JP2003521394A - シート処理用印刷機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 少なくとも一つのフレキソあるいはオフセット印刷シリンダーと、シートを案内するための少なくと一つの供給爪を備えた少なくとも一つの圧着シリンダーとからなるシート処理用印刷機を提供する。 【解決手段】 シートの案内位置において、供給爪が圧着シリンダーの周表面によって定義される円筒によって完全に囲まれるよう構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

本発明は、少なくとも一つのフレキソあるいはオフセット印刷シリンダーと、少
なくとも一つのシート供給把持部を備えた少なくとも一つの対圧シリンダーとを
備えたシート処理印刷機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般的に、四種類の異なる印刷方法が知られている。第一に、非印刷部が窪ん
でおり、***した印刷体の印刷要素によって区別される凸版印刷方法が知られて
いる。印刷体の印刷要素と非印刷部とが（実際には）一つの平面上にある平版印
刷も知られている。印刷体の印刷要素が窪んでいるグラビア印刷方法は、新聞印
刷において特に広がっている。最後に、印刷される場所で、印刷体の網状孔を通
って印刷される材料上に色を移す、いわゆるスクリーン印刷方法あるいはシルク
スクリーン印刷方法も知られている。

【０００３】 凸版印刷方法は、凸版印刷に加えて、印刷体が可撓性であるいわゆるフレキソ
印刷あるいはアニリン印刷を含む。

【０００４】 現在では、従来のオフセット印刷は平版印刷分野に含まれる。適当な処理によ
って、印刷をする部分はオイルを引き付けるようにされており、すなわちインク
を満たされた時に（オイル状の）印刷インクを吸い上げ、一方、印刷をしない部
分は撥油性であり、すなわちインクをはじく。 シート供給印刷機あるいはシート印刷機の場合に、シートは個々にスタックから
取り出されて、搬送シリンダーによって印刷シリンダーに対向して位置している
圧着あるいは対圧シリンダーに搬送される。この処理中に、印刷シリンダーに既
に塗布された印刷インクをシートに転写する。

【０００５】 商業的に入手可能なシート供給フレキソ及びオフセット印刷機は、少なくとも
一つの軸方向に延びる窪み、いわゆる版据付溝を有する印刷シリンダーを有する
。可撓性印刷版が、版据付シリンダー内の２つの近接する溝間に据え付けられて
いる。

【０００６】 シートの搬送を可能にするため、対圧シリンダーは一般的に把持アームと把持
パッドとからなる把持部を有する。把持部はまた、圧着シリンダー内の窪みに配
置される。搬送とそれぞれ把持処理の間、搬送されるシートは、その面が把持パ
ッド上の対圧シリンダーに面するように位置している。把持アームは、把持パッ
ドから離れたシートの面上を押している。もし今、対圧シリンダーが回転すると
、シートは把持パッドと把持アームの間でシートを保持している把持部によって
搬送される。 シートの端部にできるだけ近接してシートに印刷をできるために、かつ、位置決
めの正確さを高めるために、可能であればシートが折れないように全ての従来の
シート供給オフセット印刷あるいはフレキソ印刷機で配慮がなされている。この
ため、対圧シリンダーから離れたシートの面上でシートを把持する把持アームが
対圧シリンダーの外周輪郭の外側に必ず位置するようにして、把持アームを対圧
シリンダー内の窪み上に突出させる。しかしながら、印刷シリンダーと対圧シリ
ンダーはお互いに直接に対向して位置しているので、結果的に把持部が必ず印刷
シリンダーの外周輪郭内に突出する。このことは、従来のフレキソあるいはオフ
セットシート印刷機においては不利な点ではない。なぜなら、導入において記述
したように、印刷シリンダーすなわち版据付シリンダーは、対圧シリンダーの外
形輪郭上に突出した把持部を挿入できる版据付溝の形態の窪みを有しているから
である。

