JP2003521339A - 可変ピッチ長を有する材料の同時前進ウェブの位相を一致させるための位置整合システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本明細書には、目標ウェブに対する僅かながらも顕著なピッチ変動により特徴づけられるピッチ長で間隔を取られた事前印刷済オブジェクトを有する同時前進ウェブの位相及び位置を制御し、修正するために有用な位置整合システム及び方法を開示している。また、上記位置整合システムを利用して、目標ウェブと接合する前にウェブに先に含まれた事前印刷済オブジェクトを包含する使い捨て吸収性物品のような消費者製品も開示している。事前印刷済オブジェクトには事前印刷済、事前接着済、事前加工済、事前切断済、あるいは事前接着剤塗布済オブジェクト、又は使い捨て吸収性物品の各要素、あるいは上記位置整合システムとは制御がリンクされていない別の独立したプロセスで生産された位置整合マークを包含してよい。位置整合マークは、人間の目では可視であっても、通常不可視であってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 この出願は特に１９９８年１２月１９日に米国に出願された特許協力条約／米
国第９８／２７１３５号の一部継続出願である。

【０００２】 （技術分野） 本発明は、僅かながらも顕著な変動を有するピッチ長で連続的に間隔をとった
事前加工済要素を目標ウェブに搬送する材料の同時前進ウェブの位相を一致させ
るための位置整合システム及び方法に関する。さらに、本発明は、使い捨て吸収
性物品のような消費者製品に関し、本位置整合システムを利用することにより、
使い捨て吸収性物品の製造プロセスにおいて目標ウェブに位相を一致させる前に
、連続ウェブに含まれた要素又はマーク付けを包含する。

【０００３】 （発明の背景） おむつ及び生理用品などの使い捨て吸収性物品の製造において、連続して移動
するウェブを接合することが一般的な製造方法として行われている。これらのウ
ェブは、典型的に、本来の製品形態で変換ラインに供給され、他の材料との接合
前に特別な位置決めをする必要のない、プラスチックフィルム、不織布、弾性体
等がその代表的なものである。しかしながら、もし前述の材料が事前加工済材料
として変換ラインに供給されるなら、つまり、変換ライン以外で生産され、特定
吸収性物品の長さによって決められる名目ピッチでウェブの長さ方向に沿って、
連続的に間隔をとって使い捨て吸収性物品の各種要素を搬送するのであれば、使
い捨て吸収性物品の製造には利点があり得る。連続的に間隔をとった事前加工済
材料の要素間のピッチ長は僅かながらも顕著な変動範囲で変動させることができ
るので、あらゆる吸収性物品の製品要素を確実に位置決めできるように、事前加
工済材料を目標ウェブと接合して最終物品、又は製品とする前に、連続的に間隔
をとった事前加工済材料を目標ウェブ上の任意の位置に位相を一致させる、ある
いは位置整合するための方法が要望されている。

【０００４】 事前加工済要素は、顧客からより広く受け入れられるように外側の外観を良く
するため、おむつなどの使い捨て物品と関連して好ましく使用される、事前印刷
済の位置整合したグラフィックデザインあるいは文字を包含してよい。位置整合
済図柄を事前印刷したウェブを位置決めすることが、例えば、誤った位置でカッ
トすることなく大型の図柄を提供するためには望ましいが、オムツ製品の残り部
分との関係で適切に配置することは典型的な問題であった。これは望ましい美的
な外観のためだけでなく、例えば子供達が動物が寸断されている（例えば、頭が
切り取られている）絵柄を見ることで不安になる可能性があるため、重要である
。 さらに、使い捨て吸収性物品用のバックシート材料として特に有用な通気性の
あるポリマーフィルムは、一般的に多色の高解像度グラフィックスを適用するの
に適した良好な表面特性を有しているが、このようなフィルムは特に機械方向に
おいて熱収縮性を示し、機械的に不安定になる傾向がある。このような不安定性
のため、図柄が製品ウェブに正しく配置される、あるいは位相を一致させるよう
に、事前印刷済ポリマーウェブを製品ウェブ上に正確に位置決めすることは困難
である。

【０００５】 このような構成要素を所望の関係に接合するために各種の方法及び装置が過去
に使用されてきた。例えば、従来の「個別位相合わせ」操作では、修正信号に反
応して機械のタイミング位置を調整することによって、製品を印刷済図柄周囲に
構築する。しかしながら、機械がただ１つのウェブ上の図柄に対して反応して移
動するのみであるため、プロセスで２つ以上のウェブに事前印刷しておく（ある
いはその他の位相合わせ済のオブジェクト）必要がある場合には、この方法は作
業に使用できない。国際公開番号ＷＯ９６／２９９６６を参照されたい。 「不連続ウェブの配置」操作において、図柄印刷済ウェブはセグメントに区切
られたり、切り取られる。次に各セグメントは目標ウェブ上あるいは製品上の任
意の位置に配置される。しかしながら、これは目標ウェブ上の図柄のセンタリン
グを行うものではなく、さらには、製品全体の形状を制限するものである。切り
取られたセグメントの長さは製品の長さより小さくなければならないが、例えば
、オムツのウエスト部分で、製品が切り取られたセグメントよりも長い領域で漏
れの生じる可能性がある。

【０００６】 位置整合用の他の制御システム及び装置も説明されている。国際公開番号ＷＯ
９７／２４０９４及びＷＯ９７／２４２８３を参照されたい。しかしながら、位
置整合用の既存システムあるいは装置はいずれも固有の顕著な材料不安定性が存
在するシステムには注意が向けられておらず、事前印刷済図柄のピッチ長が均一
にならないシステム、特に事前印刷ピッチ長が生産対象の製品のピッチ長より長
い場合には、注意が向けられていない。同様に、米国特許番号第５，７６６，３
８９号に開示されている制御システムなどは固定目標ピッチを必要とする。実際
には、目標ピッチは位置整合済印刷の不安定性と同じ不安定性が生じる。 前述の内容に基づき、少なくとも一つのウェブが連続的に間隔をおいた事前加
工済オブジェクト（例えば位置整合済図柄）で、他のウェブ（例えば、おむつ製
品ウェブ）は連続して間隔をとった目標オブジェクト（例えば、吸収剤コア）を
含む、可変ピッチ長を有する同時前進ウェブの位相を合わせるための位置整合シ
ステムに対するニーズがある。さらに、そのようなウェブに固有に存在し、そし
て僅かながらも顕著な変動がそこから現れてウェブの接合を困難にする、材料特
有の不安定性を完全なものにすることのできる位置整合制御システムに対するニ
ーズもある。さらには、生産対象の製品のピッチ長よりも長い、あるいは短いピ
ッチを有する供給ウェブの位置整合が可能なシステムに対する必要性もある。既
存システムはいずれも本発明の長所及び利点のすべてを提供しない。

