JP2004041978A - ダスト水洗システム及びダスト水洗方法 - Google Patents

ダスト水洗システム及びダスト水洗方法 Download PDF

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Abstract

【課題】少量の水によって効率よく焼却飛灰等のダストから水溶性成分を溶出させ、コンパクトな設備で、処理量の大きな案件についても容易に対応することが可能なダスト水洗システム等を提供する。
【解決手段】ダストを水に懸濁させてダスト中の水溶性成分を水に溶解させる第1の溶解槽5と、第1の溶解槽5から排出されたスラリーの固液分離を行う第1の遠心分離器4と、第1の遠心分離器4から排出されたケークと水とを混合してケーク中の水溶性成分を水に溶解させる第2の溶解槽3と、第2の溶解槽3から排出されたスラリーの固液分離を行う第2の遠心分離器2と、第1の遠心分離器4または第2の遠心分離器2の分離水の一部の少なくとも一方を、第1の溶解槽5または第2の溶解槽3に戻す循環手段とを備えたダスト水洗システム1。遠心分離器2、4は、ケークを排出する直前に、ケークを水を用いて洗浄する洗浄手段2gを備えることが好適である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダスト水洗システム及びダスト水洗方法に関し、特に、焼却飛灰、塩素バイパスダスト等のダストから塩素や重金属等の揮発性成分を除去して廃棄物の有効利用を図るためのダスト水洗システム及びダスト水洗方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、焼却飛灰等の廃棄物のセメント原料化等によるリサイクルが推進されている。しかし、廃棄物の処理量が増加するに従ってセメントキルンに持ち込まれる塩素等の揮発成分の量も増加し、セメント製造設備におけるプレヒータの閉塞等の問題を引き起こす原因となっている。そのため、焼却飛灰等から予め塩素成分等を除去した後、セメント原料として利用している。
【0003】
この際、水溶性塩素化合物の水に溶けやすい性質を利用し、焼却飛灰等と水とを混合して塩素を溶出させた後、ベルトフィルタ等を用いてろ過し、得られたケークをセメント原料として利用している。また、ベルトフィルタからの排水は、浄化処理され、環境汚染を引き起こすことなく、焼却飛灰等の有効利用を図っている。
【0004】
一方、セメント製造設備におけるプレヒータの閉塞等の問題を引き起こす原因となる塩素、硫黄、アルカリ等の中で、塩素が特に問題となることに着目し、セメントキルンのキルン尻からボトムサイクロンに至るまでのキルン排ガス流路から燃焼ガスの一部を抽気して塩素を除去する塩素バイパス設備が用いられている。そして、塩素バイパス設備で発生した塩素バイパスダストについても、上述の焼却飛灰等と同様に、ベルトフィルタ等を用いてろ過し、得られた脱塩ケークをセメント原料として利用している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
焼却飛灰等を水洗して塩素を溶出させ、スラリーをろ過してケークをセメント原料として利用するにあたって、大量の水を用いるのでは、塩素等が溶出した大量の水の処理に苦慮することとなる。一方、焼却飛灰等の水洗のために使用する水量を制限し過ぎると、所望の塩素濃度以下のケークを得ることができなくなり、セメント原料として利用することができなくなるおそれもある。
【0006】
また、上述のように、近年、各種のダスト状廃棄物の処理の推進とともに、ダストに含まれる塩素や重金属等の揮発性成分の除去の重要性が高まっているが、従来のようにベルトフィルタ等を用いて水洗、ろ過し、得られた脱塩ケークをセメント原料等として利用するのでは、処理量の増大とともに、水洗、ろ過設備が大型化し、大きな設置スペースが必要となり、設置場所が限定されるような場合には、設備の導入に支障を来すおそれがあった。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、最小限の水量によって効率よく焼却飛灰等のダストから水溶性塩素等の水溶性成分を溶出させ、得られたケークを有効利用することができるとともに、処理量の大きな案件においても、コンパクトな設備でダストの洗浄を行うことができ、各種のダスト状廃棄物の処理量の増加に対応することのできるダスト水洗システム及びダスト水洗方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ダスト水洗システムであって、ダストを水に懸濁させてダスト中の水溶性成分を水に溶解させる溶解槽と、該溶解槽から排出されたダストと水からなるスラリーの固液分離を行う遠心分離器と、該遠心分離器の分離水の一部を前記溶解槽に戻す循環手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
