JP2004040955A - 過励磁検出装置および過励磁検出方法 - Google Patents

過励磁検出装置および過励磁検出方法 Download PDF

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宇川 徹雄
Masaki Horikawa
堀川 正樹
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Abstract

【課題】正確かつ容易に変圧器の過励磁状態を検出する。
【解決手段】一次電流測定器22および二次電流測定器23により一次全電流Iおよび二次負荷電流I2がそれぞれ測定され、励磁電流計算回路24により励磁電流I0が計算された上で、励磁インピーダンス計算回路25により、測定された入力電圧Vの値が励磁電流I0の値で除算されて励磁インピーダンス値が計算され、判別回路27により、励磁インピーダンス値と励磁インピーダンス基準器26で設定された励磁インピーダンス基準値とが比較され、励磁インピーダンス値が励磁インピーダンス基準値以下である場合に、変圧器1が過励磁状態であると判別される。
【選択図】  図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変圧器の過励磁状態を検出する過励磁検出装置および過励磁検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
変圧器に、定格電圧を大きく超える電圧を与えた場合には、鉄心内で発生する鉄損が増大して、機器の異常加熱を引き起こすとともに効率の低下を招く、すなわち過励磁状態に陥る可能性がある。そこで、変圧器が過励磁状態にあるかどうかを検出する過励磁検出用装置(特開平5−316800号公報等)が従来から用いられており、この過励磁検出用装置により、この変圧器の入力電圧Vの値もしくは入力電圧Vを入力周波数Fで除算した値であるV/F値が一定値以上に上昇したかどうかを確認することにより、変圧器が過励磁状態であるかどうかを判別する方法を用いている。
【0003】
図14は、従来の過励磁検出装置の構成を示す図である。
【0004】
同図に示すように、この過励磁検出装置には、電源に発電機を用いた場合の発電機起動から系統併入までの低周波帯域においても過励磁状態の検出が可能であり、過励磁保護対象である変圧器101、この変圧器101が過励磁状態かどうかを検出する過励磁検出回路102、一次側から印加された電圧を過励磁検出回路102に供給する計器用変圧器103および過励磁状態にあるかどうかの表示をする表示器104が設けられる。
【0005】
つまり、このような構成の過励磁検出回路102にあっては、変圧器101の入力電圧Vの周波数が定格周波数領域にある場合は、整定値すなわち所定の電圧の範囲であった場合に過励磁状態と判別して表示器104にその判別結果を出力する。
【0006】
図15は、従来の過励磁検出装置に備えられる過励磁検出回路102の構成を示した図である。
【0007】
同図に示すように、この過励磁検出回路102には、入力電圧V及び入力周波数Fを測定する測定器111、この測定器111で測定した入力電圧V及び入力周波数Fに基づいてV/F値を計算するV/F値計算回路112およびこのV/F計算回路112により計算されたV/F値に基づいて過励磁状態かどうかを判別する過励磁判別回路113が設けられる。
【0008】
つまり、図15に示すように、変圧器101で発生する磁束φは入力電圧Vおよび入力周波数Fの比に比例する性質に従って、入力電圧Vの周波数定格周波数の前後の範囲(70%〜150%程度)における周波数にある場合は、過励磁検出回路102内のV/F計算回路112により算出されるV/F値が一定値以上に達した場合に過励磁状態と判別する方法を用いていた。
【0009】
なお、図14で示した過励磁検出装置は、過励磁状態になる電圧が低い低周波数領域においても、変圧器が過励磁状態かどうかを検出することが可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、変圧器101に規定されている最大磁束密度が同じ値であっても、使用される鉄心ごとに磁化力−磁束密度特性(B−H特性)すなわち磁気飽和に至るまでの過程が異なるために、最大磁束密度を超えた場合の鉄損の発生状況には差があるので、単にV/F値のみで過励磁状態かどうかを判断した場合でも、実際の過励磁状態の有無とは異なる場合がある問題があった。
【0011】
また、変圧器101において、過励磁検出回路102が接続されていない端子を入力側として用いた場合、つまり過励磁検出回路102が接続されていない巻線から逆励磁が起こる場合には、変圧器101が過励磁状態であっても、それを判別することができない問題があった。
【0012】
また、この方法は、V/F値の上昇つまり入力周波数Fに対して入力電圧Vが高い値となった場合のみに過励磁状態であることを検出する方法であるので、変圧器101に定格電圧を長時間印加した際に、励磁電流が長時間流れた場合における過励磁状態を検出することが出来ない問題があった。
【0013】
入力電圧Vを印加することで、励磁電流が流れ、その励磁電流により磁束が発生することにより過励磁状態を引き起こすわけであるが、この励磁電流は第3高調波および第5高調波を多く含む非正弦波であり、主な過励磁状態の原因となるのが第3高調波の発生によるものであるので、この第3高調波の値つまり一定時間における振幅の平均値は、単純にV/F値に比例するものではない。
【0014】
本発明は、前記課題に鑑みなされたものであり、正確かつ容易に変圧器の過励磁状態を検出することが可能になる過励磁検出装置および過励磁検出方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の第1の発明に係わる過励磁検出装置は、変圧器の過励磁状態を検出するために使用される過励磁検出装置であって、前記変圧器の入力電圧値を測定する電圧値測定手段と、前記変圧器の一次電流値を測定する一次電流値測定手段と、前記変圧器の二次電流値を測定する二次電流値測定手段と、前記一次電流値測定手段により測定された一次電流値と前記二次電流値測定手段により測定された二次電流値から励磁電流値を算出する励磁電流値算出手段と、前記電圧値測定手段により測定された入力電圧値を前記励磁電流値算出手段により算出された励磁電流値で除算して励磁インピーダンス値を算出する励磁インピーダンス値算出手段と、この励磁インピーダンス値算出手段により算出された励磁インピーダンス値に基づいて、前記変圧器が過励磁状態であるか否かを判別する過励磁状態判別手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
つまり、本発明の第1の発明に係わる過励磁検出装置では、電圧値測定手段により変圧器の電圧値が測定され、一次電流値測定手段により変圧器の一次電流値が測定され、二次電流値測定手段により変圧器の二次電流値が測定され、励磁電流値算出手段により、変圧器の励磁電流の値が算出され、励磁インピーダンス値算出手段により、変圧器の電圧値および励磁電流の値に基づいた励磁インピーダンス値が算出されるとともに、過励磁状態判別手段により、変圧器が過励磁状態であるか否かが励磁インピーダンス値に基づいて判別されることになるので、過励磁状態の原因となる励磁電流が考慮された上で判別されることになり、変圧器が過励磁状態にあるかどうか正確に判別することができる。
【0017】
また、本発明の第2の発明に係わる過励磁検出装置は、変圧器の過励磁状態を検出するために使用される過励磁検出装置であって、前記変圧器の入力電圧値を測定する電圧値測定手段と、前記変圧器の一次電流値を測定する一次電流値測定手段と、前記変圧器の二次電流値を測定する二次電流値測定手段と、前記一次電流値測定手段により測定された一次電流値と前記二次電流値測定手段により測定された二次電流値から励磁電流値を算出する励磁電流値算出手段と、前記電圧値測定手段により測定された入力電圧値と前記励磁電流値算出手段により算出された励磁電流値とを乗算して電力値を算出する電力値算出手段と、この電力値算出手段により算出された電力値に基づいて、前記変圧器が過励磁状態であるか否かを判別する過励磁状態判別手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
