JP2004016912A - 化粧建築板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】解像度が高く,かつドットの粒状感のないフルカラー印刷層を有する化粧建築板,及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】建築板11の凹凸意匠面12にフルカラー印刷を行い化粧建築板を製造する。フルカラー印刷を行うに当っては複数のカラーヘッド41と補助ヘッド42とコンベア43とを有する印刷装置4を用いる。建築板11をコンベア43によって搬送し,複数のカラーヘッド41及び補助ヘッド42の下方を順次走行させる。各カラーヘッド41により建築板11の凹凸意匠面12にカラーインクドットを一定のピッチで形成する。補助ヘッド42により,隣り合うカラーインクドットの間に補助インクドットを打点する。補助インクドットをカラーインクドットの一部と融合させることにより,着色された二次ドットを形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】建築板11の凹凸意匠面12にフルカラー印刷を行い化粧建築板を製造する。フルカラー印刷を行うに当っては複数のカラーヘッド41と補助ヘッド42とコンベア43とを有する印刷装置4を用いる。建築板11をコンベア43によって搬送し,複数のカラーヘッド41及び補助ヘッド42の下方を順次走行させる。各カラーヘッド41により建築板11の凹凸意匠面12にカラーインクドットを一定のピッチで形成する。補助ヘッド42により,隣り合うカラーインクドットの間に補助インクドットを打点する。補助インクドットをカラーインクドットの一部と融合させることにより,着色された二次ドットを形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,凹凸意匠面を有する建築板の上記凹凸意匠面にフルカラー印刷を行なうことにより,フルカラー印刷層を有する化粧建築板を製造する方法,及びこれにより得られる化粧建築板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より,建築板の凹凸意匠面に印刷を施すにあたり,バルブ開閉制御方式により,上記凹凸意匠面における所定の位置に所定のインクを印刷する方法がある。
ところが,バルブ開閉制御方式はインク摘噴射周波数に限界があり,解像度の高いフルカラー印刷を行なうことは困難である。そこで,紙へのフルカラー印刷に一般に使用されているピエゾ制御方式の印刷方法を,建築板に適用することが考えられる。
ピエゾ制御方式のインクジェット印刷機を用いた建築板の塗装方法としては,特開平9−201564号公報に開示された技術がある。
【0003】
しかし,この塗装方法は,フルカラー印刷をすることを目的としたものではなく,あくまでも調色されたインクを使用して1色のインクドットによる印刷を行うものである。
ピエゾ制御方式によるフルカラー印刷は,従来より紙の印刷に用いられている。フルカラー印刷は,シアン(藍色),マゼンタ(紅色),イエロー(黄色),ブラック(墨色)の色彩を有する細かいカラーインクドットを紙面に形成し,このカラーインクドットの集合により,フルカラーの模様を形成する。
【0004】
そして,ピエゾ制御方式を用いることにより,上記カラーインクドットの大きさを,例えば約18μmと極めて細かくすることができ,高解像度の画像をフルカラー印刷することができる。この場合,一つのカラーインクドットを形成するためのカラーインクのインク滴は,約6plと極めて少量となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなピエゾ制御方式によるフルカラー印刷を建築板への印刷に適用するには,以下の問題がある。
建築板を印刷するに当っては,例えば20〜30m/分にて高速走行する建築板に対してカラーインク滴を噴射することにより,建築板上にカラーインクドットを形成する必要があるが,凹凸意匠面を有する上記建築板が高速で走行すると,これに伴い随伴空気流が発生し,上述のごとく極めて細かいインク滴は,上記随伴空気流の影響を受け,上記建築板の表面に正確に着弾させることが困難となる。
【0006】
また,建築板の印刷に使用されるインクは,高耐候性能を要求される。そのため,使用可能なインクが限られ,ノズル径を小さくするとノズル詰まりが発生するおそれがある。それ故,形成するインク滴を小さくするにも限界がある。
かかる観点からも,紙へのフルカラー印刷のようにカラーインクドットのピッチを,例えば18μmと極めて小さくすることは困難である。
【0007】
逆に,カラーインクドットのピッチを充分小さくできないと,カラーインクドットの粒状感が生じ,例えば,岩肌調,レンガ肌調などの自然な風合いを発現することが困難となる。
このようなカラーインクドットの粒状感は,カラーインクドットの間から下地色が見えてしまうことにより生じる。特に,上記カラーインクドットは,建築板に形成された中塗層などの塗装面に対して印刷するため,紙の印刷の場合のようなインクのにじみがなく,ドットの粒状感がより出やすい。
【0008】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,解像度が高く,かつドットの粒状感のないフルカラー印刷層を有する化粧建築板,およびその製造方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は,凹凸意匠面を有する建築板の上記凹凸意匠面にフルカラー印刷を行なうことにより,フルカラー印刷層を有する化粧建築板を製造する方法であって,
上記建築板にフルカラー印刷を行なうに当っては,それぞれ,シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの色彩のカラーインクを噴射する複数のカラーヘッドと,透明或いは淡色の補助インクを噴射する補助ヘッドと,上記建築板を搬送するコンベアとを有する印刷装置を用い,
上記建築板を上記コンベアによって搬送し,上記複数のカラーヘッド及び上記補助ヘッドの下方を順次走行させ,
上記各カラーヘッドにより,上記建築板の凹凸意匠面における所定の位置に各カラーインクを着弾させて,カラーインクドットを一定のピッチで形成し,
次いで,上記補助ヘッドにより,隣り合う上記カラーインクドットの間に上記補助インクを着弾させて補助インクドットを打点し,
該補助インクドットを隣り合う上記カラーインクドットの一部と融合させることにより,上記補助インクドットを打点した位置に着色された二次ドットを形成することを特徴とする化粧建築板の製造方法にある(請求項1)。
【0010】
次に,本発明の作用効果につき説明する。
上記化粧建築板の製造方法においては,上記補助インクドットを隣り合う上記カラーインクドットの一部と融合させることにより,上記補助インクドットを打点した位置に着色された二次ドットを形成する。
これにより,上記カラーインクドットのみにより印刷した場合に比べ,解像度の高いフルカラー印刷層を得ることができる。
【0011】
上記カラーインクは,凹凸意匠面を有する上記建築板の走行に伴い発生する随伴空気流の影響を受けない程度の大きさのインク滴で,上記凹凸意匠面に着弾される必要がある。そのため,カラーインクドットのピッチの狭小化には限界がある。
そこで,上述のごとくカラーインクドットを一定のピッチで形成した後,隣り合う該カラーインクドットの間に上記補助インクドットを形成し,カラーインクドットの一部と融合させて上記二次ドットを形成する。これにより,カラーインクドットのピッチを小さくすることなく,カラーインクドットと二次ドットとにより得られる印刷画像の解像度を高くすることができる。
【0012】