【０００７】 （発明の概要） 本発明は、可変ピッチ長を有する材料のウェブを同時に前進させて位相を一致
させるための位置整合システムに向けられ：（ａ）連続的に間隔をおかれた目標
オブジェクトを含む連続した目標ウェブ、この目標ウェブは連続する目標オブジ
ェクト間で目標ウェブピッチ長を有しているのであるが、を第１速度でパスに沿
って供給する手段；（ｂ）連続的に間隔を置いて配置された事前印刷済オブジェ
クトで事前印刷された材料の連続する被制御ウェブ、この事前印刷されたウェブ
は連続する事前印刷済オブジェクト間で被制御ウェブピッチ長を有しているので
あるが、を第２速度でパスに沿って搬送する手段；（ｃ）被制御ウェブピッチ長
が概ね目標ウェブピッチ長と等しくなるように、被制御ウェブピッチ長を調整す
る手段；（ｄ）被制御ウェブの事前印刷済オブジェクトを検知するための検知手
段；（ｅ）被制御ウェブの事前印刷済オブジェクトの検知に基づいてエラー信号
を発生する手段；（ｆ）事前印刷済オブジェクトが目標ウェブ上の目標オブジェ
クト方向にシフトするように、第２速度を調整する手段、を含む。

【０００８】 本発明のこれらの及び他の特徴、観点、及び利点は、本開示を読むことにより
当業者にとって明白となるであろう。 本明細書中において、請求項は本発明を詳細に指摘し明確に請求するものであ
るが、本発明は同一の参照番号が実質的に同一の構成部品を定義している添付図
面とともに好ましい実施形態の記載から更によくに理解されるものと考えられる
。 本明細書の引例はすべてその全体を参照として組み込まれる。いかなる引例の
引用も、特許請求した発明の従来技術としての有用性についての限定に関する容
認ではない。 本明細書で使用する時、以下の用語は以下のように定義される。 「機械方向」あるいは「ＭＤ」は製造ラインに沿った製品の移動方向を指す。
機械方向は図１及び図５に「ＭＤ」と書かれた矢印で示されている。 「位相」とは、回転角度として表されるオブジェクトの機械方向位置を指す。
例えば、図１には平らで、未縮小のおむつ２０に対する０°から３６０°までの
位相表示が示されている。オブジェクトの位相位置はオブジェクトのいずれの識
別可能な特徴として説明することができる。図１において、Ｘ°は図柄２２の例
示的な任意の位相位置を表す。

【０００９】 「製品ピッチ長」とは、製造中の製品の全長に渡る、弛緩時の材料の長さを指
す。典型的なおむつ製品の製品ピッチは図２Ｂに「ＰＰ」として示されている。 「位置整合プロセス」とは、位相された特徴を有する２つ以上の連続ウェブが
正しい位相関係で相互に接合されていることを指す。 「位置整合済図柄」とは、弛緩時に指定ピッチ長に近いウェブ上に印刷された
単色のあるいは多色の図柄を指す。本発明の位置整合システムでは、納品される
製品の意図した製品ピッチ長から僅かながらも顕著な変動が許容される。 「目標ウェブ」あるいは「独立ウェブ」とは、生産対象の製品を表す主ウェブ
である。この目標ウェブは、目標オブジェクト用の参考となる吸収剤コアの先端
を有するおむつの基材であってよい。この参考の目標オブジェクトは僅かながら
も顕著な変動で間隔をとったものであってよいと予想される。本発明の典型的な
使用においては、参考として製品ごとに任意で一度「ストロボ」が使用される。
ストロボ位置の参考目標オブジェクトの通過に関連した僅かながらも顕著な変動
が予想される。 「目標オブジェクト」とは、被制御ウェブ上に事前印刷済オブジェクトを揃え
る予定の目標ウェブ上の位置を指す。整列は容易に認識可能な特徴、つまり「目
標オブジェクト」から多少の標準オフセットで発生してよいことに注意されたい
。

【００１０】 「目標ウェブピッチ長」とは、目標ウェブ上の連続して間隔を取った目標オブ
ジェクト間の名目反復長を指す。目標ウェブピッチ長は、本発明の位置整合シス
テムの使用中、例えば連続する各目標オブジェクト間で±２％の僅かながらも顕
著な変動を含んでよい。 「被制御ウェブ」あるいは「***作ウェブ」とは、目標オブジェクトに事前印
刷済オブジェクトを揃えるために必要に応じて操作（拡張あるいは収縮）された
事前印刷済ウェブを指す。被制御ウェブはおむつのバックシートとして、あるい
はその一部としての使用に適したミクロ孔質のフィルムを含むのが好ましい。 「事前印刷済オブジェクト」とは、変換ライン外で、あるいは位置整合プロセ
スに制御リンクされていない個別のプロセスの変換ライン上で生産され連続して
間隔を取っているが、統計的に管理可能でない被制御ウェブ上の位置に配置され
た、事前加工済オブジェクトを指す。本明細書において「事前印刷済オブジェク
ト」という用語は、使い捨て吸収性物品の、事前印刷済、事前接着済、事前加工
済、事前切断済、事前接着剤塗布済オブジェクト、あるいはその他のオブジェク
ト又は要素、あるいはオブジェクトの集合（例えば、図８の図柄１２２）を指し
てもよい。さらに、「事前印刷済オブジェクト」という用語は、位置整合プロセ
スで使用される位置整合マークも指す。位置整合マークは、人間の目では可視で
あっても、通常不可視であってもよい。不可視マークは人間の目では事前印刷済
オブジェクトの色及び支持ウェブを区別することができない。

【００１１】 「被制御ウェブピッチ」とは、被制御ウェブ上の連続して間隔をとった事前印
刷済オブジェクト相互間の反復長を指す。目標ウェブピッチ長と同様に、被制御
ウェブピッチ長も、本発明の位置整合システムの使用中、僅かながらも顕著な変
動を含んでよい。 本発明の一つの実施形態は、同時に前進する連続目標ウェブ及び被制御ウェブ
を位相させるための位置整合プロセスに向けられており、この目標ウェブは目標
オブジェクトを含み、被制御ウェブは事前印刷済オブジェクトを含み、この間、
すべての生産中の連続ウェブが（事前印刷済図柄などの）主要オブジェクトの間
隔をとる際に僅かながらも顕著な変動に対応する。例えば、このような変動は、
（機械の変動のため）事前印刷中に一定のウェブ張力を維持し、（ロールのウェ
ブ層間の固有張力差のため）その後ロール状にすることが実際上困難であるため
、又例えば保管中機械的に不安定なミクロ孔質ポリマーフィルムに影響する気象
条件などのために、発生する可能性がある。

