JP2003529633A - 機能的ポリアルキレンイミンの製造方法、前記化合物を含む組成物及びその使用 - Google Patents

機能的ポリアルキレンイミンの製造方法、前記化合物を含む組成物及びその使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は細胞にトランスフェクトする核酸を処方するのに有用な機能的ポリアルキレンイミンの製造方法に関する。本方法はチタン(IV)イソプロポキシドとホウ水素化ナトリウムの存在下にポリアルキレンイミンを機能的ヘミアセタールで処理することからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は細胞にトランスフェクトする核酸を処方するのに有用な機能的ポリア
ルキレンイミンの製造方法に関する。
【0002】 バイオテクノロジーの発展に伴い、核酸の効率的な細胞導入は多数のバイオテ
クノロジー用途で基本技術となっている。例えば組換えタンパク質を生産したり
、実験室で遺伝子発現調節の研究、遺伝子クローニング又は他の任意のDNA操
作を行うといった核酸を細胞にin vitro導入することが含まれる。また
、例えばワクチン製造、標識試験又は治療アプローチでは核酸を細胞にin v
ivo導入することが含まれる。更に、例えばトランスジェニック動物の作製に
は後期再投与の目的で生物から抽出した細胞に遺伝子を導入する。
【0003】 現在、遺伝子を細胞に導入する手段として最も普及しているのはウイルスベク
ターの使用である。しかし、ウイルスベクターは全く危険がないとはいえず、合
成ベクターの使用に基づく他のいくつかの方法も提案されている。これらの合成
ベクターはトランスフェクトしようとする核酸を複合体化して圧縮すること、細
胞膜及び場合により2つの核膜の通過を助長するという2つの主機能をもつ。
【0004】 例えば合成ベクターがいくつか提案されている。それらのうちでは、ポリアル
キレンイミン等のカチオンポリマーが特に有用である。カチオンポリマーは特に
in vivoでの核酸トランスフェクションの場合に確かに比較的有効である
ことが分かっており、毒性も比較的低い。カチオンポリマーが核酸と形成する複
合体(「ポリプレクス」とも言う)は注入部位から比較的良好に拡散することも
認められている(J.S.Remyら;Advanced Drug Deli
very Reviews,30,1998,pp.85−95)。
【0005】 他方、トランスフェクトした核酸が生物の他の部分に拡散せずに標的細胞と効
果的に相互作用することが重要であるため、適切な核酸を特定臓器、組織、細胞
種又は細胞分画を標的とできるベクターを入手することが今日では不可欠である
と思われる。その目的は標的細胞以外の細胞と核酸の非特異的作用を完全に避け
ることである。例えば、ガラクトシル化ポリエチレンイミンはガラクトースに対
応する細胞受容体(レクチン)をもつ細胞にプラスミドをin vitro導入
するのに有効なベクターであることが判明した(Zantaら,Bioconj
.Chem.,8(2),1997,p.839;T.Bettingerら,
Bioconj.Chem.,1999)。
【0006】 現在まで、例えばガラクトシル化ポリエチレンイミン等のポリマーはシアノホ
ウ水素化ナトリウムの存在下にオリゴ糖をポリエチレンイミンと作用させること
により得られていた。しかし、この試薬は高価でしかも毒性が高いという欠点が
ある。比較的カチオン性である最終生成物にシアン化物イオンが残留する危険が
あると、医薬用途には全く利用できない。更に、ポリアルキレンイミンは小分子
ではなくポリマーであり、多数の溶媒、特に非極性溶媒に溶けないため、代替製
法の研究は未だ成果を上げていない。例えば、トリアセトキシホウ水素化ナトリ
ウムを使用する代替法は成功しなかった。硫酸水溶液とピリジン−ボラン混合物
中でホウ水素化ナトリウムを使用することもカチオンポリマーには不適合である
ことが判明した。従って、ポリアルキレンイミン型カチオンポリマーに適合可能
であり、医薬的に許容可能な試薬のみを使用する代替法を開発することが必要で
あると思われた。
【0007】 今般、チタン(IV)イソプロポキシドとホウ水素化ナトリウムの存在下にポ
リアルキレンイミンを機能的ヘミアセタールで処理することにより機能的ポリア
ルキレンイミンを製造できることが判明した。
【0008】 このような方法は例えばアルコールのようにポリアルキレンイミンと適合可能
な溶媒中で実施できるという利点があり、低廉且つ低毒性の試薬のみで実施でき
る。
【0009】 Bhattacharyyaらの各種論文(J.Org.Chem.,199
