JP2004020484A - 異常監視装置および異常監視プログラム - Google Patents

異常監視装置および異常監視プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】エキスパートが有する検出能力に匹敵する高度な検出能力を持たせることのできる異常監視装置、およびコンピュータをそのような異常監視装置として動作させる異常監視プログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】診断対象の状態を反映した物理量を表す信号を得るセンサと、センサで得られた信号を複数の周波数帯域ごとの帯域信号に分割する帯域分割部211と、帯域分割部211により得られた複数の帯域信号と、複数の周波数帯域それぞれについて設定された各判定基準とに基づいて、診断対象の異常の有無を各周波数帯域ごとに判定する異常判定部220とを備えた。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、振動や音響を発生する機器などの診断対象の異常の有無を監視する異常監視装置、およびコンピュータを異常監視装置として動作させる異常監視プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より機器や設備の異常の有無を判定する様々な設備診断手法による設備診断が実行され、あるいは提案されている。この設備診断においては、設備が破壊され、あるいは直ちに停止する必要がある重大故障のみを検出対象とするのではなく、むしろ、そのような重大故障に至る前の、例えば回転機械におけるベアリングに傷が入ったり、あるいはある可動部分の摩耗が進んできたといった程度の、今のところまだ十分に稼動を続けることができるが、そのままにしておくと将来重大故障につながるおそれがある異常を検出対象とする必要がある。
【0003】
そのような設備診断手法の典型例として、例えば、その機器や設備が正常状態にあるときの音響振動波形を得、その音響振動波形をスペクトル解析してその特徴を調べておき、診断対象の異常の有無を検出する際にその機器や設備の音響振動波形を得てスペクトル解析を行い、そのスペクトル中に、正常時には見られない特定の周波数成分のピークが存在するか否か、あるいはピークの組合せが正常時のそれと同じであるか否かなどにより異常の検出を行なうことが知られている。
【0004】
また、特開平7−43259号公報には、その機器や設備が正常状態にあるときの音響振動波形を得、その音響振動波形に基づいて逆フィルタを作成しておき、異常の有無を検出する際にその機器や設備の音響振動波形を得、その音響振動波形にあらかじめ求めておいた逆フィルタを作用させて残差信号を求め、この残差信号を解析することによって機器や設備の異常を検出することが提案されている。
【0005】
さらに、特開平8−304124号公報には、その機器や設備が正常状態にあるときの複数の音響振動波形を得、それら複数の音響振動波形のうちの例えば1つの音響振動波形に基づいて逆フィルタを作成して、その逆フィルタを例えば残りの複数の音響振動波形に作用させることにより複数の残差信号を求め、それら複数の残差信号それぞれに基づいて統計的変量を複数求めておき、異常の有無を検出する際においても、その機器や設備の複数の音響振動波形を得、あらかじめ求めておいた上記の逆フィルタをそれら複数の音響振動波形に作用させて複数の残差信号を求め、それら複数の残差信号に基づいて複数の統計的変量を求め、正常状態にあるときに求めた複数の統計的変量と異常の有無の検出の際に求めた複数の統計的変量との間で、例えばF検定やt検定などの手法による検定あるいは推定を行なうことにより、その機器や設備の異常の有無を検出することが提案されている。
【0006】
上記のスペクトル解析を行なうことによって機器や設備の異常を検出する手法も、その診断対象機器や設備の性質によってはかなり有効な手法であり、上記の逆フィルタを作成しておく手法や統計的検定などを行なう手法はさらに有効な手法である。
【0007】
また、設備診断や機器検査の分野では、一般に官能検査と呼ばれる異常診断手法が古くから存在しており、機械による異常診断よりも高度な検出能力を備えたエキスパートが種々の分野で活躍している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このエキスパートを養成するには長い期間を必要とする場合が多く、また、診断対象ごとに専門のエキスパートを養成する必要があるという問題もある。
【0009】
そこで、このようなエキスパートによる官能検査の手法を取り入れた異常監視装置の実現が待望されているが、エキスパートが有する高レベルのノーハウを機械に取り込むことは極めて難しい。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑み、エキスパートが有する検出能力に匹敵する高度な検出能力を持たせることのできる異常監視装置、およびコンピュータをそのような異常監視装置として動作させる異常監視プログラムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の異常監視装置は、診断対象の異常の有無を監視する異常監視装置において、
診断対象の状態を反映した所定の物理量を捉えて、物理量を表す信号を得るセンサと、
