JP2004003611A - 水中用スリーブ軸受及びその用途 - Google Patents

水中用スリーブ軸受及びその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた摩擦特性を発揮する水中用スリーブ軸受、優れた摩擦特性を発揮する繊維強化した水中用スリーブ軸受を提供する。
【解決手段】軸とスリーブから基本的に構成され、スリーブ又は軸が、RBC又はCRBCの微粉末を合成樹脂中に均一に分散した合成樹脂組成物で作られている水中用スリーブ軸受、又はさらに、無機繊維及び/又は有機繊維を配合した合成樹脂組成物で作られた水中用スリーブ軸受。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、水中での摩擦係数が小さい水中で用いる水中用スリーブ軸受に関する。
日本において90万トン/年、世界中で3300万トン/年も排出されている米ぬかを利用して、多孔質炭素材料を得ようとすることは、本件の第一発明者である堀切川 一男の研究により知られている。(非特許文献1参照)
ここには、米ぬかから得られる脱脂ぬかと、熱硬化性樹脂を混合して混錬し、加圧成型した成型体を乾燥させた後、乾燥成型体を不活性ガス雰囲気中で焼成した炭素材料であるRBセラミックス(以下RBCという)及びその製造方法が示されている。熱硬化性樹脂は、熱硬化しさえすればどのようなものでも良く、代表的にはフェノール系樹脂、ジアリールフタレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、トリアジン系樹脂が挙げられる。とくにフェノール系樹脂が好適に用いられる。 脱脂ぬかと熱硬化性樹脂の混合割合は、質量比で、50〜90:50〜10であるが、好適には75:25 が用いられる。
焼成温度は、700℃〜1000℃であり、通常はロータリーキルンが用いられ、焼成時間は約40分から120分である。
RBセラミックスをさらに改良した炭素材料であるCRBセラミックス(以下CRBCという)は、米ぬかから得られる脱脂ぬかと、熱硬化性樹脂とから得られるRBセラミックスの改良材であって、米ぬかから得られる脱脂ぬかと、熱硬化性樹脂を混合して混錬し、不活性ガス中700℃〜1000℃で一次焼成した後、100メッシュ程度以下に粉砕して炭化粉末とし、該炭化粉末と熱硬化性樹脂を混合して混錬し、圧力20MPa〜30MPaで加圧成型した後、成型体を不活性ガス雰囲気中で再び500℃〜1100℃で熱処理して得られる黒色樹脂ないし多孔質セラミックスである。
【0002】
RBC及びCRBCは、次のような優れた特徴を持っている。
・硬度が高い。
・粒子にしても形状がいびつ。
・膨張係数が非常に小さい。
・組織構造がポーラスである。
・電気伝導性を有する。
・比重が小さく軽い。
・摩擦係数が非常に小さい。
・耐摩耗性に優れる。
・材料が米ぬかで地球環境への悪影響が少なく、省資源に繋がる。
本発明は、RBC及びCRBCを平均粒子径300μm以下、好ましくは10〜100μmとくに好ましくは、10〜50μmに微粉末化して用い、合成樹脂と混合することにより得られる合成樹脂組成物を利用した水中用のスリーブ軸受に関する。
【0003】
【従来技術】
従来、水冷式エンジンを冷却するウオータポンプなど液体中で使われるポンプの軸受には、軸受に液体が浸入しないように、シールドが施されていた。
また、液体中で使われるポンプの軸受として、シールドしないで液体中で用いるスリーブ軸受を構成する材料の摩擦特性は、これまで実用化されていないこともあって、液体中で好ましい特性を発揮するものは殆んど知られていない。
【非特許文献1】
機能材料 1997年 5月号 Vol.17 No.5 p24〜28
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の水中用スリーブ軸受の材料として用いられている窒化珪素、アルミナ等のセラミックスやPPS等のスーパーエンプラは、水中用スリーブ軸受に要求される機械的性質、化学的性質、物理的性質を兼ね備えているが、摩擦特性、摩耗特性、生産効率、コストの点で改善の余地が残されていた。