5,60,pp.4928−4929;Synlett,1995,pp.10
79−1080;J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,1
998,pp.2527−2531)にはケトン又はアルデヒドから下記反応:
【0010】
【化4】 (式中、RとR’は相互に独立して水素原子、アルキル基、アリール基を表すか
、又は一緒になって場合によりヘテロ原子を含む5、6もしくは7員シクロアル
キル基を形成し、RとRは相互に独立して水素原子、場合によりヒドロキシ
もしくはエステルで置換されたアルキル基を表すか、又はRとRは一緒にな
って場合によりヘテロ原子を含む5もしくは6員シクロアルキル基を形成する)
によりアミンを製造する方法が記載されている。しかし、このような方法はケト
ン又は対応するアルデヒドから小分子即ち特にただ1個のアミン官能基を含む非
ポリマー分子を製造する範囲でしか記載されていない。
【0011】 本発明によると、開始ポリアルキレンイミンは一般式:
【0012】
【化5】 (式中、Rは水素原子又は一般式:
【0013】
【化6】 の基を表し、nは2〜10の整数であり、pとqはポリマーの平均分子量が10
0〜10Daとなるようにp+qの和を選択した整数である)で表される。
【0014】 当然のことながら、一般式(I)においてnの値とR基は−NR−(CH −から−(CH−NH−までの種々のモチーフとなるように選択できる
。従って、一般式(I)は直鎖ポリマーと分枝鎖ポリマーに加え、ホモポリマー
とヘテロポリマーも含む。
【0015】 nは2〜5が好ましい。好ましいポリマーは例えばポリエチレンイミン(PE
I)又はポリプロピレンイミン(PPI)である。更に、本発明の実施に好まし
く、特にトランスフェクションに有効であることが判明したポリマーは平均分子
量10〜5×10のポリマーである。例えば、平均分子量50000Da(
50KPEI)、25000Da(25KPEI)、22000Da(22KP
EI)のポリエチレンイミン又は800000Da(800KPPI)のポリプ
ロピレンイミンを挙げることができる。
【0016】 本発明で使用するポリアルキレンイミンは当業者に公知の種々の方法により得
ることができる。例えばアニオン重合(例えばエチレンイミン重合)条件下で対
応するモノマーから化学的に合成することもできるし、ジアルデヒドとジアミン
の重縮合により得られたイミンの還元により製造することもできる。更に、例え
ば25KPEI、22KPEI又は800KPPI等の多数のポリアルキレンイ
ミンが市販されている。
【0017】 本発明の趣旨では「機能的ポリアルキレンイミン」とは標的要素を共有結合さ
せたポリアルキレンイミン型カチオンポリマーを意味する。これらの標的要素は
所望の所定細胞種、所定組織又は所定細胞分画への核酸導入を誘導することがで
きる。標的要素とポリアルキレンイミンの共有結合は機能的ヘミアセタール即ち
置換基の1個を前記標的要素としたヘミアセタールと上記反応条件下で反応させ
ることにより得られる。
【0018】 より詳細には、機能的ヘミアセタールとは本発明の趣旨では一般式:
【0019】
【化7】 (式中、nは0又は1であり、R、R、R及びRは同一又は異なり、相
互に独立して水素原子、実施する反応に適合可能な基又は標的要素を表し、但し
、R、R、R及びRのうちのただ1個の置換基を標的要素とする)で表
される任意分子を意味する。
【0020】 適合可能な基の例としては、ヒドロキシ、炭素原子数1〜4のアルキル(C1
〜4)又はヒドロキシアルキル(C1〜4)を挙げることができる。
【0021】 標的要素はヘミアセタールに直接グラフトしてもよいし、二官能性結合分子(
「リンカー」とも言う)を介してグラフトしてもよい。前記標的要素をヘミアセ
タールにグラフトするのは化学的には不可能であるが、「リンカー」はこれを可
能にし、及び/又はヘミアセタールから前記標的要素を分離することができる。
二官能性結合分子とは、標的要素に共有結合することができる少なくとも1個の
官能基とヘミアセタールに共有結合することができる少なくとも1個の官能基を
含む任意分子を意味する。
【0022】 本発明の趣旨では、標的要素とは核酸導入を誘導することが可能な任意分子を
意味する。この標的要素は所望の所定細胞種又は所定組織(腫瘍細胞、肝細胞、
造血細胞等)へのDNA導入を誘導することが可能な細胞外標的要素とすること
ができる。所定の優先細胞区画(例えばミトコンドリア又は核)への核酸導入を
誘導することが可能な細胞内標的要素でもよい。
【0023】 本発明の範囲で利用可能な標的要素としては、糖、ペプチド、タンパク質、オ
