JP2003507733A - 水性受動サンプリング装置及びその使用方法 - Google Patents

水性受動サンプリング装置及びその使用方法

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JP2003507733A JP2001519160A JP2001519160A JP2003507733A JP 2003507733 A JP2003507733 A JP 2003507733A JP 2001519160 A JP2001519160 A JP 2001519160A JP 2001519160 A JP2001519160 A JP 2001519160A JP 2003507733 A JP2003507733 A JP 2003507733A
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キングストン、ジェニー
グリーンウッド、リチャード
ミルズ、グラハム
モリソン、グレゴリー、マーク
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ユニヴァーシティ・オブ・ポーツマス
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水環境におけるミクロ汚染物質をモニタリングする装置を提供する。 【解決手段】 装置の使用中に水環境と接触できかつミクロ汚染物質の速度制限された拡散を可能とすべく適応された拡散制限膜と、拡散制限膜により水環境から隔離されてミクロ汚染物質を受容しかつ保持すべくミクロ汚染物質に対する十分な親和性をもつ受容相とを有し、受容相が固体支持体により支持される固定化固相材料を有するモニタリング装置である。固体支持体及び膜により装置が、極性有機物、非極性有機物及び無機物等、多種のミクロ汚染物質を連続的にモニタリングすべく使用されるように適応される。さらにこれらの分析物質がバッチ抽出ではなく、短カラム抽出により回収される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水環境におけるトレース成分のモニタリングにおける水環境の受動
サンプリング、その構造及びその利用のための装置に関する。特に、本発明は、
拡散制限膜により水環境から隔離されたトレース成分のための受容相を有する装
置に関し、それは、受容相中のトレース成分の蓄積速度が、拡散により当該膜を
通る移動度により決定されることを意味する。言い換えるならば、当該膜の内場
合に観察される速度と比較した場合、当該膜の存在により蓄積速度が低減される
【0002】 環境への関心及び水源が汚染されているか否かを決定する必要性からトレース
成分をモニタリングすることが要請される。しばしば、トレース成分は、まさに
検出限界程度でのみ存在する。しかしながら、本発明による装置及び方法を用い
ることにより、継続的に汚染レベルに関する有用な情報を提供するために予め設
定されたモニタリング期間の間、トレース成分を当該装置内に濃縮することがで
きる。本明細書中では、「ミクロ汚染物質」という用語は、このようなトレース
成分を示すために用いられる。しかしながら、本発明の技術分野の当業者であれ
ば、有用であって必ずしも汚染物質とされないようなトレース成分の検出及び決
定にも本発明を同様に適用できることは理解できるであろう。
【0003】 毒性無機物質(重金属等)及び有機ミクロ汚染物質の存在する環境水のモニタ
リングは、国内及び欧州の双方の法規の要請である。このモニタリング・プログ
ラムの目的は、2点ある。汚染レベルにおける長期動向の調査のためと、短期若
しくは突発的に増加する分析物質濃度(「汚染事象」)を記録する手段としてで
ある。いずれの場合にも、継続的な分析物質濃度の揺らぎを見積もるために、水
環境を標本的にサンプリングする技術が必要となる。特定のサンプリング場所に
おいて大きな空間的かつ一時的な変動が存在することが知られており、水質アリ
コートを頻繁にサンプリングしない場合は、時間平均濃度の評価が極めて不正確
なものとなる可能性がある。さらに、その環境における汚染レベルが非常に低い
場合のモニタリングは、現在の技術を用いても非常に困難である。
【0004】 従って、汚染レベルの長期動向を調査するために、水環境から目標分析物質を
連続的かつ量的に分離するための技術が必要である。これは、単に、時間平均濃
度の正確な調査が可能であることのみでなく、汚染事象において見出される短期
的なレベル上昇を検出することを意味する。「連続的」という用語は、ここでの
意味は、サンプリング装置が、ユーザの介入なしにまたその装置を通過する水性
媒体の流れの変動に関係なく、予め設定された期間、対象とするサンプリング場
所に置かれることを意味する。例えば、この装置は、断続的な流れにおけるミク
ロ汚染物質をモニタリングするために利用される場合にも、連続的モニタリング
とみなされる。同様に、環境水の流れが、モニタリング期間中しばらくの間遮断
される場合もある。それにも拘わらず、そのモニタリングは連続的であるとされ
る。モニタリング期間の持続は、特定の条件に適切な任意の所望する期間とする
ことができる。例えば、モニタリング試験の性質に依存して、数時間から、数日
間、数週間若しくはさらに長い期間であってもよい。
【0005】 従来は、水環境におけるミクロ汚染物質のモニタリングに最も普通に用いられ
る技術は、水性媒体の直接サンプリングのプログラムである。可能性のある汚染
物質は、地域的利用パターンによって識別され、標本的なサンプルが特定時間間
隔毎に特定サンプリング箇所から採取される。その後、サンプルは、予備濃縮及
び機器分析のために分析実験室へ運ばれる。例えば、金属物質のサンプリングに
ついては、濾過によりシリカ・カートリッジ若しくはディスクに結合したC18 に関する固相抽出が用いられており、BjorklundとMorrisonによるAnalytica Chi
mica Acta 343 259-66 (1997)に記載されている。この技術は、特別な場所及び
特別な時間における特定化合物の正確な決定が可能である。これらのサンプリン
グ事象から得られる結果は、汚染レベルにおける長期動向の調査に相関付けられ
用いられる。しかしながら、これらのデータを良好に外挿しかつ正しく時間積分
された汚染レベルを正確に決定するためには、平均レベルについての濃度の揺ら
ぎを正確に測定できるように、サンプルを十分頻繁に採取しなければならない。
従って、サンプリング・プログラムは、時間がかかり、高価でかつ労力を要する
ことであり、また、汚染レベルにおける大きな空間的若しくは一時的変動が観察
される状況においては欠点を有する。加えて、分析に先立ってサンプルの保存中
におけるサンプルの同一性を維持することも問題である。低温においてさえ、保
存期間を超過したサンプルにおける変化は、分析物質濃度を明らかに減少させる
こととなる。
【0006】 サンプリングの問題を克服するために、バイオモニタリングとして知られる別
の技術も用いられる。バイオモニタリングは、体組織中に汚染物質を蓄積する水
中微生物の機能に基づいている。特に、疎水性汚染物質は、周囲の水環境で見出
される量を遙かに上回るレベルで蓄積される。このプロセスは、能動的(汚染物
の消化を用いる)なものと、受動的(微生物の体若しくはえらの膜を通し水環境
からその脂質組織中への化合物の拡散を用いる)なものがある。
【0007】 バイオモニタリング手法は、水環境中の低レベル汚染をモニタリングするため
にこのプロセスを利用する。水中微生物は、通常、2枚貝の軟体動物であり、特
定のサンプリング場所に曝され、それらの体組織中における汚染化合物の蓄積量
が測定される。微生物中の化合物は、その水環境において見出されるレベルを遙
かに上回るレベルにまで濃縮され、分析用に非常に大量のサンプル体積を必要と
することなく同定されるng/lの汚染物質とすることができる。バイオモニタ
リングは蓄積プロセスであるので、設置期間を通して連続的で現場での親油性有
機分析物質及び金属物質のサンプリングのための効果的手段を提供し、それによ
り微生物が曝されていた分析物質濃度の揺らぎに関する情報を提供する。
【0008】 しかしながら、ミクロ汚染物質のレベルをモニタリングするために水中微生物
を用いることの欠点は、次の通りである。組織サンプルの取扱いに時間がかかり
、かつ分析に先立って極めて清浄にする必要がある。バイオモニタリング探査に
用いられる微生物の選択は重要である。一つのバイオモニタリング種は、特別な
気候及び水質に限定されることになり、また、全ての種は、極度に汚染された場
所に設置されるのに不適切である。試験微生物の生存率が低いためである。バイ
オ濃縮は基本的に、水環境と、用いられる微生物の脂質組織との間の区分プロセ
スであるので、各個体中の脂肪割合の変動が、蓄積率を変化させる。バイオ蓄積
の速度もまた、異なる種の個体間で広範に変動し、さらに試験微生物の年齢、性
別及び一般的健康状態により大きく影響される。蓄積速度における異種間及び同
種間の大きなばらつきに加えて、いくつかの有機物質は、所与の微生物により変
性させる場合がある(例えば、多くの芳香族炭化水素ポリマーは、魚の組織内で
急激に変性するが二枚貝軟体動物の組織内では変性しない)。
【0009】 従って、バイオモニタリングの利点を奏しかつ上記の欠点のない技術を開発す
る試みがなされてきた。よって、生きている微生物や高価な電源装置を用いる欠
点のない、連続的に水質汚染レベルをモニタリングするための統合的技術を提供
する試みとして、完全に受動的(すなわち、付加的エネルギーを要しない)サン
プリング装置が開発されてきた。現在のシステムは、多孔性膜により水環境から
分離されるミクロ汚染物質に対する親和性の高い液体又は液体を含む受容層を有
するものである。これらのシステムは、膜を通した拡散を用いて水相から受容相
へ汚染物質を分離することに依存する。
【0010】 このようなシステムの可能な利点は、2つある。第1は、水環境における汚染
物質のレベルを連続的にモニタリングすることにより、分析物質濃度の揺らぎに
関する情報を与える手段を提供することである。第2に、汚染物質がその環境に
おけるレベルを上回るレベルまで受容相に蓄積されることにより、極めて低レベ
ルの汚染物質を同定できることである。
【0011】 特別な装置の設計に用いられる寸法及び材料を制御することにより、サンプラ
ー内のミクロ汚染物質種の取り込み機構を制御することができる。この分離挙動
は、特定化合物の物理化学パラメータに関連していた。実験室実験における化合
物の試験セットを更正することにより、更正されていない分析物質の取り込み機
構を、それについて知られた物理化学パラメータに基づいて予測するために用い
ることができるモデルを開発することが可能である。これは、各汚染物質につい
ての時間のかかる更正を不要とする。
【0012】 受動サンプリングシステムに用いるための種々の装置が提示されてきた。例え
ば、GB特許No.1566253は、多孔性膜を用いて水環境から分離された非極性溶媒
を含むガラス容器を有する装置を開示する。この装置は、自由に溶解した有機ミ
クロ汚染物質を、セルロース等の多孔性膜を通して水環境からn−へ起算等の疎
水性受容相へ受動的に分離することによる。
【0013】 しかしながら、有機化合物用の公知の受動サンプラーの多くは、フレキシブル
透析若しくはポリマー膜材料からなるバッグ内に保持された液体有機受容相を利
用する。例えば、セルロール透析膜がn−ヘキサンで充填されたバッグ形態であ
るようなガラス装置の開発は、SodergrenによるEnviron. Sci. Technol. 21 855
-859 (1987)に記載されている。このシステムは、実験室内及びフィールド試験
における親油性汚染物質の蓄積のために多くの研究者により用いられてきた。
【0014】 非極性ポリマー包帯物すなわち袋(バッグ)に基づく別の設計が、米国特許No
.5098573に開示され、例えば、合成脂質トリオレイン(1,2,3−トリ[シス
−9−オクタデカノイル]グリセロール)等の高分子量有機物で充填されたポリ
エチレンから作られるバッグを有する。このシステムもまた、例えば、拡散制限
低密度ポリエチレン膜を通した有機汚染物質の受動的拡散及びトリオレイン受容
器中での蓄積に基づく。低密度ポリエチレン材料を通る非極性有機物の拡散速度
は、生物学的膜を通した同種の拡散をまねたものといわれている。n−へ起算充
填透析バッグの目的と比較したこの設計の目的は、水中微生物中の有機汚染物質
の受動取り込みを模すことにさらに近い。しかしながら、このシステムの欠点は
、分析に先立って分析物質がトリオレインから抽出され濃縮されることが必要で
ある点である。
【0015】 汚染物質の時間重み平均濃縮を用いたハロゲン化エーテル汚染物質の同定のた