本発明は、摩擦特性、摩耗特性、生産効率、コストを改善した水冷式エンジンの冷却水循環ポンプを提供することを課題とする。さらに、機械的性質を同時に向上させた水中用スリーブ軸受を提供することを課題とする。
また、シールドを施さずそのまま液体中、たとえば水―エチレングリコール混合物である水冷式エンジンの冷却水中で用いたとき優れた防錆性の摩擦特性を発揮する水中用スリーブ軸受を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、RBC(RBセラミックス)又はCRBC(CRBセラミックス)の水中における優れた摩擦特性、摩耗特性に着目し、鋭意研究した結果、以下の手段により課題が解決されることを見出した。
すなわち、合成樹脂にRBC又はCRBCの微粉末を組成物全体の10〜50質量%加えて混錬した樹脂組成物を成型することにより、摩擦特性、摩耗特性、生産効率、コストが改善された水中用スリーブ軸受を得た。
さらに、本発明者は、合成樹脂に繊維材料を加えた繊維強化合成樹脂に、RBC又はCRBCの微粉末を組成物全体の10〜50質量%混錬した樹脂組成物を成型することにより、摩擦特性、摩耗特性が維持され、かつ、機械的性質が改善された水中用スリーブ軸受を得た。
また、本発明者は、この水中用スリーブ軸受を用いて摩擦特性、摩耗特性だけでなく機械的性質も改善された水冷式エンジンの冷却水循環ポンプが得られることを見出した。
RBC(RBセラミックス)又はCRBC(CRBセラミックス)の特異性に着目し、鋭意研究した結果驚くべきことには、RBC又はCRBCの微粉末を均一に分散し、とくに、RBC又はCRBCの微粉末:合成樹脂の質量比が、10〜70:90〜30とした樹脂組成物が、水、アルコール、エチレングリコール及びこれらの混合物の液体中において、防錆性および驚異的な摩擦特性を発揮する樹脂成型物となることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、軸とスリーブから基本的に構成され、スリーブ又は軸が、RBC又はCRBCの微粉末を合成樹脂中に均一に分散した合成樹脂組成物で作られている水中用スリーブ軸受を提供するものである。
本発明の水中用スリーブ軸受に用いる樹脂組成物の典型的な製造方法は、RBC又はCRBCの微粉末を合成樹脂の融点付近の温度で混錬することにより、RBC又はCRBCの微粉末を均一に分散することにより簡単に得られる。
【0006】
【本発明の実施の形態】
本発明の典型的な例を図1に示す。スリーブ軸受は、軸1とスリーブ2からなる。RBC又はCRBCの微粉末を合成樹脂中に均一に分散した合成樹脂組成物を成型して、軸またはスリーブを作製する。
本発明においては通常、軸にはステンレス鋼系の合金が用いられる。硬い軸を必要とするときは、焼入れを行う。図3に示すように、必要により、軸の一部に硬質の防錆合金を圧入して用いても良い。さらに、前記の合成樹脂組成物で軸を作製しても良い。
スリーブ軸受2の形状は、図1ないし図4に示したもののほか、鍔付きスリーブなど周知の形状のスリーブであっても良い。
本発明において用いるRBC又はCRBCの微粉末は、平均粒子径300μm以下のものが用いられる。特に平均粒子径10〜100μmより好ましくは10〜50μmのものが、摩擦係数の良い表面状態を作り出し、水中用スリーブ軸受の材料として適している。
【0007】
本発明において用いることが出来る合成樹脂としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。具体的には、ナイロン66(ポリヘキサメチレンアジポアミド)、ナイロン6(ポリカプラミド)、ナイロン11(ポリウンデカンアミド)、ナイロン12、ポリフタールアミドなど芳香族ナイロン、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフェニレンサルファイド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。とくに、ナイロン66、ナイロン11、ポリフタールアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレン、POM等が好ましく用いられる。これら熱可塑性樹脂は、1種でも2種以上を混合して用いても良い。
【0008】