リゴヌクレオチド、脂質、神経伝達物質、ホルモン、ビタミン又はその誘導体が
挙げられる。例えば、抗体又は抗体フラグメント、細胞受容体のリガンド又はそ
のフラグメント、受容体又は受容体フラグメントのような糖、ペプチド又はタン
パク質が好ましい。特に、増殖因子受容体リガンド、サイトカイン受容体リガン
ド、細胞レクチン型受容体のリガンドや、接着タンパク質受容体(例えばインテ
グリン)に対して親和性をもつRGD配列を含むリガンドが挙げられる。トラン
スフェリン受容体、HDL及びLDLや、葉酸輸送体も挙げることができる。標
的要素はアシアログリコプロテインやシアル酸付加物(例えばシアリルルイスX
)の受容体等のレクチンを標的とすることが可能な糖や、Fab抗体フラグメン
ト又は1本鎖抗体(ScFv)でもよい。例えば、前記糖は単糖、二糖又は三糖
から選択することができる。例えばガラクトース、マンノース、フコース、ラム
ノース、ラクトース又はマルトースが挙げられる。
【0024】 一般に、アルコール溶媒(例えばメタノール又はエタノール)中で100℃〜
30℃の温度で反応を実施する。エタノール中で周囲温度即ち18℃〜25℃の
温度で操作することが好ましい。
【0025】 更に、一般に導入するポリマー1モル当たり25〜100モルのチタン(IV
)イソプロポキシド、より好ましくはポリマー1モル当たり40〜60モルのチ
タン(IV)イソプロポキシドを使用する。
【0026】 また、使用するチタン(IV)イソプロポキシドの量の50〜80(モル)%
の量のホウ水素化ナトリウムを反応混合物に導入する。
【0027】 本発明の方法を実施するために使用する機能的ヘミアセタールの量は所望のグ
ラフト率により異なる。ポリマー1モル当たり6〜100モルの機能的ヘミアセ
タールを使用すると効果的である。
【0028】 機能的ヘミアセタールの使用量に応じて1%〜20%、好ましくは4%〜20
%の割合で機能的ポリアルキレンイミンが得られる。標的要素として糖を使用す
る場合には、ポリアルキレンイミンにグラフトする糖の百分率はレゾルシノール
法を使用して正確に決定することができる。この方法は予め透析しておいた機能
的ポリアルキレンイミンをレゾルシノールと硫酸で処理した後、20分間90℃
に加熱する。冷却後に495nmの吸光度を測定し、基準サンプル(標準溶液)
と比較する。グラフトしなかった標的要素を透析により除去し、基準サンプルと
比較測定することにより、グラフトした標的要素の量を決定することができる。
更に、ポリマーは従来小分子で実施されているようなNMR(核磁気共鳴)や質
量測定により特性を決定することができないので、この方法は得られる生成物の
特性を決定するのにより確実な手段の1つとなる。
【0029】 本発明の方法は特定所定組織、所定細胞種又は所定細胞区画を標的とすること
が可能な核酸導入ベクターを作製するために廉価で且つ低毒性の代替法を提供す
るという点で特に効果的である。更に、糖で機能付与したポリアルキレンイミン
は非機能的ポリアルキレンイミンよりも細胞毒性が低いことが判明した。
【0030】 機能的ポリアルキレンイミンは核酸を細胞にトランスフェクトするのに有用で
ある。この目的では、機能的ポリアルキレンイミンを1種以上の核酸と混合し、
複合体(「ポリプレクス」とも言い、従って、トランスフェクションでなく「ポ
リフェクション」と言う場合もある)を形成する。最適トランスフェクション効
率を得るためには、形成されるポリプレクスが完全に中性となるか又は低カチオ
ン性となるように機能的ポリアルキレンイミンと核酸の割合を選択することが好
ましい。一般に、前記割合は非沈澱性のカチオンポリプレクスを形成するように
選択するが、形成されるポリプレクスのカチオン性が増すと毒性も増すのでポリ
プレクスのカチオン性をさほど高くしてはならない。従って、前記割合はケース
バイケースで決定しなければならない。前記割合は一般に機能的ポリアルキレン
イミンのアミンと核酸のリン酸のモル比が0.1〜50、好ましくは0.5〜2
0となるように選択する。当然のことながら、この比は使用する機能的ポリアル
キレンイミン、核酸、標的細胞、投与方法、又は所期用途(特にトランスフェク
トする細胞種)に応じて当業者が容易に調節及び最適化することができる。
【0031】 上記ポリプレクスにおいて、核酸はデオキシリボ核酸でもリボ核酸でもよい。
核酸は天然配列でも人工配列でもよく、特にゲノムDNA(gDNA)、相補的
DNA(cDNA)、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRN
