JP2003503737A - 滑膜組織の劣化に特異的なマーカーの利用を含む滑膜病又は骨関節病の診断又は監視のための方法及びキット - Google Patents

滑膜組織の劣化に特異的なマーカーの利用を含む滑膜病又は骨関節病の診断又は監視のための方法及びキット

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、滑膜病の診断又はその経過の監視のための方法において、i)滑膜病特異的マーカーを測定するための手段と個体からの生体標本をin vitroで接触させること、ii)特異的マーカーレベルを決定すること、iii)任意には、病気の不在を表わすか又は病気の予め定められた段階を表わす基準レベルとマーカーレベルを比較することから成り、基準レベルとの関係におけるマーカーレベルが滑膜病の存在又は経過を表示すること、を特徴とする方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、滑膜組織劣化の特異的マーカーならびに滑膜病の診断、監視及び予
後の決定においてこのマーカーを利用する方法に関する。
【0002】 骨関節病又は関節病は、関節の組織の劣化、破壊又は吸収によって特徴づけさ
れる。放射線学的及び臨床的な症候が出現した場合、関節はすでに、軟骨及び骨
基質の損傷に起因する重大な変化を受けている。現時点では、骨関節病のより早
期の段階を伝えるマーカーが探求されている。このような状況下で、発明人は、
滑膜組織がいくつかの骨関節病において最初に劣化されるものであるという事実
を主張した。かくして、慢性関節リウマチにおいて、滑膜組織は最初に劣化され
、次に軟骨組織が劣化され始め、最後に劣化されるのは骨組織である。
【0003】 従って、滑膜組織劣化の特異的マーカーを同定することは、きわめて有利なこ
とである。実際、滑膜組織は、骨関節病において損傷を受ける最初の組織の1つ
でありうることから、滑膜病の特異的マーカーは、骨関節病の早期マーカー、さ
らには骨関節病の発症前マーカーを構成する可能性がある。
【0004】 今日まで、いかなる滑液特異的マーカーも文献中で記述されたことがない。本
発明は、滑膜組織の特異的マーカー、より特定的に言うと滑膜コラーゲン劣化の
マーカーを初めて提供している。本発明は、そのレベルが単独で滑膜コラーゲン
の劣化レベルを反映し、かくして滑膜病の診断又は経過監視を可能にする特異的
マーカーを提供する。滑膜組織の劣化は骨関節病の場合でも突然発生することか
ら、このマーカーのレベルは同様に、骨関節病の診断又は経過監視をも可能にす
る。最後に、骨関節病の早期段階における滑膜組織劣化の性質を発明人が明らか
にしたことから、このマーカーは、骨関節病の発症前マーカーでもある。
【0005】 好ましくは、本発明に従った滑膜病の特異的マーカーは、グリコシル化ピリジ
ノリン、そしてより特定的には、グルコシル−ガラクトシル−ピリジノリン又は
2糖類ピリジノリンとも呼ばれるジグリコシル化ピリジノリン(Pyr−Gal−G
lc)である。実際、本発明人は、滑膜コラーゲン劣化の特異的マーカーであるも
のとしてPyr−Gal−Glcを同定した。
【0006】 ピリジノリン分子は、3つのヒドロキシリジン残基の縮合の結果得られ、この
うち1つのヒドロキシリジン残基は、コラーゲン分子のらせん領域に由来し(主
要タイプ:骨5KについてのI型、滑液についてのI型及びIII型、軟骨につい
てのII型)、他の2つの残基はC及びN末端テロペプチドに由来する(図1参
照)。ヒドロキシリジン残基は、ヒドロキシル基のレベルで糖の添加によりグリ
コシル化され得る。かくして、ピリジノリンの形成がグリコシル化ヒドロキシリ
ジン残基を介入させる場合、グリコシル化ピリジノリンが産生されることになる
(図2c)及びd)参照)。 反対に、リジン残基を介して形成されるデオキシピリジノリン(図2b)参照
)は、ピリジノリン形のヒドロキシル基を含む側鎖上のヒドロキシル基が存在し
ないために、グリコシル化され得ない。
【0007】 ジグリコシル化ピリジノリンは、骨粗鬆症患者の尿中で測定された(Robins S
P et al ;第3回世界骨粗鬆症シンポジウム、コペンハーゲン、p465,C. C
hristiansen 及び K. Overgaard 編、1990)。
【0008】 一方、骨コラーゲン及び軟骨コラーゲン吸収の証拠としてジグリコシル化ピリ
ジノリンを利用し、関節炎性疾患の指示薬としてジグリコシル化ピリジノリン及
びモノグリコシル化ピリジノリンを同時に測定することが提案されてきた(特許
出願第WO89/12824号)。
【0009】 本発明は、ジグリコシル化ピリジノリンが骨コラーゲン又は軟骨コラーゲンの
吸収の証拠ではないものの、滑膜病の証拠であることそして、生体液中のジグリ
コシル化ピリジノリンの増加が骨関節病の証拠であるものの骨の病気の証拠では
ないことを示した。
【0010】 本発明の枠内では、発明人は、軟骨及び滑膜中で、骨基質内のピリジノリンの
主要グリコシル化タイプを特徴づけした(図3〜7参照)。かくして、組織劣化
のex-vivo モデルにおいて、骨、軟骨及び滑膜組織内で異なる形態のピリジノリ
ンが研究された。
【0011】 本発明の枠内では、尿中にピリジノリンのグリコシル化形態が存在すること及
び慢性関節リウマチ又は関節症といったような骨関節病の研究を目的としてそれ
らを検定することの利点も示された。かくして「モデル」疾病すなわち、骨の再
形成の特異的かつ強い増加(パジェット病)によってか又は軟骨損傷を伴う滑膜
の炎症(関節症、慢性関節リウマチ)によって特徴づけされる病気における各形
態のピリジノリン及びデオキシピリジノリン(全、遊離、モノ又はジ−グリコシ
ル化)の割合の変動が分析された。本発明は、骨膜の劣化と炎症の間の直接的関
係を初めて示した。全ピリジノリン及びデオキシピリジノリンは、酸性加水分解
の後に測定される。遊離ピリジノリン及びデオキシピリジノリンは、組織につい
てはアルカリ性加水分解の後にそして上清については加水分解無しで測定される
。これらの結果は、図3及び7に報告されている。かくしてこれらの結果は、ジ
グリコシル化ピリジノリン(Pyr−Gal−Glc)マーカーが滑膜病又は滑膜の劣
化に特異的であること、そしてそれが軟骨の疾病又は軟骨の劣化に特異的な既知
のマーカー(CartiLaps)と相関されることを示した(図10参照)。
【0012】 その上、本発明の枠内では、骨関節病の経過の監視のために尿中のグリコシル
化された形のピリジノリン、より特定的にはジグリコシル化形態を検定すること
の利点が示された(図8及び9参照)。かくして、個体の病気が進行すればする
ほど或いは又病気の重症形態により特徴づけられればられるほど、Pyr−Gal−
Glcマーカーは、CartiLaps といったような既知のマーカーで測定され得るもの
と相関的に、尿中にさらに大量に測定されることになる。実際、破壊的段階にあ
る個体において測定されるPyr−Gal−Glcの量は、非破壊的段階にある個体に
おいて測定されるものよりも高い(図11)。その上、骨関節病を患う個体にお
いては、尿中の高いPyr−Gal−Glc量は、関節の急速破壊段階に向かう経過の
危険性が増大していることを表わす(図13)。
【0013】 ピリジノリンの2つのグリコシル化形態の尿中排出の測定は、骨基質、軟骨及
び滑膜の劣化の特異的マーカーを構成する。皮ふとの関係における骨組織、軟骨
及び滑膜の特異性は、ピリジノリン核(皮ふのI型コラーゲンはピリジノリンに
よって極くわずかしか架橋結合されない)によってもたらされ、組織特異性(滑
膜、軟骨、骨)はグリコシル化及びグリコシル化タイプによりもたらされる。ジ
グリコシル化ピリジノリンの量の増加が、滑膜由来のコラーゲン劣化の進行、滑
膜の炎症又は滑膜由来のコラーゲンの増殖に対応する。単糖類ピリジノリンの量
の増加は、骨由来のコラーゲンの劣化に対応し、ピリジノリン量の増大及びグリ
コシル化ピリジノリンの不在は、軟骨由来のコラーゲンの劣化に対応する。
【0014】 定義: − ジグリコシル化ピリジノリンは、Pyr−Gal−Glcという略号で呼称され、
グルコシル−ガラクトシル−ピリジノリン又は二糖類ピリジノリンとも呼ばれる
。 − 「個体」は、以下のカテゴリのうちの単数又は複数のものに属する可能性が
ある: ・ 滑膜病にかかっている可能性のある個体、 ・ 一定の与えられた病気についてのモデル、特に前臨床研究において利用
