JP4736434B2 - データ伝送システム - Google Patents

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本発明はデータ伝送システムに関する。
無線ネットワークに関する標準的な規格の一例として米国電子技術者協会IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11,HiperLAN/2,IEEE302.15.3,Bluetoothなどが挙げられる。上記IEEE802.11規格には,無線通信方式や使用する周波数帯域の違いなどにより,IEEE802.11a規格,IEEE802.11b,IEEE802.11e規格などの各種無線通信プロトコルが存在する。
従来から知られているこのような無線通信プロトコルでは,データを送信する側でデータ列をパケット等に相当する分割データに分割し,かかる分割データを送信単位にしてデータの伝送を行っている。上記の通信が正常に行われているかどうかを認識するため,データの受信側では分割データの受信に応じて受信完了信号(ACK)を送信側に送信し,送信側ではその応答を受けて分割データの送信が確実に行われたことを確認している。なお,上記受信完了信号(ACK)が確認されない場合,データの送信側では分割データが正しく伝送されなかったものとみなして同分割データを再送していた。
このような無線通信の応用としてアクセスポイントを介さずに各通信端末同士で直接通信可能なアドホック(Ad−hoc)通信も考案されている。かかるアドホック通信は,各通信端末同士が直接,非同期に無線通信を行なうことができる反面,ある特定の通信端末間で通信を行なう場合に一方の通信端末とは通信可能であるが他方の通信端末とは通信できない第3の通信端末,いわゆる隠れ端末の問題を有している。
このような隠れ端末による通信データの衝突を避けるために,通信を行う通信端末同士が事前にRTS(Request To Send)パケットやCTS(Clear To Send)パケットの制御信号を出力し,隠れ端末は,上記RTSもしくはCTSのパケットのうち少なくとも一方を受信すると送信禁止期間(NAV)として一定期間自局からの送信を停止する技術が知られている。
また一方で,RTS/CTSパケットを相互に交換(RTS/CTSハンドシェイク)し,通信相手と通信を確立し,その通信相手となる通信端末(CTS端末)がDATAパケットを送信した後,さらに上記CTS端末が上記RTSパケットを送信した通信端末(RTS端末)以外の通信端末にDATAパケットを送信することができるようになっている場合が多い。
例えば,上記IEEE802.11e等の場合であっても,上記のようなCTS端末がRTS端末以外の通信端末宛にDATAパケットを送信することが可能となっている。しかし,かかる従来の技術では,隠れ端末の環境下において,パケット衝突が通信端末間で発生しシステム全体の帯域利用効率が低下していた。
また一方で,一度に送信する分割データのデータ量の増加に伴い,上記NAVが長くなる傾向がある。その結果,上記隠れ端末の環境下において,NAVの期間中に,隠れ端末である第3の通信端末が自己宛のパケットを受信した場合,そのパケットに対するACKパケットを第3の通信端末が送信することで,RTS端末,CTS端末との間のパケット送受信の妨げとなり,パケット衝突が発生し帯域利用効率が低下してしまう問題があった(例えば,非特許文献1)。
米国電子技術者協会IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11e D10.0 9.9.2.2.1
本発明は,上記問題点に鑑みてなされたものであり,本発明の目的は,隠れ端末等の存在が原因で発生するパケット衝突を低減し,データ伝送の効率化を図ることが可能な,新規かつ改良されたデータ伝送システムを提供することである。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,データを複数の分割データに分割し,分割データを送信するデータ送信装置と,データ送信装置から送信された分割データを受信してデータ送信装置にACKパケットを送信し,所定数の分割データ群を受信した後,分割データ群をデータに復号して当該データの処理を開始するデータ受信装置と,データ送信装置とは通信可能であるがデータ受信装置とは通信ができない他の通信装置とからなり,上記装置の通信はRTSパケットおよびCTSパケットの制御信号によって確保されるデータ伝送システムが提供される。上記データ伝送システムにおける上記データ送信装置は,ACKパケット受信後に,送信許可期間に残存期間が存在した場合,上記データ受信装置に対しては残存期間内に限りデータを送信するが,上記他の通信装置に対してはデータを送信しないことを特徴としている。
上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,データを複数の分割データに分割し,分割データを送信するデータ送信装置と,データ送信装置から送信された分割データを受信して前記データ送信装置にACKパケットを送信し,所定数の前記分割データ群を受信した後,前記分割データ群をデータに復号して当該データの処理を開始するデータ受信装置とからなり,前記両装置の通信はRTSパケットおよびCTSパケットの制御信号によって確保されるデータ伝送方法が提供される。上記データ伝送方法において,データ送信装置は,ACKパケット受信後に,送信許可期間に残存期間が存在した場合,その送信許可期間の残存期間内に限り,通信相手のデータ受信装置に向けてデータを送信することを特徴としている。
以上説明したように,本発明によれば,隠れ端末等の存在が原因で発生するパケット衝突を回避し,スループットを向上させることができる。
以下,本発明の好適な実施の形態について,添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお,以下の説明及び添付図面において,略同一の機能及び構成を有する構成要素については,同一符号を付することにより,重複説明を省略する。
(アドホック通信)
本実施形態によるデータ伝送システムを説明する前に,その前提となるアドホック通信について詳細に説明する。
