JP2004040373A - 無線端末装置およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無線LAN端末の消費電力を削減する。
【解決手段】IEEE802.11規格の無線LANシステムにおいては、隠れ端末の問題を改善するために、RTSフレームおよびCTSフレームにより与えられるネットワーク割り当てベクトル(NAV)と呼ばれる、回線がふさがっている予想時間を第三の端末に示し、第三の端末はその予想時間内にはデータ送信を行わないよう制御されている。この予想時間内は第三の端末はデータの受信をする必要もない。そこで、例えば送信局からRTSフレームを受信したなら、それにより与えられるNAVの期間は、受信回路への電源供給を停止する。あるいは、同期信号の供給を停止しても良い。
【選択図】図1
【解決手段】IEEE802.11規格の無線LANシステムにおいては、隠れ端末の問題を改善するために、RTSフレームおよびCTSフレームにより与えられるネットワーク割り当てベクトル(NAV)と呼ばれる、回線がふさがっている予想時間を第三の端末に示し、第三の端末はその予想時間内にはデータ送信を行わないよう制御されている。この予想時間内は第三の端末はデータの受信をする必要もない。そこで、例えば送信局からRTSフレームを受信したなら、それにより与えられるNAVの期間は、受信回路への電源供給を停止する。あるいは、同期信号の供給を停止しても良い。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線伝送路を利用して通信を行う複数の移動端末、あるいは当該移動端末の接続制御、および移動端末と有線ネットワーク間を接続するための基地局となるアクセスポイントを含んだ無線構内ネットワーク(無線LAN)システムに関するものであり、特に無線媒体へのアクセス制御を衝突回避型キャリアセンス多元接続(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance:CSMA/CA)方式によって制御される無線構内ネットワークシステムに接続可能な無線端末およびその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、無線LANシステムは通信ケーブルに拘束されない可搬性の優れたネットワークシステムとして利用されている。近年は特に、無線通信区間の伝送速度の向上や、ノート型パソコンの普及、モバイル通信に適したアプリケーションの出現などにより、飛躍的な普及を見せている。とりわけ2.4GHzや5GHz帯の電波を用いた無線LANシステムとして、IEEE802.11規格群によって規定された無線LANシステムが一般的に普及している。
【0003】
このような無線LANシステムの長所としては、ケーブル接続が不要で居室内の自由な機器レイアウトが可能となるといった特徴をもつ。さらに、携帯可能な端末を利用する場合、端末を、例えば企業内の居室や会議室など、異なる場所に移動しても、接続ポイントの近傍であれば、社内基幹LANに自由に接続が可能である。そのため、利用者はあらゆる場所で自分の机での作業と同じことができ、非常に便利である。さらに近年では、通称ホットスポットと呼ばれる接続サービス提供者による屋外での接続点から、自分の所有する端末を用いてインターネットに接続することもできるようになっている。
【0004】
このように、主に無線LANシステムにおいて利用される端末は、バッテリによって駆動される携帯端末が多く、端末としての消費電力の大きさとバッテリ容量によって、連続して使用できる時間が制限されている。長時間利用できる端末を提供するためには、端末内の各部の消費電力を低減することが必要となり、無線LANモジュール自体を低消費電力化することも重要な技術的課題である。無線LANモジュールの低消費電力化に関する技術としては、主に送信出力電力を最適に制御することにより送信時の低消費電力化を図るものと、受信待ち受け時の動作を制御することにより受信時の低消費電力化を図るものなどがある。
【0005】
このような受信待ち受け時において、無線モジュールの受信部の消費電力を低減する技術の従来例として、まず特許第2700000号が挙げられる。本従来技術では、無線受信部はパケットの受信待ち受け時には受信レベル判定部のみを動作させ、その他の、例えばアナログ・デジタル変換器やデジタル復調部など無線受信部に含まれる回路部分のうち、受信レベル判定部以外はすべて動作を停止させておく。そして、パケットの受信が始まり受信レベル判定部から検波信号が出力されると、アナログ・デジタル変換器およびデジタル復調部が起動され、パケットの受信および復調処理が開始される。本従来技術では、パケットの存在しない期間は受信レベル判定部のみを動作させることで、他の回路部分の消費電力を低減する効果が得られている。しかしながら、本従来例で述べられているような受信レベル判定部には、一般に自動利得制御回路(AGC回路)が具備されており、パケットの受信待ち受け時には最大利得で受信を行っているため大きな電力を消費することになる。また本従来例では、当該受信レベル判定部のみならず、アンテナから受信レベル判定部に至るまでの高周波回路部などアナログ回路部分はすべて動作状態にあるため、十分な消費電力の削減ができるとは言いがたい。
【0006】
また、無線モジュールの受信部の消費電力を低減する他の従来技術としては、特許第2713197号が挙げられる。本従来技術では、パケットの最初の部分に付加されているパケット・ヘッダを受信した時点で、このヘッダに含まれるアドレス情報およびパケット長を得る。パケットを受信した無線モジュールは、当該アドレスが自端末のアドレスでないと制御部が判断した時に、それ以降の受信動作を停止し、パケット長から得られるパケット受信の終了時点まで受信機の動作を停止させることにより消費電力を低減している。本従来例においても、すべての受信パケットに対して受信を行い、それぞれのパケットの少なくともパケット・ヘッダを復調し終えるまでは受信機の動作を停止させることはできない。無線LANシステムでは変復調方式としてスペクトラム拡散(Spread Spectrum:SS)方式や直交周波数多重(Orthogonal Frequency Division Multiplex:OFDM)方式などが用いられるため、一般にパケット信号をアンテナから受信して復調処理が完了するまでには、数値演算のため比較的大きな遅延が存在する。従って、本従来例ではパケット・ヘッダを解析した時点では、既にパケット・ヘッダに続くデータ・ペイロード部の多くの部分を復調してしまっており、消費電力を削減する効果は少ない。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】
以上説明したように、無線受信部がいったんパケットの受信を開始した後に、当該パケットを受信するか無視するかを判断するような従来の方式では、無線LANモジュールの十分な消費電力の低減が不可能であった。
【0008】
本発明ではこれら従来技術に鑑み、無線LANシステムに用いられる特有なメディア接続プロトコルを利用することにより、無線LANモジュールの消費電力を大きく削減し、これまでよりも長時間使用できる無線端末およびその制御方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本出願に係る発明では、無線LANシステムの無線端末装置において、無線端末装置をあて先としないフレームを受信した場合、該フレームにより示されるネットワーク割り当てベクトルに相当する期間、無線信号の着信の待機を、電源供給の停止やクロックの停止によって停止させる。
【0010】
あるいは、無線ネットワークに接続可能な無線端末装置であって、
無線信号の着信を待機し、着信した信号を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信したパケットから、そのパケットの保持する時間情報およびパケット構成情報を獲得する獲得手段と、
前記パケットが当該無線端末装置宛ではない場合、前記時間情報および前記パケット構成情報から算出される期間、当該無線端末装置の少なくとも一部の機能を停止する停止手段とを有する。
【0011】
また好ましくは、前記停止手段は、前記受信手段による着信の待機を停止する。
【0012】
また好ましくは、前記停止手段は、前記受信手段に含まれる電子回路に対する電源供給を停止する。
【0013】
また好ましくは、前記停止手段は、前記受信手段に含まれる電子回路に対する同期信号の供給を停止する。
【0014】
あるいは、IEEE802.11規格に準拠する無線端末装置であって、
当該無線端末装置をあて先としないフレームを受信した場合、該フレームにより示されるネットワーク割り当てベクトルに相当する期間、無線信号の受信回路の動作を停止する。
【0015】
あるいは、送受信端末が、回線がふさがる予想時間を、交換されるデータにおいて第三の端末に提示する無線通信システムであって、
前記データを傍受した第三の端末は、前記データにおいて示される回線がふさがる予想時間の期間、通信機能を実現する回路の動作を停止する。
【0016】
この構成により、受信したパケットのパケット・ヘッダを解析し、無線LANのプロトコルに用いられているパケット構成情報、および期間(Duration)情報を用いることにより無線受信部を制御することを特徴とする。ここで、パケット構成情報は次に伝送されるパケットを受信する必要があるか否かを判定し、期間情報は受信部を停止させておく期間を決定することにより、不必要なパケットに対しては初めから受信動作を抑制する作用を持つ。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施形態における無線LANシステムの受信部の動作について、無線LANシステムのプロトコルに関して図を参照しながら説明する。
【0018】
[第1実施形態]
図8は一般的な無線LANシステムのシステム構成図を表している。いま、本無線LANシステムには第一のステーション31(STA−1)、第二のステーション32(STA−2)、およびアクセスポイント33(AP)の3台の局から構成されている。無線LANシステムでは、すべての局は単一の無線チャネルを共有して利用するので、パケットの衝突を回避するためにMedia Access Control(MAC)プロトコルによって各局のパケット送信タイミングが制御される。MACプロトコルとして無線LANシステムではCSMA/CAと呼ばれる方式が用いられる。CSMA/CA方式では、各局は、パケットの送信に先立って、定められた期間無線媒体に対してキャリアセンスを行い、無線媒体が占有されていないことを確認した後にパケットを送信しなければならない。しかしながら各端末の配置された位置によっては、各々の局が、互いにすべての局が送信する信号を受信できない場合がある。例えば図8において、AP33とSTA−1、またAP33とSTA−2は互いに通信が可能な距離にあるが、一方、STA−1とSTA−2は互いに通信が可能な距離内になければ直接相手の発する信号が受信できない。このような場合、例えばSTA−2がキャリアセンスを行っても、STA−1からの信号が受信できないため、STA−2は無線媒体が空いているものと判断しパケットを送出し始めるおそれがある。このような事態は隠れ端末問題と呼ばれるが、単純にキャリアセンスを行うだけのCSMA/CA方式では、MACプロトコルとして完全にアクセス制御を行うことは不可能であることを意味する。そのため無線LANに用いられているMACプロトコルでは、CSMA/CAを元に、RTS/CTSフレームを用いたディストリビューション・コーディネーション・ファンクション(DCF)や、アクセスポイントからのポーリングによる制御を行うポイント・コーディネーション・ファンクション(PCF)などを採用することにより多元接続機能を実現している。
【0019】
図1はRTS/CTSプロトコルによるパケット伝送の様子を表したタイミング図である。図1では、データパケットの送信局の動作を「送信局」、受信局の動作を「受信局」、それ以外の局の動作を「第三の局」として表している。送信局はデータパケットの送信の前に、まずRTSフレームを送信する。このRTSを受信した受信局は、送信局に対してCTSフレームを返送する。この後、CTSフレームを受信した送信局は受信局に対してデータパケット(データ)を送出する。このデータパケットの受信が終了すると、受信局はACKフレームを送信局に返送し、一連のデータパケットの伝送処理が完了する。
