JP2003348376A - 直流レベル制御方法、クランプ回路、撮像装置 - Google Patents

直流レベル制御方法、クランプ回路、撮像装置

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JP2003348376A JP2002157056A JP2002157056A JP2003348376A JP 2003348376 A JP2003348376 A JP 2003348376A JP 2002157056 A JP2002157056 A JP 2002157056A JP 2002157056 A JP2002157056 A JP 2002157056A JP 2003348376 A JP2003348376 A JP 2003348376A
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勉 春田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デジタルノイズの影響を緩和することのでき
るデジタル方式クランプ回路を構成する。 【解決手段】 比較器302により撮像信号S3と基準
電圧V3とを比較する。スタートアップモード時は比較
パルスCP数をカウントする。比較器302の出力状態
H/Lに応じカウンタ310のアップダウン動作を切り
替えながら比較パルスCPでカウントする。カウント値
CNT2を電圧電流変換器314に設定してクランプ制御電
圧Vcpを発生させることでOPBレベルを基準電圧V3
の方向に移動させる。ノーマルモード時には、比較器3
02の出力状態H/Lに応じてカウンタ304のアップ
ダウン動作を切り替えながら比較パルスCPでカウント
する。カウント数CNT1が所定値に達したら、カウント数
CNT1の極性に応じてカウンタ310のアップダウン動作
を切り替え、垂直同期信号VSの発生時にカウント値CN
T2を調整することでOPBレベルを基準電圧V3に収束
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流レベル制御方
法、クランプ回路、このクランプ回路を備えた撮像装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】画像信号など種々の電気信号を取り扱う
際には、その直流レベル(DCレベル)を一定値に保持
して取り扱うことがある。このような場合に用いられる
回路がクランプ回路である。
【0003】アナログ方式のクランプ回路は、周知のよ
うに、取り扱い対象となる電気信号を所定のタイミング
でサンプリングしてコンデンサ(蓄電素子、キャパシ
タ)に蓄電しておき、サンプリングした時点の電気信号
レベルと予め用意されている基準レベルとを比較し、そ
の差がほぼ零となるように帰還をかける構成とする。
【0004】直流レベルの安定化のために、サンプリン
グレベルを保持する期間をある程度長く設定することが
好ましく、またクランプパルス期間のノイズに敏感に反
応することを避けるために、アナログ方式のクランプ回
路では、比較的大きな容量のコンデンサがサンプリング
コンデンサとして必要となる。このため、一般的には外
付けのコンデンサを使うことが多く、部品点数や実装上
の問題があった。
【0005】たとえば、固体撮像素子から出力される撮
像信号の直流レベルを一定値に保持するクランプ回路を
例に説明する。固体撮像素子を用いた撮像システムにお
いて、クランプ回路は、撮像素子のOPB(OPtical Bl
ack :光学的黒)レベルを基準レベルに合わせること
で、映像信号の黒浮きや黒沈みといった問題を防ぐとと
もに、CDS(Correlated Double Sampling:相関2重
サンプリング)回路などのアナログ回路のダイナミック
レンジ確保を実現している。
【0006】ところが、このOPBレベルにノイズが載
った場合には、クランプレベルが変動し画像にノイズが
発生してしまうといった問題が生じる。このため、通常
は、クランプレベルを保持する素子として大容量のコン
デンサを用いることにより、同時にLPF(ローパスフ
ィルタ)の役目を果たす回路を用いて、クランプパルス
期間中はOPBレベルと収束させたいレベルの差が零な
るような負帰還をかけ、クランプパルス後はそのクラン
プレベルをコンデンサで保持する構成が採られる。
【0007】しかし、あまり大容量のコンデンサを用い
ると応答が遅くなり、スタート時やゲイン変更時などに
クランプレベル安定までの時間の画像が破綻し目に付
く。したがって応答速度として許せる範囲でコンデンサ
を決めることになるが、結果的に十分なLPFの役目を
果たすだけの大容量を使うことができず、OPBノイズ
を画面に反映してしまう横引きノイズが問題であった。
また、大容量のコンデンサは固体撮像素子との混載が不
可能で外付け部品としていたため、実装面積や部品点数
の削減の点で改善が望まれていた。
【0008】一方、クランプレベルの保持にコンデンサ
でアナログ量を保持する方式の他に、デジタル値で保持
するデジタル方式のクランプ回路も考えられている。こ
の場合、クランプレベルを多ビットのA/D変換器でデ
ジタル化し、ビット冗長をもたせたディジタルフィルタ
などを用いてデジタル的なフィルタ処理を経た後で再び
D/A変換器でアナログ化してフィードバックする構成
が考えられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの場
合、多ビットのA/D変換器やデジタルフィルタ回路は
規模が大きくなってしまう。また、デジタルノイズが多
く、そのノイズの周波数も比較的高くなり、クランプ回
路系に与えるデジタルノイズの影響が問題となる。
【0010】たとえば、撮像装置のOPBクランプにお
いて、デジタル値でOPBクランプレベルを保持するデ
ジタル方式のクランプ回路の場合、信号処理用の多ビッ
トのA/D変換器でクランプレベルをデジタル化しデジ
タル的なフィルタ処理を経た後で再びD/A変換器でア
ナログ化してフィードバックする構成とする。この場
合、信号処理用の多ビットのA/D変換器は、当然にサ
ンプリング周波数が高く、発生するデジタルノイズの周
波数も高くなる。また、多ビットA/D変換器やデジタ
ルフィルタ回路は規模が大きいため、どこまでを固体撮
像素子と同一基板上への混載するかの検討が必要にな
る。
【0011】A/D変換器、デジタルフィルタ回路、D
/A変換器のすべてを固体撮像素子と同一基板上に混載
する場合、信号処理LSIへはデジタルバスで接続する
ことになるが、小型モジュールのような用途の場合に
は、多ビットのデジタルバスは基板面積を必要とし、基
板面積の点で不利である。加えて、ノイズ発生量が多く
採用し難いという問題もある。これはA/D変換器のみ
を固体撮像素子と同一基板に混載する場合も同じであ
る。
【0012】他方、A/D変換器、デジタルフィルタ回
路、D/A変換器を後段の信号処理LSIと混載する場
合、デジタルノイズがD/A変換器後のアナログ信号線
に載ってフィードバックバスから固体撮像素子に混入す
る虞れがある。D/A変換器や、D/A変換器とデジタ
ルフィルタとを固体撮像素子と同一基板上に混載という
切り口では、信号処理LSIと固体撮像素子がシステム
として切り離せなくなる。信号処理LSIとして汎用品
を使う可能性がある場合この方式は取れない。
【0013】このように、従来のデジタル方式クランプ
回路は、信号処理用の多ビットのA/D変換器やD/A
変換器などとクランプ回路との組合せとして考えられて
おり、ノイズや回路配置の観点で十分なものが得られて
いないという問題があった。
【0014】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、デジタルノイズや回路配置の問題を緩和するこ
とのできるデジタル方式の直流レベル制御方法やクラン
プ回路、あるいはこのクランプ回路を備えた撮像装置を
提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明に係る
直流レベル制御方法は、電気信号におけるクランプ部分
の直流レベルを一定値に保持する直流レベル制御方法で
あって、電気信号をデジタル信号に変換しデジタル信号
処理をする信号処理系統用のA/D変換部とは独立に、
信号処理系統用のA/D変換部よりもビット分解能が劣
る直流レベル比較用のA/D変換部を用いて、この直流
レベル比較用のA/D変換部により電気信号におけるサ
ンプリング期間の直流レベルと予め定められている基準
値とを比較することで直流レベルと基準値との差を求
め、求めた直流レベルと基準値との差が略零となるよう
に電気信号にクランプ信号を帰還することとした。
【0016】本発明に係る直流レベル制御方法において
は、直流レベルと基準値との差が予め定められた範囲以
内に収まるまでは信号処理系統よりは低速ある第1のサ
ンプリングパルスに基づいて電気信号にクランプ信号を
帰還させるスタートアップモードに設定し、直流レベル
と基準値との差が予め定められた範囲内に収束した後に
は、直流レベルの変動に対する感度がスタートアップモ
ードよりも低い感度を有するとともに信号処理系統より
は低速でサンプリングパルスに基づいて電気信号にクラ
ンプ信号を帰還させるノーマルモードに設定するとよ
い。第1のサンプリングパルスは第2のサンプリングパ
ルスよりも高速であるとなおよい。
【0017】また、本発明に係る直流レベル制御方法に
おいては、信号処理系統よりは低速なサンプリングパル
スに基づいて、所定期間に亘ってクランプ部分の基準値
に対する直流レベルの正方向のズレ量を求め、さらにこ
のサンプリングパルスに基づいて、所定期間に亘ってク
ランプ部分の基準値に対する直流レベルの負方向のズレ
量を求める、それぞれ求めた正方向のズレ量と負方向の
ズレ量とに基づいてクランプ部分に含まれるノイズの状
態を求め、この求めたノイズの状態を参照して、クラン
プ信号の前記電気信号への帰還を制御するとよい。
【0018】本発明に係るクランプ回路は、上記本発明
に係る直流レベル制御方法を実施する回路であって、電
気信号をデジタル信号に変換しデジタル信号処理をする
信号処理系統用のA/D変換部とは独立に、信号処理系
統用のA/D変換部よりもビット分解能が劣る直流レベ
ル比較用のA/D変換部を設けた。そして、この直流レ
ベル比較用のA/D変換部により電気信号におけるサン
プリング期間の直流レベルと予め定められている基準値
とを比較することで直流レベルと基準値との差を求め、
求めた直流レベルと基準値との差が略零となるように電
気信号にクランプ信号を帰還する帰還部を設けた。
【0019】帰還部の構成としては、たとえば、比較的
高速の第1のサンプリングパルスに基づいて電気信号に
クランプ信号を帰還させるスタートアップモード動作部
と、比較的低速の第2のサンプリングパルスに基づいて
電気信号にクランプ信号を帰還させるノーマルモード動
作部と、直流レベルと基準値との差が所定範囲以内に収
まるまではスタートアップモード動作部を作動させ、所
定範囲内に収束した後には、ノーマルモード動作部に切
り替えて動作させるモード切替部とを備えたものとする
とよい。
【0020】また、帰還部の構成としては、電気信号に
帰還させるクランプ信号のビット分解能が比較的劣る第
1の帰還部と、ビット分解能が第1の帰還部よりも優る
第2の帰還部と、直流レベルと基準値との差が所定範囲
以内に収まるまでは第1の帰還部を作動させ、所定範囲
内に収束した後には、第2の帰還部に切り替えて動作さ
せるモード切替部とを備えたものとしてもよい。
【0021】また、帰還部の構成としては、低速なサン
プリングパルスに基づいて、所定期間に亘ってクランプ
部分の基準値に対する直流レベルの正方向のズレ量を求
める正方向ズレ量取得部と、この低速なサンプリングパ
ルスに基づいて、所定期間に亘ってクランプ部分の基準
値に対する直流レベルの負方向のズレ量を求める負方向
ズレ量取得部と、正方向ズレ量取得部が求めた正方向の
ズレ量と負方向ズレ量取得部が求めた負方向のズレ量と
に基づいてクランプ部分に含まれるノイズの状態を求
め、この求めたノイズの状態を参照して、クランプ信号
の電気信号への帰還を制御する判定制御部とを備えたも
のとしてもよい。
【0022】本発明に係る撮像装置は、固体撮像素子
と、本発明に係る各クランプ回路とを備えたものであ
る。
【0023】
【作用】上記構成においては、先ず、クランプレベルを
サンプリングするA/D変換部を、信号処理系統用のA
/D変換部とは独立に設けた。これにより、サンプリン
グパルスのクロック周波数の選定に自由度が得られるよ
うになった。これにより、たとえば、信号処理系統用よ
りは低周波数であるものの、比較的高速のサンプリング
パルスでクランプレベルをサンプリングし、その結果に
応じて同周波数でフィードバックを掛けるスタートアッ
プモードと、比較的高速のサンプリングパルスでクラン
プレベルをサンプリングしつつ、その結果に応じて比較
的低速の周波数でフィードバックを掛けるノーマルモー
ドとを切り替えて使用することができる。あるいは、ク
ランプのフィードバック量(クランプ信号)のビット分
解能が異なる複数系統のクランプ回路を切り替えて使用
することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について詳細に説明する。
【0025】図1は、電流出力方式の固体撮像素子と本
発明に係る撮像信号処理装置とを備えた撮像装置の一実
施形態の構成例を示す図である。この撮像装置1は、固
体撮像素子3として、たとえばCMOS型撮像素子を備
えている。また撮像装置1は、固体撮像素子3の後段
に、電圧動作点設定部7および電流サンプリング部9を
具備した電流信号検出部5と電流クランプ部26とを備
えている。なお、固体撮像素子3と電流信号検出部5お
よび電流クランプ部26とを1つの半導体基板上に形成
してもよい。
【0026】図1(A)において、固体撮像素子3を構
成する感光部(センサアレイ)10の単位画素11は、
フォトダイオード12、増幅用トランジスタ13、垂直
選択用トランジスタ14、およびリセット用トランジス
タ15によって構成されている。これらトランジスタ1
3〜15として、本例では、NchMOSトランジスタが
用いられている。単位画素11がX方向(列方向)およ
びY方向(行方向)に配列されて画素部を構成してい
る。なお、ここでは、図面の簡略化のために、m行n列
