JP2004029335A - 光アイソレータと光アイソレータモジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体レーザモジュールの特性を劣化させることなく光アイソレータの回転調整により出力パワーを調整できる光アイソレータと光アイソレータモジュールを提供する。
【解決手段】この光アイソレータモジュールは、その光アイソレータが、半導体レーザ素子側から順に配置された複屈折結晶(ルチル)8から成る入射側偏光子、ファラデー回転子(磁性ガーネット)9および偏光ガラス10から成る出射側偏光子とでその主要部が構成され、かつ、光アイソレータを構成する各光学素子がレーザ光の光軸を中心にして一体的に回転することで上記出射側偏光子を透過するレーザ光量が調整されるようになっていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】この光アイソレータモジュールは、その光アイソレータが、半導体レーザ素子側から順に配置された複屈折結晶(ルチル)8から成る入射側偏光子、ファラデー回転子(磁性ガーネット)9および偏光ガラス10から成る出射側偏光子とでその主要部が構成され、かつ、光アイソレータを構成する各光学素子がレーザ光の光軸を中心にして一体的に回転することで上記出射側偏光子を透過するレーザ光量が調整されるようになっていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザ素子と集光レンズを有する半導体レーザモジュールに連結されて光通信や光情報システム等に使用される光アイソレータモジュールに係り、特に、半導体レーザモジュールの特性を劣化させることなく光アイソレータの回転調整により半導体レーザモジュールの出力を容易に調整することができる光アイソレータモジュールの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体レーザモジュール内の半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を光ファイバに結合させるための実装方法としては、光学系の観点から以下の3種類に分けられる。その1番目としては、半導体レーザ素子に光ファイバを近接させ、レンズを使わずに直接光ファイバに導光するもの、2番目はレンズを1つだけ用いるもの、3番目はレンズを2個使うものである。
【0003】
そして、高性能が要求される半導体レーザモジュールの場合には、2、3番目のタイプを用いて光アイソレータを実装する。尚、2番目のタイプと3番目のタイプでは光アイソレータの設計上、異なる対応が必要となる。すなわち、レンズを1個用いる半導体レーザモジュールの場合には、半導体レーザ素子から出射されたレーザ光は1個の集光レンズで光ファイバに入射するように設計される。この光学系で光アイソレータを用いるためには、レンズと光ファイバの中間に光アイソレータが挿入される。
【0004】
2個のレンズを使う場合には、半導体レーザ素子から出射されたレーザ光は1個のコリメートレンズで一旦平行光線とされ、これとは別の2つ目のレンズで平行光線を集光して光ファイバに入射するような設計となる。ここで、3番目のタイプにおいて光アイソレータを用いるためには、平行光線部分、すなわち2つのレンズの間に光アイソレータを挿入する場合と、2つ目のレンズと光ファイバの間に光アイソレータを挿入する場合とがある。
【0005】
そして、半導体レーザモジュールに対する小型化、低コスト化の要求が強くなり、最近ではレンズを1個使う2番目のタイプが主流を占めている。
【0006】
ところで、半導体レーザモジュールに用いられる小型の光アイソレータは、偏光子として偏光ガラスを用い、2枚の偏光ガラスの間にファラデー回転角45度のファラデー回転子が挟み込まれて実現される。
【0007】
そして、半導体レーザ素子からは直線偏光のレーザ光が出射されるが、半導体レーザ素子側の偏光ガラスは、入射光の偏光面と透過軸方向が一致するように配置される。また、ファラデー回転子によって45度回転させられたレーザ光を透過する方向に2番目の偏光ガラスを配置することで、順方向の光は損失を受けることなく透過するが、逆方向に進む光はファラデー回転子によって順方向に進む光と同様に偏光面が45度回転するため、最初の偏光ガラスの透過軸方向と光の偏光面が直交してしまい遮断される。
【0008】
ところで、半導体レーザモジュールを組み立てる際、モジュールの仕様に合わせて出力パワーを調整する場合がある。これを行うためには、光ファイバの位置を集光レンズの焦点位置からずらして結合効率を変化させる方法と、光アイソレータを回転させて半導体レーザ素子側の偏光ガラスを透過する光量を変化させる方法がある。
【0009】
上記焦点位置をずらす方法を採ると、レンズと光ファイバの相対位置の変化に対するパワー変動の大きさの比率が大きくなり、パワーの安定性が損なわれることになる。
【0010】