そして、請求項1に記載の発明によれば、遠心分離器の分離水の一部を溶解槽に戻す循環手段とを備えるため、新規水の供給を極力少なく維持しながら、溶解槽においてより大量の水によってダスト中の水溶性成分を水に溶解させることができ、ダスト中の水溶性成分を効率よく水洗、除去することができる。また、本発明では、固液分離に遠心分離器を用いるため、ダストの処理量が増加しても、設置面積の増加割合が小さく、処理量の大きな案件についても容易に対応することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、ダスト水洗システムであって、ダストを水に懸濁させてダスト中の水溶性成分を水に溶解させる第1の溶解槽と、該第1の溶解槽から排出されたダストと水からなるスラリーの固液分離を行う第1の遠心分離器と、該第1の遠心分離器から排出されたケークと水とを混合してケーク中の水溶性成分を水に溶解させる第2の溶解槽と、該第2の溶解槽から排出されたスラリーの固液分離を行う第2の遠心分離器と、前記第1の遠心分離器の分離水の一部、または前記第2の遠心分離器の分離水の一部の少なくとも一方を、前記第1の溶解槽または前記第2の溶解槽に戻す循環手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、2台の遠心分離器及び溶解槽を用いて2段階に分けてダストの水洗及び固液分離を行うとともに、少なくともいずれか一方の遠心分離器の分離水の一部を溶解槽に戻す循環手段とを備えるため、さらに新規水の供給量を抑えながら、溶解槽においてより大量の水によってダスト中の水溶性成分を水に溶解させることができ、ダスト中の水溶性成分を効率よく水洗、除去することができる。また、固液分離に遠心分離器を用いるため、処理量の大きな案件に容易に対応することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のダスト水洗システムにおいて、前記遠心分離器の少なくとも1台は、該遠心分離器からケークを排出する直前に、該ケークを水を用いて洗浄する洗浄手段を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、遠心分離器において、ケークを排出する直前に水を用いて洗浄するため、ケーク中の水溶性成分をさらに効率よく水洗、除去することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、ダストを水に懸濁させてダスト中の水溶性成分を水に溶解させた後、固液分離を行うダスト水洗方法において、2台の遠心分離器を用い、第1の遠心分離器に供給するダストの溶解に第2の遠心分離器の分離水を供給し、前記第1の遠心分離器から排出されたケークの溶解に新規水を用い、前記第1または第2の遠心分離器の少なくとも一方の遠心分離器の分離水の一部を、該遠心分離器に供給されたスラリーの水溶性成分を水に溶解させた溶解槽に戻すことを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、2段階に分けてダストの水洗及び固液分離を行い、少なくともいずれか一方の遠心分離器の分離水の一部を溶解槽に戻すことにより、新規水の供給量を極力抑えながら、溶解槽においてより大量の水によってダスト中の水溶性成分を水に溶解させ、ダスト中の水溶性成分を効率よく水洗、除去することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のダスト水洗方法において、前記第1の遠心分離器からケークを排出する直前に、前記第2の遠心分離器の分離水を用いて該ケークを洗浄し、前記第2の遠心分離器からケークを排出する直前に、新規水を用いて該ケークを洗浄することを特徴とする。これによって、ケーク中の水溶性成分をさらに効率よく水洗、除去することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載のダスト水洗方法の好ましい一形態として、前記ダストの溶解水として、30℃以上、60℃以下の温水を、該ダストの重量の2倍以上、20倍以下用いることを特徴とする。溶解水の容量を小さくするため、または、溶解槽におけるスラリーの滞留時間を短くするためには、30℃以上、60℃以下の温水を用いるのが好ましい。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項4、5または6に記載のダスト水洗方法において、前記ダストは、カルシウムを含有するダストであって、該ダストを水洗する場合に、該ダストの溶解水の重量の0.1%以上、10%以下の二水石膏を、該ダストを供給する溶解槽に添加することを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、塩素バイパスダスト等のカルシウムを含有するダストを水洗する際に、二水石膏をダストとともに懸濁させることにより、二水石膏を種結晶として、そのまわりにカルシウム分を付着、成長させることができ、後段の処理系等におけるスケールの付着等を防止することができる。