JP2004002898A - 導電性マスターペレット及びそれからなる組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 導電性、流動性と耐衝撃性のバランスに優れた樹脂組成物及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 上流側に1カ所及び下流側に少なくとも1カ所の供給口を備えた二軸押出機を用い、上流側供給口よりポリアミドを供給し、下流側供給口より導電用炭素系フィラーを供給し溶融混練してなる事を特徴とするポリアミドマスターペレット、及び上流側に1カ所及び下流側に少なくとも1カ所の供給口を備えた二軸押出機を用い、上流側供給口よりポリフェニレンエーテル、相溶化剤、衝撃改良材を供給し、溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミド及び請求項1記載のポリアミドマスターペレットを供給し、更に溶融混練してなる事を特徴とする導電性樹脂組成物。
【選択図】   なし

Description

 本発明は、導電性、流動性と耐衝撃性のバランスに優れる樹脂組成物及びその製造方法に関する。本発明の組成物は、電気・電子部品、OA部品、自動車部品、機械部品などの幅広い分野に応用することができ、中でも静電塗装可能な自動車外装部品に好適に利用することができる。
 ポリフェニレンエーテル系樹脂は機械的性質、電気的性質及び耐熱性が優れており、しかも寸法安定性が優れるため広い範囲で用いられているが、単独では成形加工性が劣っており、これを改良するために、特許文献1にはポリアミド樹脂を配合する技術が提案されている。そして、それ以降も、様々な改良が加えられ、現在では非常に様々な用途に用いられる材料となっている。
 近年の環境意識の高まりを背景に、自動車の燃費向上のために、自動車外板材料を樹脂化しようという検討が行われている。
 特にヨーロッパでは、鋼板と同じ塗装ラインで静電塗装可能な材料へのニーズが高まっており、導電性を付与した材料が要求されている。
 このように静電塗装を必要とする自動車部品や、ICトレー材料など、耐衝撃性を持った導電材料のニーズは非常に高まってきている。
ポリフェニレンエーテルとポリアミドのポリマーアロイに導電性を付与するため、例えば、特許文献2にはポリフェニレンエーテル、ポリアミド、カーボンブラックよりなる混合物に関する技術が開示されている。
 しかしながら、特許文献2に開示されている技術では、耐衝撃性及び流動性が大きく悪化する。
 このように、従来の技術では導電性、流動性と耐衝撃性のバランスに優れる材料を得ることができないのが現状であった。
特公昭45−997号公報 特開平2−201811号公報
 本発明は、上述したような従来技術では解決できなかった問題点を解消しようとするものである。すなわち、本発明は導電性、流動性と耐衝撃性を向上させた樹脂組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
 本発明者は、前記課題を解決するために検討を重ねた結果、驚くべき事に、上流側供給口よりポリアミドを供給し、下流側供給口より導電用炭素系フィラーを供給し溶融混練してなる事を特徴とするポリアミドマスターペレットを用いて製造された導電性樹脂組成物が、導電性、流動性と耐衝撃性のバランスに優れる樹脂組成物を与えることを見いだし本発明に到達した。
 すなわち本発明は、上流側に1カ所及び下流側に少なくとも1カ所の供給口を備えた二軸押出機を用い、上流側供給口よりポリアミドを供給し、下流側供給口より導電用炭素系フィラーを供給し溶融混練してなる事を特徴とするポリアミドマスターペレットに関する。
 また、本発明は上流側に1カ所及び下流側に少なくとも1カ所の供給口を備えた二軸押出機を用い、上流側供給口よりポリフェニレンエーテル及び相溶化剤を供給し、溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミド及び該ポリアミドマスターペレットを供給し、更に溶融混練してなる事を特徴とする導電性樹脂組成物にも関する。
 さらには、上述したマスターペレット及び導電性樹脂組成物の製造方法にも関する。
 本発明の樹脂組成物は、導電性、流動性と耐衝撃性のバランスに優れる樹脂組成物である。
 以下、本発明について詳細に説明する。
 本発明で使用することのできるポリアミドの種類としては、ポリマー主鎖に、アミド結合{−NH−C(=O)−}を有するものであれば、いずれも使用する事ができる。
 一般にポリアミドは、ラクタム類の開環重合、ジアミンとジカルボン酸の重縮合、アミノカルボン酸の重縮合などによって得られるが、これらに限定されるものではない。
 上記ジアミンとしては大別して脂肪族、脂環式及び芳香族ジアミンが挙げられ、具体例としては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミンが挙げられる。
 ジカルボン酸としては、大別して脂肪族、脂環式及び芳香族ジカルボン酸が挙げられ、具体例としては、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,1,3−トリデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ダイマー酸などが挙げられる。
 ラクタム類としては、具体的にはε−カプロラクタム、エナントラクタム、ω−ラウロラクタムなどが挙げられる。
 また、アミノカルボン酸としては、具体的にはε−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、13−アミノトリデカン酸などが挙げられる。
 本発明においては、これらラクタム類、ジアミン、ジカルボン酸、アミノカルボン酸は、単独あるいは二種以上の混合物にして重縮合を行って得られる共重合ポリアミド類はいずれも使用することができる。
 また、これらラクタム類、ジアミン、ジカルボン酸、アミノカルボン酸を重合反応機内で低分子量のオリゴマーの段階まで重合し、押出機等で高分子量化したものも好適に使用することができる。
 特に本発明で有用に用いることのできるポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド4,6、ポリアミド11,ポリアミド12,ポリアミド6,10、ポリアミド6,12、ポリアミド6/6,6、ポリアミド6/6,12、ポリアミドMXD,6(MXD:m−キシリレンジアミン)、ポリアミド6/MXD,6、ポリアミド6,6/MXD,6、ポリアミド6,T、ポリアミド6,I、ポリアミド6/6,T、ポリアミド6/6,I、ポリアミド6,6/6,T、ポリアミド6,6/6,I、ポリアミド6/6,T/6,I、ポリアミド6,6/6,T/6,I、ポリアミド6/12/6,T、ポリアミド6,6/12/6,T、ポリアミド6/12/6,I、ポリアミド6,6/12/6,Iなどが挙げられ、複数のポリアミドを押出機等で共重合化したポリアミド類も使用することができる。
 これらは、もちろん2種以上組み合わせて使用しても構わない。
本発明で使用されるポリアミドの好ましい数平均分子量は5,000〜100,000であり、より好ましくは10,000〜30,000である。
 本発明におけるポリアミドは、分子量の異なる複数のポリアミドの混合物であっても良い。例えば数平均分子量10,000以下の低分子量ポリアミドと、30,000以上の高分子量ポリアミドとの混合物、数平均分子量10,000以下の低分子量ポリアミドと、15,000程度の一般的なポリアミドとの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
 また、異種のポリアミドで分子量の異なるものを混合しても、もちろん構わない。
 ポリアミドの末端基は、ポリフェニレンエーテルとの反応に関与する。ポリアミドは末端基として一般にアミノ基、カルボキシル基を有しているが、一般的にポリアミド/ポリフェニレンエーテル系アロイにおいては、カルボキシル基濃度がアミノ基濃度を上回ると、耐衝撃性が低下し、流動性が向上し、逆にアミノ基濃度がカルボキシル基濃度を上回ると耐衝撃性が向上し、流動性が低下する。