【0020】
いま、第三の局は送信局の発する信号のみ受信することができて、受信局に対しては隠れ端末になっている場合を想定する。このとき、第三の局はキャリアセンスを行っても、この一連の伝送処理に用いられる4個のフレーム(RTS、CTS、データ、ACK)の内、RTSおよびデータしか受信することができない。従って、CTSおよびACKの伝送期間中は無線媒体が占有されていることを認識できない。無線LANのプロトコルでは、このCTS、ACKの伝送期間も、これらのフレームを直接受信できないその他の局に対して無線媒体が使用されていることを知らしめるために、バーチャル・キャリアセンスと呼ばれる方式を使用する。
【0021】
図2は本プロトコルに用いられるRTSフレームのフレーム構成を示した図である。RTSフレーム101は、フレームコントロールフィールド、デュレーション/IDフィールド、送信先アドレス(RA)、送信元アドレス(TA)、フレームチェックシーケンス(FCS)から構成される。さらに、デュレーション/IDフィールド203は16ビットのフィールドであり、このうち14ビットがデュレーションフィールド204として割り当てられている。このデュレーションフィールドには、このRTS/CTSプロトコルによってパケット伝送が完了するまでの時間情報、すなわちACKの送信終了までの時間情報が記録されている。バーチャル・キャリアセンスでは、第三の局がこのRTSに含まれるデュレーションフィールドを獲得する。この値はネットワーク・アロケーション・ベクタ(NAV)と呼ばれ、この先、無線媒体が占有される期間を表す時間情報である。第三の局はRTSフレームが自局宛てではないとき、このNAVの期間中は自分からのパケット送信をしないことにより、隠れ端末となっている受信局に対してもキャリアセンスを行っているのと同等な動作をすることが可能となる。
【0022】
次に、逆に、第三の局は受信局の発する信号のみ受信することができて、送信局に対しては隠れ端末になっている場合を想定する。このとき、第三の局はキャリアセンスを行っても、この一連の伝送処理に用いられる4個のフレーム(RTS、CTS、データ、ACK)の内、CTSおよびACKしか受信することができない。しかしながら、図3に示したCTSフレーム102のフレーム・フォーマットに表されるように、CTSフレームにもRTSと同様にデュレーションフィールドを持つため、第三の局はこのデュレーションフィールドからNAVを算出し、前例と同様にバーチャル・キャリアセンスを行うことができる。
【0023】
ここで、図1に表示された他の記号について簡単に説明する。パケット間には、送受の切り替えや伝播遅延などを考慮した時間(IFS:Inter−Frame Spacing)だけ待ち時間が挿入される。図1におけるDIFSおよびSIFSはそれぞれ最大IFSおよび最小IFSを表している。また、いずれかの局(図1では第三の局)において、自局あるいは他局(図1では送信局及び受信局)が通信している間に送信すべきデータが発生すると、NAVで示される時間が経過した後DIFSで定義される時間待ち、さらに乱数で定めた時間待ってからキャリアセンスを行い、そのときに回線が空いていれば送信を開始する。図1に示す衝突ウインドウとは、この乱数で定めた待ち時間を指す。これらはいずれもIEEE802.11で定義されている。
【0024】
以上、無線LANシステムにおけるバーチャル・キャリアセンスに関して説明したが、本発明はこのような無線LANのプロトコルを利用することにより、端末局に実装された無線モジュールの受信部の消費電力を削減し、長時間バッテリによって駆動することが可能となる無線LANシステムを提供する。
【0025】
<第三の局が受信局に対して隠れ端末となる場合>
いま、図8における無線LANシステムにおいて、AP33からSTA−1に対してデータパケットが伝送される場合を考える。ここでAP33は図1における送信局、STA−1は受信局に相当する。このときのSTA−2の動作を図1においてSTA−2(A)として示す。STA−2はAPからのRTSを受信し、このRTSが自局宛てでないことを認識すると、タイミングT1においてバーチャル・キャリアセンスを開始する。STA−2はRTSのデュレーションフィールドを読み、このパケット伝送処理がタイミングT3まで継続することを知ることができるので、この期間T1−T3において無線媒体を受信する必要がない。従って、この期間中は、STA−2は自局の受信モジュールを停止させてもなんら問題なく、これによりこの期間での消費電力を削減することが可能となる。
【0026】
<第三の局が送信局に対して隠れ端末となる場合>
同様に、図8における無線LANシステムにおいて、逆にSTA−1からAP33に対してデータパケットが伝送される場合を考える。ここでAP33は図1における受信局、STA−1は送信局に相当する。このときのSTA−2の動作を図1にSTA−2(B)として示す。STA−2はSTA−1に対して隠れ端末となっているため、STA−1からのRTSを受信することはできないが、これに続くAP33からのCTSを受信することはできる。STA−2はこのCTSを受信すると、タイミングT2においてバーチャル・キャリアセンスを開始する。STA−2はCTSのデュレーションフィールドを読み、このパケット伝送処理がタイミングT3まで継続することを知ることができるので、この期間T2−T3において無線媒体を受信する必要がない。従って、この期間中は、STA−2は自局の受信モジュールを停止させ、これによりこの期間での消費電力を削減することが可能となる。
【0027】
本発明における無線LANモジュールの受信モジュールに関して、第一の構成例を図4にしめす。本図において、アンテナ10によって受信された高周波信号は、高周波アナログ受信部11によって低い周波数の中間周波数信号、あるいはベースバンド信号に変換される。これら中間周波数信号、あるいはベースバンド信号はアナログ・デジタル変換器(AD変換器)12によってサンプリングされ、デジタル・データに変換される。デジタル復調部13はこのデジタル・データに対して復調処理を行い、受信フレームのデータ復調を行う。無線LANに用いられる変調方式としてはSS方式、OFDM方式などがあるが、いずれの変調方式であっても、あるいはこれら複数の変調方式を組み合わせた場合であっても本発明を適用することは可能である。
【0028】
このようにして得られた復調データは制御部14に送られる。制御部14はこの復調データを解析し、必要に応じて無線LANシステムの上位層へ受信データを送るが、本発明における制御部14の特徴は、受信したRTSフレームおよびCTSフレームを解析し、時間情報であるNAVを獲得することにある。制御部14はNAVに示された期間中は無線媒体の受信を行う必要が無いと判断し、この期間は受信停止制御線21をアクティブにする。受信停止制御線21は電源供給部16に接続される。電源供給部16は通常は電源供給線22によって無線モジュールの各部に電源を供給しているが、受信停止制御線21がアクティブになっている期間はこの電源供給を停止する働きを持ち、これにより無駄な受信動作による電力の消費が抑制される。
【0029】
なお、受信モジュールを停止している間は送信モジュールを停止しても良い。また、電源供給を再開するために必要なモジュール以外のすべてのモジュールに対する電源供給を停止してもよい。
【0030】
ここで制御部14は、例えば、制御部14がプログラム制御される場合には、タイマ及び固有のアドレスが与えられた受信停止制御信号ポート(レジスタ)を用いることで実現できる。その場合、制御部14は、デジタル復調部13から復調されたRTSフレームあるいはCTSフレームを受け取って解析し、自局が関係しない通信である場合にはその中からNAVを獲得し、その値を満了時間としてタイマにセットする。ただし、NAVの値をそのままセットせず、受信モジュールにおける信号遅延や、パケット間に挿入されるIFSの値を考慮して、NAVの値を調整することが望ましい。そして、タイマにNAVの値あるいは調整済みのNAVの値を設定した後、直ちにタイマをスタートする。同時に前記受信停止制御信号ポートをアクティブとなる値に書き換えて電源供給を停止させる。制御部14はタイマが満了したなら前記受信停止制御信号ポートをインアクティブとなる値に書き換えることで、電源供給を再開させる。
【0031】
あるいは、制御部14は、タイマおよび初期値設定機能付きのフリップフロップを備えることで、受信制御停止線21を指定期間アクティブにすることができる。この構成では、フリップフロップは受信停止制御信号の値を保持し、その出力が受信停止制御信号線21に接続される。なお、受信停止制御信号は値1でアクティブであるものとする。そして、タイマの満了信号がフリップフロップのクロックに接続される。この信号は満了により1となり、フリップフロップは、0→1の立ち上がりエッジで入力データをラッチするものとする。この構成において、まず、制御部14は、デジタル復調部13で復調されたRTSフレームあるいはCTSフレームを解析して自局が関係しない通信である場合にはその中からNAVを獲得し、その値を満了時間としてタイマにセットする。そして、タイマにNAVの値を設定した後、タイマを直ちにスタートする。同時にフリップフロップの初期値として1をセットし、その入力信号として1をセットする。これにより、受信停止制御信号線21はアクティブとなって電源の供給が停止される。そして、タイマの満了信号がフリップフロップのクロックに入力されると、フリップフロップには値0がラッチされて受信停止制御はインアクティブとなり電源の供給が再開される。
【0032】
なお、本構成例では電源供給線22は受信モジュールのすべての部分に接続されているが、たとえば一般に高周波アナログ受信部に実装される位相ロックループによる局部発振器などは、電源投入後、安定動作までに時間がかかるため、電源のオン/オフを頻繁に行うことが適当では無い。このような回路ブロックは、制御部14および電源供給部16による電源制御の対象からはずし、その他の回路部分のみに本発明を適用することも可能である。
【0033】
以上のように、本実施形態の無線LANシステムにおいて、無線LANモジュールは、受信したRTSフレームあるいはCTSフレームがその無線LANモジュールを備える端末宛ではない場合、受信したRTSフレームおよびCTSフレームにより示されるNAVに相当する時間、無線通信に関する回路ブロック(本実施形態では高周波アナログ受信部、AD変換器、ディジタル復調部)に対する電源供給を停止する。このNAVは、CSMA/CA方式によれば、RTS−CTS−DATA−ACK手順が完了するまでの予想時間であり、この間は第三の局宛にフレームが送信されることはない。このため、第三の局は、NAVに相当する時間、無線通信に関する回路ブロック、特に受信待機のために活性化されている回路ブロックに対する電源供給を停止することで、無線通信に何ら支障なく、効果的に消費電力を節約することができる。
【0034】
なお、本実施形態では、送信局あるいは受信局のいずれか一方に対して第三の端末が隠れ端末となっている場合について説明した。第三の端末が、送信局及び受信局の双方から信号を受けられる場合には、いずれの方法であっても採用し得る。ただし、送信局のRTSフレームに基づいて受信モジュールを停止させる方が、受信局のCTSフレームに基づく場合に比べて長い受信停止時間を確保できる。そのため、前者を採用する方が望ましい。
【0035】
[第2実施形態]
次に、本発明における無線LANモジュールの受信モジュールに関して、第2の実施形態の構成例を図5にしめす。本構成例では、受信動作を停止させるために電源を制御する方法ではなく、デジタル回路を動作させるためのシステムクロックを制御することを特徴とする。
【0036】
