JP2004010728A - 紫外線硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた耐擦傷性を有し、かつ、下地との密着性も良好な硬化塗膜を形成できる、紫外線硬化性組成物を提供する。
【解決手段】イソシアネート化合物、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン及びヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物を反応させて得られる紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーと、光開始剤とを含んでなる紫外線硬化性組成物。ヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物は、(メタ)アクリロイル基を3以上有するものが好ましく、イソシアネート化合物は、ジイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物及びこれらの変性体から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】イソシアネート化合物、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン及びヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物を反応させて得られる紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーと、光開始剤とを含んでなる紫外線硬化性組成物。ヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物は、(メタ)アクリロイル基を3以上有するものが好ましく、イソシアネート化合物は、ジイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物及びこれらの変性体から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線硬化性組成物に関し、特に、優れた耐擦傷性を有し、かつ、下地との密着性も良好な硬化塗膜を形成できる紫外線硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック製品(成形品)おいて、表面硬度、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性等の諸物性を補強するために、表面処理を施す場合がある。例えば、メッキ、蒸着、スパッタリング等の金属表面処理はその一例であるが、該金属表面処理によって得られる膜は傷がつきやすく、また、付いた傷が目立ちやすいという欠点がある。一方、他の例としては、塗料による硬化塗膜で製品表面を被覆することも行われている。かかる塗料としては、紫外線硬化型ハードコート剤、電子線硬化型ハードコート剤、2液型アクリルウレタン系ハードコート剤等が挙げられる。これらは、通常、硬化塗膜の耐擦傷性を向上させるべく、高硬度の硬化塗膜が形成されるように組成設計されている。しかしながら、本発明者の研究の結果、硬化塗膜の硬度を高くしても、十分に高い耐擦傷性が得られない場合があり、硬化塗膜の硬度と耐擦傷性との間に必ずしも相関が認められないことが分かった。また、一般にこの種の硬化塗膜は硬度が高くなるにつれて、下地(製品)との密着性が低下するという問題を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑み、優れた耐擦傷性を有し、かつ、下地との密着性も良好な硬化塗膜を形成できる、紫外線硬化性組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、イソシアネート化合物に、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン及びヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーに紫外線照射して得られる硬化塗膜が、優れた耐擦傷性を有しながら、下地に対して高い密着力を形成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
即ち、本発明は以下の通りである。
(1)イソシアネート化合物、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン及びヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物を反応させて得られる紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーと、光開始剤とを含むことを特徴とする、紫外線硬化性組成物。
(2)ヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物が、(メタ)アクリロイル基を3以上有するものである、上記(1)記載の紫外線硬化性組成物、に関する。
(3)イソシアネート化合物が、ジイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物及びこれらの変性体から選ばれる少なくとも1種からなる、上記(1)又は(2)記載の紫外線硬化性組成物。
(4)ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサンが末端変性型である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の紫外線硬化性組成物。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の紫外線硬化性組成物は、イソシアネート化合物、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン及びヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物を反応させて得られる紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーと、光開始剤とを少なくとも含有することを特徴とする。
【0007】
▲1▼イソシアネート化合物
本発明で使用するイソシアネート化合物としては、ウレタン化合物の原料として使用されている公知のモノイソシアネート化合物、ジイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物等が挙げられるが、好ましくはジイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物及びこれらの変性体から選ばれる少なくとも1種である。
【0008】
モノイソシアネート化合物としては、脂肪族モノイソシアネート化合物、脂環族モノイソシアネート化合物、芳香族モノイソシアネート化合物等が挙げられる。
【0009】
脂肪族モノイソシアネート化合物は、その脂肪部が、炭素数が1〜36、好ましくは6〜16の直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基からなるものが好ましく、当該脂肪族モノイソシアネート化合物の具体例としては、例えば、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、n−ヘキシルイソシアネート、2−エチルヘキシルイソシアネート、n−ヘプチルイソシアネート、オクチルイソシアネート、ノニルイソシアネート、デシルイソシアネート、ウンデシルイソシアネート、ドデシルイソシアネート、トリデシルイソシアネート、テトラデシルイソシアネート、ペンタデシルイソシアネート、ヘキサデシルイソシアネート、イコシルイソシアネート、トリアコンチルイソシアネート等が挙げられる。
【0010】
脂環族モノイソシアネート化合物は、その脂環部が、炭素数が3〜20、好ましくは6〜10の飽和脂環式炭化水素基からなるものが好ましい。また、脂環部は1または2以上の置換基で置換されていてもよく、該置換基としては、例えばイソホロニル、シクロヘキシル等が挙げられる。当該脂環族モノイソシアネート化合物の具体例としては、例えば、シクロプロピルイソシアネート、シクロブチルイソシアネート、シクロペンチルイソシアネート、シクロへキシルイソシアネート、シクロヘプチルイソシアネート、シクロオクチルイソシアネート等が挙げられる。
【0011】
芳香族モノイソシアネート化合物は、その芳香部がベンゼン、ナフタレン、好ましくはベンゼンからなるものが好ましく、該芳香部は2以上存在してもよく、その場合にはお互いが、炭素数が1〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキレンを介して結合している。また、該芳香部は、1または2以上の置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、炭素数が6〜20、好ましくは6〜12の直鎖状または分岐鎖状アルキル、炭素数が1〜26、好ましくは1〜12のアルキレン等が挙げられる。当該芳香族モノイソシアネート化合物の具体例としては、例えば、フェニルイソシアネート、ナフタレンイソシアネート、ヘキシルフェニルイソシアネート、ヘプチルフェニルイソシアネート、オクチルフェニルイソシアネート、ノニルフェニルイソシアネート、デシルフェニルイソシアネート、ウンデシルフェニルイソシアネート、ドデシルフェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、フェネチルイソシアネート、4,4’−ジフェニルメチレンイソシアネート等が挙げられる。
【0012】
本発明におけるジイソシアネート化合物としては、脂肪族ジイソシアネート化合物、脂環族ジイソシアネート化合物、芳香族ジイソシアネート化合物等が挙げられる。
【0013】
脂肪族ジイソシアネート化合物は、その脂肪部が炭素数が1〜20、好ましくは6〜10の直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基からなるものが好ましく、当該脂肪部は1または2以上の置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、イソホロンやメチレンビスシクロヘキサン等から誘導される一価以上の基;カルボキシル基等が挙げられる。当該脂肪族ジイソシアネート化合物の具体例としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ヘキサン酸等が挙げられる。
【0014】
脂環族ジイソシアネート化合物は、その脂環部の炭素数が3〜20、好ましくは6〜10の飽和または不飽和脂環式炭化水素基からなるものが好ましく、該不飽和脂環式炭化水素基は2以上存在してもよく、その場合に、炭素数が1〜12、好ましくは6〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキレンを介してお互いが結合しているのが好ましい。また、当該脂環部は、1または2以上の置換基で置換されていてもよく、この場合の置換基としては、炭素数が好ましくは4〜12、より好ましくは6〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキル等が挙げられる。当該脂環族ジイソシアネート化合物の具体例としては、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロへキシルイソシアネート)、2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ノルボルナンジイソシアネート(別名:2,5(及び6)−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン)、イソホロンジイソシアネート等が挙げられ、これらの中でも、ノルボルナンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが好ましく、特に好ましくはイソホロンジイソシアネートである。
【0015】
芳香族ジイソシアネート化合物は、その芳香環がベンゼン、ナフタレンからなるものが好適であり、該芳香環は2以上存在していてもよく、その場合にはお互いが単結合か、または炭素数が好ましくは1〜20、より好ましくは2〜12である直鎖状または分岐鎖状のアルキレン、酸素原子等を介して結合しているものが好ましい。また、該芳香部は1または2以上の置換基(炭素数が2〜20、好ましくは6〜12の直鎖状または分岐鎖状のアルキル、アミノ等)で置換されたものも含まれる。当該芳香族ジイソシアネート化合物の具体例としては、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネートと1,4−キシリレンジイソシアネートとの混合物、ω,ω’−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼンと1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼンとの混合物等が挙げられる。
【0016】
本発明におけるポリイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環族ポリイソシアネート化合物、芳香族ポリイソシアネート化合物等が挙げられ、好ましくは脂肪族ポリイソシアネートである。
【0017】
脂肪族ポリイソシアネート化合物は、その脂肪部が炭素数が1〜20、好ましくは6〜10の直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基からなるものが好ましく、また、該脂環部は1または2以上の置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、イソホロン、シクロヘキサン等から誘導される一価以上の基が挙げられる。当該脂肪族ポリイソシアネート化合物の具体例としては、1,4,8−トリイソシアナトオクタン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアナト−5−イソシアナトメチルオクタン等が挙げられる。
【0018】