めの別の手法が、FrantsとHardyによりJ. Environ. Sci. Health, A33(7) 1275-
90 (1998)に開示された。彼らのサンプラーは、ガラス管を有し、その一端には
シリコーン・セメントを固着されたシリコーン・ポリカーボネート膜を具備し、
他端はアルミホイル被覆ゴムストッパーで密封されている。Tenax(登録商標)
、2,6−ジフェニル−p−フェニレン・オキサイドに基づく多孔ポリマーが、
サンプラーの内側に設置され、サンプラーを保持するためのアルミニウム蓋を具
備する暴露タンク中の汚染物質の撹拌溶液に曝された。しかしながら、このよう
な装置は、フィールド条件下で十分に機能することは期待し得ず、グラス管内の
空気がサンプルに浮力を与えて激しく動く条件下では反転しやすくなり、それに
より、ポリカーボネート膜とTenaxとの間に大きな拡散ギャップを生じることと
なる。いずれの事象においても、Tenaxは実質的な移動をすることができる。さ
らに、脱離ステップの後に汚染された抽出物を抜かなければならないことにより
その分析は困難となる。そして、サンプラー(ガラス管)の本体に対してポリカ
ーボネート膜を密封することも、繰り返し洗浄し再使用することから非実用的な
ものとなる。
【0016】 従って、これらの受動サンプリング装置から種々の改良がなされたにも拘わら
ず、更に改善すべき重大な欠点がある。これらの装置は、割れやすい上、可動性
の受容相中の分析物質の蓄積に依存する。この可動性の受容相は、多くの設計に
おいて、そのシステムからこし取られがちであるため、環境的に敏感な地域では
設置に不適切なものである。
【0017】 主として水環境においてトレース金属濃度を測定することを目的とする別の装
置は、拡散経路を設ける手段を有し、その経路は液体であるか若しくは液体を含
有しかつ少なくとも0.1mmの長さである。そして、拡散経路の一端のみが液体
環境に接するように液体不透過性バリアを有する。さらに、液体環境から離れた
その端部にて拡散経路に接触しかつその拡散経路に沿って拡散される成分を結合
させるべく適応される材料を有する。この材料は、層として設けられる非可動性
材料である。
【0018】 この装置は、英国特許No.GB2295229に開示されている。しかしながら、この開
示は、無機物、特に金属のための装置の利用を目的とし、拡散経路は水包含ゲル
であり、例えば、ポリアクリルアミド・ゲルである。そして、結合材料は、例え
ば、ゲルに組み込まれたChelex樹脂である。これは、有機分析物質をサンプリン
グするには適切でない。ゲルから分析物質を抽出することが困難だからである。
Chelex樹脂の代わりにC18吸着物を有する結合材料としたとしても、この装置
は適切でない。特に、非極性有機分析物質は、水中において比較的難溶性である
のでゲルを通して拡散することが困難だからである。
【0019】 さらに、使用中、この装置は、取扱い及び使用準備の点で幾つかの欠点を有す
る。例えば、寸法安定性を確保するために使用前認24時間ゲルを水和させる必
要がある。最密充填されたビーズの単一平面として別個のゲル中に樹脂を組み込
む必要がある。そして、分析に先立ってゲルから分析物質を抽出する必要がある
。これらの欠点に加えて、用いられる種々の層を結合させた厚さからして、拡散
経路の長さを拡散境界層の厚さよりも大きく(好適には10倍、さらに好適には
少なくとも20倍)すべきことにより、従って、常に、0.1mmよりも大きく、
そして好適には0.2〜5mmよりも大きくすることにより、装置が理想的な大き
さよりも大きくなってしまう。
【0020】 従って、受動サンプリングのための適切なシステムを提供する種々の試みがな
されたにも拘わらず、尚、容易に使用し、分析し、そして取り扱うことに関する
問題がある。さらに、極性及び非極性の有機汚染物質並びに無機物を含む広範な
種類の分析物質を取り扱うために簡便に適応したシステムは未だない。さらに、
いくつかのシステムは、膜表面の生物学的汚染に対する保護が不適当である。膜
の生物学的汚染は、システムの取り込み機構を変化させ、実験室更正を無効とし
てしまう。またさらに、幾つかの場合、システムの取り込み機構が激しい動きに
より影響を受けることがわかっている。
【0021】 従って、本発明は、水環境におけるミクロ汚染物質をモニタリングするための
装置を提供する。この装置は、 (a)前記装置が使用されるとき前記水環境と接触することができる拡散制限
膜であってこれを通過する前記ミクロ汚染物質を速度制限拡散させるべく適応さ
れた拡散制限膜と、 (b)前記拡散制限膜により前記水環境から隔離されており、前記ミクロ汚染
物質を受容しかつ保持すべく前記ミクロ汚染物質に対して十分高い親和性をもつ
受容相とを有し、 前記受容相が、固体支持体により支持される固定化固相材料を具備することを
特徴とする。
【0022】 疑義を避けるために、「固体支持体」という用語は、均一固体である担体を意
味する。従って、本発明による装置で用いられる固体支持体は、その構造中に水
を含んだり保持したりせず、その環境と水を交換することはできない。よって、
固体支持体は、蒸発によっても浸透圧移動によっても水を損失することがないた
めその寸法が変化しない。従って、固相材料は、固体支持体内に含まれたり保持
されたりするのではなく、固体支持体により支持されている。従って、本発明の
受容相は、機械的に強くかつ構造的に不活性である。好適には、固相材料は、例
えば、後述する疎水性繊維のマトリクス等の疎水性固体支持体材料中又は当該材
料へ結合されることにより固定化される。
【0023】 従って、本発明は、受容相が比較的剛性であって、従来技術の装置で用いられ
ているような液体、粉体、粒体若しくはゲルに基づいた形態ではない。このよう
な装置は、分析後においても受容相がその一体性を維持するという点で再使用可
能であるという更なる利点を提供する。本発明の装置は、拡散制限膜を用いて水
環境から隔離された固定化非極性クロマトグラフィ的及び/又はキレート的受容
相を有する。これにより、使用中、溶解した分析物質が膜を通過し、固定されか
つ実質的に一定の拡散ギャップ(実際に膜の厚さ)を横切って疎水性のクロマト
グラフィ的及び/又はキレート的相へ移動する。そこで、脱離されるまで保持さ
れる。
【0024】 従って、別の態様において、本発明は、水環境におけるミクロ汚染物質をモニ
タリングするための装置を提供する。当該装置は、 (a)前記装置が使用されるとき前記水環境と接触することができる拡散制限
膜であってこれを通過する前記ミクロ汚染物質を速度制限拡散させるべく適応さ
れた拡散制限膜と、 (b)前記拡散制限膜により前記水環境から隔離されており、前記ミクロ汚染
物質を受容しかつ保持すべく前記ミクロ汚染物質に対して十分高い親和性をもつ
受容相とを有し、 前記受容相が、固体支持体を連携する固定化固相材料を有し、当該担体がその
構造中に水を含有又は保持せず、かつ、蒸発又は浸透圧移動のいずれによっても
その環境と水を交換できない故に寸法を変えないことを特徴とする。
【0025】 固相材料のための固体支持体すなわち固体基盤は、任意の不活性な固体材料を
有し、その固体材料は普通に用いられる抽出溶媒に対して耐性があり、経済的な
期間中、水環境内で一体性を保持できる。そして使用中の固体受容相に対する損
傷を防ぐことを補助する。
【0026】 固体支持体が媒体(抽出溶媒等)の自由循環を可能とするとき、ミクロ汚染物
質の抽出のために固定化固相材料の周囲で用いられることが好ましい。非常に好
ましいのは、固体支持体の少なくとも一面が多孔を具備し、これにより反対面へ
適用される抽出溶媒が通過できるようにする。これにより、長くかかるバッチ抽
出又はこし取りによるのではなく、短いカラムにより迅速に分析物質の抽出を行
うことができる。これについては後に詳述する。
【0027】 担体自体を、受容相と一体又は装置を囲む本体と一体とすることができる。あ
るいは、本体へ取り付けることができるか又は受容相に対する担体となるように
適応された別個の部品でもよい。
【0028】 好適には、受容相が、使用中、拡散制限膜に近接して維持されるように適応さ
れることにより、2つの構成要素の間に実質的にゼロ拡散ギャップが維持される
。さらに好適には、使用中、拡散制限膜が受容相の上に直接置かれ、これらの対
向する面の実質的に全領域に亘ってこれと接触する。適切には、受容相が、約1
mmの厚さより薄く、例えば、約0.75mmの厚さである。いずれの場合も、拡散
ギャップが約1mmより狭いことが好適であり、さらに好適には、膜の厚さのみに
実質的に等しい。
【0029】 本発明による装置においては、拡散経路(従って膜の厚さ)が0.2mmより薄
く、好適には0.1mmより薄くなるように選択されることが好ましく、そして適
切には、0.02〜0.15mmの範囲であり、例えば、0.03〜0.1mmであ
る。好適には、拡散制限膜の厚さは、一般に、停滞した状態又は非撹拌状態にお
いて拡散境界層(すなわち、環境のバルク相を拡散制限膜の表面から分離する非
撹拌境界層)の厚さを超えるべきでない。
【0030】 膜の厚さに関するこのような制限は、さらに迅速なサンプリング速度のために
設けられており、そして本発明による装置は、拡散経路が実質的に拡散境界の厚
さを超えるような同様の表面積をもつ拡散制限膜を有する装置よりもその測定に
おいてより感度がよい。
【0031】 膜自体は、受容相から分離した構成要素でもよく、あるいは、受容相から通常
は分離不能で一層からなるように一体としてもよい。表面コーティングや含浸等
による。
【0032】 非極性有機分析物質のサンプリングに使用するために適切とするために、本発
明による装置は、拡散制限膜が実質的に非多孔性固体を具備するものである。例
えば、疎水性であまり水和せず、使用中に液体(モニタリングされる水環境等)
を含まないようなポリマー材料である。このような装置においては、分析物質の
取り込みが、ポリマー自体を通る拡散の速度により決定され、従来技術の装置の
ように液体を通る拡散の速度により決定されない。
【0033】 従って、別の態様においては、本発明は、水環境における非極性の有機ミクロ
汚染物質をモニタリングするための装置を提供する。当該装置は、 (a)前記装置が使用されるとき前記水環境と接触することができる拡散制限
膜であってこれを通過する前記ミクロ汚染物質を速度制限拡散させるべく適応さ
れた拡散制限膜と、 (b)前記拡散制限膜により前記水環境から隔離されており、前記ミクロ汚染
物質を受容しかつ保持すべく前記ミクロ汚染物質に対して十分高い親和性をもつ
受容相とを有し、 前記受容相が、固定化固相材料を有し、かつ、前記拡散制限膜が、当該膜を通
るミクロ汚染物質の拡散速度を決定することができる固体で疎水性のポリマー材
料を有する。
【0034】 最も好適には、ポリマー材料が1%未満の水を含み及び/又は実質的に非多孔
性であり、それにより拡散経路が固体ポリマー自体を有しかつその中に水を全く
含まない。特に、log P(又はlog KOW)<4をもつ非極性有機ミクロ汚
染物質をサンプリングするために、ポリエチレンが特に好適である。これについ
ては後述する表1に示される。
【0035】 好適には、本発明による装置に使用する固体受容相は、溶媒の流れに直接置か
れるように適応された一体要素であり、そこから溶媒とミクロ汚染物質とが、ワ
ンステップで溶出されかつ収集される。別の例として、固体受容相は、例えば、
ガスクロマトグラフィ、原資吸光、質量分析器、レーザアブレーション装置等の
分析装置に直接設置されるように適応される。
【0036】 従って、別の態様では、本発明は、汚染された環境におけるミクロ汚染物質を
モニタリングする方法を提供する。この方法は、 (a)固体支持体により支持され、ミクロ汚染物質のための固定化固相材料を
有する受容相を設け、 (b)ミクロ汚染物質が通過し速度制限された拡散ができるように適応され、
使用中に、汚染された環境から受容相を隔離すべく適応された拡散制限膜を設け
、 (c)ミクロ汚染物質を前記固定化固相材料中に収集できる十分な期間、前記
拡散制限膜を汚染された環境と接触するように移動させ、 (d)前記受容相を前記環境から取り除き、 (e)前記受容相中に蓄積されたミクロ汚染物質を分析する方法である。
【0037】 好適には、上記ステップ(e)において、抽出溶媒を前記受容相へ適用するこ
とにより分析物質が前記受容相から取り出される。
【0038】 本発明の好適な方法は、固体受容相が環境から取り除かれ、さらに装置から取
り除かれ、それからミクロ汚染物質が溶媒若しくは抽出溶媒により溶出され、そ
して溶出物が分析される。
【0039】 好適には、前記溶媒が受容相の一方の面へ適用され、そしてこの溶媒はミクロ
汚染物質の分析物質を含んでおり、他方の面で収集される。このプロセスは、短
