢計VG−1Dにより入射度45°で測定した。各々の光沢度を、以下の評価基準により表した。
○;光沢度   180%以上
△;      150%以上、180%未満
×;      150%未満
【0179】
[静磁気特性]
作製したテープを、東英工業株式会社製の室温専用超高度形振動試料型磁力計(VSM−P10−15auto)を用い、20℃、50%RHの条件で測定した。
【0180】
[耐久性]
HDCAM用VTR(ソニー社製、商品名HDW−2000)を用いて、40℃、80%RHの条件下、120分長のバージンテープについて連続で500時間(125巻)を記録/再生し、出力の変動を測定した。また、出力変動の無いものはヘッド表面の粉落ちを顕微鏡観察した。
◎;出力変動がなくヘッドへの付着が少ないもの
○;出力変動はないが、付着が多いもの
△;2.0dB以内の出力変動があるもの
×;ヘッドクロッグ(目づまり)をおこし、出力が取れなくなるヘッドが発
生したもの
【0181】
[電磁変換特性]
電磁変換特性の測定は、HDCAM VTR(ソニー社製、商品名HDW−500)を用い、測定周波数を32MHzとし、比較例2の出力を0dBとして、この比較例2との出力差を測定した。
【0182】
[走行性の評価]
HDCAM VTR(ソニー社製、商品名HDW−500)を用いて、20℃、50%RHの条件下、120分長のテープについて、同じテープを200回の連続走行した。
○;完走したもの
△;摩擦上昇により走行が不安定となったもの
×;摩擦上昇によりハリツキが発生したもの
【0183】
各々の評価項目について評価した結果について、下記表5−1〜表5−6に示す。
【0184】
【表15】
Figure 2004046952
【0185】
【表16】
Figure 2004046952
【0186】
【表17】
Figure 2004046952
【0187】
【表18】
Figure 2004046952
【0188】
【表19】
Figure 2004046952
【0189】
【表20】
Figure 2004046952
【0190】
上記表5−1〜表5−6より明らかなように、比較例1は代表的な塩化ビニル系樹脂を用いた例であるが、電磁変換特性は良好であったものの、耐久性は悪い。また、従来のウレタンを用いた比較例2では、分散性、耐久性、走行性共に不十分であることがわかる。
【0191】
また、実験例1、2及び11、12は、水酸基量が少ない例であり、電磁変換特性は良好であるが、実験例3等と比較すると、耐久性は、本発明による水酸基量の特定範囲(0.5〜1.0mmol/g)とすることで、より一層向上することがわかる。一方、実験例6及び16は、水酸基濃度が高い場合であり、この場合、磁性塗料の粘度増加により、分散性が悪化し、極端に電磁変換特性が悪化することがわかる。
【0192】
実験例20から28は、ポリエステルポリオールを使用した場合である。平均分子量2000以上のポリエステルポリオールを使用した場合、ウレタン化後の樹脂中のウレタン基濃度が低下することにより、樹脂及び磁性塗膜のTgが低下し、耐久性が低下することが示唆される。このため、本発明に基づく磁気記録媒体においては、ポリエステルポリオールの分子量は2000以下とすることが望ましい。
【0193】
実験例29は、本発明の分子量より大きなポリエーテルジオールを使用した場合であるが、この場合、同時に使用するニトロセルロースとの相溶性が悪く、うまく混ざり合わないことから、Tg測定ではピークがブロードになり、明確なTgを測定不能であった。また、分散性、耐久性も悪い。
【0194】
以上より明らかなように、前記結合剤が、活性水酸基を多量に導入した前記ポリウレタン樹脂を含有しているので、上記したような磁気記録媒体に添加する研磨剤等の種類や粒子径を調整しなくても塗膜としての強度が向上し、耐久性に優れている。
【0195】
即ち、前記水酸基量が0.5〜1.0mmol/gと特定されており、前記結合剤の構成成分として、多量の水酸基を含有する前記ポリウレタン樹脂を用いることにより、この磁気記録媒体の電磁変換特性並びに耐久性等の性能の向上を図ることができ、これにより、高密度記録並びにデジタル記録に対応できる磁気記録媒体が提供される。
【0196】
【発明の効果】
本発明の第1又は第2の磁気記録媒体によれば、前記ウレタン基濃度が3.0mmol/g以上の前記ポリウレタン樹脂又はウレタン基濃度とウレア基濃度の合計で3.0mmol/g以上の前記ポリウレタンウレア樹脂を前記結合剤の一部としているので、上記したような磁気記録媒体に添加する研磨剤等の種類や粒子径を調整しなくても磁性塗膜の強度が高くなり、耐久性が良好である。
【0197】
