JP2004040257A - 高速信号線 - Google Patents

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Takeshi Kurosaki
黒崎 武志
Michiyuki Amano
天野 道之
Akira Ito
伊藤 亮
Yuichi Nishida
西田 裕一
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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SUMISHO PLASCHEM CO Ltd
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

【課題】高速の電気信号を入出力するパッケージにおいて、短時間かつ低価格に作製することができ、高周波領域まで良好な周波数特性を得る。
【解決手段】電気的に絶縁性を有する基板101の一方の面に導電性を有する薄膜状の信号配線102が形成され、基板101の他方の面に導電性を有する薄膜状の電気的基準面104が形成された高速信号線において、他方の面は、一方の面の方向に掘り込まれて電気的基準面104が形成され、高速信号線が所定のインピーダンスを有するように構成された。
【選択図】    図10

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速信号線に関し、より詳細には、光通信、光情報処理の分野で使用される高速光送受信モジュールなどに用いられるパッケージにおいて、高速の電気信号を入出力する高速信号線に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、データ通信需要の急激な増大により、光ネットワークの高速・広帯域化が活発に進められている。従来の電話網を中心とした幹線系ネットワークはもとより、WAN(Wide Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)またはLAN(Local Area Network)のバックボーン等、経済化が強く求められているネットワークにおいても高速化の動きが加速している。このような状況において、伝送速度が10Gb/sを越える高速の光送受信モジュールの低コスト化が強く求められている。
【0003】
従来、伝送速度が1Gb/sを越える高速光送受信モジュールは、セラミックもしくは金属を材料とするパッケージを用いて作製されていた。図1〜図3に、従来の高速光送受信モジュールで用いられている代表的な高速信号線の構成を示す。図1に示したマイクロストリップ線路は、誘電体11上に形成された高速信号線12と、誘電体11a,11b内部に金属製の薄膜等から形成された電気的な基準面となるグランド面13とから構成されている。誘電体内部にグランド面を設置する必要があり、作製上の工程が多くなるという問題がある。
【0004】
図2に示したコプレーナ線路は、誘電体11上に形成された高速信号線12と、高速信号線12の両側に形成された電気的な基準面となるグランド面14a,14bとから構成されている。マイクロストリップ線路と比較して、誘電体内部にグランド面を設置する必要がないため作製上の工程は少ない。しかし、所定のインピーダンスを有する高速信号線12を形成するために、高速信号線12の幅を大きくとるか、または高速信号線12とグランド面14a,14bとの間隔を小さくする必要があり、広い面積が必要になったり、高い加工精度が要求される等の問題がある。
【0005】
図3に示したグランデッドコプレーナ線路は、誘電体11上に形成された高速信号線12と、誘電体11a,11b内部に金属製の薄膜等から形成されたグランド面13と、高速信号線12の両側に形成されたグランド面14a,14bとから構成されている。コプレーナ線路のような作製上の問題は少ないが、マイクロストリップ線路と同様に作製上の工程が多くなるという問題がある。
【0006】
図4に、従来の高速光受信モジュールの第1例を示す。1Gb/s以上の伝送速度で動作する高速光受信モジュールは、現在広く用いられているバタフライ型の金属製またはセラミック製のパッケージを用いている。光受信モジュールは、側面に金属製リード22が取り付けられたセラミック製パッケージ21に、フォトダイオード23とベアチップのプリアンプIC24とが搭載されている。光受信モジュールの前面には、レンズを収容し、光ファイバ26に接続されたレンズホルダー25が設けられ、後面には、電気信号を出力する高周波コネクタ27が設けられている。
【0007】