上記センサで得られた信号を複数の周波数帯域ごとの複数の帯域信号に分割する帯域分割部と、
上記帯域分割部により得られた複数の帯域信号と、上記複数の周波数帯域それぞれについて設定された各判定基準とに基づいて、上記診断対象の異常の有無を各周波数帯域ごとに判定する異常判定部とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明の異常監視装置は、センサで得られた信号を、帯域分割部により複数の周波数帯域ごとの複数の帯域信号に分割し、得られた複数の帯域信号と、複数の周波数帯域それぞれについて設定された各判定基準とに基づいて、診断対象の異常の有無を各周波数帯域ごとに判定するようにしたため、各周波数帯域ごとに厳しさレベルの異なる異常判定を行うことができ、官能検査に近い微妙な判定も可能になる。検査対象機器から発する動作音響信号に対して、ある特定周波数帯域については異常判定レベルを厳しく設定して検出感度を高くするとともに、ゆるい異常判定レベルでもよいその他の周波数帯域については甘めの異常判定レベルを設定して検出感度を任意に低く設定することが容易に可能である。これによりエキスパートが行っている官能検査に近い微妙な判定を自動化することが可能である。
【0013】
ここで、上記本発明の異常監視装置において、上記診断対象が正常な状態にあるときに上記センサにより得られる基準信号を上記帯域分割部で分割してなる複数の帯域別基準信号に基づいて、上記複数の周波数帯域それぞれについて各逆フィルタを求める演算を含む演算を行なうことにより、各周波数帯域ごとの各基準データを求める基準データ演算部を備え、上記異常判定部が、上記センサにより異常監視時に得られる診断信号を上記帯域分割部で分割してなる複数の帯域別診断信号それぞれに各周波数帯域ごとの各逆フィルタを作用させることにより、各周波数帯域ごとの残差信号を求める演算を含む演算を行ない、演算の結果に基づいて、上記診断対象の異常の有無を各周波数帯域ごとに判定するものであることが好ましい。
【0014】
ここで、上記の「逆フィルタを求める演算を含む演算」は、逆フィルタを求める演算のみで構成されている場合を含む概念であり、その場合は、逆フィルタを上記の基準データとすることができる。また、「逆フィルタを求める演算を含む演算」は、逆フィルタを求める演算が含まれていればよく、前述のように、複数の基準信号のうちの例えば1つの基準信号に基づいて逆フィルタを作成し、その逆フィルタを他の複数の基準信号に作用させて複数の統計的変量を求める演算であってもよい。その場合は、そのようにして求めた複数の統計的変量が基準データとなり得る。
【0015】
また、上記の「逆フィルタを作用させることにより残差信号を求める演算を含む演算」も上記と同様であり、残差信号を求める演算のみで構成されていてもよく、あるいは前掲の特開平7−43259号公報に記載されているように、その残差信号のパワーの移動平均値を求めるなど、その残差信号を演算して異常の有無を判定するのに都合のよいデータを求める演算や、あるいは、前掲の特開平8−304124号公報に記載されているような複数の診断信号に逆フィルタを作用させて複数の残差信号を求め、それら複数の残差信号に基づいて複数の統計的変量を求める演算であってもよい。
【0016】
逆フィルタを用いると信号上から定常的な騒音を消し去ることができ、診断対象の異常の有無を一層高精度に判定することができる。
【0017】
また、上記目的を達成する本発明の異常監視プログラムは、コンピュータ内で動作し、そのコンピュータを、診断対象の異常の有無を監視する異常監視装置として動作させる異常監視プログラムにおいて、
上記コンピュータは、診断対象の状態を反映した所定の物理量を捉えて、その物理量を表す信号を得るセンサが接続されたものであって、
上記センサで得られた信号を複数の周波数帯域ごとの複数の帯域信号に分割する帯域分割部と、
上記帯域分割部により得られた複数の帯域信号と、上記複数の周波数帯域それぞれについて設定された各判定基準とに基づいて、上記診断対象の異常の有無を各周波数帯域ごとに判定する異常判定部とを有することを特徴とする。
【0018】
ここで、上記本発明の異常監視プログラムにおいて、診断対象が正常な状態にあるときに上記センサにより得られる基準信号と上記帯域分割部で分割してなる複数の帯域別基準信号に基づいて、上記複数の周波数帯域それぞれについて各逆フィルタを求める演算を含む演算を行なうことにより、各周波数帯域ごとの各基準データを求める基準データ演算部を有し、上記異常判定部が、上記センサにより異常監視時に得られる診断信号を上記帯域分割部で分割してなる複数の帯域別診断信号それぞれに各周波数帯域ごとの各逆フィルタを作用させることにより、各周波数帯域ごとの残差信号を求める演算を含む演算を行ない、その演算の結果に基づいて、上記診断対象の異常の有無を各周波数帯域ごとに判定するものであることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0020】
図1は、本発明の異常監視装置の基本的な一実施形態を示すブロック図である。
【0021】
この異常監視装置10は、たとえば振動や音響を発生する診断対象20の異常の有無を監視する異常監視装置であって、センサ11、帯域分割部12、異常判定部13、および基準データ演算部14を備えている。
【0022】
