JP2003521546A - 3,6−ジアルキル−5,6−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−ピラン−2−オンの合成 - Google Patents

3,6−ジアルキル−5,6−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−ピラン−2−オンの合成

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、式(1)のハロゲン化アシルを用いる、式(I)のδ−ラクトンの新規な生成方法〔ここで、R1、R2、R3及びXは、本明細書と同義である〕、更には新規な中間体に関する。特に本発明は、(R)−δ−ラクトンのエナンチオ選択的生成方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、3,6−ジアルキル−5,6−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−ピラン
−2−オンの生成方法に関する。特に本発明は、同化合物のエナンチオ選択的生
成方法に関する。
【0002】 3,6−ジアルキル−5,6−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−ピラン−2−オン
のようなピラノンを含むδ−ラクトンは、種々の化学薬品及び薬剤学的活性化合
物の製造における有用な中間体である。例えば、3−ヘキシル−4−ヒドロキシ
−6−ウンデシル−5,6−ジヒドロ−ピラン−2−オンは、テトラヒドロリプ
スタチン(tetrahydrolipstatin)のようなオキセタノン(oxetanones)の製造
のための周知の前駆体である。例えば、米国特許第5,245,056号及び5,399,720号
(両方ともKarpfらに付与);並びに米国特許第5,274,143号及び5,420,305号(
両方ともRamigらに付与)を参照のこと。
【0003】 3−ヘキシル−4−ヒドロキシ−6−ウンデシル−5,6−ジヒドロ−ピラン
−2−オンのような3,6−ジアルキル−5,6−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−
ピラン−2−オンの1つの製造方法は、還元剤として金属を用いる、α−ハロエ
ステル、典型的にはα−ブロモエステルの分子内環化を伴う。広くは、このタイ
プの反応は、分子内レフォルマトスキー(Reformatsky)反応として一般に知ら
れている。例えば、上記米国特許第5,274,143号及び5,420,305号(両方ともRami
gらに付与)は、Zn(Cu)及びZn(Ag)のようなZnのアマルガムを含
む、亜鉛、Li、Na、Kなどのような「低原子価金属」を用いる、分子内レフ
ォルマトスキー反応を開示している。
【0004】 種々の金属をレフォルマトスキー反応に使用することができるが、マグネシウ
ムのようなある種の金属は、レフォルマトスキー反応において一般には使用でき
ないということが、一般には考えられ、そして広く受け入れられている。例えば
、「高等有機化学(Advanced Organic Chemistry)、第3版」, March, J., Joh
n Wiley & Sons, New York, NY., 1985, pp. 822-824を参照のこと。しかし、マ
グネシウム廃棄物は、亜鉛廃棄物よりも容易に処理でき、かつ環境に対する害が
少ないため、マグネシウムの使用は、工業プロセスにおいて亜鉛よりも望ましい
。更に、多くのレフォルマトスキー反応は、米国特許第5,274,143号及び5,420,3
05号に開示される反応を含めて、溶媒としてエーテルを使用する(実施例5、1
0及び12を参照のこと)が、これは、沸点が低く(即ち、40℃未満)、この
ため、製造設備内に高濃度の溶媒蒸気が発生することがあり、このため特に大規
模製造設備では、潜在的に危険な条件を作り出してしまう。
【0005】 テトラヒドロリプスタチンの他の製造方法は、β−ヒドロキシエステル、例え
ば、3−ヒドロキシテトラデカン酸メチルを中間体として使用する。例えば、Po
mmierら, Synthesis, 1994, 1294-1300、Case-Greenら, Synlett., 1991, 781-7
82、Schmidら, Proceedings of the Chiral Europe '94 Symposium, September
19-20, 1994, Nice, France、及び上記米国特許を参照のこと。Karpfらに付与さ
れた上記米国特許に開示される方法のような、オキセタノンの幾つかの製造方法
は、β−ヒドロキシエステルを中間体として使用することにより、δ−ラクトン
を製造し、これを次にオキセタノンの合成に使用する。
【0006】 ある分子の立体化学は、その分子の多くの性質において重要である。例えば、
1つ以上のキラル中心、即ち、立体化学中心を有する薬物の生理学性質は、薬物
のキラル中心の立体化学に依存することがよく知られている。よって、化学反応
の立体化学を制御することができれば有利である。
【0007】 多くのオキセタノン、例えば、テトラヒドロリプスタチン(オーリスタット)
は、1つ以上のキラル中心を含む。テトラヒドロリプスタチンの合成におけるδ
−ラクトン及びβ−ヒドロキシエステルのような中間体は、1つのキラル中心を
含む。Karpfらに付与された上記米国特許に開示されるような、これらの中間体
のある種の合成は、ラセミ混合物の製造に関するものであり、次にこの混合物を
後の段階で分割して、所望の異性体を単離する。他の方法は、対応するβ−ケト
エステルをエナンチオ選択的に還元することによる、β−ヒドロキシエステルの
不斉合成に関する。
【0008】 更に、所望の生成物の高収量を達成するために、3−オキソ−テトラデカン酸
メチルを還元するための現行の幾つかの不斉水素化方法は、極めて純粋な反応条
件、例えば、少なくとも99.99%の水素ガス純度を必要とし、よって対応す
るβ−ヒドロキシエステルの製造コストが更に上昇する。
【0009】 したがって、亜鉛に基づくレフォルマトスキー型反応を必要としない、δ−ラ
クトンの生成方法に対するニーズが存在する。そして極めて純粋な反応条件、即
ち高水素ガス圧を必要としない条件下での、β−ケトエステルのエナンチオ選択
的還元に対するニーズが存在する。
【0010】 本発明の1つの実施態様は、下記式:
【0011】
【化24】
【0012】 で示されるδ−ラクトンの製造方法であって、下記式:
【0013】
【化25】
【0014】 で示されるα−ハロエステルを、グリニャール試薬、マグネシウム、マグネシウ
ム−ナトリウム混合物、サマリウム、マンガン、及びこれらの混合物よりなる群
から選択される反応性種生成試薬と反応させて、該δ−ラクトンを生成させるこ
とを特徴とする方法〔ここで、R1は、C1−C20アルキルであり;R2は、H又
はC1−C10アルキルであり;Yは、ハライドであり;そしてZは、ニトリル、
エステル、アミド、ヒドロキシアミノアミド、酸ハロゲン化物、無水物、カルボ
キシルカルボナート又はカルボキシルハロホルマートである〕を提供する。
【0015】 本明細書において使用されるとき、「処理」、「接触」又は「反応」という用
語は、適切な条件下で2つ以上の試薬を加えるか、又は混合して、表示及び/又
は所望の生成物を生成させることを意味する。表示及び/又は所望の生成物を生
成させる反応は、最初に加えた2つの試薬の組合せから必ずしも直接生じなくて
もよいこと、即ち、混合物中に生成する1つ以上の中間体が存在し、そしてここ
から最後に表示及び/又は所望の生成物の形成に至ってもよいことを認めるべき
である。
【0016】 「アルキル」という用語は、直鎖又は分岐鎖基であってよい、脂肪族炭化水素
を意味する。アルキル基は、場合により、ハロゲン、アルケニル、アルキニル、
アリール、ヒドロキシ、アミノ、チオ、アルコキシ、カルボキシ、オキソ又はシ
クロアルキルのような、1つ以上の置換基で置換されていてもよい。場合により
、アルキル基に沿って、1つ以上の酸素、硫黄又は置換若しくは非置換窒素原子
が挿入されていてもよい。具体例としてのアルキル基は、メチル、エチル、i−
プロピル、n−ブチル、t−ブチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリ
フルオロメチル、クロロメチル、トリクロロメチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプ
チル、オクチル、デシル及びウンデシルを含む。
【0017】 「アリール」という用語は、単環又は二環式の炭素環又は複素環の芳香環残基
を意味する。アリール基は、ハロゲン、アルケニル、アルキル、アルキニル、ヒ
ドロキシ、アミノ、チオ、アルコキシ又はシクロアルキルのような、1つ以上の
置換基で置換されていてもよい。具体例としてのアリール基は、フェニル、トル
イル、ピロリル、チオフェニル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2
,4−トリアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、
チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、及びイソオキサゾリルを含む。
【0018】 本発明は、3,6−ジアルキル−5,6−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−ピラン
−2−オンのようなピラノンを含む、δ−ラクトンの製造方法を提供する。特に
本発明は、式(I):
【0019】
【化26】
【0020】 〔式中、R1は、C1−C20アルキル、好ましくはウンデシルであり;そしてR2
は、H又はC1−C10アルキル、好ましくはヘキシルである〕で示されるδ−ラ
クトンの製造方法を提供する。本発明はまた、δ−ラクトン(I)のエナンチオ
選択的な生成方法を提供する。本発明の1つの実施態様において、このエナンチ
オ選択的製法は、(6R)−δ−ラクトン、即ち、式(IA):
【0021】
【化27】
【0022】 で示される化合物を供給する。
【0023】 式(I)のδ−ラクトン及び対応するエナンチオマー濃縮δ−ラクトン(IA)
はまた、それぞれ式(II)及び(IIA):
【0024】
【化28】
【0025】 で示されるこれらの互変異性体型として存在するか、又はこれらと平衡を保って
いる。したがって、式(I)又は(IA)のδ−ラクトンへの任意の言及は、それ
ぞれ式(II)又は(IIA)のその互変異性体型を暗に含む。
【0026】 本方法の好ましい実施態様において、R1は、ウンデシルであり、そしてR2
、ヘキシルである。好ましくは、Yはブロミドである。好ましくは、Zは、モル
ホリノアミド、N,O−ジメチルヒドロキシルアミノアミド、ニトリル、酸塩化
物、ピバロイル無水物、メチルエステル、エチルエステル及びt−ブチルエステ
ルよりなる群から選択される。好ましくは該反応性種生成試薬は、マグネシウム
又はグリニャール試薬、例えば、塩化tert−ブチルマグネシウム又は臭化tert−
ブチルマグネシウム、好ましくは塩化tert−ブチルマグネシウムである。好まし
い実施態様において、該グリニャール試薬対該α−ハロエステルの比は、約3:
1〜約5:1である。記載される方法は、更に、捕捉剤、金属活性化剤、ルイス
酸速度増強剤、及びこれらの混合物よりなる群から選択される添加剤を加える工