の画素のみを示している。
【0027】単位画素11において、垂直選択用トラン
ジスタ14のゲート電極には垂直走査回路16から垂直
選択線17を通して垂直走査パルスφVmが与えられ、
リセット用トランジスタ15のゲート電極には垂直走査
回路16から垂直リセット線18を通して垂直リセット
パルスφVR mが与えられる。また、フォトダイオード
12で光電変換された信号電荷は増幅用トランジスタ1
3で信号電流に変換され、垂直選択用トランジスタ14
を通して垂直信号線19に出力される。
【0028】垂直信号線19と水平信号線20との間に
は、水平選択用トランジスタ21が接続されている。こ
の水平選択用トランジスタ21のゲート電極には、水平
走査回路22から水平走査パルスφHnが与えられる。
これにより、画素11から垂直信号線19に出力された
信号電流は、水平選択用トランジスタ21を通して水平
信号線20に流れる。
【0029】水平信号線20の一方の端部には、電流信
号検出部5が接続され、その内部の電圧動作点設定部7
および電流サンプリング部9を介して、さらに電流クラ
ンプ部26が接続されている。電流信号検出部5として
は、たとえば、本願出願人による特願2002−102
108号に記載の、電流モードのCDS処理機能を備え
たものを使用するのが好ましい。
【0030】電圧動作点設定部7は、常に水平信号線2
0の電圧を略一定レベル(たとえばGNDレベル付近)
に安定に保つ。電流サンプリング部9は、画素信号線の
一例である水平信号線20を通じて画素信号を電流とし
て受け取り、その電流をサンプリングすることによっ
て、電流信号中に含まれているオフセット電流を取り除
き、純粋な信号だけを取り出す。これにより、画素信号
内に含まれるFPN(固定パターンノイズ)を抑圧す
る。
【0031】電流クランプ部26は、水平信号線20か
ら電流信号検出部5を通して入力される信号電流の所定
位置(具体的には光学的黒レベル;OPB)をクランプ
することで、電流信号の基準レベルであるOPBレベル
を一定値に保持する。この電流クランプ部26の後段に
は、必要に応じて、電流クランプ部26から入力される
信号電流を信号電圧に変換して出力する電流電圧変換回
路が設けられる。
【0032】固体撮像素子3は、感光部(センサアレ
イ)10にフォトダイオード11が縦横に並べられてい
る他(図1(B)を参照)、垂直および水平の各走査回
路などの出力制御回路や出力回路(ともに図示せず)な
どを備えている。必要に応じて、個々のフォトダイオー
ド11上にマイクロレンズを配して撮像対象の画を集光
する構成としてもよい。
【0033】図1(B)に示すように、感光部10の端
の一部には、フォトダイオード11の上部を遮光したセ
ンサ列(遮光部)を並べてある。この部分の出力は常に
光の無い部分で黒のレベル(光学的黒レベル)となる
が、このような画素をOPB画素という。このOPB画
素は、垂直走査の開始側の数ライン(ライン;1水平走
査期間)分と、水平走査の開始側の数画素分だけ設けら
れるのが一般的である。
【0034】電流クランプ部26は、電流モードで電流
信号検出部5から出力された撮像信号における所定期間
の直流レベルを検知し、この検知した直流レベルと予め
定められている基準値との差が略零となるように、撮像
信号にクランプ電流を帰還する。具体的には、この電流
クランプ部26は、出力回路202と、クランプ回路2
50と、加算部280とを有している。この電流クラン
プ部26は、OPB画素の出力信号を検知し、その値と
予め設定した基準値との大小の比較を行なう。本実施形
態においては、電流信号検出部5から出力される電流信
号を出力回路202にて電圧信号に変換し、この電圧信
号中のOPBレベルと電圧基準値とをクランプ回路25
0にて比較する。
【0035】そして、クランプ回路250は、OPB画
素の出力が電圧基準値よりも大きければ小さくなるよう
に、比較結果に応じてクランプレベル(つまりOPBレ
ベル)を変動させOPB画素の出力レベルを基準値に収
束させるよう負帰還制御を行なう。本構成例では、電流
信号検出部5によるCDS処理の後に電流クランプ部2
6からの帰還信号を電流(クランプ電流)で加算してお
り、これにより、その後の信号のDCレベルを希望する
値(予め設定した基準値)に変動させることが可能であ
る。
【0036】図2は、上記構成の撮像装置1における電
流クランプ部26の機能構成を、撮像装置1の全体とと
もに示したブロック図である。図示するように、電流ク
ランプ部26は、電流利得を制御する可変利得増幅器
(PGA)200と、電流信号を電圧信号に変換する出
力回路202の一例である電流電圧変換部(以下電流電
圧変換部220という)と、クランプ回路250とを備
える。
【0037】クランプ回路250は、電流電圧変換部2
20から出力された電圧信号S3を監視(モニタリン
グ)してその結果をクランプ電流Scpとして出力する電
流出力型の差動増幅器252を有する。つまり、電流出
力型の差動増幅器252は、撮像信号における所定期間
の直流レベルを検知し、この検知した直流レベルと予め
定められている基準値とを比較することで直流レベルと
基準値との差を求める直流レベル比較部と、直流レベル
と基準値との差が略零となるように撮像信号にクランプ
電流を帰還する電流帰還部との、両機能を備える。
【0038】たとえば、電流出力型の差動増幅器252
の所定位置(場所は回路構成により変わる)には、クラ
ンプのタイミングを規定するクランプパルスが入力され
る。具体的には、固体撮像素子3のOPB画素位置に応
じたパルスが入力されることで、OPBクランプが実現
される。
【0039】また電流クランプ部26は、可変利得増幅
器200により所定レベルに電流増幅された電流信号S
1と差動増幅器252からのクランプ電流Scpとを加算
して合成電流S2を出力する電流加算部280と、差動
増幅器252の動作基準点を設定する動作基準点設定部
の一例である基準電圧源290とを備える。電流クラン
プ部26の後段には、アナログ信号をデジタル信号に変
換する信号処理系統用のA/D変換器28が接続されて
いる。
【0040】この構成において、電流信号検出部5は、
電流型の固体撮像素子3から出力された撮像信号を、電
流信号のままCDSの減算処理をして電流信号S0とし
て検出し、この電流信号S0を可変利得増幅器200に
供給する。可変利得増幅器200は、電流信号検出部5
にてCDS処理された電流信号S0を所定レベルに増幅
し電流加算部280の一方の端子に供給する。電流電圧
変換部220は、電流加算部280から供給される電流
信号S2を電圧信号S3に変換する。この電圧信号S3
は、信号処理系用の多ビット(たとえば8〜11ビッ
ト)のA/D変換器28によりデジタル信号に変換され
る。
【0041】クランプ回路250を構成する差動増幅器
252は、電流電圧変換部220から出力される電圧信
号S3の光学的黒レベルの電圧値を監視し、その結果を
クランプ電流Scpとして電流加算部280に供給して、
電流モードで電流電圧変換部220の入力に帰還をかけ
る。つまり、固体撮像素子3、電流信号検出部5、可変
利得増幅器200、電流電圧変換部220などが純粋な
信号成分以外にオフセット成分を出力してしまうので、
出力信号にはDCレベル変動が起こってしまう。これを
クランプ電流Scpにより吸収するために、クランプ回路
250が設けられている。
【0042】この構成例のクランプ機能は、電流電圧変
換部220から出力される電圧信号S3のOPB画素の
出力レベルを差動増幅器252で任意の基準電圧源29
0の基準電圧V1と比較し、その差がなくなるように電
流の形で可変利得増幅器200の後に帰還をかけること
で実現している。すでに電流信号検出部5にてCDSの
減算処理が終了しているため、この位置でクランプをか
けることができる。
【0043】また、電流で帰還をかけるため、抵抗など
を利用した電圧加算器のような特別な回路が不要であ
り、単純に可変利得増幅器200からの信号電流S1に
クランプ電流Scpを加えるだけで、OPB画素の信号成
分のDCレベルを制御することができるという利点があ
る。このため、システムを単純化することができ、部品
点数も削減することができる。
【0044】また、CDS機能を有する電流信号検出部
5や可変利得増幅器200は、電流信号で信号処理を行
なうため、限られた電源電圧のなかで信号を処理する場
合において、電圧信号で処理するよりも回路のダイナミ
ックレンジを確保しやすいという利点もある。このた
め、従来技術の図11で例示したような、CDS回路9
03のダイナミックレンジ確保のための独立したDCシ
フト回路909のようなものは特に必要とせず、電流電
圧変換部220で電圧信号に変換する手前に一度電流ク
ランプ部26で帰還をかけるだけで、アナログ回路のダ
イナミックレンジ確保という目的も達成することができ
る。
【0045】また、この例では、電流信号検出部5の後
に可変利得増幅器200を入れているが、CDS機能を
有する電流信号検出部5の手前に可変利得増幅器200
を入れることもでき、特に必要ない場合は可変利得増幅
器200を省略することもできる。また、可変利得増幅
器200に限らず、電流型のサンプルホールド回路な
ど、他の回路ブロックが挿入されてもよい。
【0046】なお、この例では、クランプ電流を可変利
得増幅器200の後段に帰還しているが、電流信号検出
部5の直後に帰還することもできる。この場合、可変利
得増幅器200のゲインを変えたときに、固体撮像素子
3および電流信号検出部5の出すオフセット成分と、そ
れを除去するためのクランプ電流に同じようにゲインが
掛かるため、可変利得増幅器200のゲインを変えたと
きにクランプが外れにくいという利点がある。ただし、
クランプ電流のノイズ成分も一緒にゲイン制御されてし
まい、ゲインアップされたときにはS/N上不利になる
虞れがある。
【0047】図3は、電流信号検出部5の一実施形態の
構成例を示す図である。ここで図3(A)は、その回路
図、図3(B)は動作を説明するためのタイミングチャ
ートである。図示する構成は、電圧動作点設定部7とし
てカレントミラー70を使用し、電流サンプリング部9
としてカレントコピア(電流記憶セル)90を使用した
点に特徴を有する。なお、この構成は、本願出願人によ
る特願2002−102108号に記載の電流信号検出
部の一実施形態の構成と同じである。
【0048】カレントミラー70は、固体撮像素子3の
画素信号線の一例である水平信号線20を介して出力さ
れる電流信号を受け取り、この受け取った電流信号の大
きさに対応する大きさの電流信号を出力する電流/電流
変換部の一例である。
【0049】このカレントミラー70は、図3(A)に
示すように、ドレインおよびゲートが水平信号線20に
共通に接続され、かつソースが電位の基準であるグラン
ドに接続された入力側の素子としてのNchMOSトラン
ジスタQ71と、このNchMOSトランジスタQ71と
ゲートが共通に接続され、かつソースがグランド(GN
D)に接続された出力側の素子としてのNchMOSトラ
ンジスタQ72とから構成されている。すなわち、固体
撮像素子3から信号が流れてくる画素信号線20をNch
MOSトランジスタQ71,Q72からなるカレントミ
ラー70に接続する。両NchMOSトランジスタQ7
1,Q72としては同じ特性のものが用いられる。
【0050】また、図3(A)に示すように、カレント
コピア90は、入出力端子としてのドレインがNchMO
SトランジスタQ72のドレインと接続され、ソースが
電源線VDDに接続されたPchMOSトランジスタQ9
1と、このPchMOSトランジスタQ91のゲートと電
源線VDDとの間に接続されたサンプリング用の容量素
子C91と、PchMOSトランジスタQ91のゲートと
ドレイン間に接続されたスイッチ素子SW91と、Pch
MOSトランジスタQ91のドレインと電流出力端子Io
utとの間に接続されたスイッチ素子SW92とから構成
されている。
【0051】すなわち、先ず、カレントミラー70の出
力、つまりNchMOSトランジスタQ72のドレイン端
子を、PchMOSトランジスタQ91のドレイン端子に
接続する。PchMOSトランジスタQ91のゲートに
は、サンプリング用の容量素子C91が電源電圧VDD
との間に接続され、また、ゲートとドレインの間にスイ
ッチ素子SW91が挿入され、カレントコピア90とし
て構成される。
【0052】NchMOSトランジスタQ72とPchMO
SトランジスタQ91のドレイン端子同士をつないだノ
ードの先には、スイッチ素子SW92が接続され、出力
端子Ioutに接続される。
【0053】ここで、図3(A1)に示すように、スイ
ッチ素子SW91を導通状態、スイッチ素子SW92を
非導通状態に制御するとカレントコピア90は入力フェ
ーズとなり、図3(A2)に示すように、スイッチ素子
SW91を非導通状態、スイッチ素子SW92を導通状
態に制御するとカレントコピア90は出力フェーズとな
る。
【0054】なお、この図3(A)の例では、固体撮像
素子3が増幅トランジスタ13としてNchMOSトラン
ジスタを備えているので、これに応じて、カレントミラ
ー70としてNchMOSトランジスタを、カレントコピ
ア90としてPchMOSトランジスタをそれぞれ使用し
ているが、固体撮像素子3が、増幅トランジスタ13と
してPchMOSトランジスタを備えている場合には、カ
レントミラー70およびカレントコピア90の形態も、
図3(A)にて使用しているトランジスタのNchとPch
の極性を反転させたものを使用すればよい。
【0055】図3(B)には、固体撮像素子3の出力信
号波形IINと合わせて、スイッチ素子SW91の制御パ
ルスΦRST、スイッチ素子SW92の制御パルスΦD
ET、および出力端子Ioutに現れる出力信号波形Ioutと
が示されている。ただし、制御パルスΦRST,ΦDE
Tは、ハイ(H)期間にそれぞれのスイッチ素子を導通
状態(オン)、ロー(L)期間に非導通状態(オフ)に
制御するものとする。このΦRSTとΦDETのスイッ
チ制御によって、PchMOSトランジスタQ91および
容量素子C91はカレントコピアとして動作する。
【0056】固体撮像素子3から水平信号線20を介し
て、カレントミラー70のNchMOSトランジスタQ
71に、図3(B)に示す信号波形の信号電流IINが供
給される。この信号波形は、電流出力型の固体撮像素子
の一般的な出力信号波形と同じである。たとえば、1画