他方、光アイソレータを回転させて出力パワーを調整する方法を採った場合、半導体レーザ素子側の偏光ガラスで遮断する光量が増えるとこの偏光ガラスからの散乱光が増加して半導体レーザ素子へ戻り光が入射し、半導体レーザモジュールの動作特性を劣化させる問題があった。これは、偏光ガラスは遮断する方向の偏光成分の光を吸収して偏光子として機能するものであるが、吸収に伴い散乱も発生するため、吸収光量を増加させると散乱光も増加し、発生した散乱光が半導体レーザ素子の方に戻っていくためである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこの様な問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、1個のレンズを使うタイプの半導体レーザモジュールに連結される光アイソレータを前提とし、半導体レーザモジュールの特性を劣化させることなく光アイソレータの回転調整により出力パワーを調整することができる光アイソレータと光アイソレータモジュールを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に係る発明は、
半導体レーザ素子とこの素子からのレーザ光が入射される光ファイバとの間の光路上に配置され、ファラデー回転子とこの両側に組み込まれた一対の偏光子並びに磁石とでその主要部が構成される光アイソレータを前提とし、
上記半導体レーザ素子側に配置される入射側偏光子が複屈折結晶により構成され、かつ、出射側偏光子が偏光ガラスにより構成されると共に、光アイソレータを構成する各光学素子がレーザ光の光軸を中心にして一体的に回転することで上記出射側偏光子を透過するレーザ光量が調整されるようになっていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項2に係る発明は、
先端が傾斜する光ファイバと、光ファイバの光入射側に配置された光アイソレータと、光アイソレータの光入射側に配置され光ファイバ先端の傾斜方向とは逆方向に傾斜した光入射面を有する楔形透明体とを備え、かつ、半導体レーザ素子と単一の集光レンズを有する半導体レーザモジュールに連結されると共に、上記半導体レーザ素子から出射されかつ集光レンズで集光されたレーザ光を上記楔形透明体と光アイソレータを透過させて光ファイバ先端へ入射させる光アイソレータモジュールを前提とし、
上記光アイソレータが請求項1記載の光アイソレータで構成されていることを特徴とし、
請求項3に係る発明は、
請求項2記載の発明に係る光アイソレータモジュールを前提とし、
入射側偏光子を構成する複屈折結晶による入射レーザ光の上記光軸からの変位量が、楔形透明体および光アイソレータを構成する複屈折結晶以外の各光学素子の屈折によるレーザ光の光軸からの変位量を補償するように設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
まず、図2は本発明に係る光アイソレータの構成を示しており、この光アイソレータは、半導体レーザ素子20と光ファイバ1との間の光路上に上記半導体レーザ素子20側から順に配置された複屈折結晶(ルチル)8から成る入射側偏光子、ファラデー回転子(磁性ガーネット)9および偏光ガラス10から成る出射側偏光子とでその主要部が構成されている。尚、ファラデー回転子(磁性ガーネット)9の外周を囲むように光軸に沿って磁石(図示せず)が配置されている。
【0016】
そして、図2(A)に示すように集光レンズ21を介して複屈折結晶(ルチル)8に入射したレーザ光線は常光線と異常光線とに分離され、ファラデー回転子9において偏光面がそれぞれ45度回転するが、出射側偏光子の偏光ガラス10はこの45度回転した偏光のどちらか一方の光線のみ(すなわち、常光線あるいは異常光線)を透過するように配置されている。このため、光アイソレータを順方向に透過するレーザ光線は、図2(A)に示すように複屈折結晶(ルチル)8の常光成分あるいは異常光成分の一方のみとなる。
【0017】
例えば、出射側偏光子の偏光ガラス10が複屈折結晶(ルチル)8を常光線として透過したレーザ光を透過するように配置されている場合、異常光線として透過したレーザ光は偏光ガラス10で遮断されるため光ファイバ1には到達しない。従って、本発明の光アイソレータを構成する上記複屈折結晶(ルチル)8、ファラデー回転子(磁性ガーネット)9および偏光ガラス10等の各光学素子をレーザ光の光軸を中心にして一体的に回転させると、常光成分と異常光成分の光量比が変化するため、偏光ガラス10を透過する光量を変化させることができる。
【0018】
また、逆方向に進む場合は、図2(B)に示すように出射側偏光子の偏光ガラス10を透過したレーザ光はファラデー回転子(磁性ガーネット)9で偏光面が45度回転させられた後、上記複屈折結晶(ルチル)8に入射するが、異常光線として透過するため半導体レーザ素子20の導波領域(半導体レーザ素子20におけるレーザ光の光軸から任意の幅を有する領域)に戻らなくなる。
【0019】
また、順方向に進み、偏光ガラス10で遮断されたレーザ光成分の一部は上記偏光ガラス10表面で散乱することになるが、この光もファラデー回転子(磁性ガーネット)9で偏光面が45度回転し、図2(A)に示すように複屈折結晶(ルチル)8を常光線(破線で示す)として透過することになるため、この戻り光も半導体レーザ素子20の上記導波領域から反らされることになり、動作特性の劣化を抑制することができる。