程を含むことを特徴とする。上記方法は、更に該α−ハロエステルを生成させる
工程を含むことを特徴とし、ここで該α−ハロエステル生成工程は、下記式:
【0027】
【化29】
【0028】 で示されるβ−ヒドロキシ化合物を、下記式:
【0029】
【化30】
【0030】 で示されるα−ハロ活性化カルボニル化合物と、塩基の存在下で接触させて、該
α−ハロエステルを生成させることを特徴とする〔ここで、Xは、ハライド又は
1−C10カルボキシラートである〕。
【0031】 本発明の好ましい実施態様において、該δ−ラクトン及び該β−ヒドロキシ化
合物は、(R)−立体配置を有する。
【0032】 記載される方法は、更に、下記式:
【0033】
【化31】
【0034】 で示されるβ−ケト化合物のエナンチオ選択的還元により、該β−ヒドロキシ化
合物をエナンチオ選択的に生成させる工程を含むことを特徴とし、ここで該エナ
ンチオ選択的還元は、キラル水素化触媒の存在下での該β−ケト化合物の水素化
を含むことを特徴とする。該β−ケト化合物のエナンチオ選択的還元は、少なく
とも約90%のエナンチオマー過剰率で該β−ヒドロキシ化合物を生成させるは
ずである。このキラル水素化触媒は、表1に列挙される触媒から選択され、好ま
しくはこのキラル水素化触媒は、式:RuCl2((R)−MeOBIPHEP
)の化合物である。該キラル水素化触媒は、式:Ru(OAc)2((R)−M
eOBIPHEP)の二酢酸ルテニウムをハロゲン化物源(ここで、該ハロゲン
化物源は、ハロゲン化アルカリ金属及びハロゲン化水素よりなる群から選択され
る)と接触させることにより生成する、生成物であってもよい。好ましくは該ハ
ロゲン化物源対該二酢酸ルテニウムのモル比は、少なくとも約20:1である。
【0035】 本発明の別の実施態様は、(6R)−3−ヘキシル−4−ヒドロキシ−6−ウ
ンデシル−5,6−ジヒドロピラン−2−オンの生成方法であって、下記式:
【0036】
【化32】
【0037】 で示されるα−ハロエステルを、グリニャール試薬、マグネシウム、マグネシウ
ム−ナトリウム混合物、サマリウム、マンガン、及びこれらの混合物よりなる群
から選択される反応性種生成試薬と接触させて、該(6R)−3−ヘキシル−4
−ヒドロキシ−6−ウンデシル−5,6−ジヒドロピラン−2−オンを生成させ
ることを特徴とする方法〔ここで、Zは、ニトリル又は式:−C(=O)Wの残
基であり;Wは、C1−C6アルコキシド、C6−C20アリールオキシド、C7−C 20 アリールアルコキシド、ハライド、C1−C6カルボキシラート又は式:−NR 34の残基であり;R3及びR4のそれぞれは、独立に、C1−C6アルキル、C6
−C20アリール、C7−C20アリールアルキル、C1−C6アルコキシド、C6−C 20 アリールオキシド、C7−C20アリールアルコキシドであるか、あるいはR3
びR4は、一緒に式:−(CR56a−Q−(CR78b−の残基を形成し;
5、R6、R7及びR8のそれぞれは、独立に、H又はC1−C6アルキル、C6
20アリール、C7−C20アリールアルキルであり;Qは、O、NR9又はSであ
り;R9は、H、アミン保護基、C1−C6アルキル、C6−C20アリール又はC7
−C20アリールアルキルであり;そしてa及びbのそれぞれは、独立に1〜4の
整数である〕を提供する。好ましくは、Z、反応性種及び添加剤は、上述の定義
及び工程により選択される。
【0038】 記載される方法は、更に、該α−ハロエステルを生成させる工程を含むことを
特徴とし、ここで該α−ハロエステル生成工程は、下記式:
【0039】
【化33】
【0040】 で示される(R)−β−ヒドロキシ化合物を、下記式:
【0041】
【化34】
【0042】 で示されるα−ハロ活性化カルボニル化合物と、塩基の存在下で接触させて、該
α−ハロエステルを生成させることを特徴とする〔ここで、Xは、Br又はCl
である〕。
【0043】 上記方法は、更に、下記式:
【0044】
【化35】
【0045】 で示されるβ−ケト化合物のエナンチオ選択的還元により、該(R)−β−ヒド
ロキシ化合物をエナンチオ選択的に生成させる工程を含むことを特徴とし、ここ
で該エナンチオ選択的還元は、キラル水素化触媒の存在下での該β−ケト化合物
の水素化を含むことを特徴とする。このエナンチオ選択的還元は、少なくとも約
90%のエナンチオマー過剰率で該β−ヒドロキシ化合物を生成させるはずであ
る。該キラル水素化触媒は、上記と同義の化合物であってよい。
【0046】 別の好ましい実施態様において、本発明は、(6R)−3−ヘキシル−4−ヒ
ドロキシ−6−ウンデシル−5,6−ジヒドロピラン−2−オンの生成方法であ
って、 (a)下記式:
【0047】
【化36】
【0048】 で示されるβ−ケト化合物をエナンチオ選択的に還元して、下記式:
【0049】
【化37】
【0050】 で示される(R)−β−ヒドロキシ化合物を生成させること; (b)該(R)−β−ヒドロキシ化合物を下記式:
【0051】
【化38】
【0052】 で示されるα−ハロ活性化カルボニル化合物と、塩基の存在下で接触させて、下
記式:
【0053】
【化39】
【0054】 で示されるα−ハロエステルを生成させること;及び (c)該α−ハロエステルを、グリニャール試薬、金属及びこれらの混合物よ
りなる群から選択される反応性種生成試薬と接触させて、該(6R)−3−ヘキ
シル−4−ヒドロキシ−6−ウンデシル−5,6−ジヒドロピラン−2−オンを
生成させることを特徴とする方法〔ここで、 Zは、ニトリル又は式:−C(=O)Wの残基であり; Wは、C1−C6アルコキシド、C6−C20アリールオキシド、C7−C20アリー
ルアルコキシド、ハライド、C1−C6カルボキシラート又は式:−NR34の残
基であり; R3及びR4のそれぞれは、独立に、C1−C6アルキル、C6−C20アリール、
7−C20アリールアルキル、C1−C6アルコキシド、C6−C20アリールオキシ
ド、C7−C20アリールアルコキシドであるか、あるいはR3及びR4は、一緒に
式:−(CR56a−Q−(CR78b−の残基を形成し; R5、R6、R7及びR8のそれぞれは、独立に、H又はC1−C6アルキル、C6
−C20アリール、C7−C20アリールアルキルであり; Qは、O、NR9又はSであり; Xは、Br又はClであり; R9は、H、アミン保護基、C1−C6アルキル、C6−C20アリール又はC7
20アリールアルキルであり;そして a及びbのそれぞれは、独立に1〜4の整数である〕に関する。
【0055】 好ましくは反応性種及び添加剤は、上述の工程により選択される。好ましくは
、このエナンチオ選択的還元は、キラル水素化触媒の存在下での該β−ケト化合
物の水素化を含むことを特徴とする(ここで該キラル水素化触媒は、上記と同義
の化合物である)。
【0056】 更に本発明は、下記式:
【0057】
【化40】
【0058】 で示される化合物、又は下記式:
【0059】
【化41】
【0060】 〔式中、R1は、C1−C20アルキルであり;R2は、H又はC1−C10アルキルで
あり;Xは、ハライドであり;そしてZは、ニトリル、エステル、アミド、ヒド
ロキシアミノアミド、酸ハロゲン化物、無水物、カルボキシルカルボナート又は
カルボキシルハロホルマートである〕で示されるその対応するエノラート、例え
ば、下記式:
【0061】
【化42】
【0062】 で示される化合物、又は下記式:
【0063】
【化43】
【0064】 で示されるその対応するエノラートに関する。
【0065】 上記式において、Zは、好ましくはエステルであり、例えば、Zは、式:−C
(=O)OMe又は−C(=O)Ot−Buの残基である。
【0066】 別の実施態様において、本発明は、下記式:
【0067】
【化44】
【0068】 で示されるβ−ケトエステルの生成方法であって、 (a)式:CH3C(=O)CH2C(=O)OR10のアセト酢酸アルキルを、
マグネシウムアルコキシドと接触させて、該アセト酢酸アルキルのマグネシウム
塩及び第1のアルコールを生成させて、該第1のアルコールの少なくとも一部を
除去すること; (b)該アセト酢酸アルキルマグネシウム塩を、式:R1C(=O)Xのハロ
ゲン化アルキルアシルと接触させて、式:R1C(=O)CH〔C(=O)CH3 〕C(=O)OR10のトリカルボニル化合物を生成させること;及び (c)該トリカルボニル化合物を、第2のアルコールと接触させて、該β−ケ
トエステルを生成させることを特徴とする方法〔ここで、Xは、ハライドであり
;R1は、C1−C20アルキルであり;そしてR10は、C1−C6アルキル、C6
20アリール又はC7−C20アリールアルキルである〕に関する。上記方法にお
いて、好ましくはXは、塩化物であり、R1は、ウンデシルであり、そしてR10
は、メチルである。該マグネシウムアルコキシドは、マグネシウムメトキシドで
あり、そして該第1及び該第2のアルコールは、メタノールである。好ましくは
、この反応は、非極性有機溶媒、更に好ましくは反応混合物中で生成するアルコ
ールとの共沸混合物を形成する溶媒、そして最も好ましくはトルエン中で行われ
る。
【0069】 工程(a)の反応温度は、少なくとも約40℃、好ましくは少なくとも約45
℃である。
【0070】 工程(b)の反応温度は、少なくとも約50℃、好ましくは少なくとも約60
℃である。
【0071】 工程(c)の反応温度は、少なくとも約70℃、好ましくは少なくとも約75
℃である。
【0072】 好ましくは、工程(c)は、いかなる酸も塩基も加えることなく行われる。
【0073】 別の好ましい実施態様において、本発明は、テトラヒドロリプスタチン(オー
リスタット)の上記製造方法の使用に関する。対応する方法は、 a)式(IA):
【0074】
【化45】
【0075】 〔式中、R1及びR2は、上記と同義である〕で示される化合物の水素化により、
式(VIII):
【0076】
【化46】
【0077】 で示される化合物が得られる工程;続いて b)塩基性条件下での開環反応及びエナンチオマー分離により、式(IX):
【0078】
【化47】
【0079】 〔式中、X+は、カチオンを表し、そしてPGは、OH保護基を表す〕で示され
る化合物が得られる工程;続いて c)式(IX)の遊離酸の調製、環形成及びPG基の開裂により、式(X):
【0080】
【化48】
【0081】 で示される化合物が得られる工程;続いて f)脱保護及びミツノブ条件下でのN−ホルミル−S−ロイシンとの反応によ
り、式(XI):
【0082】
【化49】
【0083】 で示される化合物が得られる工程 を含むことを特徴とする。
【0084】 上記方法において、R1は、好ましくはC1123であり、そしてR2は、好まし
くはC613である(例えば、米国特許第5,399,720号に記載される)。
【0085】 本発明の他の実施態様は、オルリスタットの製造のための上述の方法の使用及
び任意の上述の方法により製造される化合物に関する。
【0086】 本発明は次に、エナンチオマー濃縮δ−ラクトン(IA)の合成に関して記述さ
れる。δ−ラクトン(I)又は式(IA)の立体化学配置とは反対の立体配置を有
するδ−ラクトンは、本明細書において明示的に考察されないが、それぞれラセ
ミ混合物又は反対の立体化学配置の出発物質を使用することにより、本発明の方
法を用いて容易に製造することができる。
【0087】 本発明の1つの実施態様は、式(III):
【0088】
【化50】
【0089】 で示される(R)−α−ハロエステルを、グリニャール試薬、マグネシウム、マ