つまり、本発明の第2の発明に係わる過励磁検出装置では、電圧値測定手段により変圧器の電圧値が測定され、一次電流値測定手段により変圧器の一次電流値が測定され、二次電流値測定手段により変圧器の二次電流値が測定され、励磁電流値算出手段により、変圧器の励磁電流の値が算出され、電力値算出手段により、変圧器の電圧値および励磁電流の値に基づいた電力値が算出されるとともに、過励磁状態判別手段により、変圧器が過励磁状態であるか否かが電力値に基づいて判別されることになるので、過励磁状態により変圧器が発熱しているかどうか容易に判別することができる。
【0019】
また、本発明の第3の発明に係わる過励磁検出装置は、変圧器の過励磁状態を検出するために使用される過励磁検出装置であって、前記変圧器の一次電流値を測定する一次電流値測定手段と、前記変圧器の二次電流値を測定する二次電流値測定手段と、前記一次電流値測定手段により測定された一次電流値と前記二次電流値測定手段により測定された二次電流値から励磁電流値を算出する励磁電流値算出手段と、前記励磁電流値算出手段により算出された励磁電流値に含まれる高調波成分の電流値を算出する高調波電流値算出手段と、この高調波電流値算出手段により算出された高調波成分の電流値に基づいて、前記変圧器が過励磁状態であるか否かを判別する過励磁状態判別手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】
つまり、本発明の第3の発明に係わる過励磁検出装置では、一次電流測定手段により変圧器の一次電流値が測定され、二次電流測定手段により変圧器の二次電流値が測定され、励磁電流値算出手段により、変圧器の励磁電流値の算出がなされ、高調波電流値算出手段により、変圧器の励磁電流の高調波成分の振幅値が算出され、過励磁状態判別手段により、励磁電流の高調波成分の振幅値に基づいて、変圧器が過励磁状態であるか否かが判別されることになるので、過励磁状態に陥る大きな原因となる励磁電流の高調波成分のみを判別要素とすることになり、過励磁状態かどうかの判別を正確になすことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の実施形態を説明する前に、本発明が適用される変圧器について説明する。
【0022】
図1は、変圧器1の構成を示す図である。
【0023】
同図に示すように、過励磁状態の保護対象である変圧器1には、一次側コイル2、二次側コイル3および鉄心4が設けられ、この変圧器1の一次側コイル2に電源5が接続され、二次側コイル3に負荷6が接続される。
【0024】
電源5から変圧器1に入力電圧Vを印加すると、一次側に一次全電流Iが流れるとともに、一次誘起起電力E1、磁束φおよび二次誘起起電力E2が発生し、二次負荷電流I2が二次側に流れ、また、一次誘起起電力E1および二次誘起起電力E2に対して90度近く位相が遅れる励磁電流I0(図2参照)が流れる。
【0025】
図2は、前記変圧器1の各電気量の位相関係を示す図である。
【0026】
同図に示すように、変圧器1で生じる一次誘起起電力E1および二次誘起起電力E2ならびに一次負荷電流I1および二次負荷電流I2はそれぞれ同相の関係にあり、一次誘起起電力E1と二次誘起起電力E2および一次負荷電流I1と二次負荷電流I2は、それぞれ変圧器1の巻線比に比例する。また、一次全電流Iは、一次負荷電流I1および励磁電流I0のベクトル和であり、一次全電流Iと一次負荷電流I1との間には位相差θが生じている。
【0027】
図3は、前記変圧器1の鉄心4に生じる磁束φと励磁電流I0との関係を示す図であって、図3(a)は、横軸を励磁電流I0、縦軸を励磁電流I0より発生した磁束φとしたB−H特性であり、図3(b)は、横軸を時間t、縦軸を磁束φとした時間−磁束特性および横軸を時間、縦軸を励磁電流I0とした時間−励磁電流特性である。
【0028】
図3(b)に示すように、励磁電流I0は、鉄心4における磁気飽和現象およびヒステリシス現象のために非正弦波となり、この励磁電流I0には第3高調波が多く含まれる。
【0029】
なお、図3(a)と図3(b)との関係は、図3(b)の磁束0−bに等しく左図にa−bをとると、このときの励磁電流I0が0−aとなり、図3(b)に0−aになる点をプロットしたものであり、同様に正弦波電流1サイクル分について作図すると、図3(b)に示す励磁電流I0の軌跡が求まるとともに、磁束φが正弦波でも励磁電流I0が非正弦波になることを示している。
【0030】
以下に、前記変圧器1の過励磁状態を検出するための過励磁検出装置について、各実施形態に分けて説明する。
【0031】
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
【0032】
図4は、本発明の第1実施形態に係わる第1の過励磁検出装置の構成を示すブロック図である。
【0033】
同図に示すように、この第1の過励磁検出装置には、過励磁保護対象である変圧器1、一次側変流器11、二次側変流器12、変圧器1の過励磁状態を検出する過励磁検出回路13、計器用変圧器14および過励磁状態かどうかを表示する表示器15が設けられる。
【0034】
変圧器1の一次側には一次側変流器11が接続され、二次側には二次側変流器12が接続される。また、変圧器1の一次側には計器用変圧器14および過励磁検出回路13が直列に接続され、過励磁検出回路13に対して、一次側変流器11および二次側変流器12がそれぞれ接続され、過励磁検出回路13に対して、表示器15が接続される。
【0035】
一次側変流器11は、変圧器1の一次側に流れる一次全電流Iを測定するために設けられるもので、測定器の特性上、一次側に流れる一次全電流Iをそのまま測定に用いることは出来ないので、所定の変流比に従った弱い電流に変換して過励磁検出回路13に出力する。
【0036】
二次側変流器12は、変圧器1の二次側に流れる二次負荷電流I2を測定に用いるために設けられるもので、測定器の特性上、二次側に流れる二次負荷電流I2をそのまま測定に用いることは出来ないので、一次側変流器11と同様に、所定の変流比に従った弱い電流に変換して過励磁検出回路13に出力する。
【0037】
計器用変圧器14は、変圧器1の一次側に印加される入力電圧Vを測定に用いるために設けられるもので、測定器の特性上、一次側に印加される入力電圧Vをそのまま測定に用いることは出来ないので、所定の変圧比に従った弱い電圧に変換して過励磁検出回路13に出力する。
【0038】
なお、変圧器1の入力電圧Vのみならず、変圧器1の二次側に発生する二次電圧を測定したい場合には、計器用変圧器14を変圧器1の二次側に接続して、所定の変圧比に従った電圧に変換して過励磁検出回路13に出力する構成としてもよい。
【0039】
図5は、前記第1の過励磁検出装置に備えられる過励磁検出回路13の構成を示すブロック図である。
【0040】
同図に示すように、この過励磁検出回路13には、変圧器1の入力電圧Vの値を測定する電圧測定器21、一次全電流Iすなわち一次側の負荷6に流れる一次負荷電流I1と鉄心4で発生する励磁電流I0とのベクトル和である一次全電流Iの値を測定する一次電流測定器22、二次側に流れる二次負荷電流I2を測定する二次電流測定器23、一次電流測定器22で測定された一次全電流Iと二次電流測定器23で測定された二次負荷電流I2に基づいて励磁電流I0を算出する励磁電流計算回路24、入力電圧Vと励磁電流I0に基づいて励磁インピーダンス値を計算する励磁インピーダンス計算回路25、過励磁状態かどうかを判別する基準となる励磁インピーダンスの基準値の情報が設定される励磁インピーダンス基準器26および算出された励磁インピーダンス値と励磁インピーダンス基準値に基づいて過励磁状態であるかどうかを判別する判別回路27が設けられる。