素期間内にはリセット期間と検出期間とがあり、リセッ
ト期間にはオフセット成分の信号Ioffが、検出期間には
検出電流“Ioff−Isig”が出力される。その差分である
Isigが本来必要な信号電流となる。
【0057】固体撮像素子3から出力されたこの信号電
流IINは、画素信号線20を介してNchMOSトランジ
スタQ71,Q72から構成されるカレントミラー70
に供給される。カレントミラー70は入力と出力の電流
が同じになるように働くため、NchMOSトランジスタ
Q71に入力された信号電流は、そのままNchMOSト
ランジスタQ72のドレインに現れる。
【0058】固体撮像素子3の出力信号IINがリセット
期間にあるときには、図3(A1)に示すように、制御
パルスΦRSTのH期間によってスイッチ素子SW91
を導通状態、制御パルスΦDETのL期間によってスイ
ッチ素子SW92を非導通状態に制御する。このときカ
レントコピア90は入力フェーズとなり、固体撮像素子
3からカレントミラー70を介して流れてきた電流Ioff
をすべて入力する。
【0059】そして、このときの信号電流(オフセット
成分)Ioffの大きさに応じた電圧がPchMOSトランジ
スタQ91のゲート端子に現れ、次の瞬間スイッチ素子
SW91を非導通状態にすることで、そのときのゲート
電圧を容量素子C91が記憶する。このカレントコピア
90は出力フェーズとなり、先に入力したオフセット電
流Ioffを記憶し、そのまま流し続けようとする。
【0060】この状態で次に固体撮像素子3の出力信号
IINは検出期間に移り、“Ioff−Isig”という信号がカ
レントミラー70を介して流れ込んでくるが、カレント
コピア90は出力フェーズにあるため、先に容量素子C
91に記憶した電流Ioffを流し続けようとする。このと
きスイッチ素子SW92を導通状態にしてやることで、
カレントコピア90の記憶した電流Ioffと、カレントミ
ラー70を介して流れ込んでくる信号電流“Ioff−Isi
g”の差分だけがIout端子に現れることになる。すなわ
ち、“Iout=Ioff−(Ioff−Isig)=Isig”となり、オ
フセット成分Ioffを含まない純粋な信号IsigだけがIout
端子に現れることになる。
【0061】このように、図3に示した構成を用いるこ
とで、FPNの原因となるオフセット電流Ioffを取り除
き、本来の信号成分Isigだけを出力端子Ioutから電流信
号Ioutとして取り出すことができ、電流モードのCDS
処理機能(すなわちFPN抑制機能)を実現することが
できる。なお、この出力電流信号は連続波となっていな
いが、サンプリングによって連続波に変換される。
【0062】この回路は、NchMOSトランジスタQ7
1,Q72からなる1つのカレントミラー70と、Pch
MOSトランジスタQ91、容量素子C91、およびス
イッチ素子SW91,SW92からなる1つのカレント
コピア90だけで構成され、非常に回路構成が簡単で素
子数が少ないという特徴を持つ。また、電流サンプリン
グ部9として機能するカレントコピア90に対する制御
も、リセット期間中に記憶、検出期間中に出力と、2つ
のフェーズを持つだけなので、非常に制御が簡単である
という特徴をもつ。
【0063】また、画素信号線20の電位は、カレント
ミラー70を構成するダイオード接続されたNchMOS
トランジスタQ71によって常に決定され、NchMOS
トランジスタQ71のVth+その時の電流値とトランジ
スタサイズに応じたバイアス値となる。トランジスタの
Vthとサイズを適切に選択することよってGND付近で
常に安定にすることができる。そして、これにより、固
体撮像素子3内の増幅トランジスタ13は常に良好な増
幅率を保ち、リニアリティの悪化を防ぐことができる。
【0064】図4は、撮像装置1のより具体的な構成例
を示した図であって、上記図3に示したカレントコピア
を利用する電流信号検出部5の一実施形態とともに、可
変利得増幅器200や電流電圧変換部220の一実施形
態を示したものである。
【0065】電流信号検出部5の後段に設けられた可変
利得増幅器200は、NchMOSトランジスタQ20
1,Q202,Q203,Q204、このNchMOSト
ランジスタQ201〜Q204のそれぞれ対応するよう
に設けられた電流源I201,I202,I203,I
204、およびNchMOSトランジスタQ202〜Q2
04と対応する電流源I202〜I204のそれぞれの
間に配されたスイッチ素子SW202a,SW202
b,SW203a,SW203b,SW204a,SW
204bを備えたカレントミラー回路により構成されて
いる。
【0066】図示した例では、電流入力側にNchMOS
トランジスタQ201および電流源I201が配され、
電流出力側にNchMOSトランジスタQ202〜Q20
4および電流源I202〜I204がスイッチ切替え可
能に配されている。つまり、出力側にカレントミラー回
路の出力段を3並列した構成としている。ただしこれ
は、必要なゲインに応じて構成されるもので、特に3並
列に限るわけではない。また、NchMOSトランジスタ
でカレントミラー回路を構成しているが、PchMOSト
ランジスタを用いて構成してもよい。
【0067】電流信号検出部5から出力された電流信号
S0は、カレントミラー構成の可変利得増幅器200の
入力側であるNchMOSトランジスタQ202のゲート
端子に入力される。カレントミラー回路は単に入力され
た電流をそのミラー比に応じて出力するだけであるが、
そのミラー比を可変にすることで可変利得動作させるこ
とができる。ここで、ミラー比を可変にするために設け
られたのが、スイッチ素子SW202a〜SW204b
である。このスイッチ素子SW202a〜SW204b
を必要なゲインに応じて導通させると、ミラー比を決定
することができる。また、電流信号検出部5からの信号
電流S1が“0”になっても、可変利得増幅器200が
動作するように、バイアス電流を流す機構として、電流
源I201〜I204を備えている。
【0068】この可変利得増幅器200の後段に設けら
れた電流電圧変換部220は、差動増幅器222と、こ
の差動増幅器222の反転入力端子(−)と出力端子と
の間に配された抵抗素子224と、差動増幅器222の
非反転入力端子(+)と基準電圧(具体的にはGND
(接地))との間に配された基準電圧源226とを備え
る。基準電圧源226は、電流電圧変換部220にて電
流電圧変換作用を行なう場合の電圧の基準となるもので
ある。
【0069】可変利得増幅器200から出力された電流
信号S1は、電流電圧変換部220を構成する差動増幅
器222の反転入力端子(−)に直接に入力される。ま
た、差動増幅器222の反転入力端子(−)には、電流
モードのクランプ機能を有する差動増幅器252からク
ランプ電流Scpも直接に入力される。
【0070】つまり、この構成によれば、差動増幅器2
22の反転入力端子(−)にて、可変利得増幅器200
からの電流信号S1と、差動増幅器252からのクラン
プ電流Scpとが合成され、差動増幅器222にて直ちに
電圧信号S3に変換される。差動増幅器222の反転入
力端子(−)にて直接に電流加算しているので、抵抗な
どを利用した電圧加算器のような特別な回路は必要とし
ないので、部品点数を削減することができる。電流出力
型の固体撮像素子3との組合せにマッチした電流型のク
ランプ回路とすることができる。
【0071】クランプ回路250は、電流出力型の差動
増幅器252の反転入力端子(−)と電流電圧変換部2
20の出力との間に、クランプのタイミングを制御する
スイッチ素子254を備える。スイッチ素子254の制
御端子にはクランプのタイミングを規定するクランプパ
ルスが入力される。具体的には、固体撮像素子3のOP
B画素位置に応じたパルスが入力されることで、OPB
クランプが実現されることになる。
【0072】この構成において、差動増幅器252は、
スイッチ素子254で制御される任意の時間(前例では
OPBのタイミング)において、A/D変換器28の入
力電圧、つまり電流電圧変換部220から出力された電
圧信号S3を監視し、差動増幅器252の非反転入力端
子(+)に接続された基準電圧源290の電圧との差が
なくなるように、電流電圧変換部220の入力(本例で
は差動増幅器222の反転入力端子(−))に対して電
流モードで帰還をかける。なお、スイッチ素子254が
オフしている期間に、オン時に監視していた値を保持す
るために、サンプルホールド回路などを差動増幅器25
2の手前に挿入してもよい。
【0073】ここで、このような電流帰還型の電流クラ
ンプ部26によれば、電圧帰還型の場合に必要だった電
圧加算器や、DC成分をカットするための容量素子など
が不要になり、単純に信号電流S1にクランプ電流Scp
を加えるだけでクランプができる。このため、部品点数
を削減することができ、また信号が通過する回路数を減
らすことができるため、ノイズの混入なども少なくする
ことができる。
【0074】また、クランプ電流を注入する回路自体
は、たとえばMOSトランジスタの定電流特性を用いる
ことで簡単に形成することができ、システムの複雑化を
抑えることができる。特に、図4で例示した電流信号検
出部5のような電流型のCDS回路を構成することで、
電流帰還型のクランプ回路を用いることができ、システ
ムの単純化に貢献する。たとえば、CMOSトランジス
タなどを用いて、固体撮像素子3、電流信号検出部5、
および電流クランプ部26を、一体的に半導体基板上に
構成することもできる。
【0075】さらに、CDS機能を有する電流信号検出
部5や可変利得増幅器200は電流型の信号処理を行な
うため、限られた電源電圧のなかで信号を処理する場合
において、電圧信号で処理するよりも回路のダイナミッ
クレンジを確保しやすいという利点もある。
【0076】図5は、クランプ回路250の具体的な構
成例を示す図である。ここで、図5(A)に示す一例
は、電流出力型の差動増幅器252をCMOSトランジ
スタで具体的に構成した場合を示している。電流出力型
の差動増幅器252は、その主要部である差動増幅器2
52aとPchMOSトランジスタ252bとから構成さ
れている。クランプ回路250は、差動増幅器252a
とPchMOSトランジスタ252bとの間に、差動増幅
器252aの出力を受けて、それに応じてPchMOSト
ランジスタ252bのゲート端子を制御するクランプ電
圧Vcpを発生する制御電圧発生回路260を有する。
【0077】PchMOSトランジスタ252bのソース
端子は電圧源(本例ではVDD)に接続され、ドレイン
端子は電流電圧変換部220の入力に接続される。図4
に示した電流電圧変換部220との対応では、ドレイン
端子は差動増幅器222の反転入力端子(−)に接続さ
れ、PchMOSトランジスタ252bで生成されたクラ
ンプ電流Scpが差動増幅器222の反転入力端子(−)
に入力される構成とする。
【0078】PchMOSトランジスタ252bが飽和領
域で動作するような電圧を制御電圧発生回路260が加
えることで、PchMOSトランジスタ252bはゲート
−ソース間の電圧に応じた電流を流す電流源として動作
する。つまり、PchMOSトランジスタ252bは、制
御電圧発生回路260から出力されるクランプ電圧Vcp
をクランプ電流Scpに変換する電圧電流変換部として機
能する。これにより、クランプ回路250は、電流出力
型のクランプ回路としての機能を果たすことができる。
【0079】なお、制御電圧発生回路260を用いるこ
となく、差動増幅器252aの出力電圧を直接PchMO
Sトランジスタ252bのゲート端子に加える構成とし
ても、出力信号のDCレベルを制御する、つまりクラン
プ機能を作動させることができる。
【0080】また、図5(A)に示す一例では、PchM
OSトランジスタ252bのみでクランプ電流Scpを電
流電圧変換部220の入力に供給する構成としている
が、PchMOSトランジスタ252bをNchMOSトラ
ンジスタに置き換えて、電流電圧変換部220の入力か
らクランプ電流ScpをNchMOSトランジスタ側に引き
込む構成としてもよい。また、PchMOSトランジスタ
およびNchMOSトランジスタの両方を用いて、電流の
流れる方向を切り替えて使う構成とすることもできる。
【0081】また、図5(A)に示す一例では、PchM
OSトランジスタ252bを用いて、制御電圧発生回路
260から出力されるクランプ電圧Vcpをクランプ電流
Scpに変換するようにしていたが、これに限らず、差動
増幅器252aの出力端子を電流出力型の構成とするこ
とで、制御電圧発生回路260やMOSトランジスタな
どによる電圧電流変換部を設けることなく、その電流出
力型の差動増幅器の出力にて直接にクランプ電流Scpを
発生させる構成とすることもできる。
【0082】図5(B)に示す第2例は、PchMOSト
ランジスタ252bのドレイン端子に3端子スイッチ素
子258を挿入した構成例を示している。3端子スイッ
チ素子258は、入力端子aがPchMOSトランジスタ
252bのドレイン端子と接続され、一方の出力端子b
が電流電圧変換部220の入力部に接続され、他方の出
力端子cが電流電圧変換部220の動作基準点と接続さ
れる構成とする。
【0083】図4に示した電流電圧変換部220との対
応では、出力端子bは差動増幅器222の反転入力端子
(−)に接続され、PchMOSトランジスタ252bで
生成されたクランプ電流Scpが3端子スイッチ素子25
8を介して差動増幅器222の反転入力端子(−)に入
力される構成とする。また、出力端子cは電流電圧変換
部220の非反転入力端子(+)と接続され、その非反
転入力端子(+)に接続された基準電圧源226と同じ
基準電圧V2が印加されるようにする。以下、3端子ス
イッチ素子258の役割について説明する。
【0084】図3にて電流信号検出部5の具体例を挙げ
たように、カレントコピアセルを用いて電流モードでC
DS処理をする場合、リセット期間にサンプリングのた
めにスイッチ素子SW92を閉じる必要がある。このと
き、可変利得増幅器200やクランプ回路250には信
号電流S1が流れてこないことになるので、電流電圧変
換部220には、クランプ電流Scpだけが流れ込むこと
になる。
【0085】クランプ電流Scpは信号電流が流れている
期間に電流電圧変換部220のダイナミックレンジがき
ちんと確保されるように流れているため、信号電流S1