【０００７】 シート供給印刷機とは反対に、リール供給印刷機は窪みのない印刷シリンダー
を備えている。リール供給印刷機の場合には個々のシートを保持する必要がない
ので、圧着シリンダーすなわち対圧シリンダー上の把持部を省くことができる。
結果的に、把持部の部品が対圧シリンダーの外周輪郭を超えて突出しないので、
版据付シリンダーに窪みがないことが不利にはならない。据付られた版の代わり
に、リール供給印刷機では円筒形を有するいわゆるスリーブが使われ、全体の印
刷シリンダーを取り巻いている。このようにして、例えば、リール上の紙に連続
的に印刷をできる。

【０００８】 しかしながら公知のシート供給オフセット及びフレキソ印刷機には不利な点が
ある。すなわち、一方で、可撓性の印刷版を版据付シリンダー上に個々に調整し
なければならず、また他方においては、停止位置において把持アームが対圧シリ
ンダーの外周輪郭を超えて突出しているので、公知のオフセット及びフレキソシ
ート印刷機の対圧シリンダーを他の印刷方法に使うことができず、そして印刷シ
リンダーは変更不能な窪みを備えていなければならない。しかしながら、例えば
、印刷シリンダーをインクに浸漬しそして過剰のインクを「拭い」去らなければ
ならないようなグラビア印刷では、このような窪みを容認することはできない。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】

従って、本発明の目的は、多目的に使用でき、調整が容易であり、製造が安価
なシート供給オフセット印刷あるいはフレキソ印刷機を提供することである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

この目的は、シート供給位置において対圧シリンダーの周表面によって描かれ
る円筒内に把持部を全体的に配置するという本発明によって解決される。

【００１１】 ここにおいて、対圧シリンダーの周表面とは、印刷シリンダーに対向して位置
する対圧シリンダーの実質的に表面の部分であると理解される。選択的に対圧シ
リンダーはより小さい半径の領域を備えていてもよく、この領域においては対圧
シリンダーの周表面はより小さい半径の円筒を描く。しかしながら、この場合に
は、印刷処理中にシートが位置する対圧シリンダー上の領域を意味する。

【００１２】 把持部は今や対圧シリンダーの輪郭内に配置されているので、つまり窪み上に
突出していないので、印刷シリンダー内の窪みあるいはそれぞれ版据付溝は、必
要であれば省くことができる。それゆえ、すでにリール供給印刷機において知ら
れているように、可撓性印刷版にかえてスリーブを使用することが可能である。
しかしながら、シートの搬送用に各シート間に把持アームが係入するように各シ
ート間に隙間を残す必要があるので、スリーブの外印刷表面全体を用いることは
できない。その結果、スリーブも非印刷領域を備えていなければならない。それ
ゆえ少なくともフレキソ印刷方法においては、スリーブは特別に製造されそして
シート印刷に使用されなければならない。

【００１３】 オフセット及びフレキソ法用の把持部のこの新規な配置は、付加的に、この対
圧シリンダーを例えばグラビア法のような他の印刷方法に用いることを可能にす
るという利点を有する。従って、例えば、シート供給機構に何ら変更を加えるこ
となく、フレキソシリンダーあるいはオフセット印刷シリンダーをグラビア印刷
シリンダーに容易に交換することができる。

【００１４】 本発明の対圧シリンダーをリール供給及びシート供給印刷機の両方に使用する
ことができる。加えて、必要であれば、シート供給印刷機をリール供給印刷機へ
の迅速に変更することおよびその反対も可能である。好ましくは、本発明の把持
部をリール供給印刷機に使う場合に、ウェブ上に印刷される領域を増やすために
、把持アームと組み合わすことができる装置によって、把持部を受けるための対
圧シリンダーの窪みを少なくとも部分的に閉じても良い。

【００１５】 把持部を半径方向に低く配置しているので、把持領域すなわちシートの端部領
域においてシートのわずかな量の折れ曲がりが必ずある。しかしながらこの折れ
曲がり部が位置合わせの正確さに予期せず悪影響を及ぼすことがない。さらに、
このように、印刷ができないシートの端部は必ず幾分拡大する。

【００１６】 本発明の配置のため、把持部によってなされる紙供給はいわゆる印刷領域すな
わちシートが印刷される領域よりもさらに半径方向内側である。印刷機を構成す
る時には、印刷領域とシート供給領域が同じ角速度で異なる回転速度を有するこ
とを考慮しなければならない。このため一般的に、シート供給用と印刷周用との
両方のために、二つの別個の駆動（例えば、ギア駆動）を備えていなければなら
ない。