【0041】
この過励磁検出回路13において、電圧測定器21は計器用変圧器14から接続される。また、一次電流測定器22は、一次側変流器11から、二次電流測定器23は二次側変流器12からそれぞれ接続され、これらの一次電流測定器22および二次電流測定器23に対して励磁電流計算回路24が接続される。
【0042】
電圧測定器21および励磁電流計算回路24は励磁インピーダンス計算回路25に接続され、この励磁インピーダンス計算回路25および励磁インピーダンス基準器26に対して判別回路27および表示器15が直列に接続される。
【0043】
励磁電流計算回路24は、具体的には、例えば、2系統の交流電圧を示す信号を加算して出力するオペアンプ回路である。
【0044】
励磁インピーダンス計算回路25は、変圧器1に対する入力電圧Vを励磁電流I0で除算した値は変圧器1が有する励磁インピーダンスに相当する性質に基づいて、励磁インピーダンス値を算出する。
【0045】
次に、前記構成の第1の過励磁検出装置による過励磁状態の検出手順について説明する。
【0046】
図6は、前記第1の過励磁検出装置の過励磁検出回路13による過励磁状態の検出手順を示すフローチャートである。
【0047】
まず、変圧器1の一次側に入力電圧Vを印加して、この入力電圧Vが、計器用変圧器14を介して電圧測定器21に入力されることにより入力電圧Vの値が測定され、この入力電圧Vの値を示す信号が励磁インピーダンス計算回路25に出力される。
【0048】
また、変圧器1の一次側に流れる一次全電流Iが一次側変流器11を介して過励磁検出回路13内の一次電流測定器22に入力されることにより一次全電流Iの値を示す信号に変換され、変圧器1の二次側に流れる二次負荷電流I2が二次側変流器12を介して過励磁検出回路13内の一次電流測定器22に入力されることにより二次負荷電流I2の値を示す信号に変換される。
【0049】
次に、一次電流測定器22により測定された一次全電流Iの値を示す信号および二次電流測定器23により測定された二次負荷電流I2の値を示す信号が励磁電流計算回路24に入力される。
【0050】
図2に示すベクトル図によれば、一次全電流Iと二次負荷電流I2は位相差θだけずれており、励磁電流I0は一次全電流Iと一次負荷電流I1のベクトル差により求められ、一次負荷電流I1は二次負荷電流I2と同相の関係にあって、変圧器1の二次側の巻線数を一次側の巻線数で除算した巻線比Nに比例するので、励磁電流計算回路24により、二次負荷電流I2の値を示す信号とこの巻線比Nに基づいて一次負荷電流I1の値を示す信号が生成されるとともに、この一次全電流Iの値を示す信号と二次負荷電流I2の値を示す信号とに基づいて、両者のベクトル差である励磁電流I0の値を示す信号が励磁インピーダンス計算回路25に出力される(ステップS1)。
【0051】
そして、入力電圧Vおよび励磁電流I0の値を示す信号に基づいて、励磁インピーダンス計算回路25により入力電圧Vを励磁電流I0で除算した値である励磁インピーダンス値が算出され(ステップS2)、この励磁インピーダンス値を示す信号が判別回路27に出力されるとともに、励磁インピーダンス基準器26に設定される励磁インピーダンス基準値を示す信号が判別回路27に出力される。
【0052】
そして、判別回路27により、励磁インピーダンス値と励磁インピーダンス基準値が比較され(ステップS3)、励磁インピーダンス値が励磁インピーダンス基準値以下であれば過励磁状態であると判別され、励磁インピーダンス値が励磁インピーダンス基準値を超えていれば過励磁状態ではないと判別され、この判別結果がメッセージなどにより表示器15に出力表示される(ステップS4)。
【0053】
このように、前記構成の第1の過励磁検出装置によれば、一次電流測定器22および二次電流測定器23により一次全電流Iおよび二次負荷電流I2がそれぞれ測定され、励磁電流計算回路24により励磁電流I0が計算された上で、励磁インピーダンス計算回路25により、測定された入力電圧Vの値が励磁電流I0の値で除算されて励磁インピーダンス値が計算され、判別回路27により、励磁インピーダンス値と励磁インピーダンス基準器26で設定された励磁インピーダンス基準値とが比較され、励磁インピーダンス値が励磁インピーダンス基準値以下である場合に、変圧器1が過励磁状態であると判別されるので、過励磁状態の原因となる励磁電流I0の大小に基づいた判別がなされることになり、過励磁状態であるかどうかを正確に把握することができる。
【0054】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0055】
図1に示す変圧器1が過励磁状態になると発熱するが、この変圧器1での発熱は、励磁電流I0を長時間継続して流し続けることにより変圧器1で発生する電力により引き起こされるものである。例えば、変圧器1が密閉された機器に搭載される場合は、この発熱が二次的な損害を引き起こす可能性がある。図4および図5に示す前記第1実施形態において、過励磁状態の有無の判別はインピーダンス基準器26に設定する励磁インピーダンス基準値に左右されるが、変圧器1が発熱しているかどうかを直接判別する判別方法ではない。そこで、変圧器1が発熱状態にあるかどうかを判別するのが、この第2実施形態の趣旨である。
【0056】
図7は、本発明の第2実施形態に係わる第2の過励磁検出装置に備えられる過励磁検出回路13の構成を示すブロック図である。
【0057】
同図に示すように、この第2の過励磁検出装置における過励磁検出装置13は、図5に示す第1の過励磁検出装置に備えられる過励磁検出回路13内の励磁インピーダンス計算回路25を電力値計算回路31に、励磁インピーダンス基準器26を電力値基準器32に置き換えたものであり、その他の構成は図5に示す構成と同様である。
【0058】
また、第2の過励磁検出装置全体の構成は、図4に示した第1の過励磁検出装置のそれと同様である。
【0059】
過励磁検出回路13内の電力値計算回路31は、電圧測定器21により測定された入力電圧Vおよび、励磁電流計算回路24により算出された励磁電流I0に基づいて電力値を計算する。
【0060】
電力値基準器32は、過励磁状態かどうかを判別する基準となる電力値の基準値の情報が設定される。
【0061】
次に、前記構成の第2の過励磁検出装置による過励磁状態の検出手順について説明する。
【0062】
まず、図4および図5に示す前記第1の過励磁検出装置と同様の手順で、励磁電流計算回路24により励磁電流I0が計算されるとともに、電圧測定器21により入力電圧Vの値が測定されると、励磁電流I0の値を示す信号が励磁電流計算回路24から電力値計算回路31に出力されるとともに、入力電圧Vの値を示す信号が電力値計算回路31に出力される。
【0063】
そして、入力電圧Vの値を示す信号と励磁電流I0の値を示す信号に基づいて、電力値計算回路31により入力電圧Vの実効値と励磁電流I0の実効値とを乗算した値である電力値が計算され、この電力値を示す信号が判別回路27に出力されるとともに、電力値基準器32に設定される電力基準値を示す信号が判別回路27に出力される。
【0064】
そして、判別回路27により、電力値と電力基準値が比較され、電力値が電力基準値以上であれば過励磁状態であると判別され、電力値が電力基準値未満であれば過励磁状態ではないと判別され、この判別結果が表示器15に出力表示される。
【0065】
このように、前記構成の第2の過励磁検出装置によれば、一次電流測定器22および二次電流測定器23により一次全電流Iおよび二次負荷電流I2がそれぞれ測定され、励磁電流計算回路24により励磁電流I0が計算された上で、電力値計算回路31により、測定された入力電圧Vの値と励磁電流I0の値が乗算されて電力値が計算され、判別回路27により、電力値と電力基準器で設定された電力基準値とが比較され、電力値が電力基準値以下である場合に、変圧器1が過励磁状態であると判別されるので、過励磁状態にともない引き起こされる発熱の大小に基づいて過励磁状態であるか判別されることにより、過励磁状態かどうか正確に把握することが出来る。
