JP2003535010A - 微粉化硫酸バリウム - Google Patents

微粉化硫酸バリウム

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、微粉化硫酸バリウムおよびその製法およびその使用に関する。製造された微粉化ＢａＳＯ４は、特に接着剤、染料、ゴム製品用の添加剤および化粧品用の添加剤として適切である。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 本発明は、粒状硫酸バリウム、その製造およびその使用に関する。
【０００２】 硫酸バリウムは、顔料として例えば製紙において使用される。しかし、例えば
、スキンクリームおよび日焼け止めクリームのような化粧品用の添加剤として、
染料、接着剤またはゴム製品における添加剤（充填剤）としての使用目的は、Ｂ
ａＳＯ４の著しい細かさを必要とする。
【０００３】 本発明の課題は、化粧品用の添加剤または染料、接着剤またはゴム製品用の添
加剤として使用できる細かい粒状の微粉化硫酸バリウムの効果的な製法である。
この課題は、本発明による方法およびこれにより製造された製品により解決され
た。
【０００４】 粒状の硫酸バリウムを製造するための本発明による方法は、バリウム塩溶液と
硫酸バリウム塩溶液を連続的に運転する混合反応器中で１つにまとめ、その中で
、ローター−ステーター原理により高い相対速度で相互に噛み合う装置の剪断力
、スラスト、および摩擦力が形成された反応混合物に作用し、かつ反応器を通過
した後に反応混合物から形成された硫酸バリウムを分離し、かつ乾燥させるが、
但し、バリウム塩もしくは硫酸塩の濃度は、できるだけ高い濃度の少なくとも８
０％、有利には少なくとも９０％に一致させるようにもくろむ。反応器中の剪断
力、スラストおよび摩擦力は、極度に細かく分布した形で硫酸バリウムを生じる
ように作用する。原則として、相応する高濃度のバリウム塩水溶液を任意に使用
することができる。本発明の範囲内において、使用できる水酸化バリウムも塩と
して解釈される。工業的にはＢａＣｌ２溶液が最も適切である。溶液中、Ｂａ塩
の濃度は、できるだけ高い濃度の少なくとも９５％に一致させるのが有利である
。ＢａＣｌ２の場合には、この濃度は６０℃で少なくとも約０．９ｍｏｌ／ｌで
ある。
【０００５】 “硫酸溶液”という用語は、任意の水性硫酸塩の溶液を含む。本発明の範囲内
において、硫酸も“硫酸塩溶液”とみなされる。この濃度は、飽和限界まで出来
るだけ高い濃度の少なくとも９５％にあるのが有利である。有利には、アルカリ
金属硫酸塩水溶液を使用するのが有利である。アルカリ金属とは、有利にはナト
リウムを示す。Ｎａ２ＳＯ４の濃度（４０℃で）は、有利には０．５ｍｏｌ／ｌ
以上から飽和濃度までにある。
【０００６】 本発明による方法を実施する際に、微粉化硫酸バリウムが得られるが、この場
合に、粒子の少なくとも９０％、有利には少なくとも９５％、特に有利には少な
くとも９９％、殊に有利には１００％が０．１μｍ未満の一次粒子直径を有する
。
【０００７】 ローターが高い回転数で回転する装置が極めて適切である。ローターの回転数
は、２０００〜８０００ｒｐｍであるのが有利である。混合装置および均質化装
置中の反応混合物の滞留時間は、ミリセカンド範囲内にあるのが有利である。
【０００８】 粒度は、顕微鏡的評価により評価される。
【０００９】 乾燥の前に、１００〜１２０℃の範囲内で実施するのが適切であり、反応器を
通過した後に分離されたＢａＳＯ４を水で１回以上洗浄することができる。水酸
化バリウム／硫酸を使用する際に、他の塩（例えばＮａＣｌ）が全く生じないの
が有利である。
【００１０】 硫酸バリウムの沈殿は、適切に０〜１００℃、有利には２０℃〜５０℃の温度
範囲内で実施される。
【００１１】 使用目的に応じて、軽度に過剰の硫酸塩（５％まで）が有利であることができ
る。
【００１２】 １つの実施態様によれば、結晶化または表面特性に影響を与える薬剤は添加し
ない。
【００１３】 本発明のもう１つの対象は、本発明による方法により得られる粒状の硫酸バリ
ウムであり、その際に、一次粒子の少なくとも９０％は、０．１μｍ未満の範囲
内の直径を有し、かつ沈殿助剤不含である。
