JP2004028685A - X線異物検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被検査物WにX線を曝射し、このX線の曝射に伴って被検査物を透過してくるX線の透過量に基づいて被検査物中の異物の有無を検査し、この検査結果を表示器5の表示画面に表示するX線異物検出装置であり、表示器5の表示画面に対し、検査された被検査物毎のX線透過データの最大値又は平均値、製品面積、製品体積のいずれかによる製品影響を示すデータを被検査物の検査経過とともに検査の古い方から順番にトレンド表示する。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば生肉、魚、加工食品、医薬などの各品種の被検査物に対し、X線を曝射したときのX線の透過量から被検査物中の異物を検出するX線異物検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば生肉、魚、加工食品、医薬などの各品種の被検査物中(表面も含む)の異物(金属、骨、ガラス、石、合成樹脂材等)を検出するためにX線異物検出装置が用いられている。このX線異物検出装置では、搬送ライン上を順次搬送されてくる各品種の被検査物にX線を曝射し、この曝射したX線の透過量から被検査物中に金属、ガラス、石、骨などの異物が混入しているか否かを検出している。
【0003】
図6はこの種のX線異物検出装置の概略を示す斜視図である。図6に示すように、コンベア50上を被検査物Wが搬送されて行く途中位置にX線発生器51と、X線検出器52が対向配置される。X線発生器51は、コンベア50上を搬送される被検査物Wに対してX線を放射状に曝射している。X線検出器52は、X線発生器52から曝射されて被検査物Wを透過したX線の透過量に応じた電気信号(X線透過データ)を出力している。そして、不図示の処理手段は、X線検出器52からの電気信号(X線の透過量)と予め設定された検出リミット値(異物混入の有無を検出するための基準値)とを比較し、その比較結果に基づいて被検査物Wの異物混入の有無を判断している。
【0004】
ところで、実際に検査される被検査物Wは、加工日、加工状態、その時の原料、環境などの条件によってX線の透過量が異なり、バラツキを生じることがある。被検査物Wが例えば異物検出を行う前段処理で加工されたハムのような場合、厚みや面積のバラツキによってX線の透過量が異なる。また、被検査物Wがレトルト食品のような場合でも、その内容物の分量の増減によるバラツキでX線の透過量が異なる。そして、このX線の透過量のバラツキによって誤検出を発生するおそれがあった。
【0005】
また、同一品種でもロットの切り換えを行った場合、X線の透過量が異なるときがあり、それまでの検出リミット値のまま異物検出を行うと誤検出を発生するおそれがあった。例えば検出リミット値がXに設定されている場合、あるロットにおける被検査物WのX線透過量がX1(<X)であれば、検出リミット値Xに引っ掛からないので、その被検査物Wは正常と判断される。しかし、ロットの切り換えにより被検査物WのX線透過量がX2(>X)になると、その被検査物Wが本来正常であっても検出リミット値に引っ掛かるために異常と判別されてしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、この種のX線異物検出装置では、加工日、加工状態、その時の原料、環境、さらにはロットの切り換えなどの条件によって同一品種の被検査物でもX線の透過量に異なりが生じた場合、本来正常な被検査物が異常と誤検出されないようにユーザが検出リミット値を適正な値に調整し直す必要がある。
【0007】
しかしながら、従来のX線異物検出装置では、被検査物の各品種毎の傾向やバラツキなどを把握することができないため、ユーザが検出リミット値を経験や勘に頼って調整せざるを得ず、被検査物に適した検出リミット値に調整し直して設定するのが困難であった。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、被検査物の各品種毎の傾向やバラツキを一目で把握することができ、加工日、加工状態、その時の原料、環境などの条件に合わせて適正な検出リミット値に容易に調整することが可能なX線異物検出装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、被検査物WにX線を曝射し、このX線の曝射に伴って前記被検査物を透過してくるX線の透過量に基づいて前記被検査物中の異物の有無を検査し、この検査結果を表示器5の表示画面に表示するX線異物検出装置1において、
