JP2002192067A - 光輝性塗膜形成方法および塗装物 - Google Patents

光輝性塗膜形成方法および塗装物

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JP2002192067A
JP2002192067A JP2000400754A JP2000400754A JP2002192067A JP 2002192067 A JP2002192067 A JP 2002192067A JP 2000400754 A JP2000400754 A JP 2000400754A JP 2000400754 A JP2000400754 A JP 2000400754A JP 2002192067 A JP2002192067 A JP 2002192067A
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coating layer
forming
hue
color
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JP2000400754A
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English (en)
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Kenji Maruou
健志 丸王
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カラーベース塗膜層の明度に拘わらず、被塗基
材の塗膜面をほぼ真正面(ハイライト部)から見たとき
と、斜め(シェード部)から見たときとで異なる発色を
呈する意匠を強く発現する、2色性の光輝感を有する光
輝性塗膜を形成することができる光輝性塗膜形成方法お
よび塗装物を提供すること。 【解決手段】基材に、カラーベース塗膜層を形成した
後、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料を含有する光輝
性塗膜層を形成し、さらに上記光輝性塗膜層上にトップ
クリヤー塗膜層を形成する方法において、上記金属酸化
物被覆シリカフレーク顔料のハイライト部における干渉
色をマンセル表示系における色相0とし、マンセル色相
環100に対し、左廻り+50、右廻り−50で表示し
た際に、上記カラーベース塗膜層の色相が、+20〜+
50、または−20〜−50の色相範囲にある光輝性塗
膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光輝性塗膜形成方
法およびこの方法により塗装された塗装物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車車体などの高い意匠性が必要とさ
れる分野においては、光輝性材料を含有する光輝性塗料
を用いた塗膜が必要とされており、このような光輝性材
料の1つとして、金属酸化物で被覆されたマイカ顔料が
知られている。この金属酸化物で被覆されたマイカ顔料
は、金属酸化物の被覆厚を変えることにより、所望の干
渉色が得られ、これを塗料に用いることで真珠光沢を呈
する塗膜が得られる。しかしながら、上記金属酸化物で
被覆されたマイカ顔料を含む光輝性塗膜は、見る角度を
変えた場合の2色性が十分に発現するとは言えない。
【0003】これに対し、2色性を発現する光輝性顔料
として、金属酸化物を被覆したシリカフレーク顔料が用
いられている。例えば、特開2000−42487号公
報には、濃色系カラーベース塗料、酸化チタンまたは酸
化鉄で被覆されたシリカフレ−クを含有する光干渉性塗
膜形成塗料および透明塗膜形成クリヤー塗料を順次塗装
することが記載されている。この方法では、光輝性塗膜
層の下の塗膜層が濃色系のものに限られてしまう制約が
あり、色の設計としては必ずしも十分とは言えない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、カラーベース塗膜層の明度に拘わらず、被
塗基材の塗膜面をほぼ真正面(ハイライト部)から見た
ときと、斜め(シェード部)から見たときとで異なる発
色を呈する意匠を強く発現する、2色性の光輝感が得ら
れる光輝性塗膜を形成する光輝性塗膜形成方法および塗
装物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上述の課題
に鑑み鋭意研究した結果、本発明に至った。 1.基材に、カラーベース塗膜層を形成した後、金属酸
化物被覆シリカフレーク顔料を含有する光輝性塗膜層を
形成し、さらに上記光輝性塗膜層上にトップクリヤー塗
膜層を形成する方法において、上記金属酸化物被覆シリ
