JP2004017757A - 動力車両 - Google Patents

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Noriyuki Yamakawa
山川 紀行
Yoshitaka Tani
谷 良孝
Hideji Ishimaru
石丸 秀司
Koji Koyama
小山 浩二
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Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

【課題】ハンドル切れ角スイッチの調整が容易な動力車両前輪駆動系の前輪増速装置の高低速切換機構を備えた動力車両を提供すること。
【解決手段】駆動源2からミッションケース3内の伝動系を経由して前輪14の回転周速度が後輪15の回転周速度と略同速となる前後輪駆動の標準四輪駆動状態と、前輪14の回転周速度が後輪15の回転周速度より大となる前輪倍速状態とに、車体のハンドル16による旋回動作に伴って切り換え可能な変速装置を有し、車体の旋回動作を行うハンドル16の軸方向に平行に取り付けた前輪14の二つの駆動状態に対応したハンドル16の切り角を決める切れ角スイッチボックス54をハンドル軸に対して遠近方向の位置を調整する前後方向調整部とハンドル16の軸の上下方向の位置を調整する中立位置調整部を設けた。
【選択図】     図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、トラクタや乗用芝刈機等の動力車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
圃場でトラクタなどが走行中において、畦際での旋回を迅速、且つ小半径で行なわせるために、動力車両前輪駆動系に増速装置を組み込んだトラクタが知られている。この増速装置は通常高低速2段の変速が可能な切換装置からなり、高低速の切り換えはステアリングハンドル操作と連動されている。そして、直進走行時には前記増速装置が低速側に切り換えられて前輪と後輪の回転周速度が略等しくなる標準四輪駆動状態になり、旋回時には増速装置が高速側に切り換えられて前輪の回転周速度が後輪の回転周速度よりも2倍程度速くなる前輪増速状態に切り換えられるようにしている。増速装置の切り換えは油圧クラッチで行なうもの、シフターを機械的に操して切り換えを行うものあるいはハンドルの切れ角スイッチの作動により行うものなどがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記動力車両前輪駆動系の前輪増速装置の高低速切換部を電気的に行うものは、ハンドルポスト部に溶接されたプレートにハンドルの切れ角スイッチをビス止めし、そのプレートの穴が長穴になっているので左右のハンドルの切れ角が均等になるような調整はできるが、ハンドル中立位置から前記切れ角スイッチがオンするまでの切れ角調整は不可能であった。このため、前輪増速の入切タイミングはハンドルポスト部に溶接固定されたプレートの位置によって決まってしまうため、部品精度のばらつきにより、トラクタ毎に速かったり遅かったりして安定せず、トラクタの旋回性能が悪くなることもあった。また、キーシフトモータ駆動式トラクタにおいては切れ角スイッチがオンする切れ角位置が悪いと、キーシフトが動く際に雑音が発生したり、キーが入りづらく、あるいは抜けづらくなったり、最悪の場合はキーシフト自体が作動しなくなることがあった。
【0004】
本発明の課題は、ハンドル切れ角スイッチの調整が容易な動力車両前輪駆動系の前輪増速装置の高低速切換機構を備えた動力車両を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、次のような技術的手段で解決される。