【００１７】 シートの迅速かつ確実な把持のために、少なくとも把持アームが把持パッドに
対して相対的に移動可能なように把持部が把持アームと把持パッドからなるのが
有利である。把持アームは例えば、回転軸周りに回転可能なように配置されてい
てもよい。シートが把持パッドに位置するや否や、シートが把持パッドと把持ア
ーム間に留められるように把持アームが把持パッド上に揺動する。印刷シリンダ
ーと対圧シリンダーが同じ角速度で反対方向に回転すると、シートが印刷シリン
ダーと対圧シリンダーの間で把持部の補助で前進して、同時に印刷される。

【００１８】 この代わりに、特定の適用のために、把持アームを固定し、把持パッドを移動
可能に配置することが可能であることは明らかである。選択的に、シートを確実
に把持するために把持パッドと把持部が移動するのもまた有利である。

【００１９】 いくつかの適用のために、少なくとも一つのシリンダーをシートの経路上に配
置するのが有利である。このように、印刷版あるいはスリーブの交換を簡単に可
能にするために、印刷シリンダーに容易にアクセスができる。

【００２０】 選択的にインク供給装置を備えた少なくとも一つのフレキソ印刷シリンダーあ
るいはオフセット印刷シリンダーを、適当なインク供給装置を有するグラビア印
刷シリンダーと交換することができる実施態様が特に好ましい。適用に応じて印
刷機を必要に応じて転換することができる。従って、例えば、複数のフレキソ印
刷シリンダーあるいはオフセット印刷シリンダー、あるいはグラビア印刷シリン
ダーでさえも、対応する乾燥装置の背後に選択的に配置することができる。必要
に応じて、グラビア印刷シリンダーとフレキソ印刷シリンダーをいわゆるシート
供給混合型印刷機として組み合わせることが可能である。グラビア印刷の品質上
の利点を安価なフレキソあるいはオフセット印刷と組み合わせたシート供給混合
型印刷機は、本発明に基づいて容易に実施することが可能である。

【００２１】 特定の必要性のために、適用に応じて、シート供給位置において把持アームを
外輪郭の半径方向内側あるいは半径方向外側に配置するように把持部あるいはそ
れぞれ把持パッドを調整するのが有利である。このように、窪みあるいはそれぞ
れ版据付溝を備えた版据付シリンダーが印刷シリンダーとして使われる場合に、
把持領域内でシートが折れたり曲がったりしないように把持部を配置することが
できる。これは、かなり硬いシートを使用するときに特に有利である。この場合
に、紙供給の周速が印刷周の周速に一致するように、印刷機は好ましくは少なく
とも一つの調整可能な対圧シリンダーを備え、近接した搬送シリンダーとの隙間
が少なくともある限度内で変化可能である。

【００２２】

【発明の実施の形態】

好適実施例の記述及び関連する図面から、さらなる利点、特徴、及び適用の可
能性が明らかになるであろう。

【００２３】 図１において、圧着あるいは対圧シリンダーの外形を１の破線で示す。２の破
線は印刷シリンダの外周輪郭を示している.。供給されるシート３を把持パッド
４及び把持アーム５の間で示される位置に固定する。把持部、すなわち把持パッ
ド４と把持アーム５は、対圧シリンダーに接続されている。印刷シリンダー２と
対圧シリンダー１が矢印の方向に同じ周速で移動すると、シート３が印刷シリン
ダーと対圧シリンダーの間を移動して印刷される。把持アームが対圧シリンダー
の外周輪郭１の半径方向内側を通過するように配置されていることが明らかであ
る。このように、図において明らかな通り、シートは端部領域において必然的に
わずかに曲がりあるいは折れる。シートのこの最小の折れ曲がりが、フレキソ印
刷あるいはオフセット印刷において位置合わせ上の問題を生じないことは多数の
試験において示されている。