カフレーク顔料のハイライト部における干渉色をマンセ
ル表示系における色相0とし、マンセル色相環100に
対し、左廻り+50、右廻り−50で表示した際に、上
記カラーベース塗膜層の色相が、+20〜+50、また
は−20〜−50の色相範囲にある光輝性塗膜形成方
法。 2.上記マンセル表示系において、上記カラーベース塗
膜層の色相が、+30〜+50、または−30〜−50
の色相範囲にある上記の光輝性塗膜形成方法。 3.上記トップクリヤー塗膜層が、カルボキシル基含有
ポリマーおよびエポキシ基含有ポリマーを含むクリヤー
塗料である上記の光輝性塗膜形成方法。4.上記の光輝
性塗膜形成方法により得られた塗装物。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述
する。
【0007】塗膜形成方法 本発明の光輝性塗膜形成方法は、基材に、カラーベース
塗膜層を形成した後、金属酸化物被覆シリカフレーク顔
料を含有する光輝性塗膜層を形成し、さらに上記光輝性
塗膜層上にトップクリヤー塗膜層を形成する。
【0008】必要に応じて電着塗膜または中塗り塗膜が
形成された基材に、ウェットオンウェット(W/W)、
またはウェットオンドライ(W/D)によりカラーベー
ス塗膜層を形成する。なお上記W/Wとは下地塗装をし
た後、風乾等により乾燥し、未硬化状態または半硬化状
態の下地塗膜に塗装する方法であり、これに対して、上
記W/Dとは下地塗膜を焼き付けて硬化させた下地塗膜
に塗装する方法である。このようにして、カラーベース
塗膜層を形成後、さらに先のW/WまたはW/Dにより
カラーベース塗膜層上に、光輝性塗膜層を形成する。
【0009】このようにして形成される光輝性塗膜層上
には、トップクリヤー塗膜層として、上記トップクリヤ
ー塗膜層を少なくとも1層形成する。
【0010】各塗膜層を形成する方法は特に限定されな
いが、溶剤型塗料または水性塗料を塗装する場合はスプ
レー法、ロールコーター法等が、粉体塗料を塗装する場
合は静電塗装が好ましい。乾燥条件は、80〜160℃
で所定時間焼き付けられ、光輝性塗膜を得ることができ
る。
【0011】基材 上記基材としては、限定されるものでなく、鉄、アルミ
ニウム、銅またはこれらの合金等の金属類;ガラス、セ
メント、コンクリート等の無機材料;ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデ
ン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エ
ポキシ樹脂等の樹脂類や各種のFRP等のプラスチック
材料;木材、紙や布等の繊維材料等の天然または合成材
料等が挙げられる。本発明の光輝性塗膜形成方法におい
ては、上記基材に直接または下塗り塗膜を介して、カラ
ーベース塗膜層を形成するが、上記基材が、自動車車体
および部品の場合は、予め脱脂処理や化成処理、電着塗
装等による下塗り塗装、または中塗り塗装等を施してお
くのが好ましい。上記中塗り塗装は、下地の隠蔽、耐チ
ッピング性の付与および上塗りとの密着性確保のために
行われるものである。
【0012】カラーベース塗膜層 本発明の光輝性塗膜形成方法におけるカラーベース塗膜
層は、塗膜形成樹脂と必要に応じて架橋剤とからなるビ
ヒクルと着色顔料および/または光輝性顔料とを含むカ
ラーベース塗料から形成される。このカラーベース塗膜
層は、光輝性塗膜層との複合色を発現するとともに、下
地層を隠蔽する働きを有する。
【0013】上記カラーベース塗料においては、これか
ら得られるカラーベース塗膜層の色相が、後述する金属
酸化物被覆シリカフレーク顔料のハイライト部における
干渉色をマンセル表示系における色相0とし、マンセル
色相環100に対し、左廻り+50、右廻り−50で表
示した際に、+20〜+50、または−20〜−50の
色相範囲となるように、着色顔料および/または光輝性
顔料の種類および量を選択して添加する。上記範囲を外
れると、強調された2色性を発現することができなくな
る。上記の範囲の好ましい範囲としては、+30〜+5
0、または−30〜−50である。
【0014】上記着色顔料および光輝性顔料としては、
従来から塗料用として常用されているものを挙げること
ができる。例えば、着色顔料では、有機顔料および無機
顔料があり、有機顔料としては、アゾレーキ系顔料、フ
タロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔
料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナク
リドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料
等が挙げられ、また、無機顔料としては、黄色酸化鉄、