されるモデル、 ・ ヒト、 ・ 病人、 ・ 医学的治療又は外科的手術を受ける患者又は個体、 ・ 骨関節病のため治療を受けている又は過去に受けていた個体、 ・ 滑膜病にかかっている又はかかっている疑いのある個体、 ・ 骨関節病にかかっている個体、 ・ 骨粗鬆症にかかっていない個体、 ・ 成長期にある個体、 ・ 男性個体 ・ 女性個体 ・ 小児 ・ 成人 ・ 閉経前又は後の女性個体 ・ ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、霊長類又は競走馬といったような動
物、 − 「滑膜病の特異的マーカー」というのは、滑膜病をその他の病気特に骨及び
/又は軟骨の損傷と区別できるようにする物質又は化合物を意味する。好ましく
は、滑膜病の特異的マーカーは、滑膜コラーゲン劣化のマーカーである。 − 「滑膜病」というのは、滑膜又は滑膜コラーゲンのターンオーバーの増加、
増殖、劣化、炎症、破壊、分解、病的再形成又は劣化を意味する。 − 「滑膜コラーゲン」は、I型、III型、IV型、V型、又はVI型コラーゲン又
は、これらのコラーゲンの中から選択されたコラーゲン混合物を意味する。好ま
しくは主要なI型及びIII型コラーゲンのことである。 − 「骨関節病」は、単数又は複数の関節の病気又は、滑膜の増殖及び軟骨の損
傷が関与する病気を意味する。骨関節病は、炎症性リウマチ、代謝性関節症又は
変形性リウマチ、慢性関節リウマチ、脊椎関節症、痛風、軟骨石灰化症又は関節
症であり得る。 − 「生体標本」というのは体液のことを意味する。体液は一般に、本発明に従
った方法の利用以前に個体から抽出される。体液は、血液、血清、血漿、尿、唾
液、汗又は滑液の中から選択され得る。滑液は、それが滑膜組織又は滑膜に特異
的であるかぎり有利である。生体標本は、個体から抽出された組織であってよい
。組織は、それについての測定又は検出が実施される前に培養され得る。組織は
滑膜であってよい。 − 骨関節病の「破壊的段階」(destructive)は、X線撮影法、磁気共鳴又は
該磁気共鳴によって関節組織の破壊又は劣化が視覚化され得る段階に対応する。
非破壊的(non-destructive)段階は、X線撮影法、磁気共鳴又は該磁気共鳴に
よって関節組織の破壊又は劣化がまだ視覚化できない段階に対応する。 − 「遊離ピリジノリン」は、いかなるペプチドにも結びつけられていないピリ
ジノリンを意味する。 − 「グリコシル化ピリジノリン」は、グリコシル化された基を支持するピリジ
ノリンを意味する。「グリコシル化ピリジノリン」は、ペプチド残基を支持する
グリコシル化ピリジノリン及びペプチドを含まないグリコシル化ピリジノリンを
含む。グリコシル化ピリジノリンを測定するために利用される技術に応じて、又
生体標本の調製において利用される技術(アルカリ性加水分解又は加水分解無し
)に応じて、本発明の方法は、遊離グリコシル化ピリジノリンのみを排他的に測
定することもできるし、代替的には全グリコシル化ピリジノリンを測定すること
もできる。
【0015】 以下で記述する本発明の方法は、定性的又は定量的のいずれであっても、又定
性かつ定量的であってもよい。かくして、特異的マーカーの量の変動が測定され
る以下で記述する方法は、定量的方法であってよい。特異的マーカーの存在が検
出される以下で記述する方法は、定性的方法であってよい。
【0016】 一般に、本発明は、個体における滑膜コラーゲンの劣化を監視するための方法
に関する。滑膜コラーゲンの劣化は正常(つまり正常な滑膜ターンオーバーの枠
内で病的でない)でも或いは病的でもありうる。本発明の方法は、特に有利には
、滑膜病の監視、診断及び予後診断においてならびに治療の効能の評価において
特に有利な形で応用される。
【0017】 より特定的には、本発明は、滑膜コラーゲンの劣化が関与する骨関節病の場合
によっては早期の診断又はその経過の監視のための方法に関する。この方法は: i)滑膜コラーゲンの劣化レベルの特異的マーカーを測定するための手段と個
体に由来する生体標本をin vitroで接触させること; ii)特異的マーカーのレベルを決定すること、を特徴とする。好ましくはマー
カーは、そのレベルが単独で滑膜コラーゲンの劣化レベルを反映するマーカーで
ある。
【0018】 第1の態様に従うと、本発明は滑膜病の診断又はその経過の監視のための方法
において: i)滑膜病の特異的マーカーを測定するための手段と個体に由来する生体標本
をin vitroで接触させること; ii)特異的マーカーのレベルを決定すること; iii)場合によって、病気の不在を表わすか又は病気の予め定められた段階を
表わす基準レベルとマーカーのレベルを比較し、基準レベルとの関係におけるマ
ーカーのレベルが滑膜病の存在又は経過を表示すること、を特徴とする方法。
【0019】 本発明のこの態様に従った方法は、滑膜病における正又は負の経過を決定し、
かかる病気の突発又は終結を検出することを可能にする。
【0020】 本発明の第1の態様に従った好ましい個体は、滑膜病にかかっているか又はそ
の可能性がある、つまり滑膜病の症候を呈するか又は呈していない。
【0021】 好ましい滑膜病の特異的マーカーは、グリコシル化ピリジノリン、より特定的
にはジグリコシル化ピリジノリンである。
【0022】 本発明の第1の態様に従った方法の診断的応用においては、病気の不在を表わ
すか又は病気の予め定められた段階を表わす基準レベルは、病気にかかっていな
い個体の標本中で特異的マーカーについて測定された最大値又は平均値に応じて
選択され得る。
【0023】 本発明の第1の態様に従った方法の診断的応用のための基準レベルの選択は、
選択された滑膜病の特異的マーカーならびに滑膜病の特異的マーカーを測定する
ために利用される技術に応じて、当業者により決定され得る。
【0024】 選択されたマーカーがジグリコシル化ピリジノリンであり技術がHPLCであ
る場合、非病的状態と病的状態の境界を画定する基準レベルは、約5(nmoles/
クレアチニンmmoles)と約9(nmoles/クレアチニンmmoles)の間に含まれる値
の範囲内に含まれ得る。
【0025】 本発明の第1の態様に従った滑膜病の経過の監視方法の応用においては、基準
レベルは、1つの滑膜病についての非病的状態と病的状態の間の限界又はその滑
膜病の経過の2つの全く異なる段階の間の限界に対応することができる。滑膜病
の経過の2つの全く異なる段階は、非破壊的段階と破壊的段階でありうる。
【0026】 滑膜病の経過の2つの全く異なる段階の間の限界は、平均値に標準偏差を加え
た値と、平均値に滑膜病にかかっていない非病的状態の個体を代表する対照標本
中で測定された3つの標準偏差を加えた値の間に含まれる値の範囲内から選択さ
れ得る。特に適切な値は、平均値に2つの標準偏差を加えた値である。
【0027】 滑膜病の経過の2つの全く異なる段階の間の限界は、平均値に標準偏差を加え
た値と、平均値に滑膜病の経過の2つの全く異なる段階のうち最も進行度の遅い
段階にある個体を代表する標本中で測定された3つの標準偏差を加えた値の間に
含まれる値の範囲内から選択され得る。特に適切な値は、平均値に2つの標準偏
差を加えた値である。
【0028】 特異的マーカーの基準レベルは、同一個体において以前に測定されたレベルで
ありうる。
【0029】 本発明の第1の態様に従った滑膜病の経過を監視するための基準レベルの選択
は、選択された滑膜病の特異的マーカー及び前記特異的マーカーを測定するため
に利用される技術に応じて、当業者により決定され得る。
【0030】 選択されたマーカーがジグリコシル化ピリジノリンであり技術がHPLCであ
る場合、病気の2つの全く異なる段階特に非破壊的段階と破壊的段階の境界を画
定する基準レベルは、約5(nmoles/クレアチニンmmoles)と約9(nmoles/クレ
アチニンmmoles)の間に含まれる値の範囲内に含まれ得る。
【0031】 本発明は同様に、滑膜病の診断又は経過の監視のためのキットにおいて、滑膜
病の特異的マーカーを測定するための少なくとも1つの手段及び病気の不在を表
わすか又は病気の予め定められた段階を表わす基準レベルの記述を含んで成るこ
とを特徴とするキットにも関する。
【0032】 本発明の好ましい1変形形態に従うと、滑膜病は骨関節病である。この第2の
態様に従うと、本発明は、骨関節病の経過を監視するための方法において: i)滑膜病の特異的マーカーを測定するための手段と個体に由来する生体標本
をin vitroで接触させること; ii)特異的マーカーのレベルを決定すること; iii)場合によって、病気の予め定められた段階を表わす基準レベルとマーカ