図5において、アンテナ10によって受信された高周波信号は高周波アナログ受信部11によって低い周波数の中間周波数信号、あるいはベースバンド信号に変換される。これら中間周波数信号、あるいはベースバンド信号はアナログ・デジタル変換器12によってサンプリングされ、デジタル・データに変換される。デジタル復調部13はこのデジタル・データに対して復調処理を行い、受信フレームのデータ復調を行う。このようにして得られた復調データは制御部14に送られる。制御部14はNAVに示された期間中は無線媒体の受信を行う必要が無いと判断し、この期間は受信停止制御線21をアクティブにする。さらに、受信停止制御線21はクロック発生器17に接続される。
【0037】
クロック発生器17は、通常はクロック供給線23によって無線モジュール内のアナログ・デジタル変換器12、デジタル復調部13にシステムクロックを供給しているが、受信停止制御線21がアクティブになっている期間はこのシステムクロックの供給を停止する働きを持つ。一般に、CMOS技術などによって作られたデジタル回路は、クロック信号によるスイッチングを停止すると、ほとんど電力を消費しない。このように、受信停止期間中はデジタル回路へのクロック供給を停止することにより、受信モジュールの電力消費を低減することが可能となる。
【0038】
また、本構成例ではクロック供給線線23は単一であり、この一本のクロック線がアナログ・デジタル変換器12、デジタル復調部13へ接続されているが、受信モジュールの構成によっては周波数の異なる複数のクロックが存在することもあり得る。かかる場合であっても、クロック発生器17がこれら複数のクロック供給線を制御する構成にすることにより、本発明を同様に適用することが可能である。
【0039】
[第3実施形態]
本発明に係る第3の実施形態における無線LANシステムの受信部の動作について、無線LANシステムのプロトコルに関して図を参照しながら説明する。本実施形態では、比較的大きなデータを複数の無線LANデータパケットに分割(Fragmentation)して伝送する際のDCFプロトコルを参照する。
【0040】
<第三の局が受信局に対して隠れ端末となる場合>
図6は複数の無線LANデータパケットを伝送する際の、無線LANにおけるRTS/CTSプロトコルの動作を示した図である。ここでは図1と同様に、データパケットの送信局の動作を送信局、受信局の動作を受信局、それ以外の局の動作を第三の局として表している。伝送されるデータパケットはFrag0、Frag1、Frag2で表された3パケットである。まず、送信局はデータパケットの送信の前に、RTSフレームを送信する。このRTSを受信した受信局は、送信局に対してCTSフレームを返送する。この後、CTSフレームを受信した送信局は受信局に対して1番目のデータパケット(Frag0)を送出する。この1番目のデータパケットの受信が終了すると、受信局は1番目のACKフレーム(Ack0)を送信局に返送する。そして、今度はRTS/CTSフレームの交換を行わず、即時に2番目のデータパケット(Frag1)を送信局は送信し、これを受信した受信局は2番目のACKフレーム(Ack1)を返送する。この後、送信局は最後のデータパケット(Frag2)を送信し、これを受信した受信局は最後のACKフレーム(Ack2)を伝送する。これら一連の処理により、3パケットに分割されたデータパケットの伝送処理が完了する。
【0041】
ここで留意すべき点は、このような分割されたパケット伝送の際には、RTS/CTSプロトコルは、現在の分割データパケットに続くべき次の分割データパケット伝送が存在するか否かをパケット構成情報としてやりとりすることである。具体的には、図2で示したRTSフレーム101中のフレームコントロールフィールド201の中に、モアフラグメントフィールド(モアフラグメントビット)を1ビット備えており、次に送信される分割パケットが存在する場合にはこのビットが立てられる。さらに、このモアフラグメントビットは、デュレーションフィールドと同様に、RTSフレームだけではなく、図3に示したCTSフレーム102、ACKフレーム104、およびデータパケットの先頭に付与されるMACヘッダ103にも同様に定義されている。
【0042】
ここで、このような分割されたパケット伝送において、無線LANシステムがどのようにバーチャル・キャリアセンスを行うかについて、再度図6を参照しながら説明する。いま、第三の局は送信局の発する信号のみ受信することができて、受信局に対しては隠れ端末になっている場合を想定する。このとき、第三の局はキャリアセンスを行っても、この一連の伝送処理に用いられるフレームのうち、RTS、Frag0、Frag1、Frag2しか受信することができない。
【0043】
まず、第三の局はRTSフレームを受信すると、その宛先アドレスを読み、このパケット伝送が自局宛てでない場合に、RTSフレーム中のデュレーションフィールドに示された時間情報に基づいてNAV(RTS)を開始する。同時に、RTSフレームに含まれるモアフラグメントビットを読み、このビットが立っている場合には、現在のパケットに続く分割データパケットが存在することを認識する。この場合、第三の局は1番目のデータフレームFrag0のMACヘッダを受信する。第三の局は、このMACヘッダに含まれるデュレーションフィールドを記憶し、RTSフレームによるNAVが終了した後で、新たにFrag0のデュレーションフィールド情報によるNAV(Frag0)を開始する。
【0044】
このようにして第三の局は、モアフラグメントビットが立っているMACヘッダを順次受信し、それぞれのデュレーションフィールドを用いて順次NAVを開始する。最後に受信したデータパケットFrag2に関しては、これ以降に続く分割データパケットが存在しないので、Frag2のモアフラグメントビットは立っておらず、これにより第三の局は現在のNAV(Frag1)が最後のバーチャル・キャリアセンス期間であると認識し、このNAV(Frag1)終了後は通常の受信動作モードに遷移する。このようにして、分割されたデータパケット伝送でのバーチャル・キャリアセンスが実現できる。
【0045】
ここで、このようなMACプロトコルに関しても、第一の実施形態と同様に本発明を適用することができることを示す。図8における無線LANシステムにおいて、AP33からSTA−1に対して分割データパケットが伝送される場合を考える。ここでAP33は図6における送信局、STA−1は受信局に相当する。このときのSTA−2の動作を図6にSTA−2として示す。STA−2はAP33からのRTSを受信し、このRTSが自局宛てでないことを認識すると、タイミングT1においてバーチャル・キャリアセンスを開始する。同時に、STA−2はRTSのデュレーションフィールドを読み、このパケット伝送処理がタイミングT2*まで継続することを知ることができる。ただし、STA−2はRTSフレームのモアフラグメントビットが立っていることから、次のNAV情報を得るために、1番目の分割データパケットFrag0のMACヘッダを受信しなければならない。CTSフレームは固定長であるので、STA−2はCTSが受信できなくてもFrag0が送信開始されるタイミングT1*を知っている。そのため、この期間T1−T1*においてSTA−2は無線媒体を受信する必要がない。従って、この期間中は、STA−2は自局の受信モジュールを停止させてもなんら問題なく、これによりこの期間での消費電力を削減することが可能となる。例えば、タイミングT1*は、タイミングT1に、CTSフレームの時間と、その前後にIFSを挿入した分の時間だけ後のタイミングであると予想できる。受信停止については、第1実施形態において図4及び図5を参照して説明した要領で実現できる。ただし、受信停止する期間T1−T1*としては、CTSフレームの時間に、その前後にIFSを挿入した分の時間を加算した値となる。
【0046】
STA−2は期間T1−T1*の受信停止の後、Frag0のMACヘッダを受信する。Frag0のデータ・ペイロード部はSTA−2にとって必要のない情報であるので、STA−2はMACヘッダを受信した時点T2から再度受信停止に入る。2番目の分割データパケットFrag1が送信されるタイミングT2*は、最初に受信したRTSフレームに含まれるNAV(RTS)終了時点であり、STA−2はこのタイミング情報を知っているので、期間T2−T2*においてSTA−2は受信を停止することができる。受信停止期間T2−T2*は、NAV(RTS)から、T1−T1*と、分割パケットFrag0のMACヘッダ受信に要する時間を減じた時間となる。この時間をタイミングT2に加えたタイミングが、STA−2が知っているタイミングT2*である。また受信停止については、第1実施形態において図4及び図5を参照して説明した要領で実現できる。ただし、受信停止する期間としては、NAV(RTS)から、T1−T1*と、分割パケットFrag0のMACヘッダ受信に要した時間を減じた期間となる。
【0047】
STA−2は期間T2−T2*の受信停止の後、Frag1のMACヘッダを受信する。Frag1のデータ・ペイロード部はSTA−2にとって必要のない情報であるので、STA−2はMACヘッダを受信した時点T3から再度受信停止に入る。3番目の分割データパケットFrag2が送信されるタイミングT3*は、受信した最初の分割フレームFrag0に含まれるNAV(Frag0)の終了時点であり、STA−2はこのタイミング情報を知っているので、期間T3−T3*においてSTA−2は受信を停止することができる。受信停止期間T3−T3*は、NAV(Frag0)から、分割パケットFrag1のMACヘッダ受信に要した時間を減じた時間となる。この時間をタイミングT3に加えたタイミングが、STA−2が知っているタイミングT3*である。また受信停止については、第1実施形態において図4及び図5を参照して説明した要領で実現できる。受信停止する期間としては、NAV(Frag0)から分割パケットFrag1のMACヘッダ受信に要した時間を減じた期間となる。
【0048】
最後に分割パケットFrag2を受信したなら、期間T3−T3*と同じ要領で、Frag2のMACヘッダを受信した時点T4から、NAV(Frag1)より分割パケットFrag2のMACヘッダ受信に要した時間を減じた期間経過後のタイミングT4*までの間は受信停止することができる。そして、受信したパケットFrag2のモアフラグメントビットはセットされていないために、この後の分割パケットはないものと判断できる。そこで、タイミングT1−T4*において送信すべきデータが発生しているのであれば、タイミングT4*後に受信を再開して期間DIFSを挿入し、衝突ウインドウを生成した後に、キャリアが検出できなければそのデータの送信を開始する。
【0049】
このようにして、受信局STA−1に対して隠れ端末となっている第3の局STA−2において、送信局PA33が送信する各分割データパケットのMACヘッダを受信することができる。そして、RTSフレーム及び各分割データパケットのMACヘッダからデュレーション情報を獲得することにより、STA−2はこの一連の分割データパケット伝送中、T1−T1*、T2−T2*、T3−T3*、T4−T4*において受信モジュールの動作を停止させることが可能となる。すなわち、フラグメント機能遂行時に、送信局がRTSフレームを送信してから受信局が最後のACKフレームを送信するまでの期間から、データパケットのMACヘッダの受信期間を除いた期間については、第三の局は受信モジュールを停止させて消費電力を抑制することができる。
【0050】
この受信モジュールの停止動作は、第1実施形態で図4により説明したように、電源供給部16による、高周波アナログ受信部11,AD変換器11,デジタル復調部13といった受信モジュールへの電源供給を停止させることで実現される。あるいは、第2実施形態で図5により説明したように、クロック発生器17による、AD変換器11,デジタル復調部13といった受信モジュールへのクロックの供給を停止させることで実現される。この受信モジュールの停止動作により、フラグメント機能を用いた場合であっても、受信局に対して隠れ端末となっている第三の局の受信モジュールにおける消費電力を削減することができる。
【0051】
<第三の局が送信局に対して隠れ端末となる場合>