【００１２】 ウェブパスに沿って適用された引張力で伸張することができるその他のポリマ
ーフィルム、不織布、又は織布ウェブ等はすべて本明細書における被制御ウェブ
として有用であることに注意されたい。また、本明細書に含まれる実施形態は、
おむつ変換ライン、つまり、おむつのコア（目標オブジェクト）に位相した事前
印刷済オブジェクトの位置整合との関連で最初に説明されているが、本明細書の
位置整合プロセスがいずれの用途においても同時に供給される複数のウェブを位
相するために使用可能であることが当業者には理解されるであろう。 従来のユニット操作位置整合プロセスにおいては、単一位相ウェブのみの位置
を考慮しなければならない。ユニット操作の位相は必要に応じて前進あるいは遅
延させ、ユニット操作の機能を単一位相ウェブとの関係で正しい位相に配置され
る。しかしながら、目標オブジェクト及び事前印刷済オブジェクトの事前印刷済
ピッチ長が同一であることはほとんどないため、このようなシステムは２つ以上
の供給ウェブを正しい位相で接合するためには使用することができない。

【００１３】 ２つ以上のウェブそれぞれに存在する位相したオブジェクトを予定した関係で
接合しなければならない場合は、通常生産対象の製品、例えばオムツ基材アセン
ブリである、目標ウェブの位相位置に関する情報をウェブ処理プロセスに提供し
なければならない。さらに、目標ウェブと接合される、到来する被制御ウェブそ
れぞれに、位相したオブジェクト（例えば、ポリマーバックシート又は不織布ト
ップシートなどの、事前印刷済図柄あるいは位置整合マーク等の事前印刷済オブ
ジェクト）の位置も提供しなければならない。前述のごとく、目標ウェブピッチ
長と被制御ウェブのピッチ長が同一であることは殆どない。当業者は到来する供
給ウェブを目標ウェブ又は被制御ウェブとして指定し、そのように処理してもよ
いことを理解する。 本発明の連続位置整合システムは、上記の異なる位相位置を有する２つ又はそ
れ以上の到来ウェブを正しく接合するため同時に２つの機能を実行する。まず、
被制御ウェブ上の事前印刷済ピッチ長、又は連続して事前印刷した図柄の間隔の
連続修正を行い、目標ウェブのピッチ長と一致させる。次に、適切な位置に接合
されるように、例えば図柄２２がおむつ２０の所望の位置に正しく配置されるよ
うに、例えば図１、図７又は図８に示されているような十分な位置に連続して２
つのウェブの位相位置を連続して同期させる。

【００１４】 一つの実施形態において、目標ウェブは、一般的にバックシートウェブを付着
する前に、連続したコア及びトップシートアセンブリを含むおむつ基材自体の一
部を含む。目標ウェブは図２Ａ及び図２Ｂに目標ウェブ４０として表されている
。目標ウェブ４０は、連続的ではあるが等距離ではない目標ウェブピッチ長「Ｌ
ｔｐ」の間隔をとった目標オブジェクト４２を含む。目標オブジェクト４２は使
い捨ておむつ基材の吸収剤コアであってよい。Ｌｔｐはおむつ製品の製品ピッチ
長ＰＰと同一である必要はない。事実、目標ウェブ４０は保管及び輸送時の気象
条件、熱誘導クリープ等により、連続的な製品ピッチ長ＰＰにおいて僅かながら
も顕著な変動がある。また、被制御ウェブ３０のピッチ長ＬｐｐはＬｔｐよりも
長くても短くてもよい。 目標オブジェクト位置は直接感知しても、又は電子ストロボを使用して推測し
てもよいことに注意されたい。本発明の一つの実施形態では電子ストロボを使用
する。この信号はマシンサイクルごとにマシンサイクルの同じ位置で発生する。
例えば、マシンサイクルが１０００カウントで表される場合、ストロボは５００
から６００までを「オン」に、サイクルの残りを「オフ」に自由に設定してよい
。「オフ」と「オン」との間の先端の推移により、図柄が位置整合される機械時
間固定位置がマーク付けされる。システムを最初に起動する際に、オペレータは
実際のストロボ光を使用して被制御ウェブの図柄の位置を検証しながら、「前進
／後退」ボタンを使用してオフセット値を入力する。オフセット値が設定される
と、位置整合システムは被制御ウェブ図柄をマシンサイクル内の同じポイントに
的を絞る。

【００１５】 再び図２Ａにおいて、被制御ウェブ３０は連続したフィルム材料、例えば、お
むつのバックシートの一部として使用される通気性のあるミクロ孔質ポリマーフ
ィルムを含んでよい。被制御ウェブ３０は、一定の被制御ウェブピッチ長である
「Ｌｐｐ」にて連続的ではあるが等間隔ではなく印刷された事前印刷済オブジェ
クト２２を有する。Ｌｐｐは、気象条件、熱誘導クリープ等のため発生する、製
品ピッチ長であるＰＰ及び目標ウェブのピッチ長であるＬｔｐのいずれでもない
、非可変の長さ（両長さよりも長い、又は短い）である。例示的なＬｐｐが図２
Ａに示されている。事前印刷済オブジェクト２２は、典型的にはおむつの着用者
の介護者、あるいは実際の着用者である顧客の気を引くカラフルで、高解像度の
デザインの位置整合図柄であってよい。 前述の如く、ほとんどの場合ＬｔｐはＬｐｐと等しくなく、実際的には正確に
一致させられる可能性は非常に低い。この差は、被制御ウェブ３０及び目標ウェ
ブ４０の位相を適切に一致させることが困難であることが主な原因である。図２
Ａに最も明確に示されているように、通常ピッチ差分Ｃ（例えば、ＬｔｐからＬ
ｐｐを減算した差分）が存在し、製品の適切な位相一致を確保するためにはそれ
を修正しなければならない。ＬｔｐとＬｐｐに付随するピッチ差分Ｃは典型的に
は後続の目標オブジェクト４２ごとに蓄積されるため、一般的に通常より大きな
修正量が必要となることに注意されたい。ピッチ差分の誤差蓄積量は図２Ａでは
Ｃ、Ｃ２、Ｃ３、Ｃ４として表されている。

【００１６】 本発明の位置整合システムに付随するピッチ差分Ｃ、Ｃ２等の修正は、実際に
は製品の機能面からは不要である可能性があるが、生産するおむつ製品が顧客に
受け入れられるためには非常に重要である。また、例えば、動物の頭が切り取ら
れていたりして図柄等が適切に位相一致されていないような本明細書の使い捨て
物品を着用する子供は不快感を覚える可能性がある。 図３は、本発明のミクロ孔質ポリマーフィルム固有の熱不安定性によって発生
する被制御ウェブピッチ長Ｌｐｐの不安定性を示している。このような熱不安定
性はミクロ孔質フィルムの差分収縮を招き、その結果Ｌｐｐの顕著な変動が発生
する。図３において、位置整合済図柄を事前印刷済のミクロ孔質ポリマーフィル
ムの巻ロール（つまり、連続した被制御ウェブ３０）はＸ軸で表されている。ロ
ールの開始は軸の原点で示され、Ｘ軸上の右への移動はロールの芯方向への移動
を示し、これはロールの巻き戻しに相応する。 Ｙ軸には、事前印刷済のピッチ長のＬｐｐがミリ単位で示されている。同一材
料のウェブのさまざまな場所における事前印刷済ピッチ長Ｌｐｐの差は最大で１
０ｍｍであることが明らかである。