A(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、ハイブリッド配列、合成又は
半合成配列、修飾又は非修飾オリゴヌクレオチドが挙げられる。これらの核酸は
ヒト、動物、植物、細菌、ウイルス等の起源とすることができる。これらの核酸
は当業者に公知の任意方法により得られ、特にライブラリースクリーニング、化
学合成、又はライブラリースクリーニングにより得られた配列の化学もしくは酵
素修飾を含む混合法により得られる。核酸は化学的に修飾してもよい。
【0032】 特にデオキシリボ核酸については、1本鎖でも2本鎖でもよいし、短いオリゴ
ヌクレオチドでも長い配列でもよい。特に、核酸は例えばプラスミド、ベクター
、エピソーム又は発現カセットから構成すると有利である。これらのデオキシリ
ボ核酸は特に、標的細胞で機能的又は非機能的な複製起点、1個以上のマーカー
遺伝子、転写又は複製調節配列、目的治療遺伝子、修飾又は非修飾アンチセンス
配列、あるいは他の細胞成分との結合領域等をもつことができる。
【0033】 核酸は調節配列(例えば標的細胞で活性な1種以上のプロモーターと転写ター
ミネーター)の制御下におかれた1種以上の目的治療遺伝子を含むことが好まし
い。
【0034】 本発明の趣旨では、目的治療遺伝子とは特に治療効果をもつタンパク性物質を
コードする任意遺伝子を意味する。このようにコードされるタンパク性物質とし
ては特にタンパク質又はペプチドが挙げられる。このタンパク性物質は標的細胞
に対して同種の外来又は内因物質、即ち標的細胞が疾病をもたないときに標的細
胞で正常に発現される物質とすることができる。この場合には、タンパク質が発
現されると、例えば細胞での不十分な発現や修飾による不活性又は低活性のタン
パク質の発現を補ったり、前記タンパク質を過剰に発現することができる。目的
治療遺伝子は例えば安定性を増したり活性を変化させた細胞タンパク質の突然変
異体をコードするものでもよい。タンパク性物質は標的細胞に対して異種でもよ
い。この場合には、発現されるタンパク質は例えば細胞に欠失している活性を補
充又は付加し、疾病に対抗できるようにしたり、免疫応答を刺激したりすること
ができる。
【0035】 本発明の趣旨で治療物質としては、例えば酵素、血液誘導体、ホルモン、リン
ホカイン(例えばインターロイキン、インターフェロン又はTNF:FR92/
03120)、増殖因子、神経伝達物質又はその前駆物質もしくは合成酵素、栄
養因子(例えばBDNF、CNTF、NGF、IGF、GMF、aFGF、bF
GF、VEGF、NT3、NT5又はHARP/プレイオトロフィン)、アポリ
ポタンパク質(例えばApoAI、ApoAIV又はApoE:FR93/05
125)、ジストロフィン又はミニジストロフィン(FR91/11947)、
膵臓線維症に関連するタンパク質CFTR、腫瘍抑制遺伝子(例えばp53、R
b、Rap1A、DCC又はk−rev:FR93/04745)、凝血に関与
する因子(例えばVII、VIII、IX因子)をコードする遺伝子、DNAの
修復に関与する遺伝子、自殺遺伝子(チミジンキナーゼ、シトシンデアミナーゼ
)、ヘモグロビン又は他のタンパク質輸送体の遺伝子、代謝酵素又は同化酵素を
挙げることができる。
【0036】 目的治療核酸は更に、標的細胞で発現されると遺伝子発現又は細胞mRNAの
転写を調節することが可能なアンチセンス遺伝子又は配列でもよい。このような
配列は、例えば特許EP140308に記載の技術に従って標的細胞で細胞mR
NAの相補的RNAに転写し、そのタンパク質翻訳を阻止することができる。治
療遺伝子は更に、標的RNAを選択的に破壊することが可能なリボソームをコー
ドする配列も含む(EP321201)。
【0037】 上述のように、核酸は更に、ヒト又は動物で免疫応答を発生することが可能な
抗原ペプチドをコードする1種以上の遺伝子を含んでいてもよい。従って、この
特定態様によると、本発明はヒト又は動物で特に微生物、ウイルス又は癌に対す
るワクチン又は免疫治療を提供することができる。特に、エプスタイン・バーウ
イルス、HIVウイルス、B型肝炎ウイルス(EP185573)、偽狂犬病ウ
イルス、「シンシチウム形成ウイルス」、他のウイルスの特異的抗原ペプチド又
は腫瘍特異的抗原ペプチド(EP259212)を挙げることができる。
【0038】 核酸は更に所望細胞又は臓器で目的治療遺伝子及び/又は抗原ペプチドをコー
ドする遺伝子の発現を可能にする配列も含むことが好ましい。このような配列と
しては、これらの配列が感染細胞で機能可能なときに該当遺伝子の発現に天然に
関与する配列が挙げられる。異なる起源の配列でもよい(他のタンパク質の発現