また,上記カラーインクドットの間の隙間に上記二次ドットを形成するため,建築板の下地色の露出を抑制することができる。そのため,建築板の凹凸意匠面にドットの粒状感が生じることを回避することができ,岩肌調,レンガ肌調などの自然な風合いを充分に発現することができる。
【0013】
以上のごとく,本発明によれば,解像度が高く,かつドットの粒状感のないフルカラー印刷層を有する化粧建築板の製造方法を提供することができる。
【0014】
第2の発明は,凹凸意匠面を有する建築板の上記凹凸意匠面に,フルカラー印刷層を形成してなる化粧建築板であって,
該化粧建築板は,上記凹凸意匠面における所定の位置に一定のピッチで形成したカラーインクドットと,隣り合う該カラーインクドットの間に形成した二次ドットとによって,上記凹凸意匠面にフルカラー印刷層を形成してなり,
上記カラーインクドットは,シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックのいずれかの色彩を有し,
上記二次ドットは,隣り合う上記カラーインクドットの間に打点された透明或いは淡色の補助インクドットを,隣り合う上記カラーインクドットの一部と融合させることにより着色,形成されたドットであることを特徴とする化粧建築板にある(請求項6)。
【0015】
次に,本発明の作用効果につき説明する。
上記化粧建築板は,上記凹凸意匠面における所定の位置に一定のピッチで形成したカラーインクドットと,隣り合う該カラーインクドットの間に形成した二次ドットとによって,上記凹凸意匠面にフルカラー印刷層を形成してなる。
これにより,上記カラーインクドットのみにより印刷した場合に比べ,解像度の高いフルカラー印刷層を得ることができる。
即ち,カラーインクドットのピッチを小さくすることなく,カラーインクドットと二次ドットとにより得られる印刷画像の解像度を高くすることができる。
【0016】
また,上記カラーインクドットの間の隙間に上記二次ドットを形成するため,建築板の下地色の露出を抑制することができる。そのため,建築板の凹凸意匠面にドットの粒状感が生じることを回避することができ,岩肌調,レンガ肌調などの自然な風合いを充分に発現することができる。
【0017】
以上のごとく,本発明によれば,解像度が高く,かつドットの粒状感のないフルカラー印刷層を有する化粧建築板を提供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
上記第1の発明(請求項1)において,上記建築板として,例えば,窯業系建築板を用いることができる。
また,上記凹凸意匠面は,溝部,起伏等を形成することにより凹凸状の面を構成してなる。そして,上記建築板の厚み方向に関する凹凸の大きさは,例えば,2〜11mmである。
【0019】
また,上記補助インクドットの打点位置は,上記建築板の走行方向に隣り合うカラーインクドットの間,上記走行方向に直交する方向に隣り合うカラーインクドットの間,或いはこれら双方の何れであってもよい。
また,上記フルカラー印刷層は,上記凹凸意匠面に下塗層,中塗層等を形成した上から印刷することが好ましい。そして,フルカラー印刷層の上からはクリヤー層を形成することが好ましい。
【0020】
また,上記印刷装置は,ピエゾ制御方式により上記カラーインク及び補助インクの噴射を制御する印刷装置であることが好ましい(請求項2)。
この場合には,解像度の高いフルカラー印刷を容易かつ確実に行なうことができる。
【0021】
また,第1の発明(請求項1)又は第2の発明(請求項6)において,上記カラーインクドットの形成ピッチは,70〜300μmであることが好ましい(請求項3,請求項7)。
これにより,容易に,解像度が高く,かつドットの粒状感のないフルカラー印刷層を形成することができる。
上記形成ピッチが70μm未満の場合には,上記カラーヘッドから噴射されるインク滴が小さくなりすぎ,該インク滴が上記建築板の走行に伴う随伴空気流に流され,建築板の正確な位置に着弾され難くなるおそれがある。一方,上記形成ピッチが300μmを超えると,解像度が低下すると共に,ドットの粒状感が現れ,自然な風合いのフルカラー印刷を行なうことが困難となるおそれがある。
【0022】
また,上記カラーヘッドは,上記建築板の凹凸意匠面における同一の位置に同じカラーインクを複数回重ねて着弾させることが好ましい(請求項4)。
この場合には,フルカラー印刷層の濃度を向上させ,より鮮明な柄模様を印刷することができる。特に,解像度を上げるべくカラーインクドットのピッチを小さくすると,1回だけのカラーインクの着弾では,1ドットを形成するカラーインクの量を少なくせざるを得ない。それ故,上述のごとくカラーインクを複数回重ねて着弾させることにより,カラーインクドットのピッチが小さく,かつ濃度の高いフルカラー印刷層を容易に形成することができる。
また,同一の位置に複数回カラーインクを着弾させることにより,カラーインクドットの面積も大きくなる。これにより,隣り合うカラーインクドット間の隙間を減らし,粒状感を抑制することができる。
【0023】
また,上記コンベアは,上記建築板を20〜30m/分の速度で搬送することが好ましい(請求項5)。
この場合には,フルカラー印刷を正確に行なうことができると共に,化粧建築板を効率よく製造することができる。
上記建築板の搬送速度が20m/分未満の場合には,化粧建築板を効率よく製造することが困難となるおそれがある。一方,搬送速度が30m/分を超える場合には,カラーインクの着弾位置が不正確となるおそれがあり,フルカラー印刷を正確に行なうことが困難となるおそれがある。
【0024】
次に,第2の発明(請求項6)において,上記フルカラー印刷層の上面には,透明なクリヤー層が形成されていることが好ましい(請求項8)。
この場合には,上記化粧建築板の耐候性を向上させることができる。
【0025】
また,上記クリヤー層はプラスチックビーズを混入してなることが好ましい(請求項9)。
この場合には,上記凹凸意匠面に独特な光反射効果が現れ,より意匠性に優れた化粧建築板を得ることができる。
【0026】
【実施例】
(実施例1)
本発明の実施例にかかる化粧建築板及びその製造方法につき,図1〜図6を用いて説明する。
上記化粧建築板の製造方法は,図1に示すごとく,凹凸意匠面12を有する建築板11の上記凹凸意匠面12にフルカラー印刷を行なうことにより,フルカラー印刷層15を有する化粧建築板1(図6)を製造する方法である。
【0027】
上記建築板11にフルカラー印刷を行なうに当っては,図1に示す印刷装置4を用いる。該印刷装置4は,それぞれ,シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの色彩のカラーインクを噴射する複数のカラーヘッド41(41c,41m,41y,41k)と,透明の補助インクを噴射する補助ヘッド42と,上記建築板11を搬送するコンベア43とを有する。
【0028】
上記建築板11を上記コンベア43によって搬送し,上記複数のカラーヘッド41及び上記補助ヘッド42の下方を順次走行させる。
そして,図1,図2(A),(B)に示すごとく,上記各カラーヘッド41c,41m,41y,41kにより,上記建築板11の凹凸意匠面12における所定の位置に各カラーインクを着弾させて,カラーインクドット2を一定のピッチで形成する。なお,図2(B)は,図2(A)に示すドット位置に重ねて同色のカラーインクドット2を形成することにより,ドット径が若干大きくなった様子を示している。
【0029】
次いで,図1,図2(C)に示すごとく,上記補助ヘッド42により,隣り合う上記カラーインクドット2の間に上記補助インクを着弾させて補助インクドット3を打点する。