無線通信によるLAN(Local Area Network)を利用することで,オフィスなどの作業空間における有線ケーブル等を省略でき,空間の有効活用が可能となる。従って,ユーザは,パーソナルコンピュータなどの通信端末を比較的容易に移動することが可能となる。近年では,このような無線による無線LANシステムの高速化,低価格化に伴い,その需要が著しく増加してきている。特に近日においては,人の身の回りに存在する複数の電子機器間で小規模な無線ネットワークを構築して情報通信を行なうための,PAN(Personal Area Network)の導入が検討されている。例えば,2.4GHz帯や5GHz帯などの周波数帯域を利用して異なった無線通信システム並びに無線通信装置が規定されている。
無線ネットワークに関する標準的な規格として,IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11,HiperLAN/2,IEEE302.15.3,Bluetooth通信等を挙げることができる。上記IEEE802.11規格については,無線通信方式や使用する周波数帯域の違いなどにより,IEEE802.11a規格,IEEE802.11b,IEEE802.11e規格等の各種無線通信方式が存在する。
従来,LANを構成するにあたって,LANエリア内にアクセス・ポイントまたはコーディネータと呼ばれる無線制御局を設け,この無線制御局の統括的な制御下でネットワークを形成していた。
上記アクセス・ポイントを配置した無線ネットワークでは,ある通信端末から情報伝送を試みた場合,先ずその情報伝送に必要な帯域をアクセス・ポイントに予約し,他の通信端末における情報伝送と衝突が生じないように伝送路を確保する。このような帯域の予約に基づくアクセス制御方法が広く採用されている。従って,上記アクセス・ポイントを配置する無線ネットワークでは,無線ネットワーク内の通信端末が互いに同期していることになる。
このようなアクセス・ポイントを利用した無線通信システムでは,通信端末は必ずアクセス・ポイントを介す必要があり,通信対象の無線端末に直接データを伝送することが出来ない。従って,伝送路の利用効率が激減する。
上記の問題を解決する一手段として,通信端末同士が直接,非同期に無線通信を行なうアドホック(Ad−hoc)通信が考案される。特に,所定範囲内における比較的少数の通信端末で構成された小規模無線ネットワークにおいては,特定のアクセス・ポイントを利用しないで任意の通信端末同士が直接,非同期の無線通信を行なう,即ちアドホック通信が適当であると思料される。例えば,IEEE802.11系の無線LANシステムでは,制御局を配さなくとも自律分散的にピア・ツウ・ピア(Peer to Peer)で動作するアドホック・モードが用意されている。
一方,アドホック環境における無線LANネットワークでは,隠れ端末問題が生じることが知られている。隠れ端末とは,ある特定の通信端末間で通信を行なう場合に,一方の通信端末とは通信可能であるが他方の通信端末とは通信ができない第3の通信端末のことであり,隠れ端末同士ではネゴシエーションを行なうことができないため,各端末における送信動作が衝突する可能性がある。
このような隠れ端末問題を解決する方法として,RTS/CTS手順によるCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance:搬送波感知多重アクセス)が知られている。
ここで,CSMA/CAとはキャリア検出に基づいて多重アクセスを行う接続方式である。無線通信においては自ら情報送信した信号を受信することが困難なので,CSMA/CD(Collision Detection)ではなくCSMA/CA(Collision Avoidance)方式が利用される。この方式では,他の通信端末の情報送信がないことを確認してから自らの情報送信を開始することによって,他の通信端末との衝突を回避している。
また,上記RTS/CTS手順では,先ず,データ送信元の通信端末がRTS(Request To Send:送信要求)パケットを送信し,データ送信先の通信端末からCTS(Clear To Send:確認通知)パケットを受信するといった処理を踏まえて,データ送信先の通信端末にデータを送信する。このとき,隠れ端末は,RTSパケットまたはCTSパケットのうち少なくとも一方を受信し,その通信対象が自己の端末でないことを認識すると,通信を行う通信端末同士がデータ伝送を行うと予想される期間,自局の情報送信を停止する。このようにして,無線通信の衝突を回避することができる。
ここで,IEEE802.11の拡張規格であるIEEE802.11aを例にとり,無線ネットワークについて説明する。
まず,IEEE802.11aにおけるフレームフォーマットについて簡単に説明すると,各パケットの先頭には,パケットの存在を示すためのプリアンブルが付加されている。プリアンブルは,規格により既知のシンボル・パターンが定義されている。受信端末は,この既知パターンに基づいて受信信号がプリアンブルに値するか否かを判断することができる。
上記プリアンブルに続いて,シグナル・フィールドが定義されている。シグナル・フィールドには,当該分割データのデータフィールドを復号するのに必要な情報が格納されている。
なお,分割データの復号に必要な情報は,PLCP(Physical LayerConvergence Protocol)ヘッダと呼ばれ,上記PLCPヘッダには,データフィールドの伝送レートを示すRATEフィールド,情報部の長さを示すLENGTHフィールド,パリティ・ビット,エンコーダのTailビットなどが含まれている。受信機(又はデータ受信装置など)は,PLCPヘッダのRATEフィールド並びにLENGTHフィールドの復号結果に基づき,復号を行う。
また,IEEE802.11では幾つかのフレームタイプが定義されている。ここでは,本実施の形態の説明に必要な,RTS,CTS,DATA,ACKパケットの4種類のパケットについてのみ説明を行う。
各パケットには,Frame ControlフィールドとDurationフィールドが共通で定義されている。Frame Controlフィールドは,当該フレームの種類や用途などを示す情報が格納されている。また,Durationフィールドには,後述するNAV(Network Allocation Vector)に関する情報が格納されており,当該分割データのトランザクションが終了するまでの時間が含まれている。