ーのレベルを比較し、基準レベルとの関係におけるマーカーのレベルが滑膜病の
経過を表示すること、を特徴とする方法に関する。
【0033】 本発明の第2の態様に従った方法は、骨関節病における正又は負の経過を決定
し、かかる病気の突発又は終結を検出することを可能にする。
【0034】 好ましくは、この態様に従うと、固体は既に骨関節病にかかっている。
【0035】 本発明は同様に、骨関節病の診断又は経過の監視のためのキットにおいて、滑
膜病の特異的マーカーを測定するための少なくとも1つの手段及び病気の不在を
表わすか又は病気の予め定められた段階を表わす基準レベルの記述を含んで成る
ことを特徴とするキットにも関する。
【0036】 この変形形態に従うと、好ましい滑膜病の特異的マーカーは同様にグリコシル
化ピリジノリン、より特定的にはジグリコシル化ピリジノリンである。
【0037】 本発明の第2の態様に従った方法及びキットのための基準レベルは、非病的状
態と病的状態の間の限界又は該病気の経過の2つの全く異なる段階の間の限界に
対応する。骨関節病の経過の2つの全く異なる段階は、非破壊的段階と破壊的段
階でありうる。
【0038】 骨関節病の病的段階と非病的段階の間の限界は、平均値に標準偏差を加えた値
と、平均値と非病的状態つまり骨関節病にかかっていない個体を代表する対照標
本中で測定された3つの標準偏差を加えた値の間の含まれる値の範囲内から選択
され得る。特に適切な値は、平均値に2つの標準偏差を加えた値である
【0039】 骨関節病の経過の2つの全く異なる段階の間の限界は、平均値に標準偏差を加
えた値と、平均値に非病的状態のつまり骨関節病にかかっていない個体を代表す
る対照標本中で測定された3つの標準偏差を加えた値の間に含まれる値の範囲内
から選択され得る。特に適切な値は、平均値に2つの標準偏差を加えた値である
【0040】 骨関節病の経過の2つの全く異なる段階の間の限界は、平均値に標準偏差を加
えた値と、平均値に骨関節病の経過の2つの全く異なる段階のうち最も進行度の
遅い段階にある個体を代表する標本中で測定された3つの標準偏差を加えた値の
間の含まれる値の範囲内から選択され得る。特に適切な値は、平均値に2つの標
準偏差を加えた値である
【0041】 本発明の第2の態様に従った方法及びキットのための基準レベルは、同一個体
において以前に測定されたレベルであり得る。
【0042】 本発明の第2の態様に従った方法及びキットのための基準レベルの選択は、選
択された滑膜病の特異的マーカー及び前記特異的マーカーを測定するために利用
される技術に応じて、当業者により決定され得る。
【0043】 選択されたマーカーがジグリコシル化ピリジノリンであり技術がHPLCであ
る場合、非病的状態と病的状態の境界を画定する基準レベルは、約5(nmoles/
クレアチニンmmoles)と約9(nmoles/クレアチニンmmoles)の間に含まれる値
の範囲内に含まれ得る。
【0044】 選択されたマーカーがジグリコシル化ピリジノリンであり技術がHPLCであ
る場合、骨関節病の経過の2つの全く異なる段階の境界を画定する基準レベルは
、約5(nmoles/クレアチニンmmoles)と約9(nmoles/クレアチニンmmoles)の
間に含まれる値の範囲内に含まれ得る。
【0045】 第3の態様に従うと、本発明は、骨関節病又はその予め定められた1段階へと
向かう経過の予後を決定するための方法に関する。実際発明人らは、固体におけ
る例えばジグリコシル化ピリジノリンといった滑膜劣化の特異的マーカーレベル
が、予め定められた基準レベルとの関係において、この固体の関節が加速された
破壊を受けるリスクを表示しうる、ということを確認した。この方法は、 i)滑膜病の特異的マーカーを測定するための手段と個体に由来する生体標本
をin vitroで接触させること ii)特異的マーカーのレベルを決定すること iii)場合によって、マーカーのレベルを基準レベルと比較し、骨関節病又は
その1段階に向かう経過の予後を演繹すること、 を特徴とする。
【0046】 本発明の第3の態様に従った好ましい個体は、骨関節病にかかっているか又は
、骨関節病にかかっている可能性がある。
【0047】 本発明のこの態様については、好ましい滑膜病の特異的マーカーは、グリコシ
ル化ピリジノリン、より特定的にはジグリコシル化ピリジノリンである。
【0048】 本発明は同様に、骨関節病又はその1段階に向かう経過の予後を決定するため
のキットにおいて、滑膜病の特異的マーカーを測定するための少なくとも1つの
手段及び予後を表わす基準レベルの記述を含むことを特徴とするキットにも関す
る。
【0049】 本発明の第3の態様に従った方法又はキットは、骨関節病を示していない個体
については骨関節病に向かう経過の、又骨関節病の非破壊的段階にある個体につ
いては骨関節病の1段階、特に破壊的段階に向かう経過の予後診断を提供できる
ようにする。
【0050】 本発明の第3の態様に従った方法又はキットによって決定できる予後は、特に
1、2、3、4又は5年の期間を網羅することができる。
【0051】 本発明の第3の態様に従った方法又はキットについての基準レベルは、骨関節
病のリスクのある個体又は骨関節病の非破壊的段階にある個体の標本の縦断監視
により決定され得る。上述の方法の基準レベルは、同一個体について異なる時点
で抽出された既存の標本分析によっても決定され得る。
【0052】 第4の態様に従うと、本発明は、骨関節病の治療のため個体に投与される医薬
品の効能を決定する方法において: i)滑膜病の特異的マーカーを測定するための手段と治療中の個体に由来する
生体標本をin vitroで接触させること; ii)特異的マーカーのレベルを決定すること; iii)場合によって、病気の予め定められた段階を表わす基準レベルとマーカ
ーのレベルを比較し、基準レベルとの関係におけるマーカーのレベルが滑膜病の
経過ならびに治療の効能度を表示すること、を特徴とする方法に関する。
【0053】 本発明の第4の態様に従った固体は好ましくは、一定の与えられた骨関節病の
治療の効能の前臨床研究のためのモデルとして利用される動物であるか、又はそ
の治療が監視されている人間であってよい。
【0054】 本発明は、骨関節病の治療のために個体に投与される医薬品の効能を決定する
ためのキットにおいて、滑膜病の特異的マーカーを測定するための少なくとも1
つの手段及び前記医薬品についての効能レベルを表わす基準レベルの記述を含ん
で成ることを特徴とするキットにも関する。
【0055】 本発明の第4の態様については、好ましい滑膜病の特異的マーカーはグリコシ
ル化ピリジノリン、より特定的にはジグリコシル化ピリジノリンである。
【0056】 処置は、治療的又は予防的なものであってよい。
【0057】 本発明の第4の態様に従った基準レベルは、同じ個体において以前に測定され
たレベルであってよい。以前に測定されたレベルは、好ましくは、骨関節病の治
療又は予防的処置の前又は骨関節病の治療を目的とした医薬品の投与前に測定さ
れる。
【0058】 本発明の第4の態様に従った基準レベルは、骨関節病については非病的状態と
病的状態の間の限界又は骨関節病の経過の2つの全く異なる段階の間の限界に対
応することができる。骨関節病の経過の2つの全く異なる段階は、非破壊的段階
及び破壊的段階でありうる。
【0059】 骨関節病について病的段階と非病的段階の間の限界は、平均値に標準偏差を加
えた値と、平均値と非病的状態の又は滑膜病にかかっていないの個体を代表する
対照標本中で測定された3つの標準偏差を加えた値の間の含まれる値の範囲内か
ら選択され得る。特に適切な値は、平均値に2つの標準偏差を加えた値である。
【0060】 骨関節病の経過の2つの全く異なる段階の間の限界は、平均値に標準偏差を加
えた値と、平均値に非病的状態又は骨関節病にかかっていない個体を代表する対
照標本中で測定された3つの標準偏差を加えた値の間に含まれる値の範囲内から
選択され得る。特に適切な値は、平均値に2つの標準偏差を加えた値である。
【0061】 骨関節病の経過の2つの全く異なる段階の間の限界は、平均値に標準偏差を加
えた値と、平均値に骨関節病の経過の2つの全く異なる段階のうち最も進行度の
遅い段階にある個体を代表する標本中で測定された3つの標準偏差を加えた値の
間に含まれる値の範囲内から選択され得る。特に適切な値は、平均値に2つの標
準偏差を加えた値である。
【0062】 本発明の第4の態様に従った基準レベルの選択は、選択された滑膜病の特異的
マーカー及び前記特異的マーカーを測定するために利用される技術に応じて、当