そして,図2(D)に示すごとく,該補助インクドット3を隣り合う上記カラーインクドット2の一部と融合させることにより,上記補助インクドット3を打点した位置に着色された二次ドット32を形成する。
なお,図2は,凹凸意匠面12に形成される無数のカラーインクドット2のうちの4個と,その間に配される補助インクドット3或いは二次ドット32のみを,模式的に示したものである。
【0030】
上記印刷装置4は,ピエゾ制御方式により上記カラーインク及び補助インクの噴射を制御する印刷装置である。
また,上記カラーインクドット2の形成ピッチは,72〜280μmである。
上記カラーヘッド41は,図2(B)に示すごとく,上記建築板11の凹凸意匠面12における同一の位置に同じカラーインクを複数回重ねて着弾させることでインク濃度を倍にし,カラーインクドット2のパンチ力を向上させる。
上記コンベア43は,上記建築板11を20〜30m/分の速度で搬送する。
【0031】
上記各カラーヘッド41は,それぞれ,図3に示すごとく,並列する多数のノズル411を有するノズルユニット412を複数配設してなる。各ノズルユニット412は,上記ノズル411を,上記建築板11の走行方向Fに直交する方向に所定のピッチでもって多数並べて配置してなる。また,この多数のノズル411の列は,上記建築板11の走行方向Fに2列配置されている。
【0032】
そして,図3,図4に示すごとく,各ノズルユニット412に配設された第1列における各ノズル411と第2列における各ノズル411とは,建築板11の走行方向Fに同一ライン上に並んでいる。
【0033】
また,上記ノズル411は,上記走行方向Fと直交する方向に均一なピッチで形成してある。そして,各ノズルユニット412の右端に配されたノズル411と,隣のノズルユニット412の左端に配されたノズル411とは,上記走行方向Fに直交する方向についてのピッチが,上記ノズル411の形成ピッチと一致するように配置されている。
【0034】
これにより,上記ノズル411のピッチはカラーヘッド41の左端から右端に渡り一定のピッチとなる。かかる配置とするために,上記複数のノズルユニット412は,図3に示すごとく,階段状に配置されている。
なお,上記ノズルユニット412は,上記カラーヘッド41に対して着脱可能に取付けてある。
【0035】
このように構成された4個のカラーヘッド41が,図1に示すごとく,上記コンベア43の上方において,建築板11の進行方向に順次配置されている。即ち,シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの色彩のカラーインクをそれぞれ噴射する4個のカラーヘッド41c,41m,41y,41kが順次配置されている。
【0036】
また,上記4個のカラーヘッド41の後方には,上記補助ヘッド42が配置されている。
該補助ヘッド42は,図4に示すごとく,上記カラーヘッド41におけるノズル411と同じピッチで形成されたノズル421を有する。該ノズル421は,該ノズル421を通る直線であって建築板11の走行方向Fに平行な直線Aが,上記カラーヘッド41におけるノズル411の中間位置を通るように配置される。
また,上記補助ヘッド42の更に後方には,透明なクリヤー塗装を施すためのクリヤー塗装ヘッド44が配置されている。
【0037】
以下に,上記化粧建築板の製造方法につき,具体的に説明する。
まず,図1に示すごとく,エンボス加工等により凹凸意匠面12を形成した窯業系の建築板11をコンベア43により搬送する。
上記凹凸意匠面12は,約2〜11mmの深さを有する溝部121が形成され,また溝部121の間に形成された凸部122には,起伏が形成されている。
上記建築板11の凹凸意匠面12には,フルカラー印刷を施すに先立ち,全面スプレー塗装によって,上記凹凸意匠面12に下塗層13及び中塗層14を形成する(図6)。
【0038】
次いで,上記建築板11が上記カラーヘッド41の下方へ到来したとき,該建築板11の走行に合わせて,予め記憶されたパターンに従って,上記カラーヘッド41からカラーインクを噴射する。
例えば,図5(D)に示すような模様(部分的な模様)をフルカラー印刷する場合,まず,上記カラーヘッド41cによって,シアンのカラーインクを上記建築板11の所定の位置に着弾させて,図5(A)に示すごとく,シアンのみの模様33cを描く。次いで,上記カラーヘッド41mによって,マゼンタのカラーインクを所定の位置に着弾させて,図5(B)に示すごとく,シアンの模様33cにマゼンタからなる模様33mが融合した模様を得る。
【0039】
次いで,上記カラーヘッド41yによって,イエローのカラーインクを上記建築板11の所定の位置に着弾させて,図5(C)に示すごとく,シアンの模様33cとマゼンタの模様33mとイエローの模様33yとが融合した模様を得る。
更に,上記カラーヘッド41kによって,ブラックのカラーインクを所定の位置に着弾させて,図5(D)に示すごとく,シアンの模様33c,マゼンタの模様33m,イエローの模様33y,及びブラックの模様33kが融合した模様を得る。
【0040】
なお,上記カラーインクドット2は,図2(A),(B)に示すごとく,上記建築板11の凹凸意匠面12における同一の位置に,上記カラーインクを2回重ねて着弾させることにより形成する。即ち,図3,図4に示す2列のノズル411のうちの前方のノズル411からカラーインクを噴射した後,後方のノズル411から同じカラーインクを噴射して同じ位置に着弾させる。
以上により,建築板11の凹凸意匠面12にカラーインクドット2を形成する(図2(B))。
【0041】
次に,建築板11が上記補助ヘッド42の下方へ到来したとき,該補助ヘッド42により,補助インクを建築板11に着弾させる。これにより,図2(C)に示すごとく,上記カラーインクドット2の間に補助インクドット3を形成する。そして,この補助インクドット3が隣り合う上記カラーインクドット2の一部と融合することにより,図2(D)に示すごとく,二次ドット32が形成される。
これにより,フルカラー印刷層15を形成する(図6)。
【0042】
次いで,上記建築板11が上記クリヤー塗装ヘッド44の下方に到来したとき,該クリヤー塗装ヘッド44によって,上記建築板11の凹凸意匠面12にクリヤー塗装を施す。
このとき,クリヤー塗料には例えば,プラスチックビーズ17を混入させておく。該プラスチックビーズ17としては,種々の色彩に着色されたものや半透明なもの等を用いることができる。
以上により,図6に示すような化粧建築板1を得る。
【0043】
該化粧建築板1は,図6に示すごとく,凹凸意匠面12にフルカラー印刷層15を形成してなる。
該フルカラー印刷層15は,上記凹凸意匠面12の上に順次形成された下塗層13及び中塗層14の上から形成されている。
また,上記フルカラー印刷層15の上面には,透明なクリヤー層16が形成されている。該クリヤー層16はプラスチックビーズ17を混入してなる。
【0044】
次に,本例の作用効果につき説明する。
上記化粧建築板の製造方法においては,図2(C),(D)に示すごとく,上記補助インクドット3を隣り合う上記カラーインクドット2の一部と融合させることにより,上記補助インクドット3を打点した位置に着色された二次ドット32を形成する。
これにより,上記カラーインクドット2のみにより印刷した場合に比べ,走行方向Fに直交する方向に関して2倍の解像度のフルカラー印刷層15を得ることができる。
【0045】
上記カラーインクは,凹凸意匠面12を有する上記建築板11の走行に伴い発生する随伴空気流の影響を受けない程度の大きさのインク滴でもって,上記凹凸意匠面12に着弾される必要がある。そのため,カラーインクドット2のピッチの狭小化には限界がある。
【0046】