DATAパケットには,上記の他に送信元の通信端末,相手先の通信端末等の特定を行うアドレス・フィールドと,シーケンス・フィールド(SEQ)と,チェックサムであるFCS(Frame Check Sequence)などが含まれている。なお,本実施の形態にかかるDATAパケットは,1パケットに分割データが1つ含まれる場合でもよく,1パケットに分割データが複数含まれる場合などでもよい。
RTSフレームには,相手通信端末の宛先を示すReceiver Address(RA)と,送信元である自己の通信端末を示すTransmitter Address(TA)と,チェックサムであるFCSが含まれる。
CTSフレーム並びにACKフレームには,相手通信端末の宛先を示すRAとチェックサムであるFCS等が含まれている。
このようなフレームを利用して,RTS/CTS手順によるCSMA/CA方式の無線通信ネットワークが遂行される。
また,IEEE802.11では,基本的なメディア・アクセス手順としてCSMAが採用されている。従って,送信端末が情報を送信する前に,他のメディア状態を監視しつつランダムな時間にわたりバックオフのタイマーを動作させ,この間に送信信号が存在しない場合に初めて送信権利が与えられることになる。
次に,IEEE802.11におけるRTS/CTSの具体的な手順について説明する。
図1は,RTS/CTSの動作例を模式的に示した模式図である。図1では,データ送信装置310からデータ受信装置320に任意のDATAパケットを送信する例が示される。アドホック環境の無線LANネットワークにおいては,一般に隠れ端末問題が生じている。この問題の多くを軽減する方法として,RTS/CTS手順によるCSMA/CAが行われている。なお,図1に示す送信例は,例えば,IEEE802.11aであるものとするが,かかる例に限定されない。
データ送信装置310(RTS端末)は,実際に送信する内容であるデータ(分割データ)の送信に先立ち,通信の相手であるデータ受信装置320(CTS端末)に向けてCSMAの手順に従いRTSパケット250を送信する。データ受信装置320は,RTSパケット250を受信したことに応答して,RTSパケットを受信できた旨をフィードバックするCTSパケット252をデータ送信装置310に返信する。
送信端末であるデータ送信装置310は,CTSパケット252を受信するとメディアがクリアであることを判断し,直ぐにDATAパケット254の送信を開始する。そして,受信端末であるデータ受信装置320は,DATAパケット254を受信し終えると,ACKパケット256をデータ送信装置310に対して返信する。このようにして1分割データ分の送受信トランザクションが終了する。なお,TXOP(Transmission Opportunity:送信許可期間)は,RTS端末とCTS端末との間で送受信トランザクションに割当てられた時間である。
次に,例えば,IEEE802.11e等の場合のRTS/CTSの動作例について,図2を参照しながら,説明する。
データ送信装置310は,実際に送信する内容であるデータ(分割データ)の送信に先立ち,通信の相手であるデータ受信装置320に向けてCSMAの手順に従いRTSパケット250を送信する。データ受信装置320は,RTSパケット250を受信したことに応答して,RTSパケットを受信できた旨をフィードバックするCTSパケット252をデータ送信装置310に返信する。
送信端末であるデータ送信装置310は,CTSパケット252を受信するとメディアがクリアであることを判断し,直ぐに1又は2以上存在するDATAパケット254(254−1,254−2,…,254−64)の送信を開始する。なお,1度に送信可能なDATAパケット254の個数は,例えば最大64個である。64個以上のDATAパケット254を送信する場合は,一旦BA(BlockAcknowledgement)パケットを受信した後,続けて残りのDATAパケット254が送られる。
データ送信装置310は,全てのDATAパケット254(254−1,254−2,…,254−64)を送信すると,BARパケット257をデータ受信装置320に送信する。
次に,受信端末であるデータ受信装置320は,DATAパケット254を受信し終え,さらにBARパケット257を受信すると,BAパケット255をデータ送信装置310に対して返信する。このようにして複数の分割データ分を1つの送受信トランザクションで済ますことができる。
図3は,このような無線通信ネットワークにおける各通信端末の配置例を示した概略図である。このデータ伝送システムでは通信局としての特定の制御局が無く,各通信端末が自律分散的に動作し,アドホック・ネットワークが形成される。ここでは,5つの通信端末が示され,各通信端末(310,315,320)は,それぞれ自己の通信可能範囲258内にある他の通信端末と無線による通信を行う。
例えば,図3に示すように,通信可能範囲258−1内に存在するデータ送信装置310a,データ受信装置320a,隠れ端末315の通信端末が無線通信できる。なお,図3の通信可能範囲258内の通信端末は,データ送信装置310からデータ受信装置320にデータ送信する場合を例に挙げて説明するが,かかる例に限定されず,例えば,データ送信装置310にデータ受信機能が備わり,データ受信装置320にデータ送信機能が備わることで,データ受信装置320からデータ送信装置310にデータ送信する場合であっても実施可能である。
隠れ端末315は,通信可能範囲258−1と通信可能範囲258−2との双方に属しているため,双方の通信可能範囲258で送信されるデータを受信することができる。したがって,上記隠れ端末315は,後程説明するNAVを自己に設定する等によってパケット衝突などの問題を解決している。本実施形態は上記の自律分散型の無線通信に限られず,制御局を有する無線通信や有線による通信にも適応可能である。
例えば,データ送信装置310aがデータ受信装置320bに対してデータ(分割データ)を送信しようと試みた場合,近隣には通信端末(隠れ端末)315が存在する。隠れ端末315とは,上記説明のように,一方の通信端末とは通信可能であるが他方の通信端末とは通信ができない通信端末のことである。