前記表示器の表示画面に対し、検査された前記被検査物毎のX線透過データの最大値又は平均値、製品面積、製品体積による製品影響を示すデータを選択的に前記被検査物の検査経過とともに検査の古い方から順番にトレンド表示する処理手段14を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1のX線異物検出装置において、
前記処理手段14は、前記X線透過データに基づいて前記製品影響を示すデータを演算し、この演算結果と前記製品影響を示すデータ毎に予め設定される検出リミット値とを比較して異常の有無を判別するデータ処理判別手段17と、
前記異常の有無の判別結果に基づく前記製品影響を示すデータをそのデータの検出リミット値とともに前記表示器5の表示画面に表示する表示制御手段19とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2のX線異物検出装置において、
前記表示制御手段19は、前記表示器5の表示画面に表示される前記製品影響を示すデータのうち、異常と判断されたデータを強調表示することを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかのX線異物検出装置において、
前記製品影響を示すデータが検出リミット値を設定個数以上連続して超えたときにアラーム出力するアラーム出力手段19を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかのX線異物検出装置において、
前記表示器5の表示画面に対し、前記製品影響を示すデータとともに前記被検査物Wの異物検査結果を同時に表示することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明によるX線異物検出装置の外観を示す斜視図、図2は同X線異物検出装置の電気的構成を示すブロック図、図3は同X線異物検出装置による異物検査結果の表示例を示す図、図4は同X線異物検出装置による被検査物に対する製品影響を示すデータの表示例を示す図、図5は同X線異物検出装置において図3及び図4の表示内容を組み合わせて表示する場合の表示例を示す図である。
【0015】
X線異物検出装置は、搬送ラインの一部に設けられ、所定間隔をおいて順次搬送されてくる被検査物中(表面も含む)に混入される異物の有無を検出するものである。
【0016】
そして、本例のX線異物検出装置では、被検査物の各品種毎の傾向やバラツキが一目で把握ができ、加工日、加工状態、その時の原料、環境などの条件に合わせて適正な検出リミット値に容易に調整できるように、被検査物の製品影響を示すデータを被検査物の検査経過とともにトレンド表示(グラフ表示)する製品傾向表示機能と、規定時間内に検出リミット値を超えた処理データが設定個数以上連続したときにアラーム出力するアラーム出力機能とを有している。
【0017】
図1に示すように、X線異物検出装置1は、搬送部2と異物検出部3とが装置本体4内部に設けられ、表示器5が装置本体4の前面上部に設けられている。
【0018】
搬送部2は、被検査物Wとして、例えば生肉、魚、加工食品、医薬などの各品種の製品を搬送するもので、例えばトレイや包装フィルム、箱等の収容体に収容された被検査物Wが搬送される。
【0019】
この搬送部2は、装置本体4に対して水平に配置されたベルトコンベアで構成される。搬送部2は、図2に示す駆動モータ6の駆動により予め設定された所定の搬送速度で搬入口7から搬入された被検査物Wを搬出口8側(図中搬送方向X)に向けて搬送させる。
【0020】
異物検出部3は、搬送される被検査物Wを搬送路途中において異物を検出するもので、搬送部2の上方に所定高さ離れて設けられるX線発生器9と、搬送部2内にX線発生器9と対向して設けられるX線検出器10を備えて構成される。
【0021】
X線発生器9は、金属製の箱体11内部に設けられる円筒状のX線管12を不図示の絶縁油により浸漬した構成であり、X線管12の陰極からの電子ビームを陽極ターゲットに照射させてX線を生成している。X線管12は、その長手方向が被検査物Wの搬送方向Xと直交する方向(Y方向)に設けられている。X線管12により生成されたX線は、下方のX線検出器10に向けて、長手方向に沿った不図示のスリットにより略三角形状のスクリーン状にして曝射するようになっている。
【0022】
X線検出器10は、被検査物Wに対してX線が曝射されたときに、被検査物Wを透過してくるX線を検出し、この検出したX線の透過量に応じた電気信号を出力している。このX線検出器10は、搬送部2上を搬送される被検査物Wの搬送方向Xと直交するY方向に沿って設けられる。このX線検出器10には、ライン状に配列された複数のフォトダイオードと、フォトダイオード上に設けられたシンチレータとを備えたアレイ状のラインセンサが用いられる。
【0023】