【００１７】 このように、本発明の位置整合システムは目標ウェブ４０と被制御ウェブ３０
の接合に伴なう位相合わせの問題を克服するよう設計されている。ここで、Ｌｔ
ｐはＬｐｐとは等しくなく、Ｌｐｐは固有に可変であり、両ウェブが接合操作に
同時に且つ連続して供給される。該プロセスは、目標ウェブ４０のピッチ長と一
致させる、あるいはより近づけるように供給するための、被制御ウェブ３０のピ
ッチ長をその場で調整する機能を備える。さらに、本発明のシステムは、ミクロ
孔質ポリマーフィルムのウェブの繊細な性質を損ねることのないよう、緩やかに
、急激にではなく、徐々にこのような修正を行う。あるいは、より強度の高い従
来のウェブを使用する場合は、該システムは、ミクロ孔質ポリマーフィルムでは
受け入れられないより迅速で急激な調整を行う能力を備える。 以下にさらに詳細に説明するように、これはウェブ張力過渡性を使用して、被
制御ウェブ３０上の事前印刷済オブジェクトの事前印刷済ピッチ長のＬＰＰを変
更することによって達成される。ウェブの張力が変化すると、ウェブのピッチ長
に変化が生じる。このため、さらなる張力により被制御ウェブ３０の材料が伸張
され、ピッチ長Ｌｐｐが増加する。張力が弱まると、被制御ウェブ３０が緩み、
ピッチ長Ｌｐｐは減少する。被制御ウェブ３０の制御が喪失するため、被制御ウ
ェブ３０の絶対張力は張力ゼロに近づけるべきではない。逆に、ウェブは多少プ
ロセスに合わせて計量してよく、これによってもウェブの張力レベルが変更され
る。

【００１８】 本発明のシステムは、このように低張力過渡性を導入しており、その場での修
正を行う。これにより、本明細書における使い捨て吸収性物品にとって有用な、
繊細で機械的に不安定なポリマーフィルムの一体性が維持される。これは又、各
到来ウェブ上のオブジェクトの関係をウェブ処理プロセスで検出するには小さす
ぎる単位での修正も行う。つまり、ウェブ処理プロセスの緊急停止機能を起動す
るほど大きな量の誤差が生じる可能性はほとんどないということである。また、
各製品上の図柄の位置に著しい差のない連続した製品の生産を可能にする。 本明細書においては、このような僅かなその場での過渡性を生み出すあらゆる
制御アルゴリズムが有用である。制御システムは到来ウェブ処理の制御において
干渉するタイムリーな方法で僅かな過渡的修正を行い、目標オブジェクトと事前
印刷済オブジェクト間の不一致が、顧客が受け入れ可能と認識する領域からはみ
出すことを防止する。本明細書の例示的な制御アルゴリズムは、手動制御、統計
的プロセス制御に基づいた制御アルゴリズム、あるいはＰＩＤ制御システムを包
含する。

【００１９】 移動平均などの過去の履歴の統計的分析に依存する制御システムは、移動中の
被制御ウェブ３０上の図柄の位置に見られる顕著な変動の先手を取るにはあまり
に反応が遅すぎると考えられている。図柄を配置付けるための複数のドライブを
制御する複雑さを回避するため、本明細書の好ましい実施形態では、ユーザー設
定のオフセットを備えたコンバータマシンの固定位置と感知したマークとの間の
ストロボ距離を極力小さくするために必要な被制御ウェブ３０の送り速度を制御
するＰＩＤ制御アルゴリズムである。被制御ウェブ３０の感知されたマーク間の
距離（Ｌｐｐ）が目標ピッチ長Ｌｔｐよりも長ければ、さらにウェブ３０をプロ
セスに供給し、ウェブ張力を減らし、図柄間の間隔を短縮することができる。逆
に、被制御ウェブ３０上で感知したマーク間のスベースが狭すぎる場合は、ウェ
ブの供給が減らされ、ウェブ張力が上げられ、マーク間の間隔が広がる。このよ
うにして、ウェブのピッチが製品のピッチに近づけられるだけでなく、図柄の位
置が目標位置に近づけられる。

【００２０】 被制御ウェブ上の事前印刷済オブジェクトの位置を決定するために、各種の検
出器／スキャナーを使用してよい。例えば、到来被制御ウェブ３０のカラー図柄
の位置を決定するには、各種の印刷色を経由してウェブを通過する光の差を検出
するセンサーが選択される。目標ウェブオブジェクトの色、目標オブジェクトの
同色の他のオブジェクトとの相対位置、及び目標オブジェクトのサイズが組み合
され、マシンサイクル毎に一度ストロボ処理するクリーンな信号を発生するため
の手段が作られる。 事前印刷済オブジェクトの位置を設定するための代替手段には、１）プロセス
から後で削除されるウェブの一部の可視タイミングマークの感知、２）最終的な
物品あるいは製品の一部として残っても、あるいは残らなくてもよい、通常人間
の目には不可視な位置整合マークの感知、又は３）光の拡散の認識パターンを探
索するグリッド配置センサーの使用、が包含される。

【００２１】 不可視事前印刷済オブジェクトは例えば、蛍光を発することができれば検出可
能である。蛍光性は光がフルオロフォアと呼ばれる物質に１つの波長で吸収され
、それより長い波長で再放射されるプロセスである。波動放射事前印刷済オブジ
ェクトの検出にはあらゆる波長の電磁波を使用してよいが、使い捨て吸収性物品
上の不可視マークを検出するための好ましい波長スペクトルは、約７００ナノメ
ーターから約２，５００ナノメーターまでの波長を包含する電磁スペクトルの赤
外線（ＩＲ）領域であり、さらに好ましい波長スペクトラムは、一般的に約７０
０ナノメーターから１，１００ナノメーターまでの波長を包含する近赤外線領域
（ＮＩＲ）である。不可視マークを検出するために使用してよいもう一つの不可
視波長スペクトルは、約１ナノメーターから約４００ナノメーターまでの波長を
包含する紫外線（ＵＶ）領域である。（電磁スペクトルの可視領域はＩＲ領域と
ＵＶ領域との間にあり、約４００ナノメーターから約７００ナノメーターまでの
波長を包含する。）ＮＩＲマークはＵＶ波よりも長い蛍光を放ち、そのため顧客
に可視となり、家庭用照明の一定条件下で蛍光を発する、つまり、「暗所で光る
」ため、場合によっては、ＮＩＲマークがＵＶマークよりも好ましい。ＮＩＲマ
ークには、１９８５年９月１０日にアシテリ（Acitelli）らに発行された「物品
識別材料及びそれを使用するための方法ならびに装置（Article Identification
Material and Method and Apparatus For Using It）」と題する米国特許番号
第４，５４０，５９５号、及び１９９７年９月９日にエスカノ（Escano）らに発
行された「物品のマーク付け及び近赤外線フルオロフォアを含む水性インクの検
出方法（Method For Making Articles With And Detecting Water Based Inks C
ontaining Near Infrared Fluorophores）」と題する米国特許番号第５，６６５
，１５１号に記載のインクのように、主に電磁スペクトルのＮＩＲ領域で蛍光を
発する特定物質を含むインクを包含してよい。ＮＩＲマークは、例えばフロリダ
州タンパのトリトロニクス（登録商標）カンパニー・インコーポレーテッド（TR
I-TRONICS Co.,Inc.）製造のスマートアイ（登録商標）ステルス（STEALTH）セ
ンサーを使用して検出してもよい。

