JP2003525134A - 傾いた切れ刃を有する切削工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、シャフト（３ｄ、３ｅ）と、第１の主切れ刃（６ｄ、６ｅ）を有する少なくとも第１の切削ヘッド（５ｄ、５ｅ）とを含む、切屑除去機械加工のための切削インサート（１ｄ、１ｅ）に関する。さらに、本発明は、本発明による切削インサート（１ｄ、１ｅ）が中に含まれている工具にも関する。本発明による切削インサート（１ｄ、１ｅ）の特徴は、切削インサート（１ｄ、１ｅ）の平面図で見た場合に、第１の切削ヘッド（５ｄ、５ｅ）の第１の主切れ刃（６ｄ、６ｅ）を通る直線（Ｌ）がシャフト（３ｄ、３ｅ）の第１の縦方向の中心線（Ｃ１）と４５°の角度を形成するということである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 発明の技術分野 本発明は、ホルダとこのホルダ内に固定されている切削インサートとを含み、
且つその切削インサートが、第１の主切れ刃を有する第１の切削ヘッドを少なく
とも有している切屑除去機械加工用の工具に関する。さらに、本発明は、この工
具に装着される切削インサートに対して個々に関連する。

【０００２】 従来の技術 国際出願第９５／２９７８１号から既知である１つの具体例にしたがえば、機
械加工工具が、シャフトに対して一定の角度をなした切削ヘッドを有する切削イ
ンサートを備える。この切削インサートの特徴は、切削ヘッドの副切れ刃が互い
に平行ではないということである。したがって、それぞれの副切れ刃に対して平
行で互いに異なる２方向に切削インサートが送られることになる。さらに、主切
れ刃が、シャフトの縦方向に対して垂直であることに関しても指摘する必要があ
る。

【０００３】 切削インサートは、ヨーロッパ特許第０，３８５，２８０号から既知であり、
この切削インサートは、切削ヘッドとシャフトとを有し、この場合には、切削ヘ
ッドはシャフトに対してフック形状にされている。好ましい実施形態では、切削
ヘッドは、シャフトの延長部に対して直角である延長部を有する。さらに、上述
の国際出願第９５／２９７８１号に示される別の実施形態は、概ね一致する形状
を有する。

【０００４】 発明の目的と特徴 本発明の主目的は、本明細書の導入部において定義されている種類の工具及び
切削インサートを提供することであり、少数の異なるホルダと切削インサートと
のそれぞれでもって、本発明にしたがう工具を用いて実施できる切削作業につい
て、多数の可能な組合せをもたらす。

【０００５】 本発明による工具及び切削インサートそれぞれの別の目的は、類似の外側寸法
を有する既知の工具及び既知の切削インサートのそれぞれに比較しれ、様々な切
削作業における利用可能性の改善をすることである。

【０００６】 少なくとも本発明の主目的が、後述の独立特許請求項に示されている特徴を有
する工具及び切削インサートによって達成される。本発明の好ましい実施態様が
従属特許請求項において定義されている。

【０００７】 本発明の工具と切削インサートとのそれぞれの下記の様々な実施形態を、次の
添付図面を参照しながら以下で説明する。

【０００８】 発明の好ましい実施形態の詳細な説明 図１〜５には、幾つかの切削インサート１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄ、１ｅが示さ
れており、これらの切削インサートは本発明による切削インサートを構成し、こ
れらの切削インサート１ａ〜１ｅの各々は、シャフト３ａ、３ｂ、３ｃ、３ｄ、
３ｅと少なくとも第１の切削ヘッド５ａ、５ｂ、５ｃ、５ｄ、５ｅとを含み、第
１の切削ヘッド５ａ、５ｂ、５ｃ、５ｄ、５ｅは第１の主切れ刃６ａ、６ｂ、６
ｃ、６ｄ、６ｅを有する。本発明の切削インサート１ａ〜１ｅを一般的に特徴付
けることは、この切削インサートを平面図で見た場合に、第１の切削ヘッド５ａ
〜５ｅの第１の主切れ刃６ａ〜６ｅを通る直線Ｌが、シャフト３ａ〜３ｅの第１
の縦方向の中心線Ｃ１と４５°の角度を形成するということである。図１〜５に
示されている切削インサート１ａ、１ｂ、１ｃ、１ｄ、１ｅの形式の場合には、
これは、その代わりに、切削ヘッド５ａ、５ｂ、５ｃ、５ｄ、５ｅの第２の縦方
向の中心線Ｃ２が、シャフト３ａ〜３ｅの第１の縦方向の中心線Ｃ１と４５°の
角度を形成するとしてもよい。