 これらの好ましい比はアミノ基/カルボキシル基比で、9/1〜1/9であり、より好ましくは8/2〜1/9、更に好ましくは6/4〜1/9である。
 また、末端のアミノ基の濃度としては少なくとも10ミリ当量/kgであることが好ましい。更に好ましくは30ミリ当量/kg以上である。
 これらポリアミドの末端基の調整方法は、当業者には明らかであるような公知の方法を用いればよい。例えばポリアミドの重合時にジアミン類やジカルボン酸類の添加、モノカルボン酸の添加などが挙げられる。
 本発明におけるポリアミドは、末端基濃度の異なる複数のポリアミドの混合物であってももちろん構わない。
 更に、ポリアミドに添加しても良いとされている公知の添加剤等もポリアミド100重量部に対して10重量部未満の量で添加しても構わない。
 本発明で使用できるポリフェニレンエーテルとは、以下に示す式の構造単位からなる、ホモ重合体及び/または共重合体である。
Figure 2004002898
〔R1 〜R4 は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、第一級もしくは第二級の低級アルキル、フェニル、ハロアルキル、アミノアルキル、炭化水素オキシ、又はハロ炭化水素オキシ(但し、少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を隔てている)を表す。〕
 本発明のポリフェニレンエーテルの具体的な例としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられ、さらに2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル−6−ブチルフェノール)との共重合体のごときポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられる。中でもポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、さらにポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が好ましい。
 本発明で用いるポリフェニレンエーテルの製造方法は公知の方法で得られるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、米国特許第3306874号明細書記載されているように第一塩化銅とアミンのコンプレックスを触媒として用い、例えば2,6−ジメチルフェノールを酸化重合することにより容易に製造でき、そのほかにも米国特許第3306875号明細書、同第3257357号明細書及び同第3257358号明細書、特公昭52−17880号公報及び特開昭50−51197号公報及び同63−152628号公報等に記載された方法で容易に製造できる。
 本発明で使用することのできるポリフェニレンエーテルの還元粘度(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)は、0.15〜0.70dl/gの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.20〜0.60dl/gの範囲、より好ましくは0.40〜0.55dl/gの範囲である。
 これらは、2種以上の還元粘度の異なるポリフェニレンエーテルをブレンドしたものであっても、何ら問題なく使用することができる。例えば、還元粘度0.45dl/g以下のポリフェニレンエーテルと還元粘度0.50dl/g以上のポリフェニレンエーテルの混合物、還元粘度0.40dl/g以下の低分子量ポリフェニレンエーテルと還元粘度0.50dl/g以上のポリフェニレンエーテルの混合物等が挙げられるが、もちろん、これらに限定されることはない。
 本発明に使用されるポリフェニレンエーテルは、重合溶媒に起因する有機溶剤が、ポリフェニレンエーテル100重量部に対して5重量%未満の量で残存していても構わない。これら重合溶媒に起因する有機溶剤は、重合後の乾燥工程で完全に除去するのは困難であり、通常数百ppmから数%の範囲で残存しているものである。ここでいう重合溶媒に起因する有機溶媒としては、トルエン、キシレンの各異性体、エチルベンゼン、炭素数1〜5アルコール類、クロロホルム、ジクロルメタン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の1種以上が挙げられる。 
 また、本発明で使用できるポリフェニレンエーテルには、変性されたポリフェニレンエーテルを含んでいても構わない。
 ここでいう変性されたポリフェニレンエーテルとは、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合を有し、かつ少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性されたポリフェニレンエーテルを指す。
 該変性されたポリフェニレンエーテルの製法としては、(1)ラジカル開始剤の存在下、非存在下で100℃以上、ポリフェニレンエーテルのガラス転移温度未満の範囲の温度でポリフェニレンエーテルを溶融させることなく変性化合物と反応させる方法、(2)ラジカル開始剤の存在下、非存在下でポリフェニレンエーテルのガラス転移温度以上360℃以下の範囲の温度で変性化合物と溶融混練し反応させる方法、(3)ラジカル開始剤の存在下、非存在下でポリフェニレンエーテルのガラス転移温度未満の温度で、ポリフェニレンエーテルと変性化合物を溶液中で反応させる方法等が挙げられ、これらいずれの方法でも構わないが、(1)及び(2)の方法が好ましい。
 次に分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合、及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する少なくとも1種の変性化合物について具体的に説明する。
 分子内に炭素−炭素二重結合とカルボン酸基、酸無水物基を同時に有する変性化合物としては、マレイン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸及びこれらの酸無水物などが挙げられる。特にフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が良好で、フマル酸、無水マレイン酸が特に好ましい。
 また、これら不飽和ジカルボン酸のカルボキシル基の、1個または2個のカルボキシル基がエステルになっているものも、加工温度でエステルが分解しカルボキシル基に変化するものも使用可能である。
 分子内に炭素−炭素二重結合とグリシジル基を同時に有する変性化合物としては、アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、エポキシ化天然油脂等が挙げられる。
 これらの中でグリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレートが特に好ましい。
 分子内に炭素−炭素二重結合と水酸基を同時に有する変性化合物としては、アリルアルコール、4−ペンテン−1−オール、1,4−ペンタジエン−3−オールなどの一般式Cn 2n-3OH(nは正の整数)の不飽和アルコール、一般式Cn 2n-5OH、Cn 2n-7OH(nは正の整数)等の不飽和アルコール等が挙げられる。
 上述した変性化合物は、それぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
 変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際の変性化合物の添加量は、ポリフェニレンエーテル100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜5重量部である。
 ラジカル開始剤を用いて変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際の好ましいラジカル開始剤の量は、ポリフェニレンエーテル100重量部に対して0.001〜1重量部である。