【００２２】 図６に示されているＰＩＤ制御システムは各製品ごとに一度観測される誤差距
離を最小にするように作動する。比例利得（Ｋｐ）７１は、誤差の大きさに比例
した被制御ウェブ供給ドライブに修正信号を送る。積分利得係数（Ｋｉ）７４は
純粋に比例制御に典型的な定常状態オフセットを取り除くために設定される。微
分利得係数も使用してよいが、これをゼロに等しく設定することによって最高の
結果が得られると考えられる。図６において誤差信号は典型的に製品の生産速度
に対して「歯車比」で動作中の供給ドライブの操作を調整する。速度及び位置は
変動するにもかかわらず、平均して一つの事前印刷済オブジェクトを目標製品ご
とに処理しなければならない。

【００２３】 本発明の位置整合システムは好ましくは、被制御ウェブ３０の張力を連続的に
調整することによって、被制御ウェブ３０のピッチＬｐｐを調整する。Ｌｐｐは
、本明細書において「接合時の長さ」を指す「Ｌｃ」に調整される。ＬｃはＬｔ
ｐに等しいか、概ね等しい。つまり、事前印刷済オブジェクト、例えば図柄２２
を製品と正しい位相関係で配置できるように、被制御ウェブ３０のピッチ長は目
標ウェブ４０のピッチ長と概ね等しく製造されている。この張力は、次の等式に
従って被制御ウェブ３０のウェブ弾性率Ｅｗを介して作用する： Ｌｃ＝（１＋ε）ｘＬｐｐ＝（１＋Ｔ／Ｅｗ）ｘＬｐｐ 式中、 ε＝ひずみ； Ｔ＝被制御ウェブの張力；及び Ｅｗ＝被制御ウェブの弾性率、である。

【００２４】 上記の等式は接合対象のすべてのウェブに対して機能する。そのため、２つの
ウェブの場合は次のようになる。 Ｌｃ１＝（１＋Ｔ１／Ｅｗ１）ｘＬｐｐ１ 及び Ｌｃ２＝（１＋Ｔ２／Ｅｗ２）ｘＬｐｐ２ 前述のように、定常状態条件下での位置整合接合点では、ＬｔｐはＬｃと等し
い。このように、該等式により導かれた時点で接合された弛緩長の割合は次のよ
うになる。 Ｌｃ１／Ｌｃ２＝（１＋Ｔ２／Ｅｗ２）／（１＋Ｔ１／Ｅｗ１） 張力変数Ｔ並び弾性率変数Ｅｗはそれぞれ変動幅があり、Ｌｃ値の割合は常に
単一の値から幾分変動し得る。本明細書においてはＬｃ割合と単一値間の差は「
パカリング」と称する。 パカリング％＝（Ｌｃ１／Ｌｃ２−１）ｘ１００

【００２５】 パカリング値は、どのウェブが最小の弛緩長を有するにかよって正又は負の値
を想定することができる。完成品が切断分離された後、接合されたウェブは最小
の弛緩長の到来ウェブの長さに引張られる。これにより、他方のウェブに「皺」
が発生する。一定の許容度レベルより上では、パカリングは製品の外観に対して
顕著な影響を生じる。図柄を事前印刷済の不織布及びポリマーフィルムから成形
されたおむつバックシートでは、一般的に約±２％までのパカリングレベルであ
れば、気付くものの製品の外観を変形しているとは認められない。 あるいは、異なるパカリングレベルを意図的に創造することもできる。又はパ
カリングを所望に制御して異なる感触の材料を創造してもよい。±２％以下であ
っても、パカリングを制御し、本発明による製品上に配置して製品の外観への影
響を最小限に留めることができることに注意されたい。それには、顧客から最も
遠い位置になる積層材料を余分に供給し、引張り戻して、顧客からパカリングを
隠す。

【００２６】 本発明は均一でないピッチ長を有し、機械の製品ピッチ長よりも長い又は短い
ピッチ長にすることのできる被制御ウェブの位置整合する機能を有する。生産対
象の製品よりも長いピッチ長の材料を位置整合する機能によって、このような製
品の設計者は製品の表面材質を独自仕様で製造することができる。これは、図４
Ａ及び図４Ｂに示されており、ニップ点を通過することによって２つの材料が積
層される。完成品のピッチよりも長い材料は他の材料によって引張り戻される。
顧客の目から最も遠い位置にある積層体の層を引張り戻される材料にすることに
よって、位置整合プロセスの完成品の材質への影響が緩和される。 図４Ａにおいて、おむつのバックシートの一部を形成する不織布ウエブ３２の
ピッチ長（Ｌｔｐ）はポリマーフィルム（被制御ウェブ）３０のピッチ長（Ｌｐ
ｐ）よりも長い。この場合、連続したおむつ製品を分離する最終切断の後、ポリ
マーフィルムは不織布材を引張り戻す。これにより、顧客が見て感じることので
きる積層体に露出した表面上に粗い材質が作られる。

【００２７】 図４Ｂは、不織布材ウェブ３２のピッチ長（Ｌｔｐ）よりも長いポリマーフィ
ルム（被制御ウェブ）３０のピッチ長（Ｌｐｐ）の表面材質への影響を示す。こ
の場合、不織布材は最終切断後ポリマーフィルム材を引張り戻す。こうして、不
揃いの接合の影響は製品の内部で顕在し、顧客の目からは隠される。このため、
顧客が粗い材質を見たり感じたりすることのないように、ポリマーフィルム材の
被制御ウェブを余分に供給することが一般的に好ましい。 不織布材３２は、可変ピッチ長の位相処理済オブジェクトを有する独立したウ
ェブとしてシステムに供給してよい。この場合、不織布ウェブ及び好ましくは被
制御ウェブは本明細書に説明されているように位相され、接合される。次に、本
明細書に記載されているように接合された積層材は目標ウェブ（おむつ製品ウェ
ブ）と位相一致され、接合される。

