JP2002201421A - 真珠光沢塗膜形成方法および塗装物 - Google Patents

真珠光沢塗膜形成方法および塗装物

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JP2002201421A
JP2002201421A JP2000400751A JP2000400751A JP2002201421A JP 2002201421 A JP2002201421 A JP 2002201421A JP 2000400751 A JP2000400751 A JP 2000400751A JP 2000400751 A JP2000400751 A JP 2000400751A JP 2002201421 A JP2002201421 A JP 2002201421A
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coating film
pigment
forming
color base
interference
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JP2000400751A
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Shinichi Masuko
伸一 益子
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光の入射する方向に対して直角であるイライト
部と光の入射する方向に対して斜めであるシェード部と
の色相変化境界部が、緩やかに変化して見える真珠光沢
を発現する真珠光沢塗膜形成方法およびこの方法により
得られる塗装物を提供すること。 【解決手段】基材に、L値が65〜100のカラーベー
ス塗膜層を形成した後、上記カラーベース塗膜層上に干
渉性顔料を含有した干渉クリヤーコート層を形成し、さ
らにその上に艶消し剤を含む艶消しトップクリヤーコー
ト層を形成する真珠光沢塗膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真珠光沢塗膜形成
方法およびこの方法により得られる塗装物に関する。
【0002】
【従来の技術】光輝性顔料を使用した光輝性塗膜は、意
匠感に優れた外観を与えるため、従来から自動車外板等
の塗装に使用されており、種々の塗膜形成方法が提案さ
れている。上記光輝性塗膜の上には、通常、艶を有する
クリヤー塗膜をトップコート層として形成する。
【0003】特開平8−38004号公報には、物品に
光輝性装飾層を形成し、その上に半透明の保護層を形成
することが記載されている。この半透明保護層が形成さ
れた塗膜は、艶を有する塗膜に比べて落ち着いた雰囲気
の意匠である。しかしながら独特の意匠性を発現するに
は至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光の
入射する方向に対して直角であるハイライト部と光の入
射する方向に対して斜めであるシェード部との色相変化
境界部が、緩やかに変化して見える意匠(以下、「真珠
光沢」という。)を発現する塗膜を得ることができる真
珠光沢塗膜形成方法およびこの方法により得られる塗装
物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上述の課題
に鑑み鋭意研究した結果、本発明に至った。 1.基材に、L値が65〜100のカラーベース塗膜層
を形成した後、上記カラーベース塗膜層上に干渉性顔料
を含有した干渉クリヤーコート層を形成し、さらにその
上に艶消し剤を含む艶消しトップクリヤーコート層を形
成する真珠光沢塗膜形成方法。 2.上記カラーベース塗膜層のL値が80〜100であ
る上記の真珠光沢塗膜形成方法。 3.上記艶消し剤が、樹脂微粒子および/または無機微
粒子である上記の真珠光沢塗膜形成方法。 4.上記艶消しトップクリヤーコート層中の艶消し剤の
量が、1〜50質量%である上記の真珠光沢塗膜形成方
法。 5.上記干渉性顔料が、マイカ顔料、金属酸化物被覆ア
ルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔
料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、チタンフレー
ク顔料、ホログラム顔料からなる群より選ばれた少なく
とも一種の顔料である上記の真珠光沢塗膜形成方法。 6.上記の真珠光沢塗膜形成方法により得られる塗装
物。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述
する。
【0007】真珠光沢塗膜形成方法 本発明の真珠光沢塗膜形成方法は、基材に、L値が65
〜100のカラーベース塗膜層を形成した後、上記カラ
ーベース塗膜層上に干渉性顔料を含有した干渉クリヤー