そこで,上述のごとくカラーインクドット2を一定のピッチで形成した後,隣り合う該カラーインクドット2の間に上記補助インクドット3を形成し,カラーインクドット2の一部と融合させて上記二次ドット32を形成する。これにより,カラーインクドット2のピッチを小さくすることなく(即ち,インク滴を小さくせずとも),カラーインクドット2と二次ドット32とにより得られる印刷画像の解像度を高くすることができる。
【0047】
また,上記カラーインクドット2の間の隙間に上記二次ドット32を形成するため,建築板11の下地色の露出を効果的に抑制することができる。そのため,建築板11の凹凸意匠面12にドットの粒状感が生じることを回避することができ,岩肌調,レンガ肌調などの自然な風合いを充分に発現することができる。
【0048】
また,上記印刷装置4は,ピエゾ制御方式により上記カラーインク及び補助インクの噴射を制御する。これにより,解像度の高いフルカラー印刷を容易かつ確実に行なうことができる。
【0049】
また,上記カラーインクドット2の形成ピッチは,72〜280μmであるため,容易に,解像度が高く,かつドットの粒状感のないフルカラー印刷層15を形成することができる。
【0050】
また,上記カラーヘッド41は,図2(A),(B)に示すごとく,上記建築板11の凹凸意匠面12における同一の位置に同じカラーインクを複数回重ねて着弾させる。そのため,フルカラー印刷層15の濃度を向上させ,より鮮明な柄模様を印刷することができる。
【0051】
特に,解像度を上げるべくカラーインクドット2のピッチを小さくすると,1回だけのカラーインクの着弾では,1ドットを形成するカラーインクの量を少なくせざるを得ない。それ故,上述のごとくカラーインクを複数回重ねて着弾させることにより,カラーインクドット2のピッチが小さく,かつ濃度の高いフルカラー印刷層15を容易に形成することができる。
また,同一の位置に複数回カラーインクを着弾させることにより,カラーインクドット2の面積も大きくなる。これにより,隣り合うカラーインクドット2間の隙間を減らし,粒状感を抑制することができる。
【0052】
また,上記コンベア43は,上記建築板11を20〜30m/分の速度で搬送する。これにより,フルカラー印刷を正確に行なうことができると共に,化粧建築板1を効率よく製造することができる。
【0053】
また,図6に示すごとく,上記フルカラー印刷層15の上面には,透明なクリヤー層16が形成されている。これにより,上記化粧建築板1の耐候性を向上させることができる。
また,上記クリヤー層16はプラスチックビーズ17を混入してなるため,上記凹凸意匠面12に独特な光反射効果が現れ,より意匠性に優れた化粧建築板1を得ることができる。
【0054】
以上のごとく,本例によれば,解像度が高く,かつドットの粒状感のないフルカラー印刷層を有する化粧建築板,及びその製造方法を提供することができる。
【0055】
(実施例2)
本例は,図7,図8に示すごとく,補助インクドット3の打点位置を,建築板11の走行方向Fに隣り合うカラーインクドット2の間と,上記走行方向Fに直交する方向に隣り合うカラーインクドット2の間の双方とする例である。
【0056】
この場合,上記実施例1に示した補助ヘッド42に加えて,2個目の補助ヘッド420を配置する。該補助ヘッド420は,図8に示すごとく,ノズル421の位置を,上記カラーヘッド41のノズル411の位置と,同一ライン上に並ぶように,建築板11の走行方向Fに関して一致させている。従って,上記1個目の補助ヘッド42のノズル421と2個目の補助ヘッド420のノズル421とは,互いに半ピッチずれた位置に形成されている。
【0057】
そして,上記2個目の補助ヘッド420は,図7(A)に示すごとく,建築板11の走行方向Fに隣り合うカラーインクドット2の間に補助インクドット3が打点されるように,補助インクを噴射する。
また,上記1個目の補助ヘッド42は,上記走行方向Fに直交する方向に隣り合うカラーインクドット2の間に補助インクドット3が打点されるように,補助インクを噴射する。
その他は,実施例1と同様である。
【0058】
これにより,図7(A)に示すごとく,上記走行方向Fに隣り合うカラーインクドット2の間,及び上記走行方向Fと直交する方向に隣り合うカラーインクドットの間の双方に補助インクドット3が打点される。そして,図7(A),(B)に示すごとく,上記補助インクドット3が前後あるいは左右のカラーインクドット2の一部と融合して,二次ドット32となる。
その結果,上記建築板11の凹凸意匠面12には,カラーインクドット2と,該カラーインクドット2の前後左右に配された補助インクドット32とからなるフルカラー印刷層15が形成される。
【0059】
それ故,フルカラー印刷層15の縦横方向の解像度が一層高くなる。即ち,建築板11の走行方向Fについても,解像度が2倍となる。また,ドットの粒状感をより抑制したフルカラー印刷層15を形成することができる。
その他,実施例1と同様の作用効果を有する。
【0060】
上記実施例1,2においては,補助インクドットを形成する補助インクとして,透明インクを使用したが,淡色の補助インクを使用することもできる。
【0061】
【発明の効果】
以上のごとく,本発明によれば,解像度が高く,かつドットの粒状感のないフルカラー印刷層を有する化粧建築板,及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,化粧建築板の製造方法の説明図。
【図2】実施例1における,カラーインクドットと二次ドットの形成の過程を示す模式図。
【図3】実施例1における,カラーヘッドの下面図。
【図4】実施例1における,カラーヘッドのノズルと補助ヘッドのノズルとの位置関係を説明する説明図。
【図5】実施例1における,フルカラー印刷の過程を説明する模式図。
【図6】実施例1における,化粧建築板の断面説明図。
【図7】実施例2における,カラーインクドットと二次ドットの形成の過程を示す模式図。
【図8】実施例2における,カラーヘッドのノズルと補助ヘッドのノズルとの位置関係を説明する説明図。
【符号の説明】
1...化粧建築板,
11...建築板,
12...凹凸意匠面,
15...フルカラー印刷層,
2...カラーインクドット,
3...補助インクドット,
32...二次ドット,
4...印刷装置,
41...カラーヘッド,
411...ノズル,
42...補助ヘッド,
421...ノズル,
43...コンベア,
【発明の属する技術分野】
本発明は,凹凸意匠面を有する建築板の上記凹凸意匠面にフルカラー印刷を行なうことにより,フルカラー印刷層を有する化粧建築板を製造する方法,及びこれにより得られる化粧建築板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より,建築板の凹凸意匠面に印刷を施すにあたり,バルブ開閉制御方式により,上記凹凸意匠面における所定の位置に所定のインクを印刷する方法がある。
ところが,バルブ開閉制御方式はインク摘噴射周波数に限界があり,解像度の高いフルカラー印刷を行なうことは困難である。そこで,紙へのフルカラー印刷に一般に使用されているピエゾ制御方式の印刷方法を,建築板に適用することが考えられる。
ピエゾ制御方式のインクジェット印刷機を用いた建築板の塗装方法としては,特開平9−201564号公報に開示された技術がある。
【0003】
しかし,この塗装方法は,フルカラー印刷をすることを目的としたものではなく,あくまでも調色されたインクを使用して1色のインクドットによる印刷を行うものである。
ピエゾ制御方式によるフルカラー印刷は,従来より紙の印刷に用いられている。フルカラー印刷は,シアン(藍色),マゼンタ(紅色),イエロー(黄色),ブラック(墨色)の色彩を有する細かいカラーインクドットを紙面に形成し,このカラーインクドットの集合により,フルカラーの模様を形成する。