すなわち、請求項1の発明は、駆動源2からミッションケース3内の伝動系を経由して前輪14の回転周速度が後輪15の回転周速度と略同速となる前後輪駆動の標準四輪駆動状態と、前輪14の回転周速度が後輪15の回転周速度より大となる前輪倍速状態とに、車体のステアリングハンドル16による旋回動作に伴って切り換え可能な変速装置を有する動力車両において、車体の旋回動作を行うステアリングハンドル16の軸方向に平行に取り付けた前記前輪14の二つの駆動状態に対応したハンドル16の切り角に応じて接点を入り・切りする切れ角スイッチボックス54と、該切れ角スイッチボックス54をハンドル16軸心に対して遠近方向の位置を調整する前後方向調整部と前記軸の上下方向の位置を調整する中立位置調整部を設けると共に、ハンドル16軸心回りに軸の上下方向にのみ移動可能にこま62を取付けた動力車両である。
【0006】
請求項1の発明によれば、ステアリングハンドル16の左右切れ角均等調整とスイッチ54aのオン位置切れ角調整が両方可能な構成とすることにより、ハンドル切れ角スイッチ54aのオン位置が安定する。
【0007】
また、請求項2の発明は、駆動源2からミッションケース3内の伝動系を経由して前輪14の回転周速度が後輪15の回転周速度と略同速となる前後輪駆動の標準四輪駆動状態と、前輪14の回転周速度が後輪15の回転周速度より大となる前輪倍速状態とに、車体のステアリングハンドル16による旋回動作に伴って切り換え可能な変速装置を有する動力車両において、車体のステアリングハンドル16による旋回動作に伴って作動する前記前輪14の倍速駆動状態の前輪の旋回方向への傾きに対応した変速装置の油圧バルブ33の作動用リンク機構の構成部材の一つとしてターンバックル46を設けた動力車両である。
【0008】
請求項2の発明によれば、ステアリングハンドル16の操作により前輪駆動伝達装置25の四輪駆動から倍速駆動に切り替え用の油圧バルブ33のプッシュピン33aの作動を行うことができる。このとき油圧バルブ33のオン、オフのタイミングの調整はターンバックル46の長さを調整することで行うことができ、微妙な調整も可能となる。
【0009】
請求項3の発明は、前記標準四輪駆動状態と前輪倍速状態とに切り替え作動させる前記油圧バルブ33の作動用リンク機構の構成部材として、二つの溝42d、42e付き作動用のカム42b、42cを用い、該二つのカム42b、42cを重ねて得られる前記各カム42b、42cの溝42d、42eから構成させる新たな溝形状変更可能な溝と、該新たな溝内で位置規制されるピン44cとを設け、該ピン44cを介してターンバックル46に前記カム42b、42cを連結した請求項2記載の動力車両である。
【0010】
請求項3の発明によれば、請求項2記載の発明の作用に加えて、三角カム42bの溝42dの幅L1の大きさ、直進四輪駆動の幅L3の大きさを微調整し、さらに三角カム42のロングロッド43との連結部の移動量L2の大きさを決めて、二分割状三角カム42b、42cをボルト45で強固に固定する。
【0011】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、トラクタの倍速駆動性能が安定化し、ハンドル操作性が向上する。たとえば、キーシフトモータ駆動式トラクタにおいて、キーシフトスライドシフト時の異音が発生しなくなり、倍速駆動用のシフト、四輪駆動用のシフトが確実に入る。また、切れ角スイッチボックス54の組立作業及びメンテナンス作業における調整が容易になる。
【0012】
請求項2の発明によれば、ハンドル16の操作で前輪駆動伝達装置25の直進四輪駆動または旋回倍速駆動の切り替えを自動的に行うことができるので、従来のように手動レバーの操作で前記四輪駆動と倍速駆動の切り替えを行う場合に起こりうるローダ作業時等での手動レバーの誤動作によるフルターン作動を防止できる。
【0013】
請求項3の発明によれば、請求項2記載の発明の効果に加えて、倍速駆動の入切のタイミング(早くする〜遅くする)の調整が可能になり、オンオフ時の油圧バルブ33のプッシュピン33aのストロークのばらつきに関係なく安定して倍速駆動が行える。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面と共に以下を説明する。
図1には本発明の一実施例のトラクタの側面図を示し、図2には図1の前輪の旋回用油圧回路と旋回用リンク機構および倍速制御用油圧バルブの連動機構の要部平面図を示し、図3に図1のトラクタの伝動機構図を示す。