【0020】
次に、図3〜図6を用いて本発明の他の実施の形態を説明する。
【0021】
図3に示す偏光ガラス30、ファラデー回転子9、偏光ガラス10とでその主要部が構成される従来の光アイソレータを介し半導体レーザ素子(図示せず)から出射されたレーザ光を光ファイバ1端面へ入射させる場合、光ファイバ1端面における反射光が上記半導体レーザ素子へ戻るのを防止するため光ファイバ1端面は斜め加工されることがある。そして、端面が斜め加工された光ファイバ1へレーザ光を効率よく結合させるためには、図3に示すように光ファイバ1へレーザ光を斜めに入射させる必要がある。但し、この結合方法を採った場合、半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を光ファイバ1に対し垂直に入射(すなわち、光ファイバ1の光軸に対しレーザ光を平行に入射)させることが方式上できないため、半導体レーザモジュールに対して光アイソレータモジュールを連結させる際の位置調整が煩雑となる不都合があり、かつ、光アイソレータを回転させて半導体レーザモジュールの出力を調整させる際に顕著であった。
【0022】
この問題に対処するため、光アイソレータの半導体レーザ素子側に楔形透明体を配置して上記光ファイバへの垂直入射を可能にした方法が開発されている。
【0023】
すなわち、図4に示すように光ファイバ1の光アイソレータを挟んだ反対側に光ファイバ1先端の傾斜方向とは逆方向に傾斜した光入射面を有する楔形透明体7を配置し、かつ、光アイソレータを構成する各光学素子(偏光ガラス30、ファラデー回転子9、偏光ガラス10)の各光入出射面と楔形透明体7の光アイソレータ側光入出射面が光ファイバ1の光軸に対し光ファイバ1先端の傾斜方向と同一方向に傾斜するように配置することで、光アイソレータモジュールに対して半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を垂直に入射(光ファイバ1の光軸に対しレーザ光を平行に入射)させても結合効率の低下を招くことがない。
【0024】
図5は、図4に示された従来の結合方式を採用した本発明の他の実施の形態に係る光アイソレータモジュールの構成を示している。
【0025】
すなわち、この実施の形態に係る光アイソレータモジュールは、図5に示すように先端が傾斜する光ファイバ1と、光ファイバ1の光入射側に配置された光アイソレータと、光アイソレータの光入射側に配置され光ファイバ1先端の傾斜方向とは逆方向に傾斜した光入射面を有する楔形透明体7とを備え、かつ、半導体レーザ素子と単一の集光レンズを有する半導体レーザモジュール(図示せず)に連結されると共に、上記半導体レーザ素子から出射されかつ集光レンズで集光されたレーザ光を上記楔形透明体7と光アイソレータを透過させて光ファイバ1先端へ入射させる光アイソレータモジュールであって、この光アイソレータが図2に示された光アイソレータ、すなわち、複屈折結晶(ルチル)8から成る入射側偏光子、ファラデー回転子(磁性ガーネット)9および偏光ガラス10から成る出射側偏光子とでその主要部が構成されることを特徴としている。
【0026】
ところで、複屈折結晶(ルチル)8を常光線として通過するレーザ光が偏光ガラス10を通過して光ファイバ1に結合する構成とすると、図5において破線で示すように光アイソレータモジュールへの入射レーザ光の光軸と光ファイバ1の光軸とが一致しない。このため、半導体レーザモジュールに対して光アイソレータモジュールを連結させる際、光軸のずれ調整のために光ファイバ1を垂直方向へ移動させる工程が必要となる。
【0027】
他方、複屈折結晶(ルチル)8を異常光線として通過するレーザ光が偏光ガラス10を通過して光ファイバ1に結合する構成にすると、図5において実線で示すように光アイソレータモジュールへの入射レーザ光の光軸と光ファイバ1の光軸とを一致させることが可能となる。但し、光アイソレータモジュールへの入射レーザ光の光軸と光ファイバ1の光軸とを一致させるためには、複屈折結晶(ルチル)8による入射レーザ光線の光軸からの変位量が、上記楔形透明体7および光アイソレータを構成する複屈折結晶(ルチル)8以外の各光学素子(図5においてはファラデー回転子9および偏光ガラス10)の屈折による光線の光軸からの変位量を補償するようにこれ等構成部材を調整する必要がある。
【0028】
図6は、複屈折結晶(ルチル)を異常光線として通過するレーザ光が光ファイバに結合する構成を採用した他の実施の形態に係る光アイソレータモジュールの構成を示している。
【0029】
すなわち、この実施の形態に係る光アイソレータモジュールは、図6に示すように先端が傾斜する光ファイバ1と、光ファイバ1の光入射側に配置された光アイソレータと、光アイソレータの光入射側に配置され光ファイバ1先端の傾斜方向とは逆方向に傾斜した光入射面を有する楔形透明体7とを備え、半導体レーザ素子20と単一の集光レンズ21を有する半導体レーザモジュールに連結されると共に、上記半導体レーザ素子20から出射されかつ集光レンズ21で集光されたレーザ光を上記楔形透明体7と光アイソレータを透過させて光ファイバ1先端へ入射させる光アイソレータモジュールであって、この光アイソレータが図2に示された光アイソレータ、すなわち、複屈折結晶(ルチル)8から成る入射側偏光子、ファラデー回転子(磁性ガーネット)9および偏光ガラス10から成る出射側偏光子とでその主要部が構成され、かつ、複屈折結晶(ルチル)8による入射レーザ光線の光軸からの変位量が、上記楔形透明体7および光アイソレータを構成する複屈折結晶(ルチル)8以外の各光学素子(ファラデー回転子9および偏光ガラス10)の屈折による光線の光軸からの変位量を補償するように設けられていることを特徴としている。尚、図6中、50は複屈折結晶(ルチル)の結晶軸を示している。