【0066】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0067】
変圧器1における励磁電流I0の増加は過励磁状態の原因となるが、この励磁電流I0において、基本波成分は、過励磁状態を引き起こす主な原因にはならず、励磁電流I0中に多く含まれる第3高調波成分が変圧器1の過励磁状態を引き起こす主な原因となっている。つまり、変圧器1における励磁電流I0が異常に増加するとともに、この励磁電流I0の波形が歪んで第3高調波成分が増加することで過励磁状態になる。図5に示す前記第1実施形態において、過励磁状態の有無の判別は励磁インピーダンスの大小に基づいてなされるが、この励磁インピーダンスは、基本波成分および第3高調波以外の高調波成分を含んだ励磁電流I0に基づいて計算がなされるので、インピーダンス基準器26に設定する励磁インピーダンス基準値によっては、励磁電流I0中の第3高調波成分の増加を検出できずに過励磁状態かどうかを正しく把握できない可能性がある。そこで、この性質に基づいて、変圧器1が過励磁状態であるかどうかを判別するのが、この第3実施形態の趣旨である。
【0068】
図8は、本発明の第3実施形態に係わる第3の過励磁検出装置の構成を示すブロック図である。
【0069】
同図に示すように、この第3の過励磁検出装置には、過励磁保護対象である変圧器1、一次側変流器11、二次側変流器12、変圧器1の過励磁状態を検出する過励磁検出回路13および表示器15が設けられる。
【0070】
この第3の過励磁検出装置において、変圧器1の一次側には一次側変流器11が接続され、二次側には二次側変流器12が接続される。
【0071】
また、過励磁検出回路13に対して、一次側変流器11および二次側変流器12がそれぞれ接続され、また、過励磁検出回路13に対して、表示器15が接続される。
【0072】
図9は、前記第3の過励磁検出装置に備えられる過励磁検出回路13の構成を示すブロック図である。
【0073】
同図に示すように、この過励磁検出回路13には、一次全電流Iの値を測定する一次電流測定器22、二次負荷電流I2を測定する二次電流測定器23、一次全電流Iと二次負荷電流I2に基づいて励磁電流I0を算出する励磁電流計算回路24、励磁電流I0に基づいて励磁電流I0の第3高調波成分を計算する第3高調波計算回路41、変圧器1が過励磁状態かどうかを判別する基準となる第3高調波成分の基準値の情報が設定される第3高調波基準器42および第3高調波成分の値と第3高調波基準値に基づいて過励磁状態であるかどうかを判別する判別回路27が設けられる。
【0074】
また、一次電流測定器22は一次側変流器11から、二次電流測定器23は二次側変流器12からそれぞれ接続され、これらの一次電流測定器22および二次電流測定器23に対して励磁電流計算回路24が接続される。
【0075】
励磁電流計算回路24は第3高調波計算回路41に接続され、この第3高調波計算回路41および第3高調波基準器42に対して判別回路27および表示器15が直列に接続される。
【0076】
この第3高調波計算回路41は、励磁電流計算回路24より出力された励磁電流I0の値を示す信号に基づいて、励磁電流I0の第3高調波成分の値すなわち励磁電流I0の第3高調波成分の一定周期における実効値が算出される。なお、第3高調波計算回路41の具体例としては、帯域通過フィルタまたはソフト演算回路などが挙げられる。
【0077】
次に、前記構成の第3の過励磁検出装置による過励磁状態の検出手順について説明する。
【0078】
まず、図4および図5に示す前記第1の過励磁検出装置と同様の手順で、励磁電流計算回路24により励磁電流I0が計算されると、この励磁電流I0の値を示す励磁電流信号が励磁電流計算回路24から第3高調波計算回路41に出力される。
【0079】
そして、励磁電流信号に基づいて、第3高調波計算回路41により励磁電流I0の第3高調波成分が抽出されて、この第3高調波成分を示す第3高調波信号が判別回路27に出力されるとともに、第3高調波基準器42に設定される第3高調波基準値を示す信号が判別回路27に出力される。
【0080】
そして、判別回路27により、第3高調波計算回路41により計算された第3高調波成分の値と、第3高調波基準器42に設定された第3高調波基準値とが比較され、第3高調波成分の値が第3高調波基準値以上であれば過励磁状態であると判別され、第3高調波成分の値が第3高調波基準値未満であれば過励磁状態でないと判別され、この判別結果が表示器15に出力表示される。
【0081】
このように、前記構成の第3の過励磁検出装置によれば、一次電流測定器22および二次電流測定器23により一次全電流Iおよび二次負荷電流I2がそれぞれ測定され、励磁電流計算回路24により励磁電流I0が計算された上で、第3高調波計算回路41により、励磁電流I0の第3高調波成分の値が計算され、判別回路27により、励磁電流I0の第3高調波成分の値と第3高調波基準器42で設定された第3高調波基準値とが比較され、励磁電流I0の第3高調波成分の値が第3高調波基準値以下である場合に、変圧器1が過励磁状態であると判別されるので、変圧器1が過励磁状態にあるかを正確に把握することができる。
【0082】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
【0083】
既に示したように、励磁電流I0中に多く含まれる第3高調波成分が変圧器1の過励磁状態を引き起こす原因となっているので、変圧器1の異常な発熱も、この第3高調波成分の増加により引き起こされるものであると考えられる。図7に示す前記第2実施形態において、過励磁状態の有無の判別は入力電圧Vの値および励磁電流I0の値の積である電力値に基づいてなされるが、この電力値は基本波成分および第3高調波以外の高調波成分を含んだ励磁電流I0に基づいて計算がなされるので、電力値基準器32に設定する電力基準値によっては、励磁電流I0中の第3高調波成分の増加を検出できずに過励磁状態かどうかを正しく把握できない可能性がある。そこで、この性質に基づいて、変圧器1が過励磁状態であるかどうかを判別するのが、この第4実施形態の趣旨である。
【0084】
図10は、本発明の第4実施形態に係わる第4の過励磁検出装置に備えられる過励磁検出回路13の構成を示すブロック図である。
【0085】
同図に示すように、この第4の過励磁検出回路における過励磁検出装置13内には、図7に示す第2の過励磁検出装置に備えられる過励磁検出回路13内の励磁電流計算回路24と電力値計算回路31との間に、図9に示す前記第3の過励磁検出装置で用いた第3高調波計算回路41が設けられ、その他の構成は図7に示す構成と同様である。
【0086】
また、第4の過励磁検出装置全体の構成は、図4に示した第1の過励磁検出装置のそれと同様である。
【0087】
次に、前記構成の第4の過励磁検出装置による過励磁状態の検出手順について説明する。
【0088】
まず、図4および図5に示す前記第1の過励磁検出装置と同様の手順で、励磁電流計算回路24により励磁電流I0が計算されるともに、電圧測定器21により入力電圧Vの値が測定されると、励磁電流I0の値を示す信号が励磁電流計算回路24から第3高調波計算回路41に出力されるとともに、入力電圧Vの値を示す信号が電力値計算回路31に出力される。
【0089】
次に、第3高調波計算回路41により励磁電流I0の第3高調波成分が抽出されて、この第3高調波を示す信号が電力値計算回路31に出力される。
【0090】
そして、入力電圧Vの値を示す信号と励磁電流I0の値を示す信号に基づいて、電力値計算回路31により入力電圧Vの実効値と励磁電流I0の第3高調波成分の実効値とを乗算した値である電力値が計算され、この電力値を示す信号が判別回路27に出力されるとともに、電力値基準器32に設定される電力基準値を示す信号が判別回路27に出力される。
