JP2004018774A - 艶消し塗料組成物、塗膜形成方法及び塗装物 - Google Patents

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末次 英樹
Shinji Mitsumune
光宗 真司
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Abstract

【課題】60度光沢値50以下の艶消し感を有し、擦り傷によっても光沢値が上昇することがなく、リコートされた塗膜の密着性が良好な塗膜を得ることができる艶消し塗料組成物、塗膜形成方法及び塗装物を提供する。
【解決手段】ポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ(A)、微粉末シリカ(B1)若しくはポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ以外の樹脂ビーズ(B2)を含有する塗料組成物であって、塗膜形成樹脂(C)との比率が、(B)/(C)=5/100〜50/100(固形分比)及び(A)/{(B)+(C)}=0.1/100〜20/100(固形分比)の条件を満たす艶消し塗料組成物、基材に1コートで、基材にカラーベースコート層を形成したのち、基材にプライマー層を塗装したのち、又は、基材にプライマー層を塗装しカラーベースコート層を形成したのち、該艶消し塗料組成物を用いて塗膜を形成する塗膜形成方法、並びに、上記の塗膜形成方法により塗装された塗装物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、艶消し塗料組成物、塗膜形成方法及び塗装物に関する。さらに詳しくは、本発明は、60度光沢値50以下の艶消し感を有し、擦り傷によっても光沢値が上昇することがなく、リコートされた塗膜の密着性が良好な塗膜を得ることができる艶消し塗料組成物、塗膜形成方法及び塗装物に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、自動車、オートバイ、パソコン、携帯電話などの塗装物品には、高い意匠性が必要とされている。高光沢の鏡面のような外観が求められている一方で、60度光沢値50以下の艶のない外観も求められている。従来から、塗膜の艶を消すために、艶消し材料として、微粉末シリカ又はポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ以外の樹脂ビーズを含有する艶消し塗料組成物が使用されている。
しかし、艶消し材料として、微粉末シリカ又はポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ以外の樹脂ビーズを含有する艶消し塗料組成物は、60度光沢値50以下の艶消し塗膜を容易に形成するが、艶消し塗膜が摩擦されると、その部分に艶が現れて外観がアンバランスになるという欠点を有している。また、塗膜を形成したのちに不良が見つかると、その部分をリコートして補修するが、リコートされた塗膜の密着性が低い場合がある。
このために、塗膜が摩擦されても安定して艶消し状態を保ち、外観にアンバランスを生ずることがなく、リコートされた塗膜の密着性が良好な艶消し塗料組成物、塗膜形成方法及び塗装物が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、60度光沢値50以下の艶消し感を有し、擦り傷によっても光沢値が上昇することがなく、リコートされた塗膜の密着性が良好な塗膜を得ることができる艶消し塗料組成物、塗膜形成方法及び塗装物を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ(A)、微粉末シリカ(B1)若しくはポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ以外の樹脂ビーズ(B2)及び塗膜形成樹脂(C)を特定の比率で含有する塗料組成物が、摩擦によっても光沢値が上昇することがなく、リコートされた塗膜の密着性が良好な安定した艶消し塗膜を形成することを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ(A)、微粉末シリカ(B1)若しくはポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ以外の樹脂ビーズ(B2)を含有する塗料組成物であって、塗膜形成樹脂(C)との比率が、
(B)/(C)=5/100〜50/100(固形分比)
(A)/{(B)+(C)}=0.1/100〜20/100(固形分比)
の条件を満たすことを特徴とする艶消し塗料組成物、
(ただし、式中、(B)は、(B1)と(B2)の合計量である。)、
(2)基材に、第1項記載の艶消し塗料組成物を用いて、1コートで塗膜を形成することを特徴とする塗膜形成方法、
(3)基材に、カラーベースコート層を形成したのち、第1項記載の艶消し塗料組成物を用いてトップコート層を形成することを特徴とする塗膜形成方法、