カラム溶出と等価であり、バッチ溶出(こし取り)で得られる再生効率と比較し
て、受容相からより効率的に分析物質を再生(約100%)することとなる。バ
ッチ溶出においては、適宜の溶媒に長時間(最長24時間)浸漬することにより
分析物質が受容相からこし取られるが、金属については約80%の再生効率であ
り、有機分析物質についてはそれよりおそらく低くなる。しかしながら、短カラ
ム溶出では、溶媒が、受容相中の担体材料の孔を通過させられることにより、数
分以内の効率的抽出を行うことができる。
【0040】 従って、本発明はさらに、ミクロ汚染物質をモニタリングするための方法を提
供する。この方法は、本発明による受動サンプリング装置をミクロ汚染環境へ所
定期間曝し、その後、結合したミクロ汚染物質を含む受容相をその環境から取り
除き、その受容相を短カラム溶出へ適用する。
【0041】 この装置は、好適には、物理化学特性により分析物質の試験セットについて極
めて多様な条件下で更正される。本発明の装置及び方法は、有機分析物質及び無
機分析物質の双方の存在を試験しかつモニタリングするために適切である。分析
物質は、後述する表2に示した殺虫剤、農薬及びポリ塩化微フェニル等、銅(C
u(I)等)、亜鉛、カドミウム、鉛、ヒ素、水銀及びクロム(Cr(VI)等)等、
及び他の無機元素、P(PO等)及びN(NH、NO等)等の栄養素を含
む。本発明の装置又は方法は、有機ミクロ汚染物質、特に非極性ミクロ汚染物質
をモニタリングするために特に適切であり、好適である。
【0042】 最終的な更正された装置は、長期の設置期間中、水環境における分析物質の時
間平均レベルの定量的決定のための手段を提供する。この装置は、その性能に悪
影響を及ぼすことなく広範な水環境に設置するために十分な程度に頑強であり、
従って、環境モニタリングの分野における格段の進歩である。
【0043】 本発明による装置の第1の利点は、同時に複数でも1つでも広範な汚染物質の
試験に有用であるように従来装置に比べて容易にカスタム化できることである。
【0044】 固体受容相のための材料選択は、モニタリングされる特定のミクロ汚染物質の
性質に依存することとなる。受動サンプリングシステムにおける取り込みのプロ
セスは、基本的に平衡分配の一つである。有機分析物質の場合、例えば、非極性
ミクロ汚染物質分子が、有機受容相に対して周囲の水環境よりも高い親和性をも
ち、よってその環境で見出されるレベルを超えてサンプラー内に蓄積する。従っ
て、取り込みの速度は、拡散制限膜の特性により制御されるが、平衡点及び装置
の容量は、受容相により支配される。
【0045】 異なる物理化学特性をもつ広範な市販のクロマトグラフィ材料を、本装置に用
いることができる。これらの固相材料のいくつかは、非極性分析物質に対して優
れた高親和性を有し、例えば、水性媒体からの有機汚染物質の抽出に用いられて
きた。さらに、疎水性の固相材料上に蓄積された非極性有機化合物は、水性サン
プル中で冷蔵されたものより安定性に優れていることが判明した。幾つかの適切
な固相材料の例として、疎水性クロマトグラフィ相を含む。例えば、有機シリカ
(C、C、C18炭化水素結合シリカ等)、ポリマー(ポリ(スチレンジビ
ニルベンゼン)等)、以下の(I)〜(III)の化学式で示される有機化合物、及
びキレート(イミノアセテート等)並びに金属類のためのイオン交換材料がある
【0046】
【化1】
【0047】 更なる利点は、固体の受容相がカートリッジ又はディスクの形態であるときに
得られ、特にディスクの場合は、収集した分析物質を装置から標準的なフィルタ
漏斗へ移すにも、(金属の場合)直接レーザ分析するにも適している。このよう
にして、固体受容相上に収集されたミクロ汚染物質が、簡便に抽出され、通常の
方法で測定される。固体受容相のこのような形態(ディスク、カートリッジある
いは、受容相自体が本質的に固体基盤と連携しているような場合)は、本装置を
頑強とし、かつ、装置の保護要素(拡散制限膜等)に損傷が生じた場合にも受容
相の環境中への分散を避けることができる。
【0048】 特に、拡散制限膜が受容相と実質的に同じ形状の別個の構成要素であるか、又
はその層(その上のコーティング等)である場合、装置におけるこれらの2つの
構成要素は、互いに相対的に移動し得ず、従って、使用中、装置又は環境に対す
る損傷をさらに避けることができる。このような装置は、水環境において完全に
潜水させることができる。拡散制限膜が受容相と一体的である場合、当該膜を基
盤上にコーティングしてもよく、また、基盤中に含浸させてもよい。
【0049】 本発明の装置において固体受容相として使用する幾つかの適切なディスクは、
既に市販されている。例えば、シリカベースのポリマー結合した中程度鎖長の炭
化水素、C〜C18等のディスク(3M社から入手可能)、C18カートリッ
ジ(Varian Bond Elut(登録商標))、並びにキレート若しくはイオン交換ディ
スク(3M社から入手可能)がある。これらの場合、固体受容相は、好適には非
極性で、マトリクスと組み合わせて入手可能である。例えば、PTFE繊維若し
くはグラスファイバのマトリクスであり、固相材料の固体支持体若しくは基盤と
して機能する。これらの例としては、PTFEベースのC18若しくはCディ
スク(3M Empore(登録商標))及びグラスファイバベースのC18ディスク(S
upelco Envi-Disk(登録商標))がある。特に、C18 Emporeディスクは
、PTFE繊維網内に導入されたシリカベース・ポリマー中に結合されたオクタ
デシル鎖長炭化水素基を有し、有用である。従って、好適なディスクは、高い(
重量で約90%)粒子:PTFE比を有するものであり、約10〜約60μm、
特に約40μmの粒子サイズをもつ固相材料の粒子は、稠密充填された極めて均
一な溶媒ベッド中に固定化される。
【0050】 好適には、固体受容相は、拡散制限膜から離れた面上の受容相に対向して位置
する後背プレート若しくは支持プレート上に固定化される。それにより、使用中
における受容相と水環境との間の空気間隙が実質的に除かれる。このことは、水
環境中の装置に対する損傷による受容相の漏れ若しくは損失の危険をなくすこと
となり、有益である。
【0051】 従って、本発明による好適な装置は、固体受容相が、マトリクス等の疎水性の
固体基盤内に又は固体基盤へ結合されることにより固定化されたものであり、こ
の固定基盤自体も後背プレート若しくは支持プレートに対して固定化される。こ
のような支持プレート若しくは後背プレートは、拡散制限膜から離れた面上で受
容相に隣接した担体ディスクを有する。固体支持体に適した材料の例は、高密度
ポリプロピレン、PTFE又等の高密度ポリマー又はグラスファイバである。
【0052】 従って、本発明の方法は、さらに、拡散制限膜に固体受容相をコーティングす
るか含浸することにより、調整剤と共にそれを調整することにより、錯体、キレ
ートに適応した試剤若しくは他の受容相による選択されたミクロ汚染物質の受容
及び保持を補助する光分析剤等により固体受容相を処理することにより、固体受
容相を内部標準と共に搭載することにより、又はこれらを組み合わせることによ
り、固体受容相を前処理することを有してもよい。
【0053】 選択された特定の固体受容相及び使用前に適用された前処理によって、同時に
1つ又は複数の分析物質をモニタリングするように装置をカスタム対応させるこ
とが可能である。従って、固体受容相は、例えば金属累等の選択された分析物質
を錯体化若しくはキレート化するための試剤で処理されたクロマトグラフィ及び
/又はキレート相を有してもよい。例えば、C18又はCディスクが異なるマ
トリクス(PTFE、グラスファイバ)中で光分析剤(バトキュプロイン(batho
cuproine)又は1,5−ジフェニルカルボヒドラザイド(1,5−diphenylcarbahydr
azide)(若しくはジフェニルカルバザイド(diphenylcarbazide)))と共に用い
られる場合、特殊な金属類(それぞれCu(I)、Cr(VI))を収集することが可
能である。通常、光分析剤バトキュプロインのみにより低濃度のこのような金属
類を検出することは困難であるが、C又はC18ディスク上で光分析剤に対し
て錯体化した金属の予備濃縮と共に用いると、可能である(Bjorklund及びMorri
sonによる記述がある)。設置前にディスク上に固定化された光分析剤を有する
か又はサンプル中で直接平衡化させることもまた、有益である。バトキュプロイ
ン、メチルチモール・ブルー、キシレノール・オレンジ、グリシン・クレゾール
・レッド、ビンキノニック酸(binchinonic acid)、ジフェニルカルバザイド及び
1,5−ジフェニル・カルボヒドラザイド等が光分析剤の例である。
【0054】 一方、キレート・ディスクは、複数の異なる金属を同時に収集するために用い
ることができる。別の例として、多価金属イオンは、マトリクス(3MEmpore(
登録商標)Extraction Disk等のキレート樹脂ディスク)を、アンモニウム・ア
セテート等の錯体化剤により処理することにより収集することができる。それに
より受容相が、金属イオンを錯退化するイミノ−アセテート基を含む。
【0055】 所与の場合、選択された固体受容相(ディスク形態等)が、装置中での使用に
先立って調整を必要とする場合がある。この調整は2つの効果がある。有機溶媒
でディスクを濯ぐことにより製造時若しくは保存時にディスクを汚染した不純物
を除去する。そして、有機分析物質をモニタリングするために使用する場合は、
受容相を溶解することにより、それが曝されるいかなる有機分析物質も取り込む
機能を強化する。このことから、調整と、受動サンプリング装置の設置との間に
いかなる段階においてもディスクが完全に乾燥させられないことが好適である。
調整プロセスは、一般的に、ディスクをHPLCグレードのメタノール溶媒中に
室温で約5〜約20分間浸漬することを含む。この時間中、ディスクは、透明な
外観を呈する。その後、ディスクは超純粋に沈められることにより、水から取り
出して乾燥させる前に過剰な溶媒を除去する。
【0056】 好適には、使用前に、選択された受容相に内部標準が搭載される(プリロード
)。内部標準をプリロードされたディスクを用いることにより、そのようにロー
ドされた別のディスクを用いることにより、温度、激しい動き及び生物学的汚染
の影響による変動等、フィールド変数による取り込み速度の変化を考慮しつつ、
水性ミクロ汚染物質の時間平均水濃度をより正確に計算できると期待される。こ
の内部標準は、同位体でラベル付けされた化合物であり、装置の設置中、受容相
から拡散制限膜を通して水環境中へ公知の制御された速度で拡散するように設計
されている。例えば、サンプラー中で使用される前に、C18受容相ディスクが
、真空濾過装置中に設置され、内部標準を搭載される。好適には、ポリエチレン
膜を有する非極性サンプラー用にD−ナフタレンを有し、ポリスルホン膜を有
する極性サンプラー用にD−ジメチルフタレートを有する。
【0057】 使用される内部標準の量は、設置を継続するに適切であるべきであり、また分
析装置(後述するGC/MS等)上で容易に測定できるレベルであるべきである
。MSはまた、自然には環境汚染を発生しない重水化された内部標準を使用する
こともできる。内部標準は、1000ng/100mlの濃度で水中に形成され、濾
過漏斗で全溶液がディスク上に導入される。この結果、D−ナフタレンの約8
0%(800ng)及びD−ジメチルフタレートの100%(1000ng)がデ
ィスク上を区画する。このように内部標準を搭載されたディスクは、通常の方法
でサンプラーに設置される。これらは、設置中に水中に次第に流出していく。流
出の速度は見積もられ、これは、搭載の速度と同じフィールド変数により影響を
受ける。別の例として、これらの内部標準は、別の装置として設置することもで
きる。
【0058】 別の例として、海水中のCa及びMg等の水環境における旧来の元素が、自然
発生する内部標準として使用できる。これらのイオンの取り込みの速度は、重金
属等の他の化地温の取り込み速度と同じフィールド変数による影響を受けるから
である。環境中に存在するこれら旧来の元素はかなり高いレベルであるので、こ
れらの取り込み速度は、パッチ若しくは小さな「耳」、すなわち既存のディスク
に付加される適宜のカチオン交換材料の付加物を用いて、あるいは別の装置とし
て測定することができる。
【0059】 拡散制限膜用の材料の選択は、この膜が拡散を制限するにも拘わらず膜を通る
分析物質の迅速な拡散を可能とすることによりシステムが外部濃度の揺らぎに対
し迅速に応答できるようにすべきである。膜が真に拡散制限している限り、取り
込み速度は、環境中の流速よりもむしろ環境中の濃度に依存する。疑義をさける
ために、受容相による蓄積速度が、膜を通る(拡散による)移動速度により決定