この異常監視装置10のセンサ11では、診断対象20の状態を反映した所定の物理量(例えば音や振動など)が捉えられ、その物理量を表わす信号が得られる。
【0023】
帯域分割部12は、センサ11で得られた信号を複数の周波数帯域ごとの複数の帯域信号に分割する。
【0024】
基準データ演算部14は、診断対象20が正常な状態にあるときにセンサ11により得られる基準信号を帯域分割部12で分割してなる複数の帯域別基準信号に基づいて、上記複数の周波数帯域それぞれについて各逆フィルタを求めるためのものである。
【0025】
異常判定部13は、センサ11により異常監視時に得られる診断信号を帯域分割部12で分割してなる複数の帯域別診断信号それぞれに各周波数帯域ごとの各逆フィルタを作用させることにより、各周波数帯域ごとの残差信号を求め、その結果に基づいて、各周波数帯域ごとに診断対象20の異常の有無を判定する。
【0026】
ここで、本実施形態では逆フィルタ自体が基準データとして採用されているが、この基準データは、逆フィルタ自体であってもよく、前述したような統計的変量などであってもよい。
【0027】
本実施形態の異常監視装置10は、上記のように、センサ11、帯域分割部12、異常判定部13、および基準データ演算部14を備えた構成の例を示しているが、本発明の異常監視装置は、必ずしも基準データ演算部14を備えた構成とする必要はない。その場合は、異常判定部13は、帯域分割部12により得られた複数の帯域信号と、上記複数の周波数帯域それぞれについて予め設定された各判定基準とに基づいて、各周波数帯域ごとに診断対象20の異常の有無を判定するものとして構成すればよい。
【0028】
図2は、本発明の異常監視装置の一実施形態を示すシステム概念図である。
【0029】
図2に示す異常監視装置200には、振動センサ210A、音響センサ210B、プログラマブル帯域通過フィルタ211、A/D変換器212、異常判定部220、基準データ演算部240、許容波形偏差ストレージ250、帯域選択部300などが備えられている。
【0030】
異常判定部220には、残差信号演算部230、比較器280が備えられている。
【0031】
また、基準データ演算部240には、基準波形ストレージ241、逆フィルタ演算部242、および逆フィルタストレージ243が備えられている。
【0032】
さらに、診断対象物21を制御する制御装置22が存在する場合は、この制御装置22から、診断対象物21の回転速度などの機械動作条件や、バーコード情報などによる品種切換情報などの制御状態情報23が入力される。
【0033】
診断対象物21は、本発明にいう診断対象の一例に相当するものである。この診断対象物21には、異常の有無を検出するための信号を得るセンサとして、振動センサ210Aと音響センサ210Bが取り付けられ、あるいは近傍に配備されている。これら振動センサ210Aと音響センサ210Bは、それらの双方が備えられている必要はなく、診断対象物21の特性に応じていずれか一方のみ備えられていてもよい。
【0034】
振動センサ210Aで得られた振動波形信号や音響センサ210Bで得られた音響波形信号はプログラマブル帯域通過フィルタ211に入力される。このプログラマブル帯域通過フィルタ211は、本発明にいう帯域分割部に相当するものである。プログラマブル帯域通過フィルタ211に入力された波形信号は、時系列的に、複数の周波数帯域ごとの複数の帯域信号に分割される。すなわち、ここでは、帯域の分割数をnとした場合、先ず第1の周波数帯域についての抽出が行われ、抽出された第1の帯域信号についての異常判定処理が終了した後、第2番目の周波数帯域についての抽出が行われ、…というようにn回の抽出および異常判定処理が順次行われるようになっている。
【0035】
プログラマブル帯域通過フィルタ211で抽出された各帯域信号はA/D変換器212に入力されてデジタル信号に変換される。
【0036】
本実施形態の異常監視装置200には、基準データ演算部240が備えられており、診断対象物21が正常な状態である時に、振動センサ210A又は音響センサ210Bにより得られた波形信号を、プログラマブル帯域通過フィルタ211で複数の周波数帯域ごとの複数の帯域信号に分割し、それをA/D変換器212でデジタル信号に変換した後、基準データ演算部240において上記複数の周波数帯域それぞれについて各逆フィルタを求める演算が行われる。
【0037】
基準データ演算部240には、各周波数帯域ごとの基準波形を記憶しておく基準波形ストレージ241、各基準波形に基づく逆フィルタ演算を行う逆フィルタ演算部242、および、逆フィルタ演算部で求められた各基準波形ごとの逆フィルタを記憶しておく逆フィルタストレージ243が備えられている。基準データ演算部240における、各周波数帯域ごとの逆フィルタの演算および記憶は、診断対象物の機械動作条件や品種切換など、その診断対象物から得られる信号に変化が生じる各条件ごとに行われる。
【0038】
また、本実施形態の異常監視装置200では、診断対象の異常の有無を各周波数帯域ごとに判定する際のしきい値となる許容波形偏差を各周波数帯域ごとに設定し、それを許容波形偏差ストレージ250に記憶しておくように構成されている。
【0039】
この許容波形偏差ストレージ250には、診断対象物の機械動作条件や品種切換など、その診断対象物から得られる信号に変化が生じる各条件ごとに、各周波数帯域ごとの許容波形偏差が記憶されている。