データ送信装置310は,RTSパケットに当該RTS/CTS手順に基づくデータ送信処理のトランザクションが終了するまでの時間を記述するため,RTSパケットを送信する時点において当該トランザクションの終了時刻を決定しておく必要がある。即ち,送信元であるデータ送信装置310は,当該トランザクションにおいて以後送受信されるCTSパケット,DATAパケット,ACKパケットを含むすべての送信レートを,RTSパケットを送信する時点で確定する必要がある。また,ここで決定される送信レートはトランザクション全体に関するものであり,トランザクション内において分割データ送信毎に個々に伝送レートを設定することは許容されていない。
上述したように,データ送信装置310は,RTSパケット250を送信する時点において,当該トランザクション全体についての送信レートを決定する。即ち,データ送信装置310の持つ情報,例えば,トランザクション全体での通信データ量や送信レート等に基づいて,当該トランザクションの終了時間,即ち送信許可時間(TXOP)を推測している。その後送受信されるCTS,DATA,ACKパケットの各パケットにおける送信レートは,基本的にRTSパケットで適用されたレートに従うことになる。
なお,上記説明したように,IEEE802.11nでは,上記送信レートをデータ受信装置320が決定できるようになっている。また,上記送信レートは,IEEE802.11eでは固定値となっている。
また,上記通信端末同士の距離が短かったり,アンテナの指向性を狭めたりすることによって,より一層マルチパスを少なくできる場合,データ送信装置310は,かかるデータ伝送システムにおいて高品質なデータ伝送が可能であると判断し,より高速な送信レート(例えば,100Mbpsから200Mbpsなど)に切り替えることができる。
また,CTSパケット252の送信レートは,RTSパケット250と同一でなければならない。上記CTSパケットには,当該トランザクションが終了するまでの時間,即ち送信許可時間(TXOP)と,データ送信装置310の認識ID(MACアドレスなど)が記載される。
このCTSパケット252は,送信先であるデータ送信装置310と同様に,近隣に位置する隠れ端末315でも受信される。隠れ端末315では,上記データ受信装置320と同様の手順により受信し,近隣にある通信端末が送信許可時間(TXOP)の間,分割データの受信を予定していることを認識する。これによって隠れ端末315は,データ送信装置310の受信要求を妨げないように,当該トランザクションが終了するまでNAVを立てて送信をストップさせる。上記NAVは,上記送信許可時間にわたり有効となり,その送信許可時間の間,送信不許可状態となる。
(第1の実施形態:データ伝送システム)
本実施形態では,様々な通信経路を利用してデータの交換が可能な複数の通信端末でデータの伝送を行うデータ伝送システムを提供する。また,かかる通信経路の中でも,特に無線の伝送路による通信を想定し,複数の通信端末間で相互にデータの交換を行う。各通信端末はそれぞれ無線通信のための通信局を有す。各通信局は単一のチャネルまたは複数の周波数チャネル(マルチチャネル)からなる伝送媒体を用いて無線通信を行う。さらに,本実施形態のデータ伝送システムは,上述した隠れ端末315によって生じる問題をも回避している。
図4は,データ伝送システムの個々の装置構成を示すブロック図である。図4に示すように,データ伝送システムは,データを送信するデータ送信装置310と,データ送信装置310から送信されたデータを受信するデータ受信装置320とからなる。
なお,本実施の形態にかかるデータ伝送システムでは,データ送信装置310からデータ受信装置320にデータを送信する場合を例に挙げて説明するが,かかる例に限定されず,例えば,データ送信装置310にデータを受信する機能を備え,データ受信装置320にデータを送信する機能を備えることも可能である。かかる機能を各々備えることで,データ送信装置310,データ受信装置320問わずデータを送受信することができる。
ここでは,理解を容易にするため図4に示すデータ送信装置310とデータ受信装置320をとりあげ,詳細に説明する。なお,データ送信装置310,データ受信装置320と同様に通信端末である隠れ端末315についても後程詳述する。
(データ送信装置310)
図5は,データ送信装置310の構成を示すブロック図である。上記データ送信装置310は,データ送信制御部350と,シーケンス付与部352と,RTS送信部354と,DATA送信部356と,アンテナ部360とを含んで構成される。
上記データ送信制御部350は,中央処理装置(CPU)を含む制御装置によりデータ送信装置310における一連の処理を一元的に管理および制御する。
上記シーケンス付与部352は,データ送信装置310における送信すべきデータを所定のフレームで表される複数の分割データに分割し,この複数の分割データを送信する順に並べ,各分割データに,例えば連続する数字で表される固有のシーケンス番号を付与する。
データ受信装置320では,かかるシーケンス番号順に受信した分割データを所定数の分割データ群として並べ,データに復号する。従って,たとえデータ受信装置320で受信するパケットの順番が変わったとしても,シーケンス番号を昇順または降順に並び替えることによって,確実にデータへと復元することができる。また,シーケンス番号は,分割データの送信順をデータ受信装置320で把握する機能と,送受信する分割データ数を互いの通信端末で制限する機能を有している。上記シーケンス番号は,例えば,1ずつインクリメントされ,所定数(上限)を越えると再び0からカウントされる。
上記RTS送信部354は,送信する分割データの個数を含むRTSパケットをアンテナ部360を介してデータ受信装置320に送信する。また,このRTSパケットは,送信する分割データの長さ(Length)や,シーケンス番号などを含むことができる。
上記分割データの個数は,1回のデータ送信(RTSパケット,CTSパケットを含む一連のトランザクション)において,データ送信装置310が送信しようとしているDATAパケットの個数を言う。なお,上記説明したように,IEEE802.11eなどではDATAパケットの最大個数は一度に64個であるとする。