【0015】
従来から周知のトラクタ1は機体の前部にエンジン2を搭載し、このエンジン2の回転動力をミッションケース3に伝えている。エンジン2の後方には、主クラッチや伝動ギヤ類等を内装した主クラッチケース18を取付け、エンジン2の駆動力を、ミッションケース3前端に取り付けた倍速ケース8上部から前方に突出軸架した入力軸4に連結シャフト17を介して伝えている。ミッションケース3内には主変速装置22と副変速装置23が設けられている。
【0016】
ミッションケース3の後上部には油圧シリンダケース9が取り付けられ、この油圧シリンダケース9の左右両側部にはリフトアーム10、10が回動自在に枢着されている。リフトアーム10、10とロワーリンク11、11との間にはリフトロッド12、12が設けられ、トップリンク13とロワーリンク11、11の後端に作業機を連結し、リフトアーム10、10を回動させると作業機(図示せず)が昇降するように構成している。
【0017】
次に図3に基づきこのトラクタ1の動力伝動系について簡単に説明する。
前記エンジン2からの回転動力は、主クラッチ20にて断続され、前後進切替装置21に入力される。そして、この前後進切替装置21にて、走行系動力L1とPTO系動力L2とに分岐され、この走行系動力L1は、主変速装置22、副変速装置23へと伝達される構成となっている。そして、走行系動力L1は、後輪デフ装置24を介して後輪15を駆動する後走行装置駆動経路L3と、前輪駆動伝達装置25を介して前輪駆動経路L4とに分岐する構成となっている。
【0018】
前輪駆動伝達装置25は、図示しない2連式の湿式多板油圧クラッチで構成され、一方の油圧クラッチが圧着すると、副変速装置23から入力された回転動力を同回転数で出力し、後輪15の周速は、前輪14の周速と略同速となりトラクタ1は四輪駆動形態で走行する構成となっている。また、旋回と連動して前輪駆動伝達装置25の他方の油圧クラッチが圧着すると、回転数が入力時より約二倍に増速され、前輪14の周速が後輪15の周速の約二倍となる構成となっている。これにより、トラクタ1は、旋回時等に小回り旋回を行える構成となっている。なお、前輪駆動伝達装置25の両油圧クラッチがいずれも圧着していないときには、トラクタ1は後輪15による二駆走行する構成となっている。
【0019】
また、後輪デフ装置24から左右に延設した伝達軸28には、左右それぞれブレーキディスク29を設け、このブレーキディスク29を図示しないブレーキ用油圧シリンダの作動により圧着して後輪15にブレーキをかける構成となっている。
【0020】
前輪駆動伝達装置25はミッションケース3側前面部にある倍速ケース8内に配置されている。そして、倍速ケース8内の前輪駆動伝達装置25の前記クラッチの切り替えにより四輪駆動用と倍速駆動用のいずれかの動力が前輪駆動軸31を介して前輪14に伝達される。
【0021】
本実施の形態の特徴は、前記前輪駆動伝達装置25の油圧クラッチの切り替えを図1、図2に示す油圧バルブ33で行うことであり、該油圧バルブはハンドルの操作に連動して、下記のような構成により四輪駆動用と倍速駆動用の切り替えを行う。
【0022】
図4には前記倍速制御用油圧バルブ33の連動機構部分の要部拡大図を示す。図2に示すように車両を左旋回させる場合にはハンドル16を左に切るが、このときハンドル切り替え用ソレノイドバルブ34が矢印▲1▼方向に作動し操舵シリンダ35のピストンロッド36を矢印▲2▼方向に作動させ、ピストンロッド36の端部が連結した右側ナックルアーム38を介してタイロッド39を矢印▲3▼方向に移動させ、前輪14、14を左旋回方向に向ける。
【0023】