光ファイバ26を通して送られてきた光信号は、レンズを介してフォトダイオード23で受信される。フォトダイオード23は、光信号を電気信号に変換し、ボンディングワイヤを介してプリアンプIC24に入力する。プリアンプIC24で増幅された電気信号は、ボンディングワイヤと、セラミック製パッケージ21上に形成された高速信号線28と、高周波コネクタ27とを介して光受信モジュールから出力される。
【0008】
高速信号線28は、マイクロストリップ線路により形成され、高速信号線28の下部には、セラミック製パッケージ21内部にグランド面29が挿入されている。高速信号線28とグランド面29との間隔は、所定の線路インピーダンス、例えば50Ωとなるように一定の間隔が保たれている。また、グランド面29は、導電性を有する金、アルミニウムなどの金属材料により、メッキ加工を施して形成されている。グランド面29は、導電性材料でメッキ加工されたセラミック製パッケージ21の側面または底面と電気的に接続されている。電気的な接続には、グランド面29とパッケージの底面との間に、スルーホール30を複数個設置する。スルーホール30は、側壁を導電性材料でメッキ加工するか、または導電性材料で埋め込むことにより、電気的接続を実現している。
【0009】
図5に、従来の高速光受信モジュールの第1例における高速信号線の詳細を示す。高速信号線28とグランド面29との構成により、線路インピーダンスを高周波コネクタ27の特性インピーダンスと整合させることができる。これにより良好な周波数特性を得ることができるが、信号出力がコネクタ形式となっているため、実装基板上に搭載されたポストアンプ、論理素子等の電子デバイスと、電気的に接続することが難しいという欠点がある。
【0010】
図6に、従来の高速光送信モジュールを示す。高速光送信モジュールは、回路基板をくりぬいたり、リードを折り曲げることなく、回路基板に実装が可能な表面実装型セラミック製パッケージ41を用いている。光送信モジュールは、セラミック製パッケージ41の底面に金属製のリード42が取り付けられ、レーザダイオード43と配線板44が搭載されている。光送信モジュールの前面には、レンズを収容し、光ファイバに接続されたレンズホルダー45が設けられている。
【0011】
リード42とセラミック製パッケージ41内部の配線とは、スルーホール46により電気的に接続されている。スルーホール46は、側壁を導電性材料でメッキ加工するか、または内部を導電性材料で埋め込むことにより、電気的接続を実現している。セラミック製パッケージ41の底面に取り付けられたリード42のうち、高速の電気信号の入出力に用いるリード42cは、コプレーナ線路を構成している。所定の線路インピーダンス、例えば50Ωとなるように、両隣のリード42d,42eとの間隔が設定されている。
【0012】
セラミック製パッケージ41の配線板44は、マイクロストリップ線路が形成されたセラミック製の配線板である。コプレーナ線路を構成するリード42cから入力された電気信号は、スルーホール46とボンディングワイヤと配線板44上のマイクロストリップ線路とボンディングワイヤとを介して、レーザダイオード43に伝達される。
【0013】
図7に、従来の高速光送信モジュールにおける高速信号線の詳細を示す。本構成は、配線板44におけるマイクロストリップ線路の高速信号線48と、リード42c〜42eで構成されるコプレーナ線路の高速信号線とは、スルーホールで接続されている。高速信号線48は、その周囲をグランド面47と接続された複数のスルーホール46で取り囲むことにより、インピーダンスの整合をとっている。これにより実装基板上に搭載された電子デバイスとの接続を容易し、良好な周波数特性を得ることができる。
【0014】
図8に、従来の高速光受信モジュールの第2例を示す。高速光受信モジュールは、低価格化を目的に開発されたプラスチック製パッケージを用いている。プラスチック製パッケージ51は、一般に、ミニDIL(Dual−In−Line)型と呼ばれ、トランスファーモールド成形技術を用いて作製されている。プラスチック製パッケージ51は、金属製のリード52と、フォトダイオード53およびプリアンプIC54を搭載した金属製のステージとをプラスチック材料(樹脂)で挟み込んだ簡易な構造を有している。プラスチック製パッケージ51から突き出たリード52を、図8に示したように折り曲げることにより、光受信モジュールを実装基板57上に搭載することができる。
【0015】