 また、変性されたポリフェニレンエーテル中の変性化合物の付加率は、0.01〜5重量%が好ましい。より好ましくは0.1〜3重量%である。
 該変性されたポリフェニレンエーテル中には、未反応の変性化合物及び/または、変性化合物の重合体が残存していても構わない。変性されたポリフェニレンエーテル中に残存する未反応の変性化合物及び/または変性化合物の重合体の量は、1重量%未満が好ましく、0.5重量%未満が特に好ましい。
 また、変性されたポリフェニレンエーテル中に残存する変性化合物及び/または変性化合物の重合体の量を減少させるために、該変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際に、必要に応じてアミド結合及び/またはアミノ基を有する化合物を添加しても構わない。
 ここでいうアミド結合を有する化合物とは、分子構造中にアミド結合{−NH−C(=O)−}構造を有する化合物であり、アミノ基を有する化合物とは末端に{−NH2 }構造を有する化合物である。これら化合物の具体例としては、オクチルアミン、ノニルアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミン類、アニリン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン等の芳香族アミン類、上記アミン類とカルボン酸、ジカルボン酸等との反応物、ε−カプロラクタム等のラクタム類、及びポリアミド樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
 これらアミド結合またはアミノ基を有する化合物を添加する際の好ましい添加量は、ポリフェニレンエーテル100重量部に対し0.001〜5重量部である。好ましくは0.01〜1重量部、より好ましくは0.01〜0.1重量部である。
 また、本発明では、スチレン系熱可塑性樹脂をポリアミドとポリフェニレンエーテルの合計100重量部に対し、5重量部未満の量であれば配合しても構わない。
 本発明でいうスチレン系熱可塑性樹脂とは、ポリスチレン(シンジオタクチックポリスチレンも含む)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−ゴム質重合体−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)等が挙げられる。
 更に、ポリフェニレンエーテルに添加しても良いとされている公知の添加剤等もポリフェニレンエーテル100重量部に対して10重量部未満の量で添加しても構わない。
 本発明で使用することのできる衝撃改良材とは、室温(23℃)において弾性体である天然及び合成の重合体物質である。
 この具体例としては、天然ゴム、共役ジエン化合物重合体、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体の水素添加物、ポリオレフィン、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、及びアクリル酸エステル系コアシェル共重合体等が挙げられる。
 これらの中でも、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体の水素添加物、及びポリオレフィンが好ましく、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加物、及びエチレン−α−オレフィン共重合体から選ばれる1種以上が最も好ましい。
 ここでいう芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体とは、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックセグメント(A)と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックセグメント(B)から構成されるブロック共重合体であり、各ブロックの結合形式が、AB型、ABA型及びABAB型からなる群から選ばれる1種以上であるブロック共重合体が好ましく、より好ましくは、ABA型、ABAB型である。
 また、ブロック共重合体中の芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との重量比は、10/90〜90/10であることが望ましい。より好ましくは、15/85〜80/20である。更に好ましくは15/85〜65/35であり、最も好ましくは20/80〜45/55である。
 更に、これらは芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との重量比が異なるものを2種以上ブレンドしても構わない。
 芳香族ビニル化合物の具体例としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられ、これらから選ばれた1種以上の化合物が用いられるが、中でもスチレンが特に好ましい。
 共役ジエン化合物の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、1,3−ペンタジエン等が挙げられ、これらから選ばれた1種以上の化合物が用いられるが、中でもブタジエン、イソプレン及びこれらの組み合わせが好ましい。
 ブロック共重合体の共役ジエン化合物ブロック部分のミクロ構造は1,2−ビニル含量もしくは1,2−ビニル含量と3,4−ビニル含量の合計量が5〜80%が好ましく、さらには10〜50%が好ましく、15〜40%が最も好ましい。
 また、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体の水素添加物とは、上述の芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体を水素添加処理することにより、ジエン化合物を主体とする重合体ブロックセグメントの脂肪族二重結合を0を越えて100%の範囲で制御したものをいう。該ブロック共重合体の水素添加物の好ましい水素添加率は50%以上であり、より好ましくは80%以上、最も好ましくは98%以上である。
 また、本発明における芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体及びその水素添加物の分子量としては、昭和電工製GPC装置[SYSTEM21]で、クロロホルムを溶媒とし、40℃、ポリスチレンスタンダードで測定した数平均分子量(Mn)が、10,000〜500,000のものが好ましく、40,000〜250,000のものが最も好ましい。
 これら芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物のブロック共重合体は、結合形式の異なるもの、分子量の異なるもの、芳香族ビニル化合物種の異なるもの、共役ジエン化合物種の異なるもの、1,2−ビニル含量もしくは1,2−ビニル含量と3,4−ビニル含量の異なるもの、芳香族ビニル化合物成分含有量の異なるもの、水素添加率の異なるもの等を2種以上を混合して用いても構わない。
 本発明で用いることのできるエチレン−α−オレフィン共重合体としては、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィン1種以上との共重合体である。より好ましくは炭素数3〜16のα−オレフィン1種以上との共重合体であり、最も好ましくは炭素数3〜12のα−オレフィン1種以上との共重合体である。
 エチレン単位と共重合できるα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1、トリデセン−1、テトラデセン−1、ペンタデセン−1、ヘキサデセン−1、ヘプタデセン−1、オクタデセン−1、ノナデセン−1、またはエイコセン−1、イソブチレンなどを挙げることができる。
 本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の好ましいエチレン単位の含有率は、エチレン−α−オレフィン共重合体全量に対し30〜95重量%である。