【0091】
そして、判別回路27により、電力値と電力基準値が比較され、電力値が電力基準値以上であれば過励磁状態であると判別され、電力値が電力基準値未満であれば過励磁状態ではないと判別され、この判別結果が表示器15に出力表示される。
【0092】
このように、前記構成の第4の過励磁検出装置によれば、一次電流測定器22および二次電流測定器23により一次全電流Iおよび二次負荷電流I2がそれぞれ測定され、励磁電流計算回路24により励磁電流I0が計算されて、第3高調波計算回路41により、励磁電流I0の第3高調波成分の値が計算された上で、電力値計算回路31により、測定された入力電圧Vの値と励磁電流I0の第3高調波成分の値が乗算されて電力値が計算され、判別回路27により、電力値と電力基準器で設定された電力基準値とが比較され、電力値が電力基準値以下である場合に、変圧器1が過励磁状態であると判別されるので、変圧器1が過励磁状態にあるかを正確に把握することができる。
【0093】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
【0094】
図5に示す前記第1実施形態および図7に示す前記第2実施形態において、過励磁状態の有無の判別は励磁インピーダンスまたは電力値に基づいてそれぞれなされるが、この判別は、インピーダンス基準器26に設定される励磁インピーダンス基準値または電力基準器32に設定される電力基準値にそれぞれ左右されるものであるため、これらの基準値の設定によっては、正確に過励磁状態であるかどうか把握できない可能性がある。そこで、この性質を考慮して、変圧器1が過励磁状態であるかどうかを判別するのが、この第5実施形態の趣旨である。
【0095】
図11は、本発明の第5実施形態に係わる第5の過励磁検出装置に備えられる第5の過励磁検出回路13の構成を示すブロック図である。
【0096】
この第5の過励磁検出回路における過励磁検出回路13内の構成は、図5に示す第1の過励磁検出装置に備えられる過励磁検出回路13の構成を図11に示す構成に置き換えたものであり、第5の過励磁検出装置全体の構成は、図4に示した第1の過励磁検出装置のそれと同様である。
【0097】
図11に示すように、この過励磁検出回路13には、電圧測定器21、一次電流測定器22、二次電流測定器23、励磁電流計算回路24、励磁インピーダンス判別回路51、電力値判別回路52および論理積回路53が設けられる。
【0098】
この過励磁検出回路13において、電圧測定器21は計器用変圧器14から接続される。また、一次電流測定器22は一次側変流器11から、二次電流測定器23は二次側変流器12からそれぞれ接続され、これらの一次電流測定器22および二次電流測定器23に対して励磁電流計算回路24が接続される。
【0099】
電圧測定器21は、励磁インピーダンス判別回路51および電力値判別回路52にそれぞれ接続され、励磁電流計算回路24も電圧測定器21と同様に励磁インピーダンス判別回路51および電力値判別回路52にそれぞれ接続される。
【0100】
そして、励磁インピーダンス判別回路51および電力値判別回路52に対して論理積回路53が出力され、この論理積回路53に表示器15が接続される。
【0101】
励磁インピーダンス判別回路51には、図5に示す第1の過励磁検出装置に備えられる過励磁検出回路13内の励磁インピーダンス計算回路25、励磁インピーダンス基準器26および判別回路27が設けられ、この励磁インピーダンス判別回路51内の励磁インピーダンス計算回路25に対して電圧測定器21および励磁電流計算回路24が接続され、判別回路27に対して論理積回路53が接続される。
【0102】
また、電力値判別回路52には、図7に示す第2の過励磁検出装置に備えられる過励磁検出回路13内の電力値計算回路31、電力値基準器32および判別回路27が設けられ、この電力値判別回路52内の電力値計算回路31に対して電圧測定器21および励磁電流計算回路24が接続され、判別回路27に対して論理積回路53が接続される。
【0103】
励磁インピーダンス判別回路51は、励磁インピーダンス値と励磁インピーダンス基準値に基づいて、“1”または“0”の信号を出力する。
【0104】
電力値判別回路52は、電力値と電力基準値に基づいて、“1”または“0”の信号を出力する。
【0105】
論理積回路53は、励磁インピーダンス判別回路51および電力値判別回路52より出力された“1”または“0”の信号に基づいて、変圧器1が過励磁状態であるかどうかを判別する。
【0106】
次に、前記構成の第5の過励磁検出装置による過励磁状態の検出手順について説明する。
【0107】
まず、図4および図5に示す前記第1の過励磁検出装置と同様の手順で、励磁インピーダンス判別回路51内の励磁インピーダンス計算回路25により入力電圧Vと励磁電流I0に基づいた励磁インピーダンス値が計算されると、この励磁インピーダンスを示す信号が判別回路27に出力されるとともに、励磁インピーダンス基準値を示す信号が励磁インピーダンス基準器26から判別回路27に出力される。
【0108】
次に、この判別回路27により、励磁インピーダンス値および励磁インピーダンス基準値とが比較され、励磁インピーダンス値が励磁インピーダンス基準値以上であると判別されれば“1”を示す信号が、そうでないと判別されれば、“0”を示す信号が論理積回路53に出力される。
【0109】
また、図7に示す前記第2の過励磁検出装置と同様の手順で、電力値判別回路52内の電力値計算回路31により入力電圧Vと励磁電流I0に基づいた電力値が計算されると、この電力値を示す信号が判別回路27に出力されるとともに、電力基準値を示す信号が電力値基準器32から判別回路27に出力される。
【0110】
次に、この判別回路27により、電力値および電力基準値とが比較され、電力値が電力基準値以上であると判別されれば“1”を示す信号が、そうでないと判別されれば、“0”を示す信号が論理積回路53に出力される。
【0111】
そして、論理積回路53により、励磁インピーダンス判別回路51および電力値判別回路52より出力された“1”または“0”の信号に基づいて、これら入力された信号がともに“1”であれば“1”の信号を出力し、そうでなければ“0”の信号を出力する。つまり、励磁インピーダンス判別回路51および電力値判別回路52による判別の結果に基づいて最終的に変圧器1が過励磁状態と判別されれば“1”を示す信号が出力され、過励磁状態でないと判別されれば“0”を示す信号が出力されて、これらの信号に基づく判別結果が表示器15に出力表示される。
【0112】
このように、前記構成の第5の過励磁検出装置によれば、一次電流測定器22および二次電流測定器23により一次全電流Iおよび二次負荷電流I2がそれぞれ測定され、励磁電流計算回路24により励磁電流I0が計算された上で、励磁インピーダンス判別回路51により、算出された励磁インピーダンス値と励磁インピーダンス基準値とが比較されて、“1”または“0”の信号が出力され、また、電力値判別回路52により、算出された電力値と電力基準値とが比較されて、“1”または“0”の信号が出力され、論理積回路53により、励磁インピーダンス判別回路51および電力値判別回路52から出力された“1”または“0”の信号に基づいて、入力されたすべての信号が“1”である場合に過励磁状態であると判別されるので、励磁インピーダンスの値が励磁インピーダンス基準値以下であり、かつ電力値が電力基準値以上であると判別された場合のみ過励磁状態と判別されることになり、変圧器1が過励磁状態かどうか正確に把握することが出来る。
【0113】
この判別方法は、例えば、変圧器1が、常時稼動が前提になっている機器に搭載されている場合などで、過励磁状態であると判別された場合の信頼性をより高めたい場合に有効である。
【0114】