される場合に、すなわち、膜のないときに観察される速度と比較して蓄積速度が
減少する場合に、膜が「拡散制限している」という。
【0060】 非常に異なる化学特性及び物理特性を持つ膜材料の範囲は、受動サンプリング
システムの選択されたミクロ汚染物質に対する拡散制限膜としてのそれらの適切
性に関する評価から得られる。膜材料は、膜のマトリクス及び/又はその小孔を
通して装置の受容相へミクロ汚染物質、例えば、小さい有機分子等の迅速な拡散
を可能とすることが要請される。装置が更正されるミクロ汚染物質に対して親和
性が低いことが要請される。汚染物質が、通過して選択された受容相へ行く代わ
りに膜材料内に蓄積しないようにするためである。この拡散特性に加えて、物理
的な強靱さ及びバクテリアの攻撃に対抗する機能も考慮すべきである。これらの
機能は、装置が厳しい環境条件に設置された場合に、選択された膜材料の重要な
性質となるからである。有機分析物質の収集用の適切な膜の例は、約0.1mm〜
2mmの範囲の孔サイズを有する親水性又は疎水性のポリマー材料であり、以下の
表1に挙げている。
【0061】
【表1】
【0062】 上述のように、非極性有機分析物質については、ポリエチレン等の実質的に非
極性ポリマーが好適であり、拡散が主にプラスチック材料を通して行われ、孔に
保持される液体を通して行われない。この材料は、非極性分析物質の迅速な拡散
を可能とするが、比較的極性のある化合物の拡散については障壁を形成する。
【0063】 しかしながら、極性有機分析物質、Log P(又は Log KOW)<4を
有するようなもの、例えば、Log Pの範囲が2〜4のようなものについては
、好適な拡散制限膜として、ポリスルホンを含み、その多孔は装置の内面及び外
部環境へも開口している。これにより、静水圧がかかったときに溶媒の大きな流
れを生じることが可能となる。これは、多孔と外部環境の間が密封されている多
孔拡散制限膜を具備する従来技術の装置との違いである。供給されるポリスルホ
ン膜は、高度の物理的強度を有し、低タンパク結合方式で利用でき、有用な耐汚
染特性をもつことができる。
【0064】 従って、第2の実施例では、本発明は、水環境中の極性有機ミクロ汚染物質を
モニタリングする装置を提供する。この装置は、 (a)装置が使用中でかつミクロ汚染物質を通過させて速度制限された拡散を
可能とするように適応されているときに水環境と接触することができる拡散制限
膜と、 (b)前記拡散制限膜により水環境から隔離され、ミクロ汚染物質を受容しか
つ保持するべくミクロ汚染物質に対する十分高い親和性をもつ受容相とを有し、 前記受容相が固定化された固相材料を具備し、かつ、前記拡散制限膜が前記膜
を横断しかつ0.1〜10mmの範囲の直径をもつ多孔を具備することを特徴とす
る。
【0065】 好適には、上記多孔は0.1〜1mm、特に約0.1〜0.2mmの範囲の直径を
有する。極性有機汚染物質に適した膜は、ポリスルホン、ポリカーボネート、セ
ルロース・ジアリシス膜、PTFE及びPVDF等のポリマー並びにグラスファ
イバを含む。
【0066】 無機分析物質に使用するに特に適した拡散制限膜は、セルロース・アセテート
(Sartoriusから入手可能な0.45mm膜等)、GF/C(Whatmanから入手可能
なグラスファイバー膜)、ナイロン膜(Sartoriusから入手可能)及び透析膜(S
pectraporから入手可能)を含む。特に適切なものは、セルロール・アセテート
膜である。
【0067】 拡散制限膜は、使用に先立って処理してもよい。例えば、生物学的汚染をさせ
るために、生物学的汚染が重大な問題となることを避けるために、拡散制限膜の
表面を適切に処理することができる。生物学的汚染は、特に、トリオレイン充填
準透過性膜装置(詳細は後述するが、トリオレインで充填された低密度ポリエチ
レン平坦膜の管)に悪影響を及ぼすことが報告されている。更なる問題は、溶媒
によらず装置に発生する。溶媒を充填した装置中では、拡散制限膜を通した溶媒
の漏れが微生物によるコロニー化を妨げるからである。過剰な生物学的汚染は、
部分的には、表面のエネルギーにより決定される。本発明の無機サンプラーに使
用するに適したセルロース・アセテート膜等の幾つかの拡散制限膜は、特に敏感
である。適切な処理は、耐汚染剤、殺生物剤、及び/又はNafion(登録商
標)等のペンダント・スルホン酸基をもつパーフルオロポリマーによるコーティ
ング又は含浸である。Nafion(登録商標)(Aldrich,UKから入手可能)は、
機械的強度を付与し、化学的に安定でありかつ(荷電種等の所与の分子に対して
)透過性である。ほとんど全てのアニオンが、これにより、膜の表面から排除さ
れる。Nafion(登録商標)はまた、その表面電荷のためにpHにより悪影
響を受ける。Nafion(登録商標)は、パーフルオロポリマー主鎖へ付加さ
れたスルホン酸基(SO )を具備する。
【0068】 別の例として、所与のシリコーン・エラストマー(the Department of Chemis
try, University of Portsmouth, UKから入手可能)は、優れた耐生物学的汚染
特性を有することができる。非極性化合物は、エラストマー表面を通して速やか
に拡散し、このエラストマー又はNafion(登録商標)自体のいずれかが、
ポリエチレン若しくはセルロール・アセテート又は他の材料を置換して拡散制限
膜を有することができる。さらに、これらの材料は、固体受容相と一体的なユニ
ットを形成することもできる。例えば、固体受容相上に層を形成することによる
【0069】 従って、第3の実施例では、本発明は、水環境においてミクロ汚染物質をモニ
タリングする装置を提供する。この装置は、 (a)装置が使用中であってかつ通過するミクロ汚染物質の速度制限された拡
散を可能とすべく適応されているとき、水環境と接触することができる拡散制限
膜と、 (b)前記膜により水環境から隔離され、前記ミクロ汚染物質を受容しかつ保
持するべく該ミクロ汚染物質に対して十分に高い親和性をもつ受容相とを有し、 上記拡散制限膜が分子荷電選択的材料と関連し、それにより多孔膜の場合、多
孔を通る分析物質の拡散の機構が、多孔中の液体を通る拡散に依存するのみでな
く、多孔に関連する必然的な電荷と分析物質との相互作用にも依存する。このよ
うな膜は、以後、「透過選択」性であると称する。
【0070】 従って、この実施例においては、従来装置と比較して、無機サンプリングの異
なる機構が動作する。透過選択膜の固定交換箇所の電荷と反対若しくは中性の電
荷をもつ金属類の好適な受動拡散、及び/又は分子サイズ排除を通しての受動拡
散が生じることとなる。(バルク水性相と受容相表面との間の)透過選択膜を横
切る金属濃度勾配は、拡散のための駆動力を与える。透過選択膜は、特定の属の
金属類の移動を選択的に可能とすべく設計することができ、さらに、前述の通り
、受容相の選択により選択的に実現することができる。この機能の特別な利点は
、マトリクス干渉を避け、所望する金属種を検出可能レベルまで予備濃縮可能と
することである。
【0071】 透過選択膜部品は、好適には、上記に挙げたもののような多孔材料を構成し、
分子サイズに基づいて選択性があり、分子電荷に基づいてポリマーコーティング
選択性がある。分子電荷選択性材料は、イオン交換特性をもつ任意のポリマーと
することができ、例えば、ポリ(4−ビニルピリジン)及びポリ(2,6−ジメチ
ルフェノール)等のカチオン性ポリマーがあるが、負に荷電したポリマー、Na
fion(登録商標)が好適である。
【0072】 Nafion(登録商標)コーティング膜は、特に銅に対して、金属含有コロ
イドの受容相の表面への移動を妨げる効果を呈する。コロイド的に結合した金属
は、本質的に生物学的利用性がないので、Nafion(登録商標)コーティン
グ膜は、その電荷及びサイズ特性に基づいて金属類の分離を行うことにより、生
物学的利用性が得られる濃度まで高められた金属の同定を可能とする。従って、
Nafion(登録商標)コーティングされた受動サンプラーは、水環境中で良
好に機能し、嵩高い有機コロイドを効果的に排除する。これに関係する金属は、
実質的に生物学的利用性がない。
【0073】 本発明による装置においては、拡散制限膜と、固体支持体を具備する固体受容
相とが、一体的な、任意に廃棄可能なユニットとして接触していてもよい。本発
明による装置における1又は複数の、そして好適には全部で3つのこれら本質的
な構成要素は、好適には、使用前にそれらを受容すべく適応された本体内に設置
される。従って、本発明はさらに、受動サンプリング装置として使用するユニッ
トを提供する。このユニットは、本発明による装置と、不活性な本体(これ自体
が固体支持体を具備してもよい)とを有する。本体は、固体受容相を挿入できか
つ取り出すことができ、さらにミクロ汚染物質の水環境から膜へのアクセスを可
能とする。本体に適した材料の例は、高密度ポロプロピレン、PTFE若しくは
グラス・ファイバー等の高密度ポリマーである。好適にはPTFEである。
【0074】 任意であるが、本装置はさらに、機械的保護を設けてもよい。特に、拡散制限
膜の機械的保護を行うために適応されている。従って、ポリプロピレンネットや
ステンレス鋼メッシュ等のネット掛けを、受容相から離れた膜の面上に設けるこ
とにより、受容相と拡散制限膜との間に空気を入れることなくコンパクトなサン
プラーを実現することができる。また、フィールドで生じ得る機械的損傷をさけ
るのに役立つ。さらにまた、大きな固形物や沈殿物がサンプラーを損傷したり汚
染したりすることを避けるのに役立つ。
【0075】 任意であるが、本装置はさらに、輸送中及び/又は保存中に拡散制限膜を保持
しかつ/又はさらに保護するために取り外し可能な密封プレートを有してもよい
。密封プレートは、不活性な本体の所定位置に、かつ/又は固体支持体に関連し
て、ネジ付きリング等の固定手段により保持することができる。密封プレートは
また、水又は他の調整流体を固体受容相と接触させておけるようにキャップ若し
くはストッパを形成すべく適応させてもよい。これにより、装置の調整と使用の
間に完全に乾燥することを防ぐ。密封プレートの適切な材料の例は、高密度ポリ
プロピレン、PTFE又はグラスファイバー等の高密度ポリマーを含む。好適に
は、PTFEである。
【0076】 本発明を、以下の図面を参照して例示することにより説明する。 図1は、本発明による有機サンプリングのための装置の縦展開断面図である。 図2及び図3は、それぞれ本発明による無機サンプリングのための装置の断面
図及び斜視図である。 図4及び図5は、それぞれ本発明による保護メッシュ及び密封プレートを具備
する装置の断面図及び斜視図である。 図6は、紫外線レーザを用いて表面をラスタリングすることにより本発明によ
る装置の受容相に有用なキレート・ディスクのCu更正を示し、ICP−MSへ
のArフローの注入を示す。 図7は、Nafion(登録商標)コーティングされたセルロース・アセテート
膜を取り付けた図2及び図3の受動サンプリング装置によるカドミウム取り込み
におけるpHの変動(4,5及び8)の影響を示す。
【0077】 図1は、実質的に円筒状PTFE本体(1)を有する受動サンプリングユニッ
トを示し、PTFE本体(1)は、使用中にユニットが浮いて離脱することを防
ぐためにユニットを固定する手段として適応された1つのラグ(2)をその後端
に具備する。本体(1)は、前部分(3)と後部分(4)の2つの部分を有し、
これらは機械的スクリューネジ(5)により気密性をもって結合可能である。何
もしないときは、スクリューネジは、クロマトグラフィ受容相ディスク(6)を
取り出し又は挿入するために取りはずされる。これは前面に対する拡散制限膜(
7)と、後面に対する薄く剛性の支持PTFEディスク(8)との間に設置され
る。本例においては、ディスク(8)は、直径50mmであり、厚さ5mmである。
任意の可視の空気泡は、膜(7)と受容相ディスク(6)との間から円滑に取り
除かれる。反対側の面において、支持ディスク(8)は、小さい孔(直径3mm)
をもつPTFEの機械的な丸いラグ(長さ10mm及び直径5mm)を具備し、実験
室タンク実験中又はフィールドサンプリング中にこの孔を通して装置を吊り下げ
ることができる(ナイロンコード(図示せず)等を用いる)。搭載された支持デ
ィスク(8)(受容相(6)及び拡散制限膜(7)を具備する)は、PTFE本
体(1)の前部分(3)の位置決めリング内へ手動で挿入することができる。支
持ディスク(8)を所定位置に保持すると、PTFE本体(1)の後部分(4)
を、本体(1)の前部分(3)へねじ込むことにより、拡散制限膜(7)の外面
と本体(1)の前部品との間に気密性のあるシールを形成することができる。こ
のように、膜(7)及び支持ディスク(8)は、本体(1)の2つの部分の間の