ベンガラ、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙げら
れる。一方、光輝性顔料としては、アルミニウムフレー
ク顔料、着色アルミニウムフレーク顔料、グラファイト
顔料、マイカ顔料、金属チタンフレーク顔料、ステンレ
スフレーク顔料、板状酸化鉄顔料、フタロシアニンフレ
ーク顔料または金属めっきガラスフレーク顔料等が挙げ
られる。
【0015】上記着色顔料および/または光輝性顔料の
含有量(塗料固形分100重量部に対する顔料の固形分
重量割合:PWC)は、70%未満が好ましく、50%
未満がより好ましい。70%を超えると塗膜外観が低下
する。またタルク、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウ
ム、シリカ等の各種体質顔料等を併用することができ
る。
【0016】上記光輝性塗膜形成方法において、カラー
ベース塗膜層を形成するのに用いられるカラーベース塗
料に含まれる塗膜形成樹脂としては、(a)アクリル樹
脂、(b)ポリエステル樹脂、(c)アルキド樹脂、
(d)フッ素樹脂、(e)エポキシ樹脂、(f)ポリウ
レタン樹脂、(g)ポリエーテル樹脂等が挙げられ、こ
れらは、単独または2種以上を組み合わせて使用するこ
とができ、好ましくはアクリル樹脂またはポリエステル
樹脂である。
【0017】上記(a)アクリル樹脂としては、アクリ
ル系モノマーと他のエチレン性不飽和モノマーとの共重
合体を挙げることができる。上記共重合に使用し得るア
クリル系モノマーとしては、アクリル酸またはメタクリ
ル酸のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブ
チル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、フ
ェニル、ベンジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロ
キシプロピル等のエステル化物類、アクリル酸またはメ
タクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトンの開
環付加物類、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリ
シジル、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−
メチロールアクリルアミド、多価アルコールの(メタ)
アクリル酸エステル類などがある。これらと共重合可能
な上記他のエチレン性不飽和モノマーとしては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、イタコン酸、マレイン酸、酢
酸ビニルなどがある。
【0018】上記(b)ポリエステル樹脂としては、飽
和ポリエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂等が挙げ
られ、例えば、多塩基酸と多価アルコールを加熱縮合し
て得られた縮合物が挙げられる。多塩基酸としては、例
えば、無水フタル酸、テレフタル酸、コハク酸等の飽和
多塩基酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等の
不飽和多塩基酸等が挙げられる。多価アルコールとして
は、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル等の二価アルコール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン等の三価アルコール等が挙げられる。また、上記
塗膜形成用樹脂には、硬化性を有するタイプとラッカー
タイプがあるが、通常硬化性を有するタイプのものが使
用される。
【0019】硬化性を有するタイプの場合には、アミノ
樹脂、(ブロック)ポリイソシアネート化合物、アミン
系、ポリアミド系、イミダゾール類、イミダゾリン類、
多価カルボン酸等の架橋剤と混合して使用され、加熱ま
たは常温で硬化反応を進行させることができる。また、
硬化性を有しないラッカータイプの塗膜形成用樹脂を、
硬化性を有するタイプと併用することも可能である。
【0020】上記ビヒクルが架橋剤を含む場合、塗膜形
成用樹脂と架橋剤との割合としては、固形分換算で塗膜
形成用樹脂が90〜50質量%、架橋剤が10〜50質
量%であり、好ましくは塗膜形成用樹脂が85〜60質
量%であり、架橋剤が15〜40質量%である。架橋剤
が10質量%未満では(塗膜形成用樹脂が90質量%を
超えると)、塗膜中の架橋が十分でない。一方、架橋剤
が50質量%を超えると(塗膜形成用樹脂が50質量%
未満では)、塗料の貯蔵安定性が低下するとともに硬化