なお、本実施形態においては、論理積回路53により、励磁インピーダンス判別回路51および電力値判別回路52より出力された“1”または“0”の信号に基づいて、入力されたすべての信号が“1”である場合に過励磁状態であると判別する構成としたが、論理積回路53の代わりに論理和回路55を設けて、この論理和回路55に入力された信号の中で1つでも“1”の信号がある場合に過励磁状態であると判別する構成としてもよい。このような構成とすると、励磁インピーダンスの値が励磁インピーダンス基準値以下である、または電力値が電力基準値以上であると判別された場合に過励磁状態であると判別されるので、変圧器1が過励磁状態である疑いがある場合、これを速やかに判別したい場合に有効である。
【0115】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
【0116】
図12は、本発明の第6実施形態に係わる第6の過励磁検出装置に備えられる過励磁検出回路13の構成を示すブロック図である。
【0117】
同図に示すように、この第6の過励磁検出回路における過励磁検出回路13は、図11に示す前記第5の過励磁検出装置に備えられる過励磁検出回路13内の励磁電流計算回路24と電力値計算回路31との間に、図9に示す前記第3の過励磁検出装置で用いた第3高調波計算回路41を設けたものであり、その他の構成は図11に示す構成と同様である。
【0118】
また、第6の過励磁検出装置全体の構成は、図4に示した第1の過励磁検出装置のそれと同様である。
【0119】
次に、前記構成の第6の過励磁検出装置による過励磁状態の検出手順について説明する。
【0120】
まず、図4および図5に示す前記第1の過励磁検出装置と同様の手順で、励磁インピーダンス判別回路51内の励磁インピーダンス計算回路25により入力電圧Vの値と励磁電流I0の値に基づいた励磁インピーダンス値が計算されると、この励磁インピーダンス値を示す信号が判別回路27に出力されるとともに、励磁インピーダンス基準値を示す信号が励磁インピーダンス基準器26から判別回路27に出力される。
【0121】
次に、この判別回路27により、励磁インピーダンス値および励磁インピーダンス基準値とが比較され、励磁インピーダンス値が励磁インピーダンス基準値以上であると判別されれば“1”を示す信号が、そうでないと判別されれば、“0”を示す信号が論理積回路53に出力される。
【0122】
また、図7に示す前記第2の過励磁検出装置と同様の手順で、電力値判別回路52内の電力値計算回路31により入力電圧Vと励磁電流I0の第3高調波成分に基づいた電力値が計算されると、この電力値を示す信号が判別回路27に出力されるとともに、電力基準値を示す信号が電力値基準器32から判別回路27に出力される。
【0123】
次に、この判別回路27により、電力値および電力基準値とが比較され、電力値が電力基準値以上であると判別されれば“1”を示す信号が、そうでないと判別されれば、“0”を示す信号が論理積回路53に出力される。
【0124】
そして、図11に示す前記第5の過励磁検出装置と同様に、論理積回路53により、変圧器1が過励磁状態であるかどうかが判別され、この判別結果が表示器15に出力表示される。
【0125】
このように、前記構成の第6の過励磁検出装置によれば、一次電流測定器22および二次電流測定器23により一次全電流Iおよび二次負荷電流I2がそれぞれ測定され、励磁電流計算回路24により励磁電流I0が計算された上で、励磁インピーダンス判別回路51により、算出された励磁インピーダンス値と励磁インピーダンス基準値とが比較されて、“1”または“0”の信号が出力され、また、第3高調波計算回路41により励磁電流I0の第3高調波成分が計算された上で、電力値判別回路52により、算出された電力値と電力基準値とが比較されて、“1”または“0”の信号が出力され、論理積回路53により、励磁インピーダンス判別回路51および電力値判別回路52から出力された“1”または“0”の信号に基づいて、入力されたすべての信号が“1”である場合に過励磁状態であると判別されるので、励磁インピーダンスの値が励磁インピーダンス基準値以下であり、かつ電力値が電力基準値以上であると判別された場合のみ過励磁状態と判別されることになり、変圧器1が過励磁状態かどうか正確に把握することが出来る。
【0126】
なお、本実施形態においては、論理積回路53により、励磁インピーダンス判別回路51および電力値判別回路52より出力された“1”または“0”の信号に基づいて、入力されたすべての信号が“1”である場合に変圧器1が過励磁状態であると判別する構成としたが、論理積回路53の代わりに論理和回路55を設けて、入力された信号の中で1つでも“1”の信号がある場合に変圧器1が過励磁状態であると判別する構成としてもよい。
【0127】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について説明する。
【0128】
図13は、本発明の第7実施形態に係わる第7の過励磁検出装置に備えられる過励磁検出回路13の構成を示すブロック図である。
【0129】
この第7の過励磁検出回路における過励磁検出回路13の構成は、図4に示す第1の過励磁検出装置に備えられる過励磁検出回路13の構成を図13に示す構成に置き換えたものであり、第7の過励磁検出装置全体の構成は、図4に示した第1の過励磁検出装置のそれと同様である。
【0130】
図13に示すように、この過励磁検出回路13には、電圧測定器21、第1電流測定器、第2電流測定器、励磁電流計算回路24、励磁インピーダンス判別回路51、電力値判別回路52、電力値第2判別回路54および論理和回路55が設けられる。
【0131】
なお、電力値第2判別回路54の構成は、電力値判別回路52と同様である。
【0132】
この過励磁検出回路13において、電圧測定器21は計器用変圧器14から接続される。また、一次電流測定器22は一次側変流器11から、二次電流測定器23は二次側変流器12からそれぞれ接続され、これらの一次電流測定器22および二次電流測定器23に対して励磁電流計算回路24が接続される。
【0133】
電圧測定器21は、励磁インピーダンス判別回路51内の励磁インピーダンス計算回路25ならびに電力値判別回路52内および電力値第2判別回路54内の電力値計算回路31にそれぞれ接続され、励磁電流計算回路24は、励磁インピーダンス判別回路51内の励磁インピーダンス計算回路25および電力値判別回路52内の電力値計算回路31および第3高調波計算回路41にそれぞれ接続される。
【0134】
この第3高調波計算回路41に対して、電力値第2判別回路54が接続される。
【0135】
そして、励磁インピーダンス判別回路51、電力値判別回路52および電力値第2判別回路54に対して論理和回路55が接続され、この論理和回路55に表示器15が接続される。
【0136】
論理和回路55は、励磁インピーダンス判別回路51および電力値判別回路52より出力された“1”または“0”の信号に基づいて、変圧器1が過励磁状態であるかどうかを判別する。
【0137】
次に、前記構成の第7の過励磁検出装置による過励磁状態の検出手順について説明する。
【0138】
まず、図4および図5に示す前記第1実施形態と同様の手順で、励磁インピーダンス判別回路51内の励磁インピーダンス計算回路25により入力電圧Vと励磁電流I0に基づいた励磁インピーダンス値が計算されると、この励磁インピーダンスを示す信号が判別回路27に出力されるとともに、励磁インピーダンス基準値を示す信号が励磁インピーダンス基準器26から判別回路27に出力される。
【0139】
次に、この判別回路27により、励磁インピーダンス値および励磁インピーダンス基準値とが比較され、励磁インピーダンス値が励磁インピーダンス基準値以上であると判別されれば“1”を示す信号が、そうでないと判別されれば、“0”を示す信号が論理和回路55に出力される。
【0140】
また、図7に示す前記第2実施形態と同様の手順で、電力値判別回路52内の電力値計算回路31により入力電圧Vと励磁電流I0に基づいた電力値が計算されると、この電力値を示す信号が判別回路27に出力されるとともに、電力基準値を示す信号が電力値基準器32から判別回路27に出力される。