図9に、従来の高速光受信モジュールの第2例における高速信号線の詳細を示す。第2例における高速信号線58は、図5、図7に示した高速信号線と比較して、低価格で簡易に作製でき、かつ、実装基板上に搭載された電子デバイスとの接続も容易である。その反面、所定のインピーダンスを保つために、高速信号線58の下部、またはその周囲にグランド面を配置することは困難である。従って、1GHzを越える高い周波数領域で、良好な周波数特性を得ることは難しい。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
図5、図7に示した高速信号線は、線路インピーダンスが一定で、良好な周波数特性が得やすい。しかしながら、作製の際には、セラミック製の薄板を何層か積み重ねて焼結しなければならず、かつ、スルーホールを複数設ける必要があるので、作製上の手間がかかり、価格も高くなるという問題があった。
【0017】
図9に示した高速信号線は、金属製のリードをプラスチック製の材料で挟み込むだけで作製できるため、短時間、かつ、低価格に作製できるという利点がある反面、1GHzを超える周波数域においては良好な周波数特性を得ることが難しいという問題があった。
【0018】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、高速の電気信号を入出力するパッケージにおいて、短時間かつ低価格に作製することができるとともに、高周波領域まで良好な周波数特性を得ることのできる高速信号線を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、電気的に絶縁性を有する基板の一方の面に導電性を有する薄膜状の1または複数の信号配線が形成され、前記基板の他方の面に導電性を有する薄膜状の電気的基準面が形成された高速信号線において、前記他方の面は、前記一方の面の方向に掘り込まれて前記電気的基準面が形成され、前記高速信号線が所定のインピーダンスを有するように構成されたことを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、基板を堀り込んで、掘り込みの内面に電気的基準面を形成することにより、高速信号線が所定のインピーダンスを有するように構成したので、誘電性の薄板を多層に積層せずに、高速信号線を容易に形成することができる。
【0021】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の前記他方の面は、前記一方の面の凹凸または折れ曲がりに応じて、前記高速信号線が所定のインピーダンスを有するように掘り込まれたことを特徴とする。
【0022】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の前記高速信号線は、所定のインピーダンスを有するように構成されたマイクロストリップ線路であることを特徴とする。
【0023】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の前記一方の面における前記信号配線の両側に、所定の距離を隔てて、電気的基準面が形成されたことを特徴とする。
【0024】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の前記高速信号線は、所定のインピーダンスを有するように構成されたグランデッドコプレーナ線路であることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
図10に、本発明の第1の実施形態にかかる高速信号線の構成を示す。セラミック等の誘電体、プラスチック等の絶縁性材料からなるパッケージ101の一方の面に高速信号線102が形成されている。高速信号線102が形成された面の反対側の面より、パッケージ101を掘り込み103を形成することにより高速信号線102と平行になる面を形成する。掘り込み103の内面には、メッキまたは蒸着により金属薄膜を貼り付けることにより、高速信号線102に所定のインピーダンスを発生させるための、電気的な基準面となるグランド面104を形成する。
【0026】
図11に、本発明の第2の実施形態にかかる高速信号線の構成を示す。図10に示した高速信号線102が形成された面にもグランド面105を配置して、グランデッドコプレーナ線路を構成した。高速信号線102の下部にグランド面を設置しない単純なコプレーナ線路と比較して、高速信号線102とその両側のグランド面105との間隔を大きくすることができ、作製上のトレランスが大きいという利点がある。
【0027】
図12に、本発明の第3の実施形態にかかる高速信号線の構成を示す。図10に示した高速信号線102を90度折り曲げて、パッケージ101の側面にも形成した。
【0028】