以上説明した場合と逆に、第三の局は受信局の発する信号のみ受信することができて、送信局に対しては隠れ端末になっている場合の動作タイミング図を表したものが図7である。いま、第三の局はキャリアセンスを行っても、この一連の伝送処理に用いられるフレームのうち、CTS、Ack0、Ack1、Ack2しか受信することができない。まず、第三の局はCTSフレームを受信すると、CTSフレーム中のデュレーションフィールドに示された時間情報に基づいてNAVを開始する。同時に、CTSフレームに含まれるモアフラグメントビットを読み、このビットが立っている場合には、現在のパケットに続く分割データパケットが存在することを認識する。この場合、第三の局はNAV期間の最後に到来する1番目のACKフレーム(Ack0)を受信する。このACKフレームに含まれるモアフラグメントビットを読み、このビットが立っている場合には第三の局は次に2番目のデータ伝送が行われることを認識し、同時にこのACKフレーム中のデュレーションフィールドから得られる時間情報に基づいて、再度NAVを開始する。このようにモアフラグメントビットの立っているACKフレームを受信する度にNAVを開始することによって、複数データパケットの伝送においてもバーチャル・キャリアセンスを実現することが可能となる。第三の局は最後のACKフレーム(Ack2)を受信した際、このフレームのモアフラグメントビットが立っていないことを読み取り、これによりバーチャル・キャリアセンスを終了し、通常の受信動作に遷移する。
【0052】
次に、図8における無線LANシステムにおいて、STA−1からAP33に対して分割データパケットが伝送される場合を考える。ここでAP33は図7における受信局、STA−1は送信局に相当する。このときのSTA−2の動作を図7にSTA−2として示す。STA−2はAP33からのCTSを受信し、タイミングT1においてバーチャル・キャリアセンスを開始する。STA−2はCTSのデュレーションフィールドを読み、このパケット伝送処理がタイミングT2まで継続することを知ることができる。ただし、STA−2はこのCTSフレームのモアフラグメントフィールドのビットが立っていることから、次のNAV情報を得るために、1番目のACKフレーム(Ack0)を受信しなければならない。ACKフレームが固定長であるので、STA−2は知り得たNAV期間終了タイミングT2から、ACKフレーム分の伝送期間を差し引いたタイミングT1*から受信を開始することができる。従って、この期間T1−T1*においてSTA−2は無線媒体を受信する必要がないため、STA−2は自局の受信モジュールを停止させてもなんら問題なく、消費電力を削減することが可能となる。
【0053】
STA−2は期間T1−T1*の受信停止の後、1番目のACKフレームを受信し、モアフラグメントビットが立っていることを認識すると、前回と同様にACKフレームのデュレーションフィールドから得られる時間情報から計算されうる次のACKフレームが到来するタイミングT2*までの期間受信を停止できる。このようにモアフラグメントビットの立っていないACKフレームを受信するまで、この動作を繰り返すことにより、STA−2はこの一連の分割データパケット伝送中、期間T1−T1*、T2−T2*、T3−T3*において受信モジュールの動作を停止させることが可能となる。すなわち、フラグメント機能遂行時に、受信局がCTSフレームを送信してから受信局が最後のACKフレームを送信するまでの期間から、ACKフレームの受信期間を除いた期間については、第三の局は受信モジュールを停止させて消費電力を抑制することができる。
【0054】
以上のようにして、分割(Fragmentation)されたデータパケット伝送においても、バーチャル・キャリアセンスの機能を利用することにより、パケット伝送に係わらない端末局は、自局が無線媒体を受信する必要のない期間を知ることができ、この期間において受信モジュールの受信動作を停止させることにより、端末局の消費電力を削減することが可能となる。これら本発明の第二の実施例による省電力動作を行う受信モジュールの構成例としては、第一の実施例に引用した図4ないし図5のようなものが同様に利用可能である。
【0055】
なお、本実施形態では、送信局あるいは受信局のいずれか一方に対して第三の端末が隠れ端末となっている場合について説明した。第三の端末が、送信局及び受信局の双方から信号を受けられる場合には、いずれの方法であっても採用し得る。ただし、送信局のRTSフレームに基づいて受信モジュールを停止させる方が、受信局のCTSフレームに基づく場合に比べて長い受信停止時間を確保できる。そのため、前者を採用する方が望ましい。
【0056】
このように、本願発明に係る無線LAN端末においては、NAVが有効な間は、受信モジュールに対する電源供給あるいはクロック信号の供給を停止することで、消費電力の削減を実現できる。
【0057】
また、最初にRTSフレームあるいはCTSフレームを受信してフラグメント機能が使用されていると判定された場合には、NAVが有効な間であっても、分割パケットのMACヘッダあるいはACKフレームを受信するための間は受信モジュールを待機状態に戻す。そして、受信したMACヘッダあるいはACKフレームに含まれるモアフラグメントビットを参照すると共に、デュレーションフィールドの値を獲得し、次のMACヘッダあるいはACKフレームを受信するために、受信待機状態にすべきタイミングを決定する。そしてそれまでの期間は、第1実施形態あるいは第2実施形態で説明したとおり受信モジュールを停止させる。このようにして、フラグメント機能が使用される場合にも、効果的に消費電力の削減を実現できる。
【0058】
<制御部14の動作(全実施形態)>
ここで制御部14の動作についてその一例をあらためて説明する。第1及び第2実施形態の動作と本実施形態の動作とは相容れないものではなく、フラグメントの有無に応じて処理内容を変更することで、ひとつの無線LAN端末が、両実施形態の装置として機能し得る。そこで、例えば、制御部14がプログラム制御されるものとして、制御部4の動作を図9乃至図11を参照して説明する。
【0059】
制御部14は、それがプログラム制御される場合には、タイマと、固有のアドレスが与えられた受信停止制御信号への出力値を保持する信号ポート(レジスタ)を用いることで実現できる。
【0060】
図9(A)において、制御部14は、デジタル復調部13から復調されたRTSフレームあるいはCTSフレームを受け取った場合には、その内容を解析し、自局が関係しない通信であるか判定する(ステップS901)。関係する場合には適当な通信処理を行う。関係しない場合には、前記信号ポートに受信停止信号をアクティブにする値を書き込み、受信を停止させる(ステップS903)。そして受信したフレームの中からフラグメントビットを参照する(ステップS905)。フラグメントビットがセットされていない場合には、第1実施形態で説明したように、フレーム中のデュレーションフィールドで与えられるNAVの値を満了時間としてタイマをスタートさせる(ステップS907)。
【0061】
一方、フラグメントビットがセットされていれば、受信したフレームがRTSかCTSかに応じて処理が分かれる(ステップS909)。RTSフレームの場合には、CTSフレーム長に相当する時間を満了時間としてタイマをスタートさせる(ステップS911。また、RTSフレームに含まれるデュレーションフィールドの値(すなわちNAV)から、CTSフレーム長に相当する時間を差し引いた値を「NAV長」として保存しておく(ステップS913)。CTSフレームの場合には、そこに含まれるデュレーション値で示される時間(NAV)からACKフレーム長に相当する時間を差し引いた値を満了時間としてタイマをスタートさせる(ステップS915)。なお、フレーム長に相当する時間をNAVから差し引く際には、フレームの前後に挿入されるIFS(図1参照)も差し引かれる。これは他の場合にも同様である。
【0062】
また図9(B)において、スタートしたタイマが満了すれば、前記信号ポートに受信停止信号をインアクティブにする値を書き込む(ステップS921)。それにより受信待機状態となる。
【0063】
また、図10において、制御部14は、デジタル復調部13から、データパケットのMACヘッダを受信した場合には、それを受け取って解析し、自局が関係しない通信であるか判定する(ステップS1001)。関係しない場合にはその中からフラグメントビットを参照する(ステップS1003)。フラグメントビットがセットされていない場合は、例えばそのパケットを無視する等、別途定めた処理を行うものとする。一方、フラグメントビットがセットされていれば、受信停止信号をアクティブにする値を前記信号ポートに書き込み、受信動作を停止させる(ステップS1005)。そして保存されているNAV長の値からMACヘッダに相当する時間を差し引き、その値を満了時間としてタイマをスタートする(ステップS1007)。そして受信したMACヘッダに含まれるデュレーションフィールドの値(すなわちNAV)を新たなNAV長として保存しておく(ステップS1009)。
【0064】
また、図11において、制御部14は、デジタル復調部13から、ACKフレームを受信した場合には、それを受け取って解析し、自局が関係しない通信であるか判定する(ステップS1101)。関係しない場合には、その中からフラグメントビットを参照する(ステップS1103)。フラグメントビットがセットされていない場合は、例えばそのパケットを無視する等、別途定めた処理を行うものとする。一方、フラグメントビットがセットされていれば、受信停止信号をアクティブにする値を前記信号ポートに書き込み、受信動作を停止させる(ステップS1105)。そしてACKフレームに含まれているデュレーションフィールドの値(すなわちNAV)から、ACKフレーム長に相当する時間を差し引き、その値を満了時間としてタイマをスタートする(ステップS1107)。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、不必要な受信動作を抑制することにより、無線受信モジュールの電力消費を削減することができる。特にバッテリ駆動の無線端末について、バッテリ駆動にもかかわらず長時間使用することが可能となる。特に従来技術ではすべてのパケットに対して、少なくともレベル判定部だけは動作させておく必要があったり、最低でもすべてのパケットのヘッダ情報を読み取らなければならなかったが、本発明においては、無線通信のプロトコルを利用することで、不要なパケットに対しては受信動作を行わないため消費電力の大きな削減効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例における無線LANシステムの動作を表すタイミング図である。
【図2】無線LANに用いられるRTSフレームの構成図である。
【図3】無線LANに用いられるCTS、ACKフレーム、およびMACヘッダの構成図である。
【図4】本発明の実施例における無線モジュールの第一の構成図である。
【図5】本発明の実施例における無線モジュールの第二の構成図である。
【図6】本発明の他の実施例における無線LANシステムの動作を表すタイミング図である。
【図7】本発明の他の実施例における無線LANシステムの動作を表すタイミング図である。
【図8】無線LANシステムのシステム構成図である。
【図9】制御部14による制御手順の一例を示す流れ図である。
【図10】制御部14による制御手順の一例を示す流れ図である。
【図11】制御部14による制御手順の一例を示す流れ図である。
【符号の説明】
10…アンテナ
11…高周波アナログ受信部
12…アナログ・デジタル変換器
13…デジタル復調部
14…制御部
15…CPU
16…電源供給部
17…クロック発生器
21…受信停止制御信号
22…電源供給線
23…クロック供給線
31…第一のステーション
32…第二にステーション
33…アクセスポイント
34…有線ネットワーク