【００２８】 最高で約±２％のパカリング許容レベルが受け入れられると想定して、位置整
合済図柄に対して使用可能な調整速度は限定される。図柄位置の妥当な許容量が
得られるように位置整合印刷を設計することが重要である。図柄位置許容範囲は
ウェブの重ね合わせの際に典型的に見られるウェブとウェブ間の位置ずれよりも
大きいか、等しくすべきである。つまり、事前印刷済ウェブの前のロールがプロ
セスで消費された時点で後のロールがウェブ接合プロセスに供給されるというこ
とである。ロールとロールとの間の誤差には差異があり、一般的に単一ロール内
での通常の変動よりも大きい。そのため、ランダムな重ね合わせを使用した場合
、最高で１８０度（全長の半分）の位相修正が必要となり得る。このような時に
は、生産されたすべての製品を破棄することが必要となるであろう。本発明の重
ね合わせ許容範囲は、事前印刷済オブジェクト位置の許容範囲に呼応して制御さ
れ、重ね合わせ時の不合格品を理想的にゼロにまで削減する（重ね合わせテープ
自体の不合格を除く）。

【００２９】 バックシート、つまり被制御ウェブ３０に使用される原材料の選択は、製品の
形状及び本発明の位置整合システムの両方によって制約される。位置整合済図柄
に固有であってよい主要な要素は製品の機能性のニーズにより影響を受ける。お
むつのバックシートにとって好ましい材料は、通気性のあるミクロ孔質ポリマー
フィルムである。好ましいミクロ孔質ポリマーフィルムは、ポリエチレン及び炭
酸カルシウム、そして白さが顧客に広く受け入れられるために必要なフィルムの
特性であるので、フィルムの白い外観を増強する必要のある場合は、二酸化チタ
ンとの混合物から成形される。より好ましくは、ミクロ孔質ポリマーフィルムは
その上に高解像度のカラー図柄の印刷に対応するために高い熱安定特性を有する
。好ましくはフィルムは最大で±１％の反復ピッチ変動、つまり、不一致を満た
すが、より典型的には±２％がより多く見られる。約０．９７から約１．０１５
までの範囲のパカリング割合が、このシステムを使用して正常に提供可能であり
、より広い範囲の事前印刷済ピッチ長変動のフィルムも扱うことを可能にすると
考えられている。

【００３０】 本発明の位置整合システムを用いて良質な処理を保証する際に重要なミクロ孔
質ポリマーフィルムのその他の好ましい特性には、ウェブ弾性率（好ましくは約
４０００から約１３，０００）、摩擦係数（システムの計量ニップがウェブ張力
の維持可能なレベルでウェブに作用できる程度に十分高いことが好ましい）、及
び熱エンタルピー（ホットメルト接着剤積層の間に十分な耐熱性を提供できるが
、フィルムの硬さが着用者にとって不快となる点まで増加しないことが好ましい
）を包含する。 ２つのウェブ３０及び４０を接合するプロセスを図５に概要図として示す。被
制御ウェブ３０は初期速度Ｖｏで供給される。目標ウェブ４０は速度Ｖｔで接合
段階５０に供給される。機械方向ＭＤに移動する事前印刷済オブジェクト（例え
ば、図柄２２）の位置の検出は事前印刷済オブジェクト検出段階３４で行う。同
様に、機械方向ＭＤに移動する目標オブジェクト（例えば、おむつのコア４２）
の検出は製品検出段階４４、又は、オプティック／リゾルバ５０ａ（自動）ある
いはオペレータ（手動）を経由して行う。

【００３１】 前述のように、本発明の位置整合システムが修正しなければならないプロセス
制御ジレンマは２要素ある。 第１に、ピッチの不一致を修正しなければならない。製造ラインで製造された
ウェブ（目標ウェブ４０）のピッチと、製造ライン外で製造されたウェブ（被制
御ウェブ３０）のピッチには差がある。このピッチの差は図２ａ及び図５にＬｔ
ｐとＬｐｐとの差として示されており、ここで、Ｌｔｐ−Ｌｐｐ＝ピッチデルタ
Ｃ）である。図２ａとの関連で説明されているように、製品数が蓄積されるにつ
れこのピッチデルタＣも蓄積される。このように、第１の製品では、ピッチデル
タは約Ｃであり、第２の製品のピッチデルタは約Ｃ２であり、第３の製品のピッ
チデルタは約Ｃ３等のようになる。

【００３２】 第２に、位相修正が必要である。目標オブジェクト４２との関係で事前印刷済
オブジェクト２２の位置において、被制御ウェブの重ね合わせ、又は何らかの位
相狂いにより、過渡的変更が被制御ウェブ３０で発生した際に、位相誤差は発生
する。 本発明の好ましいＰＩＤ制御システムにおいて、図６の誤差信号７０は、レゾ
ルバストロボによる到来タイミングマークの位置記録に基づいて発生される。こ
の誤差信号はＰＩＤアルゴリズムを経由して修正信号に変換される。好ましいＰ
ＩＤアルゴリズムにおいて、積分利得は定常状態誤差を和らげるために使用され
、微分利得は好ましくはゼロに設定される。この修正信号はプログラマブルドラ
イブ、又は作動修正シャフトを強制し、計量点３０ｂで被制御ウェブ３０を駆動
する軸の速度を上げ下げする。こうして、図６に示されるように利得係数７１と
７４によってＶｏはＶｃに調整され（図５を参照）、被制御ウェブ３０の流速を
変化させることによって、事前印刷済オブジェクト図柄２２と目標オブジェクト
のコア４２の位置が維持される。

【００３３】 図６に、好ましい位置整合制御システム６０が示されている。主な基準信号が
リゾルバ５０ａから出され、コンバータ位置基準信号６２として参照される。コ
ンバータ位置基準信号６２は時間経過によるリゾルバの位置変化、つまり、速度
基準信号（好ましくは目標オブジェクト４２ごとにリゾルバ１回転）である。こ
の信号６２は製品のピッチ長とコンバータ速度を掛け合わせた値と等しい。位置
整合制御システム６０は、誤差信号７０を自動的に計算し、サーボシステム速度
を速度ループ７８を経由して調整することによって、一般的にサーボ速度基準信
号７６よりも少ない率である切取り修正係数を、前述のピッチ不一致及び位相修
正に基づいてコンバータ位置基準信号６２に出し、被制御ウェブ３０の流速を変
更する。これは、リゾルバ５０ａを電子的ストロボ処理をし、実際の位置データ
５０ｂ（フィードバック）を提供し、それを固定目標位置定数４４と比較する、
オプティック３４により感知される、被制御ウェブ３０の事前印刷済オブジェク
ト２２によって達成される。この誤差信号７０はピッチ不一致及び位相修正によ
る位置整合を維持するように操作される。