図13に、本発明の第4の実施形態にかかる高速信号線の構成を示す。図11に示したグランデッドコプレーナ線路を構成する高速信号線102とグランド面105とを、90度折り曲げて、パッケージ101の側面にも形成した。
【0029】
図14に、本発明の第5の実施形態にかかる高速信号線の構成を示す。図10に示した高速信号線102を任意の角度で折り曲げて、パッケージ101の傾斜面にも形成した。
【0030】
図15に、本発明の第6の実施形態にかかる高速信号線の構成を示す。図11に示したグランデッドコプレーナ線路を構成する高速信号線102とグランド面105とを、任意の角度で折り曲げて、パッケージ101の傾斜面にも形成した。第3〜6の実施形態の高速信号線は、実装基板上に搭載された電子デバイスとの接続を容易にするために、光送受信モジュールの入出力部を、パッケージ101の搭載面、すなわち底面に配置する。このとき、折り曲げた面に形成された高速信号線102に対するグランド面104が、掘り込み103の内面に形成されている。
【0031】
上述した高速信号線102を有するパッケージは、例えば、プラスチック等の樹脂を用いた射出成形により、3次元的な回路形成を行うMID(Molded Interconnection Device)技術を適用することにより、容易にかつ低価格に作製することができる。MID技術の詳細は、例えば、伊藤亮、「応用が進む三次元成形回路(MID)技術と成果」、日刊工業新聞社 表面実装技術、pp.65−70、No.11、Vol.6, 1996年、特開2000−80480号公報、特開2001−164374号公報または特願平11−363336号明細書に開示されている。
【0032】
[第1の実施例]
図16に、本発明の高速信号線を適用した第1の実施例の構成を示す。第1の実施例は、高速信号増幅モジュールであり、プラスチック製基板201上に10GHz以上の高周波帯域を有する高速信号増幅器IC202を搭載している。高速信号増幅器IC202に対する信号入出力用の高速信号線203a,203bとして、プラスチック製基板201上にマイクロストリップ線路が形成されている。高速信号増幅器IC202は、電極パターンの形成された面を下にして、プラスチック製基板201上に形成された電極パッド205上に、ハンダバンプを用いてベアチップ搭載されている。高速信号線203a,203bの両端には、SMA型高周波コネクタ204a,204bが取り付けられ、高速信号増幅器IC202の入力信号強度と出力信号強度の比である利得特性を測定することができる。
【0033】
プラスチック製基板201の底面、高速信号線203の下部には掘り込み206が形成されている。掘り込み206の壁面には、導電性の金属メッキにより、高速信号線203a,203bのインピーダンスが50Ωになるように、グランド面207が形成されている。掘り込み206を有するプラスチック製基板201は、MID技術、または切削加工により容易に作製することができる。また、高速信号増幅器IC202は、湿気等から素子を保護するために封止用樹脂208により、チップ全体が封止されている。
【0034】
図17(a)に、第1の実施例の断面図を示す。高速信号線203a,203bは、上部が空気の部分と封止用樹脂208で覆われた部分とに分かれる。そこで、封止用樹脂208で覆われた部分における特性インピーダンスが、空気の部分における特性インピーダンスと等しくなるように、掘り込み206の深さを変えて、グランド面207を形成している。図17(b)に、高速信号線203a,203bの特性インピーダンスを示す。封止用樹脂208で覆われた部分と上部が空気の部分とで、特性インピーダンスが等しいことを示している。
【0035】
図18に、第1の実施例における高速信号増幅器ICの利得の周波数特性を示す。高速信号増幅器IC202の周波数特性は、高速信号線203a,203bが途中から封止用樹脂208で覆われているにもかかわらず、電気的な反射の影響等が見られない。3dB周波数応答帯域は、12GHzであり、10GHz以上の良好な周波数特性が得られている。
【0036】
図19に、第1の実施例と比較するために作製した第1の比較例の構成を示す。図16に示した高速信号増幅モジュールと形状、寸法、高速信号増幅器IC202、高速信号線203a,203b、SMA型高周波コネクタ204a,204bおよび電極パッド205は、同等のものを使用した。基板は、従来の高速モジュールに用いられているセラミック製基板211であり、内部にグランド面212を配置している。
【0037】