【0004】
そして,ピエゾ制御方式を用いることにより,上記カラーインクドットの大きさを,例えば約18μmと極めて細かくすることができ,高解像度の画像をフルカラー印刷することができる。この場合,一つのカラーインクドットを形成するためのカラーインクのインク滴は,約6plと極めて少量となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなピエゾ制御方式によるフルカラー印刷を建築板への印刷に適用するには,以下の問題がある。
建築板を印刷するに当っては,例えば20〜30m/分にて高速走行する建築板に対してカラーインク滴を噴射することにより,建築板上にカラーインクドットを形成する必要があるが,凹凸意匠面を有する上記建築板が高速で走行すると,これに伴い随伴空気流が発生し,上述のごとく極めて細かいインク滴は,上記随伴空気流の影響を受け,上記建築板の表面に正確に着弾させることが困難となる。
【0006】
また,建築板の印刷に使用されるインクは,高耐候性能を要求される。そのため,使用可能なインクが限られ,ノズル径を小さくするとノズル詰まりが発生するおそれがある。それ故,形成するインク滴を小さくするにも限界がある。
かかる観点からも,紙へのフルカラー印刷のようにカラーインクドットのピッチを,例えば18μmと極めて小さくすることは困難である。
【0007】
逆に,カラーインクドットのピッチを充分小さくできないと,カラーインクドットの粒状感が生じ,例えば,岩肌調,レンガ肌調などの自然な風合いを発現することが困難となる。
このようなカラーインクドットの粒状感は,カラーインクドットの間から下地色が見えてしまうことにより生じる。特に,上記カラーインクドットは,建築板に形成された中塗層などの塗装面に対して印刷するため,紙の印刷の場合のようなインクのにじみがなく,ドットの粒状感がより出やすい。
【0008】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,解像度が高く,かつドットの粒状感のないフルカラー印刷層を有する化粧建築板,およびその製造方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は,凹凸意匠面を有する建築板の上記凹凸意匠面にフルカラー印刷を行なうことにより,フルカラー印刷層を有する化粧建築板を製造する方法であって,
上記建築板にフルカラー印刷を行なうに当っては,それぞれ,シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの色彩のカラーインクを噴射する複数のカラーヘッドと,透明或いは淡色の補助インクを噴射する補助ヘッドと,上記建築板を搬送するコンベアとを有する印刷装置を用い,
上記建築板を上記コンベアによって搬送し,上記複数のカラーヘッド及び上記補助ヘッドの下方を順次走行させ,
上記各カラーヘッドにより,上記建築板の凹凸意匠面における所定の位置に各カラーインクを着弾させて,カラーインクドットを一定のピッチで形成し,
次いで,上記補助ヘッドにより,隣り合う上記カラーインクドットの間に上記補助インクを着弾させて補助インクドットを打点し,
該補助インクドットを隣り合う上記カラーインクドットの一部と融合させることにより,上記補助インクドットを打点した位置に着色された二次ドットを形成することを特徴とする化粧建築板の製造方法にある(請求項1)。
【0010】
次に,本発明の作用効果につき説明する。
上記化粧建築板の製造方法においては,上記補助インクドットを隣り合う上記カラーインクドットの一部と融合させることにより,上記補助インクドットを打点した位置に着色された二次ドットを形成する。
これにより,上記カラーインクドットのみにより印刷した場合に比べ,解像度の高いフルカラー印刷層を得ることができる。
【0011】
上記カラーインクは,凹凸意匠面を有する上記建築板の走行に伴い発生する随伴空気流の影響を受けない程度の大きさのインク滴で,上記凹凸意匠面に着弾される必要がある。そのため,カラーインクドットのピッチの狭小化には限界がある。
そこで,上述のごとくカラーインクドットを一定のピッチで形成した後,隣り合う該カラーインクドットの間に上記補助インクドットを形成し,カラーインクドットの一部と融合させて上記二次ドットを形成する。これにより,カラーインクドットのピッチを小さくすることなく,カラーインクドットと二次ドットとにより得られる印刷画像の解像度を高くすることができる。
【0012】
また,上記カラーインクドットの間の隙間に上記二次ドットを形成するため,建築板の下地色の露出を抑制することができる。そのため,建築板の凹凸意匠面にドットの粒状感が生じることを回避することができ,岩肌調,レンガ肌調などの自然な風合いを充分に発現することができる。
【0013】
以上のごとく,本発明によれば,解像度が高く,かつドットの粒状感のないフルカラー印刷層を有する化粧建築板の製造方法を提供することができる。
【0014】
第2の発明は,凹凸意匠面を有する建築板の上記凹凸意匠面に,フルカラー印刷層を形成してなる化粧建築板であって,
該化粧建築板は,上記凹凸意匠面における所定の位置に一定のピッチで形成したカラーインクドットと,隣り合う該カラーインクドットの間に形成した二次ドットとによって,上記凹凸意匠面にフルカラー印刷層を形成してなり,
上記カラーインクドットは,シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックのいずれかの色彩を有し,
上記二次ドットは,隣り合う上記カラーインクドットの間に打点された透明或いは淡色の補助インクドットを,隣り合う上記カラーインクドットの一部と融合させることにより着色,形成されたドットであることを特徴とする化粧建築板にある(請求項6)。
【0015】
次に,本発明の作用効果につき説明する。
上記化粧建築板は,上記凹凸意匠面における所定の位置に一定のピッチで形成したカラーインクドットと,隣り合う該カラーインクドットの間に形成した二次ドットとによって,上記凹凸意匠面にフルカラー印刷層を形成してなる。
これにより,上記カラーインクドットのみにより印刷した場合に比べ,解像度の高いフルカラー印刷層を得ることができる。
即ち,カラーインクドットのピッチを小さくすることなく,カラーインクドットと二次ドットとにより得られる印刷画像の解像度を高くすることができる。
【0016】
また,上記カラーインクドットの間の隙間に上記二次ドットを形成するため,建築板の下地色の露出を抑制することができる。そのため,建築板の凹凸意匠面にドットの粒状感が生じることを回避することができ,岩肌調,レンガ肌調などの自然な風合いを充分に発現することができる。
【0017】
以上のごとく,本発明によれば,解像度が高く,かつドットの粒状感のないフルカラー印刷層を有する化粧建築板を提供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
上記第1の発明(請求項1)において,上記建築板として,例えば,窯業系建築板を用いることができる。
また,上記凹凸意匠面は,溝部,起伏等を形成することにより凹凸状の面を構成してなる。そして,上記建築板の厚み方向に関する凹凸の大きさは,例えば,2〜11mmである。
【0019】
また,上記補助インクドットの打点位置は,上記建築板の走行方向に隣り合うカラーインクドットの間,上記走行方向に直交する方向に隣り合うカラーインクドットの間,或いはこれら双方の何れであってもよい。
また,上記フルカラー印刷層は,上記凹凸意匠面に下塗層,中塗層等を形成した上から印刷することが好ましい。そして,フルカラー印刷層の上からはクリヤー層を形成することが好ましい。
【0020】