上記DATA送信部356は,RTS送信部354が送信したRTSパケットに対するデータ受信装置320からの応答であるCTSパケットを受信した場合このCTSパケットに記述された送信レート,もしくは既決定の送信レート等に基づいてチャンネル等を設定し,シーケンス番号順に並べられた1または2以上の上記分割データを含むDATAパケットを,アンテナ部360を介してデータ受信装置320に送信する。
なお,本実施の形態にかかる送信レートは,例えば,IEEE802.11eでは所定値に固定であり,IEEE802.11nではCTS端末側で決定することが可能な変動値であり,その決定した送信レートが上記データ受信装置320が送信するCTSパケット等に設定される。
また,図2に示したように,上記DATA送信部356は,CTSパケットを受信した後,分割データ各々に一つのDATAパケットをまたは複数の分割データ毎に一つのDATAパケットを割り当て,シーケンス番号順にその1または2以上のDATAパケットを連続して送信することもできる。
上記アンテナ部360は,データ受信装置320に対して電磁波による信号を所定の周波数チャネル上で無線送信し,データ受信装置320から送られるCTSパケットおよびACKパケットを受信する。また,他の分割データやビーコン等も送信することができる。
(データ受信装置)
図6は,データ受信装置320の構成を示すブロック図である。上記データ受信装置320は,データ受信制御部380と,RTSパケット記憶部382と,CTS送信部384と,ACK送信部386と,データ処理部388と,アンテナ部390とを含んで構成される。
上記データ受信制御部380は,中央処理装置(CPU)を含む制御装置によりデータ受信装置320における一連の処理を一元的に管理および制御する。
上記RTSパケット記憶部382は,データ送信装置310からのRTSパケットにおけるデータ送信装置310のMACアドレスなどに相当する認識IDと,DATAパケット長または分割データ長とを記憶する。
上記CTS送信部384は,データ送信装置310からのRTSパケットに基づいて,CTSパケットをアンテナ部390を介してデータ送信装置310に送信する。なお,CTSパケットに上記送信レートの値が設定されても良い。
かかるRTS/CTSパケットの送受信により,データ送信装置310とデータ受信装置320が,実際にデータを送信する前に,通信相手と通信することについてネゴシエーションする(ハンドシェイクする)ことができる。
上記ACK送信部386は,ACKパケットをデータ送信装置310に送信する。なお,ACK送信部386は,実際に受信した分割データのシーケンス番号が不連続であった場合,欠落した以降の分割データを改めて再送信させるように要求してもよい。
上記データ処理部388は,受信した分割データをシーケンス番号順に並べ,予め定められた所定数の分割データ群が受信された時点でこの分割データ群をデータに復号し,復号した当該データの処理を開始する。
上記アンテナ部390は,データ送信装置310に対して電磁波による信号を所定の周波数チャネル上で無線送信し,データ送信装置310から送られるRTSパケットやDATAパケットを受信する。また,他の分割データやビーコン等も送信することができる。
(隠れ端末)
図7は,隠れ端末315の構成を示すブロック図である。上記隠れ端末315は上記データ送信装置310又はデータ受信装置320と基本的な構成は同様であり,隠れ端末315は,データ受信制御部380と,RTSパケット記憶部382と,CTS送信部384と,ACK送信部386と,データ処理部388と,NAV設定部389と,データ送信制御部391と,アンテナ部392とを含んで構成される。
上記データ受信制御部380は,中央処理装置(CPU)を含む制御装置により隠れ端末315における主にデータ受信処理に関連する一連の処理を一元的に管理および制御する。
NAV設定部389は,データ送信装置310からRTSパケットを受け取っても自己宛のRTSパケットでは無い場合,RTSパケットに設定された送信許可時間(TXOP)の間はデータ送信を不許可としたNAVを設定する。なお,設定されたNAVの値は,例えばRTSパケット記憶部382等の記憶手段に格納されても良い。
上記データ送信制御部391は,中央処理装置(CPU)を含む制御装置により隠れ端末315における主にデータ送信処理に関連する一連の処理を一元的に管理および制御する。
次に,図8を参照しながら,第1の実施の形態にかかるデータ伝送方法の一連の処理について説明する。なお,図8は,第1の実施の形態にかかるデータ伝送方法の一連の処理の概略を示すシーケンス図である。
なお,図8に示す通信端末A〜通信端末E(データ送信装置310,隠れ端末315,データ受信装置320)は,上記説明した図3に示す通信環境と対応するものとし,それぞれ隣り合う通信端末とのみ通信可能であるとするが,かかる例に限定されない。
また,図8に示すように,データ送信装置310aからデータ受信装置320aにデータを送信し,一方でデータ送信装置310bからデータ受信装置320bにデータ送信する場合を例に挙げて説明する。
図8に示すように,まずデータ送信装置310aは,DATAパケットを送信する処理に先立ち,データ送信宛先をデータ受信装置320aとしたRTSパケット(送信要求パケット)を送信する(S801)。
データ送信装置310aは,上記RTSパケットを送信すると同時に又は送信後に,いつまで送信可能であるかを示す送信許可時間(TXOP)を自装置に設定する。図8に示すように,データ送信装置310a(B)に灰色のハッチングで表示されたバーが送信可能である時間帯を示すTXOPである。なお,ハッチングは,例えば矩形で囲まれた閉領域の内部を任意の色彩・模様で塗りつぶすことをいう。
次に,データ受信装置320aがRTSパケットを受信すると,それに対応するCTSパケット(送信許可パケット)を上記データ送信装置310aに送信する(S803)。かかるCTSパケットが送信されることで,双方の装置がハンドシェイクされ,通信が確立することとなる。