がなくなってしまうと、クランプ電流Scpのせいで電流
電圧変換部220が一時的にそのダイナミックレンジを
はずしてしまう可能性がある。一般的に差動増幅器を用
いて作られているI/V変換回路の場合は、一旦ダイナ
ミックレンジから外れてしまうと動作スピードが極端に
遅くなるなど、通常の動作状態に復帰するのに時間がか
かる場合がある。
【0086】このような問題を避けるために、スイッチ
素子SW92のオンオフ制御と同じタイミングでスイッ
チ素子258をオンオフ制御する。すなわち、スイッチ
素子SW92が非導通状態になって信号電流S1が電流
電圧変換部220側に流れてこなくなったときに、スイ
ッチ素子258を出力端子bから切断して電流電圧変換
部220の入力部とPchMOSトランジスタ252bと
を切り離す。これにより、電流電圧変換部220に入力
される撮像信号S1へのクランプ電流Scpの帰還を停止
することで、電流電圧変換部220へのクランプ電流S
cpの流入を防ぎ、ダイナミックレンジをはずしてしまう
ことを防ぐようにする。
【0087】また、単純にスイッチ素子258を切断し
てしまうと、PchMOSトランジスタ252bからのク
ランプ電流Scpが流れ込む先を失い、クランプ電流Scp
の電流値が“0”になってしまう。すると次にスイッチ
素子258を出力端子b側に接続してクランプ電流Scp
を流し始めたときに、所望の電流値に落ち着くまでに時
間がかかってしまうため、規定の時間内に信号を忠実に
再現できなくなってしまう虞れがある。
【0088】そこで、スイッチ素子258を単純にオン
オフ制御するのではなく、図5(B)に示すように、ス
イッチ素子SW92を非導通状態にするときにはスイッ
チ素子258を出力端子bから出力端子c側に切り替
え、電流電圧変換部220の非反転入力端子(+)側に
接続することで、この非反転入力端子(+)の接続され
ている基準電圧源226につなぎ変える。つまり、スイ
ッチ素子SW92を非導通状態にするリセット期間に
は、撮像信号へのクランプ電流Scpの帰還を停止させる
とともに、この帰還を停止させたクランプ電流Scpを、
電流電圧変換部220の動作基準点を設定するための基
準電圧源226に向けて還流させる。
【0089】こうすることで、クランプ電流Scpを流し
込むPchMOSトランジスタ252bから見れば、クラ
ンプ電流Scpを電流電圧変換部220に流し込んでいる
ときも、遮断(カット)しているときも、見かけ上何も
変わらないように見えるため、常に制御電圧発生回路2
60によって制御された電流を流し続けることができ、
クランプ電流Scpの安定性を保つことができる。つま
り、常にクランプ電流Scpの安定性を保ち、次に再びク
ランプ電流Scpを撮像信号S1に流し込むときにすぐに
所望の電流が得られるようになる。
【0090】以上説明したように、上記実施形態の構成
によれば、電流帰還型のクランプ回路を用いるようにし
たので、電圧帰還型の場合に必要だった電圧加算器やD
C成分カットするための容量素子などが不要になり、単
純に信号電流にクランプ電流を帰還するだけでDCクラ
ンプが可能となる。このため、部品点数を削減すること
ができ、また信号が通過する回路数を減らすことができ
るため、ノイズの混入なども少なくすることができる。
【0091】加えて、図5にて具体的構成例を示したよ
うに、クランプ電流を注入する回路自体は、MOSトラ
ンジスタの定電流特性を用いることで簡単に形成するこ
とができ、システムの複雑化を抑えることができる。さ
らに、電流型の信号処理を行なう構成のCDS回路やP
GA回路と組合せることで、限られた電源電圧のなかで
信号を処理する場合において、電圧信号で処理するより
も回路のダイナミックレンジを確保しやすいという効果
を享受することもできる。
【0092】図6は、クランプ回路、特に制御電圧発生
回路をより具体的に示した構成例を示す図である。ここ
で、図6(A)は、その構成を示すブロック図であり、
図6(B)は、このクランプ回路にて使用されるパルス
信号のタイミングチャートである。このクランプ回路3
00の構成は、信号処理系統用のA/D変換器28とは
独立に設けられた専用のA/D変換部を含むデジタル回
路の演算処理部を備え、デジタル回路の処理結果(デジ
タル値)をD/A変換器を用いてアナログ電圧信号に戻
し、PchMOSトランジスタ252bの入力電圧として
供給することで、PchMOSトランジスタ252bにて
クランプ電流Scpを発生させる構成とした点に特徴を有
する。また、このクランプ回路300は、応答速度が比
較的高速のスタートアップモード動作部と、応答速度が
比較的低速のノーマルモード動作部の何れか一方で動作
可能に構成されている。
【0093】図6(A)に示すように、クランプ回路3
00は、先に示したクランプ回路250における差動増
幅器252aに相当する比較器(コンパレータ)302
と、比較パルスCPの数をカウントするアップダウンカ
ウンタ304と、アップダウンカウンタ304のカウン
ト値CNTが所定条件に合致するか否かを判定する判定
回路306とを備える。アップダウンカウンタ304の
リセット端子RSTには、インバータ308で垂直同期
信号VSを反転させた反転垂直同期信号NVSが入力さ
れ、この反転垂直同期信号NVSごとにカウント値CNT1
がリセットされるようになっている。
【0094】また、クランプ回路300は、アップダウ
ンカウント機能を有するレジスタカウンタ310と、レ
ジスタカウンタ310のカウント値CNT2を直接にアナロ
グ電圧Vcpに変換するD/A変換器312と、D/A変
換器312から出力されたアナログ電圧を電流信号に変
換する電圧電流変換器(V/I変換器)314とを備え
る。電圧電流変換器314から出力される電流信号(ク
ランプ電流Scp)は、電流電圧変換部220の入力部へ
供給される。
【0095】レジスタカウンタ310から電流電圧変換
部220までの制御系統は、カウント値CNT2をアップす
ればOPBレベルが上昇し、逆にカウント値CNT2がダウ
ンすればOPBレベルを低下させるような極性とする。
電圧電流変換器314としては、先に述べたクランプ回
路250におけるPchMOSトランジスタ252bを用
いればよい。この場合、D/A変換器312の出力をP
chMOSトランジスタ252bのゲート端子に接続す
る。前記のような制御極性となるように、必要に応じて
反転増幅器を設けるなどすればよい。
【0096】レジスタカウンタ310は、クランプ回路
300の動作モードに応じて、カウントする対象が異な
るようになっている。この仕組みのために、クランプ回
路300は、モード切替判定回路320と、このモード
切替判定回路320の制御の元でレジスタカウンタ31
0のクロック端子CKに入力されるパルスを垂直同期信
号VSおよび比較パルスCPの何れか一方に切り替える
第1スイッチ322と、同じくレジスタカウンタ310
のアップ/ダウン切替端子(U/D)に入力される信号
を比較器302の出力および判定回路306の何れか一
方に切り替える第2スイッチ324とを備える。
【0097】アップダウンカウンタ304とレジスタカ
ウンタ310とは、カウント対象が異なるものの、基本
的な動作はアップダウンカウント機能を備える点で同じ
である。ただし、レジスタカウンタ310のカウント値
CNT2は、直接後段のD/A変換器312のレジスタ値を
担うことになるので、レジスタカウンタ310には、収
束させたいOPBレベルに応じた初期値D1がセットさ
れる。
【0098】そして、電流電圧変換部220から得られ
る撮像信号S3をデジタル信号に変換しデジタル信号処
理をする信号処理系統用のA/D変換器28とは独立
に、信号処理系統用のA/D変換部よりもビット分解能
が劣る直流レベル比較用のA/D変換部として、比較器
302や、アップダウンカウンタ304あるいはレジス
タカウンタ310が設けられている。
【0099】たとえば、スタートアップモード時には、
比較器302とレジスタカウンタ310により、事実上
のサンプリング周波数が比較パルスCPの周波数となる
実質的に1ビットのA/D変換部が構成される。またノ
ーマルモード時には、比較器302とアップダウンカウ
ンタ304により、実質的に1ビットのA/D変換部が
構成される。また、判定回路306やレジスタカウンタ
310は、直流レベル比較用のA/D変換部として機能
する比較器302やアップダウンカウンタ304もしく
は当該レジスタカウンタ310により得られたデジタル
データに基づいて、直流レベルと基準値との差に応じた
制御電圧信号をデジタル信号処理により求めるデジタル
演算処理部として機能する。
【0100】クランプ回路300にて使用される動作制
御用の垂直同期信号VSおよび比較パルスCPは図示し
ない図示しないタイミングジェネレータから発せられ
る。ここで、図6(B)に示すように、垂直同期信号V
Sは、1フィールド(または1フレーム)の最初に送出
されるパルスである。また比較パルスCPは、感光部1
0の各水平走査ライン(1H)の最初に送出される水平
同期信号HSに連動して、水平走査方向の先頭側におけ
るOPB画素位置で送出されるパルスである。この比較
パルスCPは、固体撮像素子3の水平走査方向の先頭側
に用意されたOPB画素の任意の1列の出力信号と基準
電圧を比較パルスCPのタイミングで比較するためのも
のである。なお、垂直走査方向の先頭側におけるOPB
画素位置では、この比較パルスCPが送出されないよう
にする。
【0101】比較器302の一方の入力端子には基準電
圧発生回路303から基準電圧V3が入力される。基準
電圧発生回路303は、固定の基準電圧ではなく、比較
パルスCPごとに略一定幅でスイングさせた(高電圧側
と低電圧側とを交互に切り替えた)基準電圧V3を発生
する。基準電圧V3はOPBレベルを収束させたい電圧
であり、その中央値V30とスイング幅ΔV3は、電流
クランプ部26の後段の信号処理に合わせて決まる。
【0102】比較器302は、この基準電圧V3と電流
電圧変換部220から出力される電圧信号S3との大小
を比較し結果をデジタル値で出力する。具体的には、
“基準電圧V3>電圧信号S3”であれば“H;ハイ”
を出力し、それ以外は“L:ロー”を出力する。この比
較結果は、スタートアップ時にはレジスタカウンタ31
0のアップ/ダウン切替端子(U/D)に入力され、ノ
ーマルモード時にはアップダウンカウンタ304のアッ
プ/ダウン切替端子(U/D)に入力される。
【0103】アップダウンカウンタ304および判定回
路306は、ノーマルモード時にのみ動作する部分であ
る。アップダウンカウンタ304は、このアップ/ダウ
ン切替端子(U/D)が“H”すなわち“基準電圧V3
>電圧信号S3”のときに比較パルスCPがクロック端
子CKに入力されるとカウント値CNT1を“+1”する。
逆に、アップ/ダウン切替端子(U/D)が“L”すな
わち“基準電圧V3≦電圧信号S3”のときに比較パル
スCPがクロック端子CKに入力されるとカウント値CN
T1を“−1”する。
【0104】ここで図6(B)に示すように、比較パル
スCPは、OPB画素位置で送出されるものなので、結
果として、比較器302とアップダウンカウンタ304
とにより、水平走査方向のOPB画素の所定列の出力信
号S3と基準電圧V3を比較パルスCPのタイミングで
比較し、その比較結果をアップダウンカウンタ304の
カウント値CNT1に反映させることになる。
【0105】アップダウンカウンタ304のカウント値
CNT1は、判定回路306の一方の入力端子に入力され
る。判定回路306は、具体的にはデジタルコンパレー
タとして構成されており、判定基準としてD0(デジタ
ル値)が他方の入力端子に入力されている。
【0106】判定回路306は、アップダウンカウンタ
304のカウント値CNT1が正の判定基準値“D0”を上
回ったら、次の垂直同期信号VSでレジスタカウンタ3
10のカウント値CNT2を“−1”する信号を出力する。
逆に、負の判定基準値“−D0”を下回ったら、レジス
タカウンタ310のカウント値CNT2を“+1”する信号
を出力する。判定回路306の出力は、レジスタカウン
タ310のアップ/ダウン切替端子(U/D)に入力さ
れる。
【0107】比較器302の比較出力を使用するのがス
タートアップモード時にはレジスタカウンタ310、ノ
ーマルモード時にはアップダウンカウンタ304である
点で異なるものの、その比較出力に基づくカウント動作
は、スタートアップモードとノーマルモードともに、水
平同期信号HS後の比較パルスCPで行なう。つまり、
実質的には、基準電圧V3とOPBレベルとの比較動作
は水平同期信号HS後の比較パルスCPのみで行なわれ
る。
【0108】よって、この比較パルスCPがアクティブ
以外の時間帯は比較器302や基準電圧発生回路303
は動作不要である。むしろ動作させておくと、比較器3
02や基準電圧発生回路303にはDC電流が流れ、消
費電流の無駄になるので、比較パルスCPがアクティブ
のタイミングだけイネーブル(Enable)であればよい。
そこで、本実施形態では、オンオフ制御部309によ
り、水平同期信号HSで立ち上がり比較パルスCPで立
ち下がる制御信号を作り、この制御信号で比較器302
や基準電圧発生回路303にイネーブル(Enable)をか
けることで、サンプリング期間以外はスタンバイ状態に
切り替えるように構成している。オンオフ制御部309
の具体的な回路は図示を省略する。スタンバイ状態と
は、サンプリング期間のイネーブル(Enable)状態より
も回路に流れる電源電流が少なくなる状態である。これ
により、消費電流を削減することができる。
【0109】上記構成のクランプ回路300は、スター
トアップモードおよびノーマルモードの何れにおいて
も、電流電圧変換部220の出力する電圧信号S3のO
PB画素出力レベルが基準電圧V3より大きいとき比較
器302の出力が“L”になるように接続され、レジス
タカウンタ310のカウント値CNT2を“1”小さくし、
D/A変換器312のアナログ出力であるクランプ制御
電圧Vcpを“1LSB”分小さくするように作用する。
この結果、電流電圧変換部220のOPB画素出力レベ
ル(OPBレベル)も小さくなり基準電圧V3との差が
減少するように、全体が負帰還制御システムを形成す
る。
【0110】比較パルスCPと垂直同期信号VSとは、
図6(B)から分かるように、比較パルスCPの方が高
周波数である。よって、電圧電流変換器314のレジス