図2に示すように、搬送部2の搬入口7側には、被検査物Wの通過を検出するための位置検出手段13が設けられている。この位置検出手段13は、搬送部2としてのベルトコンベアの入口側に設けられる一対の投受光器からなるフォトセンサで構成される。この構成により、被検査物Wがフォトセンサの前を通過している間では位置検出手段13からオン信号が処理手段14に入力される。
【0024】
このような構成によるX線検出器10では、搬送部2の搬入口7から搬送される被検査物Wを位置検出手段13が検出すると、搬送部2上を搬送される被検査物Wに対してX線発生器9からX線が曝射される。そして、この被検査物WへのX線の曝射に伴って被検査物Wを透過してくるX線をシンチレータで受けて光に変換する。このシンチレータで変換された光は、その下部に配置されるフォトダイオードによって受光される。そして、各フォトダイオードは、受光した光を電気信号に変換して出力する。このX線検出器10は、受けたX線の強さに対応したレベルを有した電気信号を処理手段14に出力する。
【0025】
図2において、処理手段14は、CPUやメモリなどで構成され、位置検出手段13が被検査物Wを検出したときのオン信号をタイミング信号とする所定時間後に、X線検出器10からの電気信号を取り込んで信号処理している。
【0026】
図2に示すように、処理手段14は、設定入力手段15、記憶手段(データメモリ)16、データ処理判別手段17、表示制御手段18、アラーム出力手段19を備えて構成される。
【0027】
設定入力手段15は、被検査物Wの異物検査や表示に関する各種設定や指示を与えるためのユーザが操作する複数のキーによって構成される。図3および図4の例では、設定入力手段15として、スタートキー21、ストップキー22、画面切替キー23のみを図示している。
【0028】
スタートキー21は、装置運転の開始を指示するときに操作される。ストップキー22は、装置運転の停止を指示するときに操作される。画面切替キー23は、表示器5の表示内容を選択的に切り替えるときに操作され、押動操作される毎に表示内容が順次切り替えられる。
【0029】
この画面切替キー23の操作により切り替えられる表示器5の表示内容は、例えば図3に示すような被検査物Wの異物混入の有無を示す全体画像や異物混入の有無、総検査数、良品数、不良品数などの検査結果、図4に示すような被検査物Wに対する製品影響を示すデータである。
【0030】
ここで、被検査物Wに対する製品影響を示すデータとは、各被検査物W毎の透過データ最大値、透過データ平均値、製品面積、製品体積のデータ、画像処理を行なった後のデータなどである。
【0031】
なお、透過データ最大値は、被検査物WにX線を曝射したときの各被検査物W毎のX線透過データの最大値である。透過データ平均値は、被検査物WにX線を曝射したときの各被検査物W毎のX線透過データの平均値である。製品面積は、各被検査物W毎のある規定値レベル以上(被検査物Wが搬送される搬送部2のベルトコンベアのベルト面輝度レベル、あるいは、ある目的物の輝度レベル以上)の面積の総和である。製品体積は、各被検査物W毎の面積データに輝度レベルを乗じて、製品体積を推測したものである。
【0032】
そして、被検査物Wに対する製品影響を示すデータを表示器5の表示画面に表示する場合には、検査された被検査物Wの数(製品個数)をX軸とし、演算された透過データ最大値、透過データ平均値、製品面積、製品体積のいずれかをY軸として検査経過とともに検査の古い方から順番(X軸の一番右側が1番目に検査された被検査物)にX軸の+方向にシフトしながら順次グラフ表示される。図4は、被検査物Wの数を25個とし、それぞれのX線透過データの透過データ最大値がバーグラフ形式で表示器5の表示画面に表示された状態を示している。あるいは、被検査物Wをグループに分け、そのグループにおける透過データ、平均値を表示することもできる。
【0033】
また、設定入力手段15は、不図示のキーやスイッチの操作により、異常の有無を検出するための基準となる検出リミット値を設定している。
【0034】
さらに説明すると、検出リミット値は、例えば被検査物Wの異物を検出するための基準値、同一品種の被検査物Wのバラツキによる不良の有無を検出するための基準値などである。バラツキによる不良を検出するための基準値は、透過データ最大値、透過データ平均値、製品面積、製品体積の個々に設定される。なお、検出リミット値は、被検査物Wの品種に応じて異なる複数の値が設定可能となっている。
【0035】
さらに、設定入力手段15は、被検査物Wに対する製品影響を示すデータ(透過データ最大値、透過データ平均値、製品面積、製品体積)を表示する際に、異常の旨をアラーム出力するための条件(規定時間内に検出リミット値を連続して超えてはいけない製品個数:図4の例では4個)を設定している。
【0036】