(4)基材に、プライマー層を塗装したのち、第1項記載の艶消し塗料組成物を用いて塗膜を形成することを特徴とする塗膜形成方法、
(5)基材に、プライマー層を塗装し、カラーベースコート層を形成したのち、第1項記載の艶消し塗料組成物を用いてトップコート層を形成することを特徴とする塗膜形成方法、及び、
(6)第2項、第3項、第4項又は第5項記載の塗膜形成方法により塗装されてなることを特徴とする塗装物、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の艶消し塗料組成物は、ポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ(A)、微粉末シリカ(B1)若しくはポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ以外の樹脂ビーズ(B2)を含有する塗料組成物であって、塗膜形成樹脂(C)との比率が、
(B)/(C)=5/100〜50/100(固形分比)
(A)/{(B)+(C)}=0.1/100〜20/100(固形分比)
の条件を満たす艶消し塗料組成物である。本発明組成物において、微粉末シリカ(B1)とポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ以外の樹脂ビーズ(B2)は、いずれか一方のみを用いることができ、あるいは、両者を併用することもできる。上式において、(B)は、(B1)と(B2)の合計量であり、(B1)又は(B2)を用いない場合は、その値は0となる。
本発明に用いるポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ(A)に特に制限はなく、例えば、乳化重合により得られる一次粒径が100〜200nmのディスパージョンを凝集、乾燥させたクラスター構造を有する樹脂ビーズや、あるいは、高分子量のポリテトラフルオロエチレン樹脂を不活性雰囲気下で熱分解し、低分子量化したのち粉砕処理により得られる樹脂ビーズなどを挙げることができる。本発明に用いるポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ(A)は、レーザー拡散法により測定した平均粒径が、2〜10μmであることが好ましい。このようなポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズとしては、例えば、住友スリーエム(株)から販売されている「ダイニオン(商品名)」などを用いることができる。
【0006】
本発明に用いる微粉末シリカ(B1)に特に制限はなく、例えば、乾式法、湿式法のいずれによって製造されたものも使用することができ、成分として、無水ケイ酸(SiO)の外に、含水ケイ酸カルシウム(xSiO・CaO・nHO)、含水ケイ酸アルミニウム(xSiO・Al・nHO)も使用することができる。これらの中で、乾式法により製造された通称「疎水性シリカ」と呼ばれる微粉末シリカを特に好適に用いることができる。本発明に用いる微粉末シリカは、平均粒径1〜10μmであることが好ましい。このような微粉末シリカとしては、例えば、デグサ・ヒュルス ジャパン(株)から販売されている「ACEMATT(商品名)」などを用いることができる。
本発明に用いるポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ以外の樹脂ビーズ(B2)に特に制限はなく、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂ビーズ、メチルメタクリレート−エチレングリコールジメタクリレート共重合樹脂ビーズ、ナイロン樹脂ビーズなどを挙げることができる。このようなポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ以外の樹脂ビーズとしては、例えば、積水化成品工業(株)から販売されている「テクポリマーシリーズ(商品名)」などのアクリル樹脂ビーズなどを用いることができる。
本発明において、微粉末シリカ(B1)とポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ以外の樹脂ビーズ(B2)は、艶消し塗料組成物にそれぞれを単独で使用することができ、あるいは、微粉末シリカ(B1)とポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ以外の樹脂ビーズ(B2)とを組み合わせて使用することもできる。
【0007】
本発明に用いる塗膜形成樹脂(C)に特に制限はなく、例えば、通常、塗料用として使用されるアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、繊維素系樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などを挙げることができる。これらの塗膜形成樹脂は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。本発明において、塗膜形成樹脂は、非架橋のラッカータイプとして使用することができ、あるいは、アミノ樹脂、(ブロック)ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物などの架橋形成樹脂と組み合わせて架橋硬化型樹脂として使用することもできる。