このとき右側ナックルアーム38と連動する左側ナックルアーム40もタイロッド39に連動しているので、左側ナックルアーム40に連結し、機体側面に揺動自在に支持された三角形のカム42に他端が連結しているロングロッド43を矢印▲4▼方向に作動させる。ロングロッド43の矢印▲4▼方向への作動により図4のトラクタ側面方向から見た連動機構に示すように、三角カム42が実線位置から点線位置に移る。そのため三角カム42に設けられた溝42a内に係止された両翼アーム44(44a、44b)の一方のアーム44aの突起44cが矢印▲5▼方向に移動する。該両翼アーム44は機体軸44dを中心にほぼ反対側に伸びたアーム44a、44bを備えており、機体軸44dを中心に回動する。前記両翼アーム44の突起44cを有するアーム44aとは反対側のアーム44bにはターンバックル46の端部が連結しており、該ターンバックル46の他端は機体に設けられた軸48aを中心に回転するアーム48に連結している。両翼アームの一方のアーム44bが矢印▲6▼の動きをするとターンバックル46は矢印▲7▼、アーム48は矢印▲8▼の移動をそれぞれ行い、該アーム48の突起48bに当接する油圧バルブ33のプッシュピン33aを矢印▲9▼方向に移動させる。このプッシュピン33aの矢印▲9▼の動きで前輪駆動伝達装置25の油圧クラッチを作動させてトラクタ1は直進四輪駆動から旋回(左旋回)連動の倍速駆動に切り替えられる。   右旋回時は、矢印▲1▼から▲6▼は逆方向に動く。
【0024】
このようにステアリングハンドル16の操作により前輪駆動伝達装置25の四輪駆動から倍速駆動に切り替え用の油圧バルブ33のプッシュピン33aの作動を行うことができる。このとき油圧バルブ33のオン、オフのタイミングの調整はターンバックル46の長さを調整することで行うことができ、微妙な調整も可能となる。
【0025】
またハンドル16の操作で前輪駆動伝達装置25の直進四輪駆動と旋回時の自動倍速駆動の切り替えを行うことができるので、従来のように手動レバーの操作で前記四輪駆動と倍速駆動の切り替えを行う場合に起こりうるローダ作業時等での手動レバーの誤動作による直進時フルターン作動(倍速駆動による前輪のスリップやスピン)を防止できる。
【0026】
また、前輪駆動伝達装置25の直進四輪駆動と旋回時倍速駆動の切り替え時の三角カム42の溝の幅L1の大きさと三角カム42のロングロッド43との連結部の移動量L2の大きさにより、倍速駆動のオンオフのタイミングが決まるが、三角カム42の溝42aの開始位置のばらつきあるいは右側ナックルアーム38から油圧バルブ33のプッシュピン33aまでの機械的リンク機構の各部材の溶接公差や連結部の間隙等が集積して、ハンドル操舵と倍速作動のタイミングが変動して運転者の記憶するタイミングと一致しない。
【0027】
このようなとき三角カム42の位置の前後方向位置調整だけでは、左右操舵時の一方のタイミングしか調整できない場合が生じる。
【0028】
そこで図5に示すように図4の三角カム42を二分割した二つのカム42b、42cを回転軸42pを中心に重ね合わせて、図4の三角カム42の溝42aに相当する溝部42d、42eを作る。このとき一方の分割状の三角カム42bには一対の長溝42f、42gを設けておき、他方の分割状三角カム42cにはボルト穴42h、42iを設けているので三角カム42bの溝42dの幅L1の大きさ、直進四輪駆動の幅L3の大きさを微調整し、さらに前記移動量L2の大きさを決めて、二分割状三角カム42b、42cをボルト45で強固に固定する。
【0029】
こうして倍速駆動の入切のタイミング(早くする〜遅くする)の調整が可能になり、オンオフ時の油圧バルブ33のプッシュピン33aのストロークのばらつきに関係なく安定して倍速駆動が行える。
【0030】
また図6のIQアクスル倍速駆動機構の構成図に示すように電気モータ41で前輪14を倍速駆動させるトラクタは、電気モータ41には操舵シリンダ35からの旋回指令信号が入力されて電気モータ41が作動開始し、該電気モータ41の作動により駆動する倍速駆動リンク部材がミッションケース3内の前輪駆動伝達装置25を倍速駆動させる。
【0031】
このとき、電気モータ41のリンク機構47の倍速駆動リンク部材47aとは別に接続したケーブル49(又はリンクロッド)を設け、該ケーブル49(又はリンクロッド)が電気モータ41の倍速駆動モード(図示しないが、運転席近傍に設けた入り・切りのモードスイッチ)と連動して作動し、エンジン2におけるアクセル低下操作機構50を介して機械式のリンクユニット51を作動させ、エンジンスロットルアーム52を作動させてエンジン回転数が低速回転になるようにする。
【0032】