また,上記印刷装置は,ピエゾ制御方式により上記カラーインク及び補助インクの噴射を制御する印刷装置であることが好ましい(請求項2)。
この場合には,解像度の高いフルカラー印刷を容易かつ確実に行なうことができる。
【0021】
また,第1の発明(請求項1)又は第2の発明(請求項6)において,上記カラーインクドットの形成ピッチは,70〜300μmであることが好ましい(請求項3,請求項7)。
これにより,容易に,解像度が高く,かつドットの粒状感のないフルカラー印刷層を形成することができる。
上記形成ピッチが70μm未満の場合には,上記カラーヘッドから噴射されるインク滴が小さくなりすぎ,該インク滴が上記建築板の走行に伴う随伴空気流に流され,建築板の正確な位置に着弾され難くなるおそれがある。一方,上記形成ピッチが300μmを超えると,解像度が低下すると共に,ドットの粒状感が現れ,自然な風合いのフルカラー印刷を行なうことが困難となるおそれがある。
【0022】
また,上記カラーヘッドは,上記建築板の凹凸意匠面における同一の位置に同じカラーインクを複数回重ねて着弾させることが好ましい(請求項4)。
この場合には,フルカラー印刷層の濃度を向上させ,より鮮明な柄模様を印刷することができる。特に,解像度を上げるべくカラーインクドットのピッチを小さくすると,1回だけのカラーインクの着弾では,1ドットを形成するカラーインクの量を少なくせざるを得ない。それ故,上述のごとくカラーインクを複数回重ねて着弾させることにより,カラーインクドットのピッチが小さく,かつ濃度の高いフルカラー印刷層を容易に形成することができる。
また,同一の位置に複数回カラーインクを着弾させることにより,カラーインクドットの面積も大きくなる。これにより,隣り合うカラーインクドット間の隙間を減らし,粒状感を抑制することができる。
【0023】
また,上記コンベアは,上記建築板を20〜30m/分の速度で搬送することが好ましい(請求項5)。
この場合には,フルカラー印刷を正確に行なうことができると共に,化粧建築板を効率よく製造することができる。
上記建築板の搬送速度が20m/分未満の場合には,化粧建築板を効率よく製造することが困難となるおそれがある。一方,搬送速度が30m/分を超える場合には,カラーインクの着弾位置が不正確となるおそれがあり,フルカラー印刷を正確に行なうことが困難となるおそれがある。
【0024】
次に,第2の発明(請求項6)において,上記フルカラー印刷層の上面には,透明なクリヤー層が形成されていることが好ましい(請求項8)。
この場合には,上記化粧建築板の耐候性を向上させることができる。
【0025】
また,上記クリヤー層はプラスチックビーズを混入してなることが好ましい(請求項9)。
この場合には,上記凹凸意匠面に独特な光反射効果が現れ,より意匠性に優れた化粧建築板を得ることができる。
【0026】
【実施例】
(実施例1)
本発明の実施例にかかる化粧建築板及びその製造方法につき,図1〜図6を用いて説明する。
上記化粧建築板の製造方法は,図1に示すごとく,凹凸意匠面12を有する建築板11の上記凹凸意匠面12にフルカラー印刷を行なうことにより,フルカラー印刷層15を有する化粧建築板1(図6)を製造する方法である。
【0027】
上記建築板11にフルカラー印刷を行なうに当っては,図1に示す印刷装置4を用いる。該印刷装置4は,それぞれ,シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの色彩のカラーインクを噴射する複数のカラーヘッド41(41c,41m,41y,41k)と,透明の補助インクを噴射する補助ヘッド42と,上記建築板11を搬送するコンベア43とを有する。
【0028】
上記建築板11を上記コンベア43によって搬送し,上記複数のカラーヘッド41及び上記補助ヘッド42の下方を順次走行させる。
そして,図1,図2(A),(B)に示すごとく,上記各カラーヘッド41c,41m,41y,41kにより,上記建築板11の凹凸意匠面12における所定の位置に各カラーインクを着弾させて,カラーインクドット2を一定のピッチで形成する。なお,図2(B)は,図2(A)に示すドット位置に重ねて同色のカラーインクドット2を形成することにより,ドット径が若干大きくなった様子を示している。
【0029】
次いで,図1,図2(C)に示すごとく,上記補助ヘッド42により,隣り合う上記カラーインクドット2の間に上記補助インクを着弾させて補助インクドット3を打点する。
そして,図2(D)に示すごとく,該補助インクドット3を隣り合う上記カラーインクドット2の一部と融合させることにより,上記補助インクドット3を打点した位置に着色された二次ドット32を形成する。
なお,図2は,凹凸意匠面12に形成される無数のカラーインクドット2のうちの4個と,その間に配される補助インクドット3或いは二次ドット32のみを,模式的に示したものである。
【0030】
上記印刷装置4は,ピエゾ制御方式により上記カラーインク及び補助インクの噴射を制御する印刷装置である。
また,上記カラーインクドット2の形成ピッチは,72〜280μmである。
上記カラーヘッド41は,図2(B)に示すごとく,上記建築板11の凹凸意匠面12における同一の位置に同じカラーインクを複数回重ねて着弾させることでインク濃度を倍にし,カラーインクドット2のパンチ力を向上させる。
上記コンベア43は,上記建築板11を20〜30m/分の速度で搬送する。
【0031】
上記各カラーヘッド41は,それぞれ,図3に示すごとく,並列する多数のノズル411を有するノズルユニット412を複数配設してなる。各ノズルユニット412は,上記ノズル411を,上記建築板11の走行方向Fに直交する方向に所定のピッチでもって多数並べて配置してなる。また,この多数のノズル411の列は,上記建築板11の走行方向Fに2列配置されている。
【0032】
そして,図3,図4に示すごとく,各ノズルユニット412に配設された第1列における各ノズル411と第2列における各ノズル411とは,建築板11の走行方向Fに同一ライン上に並んでいる。
【0033】
また,上記ノズル411は,上記走行方向Fと直交する方向に均一なピッチで形成してある。そして,各ノズルユニット412の右端に配されたノズル411と,隣のノズルユニット412の左端に配されたノズル411とは,上記走行方向Fに直交する方向についてのピッチが,上記ノズル411の形成ピッチと一致するように配置されている。
【0034】
これにより,上記ノズル411のピッチはカラーヘッド41の左端から右端に渡り一定のピッチとなる。かかる配置とするために,上記複数のノズルユニット412は,図3に示すごとく,階段状に配置されている。
なお,上記ノズルユニット412は,上記カラーヘッド41に対して着脱可能に取付けてある。
【0035】
このように構成された4個のカラーヘッド41が,図1に示すごとく,上記コンベア43の上方において,建築板11の進行方向に順次配置されている。即ち,シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの色彩のカラーインクをそれぞれ噴射する4個のカラーヘッド41c,41m,41y,41kが順次配置されている。
【0036】
また,上記4個のカラーヘッド41の後方には,上記補助ヘッド42が配置されている。
該補助ヘッド42は,図4に示すごとく,上記カラーヘッド41におけるノズル411と同じピッチで形成されたノズル421を有する。該ノズル421は,該ノズル421を通る直線であって建築板11の走行方向Fに平行な直線Aが,上記カラーヘッド41におけるノズル411の中間位置を通るように配置される。
また,上記補助ヘッド42の更に後方には,透明なクリヤー塗装を施すためのクリヤー塗装ヘッド44が配置されている。
【0037】