【００１４】 このように本発明により得られるＢａＳＯ４は、ＢａＳＯ４が一般的に使用さ
れる全ての目的のために使用することができる。化粧品用の添加剤として特に優
れている（反射、散乱および屈折にも作用する）。このために、相応する調製物
中で例えばクリームとして使用される。この場合に得られる例えば、日焼け止め
剤として使用される調製物は、ＴｉＯ２を顔料として含有する調製物に対して有
利である（ＵＶ−光安定剤）。それというのも、皮膚に吸収された後には目に見
える残留物は何も残らないからである。所望の場合には、日焼け止め剤に混入す
ることができ、これにより日焼け防止指数（Sun protection factor）のその量
に応じて、それぞれ調整することができ、かつクリームもしくは調製物は日焼け
止め剤として使用可能である。
【００１５】 本発明により得られるＢａＳＯ４は、皮膚の触感の著しい改善によっても傑出
している。
【００１６】 もう１つの実施態様によれば、湿潤剤または分散剤が添加される。これは、沈
殿の間、沈殿の後または沈殿の間および後に行われる。湿潤剤もしくは分散剤は
、できるだけ僅かに凝集する小さな結晶が形成されるように行われる。湿潤剤も
しくは分散剤は、コーティングされた製品である硫酸バリウムの表面特性にも影
響を与える。水性および非水性系のための分散剤または湿潤剤が使用可能である
。分散剤は、使用目的に関して互換性があるように選択する。親水性の分散剤は
この特性が望ましい場合に、接着剤、染料または化粧品の基礎材料が同様に親水
性である限り有利に使用される。そうでない場合には、相応する疎水性分散剤を
選択する。従って、調節可能な表面特性を有する本発明によりコーティングされ
た粒子により、所望の適用工業特性に意図的に順応させることが可能である。
【００１７】 有効な分散剤は、（短鎖）ポリアクリレート、通常はナトリウム塩の形；ポリ
エーテル、例えばポリグリコーエーテル；エーテルスルホネート、例えばナトリ
ウム塩の形のラウリルエーテルスルホネート；フタル酸のエステルおよびその誘
導体；ポリグリセリンのエステル；アミン、例えば、トリエタノールアミン；お
よびフタル酸のエステル、例えばステアリン酸エステルが使用可能である。
【００１８】 分散剤の量は、フレキシブルである。非常に高い表面積を有する極めて細かい
製品は、乾燥製品の全質量に対して３質量％までの含量で獲得される。ナトリウ
ムポリアクリレート３質量％の含量を有する硫酸バリウムは、例えば４８ｍ２／
ｇの表面積を有し、平均粒径は、Warren-Averbach-変法分析によるＸ線広角回折
法により測定して、一次粒子において３０ｎｍである。分散助剤を添加しない場
合には、２０ｍ２／ｇの表面積が獲得される。完成品中、１〜３質量％の含量が
有利である（乾燥重量）。
【００１９】 湿潤剤または分散剤の使用下に得られる硫酸バリウムも同様に本発明の対象で
ある。沈殿後に分散剤または湿潤剤を添加する場合には、新たに沈殿した硫酸バ
リウム“ドウ（Teig）”を相応する混練装置または混合区分を備えた押出機また
は類似のものにより練ることが推奨される。
【００２０】 同様のことは、沈殿の間および後に分散剤を追加する場合にも当てはめるのが
よい。
【００２１】 この方法で得られる粒度１００ｎｍ未満、有利には５０ｎｍ未満の粒子に再分
散可能なコーティングされた硫酸バリウムは、特に接着剤（例えば、反応接着剤
、溶融接着剤および分散接着剤）用の、ゴム製品用の、染料（例えば、表面ラッ
カー、ベースラッカーまたはプライマー）ならびに化粧品用（例えば、ＵＶ吸収
を目的に、またはスキンケア製品またはリップケア製品用）の添加剤として適切
である。
【００２２】 コーティングされた硫酸バリウムは、不活性で透明であり、かつ適用マトリッ
クスに有利なレオロジー特性を伝える。これは、接着剤、染料、化粧品またはゴ
ム製品用の溶剤中もしくは基礎材料中で再分散可能である。適切な分散剤を選択
することにより、使用材料とも適合する。従って、意図的なコーティングの適合
がよくできる。
【００２３】 以下の実施例は、本発明をさらに説明するものであるが、その範囲に限定され
ることはない。
【００２４】 例１： 分散剤を使用しないサブミクロンのＢａＳＯ４の製造 ６．６５０ｒｐｍの回転数を有するローターを備えた混合反応器を使用し、ロ