また、設定入力手段15は、被検査物Wに対する製品影響を示すデータを表示器5に表示する際、異常と判断されたデータを強調表示するための表示色や表示方法(例えば点滅表示)を設定している。
【0037】
記憶手段16には、各被検査物W毎のX線透過データが格納される。このX線透過データは、X線検出器9からの電気信号を不図示のA/D変換器によりA/D変換したデータを位置検出手段13の検出タイミングで取り込むことによって得られる。さらに説明すると、この記憶手段16には、各被検査物Wの検査が行われる毎に、X線検出器10の1ライン(Y方向)あたり例えば640個のX線透過データが、少なくとも搬送される被検査物Wの搬送方向Xの長さ(前端から後端までの検出期間に相当)に対応した所定ライン数(例えば480ライン)が格納される。
【0038】
データ処理判別手段17は、記憶手段16に格納された被検査物WのX線透過データに対し、検出しようとする異物情報がより強調されて抽出できるように所定のフィルタ処理を施し、このフィルタ処理が施されたデータと、設定入力手段15により設定された検出リミット値と比較し、その比較結果に基づいて被検査物Wの異物混入の有無を判別している。すなわち、フィルタ処理されたデータが検出リミット値を超えたときに、その被検査物Wに異物が混入していると判断している。
【0039】
また、データ処理判別手段17は、記憶手段16に格納された被検査物WのX線透過データに基づいて被検査物Wに対する製品影響を示すデータ、すなわち透過データ最大値、透過データ平均値、製品面積、製品体積を被検査物W毎に演算している。この演算したデータは、予め設定入力手段15で設定された検出リミット値と比較され、その比較結果に基づいて異常の有無を判別している。すなわち、演算したデータが検出リミット値を超えたときに異常と判断している。このときのデータは、被検査物(同一製品)のバラツキによる異常の有無を判別するためのデータとしても利用される。
【0040】
すなわち、上記演算で得られる被検査物Wに対する製品影響を示すデータと検出リミット値とを比較した際、規定時間内に検出リミット値を連続して超えるデータの個数が設定入力手段15で設定された個数以上となったときに、被検査物(同一製品)のバラツキによる異常があると判断している。また、このときにアラーム出力をする旨の制御信号をアラーム出力手段19に出力している。
【0041】
表示制御手段18は、データ処理判別手段17の演算および判別結果に基づき、設定入力手段15の画面切替キー23により切替選択された表示内容が表示器5の表示画面に表示されるように表示器5を制御している。なお、電源投入後の運転初期状態では、図3に示すような被検査物Wの異物混入の有無を示す全体画像や異物混入の有無、総検査数、良品数、不良品数などの検査結果が表示されるように表示器5が制御される。
【0042】
アラーム出力手段19は、データ処理判別手段17からアラーム出力をする旨の制御信号が入力されたときにアラーム信号を出力している。
【0043】
表示器5は、例えば図3に示すような被検査物Wの異物混入の有無を示す全体画像や異物混入の有無、総検査数、良品数、不良品数などの検査結果、図4に示すような被検査物Wに対する製品影響を示すデータを表示している。これら表示器5に表示される表示内容は、設定入力手段15の画面切替キー23の操作に基づき表示制御手段18によって制御される。
【0044】
なお、被検査物Wに対する製品影響のデータを表示する際には、図4に示すように、検出リミット値をその値とともにライン5aとして表示しても良い。
【0045】
次に、上記のように構成されるX線異物検出装置1の動作について説明する。まず、ユーザが設定入力手段15を操作し、被検査物Wの異物検査や表示に関する各種設定や指示を設定する。この状態で、設定入力手段15のスタートキー21が押されて運転が開始されると、搬送部2により順次搬送されてくる被検査物WにX線が曝射される。
【0046】
X線が曝射されて被検査物Wを透過してくるX線は、X線検出器10により検出された後、不図示のA/D変換器によりA/D変換され、X線透過データとして出力される。このX線透過データは、位置検出手段13からの検出信号をタイミング信号として順次記憶手段16に蓄積される。
【0047】
次に、データ処理判別手段17は、記憶手段16に格納された被検査物WのX線透過データに対し、検出しようとする異物情報がより強調されて抽出できるように所定のフィルタ処理を施し、このフィルタ処理が施されたデータと、設定入力手段15により設定された検出リミット値と比較する。そして、フィルタ処理されたデータが検出リミット値を超えたとき、その被検査物Wに異物が混入していると判断する。
【0048】
そして、データ処理判別手段17により被検査物Wの異物混入の有無の判別がなされると、その判別結果に基づいて図3に示すような被検査物Wの異物混入の有無を示す全体画像や異物混入の有無、総検査数、良品数、不良品数などの検査結果が表示内容として表示制御手段18の制御により表示器5の表示画面に表示される。