【０００９】 切削インサート１ａ、１ｂ、１ｃは、シャフト３ａ、３ｂ、３ｃの反対側の端
部に第２の角度を成した切削ヘッド５′ａ、５′ｂ、５′ｃを備えている。さら
に、これらの第２の切削ヘッド５′ａ、５′ｂ、５′ｃは、第２の主切れ刃６′
ａ、６′ｂ、６′ｃを有する。図１と図２に示されている切削インサート１ａ、
１ｂは互いに対して鏡像の関係であり、この場合に切削インサート１ａ、１ｂの
各々におけるシャフト３ａ、３ｂのそれぞれの端部に配置されている切削ヘッド
５ａ、５′ａ、５ｂ、５′ｂは、付属のシャフト３ａ、３ｂに対して反対方向に
曲げられている。さらに、図３に示されている切削インサート１ｃは、２つの切
削ヘッド５ｃ、５′ｃを有し、前記切削ヘッド５ｃ、５′ｃは付属のシャフト３
ｃに対して同一方向に曲げられている。第１の切削ヘッド５ａ〜５ｅの場合と同
じ仕方で、第２の切削ヘッド５′ａ、５′ｂ、５′ｃにおいて、第２の主切れ刃
６′ａ、６′ｂ、６′ｃを通る直線Ｌ′がシャフト３ａ、３ｂ、３ｃの第１の縦
方向の中心線Ｃ１に共に４５°の角度を形成する。これは、その代わりに、切削
ヘッド５′ａ、５′ｂ、５′ｃの第３の縦方向の中心線Ｃ３がシャフト３ａ〜３
ｅの第１の縦方向の中心線Ｃ１に共に４５°の角度を形成するとしてもよい。

【００１０】 図１〜５の平面図では、主切れ刃６ａ、６′ａ、６ｂ、６′ｂ、６ｃ、６′ｃ
、６ｄ、６ｅは紙面に対して平行である。

【００１１】 図６〜８による工具はホルダ１０を含み、このホルダ１０の中に本発明による
切削インサート１ｃまたは１ｄを受け入れるためのインサート座が配置されてい
る。クランプ１１が切削インサート１ｃ／１ｄの頂部に取り付けられており、前
記クランプ１１はねじ１２によってホルダ内に固定されている。ねじ１２を締め
ることによって、クランプ１１はホルダ１０内の付属のインサート座内に切削イ
ンサート１ｃ／１ｄを固定するだろう。

【００１２】 図９には、分かり易くするためにクランプ１１なしの形でホルダ１０が示され
ている。この関連で、ホルダ１０のインサート座はピン１３の形の末端止め子(e
nd stop)を有することが分かる。図９に図示されるように、切削ヘッドから曲げ
られたシャフト３ｄの端部が前記ピン１３に当接する。ピン１３としての末端止
め子の形状は、シャフトの両端部に切削ヘッドを有する切削インサートに関して
も前記末端止め子が使用できるという利点をもたらす。

【００１３】 分かり易くするためにクランプが省略されている図１０と図１１には、シャフ
ト３ｂの両端部に切削ヘッド５ｂ、５′ｂを有する切削インサート１ｂがどのよ
うにホルダ１０内に取り付けられてよいかが示されている。図１０に最も良く示
されるように、ホルダ１０内のインサート座には、作用位置にない切削インサー
ト５′ｂのための空間を与える凹み１４が形成されている。さらに、この場合に
は、ピン１３は切削インサート１ｂのための末端止め子として働き、ピン１３は
切削インサート１ｂの非作用状態の切削ヘッド５′ｂの側面の１つと協働する。
シャフト３ｂがホルダ１０のインサート座内に横向きに固定されているので、ピ
ン１３に対する前記側面の当接は、切削インサート１ｂが非作用状態の切削ヘッ
ド５′ｂに向かってシャフト３ｂの縦方向に移動しないように制止されるという
こと、すなわち、非作用状態の切削ヘッド５′ｂの側面とピン１３との間の協働
が切削インサート１ｂのための末端止め子を構成するということを結果的にもた
らす。さらに、切削ヘッド５ｂ、５′ｂが互いに対して位置を変える時にも、前
記末端止め子が同じ仕方で機能する。