速度が大きくなるため、塗膜外観が悪くなる。
【0021】上記カラーベース塗料は、上記成分の他
に、脂肪族アミドの潤滑分散体であるポリアミドワック
スや酸化ポリエチレンを主体としたコロイド状分散体で
あるポリエチレンワックス、沈降防止剤、硬化触媒、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、シリコーンや
有機高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡
剤、滑剤、架橋性重合体粒子(ミクロゲル)等を適宜添
加して含有することができる。これらの添加剤は、通
常、上記ビヒクル100重量部(固形分基準)に対して
例えば、それぞれ15重量部以下の割合で配合すること
により、塗料や塗膜の性能を改善することができる。
【0022】上記カラーベース塗料は、溶剤型または水
性の場合には、上記構成成分を、通常、溶剤に溶解また
は分散した態様で提供される。溶剤としては、ビヒクル
を溶解または分散するものであればよく、有機溶剤およ
び/または水を使用し得る。有機溶剤としては、塗料分
野において常用されているものを挙げることができる。
例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素類、アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、セ
ロソルブアセテート、ブチルセロソルブ等のエステル
類、アルコール類等を例示できる。環境面の観点から有
機溶剤の使用が規制されている場合には、水を用いるこ
とが好ましい。この場合、適量の親水性有機溶剤を含有
させてもよい。上記カラーベース塗膜層の乾燥膜厚は、
10〜100μmが好ましい。10μm未満では、下地
を隠蔽し難く、100μmを超えると塗膜外観不良を生
じる恐れがある。より好ましくは20〜50μmであ
る。
【0023】光輝性塗膜層 本発明の光輝性塗膜形成方法における光輝性塗膜層は、
上述したように上記カラーベース塗膜層の色相と、ハイ
ライト部における干渉色が特定範囲の関係にある金属酸
化物被覆シリカフレーク顔料を含有する光輝性塗料を用
いて形成される。
【0024】なお、本明細書において、ハイライト部に
おける干渉色とは、被塗基材の塗膜面をほぼ真正面から
見たときの発色を意味するものである。
【0025】上記金属酸化物被覆シリカフレーク顔料
は、フレーク状のシリカ(二酸化珪素)からなる基体
を、シリカとは異なる金属酸化物で被覆したものであ
る。ここで被覆する金属酸化物の例としては、酸化鉄
(一酸化鉄、三酸化二鉄、ヘマタイト)、二酸化チタン
(アナターゼ型、またはルチル型)がある。金属酸化物
被覆層の厚みは、50〜200nmが好ましく、より好
ましくは60〜180nmである。上記金属酸化物被覆
シリカナフレーク顔料の光輝性塗料における含有量(塗
料固形分100重量部に対する顔料の固形分重量部割
合:PWC)は、3〜20%が好ましく、5〜15%が
より好ましく、5〜10%がさらに好ましい。3%未満
では彩度を伴う光輝感の発現が低下し、2色性か得られ
ない恐れがあり、20%を超えると塗膜外観が低下する
恐れがある。
【0026】上記光輝性塗料は、溶剤型、水性、または
粉体型等の種々の形態をとることができる。溶剤型塗料
または水性塗料としては、一液型であってもよいし、二
液型ウレタン樹脂塗料等のような二液型であってもよ
い。上記光輝性塗料は、金属酸化物被覆シリカナフレー
ク顔料の効果を損なわない範囲の種類と量のその他の光
輝性顔料および/または着色顔料を含有することができ
る。なお、上記光輝性塗料には、上記顔料以外にビヒク
ル、その他の光輝性顔料、着色顔料、その他の成分を含
むものであるが、これらは上記カラーベース塗料で説明
したものと同じものを使用することができる。
【0027】上記光輝性塗膜層の乾燥膜厚は、10〜5
0μmが好ましい。10μm未満では彩度を伴う光輝感
が、十分に発現できず、50μmを超えると塗膜外観
が、不充分となる恐れがある。より好ましくは10〜3
0μmである。
【0028】トップクリヤー塗膜層 本発明の光輝性塗膜形成方法におけるトップクリヤー塗
膜層は、下地層を隠蔽しない、無色透明なクリヤー塗膜
であり、さらには半透明感を付与した、いわゆる濁りク
リヤー塗膜であってもよい。光輝性塗膜層の上にトップ
クリヤー塗膜層を形成することにより、光沢向上および
金属酸化物被覆シリカナフレーク顔料の突出を防止する
ことができる。上記トップクリヤー塗膜層はクリヤー塗
料から形成されるが、このクリヤー塗料としては、上塗
り用として常用されているものを用いることができ、上
記のカラーベース塗料のところで説明した塗膜形成樹脂
の中で硬化性を有するものと架橋剤とを混合したものを