【0049】
図3の表示において、画像データはX線透過データのレベルの度合い(強度)に応じて表示される。これにより、ユーザは、被検査物Wを平面視したときの外形の状態と、被検査物WのX線の透過具合を確認することができる。また、被検査物W中に異物がある場合は、図3の黒丸部分で示す異物部分Gの表示濃度が他の部分と異なり(濃く、又は周囲と異なる色)で表示され、異物の混入位置を特定できる。
【0050】
ここで、データ処理判別手段17は、設定入力手段15の画面切替キー23が操作されると、その切替操作に応じて記憶手段16に蓄積されたX線透過データに基づいて被検査物Wに対する製品影響を示すデータ、すなわちX線透過データの最大値、X線透過データの平均値、製品面積、製品体積を各被検査物毎に演算する。
【0051】
例えば今、被検査物Wに対する製品影響を示すデータとして、X線透過データの最大値のデータを表示器5に表示するべく設定入力手段15の画面切替キー23の操作により表示内容が切替選択されると、データ処理判別手段17が各被検査物WのX線透過データの最大値を各被検査物W毎に演算する。
【0052】
そして、各被検査物W毎のX線透過データの最大値の演算がなされると、表示器5の表示画面には、図4に示すように、X軸を検査された各被検査物Wとし、Y軸を各被検査物WのX線透過データの最大値とした表示内容が表示される。この表示は、被検査物Wの検査が行われる毎に表示画面のX軸の+方向にシフトしながら更新表示される。
【0053】
この表示の際、検出リミット値を超えるデータ(図4の黒塗りのバーグラフ部分)は、設定入力手段15により設定された検出リミット値以下のデータ(図4の白抜きのバーグラフ部分)とは異なる表示色(例えば赤色)で表示又は点滅表示される。これにより、検出リミット値以上のデータと、検出リミット値以下のデータが区別され、検出リミット値以上のデータが強調表示される。この際、図4に示すように、検出リミット値以上のデータを目視で確認しやすくするため、必要に応じて検出リミット値をその値とともにライン5aとして表示するようにしても良い。
【0054】
そして、規定時間内に検出リミット値を超えるデータが入力設定手段15で設定された個数以上連続したとデータ処理判別手段17が判断した場合には、アラーム出力手段19からアラーム信号が出力される。図4の例では、3番目から6番目までの4個のデータが連続して検出リミット値を超えるので、その時点でアラーム信号が出力される。
【0055】
このアラーム信号は、例えば表示、音声などの信号に変換して出力することができる。これにより、外部に異常を知らせることができる。このアラーム信号は、例えばX線異物検出装置1の前段処理に出力される。この場合の前段処理は、例えば被検査物Wを製造処理する装置(例えば組合せ計量機など)であり、その装置に対して被検査物Wにバラツキが生じて異常が発生していることを知らせることができる。
【0056】
また、アラーム信号は、X線異物検出装置1の後段処理にも出力することができる。この場合の後段処理は、例えば被検査物Wを良品と不良品に選別する選別部であり、選別機に対して被検査物Wにバラツキが生じて異常が発生していることを知らせ、アラーム信号の入力により、そのときの被検査物Wを再検査扱いとして選別することができる。これにより、本来良品として選別されるべき被検査物Wを誤って不良品と選別するのを防ぐことができる。
【0057】
このように、本例のX線異物検出装置によれば、モニタリング監視画面として、被検査物に対する製品影響を示すデータ(X線透過データの最大値又は平均値、製品面積、製品体積のデータ)を表示器にトレンド表示するので、ユーザが一定間隔で表示器の表示内容をモニタすることにより、検査された被検査物の傾向やバラツキを見出すことができる。しかも、被検査物に対する製品影響のデータがバーグラフで表示されるので、被測定物のバラツキ具合が一目で判別でき、それを元に検出リミットの調整を容易に行うことができる。
【0058】
また、上記被検査物に対する製品影響を示すデータのトレンド表示を行った際、検出リミット値がラインで表示されるとともに、検出リミット値を超えるデータが強調表示されるので、異常データを即座に知ることができる。
【0059】
さらに、被検査物に対する製品影響を示すデータのうち、検出リミット値を超えるデータが設定個数以上連続する場合には、アラーム信号を出力する出力機能を有しているので、前段処理や後段処理の装置に対して警報を促すとともに、事前に不良品を排除することができる。
【0060】