以下に,上記化粧建築板の製造方法につき,具体的に説明する。
まず,図1に示すごとく,エンボス加工等により凹凸意匠面12を形成した窯業系の建築板11をコンベア43により搬送する。
上記凹凸意匠面12は,約2〜11mmの深さを有する溝部121が形成され,また溝部121の間に形成された凸部122には,起伏が形成されている。
上記建築板11の凹凸意匠面12には,フルカラー印刷を施すに先立ち,全面スプレー塗装によって,上記凹凸意匠面12に下塗層13及び中塗層14を形成する(図6)。
【0038】
次いで,上記建築板11が上記カラーヘッド41の下方へ到来したとき,該建築板11の走行に合わせて,予め記憶されたパターンに従って,上記カラーヘッド41からカラーインクを噴射する。
例えば,図5(D)に示すような模様(部分的な模様)をフルカラー印刷する場合,まず,上記カラーヘッド41cによって,シアンのカラーインクを上記建築板11の所定の位置に着弾させて,図5(A)に示すごとく,シアンのみの模様33cを描く。次いで,上記カラーヘッド41mによって,マゼンタのカラーインクを所定の位置に着弾させて,図5(B)に示すごとく,シアンの模様33cにマゼンタからなる模様33mが融合した模様を得る。
【0039】
次いで,上記カラーヘッド41yによって,イエローのカラーインクを上記建築板11の所定の位置に着弾させて,図5(C)に示すごとく,シアンの模様33cとマゼンタの模様33mとイエローの模様33yとが融合した模様を得る。
更に,上記カラーヘッド41kによって,ブラックのカラーインクを所定の位置に着弾させて,図5(D)に示すごとく,シアンの模様33c,マゼンタの模様33m,イエローの模様33y,及びブラックの模様33kが融合した模様を得る。
【0040】
なお,上記カラーインクドット2は,図2(A),(B)に示すごとく,上記建築板11の凹凸意匠面12における同一の位置に,上記カラーインクを2回重ねて着弾させることにより形成する。即ち,図3,図4に示す2列のノズル411のうちの前方のノズル411からカラーインクを噴射した後,後方のノズル411から同じカラーインクを噴射して同じ位置に着弾させる。
以上により,建築板11の凹凸意匠面12にカラーインクドット2を形成する(図2(B))。
【0041】
次に,建築板11が上記補助ヘッド42の下方へ到来したとき,該補助ヘッド42により,補助インクを建築板11に着弾させる。これにより,図2(C)に示すごとく,上記カラーインクドット2の間に補助インクドット3を形成する。そして,この補助インクドット3が隣り合う上記カラーインクドット2の一部と融合することにより,図2(D)に示すごとく,二次ドット32が形成される。
これにより,フルカラー印刷層15を形成する(図6)。
【0042】
次いで,上記建築板11が上記クリヤー塗装ヘッド44の下方に到来したとき,該クリヤー塗装ヘッド44によって,上記建築板11の凹凸意匠面12にクリヤー塗装を施す。
このとき,クリヤー塗料には例えば,プラスチックビーズ17を混入させておく。該プラスチックビーズ17としては,種々の色彩に着色されたものや半透明なもの等を用いることができる。
以上により,図6に示すような化粧建築板1を得る。
【0043】
該化粧建築板1は,図6に示すごとく,凹凸意匠面12にフルカラー印刷層15を形成してなる。
該フルカラー印刷層15は,上記凹凸意匠面12の上に順次形成された下塗層13及び中塗層14の上から形成されている。
また,上記フルカラー印刷層15の上面には,透明なクリヤー層16が形成されている。該クリヤー層16はプラスチックビーズ17を混入してなる。
【0044】
次に,本例の作用効果につき説明する。
上記化粧建築板の製造方法においては,図2(C),(D)に示すごとく,上記補助インクドット3を隣り合う上記カラーインクドット2の一部と融合させることにより,上記補助インクドット3を打点した位置に着色された二次ドット32を形成する。
これにより,上記カラーインクドット2のみにより印刷した場合に比べ,走行方向Fに直交する方向に関して2倍の解像度のフルカラー印刷層15を得ることができる。
【0045】
上記カラーインクは,凹凸意匠面12を有する上記建築板11の走行に伴い発生する随伴空気流の影響を受けない程度の大きさのインク滴でもって,上記凹凸意匠面12に着弾される必要がある。そのため,カラーインクドット2のピッチの狭小化には限界がある。
【0046】
そこで,上述のごとくカラーインクドット2を一定のピッチで形成した後,隣り合う該カラーインクドット2の間に上記補助インクドット3を形成し,カラーインクドット2の一部と融合させて上記二次ドット32を形成する。これにより,カラーインクドット2のピッチを小さくすることなく(即ち,インク滴を小さくせずとも),カラーインクドット2と二次ドット32とにより得られる印刷画像の解像度を高くすることができる。
【0047】
また,上記カラーインクドット2の間の隙間に上記二次ドット32を形成するため,建築板11の下地色の露出を効果的に抑制することができる。そのため,建築板11の凹凸意匠面12にドットの粒状感が生じることを回避することができ,岩肌調,レンガ肌調などの自然な風合いを充分に発現することができる。
【0048】
また,上記印刷装置4は,ピエゾ制御方式により上記カラーインク及び補助インクの噴射を制御する。これにより,解像度の高いフルカラー印刷を容易かつ確実に行なうことができる。
【0049】
また,上記カラーインクドット2の形成ピッチは,72〜280μmであるため,容易に,解像度が高く,かつドットの粒状感のないフルカラー印刷層15を形成することができる。
【0050】
また,上記カラーヘッド41は,図2(A),(B)に示すごとく,上記建築板11の凹凸意匠面12における同一の位置に同じカラーインクを複数回重ねて着弾させる。そのため,フルカラー印刷層15の濃度を向上させ,より鮮明な柄模様を印刷することができる。
【0051】
特に,解像度を上げるべくカラーインクドット2のピッチを小さくすると,1回だけのカラーインクの着弾では,1ドットを形成するカラーインクの量を少なくせざるを得ない。それ故,上述のごとくカラーインクを複数回重ねて着弾させることにより,カラーインクドット2のピッチが小さく,かつ濃度の高いフルカラー印刷層15を容易に形成することができる。
また,同一の位置に複数回カラーインクを着弾させることにより,カラーインクドット2の面積も大きくなる。これにより,隣り合うカラーインクドット2間の隙間を減らし,粒状感を抑制することができる。
【0052】
また,上記コンベア43は,上記建築板11を20〜30m/分の速度で搬送する。これにより,フルカラー印刷を正確に行なうことができると共に,化粧建築板1を効率よく製造することができる。
【0053】
また,図6に示すごとく,上記フルカラー印刷層15の上面には,透明なクリヤー層16が形成されている。これにより,上記化粧建築板1の耐候性を向上させることができる。
また,上記クリヤー層16はプラスチックビーズ17を混入してなるため,上記凹凸意匠面12に独特な光反射効果が現れ,より意匠性に優れた化粧建築板1を得ることができる。
【0054】
以上のごとく,本例によれば,解像度が高く,かつドットの粒状感のないフルカラー印刷層を有する化粧建築板,及びその製造方法を提供することができる。
【0055】
(実施例2)
本例は,図7,図8に示すごとく,補助インクドット3の打点位置を,建築板11の走行方向Fに隣り合うカラーインクドット2の間と,上記走行方向Fに直交する方向に隣り合うカラーインクドット2の間の双方とする例である。
【0056】