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線伝送路を利用して通信を行う複数の移動端末、あるいは当該移動端末の接続制御、および移動端末と有線ネットワーク間を接続するための基地局となるアクセスポイントを含んだ無線構内ネットワーク(無線LAN)システムに関するものであり、特に無線媒体へのアクセス制御を衝突回避型キャリアセンス多元接続(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance:CSMA/CA)方式によって制御される無線構内ネットワークシステムに接続可能な無線端末およびその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、無線LANシステムは通信ケーブルに拘束されない可搬性の優れたネットワークシステムとして利用されている。近年は特に、無線通信区間の伝送速度の向上や、ノート型パソコンの普及、モバイル通信に適したアプリケーションの出現などにより、飛躍的な普及を見せている。とりわけ2.4GHzや5GHz帯の電波を用いた無線LANシステムとして、IEEE802.11規格群によって規定された無線LANシステムが一般的に普及している。
【0003】
このような無線LANシステムの長所としては、ケーブル接続が不要で居室内の自由な機器レイアウトが可能となるといった特徴をもつ。さらに、携帯可能な端末を利用する場合、端末を、例えば企業内の居室や会議室など、異なる場所に移動しても、接続ポイントの近傍であれば、社内基幹LANに自由に接続が可能である。そのため、利用者はあらゆる場所で自分の机での作業と同じことができ、非常に便利である。さらに近年では、通称ホットスポットと呼ばれる接続サービス提供者による屋外での接続点から、自分の所有する端末を用いてインターネットに接続することもできるようになっている。
【0004】
このように、主に無線LANシステムにおいて利用される端末は、バッテリによって駆動される携帯端末が多く、端末としての消費電力の大きさとバッテリ容量によって、連続して使用できる時間が制限されている。長時間利用できる端末を提供するためには、端末内の各部の消費電力を低減することが必要となり、無線LANモジュール自体を低消費電力化することも重要な技術的課題である。無線LANモジュールの低消費電力化に関する技術としては、主に送信出力電力を最適に制御することにより送信時の低消費電力化を図るものと、受信待ち受け時の動作を制御することにより受信時の低消費電力化を図るものなどがある。
【0005】
このような受信待ち受け時において、無線モジュールの受信部の消費電力を低減する技術の従来例として、まず特許第2700000号が挙げられる。本従来技術では、無線受信部はパケットの受信待ち受け時には受信レベル判定部のみを動作させ、その他の、例えばアナログ・デジタル変換器やデジタル復調部など無線受信部に含まれる回路部分のうち、受信レベル判定部以外はすべて動作を停止させておく。そして、パケットの受信が始まり受信レベル判定部から検波信号が出力されると、アナログ・デジタル変換器およびデジタル復調部が起動され、パケットの受信および復調処理が開始される。本従来技術では、パケットの存在しない期間は受信レベル判定部のみを動作させることで、他の回路部分の消費電力を低減する効果が得られている。しかしながら、本従来例で述べられているような受信レベル判定部には、一般に自動利得制御回路(AGC回路)が具備されており、パケットの受信待ち受け時には最大利得で受信を行っているため大きな電力を消費することになる。また本従来例では、当該受信レベル判定部のみならず、アンテナから受信レベル判定部に至るまでの高周波回路部などアナログ回路部分はすべて動作状態にあるため、十分な消費電力の削減ができるとは言いがたい。
【0006】
また、無線モジュールの受信部の消費電力を低減する他の従来技術としては、特許第2713197号が挙げられる。本従来技術では、パケットの最初の部分に付加されているパケット・ヘッダを受信した時点で、このヘッダに含まれるアドレス情報およびパケット長を得る。パケットを受信した無線モジュールは、当該アドレスが自端末のアドレスでないと制御部が判断した時に、それ以降の受信動作を停止し、パケット長から得られるパケット受信の終了時点まで受信機の動作を停止させることにより消費電力を低減している。本従来例においても、すべての受信パケットに対して受信を行い、それぞれのパケットの少なくともパケット・ヘッダを復調し終えるまでは受信機の動作を停止させることはできない。無線LANシステムでは変復調方式としてスペクトラム拡散(Spread Spectrum:SS)方式や直交周波数多重(Orthogonal Frequency Division Multiplex:OFDM)方式などが用いられるため、一般にパケット信号をアンテナから受信して復調処理が完了するまでには、数値演算のため比較的大きな遅延が存在する。従って、本従来例ではパケット・ヘッダを解析した時点では、既にパケット・ヘッダに続くデータ・ペイロード部の多くの部分を復調してしまっており、消費電力を削減する効果は少ない。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】
以上説明したように、無線受信部がいったんパケットの受信を開始した後に、当該パケットを受信するか無視するかを判断するような従来の方式では、無線LANモジュールの十分な消費電力の低減が不可能であった。
【0008】
本発明ではこれら従来技術に鑑み、無線LANシステムに用いられる特有なメディア接続プロトコルを利用することにより、無線LANモジュールの消費電力を大きく削減し、これまでよりも長時間使用できる無線端末およびその制御方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本出願に係る発明では、無線LANシステムの無線端末装置において、無線端末装置をあて先としないフレームを受信した場合、該フレームにより示されるネットワーク割り当てベクトルに相当する期間、無線信号の着信の待機を、電源供給の停止やクロックの停止によって停止させる。
【0010】
あるいは、無線ネットワークに接続可能な無線端末装置であって、
無線信号の着信を待機し、着信した信号を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信したパケットから、そのパケットの保持する時間情報およびパケット構成情報を獲得する獲得手段と、
前記パケットが当該無線端末装置宛ではない場合、前記時間情報および前記パケット構成情報から算出される期間、当該無線端末装置の少なくとも一部の機能を停止する停止手段とを有する。
【0011】
また好ましくは、前記停止手段は、前記受信手段による着信の待機を停止する。
【0012】
また好ましくは、前記停止手段は、前記受信手段に含まれる電子回路に対する電源供給を停止する。
【0013】
また好ましくは、前記停止手段は、前記受信手段に含まれる電子回路に対する同期信号の供給を停止する。
【0014】
あるいは、IEEE802.11規格に準拠する無線端末装置であって、
当該無線端末装置をあて先としないフレームを受信した場合、該フレームにより示されるネットワーク割り当てベクトルに相当する期間、無線信号の受信回路の動作を停止する。
【0015】
あるいは、送受信端末が、回線がふさがる予想時間を、交換されるデータにおいて第三の端末に提示する無線通信システムであって、
前記データを傍受した第三の端末は、前記データにおいて示される回線がふさがる予想時間の期間、通信機能を実現する回路の動作を停止する。
【0016】
この構成により、受信したパケットのパケット・ヘッダを解析し、無線LANのプロトコルに用いられているパケット構成情報、および期間(Duration)情報を用いることにより無線受信部を制御することを特徴とする。ここで、パケット構成情報は次に伝送されるパケットを受信する必要があるか否かを判定し、期間情報は受信部を停止させておく期間を決定することにより、不必要なパケットに対しては初めから受信動作を抑制する作用を持つ。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施形態における無線LANシステムの受信部の動作について、無線LANシステムのプロトコルに関して図を参照しながら説明する。
【0018】
[第1実施形態]
図8は一般的な無線LANシステムのシステム構成図を表している。いま、本無線LANシステムには第一のステーション31(STA−1)、第二のステーション32(STA−2)、およびアクセスポイント33(AP)の3台の局から構成されている。無線LANシステムでは、すべての局は単一の無線チャネルを共有して利用するので、パケットの衝突を回避するためにMedia Access Control(MAC)プロトコルによって各局のパケット送信タイミングが制御される。MACプロトコルとして無線LANシステムではCSMA/CAと呼ばれる方式が用いられる。CSMA/CA方式では、各局は、パケットの送信に先立って、定められた期間無線媒体に対してキャリアセンスを行い、無線媒体が占有されていないことを確認した後にパケットを送信しなければならない。しかしながら各端末の配置された位置によっては、各々の局が、互いにすべての局が送信する信号を受信できない場合がある。例えば図8において、AP33とSTA−1、またAP33とSTA−2は互いに通信が可能な距離にあるが、一方、STA−1とSTA−2は互いに通信が可能な距離内になければ直接相手の発する信号が受信できない。このような場合、例えばSTA−2がキャリアセンスを行っても、STA−1からの信号が受信できないため、STA−2は無線媒体が空いているものと判断しパケットを送出し始めるおそれがある。このような事態は隠れ端末問題と呼ばれるが、単純にキャリアセンスを行うだけのCSMA/CA方式では、MACプロトコルとして完全にアクセス制御を行うことは不可能であることを意味する。そのため無線LANに用いられているMACプロトコルでは、CSMA/CAを元に、RTS/CTSフレームを用いたディストリビューション・コーディネーション・ファンクション(DCF)や、アクセスポイントからのポーリングによる制御を行うポイント・コーディネーション・ファンクション(PCF)などを採用することにより多元接続機能を実現している。
【0019】
図1はRTS/CTSプロトコルによるパケット伝送の様子を表したタイミング図である。図1では、データパケットの送信局の動作を「送信局」、受信局の動作を「受信局」、それ以外の局の動作を「第三の局」として表している。送信局はデータパケットの送信の前に、まずRTSフレームを送信する。このRTSを受信した受信局は、送信局に対してCTSフレームを返送する。この後、CTSフレームを受信した送信局は受信局に対してデータパケット(データ)を送出する。このデータパケットの受信が終了すると、受信局はACKフレームを送信局に返送し、一連のデータパケットの伝送処理が完了する。
【0020】
いま、第三の局は送信局の発する信号のみ受信することができて、受信局に対しては隠れ端末になっている場合を想定する。このとき、第三の局はキャリアセンスを行っても、この一連の伝送処理に用いられる4個のフレーム(RTS、CTS、データ、ACK)の内、RTSおよびデータしか受信することができない。従って、CTSおよびACKの伝送期間中は無線媒体が占有されていることを認識できない。無線LANのプロトコルでは、このCTS、ACKの伝送期間も、これらのフレームを直接受信できないその他の局に対して無線媒体が使用されていることを知らしめるために、バーチャル・キャリアセンスと呼ばれる方式を使用する。
【0021】
図2は本プロトコルに用いられるRTSフレームのフレーム構成を示した図である。RTSフレーム101は、フレームコントロールフィールド、デュレーション/IDフィールド、送信先アドレス(RA)、送信元アドレス(TA)、フレームチェックシーケンス(FCS)から構成される。さらに、デュレーション/IDフィールド203は16ビットのフィールドであり、このうち14ビットがデュレーションフィールド204として割り当てられている。このデュレーションフィールドには、このRTS/CTSプロトコルによってパケット伝送が完了するまでの時間情報、すなわちACKの送信終了までの時間情報が記録されている。バーチャル・キャリアセンスでは、第三の局がこのRTSに含まれるデュレーションフィールドを獲得する。この値はネットワーク・アロケーション・ベクタ(NAV)と呼ばれ、この先、無線媒体が占有される期間を表す時間情報である。第三の局はRTSフレームが自局宛てではないとき、このNAVの期間中は自分からのパケット送信をしないことにより、隠れ端末となっている受信局に対してもキャリアセンスを行っているのと同等な動作をすることが可能となる。