図6に示す構成を採用する理由は、従来の電気モータ41による倍速駆動時には電気モータ41の動力は倍速駆動リンク部材47だけを作動させるために使われている。また、倍速駆動モード付きで、他のアクセル低下操作機能がある従来のトラクタについて説明すると、例えば倍速駆動切り替えは油圧クラッチ方式で行われ、アクセル低下操作機構50の作動は、リフトアーム10の上昇時にリフトアーム10に接続されたケーブル(図示せず)が作動することにより行われる。この方式のトラクタの場合には、リフトアーム10が僅かに上がり気味の時にもケーブルが引っ張られ、アクセル低下操作機構50が作動するため、浅耕し、代掻き時にも通常直進耕耘中にエンジン2の回転数が下がることがあり、最悪、作業ができなくなることもある。また、リフトアーム10を別の規制制御によって上げ高さ規制した時には回転数が下がりきらないこともある。
【0033】
そこで、倍速駆動用のモータ41の動力をアクセル低下操作機構50の作動用ケーブル49の作動動力とすることにより、(1)アクセル低下操作機構50の浅耕し時の誤作動防止、(2)リフトアーム10の別の規制制御による上げ高さ規制時にも確実にエンジン回転数が下がり切り、作業性が向上する。
【0034】
図14に要部を示す従来の電動式倍速駆動機構の一例では、ステアリングハンドルの切れ角センサ(スイッチ)54aからの信号がコントローラ55に入力されると、倍速ケース8内の前輪駆動伝達装置25の四輪駆動と倍速駆動の切り替え用のソレノイドバルブ56をオンオフすることによって行っている。
【0035】
図14に示すハンドル切れ角スイッチ(センサ)54aは、図示しないがハンドルポスト部に溶接固定されたプレートにビス止めし、そのプレートの穴が長穴になっているので左右のハンドル切れ角が均等になるように調整していた。しかし、ハンドル中立位置から前輪倍速駆動モードに移行するまでのハンドル切れ角調整は不可能であった。
【0036】
上記不可能である理由は、例えばスイッチの取付け位置が右操舵7度でオンし、左操舵5度でオンする場合、スイッチの取付けがずれているので、これを長孔に沿って調整すれば左右のハンドル切れ角が均等となり、左右6度で倍速ターンへの信号出力ができる。しかし、この左右6度でのスイッチオンは、電気接点式では、通常出荷時点の構成で決まり、左右共、別の角度、例えば5度操舵で倍速ターンへの信号出力をしようとしても無理であることによる。
【0037】
このため、倍速駆動の入切タイミングは固定されたプレートの位置によって決まってしまうため、部品精度のばらつきにより、早かったり遅かったりして安定せず、トラクタの旋回性能が悪くなることもあった。
【0038】
また、キーシフトモータ駆動式トラクタにおいては切れ角スイッチがオンするハンドル切れ角の位置が悪いと、キーシフトが動く際に音が発生したり、入りづらく抜けづらくなったり、最悪の場合はキーシフト自体が作動しなくなることがあった。
【0039】
図7には本実施の形態の電動式倍速駆動における、トラクタのハンドル切れ角スイッチボックス54付近の一部断面要部側面図を示すもので、スイッチボックス54のみを配置した図としている。スイッチボックス54は、図8(底部から見た斜視図)に示す取付プレート65、69、71を介してステアリングハンドル16の回転軸61に対して、上下方向(矢印R)及び遠近方向(矢印L)に調節可能な構成としている。ハンドル切れ角スイッチボックス54が機体フレームに固定されたハンドルポスト58のスリット対応部にスイッチ取付プレート65、69、71と共に取りつけられ、ゴムカバー(図示せず)で全体が覆われている。そのスイッチボックス54は左右切れ角が均等になるような調整と、ハンドル中立位置からスイッチ54aがオンするまでの切れ角の調整の両方をドライバーでボルト67、68(図8)を廻すことにより簡単に調整できるスイッチ取付構造を備えている。
【0040】