業者により決定され得る。
【0063】 選択されたマーカーがジグリコシル化ピリジノリンであり技術がHPLCであ
る場合、骨関節病についての非病的状態と病的状態の境界を画定する基準レベル
は、約5(nmoles/クレアチニンmmoles)と約9(nmoles/クレアチニンmmoles)
の間に含まれ得る。
【0064】 選択されたマーカーがジグリコシル化ピリジノリンであり技術がHPLCであ
る場合、骨関節病の経過の2つの全く異なる段階の境界を画定する基準レベルは
、約5(nmoles/クレアチニンmmoles)と約9(nmoles/クレアチニンmmoles)の
間に含まれ得る。
【0065】 本発明の第4の態様に従った方法又はキットから演繹される治療又は予防的処
置の効能は、プラス、ゼロ又はマイナスであり得る。
【0066】 基準レベルと測定されたマーカーのレベルの比較から、研究対象の個体の状態
の改善傾向が演繹された場合、この個体について利用された治療又は予防的処置
が少なくとも効能の始まりを示しているという結論を下すことができる。個体に
おいて測定されたマーカーのレベルと基準レベルの間の差異により、テスト対象
の治療的又は予防的処置の効能レベルを定量的又は定性的に評価することが可能
である。
【0067】 かくして、骨関節病の治療的処置(治療)又は予防的処置(予防)の効能は、
滑膜病特異的マーカーの量の変動の測定値と相関させることができる。
【0068】 第5の態様に従うと、本発明は、1つの病気の治療を目的とした医薬品の骨関
節病又は滑膜病に結びつけられる毒性を決定する方法に関する。実際、或る種の
医薬品は、滑膜レベルで副作用で誘発する可能性があり、特に滑膜コラーゲンの
劣化を導く可能性がある。本発明のこの態様に従うと、該方法は、 i)滑膜病の特異的マーカーを測定するための手段と個体に由来する生体標本
をin vitroで接触させること ii)この特異的マーカーのレベルを測定すること iii)場合によって、病気の存在又はその予め定められた段階を表わす基準レ
ベルとマーカーのレベルを比較し、基準レベルとの関係におけるマーカーのレベ
ルが、病気の程度ひいては滑膜病又は骨関節病に結びつけられる毒性の程度を表
わすこと、を特徴とする。
【0069】 本発明は、病気の治療を目的とする医薬品の毒性を決定するためのキットにお
いて、滑膜病の特異的マーカーを測定するための少なくとも1つの手段及び前記
医薬品についての毒性レベルを表わす基準レベルの記述を含んで成ることを特徴
とするキットにも関する。
【0070】 医薬品というのは、特に、個体に対するその毒性が滑膜病又は骨関節病により
発現されるか又はそれらに結びつけられる可能性のある薬学組成物のことである
【0071】 本発明の第5の態様に従った基準レベルは、1つの骨関節病についての非病的
状態と病的状態の間の限界又は、その骨関節病の経過の2つの全く異なる段階の
間の限界に対応しうる。骨関節病の経過の2つの全く異なる段階は、非破壊的段
階及び破壊的段階でありうる。
【0072】 骨関節病の病的段階と非病的段階の間の限界は、平均値に標準偏差を加えた値
と、平均値と非病的状態つまり骨関節病にかかっていない個体を代表する対照標
本中で測定された3つの標準偏差を加えた値の間の含まれる値の範囲内から選択
され得る。特に適切な値は、平均値に2つの標準偏差を加えた値である
【0073】 骨関節病の経過の2つの全く異なる段階の間の限界は、平均値に標準偏差を加
えた値と、平均値に非病的状態のつまり骨関節病にかかっていない個体を代表す
る対照標本中で測定された3つの標準偏差を加えた値の間に含まれる値の範囲内
から選択され得る。特に適切な値は、平均値に2つの標準偏差を加えた値である
【0074】 骨関節病の経過の2つの全く異なる段階の間の限界は、平均値に標準偏差を加
えた値と、平均値に骨関節病の経過の2つの全く異なる段階のうち最も進行度の
遅い段階にある個体を代表する標本中で測定された3つの標準偏差を加えた値の
間の含まれる値の範囲内から選択され得る。特に適切な値は、平均値に2つの標
準偏差を加えた値である
【0075】 本発明の第5の態様に従った基準レベルは、同一個体において以前に測定され
たレベルであり得る。以前に測定されたレベルは、好ましくは治療的又は予防的
処置の開始前又は医薬品の投与前に測定される。
【0076】 本発明の第5の態様に従った基準レベルの選択は、選択された滑膜病の特異的マ
ーカー及び前記特異的マーカーを測定するために利用される技術に応じて、当業
者により決定され得る。
【0077】 選択されたマーカーがジグリコシル化ピリジノリンであり技術がHPLCであ
る場合、骨関節病についての非病的状態と病的状態の境界を画定する基準レベル
は、約5(nmoles/クレアチニンmmoles)と約9(nmoles/クレアチニンmmoles)
の間に含まれる値の範囲内に含まれ得る。
【0078】 選択されたマーカーがジグリコシル化ピリジノリンであり技術がHPLCであ
る場合、骨関節病の2つの全く異なる段階の境界を画定する基準レベルは、約5
(nmoles/クレアチニンmmoles)と約9(nmoles/クレアチニンmmoles)の間に含
まれる値の範囲内に含まれ得る。
【0079】 本発明の第5の態様に従った方法から演繹された治療的又は予防的処置には毒
性が存在する或いは全く存在しない可能性がある。
【0080】 基準レベルと測定されたマーカーのレベルの比較から、滑膜病又は骨関節病の
出現が演繹された場合、この個体について利用された治療又は予防的処置が少な
くとも毒性の始まりを示しているという結論を下すことができる。個体において
測定されたマーカーのレベルと基準レベルの間の差異により、テスト対象の治療
的又は予防的処置の毒性レベルを定量的又は定性的に評価することが可能である
【0081】 実際、或る種の処置又は医薬品は、毒性効果として滑膜病又は骨関節病をもつ
。従ってかかる病気の検査により、1つの処置又は医薬品の毒性を検出すること
ができる。
【0082】 第6の態様に従うと、本発明は、骨関節病の早期診断のための方法において i)滑膜病の特異的マーカーを測定するための手段と個体に由来する生体標本
をin vitroで接触させること ii)特異的マーカーのレベルを決定すること iii)場合によって、病気の存在を表わす基準レベルとマーカーのレベルを比
較し、基準レベルとの関係におけるマーカーのレベルが滑膜病の実際の又は潜在
的な存在を表示すること、 を特徴とする方法に関する。
【0083】 滑膜組織は、例えば慢性関節リウマチといった骨関節病において最初に損障を
受ける組織の1つであることから、本発明の第6の態様に従った方法が、早期に
、症候前に又は破壊的段階に先立ち、骨関節病の突発を明らかにする1つの手段
を構成している。
【0084】 本発明は同様に、滑膜病の診断又は早期診断のためのキットにおいて、滑膜病
の特異的マーカーを測定するための少なくとも1つの手段及び病気の不在を表わ
すか基準レベルの記述を含んで成ることを特徴とするキットにも関する。
【0085】 本発明の第6の態様に従った好ましい個体は、骨関節病にかかっているか又は
その可能性がある。
【0086】 本発明のこの第6の態様に従うと、好ましい滑膜病の特異的マーカーは、グリ
コシル化ピリジノリン、より特定的にはジグリコシル化ピリジノリンである。
【0087】 本発明の第6の態様に従った基準レベルは、1つの骨関節病についての非病的
状態と病的状態の間の限界に対応することができる。
【0088】 骨関節病についての病的段階と非病的段階の間の限界は、平均値に標準偏差を
加えた値と、平均値と非病的状態の又は滑膜病にかかっていない個体を代表する
対照標本中で測定された3つの標準偏差を加えた値の間の含まれる値の範囲内か
ら選択され得る。特に適切な値は、平均値に2つの標準偏差を加えた値である
【0089】 本発明の第6の態様に従った基準レベルの選択は、選択された滑膜病の特異的
マーカー並びに滑膜病の特異的マーカーを測定するために利用される技術に応じ
て、当業者により決定され得る。
【0090】 選択されたマーカーがジグリコシル化ピリジノリンであり技術がHPLCであ
る場合、病気の2つの全く異なる段階、骨関節病についての非病的状態と病的状
態の境界を画定する基準レベルは、約5(nmoles/クレアチニンmmoles)と約9
(nmoles/クレアチニンmmoles)の間に含まれ得る。
【0091】 本発明に従った全ての方法又はキットにおいて、滑膜病の特異的マーカーのレ
ベルの測定、免疫技術、免疫検定、螢光、紫外線分光法さらには電気化学検出に