 また本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体は、シングルサイト触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体であることがより望ましい。シングルサイト触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体は市販されており、公知である。例えば、特公平4−12283号公報、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35008号公報、特開平5−155930号公報、特開平3−163088号公報、米国特許5272236号報に記載されている。
 シングルサイト触媒とは、シクロペンタジエニルあるいは置換シクロペンタジエニルを1〜3分子含有するメタロセン触媒及び幾何学的制御による触媒などの活性点の性質が均一である触媒である
 本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の重合方法は前記の公報に示される気相法あるいは溶液法により重合することができる。好ましい重合法は溶液法である。
 本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の分子量は、ウオータース製150c−GPC装置で、1,2,4−トリクロロベンゼンを溶媒とし、140℃、ポリスチレンスタンダードで測定した数平均分子量(Mn)が10,000以上であることが好ましく、より好ましくは10,000〜100,000である。さらに好ましくは、20,000〜60,000である。
 また、本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の、前述のGPCによる測定で求めた分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量:Mw /Mn )は、3以下が好ましく、さらには1.8〜2.7がより好ましい。
 また、本発明で使用できる衝撃改良材は、全部又は一部が変性された衝撃改良材であっても構わない。
 ここでいう変性された衝撃改良材とは、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合を有し、かつ少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性された衝撃改良材を指す。
 該変性された衝撃改良材の製法としては、(1)ラジカル開始剤の存在下、非存在下で衝撃改良材の軟化点温度以上250℃以下の範囲の温度で変性化合物と溶融混練し反応させる方法、(2)ラジカル開始剤の存在下、非存在下で衝撃改良材の軟化点以下の温度で、衝撃改良材と変性化合物を溶液中で反応させる方法、(3)ラジカル開始剤の存在下、非存在下で衝撃改良材の軟化点以下の温度で、衝撃改良材と変性化合物を溶融させることなく反応させる方法等が挙げられ、これらいずれの方法でも構わないが、(1)の方法が好ましく、更には(1)の中でもラジカル開始剤存在下で行う方法が最も好ましい。
 ここでいう分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合を有し、かつ少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する少なくとも1種の変性化合物とは、変性されたポリフェニレンエーテルで述べた変性化合物と同じである。
 また、本発明の衝撃改良材中には、パラフィンを主成分とするオイルをあらかじめ混合したものを用いても構わない。
 この際の好ましいパラフィンを主成分とするオイルの量は衝撃改良材100重量部に対して、70重量部以下である。
 ここでいうパラフィンを主成分とするオイルとは、芳香環含有化合物、ナフテン環含有化合物、及びパラフィン系化合物の三者が組み合わさった重量平均分子量500〜10000の範囲の炭化水素系化合物の混合物であり、パラフィン系化合物の含有量が50重量%以上のものである。
 より好ましくは、パラフィン系化合物が50〜90重量%,ナフテン環含有化合物が10〜40重量%、芳香環含有化合物が5重量%以下のものである。
 これら、パラフィンを主成分とするオイルは市販されており、例えば出光興産(株)製のPW380等が挙げられる。
 芳香族衝撃改良材への上記オイルの混合方法としては、ペレット状またはパウダー状の衝撃改良材に所望量のパラフィン系オイルを均一になるように添加し放置する方法、押出機の途中から所望量のパラフィン系オイルを添加し溶融混練する方法等挙げられるが、これらに限定されるものではない。
 次に本発明において使用する導電性フィラ−について説明する。本発明でいう導電性フィラーとは、樹脂に導電性能を付与するために添加されるすべての充填材が包含され、粒状、フレ−ク状及び繊維状フィラ−が挙げられる。
 具体例としては、導電用カーボンブラック、ナノチューブカーボン、炭素繊維、グラファイト等が好適に使用でき、これらの中で導電用カーボンブラックが最も好適である。
 本発明でいう導電用カーボンブラックとは、DBP吸収量が250ml/100g以上のものであり、より好ましくはDBP吸油量が300ml/100g以上、更に好ましくは350ml/100g以上のカーボンブラックである。
 ここでいうDBP吸油量とは、ASTM D2414に定められた方法で測定した値である。
 更に、本発明の導電用カーボンブラックはBET表面積が200m2 /g以上のものが好ましく、更には400m2 /g以上のものがより好ましい。
 市販品で入手可能な導電用カーボンブラックには、ケッチェンブラックインターナショナル社製のケッチェンブラックEC−600JD[DBP吸収量=495ml/100g,BET表面積=1270m2 /g]及びケッチェンブラックEC[DBP吸収量=360ml/100g,BET表面積=800m2 /g]が挙げられる。
 本発明において使用することのできるナノチューブカーボンとは、繊維径が1μm以下で、中空である炭素系繊維であり、1μm以下のピッチでらせんが一周するコイル状の形態のものも含まれる。
 本発明で使用することのできる炭素繊維には、ポリアクリロニトリル(PAN)あるいは、ピッチ等を原料とした繊維を不活性雰囲気中で1000℃〜3500℃の間で焼成・炭化する事により得られる繊維はすべて包含される。好ましい繊維径は3〜30μmであり、より好ましくは5〜20μmである。
 本発明で使用することのできるグラファイトには、無煙炭、ピッチ等をアーク炉で高温加熱して得られるものはもちろんのこと、天然に産出される石墨も包含される。好ましい重量平均粒子径は0.1〜50μmであり、より好ましくは1〜30μmである。
 これら、導電用炭素系フィラーは公知の各種カップリング剤及び/または収束剤を使用して、樹脂との密着性や取り扱い性を向上させても、もちろん構わない。
 本発明においては、ポリアミド40〜90重量部、ポリフェニレンエーテル5〜50重量部、及び衝撃改良材5〜30重量部を主体とする混合物100重量部に対して、導電用炭素系フィラーの量を0.5〜5重量部の範囲にすることが好ましい。
 また、本発明では、組成物の製造の際に相溶化剤を使用しても構わない。
 相溶化剤を使用する主な目的は、ポリアミド−ポリフェニレンエーテル混合物の物理的性質を改良することである。本発明で使用できる相溶化剤とは、ポリフェニレンエーテル、ポリアミドまたはこれら両者と相互作用する多官能性の化合物を指すものである。この相互作用は化学的(たとえばグラフト化)であっても、または物理的(たとえば分散相の表面特性の変化)であってもよい。いずれにしても得られるポリアミド−ポリフェニレンエーテル混合物は改良された相溶性を示す。
 本発明の実施の際に使用できるさまざまな相溶化剤の例としては、以下に説明するように、液体ジエンポリマー、官能基含有ポリマー、エポキシ化合物、酸化ポリオレフィンワックス、キノン類、オルガノシラン化合物、及び、多官能性化合物がある。