図20(a)に、第1の比較例の断面図を示す。セラミック製基板211は、複数のセラミック板を重ね合わせて焼結することにより形成されている。高速信号線203a,203bの下部に配置されるグランド面212は、多層化したセラミック板の最上層の下部に形成されている。このような構成では、図17に示したように、高速信号線203a,203bの途中でグランド面212の位置を変えること、すなわち高速信号線203a,203bとグランド面212との距離を変更することは困難である。
【0038】
図20(b)に、高速信号線203a,203bの特性インピーダンスを示す。高速信号線203a,203bが途中から封止用樹脂208で覆われている場合には、特性インピーダンスが途中で変化するので、入力信号および出力信号の劣化が予想される。そこで、封止用樹脂208で覆われた部分の高速信号線203a,203bの幅を細くするという対策が講じられる。しかしながら、高速信号線203a,203bにおける信号損失の増加を招いたり、高速信号増幅器IC202を搭載するためのハンダバンブ寸法との整合性が悪くなるという問題を有している。
【0039】
図21に、第1の比較例における高速信号増幅器ICの利得の周波数特性を示す。図19示した高速信号増幅器IC202の周波数特性である。図18と比較すると、高速信号線203a,203bにおける特性インピーダンスの不整合により、電気的な反射等が生じ、1.8GHz付近に大きなリップルが生じている。これにより、平坦な周波数特性は、2GHz程度までとなり、周波数特性が劣化していることがわかる。
【0040】
[第2の実施例]
図22に、本発明の高速信号線を適用した第2の実施例の構成を示す。第2の実施例は、高速光受信モジュールである。高速光受信モジュールは、光ファイバと半導体受光素子であるフォトダイオードとを光学的に接続し、光信号を電気信号に変換する。高速光受信モジュールの外殻は、MID技術により作製されたプラスチック製パッケージ301である。プラスチック製パッケージ301上には、光ファイバ素線を固定するためのV溝状に加工されたガイドを有するガラス製V溝基板302が搭載され、光ファィバ306とフォトダイオード303とを光学的に接続している。また、プラスチック製パッケージ301上には、電気信号を増幅して出力するためのプリアンプIC304が搭載されている。
【0041】
プリアンプIC304から出力された電気信号は、プラスチック製パッケージ301上に形成された高速信号線307を介して外部に出力される。フォトダイオード303とプリアンプIC304と高速信号線307とは、それぞれボンディングワイヤにより電気的に接続されている。
【0042】
光受信モジュールは、信頼性の確保を目的として、プラスチック製パッケージ301上に搭載されたガラス製V溝基板302、光ファイバ306、フォトダイオード303およびプリアンプIC304を樹脂により封止するため、プラスチック製パッケージ301の周囲を塀で取り囲んだ構造を有している。従って、高速信号線307は、インピーダンスを一定に保ったまま、一旦塀の上部まで引き上げられ、さらに、他の搭載基板の配線に接続できるように、底面まで引き下げられた構造となっている。
【0043】
図23(a)に第2の実施例の上面図を示し、(b)に第2の実施例の断面図を示す。高速信号線307a,307bの両側には、所定の間隔を隔てた位置にグランド面308a〜308cを配置している。プラスチック製パッケージ301の底面側には、掘り込み309を形成した。掘り込み309の内壁面には、金属膜をメッキにより付着させることにより、高速信号線307a,307bの下部にもグランド面310を配置し、グランデッドコプレーナ線路を構成した。
【0044】
図24に、第2の実施例の高速光受信モジュールを樹脂で封止した場合を示す。プラスチック製パッケージ301の塀の内部に、シリコン樹脂311を注入して、搭載されているフォトダイオード303、プリアンプIC304などを封止する。このとき、プラスチック製パッケージ301の内側では、高速信号線307の上部は、シリコン樹脂311で覆われ、プラスチック製パッケージ301の外側では、高速信号線307の上部の上部は空気となっている。
【0045】
シリコン樹脂311は、誘電率が空気より大きいために、その境界付近でインピーダンスの急激な変化が生じる。そこで、インピーダンスの変化を極力小さく抑えるために、プラスチック製パッケージ301の内側では、高速信号線307の折り曲げ角度を90°より大きくしている。このことは、同時に、折れ曲がり部分における電磁界の放射を小さく抑えることができるという効果もある。さらに、プラスチック製パッケージ301の内側と外側とにおいて、高速信号線307のインピーダンスを同一にするために、掘り込み309により形成されたグランド面310と高速信号線307との距離(h1,h2)を変えて作製した。
【0046】