より実施できる。
【0092】 免疫技術又は免疫検定というのは、モノクローナル又はポリクローナルの特異
的抗体を利用する技術、ELISA技術、免疫酵素技術、免疫螢光技術、放射免
疫技術、電気化学−免疫技術又は化学免疫技術であると考えることができる。
【0093】 免疫技術又は免疫検定というのは、Diamandis及びCristopoulos, Immunvassay , Academic Press, San Diego,1996、特に576ページ以降、という著書の
中で記述されている技術のいずれか1つと考えることができる。
【0094】 好ましくは、特異的マーカーのレベルの測定は、特に尿に関して予めいかなる
酸性又はアルカリ性加水分解も受けていない生体標本から実施される。
【0095】 好ましい滑膜病の特異的マーカーは、グリコシル化ピリジノリン、より特定的
にはジグリコシル化ピリジノリンである。
【0096】 好ましくは、グリコシル化ピリジノリン又はジグリコシル化ピリジノリンは、
滑膜コラーゲン、I型コラーゲン、III型コラーゲン、IV型コラーゲン、V型コ
ラーゲン、VI型コラーゲン、I型及びIII型コラーゲン又は、I型、III型、IV型
、V型及びVI型の中から選ばれたコラーゲンの混合物の単数又は複数の特異的ペ
プチドに結合される。
【0097】 ピリジノリンのジグリコシル化形態は、有利には、本出願の例3に記述された
方法に従って精製され特徴づけされる。
【0098】 分離された又は精製された形のグルコシル−ガラクトシルピリジノリンが、個
体において抗体を産生するために利用される。
【0099】 滑膜病の特異的マーカーを測定するための手段は好ましくは、滑膜病特異的マ
ーカー、特にグルコシル−ガラクトシルピリジノリンを特異的な形で認識する能
力をもつ抗体である。
【0100】 本発明は同様に、グルコシル−ガラクトシル−ピリジノリンを特異的な形で認
識する能力をもつ抗体にも関する。
【0101】 「特異的にグルコシル−ガラクトシル−ピリジノリンを認識する」というのは
、2糖類部分又はグルコシル−ガラクトシル−ピリジノリンのグルコシル−ガラ
クトシル部分を含まないピリジノリンのその他の誘導体からグルコシル−ガラク
トシル−ピリジノリンを区別する能力であると考えることができる。好ましくは
、本発明の抗体は、ジグリコシル化誘導体以外のピリジノリンの誘導体との交差
反応性を示さない。
【0102】 本発明の抗体は、モノクローナルでもポリクローナルでもよく、好ましくは、
ピリジノリンのジグリコシル化形態に独自の単数又は複数のエピトープを認識す
る。これは、(ペプチド無しの)遊離ジグリコシル化ピリジノリン又はペプチド
残基に結合したジグリコシル化ピリジノリン又はこれら2つの形態でありうる。
【0103】 本発明は、分離されたグルコシル−ガラクトシル−ピリジノリン又は精製形態
のグルコシル−ガラクトシル−ピリジノリンから、特に本発明に従って分離され
たグルコシル−ガラクトシル−ピリジノリンから産生された又は産生される可能
性のある抗体に関する。
【0104】 以上で定義づけした本発明に従った抗体は、滑膜病特異的マーカーを測定する
ための好ましい手段を構成する。
【0105】 以上で定義づけした本発明に従った抗体は、滑膜病特異的マーカー特にグルコ
シル−ガラクトシル−ピリジノリンから1つの抗体を得ることを可能にする今日
知られているあらゆる技術によって得ることができる。
【0106】 グルコシル−ガラクトシル−ピリジノリンの特異的抗体の獲得には、前記抗原
が、第1段階において例えば尿から抽出され精製されることが必要となる可能性
がある。かかる抽出又は精製は、本出願の例3において記述された技術によって
有利に実施できる。
【0107】実施例 例1: 骨組織、軟骨組織及び滑膜組織内のピリジノリンのグリコシル化タイ
プの研究
【0108】 方法: ヒト組織は、股関節補てつ設置のための外科手術の間に収集した骨、軟骨及び
滑膜の採取標本に由来する。組織標本を液体窒素内で細かく砕き、次に10mgの
アリコートに分布させ、2MのNaOHにより110℃で加水分解する。加水分
解時間は、5〜24時間の間で変動する。ピリジノリンに結合された糖を遊離さ
せる酸性加水分解とは異なり、アルカリ性加水分解は、場合によって存在するガ
ラクトース及びグルコース残基を除去することなくコラーゲンのピリジノリン分
子を遊離させることができる。アルカリ性加水分解の後、遊離ピリジノリンは、
セルロースカラム上の分配クロマトグラフィにより抽出される。グリコシル化ピ
リジノリンの異なる形態の分離及び数量化は、アセトニトリル6%及びヘプタフ
ルオロ酪酸0.15%の溶液による毎分1mlの流量でのODS Beckman超球体逆
相カラム上のHPLにより実施される。これらは、それぞれ297nm及び395
nmの励起及び放出波長のそれらの天然の螢光のおかげで検出される。
【0109】 結果: 滑膜(図3a)及び骨(図3b)のアルカリ性加水分解産物から得られたクロ
マトグラフィプロフィール上で、我々は、グリコシル化されていない遊離ピリジ
ノリン(Pyr)の前に溶出するX及びYと呼ばれる2つの螢光化合物の存在を明
らかにすることができた。収集及び酸性加水分解の後、我々はこれら2つの化合
物がグリコシル化されない遊離ピリジノリンに変化することを示すことができた
。滑膜組織の加水分解産物内に存在する化合物Xは、骨組織の加水分解産物には
存在せず、尿から精製されたグルコシル−ガラクトシル−ピリジノリン(Pyr−g
al−glc)の標準と同時移動する(図3c)。基本的に骨組織加水分解産物中に
存在し、Pyr−gal−glc標準の直後に溶出された化合物Yは、ピリジノリンのモ
ノグリコシル化形態に(Pyr−gal)に対応する。軟骨は、グリコシル化ピリジノ
リンをほとんど含まない(図4b)。実際には、10時間の加水分解後、Pyr−g
al−glcは遊離Pyrの2%を占めているにすぎない(図5)。滑膜組織は基本的に
Pyr−gal−glcを含有する。これは、10時間の加水分解後、遊離Pryの75%を
占める(図5)。骨組織は基本的にPyr−galを含有する。これは、10時間の加
水分解後、遊離Pyrの39%を占める(図6)。同様に、グリコシル化ピリジノ
リンの%は、アルカリ性加水分解が延長されればされるほど減少するということ
に留意すべきである。これは恐らく、ピリジノリンのグリコシル化が一部にはア
ルカリ性加水分解に対して不安定であるという事実に関連している。これらの実
験は、ピリジノリン分子のグリコシル化タイプが骨、滑膜及び軟骨の間で異なっ
ていることを表わしている。滑膜内では、グリコシル化はgal−glcタイプのもの
であり、骨のグリコシル化はgalタイプのものであり、軟骨は極くわずかしかグ
リコシル化しないと思われる。
【0110】 例2:ヒト組織外植体のex-vivo 培養モデル内のピリジノリンのグリコシル化
タイプの研究: 方法: 外科手術中に無菌収集した骨組織、軟骨組織及び滑膜組織の採取標本を、10
0U/mlのペニシリン及び10ng/mlのストレプトマイシン(Gibco, Eragny, F
rance)を含むPBS緩衝液(リン酸緩衝溶液)の入った無菌の容器の中に入れ
、次に迅速に実験室まで輸送する。このとき3つのタイプの組織を互いから分離
し、その後、滑膜及び骨については1辺約5mmの立方体(約125mm3)に切断
し、軟骨については1辺約5mm、厚み1nmの薄片に切断する。次に、2%のウシ
胎児血清(SVF)(Techgen, Les Ullis, France), 2mMのグルタミン(G
ibco, Eragny, France)、20mMのHepes 緩衝液(Gibco, Eragny, France),
100U/mlのペニシリン及び10ng/mlのストレプトマイシン(Techgen, Le
s Ullis, France)で補足された5mlのRPMI1640培地(Gibco, Fragny,
France)の入った6ウェル付き平板(Falcon, CLV,Villeurbanne, France)
の中に、断片を置く。初日から、培地1mlあたり1ngの濃度で骨及び滑膜の外
植体培養に対しインターロイキン1(IL−1)(Bachem, Bale Biochimie S
ARL,Voisin-le-Bretonneux, France)を添加し、組織劣化プロセスを活性化
させるべく軟骨培養にはIL−1に加えて5mMの濃度でプラスミノーゲンを添
加する。皿を37℃、95%の湿度及び5%のCO2下で7日間インキュベート