 本発明で使用するのに適した液体ジエンポリマーとしては、共役ジエンのホモポリマー、ならびに共役ジエンと、他の共役ジエン、ビニルモノマー(たとえばスチレン及びα−メチルスチレン)、オレフィン(たとえばエチレン、プロピレン、ブテン−1、イソブチレン、ヘキセン−1、オクテン−1及びドデセン−1)、及びこれらの混合物より成る群の中から選択された少なくとも1種のモノマーとのコポリマーがあり、その数平均分子量は150〜10,000、好ましくは150〜5,000である。これらのホモポリマー及びコポリマーは、たとえば米国特許第4054612号、第3876721号及び第3428699号に記載の方法によって製造することができる。これらポリマーの中には、特に、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ(1,3−ペンタジエン)、ポリ(ブタジエン−イソプレン)、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリクロロプレン、ポリ(ブタジエン−α−メチルスチレン)、ポリ(ブタジエン−スチレン−イソプレン)、ポリ(ブチレン−ブタジエン)、などがある。
 本発明で使用するのに適した官能基含有ポリマーとしては、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する少なくとも1種の官能基を含有したビニル化合物と芳香族ビニル化合物の共重合体が挙げられる。分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する少なくとも1種の官能基を含有したビニル化合物とは、ポリフェニレンエーテルの変性化合物として用いることのできるものと同一であり、これらから選ばれた1種以上を用いることができる。これらの中で、無水マレイン酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートが好ましい。また、芳香族ビニル化合物の例としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられ、これらから選ばれた1種以上の化合物が用いられるが、中でもスチレンが特に好ましい。これら官能基含有ポリマーの中でも、最も好ましいものはスチレン−無水マレイン酸共重合体である。
 本発明で使用するのに適したエポキシ化合物としては、(1)多価フェノール(たとえばビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、レゾルシノール及びヒドロキノン)とエピクロロヒドリンを縮合させることによって生成するエポキシ樹脂、(2)多価アルコール(たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ペンタエリトリトール及びトリメチロールエタンなど)とエピクロロヒドリンを縮合させることによって生成するエポキシ樹脂、(3)一価のアルコール類と一価のフェノール類のグリシジルエーテル化生成物、たとえばフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル及びクレジルグリシジルエーテル、(4)アミノ化合物のグリシジル誘導体、たとえばアニリンのジグリシジル誘導体、ならびに(5)高級オレフィンもしくはシクロアルケンまたは天然の不飽和油(たとえば大豆)のエポキシ化生成物及び前記液体ジエンポリマーのエポキシ化生成物がある。
 本発明で使用するのに適した酸化ポリオレフィンワックスとは公知であり、その説明及びその製法は米国特許第3822227号及び第3756999号ならびにドイツ特許公告第3047915号及び第2201862号に記載されている。一般に、これらはポリオレフィンの酸化または懸濁酸化によって製造される。
 本発明で使用するのに適したキノン化合物の特徴は、非置換誘導体の分子内に6員の炭素環を少なくとも1個有し、環構造内に少なくとも2個のカルボニル基を有し(これらは両方とも同一の環内にあってもよいし、または2個以上の環がある場合には異なる環内にあってもよい。ただし、これらは単環式キノンの1,2配置または1,4配置に相当する位置を占める)、かつ、環構造内に少なくとも2個の炭素−炭素二重結合をもつ(この炭素−炭素二重結合とカルボニルの炭素−酸素二重結合は環構造内にあって、炭素−炭素二重結合とカルボニルの炭素−酸素二重結合は互いに共役している)ことである。非置換キノン内に2個以上の環が存在する場合、これらの環は縮合でも、非縮合でも、あるいは両者でもよい。非縮合環同士は、直接の炭素−炭素二重結合または=C−C=のような共役不飽和を有する炭化水素基によって結合されていてもよい。
 また、置換キノンも本発明の範囲内に入る。置換が所望の場合置換度は1から置換可能な水素原子の最大数までとし得る。非置換キノン構造上に存在し得る各種置換基の例としては、ハロゲン、たとえば塩素、臭素、フッ素など、炭化水素基、たとえば分枝または非分枝で飽和または不飽和のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基及びシクロアルキル基、及びこれらのハロゲン化された誘導体、ならびに、ヘテロ原子、特に酸素、イオウまたはリンを有する類似の炭化水素基(これらの基はヘテロ原子を介して、たとえば酸素結合によってキノン環に結合する)がある。
 各種キノン類の例としては、1,2−ベンゾキノン、1,4−ベンゾキノン、2,6−ジフェニルキノン、テトラメチルジキノン、2,2′−ジフェノキノン、4,4′−ジフェノキノン、1,2−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン、2,6−ナフトキノン、クロラニル類、2−クロロ−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノンなどを挙げることができる。
 本発明の相溶化剤で使用するのに適したオルガノシラン化合物の特徴は、分子内に、(a)酸素結合を介して炭素に結合したケイ素原子を少なくとも1個、及び(b)炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合及び/またはアミン基とメルカプト基より成る群の中から選択された官能基(ただしこれらの官能基は直接ケイ素原子に結合することはない)を少なくとも1個有することである。
 このような化合物でC−O−Si成分は通常ケイ素原子に直接結合したアルコキシル基またはアセトキシ基として存在しており、これらアルコキシル基やアセトキシ基は一般に炭素原子数が15未満であり、ヘテロ原子(たとえば酸素)を含有していてもよい。さらにまた、この化合物中には2個以上のケイ素原子が存在していてもよく、このように多数のケイ素原子が存在する場合それらは酸素結合(たとえばシロキサン)、ケイ素結合または二官能性有機基(たとえばメチレン基やフェニレン基)を介して結合している。
 適切なオルガノシラン化合物の例としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−(3−シクロヘキサニル)エチルトリメトキシシラン、1,3−ジビニルテトラエトキシシラン、ビニルトリス−(2−メトキシエトキシ)シラン、5−ビシクロヘプテニルトリエトキシシラン及びγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランがある。