所定位置に保持される。本体(1)の前面(3)は、水環境(及びその中のミク
ロ汚染物質)と膜(7)との間の接触を可能とするべく開口している。
【0078】 図2及び図3に類似の実施例が示されているが、拡散制限膜(27)の受容相
(26)から離れた面上が500mmのポリプロピレンネット(29)により保護
されている。この実施例では、受容相(26)自体は、3M Empore(登録
商標)Extraction Diskを有する。拡散制限膜(27)は、Naf
ion(登録商標)117−コーティングされたセルロース・アセテート膜であ
る。そして支持ディスク(28)は、ポリプロピレンから作製される。 同様に、図4及び図5は、図1と類似の実施例を示すが、拡散制限膜(7)が
ステンレス鋼メッシュ(9)により保護されており、フィールドで使用しないと
きにユニットの底部へ適合させて密封プレート(12)を固定するためのスクリ
ューネジリング(11)がユニット本体(1)に設けられている。
【0079】 受動サンプリングシステム中の分析物質の蓄積から時間平均水濃度が計算でき
るように、装置内の化合物の蓄積速度が知られている必要がある。さらに、フィ
ールド設置中の環境条件の揺らぎのこの更正に対する影響を見積もるべきである
。 この理由から、図1〜図3の受動サンプリングユニット(以下、「プロトタイ
プ」と称する場合がある)の精密な更正は、制御された実験室環境で実行された
。異なるプロトタイプの取り込み速度に対する分析物質濃度、水の攪乱、温度及
び装置の向きの影響が調査され、得られた結果がそれぞれ有機プロトタイプにつ
いての実施例3〜6に記載された。実施例7の無機/キレート・プロトタイプに
ついての時間及び濃度の影響も調査された。
【0080】 <有機ミクロ汚染物質の分析−技術> ・有機同定物−試験するミクロ汚染物質 プロトタイプの受動サンプリングシステムを評価するために、6つの化合物、
ジウロン、アントラジン、フェナントレン、PCB52、ジエルドリン、及びP
CB153の試験セットの挙動が実験のために選択された。これらの化合物の構
造は、以下に示す。これらの化合物は、これらが水環境で見出される有機ミクロ
汚染物質であり広範な物理化学特性を有することが普通に知られているので、選
択された(表2参照)。
【0081】
【表2】
【0082】 6つの化合物の試験セットを、水からも固相媒体からも定量的に区別するため
の技術、それに続く質量選択検出によるガスクロマトグラフィを用いた同定も確
立されている。
【0083】 ・質量選択検出によるガスクロマトグラフィ(GC−MSD)を用いた有機ミク
ロ汚染物質の定量分析 6つの試験化合物は、質量選択検出によるガスクロマトグラフィを用いて同時
に決定された。重水素化内部標準10D−フェナントレンが、サンプル調製中の
体積的な不正確さを補正するために用いられた。
【0084】 材料: 各有機分析物質の認証された純粋な参照標準を、Qm Saffron Walden, UK
から購入した(全ての場合について純度>98%)。個々のストックは、HPL
Cグレードアセトン中で1mg/mlで作製された。混合された更正標準は、これら
のストック溶液をHPLCグレード2,2,4−トリメチルペンタン中に適切に
希釈することにより調製された。ガスクロマトグラフィ条件及び選択的イオンモ
ニタリング条件(表3参照)は、以下の通りである。
【0085】
【表3】
【0086】 ・更正範囲:0−2000ng/ml ・装置条件: ・装置:Hewlett Packard 5890 GC(自動サンプラー及び質量選択検出器付き)
・モード:選択的イオンモニタリング(SIM) ・カラム:HP−5(架橋した5%フェニル・メチル・シリコーン) ・厚さ:30m*0.25mm*0.25mmフィルム ・キャリアガス:ヘリウム(1ml/分) ・注入モード:パルス無分割注入(2分無分割) ・注入体積:2ml ・注入温度:275℃ ・検出器温度:300℃ ・GC炉温度:初期温度90℃、3分間保持、20℃/分勾配 ・最終温度:280℃、3分間保持
【0087】 ・有機化合物の試験セットの水マトリクスからの抽出及び予備濃縮 6つの試験化合物は、HPLCグレートジクロロメタンの2つの10mlアリコ
ートを用いた液−液抽出手段により水溶液から抽出された。HPLCグレート2
,2,4−トリメチルペンタン中の10D−フェナントレンの1ng/ml溶液10
0mlを、内部標準として抽出物へ加えた。溶媒は、2,2,4−トリメチルペン
タンへ交換され、サンプルは、窒素流中で実際に1.0mlの体積へ濃縮された。
最終的な抽出物は、質量選択検出によるガスクロマトグラフィ(GC−MSD、
上記参照)により汚染物質レベルの分析準備のため2ml自動サンプラーガラス瓶
へ移された。
【0088】 ・手順上のブランク及び再生標準 抽出されたサンプルの各バッチにより、100mlアリコートの超純水からなる
手順上のブランクと、分析される各有機化合物100ngを加えた100ml超純水
からなる2つの再生溶液が抽出された。再生標準は、抽出されていない更正標準
と並行して分析され、2つの抽出物に対する平均再生百分率が計算された。この
再生ファクタは、同じバッチ中のサンプルの結果に適用された。
【0089】 このようにサンプル結果が作製され、100%よりも抽出効率の低いもの及び
方法実施中のバッチからバッチへのばらつきが補償された。手順上のブランク再
び、抽出手順中にシステムへ入る分析上の干渉をチェックするために、抽出され
ていない更正標準と並行して分析された。
【0090】 試験セット中に含まれる各化合物の通常の再生百分率は、表4に示す。
【0091】
【表4】
【0092】 ・有機連続フロー実験法 装置は、暴露タンク中の水で有機分析物質の一定の混合を可能とするように工
夫されている。
【0093】 これは、制御された条件下でプロトタイプ装置の実験室評価を実行するための
フロー・スルー・システムを有する。超純水が汲み上げられ、別に、メタノール
中に溶解した有機同定物質が、既知の制御された速度で暴露タンク中へシリンジ
により注入された。タンクは、一定体積でオーバーフローは廃棄される。これに
より、暴露タンク内に入れられた溶液は、プロトタイプ装置の実験室更正に必要
な長期間、有機分析物質の制御された(一定の又は揺らぎのある)濃度を実現す
ることができる。さらに、このタンクは、オーバーヘッドガラス撹拌具を用いて
既知の速度で撹拌することができ、機器全体が制御された温度環境に置かれるこ
とができる。
【0094】 従って、選択された膜材料を通り選択された受容相へ達する全ての試験化合物
の拡散速度は、制御された実験室環境で確認することができる。
【0095】 ・異なる拡散制限膜材料を用いたプロトタイプ装置の更正 異なる膜材料を通る有機同定物質の試験セットの拡散速度が、プロトタイプ装
置に拡散制限膜として各膜を導入し、フロー・スルー・システムすることにより
試験された。各実験において、C18 Empore(登録商標)ディスク(3
Mから入手可能)がクロマトグラフィ受容相として用いられ、そしてプロトタイ
プ装置全体が、48時間の一定期間既知の濃度の有機分析物質の水溶液へ暴露さ
れた。この実験中、撹拌速度は140rpmに設定され、システムの温度は11℃
で一定に維持され、溶解した分析物質濃度は制御され一定であった。100mlア
リコートが暴露タンクから毎日採取され、暴露タンク中の各分析物質の濃度が日
ベースでプロットされた。プロトタイプ装置は、48時間の暴露期間に続いて暴
露タンクから取り出され、C18 Empore(登録商標)及び選択された膜
材料の双方に蓄積した各分析物質の質量が決定された。この実験は、各膜材料に
ついて3回実行された。
【0096】 48時間の蓄積ファクタ(AF48)は、受容相及び各拡散制限膜材料の双方
について計算された。この蓄積ファクタは、暴露されかつ計算される各分析物質
の濃度に関連する異なる拡散制限膜に適合する装置の取り込み速度の測定を可能
とする。次の通りである。 ・48時間蓄積ファクタ(AF48)=M/C=48時間暴露後のC18受容相に蓄積されたユニット内の質量(ng) C=設置期間中の暴露タンク中のユニット内の平均濃度(ng/ml)
【0097】 <無機試験に用いられた材料及び方法> ・C18ディスク及びカートリッジ C18カートリッジは、Varian Bond Elut、C18ディスク
は、3M Empore(登録商標)(PTFE支持)及びSupelco Env
i−disk(グラスファイバー支持)である。分離前に、全てのカートリッジ
及びディスクが、メタノール(5ml)により調整され、超純水(2*5ml)によ
り洗浄された。カートリッジは、Varian真空部品に保持され、ディスクは
Millipore Filtration部品に保持された。
【0098】 平衡化においては、ヒドロキシルアミン・ヒドロクロライド(還元剤)、ソデ
ィウム・シトレート(sodium citrate)(pH4.3に調整された緩衝剤)、及び
バソキュプロイン(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナ
ントロリン−ジスルホン酸、光分析剤として)を、未濾過サンプルに添加した。
最終的な濃度は、ヒドロキシルアミン・ヒドロクロライドが0.12M、ソディ
ウム・シトレートが0.01M、及びバソキュプロインが0.036Mであった
。特に言及しない限り、全ての水サンプルは、カートリッジ又はディスク調整剤
の損失を防ぐために5%メタノールを含む。バソキュプロインは、シトレート緩
衝剤中に0.36Mのバソキュプロインを通過させてカートリッジ又はディスク
上に固定化された。還元剤、シトレート緩衝剤及びメタノールは、固定化バソキ
ュプロイン上を通過させる前にサンプルに添加された。全金属濃度は、Metr
ohm UV−digesterによりサンプル(100ml)の紫外線照射後に
、30%過酸化水素(500ml)及び濃硝酸(100ml Scanpure)中で決定さ
れた。
【0099】 Cu(I)−バソキュプロイン錯体は、メタノール:水(90:10、体積:体
積)によりカートリッジ(3*2ml)又はディスク(3*5ml)から溶出された
。各溶出について、溶出物は、1滴を引き抜くことにより浸漬でき、2分間保持
した後、残りの溶出物を通して濾過した。溶液は、メタノール:水(90:10
、体積:体積)によりカートリッジ(10ml)又はディスク(25ml)の体積と
された。Philips PU8620分光器により1cmセル中で吸収(484n
m)が測定された。検出限界は、長いセルを用いることにより向上させられる。
各分析は、バソキュプロイン光分析剤を添加しないサンプル・ブランクについて
も行われた。ブランクは、反応しない光分析剤でありフミン物質である。そして
、最終結果から差し引かれた。Cu(I)の同定のためのバソキュプロイン法は、M
offett、et.,al. Analytica Chimica Acta 175, 171 (1985)にさらに詳細に記載
されている。線形更正曲線が、0〜50mg/lCuについて見出された。さらに
高濃度は試験されなかった。報告されたCu同定の全結果は、少なくとも2回実
行され、相対的標準偏差は±1%以内であった。
【0100】 <キレート・ディスク> キレート樹脂ディスク(3M Empore(登録商標)Extraction
Disk)は、超純水(20ml)、3M HNO、超純水(2*40ml)、0
.1Mアンモニウム・アセテートpH5.3(50ml)(Riedel−de Haen)及び
超純水(2*40ml)により調整される。その後、キレート・ディスクは、不活
性PTFEのマトリクス中にイミノアセテート基を含み、EDTAに類似の錯体
をけいせいすることにより多価金属イオンを収集する。
【0101】 サンプリング期間の後、受動サンプラー内の暴露されたキレート・ディスク上
に現場で収集された金属が、3M HNO(3*8ml)を用いて溶出され誘導結
合プラズマ質量分析器(ICP−MS)により分析されることにより金属濃度を
取得するか、又は、ディスクが直接レーザ切除IPC−MS(LA−ICP−M
S)により溶出無しに直接分析される。0.24M HNOとしてのサンプル
は、分子イオン干渉について補正すると共にICP−MSによりCu、Zn、C
d及びPbについて分析される。使用される機器は、Perkin Elmer Elan 6000で
あり、結合レーザ切除システムはCETAC LSX 200である。
【0102】 ・ネット ネットは、ポリプロピレン(500mm、Industori Textil Job AB)から作製
され、酸洗浄(10%HNO)され、使用前に超純水で濯がれた。
【0103】 ・プロトタイプ受動サンプラー 受動サンプラー(図2及び図3)は、ポロプロピレンから作製され、酸洗浄(
10%HNO)され、使用前に濯がれた。調整後、受容ディスク(キレート・