【0040】
本実施形態の異常監視装置200は、このような逆フィルタストレージ243および許容波形偏差ストレージ250を備えたことにより、診断対象物の機械動作条件の変化や品種切換を伴う複雑な異常監視にも、逆フィルタストレージ243および許容波形偏差ストレージ250から、上記の条件変化に応じたデータが自動的に読み出されるので簡易に対応することができる。
【0041】
また、本実施形態の異常監視装置200には、プログラマブル帯域通過フィルタ211、基準データ演算部240、許容波形偏差ストレージ250、異常判定部220などの各部で取り扱う周波数帯域を選択し切り換える帯域選択部300が備えられている。この帯域選択部300により、複数の周波数帯域が順次選択され、異常監視装置200の各部を、その周波数帯域に対応した状態に切り換える。こうして、帯域選択部300により各部の周波数帯域を順次切り換えることにより、センサ210A又は210Bで得られた診断対象物21の波形信号はプログラマブル帯域通過フィルタ211で所定の帯域信号に分割され、A/D変換器212でデジタル信号に変換された後、各周波数帯域別の診断信号213として異常判定部220に入力されて各周波数帯域ごとに合否判定が行われ、その合否判定結果290に基づき総合的に診断対象物21の異常の有無が診断される。
【0042】
この異常の有無の検出にあたっては、あらかじめ、診断対象物21が正常な状態にあることがわかっている段階で上記と同様にしてサンプリングして得たデータに基づいて逆フィルタが求められ、各周波数帯域ごとに、異常監視時に受け取った波形データにその逆フィルタを作用させることにより残差信号が求められ、その残差信号のパワーがしきい値と比較され、その大小に応じて、異常の有無が判定される。異常が検出されると、異常が検出されたことを表わす警報が出力される。
【0043】
診断対象物21が正常に動作しているときに求められる逆フィルタは、その診断対象物21が常に同一の動作状態で動作しているときは各周波数帯域ごとに1つずつ求めればよいが、例えばゆっくりと回転する回転機械を診断対象物とするような場合は、その回転対象物の一回転を複数の位相範囲に区切り、それら複数の位相範囲それぞれで得られた各波形データに基づいて、各周波数帯域ごとの各逆フィルタが各位相範囲ごとに求められ、異常監視時においても、逆フィルタを求めたときの位相範囲と同一の位相範囲で得られた診断信号から各周波数帯域に分割された各位相範囲ごとの診断信号に、その診断信号を得た位相範囲と同一の位相範囲の基準信号に基づいて求められた、各周波数帯域ごとの逆フィルタを作用させる。こうすることにより、その回転機械の異常の有無を位相範囲ごとの厳しさレベルで検出できるので、対象機械にとって適正な判定条件により異常の有無を一層高精度に検出することができる。
【0044】
ただし、ゆっくりと回転する回転機械を診断対象物とする場合であっても、その回転機械が正常に動作している場合に複数の位相範囲で得られる信号が統計的に同一の性質を有する(いわば、その回転機械が、回転の位相にかかわらず一様に回転している)場合は、位相範囲にこだわらずに、各周波数帯域ごとにそれぞれ1つずつの逆フィルタを求め、どの位相範囲についてもその逆フィルタを作用させてもよい。
【0045】
本実施形態の異常監視装置200では、上記のように、正常・異常の判定に必要とされる検出精度に応じて各周波数帯域の帯域幅を定めることが可能であり、各周波数帯域ごとに合否判定のためのしきい値(許容波形偏差)を設定することができるため、エキスパートによる複雑な官能検査の「勘所」をシュミレートした高度な異常監視を実現することができる。
【0046】
異常判定部の詳細な動作については、図6に示すフローチャートを参照して後述する。
【0047】
図3は、本発明の異常監視装置の一実施形態として動作する異常監視コンピュータの外観斜視図である。
【0048】
本発明の一実施形態としての異常監視装置は、この診断用コンピュータ100のハードウェアとその内部で実行されるソフトウェアとからなる異常監視装置本体と、さらにここでは不図示のセンサなどとの組合せにより実現されている。
【0049】
この異常監視コンピュータ100は、CPU、RAMメモリ、磁気ディスク、通信用ボードなどを内蔵した本体101、本体からの指示によりその表示画面102a上に画面表示を行なうCRTディスプレイ102、この異常監視コンピュータ内に、オペレータの指示や文字情報を入力するためのキーボード103、表示画面上の任意の位置を指定することによりその位置に表示されているアイコンなどに応じた指示を入力するマウス104を備えている。
【0050】
本体101には、CD−ROM105(図4参照)が取り出し自在に装填され、装填されたCD−ROM105をドライブするCD−ROMドライブも内蔵されている。
【0051】
ここでは、CD−ROM105に、異常監視プログラムが記憶されており、そのCD−ROM105が本体101内に装填され、CD−ROMドライブによりそのCD−ROM105に記憶された異常監視プログラムがその異常監視コンピュータ100の磁気ディスク内にインストールされる。異常監視コンピュータ100の磁気ディスク内にインストールされた異常監視プログラムが起動されると、この異常監視コンピュータ100は、本発明の異常監視装置のうちのセンサなどを除く異常監視装置本体の一実施形態として動作する。
【0052】