【0030】
そして、この光アイソレータモジュールによれば、図6に示すように光アイソレータモジュールへの入射レーザ光の光軸と光ファイバの光軸とが一致するため、光アイソレータモジュールを回転させて半導体レーザモジュールの出力を調整させる際の作業が容易となる利点を有する。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図1を参照して詳細に説明する。
【0032】
この実施例に係る光アイソレータモジュールは、先端が8度傾斜し、同じく8度の傾斜面を有する光ファイバ1の先端を保持するキャピラリ2と、キャピラリ2が装着されたステンレス材(SUS304)製のフェルール3と、このフェルール3の光入射側端部を保持する筒状ホルダー4と、この筒状ホルダー4の開放側に取付けられかつ筒状ホルダー4の筒部と連通する開口部を有するステンレス材(SUS430若しくはSUS440C)製の窓枠体5と、この窓枠体5の開口縁部に取付けられかつ光アイソレータの一部を形成するSmCoの筒状磁石6と、上記窓枠体5の光入射側に窓枠体5の開口部を閉止するように取付けられかつ上記光ファイバ1の先端の傾斜方向とは逆方向に8度傾斜した光入射面を有すると共にその裏面(すなわち光アイソレータ側光入出射面)が上記光ファイバ1の光軸に対し光ファイバ1の先端の傾斜方向と同一方向へ3度傾斜するように斜め配置された断面楔状で光学ガラス(BK7)製の楔形透明体7と、この楔形透明体7の裏面側に光学接着剤(エポキシ系接着剤)を介して接着されかつ上記光アイソレータの一部を形成する複屈折結晶(ルチル)8、ファラデー回転子(磁性ガーネット)9、偏光ガラス10とでその主要部が構成され、かつ、上記複屈折結晶8、ファラデー回転子9、偏光ガラス10の各光入出射面も上記光ファイバ1の光軸に対し光ファイバ1先端の傾斜方向と同一方向へ3度傾斜して斜め配置されている。
【0033】
また、複屈折結晶(ルチル)8については、楔形透明体7および光アイソレータを構成する上記複屈折結晶(ルチル)8以外の各光学素子の屈折で生じる焦点の変位を補償する厚さとなるように加工されている。
【0034】
そして、複屈折結晶(ルチル)8に異常光線として入射したレーザ光線はファラデー回転子9において時計周りに45度回転する。偏光ガラス10は、この45度回転した偏光のみを透過するように配置されている。
【0035】
従って、光アイソレータを順方向に透過するレーザ光線は複屈折結晶(ルチル)8の異常光成分のみが光ファイバー1側に透過するが、複屈折結晶(ルチル)8を常光線として透過した光は偏光ガラス10で遮断されるため、光ファイバ1には到達しない。
【0036】
しかし、逆方向の光はファラデー回転子9で偏光面がさらに45度回転し、複屈折結晶(ルチル)8を常光線として透過することになるため、この戻り光は、半導体レーザ素子(図示せず)の導波領域から反らされる。
【0037】
そして、この実施例に係る光アイソレータモジュールを半導体レーザモジュールに組込み、光アイソレータモジュールを回転させながら半導体レーザモジュールの出力パワーを調整したところ、動作特性の劣化を招くこと無しに半導体レーザモジュールの出力を容易に調整することができた。
【0038】
【発明の効果】
本発明に係る光アイソレータおよび光アイソレータモジュールによれば、
半導体レーザ素子へ戻り光が入射して半導体レーザ素子の動作特性の劣化を招くこと無しに、光アイソレータおよび光アイソレータモジュールの回転調整で半導体レーザモジュールの出力を容易に調整することができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る光アイソレータモジュールの概略構成図。
【図2】図2(A)(B)は本発明の実施の形態に係る係る光アイソレータの構成と作用を説明する説明図。
【図3】従来例に係る光アイソレータの構成説明図。
【図4】従来例に係る光アイソレータモジュールの構成説明図。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る光アイソレータモジュールの概略構成図。
【図6】本発明の他の実施の形態に係る光アイソレータモジュールの概略構成図。
【符号の説明】
1 光ファイバ
2 キャピラリ
3 フェルール
4 筒状ホルダー
5 窓枠体
6 筒状磁石
7 楔形透明体
8 複屈折結晶(ルチル)
9 ファラデー回転子(磁性ガーネット)
10 偏光ガラス