グネシウム−ナトリウム混合物、サマリウム、マンガン、及びこれらの混合物よ
りなる群から選択される反応性種生成試薬で処理して、δ−ラクトン(IA)を生
成させることによる、δ−ラクトン(IA)の製造方法を提供する〔ここで、R1
及びR2は、上記と同義であり;Yは、ハライド、好ましくはブロミドであり;
そしてZは、ニトリル(−CN)、又は式:−C(=O)Wの残基〔ここで、W
は、C1−C6アルコキシド、C6−C20アリールオキシド、C7−C20アリールア
ルコキシド、ハライド、C1−C6カルボキシラート(即ち、R′が、H又はC1
−C5アルキルである、−OC(=O)R′)、ハロホルマート(即ち、Y1が、
ハロゲン化物である、−OC(=O)Y1)又は式:−NR34の残基であり;
ここで、R3及びR4のそれぞれは、独立に、C1−C6アルキル、C6−C20アリ
ール、C7−C20アリールアルキル、C1−C6アルコキシド、C6−C20アリール
オキシド、C7−C20アリールアルコキシドであるか、あるいはR3及びR4は、
一緒に式:−(CR56a−Q−(CR78b−の環状残基を形成し;ここで
、R5、R6、R7及びR8のそれぞれは、独立に、H又はC1−C6アルキル、C6
−C20アリール、C7−C20アリールアルキルであり;Qは、O、NR9又はSで
あり;R9は、H、アミン保護基、C1−C6アルキル、C6−C20アリール又はC 7 −C20アリールアルキルであり;そしてa及びbのそれぞれは、独立に1〜4
の整数である〕である〕。種々のアミン保護基が、当該分野において知られてお
り、利用することができる。多くの可能なアミン保護基の例は、「有機合成にお
ける保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)、第3版」, T.W. Gre
eneとP.G.M. Wuts, John Wiley & Sons, New York, 1999(参照することにより
、この全体が本明細書に組み込まれる)に見い出すことができる。
【0090】 本明細書において使用されるとき、「反応性種生成試薬」という用語は、α−
ハロエステル化合物(III)から、分子内環化を受けて、α−ラクトン(I)を
生成させることができる、反応性中間体種を生成させる試薬又は化合物を意味す
る。好ましくは、この反応性種生成試薬は、グリニャール試薬又はマグネシウム
金属である。更に好ましくは、この反応性種生成試薬は、グリニャール試薬であ
る。
【0091】 好ましくは、Zは、モルホリノアミド(即ち、Wが、モルホリン残基である、
−C(=O)W)、N,O−ジメチルヒドロキシルアミノアミド(即ち、Wが、
−N(CH3)(OCH3)である、−C(=O)W)、ニトリル(即ち、−CN
)、酸塩化物(即ち、−C(=O)Cl)、ピバロイル無水物(即ち、Wが、−
OC(=O)t−Buである、−C(=O)W)、メチルエステル、エチルエス
テル及びt−ブチルエステルよりなる群から選択される。
【0092】 一般にグリニャール試薬種は、α−ハロエステルから形成できないと、広く考
えられ受け入れられている。「高等有機化学(Advanced Organic Chemistry)、
第3版」, March, J., John Wiley & Sons, New York, NY., 1985, pp. 822-824
を参照のこと。しかし、Org. Synthesis, 1973, 53, 1882;Kelly, Tet. Lett.,
1985, 26, 2173-2176;及びMMJ, J. Am. Chem. Soc., 1990, 112, 7659-7672を
参照のこと。しかしながら、驚くべきことにかつ予期せぬことに、本発明者らは
、α−ハロエステル(III)をマグネシウムで処理すると、δ−ラクトン(IA)
が生成することを見い出した。いかなる理論にも縛られるわけではないが、マグ
ネシウム金属をα−ハロエステル(III)に加えると、中間体のハロゲン化α−
マグネシウムエステル種が最初に形成し、そしてこれが分子内環化反応を受ける
と考えられる。更に、グリニャール試薬をα−ハロゲンエステル(III)に加え
ると、金属−ハロゲン化物交換反応が起こり、再びハロゲン化α−マグネシウム
エステル種が生成し、そしてこれが分子内環化反応を受けて、δ−ラクトン(IA
)を生成させると考えられる。
【0093】 典型的には、本反応は、テトラヒドロフラン(THF)、n−ブチルエーテル
、ジメトキシエタン(DME)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、トル
エン、2−メチルテトラヒドロフランなどのような、非プロトン性有機溶媒中で
、好ましくは、窒素、アルゴン、ヘリウムなどのような不活性雰囲気下で行われ
る。
【0094】 δ−ラクトン(IA)を形成する分子内環化反応は、比較的低濃度のα−ハロエ
ステル(III)を用いることにより分子間反応よりも有利に起こりうる。好まし
くは、α−ハロエステル(III)の濃度は、約2.5M以下、更に好ましくは約
2.0M以下、そして最も好ましくは約1.5M以下である。
【0095】 反応温度は、一般に、約40℃〜約65℃である。しかしこの反応温度は、使
用される溶媒、及び反応混合物中の1つ以上の添加剤の存在又は非存在のような
、種々の因子に依存するが、これは、以下に詳細に考察される。
【0096】 本発明の1つの特定の側面は、α−ハロエステル(III)をグリニャール試薬
で処理することによる、δ−ラクトン(IA)の生成方法を提供する。いかなる理
論にも縛られるわけではないが、α−ハロエステル(III)にグリニャール試薬
を加えると、金属−ハロゲン化物交換が起こって、反応性種、例えば、ハロゲン
化α−マグネシウムエステルが生成し、そしてこれが、分子内環化を受けて、環
化生成物のδ−ラクトン(IA)を生成させると考えられる。グリニャール試薬が
、α−ハロエステル(III)に対して化学量論量以下で反応性種生成剤として使
用されるとき、最初に生成する環化生成物(比較的酸性のプロトンを含む)は、
塩基性ハロゲン化α−マグネシウム又は添加されたグリニャール試薬(反応混合
物中に存在してもよい)と反応し、これによって比較的低収量のδ−ラクトン(
IA)が得られる。
【0097】 δ−ラクトン(IA)の収量は、過剰量のグリニャール試薬を加えることにより
、有意に上昇させることができる。このように、過剰のグリニャール試薬が、最
初に生成した環化生成物又は酸性プロトンを含む任意の他の化合物をクエンチ、
即ち、脱プロトン化するために使用される。よって、好ましくは添加されるグリ
ニャール試薬の量は、約2〜約10当量、更に好ましくは約2〜約5当量、更に
なお好ましくは約3〜約5当量、そして最も好ましくは約3当量である。
【0098】 本発明において、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、ter
t−ブチル、2−メトキシフェニル、t−アミル、t−オクチル、ヘキシル、ペ
ンチル、及び1−オクチルマグネシウムハロゲン化物(マグネシウム臭化物及び
マグネシウム塩化物など)を含む、種々の置換及び非置換のアリール及びアルキ
ルグリニャール試薬試薬を含む、任意のグリニャール試薬を使用することができ
る。好ましいグリニャール試薬は、塩化tert−ブチルマグネシウム及び臭化tert
−ブチルマグネシウムを含む。更に好ましいグリニャール試薬は、塩化tert−ブ
チルマグネシウムである。
【0099】 α−ハロエステル(III)及び反応性種生成試薬は、組み合わせることも、又
は反応容器に任意の順で加えることもできるが、反応性種生成試薬が、グリニャ
ール試薬であるとき、α−ハロエステル(III)とグリニャール試薬の同時添加
が、特に好ましいことが見い出された。例えば、テトラヒドロフラン(THF)
中の(3R)−3−〔(2−ブロモ−1−オキソオクチル)オキシ〕−テトラデ
カン酸メチル30.7mmolの溶液13.6mLとTHF 86mL中の塩化tert−ブ
チルマグネシウム3当量の、1時間かけての、THF溶媒約10mLを含む60℃
の反応容器への同時添加によって、試薬の添加終了の1時間後、粗生成物をガス
クロマトグラフィーにより分析すると、(6R)−3−ヘキシル−4−ヒドロキ
シ−6−ウンデシル−5,6−ジヒドロピラン−2−オンが収率97%(A.N
.、即ち、正規化面積)で得られた。
【0100】 本発明の方法はまた、捕捉剤、金属活性化剤、ルイス酸速度増強剤、及びこれ
らの混合物よりなる群から選択される添加剤を加える工程を含んでもよい。
【0101】 本明細書において使用されるとき、「捕捉剤」という用語は、反応性種生成試
薬、例えば、グリニャール試薬、又はその場で生成した反応性中間体種、例えば
、ハロゲン化α−マグネシウムエステルの、内部プロトンクエンチを防止できる
化合物を意味する。具体例としての捕捉剤は、トリエチルアミン、ジイソプロピ
ルエチルアミン、トリブチル−アミン、及び2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジンのようなアミン(これらはアミンヒドロハライドを形成する);無水物及
び塩化アシル(これらは最初に生成した分子内環化生成物と反応して、エノール
エステルを形成することができる);クロロギ酸メチル及びクロロギ酸ベンジル
のようなクロロホルマートを含むハロカルボナート(これらは最初に生成した分
子内環化生成物と反応して、エノールカルボナートを形成することができる);
並びに塩化シリル(塩化トリメチルシリル、塩化tert−ブチルジメチルシリル、
及び塩化トリイソプロピルシリルを含む)、及びヘキサメチルジシラザンのよう
なシリル化剤(これらは最初に生成した分子内環化生成物と反応して、シリルエ
ノールエーテルを形成することができる)を含む。無水物、塩化アシル、ハロカ
ルボナート、又はシリル化剤のような捕捉剤が存在するとき、生じる中間体生成
物(例えば、それぞれ、エノールエステル、エノールカルボナート、又はシリル
エノールエーテル)は、所望のα−ラクトン(I)を生成する前に単離及び/又
は精製してもよい。単離及び/又は精製された中間体生成物は、エノールエステ
ル、エノールカルボナート、又はシリルエノールエーテルの脱保護により、所望
のα−ラクトン(I)に容易に変換することができる。このような脱保護反応は
、当業者には周知である。
【0102】 「金属活性化剤」という用語は、反応性中間体種の形成において、金属(即ち
、マグネシウム、マグネシウム−ナトリウム混合物、サマリウム、マンガン、又
はこれらの混合物)を活性化する化合物を意味する。具体例としての金属活性化
剤は、1,2−ジブロモエタン;ヨウ素;ナトリウムのような他の金属;塩化亜
鉛、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、及び臭化鉄、
鉄シクロペンタジエンを含む鉄塩のような金属塩;並びにこれらの混合物を含む
。好ましくは、金属活性化剤は、1,2−ジブロモエタン、ヨウ素、ナトリウム
、塩化亜鉛、臭化鉄(例えば、臭化第二鉄)、塩化マグネシウム、臭化マグネシ
ウム、ヨウ化マグネシウム、及びこれらの混合物よりなる群から選択される。金
属は、α−ハロエステル(III)の添加の前に金属活性化剤で前処理することが
でき、例えば、ヨウ素を金属に加えることができ、そしてα−ハロエステル(II
I)の添加の前にこの混合物を加熱してもよい。あるいは、金属活性化剤は、α
−ハロエステル(III)の添加と同時に又はその後に、金属を含む反応混合物に