タ値を設定するレジスタカウンタ310のクロック入力
端子CKに比較パルスCPが入力されているときには、
全体の制御系は比較的高速に動作する。クランプ回路3
00は、この動作状態をスタートアップモードとする。
一方、クロック入力端子CKに垂直同期信号VSが入力
されているときには、全体の制御系は比較的低速に動作
する。クランプ回路300は、この状態をノーマルモー
ドとする。
【0111】ところで、OPB画素出力と基準電圧V3
との差が電圧電流変換器314の“1LSB”の変動に
よる出力の変化より小さくなると、比較ごとに電圧電流
変換器314の出力電圧を上げ下げするような状態にな
る。この状態は、上記のデジタル制御の観点からいえば
安定点ということができるが、この電圧変動が画像ムラ
に現れると安定点とはいえず、むしろ発振状態と捉える
の方が適切である。一方、この状態は、OPB画素出力
と基準電圧V3が十分近いことを示している。
【0112】そこで、実際の制御に際しては、OPB画
素出力が基準電圧V3から大きく離れているときに基準
電圧V3に近づける動作状態をスタートアップモード
(モード出力L)とし、比較パルスCPに基づいてレジ
スタカウンタ310をカウント動作させることで比較的
高速に動作させる。そして、スタートアップモードで動
作させたときにOPB画素出力と基準電圧V3とが十分
近い状態となったことをモード切替判定回路320が検
知したら低速動作のノーマルモード(モード出力H)に
移行させる。そして、ノーマルモード時には、上記発振
状態が生じないよう、スタートアップモード時よりも低
速且つ低感度で動作させることとする。
【0113】モード切替判定回路320は、D/A変換
器312の出力電圧の上げ状態から下げ状態への変化を
監視することでOPB画素出力が基準電圧V3に近づい
たか否かを判断する。たとえば、スタートアップモード
では収束させたい目標クランプレベルと実際のOPBレ
ベルをアナログコンパレータである比較器302で比較
するが、D/A変換器312による1ステップ分のOP
Bレベルの変動幅が目標クランプレベルとOPBレベル
より大きい場合には、D/A変換器312の出力電圧を
上下させると発振状態になる虞れがある。また、発振状
態にならないまでも、デジタルによる離散的な制御とな
るので収束範囲内に入っても、目標クランプレベルを中
心としてOPBレベルの上下動作を繰り返す。
【0114】そこで、モード切替判定回路320は、目
標クランプレベルと実際のOPBレベルとが十分近いと
判定されるときに限らず、OPBレベルの上下動作(発
振状態によるものも含む)を検知したときにも、ノーマ
ルモードへの移行条件に合致するものと判定する。この
モード切替えの判断方法としては、D/A変換器312
の出力電圧の上げ状態から下げ状態への変化(あるいは
その逆の変化)をレジスタカウンタ310のカウント値
CNT2の変化を監視して、1回の変化でモード切替条件に
合致したと判断することも可能である。また、数回の上
げ下げをカウントしたことを条件にモード切替条件に合
致したと判断することも可能である。
【0115】図7は、クランプ回路300におけるスタ
ートアップモードの制御動作を示すフローチャートであ
る。このスタートアップモードは、クランプパルスとし
ての比較パルスCP期間中に収束させたい目標レベルと
実際のOPBレベルとをアナログコンパレータである比
較器302で比較し、検出したOPBレベルが低い場合
はレジスタカウンタ310のカウンタ値CNT2を1つ上げ
る、逆に高い場合は1つ下げるという処理をする。レジ
スタカウンタ310はD/A変換器312と接続されて
いるので、カウンタ値CNT2がアナログ値に変換されて電
流加算部280にて信号ラインに加算されることにより
OPBレベルが上下する。このように比較の都度、OP
Bレベルを収束させたい目標レベルに近づけることで高
速の引き込みを可能する。以下具体的に説明する。
【0116】クランプ回路300は、先ず“スタートア
ップモードの初期化”を行なう(S100)。たとえ
ば、モード切替判定回路320はモード出力を“L”に
セットする。またクランプ回路300は、レジスタカウ
ンタ310に初期値D1をセットする。これを受けて、
電圧電流変換器314から初期値D1に応じた電圧が出
力され、これを受けた電圧電流変換器314が初期のク
ランプ電流Scpを電流電圧変換部220の入力部に供給
する。
【0117】次に、クランプ回路300は、電流電圧変
換部220の電圧信号S3が示すOPBレベルと基準電
圧V3とを比較し、この比較結果を、D/A変換器31
2のレジスタ値を担うレジスタカウンタ310に入力す
る。結果の取り込みはOPB画素を出力しているタイミ
ングで立ち上がる比較パルスCPで行なうことによりO
PB画素と基準電圧V3の比較結果として反映する。
【0118】具体的には、先ず、比較器302とレジス
タカウンタ310とにより、電流電圧変換部220の電
圧信号S3が示すOPBレベルと基準電圧V3とを比較
パルスCPに基づいて比較する(S102)。OPBレ
ベルが基準電圧V3よりも大きければ、レジスタカウン
タ310は、レジスタカウンタ値CNT2を“−1”する
(S102−YES,S110)。これを受けて、D/
A変換器312は、その出力電圧を低下させる(S11
2)。これにより、OPBレベルが低下する(S11
4)。この後、ステップS102に戻り、次の水平走査
について上記処理(S102〜S114)を繰り返す。
つまり、OPBレベルが基準電圧V3以下となるまで、
水平走査のOPB画素ごとに上記処理を繰り返すことで
OPBレベルを基準電圧V3まで低下させる。
【0119】逆に、OPBレベルが基準電圧V3以下の
とき(小さいか等しいとき)は、レジスタカウンタ31
0はレジスタカウンタ値CNT2を“+1”する(S102
−NO,S120)。これを受けて、D/A変換器31
2は、その出力電圧を上昇させる(S122)。これに
より、OPBレベルが低上昇する(S124)。この
後、ステップS102に戻り、次の水平走査について上
記処理(S102〜S124)を繰り返す。つまり、O
PBレベルが基準電圧V3以上となるまで、水平走査の
OPB画素ごとに上記処理を繰り返すことでOPBレベ
ルを基準電圧V3まで上昇させる。
【0120】この過程で、モード切替判定回路320
は、レジスタカウンタ310のカウント値CNT2を監視
し、カウント値CNT2のアップからダウンへの変化、ある
いはダウンからアップへの変化の回数をカウントする
(S130)。そして、このカウント数が予め定めてあ
るノーマルモードへの切替条件を満足するか否かを判定
する(S132)。切替条件を満足するときには、モー
ド切替判定回路320は、モード出力を“L”から
“H”に切り替えることで、クランプ回路300をノー
マルモードに移行させる(S134)。
【0121】ステップS122,S132によるOPB
レベル制御電圧の切替えは比較パルスCPごとになされ
るので、比較的高速の制御動作となる。つまり、スター
トアップモード時には、OPBクランプレベルを設定値
に急速に収束させるモードとして動作させることができ
る。
【0122】なお、ノーマルモードに移行した後、何ら
かの原因でクランプ動作が不安定になりOPBレベルが
所定範囲外になったときには、モード切替判定回路32
0は、モード出力を“H”から“L”に切り替えること
で、クランプ回路300をスタートアップモードに移行
させる(S140)。これにより、上記の高速な引き込
み動作を再起動することができる。
【0123】図8は、クランプ回路300におけるノー
マルモードの制御動作を説明する図である。ここで、図
8(A)は制御手順を示すフローチャートであり、図8
(B)は、基準電圧発生回路303が発生する基準電圧
V3の一例を示す図である。
【0124】スタートアップモードからノーマルモード
に移行すると、クランプ回路300は、先ずアップダウ
ンカウンタ304のカウント値CNT1を初期化する(S2
00)。また、このノーマルモードでは、比較器302
の比較出力を、垂直同期信号VSで毎回クリアされるレ
ジスタカウンタ310側に切り替え入力する。
【0125】そして、1フレーム中、OPB画素出力の
レベルが基準電圧V3より大きければ“+1”、小さけ
れば“−1”を繰り返し、カウンタ値CNT1が正の基準値
“D0”を上回ったら、判定回路306が次の垂直同期
信号VSでレジスタカウンタ310のカウント値CNT2を
“−1”する信号を送る。逆に、負の基準値“−D0”
を下回ったら、カウント値CNT2“+1”する信号を送
る。
【0126】具体的には、先ず、比較器302とアップ
ダウンカウンタ304とにより、電流電圧変換部220
の電圧信号S3が示すOPBレベルと基準電圧V3とを
比較パルスCPに基づいて比較する(S202)。OP
Bレベルが基準電圧V3よりも大きければ、アップダウ
ンカウンタ304は、カウンタ値CNT1を“+1”する
(S204)。逆に、OPBレベルが基準電圧V3以下
のとき(小さいか等しいとき)は、アップダウンカウン
タ304はカウンタ値CNT1を“−1”する(S20
6)。判定回路306は、カウント値CNT1と判定基準D
0とを比較し、その結果をレジスタカウンタ310に入
力する。レジスタカウンタ310のクロック端子CKに
は垂直同期信号VSが入力されており、レジスタカウン
タ310は、判定回路306の判定結果を垂直同期信号
VSごとにチェックする(S210)。
【0127】ここで図8(B)に示すように、基準電圧
発生回路303は、ノーマルモード時の基準電圧V3を
比較パルスCPごとに変動幅ΔV3だけ上下に変動させ
ている。これに応じて、たとえば、アップダウンカウン
タ304のカウント値CNT1が“±64”を超えたところ
でレジスタカウンタ310を動作させるように判定回路
306に、判定基準値D0として“64”をセットす
る。OPB画素出力が基準電圧V3の大きいレベル“V
3+”より大きい場合、アップダウンカウンタ304は
比較パルスCPの都度に“+1”を繰り返し64回目の
比較で“+64”に達する(S202,S204,S2
10)。
【0128】そして、カウンタ値CNT1が正の基準値“D
0”(前例では64)を上回っていると判定回路306
の判定結果が示しているときには、レジスタカウンタ3
10は、次の垂直同期信号VSと同時にカウント値CNT2
を“−1”する(S220)。これを受けて、D/A変
換器312は、その出力電圧を低下させる(S22
2)。これにより、OPBレベルが低下する(S22
4)。この後、ステップS200に戻り、次のフレーム
について上記処理(S200〜S224)を繰り返す。
つまり、OPB画素出力が基準電圧V3の中央値V30
に近づくまで、上記処理を繰り返す。
【0129】逆に、OPB画素出力が基準電圧V3の小
さいレベル“V3−”より大きい場合、アップダウンカ
ウンタ304は比較パルスCPの都度に“−1”を繰り
返し64回目の比較で“−64”に達する(S202,
S206,S210)。そして、カウンタ値CNT1が負の
基準値“−D0”(前例では−64)を下回っていると
判定回路306の判定結果が示しているときには、レジ
スタカウンタ310は、次の垂直同期信号VSと同時に
カウント値CNT2を“+1”する(S230)。これを受
けて、D/A変換器312は、その出力電圧を上昇させ
る(S232)。これにより、OPBレベルが上昇する
(S234)。この後、ステップS200に戻り、次の
フレームについて上記処理(S200〜S234)を繰
り返す。つまり、OPB画素出力が基準電圧V3の中央
値V30に近づくまで、上記処理を繰り返す。
【0130】このように、ノーマルモード時には、クラ
ンプパルス期間中、収束させたい目標クランプレベルに
対応する基準電圧V3と実際のOPBレベルとを比較器
302により比較し、その結果(大小)をアップダウン
カウンタ304でカウントする。そして、収束させたい
レベルに対して、大ならば“+1”、小ならば“−1”
のようにアップダウンカウンタ304を駆動しカウント
値CNT1を保持する。そして、アップダウンカウンタ30
4にて、カウント値CNT1を監視し、このカウント値CNT1
が事前に設定したレベル(前例の判定基準値±D0)を
超えた時点で初めてクランプレベル変更の信号をレジス
タカウンタ310に送出する。
【0131】このように、比較結果を直接D/A変換器
312の出力に反映させないようにすることによって、
コンパレータのエラーやノイズに対する安定性を持たせ
ることができる。加えて、クランプレベル変更の必要が
生じた後の垂直走査のスタートパルスである垂直同期信
号VSの直後にクランプレベルを変更することで、1枚
の画像を安定させ画像途中のノイズ発生を防ぐこともで
きる。
【0132】一方、OPB画素出力が基準電圧V3の大
きいレベル“V3+”と小さいレベル“V3−”の間に
あるときは、比較パルスCPに基づく比較ごとにアップ
ダウンカウンタ304は、そのカウント値CNT1に対する
“+1”と“−1”を繰り返すことになる。この結果、
アップダウンカウンタは“±64”に達することができ
ずクランプレベルは固定されたままとなる。このよう
に、基準電圧V3の変動幅ΔV3は、クランプ回路30
0の不感帯として作用する。
【0133】クランプレベルは、レジスタカウンタ31
0のカウント値CNT2をD/A変換器312でアナログ値
に直したものに対応するもので離散的な値をとる。D/
A変換器312の1LSB分に応じたクランプレベル変
動分より基準電圧V3の変動幅ΔV3を大きくとること
で、OPB画素出力を不感帯に落とし込むことができ
る。
【0134】つまり、このノーマルモードでは、スター
トアップモードよりも低感度でOPBクランプ動作をさ
せることができる。またこのことにより、ノイズに対す
る安定性を確保することができる。ただし現実には、O
PB画素出力にノイズが混入するため平均的には不感帯
に落ち込んでいても、瞬間的には変動幅を超えることが
ある。ノイズが大きい場合、確率的に先の例でいえば6
4回カウントアップあるいはカウントダウンすることも
ありえる。この変動は、次のフレームで戻る確率が高
く、これを繰り返すと面フリッカとなる。この場合は、
基準電圧V3の変動幅ΔV3を調整することにより、O
PBクランプの感度を設定することができる。
【0135】また、ノーマルモードではレジスタカウン
タ310の変化を垂直同期信号VSに同期して行なう。
つまり事実上のサンプリング周波数が垂直同期信号VS