種結晶へのカルシウム分の付着、成長を促進するため、二水石膏の添加量を溶解水の重量の0.1%以上、10%以下とすることが好ましい。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項4乃至7のいずれかに記載のダスト水洗方法において、前記ダストは、焼却主灰、焼却飛灰、塩素バイパスダストの少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする。ここで、焼却飛灰とは、都市ごみストーカー飛灰、都市ごみ流動床炉飛灰、下水汚泥焼却飛灰、製紙スラッジ焼却飛灰、有機汚泥焼却飛灰等をいう。これによって、焼却飛灰等の廃棄物をセメント原料等として有効利用することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図1及び図2を参照しながら説明する。
図1は、本発明にかかるダスト水洗システムの一実施の形態を示し、このダスト水洗システム1は、大別して、2台の溶解槽3、5と、2台の遠心分離器2、4と、ダスト貯蔵槽6とで構成される。
【0022】
溶解槽3、5は、円筒状に形成された槽に撹拌装置を備えたものであって、ダストまたは水洗ケークと水とが供給され、ダスト等の中の水溶成分を水に溶解させた後、ダスト等と水からなるスラリーを排出する。
【0023】
遠心分離器2、4は、図2に示すように、いわゆる竪型の遠心分離器であって、ケーシング2aに固定された内筒2bと、回転する胴部2cとをケーシング2a内に備える。
【0024】
胴部2cの上部には、スラリー供給路2fが設けられ、スラリー供給路2fの最下部に、円周方向に均等にスラリーを分離するための均等分離装置2dが配置される。胴部2cの底面から胴部中央部に向かってケークの洗浄水を供給する洗浄水供給路2gが設けられる。胴部2cの外周には、スラリーからの分離水を上方に向かって移動させるスクリューコンベア2eが設けられ、スクリューコンベア2eの上方には、堰板2iが設けられる。堰板2iから分離水排出口2kまでの空間が分離水搬送路2jである。内筒2bの最下部には、ケーク排出口2hが設けられる。
【0025】
図1に示すように、遠心分離器4と溶解槽5の間、及び遠心分離器2と溶解槽3の間には、各々スラリーポンプ7、8が配置される。遠心分離器2の後段には、ケークを次工程に輸送するポンプ9が配置される。また、遠心分離器2〜溶解槽5に水を供給するため、図示しない給水装置が配置される。
【0026】
次に、上記構成を有するダスト水洗システム1の動作について説明する。尚、図1のマテリアルフローにおけるかっこ内の数値Nは、固液比であって、ダスト貯蔵槽6から溶解槽5に供給されるダストDの重量に対する水の重量比を示す。また、ダスト中の水溶性成分の溶解を促進するため、ダストの溶解水として、30℃〜60℃の温水を用いることが好ましい。
【0027】
図1に示すように、ダスト貯蔵槽6内のダストDは、溶解槽5に供給され、ダストD中の水溶性成分が、遠心分離器2からの溶解水W7と、遠心分離器4からの循環水W9に溶解する。溶解槽5から排出されたスラリーS2は、スラリーポンプ7を介して遠心分離器4に供給される。遠心分離器4においてスラリーS2は固液分離されるが、この際、固液分離によって生じたケークがケーク洗浄水W6によって洗浄され、ケーク中の水溶性成分がさらに溶解、除去される。分離水W8の一部は、循環水W9として溶解槽5に戻され、残りは回収水W10として回収されて浄化処理される。
【0028】
ここで、遠心分離器4によるスラリーS2の固液分離動作について、図2を参照しながら説明する。
【0029】
供給されたスラリーS2は、スラリー供給路2fを通って胴部2cの均等分離装置2dに達すると、胴部2cの回転による遠心力によって円周方向に均等に分離される。そして、回転するスクリューコンベア2e内で固液分離が行われ、分離水は、スクリューコンベア2e内を上方に移動し、堰板2iを越え、分離水搬送路2jを通って分離水排出口2kから排出される。一方、ケークは、スクリューコンベア2e内を下方に移動し、内筒2bの下端部近傍において、洗浄水供給路2gから供給された洗浄水W6によって洗浄された後、ケーク排出口2hから排出される。
【0030】