ステアリングハンドル16を支持するステアリングポスト58に内挿される回転軸61表面に設けられたねじ部にはこま62が螺合しており、ハンドル16を操作するとこま62がねじ部の回転により上下する(矢印R方向)。該こま62の表面には溝62aが設けられ、該溝62a内にはハンドル切れ角スイッチボックス54のコロ63が嵌り込んでいる。コロ63の支持アーム64は支点64aを中心に揺動し、弾性体により押し出されているスイッチ用ピン64bを押圧して、スイッチボックス54内のスイッチを通電する構成としている。こま62はハンドル16を回すことにより、回転は規制されて上下方向にのみ動き、溝62aでコロ63を押圧し、スイッチボックス54内の接点をオン(スイッチオン)して操舵角度が調整した所定角度に達すると倍速機構側のソレノイドに通電する。
【0041】
こま62のハンドル操舵による移動量と押圧ストローク量は一定であるが、コロ63を遠近調節してスイッチオンのタイミングを変えることで、スイッチ54aのオン時の操舵角を調節している。すなわちスイッチボックス54を図7の矢印Lの右方向に移動調節すると、こま62が上下に動いてもスイッチ54aオンに時間がかかるようになる。こうして、例えば5度の操舵角を6度というように修正することができる。このように回転軸61に対して遠近方向にスイッチボックス54を調節することで操舵角度を少し変更できる。ステアリングハンドル16が左右に操作されてコロ63の所定量の移動があった後のコロ63の位置により、倍速駆動モードに入る切れ角スイッチ54aがオンになる。
【0042】
このときコロ63の支持アーム64のハンドルポスト58の長さ方向に沿った上下方向の位置とハンドルポスト58の径方向の位置を調整することで、ハンドル16の切れ角を左右均等に調整することと切れ角のスイッチ54aのオン位置の切れ角調整が両方可能な構成とする。
【0043】
スイッチボックス54のハンドルポスト58に対する上下方向の位置調整によりハンドル16の切れ角を左右均等に調整することができ(中立を出すことができ)、ハンドルポスト58に対してスイッチボックス54の遠近方向の位置調整で切れ角のスイッチオン位置の切れ角調整ができる。
【0044】
その構成の詳細を図8、図9に示す。図8は切れ角スイッチボックス54設置部を図7の矢印α方向から見た斜視図であり、図9は切れ角スイッチボックス54設置部の底面図である。
【0045】
切れ角スイッチボックス54はプレート65に直接支持され、プレート65はボルト67によりプレート69に支持され、該プレート69はボルト68によりプレート71に支持されている。またプレート71とステアリングポスト58に両端がそれぞれ固着したプレート74が設けられているので、切れ角スイッチボックス54はこれらプレート65、69、71、74を介して機体に支持されている。
【0046】
ボルト67を回転させることで、切れ角スイッチボックス54はハンドルポスト58の長手方向である機体上下方向(矢印R)に移動調整でき、またボルト68を回転させることにより、ハンドルポスト58の遠近(前後)方向(矢印L)に移動調整できる。
【0047】
このようにハンドル16の左右切れ角均等調整とスイッチオン位置切れ角調整が両方可能な構成とすることにより、ハンドル切れ角スイッチオン位置が安定するため、トラクタの倍速駆動性能が安定化し、ハンドル操作性が向上する。たとえば、キーシフトモータ駆動式トラクタにおいて、キーシフトスライドシフト時の異音が発生しなくなり、倍速駆動用のシフト、四輪駆動用のシフトが確実に入る。また、図8に示す構成のため切れ角スイッチボックス54の組立作業及びメンテナンス作業における調整が容易になる。
【0048】
また図10には倍速駆動用のハンドル切れ角スイッチボックス70を上下方向のみ調整可能にした構成例を示す。図10(a)はハンドルポスト58の側面図であり図10(b)には図10(a)のA−A線矢視図を示す。
【0049】
ハンドルポスト58の表面に設けられたねじ部にこま162が螺合しており、ハンドル16を操作するとこま162がねじ部の回転により上下して該こま表面に設けられた突起部162bに当接するローラ72がアーム73の先端に設けられ、アーム73はアーム支点73aに支持される。スイッチボックス70は、ステアリングポスト58の外壁に設けた上下支持部材75、76に支持されたロッド77とガイド78に上下方向移動可能に支持され、ロッド77の支点の上下方向の位置がボルト80の回転で調整可能になっている。