さらに、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、熱硬化性樹脂を併用することも出来る。このような熱硬化性樹脂としては、フェノール系樹脂、ジアリールフタレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、トリアジン系樹脂などが挙げられる。
本発明において、合成樹脂の添加割合は、RBC又はCRBCの微粉末:合成樹脂の質量比が、10〜70:90〜30であることが必要である。合成樹脂の添加割合が90質量%を超えると、摩擦特性が悪くなり、30質量%以下では、成型が難しくなる。
さらに、本発明の水中用軸受に用いる合成樹脂組成物中に、硝子繊維、ロックウール、炭素繊維等の無機質繊維、ポリエステル、レーヨン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリオレフイン、アクリル、アラミド等の合成繊維又は木材パルプ、マニラ麻等の天然パルプ繊維を添加して、成型物の強度を高めることが出来る。
また、繊維は市販のもので、長繊維でも短繊維でも同様に用いることができる。
これらの繊維の配合量は、組成物全体の0.1〜70質量%配合することができるが、強度及び摩擦特性から1〜30質量%であることが好ましい。
【0009】
成型は、通常、押出成型または射出成型で行われる。
また、金型の温度をやや低めに設定すると良いことが解っている。基本的には合成樹脂のガラス転移点ないし融点の範囲の温度が良い。さらに、金型は、急冷するよりも徐冷する方が、良い摩擦特性の成型物が得られることがわかっている。
本発明において、軸ないしスリーブ軸受として用いるスチール系金属としては、主として鉄とニッケル、クロム、モリブデン等のステンレス系合金であり、硬くて錆びにくい合金ならどのようなものでも良い。
【0010】
本発明の実施の形態をまとめると、以下のとおりである。
(1) 軸とスリーブから基本的に構成され、スリーブ又は軸が、RBC又はCRBCの微粉末を合成樹脂中に均一に分散した合成樹脂組成物で作られている水中用スリーブ軸受。
(2) 合成樹脂組成物が、RBC又はCRBCの微粉末:合成樹脂の質量比が、10〜70:90〜30である上記1に記載した水中用スリーブ軸受。
(3) 合成樹脂が、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ポリフタールアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフェニレンサルファイドから選ばれる樹脂の1種又は2種以上である上記1又は上記2に記載した水中用スリーブ軸受。
(4) 合成樹脂組成物に、さらに、無機繊維及び/又は有機繊維を配合した合成樹脂組成物で作られている上記1ないし上記3のいずれかひとつに記載した水中用スリーブ軸受。
(5) 無機繊維及び/又は有機繊維が、短繊維であり、配合量が組成物全体の1〜30質量%である上記4に記載した水中用スリーブ軸受。
(6) 無機繊維が硝子繊維である上記4又は上記5に記載した水中用スリーブ軸受。
(7) RBC又はCRBCの微粉末の平均径が、300μm以下である上記1ないし上記6のいずれかひとつに記載した水中用スリーブ軸受。
(8) RBC又はCRBCの微粉末の平均径が、10〜50μmである上記7に記載した水中用スリーブ軸受。
(9) 軸が防錆スチール系金属であり、スリーブが上記2ないし上記8のいずれかひとつに記載した合成樹脂組成物で作られている水中用スリーブ軸受。
(10) 軸が上記2ないし上記8のいずれかひとつに記載された合成樹脂組成物で作られている上記1記載の水中用スリーブ軸受。
(11) 軸またはスリーブ内面に、螺旋状の溝を設けた上記1ないし上記10のいずれかひとつに記載した水中用スリーブ軸受。
(12) 上記1ないし上記11のいずれかひとつに記載された水中用スリーブ軸受を水冷式エンジンの冷却水循環ポンプの軸受に用いること。
【0011】
(実施例)
本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
実施例1
(RBC微粉末の製造例1)