の周波数となる。これは1枚の画像の先頭部分でクラン
プレベルを変化させることを意味する。これにより、画
像途中にクランプノイズが混入することを防ぐことがで
きるという効果が得られる。また、ステップS222,
S232によるOPBレベル制御電圧の切替えは垂直同
期信号VSごとになされるので、比較的ゆっくりとした
制御動作となる。この点では、OPBクランプ制御を安
定的に動作させる上で効果が高い。つまり、ノーマルモ
ードでは、OPBレベルが基準値にほぼ収束したところ
で、クランプレベルの変動に対し感度の低い状態で動作
させることができる。
【0136】なお、ノーマルモードに移行した後、何ら
かの原因でクランプ動作が不安定になりOPBレベルが
所定範囲外になったときには(S202)、モード切替
判定回路320は、モード出力を“H”から“L”に切
り替えることで、クランプ回路300をスタートアップ
モードに移行させる(S240)。これにより、スター
トアップモードによる高速な引き込み動作を再起動する
ことができる。
【0137】以上のように、デジタル回路による演算処
理部は、固体撮像素子3が出力する光学的黒レベル(O
PB)をある一定の設定値に固定させるために必要なD
Cシフト量、つまり固体撮像素子3におけるOPBクラ
ンプレベルをデジタル値で保持することにより、アナロ
グ値で保持するときのような、外付け容量を必要としな
い。このため、部品点数の削減や実装面積の縮小しつ
つ、画面内での黒レベル変動を抑えるOPBクランプ機
能をデジタル処理にて実現することができる。
【0138】また、クランプレベルをデジタル化する回
路(A/D変換器)を信号系統とは独立に設けること
で、低分解能のA/D変換器を利用することができる。
たとえば、OPBレベルのデジタル化を比較器302つ
まり1ビットでデジタル化するアナログコンパレータを
利用することができ、多ビットのA/D変換器を使う場
合に比べ、サンプリング周波数を低くすることデジタル
ノイズの問題を緩和し回路規模を小さくすることができ
る。よって、クランプ回路300を固体撮像素子3と同
一の半導体基板上に集積することにより、高集積化が可
能なクランプシステムを有する固体撮像装置を提供する
ことができる。
【0139】また、OPBレベルの変動に対する動作速
度や感度の違う複数の動作モードを設けることで、高速
の引き込みとノイズに対する安定性という相反する特性
を持たせることができる。たとえば、高速且つ通常感度
のスタートアップモードと低速且つ不感帯付きのノーマ
ルモードとを切替使用可能に構成すれば、クランプレベ
ルを素早く収束させるためのスタートアップモードにて
収束させた後、OPBレベルの変動に対する感度の低い
ノーマルモード(通常動作モード)へ移行させること
で、高速の引き込みとノイズに対する安定性を併せ持つ
ことができる。
【0140】これにより、スタンバイ解除時や、PGA
のゲイン変更などによる急激なオフセット量の変動に伴
なう大幅なクランプレベルの変動に対し急速にクランプ
レベルを収束させることができ、また安定状態において
は感度を抑えることによりノイズによるクランプレベル
の変動を抑えることができる。
【0141】図9は、デジタル回路の演算処理部を含む
クランプ回路を備えた撮像装置の他の実施形態を説明す
る図である。ここで図9(A)は、その概略構成図であ
り、図9(B)は制御用パルスのタイミングチャートで
ある。
【0142】本実施形態の撮像装置1は、電流クランプ
部26が、ビット分解能(A/D変換精度やD/A変換
精度)の異なる複数系統のクランプ回路を有する点に特
徴を有する。電流加算部280と高分解能クランプ回路
400との間には、高分解能クランプ回路400からの
クランプ電流Scp2をオンオフするスイッチ素子282
が設けられている。低分解能クランプ回路(Coarse Cla
mp)301は、D/A変換における1ビット当たりの電
圧ステップ(ビット分解能)が比較的劣るクランプ回路
である。一方、高分解能クランプ回路(Fine Clamp)4
00は、D/A変換における1ビット当たりの電圧ステ
ップ(ビット分解能)が低分解能クランプ回路301よ
りもきめ細かいクランプ回路である。
【0143】各クランプ回路の基本構成は、たとえば、
先の実施形態で説明したクランプ回路300と同様の構
成のものでよい。この場合、低分解能クランプ回路30
1は、スタートアップモードのみのものであってもよ
い。高分解能クランプ回路400は、スタートアップモ
ードおよびノーマルモードの両構成を備えたものである
のがよい。
【0144】低分解能クランプ回路301用の比較パル
スとしては、図9(B)に示す比較パルスCP(Φ1)
を、高分解能クランプ回路400用の比較パルスとして
は、図9(B)に示す比較パルスCP(Φ2)を使用す
る。ここで、比較パルスCP(Φ1)は、固体撮像素子
3の垂直走査の先頭側に設けられたOPB画素エリア
(OPBエリアΦ1)の1ラインもしくは数ライン分の
水平走査期間に、数10〜数100程度(感光部10の
有効撮像エリアについて)のパルスを連続的に発するも
のである。
【0145】一方、比較パルスCP(Φ2)は、先の実
施形態にて使用した比較パルスCPと同じであって、水
平走査方向の先頭側におけるOPB画素エリア(OPB
エリアΦ2)で送出されるパルスである。垂直走査方向
の先頭側におけるOPB画素エリア(OPBエリアΦ
1)では、比較パルスCP(Φ2)が送出されないよう
にする。
【0146】たとえば、クランプにより補償したい電圧
動作範囲が3Vと大きく、デジタルの1階調あたりの電
圧ステップを4mV(=0.004V)以下に抑えたい
という要求があった場合、3V/0.004V=750
階調となり、従来であれば、10ビット以上が必要とな
る。
【0147】本実施形態では、10ビット未満のものを
A/D変換やD/A変換に使用しつつ、最終的な精度は
10ビット以上を確保することに特徴を有する。このた
め、先ず、5ビット/100mVステップの低分解能ク
ランプ回路301により、収束させたい値に対し、たと
えば最大±100mVの誤差でOPBレベルを収束させ
る。次に、8ビット/1mVステップの高分解能クラン
プ回路400により、低分解能クランプ回路301で発
生した誤差分±100mVを補償する。
【0148】低分解能クランプ回路301による5ビッ
ト/100mVステップは、3.2V分の制御範囲を持
つ。低分解能クランプ回路301の誤差分である100
mVを高分解能クランプ回路400による1mVステッ
プで制御する構成とすれば、電流クランプ部26の全体
としては、3V/3200階調分以上のビット分解能を
確保でき、実質的に、11ビット分以上の精度を持つ階
調制御が可能となる。高分解能クランプ回路400は1
mVステップのため、256mVの制御範囲を持ってい
るので、低分解能クランプ回路301は理想的には±5
0mVで収束できるところ、本実施形態では±100m
Vで制御するので問題ない。
【0149】このように、ビット分解能の異なる複数の
クランプ回路を組み合わせて使用すれば、各々のクラン
プ回路のビット分解能として最終的に必要となるビット
分解能よりも低分解能のものを使用することができ、結
果として精度を気にしなくてよい回路構成を採ることが
でき、全体のクランプ回路を小さく簡易に作ることがで
きる。上記例の場合、10ビットのA/D変換器やD/
A変換器といった大規模な回路面積を要する回路を用い
ることなく、要求された高精度、広ダイナミックレンジ
(3V/0.004V=750階調)のデジタル保持式
クランプ回路を実現できることになる。
【0150】これらビット分解能の異なる2つのクラン
プ回路301,400を使用して、それぞれの持つビッ
ト分解能よりも高精度のビット分解能を持つクランプ機
能を実現するには、以下のような制御手法を採る。先
ず、図9(B)に示すように、固体撮像素子3の垂直走
査の先頭側に設けられたOPB画素エリア(OPBエリ
アΦ1)の1ラインもしくは数ライン分の水平走査期間
には、スイッチ素子282をオフすることで、高分解能
クランプ回路400側からのクランプ制御を一時的に停
止させる。そして、この水平走査期間内に連続的に発せ
られる数10〜数100程度のパルスを有する比較パル
スCP(Φ1)により低分解能クランプ回路301を駆
動することで、低分解能クランプ回路301によるクラ
ンプ制御を、目標値±100mV(誤差分)内に収束さ
せる。
【0151】低分解能クランプ回路301を、先の実施
形態で説明したクランプ回路300と同様の構成とする
場合の収束方法は以下の通りである。先ず、モード切替
判定回路320によりスタートアップモードに設定し、
レジスタカウンタ310の初期値D1として、収束させ
たいレベルよりも低めの値を設定する。これにより、D
/A変換器312からは、目標値よりも低めのクランプ
電圧が発せられ、これに応じたクランプ電流Scp1が電
流加算部280に供給される。
【0152】そして、垂直走査の先頭側にて発せられる
比較パルス(Φ1)でレジスタカウンタ310を駆動し
て5ビットのD/A変換器312をインクリメントして
いき、D/A変換器312の出力が収束させたいレベル
を超えた時点で、比較パルス(Φ1)によるレジスタカ
ウンタ310の駆動をストップさせればよい。1水平走
査期間のみで目標値近傍に収束しなければ、次のライン
のOPB画素についても同様に駆動するとよい。
【0153】固体撮像素子3の垂直走査の先頭側には数
ライン分のOPB画素があるので、その範囲内で収束す
るよう、初期値D1や比較パルス(Φ1)における1ラ
イン内のパルス数を設定する。この場合においても、パ
ルス数に対応するサンプリング周波数は、信号処理系統
のA/D変換器28用のサンプリング周波数よりも低い
ものとする。
【0154】低分解能クランプ回路301のクランプ制
御によってOPBレベルが目標値近傍に収束したら、ス
イッチ素子282をオンし、高分解能クランプ回路40
0側のクランプ制御を電流加算部280に作用させる。
スイッチ素子282をオンさせた瞬間にクランプ電位が
変動することのないように、スイッチ切替直前のレジス
タカウンタ310のカウンタ値CNT2に応じて、高分解能
クランプ回路400側の回路の初期条件を設定する。
【0155】この時点では、低分解能クランプ回路30
1による制御の元でOPBレベルが目標値の極近傍にあ
る。そこで、水平走査の先頭側にて発せられる比較パル
ス(Φ2)でレジスタカウンタ310を駆動して、8ビ
ットのD/A変換器312の出力レベルを調整すること
により、OPBレベルをさらに所望値に収束させる。
【0156】図10は、高分解能クランプ回路400の
詳細例を説明する図である。ここで、図10(A)は、
そのブロック図であり、図10(B)は制御用パルスの
タイミングチャートである。この高分解能クランプ回路
400は、クランプレベルを規定する基準電圧を制御す
る系統とOPBレベル(クランプ電圧)を制御する系統
の、2つの制御系を有する点に特徴を有する。
【0157】図10(A)に示すように、高分解能クラ
ンプ回路400は、先ず、2つの制御系に共通に使用さ
れる比較器402を備える。この比較器402は、先の
比較器302と同様の機能をなす。そして、この比較器
402の後段には、先ず、比較器402用の基準電圧V
4を制御する系統(基準電圧制御系)として、比較器4
02の出力が所定条件に合致するか否かを判定する判定
回路406と、比較パルスCP(Φ2)の駆動の元でア
ップダウンカウント機能を有するレジスタカウンタ41
0と、レジスタカウンタ410のカウント値CNT4をアナ
ログ電圧に変換するD/A変換器412とを備える。
【0158】D/A変換器412から出力される電圧は
比較器402の基準電圧V4として、比較器402の一
方の入力端子に供給される。レジスタカウンタ410に
は、垂直同期信号VSごとに、標準の基準電圧V4に対
応する初期値D4がセットされる。
【0159】また、クランプ電圧を制御する系統(クラ
ンプ電圧制御系)として、比較器402の出力先を切り
替える切替スイッチ420と、この切替スイッチ420
の各出力端に接続されたカウンタ422,424と、カ
ウンタ422,424の各カウント値UPC,DWCが
所定条件に合致するか否かを判定する判定回路426
と、垂直同期信号VSごとにL/Hが交互に切り替わる
フィールドパルスEOPLSの切り替わり状態に応じた
アップダウンカウント機能を有するレジスタカウンタ4
30と、レジスタカウンタ430のカウント値CNT6をア
ナログ電圧に変換するD/A変換器432と、D/A変
換器432から出力されたアナログ電圧を電流信号に変
換する電圧電流変換器(V/I変換器)434とを備え
る。
【0160】切替スイッチ420は、フィールドパルス
EOPLSの極性に応じて切り替わるようになってい
る。カウンタ422,424は、いずれも、反転垂直同
期信号NVSでリセットされ、レジスタカウンタ410
の切替えに連動して、比較器402の比較結果が入力さ
れたとき比較パルスCP(Φ2)の駆動の元でアップカ
ウント機能のみを発揮するものとする。
【0161】電圧電流変換器434から出力される電流
信号(クランプ電流Scp2)は、電流電圧変換部220
の入力部に相当する電流加算部280へ供給される。レ
ジスタカウンタ430から電圧電流変換器434までの
制御系統は、カウント値CNT6をアップすればOPBレベ
ルが上昇し、逆にカウント値CNT6がダウンすればOPB
レベルを低下させるような極性とする。
【0162】基準電圧制御系の各部材とアップ用カウン
タ422とで、本発明に係る正方向ズレ量取得部が構成
され、基準電圧制御系の各部材とダウン用カウンタ42
4とで、本発明に係る負方向ズレ量取得部が構成され
る。また、判定回路426とレジスタカウンタ430と
で、本発明に係る判定制御部が構成される。
【0163】基準電圧制御系を作動させる場合には、先
ず、低分解能クランプ回路301にて設定したクランプ
に影響を与えないように、レジスタカウンタ410に初
期値D4を、レジスタカウンタ430に初期値D6を、
それぞれセットする。
【0164】そして、クランプ電圧制御系のカウンタ値
CNT6を一定に保持したままで、電圧信号S3のランプ位
置(OPB位置)での信号レベルであるOPB出力レベ
ルと基準電位V4(比較レベル)とを比較パルスCP
(Φ2)の元で比較し、この比較結果に基づいて、デジ
タル制御により離散値をとる基準電位V4の変動に反映