本発明の艶消し塗料組成物において、微粉末シリカ(B1)とポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ以外の樹脂ビーズ(B2)と、塗膜形成樹脂(C)の含有量の比は、(B)/(C)=5/100〜50/100(固形分比)であり、より好ましくは、10/100〜40/100(固形分比)である。(B)/(C)が5/100(固形分比)未満であると、60度光沢値が高くなって艶消し感が低下するおそれがある。(B)/(C)が50/100(固形分比)を超えると、耐屈曲性、耐衝撃性、付着強度などの塗膜性能が低下するおそれがある。
本発明の艶消し塗料組成物において、ポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ(A)、微粉末シリカ(B1)若しくはポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ以外の樹脂ビーズ(B2)、塗膜形成樹脂(C)の含有量は、(A)/{(B)+(C)}=0.1/100〜20/100(固形分比)であり、より好ましくは1/100〜10/100(固形分比)である。(A)/{(B)+(C)}が0.1/100(固形分比)未満であると、ポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ(A)の配合量が少ないために、耐擦り傷性が低下するおそれがある。(A)/{(B)+(C)}が20/100(固形分比)を超えると、塗膜を形成したのちに不良が発見され、リコートされた際の塗膜の密着性が低下するおそれがある。
【0008】
本発明の艶消し塗料組成物は、必要に応じて光輝性顔料を配合することができる。光輝性顔料としては、例えば、ノンリーフィング型アルミニウムフレーク、ニッケルフレーク、銅フレーク、チタンフレーク、ガラスフレークなどのフレーク、パールマイカ、着色パールマイカなどのマイカ粉末、シリカフレーク、アルミナフレークなどの偏光性顔料、金属、二酸化チタンなどで被覆されたガラスフレーク顔料、着色アルミニウムフレーク顔料、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、微粒子酸化チタン顔料、板状酸化鉄などを挙げることができる。
本発明の艶消し塗料組成物は、必要に応じて、その他の着色顔料、各種添加剤などを配合することができる。着色顔料としては、例えば、アゾレーキ系顔料、フタロシアニン顔料、インジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料などの有機系顔料、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、二酸化チタンなどの無機系顔料などを挙げることができる。着色顔料の添加量に特に制限はなく、シェード部から見た場合の白ボケ抑制の効果を妨げない限り、任意に設定することができる。添加剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール、蓚酸アニリド系などの紫外線吸収剤、ベンゾフェノール系などの酸化防止剤、シリコーン系などのレベリング剤、ワックス、有機ベントナイトなどの粘性制御剤、硬化触媒などを挙げることができる。
本発明の艶消し塗料組成物は、有機溶剤に溶解して使用することが好ましい。使用する有機溶剤に特に制限はなく、例えば、芳香族炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤などを挙げることができる。これらの有機溶剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0009】
本発明の塗膜形成方法の第一の態様においては、本発明の艶消し塗料組成物を用いて、基材に1コートで塗膜を形成する。本発明の艶消し塗料組成物は隠蔽力が大きいので、1コートにより良好な塗膜を形成することができる。
本発明の塗膜形成方法の第二の態様においては、基材にカラーベースコート層を形成したのち、本発明の艶消し塗料組成物を用いてトップコート層を形成する。基材にカラーベースコート層を形成したのち、艶消し塗料組成物を用いてトップコート層を形成することにより、より耐擦り傷性や耐候性に優れ、また、顔料との併用により、より高彩度の艶消し塗膜を形成することができる。
本発明の塗膜形成方法の第三の態様においては、基材にプライマー層を塗装したのち、本発明の艶消し塗料組成物を用いて塗膜を形成する。基材にプライマー層を塗装したのち艶消し塗料組成物を用いて塗膜を形成することにより、艶消し塗料組成物の塗膜の基材への密着性を高めることができる。