なお,RTSパケット及びCTSパケットには,データの送受信処理に要する時間(送信許可時間(TXOP : Transmission Opportunity))が記述されている。
上記データ受信装置320aも,データ送信装置310a側でTXOPを設定するのと同様に,TXOPを自装置に設定する。図8に示すように,データ受信装置320a(A)に灰色のハッチングで表示されたバーが送信可能である時間帯を示すTXOPである。
上記データ送信装置310aでもデータ受信装置320aでもない隠れ端末315は,例えばデータ送信装置310aからRTSパケットを受信すると,TXOPである間を送信禁止期間(NAV:Network AllocationVector)として自装置に設定し,その間DATAパケットを送信しない。なお,図8に示すように,隠れ端末315(C)に灰色のハッチングで表示されたバーがパケット送信禁止である時間帯を示すNAVである。
かかるRTS/CTS手順を経ると,次に,TXOPを設定したデータ送信装置310aは,1又は2以上のDATAパケット(又は,分割データ)をデータ受信装置320aに送信する(S805)。
データ受信装置320aは,上記DATAパケットの受信が終了すると,ACKパケットを通信相手であるデータ送信装置310aに送信する(S807)。以上で,DATAパケット送信に係る一連のトランザクションが終了する。
なお,図3に示す通信可能範囲258−2に属するデータ送信装置310bとデータ受信装置320bとの間でも,RTS/CTSパケット送信し,DATAパケットを送信する上記説明したようなトランザクションが行われる(S809〜S815)。
特にIEEE802.11nを適用するデータ伝送システム等では,DATAパケットを送信する一連のトランザクションが予定よりも早く終了した場合,つまり上記TXOPに残存期間(Leftover term)が存在した場合,データ送信装置310aは,さらにDATAパケットを通信端末に送信することを可能としている。
図8に示すように,ACKパケットが送信(S807)され,そのACKパケットの受信直後は,データ送信装置310aにはTXOPの残存期間が存在することとなる。ここで,もし仮にIEEE802.11nを適用したデータ伝送システムである場合,データ送信装置310aが隠れ端末315にDATAパケットを送信することとなる(S817)。
双方の通信可能範囲258(258−1,258−2)に属している隠れ端末315は,データ送信装置310aが送信(S817)したDATAパケットを受信しようとするが,ほぼ同じタイミングで,データ送信装置310bがデータ受信装置320bにDATAパケットを送信しているため(S813),パケット衝突等を引き起こし,データ送信装置310aからのDATAパケットを正常に受信することができない。
したがって,隠れ端末315は,ACKパケットをデータ送信装置310aに送信することができない(S819)。つまり,データ送信装置310aがDATAパケットを送信しても,無駄な処理となってしまい,処理が非効率となる。さらに無線通信の帯域が無駄に利用されたことにもなってしまう。
したがって,上記のような深刻な問題を解決するため,本実施の形態にかかるデータ伝送システムでは,かかるTXOPの残存期間が存在した場合,図8に示すデータ送信装置310aのDATAパケット送信処理(S817)を禁止する。従って,以降のACKパケット送信処理(S819)も発生せず,無駄な処理が発生しないためデータ伝送の効率を保てる。
なお,本実施の形態にかかるデータ伝送システムでは,TXOPの残存期間が存在した場合,その残存期間ではRTS端末であるデータ送信装置310は,DATAパケット送信を禁止することを例に挙げて説明したが,かかる例に限定されず,例えば,CTS端末であるデータ受信装置320のみに対しては,上記DATAパケットを送信することを許可する場合等でも実施可能である。
なお,図2に示すようなIEEE802.11eやIEEE802.11nなどの方式で,複数のDATAパケットの送信可能な分のTXOPが確保される場合において,より一層深刻な問題となっていた。
(第2の実施形態:データ伝送システム)
次に,図9を参照しながら,第2の実施の形態にかかるデータ伝送システムについて説明する。なお,第1の実施の形態と実質的に同様な構成については,詳細な説明を省略する。図9は,第2の実施の形態にかかるデータ伝送方法の一連の処理の概略を示すシーケンス図である。
なお,図9に示す通信端末A〜通信端末E(データ送信装置310,隠れ端末315,データ受信装置320)は,上記説明した図3に示す通信環境と通信端末Dがデータ受信装置320bで,通信端末Eがデータ送信装置310bである点で異なりそれ以外は対応するものとし,それぞれ隣り合う通信端末とのみ通信可能であるとする。
また,図9に示すように,データ送信装置310aからデータ受信装置320aにデータを送信し,一方でデータ送信装置310bからデータ受信装置320bにデータ送信する場合を例に挙げて説明する。
図9に示すように,データ送信装置310a(B)がデータ受信装置320a(A)宛にDATAパケットを送信する前に,データ送信装置310aはデータ受信装置320aにRTSパケットを送信する(S901)。なお,第1の実施形態と同様にTXOPを自装置に設定する。
データ受信装置320aは,上記データ送信装置310aからのRTSパケットを受信するとCTSパケットをデータ送信装置310aに送信するとともに,自装置にTXOPを設定する(S903)。
かかるRTSパケット/CTSパケットの送受信によってデータ送信装置310aとデータ受信装置320aとの間でハンドシェイクが行われる。
一方で,隠れ端末315(C)は,データ送信装置310aからのRTSパケットにより,NAV(送信禁止期間)を自装置に設定する。この際,隠れ端末315はRTSパケット送信元のデータ受信装置310aの認識ID(例えば,MACアドレスなど)を記録し,データ送信装置310aからのRTSパケットの受信によりNAVを設定したことを示す情報を記憶手段(RAM,HDDなど)に格納しておく。上記認識IDは,RTSパケットに記述されているものとする。
図9に示すように,隠れ端末315に灰色のハッチングで表示されたバーが記載されているのが分かる。これは,隠れ端末315がデータ送信装置310aからのRTSパケットを受信し,そのRTSパケットに記述されたTXOPに基づき,NAVを自装置に設定したことを示している。