図1に示すように、遠心分離器4から排出されたケークC2は、溶解槽3に供給され、ケークC2の水溶性成分が、新規水W3と、遠心分離器2からの循環水W5に溶解する。溶解槽3から排出されたスラリーS1は、スラリーポンプ8を介して遠心分離器2に供給される。遠心分離器2において、上述の要領で、スラリーS1は固液分離されるとともに、固液分離によって生じたケークが新規水W2によって洗浄され、ケーク中の水溶性成分がさらに溶解、除去される。
【0031】
分離水W4の一部は、循環水W5として溶解槽3に戻され、一部は、遠心分離器4においてケーク洗浄水W6として利用され、残りは溶解水W7として溶解槽5において利用される。遠心分離器2から排出されたケークC1は、ポンプ9を介して次工程へ搬送され、セメント原料等として利用することができる。
【0032】
上述のように、本発明では、W1(N=4)をダスト水洗システム1に新規水として供給し、その一部を遠心分離器2において洗浄水W2(N=1)として使用するとともに、残りを溶解槽3において溶解水W3(N=3)として使用し、遠心分離器2の分離水W4(N=7)の一部を循環水W5(N=3)として溶解槽3に戻しているため、溶解水W3(N=3)+循環水W5(N=3)の合計N=6の水によって水溶性成分を溶解させることができ、新規水W1の供給を極力少なく維持しながら、溶解槽3においてより大量の水によってケーク中の水溶性成分を水に溶解させることができる。
【0033】
また、遠心分離器4、溶解槽5の系統においても、同様に、遠心分離器2の分離水W4の一部を遠心分離器4に洗浄水W6(N=1)として使用するとともに、遠心分離器2の分離水W4(N=7)の一部を溶解水W7(N=3)として溶解槽5で使用し、遠心分離器4の分離水W8(N=7)の一部を循環水W9として溶解槽5に戻しているため、溶解水W7(N=3)+循環水W9(N=3)の合計N=6の水によって水溶性成分を溶解させることができ、上記と同様の効果を得ている。
【0034】
尚、上記固液比Nの値については、一例を示したものであって、水溶性成分の溶解時の固液比N=6は、経済的及び実用的な値であるが、水洗処理するダストの性状等によって、2乃至20の範囲で変化する。また、循環水W5、W9、洗浄水W2、W6の水量についても状況に応じて適宜変化させる必要がある。
【0035】
上記実施の形態においては、溶解槽及び遠心分離器を各々2台配置したが、各々3台以上配置し、遠心分離器の分離水の一部を溶解槽に戻す循環手段、または遠心分離器からケークを排出する直前に、該ケークを水を用いて洗浄する洗浄手段、並びにこれらの両手段を設けてダスト水洗システムを構成することも可能である。
【0036】
また、遠心分離器は、竪型のものに限定されることなく、横型の遠心分離器を用いることも可能である。
【0037】
塩素バイパスダストのように、カルシウムを大量に含有するダストについては、付着性が強いため、溶解槽等の処理系におけるスケールトラブルの原因となる。そこで、二水石膏をダストとともに懸濁させることにより、二水石膏を種結晶として、そのまわりにカルシウム分を付着、成長させると、カルシウム分の付着性を低下させることができ、後段のスケールトラブルを防止することができる。尚、種結晶へのカルシウム分の付着、成長を促進するため、二水石膏の添加量を溶解水の重量の0.1〜10%以下とすることが好適である。
【0038】
図3は、従来用いられているベルトフィルタと、上述の本発明にかかるダスト水洗システム1で利用した遠心分離器2、4とで、ダスト処理量(トン/日)と設置面積(平方メートル)の関係を比較したグラフである。
【0039】
このグラフより明らかなように、ベルトフィルタでは、ダスト処理量に比例して設置面積が増加しているのに対し、遠心分離器の場合には、ダスト処理量が増加しても、設置面積の増加割合が小さいことが判る。これによって、処理量の大きな案件においても、コンパクトな設備でダストの洗浄を行うことが可能となる。
【0040】
次に、本発明の試験例について説明する。本試験においては、図1のダスト水洗システム1で水洗処理した場合を実施例1、図1のダスト水洗システム1で水洗処理を行うが、ケークの洗浄を行わなかった場合を実施例2、分離水の循環とケークの洗浄をともに行わなかった場合を比較例1として、塩素濃度14.9%のダストを水洗処理した。その結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
Figure 2004041978
【0042】