図4は、図3に示す異常監視コンピュータ100のハードウェア構成図である。
【0053】
このハードウェア構成図には、中央演算処理装置(CPU)111、RAM112、磁気ディスクコントローラ113、CD−ROMドライブ115、マウスコントローラ116、キーボードコントローラ117、ディスプレイコントローラ118、通信用ボード119、およびA/D変換ボード120が示されており、それらはバス110で相互に接続されている。
【0054】
なお、図4に示した異常監視コンピュータは、図2に示した異常監視装置の実施形態とは異なる実施形態を示すものであり、この異常監視コンピュータでは、振動センサおよび音響センサなどのセンサから得られた波形信号は、A/D変換ボード120に入力され、デジタル信号に変換されたのち、CPU111上にソフトで形成されたプログラマブル帯域通過フィルタにより各周波数帯域に分割されるように構成されている。
【0055】
CD−ROMドライブ115は、図3を参照して説明したように、CD−ROM105が装填され、装填されたCD−ROM105をアクセスするものである。
【0056】
通信用ボード119は、診断対象を制御する制御装置22(図2参照)に接続され、制御装置から、診断対象の制御状態(稼動状態にあるか静止状態にあるか、あるいは回転機械を診断対象とする場合におけるその回転機械の現在の回転角度(位相)、あるいはバーコード情報など品種切換情報など)を表わす制御状態情報が入力される。
【0057】
また、A/D変換ボード120には、異常監視用の信号を得るための振動センサおよび音響センサなどのセンサ11(図1参照)が接続されている。このA/D変換ボード120は、図2に示すA/D変換器212に相当するものであり、センサでピックアップされた信号を入力しサンプリングしてメモリに一旦格納し、その後順次に読み出して内部に取り込む役割を担っている。
【0058】
また、図4には、磁気ディスクコントローラ113によりアクセスされる磁気ディスク114、マウスコントローラ116により制御されるマウス104、キーボードコントローラ117により制御されるキーボード103、およびディスプレイコントローラ118により制御されるCRTディスプレイ102も示されている。
【0059】
図5は、本発明の異常監視プログラムの一実施形態を模式的に示した図である。
【0060】
ここでは、この異常監視プログラム130は、CD−ROM105に記憶されており、CD−ROM105が図3,図4に示す異常監視コンピュータ100に装填されてドライブされ、そのCD−ROM105に記憶された異常監視プログラム130がその異常監視コンピュータ100にインストールされて実行されることにより、その異常監視コンピュータ100が、診断対象の状態を検出するセンサと合わせて本発明の異常監視装置の一実施形態として動作する。
【0061】
図5に示す異常監視プログラム130は、帯域分割部131と、異常判定部132と、基準データ演算部133とから構成されている。
【0062】
帯域分割部131は、図1に示す異常監視装置10の帯域分割部12に相当し、異常判定部132は、図1の異常監視装置10を構成する異常判定部13に相当し、基準データ演算部133は、図1の異常監視装置10を構成する基準データ演算部14に相当するが、図1に示す異常監視装置10のセンサ11を除く構成が、図3,4に示す異常監視コンピュータ100と、そこにインストールされた図5に示す異常監視プログラムとで構成される場合、図1に示す異常監視装置10の帯域分割部12、異常判定部13、基準データ演算部14は、いずれも、コンピュータのハードウェア、OS(オペレーションシステム)、およびアプリケーションプログラムとしての異常監視プログラムの複合で構成されているのに対し、図5に示す異常監視プログラム130は、それらのうちのアプリケーションプログラムのみで構成されている。図5の異常監視プログラム130を構成する各部の作用は、図1の異常監視装置10の対応する各部の作用と同一であり、重複説明は省略する。
【0063】
次に、本実施形態の異常監視コンピュータによる異常監視動作の詳細について説明する。
【0064】
図6は、図3,図4に示す異常監視コンピュータ内で実行される異常監視プログラムのフローチャートである。
【0065】
先ず、異常判定を行う周波数帯域を設定する(ステップS01)。次に、各周波数帯域ごとに、官能検査による異常判定時の異常の有無の判定基準となるしきい値(許容波形偏差)を設定し(ステップS02)、それを許容波形偏差ストレージ250(図2参照)に登録しておく(ステップS03)。
【0066】
次に、診断対象が正常な状態にある時のセンサから得られる波形信号をA/D変換器でデジタル化し、次にソフトウェアによるプログラマブル帯域通過フィルタで複数の周波数帯域に分割し、各周波数帯域ごとの基準信号214を得、基準データ演算部240の基準波形ストレージ241に記憶する(ステップS11)。
【0067】
次に、逆フィルタ演算部242により、基準波形ストレージ241に記憶された基準波形から、各周波数帯域ごとに逆フィルタを求める(ステップS12)。この求められた逆フィルタは逆フィルタストレージ243に記憶される(ステップS13)。
【0068】
こうして、各周波数帯域ごとの許容波形偏差、および各周波数帯域ごとの逆フィルタを用意した後、実際の診断対象についての異常監視が開始される。