ビヒクルとして用いることができる。
【0029】さらに、これらのクリヤー塗料は、必要に
応じて、その透明性を損なわない範囲で、着色顔料、体
質顔料、改質剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、分散
剤、消泡剤等の添加剤を配合することが可能である。ま
た特公平8−19315号公報に記載されたカルボキシ
ル基含有ポリマーとエポキシ基含有ポリマーとを含むク
リヤー塗料が、酸性雨対策およびウェットオンウェット
で金属酸化物被覆シリカナフレーク顔料含有光輝性クリ
ヤー塗膜層を塗装した際に、上記金属酸化物被覆シリカ
ナフレーク顔料の配向を乱さないという観点から好まし
く用いられる。また、トップクリヤー塗膜層は、溶剤
型、水性、または粉体型等の種々の形態をとることがで
きる。溶剤型塗料または水性塗料としては、一液型であ
ってもよいし、二液型ウレタン樹脂塗料等のような二液
型であっもよい。
【0030】上記トップクリヤー塗膜層の乾燥膜厚は、
20〜50μmが好ましく、この範囲を外れると塗膜外
観が不充分となる恐れがある。より好ましくは25〜4
5μmである。
【0031】塗装物 本発明の塗装物は、(1)上記金属酸化物被覆シリカナ
フレーク顔料のハイライト部における干渉色と特定範囲
の色相からなるカラーベース塗膜層、(2)金属酸化物
被覆シリカナフレーク顔料含有光輝性塗膜層、および
(3)トップクリヤー塗膜層からなる複層塗膜が形成さ
れている。
【0032】この塗装物上に形成されている複層塗膜
は、平滑で外観が良好であり、意匠面では上記光輝性塗
膜層と上記カラーベース塗膜層との複合色により、塗膜
を見る角度によって塗膜の色相が異なって見える2色性
を従来のものより強く発現することが可能な光輝感を呈
する。
【0033】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例を挙げて
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
のみ限定されるものではない。なお、配合量は特に断り
のないかぎり重量部を表す。
【0034】実施例1〜9、比較例1〜3 基材の調製 ダル鋼板(長さ300mm、幅100mmおよび厚さ
0.8mm)を脱脂後、燐酸亜鉛処理剤(「サーフダイ
ンSD2000」、日本ペイント社製)を使用して化成
処理した後、カチオン電着塗料(「パワートップU−5
0」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚が25μmとなる
ように電着塗装した。次いで、160℃で30分間焼き
付けた。
【0035】カラーベース塗膜層の形成 得られた基材に対し、下記に示す調色したカラーベース
塗料を乾燥膜厚が40μmとなるようにエアースプレー
塗装し、140℃で30分間焼き付けてカラーベース塗
膜層を形成した。 1…「オルガS−90」エロー(L値:40)、日本ペ
イント社製、 2…「オルガS−90」グリーン(L値:30)、日本
ペイント社製、 3…「オルガS−90」ブルー(L値:20)、日本ペ
イント社製、 4…「オルガS−90」レッド(L値:35)、日本ペ
イント社製 L値:JIS Z 8722に規定する三刺激値X、Y、
Zから求められるハンターの色差式における明度指数で
ある。
【0036】光輝性塗料の調製 アクリル樹脂(スチレン/メチルメタクリレート/エチ
ルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/
メタクリル酸の共重合体、数平均分子量約20000、
水酸基価45、酸価15、固形分50重量%)と、メラ
ミン樹脂(商品名,「ユーバン20SE」、三井化学社
製、固形分60重量%)とを80:20の固形分重量比
で配合して得たビヒクルに対し、金属酸化物被覆シリカ
フレーク顔料および必要により着色顔料を、表1に示す
種類および割合で配合した。次いで、有機溶剤(トルエ
ン/キシレン/酢酸エチル/酢酸ブチルの重量比=70
/15/10/5)とともに攪拌機により塗装適正粘度
になるように攪拌混合し、光輝性塗料を調製した。な
お、比較例3は、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料の
代わりに、干渉マイカ顔料を用いたものである。
【0037】光輝性塗膜層およびトップクリヤー塗膜層
の形成 上記カラーベース塗膜層が形成された基材の被塗面に、
先に得た光輝性塗料を乾燥膜厚が15μmになるように
スプレー塗装した。塗装は静電塗装機(「Auto R
EA」、ABBインダストリー社製)を用い、霧化圧
2.8kg/cm 2で行った。塗装中のブースの雰囲気
は温度25℃、湿度75%に保持した。塗装後3分間セ