【００１４】 本発明による切削インサート１ｄ′の使用は、図１２に示されている内側旋削
に使用してもよい。前記切削インサート１ｄ′は図４による切削インサート１ｄ
の変形を構成し、切削インサート１ｄ′の切削ヘッド５ｄ′の側端縁の１つが、
被加工物の機械加工を行う主切れ刃１５を構成する。切削インサート１ｄの主切
れ刃６ｄに対応する端縁６ｄ′が、その関連において、図１２に示されている逃
げ角αを画定する。図１２に示されるように、この実施形態でも、主切れ刃１５
を通る直線Ｌはシャフト３ｄ′の縦方向の中心線Ｃ１と４５°の角度を形成する
。

【００１５】 図１３に示されている本発明による切削インサート１ｂ″は、切削インサート
１ｂ″が、平面図において、丸い切削ヘッド５ｂ″、５′ｂ″を有するという点
で、すなわち、切削ヘッドが連続的に湾曲した切れ刃６ｂ″、６′ｂ″を有し、
さらに明確に述べると、平面図において円形の形状を有する切れ刃を有するとい
う点で、図２による切削インサート１ｂとは原則的に異なっている。シャフト３
ｂ″に対する切削ヘッド５ｂ″、５′ｂ″の角度付けに関しては、切削ヘッド５
ｂ″の第２の縦方向の中心線Ｃ２と切削ヘッド５′ｂ″の第３の縦方向の中心線
Ｃ３とがシャフト３ｂ″の第１の中心線Ｃ１と４５°の角度を形成するとするこ
とが可能である。

【００１６】 図１４には、幾つかの切削インサートと幾つかのホルダとの明細が示されてお
り、切削インサート１ｄ、１ｅの大部分が本発明による切削インサートを構成し
、一方、図１４に示されている切削インサートＳ１、Ｓ２の少数が従来技術に相
当する。ホルダ１０、１０′は互いに異なったタイプであり、ホルダ１０は外側
工具のためのものであり、一方、例えば棒状から成るホルダ１０′は内側工具の
ためのものである。切削インサート１ｄ、１ｅ、Ｓ１、及びＳ２は、任意にホル
ダ１０、１０′のいずれか１つと組み合わせてもよい。

【００１７】 図１４には、被加工物１６も示されており、及び、様々なタイプの機械加工作
業が示されており、この機械加工作業の大部分は本発明による工具によって有利
に行われることが可能である。

【００１８】 発明の実施可能な変更 本発明による切削インサートの詳細な設計に関しては、当然のことながら、こ
れらは本発明の範囲内で改変されてもよい。上述の実施形態から理解できるよう
に、切削ヘッドは、主切れ刃の位置に関してだけでなく、切屑切断面及び逃げ面
に関しても異なる設計を有してよい。さらに、シャフトの設計も、例えばインサ
ート座とホルダの締め付け部材との設計に応じて変化させられてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は、本発明による切削インサートの幾つかの異なる実施形態の平面図を示
す。

【図２】 図２は、本発明による切削インサートの幾つかの異なる実施形態の平面図を示
す。

【図３】 図３は、本発明による切削インサートの幾つかの異なる実施形態の平面図を示
す。

【図４】 図４は、本発明による切削インサートの幾つかの異なる実施形態の平面図を示
す。

【図５】 図５は、本発明による切削インサートの幾つかの異なる実施形態の平面図を示
す。

【図６】 図６は、本発明による工具の一部分の平面図を示す。

【図７】 図７は、図６による工具の側面図を示す。

【図８】 図８は、図６による工具の斜視図を示す。

【図９】 図９は、分かり易くするためにクランプが取り除かれている、図６による工具
の平面図を示す。

【図１０】 図１０は、分かり易くするためにクランプが取り除かれており、かつ、図５の
切削インサート以外の別の切削インサートが示されている、図６による工具の平
面図を示す。

【図１１】 図１１は、図１０による工具の斜視図を示す。

【図１２】 図１２は、本発明による切削インサートによる実現可能なタイプの機械加工を
示す。

【図１３】 図１３は、本発明による追加の切削インサートの平面図を示す。

【図１４】 図１４は、切削インサートが行うことが可能な異なるタイプの機械加工も示さ
れている、本発明と従来技術との両方による切削インサートと、ホルダとの組合
せを示す。