 次に、本発明の相溶化剤として適した多官能性の化合物には3つのタイプがある。第一のタイプの多官能性化合物は、分子内に、(a)炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合と、(b)少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、酸ハロゲン化物基、無水物基、酸ハロゲン化物無水物基、酸アミド基、酸エステル基、イミド基、アミノ基またはヒドロキシ基とを両方とも有するものである。このような多官能性化合物の例としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、マレイミド、マレイン酸ヒドラジド、ジアミンと無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸などから選ばれるカルボン酸類とから得られる反応生成物、ジクロロ無水マレイン酸、マレイン酸アミド、不飽和ジカルボン酸(たとえばアクリル酸、ブテン酸、メタクリル酸、t−エチルアクリル酸、ペンテン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、リノール酸など)、以上の不飽和カルボン酸のエステル、酸アミドまたは無水物、不飽和アルコール(たとえばアルキルアルコール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビノール、4−ペンテン−1−オ−ル、1,4−ヘキサジエン−3−オール、3−ブテン−1,4−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキセン−2,5−ジオール及び式Cn 2n-5OH、Cn 2n-7OH、及びCn 2n-9OH(ただし、nは30までの正の整数)のアルコール類)、以上の不飽和アルコールの−OH基(1個または複数)をNH2 基で置き換えて得られる不飽和アミン、ならびに、官能化されたジエンポリマー及びコポリマーがある。これらのうち、本発明の組成物用に好ましい相溶化剤は無水マレイン酸及びフマル酸である。このタイプの相溶化剤は本組成物のポリフェニレンエーテルとあらかじめ反応させることが可能である。
 本発明で使用するのに適した第二のグループの多官能性相溶化剤化合物は、(a)式(OR)で表わされる基(式中、Rは水素またはアルキル基、アリール基、アシル基もしくはカルボニルジオキシ基である)と、(b)カルボン酸、酸ハロゲン化物、酸無水物、無水物、酸ハロゲン化物無水物、酸エステル、酸アミド、イミド、アミノ及びこれらの塩の中から選択された同じでも異なっていてもよい少なくとも2つの基とを両方とも有することで特徴付けられる。このグループの相溶化剤の典型例は、次式で表わされる脂肪族ポリカルボン酸、酸エステル及び酸アミドである。
(RI O)m R(COORIIn (CONRIII IV)s
 ここで、Rは炭素原子が2〜20個、好ましくは2〜10個で直鎖または分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素であり、RI は水素または炭素原子1〜10個、好ましくは1〜6個、最も好ましくは1〜4個のアルキル基、アリール基、アシル基もしくはカルボニルジオキシ基より成る群の中から選択され、RIIは各々独立して水素または炭素原子1〜20個、好ましくは1〜10個のアルキル基もしくはアリール基より成る群の中から選択され、RIII とRIVは各々独立して水素または炭素原子1〜10個、好ましくは1〜6個、最も好ましくは1〜4個のアルキル基もしくはアリール基より本質的に成る群の中から選択され、mは1に等しく、(n+s)は2以上であり、好ましくは2か3に等しく、nとsは各々が0以上である。また、(ORI )はカルボニル基に対してαかβであり、少なくとも2つのカルボニル基は2〜6個の炭素原子によって隔てられている。明らかに、RI 、RII、RIII 及びRIVはこれらの置換基の炭素原子が6個未満の場合アリールにはなり得ない。
 適切なポリカルボン酸を例示すると、たとえば無水物や水和酸などの各種市販形態を含めて、クエン酸、リンゴ酸及びアガリシン酸がある。これらの中でクエン酸及びリンゴ酸は、好ましい相溶化剤のひとつである。
 本発明に有用な酸エステルの例としては、たとえば、クエン酸アセチル、及びクエン酸モノステアリル及び/またはクエン酸ジステアリルなどがある。
 本発明で有用な適した酸アミドとしては、たとえば、N,N′−ジエチルクエン酸アミド、N−フェニルクエン酸アミド、N−ドデシルクエン酸アミド、N,N′−ジドデシルクエン酸アミド及びN−ドデシルリンゴ酸がある。
 本発明で使用するのに適した第三のグループの多官能性相溶化剤化合物の特徴は、分子内に、(a)酸ハロゲン化物基、最も好ましくは酸塩化物基と、(b)カルボン酸基、カルボン酸無水物基及び酸エステル基または酸アミド基、好ましくはカルボン酸基またはカルボン酸無水物基の少なくとも1個とを両方とも有することである。このグループに入る相溶化剤の例としては、トリメリト酸無水物酸塩化物、クロロホルミルコハク酸無水物、クロロホルミルコハク酸、クロロホルミルグルタル酸無水物、クロロホルミルグルタル酸、クロロアセチルコハク酸無水物、クロロアセチルコハク酸、トリメリト酸塩化物及びクロロアセチルグルタル酸を挙げることができる。
 さらに、このグループの相溶化剤はポリフェニレンエーテルの少なくとも一部分とあらかじめ反応させることによって相溶化剤をポリフェニレンエーテル官能化コンパウンドとして使用する事も可能である。
 上記相溶化剤は各々米国特許第4315086号及び第4642358号等に詳細に記載されている。上記相溶化剤は単独で使用してもよいし、あるいはそれらを任意に組み合わせて使用してもよい。さらに、これらは溶融混合の際に直接添加してもよいし、あるいはポリフェニレンエーテルもしくはポリアミドのいずれか一方もしくは両方、または本発明の組成物の製造の際に使用する他の樹脂状材料とあらかじめ反応させておいても構わない。
 これら、相溶化剤の好ましい量は、ポリアミドとポリフェニレンエーテルの混合物100重量部に対して0.01〜20重量部であり、より好ましくは0.1〜10重量部である。
 本発明では、上記した成分のほかに、本成分の効果を損なわない範囲で必要に応じて付加的成分を添加しても構わない。
 付加的成分の例を以下に挙げる。すなわち、ポリエステル、ポリオレフィン等の他の熱可塑性樹脂、無機充填材(タルク、カオリン、ゾノトライト、ワラストナイト、酸化チタン、チタン酸カリウム、炭素繊維、ガラス繊維など、)、無機充填材と樹脂との親和性を高める為の公知のシランカップリング剤、難燃剤(ハロゲン化された樹脂、シリコーン系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、有機燐酸エステル化合物、ポリ燐酸アンモニウム、赤燐など)、滴下防止効果を示すフッ素系ポリマー、可塑剤(オイル、低分子量ポリオレフィン、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)、及び三酸化アンチモン等の難燃助剤、各種過酸化物、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等である。
 これらの成分は、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、衝撃改良材の合計量100重量部に対して、合計で50重量部を越えない範囲で添加しても構わない。
 本発明の組成物を得るための具体的な加工機械としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等が挙げられるが、中でも二軸押出機が好ましく、特に、上流側供給口と1カ所以上の下流側供給口を備えた二軸押出機が最も好ましい。
 この際の溶融混練温度は特に限定されるものではないが、通常240〜360℃の中から好適な組成物が得られる条件を任意に選ぶことができる。
 マスターバッチを製造する際の溶融混練温度は特に限定されるものではないが、通常150〜300℃の中から好適な組成物が得られる条件を任意に選ぶことができる。
 このようにして得られる本発明の組成物は、従来より公知の種々の方法、例えば、射出成形、押出成形、中空成形により各種部品の成形体として成形できる。
 本発明の組成物は、例えば、カウル等のオートバイの外装部品用途、自動車の内装部品用途、フェンダー・ドアパネル・フロントパネル・リアーパネル・ロッカーパネル・リアバンパーパネル・バックドアガーニッシュ・エンブレムガーニッシュ・燃料注入口パネル・オーバーフェンダー・アウタードアハンドル・ドアミラーハウジング・ボンネットエアインテーク・バンパー・バンパーガード・ルーフレール・ルーフレールレッグ・ピラーカバー・ホイールカバー・各種エアロパーツ等の自動車外板・外装部品用途、電気・電子分野でのICトレー材料用途等に好適に利用することができ、中でも、静電塗装が必要な自動車外装部品に特に好適に使用できる。
 以下、本発明を実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明する。
(使用した原料)
(1)ポリフェニレンエーテルポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)
 (1−1)還元粘度(0.5g/dlクロロホルム溶液、30℃測定)=0.52dl/g(以下PPE−Hと略記)
 (1−2)還元粘度=0.42dl/g(以下PPE−Lと略記)
(2)ポリアミド
 (2−1)ポリアミド6,6樹脂(以下PA66と略記)
   数平均分子量=16,000
   末端アミノ基濃度=50ミリ等量/kg
   末端カルボキシル基濃度=80ミリ等量/kg
   微量成分として銅系熱安定剤を100ppmとスリップ剤(ステアリン酸金属塩)を800ppm含む。 (2−2)ポリアミド6樹脂(以下PA6と略記)
   硫酸相対粘度(ポリマー1g/98%硫酸100ml、25℃)=2.6
   末端アミノ基濃度=45ミリ等量/kg、
   末端カルボキシル基濃度=65ミリ等量/kg
 (2−3)ポリアミド6,6樹脂(以下PA66Lと略記)
   数平均分子量=9,100
   末端アミノ基濃度=55ミリ等量/kg
   末端カルボキシル基濃度=65ミリ等量/kg
   微量成分として銅系熱安定剤を100ppmとスリップ剤(ステアリン酸金属塩)を800ppm含む。
(3)衝撃改良材
 (3−1)エチレン−オクテン共重合体(以下EORと略記)
   オクテン含有量=24重量%
   MFR=30g/10分(190℃、2.16kg荷重)
   融点=60℃(DSC法、昇温速度10℃/分)
 (3−2)エチレン−オクテン共重合体の無水マレイン酸変性物(以下MEORと略記)
   オクテン含有量=28重量%
   MFR=0.8g/10分(190℃、2.16kg荷重)
   融点=55℃(DSC法:昇温速度10℃/分)
   無水マレイン酸付加率=1.0重量%
 (3−3)3型高分子量水素添加スチレン−ブタジエン共重合体(以下HTR1と略記)
   結合形式=3型(ABA型)ブロック [A成分がスチレンブロック,B成分がブタジエンブロック]
   スチレン含有量=33重量%
   ビニル含量の合計量=33重量%
   数平均分子量=150,000
(3−4)3型低分子量水素添加スチレン−ブタジエン共重合体(以下HTR2と略記)
   結合形式=3型(ABA型)ブロック [A成分がスチレンブロック,B成分がブタジエンブロック]
   スチレン含有量=29重量%
   ビニル含量の合計量=32重量%
   数平均分子量=51,000
 (3−5)4型低分子量水素添加スチレン−ブタジエン共重合体(以下HTR3と略記)
   結合形式=4型(ABAB型)ブロック[A成分がスチレンブロック,B成分がブタジエンブロック]
   スチレン含有量=29重量%
   ビニル含量の合計量=32重量%
   数平均分子量=51,000
 (3−6)オイル含有4型高分子量水素添加スチレン−ブタジエン共重合体(以下HTR4と略記)
   結合形式=4型(ABAB型)ブロック [A成分がスチレンブロック,B成分がブタジエンブロック]   スチレン含有量=35重量%
   ビニル含量の合計量=36重量%
   数平均分子量=120,000
   パラフィンオイル=商品名 PW−380 出光興産(株)製
  パラフィンオイル含有量=水素添加スチレン−ブタジエン共重合体100重量部に対して50重量部
(4)導電用炭素系フィラー(以下KBと略記)
   導電用カーボンブラック[商品名:ケッチェンブラック EC−600JD]
   DBP吸収量=495ml/100g
   BET表面積=1,270m2 /g
(5)相溶化剤(MAHと略記)
   無水マレイン酸[日本油脂(株)製]
〔製造例1〕PA66−10%MBの製造
 上流側に1カ所と、押出機中央部に1カ所の供給口を有する二軸押出機[ZSK−25:ウェルナー&フライデラー社製(ドイツ)]のシリンダー温度を280℃に設定し、上流側供給口(以下Top−Fと略記)より、PA66を10kg/hの量で定量的に供給し、押出機中央部供給口(以下Side−Fと略記)より、KBを1.11kg/hの量で定量的に供給し、溶融混練し、ペレット化した。
 このときのスクリュー回転数は320回転/分であり、また、揮発成分除去のため、Side−Fとダイの間に真空ベントを取り付け、真空吸引を行った。
 ここで得られたマスターペレット(KB含有濃度10wt%)をPA66−10%MBと略記する。
〔製造例2〕PA66L−10%MBの製造
 PA66をPA66Lに変えた以外はすべて製造例1と同様に実施し、マスターペレットを得た。
 ここで得られたマスターペレット(KB含有濃度10wt%)をPA66L−10%MBと略記する。
〔製造例3〕HTR2−10%MBの製造
 製造例1のシリンダー温度を220℃に設定し、PA66をHTR2に替え、Top−FからHTR2を9kg/hの量で供給し、Side−FよりKBを1kg/hの量で供給した以外は、すべて製造例1と同様に実施しマスターペレットを得た。
 ここで得られたマスターペレット(KB含有濃度10wt%)をHTR2−10%MBと略記する。
〔製造例4〕HTR3−10%MBの製造
 製造例3のHTR2をHTR3に替えた以外は、すべて製造例3と同様に実施しマスターペレットを得た。
 ここで得られたマスターペレット(KB含有濃度10wt%)をHTR3−10%MBと略記する。
〔製造例5〕HTR4−10%MBの製造
 製造例3のHTR2をHTR4に替えた以外は、すべて製造例3と同様に実施しマスターペレットを得た。
 ここで得られたマスターペレット(KB含有濃度10wt%)をHTR4−10%MBと略記する。
〔製造例6〕KI−MBの製造
 シリンダー温度を280℃に設定した、上流側に1カ所の供給口を有する二軸押出機[PCM−30:池貝鉄工(株)製]へ、PA66Lを9.6kg/h、粉末状のヨウ化カリウム(以下KIと略記)を0.4kg/hの量でそれぞれ別々のフィーダーから供給し、溶融混練し、ペレット化した。
 ここで得られたマスターペレット(KI含有濃度4wt%)をKI−MBと略記する。
〔製造例7〕MPPEの製造
 PPEを100重量部に対して、MAH2重量部及びラジカル発生剤[パーヘキサ25B:日本油脂(株)社製]0.3重量部をドライブレンドし、シリンダー温度を320℃に設定した、上流側に1カ所の供給口を有する二軸押出機[PCM−30:池貝鉄工(株)製]へ供給し、溶融混練し、ペレット化した。
 次に得られたペレットを1gとり、内側からポリテトラフロロエチレンシート、アルミシート、鉄板の順に重ねたものの間にはさみ、280℃に温度設定したプレス成形機を用い、100kg/cm2
 で圧縮成形しフィルムを得た。
 得られたフィルムについて、日本分光社製FT/IR−420型フーリエ変換赤外分光光度計を用いて、赤外分光測定を行った。
 当該フィルムに対する測定では、1790cm-1に、ポリフェニレンエーテルに付加した、マレイン酸由来のピークが観測された。
 PPEとMAHの混合物を用いて、あらかじめ作成しておいた検量線式から計算されたMAHの付加率は、0.54重量%であった。
 ここで得られれたMAH変性PPEをMPPEと略記する
 次に、各測定方法について詳細に説明する。
(体積固有抵抗−1)
 厚さ3.2mmの引張試験片の両端を精密カットソーで切断し、長さ50mmで、両端に均一な断面積(12.4×3.2mm)の切断面を持つ、短冊状試験片を得た。この試験片の両端の切断面に銀ペーストを塗布し、充分乾燥させた後、両端間の抵抗値をテスターで測定し、式(a)を用いて体積固有抵抗を計算した。
 この体積抵抗値を体積固有抵抗−1と表し、この値を表1に記載した。
Figure 2004002898
 ここで、VRは体積固有抵抗(Ω・cm)、Rはテスターで測定した抵抗の加算平均値(Ω)、wは銀ペーストを塗布した部分の幅(cm)、tは銀ペーストを塗布した部分の高さ(cm)、lは銀ペースト塗布面間の距離(cm)である。
(体積固有抵抗−2)
 長さ90mm、幅50mm、厚さ2.5mmの平板状成形片の向かい合った50mm×2.5mmの面の中央部分に、それぞれ、30mm×2.5mmの面積で銀ペーストを塗布し、充分乾燥させた後、両端間の抵抗値をテスターで測定した。これを異なる平板で5回実施し、その加算平均値を求め、式(a)を用いて体積固有抵抗を計算した。この体積抵抗値を体積固有抵抗−2と表し、この値を表1に記載した。