脂環族ポリイソシアネート化合物は、その脂環部が炭素数が3〜20、好ましくは3〜10の飽和脂環式炭化水素基からなるものが好適であり、また、該飽和脂環式炭化水素基は2以上存在して縮合環を形成してもよく、さらにこれらの脂環式炭化水素基は2以上存在して、お互いがメチレン基を介して結合していてもよい。また、該脂環部は1または2以上の置換基で置換されていてもよく、該置換基としては、炭素数が4〜12、好ましくは6〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキル、炭素数が4〜12の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン等が挙げられる。当該脂環族ポリイソシアネート化合物の具体例としては、1,3,5−トリイソシアナトシクロへキサン、1,3,5−トリス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,6−ジ(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−(イソシアナトメチル)−3−(3−イソシアナトプロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−(イソシアナトメチル)−3−(3−イソシアナトプロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−(イソシアナトメチル)−2−(3−イソシアナトプロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−(イソシアナトメチル)−2−(3−イソシアナトプロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられる。
【0019】
芳香族ポリイソシアネート化合物は、その芳香環がベンゼン、ナフタレンからなるものが好適であり、また、該芳香環は2以上存在していてもよく、その場合にはお互いが単結合、炭素数が2〜20、好ましくは6〜12の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン等を介して結合していてもよい。また、該芳香環は1または2以上の置換基で置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、炭素数が2〜20、好ましくは6〜12の直鎖状または分岐鎖状のアルキル、炭素数が2〜20の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン等が挙げられる。当該芳香族ポリイソシアネート化合物の具体例としては、トリフェニルメタン−4,4’,4’−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4’−ジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトメチルベンゼン等が挙げられる。
【0020】
本発明におけるジイソシアネート化合物の変性体及びポリイソシアネート化合物の変性体としては、例えば、上述のジイソシアネート化合物及びポリイソシアネート化合物の具体例として挙げた化合物の中から選択される1種以上の化合物の変性体を挙げることができ、ビウレット体、イソシアヌレート体、各種ポリヒドロキシ化合物とのウレタン化反応によって得られるアダクト体、アロファネート体、オキサジアジントリオン体、ウレチジオン体等が好ましく、特に好ましくはイソシアヌレート体である。
【0021】
イソシアヌレート体は、例えば、トリス(イソシアナトアルキル)置換イソシアヌレート化合物が挙げられ、「イソシアナトアルキル」の「アルキル」が炭素数が2〜20、好ましくは2〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキル(例えば、エチル、ブチル、ヘキシル等)からなるものが好ましい。該トリス(イソシアナトアルキル)置換イソシアヌレート化合物の具体例としては、トリス(6−イソシアナトヘキシル)イソシアヌレートが挙げられる。また、下記の一般式(I)で表されるイソシアヌレート体も本発明のイソシアネート化合物として好適に使用できる。
【0022】
【化1】
【0023】
ビウレット変性体の具体例としては、例えば、下記式(II)で示されるものが挙げられる。
【0024】
【化2】
【0025】
また、下記一般式(III)で表されるTMP変性体(式中のRは式(I)中のそれと同義である)も本発明のイソシアネート化合物として好適に使用できる。
【0026】
【化3】
【0027】
本発明おいて、イソシアネート化合物は1種又は2種以上を使用できる。
【0028】
▲2▼ヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物
本発明で使用する「ヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物」は、分子中に、イソシアナト基との間でウレタン結合を形成し得る反応性水酸基(ヒドロキシル基)を1個と、複数の(メタ)アクリロイル基とを有する(メタ)アクリレート系化合物であり、例えば、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、グリシドールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロオキシプロピル(メタ)アクリレート等の2官能化合物、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート等の3官能化合物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の5官能化合物等が挙げられるが、これらの中でも3官能以上の化合物が好ましく、3官能化合物又は/及び5官能化合物が好適に使用される。本発明において、当該ヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物は1種又は2種以上を使用できる。また、当該ヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物には、必要に応じて、(メタ)アクリロイル基以外の不飽和結合(官能基)を有するものを一部に使用してもよく、そのようなものとして、例えば、アリルグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸ダイマーとの反応物等が挙げられる。
【0029】
▲3▼ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン
本発明で使用する「ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン」は、ポリオルガノシロキサンの末端又は側鎖にイソシアナト基との間でウレタン結合を形成し得る反応性水酸基(ヒドロキシル基)が導入されたものである。
【0030】
当該ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサンは、末端変性タイプ(型)及び側鎖変性タイプ(型)のいずれも使用できるが、イソシアネート化合物との反応性等の点から、末端変性タイプ(型)が好ましく、該末端変性タイプ(型)は、片末端にヒドロキシル基を有する片末端変性タイプ(型)であっても、両末端にヒドロキシル基を有する両末端変性タイプ(型)であってもよく、また、これら両者を併用してもよい。
下記式(IV)及び下記式(V)は、片末端変性タイプの好ましい具体例を示し、下記式(VI)は両末端変性タイプの好ましい具体例を示している。
【0031】
【化4】
【0032】
(式中、R1及びR2は同一又は異なっていてもよく、それぞれ低級アルキル基又はフェニル基を表し、但し、R1及びR2が同一である場合、それらは共に低級アルキル基である。R3は低級アルキル基を表し、nは2〜200の整数、xは1〜50の整数、yは1〜50の整数を表す。)
【0033】
【化5】
【0034】
(式中、R1〜R3、n、x、yは前記と同義である。)
【0035】
【化6】
【0036】
(式中、R1、R2、n、x、yは前記と同義である。)
【0037】
式(IV)〜式(VI)中の、R1、R2で表される低級アルキル基としては、炭素数が1〜3が好ましく、具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。これらの中でもメチル基、エチル基が好ましく、特に好ましくはメチル基である。
【0038】
また、式(IV)及び(V)中の、R3で表される低級アルキル基としては、炭素数が1〜3が好ましく、具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、これらの中でもメチル基が好ましい。
【0039】
また、式(IV)〜式(VI)中の、x(1〜50の整数)は好ましくは1〜10、y(1〜50の整数)は、好ましくは1〜10である。
【0040】
式(IV)又は式(V)で表される片末端ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサンのうち、特に好ましいものとして、R1及びR2が共にメチル基、R3がメチル基、xが3、yが2であるヒドロキシル基変性ポリジメチルシロキサン、R1及びR2のうちの一方がメチル基、他方がフェニル基であり、R3がメチル基、xが3、yが2であるヒドロキシル基変性ポリメチルフェニルシロキサンが挙げられる。また、式(VI)で表される両末端ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサンのうちの特に好ましいものとして、R1及びR2がともにメチル基であり、xが3、yが2であるヒドロキシル基変性ポリジメチルシロキサン、R1及びR2のうちの一方がメチル基、他方がフェニル基であり、xが3、yが2であるヒドロキシル基変性ポリメチルフェニルシロキサンが挙げられる。
【0041】
本発明におけるヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサンの形態は、特に限定されず、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂のいずれも使用できるが、シリコーンオイルが好ましく、そのうちでも重量平均分子量が100〜100000の範囲のものが特に好ましく、とりわけ好ましくは重量平均分子量が1000〜10000のものである。
【0042】
本発明における、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサンは市販品をそのまま使用でき、その具体例としては、例えば、両末端ヒドロキシル基変性ポリジメチルシロキサンとして、チッソ社製、サイラプレンFM−4421(重量平均分子量:5000)、信越化学工業社製、X−22−160AS(重量平均分子量:1000、5000、10000)等が挙げられる。また、片末端ヒドロキシル基変性ポリジメチルシロキサンとして、チッソ社製、サイラプレンFM−0411(重量平均分子量:1000)、サイラプレンFM−0421(重量平均分子量:5000)、サイラプレンFM−0425(重量平均分子量:10000)、サイラプレンFM−DA11(重量平均分子量:1000)、サイラプレンFM−DA21(重量平均分子量:5000)等が挙げられる。
【0043】
なお、本発明において、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサンの重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)を用いて、ポリスチレン換算した数値である。
【0044】
本発明おいて、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサンは1種又は2種以上を使用できる。
【0045】
本発明における紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、イソシアネート化合物のイソシアナト基数と、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン及びヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物におけるヒドロキシル基数(反応性水酸基数)とを考慮し、これら3種の原料を、イソシアナト基がヒドロキシル基に対して0.90〜1.10当量、好ましくは0.99〜1.05当量となる量使用し、反応させることにより得られる。
【0046】
例えば、イソシアネート化合物としてジイソシアネート化合物を使用し、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサンとして、両末端ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン(例えば、前記式(VI)の両末端ヒドロキシル基変性ジメチルシロキサン)を使用する場合、両末端ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン1モル当たりジイソシアネート化合物約2モルを反応(ウレタン化反応)させ、該反応生成物にさらにヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物を約2モル反応(ウレタン化反応)させる。
【0047】
反応は、無溶媒或いはイソシアナト基とヒドロキシル基(反応性水酸基)に対して不活性な溶媒中で行うことができ、不活性な溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、エチルメチルケトン、クロロホルム、クロロメタン、トルエン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。なお、ウレタン化反応を溶媒中で行う場合の溶媒の使用量は、反応のスケール等により異なり、ハンドリング適性によって決められる。
【0048】
上記のウレタン化反応は、通常0〜120℃の温度範囲で行うことができ、反応を効率よく進行させるためには、30〜90℃で行うのが好ましい。反応温度が0℃未満である場合、ウレタン化反応が進行しなかったり、副生成物が生じ易くなる虞がある。
【0049】