【0069】
先ず、実際の診断対象物21から得られた波形信号を、プログラマブル帯域通過フィルタ211およびA/D変換器212を通過させることにより、帯域選択部300で選択された周波数帯域の診断信号213を求める(ステップS21)。
【0070】
診断信号213は異常判定部220に入力され、基準データ演算部240の逆フィルタストレージ243からの、同一周波数帯域の逆フィルタ244を作用させることにより、各周波数帯域ごとの残差信号270が求められる(ステップS22)。
【0071】
次に、比較器280により、残差信号270と許容波形偏差ストレージ250からの許容波形偏差260(残差パワー)との比較が行なわれ、診断対象の異常の有無が各周波数帯域ごとに合否判定される(ステップS23)。
【0072】
以上の処理を、帯域選択部300で選択された周波数帯域すべてについて行ない、その合否判定結果290から診断対象物21の総合判定が行なわれる(ステップS24)。
【0073】
本実施形態の異常監視装置200では、診断対象物21が、異常と診断された場合でも、合否判定結果290から、正常な状態との間にどの程度の差異があるのかを数値化された管理データ(各周波数帯域ごとの許容波形偏差=残差パワー値)として得ることができるので、不合格となった周波数帯域とその悪さ加減(許容波形偏差)の数値データに基づいてその診断対象物を合理的に管理することが可能である。
【0074】
図7は、シートを圧延しながら搬送するシート圧延機を診断対象としたときのシステム構造図である。
【0075】
このシート上には異物が乗る可能性があり、その異物がシート上に乗ったままシート圧延機に噛み込まれるとそのシートが不良品となってしまうおそれがある。そこで、ここでは、その異物の噛み込み時に発せられる異音を捉えるために集音マイクが配備され、その集音マイクにより得られた音響波形信号が異常監視装置本体に入力される。
【0076】
このシート圧延機は、制御装置により、ロール送り速度が複数の速度のうちのいずれかに制御される。そのロール送り速度の情報は、制御状態情報として異常監視装置本体に入力される。
【0077】
異常監視装置本体では、異物の噛み込みがないことが確認された正常状態において、制御装置により制御される各送り速度ごとに、シート圧延機からの発生音響信号を各周波数帯域ごとに分割し、そのおのおのの帯域ごとの逆フィルタが求められる。それぞれの送り速度ごとの帯域別判定条件は独立して設定できるので、異常監視判定の厳しさレベルは任意に決定できる。異常監視時においては、間断なく異物の噛み込みによる異音の検知が実行されるが、送り速度、周波数帯域ごとに最適な判定条件に自動的に切り換えられるので、誤判定しにくい適正な異音検知が可能となる。
【0078】
尚、上記各実施形態は、振動あるいは音響を捉えて異常検出を行なう例であるが、振動あるいは音響以外の異なる物理量を捉えて異常監視を行なってもよい。
【0079】
次に、逆フィルタおよびその逆フィルタを用いた異常の有無の検出方法について説明する。
【0080】
任意の時系列信号は、適当な線型系に白色雑音を入力したときの出力と見なすことができる。与えられた時系列信号から対応する線型系を決定することは、線型予測分析と呼ばれ、確立した手法が存在する。通常そのようにして求められるものに、自己回帰モデル(ARモデル)がある。これは標本化、離散化された時系列信号をX(n)、n=1、2、・・・ とする時、第n時点の信号X(n)をそれ以前のM個の時点のデータから次のようにして決定するものである。
【0081】
【数1】
Figure 2004020484
【0082】
ここでe(n)は線型系への仮想的な入力信号で、白色雑音である。時系列信号が与えられた時、そのデータから係数の組{A}を求めることにより、その時系列信号に対する自己回帰モデルが決定される。
【0083】
いま係数の組{A}が求まった時、時系列信号データ{X(n)}を用いてY(n)を次のように定義する。この時Y(n)はX(n)の線型予測値といわれる。
【0084】
【数2】
Figure 2004020484
【0085】
そこで次のような量を計算すると、(1)、(2)式から、
X(n)−Y(n)=e(n)   …(3)
となり、残差は白色雑音となる。つまり、第n時点の時系列信号データX(n)から、それ以前のMケのデータから求めた予測値Y(n)を減じると、入力の白色雑音が得られる。ここでは、X(n)から予測値Y(n)を減じて残差e(n)を求めることを、逆フィルタを作用させると称している。このようにある時系列信号を適切な自己回帰モデルで表すことができれば、それを用いて構成された逆フィルタを元の時系列信号に作用させることにより、白色雑音を得る。すなわち入力信号は逆フィルタにより、白色化される。この場合、入力時系列信号は逆フィルタの設計時に用いた信号そのものでなくてもよく、その自己回帰モデルが同一のものすなわち同じ特性の信号であれば、出力として白色化された信号を得ることができる。ただし、時系列信号の特性が設計に用いたそれと異なっていた場合には、逆フィルタを作用させても白色化はされず、白色雑音は得られない。
【0086】
そこで、正常時の作動音や振動など(作動音など)を担持する第1の時系列信号を用いて、逆フィルタを予め構成しておき、任意の時点で作動音などを担持する新たな第2の時系列信号を得、この第2の時系列信号に逆フィルタを作用させて出力を監視することにより、正常時とは異なる時系列信号(残差信号)を検出することが出来る。