に関与する配列でもよいし、あるいは合成配列でもよい)。特に、真核又はウイ
ルス遺伝子のプロモーター配列が挙げられる。例えば、感染させたい細胞のゲノ
ムに由来するプロモーター配列が挙げられる。また、ウイルスのゲノムに由来す
るプロモーター配列でもよい。この点では、例えばE1A、MLP、CMV又は
RSV遺伝子のプロモーターを挙げることができる。更に、活性化配列や調節配
列等を付加してこれらの発現配列を修飾してもよい。また、誘導プロモーターで
も抑制プロモーターでもよい。
【0039】 こうして形成されるポリプレクスは例えば局所、皮膚、経口、直腸、膣、非経
口、鼻腔内、静脈内、筋肉内、皮下、眼内、経皮、気管内又は腹腔内経路で投与
するように処方することができる。形成されるポリプレクスは特に所望臓器のレ
ベルに直接注射するための注射用製剤又は局所投与(皮膚及び/又は粘膜)用と
して医薬的に許容可能なキャリヤーを含有することが好ましい。このようなキャ
リヤーとしては、特に等張滅菌溶液又は場合に応じて滅菌水もしくは生理的血清
を加えると注射可能な溶質を構成することが可能な乾燥組成物、特に凍結乾燥組
成物が挙げられる。注射に使用する核酸の用量と投与回数は種々のパラメーター
、特に使用する投与方法、該当疾病、発現させようとする遺伝子、又は所望治療
期間に応じて選択できる。特に投与方法については、組織(例えば腫瘍レベル)
又は循環経路への直接注射や、培養細胞処理後の注射又は移植によるin vi
vo再移植が挙げられる。本発明の範囲に該当する組織は例えば筋肉、皮膚、脳
、肺、肝臓、脾臓、骨髄、胸腺、心臓、リンパ、血液、骨、軟骨、膵臓、腎臓、
膀胱、胃、腸、精巣、卵巣、直腸、神経系、眼、腺、結合組織である。
【0040】 上記ポリプレクスを含む組成物は核酸を細胞に導入するために使用することが
できる。より詳細には、前記組成物は疾病、特にタンパク又は核酸物質の欠損に
起因する疾病の治療用医薬の製造に使用することができる。
【0041】 核酸を細胞に導入する方法の1例は、 (1)上記ポリプレクスを含む組成物を形成する段階と、 (2)(1)で形成された組成物と細胞を接触させる段階を含む。
【0042】 上記構成に加え、本発明の他の特徴と利点を以下の実施例と図面に記載するが
、以下の記載は本発明の例示に過ぎず、発明の範囲を制限するものではない。
【0043】 図面 図1:電荷比(+/−)3〜28の種々のグリコシル化ポリアルキレンイミン
/DNA処方のECV304細胞におけるルシフェラーゼ活性をRLU/μgタ
ンパク質(RLU:Relative Light Unit即ち相対発光量)
で表したヒストグラム。実線の曲線は使用した各処方[3a]、[3b]、[4
a]及び[4b]のグリコシル化ポリアルキレンイミンとDNAの電荷比(+/
−)に伴う細胞生存率百分率を示す。
【0044】 図2:電荷比(+/−)3〜28の種々のグリコシル化ポリアルキレンイミン
/DNA処方のHeLa細胞におけるルシフェラーゼ活性をRLU/μgタンパ
ク質(RLU:Relative Light Unit即ち相対発光量)で表
したヒストグラム。実線の曲線は使用した各処方[3a]、[3b]、[4a]
及び[4b]のグリコシル化ポリアルキレンイミンとDNAの電荷比(+/−)
に伴う細胞生存率百分率を示す。
【0045】 図3:電荷比(+/−)3〜28の種々のグリコシル化ポリアルキレンイミン
/DNA処方のHepG2細胞におけるルシフェラーゼ活性をRLU/μgタン
パク質(RLU:Relative Light Unit即ち相対発光量)で
表したヒストグラム。実線の曲線は使用した各処方[3a]、[3b]、[4a
]及び[4b]のグリコシル化ポリアルキレンイミンとDNAの電荷比(+/−
)に伴う細胞生存率百分率を示す。
【0046】 図4:DNAの細胞導入実験で使用したプラスミドpXL2774の模式図。
【0047】 実施例 実施例1:PEI−4%マルトースの製造[3a] 実施した反応は下記模式図で表すことができる。
【0048】
【化8】
【0049】 25KDaPEI0.02mmol(500mg,Aldrich製品)を無
水エタノール20mlに溶かした。その後、マルトース0.7mmol(252
mg)を加え、こうして得られた溶液を窒素雰囲気下に15分間混合した。チタ
ンIVイソプロポキシド1mmol(0.3ml)を反応混合物にゆっくりと加
え、撹拌下に一晩維持した。次に、ホウ水素化ナトリウム0.75mmol(2
8.5mg)を加え、撹拌を8時間続けた。次に、反応混合物を濾過し、10m
lまで濃縮した。得られた溶液を最後に12時間透析した(12000サイズ排
除メンブラン)。収率は80%であった。