ディスク、C18等)が、拡散制限膜及び保護ネットと共に受動サンプラー内に
設置された。ポリプロピレン・ホルダーは、最終的にねじ込まれることにより気
密性をもって密封する。暴露後、サンプラーのねじを緩め、膜を取り出し分析す
る。
【0104】 ・生物学的汚染−Nafionコーティング(電荷排除−負電荷) 拡散制限膜は、Nafionコーティング(0.05%w/v、Nafion
(等力商標)117、エタノール容積1ml中のAldrich(Poole, UK))。ペリフィ
トン(Periphyton)は、ASTM STP988 American Society for Testing and Materia
ls, Philadelphia, 219-230 (1998)に記載のBlank et. al. によるペリフィトン
・サンプリング法を用いることにより丸い直径14mmのガラス・ディスク上に形
成された。ガラス・ディスクは、ポリエチレン・フレームへ取り付けられたポリ
エチレン・ホルダーにより垂直に保持された。このフレームは、ポリエチレン棒
によりサンプル流の底部へ取り付けられ、2〜3週間現場で放置された。このデ
ィスクは、Nafionが生物学的成長を妨げるか否かを知るために異なる量の
Nafionを含浸させられた。成長は、Nafionによりゆっくりとなるこ
とが判った。ディスクは、クロロフィルa、アルガル・バイマス(algal biomass
)のインジケータについて分析した。5つのペリフィトン・ガラス・ディスクが
、一緒に取り扱われた。それらは、粗い表面側を除き全ての側面を清浄にされ、
1mlのDMSO(ジメチル・スルホキシド)中へ入れられ、分析されるまで凍結さ
れ保存された。全ての取扱及び分析は、ほの暗い光の中で行われた。その後、ク
ロロフィルaが、60℃30分で抽出された。サンプルが冷却されたならば、等
量のアセトンが追加されサンプルは遠心分離された。その後サンプルは、分光分
析により分析された。クロロフィルaの濃度は、Jeffrey and Humphrey, Bioche
m. Physiol. Phlanzen. 167, 191-194 (1975)により与えられた式により計算さ
れた。
【0105】 ・LA−ICP−MS レーザ切除実験は、実験室中において異なる金属濃度で調製されたキレート・
ディスクに対して、及び、現場において行われた受動サンプラーからのディスク
に対して行われた。レーザ切除システムは、レーザ切除実験のためにICP−M
Sへ結合され、キレート・ディスクを直接分析するために用いられた(図6参照
。図6は、ArフローをICP−MS中へ直接注入しつつ紫外線レーザを用いて
表面をラスタ走査することによるキレート・ディスクの直接的なCu更正を示し
ている)。更正に用いられる平均強度(計数値)は、プラトー(計数特性曲線)
から得られる。この場合、ディスクの溶出ステップは排除され、3つのラインの
シリーズ(「ラスタリング」)であるラスタが、表面上を走査させられるが、マ
トリクスの深部に達することも可能である。
【0106】 レーザ切除は、サンプル準備なしでサンプリングキレート表面の直接解析をす
るという点で、受動サンプリングの現場での利点がある。これにより、容器サン
プルの濾過及び準備の間に生じうる汚染及びサンプル変化の危険性を避けること
ができる。
【0107】 本発明による受動サンプラー及び方法の準備及び使用は、次の例により説明さ
れる。
【0108】 <実施例1−C18ディスクを具備するプロトタイプ受動サンプリング装置の使
用> ・C18 Empore(登録商標)ディスクの準備 C18 Empore(登録商標)ディスクは、受動サンプリングシステムの受
容相として使用する前に調整が必要である。ディスクを、ガラスビーカー中のH
PLCグレードのメタノール(10ml、Fischer Scientificから入手)に20分
間浸漬することにより調整が行われる。この間、ディスクは透明な外観を呈した
。その後ディスクは、過剰なメタノールを除去するために超純水を入れたガラス
ビーカー又はペトリ皿へ移された。ディスクは水から取り除かれ、過剰な水を除
くために清浄で乾燥した繊維で緩やかに押された。
【0109】 膜材料のディスクは、直径47mmに調整された。調整されたC18ディスクは
、PTFE搭載ディスクすなわち支持ディスク上に直接置かれた。
【0110】 拡散制限膜は、C18ディスクの上に置かれ、可視の空気泡は2つの膜の間か
ら円滑に排除された。搭載ディスク(クロマトグラフィ相及び拡散制限膜により
完成)は、装置本体中へ設置され(図1)、気密性のある密封状態を形成するた
めに所定位置にねじ込まれる。
【0111】 ・受動サンプリング装置の保存及び設置 C18ディスクは、装置の調整と設置との間に完全に乾燥しないようにされた
。従って、装置は、設置前に速やかに搭載されるか、あるいは、設置に先立って
ガラスジャー等の密閉容器内の超純水中に浸漬され保存された。装置は、このよ
うな方法で保存され設置場所へ移送されるべきであり、使用前にのみ速やかに取
り出されるべきである。別の例として、受動サンプラーは、図4及び図5に示す
サンプラーの場合のように、蒸留水を充填することができ、構成要素(12)の
密封プレートを用いて密封することができる。装置は、保存ジャーから取り出さ
れ、支持ワイヤ又は支持コードがPTFE支持ディスク上のラグへ固定される。
ワイヤ又はコードが十分な長さであることにより、設置された装置がサンプリン
グ期間中、水面下に全体が潜水するように吊り下げられる。現場においては、ワ
イヤ又はコードは、浮き又は類似の構造物へ固定することができる。装置は、水
中へ沈められ、サンプラー本体の前面に捕捉される空気は、部品を少し反転する
ことにより除去される。装置は、水中で自由に吊り下がることができる。装置は
、下方に向いた拡散制限膜の暴露した面と共に自然に吊り下がる。
【0112】 ・取り出し 必要な設置期間の後、装置はサンプリング場所から回収され分解される。分解
は、上記の組立ての説明の逆に行われる。クロマトグラフィ受容相は、清浄なス
テンレス鋼ピンセットを用いる等により取り出され、PTFEライナー付きキャ
ップを取り付ける清浄なガラスねじトップ容器に設置される。クロマトグラフィ
受容相は、分析前に−20℃で保存される。拡散制限膜は廃棄される。PTFE
本体及び支持ディスクは、再使用前に水及び有機溶媒で洗浄される。
【0113】 ・C18 Emporeディスクからの有機化合物の試験セットの抽出 有機同定物は、HPLCグレードの5mlアセトン(超音波浴中で5分間)を用
いた後、エチルアセテート:2,2,4−トリメチルペンタン混合物が50%:
50%(体積:体積)(超音波浴中で5分間)を用いてC18 Empore(
登録商標)ディスクから抽出された。この時間の終了後、ディスクが取り出され
、2つの溶媒抽出物が合わせられ、内部標準として100mlの重水素化10D−
フェナントレンが加えられた。抽出物は、窒素流下において1mlの体積に濃縮さ
れた。また抽出物は、GC−MSDによる同定の準備として2ml自動サンプラー
容器中へ置かれた。
【0114】 <実施例2−プロトタイプで用いるに適した膜材料の評価> 所与の市販の膜材料(表1参照)の拡散特性は、上記の連続フローシステムで
実施例1のプロトタイプ・サンプラーの暴露により調べられた。各膜材料を取り
付けたプロトタイプ装置の48時間の暴露の後のC18受容相における有機分析
物質の蓄積は、表5にまとめられている。実験は、一定の分析物質濃度、温度1
1℃、及び一定の撹拌速度140rpmで実行された。エラー・バーは、標準偏差
(n=3)を示している。結果は、蓄積ファクタ(ml/装置)=受容相中の濃度(m
l/装置)/設置中の水相中の分析物質の平均濃度(ng/ml)となる。かっこ内の数
字は、標準偏差(n=3)を示している。
【0115】
【表5】
【0116】 C18受容相中の化合物の蓄積パターンは、膜材料及び目標分析物質の双方の
物理化学特性により影響を受ける。PCB、ジエルドリン及びフェナントレン等
のさらに非極性の化合物の幾つかは、特定の膜材料に対して高い親和性を有する
ので、この膜の構造中に蓄積し、受容相へ通過していかない。これに対し、ポリ
マー膜の幾つかは、非極性分析物質の速やかな移動のために設けられるがジウロ
ン及びアントラジン等のさらに極性の分析物質の移動の障壁を形成する。
【0117】 異なる膜材料に適合する受動サンプリングシステムの2つの区画内における有
機分析物質の蓄積のパターンは、表6に示されている。装置には、受容相として
のC18 Empore(登録商標)及び拡散制限膜材料としての0.2mm孔サ
イズのポリスルホン膜かポリエチレン膜を組み込まれた。蓄積は、一定濃度、一
定撹拌速度(140rpm)及び一定温度(11℃)にて分析物質の水溶液へ48
時間曝した後に測定された。挙げられた結果は、3回の繰り返しの平均であり、
蓄積ファクタ(ml/装置)=試験区画中の質量(ng/装置)/設置中の水相中の分析
物質の平均濃度(ng/ml)となる。かっこ内の数字は、標準偏差(n=3)を示し
ている。
【0118】
【表6】
【0119】 特に、ポリスルホン膜は、高度の物理的強度を有し、耐汚染特性をもつような
低タンパク結合形式に利用できる。ポリスルホン膜は、この実験に含まれるさら
に非疎水性の化合物、すなわちフェナントレン、ジエルドリン及びPCBに対す
る高い親和性をもつが、アトラジン及びジウロン等のさらに極性の化合物は、こ
の膜材料を速やかに通過し受容サンプリング装置の受容相に蓄積される。ポリス
ルホン膜は、従って、通常LogKOW値が4より小さい比較的極性のミクロ汚
染物質を目標とする受容サンプリングシステムに用いるに適している。
【0120】 ポリエチレン膜は、非極性分析物質の速やかな拡散を可能とするが、アトラジ
ン及びジウロン等のLogKOW<4の比較的極性の化合物の拡散の障壁を形成
する。この材料は、従って、非極性有機ミクロ汚染物質を目標とする受動サンプ
リングシステムのための拡散制限膜に適している。
【0121】 ・続いて、実施例3〜5は、上述のフロースルーシステム中の制御された条件下
でプロトタイプ装置の実験室暴露から得られる結果を示している。暴露に続く受
動サンプリングの受容相内の分析物質の蓄積は、溶媒抽出及びガスクロマトグラ
フィ分析を用いて同定される。これは、上記の有機ミクロ汚染物質の解析技術の
説明で述べた通りである。
【0122】 各実験において、プロトタイプ装置は、プロトタイプ装置は、ポリエチレン膜
及びポリスルホン膜の双方を組み込まれ試験された。従って、フェナントレン、
ジエルドリン、PCB52及びPCB153の非極性分析物質について挙げた結
果は、ポリエチレン膜を組み込んだシステムを用いて生成され、ジウロン及びア
ントラジン等のさらに極性の分析物質で述べた結果は、ポリスルホンシステムを
用いて生成された。
【0123】 ・期間中一定の暴露濃度におけるプロトタイプ受動サンプリングシステムの更正 表7は、異なる暴露期間の範囲について有機分析物質の一定濃度に対して制御
された実験室環境で受動サンプリング装置により暴露された有機分析物質の取り
込みパターンを示している。受容相としてのC18 Empore(登録商標)デ
ィスク及び拡散制限膜材料としてのポリスルホン膜若しくはポリエチレン膜を組
み込まれた受動サンプリングシステムにより有機分析物質の蓄積である。蓄積は
、一定の濃度、撹拌速度(140rpm)及び温度(11℃)で分析物質の水溶液
へシステムを暴露した後に測定した。時間についての蓄積ファクタAF(ml/装
置)の直線回帰がプロットされ、表7の変数(R)の係数を与えられた。AF
=試験区画内の分析物質の質量(ng/装置)/設置中の水相内の分析物質の平均
濃度(ng/ml)である。
【0124】
【表7】
【0125】 各場合における取り込みのパターンは、数時間から9日間の設置期間に亘って
時間について線形である。各場合のR値は、約0.9である。データポイント
を通りプロットされた直線回帰は、各分析物質の水溶液への装置の暴露と、受容
サンプリングシステムの受容相へのその取り込みとの間の遅延時間を示している
。実際にこれは、特定のプロトタイプ受動サンプリングシステムの特定の化合物
に対する応答時間の測定である。フェナントレン及びPCB52のポリエチレン
装置への取り込みの場合は、水環境に解離したこれらの分析物質への暴露と、C 18 受容相への取り込みとの間にわずかな遅延時間のみ見られる。一方、PCB
153及びジエルドリンの取り込みの場合、水溶液に解離した化合物への暴露と
、受容サンプラーへの取り込みとの間にさらに大きな遅延時間が観察される。
【0126】 各グラフは、実質的に線形であるので、水溶液に解離した分析物質の各々の時
間平均濃度は、設置期間の終了時における受動サンプリングシステムの受容相中