図25に、第2の実施例の高速光受信モジュールの周波数応答特性を示す。高速光受信モジュールをシリコーン樹脂311で封止し、平均光パワー0.1mWの光を入射した場合の、周波数応答特性の測定結果である。この結果から、高速信号線307におけるインピーダンスの不整合による周波数応答特性上の乱れ、電気的な共振によるピークなどが見られず、良好な周波数応答特性が確認された。ここで、10GHz以上の周波数帯域において、周波数応答特性が悪くなるのは、プリアンプIC304の帯域により制限を受けているためである。
【0047】
図26に、第2の実施例と比較するために作製した第2の比較例の構成を示す。比較のために、図22に示した高速光受信モジュールと、形状、寸法、フォトダイオード303、プリアンプIC304、高速信号線307および電極パターンが同等の比較モジュールを作製した。比較モジュールには、プラスチック製パッケージ301の底面に形成された掘り込み309を有していない。
【0048】
図27に、第2の比較例における高速光受信モジュールの周波数応答特性を示す。平均光パワー0.1mWの光を、比較モジュールに入射させた場合の周波数応答特性の測定結果である。この結果では、高速信号線307におけるインピーダンスの不整合により、電気的な反射や共振が発生し、平坦な周波数応答特性は、1.2GHz程度までしか得られていない。
【0049】
図28に、第3の比較例における高速光受信モジュールの周波数応答特性を示す。比較のために、図8に示した高速光受信モジュールと同一の構成であり、図22に示した高速光受信モジュールと、フォトダイオード303およびプリアンプIC304が同等の比較モジュールを作製した。比較モジュールは、プラスチック製パッケージ51と同等の構造を有し、同等の作製方法を用いた。ここでは、インピーダンスの不整合の影響がさらに大きく現れ、平坦な周波数応答特性としては、1GHz以下の特性であった。
【0050】
本実施形態においては、高速信号線の構成を、プラスチック製パッケージに適用した場合を例にとって説明したが、セラミック、金属等の他の材料からなるパッケージに適用した場合でも有効である。また、MID技術を適用して作製されたプラスチック製パッケージを用いたが、切削加工やトランスファーモールド成形技術等の他の技術を用いて作製されたものを用いてもよい。
【0051】
本実施形態によれば、高速信号線の配置された面と反対側の面に、メッキまたは蒸着により金属薄膜を付着させることにより、簡易に所定のインピーダンスを持った高速信号線を形成することができる。従って、従来のように、誘電性の薄板を多層に積層する必要がない。特に、従来、高速信号線を折り曲げる際に用いられていた複数のスルーホールを、信号線の周囲に設置する必要がない。
【0052】
また、図10〜図13に示したように、高速信号線が折れ曲がった場合でも、インピーダンスを一定に保つことができる。さらに、パッケージに掘り込みを1箇所形成しておくだけであり、折り曲がりのない場合と比較して工程数が増えることはない。
【0053】
一方、従来のスルーホールを用いる方法では、高速信号線の折り曲げは、90度の方向にしかできなかった。本実施形態によれば、図14、図15に示したように、折り曲げの角度を任意に形成することができるので、折れ曲がり部での電磁界の放射損失を減らすことができ、高周波帯域での周波数特性をよくすることができる。
【0054】
さらに、掘り込み部の形状は任意に設定できるため、高速信号線と掘り込みにより形成されたグランド面との間隔を徐々に変化させることも可能であり、高速信号線が途中まで樹脂等の誘電率の異なる媒質で覆われたような場合でも、媒質の境界において生じる信号線のインピーダンスの不整合を小さく抑えることができるという利点もある。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基板を堀り込んで、掘り込みの内面に電気的基準面を形成することにより、高速信号線が所定のインピーダンスを有するように構成したので、高速の電気信号を入出力するパッケージにおいて、短時間かつ低価格に作製することができ、高周波領域まで良好な周波数特性を有する高速信号線を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の高速光送受信モジュールに用いられているマイクロストリップ線路を示す斜視図である。
【図2】従来の高速光送受信モジュールに用いられているコプレーナ線路を示す斜視図である。
【図3】従来の高速光送受信モジュールに用いられているグランデッドコプレーナ線路を示す斜視図である。
【図4】従来の高速光受信モジュールの第1例を示す斜視図である。