【0050】 グラフトしたマルトース残基の百分率を上述したレゾルシノール法により決定
した処、マルトース残基23個が25KDaPEIにグラフトしており、アミノ
基グラフト率4%であった。
【0051】 実施例2:PEI−12%マルトースの製造[3b] 25KDaPEI0.02mmol(500mg,Aldrich製品)を無
水エタノール20mlに溶かした。その後、マルトース2mmol(720mg
)を加え、こうして得られた溶液を窒素雰囲気下に15分間混合した。チタンI
Vイソプロポキシド2.7mmol(0.8ml)を反応混合物にゆっくりと加
え、撹拌下に一晩維持した。次に、ホウ水素化ナトリウム2mmol(76mg
)を加え、撹拌を8時間続けた。次に、反応混合物を濾過し、10mlまで濃縮
した。得られた溶液を最後に12時間透析した(12000サイズ排除メンブラ
ン)。収率は80%であった。
【0052】 グラフトしたマルトース残基の百分率を上述したレゾルシノール法により決定
した処、マルトース残基70個が25KDaPEIにグラフトしており、アミノ
基グラフト率12%であった。
【0053】 実施例3:PEI−6%ラクトースの製造[4a] 実施した反応は下記模式図で表すことができる。
【0054】
【化9】
【0055】 25KDaPEI0.02mmol(500mg,Aldrich製品)を無
水エタノール20mlに溶かした。その後、ラクトース1mmol(360mg
)を加え、こうして得られた溶液を窒素雰囲気下に15分間混合した。チタンI
Vイソプロポキシド1.35mmol(0.4ml)を反応混合物にゆっくりと
加え、撹拌下に一晩維持した。次に、ホウ水素化ナトリウム1mmol(38m
g)を加え、撹拌を8時間続けた。次に、反応混合物を濾過し、10mlまで濃
縮した。得られた溶液を最後に12時間透析した(12000サイズ排除メンブ
ラン)。収率は80%であった。
【0056】 グラフトしたラクトース残基の百分率を上述したレゾルシノール法により決定
した処、ラクトース残基35個が25KDaPEIにグラフトしており、アミノ
基グラフト率6%であった。
【0057】 実施例4:PEI−17%ラクトースの製造[4b]。
【0058】 25KDaPEI0.02mmol(500mg,Aldrich製品)を無
水エタノール20mlに溶かした。その後、ラクトース3mmol(1080m
g)を加え、こうして得られた溶液を窒素雰囲気下に15分間混合した。チタン
IVイソプロポキシド4mmol(1.2ml)を反応混合物にゆっくりと加え
、撹拌下に一晩維持した。次に、ホウ水素化ナトリウム3mmol(114mg
)を加え、撹拌を8時間続けた。次に、反応混合物を濾過し、10mlまで濃縮
した。得られた溶液を最後に12時間透析した(12000サイズ排除メンブラ
ン)。収率は80%であった。
【0059】 グラフトしたラクトース残基の百分率を上述したレゾルシノール法により決定
した処、ラクトース残基99個が25KDaPEIにグラフトしており、アミノ
基グラフト率17%であった。
【0060】 使用例:PEI−4%及び12%マルトース又はPEI−6%及び7%ラクト
ースに結合したプラスミドDNAの各種細胞種へのin vitroトランスフ
ェクション 本実施例は上記のように合成した機能的ポリアルキレンイミンがDNAを細胞
にトランスフェクトする能力について検討する。
【0061】 使用したDNAはプラスミドpXL2774であり、150mM塩化ナトリウ
ム混合物に濃度80μg/mlで溶かした。このプラスミドはサイトメガロウイ
ルスのCMVプロモーターの制御下にルシフェラーゼをコードするluc遺伝子
を含む。その寸法は4500bpである。このプラスミドの模式図を図4に示す
。プラスミドpXL2774は特許出願WO97/35002に記載の方法によ
り精製した。
【0062】 ポリプレクスはプラスミドpXL2774溶液と所望電荷比に応じて可変濃度
に水で希釈した機能的PEI溶液を等容量混合することにより調製した。
【0063】 24ウェルマイクロプレートにHeLa細胞(ATCC)60000個/ウェ
ルを播き、24時間後にトランスフェクトした。ポリプレクス溶液50μlを各
ウェルに滴下した。血清の不在下でトランスフェクションよりも2時間前に培地
に予めFCS(ウシ胎仔血清)を加えた。次に細胞を37℃で4時間培養した。
次に複合体を含む培地を取出し、DMEMと10%ウシ胎仔血清の混合物に交換
した。次に、細胞を24時間再培養した。最後に、細胞を溶解させ、ルシフェラ
ーゼテストキット(Promega)とDynex MLXルミノメーターを使
用して試験した。更に、細胞溶解液の濃度を測定することによりポリプレクスの