加えることができる。例えば、1,2−ジブロモエタンを、金属とα−ハロエス
テル(III)との混合物に加えることができる。典型的には、加える金属活性化
剤の量は、α−ハロエステル(III)に対して約100百万分率(ppm)〜約10
0,000ppmである。反応性種生成試薬が、マグネシウム金属であるとき、金
属活性化剤の使用は、特に好ましい。
【0103】 「ルイス酸速度増強剤」という用語は、反応性中間体種、例えば、ハロゲン化
α−マグネシウムエステルの分子内環化反応の速度を上昇させる化合物を意味す
る。本発明において有用な具体例としてのルイス酸速度増強剤は、レイケ(Reik
e)マグネシウムのようなマグネシウム金属;臭化マグネシウム、塩化マグネシ
ウム、ヨウ化マグネシウム、酢酸マグネシウム、並びに他の有機及び無機マグネ
シウム塩のようなマグネシウム塩;アルミニウム金属;トリアルキルアルミニウ
ム化合物(例えば、トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリメ
チルアルミニウム)のようなアルキルアルミニウム化合物;塩化ジエチルアルミ
ニウム、二塩化メチルアルミニウムのようなハロゲン化アルキルアルミニウム化
合物;三塩化アルミニウムのようなハロゲン化アルミニウム;シクロペンタジエ
ン;及びアントラセンを含む。好ましくは、ルイス酸速度増強剤は、ハロゲン化
亜鉛、ハロゲン化鉄、ハロゲン化マグネシウム、トリアルキルアルミニウム化合
物、シクロペンタジエン、アントラセン、及びこれらの混合物よりなる群から選
択される。
【0104】 α−ハロエステル(III)中のZが、エステル残基(即ち、式:−C(=O)
OR″の残基)であるとき、反応中に生成するアルコキシドが、δ−ラクトン(
IA)の形成を妨害するのを防ぐために、反応混合物にアルコキシドスカベンジャ
ーを加えてもよい。他に状況が要求しなければ、「アルコキシド」という用語は
、Z基のエステル残基から生成したアルコキシド、即ち、式:−C(=O)OR
″の残基の−OR″基を意味する。本明細書において使用されるとき「アルコキ
シドスカベンジャー」とは、アルコキシド又は対応するプロトン化ヒドロキシ化
合物と反応して、相対的に非反応性の化合物又は残基を形成する化合物を意味し
ており、次にこれらは、アルコキシド又は対応するプロトン化ヒドロキシ化合物
を物理的に捕捉することによって、アルコキシド又は対応するプロトン化ヒドロ
キシ化合物が、所望の反応を妨害するのを防ぐ。具体例としてのアルコキシドス
カベンジャーは、塩化トリメチルシリル、塩化t−ブチルジメチルシリル及びア
ルコキシドと共にシリルエーテルを形成する他のハロゲン化シリルのようなハロ
ゲン化シリル;アルミニウム、マグネシウム及び相対的に不活性な金属アルコキ
シドを形成する他の金属のような金属;アルコキシドをその物理構造内に閉じこ
めるモレキュラーシーブ;並びに活性化塩基性アルミナ、脱プロトン化シリカゲ
ル(例えば、シリカゲルとn−ブチルリチウムの間の反応に由来)のような他の
アルコキシド脱活性化化合物を含む。
【0105】 本発明の方法はまた、α−ハロエステル(III)を生成させる工程であって、
式(IV):
【0106】
【化51】
【0107】 で示される(R)−β−ヒドロキシ化合物を、式(V):
【0108】
【化52】
【0109】 で示されるα−ハロ活性化カルボニル化合物と、塩基の存在下で接触させて、α
−ハロエステル(III)を生成させることを特徴とする工程〔ここで、R1、R2
、Y及びZは、上記と同義であり、そしてXは、ハライド、好ましくはクロリド
若しくはブロミド、又はC1−C10カルボキシラート(即ち、Rが、H又はC1
9である、−OC(=O)R)である〕を含んでもよい。
【0110】 β−ヒドロキシ化合物(IV)とα−ハロ活性化カルボニル化合物(V)の間の
反応は、典型的には、ヘキサン、エーテル、及び上述されるもののような非プロ
トン性有機溶媒中で、好ましくは不活性雰囲気下で行われる。β−ヒドロキシ化
合物(IV)及びα−ハロ活性化カルボニル化合物(V)からα−ハロエステル(
III)を生成するのに有用な具体例としての塩基は、トリエチルアミン、トリブ
チルアミン及びジメチルアミノピリジン(DMAP)のような第3級アミン;ピ
リジン;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム及び炭酸セシウムのよう
な炭酸塩;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム及び重炭酸リチウムのような重炭
酸塩;他の相対的に非求核性かつ弱塩基性、即ち、約16以下のpKa、そして
好ましくは約10以下のpKaを有する化合物を含む。β−ヒドロキシ化合物(
IV)及びα−ハロ活性化カルボニル化合物(V)からα−ハロエステル(III)
を生成するための反応条件の他の例は、上述の米国特許第5,420,305号及び5,274
,143号(参照することにより、これら全体が本明細書に組み込まれる)に開示さ
れている。こうして生成したα−ハロエステル(III)は、更に精製することな
く直接使用することができるか、又は使用の前に、例えば、減圧下での蒸留によ
り精製することができる。
【0111】 α−ハロ活性化カルボニル化合物(V)は、例えば、対応する活性化カルボニ
ル化合物(即ち、Yが、Hである場合)を、臭素のようなα−ハロゲン化剤でハ
ロゲン化することにより、容易に製造することができる。1つの具体例において
、臭素を約55℃で塩化オクタノイルに加えると、塩化α−ブロモオクタノイル
と臭化α−ブロモオクタノイルの混合物の形成が起こる。この混合物は、両方の
化合物とも、β−ヒドロキシ化合物(IV)との類似のエステル化反応を受けて、
同一の対応するα−ハロエステル(III)を生成させるため、更に精製すること
なく使用することができる。
【0112】 次に活性化カルボニル化合物は、対応するカルボン酸又はエステルから、無水
物、又はアシルハロゲン化剤の使用を含む、当業者には既知の方法を用いること
により、容易に製造することができる。具体例としてのアシルハロゲン化剤及び
これを用いるための一般法は、例えば、「総合有機合成(Comprehensive Organi
c Synthesis)」, 第6巻, Trost、Fleming及びWinerfeldt編, Pergamon Press,
1991, pp. 301-319、及び「ハロゲン化アシルの化学(The Chemistry of Acyl
Halides)」, Patai編, Interscience Publishers, 1972, pp. 35-64(これらは
、参照することにより、これら全体が本明細書に組み込まれる)に開示されてい
る。
【0113】 本発明の方法はまた、式(VI):
【0114】
【化53】
【0115】 〔式中、R1及びZは、上記と同義である〕で示されるβ−ケト化合物のエナン
チオ選択的還元による、β−ヒドロキシ化合物(IV)をエナンチオ選択的に生成
させる工程を含んでもよい。
【0116】 Zが、式:−C(=O)Wの残基であり、ここで特にWが、C1−C6アルコキ
シド、C6−C20アリールオキシド又はC7−C20アリールアルコキシドである、
本発明の1つの特定の実施態様において、β−ヒドロキシ化合物(IV)は、式(
VII):
【0117】
【化54】
【0118】 で示されるβ−ケトエステルから、このβ−ケトエステル(VII)のケトンカル
ボニルをキラル水素化触媒の存在下で水素化することにより生成する〔ここで、
1は、上記と同義であり、そしてR10は、C1−C6アルキル、C6−C20アリー
ル又はC7−C20アリールアルキルである〕。好ましくはR10は、C1−C6アル
キル、更に好ましくはメチル、又はエチルである。−OR10残基は、エステル交
換、アミド形成、ハロゲン化アシル形成、鹸化、及び「高等有機化学(Advanced
Organic Chemistry)、第3版」, March, J., John Wiley & Sons, New York,
NY., 1985(参照することにより、この全体が本明細書に組み込まれる)を含む
種々の参考文献に開示されている他の方法を含む、当業者には既知の種々の方法
によって、他の基で交換することができる。
【0119】 非キラル水素化触媒では、β−ヒドロキシ化合物(IV)のラセミ混合物が得ら
れること、そして後述されるのとは反対の立体配置を有するキラル水素化触媒で
は、図IVに示されるように反対の立体配置を有するβ−ヒドロキシ化合物が得ら
れることを認識すべきである。本発明の1つの実施態様は、エナンチオマー富化
水素化触媒、即ち、約97%を超えるエナンチオマー過剰率(%ee)を有する
水素化触媒を使用する、β−ケトエステル(VII)をエナンチオ選択的に還元す
る方法を提供する。
【0120】 本発明の1つの特定の実施態様において、キラル水素化触媒は、下記式:
【0121】
【化55】
【0122】 〔式中、各X2は、独立に、ヨウ化物、臭化物若しくは好ましくは塩化物のよう
な、ハロゲン化物;又はアセタートであり;そしてR11及びR12のそれぞれは、
独立に、H、C1−C6アルキル又はC1−C6アルコキシである(ただし、R11
はR12の少なくとも1つは、Hではない)〕で示される触媒を含む、実施例の項
に示されるようなキラルリガンドを含むルテニウム触媒を含むことを特徴とする
。更に、各フェニル基は、2つ以上のR11又はR12の基を含んでもよい。更には
、ビスフェニル残基のフェニル基の一方又は両方は、ナフチル、ピリジル又は他
の置換アリール基のような他の芳香族基で置換されていてもよい。
【0123】 本発明の有用な水素化触媒の1つは、式:Ru(OAc)2((R)−MeO
BIPHEP)の二酢酸ルテニウムを、ハロゲン化アルカリ金属(例えば、Li
X、NaX、KX及びCsX(ここで、Xは、ハライドである))又はハロゲン
化水素(例えば、HX(ここで、Xは、ハライドである))のようなハロゲン化
物源、好ましくは塩酸と接触させることにより生成する生成物である〔ここで、
Ru(OAc)2((R)−MeOBIPHEP)は、下記式:
【0124】
【化56】
【0125】 で示される化合物である〕。いかなる理論にも縛られるわけではないが、Ru(
OAc)2((R)−MeOBIPHEP)を塩酸で処理すると、両方のOAc
基が塩化物で置換されると考えられ、よって生じる生成物は、Ru(Cl)2
(R)−MeOBIPHEP)であると考えられる。しかし興味深いことに、R
u(OAc)2((R)−MeOBIPHEP)を約2当量未満のHClで処理
すると、生じる水素化触媒は、高いエナンチオマー過剰率で(R)−3−ヒドロ
キシ化合物(IV)を生成させない。驚くべきことにかつ予期せぬことに、ある場
合には、このようなキラル水素化触媒は、主として(S)−3−ヒドロキシ化合
物を生成させる。しかし少なくとも約5当量(好ましくは少なくとも約10当量
、そして更に好ましくは少なくとも約20当量)のHClをRu(OAc)2
(R)−MeOBIPHEP)に加えると、生じるキラル水素化触媒は、β−ケ
トエステル(VII)を対応する(3R)−3−ヒドロキシ化合物(IV)にエナン
チオ選択的に還元する。
【0126】 本発明のキラル水素化触媒の前駆体、即ち、二カルボン酸ルテニウムジホスフ
ィン化合物又は〔Ru(OC(=O)R′)2(ジホスフィン)〕は、以下の反
応スキーム:
【0127】
【化57】
【0128】 により製造することができる。このように、実施例16に列挙されるものを含む
、種々のキラル二カルボン酸ルテニウムジホスフィンを製造することができる。