ウレタン化反応が、反応原料の性質により十分に進行しない場合には、反応を促進するための触媒を使用してもよく、当該触媒としては、例えば、有機錫化合物(例えば、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫オクテート、ジブチル錫ジメトキシド等)、アミン化合物(例えば、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、ジメチルブチルエタノールアミン等)等が適切である。これらの他には、チタン化合物、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物等も挙げられる。当該触媒の使用量は、反応原料に対して、好ましくは0.01〜2.5重量%、より好ましくは0.1〜1.5重量%の範囲であり、反応原料の種類や量に応じて適宜調整するとよい。
【0050】
本発明においては、生成するウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの反応系中での重合を防止するため、適量の重合禁止剤を反応系にさらに添加してもよい。当該重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジ−第3ブチル−4−メチルフェノール等が挙げられる。これらの重合禁止剤の使用量は、反応原料に対して、好ましくは0.0001〜1.0重量%、より好ましくは0.001〜0.1重量%の範囲内であり、反応原料の種類や量に応じて適宜調整するとよい。当該重合禁止剤の使用量が多すぎる場合、本発明の組成物の硬化性を悪くし、少なすぎる場合、本発明の組成物の安定性が悪くなり、保存または反応中にゲル化を生じることになる。
【0051】
本発明における紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーにおいて、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン(由来の構造単位)の含有量は10〜80重量%が好ましく、特に好ましくは20〜80重量%である。この範囲よりも少ない場合は、硬化塗膜の耐擦傷性の低下や下地との密着性低下等を生じやすくなり、また、この範囲よりも多い場合は、硬化塗膜の硬度低下による耐擦傷性低下を生じやすくなり、好ましくない。また、当該オリゴマーにおけるヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン(由来の構造単位)以外の部分におけるイソシアネート化合物(由来の構造単位)とヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物(由来の構造単位)との含有比(重量比)は、10:90〜50:50程度が適当であり、好ましくは20:80〜40:60である。
【0052】
よって、3種の原料化合物(イソシアネート化合物、ヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物、及びヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン)は、これらの間のイソシアナト基数とヒドロキシル基数の比を考慮するとともに、オリゴマー中のヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサンの含有量、イソシアネート化合物(由来の構造単位)とヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物(由来の構造単位)との含有比が上記の範囲内となるように、それらの種類及び仕込み量を調整するのが好ましい。
【0053】
本発明の紫外線硬化性組成物は、上記紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー以外に、光開始剤(紫外線硬化剤)を少なくとも含んで構成されるが、該光開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ビスアシルフォスフィンオキサイド、アシルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ベンゾイルアルキルエーテル(例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、n−ブチルベンゾインエーテル等)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、ベンジル、ベンゾイル、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン類(2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、)、ジベンゾスベロン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ベンザルアセトン、ビアセチル、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、テトラメチルチウラムジスルフィド、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチルベンゾイルフォルメート、2,2−ジエトキシアセトフェノン、アシロキシムエステル、塩素化アセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、アセトフェノンジエチルケタール、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、フェニルグリオキシル酸メチル、o−ベンゾイル安息香酸メチル、p−ジメチルアミノ安息香酸メチル、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾ−ル、10−ブチル−2−クロロアクリドン、カンファーキノン、3−ケトクマリン、アントラキノン類(例えば、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、α−クロロアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン等)、アセナフセン、4,4’−ジメトキシベンジル、4,4’−ジクロロベンジル等が挙げられる。これらはいずれか1種または2種以上を使用でき、使用量は、一般に、紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部である。
【0054】
本発明の紫外線硬化性組成物には、必要に応じて、硬化塗膜における諸物性(硬度、弾性率等)を調整するために、反応性希釈剤を添加することもできる。反応性希釈剤は紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーと共重合し得る不飽和結合を有する化合物(モノマー)であり、単官能化合物(不飽和結合を1つ有するもの)、多官能化合物(不飽和結合を2以上有するもの)のいずれも使用できるが、3官能以上のもの(不飽和結合を3以上有するもの)を使用するのが好ましい。
【0055】
単官能化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸カルビトール、(メタ)アクリル酸イソボルニル、アクリロイルモルホリン、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、ビニルトルエン、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。上記の(メタ)アクリル酸アルキルのアルキル部は炭素数が1〜20、好ましくは2〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、また、該アルキル基はヒドロキシ基、フェノキシ基、グリシジル基、カルボキシル基等で1またはそれ以上置換されていてもよい。当該(メタ)アクリル酸アルキルの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル等が挙げられる。また、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルのアルキル部は炭素数が1〜20、好ましくは2〜8の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、ジアルキル部の2つのアルキルは、同一または異なっていてもよく、それぞれ、炭素数が1〜20、好ましくは2〜8の直鎖状または分岐鎖状のアルキルである。当該(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸N,N’−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N’−ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
【0056】
多官能化合物は、例えば、2官能化合物として、アルカンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルアジペート等が挙げられる。上記のアルカンジオールジ(メタ)アクリレートのアルカン部は、炭素数が1〜20、好ましくは2〜8の直鎖状、分岐鎖状または環状の炭化水素であって、ヒドロキシ基、フェノキシ基で1またはそれ以上置換されていてもよい。当該アルカンジオールジ(メタ)アクリレートの具体例としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。また、上記のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートのアルキレン部は、炭素数が1〜20、好ましくは2〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキレンである。該ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの具体例としては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクタム変性ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0057】
3官能以上の化合物の具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、N,N,N’,N’−テトラキス(β−ヒドロキシエチル)エチルジアミンのアクリル酸エステル等が挙げられる。
【0058】
本発明おいて、反応性希釈剤は、1種又は2種以上を使用でき、その使用量は、紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー100重量部に対して、200重量部以下が好ましく、150重量部以下がより好ましい。該反応性希釈剤の使用量が200重量部を超えると、硬化塗膜の下地との密着性が低下したり、耐擦傷性が低下する傾向となり、好ましくない。また、その下限は10重量部以上が好ましく、50重量部以上が特に好ましい。反応性希釈剤の使用量が10重量部よりも少ないと、反応性希釈剤を添加することの作用が発現しにくく、好ましくない。なお、反応性希釈剤は、本発明における紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの合成反応(すなわち、イソシアネート化合、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン及びヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物におけるウレタン化反応)を阻害しないなら、当該オリゴマーの反応系に、その原料(イソシアネート化合、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン及びヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物)とともに、配合しておくこともできる。
【0059】
本発明で使用してもよい添加剤としては、例えば、増感剤、着色剤、消泡剤、脱泡剤、湿潤剤、レベリング剤、帯電防止剤、粘度調整剤、貯蔵安定剤、抗菌剤、滑り止め剤、塗膜ひび割れ防止剤、密着促進剤、分散剤、界面活性剤、体質顔料、離型剤、シランカップリング剤、安定剤、難燃剤等が挙げられ、いずれも通常用いられるものを用いることができる。
【0060】
これらのほかに、本発明の組成物は、表面乾燥性の改良補助剤として、ナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルト等の有機金属塩やパラフィンワックス類等を配合してもよい。
【0061】
さらに、本発明の組成物は、塗膜の硬化収縮率等を調整する目的で、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルウレタン樹脂、ビニルエステルウレタン樹脂、ポリイソシアネート、ポリエポキシド、アクリル樹脂類、アルキッド樹脂類、尿素樹脂類、メラミン樹脂類、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル系共重合体、ポリジエン系エラストマー、飽和ポリエステル類、飽和ポリエーテル類やニトロセルローズ、セルローズアセテートブチレート等のセルローズ誘導体、ロジン誘導体、アマニ油、桐油、大豆油、ヒマシ油、エポキシ化油等の油脂類のごとき天然および合成高分子を添加してもよい。
【0062】
さらに、これら天然および合成高分子以外に、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレー、シリカパウダー、コロイダルシリカ、ポリマー微粒子、アスベスト粉、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、チタン白、亜鉛華、ベンガラ、アゾ顔料、ガラス繊維、炭酸繊維、炭化珪素繊維、アラミド繊維等の、各種充填剤、顔料および染料を添加することもできる。
【0063】
本発明の組成物は、硬化反応性の点からは溶剤(溶媒)を含まない組成物(無溶剤タイプの組成物)であるのが好ましい。しかしながら、組成物の塗工性を考慮した場合、組成物は室温〜80℃の範囲において液状(具体的には25℃での粘度が10〜10000mPa・s)であるのが好ましく、当該液状とするために有機溶剤で希釈してもよい。かかる有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。
【0064】