させて、再度OPB出力レベルと基準電位V4(比較レ
ベル)とを比較するという処理を一定期間繰り返すこと
で、その期間におけるOPBレベルのノイズの最大値と
最小値(もしくはその近似値)を離散量で求める。つま
り、OPB出力レベルと基準電位V4(比較レベル)と
の比較結果を比較レベルに反映させながら所定期間だけ
繰り返し比較することで、OPBレベルのノイズ状態を
判定する。
【0165】たとえば、基準電圧制御系の判定回路40
6は、比較器402の出力を監視し、フィールドパルス
EOPLSの極性(L/H)に応じた判定結果をレジス
タカウンタ410のアップ/ダウン切替端子(U/D)
に入力する。フィールドパルスEOPLSが“H”であ
る奇数(ODD)フィールドでは、基準電圧V4よりも
電圧信号S3の方が高い旨を比較器402の比較結果が
示しているとき、レジスタカウンタ410をアップカウ
ントさせる信号を判定結果として出力する。
【0166】これにより、レジスタカウンタ410は、
“+”方向にしか動かないようになり、比較器402の
比較結果が“H”すなわち“基準電圧V4<電圧信号S
3”のとき、比較パルスCP(Φ2)が入力されるとレ
ジスタカウンタ410は“+1”だけカウントアップ
し、これに対してD/A変換器412を通した基準電圧
V4(比較レベル)が1ステップ分上がることになる。
このとき、切替スイッチ420はアップ用カウンタ42
2側に切り替わっており、アップ用カウンタ422が、
レジスタカウンタ410と連動してアップカウント動作
する。
【0167】よって、フィールドパルスEOPLSが
“H”の1フィールド内において、“基準電圧V4<電
圧信号S3”である場合は、アップ用カウンタ422に
は、レジスタカウンタ410の上昇分UPCが記憶され
る。つまり、アップ用カウンタ422は、フィールドパ
ルスEOPLSが“H”である期間において、比較レベ
ル(基準電圧V4)の正方向への変化ステップ数をカウ
ントするデジタル記憶素子として機能する。
【0168】一方、比較器402による比較結果が
“L”すなわち“基準電圧V4>電圧信号S3”である
場合は、D/A変換器412を通して基準電圧V4(比
較レベル)を決めるレジスタカウンタ410も、上昇分
を記憶するアップ用カウンタ422も動かない。
【0169】これをフィールドパルスEOPLSが
“H”の1フィールド内において、比較パルスCP(Φ
2)の駆動の元で複数回繰り返すことにより、基準電圧
V4は、徐々に上昇し、ノイズの影響により取り得る電
圧信号S3中のOPBレベルの最大値(OPBノイズの
最大値)近辺に収束することになる。
【0170】次に、フィールドパルスEOPLSが
“L”である偶数(EVEN)フィールドでは、先ずレ
ジスタカウンタ410に初期値D4をセットして比較レ
ベルを基準レベルに初期化し、レジスタカウンタ410
を先ほどとは逆の一方向にのみ動く様に制御する。すな
わち、基準電圧V4よりも電圧信号S3の方が低い旨を
比較器402の比較結果が示しているとき、レジスタカ
ウンタ410をダウンカウントさせる信号を判定結果と
して出力する。
【0171】これにより、レジスタカウンタ410は、
“−”方向にしか動かないようになり、比較器402の
比較結果が“L”すなわち“基準電圧V4>電圧信号S
3”のとき、比較パルスCP(Φ2)が入力されるとレ
ジスタカウンタ410は“−1”だけカウントダウン
し、これに対してD/A変換器412を通した基準電圧
V4(比較レベル)が1ステップ分下がることになる。
このとき、切替スイッチ420はダウン用カウンタ42
4側に切り替わっており、このダウン用カウンタ424
が、レジスタカウンタ410と連動してアップカウント
動作する。
【0172】これにより、フィールドパルスEOPLS
が“L”の1フィールド内において、“基準電圧V4>
電圧信号S3”である場合は、ダウン用カウンタ424
には、レジスタカウンタ410の下降分DWCが記憶さ
れる。つまり、ダウン用カウンタ424は、フィールド
パルスEOPLSが“L”である期間において、比較レ
ベル(基準電圧V4)の負方向への変化ステップ数をカ
ウントするデジタル記憶素子として機能する。
【0173】一方、比較器402による比較結果が
“H”すなわち“基準電圧V4<電圧信号S3”である
場合は、D/A変換器412を通して基準電圧V4(比
較レベル)を決めるレジスタカウンタ410も、下降分
を記憶するダウン用カウンタ424も動かない。
【0174】これをフィールドパルスEOPLSが
“L”の1フィールド内において、比較パルスCP(Φ
2)の駆動の元で複数回繰り返すことにより、基準電圧
V4は、徐々に下降し、ノイズの影響により取り得る電
圧信号S3中のOPBレベルの最小値(OPBノイズの
最小値)近辺に収束することになる。
【0175】このように、基準電圧制御系を作動させる
場合には、比較器302(アナログコンパレータ)を利
用した1ビットのA/D変換回路を用いつつ、ある期間
においては比較レベル(基準電圧V4)を正方向に変化
させながら比較レベルの変化ステップ数をカウントする
ことで、ある基準値からの上側への変動量(上昇分UP
C)を求める。同様に、別のある期間においては比較レ
ベル(基準電圧V4)を負正方向に変化させながらその
比較レベルの変化ステップ数をカウントすることで、あ
る基準値からの下側への変動量(下降分DWC)を求め
る。
【0176】判定回路426は、アップ用カウンタ42
2が記憶した上昇分UPCとダウン用カウンタ424が
記憶した下降分DWCの和や差を求め、予め定められて
いる判定基準と比較し、この比較結果に応じてレジスタ
カウンタ430のカウント値CNT6をアップもしくはダウ
ンさせる信号をレジスタカウンタ430のアップ/ダウ
ン切替端子(U/D)に入力する。
【0177】ここで、アップ用カウンタ422が記憶し
た上昇分UPCとダウン用カウンタ424が記憶した下
降分DWCの和は、D/A変換器412の1ステップの
変動量を掛けるとノイズの振幅(ノイズ幅)を表現する
ことになる。また、その差は、同じく1ステップの変動
量を掛けると、最初の基準レベルとOPB出力レベルの
誤差量を表現することになる。つまり、上昇分UPCが
表すOPB出力レベル最大値と、下降分DWCが表すO
PB出力レベルの最小値とを参照することで、ノイズ量
やクランプ誤差を見積ることができる。
【0178】判定回路426は、2フィールド期間で採
取したノイズ幅や誤差量を参照してOPBレベル(クラ
ンプレベル)を制御する。たとえば、任意の垂直同期信
号VS発生時に、目標クランプレベルに対応する初期値
D6をレジスタカウンタ430にセットしておき、上昇
分UPCと下降分DWCとを参照して求めた誤差量が許
容値を上回った場合には、クランプレベルを保持してい
るレジスタカウンタ430のカウンタ値CNT6を“−1”
させることでクランプレベルを下げさせ、逆に、下回っ
た場合には、カウンタ値CNT6を“+1”させることでク
ランプレベルを上げさせる。つまり、上昇分UPCと下
降分DWCとを参照して求めた誤差量に基づいて負帰還
制御を行なうことで、OPBレベルの目標レベルに対す
る誤差量を許容値内に収束させる。
【0179】レジスタカウンタ430によるカウントタ
イミングは、フィールドパルスEOPLSが“L”から
“H”に切り替わる都度(誤差量を取得できた直後のフ
ィールド開始時)、もしくはこれを1サイクルとした数
サイクルごとに行なう。レジスタカウンタ430のクロ
ック端子CKに入力されている制御パルスCP2が、こ
のタイミングを規定する。このように、クランプレベル
変更の必要が生じた後の垂直走査のスタートパルスであ
る垂直同期信号VSの直後にクランプレベルを変更する
ことで、1枚の画像を安定させ画像途中のノイズ発生を
防ぐことができる。
【0180】ただし、OPBノイズの最大値や最小値自
体は、ノイズの大きさに準じて確率的に変動するため、
上述のようにして求めたOPB出力レベルの最大値を表
す上昇分UPCとOPB出力レベルの最小値を表す下降
分DWCとにより求まるOPBレベルの誤差を反映した
最大値と最小値との差(=UPC−DWC)は、クラン
プ位置における実際の出力レベル(OPB出力レベル)
の中央値と基準値である目標OPBレベルとの誤差を正
確に反映したものとならず、ノイズの大きさに準じてバ
ラ付きを持ってしまう(後述する図12を参照)。
【0181】そこで、本実施形態の構成では、上昇分U
PCと下降分DWCとの和から求まるノイズ幅(ノイズ
の大きさ)を利用し、このノイズ幅を許容値に反映する
ことで、クランプ制御の収束条件をノイズ量に応じて適
応的に変化させる。たとえば、判定回路426は、ノイ
ズが大きいときには許容値を大きく、ノイズが小さいと
きには許容値を小さくするように制御する。これによ
り、ノイズの大きさに適応的なクランプ精度を持つ、安
定重視のクランプシステムを実現することができる。
【0182】図11は、上記構成の高分解能クランプ回
路400の処理手順の一例を示すフローチャートであ
る。最初に、高分解能クランプ回路400を初期化す
る。たとえば、アップ用カウンタ422およびダウン用
カウンタ424の各カウント値UPC,DWCを“0”
にリセットする(S300)。そして、前述の説明のよ
うに、2フィールドで1セットの処理を行なう。たとえ
ば、奇数フィールドか偶数フィールドかを示すフィール
ドパルスEOPLSによって処理内容を分ける(S30
2)。前述のように、EOPLS=“H”である奇数フ
ィールド期間にはアップ用カウンタ422により上昇分
UPCをカウントし、EOPLS=“L”である偶数フ
ィールド期間にはダウン用カウンタ424により下降分
DWCをカウントする。
【0183】EOPLS=“H”の場合(S302)、
電圧信号S3におけるOPBレベルDRVが比較レベル
である基準電圧V4より大きいとき(S304−YE
S)、比較器402にて比較を行なう都度、アップ用カ
ウンタ422は、上昇分UPCを“+1”だけ変動させ
る(S306)。また、これに伴い、レジスタカウンタ
410のカウント値CNT4を“+1”だけアップすること
で基準電圧V4を前記のように1ステップ分だけ上昇さ
せる(S306)。OPBレベルDRVが基準電圧V4
以下のときには何もしない(S304−NO)。高分解
能クランプ回路400は、このフィールド期間内におい
て、比較パルスCP(Φ2)ごとに前記処理を繰り返す
(S320−NO)。前述のように、このフィールドの
最後における上昇分UPCの結果が、OPBノイズの最
大値を反映する。
【0184】同様に、EOPLS=“L”の場合(S3
02)、電圧信号S3におけるOPBレベルDRVが比
較レベルである基準電圧V4より小さいとき(S314
−YES)、比較器402にて比較を行なう都度、ダウ
ン用カウンタ424は、下降分DWCを“−1”だけ変
動させる(S316)。また、これに伴い、レジスタカ
ウンタ410のカウント値CNT4を“−1”だけダウンす
ることで基準電圧V4を前記のように1ステップ分だけ
下降させる(S316)。OPBレベルDRVが基準電
圧V4以上のときには何もしない(S314−NO)。
高分解能クランプ回路400は、このフィールド期間内
において、比較パルスCP(Φ2)ごとに前記処理を繰
り返す(S320−NO)。前述のように、このフィー
ルドの最後における下降分DWCの結果が、OPBノイ
ズの最小値を反映する。
【0185】フィールドパルスEOPLSは垂直同期信
号VSごとに交互に切り替わるようになっており、判定
回路406やレジスタカウンタ410あるいは切替スイ
ッチ420などは、垂直同期信号VSに連動するフィー
ルドパルスEOPLSに応じて処理内容を切り替える
(S320−YES,S322,S324)。そして、
判定回路426は、2フィールド終えた時点、すなわち
ステップS324にてフィールドパルスEOPLSが
“L”から“H”に切り替わった時点で、OPBレベル
の誤差を反映する差ERR=UPC−DWC”を求め
る。そして、この差ERR(ノイズ差)を定数aで除算
して誤差量“ARR=(UPC−DWC)/a”を求め
ることで許容値に対する第1の調整処理をする(S33
0)。除算はビットシフトによる、簡単なもので行なう
とよい。なお、第1の調整処理の意義については、後述
する図12にて説明する。
【0186】次に、判定回路426は、ノイズ量(ノイ
ズ幅)を示す和“Δ=UPC+DWC”を求め、その和
Δを定数divで除算して許容値Δ1を求めることで、
許容範囲に対する第2の調整処理をする(S332)。
除算は、差ERRを求めたときと同様に、ビットシフト
による、簡単なもので行なうとよい。なお、第2の調整
処理の意義についても、後述する図12にて説明する。
【0187】判定回路426は、さらに許容値Δ1に対
し、最小値制限処理を加える。これは、許容値が“0”
になってしまうと、必ずクランプレベルを変動させる制
御を行なうことを意味し、結果としてクランプレベルが
固定されなくなるため、それを防ぐ目的で行なう。具体
的には、許容値Δ1が、最小誤差量min以下であるか
否かを判定し(S340)、以下であれば(S340−
NO)、その許容値Δ1を“min”と置き換える(S
342)。これにより、ノイズ幅が最小誤差量minよ
りも小さいときであっても、一定範囲の許容値(前例で
はmin)を確実に確保することができる。
【0188】次に判定回路426は、誤差量ARR(=
(UPC−DWC)/a)と許容値Δ1(=(UPC+
DWC)/div)とを比較する(S344)。そし
て、誤差量ARRが許容値Δ1よりも大きい場合は、判
定レジスタ値REGを“−1”させる(S346)。こ
れは、クランプ目標値に対してプラス側への誤差を有し
ていて、誤差量ARRの絶対値が許容値Δ1より大きい
場合には、レジスタカウンタ430のカウント値CNT6を
“−1”させることで、クランプレベルを1ステップ分
だけ下降させる必要があることを意味する。
【0189】また、判定回路426は、誤差量ARRが
許容値Δ1のマイナス値よりも小さい場合には、判定レ
ジスタ値REGを“+1”させる(S348)。これ
は、クランプ目標値に対してマイナス側への誤差を有し
ていて、誤差量ARRの絶対値が許容値Δ1よりも大き
い場合には、レジスタカウンタ430のカウント値CNT6
を“+1”させることで、クランプレベルを1ステップ
分だけ上昇させる必要があることを意味する。
【0190】なお、ここでは、まだレジスタカウンタ4