この場合,上記実施例1に示した補助ヘッド42に加えて,2個目の補助ヘッド420を配置する。該補助ヘッド420は,図8に示すごとく,ノズル421の位置を,上記カラーヘッド41のノズル411の位置と,同一ライン上に並ぶように,建築板11の走行方向Fに関して一致させている。従って,上記1個目の補助ヘッド42のノズル421と2個目の補助ヘッド420のノズル421とは,互いに半ピッチずれた位置に形成されている。
【0057】
そして,上記2個目の補助ヘッド420は,図7(A)に示すごとく,建築板11の走行方向Fに隣り合うカラーインクドット2の間に補助インクドット3が打点されるように,補助インクを噴射する。
また,上記1個目の補助ヘッド42は,上記走行方向Fに直交する方向に隣り合うカラーインクドット2の間に補助インクドット3が打点されるように,補助インクを噴射する。
その他は,実施例1と同様である。
【0058】
これにより,図7(A)に示すごとく,上記走行方向Fに隣り合うカラーインクドット2の間,及び上記走行方向Fと直交する方向に隣り合うカラーインクドットの間の双方に補助インクドット3が打点される。そして,図7(A),(B)に示すごとく,上記補助インクドット3が前後あるいは左右のカラーインクドット2の一部と融合して,二次ドット32となる。
その結果,上記建築板11の凹凸意匠面12には,カラーインクドット2と,該カラーインクドット2の前後左右に配された補助インクドット32とからなるフルカラー印刷層15が形成される。
【0059】
それ故,フルカラー印刷層15の縦横方向の解像度が一層高くなる。即ち,建築板11の走行方向Fについても,解像度が2倍となる。また,ドットの粒状感をより抑制したフルカラー印刷層15を形成することができる。
その他,実施例1と同様の作用効果を有する。
【0060】
上記実施例1,2においては,補助インクドットを形成する補助インクとして,透明インクを使用したが,淡色の補助インクを使用することもできる。
【0061】
【発明の効果】
以上のごとく,本発明によれば,解像度が高く,かつドットの粒状感のないフルカラー印刷層を有する化粧建築板,及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,化粧建築板の製造方法の説明図。
【図2】実施例1における,カラーインクドットと二次ドットの形成の過程を示す模式図。
【図3】実施例1における,カラーヘッドの下面図。
【図4】実施例1における,カラーヘッドのノズルと補助ヘッドのノズルとの位置関係を説明する説明図。
【図5】実施例1における,フルカラー印刷の過程を説明する模式図。
【図6】実施例1における,化粧建築板の断面説明図。
【図7】実施例2における,カラーインクドットと二次ドットの形成の過程を示す模式図。
【図8】実施例2における,カラーヘッドのノズルと補助ヘッドのノズルとの位置関係を説明する説明図。
【符号の説明】
1...化粧建築板,
11...建築板,
12...凹凸意匠面,
15...フルカラー印刷層,
2...カラーインクドット,
3...補助インクドット,
32...二次ドット,
4...印刷装置,
41...カラーヘッド,
411...ノズル,
42...補助ヘッド,
421...ノズル,
43...コンベア,
Claims (9)
- 凹凸意匠面を有する建築板の上記凹凸意匠面にフルカラー印刷を行なうことにより,フルカラー印刷層を有する化粧建築板を製造する方法であって,
上記建築板にフルカラー印刷を行なうに当っては,それぞれ,シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの色彩のカラーインクを噴射する複数のカラーヘッドと,透明或いは淡色の補助インクを噴射する補助ヘッドと,上記建築板を搬送するコンベアとを有する印刷装置を用い,
上記建築板を上記コンベアによって搬送し,上記複数のカラーヘッド及び上記補助ヘッドの下方を順次走行させ,
上記各カラーヘッドにより,上記建築板の凹凸意匠面における所定の位置に各カラーインクを着弾させて,カラーインクドットを一定のピッチで形成し,
次いで,上記補助ヘッドにより,隣り合う上記カラーインクドットの間に上記補助インクを着弾させて補助インクドットを打点し,
該補助インクドットを隣り合う上記カラーインクドットの一部と融合させることにより,上記補助インクドットを打点した位置に着色された二次ドットを形成することを特徴とする化粧建築板の製造方法。 - 請求項1において,上記印刷装置は,ピエゾ制御方式により上記カラーインク及び補助インクの噴射を制御する印刷装置であることを特徴とする化粧建築板の製造方法。
- 請求項1または2において,上記カラーインクドットの形成ピッチは,70〜300μmであることを特徴とする化粧建築板の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項において,上記カラーヘッドは,上記建築板の凹凸意匠面における同一の位置に同じカラーインクを複数回重ねて着弾させることを特徴とする化粧建築板の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項において,上記コンベアは,上記建築板を20〜30m/分の速度で搬送することを特徴とする化粧建築板の製造方法。
- 凹凸意匠面を有する建築板の上記凹凸意匠面に,フルカラー印刷層を形成してなる化粧建築板であって,
該化粧建築板は,上記凹凸意匠面における所定の位置に一定のピッチで形成したカラーインクドットと,隣り合う該カラーインクドットの間に形成した二次ドットとによって,上記凹凸意匠面にフルカラー印刷層を形成してなり,
上記カラーインクドットは,シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックのいずれかの色彩を有し,
上記二次ドットは,隣り合う上記カラーインクドットの間に打点された透明或いは淡色の補助インクドットを,隣り合う上記カラーインクドットの一部と融合させることにより着色,形成されたドットであることを特徴とする化粧建築板。 - 請求項6において,上記カラーインクドットの形成ピッチは,70〜300μmであることを特徴とする化粧建築板。
- 請求項6または7において,上記フルカラー印刷層の上面には,透明なクリヤー層が形成されていることを特徴とする化粧建築板。
- 請求項8において,上記クリヤー層はプラスチックビーズを混入してなることを特徴とする化粧建築板。
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JP2002174838A JP2004016912A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | 化粧建築板及びその製造方法 |
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JP2007170014A (ja) * | 2005-12-21 | 2007-07-05 | Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd | 建築板 |
JP2009154062A (ja) * | 2007-12-25 | 2009-07-16 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 板状建材の表面塗装方法 |
JP2012111069A (ja) * | 2010-11-22 | 2012-06-14 | Seiren Co Ltd | 加飾木材 |
-
2002
- 2002-06-14 JP JP2002174838A patent/JP2004016912A/ja active Pending
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