二カルボン酸ルテニウムジホスフィン化合物の製造方法は、一般に、〔RuCl 2 (COD)〕n(市販されているか、又は好ましくはAlbersら, Inorg. Synth.,
1989, 26, 68により製造される)を、カルボン酸塩と対応するカルボン酸の混
合物、即ち、酢酸ナトリウム/酢酸及びピバル酸ナトリウム/ピバル酸混合物の
ような、MOC(=O)R′とHOC(=O)R′混合物と、非プロトン性有機
溶媒、好ましくはトルエン中で接触させることを伴う。この混合物を約80℃〜
約120℃、好ましくは約100℃の温度で加熱する。典型的な反応時間は、約
15時間〜約72時間、好ましくは約20時間〜約48時間である。使用される
カルボン酸塩の量は、約2当量〜約50当量、好ましくは約2当量〜約25当量
、更に好ましくは約2.1当量〜約10当量、そして最も好ましくは約2.5当
量であってよい。好ましくは、ジホスフィン化合物の完全な変換を保証するため
に、ジホスフィン化合物に対して小過剰の〔RuCl2(COD)〕nが使用され
る。
【0129】 市販の〔RuCl2(COD)〕n錯体を使用することができるが、三塩化ルテ
ニウムから新たに製造した〔RuCl2(COD)〕n錯体は、一般には短い反応
時間、堅実かつ/又は高収量の二カルボン酸ルテニウムジホスフィン化合物を与
えることが見い出された。このように、安価で入手容易な三塩化ルテニウムから
、二カルボン酸ルテニウムジホスフィン化合物のワンポット合成を達成すること
ができる。
【0130】 β−ヒドロキシ化合物(例えば、(3R)−3−ヒドロキシ化合物)(IV)は
、最初の生成物を再結晶することにより、更に精製、即ち、エナンチオマー濃縮
して、少なくとも約99%eeを有する生成物を得ることができる。したがって
、特定のキラル水素化触媒のコストに応じて、約95%ee未満のβ−ヒドロキ
シ化合物(IV)が得られるキラル水素化触媒を使用することが、より経済的であ
るかもしれないことを認識すべきであり、そしてここから再結晶により更にエナ
ンチオマー濃縮することができる。
【0131】 3−オキソテトラデカン酸メチルの不斉還元のための、現在使用されているル
テニウム系水素化触媒とは異なって、本発明の水素化触媒は、3−ヒドロキシテ
トラデカン酸メチルを高収量及び高エナンチオマー過剰率で生成するために、高
純度条件、例えば、少なくとも約99.99%の純度を有する水素ガスを必要と
はしない。実際、本発明の水素化触媒を使用する、工業用等級条件、例えば、約
99.5%の純度を有する水素ガス及び約99.5%の純度を有する窒素ガス下
の3−オキソテトラデカン酸メチルの不斉水素化は、高純度反応条件を必要とす
るものと実質的に同様な速度で進行する。更に、本発明の水素化触媒によって、
低圧水素ガスの使用が可能であり、このため、初期設備投資のコストが低減し、
そして高水素ガス反応条件に伴う潜在的危険が低減する。加えて、上述の不斉水
素化法を使用することにより、本発明では、どのようなラセミ中間体の分割の必
要もなしに、δ−ラクトン(I)の不斉合成が可能である。
【0132】 典型的には、β−ケトエステル(VII)、例えば、3−オキソテトラデカン酸
メチルの水素化は、エタノールようなアルキルアルコールを含む従来の水素化溶
媒中で、又は好ましくはメタノール中で、約80℃の反応温度で行われる。水素
化反応における基質(即ち、β−ケトエステル(VII))の濃度は、一般に約4
0重量%であり、そして水素化触媒中のHCl対Ru(OAc)2((R)−M
eOBIPHEP)の比は、約20:1である。3−オキソテトラデカン酸メチ
ル対水素化触媒の典型的な比は、約5000:1〜約50,000:1である。
この反応混合物に、典型的には約40bar〜約80barの工業用等級の水素ガスを
加えて、反応を約4時間進行させる。
【0133】 このように、(R)−3−ヒドロキシテトラデカン酸メチルのようなβ−ヒド
ロキシ化合物(IV)は、対応するβ−ケトエステル(VII)から、少なくとも約
90%の単離収率で(更に好ましくは少なくとも約93%の単離収率で、そして
最も好ましくは少なくとも約95%の単離収率で)生成することができる。生成
するβ−ヒドロキシ化合物(IV)のエナンチオマー過剰率は、少なくとも約90
%ee、好ましくは少なくとも約95%ee、そして更に好ましくは少なくとも
約99%eeである。エナンチオマー過剰率は、単回の再結晶後少なくとも約9
5%ee(好ましくは少なくとも約99%ee、そして最も好ましくは少なくと
も約99.5%ee)まで上昇させることができる。
【0134】 β−ケトエステル(VII)は、種々の既知の方法により容易に製造することが
できる。例えば、Viscontiniら, Helv. Chim. Acta, 1952, 284, 2280-2282、Ca
se-Green, Synlett, 1991, 781-782、及びSotoguchiらに付与された米国特許第5
,945,559号(これらは、参照することにより、これら全体が本明細書に組み込ま
れる)を参照のこと。しかし本発明者らは、β−ケトエステル(VII)が、特に
1がウンデシルであるとき、以下の方法により、高収率で(好ましくは少なく
とも約85%収率で)容易に入手できることを見い出した。トルエン中のマグネ
シウムアルコキシド(例えば、マグネシウムメトキシド)の非極性溶液にアセト
酢酸アルキル(例えば、アセト酢酸メチル)を加え、そして例えばマグネシウム
アルコキシドのプロトン化により、生成するアルキルアルコールはどれも除去し
ながら、少なくとも約100℃にこの混合物を加熱することによって、アセト酢
酸アルキルのマグネシウム塩が生成する。生じたアセト酢酸アルキルマグネシウ
ム塩に約60℃で、塩化アシル化合物(例えば、塩化ラウロイル)を加えること
により、トリ−カルボニル化合物が生成する。このトリ−カルボニル化合物を、
好ましくは少なくとも約70℃まで、アルコール(好ましくはメタノール)の存
在下で加熱することにより、β−ケトエステル(VII)が少なくとも約80%の
収率で(好ましくは少なくとも約85%の収率で)得られる。
【0135】 本発明の別の目的、利点、及び新規な特色は、以下に付加される本発明の実施
例(限定を意図するものではない)を吟味することで当業者には明らかとなろう
【0136】 実施例 実施例1 本実施例は、ハロゲン化2−ブロモオクタノイルの生成方法を説明する。
【0137】 メカニカルスターラー、熱電対−J−KEMコントローラーの付いたクライゼ
ン(Claisen)アダプター、窒素注入口及び添加ロートを取り付けた、1Lの3
つ口丸底フラスコに、窒素のブランケット下で塩化オクタノイル271.5g(
1.67mol)を加えた。添加ロートを臭素374g(2.34mol)で満たした
。塩化オクタノイルを55℃に加熱して、約8時間かけて臭素をゆっくり加えた
。反応混合物を55℃で一晩撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸留した。生成物
は、113℃のポット温度で、かつ8mmHgの圧力で111℃の蒸気温度で蒸留し
始めた。留出液の定常流を維持するために、ポット温度を127℃に、そして蒸
気温度を8mmHgの圧力で119℃に上昇させた。生じた清澄な液体451g(収
率100%)は、GC分析によると、塩化2−ブロモオクタノイルと臭化2−ブ
ロモオクタノイルとの混合物(比35:65)であった。
【0138】 実施例2 本実施例は、(3R)−3−〔(2−ブロモ−1−オキソオクチル)オキシ〕
テトラデカン酸メチルの生成方法を説明する。
【0139】 メカニカルスターラー、N2注入口の付いたクライゼンアダプター、熱電対−
J−KEMコントローラー及びゴム栓/添加ロートを取り付けた、500mLの3
つ口丸底フラスコに、固体(3R)−3−ヒドロキシテトラデカン酸メチル50
g(193mmol)を加えた。この固体をヘキサン400mLに溶解して、この溶液
を0℃に冷却した。実施例1からの塩化/臭化2−ブロモオクタノイルの混合物
(62.5g、1.2当量)を加えた。添加ロートをピリジン19.1g(24
mmol)及びヘキサン100mLで満たした。このピリジン溶液を30分かけてゆっ
くり加えた。次に添加ロートをヘキサン25mLで濯いだ。生じた粘性の帯黄色−
白色のスラリーを約0℃で約2時間撹拌し、次に水200mL及びヘキサン200
mLを加えた。このクエンチした反応混合物が沈降するのを待ち、水層を分離した
。生成物は、上部有機層に抽出された。上部有機層を水100mLで1回洗浄した
。合わせた下部水層をヘキサン100mLで2回洗浄した。有機層を合わせて、乾
燥(MgSO4)し、濾過し、そして溶媒をロータリーエバポレーターで除去し
た。生じた生成物は、重量96.0g(収率107%)の清澄な油状物であった
【0140】 実施例3 本実施例は、(6R)−3−ヘキシル−4−ヒドロキシ−6−ウンデシル−5
,6−ジヒドロピラン−2−オンの生成方法を説明する。
【0141】 N2注入口、ウェスト(West)冷却器及び熱電対−J−KEMコントローラー
の付いたクライゼンアダプター及びゴム栓を取り付けた、1Lの3つ口丸底フラ
スコに、マグネシウム(クロマスコ(Chromasco)製)13.9g(0.572
グラム原子、3.2当量)を加えた。I2の小フレーク(約45mg)を加え、こ
の混合物を約80℃に加熱した。1,2−ジブロモエタン(3.4g、18mmol
)及びTHF 350mLを熱Mg/I2混合物に加えることにより、金属表面を
活性化した。実施例2からの(3R)−3−〔(2−ブロモ−1−オキソオクチ
ル)オキシ〕−テトラデカン酸メチル(82.9g、179mmol)、1,2−ジ
ブロモエタン(33.6g、179mmol)及びTHF 400mLを添加ロートに
加えた。この混合物をMg/THF混合物に還流しながら約1時間かけてゆっく
り加えた。反応混合物を約60℃で一晩(14時間)撹拌した。生じた黄色の溶
液を、デカントにより金属から離して1Lの丸底フラスコに入れた。残留Mg金
属をTHF 60mLで2回濯いだ。合わせたTHF溶液をロータリーエバポレー
ターで濃縮した。このシロップ状混合物を塩化メチレン1750mLにとって、分
液ロート中の水500mg、氷200mL及び10% HCl 98mLの混合物に加
えた。水層を除去して、有機層を飽和塩化ナトリウム200mLで1回洗浄し、乾
燥(Na2SO4)し、濾過して、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。
この粗白色固体(66.7g)をヘキサン100mL中でスラリーにし、0℃に冷
却し、濾過して、冷ヘキサン50mLで2回濯いだ。単離した白色固体を減圧(1
0mmHg)下で40℃でオーブン中で一晩乾燥することにより、(6R)−3−ヘ
キシル−4−ヒドロキシ−6−ウンデシル−5,6−ジヒドロピラン−2−オン
28.4g((R)−3−ヒドロキシテトラデカン酸メチルに基づく収率45〜
50%)を得た。
【0142】 実施例4 本実施例は、塩化トリ−メチルシリル(TMSCl)を用いる、(6R)−3
−ヘキシル−4−ヒドロキシ−6−ウンデシル−5,6−ジヒドロピラン−2−
オンの生成方法を説明する。
【0143】 THF(100mL)中のマグネシウムターニング(3.65g、3当量)に、
2(0.11g、1%)を加えた。生じた混合物を2時間加熱還流すると、淡
黄色の溶液が得られた。この溶液に50℃で、実施例2からの(3R)−3−〔
(2−ブロモ−1−オキソオクチル)オキシ〕−テトラデカン酸メチル(22.