コート層を形成し、さらにその上に艶消し剤を含む艶消
しトップクリヤーコート層を形成するものである。
【0008】基材 上記基材としては、鉄、アルミニウム、銅またはこれら
の合金等の金属類;ガラス、セメント、コンクリート等
の無機材料;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、
アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類や各
種のFRP等のプラスチック材料;木材、繊維材料
(紙、布等)等の天然または合成材料等並びにこれらの
加工品が挙げられる。
【0009】本発明の塗膜形成方法では、上記基材に直
接または下地塗膜を介して、まずL値が65〜100の
カラーベース塗膜層を形成する。塗装物が自動車車体ま
たは自動車部品等の場合は、予め上記基材に脱脂や化成
処理による下地処理や、電着塗装または各種プライマー
塗装等による、下地塗装を施しておくのが好ましい。
【0010】カラーベース塗膜層 本発明の真珠光沢塗膜形成方法では、まずカラーベース
塗膜層を形成する。このカラーベース塗膜層は、L値が
65〜100、好ましくはL値が80〜100の高明度
色域である。このことが、真珠光沢を発現するポイント
となるため、L値が65未満では真珠光沢を発現できな
い。またL値100は、明度表示としての上限値であ
る。ここで、L値とはJIS Z8722に規定する三
刺激値X,Y,Zから求められるハンターの色差式にお
ける明度指数を意味する。色差は、分光測色計(例え
ば、SMコンピューター、スガ試験機社製)によって測
定することができる。
【0011】上記カラーベース塗膜層の乾燥膜厚は、1
0〜100μmが好ましい。10μm未満では、下地を
隠蔽し難く、100μmを超えると塗膜外観不良を生じ
る恐れがある。より好ましくは20〜50μmである。
【0012】上記カラーベース塗膜層の形成は、カラー
ベース塗料を先の基材に塗布することにより行われる。
塗膜を形成する方法は特に限定されないが、カラーベー
ス塗料が液体の場合にはスプレー法、ロールコーター法
等が、粉体の場合には静電塗装が好ましい。また、カラ
ーベース塗膜層形成後、焼き付けを行っても行わなくて
もよい。行う場合には80〜160℃で所定時間焼き付
けることにより、塗膜を得ることができる。
【0013】上記カラーベース塗膜層の形成に用いられ
るカラーベース塗料は、着色顔料および/または光輝性
顔料をヒビクル中に分散したものである。このカラーベ
ース塗料を用いて得られる塗膜層のL値が65〜100
となるように、着色顔料および/または光輝性顔料の種
類および量を選択する。
【0014】上記着色顔料としては、従来から塗料用と
して常用されている有機顔料や無機顔料を挙げることが
できる。例えば、有機顔料としては、アゾレーキ系顔
料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン
系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キ
ナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体
顔料等が挙げられ、また、無機顔料としては、黄色酸化
鉄、ベンガラ、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙
げられる。一方、上記光輝性顔料としては、従来から塗
料用として常用されている各種フレーク顔料、メタリッ
ク顔料等を挙げられる。
【0015】上記着色顔料と光輝性顔料とを合計した塗
料中の含有量(塗料固形分100質量部に対する顔料の
固形分質量割合:PWC)は、70%未満が好ましく、
50%未満がより好ましい。70%を超えると塗膜外観
が低下する。またタルク、炭酸カルシウム、沈降性硫酸
バリウム、シリカ等の各種体質顔料等を併用することが
できる。
【0016】上記カラーベース塗料に含まれるヒビクル
を構成する塗膜形成樹脂としては、(a)アクリル樹
脂、(b)ポリエステル樹脂、(c)アルキド樹脂、
(d)フッ素樹脂、(e)エポキシ樹脂、(f)ポリウ
レタン樹脂、(g)ポリエーテル樹脂等が挙げられ、こ
れらは、単独または2種以上を組み合わせて使用するこ
とができ、好ましくはアクリル樹脂またはポリエステル
樹脂である。
【0017】上記(a)アクリル樹脂としては、アクリ
ル系モノマーと他のエチレン性不飽和モノマーとの共重
合体を挙げることができる。上記共重合に使用し得るア
クリル系モノマーとしては、アクリル酸またはメタクリ
ル酸のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブ
チル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、フ
ェニル、ベンジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロ
キシプロピル等のエステル化物類、アクリル酸またはメ
タクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトンの開
環付加物類、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリ
シジル、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−
メチロールアクリルアミド、多価アルコールの(メタ)
アクリル酸エステル類などがある。これらと共重合可能
な上記他のエチレン性不飽和モノマーとしては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、イタコン酸、マレイン酸、酢
酸ビニルなどがある。
【0018】上記(b)ポリエステル樹脂としては、飽
和ポリエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂等が挙げ
られ、例えば、多塩基酸と多価アルコールを加熱縮合し
て得られた縮合物が挙げられる。多塩基酸としては、例
えば、無水フタル酸、テレフタル酸、コハク酸等の飽和
多塩基酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等の
不飽和多塩基酸等が挙げられる。多価アルコールとして
は、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル等の二価アルコール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン等の三価アルコール等が挙げられる。また、上記
塗膜形成用樹脂には、硬化性を有するタイプとラッカー
タイプがあるが、通常硬化性を有するタイプのものが使
用される。
【0019】硬化性を有するタイプの場合には、アミノ
樹脂、(ブロック)ポリイソシアネート化合物、アミン
系、ポリアミド系、イミダゾール類、イミダゾリン類、
多価カルボン酸等の架橋剤と混合して使用され、加熱ま
たは常温で硬化反応を進行させることができる。また、
硬化性を有しないラッカータイプの塗膜形成用樹脂を、
硬化性を有するタイプと併用することも可能である。
【0020】上記ビヒクルが架橋剤を含む場合、塗膜形
成用樹脂と架橋剤との割合としては、固形分換算で塗膜
形成用樹脂が90〜50質量%、架橋剤が10〜50質
量%であり、好ましくは塗膜形成用樹脂が85〜60質
量%であり、架橋剤が15〜40質量%である。架橋剤
が10質量%未満では(塗膜形成用樹脂が90質量%を
超えると)、塗膜中の架橋が十分でない。一方、架橋剤
が50質量%を超えると(塗膜形成用樹脂が50質量%
未満では)、塗料の貯蔵安定性が低下するとともに硬化
速度が大きくなるため、塗膜外観が悪くなる。
【0021】上記カラーベース塗料は、上記成分の他
に、脂肪族アミドの潤滑分散体であるポリアミドワック
スや酸化ポリエチレンを主体としたコロイド状分散体で
あるポリエチレンワックス、沈降防止剤、硬化触媒、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、シリコーンや
有機高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡
剤、滑剤、架橋性重合体粒子(ミクロゲル)等を適宜添
加して含有することができる。これらの添加剤は、通
常、上記ビヒクル100質量部(固形分基準)に対して
例えば、それぞれ15質量部以下の割合で配合すること
により、塗料や塗膜の性能を改善することができる。
【0022】上記カラーベース塗料は、有機溶剤型、水
性または粉体型いずれの形態であってもよい。上記カラ
ーベース塗料が有機溶剤型または水性の場合、上記構成
成分を、通常、溶剤成分に溶解または分散した態様で提
供される。溶剤成分としては、ビヒクルを溶解または分
散するものであればよく、有機溶剤および/または水を
使用し得る。有機溶剤としては、塗料分野において常用
されているものを挙げることができる。例えば、トルエ
ン、キシレン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチル
ケトン等のケトン類、酢酸エチル、セロソルブアセテー
ト、ブチルセロソルブ等のエステル類、アルコール類等
を例示できる。環境面の観点から有機溶剤の使用が規制
されている場合には、水を用いることが好ましい。この
場合、適量の親水性有機溶剤を含有させてもよい。
【0023】干渉クリヤーコート層 本発明の真珠光沢塗膜形成方法では、上記カラーベース
塗膜層を形成した後、焼き付けを行わない場合にはウェ
ットオンウェット法、または焼き付けを行った場合には
ウェットオンドライ法により、干渉性顔料を含有した干
渉クリヤーコート層を形成する。上記干渉クリヤーコー
ト層は、干渉性顔料およびビヒクルを含有する干渉性ク