ッティングし、クリヤー塗料を乾燥膜厚が35μmにな
るように塗装し、室温で10分間セッティングし、14
0℃の温度で30分間焼き付けた。得られた塗膜の2色
性を下記評価方法で評価した。結果を表1に示す。使用
したクリヤー塗料は、アクリル/メラミン樹脂系クリヤ
ー塗料1(商品名:「スーパーラックO−130クリヤ
ー」、日本ペイント社製)または、カルボキシル基含有
ポリマーとエポキシ基含有ポリマーとを含有するクリヤ
ー塗料2(「マックフローO−520クリヤー」、日本
ペイント社製)の2種類である。
【0038】評価方法 2色性:試験板をほぼ真正面(ハイライト部)から見た
ときと、試験板を斜め(シェード部)から見たときで、
色相が異なり、2色の意匠の発現を目視で評価した。 3…顕著に2色の意匠の発現が認められる 2…一応2色の意匠の発現が認められる 1…2色の意匠の発現が認められない
【0039】
【表1】
【0040】表1の結果から明らかのように、本実施例
は、本発明の光輝性塗膜形成方法で得た塗装物であり、
2色性が強調された光輝感を発現した。一方、比較例
は、本発明の光輝性塗膜形成方法ではない方法で得た塗
装物であり、2色性を十分には発現できなかった。
【0041】
【発明の効果】本発明においては、基材に、上記金属酸
化物被覆シリカフレーク顔料のハイライト部における干
渉色をマンセル表示系における色相0とし、マンセル色
相環100に対し、左廻り+50、右廻り−50で表示
した際に、上記カラーベース塗膜層の色相が、+20〜
+50、または−20〜−50の色相範囲にあるカラー
ベース塗膜層を形成し、次いで金属酸化物被覆シリカナ
フレーク顔料含有光輝性塗膜層を形成し、さらにこの光
輝性塗膜層の上にクリヤー塗料を用いてトップクリヤー
塗膜層を形成することによって、カラーベース塗膜層の
明度に拘わらず、2色性が強調された光輝感を発現させ
ることが可能となり、その結果、より高級感のある深み
のある光輝感が得られる塗膜を形成することができるよ
うになった。
【0042】なお、本発明により得られる塗膜は上記光
輝感を呈するため、自動車、二輪車等の乗物外板、容器
外面、コイルコーティング、家電業界等の光輝性が要求
される分野において好ましく使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 7/12 C09D 7/12 201/00 201/00 201/06 201/06 201/08 201/08 Fターム(参考) 4D075 CB04 DC12 EA43 EC03 EC11 EC23 4J037 AA02 AA06 AA18 AA22 AA25 CA09 CC14 CC17 CC23 CC24 CC25 CC26 DD10 EE03 FF09 4J038 CC031 CG141 CG171 CH121 CH171 DA132 DD051 DD121 DD191 DH002 HA026 HA036 HA066 HA216 HA546 JA39 JA40 JB32 KA03 KA08 KA15 KA20 MA07 MA10 NA01 NA19 PA07 PA19 PB07 PC02 PC03 PC04 PC06 PC08 PC10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材に、カラーベース塗膜層を形成した
    後、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料を含有する光輝
    性塗膜層を形成し、さらに前記光輝性塗膜層上にトップ
    クリヤー塗膜層を形成する方法において、前記金属酸化
    物被覆シリカフレーク顔料のハイライト部における干渉
    色をマンセル表示系における色相0とし、マンセル色相
    環100に対し、左廻り+50、右廻り−50で表示し
    た際に、前記カラーベース塗膜層の色相が、+20〜+
    50、または−20〜−50の色相範囲にある光輝性塗
    膜形成方法。
  2. 【請求項2】前記マンセル表示系において、前記カラー
    ベース塗膜層の色相が、+30〜+50、または−30
    〜−50の色相範囲にある請求項1記載の光輝性塗膜形
    成方法。
  3. 【請求項3】前記トップクリヤー塗膜層が、カルボキシ
    ル基含有ポリマーおよびエポキシ基含有ポリマーを含む
    クリヤー塗料から形成される請求項1または2記載の光
    輝性塗膜形成方法。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3いずれか1項記載の光輝
    性塗膜形成方法により得られた塗装物。
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