9g、1当量)及びジブロモエタン(9.4g、1当量)の混合物を50分かけ
て加えた。基質の添加開始5分後に、TMSCl(12mL、2当量)を1分かけ
て加えた。同時にi−PrMgCl(2M溶液25.5mL、0.9当量)を50
分の時間で加えた。グリニャール試薬の添加は、基質の終了の5分後に終了した
【0144】 反応混合物を、50℃で全部で3.5時間(基質の最初の添加から計算)撹拌
した。
【0145】 反応混合物を濃縮して、生じた残渣をEtOAc 200mLで希釈して10%
HCl 100mLでクエンチした。混合物を30分間撹拌した。有機相を分離
し、順に10% HCl 50mL及びH2O 50mLで洗浄した。生じた混合物
を濃縮し、ヘキサン100mLで希釈し、0℃で5分間撹拌し、濾過して、この結
晶をヘキサン(2×50mL、0℃)で洗浄した。
【0146】 結晶の乾燥によって、(6R)−3−ヘキシル−4−ヒドロキシ−6−ウンデ
シル−5,6−ジヒドロピラン−2−オン6.8g(39%)を得た。
【0147】 実施例5 本実施例は、メタノール(又はメトキシド)スカベンジャーとしてモレキュラ
ーシーブ(3Å)を用いる、(6R)−3−ヘキシル−4−ヒドロキシ−6−ウ
ンデシル−5,6−ジヒドロピラン−2−オンの生成方法を説明する。
【0148】 THF(100mL)中のマグネシウムターニング(3.65g、3当量)に、
2(0.11g、1%)を加えた。生じた混合物を1.5時間加熱還流すると
、淡黄色の溶液になった。この溶液に、活性化粉砕3Åモレキュラーシーブ8.
5gを加えた。この混合物を30分間加熱還流し、次にジブロモエタン及び実施
例2からの(3R)−3−〔(2−ブロモ−1−オキソオクチル)オキシ〕−テ
トラデカン酸メチルを還流しながら45分かけて加えた。
【0149】 この混合物を、基質の添加開始後4時間、加熱還流した。
【0150】 実施例4に記載されたように処理すると、(6R)−3−ヘキシル−4−ヒド
ロキシ−6−ウンデシル−5,6−ジヒドロピラン−2−オン6.8g(39%
)を得た。
【0151】 実施例6 本実施例はまた、β−ケトエステルの不斉水素化の収率及び%eeに及ぼすル
テニウム水素化触媒上の異なるホスフィンリガンドの影響を説明する。
【0152】 実施例7のβ−ケトエステル1の水素化反応は、メタノール中で60℃でH2
(70bar)下でHCl 20当量と共にRu(OAc)2(ジ−ホスフィン)(
S/C 50,000)を用いて、β−ケトエステル1の濃度30重量%で行っ
た。ホスフィンリガンドの本体、%単独収率及び(%ee)は以下に示す:
【0153】
【表1】
【0154】 1.1時間後の%収率 2.16時間後の%ee nd=測定せず
【0155】 実施例7 本実施例は、β−ケトエステルの不斉水素化の収率及び%eeに及ぼす添加剤
の影響を説明する。
【0156】
【化58】
【0157】
【表2】
【0158】 * β−ケトエステル1対触媒の比=約50,000:1。 1.全てのガスは純度>99.99990%。 2.β−ケトエステル1に対して。
【0159】 実施例8 本実施例は、β−ケトエステルの不斉水素化の収率及び%eeに及ぼすルテニ
ウム水素化触媒上の異なるホスフィンリガンドの影響を説明する。
【0160】
【化59】
【0161】
【表3】
【0162】 * β−ケトエステル1対触媒の比=約50,000:1。 ** β−ケトエステル1対触媒の比=約5,000:1。 1.全てのガスは純度>99.99990%。 2.HClは使用していない。
【0163】
【化60】
【0164】 実施例9 本実施例は、塩化tert−ブチルマグネシウムを用いる、(6R)−3−ヘキシ
ル−5,6−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−6−ウンデシル−ピラン−2−オンの
生成方法を説明する。
【0165】 N2注入口の付いたクライゼンヘッド、ウェスト冷却器、熱電対−J−KEM
コントローラー及び添加ロートを取り付けた、500mLの3つ口丸底フラスコに
、塩化tert−ブチルマグネシウムの溶液(1.0M溶液341mL、341mmol、
3当量)を約60℃で加えた。(R)−3−(2′−ブロモ−1′−オキソオク
チルオキシ)テトラデカン酸メチル(52.60g、113.5mmol、1当量)
(「ブロモジエステル」)及び無水THF 25mLを添加ロートに加えた。この
ブロモジエステル混合物を、t−BuMgCl/THF混合物に還流しながら約
1時間かけてゆっくり加えた。反応混合物は、約60℃で1及び2時間の時点で
サンプリングした(それぞれ、90及び91%の正規化面積ガスクロマトグラフ
ィー(AN GC)分析になった)。2時間後、生じた反応混合物を冷却して、
ロト−エバポレーターで元の容量の約1/3〜約1/2に濃縮した。生じたシロ
ップ状混合物をトルエン(又はメチルtert−ブチルエーテルなどのようなエーテ
ル;ヘキサン、ヘプタンなどのような炭化水素;若しくはこれらの混合物)約2
50mLにとって、クエンチした溶液を30℃未満に保持する1Lジャケット付き
フラスコ中のトルエン250mL、10% HCl 75mLを含む混合物に加えた
。水層を除去した。有機層を、1.0N HCl溶液50mLで1回洗浄した。水
層を除去し、有機層を水50mLで1回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過
して濃縮した。これが、ゲル様固体残渣になった。この残渣を酢酸エチル250
mLに40℃で溶解した。酢酸エチルをロト−エバポレーターで除去した。生じた
粗オフホワイト色の固体(42.4g)をヘキサン約100mL中でスラリーにし
て0℃に冷却し、濾過して冷ヘキサン50mLで濯ぎ、続いて冷ヘキサン更に25
mLで濯いだ。単離した白色の固体を真空下で約1〜2時間空気乾燥することによ
り、(6R)−3−ヘキシル−5,6−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−6−ウンデ
シル−ピラン−2−オン31.4g(収率78.4%)を得た。
【0166】 実施例10 本実施例は、塩化tert−アミルマグネシウムを用いる、(6R)−3−ヘキシ
ル−5,6−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−6−ウンデシル−ピラン−2−オンの
生成方法を説明する。
【0167】 N2注入口の付いたクライゼンヘッド、ウェスト冷却器、熱電対−J−KEM
コントローラー及び添加ロートを取り付けた、500mLの3つ口丸底フラスコに
、塩化tert−アミルマグネシウムの溶液(Et2O中の1.0M溶液341mL、
341mmol、3当量)を加えた。Et2OをTHFで置換して、約60℃に加熱
した。(R)−3−(2′−ブロモ−1′−オキソオクチルオキシ)テトラデカ
ン酸メチル(52.60g、113.5mmol、1当量)及び無水THF 25mL
を添加ロートに加えた。出発ブロモジエステル混合物を、t−アミルMgCl/
THF混合物に還流しながら約1時間かけてゆっくり加えた。
【0168】 反応混合物は、約60℃で1及び2時間の時点でサンプリングした(それぞれ
、81及び80%のAN GC分析になった)。約2時間後、生じた反応混合物
を冷却して、元の容量の約1/3〜約1/2に濃縮した。生じたシロップ状混合
物をトルエン約250mLで希釈して、クエンチした溶液を30℃未満に維持しな
がら、1Lジャケット付きフラスコ中のトルエン約250mL及び10% HCl
約75mLを含む撹拌混合物に加えた。水層を除去した。有機層を、順に1.0N
HCl溶液50mL及び水50mLで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し
て濃縮することにより、固体残渣を得た。
【0169】 残渣を酢酸エチル約400mLに約40℃で溶解した。酢酸エチルをロト−エバ
ポレーターで除去した。生じた粗オフホワイト色の固体(42.3g)をヘキサ
ン約100mL中でスラリーにして約0℃に冷却し、濾過して冷ヘキサン約50mL
で濯ぎ、続いて冷ヘキサン更に約35mLで濯いだ。単離した白色の固体を真空下
で約1〜2時間空気乾燥することにより、(6R)−3−ヘキシル−5,6−ジ
ヒドロ−4−ヒドロキシ−6−ウンデシル−ピラン−2−オン27.6g(収率
69.1%)を得た。
【0170】 実施例11 本実施例は、実施例7のβ−ケトエステル1の生成方法を説明する。
【0171】 メカニカルスターラー及び還流冷却器を取り付けた250mLの3つ口丸底フラ
スコに窒素下で、マグネシウム粉末(純度99.5%、50メッシュ)1.54
g及びメタノール(約50mL)を加えた。生じた混合物を一晩加熱還流した。還
流冷却器を蒸留ヘッドで置換した。トルエン(約150mL)を加えて、ヘッド温
度が104℃に達するまで、メタノールを共沸蒸留により除去した。留出液約8
2mLを回収した。
【0172】 生じた反応混合物に、アセト酢酸メチル29gを45℃で加えた。ヘッド温度
が約104℃に達するまで、反応から生成したメタノールを蒸留により除去した
。留出液約62mLを回収した。反応混合物を室温まで冷却した。生じた混合物を
次に約60℃に加熱して、反応混合物を約60℃に維持しながら、トルエン20
mL中の塩化ラウロイル(20.71g)を2時間かけて加えた。生じた混合物を
更に60分間撹拌した。GC分析により塩化ラウロイルの残存が1%未満である
ことが判った。
【0173】 メタノール(14.4mL)を加え、生じた混合物を約70℃に加熱して4時間
撹拌した。メタノール更に9.0mLを加え、生じた混合物を更に20時間75℃
に加熱した。生じた混合物を室温に冷却し、混合物の温度を35℃未満に維持し
ながら、濃HCl(19.43g)の添加により反応をクエンチした。下部水相
を分離して、トルエン相を水(2×45mL)、重炭酸カリウム水溶液(水36mL
中に0.75g)で洗浄し、次に水(36mL)で洗浄した。トルエンをロトエバ
ポレーター(約25〜30mmHgで75℃)下で除去することにより、収率86.