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザ素子と集光レンズを有する半導体レーザモジュールに連結されて光通信や光情報システム等に使用される光アイソレータモジュールに係り、特に、半導体レーザモジュールの特性を劣化させることなく光アイソレータの回転調整により半導体レーザモジュールの出力を容易に調整することができる光アイソレータモジュールの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体レーザモジュール内の半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を光ファイバに結合させるための実装方法としては、光学系の観点から以下の3種類に分けられる。その1番目としては、半導体レーザ素子に光ファイバを近接させ、レンズを使わずに直接光ファイバに導光するもの、2番目はレンズを1つだけ用いるもの、3番目はレンズを2個使うものである。
【0003】
そして、高性能が要求される半導体レーザモジュールの場合には、2、3番目のタイプを用いて光アイソレータを実装する。尚、2番目のタイプと3番目のタイプでは光アイソレータの設計上、異なる対応が必要となる。すなわち、レンズを1個用いる半導体レーザモジュールの場合には、半導体レーザ素子から出射されたレーザ光は1個の集光レンズで光ファイバに入射するように設計される。この光学系で光アイソレータを用いるためには、レンズと光ファイバの中間に光アイソレータが挿入される。
【0004】
2個のレンズを使う場合には、半導体レーザ素子から出射されたレーザ光は1個のコリメートレンズで一旦平行光線とされ、これとは別の2つ目のレンズで平行光線を集光して光ファイバに入射するような設計となる。ここで、3番目のタイプにおいて光アイソレータを用いるためには、平行光線部分、すなわち2つのレンズの間に光アイソレータを挿入する場合と、2つ目のレンズと光ファイバの間に光アイソレータを挿入する場合とがある。
【0005】
そして、半導体レーザモジュールに対する小型化、低コスト化の要求が強くなり、最近ではレンズを1個使う2番目のタイプが主流を占めている。
【0006】
ところで、半導体レーザモジュールに用いられる小型の光アイソレータは、偏光子として偏光ガラスを用い、2枚の偏光ガラスの間にファラデー回転角45度のファラデー回転子が挟み込まれて実現される。
【0007】
そして、半導体レーザ素子からは直線偏光のレーザ光が出射されるが、半導体レーザ素子側の偏光ガラスは、入射光の偏光面と透過軸方向が一致するように配置される。また、ファラデー回転子によって45度回転させられたレーザ光を透過する方向に2番目の偏光ガラスを配置することで、順方向の光は損失を受けることなく透過するが、逆方向に進む光はファラデー回転子によって順方向に進む光と同様に偏光面が45度回転するため、最初の偏光ガラスの透過軸方向と光の偏光面が直交してしまい遮断される。
【0008】
ところで、半導体レーザモジュールを組み立てる際、モジュールの仕様に合わせて出力パワーを調整する場合がある。これを行うためには、光ファイバの位置を集光レンズの焦点位置からずらして結合効率を変化させる方法と、光アイソレータを回転させて半導体レーザ素子側の偏光ガラスを透過する光量を変化させる方法がある。
【0009】
上記焦点位置をずらす方法を採ると、レンズと光ファイバの相対位置の変化に対するパワー変動の大きさの比率が大きくなり、パワーの安定性が損なわれることになる。
【0010】
他方、光アイソレータを回転させて出力パワーを調整する方法を採った場合、半導体レーザ素子側の偏光ガラスで遮断する光量が増えるとこの偏光ガラスからの散乱光が増加して半導体レーザ素子へ戻り光が入射し、半導体レーザモジュールの動作特性を劣化させる問題があった。これは、偏光ガラスは遮断する方向の偏光成分の光を吸収して偏光子として機能するものであるが、吸収に伴い散乱も発生するため、吸収光量を増加させると散乱光も増加し、発生した散乱光が半導体レーザ素子の方に戻っていくためである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこの様な問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、1個のレンズを使うタイプの半導体レーザモジュールに連結される光アイソレータを前提とし、半導体レーザモジュールの特性を劣化させることなく光アイソレータの回転調整により出力パワーを調整することができる光アイソレータと光アイソレータモジュールを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1に係る発明は、
半導体レーザ素子とこの素子からのレーザ光が入射される光ファイバとの間の光路上に配置され、ファラデー回転子とこの両側に組み込まれた一対の偏光子並びに磁石とでその主要部が構成される光アイソレータを前提とし、
上記半導体レーザ素子側に配置される入射側偏光子が複屈折結晶により構成され、かつ、出射側偏光子が偏光ガラスにより構成されると共に、光アイソレータを構成する各光学素子がレーザ光の光軸を中心にして一体的に回転することで上記出射側偏光子を透過するレーザ光量が調整されるようになっていることを特徴とする。
【0013】