同表より明らかなように、比較例1に比べ、実施例2は、新規水量を3分の2としても、水洗ケーク中の残留塩素量が同程度であることが判る。また、実施例1は、新規水量が実施例2と同程度であっても、水洗ケーク中の残留塩素量が大幅に低減していることが判る。従って、遠心分離器の分離水の一部を溶解槽に戻すことによって、より少ない新規水量でダストの水洗処理を行うことができ、遠心分離器からケークを排出する直前にケークを洗浄することが水洗ケーク中の残留塩素量の低減に大きく寄与していることが判る。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかるダスト水洗システム及びダスト水洗方法によれば、少量の水によって効率よく焼却飛灰等のダストから水溶性成分を溶出させることができるとともに、コンパクトな設備でダストの洗浄を行うことができ、処理量の大きな案件についても容易に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる水洗システムの一実施の形態を示すフローチャートである。
【図2】図1の水洗システムで使用される遠心分離器の一例を示す概略断面図である。
【図3】従来用いられているベルトフィルタと、本発明にかかるダスト水洗システムで利用した遠心分離器とで、ダスト処理量(トン/日)と設置面積(平方メートル)の関係を比較したグラフである。
【符号の説明】
1      ダスト水洗システム
2      遠心分離器
2a    ケーシング
2b    内筒
2c    胴部
2d    均等分離装置
2e    スクリューコンベア
2f    スラリー供給路
2g    洗浄水供給路
2h    ケーク排出口
2i    堰板
2j    分離水搬送路
2k    分離水排出口
3      溶解槽
4      遠心分離器
5      溶解槽
6      ダスト貯蔵槽
7      スラリーポンプ
8      スラリーポンプ
9      ポンプ
C1    ケーク
C2    ケーク
D      ダスト
S1    スラリー
S2    スラリー
W1    新規水
W2    新規水(洗浄水)
W3    新規水(溶解水)
W4    分離水
W5    循環水
W6    洗浄水
W7    溶解水
W8    分離水
W9    循環水
W10  回収水

Claims (8)

  1. ダストを水に懸濁させてダスト中の水溶性成分を水に溶解させる溶解槽と、
    該溶解槽から排出されたダストと水からなるスラリーの固液分離を行う遠心分離器と、
    該遠心分離器の分離水の一部を前記溶解槽に戻す循環手段とを備えたことを特徴とするダスト水洗システム。
  2. ダストを水に懸濁させてダスト中の水溶性成分を水に溶解させる第1の溶解槽と、
    該第1の溶解槽から排出されたダストと水からなるスラリーの固液分離を行う第1の遠心分離器と、
    該第1の遠心分離器から排出されたケークと水とを混合してケーク中の水溶性成分を水に溶解させる第2の溶解槽と、
    該第2の溶解槽から排出されたスラリーの固液分離を行う第2の遠心分離器と、
    前記第1の遠心分離器の分離水の一部、または前記第2の遠心分離器の分離水の一部の少なくとも一方を、前記第1の溶解槽または前記第2の溶解槽に戻す循環手段とを備えたことを特徴とするダスト水洗システム。
  3. 前記遠心分離器の少なくとも1台は、該遠心分離器からケークを排出する直前に、該ケークを水を用いて洗浄する洗浄手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のダスト水洗システム。
  4. ダストを水に懸濁させてダスト中の水溶性成分を水に溶解させた後、固液分離を行うダスト水洗方法において、
    2台の遠心分離器を用い、第1の遠心分離器に供給するダストの溶解に第2の遠心分離器の分離水を供給し、
    前記第1の遠心分離器から排出されたケークの溶解に新規水を用い、
    前記第1または第2の遠心分離器の少なくとも一方の遠心分離器の分離水の一部を、該遠心分離器に供給されたスラリーの水溶性成分を水に溶解させた溶解槽に戻すことを特徴とするダスト水洗方法。
  5. 前記第1の遠心分離器からケークを排出する直前に、前記第2の遠心分離器の分離水を用いて該ケークを洗浄し、前記第2の遠心分離器のからケークを排出する直前に、新規水を用いて該ケークを洗浄することを特徴とする請求項4に記載のダスト水洗方法。
  6. 前記ダストの溶解水として、30℃以上、60℃以下の温水を、該ダストの重量の2倍以上、20倍以下用いることを特徴とする請求項4または5に記載のダスト水洗方法。
  7. 前記ダストは、カルシウムを含有するダストであって、該ダストを水洗する場合に、該ダストの溶解水の重量の0.1%以上、10%以下の二水石膏を、該ダストを供給する溶解槽に添加することを特徴とする請求項4、5または6に記載のダスト水洗方法。
  8. 前記ダストは、焼却主灰、焼却飛灰、塩素バイパスダストの少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載のダスト水洗方法。
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