米ぬかから得られる脱脂ぬか750gと液体状のフェノール樹脂(レゾール)250gを、50℃〜60℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。
混合物を、ロータリーキルンを使って窒素雰囲気中900℃で100分焼き上げ、得られた炭化焼成物を、さらに粉砕機を用いて粉砕し、ついで150メッシュの篩にかけて、平均粒径が140〜160μmであるRBC微粉末を得た。
(RBC微粉末と合成樹脂の組成物の作製例1)
得られたRBC微粉末500g、ナイロン66粉末500gを240℃〜290℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。RBC微粉末の含有量は50質量%であった。
(スリーブ軸受の作製)
RBC微粉末とナイロン66を溶融混合して得られた樹脂組成物を、射出成形して、外径が22mm内径8mm長さ120mmのスリーブを作製し、一方、SUS303ステンレス合金製の外径7.95mm長さ200mmの軸を挿入し、図1に示すようなスリーブ軸受を作製した。
【0012】
実施例2
実施例1に記載した方法を用いて、平均粒径が140〜160μmであるRBC微粉末を得た。
(RBC微粉末と合成樹脂の組成物の作製例2)
得られたRBC微粉末700g、ナイロン66粉末300gを240℃〜290℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。RBC微粉末の含有量は70質量%であった。
(スリーブ軸受の作製)
RBC微粉末とナイロン66を溶融混合して得られた樹脂組成物を、射出成形して、外径が22mm内径8mm長さ20mmのスリーブを作製し、一方、SUS304ステンレス合金製の外径7.95mm長さ200mmの軸を挿入し、図2に示すようなスリーブ軸受を作製した。
【0013】
実施例3
(RBC微粉末の製造例3)
米ぬかから得られる脱脂ぬか750gと液体状のフェノール樹脂(レゾール)250gを、50℃〜60℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。
混合物を、ロータリーキルンを使って窒素雰囲気中1000℃で100分焼き上げ、得られた炭化焼成物を、さらに粉砕機を用いて粉砕し、ついで400メッシュの篩にかけて、平均粒径が30〜50μmであるRBC微粉末を得た。
(RBC微粉末と合成樹脂の組成物の作製例3)
得られたRBC微粉末700g、ナイロン66粉末300gを240℃〜290℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。RBC微粉末の含有量は70質量%であった。
(スリーブ軸受の作製)
RBC微粉末とナイロン66を溶融混合して得られた樹脂組成物を、射出成形して、外径が22mm内径8mm長さ120mmのスリーブを作製し、一方、SUSベアリング鋼製の外径7.95mm長さ200mmの軸を挿入し、図1に示すようなスリーブ軸受を作製した。
【0014】
実施例4
(CRBC微粉末の製造例)
米ぬかから得られる脱脂ぬか750gと液体状のフェノール樹脂(レゾール)250gを、50℃〜60℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。
混合物を、ロータリーキルンを使って窒素雰囲気中で900℃で60分焼き上げた。得られた炭化焼成物を、粉砕機を用いて粉砕し、ついで200メッシュの篩にかけて、平均粒径が100〜120μmであるRBC微粉末を得た。
得られたRBC微粉末750gと固体状のフェノール樹脂(レゾール)500gを100℃〜150℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。
次いで、可塑物を圧力22MPaで直径約1cmの球形に加圧成型した。金型の温度は150℃であった。
金型から成型体を取り出し、窒素雰囲気中で500℃までは1℃/分の昇温速度で温度を上げ、500℃で60分間保持し、900℃で約120分焼結した。次いで500℃までは2〜3℃/分の冷却速度で、温度を下げ、500℃以下になると自然放冷した。
得られたCRBC成型物を、粉砕機を用いて粉砕し、ついで500メッシュの篩にかけて、平均粒径が20〜30μmであるCRBC微粉末を得た。
(CRBC微粉末と合成樹脂の組成物の作製例)