ところで、上述した実施の形態では、図3や図4に示す表示内容を設定入力手段15の画面切替キー23の操作により選択的に表示するものとして説明したが、これら図3や図4に示す表示内容を図5に示すように表示器5の表示画面に同時に表示するようにしても良い。この場合、現在検査された被検査物Wの異物混入状態を確認できるとともに、検査された被検査物Wの傾向やバラツキを知ることができる。しかも、2つの画面を見比べ、異常が異物混入によるものか、他の要因(被検査物Wのバラツキ)によるものかを確認することができる。
【0061】
また、被検査物に対する製品影響を示すデータを表示器5の表示画面に複数種類(例えばX透過データの最大値又は平均値、製品面積、製品体積の組合せ)表示する構成とすれば、被検査物の傾向やバラツキを多角的に把握することができ、検出リミット値を調整し直す際の参考になり、被検査物により合った検出リミット値に設定することができる。
【0062】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明のX線異物検出装置によれば、被検査物に対する製品影響を示すデータ(X線透過データの最大値又は平均値、製品面積、製品体積のデータ)を表示器にトレンド表示するので、検査された被検査物の傾向やバラツキを確認することができる。しかも、被測定物のバラツキ具合が一目で判別できるので、検出リミットの調整を容易に行うことができる。
【0063】
請求項3のX線異物検出装置によれば、被検査物に対する製品影響を示すデータのトレンド表示を行った際、検出リミット値を超えるデータが強調表示されるので、異常データを即座に知ることができる。
【0064】
請求項4のX線異物検出装置によれば、被検査物に対する製品影響を示すデータのうち、検出リミット値を超えるデータが設定個数以上連続する場合には、アラーム信号を出力して事前に不良品を排除することができる。
【0065】
請求項5のX線異物検出装置によれば、現在検査された被検査物の異物混入状態が確認でき、かつ検査された被検査物の傾向やバラツキを知ることができる。しかも、2つの画面を見比べ、異物混入による異常か他の要因によるものかを確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるX線異物検出装置の外観を示す斜視図
【図2】本発明によるX線異物検出装置の要部を示すブロック図
【図3】本発明のX線異物検出装置による異物検査結果の表示例を示す図
【図4】本発明のX線異物検出装置による被検査物に対する製品影響を示すデータの表示例を示す図
【図5】本発明のX線異物検出装置において図3及び図4の表示内容を組み合わせて表示する場合の表示例を示す図
【図6】従来のX線異物検出装置の概略を示す図
【符号の説明】
1…X線異物検出装置、5…表示器、14…処理手段、17…データ処理判別手段、18…表示制御手段、19…アラーム出力手段、W…被検査物、G…異物。
Claims (5)
- 被検査物(W)にX線を曝射し、このX線の曝射に伴って前記被検査物を透過してくるX線の透過量に基づいて前記被検査物中の異物の有無を検査し、この検査結果を表示器(5)の表示画面に表示するX線異物検出装置(1)において、
前記表示器の表示画面に対し、検査された前記被検査物毎のX線透過データの最大値又は平均値、製品面積、製品体積による製品影響を示すデータを選択的に前記被検査物の検査経過とともに検査の古い方から順番にトレンド表示する処理手段(14)を備えたことを特徴とするX線異物検出装置。 - 前記処理手段(14)は、前記X線透過データに基づいて前記製品影響を示すデータを演算し、この演算結果と前記製品影響を示すデータ毎に予め設定される検出リミット値とを比較して異常の有無を判別するデータ処理判別手段(17)と、
前記異常の有無の判別結果に基づく前記製品影響を示すデータをそのデータの検出リミット値とともに前記表示器(5)の表示画面に表示する表示制御手段(19)とを備えたことを特徴とする請求項1記載のX線異物検出装置。 - 前記表示制御手段(19)は、前記表示器(5)の表示画面に表示される前記製品影響を示すデータのうち、異常と判断されたデータを強調表示することを特徴とする請求項2記載のX線異物検出装置。
- 前記製品影響を示すデータが検出リミット値を設定個数以上連続して超えたときにアラーム出力するアラーム出力手段(19)を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のX線異物検出装置。
- 前記表示器(5)の表示画面に対し、前記製品影響を示すデータとともに前記被検査物(W)の異物検査結果を同時に表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のX線異物検出装置。
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