ーターは相応する剪断力、スラスト、および摩擦力を反応体の混合物に及ぼした
。
【００２５】 硫酸ナトリウム溶液（４０℃、０．９６ｍｏｌ／ｌ、４００ｌ／ｈ）および塩
化バリウム溶液（１５℃、０．９６ｍｏｌ／ｌ、約４００ｌ／ｈ）をそれぞれ供
給ポンプを用いて混合反応器中に供給した。混合反応器から取り出した懸濁液を
濾別し、脱イオン水で洗浄し、かつ１１０℃で乾燥棚中で乾燥させ、かつ拡散さ
せた。粒子のほぼ１００％が＜０．１μｍの一次粒子直径を有した。
【００２６】 例２： ５質量％添加されたＢａＳＯ４を含有する昼用クリームの製造 ２．１． 昼用クリームの基礎材料の製造（油／水−タイプ） ａ）Ｌａｎｅｔｔｅ ＮＲ ３．０％ ステアリン ９．０％ ビタミンＦ−エチルエステル ３．０％ カロチンオイル ３．０％ アルニカオイル ３．０％ 保存剤 ０．５％ （ＰｈｅｎｏｎｉｐＲ） ｂ）蒸留水 ７４．５％ ＭｉｇｌｙｏｌＲ ４．０％ トリエタノールアミン ０．５％ 部分ａ）を溶融し、かつ約８０℃に加熱した。部分ｂ）を約８０℃に加熱し、
かつ撹拌下に部分ａ）に添加した。エマルションが約４０℃に冷却されるまで溶
解機（迅速な撹拌器）でさらに撹拌した（約１時間１５分）。昼用クリームは滑
らかであり、かつ残留物が残ることなく皮膚に吸収された。
【００２７】 ２．２． ＢａＳＯ４の添加 ２．１．ｂ）で挙げた加熱された成分を、２．１．ａ）で挙げた成分に添加
した後に、例１により製造された沈降硫酸バリウム（ＢａＳＯ４）を撹拌下に供
給した。添加量は、例１からの基礎材料を１００質量％と仮定して５質量％Ｂａ
ＳＯ４であった。
【００２８】 ＢａＳＯ４を含有するこのクリームも滑らかであり、かつ残留物が残ることな
く皮膚に吸収された。何の凝集物の形成も確認されなかった。
【００２９】 正確に計算された量の日焼け止め剤を添加することにより、日焼け防止指数を
個別に調整することができる。従って、クリームは、日焼け止め剤としても使用
可能である。
【００３０】 例３：コーティングされたＢａＳＯ４の製造 例１を繰り返した。しかし、Ｎａ２ＳＯ４溶液にナトリウムポリアクリレート
（チバ社製、Product Dispex N40）を添加した。この量は、乾燥した完成品中に
分散剤３質量％が含有されるように計算した。
【００３１】 得られたコーティングされた硫酸バリウムは、４８ｍ２／ｇの比表面積（BET
−法）および一次粒子において３０ｎｍの平均粒径（Ｘ線広角回折法、Warren-A
verbach-変法）を有していた（再分散なしの測定）。
【００３２】 この製品は、分散剤が結合媒介物として作用するため、染料、ゴム製品および
接着剤用の添加剤として特に適切である。
【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成１４年３月８日（２００２．３．８）
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｃ０９Ｊ 201/00 Ｃ０９Ｊ 201/00 (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＯ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＫ ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ， ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，Ｊ Ｐ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ， ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，Ｒ Ｏ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ， ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 ジェ−ウォン パク ドイツ連邦共和国 ゲッティンゲン ブレ スラウアー シュトラーセ 19 (72)発明者 カール ケーラー ドイツ連邦共和国 ディークホルツェン