【0141】
次に、この判別回路27により、電力値および電力基準値に基づいて、電力値が電力基準値以上であると判別されれば“1”を示す信号が、そうでないと判別されれば、“0”を示す信号が論理和回路55に出力される。
【0142】
また、図10に示す前記第4の過励磁検出装置と同様に、電力値第2判別回路54内の電力値計算回路31により入力電圧Vと励磁電流I0の第3高調波成分に基づいた電力値が計算されると、この電力値を示す信号が判別回路27に出力されるとともに、電力基準値を示す信号が電力値基準器32から判別回路27に出力される。
【0143】
次に、判別回路27により、電力値および電力基準値とが比較され、電力値が電力基準値以上であると判別されれば“1”を示す信号が、そうでないと判別されれば、“0”を示す信号が論理和回路55に出力される。
【0144】
そして、論理和回路55により、励磁インピーダンス判別回路51および電力値判別回路52より出力された“1”または“0”信号のうちで、1つでも“1”であれば、最終的に変圧器1が過励磁状態であると判別されて、“1”の信号が出力され、励磁インピーダンス判別回路51および電力値判別回路52より出力された信号がすべて“0”であれば、最終的に変圧器1が過励磁状態ではないと判別されて、“0”の信号が出力される。
【0145】
そして、この論理和回路55による出力に基づいた判別結果が表示器15に出力表示される。
【0146】
このように、前記構成の第7の過励磁検出装置によれば、一次電流測定器22および二次電流測定器23により一次全電流Iおよび二次負荷電流I2がそれぞれ測定され、励磁電流計算回路24により励磁電流I0が計算された上で、励磁インピーダンス判別回路51により、算出された励磁インピーダンス値と励磁インピーダンス基準値とが比較されて、“1”または“0”の信号が出力され、また、電力値判別回路52により、算出された電力値と電力基準器で設定された電力基準値とが比較されて、“1”または“0”の信号が出力され、また、第3高調波計算回路41により、励磁電流I0の第3高調波成分の値が計算された上で、電力値第2判別回路54により、算出された電力値と電力基準器で設定された電力基準値とが比較されて、“1”または“0”の信号が出力された上で、論理和回路55により、励磁インピーダンス判別回路51、電力値判別回路52および電力値第2判別回路54から出力された“1”または“0”の信号に基づいて、“1”の信号が1つでも入力された場合に過励磁状態であると判別されるので、変圧器1が過励磁状態にあるかどうかを正確に把握することが出来る。
【0147】
この判別方法は、励磁インピーダンス判別回路51、電力値判別回路52および電力値第2判別回路54にそれぞれ設定された電力基準値のうち、どれか1つでも基準を満たせば過励磁状態と判断されるので、変圧器1が過励磁状態である疑いがある場合に、これを迅速に発見したい場合に有効である。
【0148】
なお、本実施形態においては、論理和回路55により、励磁インピーダンス判別回路51、電力値判別回路52および電力値第2判別回路54より出力された“1”または“0”の信号に基づいて、入力された信号の中で“1”の信号が1つでもある場合に過励磁状態であると判別する構成としたが、論理和回路55の代わりに論理積回路53を設けて、この論理積回路53に入力された信号がすべて“1”である場合に過励磁状態であると判別する構成としてもよい。
【0149】
【発明の効果】
以上のように、本発明の第1の発明に係わる過励磁検出装置によれば、電圧値測定手段により変圧器の電圧値が測定され、一次電流値測定手段により変圧器の一次電流値が測定され、二次電流値測定手段により変圧器の二次電流値が測定され、励磁電流値算出手段により、変圧器の励磁電流の値が算出され、励磁インピーダンス値算出手段により、変圧器の電圧値および励磁電流の値に基づいた励磁インピーダンス値が算出されるとともに、過励磁状態判別手段により、変圧器が過励磁状態であるか否かが励磁インピーダンス値に基づいて判別されるようになるので、過励磁状態の原因となる励磁電流が考慮された上で判別されることになり、変圧器が過励磁状態にあるかどうか正確に判別することができる。
【0150】
また、本発明の第2の発明に係わる過励磁検出装置によれば、電圧値測定手段により変圧器の電圧値が測定され、一次電流値測定手段により変圧器の一次電流値が測定され、二次電流値測定手段により変圧器の二次電流値が測定され、励磁電流値算出手段により、変圧器の励磁電流の値が算出され、電力値算出手段により、変圧器の電圧値および励磁電流の値に基づいた電力値が算出されるとともに、過励磁状態判別手段により、変圧器が過励磁状態であるか否かが電力値に基づいて判別されるようになるので、過励磁状態により変圧器1が発熱しているかどうか容易に判別することができる。
【0151】
また、本発明の第3の発明に係わる過励磁検出装置によれば、一次電流測定手段により変圧器の一次電流値が測定され、二次電流測定手段により変圧器の二次電流値が測定され、励磁電流値算出手段により、変圧器の励磁電流値の算出がなされ、高調波電流値算出手段により、変圧器の励磁電流の高調波成分の振幅値が算出され、過励磁状態判別手段により、励磁電流の高調波成分の振幅値に基づいて、変圧器が過励磁状態であるか否かが判別されるようになるので、過励磁状態に陥る大きな原因となる励磁電流の高調波成分のみを判別要素とすることになり、過励磁状態かどうかの判別を正確になすことができる。
【0152】
したがって、本発明は、正確かつ容易に変圧器の過励磁状態を検出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】変圧器の構成を示す図。
【図2】前記変圧器の各電気量の位相関係を示す図。
【図3】前記変圧器の鉄心に生じる磁束と励磁電流との関係を示す図。
【図4】本発明の第1実施形態に係わる第1の過励磁検出装置の構成を示すブロック図。
【図5】前記第1の過励磁検出装置に備えられる過励磁検出回路の構成を示すブロック図。
【図6】前記第1の過励磁検出装置による過励磁状態の検出手順を示すフローチャート。
【図7】本発明の第2実施形態に係わる第2の過励磁検出装置に備えられる過励磁検出回路の構成を示すブロック図。
【図8】本発明の第3実施形態に係わる第3の過励磁検出装置の構成を示すブロック図。
【図9】前記第3の過励磁検出装置に備えられる過励磁検出回路の構成を示すブロック図。
【図10】本発明の第4実施形態に係わる第4の過励磁検出装置に備えられる過励磁検出回路の構成を示すブロック図。
【図11】本発明の第5実施形態に係わる第5の過励磁検出装置に備えられる過励磁検出回路の構成を示すブロック図。
【図12】本発明の第6実施形態に係わる第6の過励磁検出装置に備えられる過励磁検出回路の構成を示すブロック図。
【図13】本発明の第7実施形態に係わる第7の過励磁検出装置に備えられる過励磁検出回路の構成を示すブロック図。
【図14】従来の過励磁検出装置の構成を示す図。
【図15】従来の過励磁検出装置に備えられる過励磁検出回路の構成を示した図。
【符号の説明】
1・・・変圧器
2・・・一次側コイル
3・・・二次側コイル
4・・・鉄心
5・・・電源
6・・・負荷
11・・・一次側変流器
12・・・二次側変流器
13・・・過励磁検出回路
14・・・計器用変圧器
15・・・表示器
21・・・電圧測定器
22・・・一次電流測定器
23・・・二次電流測定器
24・・・励磁電流計算回路(ベクトル和計算回路)
25・・・励磁インピーダンス計算回路
26・・・励磁インピーダンス基準器
27・・・判別回路
31・・・電力値計算回路
32・・・電力値基準器
41・・・第3高調波計算回路
42・・・第3高調波基準器
51・・・励磁インピーダンス判別回路
52・・・電力値判別回路
53・・・論理積回路
54・・・電力値第2判別回路
55・・・論理和回路

Claims (14)

  1. 変圧器の過励磁状態を検出するために使用される過励磁検出装置であって、