得られたCRBC微粉末500g、ナイロン66粉末500gを240℃〜290℃に加熱しながら、混合して混錬した。可塑性を有する均質な混合物が得られた。CRBC微粉末の含有量は50質量%であった。
(スリーブ軸受の作製)
RBC微粉末とナイロン66を溶融混合して得られた樹脂組成物を、射出成形して、外径が22mm内径8mm長さ20mmのスリーブを作製し、一方、SUS304ステンレス合金製の外径7.95mm内径5.00mm長さ20mmの円筒形部品を長さ200mmのスチール製軸の両端に圧入した軸を挿入し、図3に示すような、スリーブ軸受を作製した。
【0015】
実施例5〜10で用いたRBCまたはCRBC微粉末と合成樹脂の組成物を、実施例1〜4で製造したと同じ、RBCまたはCRBC微粉末を用いて、表1に示すような条件でRBC又はCRBCの微粉末を合成樹脂中に均一に分散して作製した。また、比較のために、市販の水中ポンプ用PPS樹脂(出光石油化学株式会社製)および窒化珪素を用いた。
【表1】
Figure 2004003611
【0016】
実施例1〜10の水中用スリーブ軸受に用いたRBCまたはCRBC微粉末と合成樹脂の組成物及びPPS樹脂、窒化珪素の特性を表2にまとめる。
【表2】
Figure 2004003611
【0017】
実施例5
表1の組成物5を用いて、射出成形により、スリーブの内側に深さ0.1mmの螺旋溝を有する外径が22mm内径8mm長さ120mmのスリーブを作製し、一方、SUSベアリング鋼製の外径7.95mm長さ200mmの軸を挿入し、スリーブ軸受を作製した。
【0018】
実施例6
表1の組成物6を用いて、射出成形により、外径7.95mm長さ200mmの軸を作製した。一方、SUSベアリング鋼製の外径が22mm内径8mm長さ120mmのスリーブを作製し、両者を組み合わせて、図1に示すようなスリーブ軸受を作製した。
【0019】
実施例7
表1の組成物7を用いて、射出成形により、深さ0.1mmの螺旋溝を有する外径7.95mm長さ200mmの軸を作製した。一方、SUSベアリング鋼製の外径が22mm内径8mm長さ120mmのスリーブを作製し、両者を組み合わせて、図4に示すようなスリーブ軸受を作製した。
【0020】
実施例8
表1の組成物8を用いて、射出成形により、外径が22mm内径8mm長さ120mmのスリーブを作製し、一方、深さ0.1mmの螺旋溝を有するSUSベアリング鋼製の外径7.95mm長さ200mmの軸を挿入し、図4に示すようなスリーブ軸受を作製した。
【0021】
実施例9
表1の組成物9を用いて、射出成形により、深さ0.1mmの螺旋溝を有する外径7.95mm長さ200mmの軸を作製した。一方、SUSベアリング鋼製の外径が22mm内径8mm長さ120mmのスリーブを作製し、両者を組み合わせて、図4に示すようなスリーブ軸受を作製した。
【0022】
実施例10
(スリーブ軸受の作製)
平均粒径が150μmRBC微粉末10gと市販の短繊維硝子繊維23g及びナイロン66ペレット77gを均一に溶融混合して樹脂組成物90gを溶融混合して得られた樹脂組成物が表1の組成物10である。この組成物10を原料樹脂とし射出成型して、外径が22mm内径8mm長さ120mmのスリーブを作製し、一方、SUS303ステンレス合金製の外径7.95mm長さ200mmの軸を挿入し、図1に示すようなスリーブ軸受を作製した。
比較例
市販の水中ポンプ用PPS樹脂(出光石油化学株式会社製)を用いて、射出成形により、外径が22mm内径8mm長さ120mmのスリーブを作製し、一方、SUS303ステンレス合金製の外径7.95mm長さ200mmの軸を挿入し、図1に示すようなスリーブ軸受を作製した。
比較例2
外径が22mm内径8mm長さ120mmのスリーブを作製し、一方、SUS303ステンレス合金製の外径7.95mm長さ200mmの軸を挿入し、図1に示すような窒化珪素製スリーブ軸受を作製した。
実施例1〜10及び比較例で得られた水中用スリーブ軸受の水中での摩擦特性を表3にまとめる。
【表3】
Figure 2004003611
表中A〜Fの数値は以下の条件で測定した。
A:すべり速度(m/s−1)0.001の条件下で測定
B:すべり速度(m/s−1)0.005の条件下で測定