リヤー塗料により形成される。この塗膜を形成する方法
および焼き付けについては特に限定されず、先のカラー
ベース塗料のところで説明した内容が適用される。
【0024】上記干渉クリヤーコート層の乾燥膜厚は、
10〜50μmが好ましい。10μm未満では、真珠光
沢を発現し難く、50μmを超えると塗膜外観不良を生
じる恐れがある。より好ましくは10〜30μmであ
る。
【0025】上記干渉性クリヤー塗料に含まれる干渉性
顔料としては、マイカ顔料、金属酸化物被覆アルミナフ
レーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、金属
酸化物被覆ガラスフレーク顔料、チタンフレーク顔料、
ホログラム顔料より選ばれた少なくとも一種の顔料を用
いることができる。好ましくはマイカ顔料が用いられ
る。このようなマイカ顔料としては、天然の白雲母や合
成雲母の表面に二酸化チタン、酸化鉄その他クロム、コ
バルト、錫、ジルコニウム等の金属酸化物の薄膜をコー
ティングして発色効果を付与したパールマイカ顔料であ
って、粒径範囲が1〜60μm 、好ましくは1〜40
μm で、平均粒径15〜25μm の鱗片状粒子を挙げ
ることができる。上記マイカ顔料の干渉色は、被覆する
金属酸化物の種類・量(被覆厚)を変化させることで、
調整することができる。
【0026】上記干渉性顔料の干渉性クリヤー塗料中の
含有量(PWC)は、好ましくは0.1〜30%、より
好ましくは0.5〜15%含有する。0.1%を真珠光
沢の発現が十分に得られない恐れがあり、30%を超え
ると塗膜外観が低下する恐れがある。
【0027】なお、上記干渉性クリヤー塗料に含まれる
ビヒクルは、上記カラーベース塗料のところで説明した
ものを用いることができる。
【0028】上記干渉性クリヤー塗料においては、透明
性を損なわない範囲で、上記の着色顔料を含有すること
ができる。また炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレ
ー、タルクなどの各種体質顔料等を併用することができ
る。
【0029】上記干渉性クリヤー塗料は、有機溶剤型、
水性または粉体型いずれの形態であってもよい。有機溶
剤型および水性塗料は、一液型であってもよいし、二液
型ウレタン樹脂塗料等のような二液型であってもよい。
【0030】艶消しトップクリヤーコート層 本発明の真珠光沢塗膜形成方法では、上記干渉クリヤー
コート層を形成した後、その上に焼き付けを行わない場
合にはウェットオンウェット法、または焼き付けを行っ
た場合にはウェットオンドライ法により、艶消し剤を含
む艶消しトップクリヤーコート層を少なくとも1層形成
する。
【0031】上記艶消しトップクリヤーコート層は、艶
消し剤を含むトップクリヤーコート塗料により形成され
る。この塗膜を形成する方法および焼き付けについては
特に限定されず、先のカラーベース塗料のところで説明
した内容が適用される。
【0032】上記艶消しトップクリヤーコート層の乾燥
膜厚は、20〜50μmが好ましい。20μm未満で
は、真珠光沢を発現し難く、50μmを超えると塗膜外
観不良を生じる恐れがある。より好ましくは25〜45
μmである。
【0033】艶消しトップクリヤーコート塗料に用いる
艶消し剤としては、各種の艶消し剤を用いることができ
るが、樹脂微粒子または無機微粒子であることが好まし
い。上記樹脂微粒子としては、アクリル樹脂、ポリアク
リロニトリル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド
等が挙げられる。樹脂微粒子の平均粒径は10〜25μ
mが好ましい。10μm未満であると真珠光沢発現の効
果が不十分であり、触感が滑らかになり過ぎる。また2
5μmを超えると艶消しクリヤートップ塗膜の表面凹凸
が荒くなり、ざらつきの大きな触感を与える。
【0034】上記無機微粒子としてはシリカ微粉末、ク
レー、タルク、雲母等が挙げられる。無機微粒子の平均
粒径は1〜5μmが好ましい。1μm未満であると真珠
光沢発現の効果が不十分であり、触感が滑らかになり過
ぎる。また5μmを超えると艶消しクリヤートップ塗膜
の表面凹凸が荒くなり、触感もざらつきが大きくなる。
上記樹脂微粒子、無機微粒子は併用してもよいし、それ
ぞれ単独で使用してもよい。樹脂微粒子と無機微粒子と
を併用すると、柔らかな雰囲気の真珠光沢を発現する複
合塗膜を形成することが可能となる。そのときの質量配
合比は、樹脂微粒子1に対して無機粒子0.001〜1
00が好ましく、0.1〜10がより好ましい。
【0035】また、数種類の樹脂微粒子や無機微粒子を
併用することも意匠の上で効果的である。上記艶消し剤
の含有量(塗料固形分100質量部に対する艶消し剤の
固形分質量割合:PWC)は、1〜50%が好ましい。
1%未満であると、真珠光沢の発現効果が得られない恐
れがあり、また50%を超えると、塗膜の強度が不十分