    前記変圧器が有する励磁インピーダンス値に基づいて、前記変圧器が過励磁状態であるか否かを判別する過励磁状態判別手段を備えたことを特徴とする過励磁検出装置。
  2. 変圧器の過励磁状態を検出するために使用される過励磁検出装置であって、
    前記変圧器で発生する電力値に基づいて、前記変圧器が過励磁状態であるか否かを判別する過励磁状態判別手段を備えたことを特徴とする過励磁検出装置。
  3. 変圧器の過励磁状態を検出するために使用される過励磁検出装置であって、
    前記変圧器で発生する励磁電流に含まれる高調波成分の電流値に基づいて、前記変圧器が過励磁状態であるか否かを判別する過励磁状態判別手段を備えたことを特徴とする過励磁検出装置。
  4. 変圧器の過励磁状態を検出するために使用される過励磁検出装置であって、
    前記変圧器で発生する励磁電流に含まれる高調波成分の電流値と入力電圧値との乗算により得られる電力値に基づいて、前記変圧器が過励磁状態であるか否かを判別する過励磁状態判別手段を備えたことを特徴とする過励磁検出装置。
  5. 変圧器の過励磁状態を検出するために使用される過励磁検出装置であって、
    前記変圧器の入力電圧値を測定する電圧値測定手段と、
    前記変圧器の一次電流値を測定する一次電流値測定手段と、
    前記変圧器の二次電流値を測定する二次電流値測定手段と、
    前記一次電流値測定手段により測定された一次電流値と前記二次電流値測定手段により測定された二次電流値から励磁電流値を算出する励磁電流値算出手段と、
    前記電圧値測定手段により測定された入力電圧値を前記励磁電流値算出手段により算出された励磁電流値で除算して励磁インピーダンス値を算出する励磁インピーダンス値算出手段と、
    この励磁インピーダンス値算出手段により算出された励磁インピーダンス値に基づいて、前記変圧器が過励磁状態であるか否かを判別する過励磁状態判別手段と
    を備えたことを特徴とする過励磁検出装置。
  6. 変圧器の過励磁状態を検出するために使用される過励磁検出装置であって、
    前記変圧器の入力電圧値を測定する電圧値測定手段と、
    前記変圧器の一次電流値を測定する一次電流値測定手段と、
    前記変圧器の二次電流値を測定する二次電流値測定手段と、
    前記一次電流値測定手段により測定された一次電流値と前記二次電流値測定手段により測定された二次電流値から励磁電流値を算出する励磁電流値算出手段と、
    前記電圧値測定手段により測定された入力電圧値と前記励磁電流値算出手段により算出された励磁電流値とを乗算して電力値を算出する電力値算出手段と、
    この電力値算出手段により算出された電力値に基づいて、前記変圧器が過励磁状態であるか否かを判別する過励磁状態判別手段と
    を備えたことを特徴とする過励磁検出装置。
  7. 変圧器の過励磁状態を検出するために使用される過励磁検出装置であって、
    前記変圧器の一次電流値を測定する一次電流値測定手段と、
    前記変圧器の二次電流値を測定する二次電流値測定手段と、
    前記一次電流値測定手段により測定された一次電流値と前記二次電流値測定手段により測定された二次電流値から励磁電流値を算出する励磁電流値算出手段と、
    前記励磁電流値算出手段により算出された励磁電流値に含まれる高調波成分の電流値を算出する高調波電流値算出手段と、
    この高調波電流値算出手段により算出された高調波成分の電流値に基づいて、前記変圧器が過励磁状態であるか否かを判別する過励磁状態判別手段と
    を備えたことを特徴とする過励磁検出装置。
  8. 変圧器の過励磁状態を検出するために使用される過励磁検出装置であって、
    前記変圧器の電圧値を測定する電圧値測定手段と、
    前記変圧器の一次電流値を測定する一次電流値測定手段と、
    前記変圧器の二次電流値を測定する二次電流値測定手段と、
    前記一次電流値測定手段により測定された一次電流値と前記二次電流値測定手段により測定された二次電流値から励磁電流値を算出する励磁電流値算出手段と、
    前記励磁電流値算出手段により算出された励磁電流値に含まれる高調波成分の電流値を算出する高調波電流値算出手段と、
    前記電圧値測定手段により測定された入力電圧値と前記高調波電流値算出手段により算出された高調波成分の電流値とを乗算して電力値を算出する電力値算出手段と、
    この電力値算出手段により算出された電力値に基づいて、前記変圧器が過励磁状態であるか否かを判別する過励磁状態判別手段と
    を備えたことを特徴とする過励磁検出装置。
  9. 変圧器の過励磁状態を検出するために使用される過励磁検出装置であって、
    前記変圧器の電圧値を測定する電圧値測定手段と、
    前記変圧器の一次電流値を測定する一次電流値測定手段と、
    前記変圧器の二次電流値を測定する二次電流値測定手段と、
    前記一次電流値測定手段により測定された一次電流値と前記二次電流値測定手段により測定された二次電流値から励磁電流値を算出する励磁電流値算出手段と、
    前記電圧値測定手段により測定された入力電圧値を前記励磁電流値算出手段により算出された励磁電流値で除算して励磁インピーダンス値を算出する励磁インピーダンス値算出手段と、
    前記電圧値測定手段により測定された入力電圧値と前記励磁電流値算出手段により算出された励磁電流値とを乗算して前記変圧器の電力値を算出する電力値算出手段と、
    前記励磁インピーダンス値算出手段により算出された励磁インピーダンス値が所定の条件を満たしているかどうかを判別するインピーダンス値判別手段と、
    前記電力値算出手段により算出された電力値が所定の条件を満たしているかどうかを判別する電力値判別手段と、
    前記インピーダンス値判別手段および前記電力値判別手段のうちの少なくとも一方の判別結果に基づいて、前記変圧器が過励磁状態であるか否かを判別する過励磁状態判別手段と
    を備えたことを特徴とする過励磁検出装置。
  10. 前記励磁電流値算出手段により算出された励磁電流値に含まれる高調波成分の電流値を算出する高調波電流値算出手段と、
    前記電圧値測定手段により測定された入力電圧値と前記高調波電流値算出手段により算出された高調波成分の電流値を乗算して電力値を算出する第2の電力値算出手段と、
    この第2電力値算出手段により算出された電力値が所定の条件を満たしているかどうかを判別する第2の電力値判別手段とを備え、
    前記過励磁状態判別手段は、前記インピーダンス値判別手段、前記電力値判別手段および前記第2の電力値判別手段のうちの少なくとも1つの判別結果に基づいて、前記変圧器が過励磁状態であるか否かを判別することを特徴とする請求項9記載の過励磁検出装置。
  11. 変圧器の過励磁状態を検出するために用いられる過励磁検出方法であって、
    前記変圧器が有する励磁インピーダンス値に基づいて、前記変圧器が過励磁状態であるか否かを判別することを特徴とする過励磁検出方法。
  12. 変圧器の過励磁状態を検出するために用いられる過励磁検出方法であって、
    前記変圧器で発生する電力値に基づいて、前記変圧器が過励磁状態であるか否かを判別することを特徴とする過励磁検出方法。
  13. 変圧器の過励磁状態を検出するために用いられる過励磁検出方法であって、
    前記変圧器で発生する励磁電流に含まれる高調波成分の電流値に基づいて、前記変圧器が過励磁状態であるか否かを判別することを特徴とする過励磁検出方法。
  14. 変圧器の過励磁状態を検出するために用いられる過励磁検出方法であって、
    前記変圧器で発生する励磁電流に含まれる高調波成分の電流値と入力電圧値との乗算により得られる電力値に基づいて、前記変圧器が過励磁状態であるか否かを判別することを特徴とする過励磁検出方法。
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