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ホルダ（１０）と、前記ホルダ（１０）内に固定されている
   切削インサート（１ａ〜１ｅ；１ｄ′、１ｂ″）とを含む切屑除去機械加工のた
   めの工具であって、 前記切削インサートは、第１の主切れ刃（６ａ〜６ｅ；１５、６ｂ″）を有す
   る第１の切削ヘッド（５ａ〜５ｅ；５ｄ′、５ｂ″）を少なくとも有する工具に
   おいて、 前記切削インサート（１ａ〜１ｅ；１ｄ′）の平面図で見た場合に、前記第１
   の切削ヘッド（５ａ〜５ｅ；５ｄ′）の前記第１の主切れ刃（６ａ〜６ｅ；１５
   ）を通る直線（Ｌ）が、前記切削インサート（１ａ〜１ｅ；１ｄ′）のシャフト
   （３ａ〜３ｅ；３ｄ′）の第１の縦方向の中心線（Ｃ１）と４５°の角度を形成
   し、及び／または、 前記切削インサート（１ａ〜１ｅ；１ｂ″）の平面図で見た場合に、前記第１
   の切削ヘッド（５ａ〜５ｅ；５ｂ″）の第２の縦方向の中心線Ｃ２が、前記シャ
   フト（３ａ〜３ｅ；３ｂ″）の第１の縦方向の中心線Ｃ１と４５°の角度を形成
   することを特徴とする工具。
2. 【請求項２】 前記ホルダ（１０；１０′）は、インサート座を有し、 前記切削インサート（１ａ〜１ｅ；１ｄ′；１ｂ″）のための末端止め子（１
   ３）が、前記インサート座に隣接して配置されていることを特徴とする請求項１
   に記載の工具。
3. 【請求項３】 前記末端止め子は、ピン（１３）から成ることを特徴とする
   請求項２に記載の工具。
4. 【請求項４】 前記末端止め子（１３）に隣接して、前記インサート座に凹
   みが、形成されており、 前記凹みの中に前記切削インサート（１ａ、１ｂ、１ｃ；１ｂ″）の第２の切
   削ヘッド（５′ａ、５′ｂ、５′ｃ；５′ｂ″）が、受け入れられることを特徴
   とする請求項２または３に記載の工具。
5. 【請求項５】 シャフト（３ａ〜３ｅ；３ｄ′；３ｂ″）と、第１の主切れ
   刃（６ａ〜６ｅ；１５；６ｂ″）を有する少なくとも第１の切削ヘッド（５ａ〜
   ５ｅ；５ｄ′；５ｂ″）と、を含む切屑除去機械加工のための切削インサート（
   １ａ〜１ｅ；１ｄ′；１ｂ″）において、 前記切削インサート（１ａ〜１ｅ；１ｄ′）の平面図で見た場合に、前記第１
   の切削ヘッド（５ａ〜５ｅ；５ｄ′）の前記第１の主切れ刃（６ａ〜６ｅ；１５
   ）を通る直線（Ｌ）が、シャフト（３ａ〜３ｅ；３ｄ′）の第１の縦方向の中心
   線（Ｃ１）に対して４５°の角度を形成し、及び／または、 前記切削インサート（１ａ〜１ｅ；１ｂ″）の平面図で見た場合に、前記第１
   の切削ヘッド（５ａ〜５ｅ；５ｂ″）の第２の縦方向の中心線Ｃ２が、前記シャ
   フト（３ａ〜３ｅ；３ｂ″）の第１の縦方向の中心線Ｃ１に対して４５°の角度
   を形成することを特徴とする切削インサート。
6. 【請求項６】 前記切削インサート（１ａ〜１ｃ；１ｂ″）は、第２の切削
   ヘッド（５′ａ、５′ｂ、５′ｃ；５′ｂ″）を有し、 前記第２の切削ヘッド（５′ａ、５′ｂ、５′ｃ、５′ｂ″）は、前記シャフ
   ト（３ａ、３ｂ、３ｃ；３ｂ″）の反対側の端部に位置していることを特徴とす
   る請求項５に記載の切削インサート。
7. 【請求項７】 前記第２の切削ヘッド（５′ａ、５′ｂ、５′ｃ）の第２の
   主切れ刃（６′ａ、６′ｂ、６′ｃ）を通る直線（Ｌ′）が、前記シャフト（３
   ａ、３ｂ、３ｃ）の前記第１の縦方向の中心線（Ｃ１）に対して４５°の角度を
   形成し、及び／または、 前記切削インサート（１ａ、１ｂ、１ｃ；１ｂ″）の平面図で見た場合に、前
   記第２の切削ヘッド（５′ａ、５′ｂ、５′ｃ；５′ｂ″）の第３の縦方向の中
   心線Ｃ３が、前記シャフト（３′ａ、３′ｂ、３′ｃ；３ｂ″）の前記第１の縦
   方向の中心線Ｃ１に対して４５°の角度を形成することを特徴とする請求項６に
   記載の切削インサート。