【0050】
また、本発明の一実施の形態のトラクタについて、図11の側面図、図12の平面図、図13の要部正面断面図に示す。操縦者の乗降フロアー83の直下のミッションケース3に断面コ字状のスペースケース84を設け、該スペースケース84の内側側面に倍速駆動用アーム85の取り付け用のブラケット86を取り付け、該ブラケット86には倍速駆動用のアーム85の支点用ハブ88を設ける。
【0051】
またスペースケース84の外側側面には別のブラケット90を取り付け、該ブラケット90にはケース側スイッチ取り付けプレート91を取り付け、該プレート91にはクラッチ始動用安全スイッチ92を設ける。クラッチ始動用安全スイッチ92はクラッチぺタル93の踏み込みでエンジン始動を可能にするスイッチである。なお、倍速駆動用のアーム85はハンドル切れ角スイッチボックス54、70がオンになると駆動する電動モータ95で作動する。また、前記ブラケット90はブレーキペタル97のシャフト99より後方且つブレーキロッド100より機体内側に配置する。また。このスペースケース84は機体外側から組み付け可能な下側が開放した断面コ字状の箱形である。
【0052】
こうして、断面コ字状の箱形のスペースケース84を設けることで省スペースで操縦者乗降フロア83の下側のレイアウトを可能にし、かつ最低地上高さを確保し、アーム85への草等のからまりを防止する。さらにこれらの部材の組立を容易化できた。
【0053】
また上記構成でクラッチスイッチ92を倍速駆動アーム85より内側で、かつ該倍速駆動アーム85の回動支点より上方に配置することで、クラッチ始動用安全スイッチ92を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のトラクタの側面図である。
【図2】図1のトラクタの前輪の旋回用油圧回路と旋回用リンク機構および倍速制御用油圧バルブの連動機構の要部平面図である。
【図3】図1のトラクタの伝動機構図である
【図4】図1のトラクタの倍速制御用油圧バルブの連動機構部分の要部拡大図である。
【図5】本発明の実施の形態の倍速駆動切り替え用のカムの構成を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態のIQアクスル倍速駆動機構の構成を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態の電動式倍速駆動モードトラクタのハンドル切れ角スイッチボックスの取付構造を示す一部断面側面図である。
【図8】図7の切れ角スイッチボックスを図7の矢印α方向から見た斜視図である。
【図9】図7の切れ角スイッチボックス設置部の底面図である。
【図10】本発明の実施の形態の倍速駆動用のハンドル切れ角スイッチボックスの構成例を示す側面図(図10(a))と図10(a)のA−A線矢視図(図10(b))である。
【図11】本発明の実施の形態のトラクタの側面略図(図11(a))と図11(a)のスペースケース外側の安全スイッチ取付構造図(図11(b))である。
【図12】図11のトラクタの平面図である。
【図13】図11のトラクタの要部正面断面図である。
【図14】従来技術の電動式倍速駆動機構の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 トラクタ          2 エンジン
3 ミッションケース      4 入力軸
8 倍速ケース         9 油圧シリンダケース
10 リフトアーム       11 ロワーリンク
12 リフトロッド       13 トップリンク
14 前輪           15 後輪
16 ステアリングハンドル   17 連結シャフト
18 主クラッチケース     20 主クラッチ
21 前後進切替装置      22 主変速装置
23 副変速装置        24 後輪デフ装置
25 前輪駆動伝達装置     28 伝達軸
29 ブレーキディスク     31 前輪駆動軸
33 油圧バルブ        33a プッシュピン
34 ソレノイドバルブ     35 操舵シリンダ