する。
【0111】 7日間の培養後、上清をろ過し(Centrisart Cut-off5000,Sartorius)
、例1で記述された技術に従ってHPLCにより分析する。
【0112】 結果: 滑膜組織の培養上清から得られたクロマトグラフィプロフィール(図7a)上
で、我々は、グリコシル化されていない遊離ピリジノリンより前に溶出し、尿か
ら精製されたPyr−gal−glc 標準と同時に移動するXと呼ばれる螢光化合物の
存在を明らかにすることができた(図7d)。収集及び酸性加水分解の後、我々
はこの化合物が、グリコシル化されないピリジノリンに変化することを示すこと
ができた。滑膜組織の培養上清内に存在するこの化合物Xは、骨組織の培養上清
では存在しない(図7b及び7e)。Pyr−gal−glcの標準と同時移動する1つ
の化合物が、軟骨上清中で痕跡の形でのみ再度認められる(図7c及び7f)。
量が少なすぎるため、それが本当にピリジノリンの1つの形態であることを確認
する又は突きとめることはできなかった。
【0113】 これらの実験は、例1における組織のアルカリ性加水分解ですでに得られた結
果を確認している。
【0114】 例3: ピリジノリンのジグリコシル化形態の精製 ピリジノリンのジグリコシル化形態(Pyr−gal−glc)は、尿中に有意な量で
再度認められる(図4d)。小児(2〜13才)の尿には比較的豊富なピリジノ
リンが存在する。我々は、尿からのジグリコシル化ピリジノリンの精製を選択し
た。
【0115】 方法: − ジグリコシル化ピリジノリンの精製 小児の尿50リットルを採取し、ろ過し、凍結乾燥した。凍結乾燥尿を、10
倍濃度の尿を得るような形で精製水中に溶かした。500mlの濃縮尿を500ml
の酢酸、2000mlのn−ブタノール及び100gの粉末セルロース(CF1、
Whatman)に混合した。全体を5分間磁気撹拌の下で混合し、次にセルロースを
濾し取るろ過性漏斗上に通した。ろ過により回収したセルロースを、2リットル
の酢酸及び2リットルの精製水に対し8リットルのn−ブタノールを含む洗浄溶
液12リットルにより洗浄した。作業は溶液1リットルあたり12セットの連続
的洗浄の形で実施された。洗浄後、精製水500mlによりピリジノリン分子を溶
出させ、溶出液を凍結乾燥させる。凍結乾燥の後、溶出液を10%の酢酸中に溶
解させ、2リットルのSephadexG10ゲルろ過カラム(Pharmacia)に被着させ
た。ジグリコシル化ピリジノリンを含有する分画を回収し、凍結乾燥した。得ら
れた凍結乾燥物を10%のヘプタフルオロ酪酸中に溶かし、ODS C18 7μ
250×20mm超球体半調製逆相カラム(Beckman)上に500μlの分画ずつ注
入した。Pyr−gal−glc 分子の溶出は、17%のアセトリトリル及び0.15%
のヘプタフルオロ酪酸溶液で3ml/分の流量で実施した。15分と20分の間で
溶出されたPyr−gal−glc 分子を収集し、凍結乾燥させ、−30℃に保存した
。50リットルの小児の尿を処理するためこれらの全作業を反復した。
【0116】 − 質量分析計による特徴づけ pyr−gal−glc 20mgのアリコートを、ヘパフルオロ酪酸を除去するべく陽イ
オン交換カラム(リン酸セルロース陽イオン交換体、Sigma)上に通す。
【0117】 質量分析計による特徴づけのためには、質量分析計の一般的技術を参照するだ
けで充分である。
【0118】 結果: この例中で記述されているジグリコシル化ピリジノリンの精製方法は、セルロ
ース上の通過段階がセルロースカラムではなくろ過性漏斗上で実施され、さらに
ゲルろ過段階の前に実施されることから特に有利である。セルロース上の通過段
階のためにセルロースを濾し取るろ過性漏斗の利用及び/又はセルロース上の通
過段階後のゲルろ過段階の実施は、これらの特徴が別々に又は組合わさった形で
、急速な精製及び方法実施の容易さを可能にすることから有利である。かかる特
徴は、かかる特徴を示さない精製技術に比べて多大な時間の節約(50Lの尿の
精製について約1週間)を可能にする。
【0119】 充分な量で得られたジグリコシル化ピリジノリンは、モノクローナル抗体の産
生のための免疫原として利用可能である。
【0120】 例4: 閉経前及び閉経後の女性及びページェット病又は慢性関節リウマチ患
者におけるピリジノリンの尿***についての臨床研究 方法: ピリジノリン及び全デオキシピリジノリンの尿***を、6NのHClによる酸
性加水分解(又は完全加水分解)の後のHPLCにより測定した。遊離形態のピ
リジノリン(ペプチド無しのピリジノリン)及び遊離デオキシピリジノリン(ペ
プチド無しのデオキシピリジノリン)の尿***を、予め加水分解することなくH
PLCにより測定した。CrossLaps(骨吸収の特異的マーカー)(CrossLaps E
LISA,Osteometer Biotech AS)、及びCartiLaps(軟骨の劣化の特異的マ
ーカー)(Cartilaps ELISA,Osteometer Biotech AS)の尿濃度を、E
LISA技術によって分析した。
【0121】 これらのマーカーの各々を以下の被験者において測定した。 − 対照40名(閉経前女性及び閉経後女性) − 慢性関節リウマチ(PR)患者27名 − パジェット病患者 10名
【0122】 結果: Pyr−gal−glc の尿***は、対照グループ(4.7±1.4)に比べ慢性関節リ
ウマチ患者(9.6±5.9)において明らかに増大し、一方、パジェット病患者
(6.1±1.9)において観察された増加(30%)は有意なものではない(図
8及び9)。これに対して、分析対象のその他のマーカー(全Pyr、全DPyr、遊
離Pyr、遊離DPyr、Crosslaps)の尿濃度は、慢性関節リウマチ患者よりもパジェ
ット病患者においてより多い量で存在している。CartiLaps(II型コラーゲン
の劣化のマーカー)の尿***のみが、パジェット病(4%)に比べ、慢性関節リ
ウマチ(76%)の方で高くなっている。Pyr−gal−glc 及びCartiLaps の濃度
の間の0.80という相関係数で、有意な相関関係(P=0.0001)が存在す
る(図10)。慢性関節リウマチ患者は2つのサブグループすなわち破壊的PR
(n=12)及び非破壊的PR(n=15)に分けられた。Pyr−gal−glc の尿
***は、非破壊的慢性関節リウマチグループに比べ破壊的慢性関節リウマチグル
ープにおいてさらに高いものである(図11)。これらの結果は、Pyr−gal−gl
c 率の増加が重大な関節破壊に結びつけられるということを表わしている。
【0123】 例5: 膝関節症患者におけるPyr−gal−glc の尿***に対する臨床研究
【0124】 方法: Pyr−gal−glc 尿***を、膝の関節症を患う50人の患者においてHPLCに
より測定した。
【0125】 結果: Pyr−gal−glc の尿***を、Lequesne 〔Lequesne M et al. Scandinavian Jo
urnal of Rheumatology. (1987)18(supplement65),85−9)及
びWomac〔Bellamy N et al. Journal of Rheumatology.(1988)15,18
33−40〕の痛覚機能指数に相関させた(図12)。Lequesne 指数及び Woma
c指数で得た正の相関関係は、Pyr−gal−glc の率の増加が、より強い痛み及び
低い運動性に結びつけられるということを示唆している。関節の線間で得られた
負の相関関係は、Pyr−gal−glc 率の増加が、より大きい軟骨破壊に結びつけら
れることを表わしている。
【0126】 例6: 慢性関節リウマチ患者における尿Pyr−Gal−Glc 率の予測面 方法: 3カ年前からよりも短かい期間慢性関節リウマチを患う患者112名において
HPLCにより、Pyr−Gal−Glc 尿***を測定した。実験の開始時点で測定した
率は、比較を可能にする基本率(ベース)である。
【0127】 関節線間の狭窄、骨の浸食及びこれら2つの指標の組合せに対応する合計評点
を、研究の初め、6カ月後、1年後に全ての患者においてX線(Sharp 評点)
での手及び足を放射線撮影することによって実証する。
【0128】 結果: 慢性関節リウマチを患う患者及び該疾病の早期段階にある患者は、同じ性別及
び同じ年令の健康な64名の対照よりも高いPyr−Gal−Glc 率をその尿中に呈し
ている。すなわち対照の場合4.4nmol/クレチアニンmmol(P<0.0001)