【００３４】 制御ジレンマのピッチ不一致側の面はオフセット、つまり、ピッチデルタＣ、
Ｃ２、Ｃ３等の蓄積を制限するために使用される。積分利得Ｋｉ（自動修正７４
）はベース基準信号７５と掛け合わされ、サーボ速度信号７６からサーボドライ
ブ７８の速度ループを産み出し、そのようにして被制御ウェブ３０のピッチと目
標ウェブ４０とを一致させる。比例利得Ｋｐ７１はシステムを安定化させ、目標
位置４４を維持するための十分な利得を提供するために必要である。 制御ジレンマの位相修正の側面、つまり、プロセス制御の問題はいくつかの理
由でシステムの位相の一致に使用される。第１に、製造ラインでの位置整合シス
テム６０の初期設定には位相修正が必要である。位置整合システム６０が最初に
起動する際に、事前印刷済オブジェクト２２の位置は任意であるが、目標オブジ
ェクト４２の位置と相対的に制御された位置であると想定される。この任意位置
は位相されていなくてもよく、オペレータが固定目標位置定数４４を初期設定の
事前印刷済オブジェクト２２から目標オブジェクト４２に変更する必要がある（
この時点からは手動での追加的介在は不要である）。比例利得７１はシステム６
０を新たな設定点である目標定数４４に駆動するために必要である。誤差信号７
０は比例利得係数７１と掛け合わされ、次にコンバータ位置基準５０ａに加算さ
れ、ベース基準信号７５が生成される。

【００３５】 さらに、被制御ウェブ３０のウェブ重ね合わせにより、位相誤差が生じ、位相
修正が必要となる。比例利得７１は設定点目標定数４４にシステムを駆動するた
めに必要である。 位置整合済図柄を目標とした以前の設計努力は、到来図柄ピッチ長修正用と位
相位置制御用のそれぞれの制御システムに基づいていた。しかしながら、本発明
のシステムはピッチ長と速度間の関係に基づいて同時修正を組入れる。位置は速
度と一体化された関係を有し、そのため速度を制御するシステムと同一のシステ
ムを使用して制御可能であることは当業者により理解され得る。 使い捨ておむつ製品は典型的に、トップシート材、吸収性コア、及びバックシ
ート材を包含する。トップシート材は身体と向かい合って、あるいはおむつを着
用したときに身体に最も近く配置され、一般的に、身体からの滲出物がトップシ
ートから吸収性コアに貫流することができ、そこで収容されるような、液体浸透
性領域を提供する。着用中、身体から離れて配置されるバックシート材は、外側
の衣類又はベッド用シーツなどのその他の物品が身体からの滲出物で濡れないよ
うに、一般的に液体不浸透である。この代表的なおむつは、例えば、ブエル（Bu
ell）の「使い捨てプルオン・パンツ」（Disposable Pull-on Pant）に向けられ
た米国特許番号第５，５６９，２３４号に開示されている。

【００３６】 基本的なトップシート、コア、バックシートの構成要素だけでなく、使い捨て
吸収性物品のその他の特徴が本発明の範疇にあることは当業者により理解され得
る。例えば、ローソン（Lawson）及びドラグー（Dragoo）の米国特許番号第４，
６９５，２７８号及び４，７９５，４５４号第に記載されたバリアカフスは、使
い捨て吸収性物品用の望ましい特徴である。また、皮膚の炎症や痒みを押さえる
目的のローションを提供するスキンケアタイプのトップシートは本明細書の望ま
しい特徴である。 図７において、代表的な使い捨てプルオンおむつ１５０が示されており、これ
は一般的に脚部開口部１６２に脚部を挿入し、該物品をウエストまで引き上げる
ことによって着用者の身体に着用する。一般的に「プルオンおむつ」は、子供や
その他の失禁症の人々が着用する身体からの滲出物を吸収し収容するためのプル
オン衣料を指す。しかし、本発明には、トレーニングパンツ、失禁用ブリーフ、
生理ショーツ、女性用生理用品あるいはパンティ等の他のプルオン衣料が包含さ
れることを理解されたい。

【００３７】 図７及び図８において、おむつ１５０は一般的にバックシート１５２、トップ
シート１５４、及びバックシート１５２とトップシート１５４との間に配置され
た吸収層１５６（図８に点線で表示）を含む。バックシート１５４は着用者の身
体から離れた表面であり、トップシート１５２は着用者の身体に向かい合った表
面である。本発明の一つの実施形態では、バックシート１５２は、本明細書に記
載しているような位置整合済図柄、例えば１２０、１２２を印刷した少なくとも
１枚のミクロ孔質ポリマーフィルムを含む。バックシート１５２はさらに積層し
た、又はミクロ孔質ポリマーフィルム層に固定した一層の不織布材（図４Ａ、４
Ｂの参照番号３２を参照）を含んでよい。この場合、より布に近い肌着のような
感触が提供される。この場合、不織布ウェブはウェブ処理プロセスに連続到来ウ
ェブとして供給してよく、被制御ウェブ３０と目標ウェブ４０の望ましい関係で
接合してよい。

【００３８】 積層不織布バックシートの場合には、不織布の表面材質が、引張り戻して「皺
」を発生する、積層した副層、例えばミクロ孔質ポリマーフィルム副層の影響を
受けないことが望ましい。位置整合システムの運転に必要なあらゆるパカリング
が、製品のユーザーが見ることも、触れることもない、裏側に存在するポリマー
材料に限定されることがさらに望ましい。図４Ｂを参照されたい。本発明のシス
テムはミクロ孔質ポリマーフィルムウェブ（被制御ウェブ３０）のピッチ長Ｌｐ
ｐが製品のピッチ長Ｌｔｐよりも長くても、あるいは短くてもよい場合に使用で
きる。目標ウェブの余分な供給は、より優れた表面材質へと導く可能性がある。
最終的な切断後、ＬｐｐがＬｔｐよりも短い場合、フィルム材が製品の一部を形
成する不織布材を引張り戻す。これにより、顧客が見たり触れたりすることので
きる積層体の露出した表面に粗い風合いが作られる。ＬｐｐがＬｔｐよりも大き
い場合は、この位置整合システムによる不揃いな接合の影響は顧客から隠される
。一般に、ゼロ張力状況の生じる可能性を回避するためＬｃはＬｐｐ及びＬｔｐ
のいずれよりも大きくすべきである。

【００３９】 弾性的に延伸性のあるサイドパネル１５６が、最初にプルオンおむつ１５０を
着用者の身体にフィットさせてから、排出物を収容した状態で着用している間、
十分にこのフィット感を維持することによって、さらに確実に快適で、身体の形
に合った感触を提供する。脚部ゴム１５８及びウエストゴム領域１６０も脚部及
び腰部それぞれの廻りのフィット感を強化するために備えられている。 図７は、代表的な図柄１２０をおむつ１５０前面の、バックシートの上部領域
に配置したおむつ１５０の平面図である。図８には、使用形態とする前の、平ら
で非縮小状態の使い捨て吸収性製品の実施形態を簡素化した平面図が示されてい
る。この実施形態では、図柄１２０はおむつの後領域を示し、さらに図柄１２２
はおむつの前領域を示している。 ここに記載する実施例及び実施形態は単なる説明目的で提示したものであり、
且つ本発明の範疇から逸脱することなく、その種々の変形又は変更が当業者に予
想されるであろうということは理解される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 事前印刷済図柄オブジェクトの望ましい配置を示す、平らで非縮
小状態位置にある、本発明の使い捨ておむつにおけるある好ましい実施形態の平
面図である。