の最終的な分析物質質量から容易に予測することができる。
【0127】 <実施例3−有機分析物質の取り込みに対する暴露濃度の影響> Fickian核酸の原理によれば、受動サンプリングシステムの受容相によ
る各有機分析物質の取り込みは、周囲の水中の分析物質濃度に線形に関係すべき
である。選択された拡散制限膜及び受容相としてのC18 Emporeディス
クを具備する装置が、既知の濃度の解離有機分析物質を含み温度11℃で140
rpmで撹拌される上述の暴露タンクへ設置された。装置は、この一定濃度で48
時間暴露された後、取り出され、装置の受容相に蓄積された各分析物資の質量が
測定された(実施例1参照、GC−MSD使用)。100mlの資料が毎日暴露タ
ンクから採取され、暴露タンク中の各分析物質の濃度が日ベースでプロットされ
た。この実験は、解離した分析物質の濃度の範囲で繰り返された。
【0128】 表8は、制御されたフロースルーシステムにおける異なる分析物質濃度に48
時間暴露された後のプロトタイプ受動サンプリング装置の受容相中の各有機化合
物の蓄積を示している。直線回帰は、設置中の平均水濃度(ng/ml)に対する各分
析物質の蓄積ファクタAF(ml/装置)に影響され、得られた公式は、表8中の決
定係数(R)を与えられている。AF=試験区画内の分析物質質量(ng/装置
)/設置中の水相内の分析物質の平均濃度(ng/ml)である。
【0129】
【表8】
【0130】 この場合も、プロットされた更正グラフは、本質的に線形であり、R2値は、
PCB52の場合の0.9510から、ジウロンの場合の0.9969までであ
る。このことは、各分析物質の受動サンプリング装置への取り込み速度が水環境
の濃度に依存することを示している。既知の設置期間後に受動サンプラーの受容
相に蓄積された有機分析物質の質量は、従って、その装置が暴露されていた濃度
に直接関係する。
【0131】 <実施例4−有機分析物質の取り込み速度い対する温度の影響> プロトタイプ装置は、一定の分析物質濃度及び140rpmの撹拌速度に更正さ
れた上記の暴露タンクに1日〜1週間の範囲で設置された。最初の実験は、水の
温度11℃で制御された温度環境で行われた。各暴露の終了時に、プロトタイプ
装置が取り出され、受容相内に蓄積した各分析物質の質量が決定された。受動サ
ンプリングシステムによる有機分析物質の取り込み速度に対する温度の影響を調
べるために、実験全体が4℃、7℃及び15℃で繰り返された。
【0132】 表9は、結果を示す。勾配の自然対数は、回帰係数(表9の勾配)を生成する
ために絶対温度の逆数に対して回帰された。これらの勾配は、Kの単位をもち、
気体定数(JK−1mol−1)を乗算されたとき活性化エネルギー(Jmol −1 )を与える。係数(R)の決定は、各場合の速度の自然対数と1/Tの関
係の大きさの測定値を与える。
【0133】
【表9】
【0134】 暴露温度の変化は、受動サンプリングシステムによる有機分析物質の取り込み
パターンに影響を及ぼす。この影響は、ポリエチレン拡散制限膜に適合した装置
によるジエルドリンの取り込みの場合に最も大きい。
【0135】 <実施例5−有機分析物質の取り込み速度に対する装置の向きの影響> プロトタイプ装置は、48時間の間、上記のフロースルーシステムの暴露タン
クに設置することにより更正された。暴露濃度は、一定に維持され、温度は11
℃に設定され、システムは実験中140rpmで撹拌された。各暴露の終了時に、
プロトタイプ装置は取り出され、受容相中に蓄積された各分析物質の質量が決定
された。この実験は、垂直方向の拡散制限膜と水平方向の拡散制限膜について5
回繰り返し行われ、受動サンプリング装置による有機分析物質の取り込み速度に
対する装置の向きの影響を調べた。
【0136】 垂直方法及び水平方向の膜を具備するプロトタイプ受動サンプリング装置の4
8時間の暴露により、装置の向きが、受動サンプリングシステムによる有機分析
物質の取り込み速度に対して大きな影響を与えないことを示した。これは、ポリ
スルホン装置及びポリエチレン装置の双方について同様であった。
【0137】 <実施例6−キレート・プロトタイプを用いた実験室試験> 実施例6は、本発明による受動サンプラー(図2及び図3の無機プロトタイプ
)に関する。この受動サンプラーは、受容ディスクとして3M Empore(登
録商標) Extraction Disk(キレート・ディスク)と、ナフィオン
(登録商標)117コーティング・セルロース・アセテート拡散制限膜と、50
0mmポリプロピレン・ネットとを有し、上記の無機試験に用いられる材料及び方
法の記述によるものである。
【0138】 実験は、装置を更正するために行われた。時間に対する暴露された受動サンプ
ラーの実験が、1〜5時間の間、300mlHO中の500mg/lのCu及びZ
n濃度で磁気撹拌具を用いて行われた。受動サンプラーは、1〜5時間の間、1
時間毎に取り出され、フレーム原子吸光分析器AAS(Perkin Elmer 2380)に
よりCu及びZnについて分析された。Cuについての更正直線は、y=78.
182x+104.07、R=0.9796、Znについての更正直線は、y
=94.554x+99.655、R=0.9789と見い出された。ここで
、xは、mg/l単位の濃度であり、yは、%単位の吸収である。
【0139】 同様に、濃度に対する暴露された受動サンプラーの実験が、300mlHO中
の50〜500mg/lのCu及びZn濃度で5時間の間、磁気撹拌具を用いて行
われた。全ての受動サンプラーは、5時間後に取り出され分析された。Cuにつ
いての更正直線は、y=0.0427x+1.1333、R=0.9937、
Znについての更正直線は、y=0.2117x+29.689、R=0.9
864と見い出された。ここで、xは、mg/l単位の濃度であり、yは、%単位
の吸収である。
【0140】 <実施例7−内部標準をもつプロトタイプ受動サンプリング装置の使用> 実施例1の方法は、次の適応に従って行われる。 第1に、調整されたC18ディスクは、内部標準を予め導入(プリロード)さ
れた。内部標準は、設置中に環境条件(温度や撹乱等)における揺らぎのために
受動サンプラーによる分析物質の取り込みに生じる変動を補償するために導入さ
れた。調整されたC18 Empore(登録商標)ディスクは、標準濾過装置
に設置された。100mlの超純粋が、メタノール中に100ng/μlのD−ナ
フタレン及びD−ジメチルフタレートを含む1000μl溶液と混合された。
この溶液が、C18 Empore(登録商標)ディスクを通して真空中で濾過
され、そしてこのディスクは即座に拡散制限膜を具備する装置へ設置された。
【0141】 第2に、装置は、図4及び図5のそれを用いた。装置は立てて置かれ、密封プ
レートを用いて移動及び保存のためにシステムを密封する前に数ミリリットルの
超純粋が上部キャビティに付与された。
【0142】 設置中、密封プレートは装置から取り外され、ステンレス鋼保護メッシュが所
定位置に設置され、設けられているスクリューネジリングを用いて固定される。
【0143】 必要な設置期間の後、サンプリング場所から装置を回収し、装置の内部キャビ
ティにサンプリング場所から得た水を数ミリリットル充填した。密封プレートは
、機密性のある密閉状態を形成するために装置上に堅くねじ込まれた。現場での
使用においては、分析に先立つ移送のために装置を冷却(または、好適には−2
0℃で冷凍)すべきである。実施例1で説明したように、分析に先立って速やか
にシステムは分解される(上記の組立ての説明の逆の手順で行う)。
【0144】 設置の後、受動サンプラー内に蓄積された分析物質の質量が、その温度範囲及
び水の撹乱レベルにおいてサンプラーから失われた内部標準の質量に比例するよ
うに見い出された。従って、分析物質の蓄積速度は、異なる環境条件に対して調
整することができる。
【0145】 <実施例8−受動サンプラー内の透過選択膜拡散> Nafion(登録商標)コーティングされたセルロース・アセテート膜の透
過選択性が、水サンプル(表10)について実験室で試験された。受動サンプラ
ー内のコーティングされていないセルロース膜(すなわち、実施例6と同じサン
プラーであるがコーティングされていない)は、Cu及びZnについての電気化
学測定により顕著な結果を示し、同じ拡散機構が含まれることが確認された。C
dについては、コロイド結合のためにコーティングされていない膜でさえも浸透
できない。 全ての金属(表10)に対する透過選択機構が、Nafion(登録商標)コ
ーティングされたセルロース膜について確認された。Cuについては、負に帯電
した有機錯体が効果的に排除され、1%のCuを利用可能とする。カドミウムに
ついては、有機錯体がコーティング膜及び非コーティング膜の双方により排除さ
れる。亜鉛は、有機錯体排除の更なる証拠を伴う中間的な挙動を示した。
【0146】 表10:実験室実験の条件下で、都会の川の水における受動サンプラーに対す
る金属の利用率%。これらの値は、同じ全濃度についての自由イオンの取り込み
から計算されるので、これらの値は、受動サンプラーに対するサンプル中の金属
の相対的利用率を表す。電気利用率とは同じ割合を示すが、むき出しの水銀滴電
極での利用率に関する。
【0147】
【表10】
【0148】 拡散中の膜の透過選択機能についての更なる証拠が、受動サンプラーによる金
属取り込みに対するpHの影響を調べることにより示された。この場合はCdで
ある。図7は、Nafion(登録商標)コーティングされたセルロース・アセ
テート膜を組み込んだ受動サンプリングシステムによるカドミウム取り込みに対
するpHの変化(4、5及び8)の影響を示す。まず、カドミウムが、実験室中
の慎重に制御された水系へ追加された。この水系にサンプラーが設置される。水
のサンプルは、10日間に亘って採取された。
【0149】 pH4における極めて低い取り込みは、Nafion(登録商標)ポリマー・
コーティングの電荷特性の変化に関連しており、透過選択コーティングを通る移
動がNafion(登録商標)との相互作用によるものであることの直接的証拠
である。透過選択膜と金属との相互作用の更なる証拠は、むき出しのディスクへ
の取り込みがさらに迅速であることである。Cdの取り込み速度定数(k)は、
むき出しのディスクについては1.6*10min−1であり、透過選択膜につ
いては0.21*10min−1である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年1月25日(2001.1.25)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】 選択された特定の固体受容相及び使用前に適用された前処理によって、同時に
1つ又は複数の分析物質をモニタリングするように装置をカスタム対応させるこ
とが可能である。従って、固体受容相は、例えば金属累等の選択された分析物質
を錯体化若しくはキレート化するための試剤で処理されたクロマトグラフィ及び
/又はキレート相を有してもよい。例えば、C18又はCディスクが異なるマ
トリクス(PTFE、グラスファイバ)中で光分析剤(バトキュプロイン(batho
cuproine)又は1,5−ジフェニルカルボヒドラザイド(1,5−diphenylcarbahydr azide)) と共に用いられる場合、特殊な金属類(それぞれCu(I)、Cr(VI))
を収集することが可能である。通常、光分析剤バトキュプロインのみにより低濃
度のこのような金属類を検出することは困難であるが、C又はC18ディスク
上で光分析剤に対して錯体化した金属の予備濃縮と共に用いると、可能である(
Bjorklund及びMorrisonによる記述がある)。設置前にディスク上に固定化され
た光分析剤を有するか又はサンプル中で直接平衡化させることもまた、有益であ
る。バトキュプロイン、メチルチモール・ブルー、キシレノール・オレンジ、グ
リシン・クレゾール・レッド、ビンキノニック酸(binchinonic acid)、ジフェニ
ルカルバザイド及び1,5−ジフェニル・カルボヒドラザイド等が光分析剤の例
である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】 非常に異なる化学特性及び物理特性を持つ膜材料の範囲は、受動サンプリング
システムの選択されたミクロ汚染物質に対する拡散制限膜としてのそれらの適切
性に関する評価から得られる。膜材料は、膜のマトリクス及び/又はその小孔を
通して装置の受容相へミクロ汚染物質、例えば、小さい有機分子等の迅速な拡散
を可能とすることが要請される。装置が更正されるミクロ汚染物質に対して親和
性が低いことが要請される。汚染物質が、通過して選択された受容相へ行く代わ
りに膜材料内に蓄積しないようにするためである。この拡散特性に加えて、物理