36 ピストンロッド      38 右側ナックルアーム
39 タイロッド        40 左側ナックルアーム
41 電気モータ        42 三角カム
42a 溝           42b、42c カム
42d、42e 溝       42f、42g 長溝
42h、42i ボルト穴    42p 回転軸
43 ロングロッド       44(44a、44b)両翼アーム
44c 突起(ピン)      44d 機体軸
45 ボルト          46 ターンバックル
47 リンク機構        48 アーム
48a 軸           48b 突起
49 ケーブル(リンクロッド) 50 アクセル低下操作機構
51 リンクユニット      52 エンジンスロットルアーム
54 切れ角スイッチボックス  54a 左右切れ角調整スイッチ
55 コントローラ       56 ソレノイドバルブ
58 ステアリングポスト    61 ステアリングポスト回転軸
62 コマ           62a 溝
63 コロ           64 支持アーム
64a 支点          64b ピン
65、69、71、74 スイッチボックス支持調整用プレート
67、68 ボルト       70 切れ角スイッチボックス
72 ローラ          73 アーム
73a アーム支点       75、76 支持部材
77 ロッド          78 ガイド
80 ボルト          83 乗降フロア
84 スペースケース      85 フルターン入切アーム
86 ブラケット        88 ハブ
90 ブラケット        91 スイッチ取付プレート
92 安全スイッチ       93 クラッチペダル
95 電動モータ        97 ブレーキペダル
99 シャフト         100 ブレーキロッド
162 コマ          162b  突起部

Claims (3)

  1. 駆動源2からミッションケース3内の伝動系を経由して前輪14の回転周速度が後輪15の回転周速度と略同速となる前後輪駆動の標準四輪駆動状態と、前輪14の回転周速度が後輪15の回転周速度より大となる前輪倍速状態とに、車体のステアリングハンドル16による旋回動作に伴って切り換え可能な変速装置を有する動力車両において、
    車体の旋回動作を行うステアリングハンドル16の軸方向に平行に取り付けた前記前輪14の二つの駆動状態に対応したハンドル16の切り角に応じて接点を入り・切りする切れ角スイッチボックス54と、該切れ角スイッチボックス54をハンドル16の軸に対して遠近方向の位置を調整する前後方向調整部と前記ハンドル16の軸の上下方向の位置を調整する中立位置調整部を設けると共に、ハンドル16軸心回りに軸の上下方向にのみ移動可能にこま62を取付けたことを特徴とする動力車両。
  2. 駆動源2からミッションケース3内の伝動系を経由して前輪14の回転周速度が後輪15の回転周速度と略同速となる前後輪駆動の標準四輪駆動状態と、前輪14の回転周速度が後輪15の回転周速度より大となる前輪倍速状態とに、車体のステアリングハンドル16による旋回動作に伴って切り換え可能な変速装置を有する動力車両において、
    車体のステアリングハンドル16による旋回動作に伴って作動する前記前輪14の倍速駆動状態の前輪の旋回方向への傾きに対応した変速装置の油圧バルブ33の作動用リンク機構の構成部材の一つとしてターンバックル46を設けたことを特徴とする動力車両。
  3. 前記標準四輪駆動状態と前輪倍速状態とに切り替え作動させる前記油圧バルブ33の作動用リンク機構の構成部材として、二つの溝42d、42e付き作動用のカム42b、42cを用い、該二つのカム42b、42cを重ねて得られる前記各カム42b、42cの溝42d、42eから構成させる新たな溝形状変更可能な溝と、該新たな溝内で位置規制されるピン44cとを設け、該ピン44cを介してターンバックル46に前記カム42b、42cを連結したことを特徴とする請求項2記載の動力車両。
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