【図２Ａ】 一部の連続的に間隔をとった図柄を印刷した連続おむつバック
シートウェブ、及び一部のおむつ製品ウェブの表示を簡素化した概要図である。

【図２Ｂ】 おむつのコア領域の表示を含むオムツ製品の平面図である。

【図３】 巻かれて倉庫に保管された典型的な状態にある事前印刷済ミクロ
孔質材料が示す典型的なピッチ長変動をグラフに表示したものである。

【図４Ａ】 ミクロ孔質材料およぴ不織布材の積層体の好ましい実施形態の
一部の斜視図であり、ミクロ孔質材料のピッチ長が不織布材のピッチ長と異なる
ピッチ長で流れた場合の影響を示している。

【図４Ｂ】 ミクロ孔質材料およぴ不織布材の積層体の好ましい実施形態の
一部の斜視図であり、ミクロ孔質材料のピッチ長が不織布材のピッチ長と異なる
ピッチ長で流れた場合の影響を示している。

【図５】 ２つの同時前進ウェブを接合するプロセスを示す概要図である。

【図６】 本発明の好ましい位置整合制御システムを示す概要図である。

【図７】 位置整合済図柄を有する使い捨て吸収性物品の一つの好ましい実
施形態の正面図である。

【図８】 位置整合済図柄を有する使い捨て吸収性物品の別の好ましい実施
形態の簡素化した正面図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ， ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，Ｊ Ｐ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ， ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，Ｒ Ｏ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ， ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 ダグラス、スコット、ヘンリー 兵庫県神戸市灘区城の下通２−３−23 ア オタニ、ガーデンズ、402 (72)発明者 松田 利之 兵庫県明石市魚住町住吉３−745−46 (72)発明者 チャールズ、フィリップ、ミラー アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナチ、 トワイライト、ティアー、レイン、8625 (72)発明者 アルトン、ヘンリー、スティーブンズ アメリカ合衆国オハイオ州、ウエスト、チ ェスター、ストーンバーン、ドライブ、 8030 (72)発明者 ポール、ケビン、キング、ザ、セカンド アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナチ、 エルダー、ドライブ、11949 Ｆターム(参考） 3B029 BF02 4C003 GA01

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 可変ピッチ長を有する材料の前進ウェブの位相を同時に合わ
   せるための位置整合システムであって、該システムは、 ａ）目標ウェブは連続した目標オブジェクト間に目標ウェブピッチ長を有
   し、第１速度にてパスに沿って連続して間隔を置いて配置された目標オブジェク
   トを含む連続した該目標ウェブを提供する手段、 ｂ）被制御ウェブは連続した事前印刷済オブジェクト間に被制御ウェブピ
   ッチ長を有し、前記事前印刷済オブジェクトはフルオロフォアを含んで通常の条
   件下では不可視であり、事前印刷済オブジェクトを第２速度にてパスに沿って連
   続して間隔を置いて配置された材料の連続被制御ウェブを提供する手段、 ｃ）被制御ウェブピッチ長が概ね目標ウェブピッチ長と等しくなるように
   被制御ウェブピッチ長を調整する手段、 ｄ）被制御ウェブの事前印刷済オブジェクトを検出する手段、 ｅ）被制御ウェブの事前印刷済オブジェクトの検出に基づいて誤差信号を
   生成するための手段、 ｆ）事前印刷済オブジェクトが目標ウェブ上の目標オブジェクト方向にシ
   フトするように第２速度を調整する手段、を含む。
2. 【請求項２】 フルオロフォアが約７００ナノメーターから約２，５００ナ
   ノメーターまでの赤外線（ＩＲ）スペクトルで、好ましくは約７００ナノメータ
   ーから約１，１００ナノメーターまでの近赤外線（ＮＩＲ）スペクトルで電磁波
   長を放射する能力がある請求項１に記載の位置整合システム。
3. 【請求項３】 さらに目標オブジェクトと事前印刷済オブジェクトの位相が
   一致するように目標ウェブ及び被制御ウェブを接合するための手段を含む請求項
   １又は２のいずれか１項に記載の位置整合システム。
4. 【請求項４】 被制御ウェブピッチ長が目標ウェブピッチ長と概ね等しくな
   るように調整する手段がその場での被制御ウェブの張力調整を含む請求項１ない
   し３のいずれか１項に記載の位置整合制御システム。
5. 【請求項５】 トップシート、バックシート及びトップシートとバックシー
   ト間の吸収層を含む使い捨て吸収性物品であって、該使い捨て吸収性物品がさら
   に事前印刷済オブジェクトを含み、該事前印刷済オブジェクトが請求項１ないし
   ４のいずれか１項のプロセスによって位置整合されている使い捨て吸収性物品。
6. 【請求項６】 可変ピッチ長を有する材料の前進ウェブの位相を同時に合わ
   せるための位置整合方法であって、該方法が、 ａ）目標ウェブが連続した目標オブジェクト間に目標ウェブピッチ長を有
   し、第１速度にてパスに沿って連続して間隔をとった目標オブジェクトを含む連
   続した該目標ウェブを提供するステップと、 ｂ）連続した事前印刷済オブジェクト間に被制御ウェブピッチ長を有する
   被制御ウェブで、事前印刷済オブジェクトを第２速度でパスに沿って連続して間
   隔をとった材料の連続被制御ウェブを提供するステップと、 ｃ）被制御ウェブピッチ長が概ね目標ウェブピッチ長と等しくなるように
   被制御ウェブピッチ長を調整するステップと、 ｄ）被制御ウェブの事前印刷済オブジェクトを検出するステップと、 ｅ）被制御ウェブの事前印刷済オブジェクトの検出に基づいて誤差信号を
   生成するステップと、 ｆ）事前印刷済オブジェクトが目標ウェブ上の目標オブジェクト方向にシ
   フトするように第２速度を調整するステップとを含む位置整合方法。
7. 【請求項７】 さらに目標オブジェクトと事前印刷済オブジェクトの位相が
   一致するように目標ウェブと被制御ウェブを接合するステップを含む請求項６に
   記載の方法。
8. 【請求項８】 被制御ウェブピッチ長の調整ステップがその場での被制御ウ
   ェブの張力調整を包含する請求項６及び請求項７に記載の方法。
9. 【請求項９】 事前印刷済オブジェクト検出ステップが約７００ナノメータ
   ーから約２，５００ナノメーターまでの赤外線（ＩＲ）スペクトルで、好ましく
   は約７００ナノメーターから約１，１００ナノメーターまでの近赤外線（ＮＩＲ
   ）スペクトルで電磁波長を検出するステップを包含する請求項６から請求項８ま
   でに記載の方法。