【0022】
次に、逆に、第三の局は受信局の発する信号のみ受信することができて、送信局に対しては隠れ端末になっている場合を想定する。このとき、第三の局はキャリアセンスを行っても、この一連の伝送処理に用いられる4個のフレーム(RTS、CTS、データ、ACK)の内、CTSおよびACKしか受信することができない。しかしながら、図3に示したCTSフレーム102のフレーム・フォーマットに表されるように、CTSフレームにもRTSと同様にデュレーションフィールドを持つため、第三の局はこのデュレーションフィールドからNAVを算出し、前例と同様にバーチャル・キャリアセンスを行うことができる。
【0023】
ここで、図1に表示された他の記号について簡単に説明する。パケット間には、送受の切り替えや伝播遅延などを考慮した時間(IFS:Inter−Frame Spacing)だけ待ち時間が挿入される。図1におけるDIFSおよびSIFSはそれぞれ最大IFSおよび最小IFSを表している。また、いずれかの局(図1では第三の局)において、自局あるいは他局(図1では送信局及び受信局)が通信している間に送信すべきデータが発生すると、NAVで示される時間が経過した後DIFSで定義される時間待ち、さらに乱数で定めた時間待ってからキャリアセンスを行い、そのときに回線が空いていれば送信を開始する。図1に示す衝突ウインドウとは、この乱数で定めた待ち時間を指す。これらはいずれもIEEE802.11で定義されている。
【0024】
以上、無線LANシステムにおけるバーチャル・キャリアセンスに関して説明したが、本発明はこのような無線LANのプロトコルを利用することにより、端末局に実装された無線モジュールの受信部の消費電力を削減し、長時間バッテリによって駆動することが可能となる無線LANシステムを提供する。
【0025】
<第三の局が受信局に対して隠れ端末となる場合>
いま、図8における無線LANシステムにおいて、AP33からSTA−1に対してデータパケットが伝送される場合を考える。ここでAP33は図1における送信局、STA−1は受信局に相当する。このときのSTA−2の動作を図1においてSTA−2(A)として示す。STA−2はAPからのRTSを受信し、このRTSが自局宛てでないことを認識すると、タイミングT1においてバーチャル・キャリアセンスを開始する。STA−2はRTSのデュレーションフィールドを読み、このパケット伝送処理がタイミングT3まで継続することを知ることができるので、この期間T1−T3において無線媒体を受信する必要がない。従って、この期間中は、STA−2は自局の受信モジュールを停止させてもなんら問題なく、これによりこの期間での消費電力を削減することが可能となる。
【0026】
<第三の局が送信局に対して隠れ端末となる場合>
同様に、図8における無線LANシステムにおいて、逆にSTA−1からAP33に対してデータパケットが伝送される場合を考える。ここでAP33は図1における受信局、STA−1は送信局に相当する。このときのSTA−2の動作を図1にSTA−2(B)として示す。STA−2はSTA−1に対して隠れ端末となっているため、STA−1からのRTSを受信することはできないが、これに続くAP33からのCTSを受信することはできる。STA−2はこのCTSを受信すると、タイミングT2においてバーチャル・キャリアセンスを開始する。STA−2はCTSのデュレーションフィールドを読み、このパケット伝送処理がタイミングT3まで継続することを知ることができるので、この期間T2−T3において無線媒体を受信する必要がない。従って、この期間中は、STA−2は自局の受信モジュールを停止させ、これによりこの期間での消費電力を削減することが可能となる。
【0027】
本発明における無線LANモジュールの受信モジュールに関して、第一の構成例を図4にしめす。本図において、アンテナ10によって受信された高周波信号は、高周波アナログ受信部11によって低い周波数の中間周波数信号、あるいはベースバンド信号に変換される。これら中間周波数信号、あるいはベースバンド信号はアナログ・デジタル変換器(AD変換器)12によってサンプリングされ、デジタル・データに変換される。デジタル復調部13はこのデジタル・データに対して復調処理を行い、受信フレームのデータ復調を行う。無線LANに用いられる変調方式としてはSS方式、OFDM方式などがあるが、いずれの変調方式であっても、あるいはこれら複数の変調方式を組み合わせた場合であっても本発明を適用することは可能である。
【0028】
このようにして得られた復調データは制御部14に送られる。制御部14はこの復調データを解析し、必要に応じて無線LANシステムの上位層へ受信データを送るが、本発明における制御部14の特徴は、受信したRTSフレームおよびCTSフレームを解析し、時間情報であるNAVを獲得することにある。制御部14はNAVに示された期間中は無線媒体の受信を行う必要が無いと判断し、この期間は受信停止制御線21をアクティブにする。受信停止制御線21は電源供給部16に接続される。電源供給部16は通常は電源供給線22によって無線モジュールの各部に電源を供給しているが、受信停止制御線21がアクティブになっている期間はこの電源供給を停止する働きを持ち、これにより無駄な受信動作による電力の消費が抑制される。
【0029】
なお、受信モジュールを停止している間は送信モジュールを停止しても良い。また、電源供給を再開するために必要なモジュール以外のすべてのモジュールに対する電源供給を停止してもよい。
【0030】
ここで制御部14は、例えば、制御部14がプログラム制御される場合には、タイマ及び固有のアドレスが与えられた受信停止制御信号ポート(レジスタ)を用いることで実現できる。その場合、制御部14は、デジタル復調部13から復調されたRTSフレームあるいはCTSフレームを受け取って解析し、自局が関係しない通信である場合にはその中からNAVを獲得し、その値を満了時間としてタイマにセットする。ただし、NAVの値をそのままセットせず、受信モジュールにおける信号遅延や、パケット間に挿入されるIFSの値を考慮して、NAVの値を調整することが望ましい。そして、タイマにNAVの値あるいは調整済みのNAVの値を設定した後、直ちにタイマをスタートする。同時に前記受信停止制御信号ポートをアクティブとなる値に書き換えて電源供給を停止させる。制御部14はタイマが満了したなら前記受信停止制御信号ポートをインアクティブとなる値に書き換えることで、電源供給を再開させる。
【0031】
あるいは、制御部14は、タイマおよび初期値設定機能付きのフリップフロップを備えることで、受信制御停止線21を指定期間アクティブにすることができる。この構成では、フリップフロップは受信停止制御信号の値を保持し、その出力が受信停止制御信号線21に接続される。なお、受信停止制御信号は値1でアクティブであるものとする。そして、タイマの満了信号がフリップフロップのクロックに接続される。この信号は満了により1となり、フリップフロップは、0→1の立ち上がりエッジで入力データをラッチするものとする。この構成において、まず、制御部14は、デジタル復調部13で復調されたRTSフレームあるいはCTSフレームを解析して自局が関係しない通信である場合にはその中からNAVを獲得し、その値を満了時間としてタイマにセットする。そして、タイマにNAVの値を設定した後、タイマを直ちにスタートする。同時にフリップフロップの初期値として1をセットし、その入力信号として1をセットする。これにより、受信停止制御信号線21はアクティブとなって電源の供給が停止される。そして、タイマの満了信号がフリップフロップのクロックに入力されると、フリップフロップには値0がラッチされて受信停止制御はインアクティブとなり電源の供給が再開される。
【0032】
なお、本構成例では電源供給線22は受信モジュールのすべての部分に接続されているが、たとえば一般に高周波アナログ受信部に実装される位相ロックループによる局部発振器などは、電源投入後、安定動作までに時間がかかるため、電源のオン/オフを頻繁に行うことが適当では無い。このような回路ブロックは、制御部14および電源供給部16による電源制御の対象からはずし、その他の回路部分のみに本発明を適用することも可能である。
【0033】
以上のように、本実施形態の無線LANシステムにおいて、無線LANモジュールは、受信したRTSフレームあるいはCTSフレームがその無線LANモジュールを備える端末宛ではない場合、受信したRTSフレームおよびCTSフレームにより示されるNAVに相当する時間、無線通信に関する回路ブロック(本実施形態では高周波アナログ受信部、AD変換器、ディジタル復調部)に対する電源供給を停止する。このNAVは、CSMA/CA方式によれば、RTS−CTS−DATA−ACK手順が完了するまでの予想時間であり、この間は第三の局宛にフレームが送信されることはない。このため、第三の局は、NAVに相当する時間、無線通信に関する回路ブロック、特に受信待機のために活性化されている回路ブロックに対する電源供給を停止することで、無線通信に何ら支障なく、効果的に消費電力を節約することができる。
【0034】
なお、本実施形態では、送信局あるいは受信局のいずれか一方に対して第三の端末が隠れ端末となっている場合について説明した。第三の端末が、送信局及び受信局の双方から信号を受けられる場合には、いずれの方法であっても採用し得る。ただし、送信局のRTSフレームに基づいて受信モジュールを停止させる方が、受信局のCTSフレームに基づく場合に比べて長い受信停止時間を確保できる。そのため、前者を採用する方が望ましい。
【0035】
[第2実施形態]
次に、本発明における無線LANモジュールの受信モジュールに関して、第2の実施形態の構成例を図5にしめす。本構成例では、受信動作を停止させるために電源を制御する方法ではなく、デジタル回路を動作させるためのシステムクロックを制御することを特徴とする。
【0036】
図5において、アンテナ10によって受信された高周波信号は高周波アナログ受信部11によって低い周波数の中間周波数信号、あるいはベースバンド信号に変換される。これら中間周波数信号、あるいはベースバンド信号はアナログ・デジタル変換器12によってサンプリングされ、デジタル・データに変換される。デジタル復調部13はこのデジタル・データに対して復調処理を行い、受信フレームのデータ復調を行う。このようにして得られた復調データは制御部14に送られる。制御部14はNAVに示された期間中は無線媒体の受信を行う必要が無いと判断し、この期間は受信停止制御線21をアクティブにする。さらに、受信停止制御線21はクロック発生器17に接続される。
【0037】
クロック発生器17は、通常はクロック供給線23によって無線モジュール内のアナログ・デジタル変換器12、デジタル復調部13にシステムクロックを供給しているが、受信停止制御線21がアクティブになっている期間はこのシステムクロックの供給を停止する働きを持つ。一般に、CMOS技術などによって作られたデジタル回路は、クロック信号によるスイッチングを停止すると、ほとんど電力を消費しない。このように、受信停止期間中はデジタル回路へのクロック供給を停止することにより、受信モジュールの電力消費を低減することが可能となる。
【0038】
また、本構成例ではクロック供給線線23は単一であり、この一本のクロック線がアナログ・デジタル変換器12、デジタル復調部13へ接続されているが、受信モジュールの構成によっては周波数の異なる複数のクロックが存在することもあり得る。かかる場合であっても、クロック発生器17がこれら複数のクロック供給線を制御する構成にすることにより、本発明を同様に適用することが可能である。
【0039】
[第3実施形態]
本発明に係る第3の実施形態における無線LANシステムの受信部の動作について、無線LANシステムのプロトコルに関して図を参照しながら説明する。本実施形態では、比較的大きなデータを複数の無線LANデータパケットに分割(Fragmentation)して伝送する際のDCFプロトコルを参照する。
【0040】
<第三の局が受信局に対して隠れ端末となる場合>