【図5】従来の高速光受信モジュールの第1例における高速信号線の詳細を示す構成図である。
【図6】従来の高速光送信モジュールを示す斜視図である。
【図7】従来の高速光送信モジュールにおける高速信号線の詳細を示す構成図である。
【図8】従来の高速光受信モジュールの第2例を示す斜視図である。
【図9】従来の高速光受信モジュールの第2例における高速信号線の詳細を示す構成図である。
【図10】本発明の第1の実施形態にかかる高速信号線の構成を示した斜視図である。
【図11】本発明の第2の実施形態にかかる高速信号線の構成を示した斜視図である。
【図12】本発明の第3の実施形態にかかる高速信号線の構成を示した斜視図である。
【図13】本発明の第4の実施形態にかかる高速信号線の構成を示した斜視図である。
【図14】本発明の第5の実施形態にかかる高速信号線の構成を示した斜視図である。
【図15】本発明の第6の実施形態にかかる高速信号線の構成を示した斜視図である。
【図16】本発明の高速信号線を適用した第1の実施例の構成を示す斜視図である。
【図17】(a)は、本発明の高速信号線を適用した第1の実施例の構成を示す断面図であり、(b)は、特性インピーダンスを示す図である。
【図18】第1の実施例における高速信号増幅器ICの利得の周波数特性を示す図である。
【図19】第1の実施例と比較するために作製した第1の比較例の構成を示す斜視図である。
【図20】(a)は、第1の比較例の構成を示す断面図であり、(b)は、特性インピーダンスを示す図である。
【図21】第1の比較例における高速信号増幅器ICの利得の周波数特性を示す図である。
【図22】本発明の高速信号線を適用した第2の実施例の構成を示す斜視図である。
【図23】(a)は、本発明の高速信号線を適用した第2の実施例の構成を示す上面図であり、(b)は、断面図である。
【図24】第2の実施例の高速光受信モジュールを樹脂で封止した場合の断面図である。
【図25】第2の実施例の高速光受信モジュールの周波数応答特性を示す図である。
【図26】第2の実施例と比較するために作製した第2の比較例の構成を示す断面図である。
【図27】第2の比較例における高速光受信モジュールの周波数応答特性を示す図である。
【図28】第3の比較例における高速光受信モジュールの周波数応答特性を示す図である。
【符号の説明】
11  誘電体
12,28,48,58,102,203,307  高速信号線
13,14,29,47,104,105,207,212,308,310 グランド面
21,41  セラミック製パッケージ
22,42,52  リード
23,52,303  フォトダイオード(PD)
24,54,304  プリアンプIC
25,45  レンズホルダー
26,56,306  光ファイバ
27  高周波コネクタ
30,46  スルーホール
43  レーザダイオード
44  配線板
51,301  プラスチック製パッケージ
57  実装基板
101  パッケージ
103,206,309  掘り込み
201  プラスチック製基板
202  高速信号増幅器IC
204  SMA型高周波コネクタ
205  電極パッド
208  封止用樹脂
211  セラミック製基板
302  ガラス製V溝基板
305  フェルール
311  シリコーン樹脂

Claims (5)

  1. 電気的に絶縁性を有する基板の一方の面に導電性を有する薄膜状の1または複数の信号配線が形成され、前記基板の他方の面に導電性を有する薄膜状の電気的基準面が形成された高速信号線において、
    前記他方の面は、前記一方の面の方向に掘り込まれて前記電気的基準面が形成され、前記高速信号線が所定のインピーダンスを有するように構成されたことを特徴とする高速信号線。
  2. 前記他方の面は、前記一方の面の凹凸または折れ曲がりに応じて、前記高速信号線が所定のインピーダンスを有するように掘り込まれたことを特徴とする請求項1に記載の高速信号線。
  3. 前記高速信号線は、所定のインピーダンスを有するように構成されたマイクロストリップ線路であることを特徴とする請求項1または2に記載の高速信号線。
  4. 前記一方の面における前記信号配線の両側に、所定の距離を隔てて、電気的基準面が形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の高速信号線。
  5. 前記高速信号線は、所定のインピーダンスを有するように構成されたグランデッドコプレーナ線路であることを特徴とする請求項4に記載の高速信号線。
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