また、前記ポリウレタン樹脂又は前記ポリウレタンウレア樹脂と、同じ芳香族系のポリエステルを含有するポリウレタン樹脂とを組み合わせて用いるので、結合剤樹脂の相溶性も良好になり、電磁変換特性並びに耐久性に優れた磁気記録媒体である。
【0198】
即ち、疎水性の高い長鎖のアルキル基を持たず、芳香族のベンゼン環骨格を有する樹脂同士を組み合わせているので、結合剤同士の相溶性を大幅に改善し、これによって磁性塗料の分散性を向上することができ、優れた電磁変換特性が得られる。また、磁性層表面の平滑になることから、耐久性もより向上する。
【0199】
さらに、前記結合剤に、一般的に使用される塩化ビニル系共重合体などの含ハロゲン系樹脂を使用しないことから、地球環境に配慮した磁気記録媒体を供与できる技術として有効である。
【0200】
本発明の第3の磁気記録媒体によれば、前記結合剤が、活性水酸基を多量に導入した前記ポリウレタン樹脂を含有しているので、上記したような磁気記録媒体に添加する研磨剤等の種類や粒子径を調整しなくても塗膜としての強度が向上し、耐久性に優れている。
【0201】
即ち、前記水酸基量が0.5〜1.0mmol/gと特定されており、前記結合剤の構成成分として、多量の水酸基を含有する前記ポリウレタン樹脂を用いることにより、この磁気記録媒体の電磁変換特性並びに耐久性等の性能の向上を図ることができ、これにより、高密度記録並びにデジタル記録に対応できる磁気記録媒体が提供される。
【0202】
また、前記結合剤に、一般的に使用される塩化ビニル系共重合体などの含ハロゲン系樹脂を使用しないことから、地球環境に配慮した磁気記録媒体を供与できる技術として有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による、本発明に基づく磁気記録媒体の概略断面図である。
【図2】同、結合剤を構成する樹脂の模式図である。
【図3】同、結合剤を構成する樹脂の模式図である。
【符号の説明】
1…磁気記録媒体、2…非磁性支持体、3…磁性層

Claims (10)

  1. 非磁性支持体上に、磁性粉と結合剤を溶剤中に分散させた磁性塗料を塗布してなる磁気記録媒体において、前記結合剤が、
    芳香族含有ポリエステルと芳香族ジイソシアネートをウレタン化してなる芳
    香族系ポリエステルポリウレタン樹脂と、
    分子量60〜250のグリコールと芳香族ジイソシアネートをウレタン基濃
    度3.0mmol/g以上の条件でウレタン化してなるポリウレタン樹脂と
    の2種類のポリウレタン樹脂を含有している、磁気記録媒体。
  2. 前記芳香族系ポリエステルポリウレタン樹脂の水素基価が10〜500KOHmg/gである、請求項1に記載した磁気記録媒体。
  3. 前記芳香族系ポリエステルポリウレタン樹脂及び前記ポリウレタン樹脂中に、スルホン酸金属塩、三級アミン又は4級アンモニウム塩を含有している、請求項1に記載した磁気記録媒体。
  4. 前記結合剤中に、芳香族系イソシアネート硬化剤を含有している、請求項1に記載した磁気記録媒体。
  5. 非磁性支持体上に、磁性粉と結合剤を溶剤中に分散させた磁性塗料を塗布してなる磁気記録媒体において、前記結合剤が、
    芳香族含有ポリエステルと芳香族ジイソシアネートをウレタン化してなる芳
    香族系ポリエステルポリウレタン樹脂と、
    分子量60〜250のグリコール、アミノアルコール、ジアミンと芳香族ジイソシアネートをウレタン基濃度とウレア基濃度の合計で3.0mmol/g
    以上の条件でウレタン化してなるポリウレタンウレア樹脂と
    の2種類のポリウレタン樹脂を含有している、磁気記録媒体。
  6. 前記芳香族系ポリエステルポリウレタン樹脂の水素基価が10〜500KOHmg/gである、請求項5に記載した磁気記録媒体。
  7. 前記芳香族系ポリエステルポリウレタン樹脂及び前記ポリウレタンウレア樹脂中に、スルホン酸金属塩、三級アミン又は4級アンモニウム塩を含有している、請求項5に記載した磁気記録媒体。
  8. 前記結合剤中に、芳香族系イソシアネート硬化剤を含有している、請求項5に記載した磁気記録媒体。
  9. 非磁性支持体上に、磁性粉と結合剤を溶剤中に分散させた磁性塗料を塗布してなる磁気記録媒体において、前記結合剤が、水、分子量60〜250のグリコール並びにトリオール、ジアミン、アミノアルコールと、ジイソシアネートとからなり、水酸基量が0.5〜1.0mmol/gのポリウレタン樹脂を含有している、磁気記録媒体。
  10. 前記ポリウレタン樹脂の構成中に数平均分子量2000以下の低分子ポリエステルを含有している、請求項9に記載した磁気記録媒体。
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