毒性を調べ、溶解液タンパク質1μg当たりの酵素活性で表した。
【0064】 図1、2及び3に示す結果はDNAとの電荷比を変えて上記のように合成した
各種機能的PEIを3種の異なる細胞系で使用した場合のトランスフェクション
効率を表す。
【0065】 全般にグラフト率の高いPEIから形成したポリプレクスを使用した場合を除
き、導入効率は比較的高いことが判明した(PEI−12%マルトースの効率は
PEI−4%マルトースよりも劣り、PEI−17%ラクトースの効率はPEI
−6%ラクトースよりも劣る)。従って、グラフト率は所期用途に応じて最適化
することが重要なパラメーターである。
【0066】 更に、アミノ基を機能的ヘミアセタールで置換すると、特にDNAに対する電
荷比が高い場合にはPEIにより誘導される細胞毒性が有意に低下することが判
明した。即ち、細胞生存率百分率(図1、2及び3)はDNAをトランスフェク
トするために非機能的PEIを使用した場合に得られる細胞生存率(結果は示さ
ず)よりも著しく高く維持される。
【0067】 従って、本実施例から明らかなように、確実で廉価な本発明の方法により得ら
れる機能的ポリアルキレンイミンはDNAの細胞トランスフェクションに有用な
候補である。
【0068】
【図面の簡単な説明】
【図1】 電荷比(+/−)3〜28の種々のグリコシル化ポリアルキレンイミン/DN
A処方のECV304細胞におけるルシフェラーゼ活性をRLU/μgタンパク
質(RLU:Relative Light Unit即ち相対発光量)で表し
たヒストグラム。実線の曲線は使用した各処方[3a]、[3b]、[4a]及
び[4b]のグリコシル化ポリアルキレンイミンとDNAの電荷比(+/−)に
伴う細胞生存率百分率を示す。
【図2】 電荷比(+/−)3〜28の種々のグリコシル化ポリアルキレンイミン/DN
A処方のHeLa細胞におけるルシフェラーゼ活性をRLU/μgタンパク質(
RLU:Relative Light Unit即ち相対発光量)で表したヒ
ストグラム。実線の曲線は使用した各処方[3a]、[3b]、[4a]及び[
4b]のグリコシル化ポリアルキレンイミンとDNAの電荷比(+/−)に伴う
細胞生存率百分率を示す。
【図3】 電荷比(+/−)3〜28の種々のグリコシル化ポリアルキレンイミン/DN
A処方のHepG2細胞におけるルシフェラーゼ活性をRLU/μgタンパク質
(RLU:Relative Light Unit即ち相対発光量)で表した
ヒストグラム。実線の曲線は使用した各処方[3a]、[3b]、[4a]及び
[4b]のグリコシル化ポリアルキレンイミンとDNAの電荷比(+/−)に伴
う細胞生存率百分率を示す。
【図4】 DNAの細胞導入実験で使用したプラスミドpXL2774の模式図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 シエルマン,ダニエル フランス国、エフ−75012・パリ、リユ・ エラール、10 Fターム(参考) 4B024 AA01 CA01 CA04 GA11 HA17 4C076 AA95 EE20 EE59 FF68 4J043 PA02 QA03 QA04 RA08 YB21 YB22 YB23

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン(IV)イソプロポキシドとホウ水素化ナトリウムの
    存在下にポリアルキレンイミンを機能的ヘミアセタールで処理することを特徴と
    する機能的ポリアルキレンイミンの製造方法。
  2. 【請求項2】 アルコール溶媒中で操作することを特徴とする請求項1に記
    載の機能的ポリアルキレンイミンの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記アルコール溶媒がメタノール又はエタノールであること
    を特徴とする請求項2に記載の機能的ポリアルキレンイミンの製造方法。
  4. 【請求項4】 更に10〜30℃の温度で操作することを特徴とする請求項
    1に記載の機能的ポリアルキレンイミンの製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリアルキレンイミン1モル当たり25〜100モルのチタ
    ン(IV)イソプロポキシドを使用することを特徴とする請求項1に記載の機能
    的ポリアルキレンイミンの製造方法。
  6. 【請求項6】 使用するチタン(IV)イソプロポキシドの量の50〜80
    (モル)%の量のホウ水素化ナトリウムを使用することを特徴とする請求項1に