(メルトフローレート:MFR)
ISO1133に準拠した方法により、280℃、5kg荷重で実施した。
(Izod衝撃試験)
 ASTM D−256に準拠し、厚さ3.2mm厚みのノッチ付き衝撃強度を測定した。
(ダート衝撃試験)
 ダート衝撃試験は、長さ90mm、幅50mm、厚さ2.5mmの平板状成形片を使用し、グラフィックインパクトテスター[東洋精機製作所(株)製]を用いて行った。
 試験方法は、直径が40mmのサンプルホールダーに試験片をはさみ、先端径が13mmの球形状のストライカー(重量6.5kg)を、試験片の上方100cmの高さより自由落下させ、試験片を破壊させ、その際に、破壊に要した全エネルギーを測定し、全吸収エネルギーとして表示した。
 この試験を10枚のサンプルで実施し、10回のデータのうち最大値と最小値を除いた8回の測定値の加算平均をもって、そのサンプルの全吸収エネルギー値とした。
 また、この測定で破壊された試験片の破壊状況を観察し、延性破壊と脆性破壊に大別し、10枚の試験片のうち、延性破壊をした試験片の枚数の割合から延性率を計算した。
  延性率[%]=延性破壊をした枚数/10×100
(塗膜との密着性)
 特開昭60−65035号公報記載の方法に従い、長さ90mm、幅50mm、厚さ2.5mmの平板状成形片に、熱硬化アクリル樹脂塗料を専用シンナーで希釈し、スプレーガンで塗布し、室温で30分放置後、150℃×30分間、加熱硬化し塗装物を得た。次に、この塗装物の塗膜をJIS K5400ー1979に準じ、1mm角の碁盤目試験を行い、100目の内、剥離しない碁盤目の数を求めた。
〔実施例1〜3〕及び〔比較例1〜2〕
 上流側に1カ所と、押出機中央部に1カ所の供給口を有する二軸押出機[ZSK−40:ウェルナー&フライデラー社製(ドイツ)]のシリンダー温度をTop−FよりSide−Fまでを320℃、Side−1よりダイまでを280℃に設定し、Top−F及びSide−Fより表1の実施例1〜3及び比較例1〜2記載の割合でそれぞれドライブレンドしたものを供給し、溶融混練し、ペレット化した。
 なお、このときのスクリュー回転数は300回転/分であり、また、揮発分除去のためSide−Fの直前及び、Side−Fとダイの間の2カ所に真空ベントを取り付け、真空吸引を行った。
 得られたペレットを、シリンダー温度290℃、金型温度80℃に設定した射出成形機[IS−80EPN:東芝機械(株)社製(日本)]を用いて、各測定に必要な成形片に成形し、各測定項目を測定した。測定結果は表1に併記した。
〔実施例4〜6〕
 配合組成を表2に記載した割合に変更した以外は、すべて実施例1と同様に実施した。なお、実施した測定結果は、表2の各実施例の組成の下段に併記した。
〔実施例7〜9〕
 配合組成を表3に記載した割合に変更した以外は、すべて実施例1と同様に実施した。実施例7〜9は実施例1で実施した測定項目に加え、体積固有抵抗−2及びダート衝撃試験も実施した。
 なお、実施した測定結果は、表3の各実施例の組成の下段に併記した。
 体積固有抵抗−2に比べ、体積固有抵抗−1に若干のバラツキが認められるが、体積固有抵抗値としては両者に大きな差は認められない。これは、平板状成形片の片端にフィルム状でゲートがあり、その部分を切断するため、実質的に切断面の抵抗を測定しているためと考えられる。
〔実施例10及び11〕
 配合組成を表4に記載した割合に変更した以外は、すべて実施例1と同様に実施した。実施例10及び11は実施例1で実施した測定項目に加え、塗膜密着試験も実施した。
 なお、実施した測定結果は、表4の各実施例の組成の下段に併記した。
Figure 2004002898
Figure 2004002898
Figure 2004002898
Figure 2004002898
 本発明の樹脂組成物は、導電性、流動性と耐衝撃性のバランスに優れる樹脂組成物である。

Claims (18)

  1. 上流側に1カ所及び下流側に少なくとも1カ所の供給口を備えた二軸押出機を用い、上流側供給口よりポリアミドを供給し、下流側供給口より導電用炭素系フィラーを供給し溶融混練してなる事を特徴とするポリアミドマスターペレット。
  2. 上流側に1カ所及び下流側に少なくとも1カ所の供給口を備えた二軸押出機を用い、上流側供給口よりポリフェニレンエーテル及び相溶化剤を供給し、溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミド及び請求項1に記載のポリアミドマスターペレットを供給し、更に溶融混練してなる事を特徴とする導電性樹脂組成物。
  3. 上流側供給口よりポリフェニレンエーテル、相溶化剤に加えて衝撃改良材を供給してなる請求項2に記載の導電性樹脂組成物。
  4. 衝撃改良材が、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体の水素添加物である請求項3に記載の導電性樹脂組成物
  5. 導電用炭素系フィラーの含有量が1.5〜3.5重量%である請求項2に記載の導電性樹脂組成物。
  6. 導電用炭素系フィラーがDBP吸油量350ml/100g以上のカーボンブラックである請求項1に記載のポリアミドマスターペレット。
  7. ポリアミドがポリアミド66である請求項1に記載のポリアミドマスターペレット。
  8. 使用するポリアミドの末端基が、アミノ基濃度/カルボキシル基濃度比で6/4〜1/9である請求項1に記載のポリアミドマスターペレット。
  9. 導電用炭素系フィラーの含有量が10重量%である請求項1記載のポリアミドマスターペレット。
  10. 導電用炭素系フィラーを添加した後に、真空吸引する工程を更に含んで製造された請求項1記載のポリアミドマスターペレット。
  11. ポリアミドと導電用炭素系フィラーが定量的に押出機に供給されてなる請求項1記載のポリアミドマスターペレット。
  12. 上流側に1カ所及び下流側に少なくとも1カ所の供給口を備えた二軸押出機を用い、上流側供給口よりポリフェニレンエーテル、相溶化剤、衝撃改良材を供給し、溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミド及び請求項1記載のポリアミドマスターペレットに加え、エチレン−α−オレフィン共重合体及び/又は変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体を供給し、更に溶融混練してなる事を特徴とする導電性樹脂組成物。
  13. 上流側に1カ所及び下流側に少なくとも1カ所の供給口を備えた二軸押出機を用い、上流側供給口よりポリアミドを供給し、下流側供給口より導電用炭素系フィラーを供給し溶融混練する事を特徴とするポリアミドマスターペレットの製造方法。
  14. 上流側に1カ所及び下流側に少なくとも1カ所の供給口を備えた二軸押出機を用い、上流側供給口よりポリフェニレンエーテル、相溶化剤、衝撃改良材を供給し、溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミド及び請求項1記載のポリアミドマスターペレットを供給し更に溶融混練する事を特徴とする導電性樹脂組成物の製造方法。
  15. 上流側に1カ所及び下流側に少なくとも1カ所の供給口を備えた二軸押出機を用い、上流側供給口よりポリフェニレンエーテル、相溶化剤、衝撃改良材を供給し、溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミド及び請求項1記載のポリアミドマスターペレットに加え、エチレン−α−オレフィン共重合体及び/又は変性されたエチレン−α−オレフィン共重合体を供給し、更に溶融混練する事を特徴とする導電性樹脂組成物の製造方法。
  16. 請求項2記載の樹脂組成物よりなるペレット。
  17. 請求項2記載の樹脂組成物より成形されてなる自動車外板・外装部品。
  18. 請求項2記載の樹脂組成物より成形されてなる自動車用フェンダー。
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