本発明の紫外線硬化性組成物は、各種のプラスチック製品(例えば、携帯電話の筐体、CD、MDなどの記録材料、パソコン画面のシールドカバー、プラスチックカード(磁気カード、ICカード、キャッシュカード、プリペイドカード、テレホンカード等)、光学プラスチック成形品(メガネレンズ、ゴーグル等)、床材等)又は木製品(例えば、木製床、家具、階段等)の表面に塗工し、紫外線を照射して硬化させる。なお、硬化を行う際に、塗膜中に溶剤が残存する場合、塗膜を乾燥させて溶剤を除去することが必要である。塗膜の乾燥は、通常、塗料を乾燥させる方法(例えば、自然乾燥、熱風乾燥など)によって行うことができる。
【0065】
プラスチックの製品の材質は、例えば、ポリスチレン、アクリル系ポリマー、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレン酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースアセテート、セルロースブチレート等の繊維素系樹脂等が挙げられる。
【0066】
また、プラスチックの製品における「床材」とは、例えば、コンポジションビニル床タイル、ホモジニアスビニル床タイル等のビニル床タイル、クッションフロア等の発泡ビニル床シート、織布積層ビニル床シート、不織布積層ビニル床シート等のビニル床シート等の塩化ビニル系床材の他、リノリューム床材、ゴムタイル等が挙げられる。本発明の組成物からなる塗膜以外の塗膜を設けた塗り床材に対しても、本発明の組成物を適用することができる。当該塗り床材表面に設けられた塗膜の材料としては、通常使用されるものであれば特に限定はなく、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系、MMA樹脂系、ポリエステル樹脂系等が挙げられる。
【0067】
なお、本発明の紫外線硬化性組成物は、上記の種々の製品のなかでも、プラスチック製品(特に、携帯電話の筐体)の表面被覆膜として特に好適である。
【0068】
本発明の紫外線硬化性組成物は、硬化塗膜(塗工し、紫外線硬化して得られる硬化塗膜)の厚みが1μm以上、好ましくは5μm以上となるように被覆対象物の表面に設けるのが好ましい。硬化塗膜の厚みが1μm未満では、優れた耐擦傷性が得られにくくなる。また、硬化塗膜の厚みが100μm以下、好ましくは30μm以下となるように被覆対象物の表面に設けるのが好ましい。硬化塗膜の厚みが100μmを超える場合、下地との密着性不良やコストアップを招き、好ましくない。
【0069】
なお、上記の硬化塗膜の厚みは、組成物の塗工及び硬化(紫外線照射)作業を1回又は2回以上行って達成される。すなわち、本発明の組成物による硬化塗膜とは、単層塗りでも多重塗りのいずれも包含する。
【0070】
本発明の組成物を被覆対象物の表面に塗工する前に当該表面にシーラー用樹脂膜を形成させておくことは、被覆対象への組成物の浸透を抑制し、塗膜の乾燥厚みを正確に制御できるので好ましい。特に、組成物が浸透し易い被覆対象に対しては、シーラー用樹脂膜を形成しておくことが好ましい。シーラー用樹脂膜の塗布厚みは、被覆対象の表面に必要とされる種々の機能により自由に設定することができ、本発明の組成物が被覆対象内部に浸透するのを防ぎ、かつ要求される塗膜性能が発揮される厚みであれば特に限定はされない。
【0071】
シーラー用樹脂としては、通常シーラー用塗料として使用される樹脂であれば特に限定はなく、例えばウレタン系、アクリル系、エポキシ系、酢酸ビニル系等の樹脂等が挙げられ、有機溶剤系、水溶液系、水性エマルション系、水性ディスパーション系等その形態はいずれであってもよい。シーラー用樹脂膜の乾燥は、光硬化、自然乾燥、熱風乾燥等通常の塗料の乾燥方法で行うことができ、一般的には乾燥時間が短く、光劣化の少ない方法が好ましい。シーラー用樹脂膜の乾燥は、本発明の組成物を塗布する前に行うことが好ましい。
【0072】
本発明の組成物の硬化に使用する光源としては、ハロゲンランプ、キセノンランプ等の可視光領域の光源や高圧水銀灯、メタルハライドランプ等の紫外線領域の光源、太陽等を用いて行うことができる。硬化を良好に行うためには、短波長成分を多く含む光を発生する光源を使用するのが好ましい。
【0073】
照射面での照射光量は、好ましくは10〜1500mJ/cm2であり、より好ましくは50〜300mJ/cm2である。照射面での照射光量が10mJ/cm2未満の場合には、硬化が不十分になりやすく、優れた耐擦傷性の硬化塗膜を得ることが困難となる虞がある。また、照射面での照射光量が1500mJ/cm2を超える場合には、照射能力の低い設備を用いるときは長い照射時間が必要となり、また、短時間でその照射光量を照射しようとすると、照射能力の高い設備が必要となるため設備費が高くなり、その上、塗膜劣化の虞がある。
【0074】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0075】
[原料化合物]
実施例及び比較例で使用した原料化合物は以下のとおりである。
サイラプレンFM−4421:チッソ社製の下記示性式で表される両末端ヒドロキシル基変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量:5000)
X−22−160AS:信越化学工業社製の下記示性式で表される両末端ヒドロキシル基変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量:1000)
【0076】
【化7】
【0077】
IPDI:旭化成社製のイソホロンジイソシアネート(分子量:222、NCO当量:37.8%)
NKエステルA−TMM−3L:新中村化学(株)製のテトラメチロールメタントリアクリレート(50−55%)と、テトラメチロールメタンテトラアクリレート(40−45%)、テトラメチロールメタンジアクリレート(5%以下)の混合物(テトラメチロールメタントリアクリレートの分子量:298、混合物のOHV(mgKOH/g):110)、
カヤラットDPHA:日本化薬社製のジペンタエリスリトールペンタアクリレートと、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートと、ジペンタエリスリトールテトラアクリレートとの混合物(混合物のOHV(mgKOH/g):40)
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
2HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
HQ:住友化学工業社製のハイドロキノン
Sn:三協有機合成工業社製のジブチル錫ラウレート
【0078】
実施例1
[紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの合成(合成例1)]
温度計、コンデンサー、攪拌機および不活性ガス導入口を備えた4つ口フラスコ(1000ml)に、サイラプレンFM−4421を280g(0.056モル)、IPDIを25g(0.11モル)、NKエステルA−TMM−3Lを60g(テトラメチロールメタントリアクリレートを約0.11モル含有)、ハイドロキノンを0.1gおよびジブチル錫ラウレートを0.1g仕込み、70℃で8時間反応を続行し、反応はFT−IRでイソシアネートの吸収が無くなった時点で反応を停止し、冷却した。得られた反応物の粘度は14000mPa・s/25℃であった。
【0079】
[紫外線硬化性組成物(塗料組成物)の調製]
上記のウレタン化反応物100gに対し、エチルセロソルブ150g、紫外線硬化剤としてイルカギュア651(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を3g配合して塗料組成物を調製した。得られた塗料組成物の固形分濃度は39.5%、粘度は50mPa・s/25℃であった。
【0080】
実施例2
X−22−160ASを200g(0.2モル)、IPDIを88.8g(0.4モル)、NKエステルA−TMM−3Lを214g(テトラメチロールメタントリアクリレートを約0.4モル含有)、ハイドロキノンを0.1gおよびジブチル錫ラウレートを0.1g使用し、実施例1に準拠する反応条件で、ウレタン化反応を行った(合成例2)。得られた反応物の粘度は42000mPa・s/25℃であった。次に、当該ウレタン化反応物100gに対し、エチルセロソルブ150g、紫外線硬化剤としてイルカギュア651(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を3g配合して塗料組成物を調製した。得られた塗料組成物の粘度は70mPa・s/25℃であった。
【0081】
実施例3
実施例1で合成したウレタン化反応物50g、カラヤットDPHA50g、エチルセロソルブ150g、紫外線硬化剤としてイルカギュア651(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)3gを配合して塗料組成物を調製した。得られた塗料組成物の粘度は140mPa・s/25℃であった。
【0082】
実施例4
実施例2で合成したオリゴマーを50g、カラヤットDPHA50g、エチルセロソルブ150g、紫外線硬化剤としてイルカギュア651(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)3gを配合して塗料組成物を調製した。得られた塗料組成物の粘度は170mPa・s/25℃であった。
【0083】
比較例1
IPDIを88.8g(0.4モル)、NKエステルA−TMM−3Lを428g(テトラメチロールメタントリアクリレートを約0.8モル含有)、ハイドロキノンを0.1gおよびジブチル錫ラウレートを0.1g使用し、実施例1に準拠する反応条件で、ウレタン化反応を行った(合成例3)。得られた反応物の粘度は650000mPa・s/25℃であった。次に、当該ウレタン化反応物100gに対し、エチルセロソルブ150g、紫外線硬化剤としてイルカギュア651(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を3g配合して塗料組成物を調製した。得られた塗料組成物の粘度は80mPa・s/25℃であった。
【0084】
比較例2
X−22−160ASを200g(0.2モル)、HDIを67.2g(0.4モル)、2−HEAを51.0g(約0.4モル)、ハイドロキノンを0.1gおよびジブチル錫ラウレートを0.1g使用し、実施例1に準拠する反応条件で、ウレタン化反応を行った(合成例4)。得られた反応物の粘度は16500mPa・s/25℃であった。次に、当該ウレタン化反応物100gに対し、エチルセロソルブ150g、紫外線硬化剤としてイルカギュア651(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を3g配合して塗料組成物を調製した。得られた塗料組成物の粘度は30mPa・s/25℃であった。
【0085】
比較例3
カラヤットDPHAを100g、エチルセロソルブを150g、紫外線硬化剤としてイルカギュア651(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を3g配合した塗料組成物を調製した。得られた塗料組成物の粘度は40mPa・s/25℃であった。
【0086】
[試験と性能評価]
上記製造した塗料組成物(実施例1〜4、比較例1〜3の塗料組成物)を、ポリカーボネート板にワイヤバー♯10にて塗工し、80℃で5分乾燥して、膜厚が5μmの塗膜を形成し、次いで該塗膜に紫外線を照射(照射量500mJ/cm2)して硬化させ、これを試料とした。そして、該試料を用いて以下の試験(性能評価)を行った。
【0087】
▲1▼硬度
JIS K5400に準拠して測定した。
▲2▼密着性
JIS K5400に準拠してセロテープ剥離試験を実施した。即ち、硬化塗膜に対して、セロテープ(ニチバン製:登録商標)による2mm幅碁盤目試験(塗膜にカッターを用いて切れ目を入れて、2mm四方の升目を25作成し(即ち、縦横に2mm間隔に6本の切れ目を入れて作成し)、当該升目の上からセロテープを貼り、該セロテープを塗膜との角度が45°となるように剥離する試験)を行い、硬化塗膜の剥離が生じた升目の有無によって密着性を判定した。硬化塗膜が剥離した升目が無い場合を合格(〇)、硬化塗膜が剥離した升目が1つでも生じた場合を不合格(×)とした。
▲3▼表面タック
指触にて判定した。タック感無し(〇)、タック感有り(×)。
▲4▼接触角
エルマ社製接触角測定器にて測定した。
▲5▼耐擦傷性
スチールウール♯0000にて100gの荷重をかけて30回ラビングした後の、傷の本数で評価した。
傷が認められない場合を極めて良好(〇)、傷が1〜10本の場合を良好(△)、傷が10本を超える場合を不可(×)と判定した。
【0088】
下記表1は、実施例1〜4、比較例1〜3で調製した塗料組成物(紫外線硬化性組成物)の処方と試験結果を示す。
【0089】
【表1】
【0090】
表1に示すように、本発明の紫外線硬化性組成物(実施例1〜4の塗料組成物)を紫外線硬化して得られる硬化塗膜は、高硬度で、優れた耐擦傷性(耐スチールウール性)を有し、しかも、下地への密着性も良好であった。また、表面滑性、耐水性に優れ、タック感もない、良好な諸物性を有していた。これに対し、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサンを使用せず、イソシアネート化合物とヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物とをウレタン化反応して得たオリゴマーを含む比較例1の塗料組成物による硬化塗膜、及び、ヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物を使用せず、単官能((メタ)アクロイル基が1個)のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート系化合物を用いて得たオリゴマーを含む比較例2の塗料組成物による硬化塗膜は、いずれも、優れた耐擦傷性(耐スチールウール性)を達成できず、また、多官能(メタ)アクリレート系化合物をそのまま紫外線硬化させた比較例3の硬化塗膜では、優れた耐擦傷性(耐スチールウール性)が得られないばかりでなく、下地との密着性も劣悪であった。