図6は複数の無線LANデータパケットを伝送する際の、無線LANにおけるRTS/CTSプロトコルの動作を示した図である。ここでは図1と同様に、データパケットの送信局の動作を送信局、受信局の動作を受信局、それ以外の局の動作を第三の局として表している。伝送されるデータパケットはFrag0、Frag1、Frag2で表された3パケットである。まず、送信局はデータパケットの送信の前に、RTSフレームを送信する。このRTSを受信した受信局は、送信局に対してCTSフレームを返送する。この後、CTSフレームを受信した送信局は受信局に対して1番目のデータパケット(Frag0)を送出する。この1番目のデータパケットの受信が終了すると、受信局は1番目のACKフレーム(Ack0)を送信局に返送する。そして、今度はRTS/CTSフレームの交換を行わず、即時に2番目のデータパケット(Frag1)を送信局は送信し、これを受信した受信局は2番目のACKフレーム(Ack1)を返送する。この後、送信局は最後のデータパケット(Frag2)を送信し、これを受信した受信局は最後のACKフレーム(Ack2)を伝送する。これら一連の処理により、3パケットに分割されたデータパケットの伝送処理が完了する。
【0041】
ここで留意すべき点は、このような分割されたパケット伝送の際には、RTS/CTSプロトコルは、現在の分割データパケットに続くべき次の分割データパケット伝送が存在するか否かをパケット構成情報としてやりとりすることである。具体的には、図2で示したRTSフレーム101中のフレームコントロールフィールド201の中に、モアフラグメントフィールド(モアフラグメントビット)を1ビット備えており、次に送信される分割パケットが存在する場合にはこのビットが立てられる。さらに、このモアフラグメントビットは、デュレーションフィールドと同様に、RTSフレームだけではなく、図3に示したCTSフレーム102、ACKフレーム104、およびデータパケットの先頭に付与されるMACヘッダ103にも同様に定義されている。
【0042】
ここで、このような分割されたパケット伝送において、無線LANシステムがどのようにバーチャル・キャリアセンスを行うかについて、再度図6を参照しながら説明する。いま、第三の局は送信局の発する信号のみ受信することができて、受信局に対しては隠れ端末になっている場合を想定する。このとき、第三の局はキャリアセンスを行っても、この一連の伝送処理に用いられるフレームのうち、RTS、Frag0、Frag1、Frag2しか受信することができない。
【0043】
まず、第三の局はRTSフレームを受信すると、その宛先アドレスを読み、このパケット伝送が自局宛てでない場合に、RTSフレーム中のデュレーションフィールドに示された時間情報に基づいてNAV(RTS)を開始する。同時に、RTSフレームに含まれるモアフラグメントビットを読み、このビットが立っている場合には、現在のパケットに続く分割データパケットが存在することを認識する。この場合、第三の局は1番目のデータフレームFrag0のMACヘッダを受信する。第三の局は、このMACヘッダに含まれるデュレーションフィールドを記憶し、RTSフレームによるNAVが終了した後で、新たにFrag0のデュレーションフィールド情報によるNAV(Frag0)を開始する。
【0044】
このようにして第三の局は、モアフラグメントビットが立っているMACヘッダを順次受信し、それぞれのデュレーションフィールドを用いて順次NAVを開始する。最後に受信したデータパケットFrag2に関しては、これ以降に続く分割データパケットが存在しないので、Frag2のモアフラグメントビットは立っておらず、これにより第三の局は現在のNAV(Frag1)が最後のバーチャル・キャリアセンス期間であると認識し、このNAV(Frag1)終了後は通常の受信動作モードに遷移する。このようにして、分割されたデータパケット伝送でのバーチャル・キャリアセンスが実現できる。
【0045】
ここで、このようなMACプロトコルに関しても、第一の実施形態と同様に本発明を適用することができることを示す。図8における無線LANシステムにおいて、AP33からSTA−1に対して分割データパケットが伝送される場合を考える。ここでAP33は図6における送信局、STA−1は受信局に相当する。このときのSTA−2の動作を図6にSTA−2として示す。STA−2はAP33からのRTSを受信し、このRTSが自局宛てでないことを認識すると、タイミングT1においてバーチャル・キャリアセンスを開始する。同時に、STA−2はRTSのデュレーションフィールドを読み、このパケット伝送処理がタイミングT2*まで継続することを知ることができる。ただし、STA−2はRTSフレームのモアフラグメントビットが立っていることから、次のNAV情報を得るために、1番目の分割データパケットFrag0のMACヘッダを受信しなければならない。CTSフレームは固定長であるので、STA−2はCTSが受信できなくてもFrag0が送信開始されるタイミングT1*を知っている。そのため、この期間T1−T1*においてSTA−2は無線媒体を受信する必要がない。従って、この期間中は、STA−2は自局の受信モジュールを停止させてもなんら問題なく、これによりこの期間での消費電力を削減することが可能となる。例えば、タイミングT1*は、タイミングT1に、CTSフレームの時間と、その前後にIFSを挿入した分の時間だけ後のタイミングであると予想できる。受信停止については、第1実施形態において図4及び図5を参照して説明した要領で実現できる。ただし、受信停止する期間T1−T1*としては、CTSフレームの時間に、その前後にIFSを挿入した分の時間を加算した値となる。
【0046】
STA−2は期間T1−T1*の受信停止の後、Frag0のMACヘッダを受信する。Frag0のデータ・ペイロード部はSTA−2にとって必要のない情報であるので、STA−2はMACヘッダを受信した時点T2から再度受信停止に入る。2番目の分割データパケットFrag1が送信されるタイミングT2*は、最初に受信したRTSフレームに含まれるNAV(RTS)終了時点であり、STA−2はこのタイミング情報を知っているので、期間T2−T2*においてSTA−2は受信を停止することができる。受信停止期間T2−T2*は、NAV(RTS)から、T1−T1*と、分割パケットFrag0のMACヘッダ受信に要する時間を減じた時間となる。この時間をタイミングT2に加えたタイミングが、STA−2が知っているタイミングT2*である。また受信停止については、第1実施形態において図4及び図5を参照して説明した要領で実現できる。ただし、受信停止する期間としては、NAV(RTS)から、T1−T1*と、分割パケットFrag0のMACヘッダ受信に要した時間を減じた期間となる。
【0047】
STA−2は期間T2−T2*の受信停止の後、Frag1のMACヘッダを受信する。Frag1のデータ・ペイロード部はSTA−2にとって必要のない情報であるので、STA−2はMACヘッダを受信した時点T3から再度受信停止に入る。3番目の分割データパケットFrag2が送信されるタイミングT3*は、受信した最初の分割フレームFrag0に含まれるNAV(Frag0)の終了時点であり、STA−2はこのタイミング情報を知っているので、期間T3−T3*においてSTA−2は受信を停止することができる。受信停止期間T3−T3*は、NAV(Frag0)から、分割パケットFrag1のMACヘッダ受信に要した時間を減じた時間となる。この時間をタイミングT3に加えたタイミングが、STA−2が知っているタイミングT3*である。また受信停止については、第1実施形態において図4及び図5を参照して説明した要領で実現できる。受信停止する期間としては、NAV(Frag0)から分割パケットFrag1のMACヘッダ受信に要した時間を減じた期間となる。
【0048】
最後に分割パケットFrag2を受信したなら、期間T3−T3*と同じ要領で、Frag2のMACヘッダを受信した時点T4から、NAV(Frag1)より分割パケットFrag2のMACヘッダ受信に要した時間を減じた期間経過後のタイミングT4*までの間は受信停止することができる。そして、受信したパケットFrag2のモアフラグメントビットはセットされていないために、この後の分割パケットはないものと判断できる。そこで、タイミングT1−T4*において送信すべきデータが発生しているのであれば、タイミングT4*後に受信を再開して期間DIFSを挿入し、衝突ウインドウを生成した後に、キャリアが検出できなければそのデータの送信を開始する。
【0049】
このようにして、受信局STA−1に対して隠れ端末となっている第3の局STA−2において、送信局PA33が送信する各分割データパケットのMACヘッダを受信することができる。そして、RTSフレーム及び各分割データパケットのMACヘッダからデュレーション情報を獲得することにより、STA−2はこの一連の分割データパケット伝送中、T1−T1*、T2−T2*、T3−T3*、T4−T4*において受信モジュールの動作を停止させることが可能となる。すなわち、フラグメント機能遂行時に、送信局がRTSフレームを送信してから受信局が最後のACKフレームを送信するまでの期間から、データパケットのMACヘッダの受信期間を除いた期間については、第三の局は受信モジュールを停止させて消費電力を抑制することができる。
【0050】
この受信モジュールの停止動作は、第1実施形態で図4により説明したように、電源供給部16による、高周波アナログ受信部11,AD変換器11,デジタル復調部13といった受信モジュールへの電源供給を停止させることで実現される。あるいは、第2実施形態で図5により説明したように、クロック発生器17による、AD変換器11,デジタル復調部13といった受信モジュールへのクロックの供給を停止させることで実現される。この受信モジュールの停止動作により、フラグメント機能を用いた場合であっても、受信局に対して隠れ端末となっている第三の局の受信モジュールにおける消費電力を削減することができる。
【0051】
<第三の局が送信局に対して隠れ端末となる場合>
以上説明した場合と逆に、第三の局は受信局の発する信号のみ受信することができて、送信局に対しては隠れ端末になっている場合の動作タイミング図を表したものが図7である。いま、第三の局はキャリアセンスを行っても、この一連の伝送処理に用いられるフレームのうち、CTS、Ack0、Ack1、Ack2しか受信することができない。まず、第三の局はCTSフレームを受信すると、CTSフレーム中のデュレーションフィールドに示された時間情報に基づいてNAVを開始する。同時に、CTSフレームに含まれるモアフラグメントビットを読み、このビットが立っている場合には、現在のパケットに続く分割データパケットが存在することを認識する。この場合、第三の局はNAV期間の最後に到来する1番目のACKフレーム(Ack0)を受信する。このACKフレームに含まれるモアフラグメントビットを読み、このビットが立っている場合には第三の局は次に2番目のデータ伝送が行われることを認識し、同時にこのACKフレーム中のデュレーションフィールドから得られる時間情報に基づいて、再度NAVを開始する。このようにモアフラグメントビットの立っているACKフレームを受信する度にNAVを開始することによって、複数データパケットの伝送においてもバーチャル・キャリアセンスを実現することが可能となる。第三の局は最後のACKフレーム(Ack2)を受信した際、このフレームのモアフラグメントビットが立っていないことを読み取り、これによりバーチャル・キャリアセンスを終了し、通常の受信動作に遷移する。
【0052】
次に、図8における無線LANシステムにおいて、STA−1からAP33に対して分割データパケットが伝送される場合を考える。ここでAP33は図7における受信局、STA−1は送信局に相当する。このときのSTA−2の動作を図7にSTA−2として示す。STA−2はAP33からのCTSを受信し、タイミングT1においてバーチャル・キャリアセンスを開始する。STA−2はCTSのデュレーションフィールドを読み、このパケット伝送処理がタイミングT2まで継続することを知ることができる。ただし、STA−2はこのCTSフレームのモアフラグメントフィールドのビットが立っていることから、次のNAV情報を得るために、1番目のACKフレーム(Ack0)を受信しなければならない。ACKフレームが固定長であるので、STA−2は知り得たNAV期間終了タイミングT2から、ACKフレーム分の伝送期間を差し引いたタイミングT1*から受信を開始することができる。従って、この期間T1−T1*においてSTA−2は無線媒体を受信する必要がないため、STA−2は自局の受信モジュールを停止させてもなんら問題なく、消費電力を削減することが可能となる。