であるのに対し7.6nmol/クレアチニンmmolである。
【0129】 図13の表は、一年にわたり行なわれた縦断研究の結果を示す。112名の患
者について、3つの指標つまり関節空間の狭窄、骨の浸食及びこれら2つの組合
せ(合計評点)に基づいて、それらが病気の悪化を呈しているか否かが検討され
た。1つの指標の経緯に基づいた関節破壊の進行の場合、その患者は、この指標
について「有」の欄に分類され、反対の場合はもう1方の欄に分類される。
【0130】 結果の分析から、X線撮影により1年にわたる関節破壊の進行を呈した患者が
高い尿中Pyr−Gal−Glc 基本レベルを有するということが明らかになっている。
Pyr−Gal−Glc 基本レベルが健全な対照の平均レベルに比べ2つの標準偏差分だ
け高い患者(つまり母集団の39%)は、3.6(1.5〜8.1)という確率で
関節疾患の進行リスクの増大を受けている〔信頼範囲:95%〕。該研究の結果
は明らかに、Pyr−Gal−Glc の高いレベルには、早期段階の慢性関節リウマチに
ついて1年間にわたり評価された関節の急速な破壊リスクの増大が結びつけられ
る、ということを表わしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コラーゲンの架橋を可能にするピリジノリン分子の概略的表示
【図2】 ピリジノリンのヒドロキシ及びデオキシ形態: a) ピリジノリン(Pyr)及び b) デオキシピリジノリン(D−Pyr) ピリジノリン(Pyr)のグリコシル化形態: c) ガラクトシル−ピリジノリン(Pyr-Gal)及び d) グルコシル−ガラクトシルピリジノリン(Pyr-Gal-Glc)。
【図3】 アルカリ性加水分解により処理されたヒト滑膜組織(a)及び(c)及びヒト
骨組織(b)及び(d)のクロマトグラフィプロフィール。プロフィール(c)
及び(d)については、尿から精製されたPyr−gal−glc 標準が、クロマトグラ
フィ(a)及び(b)のプロフィールのために利用された組織標本に添加された
。 Pyr及びD−Pyrは、それぞれ非グリコシル化ピリジノリンのヒドロキシ及びデ
オキシ形態を表わす。滑膜組織内に存在するものの骨組織内には存在しない化合
物Xは、尿から精製されたPyr−Gal−Glc 標準と同時移動する。 骨の中に存在するものの滑膜組織内にはきわめて少量しか存在しない化合物Y
は、尿から精製されたPyr−Gal−Glc 標準と同時移動しない。
【図4】 15時間2MのNaOHにより加水分解されたヒト滑膜組織(a)、ヒト軟骨
組織(b)及びヒト骨組織(c)から得られたクロマトグラフィプロフィール。
化合物X及びYは、酸性加水分解の後Pyrに変化し、化合物Xは、尿から精製さ
れたPyr−gal−glc の標準と同時移動する。(d)は尿のクロマトグラフィプロ
フィールに対応する。 Pyr及びD−Pyrは、それぞれ非グリコシル化ピリジノリンのヒドロキシ及び
デオキシ形態を表わす。 滑膜組織内に存在するものの骨組織内には存在しない化合物Xは、尿から精製
されたPyr−Gal−Glc 標準と同時移動する。 骨の中に存在するものの滑膜組織内にはきわめて少量しか存在しない化合物Y
は、尿から精製されたPyr−Gal−Glc 標準と同時移動しない。
【図5】 5〜20時間まで変動する時間中のNaOH2Mによる加水分解の後ヒトの滑
膜組織、骨及び軟骨内に存在する遊離Pyr−gal−glc/Pyr の逆相カラム上のHP
LCにより測定された百分率。 「−」という記号は検出不能を意味する。
【図6】 5〜20時間まで変動する時間中のNaOH 2Mによる加水分解の後ヒトの
骨、軟骨及び滑膜組織内に存在する遊離Pyr−gal/Pyr の逆相カラム上のHPL
Cにより測定された百分率。 「−」という記号は検出不能を意味する。
【図7A】 (a)滑膜培養上清、(b)骨培養上清、(c)軟骨培養上清のクロマトグラ
フィプロフィール。
【図7B】 (d) Pyr−gal−glc ,Pyr及びD-pyr標準で補足された滑膜培養上清、(
e)Pyr−gal−glc ,Pyr及びDPyr標準で補足された骨培養上清、(f)Pyr−g
al−glc ,Pyr及びDPyr標準で補足された軟骨培養上清のクロマトグラフィプロ
フィール。滑膜培養上清の化合物Xは、尿から精製されたPyr−gal−glc 標準と
同時移動し、酸性加水分解の後Pyrに変化する。
【図8】 正常な成人(対照)及び慢性関節リウマチ又はパジェット病患者における全ピ
リジノリン(遊離及びペプチド形態)及び遊離ピリジノリン形態の尿***。 「全Pyr」は、全ピリジノリン又は全デオキシピリジノリンを意味する。 「遊離Pyr」は、遊離ピリジノリン又は遊離デオキシピリジノリンを意味する
【図9】 対照グループとの比較による慢性関節リウマチ(PR)及びパジェット病(Pa
get)における異なるマーカーの尿***の増加百分率(図8参照)。 「PyrGG」は、Pyr−Gal−Glc 又はジグリコシル化ピリジノリンを意味する
【図10】 軟骨の特異的マーカー(CartiLaps)とジグリコシル化ピリジノリン(PyrGG
)の間の直線相関。
【図11】 正常な個体又は破壊段階(AR destructrice)又は非破壊段階(PR non de
structrice)にある慢性関節リウマチ(PR)患者において測定された、ジグリ
コシル化ピリジノリン(Pyr−Gal−Glc)の量の比較。
【図12】 50名の膝関節症患者におけるPyr−gal−glc の尿***、Lequesne及びWomac
の痛覚機能指数及び関節線間(脛骨−大腿骨空間)の間の相関。
【図13】 3年前からよりも短かい期間慢性関節リウマチを患う患者112名におけるX
線での手足の放射線撮影により検査された翌年全体にわたる関節の急速破壊のリ
スクと、HPLCにより測定された尿中Pyr−Gal−Glc のベースの間の相関。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジヌイット,エヴリン フランス国、エフ−69004 リヨン、リ ュ・ジャカール 36 Fターム(参考) 4H045 AA11 CA40 DA75 EA50

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 滑膜病の診断又はその経過の監視のための方法において: i)滑膜病の特異的マーカーを測定するための手段と個体に由来する生体標本
    をin vitroで接触させること; ii)特異的マーカーのレベルを決定すること; iii)場合によって、病気の不在を表わすか又は病気の予め定められた段階を
    表わす基準レベルとマーカーのレベルを比較し、基準レベルとの関係におけるマ
    ーカーのレベルが滑膜病の存在又は経過を表示すること、 を特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 個体が、滑膜病にかかっているかまたはかかっている可能性
    があることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 骨関節病の経過を監視するための方法において、 i)滑膜病の特異的マーカーを測定するための手段と個体に由来する生体標本
    をin vitroで接触させること ii)特異的マーカーのレベルを決定すること iii)場合によって、病気の予め定められた段階を表わす基準レベルとマーカ
    ーのレベルを比較し、基準レベルとの関係におけるマーカーのレベルが滑膜病の
    経過を表示すること、 を特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 骨関節病又はその予め定められた1段階へと向かう経過の予
    後を決定するための方法において、 i)滑膜病の特異的マーカーを測定するための手段と個体に由来する生体標本
    をin vitroで接触させること ii)特異的マーカーのレベルを決定すること iii)場合によって、マーカーのレベルを基準レベルと比較し、骨関節病又は
    その1段階に向かう経過の予後をこの比較から演繹すること、 を特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 個体が骨関節病にかかっているか又はかかっている可能性が
    あることを特徴とする請求項3又は4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 骨関節病の処置のため個体に投与される医薬品の効能を決定