本発明の塗膜形成方法の第四の態様においては、基材にプライマー層を塗装し、カラーベースコート層を形成したのち、本発明の艶消し塗料層を用いてトップコート層を形成する。基材にプライマー層を塗装し、カラーベースコート層を形成したのち、艶消し塗料層を用いてトップコート層を形成することにより、カラーベースコート層の基材への密着性を高めるとともに、より耐擦り傷性や耐候性に優れ、また、顔料との併用により、より高彩度の艶消し塗膜を形成することができる。
本発明の塗膜形成方法において、塗装方式に特に制限はなく、例えば、霧化式塗装機を用い、エアスプレー方式、エアレススプレー方式、静電方式などにより塗装することができる。
本発明方法により塗装される被塗物に特に制限はなく、例えば、鉄、アルミニウム、マグネシウム又はこれらの合金を含む金属類、ガラス、コンクリートなどの無機材料、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリエステル、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などの樹脂成形品、各種のガラス繊維強化プラスチックなどのプラスチック材料、木材、紙などを挙げることができる。これら被塗物には、必要に応じて、予め適宜なプライマーやプレコート処理を施すことができる。
【0010】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、試験板の評価は、下記の方法により行った。
(1)60度光沢値
JIS K 5400 7.6にしたがって測定する。
(2)耐擦り傷性
RUBBING TESTER[大平理化工業(株)]を用い、塗膜と接触する箇所に皮を当て、荷重1kg、1000往復の条件にて試験を行い、試験後の60度光沢値を測定する。
(3)リコート密着性
リコート密着試験板の塗膜に、JIS K 5400 8.5に準じて、カッターナイフにて素地に達するようにカット線を入れ、1mm×1mmの正方形100個を描き、その表面にセロハンテープを貼り付け、それを急激に剥離したのち、剥離した碁盤目塗膜数を数える。
【0011】
実施例1
ポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ[住友スリーエム(株)、ダイニオンTF9205]2質量部、微粉末シリカ[デグサ・ヒュルス ジャパン(株)、ACEMATT OK412]9質量部、アクリル樹脂[大日本インキ化学工業(株)、アクリディックA−190、加熱残分50質量%]60質量部を順次加えて撹拌し、均一に混合した。次に、ポリイソシアネート化合物[住化バイエルウレタン(株)、スミジュールN−75、加熱残分75質量%]10質量部を加え、さらにキシレン/酢酸イソブチル(質量比50/50)混合溶剤19質量部を加えて撹拌し、艶消し塗料組成物を調製した。
アクリルウレタン樹脂系塗料[日本油脂BASFコーティングス(株)、ハイウレタンNo.5000黒ソリッド、加熱残分44質量%」100質量部を、キシレン/酢酸イソブチル(質量比50/50)混合溶剤50質量部で希釈し、ベースコート用塗料を調製した。
寸法7cm×12cm、厚さ3mmのABS基材試験片[日本A&L(株)、クララスチックMVF]を、をイソプロピルアルコールを用いて脱脂し、被塗物とした。この被塗物に、ベースコート用塗料を乾燥膜厚20μmとなるようにエアスプレーで塗装し、室温にて10分間放置した。次いで、艶消し塗料組成物をトップコートとして乾燥膜厚25μmとなるようにエアスプレーで塗装し、室温にて10分間放置したのち、75℃で30分間焼き付け、試験板を得た。この試験板の60度光沢値は3であり、耐擦り傷性試験後の60度光沢値は4であった。
上記の試験板に、さらにベースコート用塗料を乾燥膜厚20μmとなるようにエアスプレーで塗装し、室温にて10分間放置した。次いで、希釈した艶消し塗料組成物を、トップコートとして乾燥膜厚25μmとなるようにエアスプレーで塗装し、室温にて10分間放置したのち、75℃で30分間焼き付けた。リコート密着性試験において、碁盤目塗膜の剥離は生じなかった。
実施例2
微粉末シリカ9質量部の代わりに、アクリル樹脂ビーズ[積水化成品工業(株)、テクポリマーMBX8]18質量部を加え、キシレン/酢酸イソブチル(質量比50/50)混合溶剤の添加量を10質量部とした以外は、実施例1と同様にして、艶消し塗料組成物を調製した。
この艶消し塗料組成物を用い、実施例1と同様にして試験板を作製し、評価を行った。60度光沢値は3であり、耐擦り傷性試験によっても60度光沢値は変化せず、リコート密着性試験において碁盤目塗膜の剥離は生じなかった。
実施例3〜4
第1表に示す配合組成により、実施例1と同様にして艶消し塗料組成物を調製し、試験板を作製して評価を行った。
【0012】
比較例1