となる恐れがある。より好ましくは、2〜40%であ
る。
【0036】上記艶消し剤を含む艶消しトップクリヤー
塗料は、ビヒクルを含んでいる。このビヒクルとして
は、上記カラーベース塗料のところで説明したビヒクル
を用いることができる。また特公平8−19315号公
報に記載されたカルボキシル基含有ポリマーとエポキシ
基含有ポリマーとを組み合わせたものが、耐酸性雨対策
およびウェットオンウェット法で塗装した際に、下層塗
膜層の干渉性顔料の配向を乱さないという観点から好ま
しく用いられる。
【0037】また、上記艶消しトップクリヤー塗料は、
必要に応じて上記の着色顔料、体質顔料、改質剤、紫外
線吸収剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤等の添加剤を
配合することが可能である。
【0038】また上記艶消しトップクリヤー塗料は、有
機溶剤型、水性または粉体型いずれの形態であってもよ
い。有機溶剤型および水性塗料としては、一液型であっ
てもよいし、二液型ウレタン樹脂塗料等のような二液型
であってもよい。なお先の干渉クリヤーコート層中に干
渉性顔料が多く含まれる場合や、粒径の大きい干渉性顔
料が含まれる場合には、上記艶消しトップクリヤーコー
ト層を2層以上形成すると、真珠光沢効果を向上させる
ことができる。上記艶消しトップクリヤーコート層を2
層以上形成する場合、最表層には、上記カルボキシル基
含有ポリマーとエポキシ基含有ポリマーとを含有する艶
消しクリヤー塗料により、艶消しトップクリヤーコート
層が形成されることが、上記と同じ理由で好ましい。
【0039】塗装物 本発明の塗装物は、先の真珠光沢塗膜形成方法によって
得られる。この塗装物は、基材上に、L値が65〜10
0のカラーベース塗膜層、その上に干渉性顔料を含有し
た干渉クリヤーコート層、さらにその上に艶消しトップ
クリヤーコート層が形成されている。
【0040】上記カラーベース塗膜層の乾燥膜厚は、1
0〜100μmが好ましく、20〜50μmがより好ま
しい。上記干渉クリヤーコート層の乾燥膜厚は、10〜
50μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
上記艶消しトップクリヤーコート層の乾燥膜厚は、20
〜50μmが好ましく、25〜45μmがより好まし
い。
【0041】上記塗装物上には複層塗膜が形成されてい
る。ここで、艶消し剤を含む艶消しトップクリヤーコー
ト層は、下層の塗膜層を隠蔽しない層であり、上記カラ
ーベース塗膜層および干渉クリヤーコート層との複合効
果として、これら3層からなる複層塗膜が真珠光沢を発
現する。
【0042】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例を挙げて
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
のみ限定されるものではない。なお、配合量は特に断り
のないかぎり質量部を表す。
【0043】実施例1〜13、比較例1〜3 基材の調製 ダル鋼板(長さ300mm、幅100mmおよび厚さ
0.8mm)を燐酸亜鉛処理剤(「サーフダインSD2
000」、日本ペイント社製)を使用して化成処理した
後、カチオン電着塗料(「パワートップU−50」、日
本ペイント社製)を乾燥膜厚が25μmとなるように電
着塗装した。次いで、160℃で30分間焼き付け、基
材とした。
【0044】塗膜形成方法 上記基材に、乾燥膜厚が30μmとなるように以下に示
すカラーベース塗料を表1に示す組み合わせでエアース
プレー塗装し、140℃で30分間焼き付けてカラーベ
ース塗膜層を形成した。塗装は静電塗装機(「Auto
REA」、ABBインダストリー社製)を用い、霧化
圧2.8kg/cm2で行った。その後、干渉性クリヤ
ー塗料A(干渉マイカ顔料:「イリオジン7225WI
I(ブルー)、メルク社製」を乾燥塗膜中に10質量%
含有するアクリルメラミン樹脂系クリヤー塗料)または
干渉性クリヤー塗料B(酸化チタン被覆シリカフレーク
顔料:「Xirallic T−60−23WIII
(ブルー)、メルク社製」を乾燥塗膜中に10質量%含
有するアクリルメラミン樹脂系クリヤー塗料)を乾燥膜
厚が15μmとなるようにエアースプレー塗装し、塗装
後3分間セッティングし、下記に示したクリヤー塗料に
表1に示す種類および量の艶消し剤を添加して得られた
艶消しトップクリヤー塗料を乾燥膜厚が35μmになる
ように塗装し、室温で10分間セッティングし、140
℃の温度で30分間焼き付けた。得られた塗膜の真珠光
沢の発現効果を下記評価方法で評価し結果を表1に示し
た。
【0045】カラーベース塗料 カラーベース塗料1:アクリル/メラミン樹脂系カラー
ベース塗料(「オルガS−90シーラーホワイト」、日
本ペイント社製、L値:95) カラーベース塗料2:アクリル/メラミン樹脂系カラー
ベース塗料(「オルガS−90ライトグレー」、日本ペ