【0087】
本実施形態では、具体的には、以下の信号処理方法を採用することができる。
【0088】
先ず、図1の基準データ演算部14において、診断対象が正常な状態にあるときに得られた音信号データあるいは振動信号データを1024点用いて、FFT(高速フーリェ変換)を行い、それから電力スペクトルを求める。次にそれをIFFT(逆高速フーリェ変換)して自己相関関数を求め、それを用いてLevinsonのアルゴリズム(例えば三上著「ディジタル信号処理入門」CQ出版発行参照)により計算し、逆フィルタの係数{A}を求める。
【0089】
その後、異常判定部13では、その逆フィルタを作用させて残差信号が求められるが、その残差信号を求めるための演算は、本実施形態では、係数{a[k]}を用いて移動平均計算により行なわれる。
【0090】
ここでは残差信号のパワーの移動平均を求めるために、まず残差信号の時系列から、128データを取り出し、FFT、パワースペクトル計算、IFFTを経て自己相関関数を求め、その原点のピーク値からパワーを求める。その後データの始点を50点ずつずらしながら、パワーを順次求める。
【0091】
逆フィルタとしては、一例として、次数M=27、係数{a[k]}は、表1のものが採用される。
【0092】
【表1】
a[ 0]= 1.000000
a[ 1]=−2.887330
a[ 2]= 3.947344
a[ 3]=−3.535249
a[ 4]= 2.447053
a[ 5]=−1.620133
a[ 6]= 1.315352
a[ 7]=−1.268161
a[ 8]= 0.937471
a[ 9]=−0.380573
a[10]=−0.040919
a[11]= 0.284076
a[12]=−0.353665
a[13]= 0.397849
a[14]=−0.533185
a[15]= 0.501902
a[16]=−0.238178
a[17]=−0.003048
a[18]= 0.192420
a[19]=−0.166854
a[20]=−0.010498
a[21]= 0.061383
a[22]= 0.017323
a[23]=−0.014146
a[24]=−0.131247
a[25]= 0.239157
a[26]=−0.242444
a[27]= 0.115678
【0093】
図8〜図11は正常状態にある設備から得られる波形の一例を示すものであり、図8は正常状態にある設備から採取された音信号の信号波形、図9はこの音信号に逆フィルタを作用させた後の残差信号の信号波形、図10はこの残差信号の電力スペクトル、図11は残差信号の電力の移動平均を示している。
【0094】
図12〜図15は、設備が異常状態にあるときに得られた波形の一例を示すもので、各図は、それぞれ図8〜図11と同じ形式の信号波形を示している。正常状態及び異常状態にある設備からそれぞれ得られた音信号の波形を示す図8及び図12を直接比較しても、これらから直ちに正常・異常を判断することは困難である。しかし、これらに逆フィルタを作用させて得られた残差信号を示す図9及び図13相互を分析することにより、正常・異常の判断が可能となる。
【0095】
図9及び図13を比較すると容易に理解できるように、設備が正常状態にあるときは、残差信号の振幅は極めて小さいが、これと比較し、設備が異常状態になるとその振幅は極めて大きくなる。従って、残差信号における電力の最大値を基準として正常・異常の判断が可能となる。例えば設備が正常状態にあるときに得られた信号の最大電力よりも10dB以上大きな残差信号の振幅を有する場合を異常、これ未満の残差信号の振幅を有する場合を正常と判定することで、正常・異常の判断を行なうことができる。
【0096】
また、図10及び図14に示されたように、残差信号をフーリエ変換して得られたスペクトルにおいては、異常が発生すると電力スペクトルの増大が生ずる。例えば、図10の電力のピークは100dB以下であるが、図14においては電力のピークはほぼ120dBに達している。
【0097】
更に、残差信号の電力の移動平均を示す図11及び図15相互の比較を行うと、異常によってこの移動平均が増大することがわかる。例えば、設備が正常状態にあるときの移動平均の最大値よりも20dB以上大きな移動平均データを示す場合は異常、これ未満のデータを示す場合は正常と判定できる。この方法を採用すると、異常の有無の判定が特に容易となり、短時間での異常検出が可能であるため、現場における実時間的な検出を行うことができて、特に好適である。なお、異常の種類によっては、電力の移動平均の分析よりも上記電力スペクトルの分析による検出の方が、より正確に欠陥の存在を検出できる。
【0098】
以上説明した実施形態は、本発明にいう基準データとして逆フィルタを作成しておき、残差信号を求めてその残差信号に基づいて異常の有無の検出を行なうものであるが、本発明は必ずしもこの検出方法を採用する必要はなく、例えば前述したスペクトル解析の手法や、統計的推定又は検定を行なう手法を採用してもよい。