微粉末シリカ[デグサ・ヒュルス ジャパン(株)、ACEMATT OK412]4質量部、アクリル樹脂ビーズ[積水化成品工業(株)、テクポリマーMBX8]8質量部、アクリル樹脂[大日本インキ化学工業(株)、アクリディックA−190、加熱残分50質量%]60質量部を順次加えて撹拌し、均一に混合した。次に、ポリイソシアネート化合物[住化バイエルウレタン(株)、スミジュールN−75、加熱残分75質量%]10質量部を加え、さらにキシレン/酢酸イソブチル(質量比50/50)混合溶剤18質量部を加えて撹拌し、艶消し塗料組成物を調製した。
この艶消し塗料組成物を用い、実施例1と同様にして試験板を作製し、評価を行った。60度光沢値は5であり、耐擦り傷性試験によって60度光沢値は20に上昇した。リコート密着性試験において、碁盤目塗膜の剥離は生じなかった。
比較例2
第1表に示す配合組成により、実施例1と同様にして艶消し塗料組成物を調製し、試験板を作製して評価を行った。
比較例3
ポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ[住友スリーエム(株)、ダイニオンTF9205]の添加量を10質量部、キシレン/酢酸イソブチル(質量比50/50)混合溶剤の添加量を11質量部とした以外は、実施例1と同様にして、艶消し塗料組成物を調製した。
この艶消し塗料組成物を用い、実施例1と同様にして試験板を作製し、評価を行った。60度光沢値は2であり、耐擦り傷性試験によっても60度光沢値は変化しなかった。リコート密着性試験において、碁盤目塗膜100個すべてが剥離した。
比較例4〜5
第1表に示す配合組成により、実施例1と同様にして艶消し塗料組成物を調製し、試験板を作製して評価を行った。
実施例1〜4の結果を第1表に、比較例1〜5の結果を第2表に示す。
【0013】
【表1】
Figure 2004018774
【0014】
【表2】
Figure 2004018774
【0015】
[注]
1)PTFE樹脂ビーズ:住友スリーエム(株)、ダイニオンTF9205、ポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ。
2)微粉末シリカ:デグサ・ヒュルス ジャパン(株)、ACEMATT OK412。
3)アクリル樹脂ビーズ:積水化成品工業(株)、テクポリマーMBX8。
4)アクリル樹脂:大日本インキ化学工業(株)、アクリディックA−190、加熱残分50質量%。
5)ポリイソシアネート化合物:住化バイエルウレタン(株)、スミジュールN−75、加熱残分75質量%。
6)キシレン/酢酸イソブチル:混合溶剤、質量比50/50。
第1表に見られるように、実施例1〜4の塗膜は、60度光沢値50以下の優れた艶消し感を有し、擦り傷により光沢が上昇することがなく、リコートされた塗膜の密着性も良好である。これに対して、ポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズの配合量の少ない比較例1〜2の塗膜は、耐擦り傷性に劣り、ポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズの配合量が多すぎる比較例3〜4の塗膜は、リコートされた塗膜の密着性が不十分であり、微粉末シリカの配合量が少ない比較例5の塗膜は、艶消し感が出ない。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、60度光沢値50以下の艶消し感を有し、擦り傷により光沢が上昇することがなく、リコートされた塗膜の密着性が良好な艶消し塗膜を得ることができる。

Claims (6)

  1. ポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ(A)、微粉末シリカ(B1)若しくはポリテトラフルオロエチレン樹脂ビーズ以外の樹脂ビーズ(B2)を含有する塗料組成物であって、塗膜形成樹脂(C)との比率が、
    (B)/(C)=5/100〜50/100(固形分比)
    (A)/{(B)+(C)}=0.1/100〜20/100(固形分比)
    の条件を満たすことを特徴とする艶消し塗料組成物。
    (ただし、式中、(B)は、(B1)と(B2)の合計量である。)
  2. 基材に、請求項1記載の艶消し塗料組成物を用いて、1コートで塗膜を形成することを特徴とする塗膜形成方法。
  3. 基材に、カラーベースコート層を形成したのち、請求項1記載の艶消し塗料組成物を用いてトップコート層を形成することを特徴とする塗膜形成方法。
  4. 基材に、プライマー層を塗装したのち、請求項1記載の艶消し塗料組成物を用いて塗膜を形成することを特徴とする塗膜形成方法。
  5. 基材に、プライマー層を塗装し、カラーベースコート層を形成したのち、請求項1記載の艶消し塗料組成物を用いてトップコート層を形成することを特徴とする塗膜形成方法。
  6. 請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5記載の塗膜形成方法により塗装されてなることを特徴とする塗装物。
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