【0091】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明の紫外線硬化性組成物によれば、優れた耐擦傷性を有するとともに、下地との密着性も良好な硬化塗膜を形成することができる。また、かかる硬化塗膜は、表面滑性、耐水性に優れ、タック感もないので、耐汚染性に優れ、かかる硬化塗膜で各種の製品の表面を被覆することにより、傷が付きにくく、しかも、汚れにくい、高付加価値の製品を達成することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線硬化性組成物に関し、特に、優れた耐擦傷性を有し、かつ、下地との密着性も良好な硬化塗膜を形成できる紫外線硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック製品(成形品)おいて、表面硬度、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性等の諸物性を補強するために、表面処理を施す場合がある。例えば、メッキ、蒸着、スパッタリング等の金属表面処理はその一例であるが、該金属表面処理によって得られる膜は傷がつきやすく、また、付いた傷が目立ちやすいという欠点がある。一方、他の例としては、塗料による硬化塗膜で製品表面を被覆することも行われている。かかる塗料としては、紫外線硬化型ハードコート剤、電子線硬化型ハードコート剤、2液型アクリルウレタン系ハードコート剤等が挙げられる。これらは、通常、硬化塗膜の耐擦傷性を向上させるべく、高硬度の硬化塗膜が形成されるように組成設計されている。しかしながら、本発明者の研究の結果、硬化塗膜の硬度を高くしても、十分に高い耐擦傷性が得られない場合があり、硬化塗膜の硬度と耐擦傷性との間に必ずしも相関が認められないことが分かった。また、一般にこの種の硬化塗膜は硬度が高くなるにつれて、下地(製品)との密着性が低下するという問題を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑み、優れた耐擦傷性を有し、かつ、下地との密着性も良好な硬化塗膜を形成できる、紫外線硬化性組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、イソシアネート化合物に、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン及びヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーに紫外線照射して得られる硬化塗膜が、優れた耐擦傷性を有しながら、下地に対して高い密着力を形成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
即ち、本発明は以下の通りである。
(1)イソシアネート化合物、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン及びヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物を反応させて得られる紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーと、光開始剤とを含むことを特徴とする、紫外線硬化性組成物。
(2)ヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物が、(メタ)アクリロイル基を3以上有するものである、上記(1)記載の紫外線硬化性組成物、に関する。
(3)イソシアネート化合物が、ジイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物及びこれらの変性体から選ばれる少なくとも1種からなる、上記(1)又は(2)記載の紫外線硬化性組成物。
(4)ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサンが末端変性型である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の紫外線硬化性組成物。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の紫外線硬化性組成物は、イソシアネート化合物、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン及びヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物を反応させて得られる紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーと、光開始剤とを少なくとも含有することを特徴とする。
【0007】
▲1▼イソシアネート化合物
本発明で使用するイソシアネート化合物としては、ウレタン化合物の原料として使用されている公知のモノイソシアネート化合物、ジイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物等が挙げられるが、好ましくはジイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物及びこれらの変性体から選ばれる少なくとも1種である。
【0008】
モノイソシアネート化合物としては、脂肪族モノイソシアネート化合物、脂環族モノイソシアネート化合物、芳香族モノイソシアネート化合物等が挙げられる。
【0009】
脂肪族モノイソシアネート化合物は、その脂肪部が、炭素数が1〜36、好ましくは6〜16の直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基からなるものが好ましく、当該脂肪族モノイソシアネート化合物の具体例としては、例えば、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、n−ヘキシルイソシアネート、2−エチルヘキシルイソシアネート、n−ヘプチルイソシアネート、オクチルイソシアネート、ノニルイソシアネート、デシルイソシアネート、ウンデシルイソシアネート、ドデシルイソシアネート、トリデシルイソシアネート、テトラデシルイソシアネート、ペンタデシルイソシアネート、ヘキサデシルイソシアネート、イコシルイソシアネート、トリアコンチルイソシアネート等が挙げられる。
【0010】
脂環族モノイソシアネート化合物は、その脂環部が、炭素数が3〜20、好ましくは6〜10の飽和脂環式炭化水素基からなるものが好ましい。また、脂環部は1または2以上の置換基で置換されていてもよく、該置換基としては、例えばイソホロニル、シクロヘキシル等が挙げられる。当該脂環族モノイソシアネート化合物の具体例としては、例えば、シクロプロピルイソシアネート、シクロブチルイソシアネート、シクロペンチルイソシアネート、シクロへキシルイソシアネート、シクロヘプチルイソシアネート、シクロオクチルイソシアネート等が挙げられる。
【0011】
芳香族モノイソシアネート化合物は、その芳香部がベンゼン、ナフタレン、好ましくはベンゼンからなるものが好ましく、該芳香部は2以上存在してもよく、その場合にはお互いが、炭素数が1〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキレンを介して結合している。また、該芳香部は、1または2以上の置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、炭素数が6〜20、好ましくは6〜12の直鎖状または分岐鎖状アルキル、炭素数が1〜26、好ましくは1〜12のアルキレン等が挙げられる。当該芳香族モノイソシアネート化合物の具体例としては、例えば、フェニルイソシアネート、ナフタレンイソシアネート、ヘキシルフェニルイソシアネート、ヘプチルフェニルイソシアネート、オクチルフェニルイソシアネート、ノニルフェニルイソシアネート、デシルフェニルイソシアネート、ウンデシルフェニルイソシアネート、ドデシルフェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、フェネチルイソシアネート、4,4’−ジフェニルメチレンイソシアネート等が挙げられる。
【0012】
本発明におけるジイソシアネート化合物としては、脂肪族ジイソシアネート化合物、脂環族ジイソシアネート化合物、芳香族ジイソシアネート化合物等が挙げられる。
【0013】
脂肪族ジイソシアネート化合物は、その脂肪部が炭素数が1〜20、好ましくは6〜10の直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基からなるものが好ましく、当該脂肪部は1または2以上の置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、イソホロンやメチレンビスシクロヘキサン等から誘導される一価以上の基;カルボキシル基等が挙げられる。当該脂肪族ジイソシアネート化合物の具体例としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ヘキサン酸等が挙げられる。
【0014】
脂環族ジイソシアネート化合物は、その脂環部の炭素数が3〜20、好ましくは6〜10の飽和または不飽和脂環式炭化水素基からなるものが好ましく、該不飽和脂環式炭化水素基は2以上存在してもよく、その場合に、炭素数が1〜12、好ましくは6〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキレンを介してお互いが結合しているのが好ましい。また、当該脂環部は、1または2以上の置換基で置換されていてもよく、この場合の置換基としては、炭素数が好ましくは4〜12、より好ましくは6〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキル等が挙げられる。当該脂環族ジイソシアネート化合物の具体例としては、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロへキシルイソシアネート)、2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ノルボルナンジイソシアネート(別名:2,5(及び6)−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン)、イソホロンジイソシアネート等が挙げられ、これらの中でも、ノルボルナンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが好ましく、特に好ましくはイソホロンジイソシアネートである。
【0015】
芳香族ジイソシアネート化合物は、その芳香環がベンゼン、ナフタレンからなるものが好適であり、該芳香環は2以上存在していてもよく、その場合にはお互いが単結合か、または炭素数が好ましくは1〜20、より好ましくは2〜12である直鎖状または分岐鎖状のアルキレン、酸素原子等を介して結合しているものが好ましい。また、該芳香部は1または2以上の置換基(炭素数が2〜20、好ましくは6〜12の直鎖状または分岐鎖状のアルキル、アミノ等)で置換されたものも含まれる。当該芳香族ジイソシアネート化合物の具体例としては、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネートと1,4−キシリレンジイソシアネートとの混合物、ω,ω’−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼンと1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼンとの混合物等が挙げられる。
【0016】
本発明におけるポリイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート化合物、脂環族ポリイソシアネート化合物、芳香族ポリイソシアネート化合物等が挙げられ、好ましくは脂肪族ポリイソシアネートである。
【0017】
脂肪族ポリイソシアネート化合物は、その脂肪部が炭素数が1〜20、好ましくは6〜10の直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基からなるものが好ましく、また、該脂環部は1または2以上の置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、イソホロン、シクロヘキサン等から誘導される一価以上の基が挙げられる。当該脂肪族ポリイソシアネート化合物の具体例としては、1,4,8−トリイソシアナトオクタン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアナト−5−イソシアナトメチルオクタン等が挙げられる。
【0018】
脂環族ポリイソシアネート化合物は、その脂環部が炭素数が3〜20、好ましくは3〜10の飽和脂環式炭化水素基からなるものが好適であり、また、該飽和脂環式炭化水素基は2以上存在して縮合環を形成してもよく、さらにこれらの脂環式炭化水素基は2以上存在して、お互いがメチレン基を介して結合していてもよい。また、該脂環部は1または2以上の置換基で置換されていてもよく、該置換基としては、炭素数が4〜12、好ましくは6〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキル、炭素数が4〜12の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン等が挙げられる。当該脂環族ポリイソシアネート化合物の具体例としては、1,3,5−トリイソシアナトシクロへキサン、1,3,5−トリス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,6−ジ(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−(イソシアナトメチル)−3−(3−イソシアナトプロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−(イソシアナトメチル)−3−(3−イソシアナトプロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−(イソシアナトメチル)−2−(3−イソシアナトプロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−(イソシアナトメチル)−2−(3−イソシアナトプロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げられる。
【0019】