的な強靱さ及びバクテリアの攻撃に対抗する機能も考慮すべきである。これらの
機能は、装置が厳しい環境条件に設置された場合に、選択された膜材料の重要な
性質となるからである。有機分析物質の収集用の適切な膜の例は、約0.1μm
〜2μmの範囲の孔サイズを有する親水性又は疎水性のポリマー材料であり、以
下の表1に挙げている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0064】 従って、第2の実施例では、本発明は、水環境中の極性有機ミクロ汚染物質を
モニタリングする装置を提供する。この装置は、 (a)装置が使用中でかつミクロ汚染物質を通過させて速度制限された拡散を
可能とするように適応されているときに水環境と接触することができる拡散制限
膜と、 (b)前記拡散制限膜により水環境から隔離され、ミクロ汚染物質を受容しか
つ保持するべくミクロ汚染物質に対する十分高い親和性をもつ受容相とを有し、 前記受容相が固定化された固相材料を具備し、かつ、前記拡散制限膜が前記膜
を横断しかつ0.1〜10μmの範囲の直径をもつ多孔を具備することを特徴と
する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0065】 好適には、上記多孔は0.1〜1μm、特に約0.1〜0.2μmの範囲の直径
を有する。極性有機汚染物質に適した膜は、ポリスルホン、ポリカーボネート、
セルロース・ジアリシス膜、PTFE及びPVDF等のポリマー並びにグラスフ
ァイバを含む。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項6】 水環境におけるミクロ汚染物質をモニタリングする装置にお
いて、 (a)前記装置の使用中に前記水環境と接触できかつ前記ミクロ汚染物質の速
度制限された拡散を可能とすべく適応された拡散制限膜と、 (b)前記拡散制限膜により前記水環境から隔離されて前記ミクロ汚染物質を
受容しかつ保持すべく該ミクロ汚染物質に対する十分な親和性をもつ受容相とを
有し、 前記受容相が固定化固相材料を有し、かつ前記拡散制限膜が、該膜の面に対し
て実質的に直角な方向に該膜を横切る直径0.1〜10μmの多孔を有すること
を特徴とするモニタリング装置。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年11月23日(2001.11.23)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 グリーンウッド、リチャード イギリス国、ポーツマス・ピーオー1・2 ユーピー、ウィンストン・チャーチル・ア ヴェニュー、ユニヴァーシティ・ハウス、 ユニヴァーシティ・オブ・ポーツマス (72)発明者 ミルズ、グラハム イギリス国、ポーツマス・ピーオー1・2 ユーピー、ウィンストン・チャーチル・ア ヴェニュー、ユニヴァーシティ・ハウス、 ユニヴァーシティ・オブ・ポーツマス (72)発明者 モリソン、グレゴリー、マーク スウェーデン国、エス−466・ソレブルン、 プランツコレワーゲン (72)発明者 ブジョークルンド・パーソン、レナ、ボデ ィル スウェーデン国、エス−431 49・モエル ンダル、エランダ・スコッグ 60 Fターム(参考) 2G052 AA06 AB01 AB11 AB22 AB27 AC03 AC04 AD06 AD26 AD46 BA22 EA02 ED03 GA11 GA24 GA27 JA09 JA11

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水環境におけるミクロ汚染物質をモニタリングする装置にお
    いて、 (a)前記装置の使用中に前記水環境と接触できかつ前記ミクロ汚染物質の速
    度制限された拡散を可能とすべく適応された拡散制限膜と、 (b)前記拡散制限膜により前記水環境から隔離されて前記ミクロ汚染物質を
    受容しかつ保持すべく該ミクロ汚染物質に対する十分な親和性をもつ受容相とを
    有し、 前記受容相が固体支持体により支持される固定化固相材料を有することを特徴
    とするモニタリング装置。
  2. 【請求項2】 前記固体支持体が固相材料のための固体担体の形態であり、
    その構造内に水を含有又は保持せずかつその環境と水を交換できないことにより
    、前記固体支持体が蒸発若しくは浸透圧移動のいずれによっても水の損失を生じ
    ないために寸法変化がない請求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】 水環境における非極性有機ミクロ汚染物質をモニタリングす
    る装置において、 (a)前記装置の使用中に前記水環境と接触できかつ前記ミクロ汚染物質の速
    度制限された拡散を可能とすべく適応された拡散制限膜と、 (b)前記拡散制限膜により前記水環境から隔離されて前記ミクロ汚染物質を
    受容しかつ保持すべく該ミクロ汚染物質に対する十分な親和性をもつ受容相とを
    有し、 前記受容相が固定化固相材料を有し、かつ前記拡散制限膜がそれを通過する前
    記ミクロ汚染物質の拡散速度を決定できる固体疎水性ポリマー材料を有すること
    を特徴とするモニタリング装置。
  4. 【請求項4】 前記拡散制限膜が、固体疎水性材料を有し、1%未満の水を
    含有しかつ/又は実質的に孔がないことにより、該拡散通路が該固体ポリマー自
    体を有すると共に全く水を含有しない請求項1〜3のいずれかに記載の装置。
  5. 【請求項5】 前記拡散制限膜がポリエチレンを有する請求項1〜4のいず
    れかに記載の装置。
  6. 【請求項6】 水環境におけるミクロ汚染物質をモニタリングする装置にお
    いて、 (a)前記装置の使用中に前記水環境と接触できかつ前記ミクロ汚染物質の速
    度制限された拡散を可能とすべく適応された拡散制限膜と、 (b)前記拡散制限膜により前記水環境から隔離されて前記ミクロ汚染物質を
    受容しかつ保持すべく該ミクロ汚染物質に対する十分な親和性をもつ受容相とを
    有し、 前記受容相が固定化固相材料を有し、かつ前記拡散制限膜が、該膜の面に対し
    て実質的に直角な方向に該膜を横切る直径0.1〜10mmの多孔を有することを
    特徴とするモニタリング装置。
  7. 【請求項7】 極性有機ミクロ汚染物質をモニタリングするに適した装置で
    あって、前記拡散制限膜がポリスルホン、ポリカーボネート、セルロース・ジア
    リシス膜、PTFE、PVDF及びグラスファイバから選択される請求項1、2
    又は6に記載の装置。
  8. 【請求項8】 無機ミクロ汚染物質をモニタリングするに適した装置であっ
    て、前記拡散制限膜がセルロース・アセテート、グラスファイバ膜、ナイロン膜
    及びジアリシス膜から選択される請求項1、2又は6に記載の装置。
  9. 【請求項9】 前記拡散制限膜が分子電荷選択材料であるか又はこれに関連
    する請求項1〜8のいずれかに記載の装置。
  10. 【請求項10】 水環境におけるミクロ汚染物質をモニタリングする装置に
    おいて、 (a)前記装置の使用中に前記水環境と接触できかつ前記ミクロ汚染物質の速
    度制限された拡散を可能とすべく適応された拡散制限膜と、 (b)前記拡散制限膜により前記水環境から隔離されて前記ミクロ汚染物質を
    受容しかつ保持すべく該ミクロ汚染物質に対する十分な親和性をもつ受容相とを
    有し、 前記拡散制限膜が分子電荷選択材料であるか又はこれに関連することを特徴と
    するモニタリング装置。
  11. 【請求項11】 前記分子電荷選択材料が、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポ
    リ(2,6−ジメチルフェノール)及びペンダント・スルホン酸基をもつパーフル
    オロポリマーから選択される請求項9又は10の装置。
  12. 【請求項12】 拡散の通路である前記拡散制限膜の厚さが0.02〜0.
    15mmの範囲である請求項1〜11のいずれかに記載の装置。
  13. 【請求項13】 拡散の通路である前記拡散制限膜の厚さが0.1mm未満で
    ある請求項12に記載の装置。
  14. 【請求項14】 前記受容相の厚さが1mm未満である請求項1〜13のいず
    れかに記載の装置。
  15. 【請求項15】 前記固体受容相がカートリッジ又はディスクの形態である
    請求項1〜14のいずれかに記載の装置。
  16. 【請求項16】 前記固定化固相材料が、シリカベースポリマーに結合した
    中程度鎖長(C〜C18)の炭化水素基を有する請求項1〜15のいずれかに
    記載の装置。
  17. 【請求項17】 前記固体支持体がファイバマトリクスを有する請求項1〜
    16のいずれかに記載の装置。
  18. 【請求項18】 前記受容相から離れた前記拡散制限膜の面にネット若しく
    はメッシュが設けられる請求項1〜17のいずれかに記載の装置。
  19. 【請求項19】 請求項1〜18のいずれかに記載の装置と、固体受容相の
    挿入及び取り外しを可能とすべく適応されかつ前記水環境から前記拡散制限膜へ
    ミクロ汚染物質を取り込むべく適応された不活性本体とを有する、受動サンプリ
    ング装置として使用するユニット。
  20. 【請求項20】 前記装置の準備と使用との間に、固体受容相と接触して水
    若しくは調整剤を保持できる除去可能な手段を設けた請求項1〜19のいずれか
    に記載の装置又はユニット。
  21. 【請求項21】 前記ユニットがPTFEであるかかつ/又は前記除去可能
    な手段がPTFEである請求項19若しくは20のユニット又は請求項20の装
    置。
  22. 【請求項22】 汚染された環境におけるミクロ汚染物質をモニタリングす
    る方法において、 (a)固体支持体により支持される、前記ミクロ汚染物質のための固定化固相
    材料を有する受容相を設けるステップと、 (b)前記ミクロ汚染物質の速度制限された拡散を可能とすべく適応されかつ
    、使用中に、前記汚染された環境から前記受容相を隔離するべく適応された拡散
    制限膜を設けるステップと、 (c)前記ミクロ汚染物質を前記固定化固相材料中に収集できるように前記拡
    散制限膜を前記汚染された環境と十分な期間接触させるステップと、 (d)前記汚染された環境から前記受容相を取り除くステップと、 (e)前記受容相中に蓄積された前記ミクロ汚染物質を分析するステップとを
    含むモニタリング方法。
  23. 【請求項23】 前記ステップ(e)が、前記受容相に対して抽出溶媒を適
    用することにより該受容相から分析物質が取り出されるステップを含む請求項2
    2に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記抽出溶媒が前記受容相の一方の面へ適用されると共に
    、他方の面にて前記ミクロ汚染物質である1又は複数の分析物質が回収される請
    求項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記受容相を前記拡散制限膜でコーティングするか若しく
    は浸漬することにより; 前記受容相を調整剤を用いて調整することにより;
    受容相が選択されたミクロ汚染物質を受容しかつ保持するように錯体化し、キレ
    ート化し若しくは補助すべく該受容相を処理することにより;若しくは、受容相
    に内部標準を導入することにより;又はこれらの組み合わせにより、該受容相を
    前処理するステップをさらに含む請求項22〜24のいずれかに記載の方法。
  26. 【請求項26】 バトキュプロイン、メチルチモール・ブルー、キシレノー
    ル・オレンジ、グリシン・クレゾール・レッド、ビンキノニック酸、及び1,5
    −ジフェニル・カルボヒドラザイドから選択される光分析剤で受容相をコーティ
    ングするか若しくは浸漬することにより該受容相を前処理するステップをさらに
    含む請求項22〜25のいずれかに記載の方法。
  27. 【請求項27】 同位体でラベル付けられた化合物を含む内部標準で受容相
    をコーティングするか浸漬することにより該受容相を前処理するステップをさら
    に有し、設置中に、前記受容相から拡散制限膜を通り既知の水環境へ制御された
    速度で拡散することができる請求項22〜26のいずれかに記載の方法。
  28. 【請求項28】 特に図面及び実施例に関して説明された装置又は方法。
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