また、請求項2に係る発明は、
先端が傾斜する光ファイバと、光ファイバの光入射側に配置された光アイソレータと、光アイソレータの光入射側に配置され光ファイバ先端の傾斜方向とは逆方向に傾斜した光入射面を有する楔形透明体とを備え、かつ、半導体レーザ素子と単一の集光レンズを有する半導体レーザモジュールに連結されると共に、上記半導体レーザ素子から出射されかつ集光レンズで集光されたレーザ光を上記楔形透明体と光アイソレータを透過させて光ファイバ先端へ入射させる光アイソレータモジュールを前提とし、
上記光アイソレータが請求項1記載の光アイソレータで構成されていることを特徴とし、
請求項3に係る発明は、
請求項2記載の発明に係る光アイソレータモジュールを前提とし、
入射側偏光子を構成する複屈折結晶による入射レーザ光の上記光軸からの変位量が、楔形透明体および光アイソレータを構成する複屈折結晶以外の各光学素子の屈折によるレーザ光の光軸からの変位量を補償するように設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
まず、図2は本発明に係る光アイソレータの構成を示しており、この光アイソレータは、半導体レーザ素子20と光ファイバ1との間の光路上に上記半導体レーザ素子20側から順に配置された複屈折結晶(ルチル)8から成る入射側偏光子、ファラデー回転子(磁性ガーネット)9および偏光ガラス10から成る出射側偏光子とでその主要部が構成されている。尚、ファラデー回転子(磁性ガーネット)9の外周を囲むように光軸に沿って磁石(図示せず)が配置されている。
【0016】
そして、図2(A)に示すように集光レンズ21を介して複屈折結晶(ルチル)8に入射したレーザ光線は常光線と異常光線とに分離され、ファラデー回転子9において偏光面がそれぞれ45度回転するが、出射側偏光子の偏光ガラス10はこの45度回転した偏光のどちらか一方の光線のみ(すなわち、常光線あるいは異常光線)を透過するように配置されている。このため、光アイソレータを順方向に透過するレーザ光線は、図2(A)に示すように複屈折結晶(ルチル)8の常光成分あるいは異常光成分の一方のみとなる。
【0017】
例えば、出射側偏光子の偏光ガラス10が複屈折結晶(ルチル)8を常光線として透過したレーザ光を透過するように配置されている場合、異常光線として透過したレーザ光は偏光ガラス10で遮断されるため光ファイバ1には到達しない。従って、本発明の光アイソレータを構成する上記複屈折結晶(ルチル)8、ファラデー回転子(磁性ガーネット)9および偏光ガラス10等の各光学素子をレーザ光の光軸を中心にして一体的に回転させると、常光成分と異常光成分の光量比が変化するため、偏光ガラス10を透過する光量を変化させることができる。
【0018】
また、逆方向に進む場合は、図2(B)に示すように出射側偏光子の偏光ガラス10を透過したレーザ光はファラデー回転子(磁性ガーネット)9で偏光面が45度回転させられた後、上記複屈折結晶(ルチル)8に入射するが、異常光線として透過するため半導体レーザ素子20の導波領域(半導体レーザ素子20におけるレーザ光の光軸から任意の幅を有する領域)に戻らなくなる。
【0019】
また、順方向に進み、偏光ガラス10で遮断されたレーザ光成分の一部は上記偏光ガラス10表面で散乱することになるが、この光もファラデー回転子(磁性ガーネット)9で偏光面が45度回転し、図2(A)に示すように複屈折結晶(ルチル)8を常光線(破線で示す)として透過することになるため、この戻り光も半導体レーザ素子20の上記導波領域から反らされることになり、動作特性の劣化を抑制することができる。
【0020】
次に、図3〜図6を用いて本発明の他の実施の形態を説明する。
【0021】
図3に示す偏光ガラス30、ファラデー回転子9、偏光ガラス10とでその主要部が構成される従来の光アイソレータを介し半導体レーザ素子(図示せず)から出射されたレーザ光を光ファイバ1端面へ入射させる場合、光ファイバ1端面における反射光が上記半導体レーザ素子へ戻るのを防止するため光ファイバ1端面は斜め加工されることがある。そして、端面が斜め加工された光ファイバ1へレーザ光を効率よく結合させるためには、図3に示すように光ファイバ1へレーザ光を斜めに入射させる必要がある。但し、この結合方法を採った場合、半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を光ファイバ1に対し垂直に入射(すなわち、光ファイバ1の光軸に対しレーザ光を平行に入射)させることが方式上できないため、半導体レーザモジュールに対して光アイソレータモジュールを連結させる際の位置調整が煩雑となる不都合があり、かつ、光アイソレータを回転させて半導体レーザモジュールの出力を調整させる際に顕著であった。
【0022】
この問題に対処するため、光アイソレータの半導体レーザ素子側に楔形透明体を配置して上記光ファイバへの垂直入射を可能にした方法が開発されている。
【0023】