芳香族ポリイソシアネート化合物は、その芳香環がベンゼン、ナフタレンからなるものが好適であり、また、該芳香環は2以上存在していてもよく、その場合にはお互いが単結合、炭素数が2〜20、好ましくは6〜12の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン等を介して結合していてもよい。また、該芳香環は1または2以上の置換基で置換されていてもよく、該置換基としては、例えば、炭素数が2〜20、好ましくは6〜12の直鎖状または分岐鎖状のアルキル、炭素数が2〜20の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン等が挙げられる。当該芳香族ポリイソシアネート化合物の具体例としては、トリフェニルメタン−4,4’,4’−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4’−ジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトメチルベンゼン等が挙げられる。
【0020】
本発明におけるジイソシアネート化合物の変性体及びポリイソシアネート化合物の変性体としては、例えば、上述のジイソシアネート化合物及びポリイソシアネート化合物の具体例として挙げた化合物の中から選択される1種以上の化合物の変性体を挙げることができ、ビウレット体、イソシアヌレート体、各種ポリヒドロキシ化合物とのウレタン化反応によって得られるアダクト体、アロファネート体、オキサジアジントリオン体、ウレチジオン体等が好ましく、特に好ましくはイソシアヌレート体である。
【0021】
イソシアヌレート体は、例えば、トリス(イソシアナトアルキル)置換イソシアヌレート化合物が挙げられ、「イソシアナトアルキル」の「アルキル」が炭素数が2〜20、好ましくは2〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキル(例えば、エチル、ブチル、ヘキシル等)からなるものが好ましい。該トリス(イソシアナトアルキル)置換イソシアヌレート化合物の具体例としては、トリス(6−イソシアナトヘキシル)イソシアヌレートが挙げられる。また、下記の一般式(I)で表されるイソシアヌレート体も本発明のイソシアネート化合物として好適に使用できる。
【0022】
【化1】
【0023】
ビウレット変性体の具体例としては、例えば、下記式(II)で示されるものが挙げられる。
【0024】
【化2】
【0025】
また、下記一般式(III)で表されるTMP変性体(式中のRは式(I)中のそれと同義である)も本発明のイソシアネート化合物として好適に使用できる。
【0026】
【化3】
【0027】
本発明おいて、イソシアネート化合物は1種又は2種以上を使用できる。
【0028】
▲2▼ヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物
本発明で使用する「ヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物」は、分子中に、イソシアナト基との間でウレタン結合を形成し得る反応性水酸基(ヒドロキシル基)を1個と、複数の(メタ)アクリロイル基とを有する(メタ)アクリレート系化合物であり、例えば、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、グリシドールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロオキシプロピル(メタ)アクリレート等の2官能化合物、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート等の3官能化合物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の5官能化合物等が挙げられるが、これらの中でも3官能以上の化合物が好ましく、3官能化合物又は/及び5官能化合物が好適に使用される。本発明において、当該ヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物は1種又は2種以上を使用できる。また、当該ヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物には、必要に応じて、(メタ)アクリロイル基以外の不飽和結合(官能基)を有するものを一部に使用してもよく、そのようなものとして、例えば、アリルグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸ダイマーとの反応物等が挙げられる。
【0029】
▲3▼ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン
本発明で使用する「ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン」は、ポリオルガノシロキサンの末端又は側鎖にイソシアナト基との間でウレタン結合を形成し得る反応性水酸基(ヒドロキシル基)が導入されたものである。
【0030】
当該ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサンは、末端変性タイプ(型)及び側鎖変性タイプ(型)のいずれも使用できるが、イソシアネート化合物との反応性等の点から、末端変性タイプ(型)が好ましく、該末端変性タイプ(型)は、片末端にヒドロキシル基を有する片末端変性タイプ(型)であっても、両末端にヒドロキシル基を有する両末端変性タイプ(型)であってもよく、また、これら両者を併用してもよい。
下記式(IV)及び下記式(V)は、片末端変性タイプの好ましい具体例を示し、下記式(VI)は両末端変性タイプの好ましい具体例を示している。
【0031】
【化4】
【0032】
(式中、R1及びR2は同一又は異なっていてもよく、それぞれ低級アルキル基又はフェニル基を表し、但し、R1及びR2が同一である場合、それらは共に低級アルキル基である。R3は低級アルキル基を表し、nは2〜200の整数、xは1〜50の整数、yは1〜50の整数を表す。)
【0033】
【化5】
【0034】
(式中、R1〜R3、n、x、yは前記と同義である。)
【0035】
【化6】
【0036】
(式中、R1、R2、n、x、yは前記と同義である。)
【0037】
式(IV)〜式(VI)中の、R1、R2で表される低級アルキル基としては、炭素数が1〜3が好ましく、具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。これらの中でもメチル基、エチル基が好ましく、特に好ましくはメチル基である。
【0038】
また、式(IV)及び(V)中の、R3で表される低級アルキル基としては、炭素数が1〜3が好ましく、具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、これらの中でもメチル基が好ましい。
【0039】
また、式(IV)〜式(VI)中の、x(1〜50の整数)は好ましくは1〜10、y(1〜50の整数)は、好ましくは1〜10である。
【0040】
式(IV)又は式(V)で表される片末端ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサンのうち、特に好ましいものとして、R1及びR2が共にメチル基、R3がメチル基、xが3、yが2であるヒドロキシル基変性ポリジメチルシロキサン、R1及びR2のうちの一方がメチル基、他方がフェニル基であり、R3がメチル基、xが3、yが2であるヒドロキシル基変性ポリメチルフェニルシロキサンが挙げられる。また、式(VI)で表される両末端ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサンのうちの特に好ましいものとして、R1及びR2がともにメチル基であり、xが3、yが2であるヒドロキシル基変性ポリジメチルシロキサン、R1及びR2のうちの一方がメチル基、他方がフェニル基であり、xが3、yが2であるヒドロキシル基変性ポリメチルフェニルシロキサンが挙げられる。
【0041】
本発明におけるヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサンの形態は、特に限定されず、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂のいずれも使用できるが、シリコーンオイルが好ましく、そのうちでも重量平均分子量が100〜100000の範囲のものが特に好ましく、とりわけ好ましくは重量平均分子量が1000〜10000のものである。
【0042】
本発明における、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサンは市販品をそのまま使用でき、その具体例としては、例えば、両末端ヒドロキシル基変性ポリジメチルシロキサンとして、チッソ社製、サイラプレンFM−4421(重量平均分子量:5000)、信越化学工業社製、X−22−160AS(重量平均分子量:1000、5000、10000)等が挙げられる。また、片末端ヒドロキシル基変性ポリジメチルシロキサンとして、チッソ社製、サイラプレンFM−0411(重量平均分子量:1000)、サイラプレンFM−0421(重量平均分子量:5000)、サイラプレンFM−0425(重量平均分子量:10000)、サイラプレンFM−DA11(重量平均分子量:1000)、サイラプレンFM−DA21(重量平均分子量:5000)等が挙げられる。
【0043】
なお、本発明において、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサンの重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)を用いて、ポリスチレン換算した数値である。
【0044】
本発明おいて、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサンは1種又は2種以上を使用できる。
【0045】
本発明における紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、イソシアネート化合物のイソシアナト基数と、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン及びヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物におけるヒドロキシル基数(反応性水酸基数)とを考慮し、これら3種の原料を、イソシアナト基がヒドロキシル基に対して0.90〜1.10当量、好ましくは0.99〜1.05当量となる量使用し、反応させることにより得られる。
【0046】
例えば、イソシアネート化合物としてジイソシアネート化合物を使用し、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサンとして、両末端ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン(例えば、前記式(VI)の両末端ヒドロキシル基変性ジメチルシロキサン)を使用する場合、両末端ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン1モル当たりジイソシアネート化合物約2モルを反応(ウレタン化反応)させ、該反応生成物にさらにヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物を約2モル反応(ウレタン化反応)させる。
【0047】
反応は、無溶媒或いはイソシアナト基とヒドロキシル基(反応性水酸基)に対して不活性な溶媒中で行うことができ、不活性な溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、エチルメチルケトン、クロロホルム、クロロメタン、トルエン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。なお、ウレタン化反応を溶媒中で行う場合の溶媒の使用量は、反応のスケール等により異なり、ハンドリング適性によって決められる。
【0048】
上記のウレタン化反応は、通常0〜120℃の温度範囲で行うことができ、反応を効率よく進行させるためには、30〜90℃で行うのが好ましい。反応温度が0℃未満である場合、ウレタン化反応が進行しなかったり、副生成物が生じ易くなる虞がある。
【0049】
ウレタン化反応が、反応原料の性質により十分に進行しない場合には、反応を促進するための触媒を使用してもよく、当該触媒としては、例えば、有機錫化合物(例えば、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫オクテート、ジブチル錫ジメトキシド等)、アミン化合物(例えば、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、ジメチルブチルエタノールアミン等)等が適切である。これらの他には、チタン化合物、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物等も挙げられる。当該触媒の使用量は、反応原料に対して、好ましくは0.01〜2.5重量%、より好ましくは0.1〜1.5重量%の範囲であり、反応原料の種類や量に応じて適宜調整するとよい。
【0050】
本発明においては、生成するウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの反応系中での重合を防止するため、適量の重合禁止剤を反応系にさらに添加してもよい。当該重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジ−第3ブチル−4−メチルフェノール等が挙げられる。これらの重合禁止剤の使用量は、反応原料に対して、好ましくは0.0001〜1.0重量%、より好ましくは0.001〜0.1重量%の範囲内であり、反応原料の種類や量に応じて適宜調整するとよい。当該重合禁止剤の使用量が多すぎる場合、本発明の組成物の硬化性を悪くし、少なすぎる場合、本発明の組成物の安定性が悪くなり、保存または反応中にゲル化を生じることになる。
【0051】