    記載の機能的ポリアルキレンイミンの製造方法。
  7. 【請求項7】 ポリアルキレンイミン1モル当たり6〜100モルの機能的
    ヘミアセタールを使用することを特徴とする請求項1に記載の機能的ポリアルキ
    レンイミンの製造方法。
  8. 【請求項8】 開始ポリアルキレンイミンが一般式: 【化1】 (式中、Rは水素原子又は一般式: 【化2】 の基を表し、nは2〜10の整数であり、pとqはポリマーの平均分子量が10
    0〜10Daとなるようにp+qの和を選択した整数である)で表されること
    を特徴とする請求項1に記載の機能的ポリアルキレンイミンの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記開始ポリアルキレンイミンがポリエチレンイミン(PE
    I)又はポリプロピレンイミン(PPI)であることを特徴とする請求項8に記
    載の機能的ポリアルキレンイミンの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記開始ポリアルキレンイミンが平均分子量50000D
    aもしくは25000Daもしくは22000Daのポリエチレンイミン又は平
    均分子量800000Daのポリプロピレンイミンから選択されることを特徴と
    する請求項9に記載の機能的ポリアルキレンイミンの製造方法。
  11. 【請求項11】 機能的ヘミアセタールが一般式: 【化3】 (式中、nは0又は1であり、R、R、R及びRは同一又は異なり、相
    互に独立して水素原子、実施する反応に適合可能な基又は標的要素を表し、但し
    、R、R、R及びRのうちのただ1個の置換基を標的要素とする)で表
    されることを特徴とする請求項1に記載の機能的ポリアルキレンイミンの製造方
    法。
  12. 【請求項12】 前記適合可能な基がヒドロキシ、炭素原子数1〜4のアル
    キル(C1〜4)又はヒドロキシアルキル(C1〜4)から選択されることを特
    徴とする請求項11に記載の機能的ポリアルキレンイミンの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記標的要素が糖、ペプチド、タンパク質、オリゴヌクレ
    オチド、脂質、神経伝達物質、ホルモン、ビタミン又はその誘導体から選択され
    ることを特徴とする請求項11に記載の機能的ポリアルキレンイミンの製造方法
  14. 【請求項14】 前記標的要素が増殖因子受容体リガンド、サイトカイン受
    容体リガンド、細胞レクチン型受容体リガンド、インテグリン、トランスフェリ
    ン受容体、HDL、LDL、葉酸輸送体、シアリルルイスX、Fab抗体フラグ
    メント、1本鎖抗体(ScFv)、単糖、二糖又は三糖などの接着タンパク質受
    容体に親和性があるRGD配列のリガンド、から選択されることを特徴とする請
    求項13に記載の機能的ポリアルキレンイミンの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記糖がガラクトース、マンノース、フコース、ラムノー
    ス、ラクトース又はマルトースから選択されることを特徴とする請求項14に記
    載の機能的ポリアルキレンイミンの製造方法。
  16. 【請求項16】 ポリアルキレンイミンにグラフトした機能的ヘミアセター
    ルが1%〜20%であることを特徴とする請求項1に記載の機能的ポリアルキレ
    ンイミンの製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項1に記載の方法により得られる少なくとも1種の機
    能的ポリアルキレンイミンと少なくとも1種の核酸を含む組成物。
  18. 【請求項18】 前記核酸がデオキシリボ核酸又はリボ核酸であることを特
    徴とする請求項17に記載の組成物。
  19. 【請求項19】 前記核酸が調節配列の制御下に1種以上の目的治療遺伝子
    を含むことを特徴とする請求項18に記載の組成物。
  20. 【請求項20】 細胞トランスフェクション用医薬の製造のための請求項1
    7に記載の組成物の使用。
  21. 【請求項21】 核酸を細胞に導入するための請求項17に記載の組成物の
    使用。
  22. 【請求項22】 (1)請求項17に記載の組成物を形成する段階と、 (2)(1)で形成された組成物と細胞を接触させる段階を含む核酸の細胞導入
    方法。
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