6%で生成物を得た(21.03g、GCにより92% A.N.)。
【0174】 実施例12 本実施例は、Ru(OAc)2((R)−MeOBIPHEP)、(ジ(η2
アセタト)〔(R)−6,6′−ジメトキシビフェニル−2,2′−ジイル)ビ
ス(ジフェニルホスフィン)〕−ルテニウム(II)の生成方法を説明する。
【0175】 温度計、クライゼンヘッド、頂部にアルゴン注入口の付いた還流冷却器及びテ
フロン(登録商標)被覆マグネティック撹拌棒を取り付けた、2リットルの2つ
口丸底フラスコ中に、真空及びアルゴンガスで3回パージして、塩化ルテニウム
(III)水和物(43.48%のRu含量、ジョンソン・マッセー&ブランデン
バーガー社(Johnson Matthey & Brandenberger AG)、42.0g、0.179
mol)を装填した。次にフラスコをアルゴンで3回真空パージした。エタノール
(420mL)及びcis,cis−1,5−シクロオクタジエン(44mL、35
8mmol)を加え、この暗色の懸濁液を100℃の外部加熱浴温で還流しながら2
4時間撹拌した。次に、生じた褐色の懸濁液を室温まで冷却して、30分間沈降
するのを待ち、わずかに黄色の上清を、マイクロフィルターキャンドル(多孔度
−P4)で吸引により除去した。
【0176】 この褐色の残渣をエタノール(500mL)と共に10分間撹拌して、30分間
沈降するのを待った。わずかに黄色の上清を上記のとおり吸引して除去した。大
部分の残留エタノール及びシクロオクタジエンを除去するために、〔RuCl2
(COD)〕nからなる固体残渣をトルエン(500mL)にとり、ロータリー蒸
発乾固した(50mbarで55℃)。次に装置に、アルゴン下(R)−(6,6′
−ジメトキシビフェニル−2,2′−ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)(
(R)−MeOBIPHEP)(99.4g、171mmol)及び酢酸ナトリウム
(70g、853mmol)を装填して、上記のとおりアルゴンでパージした。トル
エン/酢酸(1:1、v/v、1.0L)の添加後、褐色の反応混合物を100℃
浴で22時間撹拌した。ロトエバポレーター(30mbarで58℃)による揮発性
物質の除去後、残渣を真空(1mbar)で50℃で1時間及び室温で一晩乾燥した
【0177】 生じた褐色の残渣をトルエン(500mL)にとり、この懸濁液を室温で15分
間撹拌して、圧縮濾過助剤の2cmパッドで覆った高多孔度焼結ガラスフィルター
でアルゴンで保護しながら濾過した。フィルターケーキをトルエン100mLで5
回(全部で500mL)濯ぎ、濾液を集めて、ロータリー蒸発乾固した(30mbar
で60℃)。真空(1mbar)下で室温で一晩乾燥後、褐色の残渣を撹拌下メタノ
ール(500mL)で処理した。粘性の懸濁液を50℃で1時間撹拌し、室温で1
時間そして最後に氷/メタノール浴中で1時間撹拌した。マイクロフィルターキ
ャンドル(多孔度−P4)で溶媒を除去後、残渣を氷/メタノール浴中でメタノ
ール(3×120mL)と共に撹拌して、溶媒を上述のとおり除去した。黄色の残
渣を真空(1mbar)で室温で一晩乾燥し、次に50℃で撹拌下トルエン(150
mL)に溶解した。
【0178】 ペンタン(600mL)を、生じた褐色の溶液に撹拌下40〜50℃の温度で2
時間かけて滴下により加えると、黄褐色の懸濁液が生成したので、これを室温で
45分間、そして氷浴中(約2℃)で1.5時間撹拌した。マイクロフィルター
キャンドル(多孔度−P4)で吸引により上清を除去後、残渣をペンタン(50
0mL)中で室温で30分間撹拌した。上記のとおり上清を除去し、真空(1mbar
)で室温で一晩乾燥すると、所望の生成物117.0gが0.7トルエンを伴う
付加物として、黄色の粉末として得た(収率86%、純度93%)。
【0179】 実施例13 本実施例は、〔Ru(OAc)2((S)−BINAP)〕の合成方法を説明
する。
【0180】 アルゴン雰囲気下、還流冷却器を取り付けた25mLの2つ口丸底フラスコに、
(S)−BINAP(0.50g、0.80mmol)、〔RuCl2(COD)〕n 0.25g(0.84mmol)、酢酸ナトリウム(0.33g、4.0mmol)及
びトルエン/酢酸、1:1(5mL)を装填した。この褐色の反応混合物を100
℃の油浴中で25時間撹拌した。次に、揮発性物質をロータリー蒸発により除去
し、残渣をジクロロメタン(5mL)で希釈して、生じた黄褐色の懸濁液をセライ
トにより濾過した。フィルターケーキをジクロロメタン(9mL)で3回に分けて
洗浄し、合わせた濾液を濃縮して、真空下室温で一晩乾燥した。この褐色の油状
物をエーテル/ヘキサン、1:1(4mL)に希釈して、室温で30分間撹拌する
ことにより、固体沈殿物を得た。上清は、マイクロフィルターキャンドルで吸引
により除去して、残渣をヘキサン(5mL)で室温で洗浄して一晩乾燥した。粗生
成物をメタノール(5mL)に希釈して、50℃で1時間、室温で1時間(沈殿物
の形成)、そして最後に0℃で1時間撹拌した。上清を上記のとおり除去し、残
渣をメタノール(2mL)で0℃で洗浄して、高真空下室温で一晩乾燥することに
より、〔Ru(OAc)2((S)−BINAP)〕(0.48g、(S)−B
INAPに対して72%)を褐色の結晶性粉末として得た。31P NMR:δ6
5.2ppm(s)。
【0181】 実施例14 本実施例は、〔Ru(OAc)2((R)−BIPHEMP)〕の合成方法を
説明する。
【0182】 アルゴン雰囲気下、還流冷却器を取り付けた50mLの2つ口丸底フラスコに、
(R)−BIPHEMP(2.01g、3.65mmol)、〔RuCl2(COD
)〕n (1.13g、3.83mmol)、酢酸ナトリウム(1.5g、18.2m
mol)及びトルエン/酢酸、1:1(20mL)を装填した。この褐色の反応混合
物を100℃の油浴中で31時間撹拌した。揮発性物質をロータリー蒸発により
除去し、残渣をジクロロメタン(20mL)で希釈して、生じた黄褐色の懸濁液を
セライトにより濾過した。フィルターケーキをジクロロメタン(12mL)で3回
に分けて洗浄し、合わせた濾液を濃縮して、メタノール(10mL)で希釈して、
50℃で1時間、室温で1時間(沈殿物の形成)、そして最後に0℃で1時間撹
拌した。上清をマイクロフィルターキャンドルで吸引により除去し、残渣をメタ
ノール(6mL)で0℃で洗浄して、高真空下室温で一晩乾燥することにより、〔
Ru(OAc)2((R)−BIPHEMP)〕(2.48g、(R)−BIP
HEMPに対して88%)を褐色の結晶性粉末として得た。31P NMR:δ6
5.4ppm(s)。
【0183】 実施例15 本実施例は、〔Ru(OAc)2((R)−3,5−t−Bu−MeOBIP
HEP)〕の合成方法を説明する。
【0184】 アルゴン雰囲気下、還流冷却器を取り付けた25mLの2つ口丸底フラスコに、
(R)−3,5−tBu−MeOBIPHEP(0.50g、0.49mmol)、
〔RuCl2(COD)〕n (0.14g、0.51mmol)、酢酸ナトリウム(
0.20g、2.44mmol)及びトルエン/酢酸、1:1(5mL)を装填した。
この褐色の反応混合物を100℃の油浴中で26時間撹拌して、揮発性物質を高
真空下除去した。生じた残渣をヘキサン(10mL)で希釈して、生じた黄褐色の
懸濁液をセライトにより濾過した。フィルターケーキをヘキサン(9mL)で3回
に分けて洗浄し、合わせた濾液を濃縮して、高真空下室温で一晩乾燥することに
より、〔Ru(OAc)2((R)−3,5−t−Bu−MeOBIPHEP)
〕(0.62g、(R)−3,5−t−Bu−MeOBIPHEPに対して99
%)を褐色の結晶性粉末として得た。
【0185】 実施例16 本実施例は、〔Ru((CH33CCO22((R)−MeOBIPHEP)
〕の合成方法を説明する。
【0186】 アルゴン雰囲気下、還流冷却器を取り付けた25mLの2つ口丸底フラスコに、
(R)−MeOBIPHEP(1.06g、1.82mmol)、〔RuCl2(C
OD)〕n (0.56g、2.00mmol)及びトルエン(2mL)を装填した。
この混合物に、トルエン(3mL)とピバル酸(6.0g、59mmol)の混合物に
水素化ナトリウム(0.22g、9.1mmol)を溶解することにより得られた溶
液を加え、生じた褐色の反応混合物を100℃の油浴中で72時間撹拌して、冷
却し、ペンタン(15mL)で希釈して、セライトにより濾過した。フィルターケ
ーキを、順にペンタン(15mL)で3回に分けて洗浄し、ジクロロメタン(25
mL)で4回に分けて洗浄し、合わせたCH2Cl2濾液を濃縮して、生じた残渣を
高真空下室温で一晩乾燥した。粗生成物をメタノール(10mL)で撹拌下50℃
で1時間、室温で1時間、そして最後に0℃で30分間処理した。上清をマイク
ロフィルターキャンドルで吸引により除去して、残渣をメタノール(5mL)で0
℃で洗浄して、高真空下室温で一晩乾燥することにより、〔Ru((CH33
CO22((R)−MeOBIPHEP)〕(0.66g、(R)−MeOBI
PHEPに対して41%)を褐色の結晶性粉末として得た。31P NMR:δ6
4.9ppm(s)。
【0187】 本発明の前述の考察は、例示と説明の目的のために提示されている。前記は、
本発明を本明細書に開示された形態に限定するものではない。本発明の説明は、
1つ以上の実施態様並びにある種の変法及び改良法の説明を含んでいるが、例え
ば、当業者の技術と知識の範囲に含まれるように、本開示を理解した後では、他
の変法及び改良法も本発明の範囲に含まれる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ホッジス,ルイス・エム アメリカ合衆国、コロラド 80504、ロン グモント、イーグル・ブールバード 4869 (72)発明者 ジョンストン,デーヴィッド・エー アメリカ合衆国、コロラド 80027、ルイ ビル、イーグル・コート 1037 (72)発明者 ミシェリ,ロジャー・ピー アメリカ合衆国、コロラド 80027、ルイ ビル、イースト・レインツリー・コート 427 (72)発明者 プエンテナー,クルト スイス国、ツェーハー−4054 バーゼル、 バッハレッテンシュトラーセ 29 (72)発明者 ロバーツ,クリストファー・アール アメリカ合衆国、コロラド 80513、バー サウド、エヌ・カウンティ・ロード 27イ ー 721 (72)発明者 スカローン,ミケランジェロ スイス国、ツェーハー−4127 ビルスフェ ルデン、バーゼラーシュトラーセ 14 (72)発明者 シュヴィント,マルク・アー アメリカ合衆国、コロラド 80301、ボー ルダー、オールド・ミル・トレイル 7366 (72)発明者 トッピング,ロバート・ジェイ アメリカ合衆国、コロラド 80503、ロン グモント、カントリー・クリーク・ドライ ブ 7729 Fターム(参考) 4C062 CC65 4H039 CA42 CB10

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式: 【化1】 で示されるδ−ラクトンの製造方法であって、下記式: 【化2】 で示されるα−ハロエステルを、グリニャール試薬、マグネシウム、マグネシウ
    ム−ナトリウム混合物、サマリウム、マンガン、及びこれらの混合物よりなる群
    から選択される反応性種生成試薬と接触させて、該δ−ラクトンを生成させるこ
    とを特徴とする方法〔ここで、 R1は、C1−C20アルキルであり; R2は、H又はC1−C10アルキルであり; Yは、ハライドであり;そして Zは、ニトリル、エステル、アミド、ヒドロキシルアミノアミド、酸ハロゲン
    化物、無水物、カルボキシルカルボナート又はカルボキシルハロホルマートであ
    る〕。
  2. 【請求項2】 R1が、ウンデシルであり、そしてR2が、ヘキシルである、
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 Yが、ブロミドである、請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 Zが、モルホリノアミド、N,O−ジメチルヒドロキシルア
    ミノアミド、ニトリル、酸塩化物、ピバロイル無水物、メチルエステル、エチル
    エステル及びt−ブチルエステルよりなる群から選択される、請求項1〜3のい
    ずれか記載の方法。
  5. 【請求項5】 該反応性種生成試薬が、マグネシウムである、請求項1〜4