イント社製、L値:85) カラーベース塗料3:アクリル/メラミン樹脂系カラー
ベース塗料(「オルガS−90シーラーグレー」、日本
ペイント社製、L値:70) カラーベース塗料4:アクリル/メラミン樹脂系カラー
ベース塗料(「オルガS−90シーラーダークグレ
ー」、日本ペイント社製、L値:40)、比較例用 L値:JIS Z 8722に規定する三刺激値X、Y、
Zから求められるハンターの色差式における明度指数で
ある。
【0046】クリヤー塗料 クリヤー塗料1:アクリル/メラミン樹脂系(商品名:
「スーパーラックO−130クリヤー」、日本ペイント
社製)、 クリヤー塗料2:カルボキシル基含有ポリマーおよびエ
ポキシ基含有ポリマー系(「マックフローO−520ク
リヤー」、日本ペイント社製)
【0047】艶消し剤 艶消し剤1:アクリル樹脂、艶消し剤2:ポリウレタ
ン、艶消し剤3:シリカ微粉末、艶消し剤4:クレー、
艶消し剤5:タルク
【0048】評価方法 真珠光沢:上記で得られた各塗膜をほぼ真上から見た場
合(A)と、試験片に対する俯瞰角度15度程度で見た
場合(B)との境界部の色相変化の見え方を目視で評価
した。 3…(A)と(B)との境界部の色相変化が、緩やかに
変化するもの 2…(A)と(B)との境界部の色相変化が、やや緩や
かに変化するもの 1…(A)と(B)との境界部の色相変化が、急激に緩
やかに変化するもの
【0049】
【表1】
【0050】表1の結果から明らかのように、本実施例
は、本発明の真珠光沢塗膜形成方法により塗膜を形成し
たもので、真珠光沢を発現する塗装物が得られた。一
方、比較例では、真珠光沢が得られない結果となった。
【0051】
【発明の効果】以上のように、基材に、L値が65〜1
00のカラーベースコート層を形成した後、干渉性顔料
を含有した干渉クリヤーコート層を形成し、次いで艶消
し剤を含む艶消しトップクリヤーコート層を形成するこ
とにより、真珠光沢の意匠を呈する光輝性塗膜の提供を
可能にした。
【0052】また、本発明により得られる塗膜は、真珠
光沢を呈するため、自動車、二輪車等の乗物外板、容器
外面、コイルコーティング、家電製品、通信製品等の意
匠性が要求される塗装物において好ましく使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/36 C09D 5/36 Fターム(参考) 4D075 CB15 DB01 DB11 DB18 DB20 DB21 DB31 DB61 EA05 EA19 EA43 EB16 EB22 EB32 EB33 EB35 EB36 EB37 EB38 EB45 EC01 EC10 EC11 EC37 EC45 EC54 4J038 CD091 CG002 CG141 CG162 DB001 DD001 DD121 DD181 DF001 DG001 DG002 DH002 DJ022 GA03 GA06 GA07 GA09 HA026 HA066 HA216 HA446 HA546 JB26 JB32 JB35 KA08 KA12 KA15 KA20 MA07 MA08 MA10 NA01 PA07 PA19 PB04 PB07 PB09 PB11 PC02 PC04 PC06 PC08 PC10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材に、L値が65〜100のカラーベー
    ス塗膜層を形成した後、前記カラーベース塗膜層上に干
    渉性顔料を含有した干渉クリヤーコート層を形成し、さ
    らにその上に艶消し剤を含む艶消しトップクリヤーコー
    ト層を形成する真珠光沢塗膜形成方法。
  2. 【請求項2】前記カラーベース塗膜層のL値が80〜1
    00である請求項1記載の真珠光沢塗膜形成方法。
  3. 【請求項3】前記艶消し剤が、樹脂微粒子および/また
    は無機微粒子である請求項1または2記載の真珠光沢塗
    膜形成方法。
  4. 【請求項4】前記艶消しトップクリヤーコート層中の艶
    消し剤の量が、1〜50質量%である請求項1から3い
    ずれか1項記載の真珠光沢塗膜形成方法。
  5. 【請求項5】前記干渉性顔料が、マイカ顔料、金属酸化
    物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフ
    レーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、チタ
    ンフレーク顔料、ホログラム顔料からなる群より選ばれ
    た少なくとも一種の顔料である請求項1から4いずれか
    1項記載の真珠光沢塗膜形成方法。
  6. 【請求項6】請求項1から5いずれか1項記載の真珠光
    沢塗膜形成方法により得られる塗装物。
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