上記通信端末同士でハンドシェイクが行われると,データ送信装置310aからデータ受信装置320aに1又は2以上のDATAパケット(又は,分割データ)をデータ受信装置320aに送信する(S905)。
データ受信装置320aは,上記DATAパケットの受信が終了すると,ACKパケットを通信相手であるデータ送信装置310aに送信する(S907)。
一方で,データ送信装置310aからのRTSパケットを受信した隠れ端末315が設定したNAVの期間内に,データ送信装置310bからデータ受信装置320bにDATAパケットの送信があるとする。
データ送信装置310bからデータ受信装置320bにデータを送信するため,まずデータ送信装置310bはデータ受信装置320bにRTSパケットを送信する(S909)。なお,上記データ送信装置310aと同様にTXOPを自装置に設定する。
データ受信装置320bは,上記データ送信装置310bからのRTSパケットを受信するとCTSパケットをデータ送信装置310bに送信するとともに,自装置にTXOPを設定する(S911)。
かかるRTS/CTSパケットの送受信によって,データ送信装置310bとデータ受信装置320bとの間でハンドシェイクが行われる。
なお,図9に示すように上記S911においてデータ受信装置320bから送信されるCTSパケットは,隠れ端末315にも受信される。しかし,データ受信装置320bからのCTSパケットに記述されたTXOP(または,Duration)は,既に隠れ端末315がNAVとして設定した時間よりも短いため,隠れ端末315は,そのまま上記CTSパケットを破棄する。
上記隠れ端末315によるデータ受信端末320bからのCTSパケットの破棄は,既に設定されているNAVの期間の方が,その後に受信したCTSパケットに記述されたTXOPの期間よりも長いためであって,上記CTSパケットを破棄したことで,設定されたNAVが無効になることはない。つまり,隠れ端末315のNAVは引き続き期間が終了するまで有効であって,そのNAVの間はデータの送信処理などは禁止である。
一方,データ送信装置310aはデータ受信装置320aに対するデータ送信(S905)が早く終了し,TXOPの残存期間が存在しているのを確認すると,TXOPの残存期間を利用して,隠れ端末315宛てにDATAパケットの送信を試みる。
上記データ送信端末310aから隠れ端末315に対するデータ送信に先立ち,データ送信装置310aから隠れ端末315にRTSパケットを送信する(S913)。それを受信した隠れ端末315は,以前記憶したデータ送信装置310からのRTSパケットの受信によりNAVを設定したことを示す情報を参照し,それが今回受信したRTSパケットの送信元(データ送信装置310a)と一致していることを確認する。
隠れ端末315は,上記RTSパケットの送信元が一致するのを確認すると,既に自装置に設定したNAVをキャンセル(又は,クリアもしくは初期化)し,データ送信装置310aにCTSパケットを送信する(S915)。
しかし,上記隠れ端末315がCTSパケットを送信することで(S915),そのCTSパケットの送信(S915)とほぼ同時期のデータ送信装置310bからデータ受信装置320bに対するDATAパケットの送信(S917)を,パケット衝突などによって妨げてしまう。すなわち,上記隠れ端末315は,自装置にNAVが有効に設定され,期間内にもかかわらず,そのNAVを無視し,CTSパケットをデータ受信装置320bに送信している。
なお,データ送信装置310bからのDATAパケットを受信するとデータ受信装置320bは,ACKパケットをデータ送信装置310bに対して送信する(S919)。
本実施の形態にかかるデータ伝送システムでは,かかる問題点を解決するため,データ送信装置310は,たとえ自装置におけるTXOPの残存期間が存在していたのを確認しても,RTS/CTSパケットによるハンドシェイクが行われた通信相手(データ受信装置320)としかデータ送信してはならず,隠れ端末315を含みそれ以外の通信端末に対しては一切データ送信を禁止している。
より具体的には,図9に示すように,データ送信装置310aは,データ受信装置320aからACKパケットを受信した(S907)時点で,TXOPの残存期間が存在しているのを確認した場合であっても,隠れ端末315に対してデータ送信するためにRTSパケットを隠れ端末315宛に送信する(S913)ことを禁止する。以上で,第2の実施意の形態にかかるデータ伝送システムの一連の動作について説明を終了する。
(第3の実施形態:データ伝送システム)
次に,図10及び図11を参照しながら,第3の実施の形態にかかるデータ伝送システムについて説明する。なお,第1の実施の形態又は第2の実施の形態と実質的に同様である構成については,詳細な説明を省略する。図10は,第3の実施の形態にかかる無線通信ネットワークにおける各通信端末の配置例を示した概略図であり,図11は,第3の実施の形態にかかるデータ伝送方法の一連の処理の概略を示すシーケンス図である。
図10に示すように,通信端末Aと通信端末Bと通信端末Eとはデータ送信装置310であり,通信端末Cは,いわゆる隠れ端末315であり,通信端末Dはデータ受信装置320である。また,通信端末A〜通信端末Eはそれぞれ隣り合う通信端末とのみ通信可能であるとする。
また,図10に示すように,データ送信装置310aからデータ受信装置320aにデータを送信する場合を例に挙げて説明する。
第3の実施の形態にかかるデータ伝送システムでは,データ送信装置310a(E)がデータ受信装置320a(D)宛にDATAパケットを送信する前に,図11に示すように,まずデータ送信装置310aはデータ受信装置320aにRTSパケットを送信する(S1101)。なお,データ送信装置310aは,第1の実施形態と同様にTXOPを自装置に設定する。
データ受信装置320aは,上記データ送信装置310aからのRTSパケットを受信するとCTSパケットをデータ送信装置310aに送信するとともに,自装置にTXOPを設定する(S1103)。
かかるRTSパケット/CTSパケットの送受信によってデータ送信装置310aとデータ受信装置320aとの間でハンドシェイクが行われる。