C:すべり速度(m/s−1)0.01の条件下で測定
D:すべり速度(m/s−1)0.1の条件下で測定
E:すべり速度(m/s−1)0.5の条件下で測定
F:すべり速度(m/s−1)1.0の条件下で測定
【0023】
実施例1で得られた平均粒子径150μmRBC微粉末及び実施例3で得られた平均粒径が30μmのCRBC微粉末を用いて、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ポリフタールアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアセタール(POM)と配合して合成樹脂組成物を製造し、試験片を作製して同様の実験を行った。
表3の結果とほぼ同様の傾向が見られた。
【0024】
【本発明の効果】
表3の結果からも明らかなように、本発明のRBC又はCRBCの微粉末及び合成樹脂又は繊維強化合成樹脂で作られた水中用スリーブ軸受は、以下の効果を奏することが判明した。
1.摩擦係数を低下させることができる。
2.低すべり速度域と高すべり速度域での摩擦係数の差を、小さくすることができる。
3.繊維強化合成樹脂を用いた場合、前記1.〜2.に加えて、機械的性質も同時に向上させることが出来る。
4.射出成形できるので、生産効率に優れる。
5.低コストである。
また、本発明のRBC又はCRBCの微粉末及び合成樹脂からなる水中用スリーブ軸受は、水中での摩擦特性が際立って優れており、水冷式エンジンの冷却水循環ポンプなど、液体中で使われるポンプの軸受として、シールドしないで液体中で用いるスリーブ軸受構造など直接液体に触れるに軸受を構成する材料として有望である。
【図面の簡単な説明】
【図1】スリーブ軸受の概略図
【図2】スリーブ軸受の応用例
【図3】スリーブ軸受の軸の一例
【図4】軸に螺旋溝を設けたスリーブ軸受の一例
【符号の説明】
1 軸
2 スリーブ
3 硬質材
4 螺旋溝

Claims (12)

  1. 軸とスリーブから基本的に構成され、スリーブ又は軸が、RBC又はCRBCの微粉末を合成樹脂中に均一に分散した合成樹脂組成物で作られている水中用スリーブ軸受。
  2. 合成樹脂組成物が、RBC又はCRBCの微粉末:合成樹脂の質量比が、10〜70:90〜30である請求項1に記載した水中用スリーブ軸受。
  3. 合成樹脂が、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ポリフタールアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフェニレンサルファイドから選ばれる樹脂の1種又は2種以上である請求項1又は請求項2に記載した水中用スリーブ軸受。
  4. 合成樹脂組成物に、さらに、無機繊維及び/又は有機繊維を配合した合成樹脂組成物で作られている請求項1ないし請求項3のいずれかひとつに記載した水中用スリーブ軸受。
  5. 無機繊維及び/又は有機繊維が、短繊維であり、配合量が組成物全体の1〜30質量%である請求項4に記載した水中用スリーブ軸受。
  6. 無機繊維が硝子繊維である請求項4又は請求項5に記載した水中用スリーブ軸受。
  7. RBC又はCRBCの微粉末の平均径が、300μm以下である請求項1ないし請求項6のいずれかひとつに記載した水中用スリーブ軸受。
  8. RBC又はCRBCの微粉末の平均径が、10〜50μmである請求項7に記載した水中用スリーブ軸受。
  9. 軸が防錆スチール系金属であり、スリーブが請求項2ないし請求項8のいずれかひとつに記載した合成樹脂組成物で作られている水中用スリーブ軸受。
  10. 軸が請求項2ないし請求項8のいずれかひとつに記載された合成樹脂組成物で作られている請求項1記載の水中用スリーブ軸受。
  11. 軸またはスリーブ内面に、螺旋状の溝を設けた請求項1ないし請求項10のいずれかひとつに記載した水中用スリーブ軸受。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれかひとつに記載された水中用スリーブ軸受を水冷式エンジンの冷却水循環ポンプの軸受に用いること。
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