    のいずれか記載の方法。
  6. 【請求項6】 該反応性種生成試薬が、グリニャール試薬である、請求項1
    〜5のいずれか記載の方法。
  7. 【請求項7】 該グリニャール試薬が、塩化tert−ブチルマグネシウム又は
    臭化tert−ブチルマグネシウムである、請求項1〜6のいずれか記載の方法。
  8. 【請求項8】 該グリニャール試薬が、塩化tert−ブチルマグネシウムであ
    る、請求項1〜7のいずれか記載の方法。
  9. 【請求項9】 該グリニャール試薬対該α−ハロエステルの比が、約3:1
    〜約5:1である、請求項1〜8のいずれか記載の方法。
  10. 【請求項10】 更に、捕捉剤、金属活性化剤、ルイス酸速度増強剤、及び
    これらの混合物よりなる群から選択される添加剤を加える工程を含むことを特徴
    とする、請求項1〜9のいずれか記載の方法。
  11. 【請求項11】 更に、該α−ハロエステルを生成させる工程を含むことを
    特徴とする、請求項1〜10のいずれか記載の方法であって、該α−ハロエステ
    ル生成工程が、下記式: 【化3】 で示されるβ−ヒドロキシ化合物を、下記式: 【化4】 で示されるα−ハロ活性化カルボニル化合物と、塩基の存在下で接触させて、該
    α−ハロエステルを生成させることを特徴とする方法〔ここで、Xは、ハライド
    又はC1−C10カルボキシラートである〕。
  12. 【請求項12】 該δ−ラクトン及び該β−ヒドロキシ化合物が、(R)−
    立体配置を有する、請求項1〜11のいずれか記載の方法。
  13. 【請求項13】 更に、下記式: 【化5】 で示されるβ−ケト化合物のエナンチオ選択的還元により、該β−ヒドロキシ化
    合物をエナンチオ選択的に生成させる工程を含むことを特徴とする、請求項1〜
    12のいずれか記載の方法であって、該エナンチオ選択的還元が、キラル水素化
    触媒の存在下での該β−ケト化合物の水素化を含むことを特徴とする方法。
  14. 【請求項14】 該β−ケト化合物の該エナンチオ選択的還元が、少なくと
    も約90%のエナンチオマー過剰率で該β−ヒドロキシ化合物を生成させる、請
    求項1〜13のいずれか記載の方法。
  15. 【請求項15】 該キラル水素化触媒が、表1に列挙される触媒から選択さ
    れる、請求項1〜14のいずれか記載の方法。
  16. 【請求項16】 該キラル水素化触媒が、式:RuCl2((R)−MeO
    BIPHEP)の化合物である、請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 該キラル水素化触媒が、式:Ru(OAc)2((R)−
    MeOBIPHEP)の二酢酸ルテニウムをハロゲン化物源(ここで、該ハロゲ
    ン化物源は、ハロゲン化アルカリ金属及びハロゲン化水素よりなる群から選択さ
    れる)と接触させることにより生成される生成物である、請求項13〜16のい
    ずれか記載の方法。
  18. 【請求項18】 該ハロゲン化物源対該二酢酸ルテニウムのモル比が、少な
    くとも約20:1である、請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 (6R)−3−ヘキシル−4−ヒドロキシ−6−ウンデシ
    ル−5,6−ジヒドロピラン−2−オンの製造方法であって、下記式: 【化6】 で示されるα−ハロエステルを、グリニャール試薬、マグネシウム、マグネシウ
    ム−ナトリウム混合物、サマリウム、マンガン、及びこれらの混合物よりなる群
    から選択される反応性種生成試薬と接触させて、該(6R)−3−ヘキシル−4
    −ヒドロキシ−6−ウンデシル−5,6−ジヒドロピラン−2−オンを生成させ
    ることを特徴とする方法〔ここで、 Zは、ニトリル又は式:−C(=O)Wの基であり; Wは、C1−C6アルコキシド、C6−C20アリールオキシド、C7−C20アリー
    ルアルコキシド、ハロゲン化物、C1−C6カルボキシラート又は式:−NR34 の基であり; R3及びR4のそれぞれは、独立に、C1−C6アルキル、C6−C20アリール、
    7−C20アリールアルキル、C1−C6アルコキシド、C6−C20アリールオキシ
    ド、C7−C20アリールアルコキシドであるか、あるいはR3及びR4は、一緒に
    なって式:−(CR56a−Q−(CR78b−の基を形成し; R5、R6、R7及びR8のそれぞれは、独立に、H又はC1−C6アルキル、C6
    −C20アリール、C7−C20アリールアルキルであり; Qは、O、NR9又はSであり; R9は、H、アミン保護基、C1−C6アルキル、C6−C20アリール又はC7
    20アリールアルキルであり;そして a及びbのそれぞれは、独立に1〜4の整数である〕。
  20. 【請求項20】 Zが、請求項4に記載された群から選択される、請求項1
    9記載の方法。
  21. 【請求項21】 反応性種及び添加剤が、請求項5〜10のいずれかに記載
    された工程から選択される、請求項19又は20記載の方法。
  22. 【請求項22】 更に、該α−ハロエステルを生成させる工程を含むことを
    特徴とする、請求項13〜15のいずれか記載の方法であって、該α−ハロエス
    テル生成工程が、下記式: 【化7】 で示される(R)−β−ヒドロキシ化合物を、下記式: 【化8】 で示されるα−ハロ活性化カルボニル化合物と、塩基の存在下で接触させて、該
    α−ハロエステルを生成させることを特徴とする方法〔ここで、Xは、Br又は
    Clである〕。
  23. 【請求項23】 更に、下記式: 【化9】 で示されるβ−ケト化合物のエナンチオ選択的還元により、該(R)−β−ヒド
    ロキシ化合物をエナンチオ選択的に生成させる工程を含むことを特徴とする、請
    求項13〜16のいずれか記載の方法であって、該エナンチオ選択的還元が、キ
    ラル水素化触媒の存在下での該β−ケト化合物の水素化を含むことを特徴とする
    方法。
  24. 【請求項24】 該エナンチオ選択的還元が、少なくとも約90%のエナン
    チオマー過剰率で該β−ヒドロキシ化合物を生成させる、請求項23記載の方法
  25. 【請求項25】 該キラル水素化触媒が、請求項15〜18のいずれかに記
    載の化合物である、請求項23又は24記載の方法。
  26. 【請求項26】 (6R)−3−ヘキシル−4−ヒドロキシ−6−ウンデシ
    ル−5,6−ジヒドロピラン−2−オンの製造方法であって、 (a)下記式: 【化10】 で示されるβ−ケト化合物をエナンチオ選択的に還元して、下記式: 【化11】 で示される(R)−β−ヒドロキシ化合物を生成させること; (b)該(R)−β−ヒドロキシ化合物を下記式: 【化12】 で示されるα−ハロ活性化カルボニル化合物と、塩基の存在下で接触させて、下
    記式: 【化13】 で示されるα−ハロエステルを生成させること;及び (c)該α−ハロエステルを、グリニャール試薬、金属及びこれらの混合物よ
    りなる群から選択される反応性種生成試薬と接触させて、該(6R)−3−ヘキ
    シル−4−ヒドロキシ−6−ウンデシル−5,6−ジヒドロピラン−2−オンを
    生成させることを特徴とする方法〔ここで、 Zは、ニトリル又は式:−C(=O)Wの基であり; Wは、C1−C6アルコキシド、C6−C20アリールオキシド、C7−C20アリー
    ルアルコキシド、ハロゲン化物、C1−C6カルボキシラート又は式:−NR34 の基であり; R3及びR4のそれぞれは、独立に、C1−C6アルキル、C6−C20アリール、
    7−C20アリールアルキル、C1−C6アルコキシド、C6−C20アリールオキシ
    ド、C7−C20アリールアルコキシドであるか、あるいはR3及びR4は、一緒に
    なって式:−(CR56a−Q−(CR78b−の基を形成し; R5、R6、R7及びR8のそれぞれは、独立に、H又はC1−C6アルキル、C6
    −C20アリール、C7−C20アリールアルキルであり; Qは、O、NR9又はSであり; Xは、Br又はClであり; R9は、H、アミン保護基、C1−C6アルキル、C6−C20アリール又はC7
    20アリールアルキルであり;そして a及びbのそれぞれは、独立に1〜4の整数である〕。
  27. 【請求項27】 反応性種及び添加剤が、請求項5〜10のいずれかに記載
    の工程より選択される、請求項26記載の方法。
  28. 【請求項28】 該エナンチオ選択的還元が、キラル水素化触媒の存在下で
    の該β−ケト化合物の水素化を含むことを特徴とする、請求項26又は27記載
    の方法。
  29. 【請求項29】 該キラル水素化触媒が、請求項15〜18のいずれかに記
    載の化合物である、請求項26〜28のいずれか記載の方法。
  30. 【請求項30】 下記式: 【化14】 で示される化合物、又は下記式: 【化15】 で示されるその対応するエノラート 〔式中、 R1は、C1−C20アルキルであり; R2は、H又はC1−C10アルキルであり; Xは、ハライドであり;そして Zは、ニトリル、エステル、アミド、ヒドロキシアミノアミド、酸ハロゲン化
    物、無水物、カルボキシルカルボナート又はカルボキシルハロホルマートである
    〕。
  31. 【請求項31】 下記式: 【化16】 で示される請求項30記載の化合物、又は下記式: 【化17】 で示されるその対応するエノラート。
  32. 【請求項32】 Zが、エステルである、請求項31記載の化合物。
  33. 【請求項33】 Zが、式:−C(=O)OMe又は−C(=O)Ot−B
    uの基である、請求項32記載の化合物。
  34. 【請求項34】 下記式: 【化18】 で示されるβ−ケトエステルの製造方法であって、 (a)式:CH3C(=O)CH2C(=O)OR10のアセト酢酸アルキルを、
    マグネシウムアルコキシドと接触させて、該アセト酢酸アルキルのマグネシウム
    塩及び第1のアルコールを生成させて、該第1のアルコールの少なくとも一部を
    除去すること; (b)該アセト酢酸アルキルマグネシウム塩を、式:R1C(=O)Xのハロ
    ゲン化アルキルアシルと接触させて、式:R1C(=O)CH〔C(=O)CH3 〕C(=O)OR10のトリカルボニル化合物を生成させること;並びに (c)該トリカルボニル化合物を、第2のアルコールと接触させて、該β−ケ
    トエステルを生成させることを特徴とする方法〔ここで、Xは、ハライドであり
    ;R1は、C1−C20アルキルであり;そしてR10は、C1−C6アルキル、C6
    20アリール又はC7−C20アリールアルキルである〕。
  35. 【請求項35】 Xが、クロリドであり、R1が、ウンデシルであり、そし
    てR10が、メチルである、請求項34記載の方法。
  36. 【請求項36】 該マグネシウムアルコキシドが、マグネシウムメトキシド
    であり、そして該第1及び該第2のアルコールが、メタノールである、請求項3
    4又は35記載の方法。
  37. 【請求項37】 更に、 c)式(IA): 【化19】 で示される化合物の水素化により、式(VIII): 【化20】 で示される化合物を得る工程;続いて d)塩基性条件下での開環反応及びエナンチオマー分離により、式(IX): 【化21】 〔式中、X+は、カチオンを表し、そしてPGは、OH保護基を表す〕で示され
    る化合物を得る工程;続いて e)式(IX)の遊離酸の調製、環形成及びPG基の開裂により、式(X): 【化22】 で示される化合物を得る工程;続いて f)脱保護及びミツノブ条件下でのN−ホルミル−S−ロイシンとの反応によ
    り、式(XI): 【化23】 で示される化合物を得る工程 を含むことを特徴とする、請求項1〜35のいずれか1項記載の方法。
  38. 【請求項38】 R1が、C1123であり、そしてR2が、C613である、
    請求項37記載の方法。
  39. 【請求項39】 オーリスタットの製造のための、請求項1〜29及び34
    〜38のいずれか1項記載の方法の使用。
  40. 【請求項40】 請求項1〜29及び34〜38記載のいずれかの方法によ
    り製造される化合物。
  41. 【請求項41】 本明細書に定義される発明。
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