【００２４】 導入部で既に記述した通り、把持パッドを調整できるのは有利である。図２に
示された把持部のシート供給位置において、把持パッドは半径方向の外側を移動
する。この位置は、従来のシート供給印刷機における把持部の位置に実質的に対
応している。明らかなように、把持アームは対圧シリンダーの窪み上に突出して
いる。この位置では、印刷をできないシートの端部領域が最小である。

【００２５】 図１に示された位置と比較して、この位置ではシートがその端部領域で折れな
いという利点がある。しかしながら、把持部のこの設定は、対応する印刷シリン
ダーが例えば版据付溝６のような窪み６を有している時にのみ可能である。使用
される印刷シリンダーに従って、把持部の最適位置を調整によって常時設定でき
る。

【００２６】 本発明によれば、シート供給フレキソ印刷機及びシートオフセット印刷機の融
通性が極めて増加する。従って、例えば、全ての公知の印刷方法を一つの印刷機
に所望の通り組み合わせることができる。上述したように、特定の実施例では、
印刷機の遡及交換を有する。このように、必要な印刷によって、それぞれ個々の
印刷段階の構成要素において、印刷をグラビア印刷、フレキソ印刷あるいはオフ
セット印刷にするかの選択が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の把持部の配置を示している。

【図２】 把持部の他のシート供給位置を示している。

【符号の説明】

１ 耐圧シリンダー ２ フレキソ印刷又はオヤセット印刷シリンダー ３ シート ４，５ シート把持部（４ 把持パッド、５ 把持アーム）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＫ，ＤＭ ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ， ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，Ｋ Ｅ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ， ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，Ｒ Ｕ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ， ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 クレック，ヘルベルト，ケイ ドイツ連邦共和国、65385 リューデスハ イム アム ライン、アム エンゲルグラ ーベン、１ Ｆターム(参考） 2C020 AA05

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも一つのフレキソ印刷あるいはオフセット印刷シリ
   ンダー（２）と対圧シリンダー（１）を備えたシート処理印刷機であって、対圧
   シリンダー（２）が少なくとも一つのシート供給把持部（４、５）を備え、シー
   ト供給位置において、対圧シリンダー（１）の周表面によって描かれる円筒内に
   把持部（４、５）が全体的に配置されていることを特徴とするシート処理印刷機
   。
2. 【請求項２】 把持部（４、５）が把持アーム（５）と把持パッド（４）
   からなり、少なくとも把持アーム（５）が把持パッド（４）に関して移動可能で
   あることを特徴とする請求項１に記載の印刷機。
3. 【請求項３】 把持パッド（４）が対圧シリンダー（１）に関して移動可
   能であることを特徴とする請求項２に記載の印刷機。
4. 【請求項４】 少なくとも一つの印刷シリンダー（２）がシートの経路上に
   配置されていることを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載の印刷機。
5. 【請求項５】 少なくとも一つのフレキソ印刷シリンダーあるいはオフセ
   ット印刷シリンダー（２）がグラビア印刷シリンダー（２）と交換可能であるこ
   とを特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載の印刷機。
6. 【請求項６】 少なくとも一つのグラビア印刷シリンダー（２）があるこ
   とを特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載の印刷機。
7. 【請求項７】 把持部（４、５）のシート供給位置が調整可能であり、対
   圧シリンダー（１）の周によって描かれる円筒内に把持部の少なくとも一つのシ
   ート供給位置が全体的にあることを特徴とする請求項１乃至６のいずれかに記載
   の印刷機。
8. 【請求項８】 少なくとも一つのフレキソ印刷あるいはオフセット印刷シ
   リンダー（２）が版据付溝（６）を有していないことを特徴とする請求項１乃至
   ７のいずれかに記載の印刷機。
9. 【請求項９】 少なくとも一つのフレキソ印刷シリンダー（２）あるいは
   オフセット印刷シリンダーはスリーブを受けることが可能であることを特徴とす
   る請求項１乃至８のいずれかに記載の印刷機。
10. 【請求項１０】 選択的に、印刷シリンダー（２）を交換した後、印刷機
    がリールを供給可能であることを特徴とする請求項１乃至９のいずれかに記載の
    印刷機。
11. 【請求項１１】 別個の駆動システムが、シート供給用と印刷領域用に備
    えられていることを特徴とする請求項１乃至１０のいずれかに記載の印刷機。