一方で,隠れ端末315(C)は,データ送信装置320aからのCTSパケットを受信することが可能であるため,そのCTSパケットにより,隠れ端末315はNAV(送信禁止期間)を自装置に設定する。
上記通信端末同士でハンドシェイクが行われると,データ送信装置310aからデータ受信装置320aに1又は2以上のDATAパケット(又は,分割データ)をデータ受信装置320aに送信する(S1105)。
データ受信装置320aは,上記DATAパケットの受信が終了すると,ACKパケットを通信相手であるデータ送信装置310aに送信する(S1107)。
一方で,データ受信装置320aからのCTSパケットによって自装置に設定したNAVの期間内に,データ送信装置310aがDATAパケットを送信する期間と重複して,通信可能範囲258−1内に存在するデータ送信装置310bが隠れ端末315に対してDATAパケットの送信する場合がある(S1109)。データ送信装置310bは,上記データ送信装置310aの存在を認識することができないためである。
しかしながら,第3の実施の形態にかかるデータ伝送システムでは,上記データ送信装置310bからDATAパケットが送信されてきた場合であっても,隠れ端末315は,ACKパケットをデータ送信装置310bに対して送信しない(S1111)。
例えば,IEEE802.11eなどを単純に適用した従来にかかるデータ伝送システムでは,隠れ端末315は,データ送信装置310bからDATAパケットが送信されると(S1109),ACKパケットを返信していた(S1111)。上記ACKパケットの送信(S1111)によって,S1105におけるデータ送信装置310aのDATAパケットと衝突してしまいデータ受信装置320aは正確にDATAパケットを受信できず,データ送信の効率が著しく悪化していた。
したがって,第3の実施の形態にかかるデータ伝送システムでは,上記状況下データ送信装置310bからDATAパケットが送信されてきたとしても,隠れ端末315はACKパケットを送信しないことで,かかる問題点を解決している。以上で,第3の実施の形態にかかるデータ伝送システムの一連の動作の説明を終了する。
次に,上述した一連の処理は,専用のハードウェアにより行うこともできるし,ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には,そのソフトウェアを構成するプログラムを,汎用のコンピュータやマイクロコンピュータ等にインストールすることで実施可能となる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例を想定し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上記実施形態において,記載又は図示された処理ステップは,必ずしもフローチャート又はシーケンス図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく,並列的あるいは個別に実行される処理(例えば,並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
本発明は,データ伝送システムに適用可能である。
RTS/CTSの動作例を模式的に示した模式図である。 RTS/CTSの動作例を模式的に示した模式図である。 データ伝送システムにおける各通信端末の配置例を示した概略図である。 データ伝送システムの個々の装置構成を示すブロック図である。 データ送信装置の概略的な構成の一例を示すブロック図である。 データ受信装置の概略的な構成の一例を示すブロック図である。 隠れ端末の概略的な構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施の形態にかかるデータ伝送方法の一連の処理の概略を示すシーケンス図である。 第2の実施の形態にかかるデータ伝送方法の一連の処理の概略を示すシーケンス図である。 第3の実施の形態にかかるデータ伝送システムにおける各通信端末の配置例を示した概略図である。 第3の実施の形態にかかるデータ伝送方法の一連の処理の概略を示すシーケンス図である。
符号の説明
310 データ送信装置
315 隠れ端末
320 データ受信装置

Claims (2)

  1. データを複数の分割データに分割し,前記分割データを送信するデータ送信装置と,
    前記データ送信装置から送信された前記分割データを受信して前記データ送信装置にACKパケットを送信し,所定数の前記分割データ群を受信した後,前記分割データ群をデータに復号して当該データの処理を開始するデータ受信装置と
    前記データ送信装置とは通信可能であるが前記データ受信装置とは通信ができない他の通信装置と,
    からなり,前記装置の通信はRTSパケットおよびCTSパケットの制御信号によって確保されるデータ伝送システムであって:
    前記データ送信装置は,前記ACKパケット受信後に,送信許可期間に残存期間が存在した場合,前記データ受信装置に対しては前記残存期間内に限りデータを送信するが,前記他の通信装置に対してはデータを送信しないことを特徴とする,データ伝送システム。
  2. データを複数の分割データに分割し,前記分割データを送信するデータ送信装置と,
    前記データ送信装置から送信された前記分割データを受信して前記データ送信装置にACKパケットを送信し,所定数の前記分割データ群を受信した後,前記分割データ群をデータに復号して当該データの処理を開始するデータ受信装置と
    前記データ送信装置とは通信可能であるが前記データ受信装置とは通信ができない他の通信装置と,
    からなり,前記装置の通信はRTSパケットおよびCTSパケットの制御信号によって確保される通信システムにおけるデータ伝送方法であって:
    前記データ送信装置は,前記ACKパケット受信後に,送信許可期間に残存期間が存在した場合,前記データ受信装置に対しては前記残存期間内に限りデータを送信するが,前記他の通信装置に対してはデータを送信しないことを特徴とする,データ伝送方法。
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