【0099】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の異常監視装置によれば、正常・異常の判定に要求される検出精度に応じて各周波数帯域の帯域幅を定めることが可能であり、各周波数帯域ごとにしきい値を数値化できるため、エキスパートによる複雑な官能検査の「勘所」をシュミレートした異常監視が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異常監視装置の基本的な一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の異常監視装置の一実施形態を示すシステム概念図である。
【図3】本発明の異常監視装置の一実施形態として動作する異常監視コンピュータの外観斜視図である。
【図4】図3に示す異常監視コンピュータのハードウェア構成図である。
【図5】本発明の異常監視プログラムの一実施形態を示す模式図である。
【図6】図3,図4に示す異常監視コンピュータ内で実行される異常監視プログラムのフローチャートである。
【図7】シートを圧延しながら搬送するシート圧延機を診断対象としたときのシステム構造図である。
【図8】正常状態にある診断対象から得られた音信号の波形図である。
【図9】図8の信号に逆フィルタを作用させて得られた信号波形図である。
【図10】図9の信号から得られた電力スペクトル図である。
【図11】図9の信号から得られた電力の移動平均を示す図である。
【図12】異常状態にある診断対象から得られた音信号の波形図である。
【図13】図12の信号に逆フィルタを作用させて得られた信号波形図である。
【図14】図13の信号から得られた電力スペクトル図である。
【図15】図13の信号から得られた電力の移動平均を示す図である。
【符号の説明】
10  異常監視装置
11  センサ
12  帯域分割部
13  異常判定部
14  基準データ演算部
20  診断対象
21  診断対象物
22  制御装置
23  制御状態情報
100  診断用コンピュータ
130  異常監視プログラム
131  帯域分割部
132  異常判定部
133  基準データ演算部
200  異常監視装置
210A  振動センサ
210B  音響センサ
211  プログラマブル帯域通過フィルタ
212  A/D変換器
213  診断信号
214  基準信号
220  異常判定部
230  残差信号演算部
240  基準データ演算部
241  基準波形ストレージ
242  逆フィルタ演算部
243  逆フィルタストレージ
244  逆フィルタ
250  許容波形偏差ストレージ
260  許容波形偏差
270  残差信号
280  比較器
290  合否判定結果
300  帯域選択部

Claims (4)

  1. 診断対象の異常の有無を監視する異常監視装置において、
    診断対象の状態を反映した所定の物理量を捉えて、該物理量を表す信号を得るセンサと、
    前記センサで得られた信号を複数の周波数帯域ごとの複数の帯域信号に分割する帯域分割部と、
    前記帯域分割部により得られた複数の帯域信号と、前記複数の周波数帯域それぞれについて設定された各判定基準とに基づいて、前記診断対象の異常の有無を各周波数帯域ごとに判定する異常判定部とを備えたことを特徴とする異常監視装置。
  2. 前記診断対象が正常な状態にあるときに前記センサにより得られる基準信号を前記帯域分割部で分割してなる複数の帯域別基準信号に基づいて、前記複数の周波数帯域それぞれについて各逆フィルタを求める演算を含む演算を行なうことにより、各周波数帯域ごとの各基準データを求める基準データ演算部を備え、
    前記異常判定部は、前記センサにより異常監視時に得られる診断信号を前記帯域分割部で分割してなる複数の帯域別診断信号それぞれに各周波数帯域ごとの各逆フィルタを作用させることにより、各周波数帯域ごとの残差信号を求める演算を含む演算を行ない、該演算の結果に基づいて、前記診断対象の異常の有無を各周波数帯域ごとに判定するものであることを特徴とする請求項1記載の異常監視装置。
  3. コンピュータ内で動作し、該コンピュータを、診断対象の異常の有無を監視する異常監視装置として動作させる異常監視プログラムにおいて、
    前記コンピュータは、診断対象の状態を反映した所定の物理量を捉えて、該物理量を表す信号を得るセンサが接続されたものであって、
    前記センサで得られた信号を複数の周波数帯域ごとの複数の帯域信号に分割する帯域分割部と、
    前記帯域分割部により得られた複数の帯域信号と、前記複数の周波数帯域それぞれについて設定された各判定基準とに基づいて、前記診断対象の異常の有無を各周波数帯域ごとに判定する異常判定部とを有することを特徴とする異常監視プログラム。
  4. 前記診断対象が正常な状態にあるときに前記センサにより得られる基準信号と前記帯域分割部で分割してなる複数の帯域別基準信号に基づいて、前記複数の周波数帯域それぞれについて各逆フィルタを求める演算を含む演算を行なうことにより、各周波数帯域ごとの各基準データを求める基準データ演算部を有し、
    前記異常判定部は、前記センサにより異常監視時に得られる診断信号を前記帯域分割部で分割してなる複数の帯域別診断信号それぞれに各周波数帯域ごとの各逆フィルタを作用させることにより、各周波数帯域ごとの残差信号を求める演算を含む演算を行ない、該演算の結果に基づいて、前記診断対象の異常の有無を各周波数帯域ごとに判定するものであることを特徴とする請求項3記載の異常監視プログラム。
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