すなわち、図4に示すように光ファイバ1の光アイソレータを挟んだ反対側に光ファイバ1先端の傾斜方向とは逆方向に傾斜した光入射面を有する楔形透明体7を配置し、かつ、光アイソレータを構成する各光学素子(偏光ガラス30、ファラデー回転子9、偏光ガラス10)の各光入出射面と楔形透明体7の光アイソレータ側光入出射面が光ファイバ1の光軸に対し光ファイバ1先端の傾斜方向と同一方向に傾斜するように配置することで、光アイソレータモジュールに対して半導体レーザ素子から出射されたレーザ光を垂直に入射(光ファイバ1の光軸に対しレーザ光を平行に入射)させても結合効率の低下を招くことがない。
【0024】
図5は、図4に示された従来の結合方式を採用した本発明の他の実施の形態に係る光アイソレータモジュールの構成を示している。
【0025】
すなわち、この実施の形態に係る光アイソレータモジュールは、図5に示すように先端が傾斜する光ファイバ1と、光ファイバ1の光入射側に配置された光アイソレータと、光アイソレータの光入射側に配置され光ファイバ1先端の傾斜方向とは逆方向に傾斜した光入射面を有する楔形透明体7とを備え、かつ、半導体レーザ素子と単一の集光レンズを有する半導体レーザモジュール(図示せず)に連結されると共に、上記半導体レーザ素子から出射されかつ集光レンズで集光されたレーザ光を上記楔形透明体7と光アイソレータを透過させて光ファイバ1先端へ入射させる光アイソレータモジュールであって、この光アイソレータが図2に示された光アイソレータ、すなわち、複屈折結晶(ルチル)8から成る入射側偏光子、ファラデー回転子(磁性ガーネット)9および偏光ガラス10から成る出射側偏光子とでその主要部が構成されることを特徴としている。
【0026】
ところで、複屈折結晶(ルチル)8を常光線として通過するレーザ光が偏光ガラス10を通過して光ファイバ1に結合する構成とすると、図5において破線で示すように光アイソレータモジュールへの入射レーザ光の光軸と光ファイバ1の光軸とが一致しない。このため、半導体レーザモジュールに対して光アイソレータモジュールを連結させる際、光軸のずれ調整のために光ファイバ1を垂直方向へ移動させる工程が必要となる。
【0027】
他方、複屈折結晶(ルチル)8を異常光線として通過するレーザ光が偏光ガラス10を通過して光ファイバ1に結合する構成にすると、図5において実線で示すように光アイソレータモジュールへの入射レーザ光の光軸と光ファイバ1の光軸とを一致させることが可能となる。但し、光アイソレータモジュールへの入射レーザ光の光軸と光ファイバ1の光軸とを一致させるためには、複屈折結晶(ルチル)8による入射レーザ光線の光軸からの変位量が、上記楔形透明体7および光アイソレータを構成する複屈折結晶(ルチル)8以外の各光学素子(図5においてはファラデー回転子9および偏光ガラス10)の屈折による光線の光軸からの変位量を補償するようにこれ等構成部材を調整する必要がある。
【0028】
図6は、複屈折結晶(ルチル)を異常光線として通過するレーザ光が光ファイバに結合する構成を採用した他の実施の形態に係る光アイソレータモジュールの構成を示している。
【0029】
すなわち、この実施の形態に係る光アイソレータモジュールは、図6に示すように先端が傾斜する光ファイバ1と、光ファイバ1の光入射側に配置された光アイソレータと、光アイソレータの光入射側に配置され光ファイバ1先端の傾斜方向とは逆方向に傾斜した光入射面を有する楔形透明体7とを備え、半導体レーザ素子20と単一の集光レンズ21を有する半導体レーザモジュールに連結されると共に、上記半導体レーザ素子20から出射されかつ集光レンズ21で集光されたレーザ光を上記楔形透明体7と光アイソレータを透過させて光ファイバ1先端へ入射させる光アイソレータモジュールであって、この光アイソレータが図2に示された光アイソレータ、すなわち、複屈折結晶(ルチル)8から成る入射側偏光子、ファラデー回転子(磁性ガーネット)9および偏光ガラス10から成る出射側偏光子とでその主要部が構成され、かつ、複屈折結晶(ルチル)8による入射レーザ光線の光軸からの変位量が、上記楔形透明体7および光アイソレータを構成する複屈折結晶(ルチル)8以外の各光学素子(ファラデー回転子9および偏光ガラス10)の屈折による光線の光軸からの変位量を補償するように設けられていることを特徴としている。尚、図6中、50は複屈折結晶(ルチル)の結晶軸を示している。
【0030】
そして、この光アイソレータモジュールによれば、図6に示すように光アイソレータモジュールへの入射レーザ光の光軸と光ファイバの光軸とが一致するため、光アイソレータモジュールを回転させて半導体レーザモジュールの出力を調整させる際の作業が容易となる利点を有する。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図1を参照して詳細に説明する。
【0032】