本発明における紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーにおいて、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン(由来の構造単位)の含有量は10〜80重量%が好ましく、特に好ましくは20〜80重量%である。この範囲よりも少ない場合は、硬化塗膜の耐擦傷性の低下や下地との密着性低下等を生じやすくなり、また、この範囲よりも多い場合は、硬化塗膜の硬度低下による耐擦傷性低下を生じやすくなり、好ましくない。また、当該オリゴマーにおけるヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン(由来の構造単位)以外の部分におけるイソシアネート化合物(由来の構造単位)とヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物(由来の構造単位)との含有比(重量比)は、10:90〜50:50程度が適当であり、好ましくは20:80〜40:60である。
【0052】
よって、3種の原料化合物(イソシアネート化合物、ヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物、及びヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン)は、これらの間のイソシアナト基数とヒドロキシル基数の比を考慮するとともに、オリゴマー中のヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサンの含有量、イソシアネート化合物(由来の構造単位)とヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物(由来の構造単位)との含有比が上記の範囲内となるように、それらの種類及び仕込み量を調整するのが好ましい。
【0053】
本発明の紫外線硬化性組成物は、上記紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー以外に、光開始剤(紫外線硬化剤)を少なくとも含んで構成されるが、該光開始剤としては、例えば、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、ビスアシルフォスフィンオキサイド、アシルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ベンゾイルアルキルエーテル(例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、n−ブチルベンゾインエーテル等)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、ベンジル、ベンゾイル、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン類(2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、)、ジベンゾスベロン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ベンザルアセトン、ビアセチル、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、テトラメチルチウラムジスルフィド、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、メチルベンゾイルフォルメート、2,2−ジエトキシアセトフェノン、アシロキシムエステル、塩素化アセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、アセトフェノンジエチルケタール、4’−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、フェニルグリオキシル酸メチル、o−ベンゾイル安息香酸メチル、p−ジメチルアミノ安息香酸メチル、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾ−ル、10−ブチル−2−クロロアクリドン、カンファーキノン、3−ケトクマリン、アントラキノン類(例えば、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、α−クロロアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン等)、アセナフセン、4,4’−ジメトキシベンジル、4,4’−ジクロロベンジル等が挙げられる。これらはいずれか1種または2種以上を使用でき、使用量は、一般に、紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー100重量部に対して0.01〜10重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部である。
【0054】
本発明の紫外線硬化性組成物には、必要に応じて、硬化塗膜における諸物性(硬度、弾性率等)を調整するために、反応性希釈剤を添加することもできる。反応性希釈剤は紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーと共重合し得る不飽和結合を有する化合物(モノマー)であり、単官能化合物(不飽和結合を1つ有するもの)、多官能化合物(不飽和結合を2以上有するもの)のいずれも使用できるが、3官能以上のもの(不飽和結合を3以上有するもの)を使用するのが好ましい。
【0055】
単官能化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸カルビトール、(メタ)アクリル酸イソボルニル、アクリロイルモルホリン、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、ビニルトルエン、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。上記の(メタ)アクリル酸アルキルのアルキル部は炭素数が1〜20、好ましくは2〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、また、該アルキル基はヒドロキシ基、フェノキシ基、グリシジル基、カルボキシル基等で1またはそれ以上置換されていてもよい。当該(メタ)アクリル酸アルキルの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル等が挙げられる。また、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルのアルキル部は炭素数が1〜20、好ましくは2〜8の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、ジアルキル部の2つのアルキルは、同一または異なっていてもよく、それぞれ、炭素数が1〜20、好ましくは2〜8の直鎖状または分岐鎖状のアルキルである。当該(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸N,N’−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N’−ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
【0056】
多官能化合物は、例えば、2官能化合物として、アルカンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルアジペート等が挙げられる。上記のアルカンジオールジ(メタ)アクリレートのアルカン部は、炭素数が1〜20、好ましくは2〜8の直鎖状、分岐鎖状または環状の炭化水素であって、ヒドロキシ基、フェノキシ基で1またはそれ以上置換されていてもよい。当該アルカンジオールジ(メタ)アクリレートの具体例としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。また、上記のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートのアルキレン部は、炭素数が1〜20、好ましくは2〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキレンである。該ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの具体例としては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクタム変性ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0057】
3官能以上の化合物の具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、N,N,N’,N’−テトラキス(β−ヒドロキシエチル)エチルジアミンのアクリル酸エステル等が挙げられる。
【0058】
本発明おいて、反応性希釈剤は、1種又は2種以上を使用でき、その使用量は、紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー100重量部に対して、200重量部以下が好ましく、150重量部以下がより好ましい。該反応性希釈剤の使用量が200重量部を超えると、硬化塗膜の下地との密着性が低下したり、耐擦傷性が低下する傾向となり、好ましくない。また、その下限は10重量部以上が好ましく、50重量部以上が特に好ましい。反応性希釈剤の使用量が10重量部よりも少ないと、反応性希釈剤を添加することの作用が発現しにくく、好ましくない。なお、反応性希釈剤は、本発明における紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの合成反応(すなわち、イソシアネート化合、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン及びヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物におけるウレタン化反応)を阻害しないなら、当該オリゴマーの反応系に、その原料(イソシアネート化合、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン及びヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物)とともに、配合しておくこともできる。
【0059】
本発明で使用してもよい添加剤としては、例えば、増感剤、着色剤、消泡剤、脱泡剤、湿潤剤、レベリング剤、帯電防止剤、粘度調整剤、貯蔵安定剤、抗菌剤、滑り止め剤、塗膜ひび割れ防止剤、密着促進剤、分散剤、界面活性剤、体質顔料、離型剤、シランカップリング剤、安定剤、難燃剤等が挙げられ、いずれも通常用いられるものを用いることができる。
【0060】
これらのほかに、本発明の組成物は、表面乾燥性の改良補助剤として、ナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルト等の有機金属塩やパラフィンワックス類等を配合してもよい。
【0061】
さらに、本発明の組成物は、塗膜の硬化収縮率等を調整する目的で、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルウレタン樹脂、ビニルエステルウレタン樹脂、ポリイソシアネート、ポリエポキシド、アクリル樹脂類、アルキッド樹脂類、尿素樹脂類、メラミン樹脂類、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル系共重合体、ポリジエン系エラストマー、飽和ポリエステル類、飽和ポリエーテル類やニトロセルローズ、セルローズアセテートブチレート等のセルローズ誘導体、ロジン誘導体、アマニ油、桐油、大豆油、ヒマシ油、エポキシ化油等の油脂類のごとき天然および合成高分子を添加してもよい。
【0062】
さらに、これら天然および合成高分子以外に、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレー、シリカパウダー、コロイダルシリカ、ポリマー微粒子、アスベスト粉、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、チタン白、亜鉛華、ベンガラ、アゾ顔料、ガラス繊維、炭酸繊維、炭化珪素繊維、アラミド繊維等の、各種充填剤、顔料および染料を添加することもできる。
【0063】
本発明の組成物は、硬化反応性の点からは溶剤(溶媒)を含まない組成物(無溶剤タイプの組成物)であるのが好ましい。しかしながら、組成物の塗工性を考慮した場合、組成物は室温〜80℃の範囲において液状(具体的には25℃での粘度が10〜10000mPa・s)であるのが好ましく、当該液状とするために有機溶剤で希釈してもよい。かかる有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。
【0064】
本発明の紫外線硬化性組成物は、各種のプラスチック製品(例えば、携帯電話の筐体、CD、MDなどの記録材料、パソコン画面のシールドカバー、プラスチックカード(磁気カード、ICカード、キャッシュカード、プリペイドカード、テレホンカード等)、光学プラスチック成形品(メガネレンズ、ゴーグル等)、床材等)又は木製品(例えば、木製床、家具、階段等)の表面に塗工し、紫外線を照射して硬化させる。なお、硬化を行う際に、塗膜中に溶剤が残存する場合、塗膜を乾燥させて溶剤を除去することが必要である。塗膜の乾燥は、通常、塗料を乾燥させる方法(例えば、自然乾燥、熱風乾燥など)によって行うことができる。
【0065】
プラスチックの製品の材質は、例えば、ポリスチレン、アクリル系ポリマー、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレン酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースアセテート、セルロースブチレート等の繊維素系樹脂等が挙げられる。
【0066】
また、プラスチックの製品における「床材」とは、例えば、コンポジションビニル床タイル、ホモジニアスビニル床タイル等のビニル床タイル、クッションフロア等の発泡ビニル床シート、織布積層ビニル床シート、不織布積層ビニル床シート等のビニル床シート等の塩化ビニル系床材の他、リノリューム床材、ゴムタイル等が挙げられる。本発明の組成物からなる塗膜以外の塗膜を設けた塗り床材に対しても、本発明の組成物を適用することができる。当該塗り床材表面に設けられた塗膜の材料としては、通常使用されるものであれば特に限定はなく、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系、MMA樹脂系、ポリエステル樹脂系等が挙げられる。