ベルクフェルトシュトラーセ 26 (72)発明者 ハンス ガーベル ドイツ連邦共和国 カスバッハ−オーレン ベルク ヘーデンブッシュヴェーク ７ (72)発明者 イェルク グラース ドイツ連邦共和国 ラインブロール ガウ レンタール 28 Ｆターム(参考） 4C076 AA06 BB31 DD24 FF70 4C083 AA122 AB351 AB352 AC542 AD612 AD622 CC01 CC02 DD31 EE50 4G076 AA14 AB04 AB08 AB18 BA13 BA43 BC02 BD02 BD06 CA02 DA02 DA15 4J040 HA256

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 粒状硫酸バリウムの製法において、バリウム塩溶液と硫酸塩
    溶液を、反応混合物の形成下に連続的に運転する混合反応器中で１つにまとめ、
    その中で、高い相対速度で相互に噛み合う装置の剪断力、スラストおよび摩擦力
    が形成された反応混合物に作用し、かつ反応器を通過した後に反応混合物から形
    成された硫酸バリウムを分離し、かつ乾燥させるが、但し、バリウム塩もしくは
    硫酸塩の濃度は、できるだけ高い濃度の少なくとも８０％、有利には少なくとも
    ９０％に一致させることを特徴とする、粒状硫酸バリウムの製法。
  2. 【請求項２】 分離された硫酸バリウムを乾燥前に１回または複数回水で洗
    浄する、請求項１に記載の方法。
  3. 【請求項３】 硫酸バリウムの沈殿を０℃〜１００℃、有利には２０℃〜５
    ０℃の範囲内の温度で行う、請求項１に記載の方法。
  4. 【請求項４】 ローターの回転数が２０００〜８０００ｒｐｍである、請求
    項１に記載の方法。
  5. 【請求項５】 混合反応器中での反応混合物の滞留時間がミリセカンド範囲
    内にある、請求項１に記載の方法。
  6. 【請求項６】 水溶液を使用する、請求項１に記載の方法。
  7. 【請求項７】 ＢａＣＩ２の溶液を使用する、請求項１に記載の方法。
  8. 【請求項８】 ＢａＣＩ２の濃度は少なくとも０．９ｍｏｌ／ｌである、請
    求項７に記載の方法。
  9. 【請求項９】 硫酸塩溶液としてアルカリ金属硫酸塩溶液、有利には硫酸ナ
    トリウム溶液を使用する、請求項１に記載の方法。
  10. 【請求項１０】 硫酸ナトリウム溶液は、少なくとも０．９ｍｏｌ／ｌのＮ
    ａ２ＳＯ４濃度を有する、請求項１に記載の方法。
  11. 【請求項１１】 沈殿の間および／または後で湿潤剤または分散剤を使用す
    る、請求項１に記載の方法。
  12. 【請求項１２】 粒子の少なくとも９５％、有利には少なくとも９９％、特
    に１００％が≦０．１μｍの一次粒子直径を有する、請求項１から１０までのい
    ずれか１項に記載の方法により得られる粒状で沈殿助剤不含のＢａＳＯ４。
  13. 【請求項１３】 粒子の少なくとも９５％、有利には少なくとも９９％、特
    に１００％が≦０．１μｍの一次粒子直径を有する、請求項１１に記載の方法に
    よるコーティングされた粒状ＢａＳＯ４。
  14. 【請求項１４】 化粧品、接着剤、染料またはゴム製品のための添加剤とし
    ての、請求項１から１１までのいずれか１項に記載の方法により得られる硫酸バ
    リウムの使用。
  15. 【請求項１５】 請求項１から１１までのいずれか１項に記載の方法により
    得られる硫酸バリウムの使用下に製造された皮膚用軟膏、接着剤、染料またはゴ
    ム製品。
JP2001588136A 2000-05-31 2001-05-26 微粉化硫酸バリウム Pending JP2003535010A (ja)

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PCT/EP2001/006031 WO2001092157A1 (de) 2000-05-31 2001-05-26 Mikronisiertes bariumsulfat

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