【0053】
STA−2は期間T1−T1*の受信停止の後、1番目のACKフレームを受信し、モアフラグメントビットが立っていることを認識すると、前回と同様にACKフレームのデュレーションフィールドから得られる時間情報から計算されうる次のACKフレームが到来するタイミングT2*までの期間受信を停止できる。このようにモアフラグメントビットの立っていないACKフレームを受信するまで、この動作を繰り返すことにより、STA−2はこの一連の分割データパケット伝送中、期間T1−T1*、T2−T2*、T3−T3*において受信モジュールの動作を停止させることが可能となる。すなわち、フラグメント機能遂行時に、受信局がCTSフレームを送信してから受信局が最後のACKフレームを送信するまでの期間から、ACKフレームの受信期間を除いた期間については、第三の局は受信モジュールを停止させて消費電力を抑制することができる。
【0054】
以上のようにして、分割(Fragmentation)されたデータパケット伝送においても、バーチャル・キャリアセンスの機能を利用することにより、パケット伝送に係わらない端末局は、自局が無線媒体を受信する必要のない期間を知ることができ、この期間において受信モジュールの受信動作を停止させることにより、端末局の消費電力を削減することが可能となる。これら本発明の第二の実施例による省電力動作を行う受信モジュールの構成例としては、第一の実施例に引用した図4ないし図5のようなものが同様に利用可能である。
【0055】
なお、本実施形態では、送信局あるいは受信局のいずれか一方に対して第三の端末が隠れ端末となっている場合について説明した。第三の端末が、送信局及び受信局の双方から信号を受けられる場合には、いずれの方法であっても採用し得る。ただし、送信局のRTSフレームに基づいて受信モジュールを停止させる方が、受信局のCTSフレームに基づく場合に比べて長い受信停止時間を確保できる。そのため、前者を採用する方が望ましい。
【0056】
このように、本願発明に係る無線LAN端末においては、NAVが有効な間は、受信モジュールに対する電源供給あるいはクロック信号の供給を停止することで、消費電力の削減を実現できる。
【0057】
また、最初にRTSフレームあるいはCTSフレームを受信してフラグメント機能が使用されていると判定された場合には、NAVが有効な間であっても、分割パケットのMACヘッダあるいはACKフレームを受信するための間は受信モジュールを待機状態に戻す。そして、受信したMACヘッダあるいはACKフレームに含まれるモアフラグメントビットを参照すると共に、デュレーションフィールドの値を獲得し、次のMACヘッダあるいはACKフレームを受信するために、受信待機状態にすべきタイミングを決定する。そしてそれまでの期間は、第1実施形態あるいは第2実施形態で説明したとおり受信モジュールを停止させる。このようにして、フラグメント機能が使用される場合にも、効果的に消費電力の削減を実現できる。
【0058】
<制御部14の動作(全実施形態)>
ここで制御部14の動作についてその一例をあらためて説明する。第1及び第2実施形態の動作と本実施形態の動作とは相容れないものではなく、フラグメントの有無に応じて処理内容を変更することで、ひとつの無線LAN端末が、両実施形態の装置として機能し得る。そこで、例えば、制御部14がプログラム制御されるものとして、制御部4の動作を図9乃至図11を参照して説明する。
【0059】
制御部14は、それがプログラム制御される場合には、タイマと、固有のアドレスが与えられた受信停止制御信号への出力値を保持する信号ポート(レジスタ)を用いることで実現できる。
【0060】
図9(A)において、制御部14は、デジタル復調部13から復調されたRTSフレームあるいはCTSフレームを受け取った場合には、その内容を解析し、自局が関係しない通信であるか判定する(ステップS901)。関係する場合には適当な通信処理を行う。関係しない場合には、前記信号ポートに受信停止信号をアクティブにする値を書き込み、受信を停止させる(ステップS903)。そして受信したフレームの中からフラグメントビットを参照する(ステップS905)。フラグメントビットがセットされていない場合には、第1実施形態で説明したように、フレーム中のデュレーションフィールドで与えられるNAVの値を満了時間としてタイマをスタートさせる(ステップS907)。
【0061】
一方、フラグメントビットがセットされていれば、受信したフレームがRTSかCTSかに応じて処理が分かれる(ステップS909)。RTSフレームの場合には、CTSフレーム長に相当する時間を満了時間としてタイマをスタートさせる(ステップS911。また、RTSフレームに含まれるデュレーションフィールドの値(すなわちNAV)から、CTSフレーム長に相当する時間を差し引いた値を「NAV長」として保存しておく(ステップS913)。CTSフレームの場合には、そこに含まれるデュレーション値で示される時間(NAV)からACKフレーム長に相当する時間を差し引いた値を満了時間としてタイマをスタートさせる(ステップS915)。なお、フレーム長に相当する時間をNAVから差し引く際には、フレームの前後に挿入されるIFS(図1参照)も差し引かれる。これは他の場合にも同様である。
【0062】
また図9(B)において、スタートしたタイマが満了すれば、前記信号ポートに受信停止信号をインアクティブにする値を書き込む(ステップS921)。それにより受信待機状態となる。
【0063】
また、図10において、制御部14は、デジタル復調部13から、データパケットのMACヘッダを受信した場合には、それを受け取って解析し、自局が関係しない通信であるか判定する(ステップS1001)。関係しない場合にはその中からフラグメントビットを参照する(ステップS1003)。フラグメントビットがセットされていない場合は、例えばそのパケットを無視する等、別途定めた処理を行うものとする。一方、フラグメントビットがセットされていれば、受信停止信号をアクティブにする値を前記信号ポートに書き込み、受信動作を停止させる(ステップS1005)。そして保存されているNAV長の値からMACヘッダに相当する時間を差し引き、その値を満了時間としてタイマをスタートする(ステップS1007)。そして受信したMACヘッダに含まれるデュレーションフィールドの値(すなわちNAV)を新たなNAV長として保存しておく(ステップS1009)。
【0064】
また、図11において、制御部14は、デジタル復調部13から、ACKフレームを受信した場合には、それを受け取って解析し、自局が関係しない通信であるか判定する(ステップS1101)。関係しない場合には、その中からフラグメントビットを参照する(ステップS1103)。フラグメントビットがセットされていない場合は、例えばそのパケットを無視する等、別途定めた処理を行うものとする。一方、フラグメントビットがセットされていれば、受信停止信号をアクティブにする値を前記信号ポートに書き込み、受信動作を停止させる(ステップS1105)。そしてACKフレームに含まれているデュレーションフィールドの値(すなわちNAV)から、ACKフレーム長に相当する時間を差し引き、その値を満了時間としてタイマをスタートする(ステップS1107)。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、不必要な受信動作を抑制することにより、無線受信モジュールの電力消費を削減することができる。特にバッテリ駆動の無線端末について、バッテリ駆動にもかかわらず長時間使用することが可能となる。特に従来技術ではすべてのパケットに対して、少なくともレベル判定部だけは動作させておく必要があったり、最低でもすべてのパケットのヘッダ情報を読み取らなければならなかったが、本発明においては、無線通信のプロトコルを利用することで、不要なパケットに対しては受信動作を行わないため消費電力の大きな削減効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例における無線LANシステムの動作を表すタイミング図である。
【図2】無線LANに用いられるRTSフレームの構成図である。
【図3】無線LANに用いられるCTS、ACKフレーム、およびMACヘッダの構成図である。
【図4】本発明の実施例における無線モジュールの第一の構成図である。
【図5】本発明の実施例における無線モジュールの第二の構成図である。
【図6】本発明の他の実施例における無線LANシステムの動作を表すタイミング図である。
【図7】本発明の他の実施例における無線LANシステムの動作を表すタイミング図である。
【図8】無線LANシステムのシステム構成図である。
【図9】制御部14による制御手順の一例を示す流れ図である。
【図10】制御部14による制御手順の一例を示す流れ図である。
【図11】制御部14による制御手順の一例を示す流れ図である。
【符号の説明】
10…アンテナ
11…高周波アナログ受信部
12…アナログ・デジタル変換器
13…デジタル復調部
14…制御部
15…CPU
16…電源供給部
17…クロック発生器
21…受信停止制御信号
22…電源供給線
23…クロック供給線
31…第一のステーション
32…第二にステーション
33…アクセスポイント
34…有線ネットワーク
Claims (10)
- 無線ネットワークに接続可能な無線端末装置であって、
無線信号の着信を待機し、着信した信号を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信したパケットから、そのパケットの保持する時間情報およびパケット構成情報を獲得する獲得手段と、
前記パケットが当該無線端末装置宛ではない場合、前記時間情報および前記パケット構成情報から算出される期間、当該無線端末装置の少なくとも一部の機能を停止する停止手段と
を有することを特徴とする無線端末装置。 - 前記停止手段は、前記受信手段による着信の待機を停止することを特徴とする請求項1に記載の無線端末装置。
- 前記停止手段は、前記受信手段に含まれる電子回路に対する電源供給を停止することを特徴とする請求項2に記載の無線端末装置。
- 前記停止手段は、前記受信手段に含まれる電子回路に対する同期信号の供給を停止することを特徴とする請求項2に記載の無線端末装置。
- 送受信端末が、回線がふさがる予想時間を、交換されるデータにおいて第三の端末に提示する無線通信システムであって、
前記データを傍受した第三の端末は、前記データにおいて示される回線がふさがる予想時間の期間、通信機能を実現する回路の動作を停止することを特徴とする無線通信システム。 - IEEE802.11規格に準拠する無線端末装置であって、
当該無線端末装置をあて先としないフレームを受信した場合、該フレームにより示されるネットワーク割り当てベクトルに相当する期間、無線信号の受信回路の動作を停止することを特徴とする無線端末装置。 - 受信回路により無線信号の着信を待機し、着信した信号を受信する無線端末装置の制御方法であって、
前記受信手段により受信したパケットから、そのパケットの保持する時間情報およびパケット構成情報を獲得する工程と、
前記パケットが当該無線端末装置宛ではない場合、前記時間情報および前記パケット構成情報から算出される期間、当該無線端末装置の少なくとも一部の機能を停止する停止制御工程と
を含むことを特徴とする無線端末装置の制御方法。 - 前記停止制御工程は、前記受信手段による着信の待機を停止することを特徴とする請求項7に記載の無線端末装置の制御方法。
- 前記停止制御工程は、前記受信手段に含まれる電子回路に対する電源供給を停止することを特徴とする請求項8に記載の無線端末装置の制御方法。
- 前記停止制御工程は、前記受信手段に含まれる電子回路に対する同期信号の供給を停止することを特徴とする請求項8に記載の無線端末装置の制御方法。
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