【0067】
なお、本発明の紫外線硬化性組成物は、上記の種々の製品のなかでも、プラスチック製品(特に、携帯電話の筐体)の表面被覆膜として特に好適である。
【0068】
本発明の紫外線硬化性組成物は、硬化塗膜(塗工し、紫外線硬化して得られる硬化塗膜)の厚みが1μm以上、好ましくは5μm以上となるように被覆対象物の表面に設けるのが好ましい。硬化塗膜の厚みが1μm未満では、優れた耐擦傷性が得られにくくなる。また、硬化塗膜の厚みが100μm以下、好ましくは30μm以下となるように被覆対象物の表面に設けるのが好ましい。硬化塗膜の厚みが100μmを超える場合、下地との密着性不良やコストアップを招き、好ましくない。
【0069】
なお、上記の硬化塗膜の厚みは、組成物の塗工及び硬化(紫外線照射)作業を1回又は2回以上行って達成される。すなわち、本発明の組成物による硬化塗膜とは、単層塗りでも多重塗りのいずれも包含する。
【0070】
本発明の組成物を被覆対象物の表面に塗工する前に当該表面にシーラー用樹脂膜を形成させておくことは、被覆対象への組成物の浸透を抑制し、塗膜の乾燥厚みを正確に制御できるので好ましい。特に、組成物が浸透し易い被覆対象に対しては、シーラー用樹脂膜を形成しておくことが好ましい。シーラー用樹脂膜の塗布厚みは、被覆対象の表面に必要とされる種々の機能により自由に設定することができ、本発明の組成物が被覆対象内部に浸透するのを防ぎ、かつ要求される塗膜性能が発揮される厚みであれば特に限定はされない。
【0071】
シーラー用樹脂としては、通常シーラー用塗料として使用される樹脂であれば特に限定はなく、例えばウレタン系、アクリル系、エポキシ系、酢酸ビニル系等の樹脂等が挙げられ、有機溶剤系、水溶液系、水性エマルション系、水性ディスパーション系等その形態はいずれであってもよい。シーラー用樹脂膜の乾燥は、光硬化、自然乾燥、熱風乾燥等通常の塗料の乾燥方法で行うことができ、一般的には乾燥時間が短く、光劣化の少ない方法が好ましい。シーラー用樹脂膜の乾燥は、本発明の組成物を塗布する前に行うことが好ましい。
【0072】
本発明の組成物の硬化に使用する光源としては、ハロゲンランプ、キセノンランプ等の可視光領域の光源や高圧水銀灯、メタルハライドランプ等の紫外線領域の光源、太陽等を用いて行うことができる。硬化を良好に行うためには、短波長成分を多く含む光を発生する光源を使用するのが好ましい。
【0073】
照射面での照射光量は、好ましくは10〜1500mJ/cm2であり、より好ましくは50〜300mJ/cm2である。照射面での照射光量が10mJ/cm2未満の場合には、硬化が不十分になりやすく、優れた耐擦傷性の硬化塗膜を得ることが困難となる虞がある。また、照射面での照射光量が1500mJ/cm2を超える場合には、照射能力の低い設備を用いるときは長い照射時間が必要となり、また、短時間でその照射光量を照射しようとすると、照射能力の高い設備が必要となるため設備費が高くなり、その上、塗膜劣化の虞がある。
【0074】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0075】
[原料化合物]
実施例及び比較例で使用した原料化合物は以下のとおりである。
サイラプレンFM−4421:チッソ社製の下記示性式で表される両末端ヒドロキシル基変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量:5000)
X−22−160AS:信越化学工業社製の下記示性式で表される両末端ヒドロキシル基変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量:1000)
【0076】
【化7】
【0077】
IPDI:旭化成社製のイソホロンジイソシアネート(分子量:222、NCO当量:37.8%)
NKエステルA−TMM−3L:新中村化学(株)製のテトラメチロールメタントリアクリレート(50−55%)と、テトラメチロールメタンテトラアクリレート(40−45%)、テトラメチロールメタンジアクリレート(5%以下)の混合物(テトラメチロールメタントリアクリレートの分子量:298、混合物のOHV(mgKOH/g):110)、
カヤラットDPHA:日本化薬社製のジペンタエリスリトールペンタアクリレートと、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートと、ジペンタエリスリトールテトラアクリレートとの混合物(混合物のOHV(mgKOH/g):40)
HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
2HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート
HQ:住友化学工業社製のハイドロキノン
Sn:三協有機合成工業社製のジブチル錫ラウレート
【0078】
実施例1
[紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの合成(合成例1)]
温度計、コンデンサー、攪拌機および不活性ガス導入口を備えた4つ口フラスコ(1000ml)に、サイラプレンFM−4421を280g(0.056モル)、IPDIを25g(0.11モル)、NKエステルA−TMM−3Lを60g(テトラメチロールメタントリアクリレートを約0.11モル含有)、ハイドロキノンを0.1gおよびジブチル錫ラウレートを0.1g仕込み、70℃で8時間反応を続行し、反応はFT−IRでイソシアネートの吸収が無くなった時点で反応を停止し、冷却した。得られた反応物の粘度は14000mPa・s/25℃であった。
【0079】
[紫外線硬化性組成物(塗料組成物)の調製]
上記のウレタン化反応物100gに対し、エチルセロソルブ150g、紫外線硬化剤としてイルカギュア651(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を3g配合して塗料組成物を調製した。得られた塗料組成物の固形分濃度は39.5%、粘度は50mPa・s/25℃であった。
【0080】
実施例2
X−22−160ASを200g(0.2モル)、IPDIを88.8g(0.4モル)、NKエステルA−TMM−3Lを214g(テトラメチロールメタントリアクリレートを約0.4モル含有)、ハイドロキノンを0.1gおよびジブチル錫ラウレートを0.1g使用し、実施例1に準拠する反応条件で、ウレタン化反応を行った(合成例2)。得られた反応物の粘度は42000mPa・s/25℃であった。次に、当該ウレタン化反応物100gに対し、エチルセロソルブ150g、紫外線硬化剤としてイルカギュア651(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を3g配合して塗料組成物を調製した。得られた塗料組成物の粘度は70mPa・s/25℃であった。
【0081】
実施例3
実施例1で合成したウレタン化反応物50g、カラヤットDPHA50g、エチルセロソルブ150g、紫外線硬化剤としてイルカギュア651(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)3gを配合して塗料組成物を調製した。得られた塗料組成物の粘度は140mPa・s/25℃であった。
【0082】
実施例4
実施例2で合成したオリゴマーを50g、カラヤットDPHA50g、エチルセロソルブ150g、紫外線硬化剤としてイルカギュア651(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)3gを配合して塗料組成物を調製した。得られた塗料組成物の粘度は170mPa・s/25℃であった。
【0083】
比較例1
IPDIを88.8g(0.4モル)、NKエステルA−TMM−3Lを428g(テトラメチロールメタントリアクリレートを約0.8モル含有)、ハイドロキノンを0.1gおよびジブチル錫ラウレートを0.1g使用し、実施例1に準拠する反応条件で、ウレタン化反応を行った(合成例3)。得られた反応物の粘度は650000mPa・s/25℃であった。次に、当該ウレタン化反応物100gに対し、エチルセロソルブ150g、紫外線硬化剤としてイルカギュア651(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を3g配合して塗料組成物を調製した。得られた塗料組成物の粘度は80mPa・s/25℃であった。
【0084】
比較例2
X−22−160ASを200g(0.2モル)、HDIを67.2g(0.4モル)、2−HEAを51.0g(約0.4モル)、ハイドロキノンを0.1gおよびジブチル錫ラウレートを0.1g使用し、実施例1に準拠する反応条件で、ウレタン化反応を行った(合成例4)。得られた反応物の粘度は16500mPa・s/25℃であった。次に、当該ウレタン化反応物100gに対し、エチルセロソルブ150g、紫外線硬化剤としてイルカギュア651(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を3g配合して塗料組成物を調製した。得られた塗料組成物の粘度は30mPa・s/25℃であった。
【0085】
比較例3
カラヤットDPHAを100g、エチルセロソルブを150g、紫外線硬化剤としてイルカギュア651(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を3g配合した塗料組成物を調製した。得られた塗料組成物の粘度は40mPa・s/25℃であった。
【0086】
[試験と性能評価]
上記製造した塗料組成物(実施例1〜4、比較例1〜3の塗料組成物)を、ポリカーボネート板にワイヤバー♯10にて塗工し、80℃で5分乾燥して、膜厚が5μmの塗膜を形成し、次いで該塗膜に紫外線を照射(照射量500mJ/cm2)して硬化させ、これを試料とした。そして、該試料を用いて以下の試験(性能評価)を行った。
【0087】
▲1▼硬度
JIS K5400に準拠して測定した。
▲2▼密着性
JIS K5400に準拠してセロテープ剥離試験を実施した。即ち、硬化塗膜に対して、セロテープ(ニチバン製:登録商標)による2mm幅碁盤目試験(塗膜にカッターを用いて切れ目を入れて、2mm四方の升目を25作成し(即ち、縦横に2mm間隔に6本の切れ目を入れて作成し)、当該升目の上からセロテープを貼り、該セロテープを塗膜との角度が45°となるように剥離する試験)を行い、硬化塗膜の剥離が生じた升目の有無によって密着性を判定した。硬化塗膜が剥離した升目が無い場合を合格(〇)、硬化塗膜が剥離した升目が1つでも生じた場合を不合格(×)とした。
▲3▼表面タック
指触にて判定した。タック感無し(〇)、タック感有り(×)。
▲4▼接触角
エルマ社製接触角測定器にて測定した。
▲5▼耐擦傷性
スチールウール♯0000にて100gの荷重をかけて30回ラビングした後の、傷の本数で評価した。
傷が認められない場合を極めて良好(〇)、傷が1〜10本の場合を良好(△)、傷が10本を超える場合を不可(×)と判定した。
【0088】
下記表1は、実施例1〜4、比較例1〜3で調製した塗料組成物(紫外線硬化性組成物)の処方と試験結果を示す。
【0089】
【表1】
【0090】
表1に示すように、本発明の紫外線硬化性組成物(実施例1〜4の塗料組成物)を紫外線硬化して得られる硬化塗膜は、高硬度で、優れた耐擦傷性(耐スチールウール性)を有し、しかも、下地への密着性も良好であった。また、表面滑性、耐水性に優れ、タック感もない、良好な諸物性を有していた。これに対し、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサンを使用せず、イソシアネート化合物とヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物とをウレタン化反応して得たオリゴマーを含む比較例1の塗料組成物による硬化塗膜、及び、ヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物を使用せず、単官能((メタ)アクロイル基が1個)のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート系化合物を用いて得たオリゴマーを含む比較例2の塗料組成物による硬化塗膜は、いずれも、優れた耐擦傷性(耐スチールウール性)を達成できず、また、多官能(メタ)アクリレート系化合物をそのまま紫外線硬化させた比較例3の硬化塗膜では、優れた耐擦傷性(耐スチールウール性)が得られないばかりでなく、下地との密着性も劣悪であった。
【0091】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明の紫外線硬化性組成物によれば、優れた耐擦傷性を有するとともに、下地との密着性も良好な硬化塗膜を形成することができる。また、かかる硬化塗膜は、表面滑性、耐水性に優れ、タック感もないので、耐汚染性に優れ、かかる硬化塗膜で各種の製品の表面を被覆することにより、傷が付きにくく、しかも、汚れにくい、高付加価値の製品を達成することができる。
Claims (4)
- イソシアネート化合物、ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサン及びヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物を反応させて得られる紫外線硬化性ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーと、光開始剤とを含むことを特徴とする、紫外線硬化性組成物。
- ヒドロキシル基含有多官能(メタ)アクリレート系化合物が、(メタ)アクリロイル基を3以上有するものである、請求項1記載の紫外線硬化性組成物。
- イソシアネート化合物が、ジイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物及びこれらの変性体から選ばれる少なくとも1種からなる、請求項1又は2記載の紫外線硬化性組成物。
- ヒドロキシル基変性ポリオルガノシロキサンが末端変性型である、請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線硬化性組成物。
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