この実施例に係る光アイソレータモジュールは、先端が8度傾斜し、同じく8度の傾斜面を有する光ファイバ1の先端を保持するキャピラリ2と、キャピラリ2が装着されたステンレス材(SUS304)製のフェルール3と、このフェルール3の光入射側端部を保持する筒状ホルダー4と、この筒状ホルダー4の開放側に取付けられかつ筒状ホルダー4の筒部と連通する開口部を有するステンレス材(SUS430若しくはSUS440C)製の窓枠体5と、この窓枠体5の開口縁部に取付けられかつ光アイソレータの一部を形成するSmCoの筒状磁石6と、上記窓枠体5の光入射側に窓枠体5の開口部を閉止するように取付けられかつ上記光ファイバ1の先端の傾斜方向とは逆方向に8度傾斜した光入射面を有すると共にその裏面(すなわち光アイソレータ側光入出射面)が上記光ファイバ1の光軸に対し光ファイバ1の先端の傾斜方向と同一方向へ3度傾斜するように斜め配置された断面楔状で光学ガラス(BK7)製の楔形透明体7と、この楔形透明体7の裏面側に光学接着剤(エポキシ系接着剤)を介して接着されかつ上記光アイソレータの一部を形成する複屈折結晶(ルチル)8、ファラデー回転子(磁性ガーネット)9、偏光ガラス10とでその主要部が構成され、かつ、上記複屈折結晶8、ファラデー回転子9、偏光ガラス10の各光入出射面も上記光ファイバ1の光軸に対し光ファイバ1先端の傾斜方向と同一方向へ3度傾斜して斜め配置されている。
【0033】
また、複屈折結晶(ルチル)8については、楔形透明体7および光アイソレータを構成する上記複屈折結晶(ルチル)8以外の各光学素子の屈折で生じる焦点の変位を補償する厚さとなるように加工されている。
【0034】
そして、複屈折結晶(ルチル)8に異常光線として入射したレーザ光線はファラデー回転子9において時計周りに45度回転する。偏光ガラス10は、この45度回転した偏光のみを透過するように配置されている。
【0035】
従って、光アイソレータを順方向に透過するレーザ光線は複屈折結晶(ルチル)8の異常光成分のみが光ファイバー1側に透過するが、複屈折結晶(ルチル)8を常光線として透過した光は偏光ガラス10で遮断されるため、光ファイバ1には到達しない。
【0036】
しかし、逆方向の光はファラデー回転子9で偏光面がさらに45度回転し、複屈折結晶(ルチル)8を常光線として透過することになるため、この戻り光は、半導体レーザ素子(図示せず)の導波領域から反らされる。
【0037】
そして、この実施例に係る光アイソレータモジュールを半導体レーザモジュールに組込み、光アイソレータモジュールを回転させながら半導体レーザモジュールの出力パワーを調整したところ、動作特性の劣化を招くこと無しに半導体レーザモジュールの出力を容易に調整することができた。
【0038】
【発明の効果】
本発明に係る光アイソレータおよび光アイソレータモジュールによれば、
半導体レーザ素子へ戻り光が入射して半導体レーザ素子の動作特性の劣化を招くこと無しに、光アイソレータおよび光アイソレータモジュールの回転調整で半導体レーザモジュールの出力を容易に調整することができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る光アイソレータモジュールの概略構成図。
【図2】図2(A)(B)は本発明の実施の形態に係る係る光アイソレータの構成と作用を説明する説明図。
【図3】従来例に係る光アイソレータの構成説明図。
【図4】従来例に係る光アイソレータモジュールの構成説明図。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る光アイソレータモジュールの概略構成図。
【図6】本発明の他の実施の形態に係る光アイソレータモジュールの概略構成図。
【符号の説明】
1 光ファイバ
2 キャピラリ
3 フェルール
4 筒状ホルダー
5 窓枠体
6 筒状磁石
7 楔形透明体
8 複屈折結晶(ルチル)
9 ファラデー回転子(磁性ガーネット)
10 偏光ガラス
Claims (3)
- 半導体レーザ素子とこの素子からのレーザ光が入射される光ファイバとの間の光路上に配置され、ファラデー回転子とこの両側に組み込まれた一対の偏光子並びに磁石とでその主要部が構成される光アイソレータにおいて、
上記半導体レーザ素子側に配置される入射側偏光子が複屈折結晶により構成され、かつ、出射側偏光子が偏光ガラスにより構成されると共に、光アイソレータを構成する各光学素子がレーザ光の光軸を中心にして一体的に回転することで上記出射側偏光子を透過するレーザ光量が調整されるようになっていることを特徴とする光アイソレータ。 - 先端が傾斜する光ファイバと、光ファイバの光入射側に配置された光アイソレータと、光アイソレータの光入射側に配置され光ファイバ先端の傾斜方向とは逆方向に傾斜した光入射面を有する楔形透明体とを備え、かつ、半導体レーザ素子と単一の集光レンズを有する半導体レーザモジュールに連結されると共に、上記半導体レーザ素子から出射されかつ集光レンズで集光されたレーザ光を上記楔形透明体と光アイソレータを透過させて光ファイバ先端へ入射させる光アイソレータモジュールにおいて、
上記光アイソレータが請求項1記載の光アイソレータで構成されていることを特徴とする光アイソレータモジュール。 - 入射側偏光子を構成する複屈折結晶による入射レーザ光の上記光軸からの変位量が、楔形透明体および光アイソレータを構成する複屈折結晶以外の各光学素子の屈折によるレーザ光の光軸からの変位量を補償するように設けられていることを特徴とする請求項2記載の光アイソレータモジュール。
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-
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