    する方法において: i)滑膜病の特異的マーカーを測定するための手段と治療中の個体に由来する
    生体標本をin vitroで接触させること; ii)特異的マーカーのーレベルを決定すること; iii)場合によって、病気の予め定められた段階を表わす基準レベルとマーカ
    ーのレベルを比較し、基準レベルとの関係におけるマーカーのレベルが滑膜病の
    経過ならびに治療の効能度を表示すること、 を特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 病気の処置を目的とした医薬品の滑膜病又は骨関節病に結び
    つけられる毒性を決定する方法において: i)滑膜病の特異的マーカーを測定するための手段と個体に由来する生体標本
    をin vitroで接触させること; ii)この特異的マーカーのレベルを測定すること; iii)場合によって、病気の存在又はその予め定められた段階を表わす基準レ
    ベルとマーカーのレベルを比較し、基準レベルとの関係におけるマーカーのレベ
    ルが、病気の程度ひいては滑膜病又は骨関節病に結びつけられる毒性の程度を表
    わすこと、 を特徴とする方法。
  8. 【請求項8】 骨関節病の早期診断のための方法において: i)滑膜病の特異的マーカーを測定するための手段と個体に由来する生体標本
    をin vitroで接触させること; ii)特異的マーカーのレベルを決定すること; iii)場合によって、病気の存在又は病気の予め定められた段階を表わす基準
    レベルとマーカーのレベルを比較し、基準レベルとの関係におけるマーカーのレ
    ベルが滑膜病の実際の又は潜在的な存在を表示すること、 を特徴とする方法。
  9. 【請求項9】 滑液コラーゲンの劣化の診断又は監視のための方法において i)滑液コラーゲンの劣化の特異的マーカーを測定するための手段と個体に由
    来する生体標本をin vitroで接触させること ii)特異的マーカーのレベルを決定すること iii)場合によって、滑液コラーゲンの劣化についての基礎レベル又は正常レ
    ベルを表わす基準レベルとマーカーのレベルを比較し、基準レベルとの関係にお
    けるマーカーのレベルが正常な又は病的な劣化を表示すること、 を特徴とする方法。
  10. 【請求項10】 滑膜病の特異的マーカーがグリコシル化ピリジノリンであ
    ることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 グリコシル化ピリジノリンがジグリコシル化ピリジノリン
    であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 骨関節病が、炎症性リウマチ、代謝性関節症、変形性リウ
    マチ、慢性関節リウマチ、脊椎関節症、痛風、軟骨石灰化症又は関節症であるこ
    とを特徴とする請求項3〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】 予め定められた段階が、破壊的段階又は非破壊的段階であ
    ることを特徴とする請求項1〜6及び10〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 【請求項14】 滑膜病の特異的マーカーのレベルの決定が、免疫技術、免
    疫検定、螢光、紫外線分光法又は電気化学検出によって実施されること、を特徴
    とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 【請求項15】 免疫技術が、モノクローナル又はポリクローナルの特異的
    抗体を利用する技術、ELISA技術、免疫酵素技術、免疫螢光技術、放射線免
    疫技術又は化学免疫技術であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 滑膜病の特異的マーカーのレベルの決定がHPLC技術に
    より実施されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  17. 【請求項17】 基準レベルが、約5(nmol/クレアチニンmmol)及び約9
    (nmol/クレアチニンmmol)の間に含まれる範囲の中から選択されることを特徴
    とする請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 滑膜病の特異的マーカーのレベルの決定が体液中で実施さ
    れる、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 【請求項19】 体液が血液、血清、血漿、尿、唾液、汗又は滑液の中から
    選択される、請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 滑膜病の診断又は経過の監視のためのキットにおいて、滑
    膜病の特異的マーカーを測定するための少なくとも1つの手段及び病気の不在を
    表わすか又は病気の予め定められた段階を表わす基準レベルの記述を含んで成る
    ことを特徴とするキット。
  21. 【請求項21】 骨関節病の診断又は経過の監視のためのキットにおいて、
    滑膜病の特異的マーカーを測定するための少なくとも1つの手段及び病気の不在
    を表わすか又は病気の予め定められた段階を表わす基準レベルの記述を含んで成
    ることを特徴とするキット。
  22. 【請求項22】 骨関節病又はその1段階に向かう経過の予後を決定するた
    めのキットにおいて、滑膜病の特異的マーカーを測定するための少なくとも1つ
    の手段及び予後を表わす基準レベルの記述を含むことを特徴とするキット。
  23. 【請求項23】 骨関節病の処置のために個体に投与される医薬品の効能を
    決定するためのキットにおいて、滑膜病の特異的マーカーを測定するための少な
    くとも1つの手段及び前記医薬品についての効能レベルを表わす基準レベルの記
    述を含んで成ることを特徴とするキット。
  24. 【請求項24】 病気の処置を目的とする医薬品の毒性を決定するためのキ
    ットにおいて、滑膜病の特異的マーカーを測定するための少なくとも1つの手段
    及び前記医薬品についての毒性レベルを表わす基準レベルの記述を含んで成るこ
    とを特徴とするキット。
  25. 【請求項25】 滑膜病の特異的マーカーがグリコシル化ピリジノリンであ
    ることを特徴とする請求項20〜24のいずれか1項に記載のキット。
  26. 【請求項26】 グリコシル化ピリジノリンがジグリコシル化ピリジノリン
    であることを特徴とする請求項25に記載のキット。
  27. 【請求項27】 滑膜病の特異的マーカーとしてのグリコシル化ピリジノリ
    ンの使用。
  28. 【請求項28】 滑膜コラーゲン劣化の特異的マーカーとしてのグリコシル
    化ピリジノリンの使用。
  29. 【請求項29】 グリコシル化ピリジノリンがジグリコシル化ピリジノリン
    であることを特徴とする請求項27又は28のいずれか1項に記載の使用。
  30. 【請求項30】 グルコシル−ガラクトシルピリジノリンを特異的に認識す
    る能力をもつ抗体。
  31. 【請求項31】 マーカーは、そのレベルが滑膜組織の劣化レベルを単独で
    反映する特異的マーカーであることを特徴とする請求項1、3、4、6、7、8
    又は9のいずれか1項に記載の方法。
  32. 【請求項32】 特異的マーカーがジグリコシル化ピリジノリンであること
    を特徴とする請求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 滑膜コラーゲンの劣化が関与する骨関節病の場合によって
    は早期の診断又は経過の監視のための方法において、 i)そのレベルが滑膜コラーゲンの劣化レベルを単独で反映する特異的マーカ
    ーを測定するための手段と個体に由来する生体標本をin vitroで接触させること
    、 ii)特異的マーカーのレベルを決定することを特徴とする方法。
  34. 【請求項34】 特異的マーカーがジグリコシル化ピリジノリンであること
    を特徴とする請求項33に記載の方法。
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