30のカウント値CNT6を変動させD/A変換器432の
出力値を変動するということはせず、判定レジスタ値R
EGに記憶しておき、同一方向の制御が連続してある決
まった回数(たとえばb回)発生したときにD/A変換
器432のレジスタを変更するという条件処理を加える
(S350〜S366)。たとえば、判定レジスタ値R
EGを“+1”させるプラス側制御がb回連続して発生
したときに(S362の=b)、レジスタカウンタ43
0のカウント値CNT6を“+1”させることでD/A変換
器432のレジスタ値を“+1”する(S362)。
【0191】同様に、判定レジスタ値REGを“−1”
させるマイナス側制御がb回連続して発生したときに
(S362の=−b)、レジスタカウンタ430のカウ
ント値CNT6を“−1”させることでD/A変換器432
のレジスタ値を“−1”する(S364)。これにより
クランプレベルの変動に対する正確性を高めることがで
き、またクランプレベル変動のフレームサイクルの調整
にもつながる。
【0192】図12は、第1の調整処理および第2の調
整処理の意義について説明する図である。上述のように
して基準電圧V4を離散的に変化させながら求めた上昇
分UPCと下降分DWCがOPBレベルの平均値、つま
り上昇分UPCと下降分DWCとから求められるクラン
プ位置での出力信号の中央値に対して上下均等に検知で
きる場合、上昇分UPCと下降分DWCとから求めたら
れるクランプ位置での出力信号の中間の値は、実際の出
力レベルの中央値を正確に反映する。
【0193】つまり、上昇分UPCと下降分DWCとに
より目標とするOPBレベルに対する中央値のズレ(ク
ランプ誤差)を正確に求めることができる。したがっ
て、上昇分UPCと下降分DWCとから求めた誤差量A
ERが零となるように負帰還制御を掛けると、出力信号
のクランプ位置の電位を目標OPBレベルに対して正確
に合わせ込むことができると考えられる。
【0194】ところが、実際には、上昇分UPCと下降
分DWCが離散的且つ確率的に検知されるので、上昇分
UPCと下降分DWCとは、OPBレベルの平均値に対
して上下均等に検知できるとは限らず、図12(A)に
示すように、ノイズの大きさに準じて確率的に変動す
る。したがって、上昇分UPCと下降分DWCとにより
求まる差ERR(=UPC−DWC)や、これを“a”
で除したOPBレベルの誤差量ARR(=(UPC−D
WC)/a)は、クランプ位置における実際の出力レベ
ルの中央値を正確に反映したものとならず、ノイズの大
きさに準じてバラ付きを持ってしまう。
【0195】つまり、本来は、UPCとDWCの中間レ
ベルがクランプ位置の出力電圧の中央値と等しいが、実
際には均等にならないケースがあり、UPCとDWCか
ら中央値を正確に求めることは難しい。このため、求め
た誤差量AERが零となるように負帰還制御を掛けたの
では、出力信号のクランプ位置の電位を目標OPBレベ
ルに対して合わせることはできない。むしろ、ノイズに
よる不安定性の方が問題となる。上記処理手順(ステッ
プS330〜S346)では、この点に鑑み、ノイズを
考慮した制御処理としている。
【0196】また、収束過程では、ノイズ幅よりもズレ
た状態から引き込み動作が行なわれる。たとえば、図1
2(B)に示すように、目標OPBレベルに対してプラ
ス側にズレた状態からの引き込み動作がなされる。この
ような状態では、前述のステップS314の処理のよう
に、基準電位V4をマイナス側にシフトさせる処理にD
WCを求めることはできず、リセットされたままの値
(すなわち零)が保持される。図示を省略するが、逆
に、目標OPBレベルに対してマイナス側にズレた状態
からの引き込み動作がなされる過程では、前述のステッ
プS304の処理のように、基準電位V4をプラス側に
シフトさせる処理にUPCを求めることはできず、リセ
ットされたままの値(すなわち零)が保持される。
【0197】このように、目標値からある程度離れてい
る状態からの収束過程では、たとえばDWC1=DWC
とはならず、本来のノイズ幅を求めることはできないの
で、上述のステップS330にて求めた誤差量ARR
(=(UPC−DWC)/a)とステップS332にて
求めた許容値Δ1(=(UPC+DWC)/div)と
は、その大きさ(絶対値)が等しくなる。したがって、
除数aと除数divが等しいものとすると、ステップS
344にて“else”の経路となり、クランプ動作が
なされないことになる。
【0198】これを避けるため、実際には、“除数a<
除数div”なる関係を維持するように、除数a,di
vを設定する。また、ステップS344では、誤差量A
RRと許容値Δ1との関係やノイズ量に基づいて収束動
作を停止させるので、ノイズ幅Δ(=UPC+DWC)
を勘案して、除数a,divを設定する。なお、“除数
a<除数div”なる関係を維持すればよいので、除数
aを“1”として実際には除算をせず、ノイズ幅Δを
“1”よりも大きな値で除算してもよい。たとえば、ノ
イズ幅Δについてのみ低ビット側にビットシフトしても
よい。また、上記処理にて常に一定の除数に設定するこ
とに限らず、収束過程でダイナミックにそれらの値を変
更してもよい。
【0199】このようにして、クランプ位置の出力信号
レベルを目標OPBレベルに収束させていくと、やが
て、図12(C)のように、DWC1=DWCとなり本
来のノイズ幅を求めることができるようになる。ただし
この状態でも、上昇分UPCと下降分DWCが離散的且
つ確率的に検知されるので、上昇分UPCと下降分DW
Cとは、OPBレベルの平均値に対して上下均等に検知
できるとは限らない。
【0200】したがって、図12(C)に示すように、
上昇分UPCと下降分DWCとにより求まるノイズ差E
RR(=UPC−DWC)や、これを“a”で除したO
PBレベルの誤差量ARR(=(UPC−DWC)/
a)は、クランプ誤差を正確に反映したものとならない
ので、誤差量ARRが零となるように負帰還動作させて
も、クランプ位置における実際の出力レベルの中央値を
正確に目標OPBレベルに合わせ込むことはできない。
しかしながら、除数a,divが前述のように、“除数
a<除数div”なる関係である限り、収束動作は継続
する。
【0201】言い換えると、目標OPBレベルに対する
正方向のズレ量をステップS304,S306の処理に
て上昇分UPCとして求め、目標OPBレベルに対する
負方向のズレ量をステップS314,S316の処理に
て下降分DWCとして求め、正方向のズレ量に対応する
上昇分UPCと負方向のズレ量に対応する下降分DWC
とに基づいて、クランプ動作の基準値である目標OPB
レベルに対するクランプ部分の誤差量ARRと許容値Δ
1を求めることで、出力信号のクランプ位置における中
央値が概ね目標OPBレベルに近づくように制御するこ
とができる。
【0202】なお、“クランプ位置の中央値=目標OP
B+ERR/2”であり、前述の処理では、この出力信
号のクランプ位置における中央値を直接的に求める処理
を実行していないが、前述の処理手順とすることで、実
質的に中央値もしくは中央値に相当する値を求めて、こ
の中央値が目標OPBレベルに近づくように収束条件を
変化させるなどの制御処理をしていることになる。勿論
“クランプ位置の中央値=目標OPB+ERR/2”と
いう値を実際に求めて収束条件を変化させるなどの処理
をしてもよいのはいうまでもない。
【0203】図13は、上記処理手順におけるステップ
S330〜S366の具体例を示す図である。ここで
は、許容値Δ1=(UPC+DWC)/divは全て同
じであるとする。
【0204】図13(A)に示す状態は、目標とするO
PBレベル(クランプ目標値)に対して、電圧信号S3
中のクランプ位置の信号レベルがプラス側に誤差を有し
ていて、且つ、誤差量ARRの絶対値が許容値Δ1より
も大きい場合である。この場合、ステップS346では
“REG=REG−1”とし、これが所定回数(前例で
はb回)継続すると、ステップS362ではレジスタカ
ウンタ430のカウント値CNT6を“−1”させること
で、クランプレベルを1ステップ分だけ下降させる。こ
れにより、D/A変換器432はクランプレベルを下げ
るような電圧を発生するので、結果として、電圧信号S
3中のOPBレベルがクランプ目標値に近づく。
【0205】図13(B)に示す状態は、目標とするO
PBレベル(クランプ目標値)に対して、電圧信号S3
中のクランプ位置の信号レベルがマイナス側に誤差を有
していて、且つ、誤差量ARRの絶対値が許容値Δ1よ
りも大きい場合である。この場合、ステップS348で
は“REG=REG+1”とし、これが所定回数(前例
ではb回)継続すると、ステップS364ではレジスタ
カウンタ430のカウント値CNT6を“+1”させること
で、クランプレベルを1ステップ分だけ上昇させる。こ
れにより、D/A変換器432はクランプレベルを上げ
るような電圧を発生するので、結果として、電圧信号S
3中のOPBレベルがクランプ目標値に近づく。
【0206】図13(C)に示す状態は、目標とするO
PBレベル(クランプ目標値)に対して、電圧信号S3
中のクランプ位置の信号レベルがプラス側に誤差を有し
ていているが、誤差量ARRの絶対値が許容値Δ1より
も小さい場合である。このようなケースとなるのは、ク
ランプ電位を変更させる必要がない程度に、電圧信号S
3中のクランプ位置の信号レベルが目標OPBレベルま
で近づいている状態である。この場合、ステップS34
4の判定後(S344−ELSE)、およびステップS
360の判定後(S360−ELSE)の何れにおいて
も何もしない。結果として、電圧信号S3中のクランプ
位置の信号レベルがその時点のクランプ電位に保持され
る。
【0207】図13(D)に示す状態は、目標とするO
PBレベル(クランプ目標値)に対して、電圧信号S3
中のクランプ位置の信号レベルがマイナス側に誤差を有
していているが、誤差量ARRの絶対値が許容値Δ1よ
りも小さい場合である。このようなケースとなるのは、
クランプ電位を変更させる必要がない程度に、電圧信号
S3中のクランプ位置の信号レベルが目標OPBレベル
まで近づいている状態である。この場合も、図13
(C)に示す状態と同様に、ステップS344の判定後
(S344−ELSE)、およびステップS360の判
定後(S360−ELSE)の何れにおいても何もしな
い。結果として、電圧信号S3中のクランプ位置の信号
レベルがその時点のクランプ電位に保持される。
【0208】前記の図13(A)〜図13(D)から分
かるように、上記実施形態の処理手順によれば、検知し
たノイズ幅Δに対応する許容値Δ1=(UPC+DW
C)/divが同じであっても、クランプ目標値に対す
る誤差がなくなるように負帰還制御が働く条件が異な
る。たとえば、上昇分UPCと下降分DWCとにより求
まる誤差量ARRは、正確でない可能性はあるが、少な
くともランプ位置での出力信号レベルと目標OPBレベ
ルとの差、すなわちクランプ誤差を反映した値である。
【0209】したがって、クランプ目標値に対するクラ
ンプ誤差が許容値よりも大きい場合にはクランプ誤差が
なくなるように負帰還制御が働く(図13(A)や図1
3(B)のケース)。これに対して、クランプ目標値に
対するクランプ誤差が許容値よりも小さければクランプ
誤差がなくなるような負帰還制御は働かず(図13
(C)や図13(D)のケース)、ノイズ幅Δがある程
度大きくないと負帰還制御が働かない。
【0210】ところで、上述の処理では、“許容値Δ1
=Δ/div”というように、ノイズ量(ノイズ幅Δ)
に応じて許容値Δ1を設定しているので、ノイズ量に応
じて、クランプ動作の収束条件をダイナミックに切り替
えている。言い換えると、ノイズ量(ノイズ幅Δ)が大
きいときには、それに連動させてクランプ誤差が大きい
ときにのみ負帰還制御を作用させ、ノイズ量(ノイズ幅
Δ)が小さいときには、クランプ誤差が小さくても負帰
還制御を作用させるというように作用させることができ
る。
【0211】さらに言い換えると、ノイズ量(ノイズ幅
Δ)が小さいときにはクランプ動作の感度を大きくし
(負帰還ゲインを大きくし)、ノイズ量(ノイズ幅Δ)
が大きいときには感度を小さくする(負帰還ゲインを小
さくする)というように、クランプ動作の感度や負帰還
ゲインを、ノイズ量(ノイズ幅Δ)に応じてダイナミッ
クに切り替えているともいえる。そして、許容値Δ1
は、負帰還動作の不感帯や収束条件を規定することにな
る。この許容値Δ1は、ノイズ量に応じてダイナミック
に変わる。第2の調整処理にて、ノイズ幅Δを除数di
vで除算したことは、この収束条件や不感帯のノイズ量
(ノイズ幅Δ)に対する参照度合いを設定していること
になる。
【0212】そして、上記処理によれば、ノイズ量に適
応した収束条件を逐次変化させてOPBクランプを実現
することができ、安定性においてノイズ耐性のある収束
アルゴリズムとすることができる。
【0213】なお、ノイズ量(ノイズ幅Δ)が“0”に
極めて近くなる、あるいは完全に“0”になってしまう
と、実質的に感度や負帰還ゲインが大きくなり、結果と
してクランプレベルが固定されなくなる虞れがある。こ
れを防ぐ目的で、許容値Δ1が最小誤差量min以下で
ある場合には、その許容値Δ1を“min”と置き換え
ている。これにより、ノイズ量(ノイズ幅Δ)が小さく
ても、ある程度の不感体を設定し、ノイズ耐性を高めて
いる。
【0214】また、本実施形態の高分解能クランプ回路
400においても、高精度なA/D変換回路を必要とせ
ずに、比較器402を利用した実質的に1ビットのA/
D変換回路のみで、ノイズに強く安定で高精度なクラン
プレベルの固定を可能とする回路システムを構築するこ
とができる。
【0215】さらに、先の演算処理回路と同じように、
本実施形態の演算処理回路(ロジック部分)も、いくつ
かのカウンタと比較的簡単な判定回路のみで構成するこ
とができるので、ゲート規模も小さく、1ビットのA/
D変換回路やD/A変換器を含めたシステム全体を、固
体撮像素子3と同一の基板上に集積することも可能とな
る。
【0216】以上説明したように、上記の各実施形態に
よれば、信号処理用のA/D変換器28とは独立に、ア
ナログコンパレータを利用した1ビットのA/D変換回
路などの低分解能のA/D変換部を設け、これとデジタ
ル演算回路を利用して、高階調のデジタル値のクランプ
レベルを算出し保持する回路構成としたので、高精度な
A/D変換やD/A変換を必要としなくても、高精度な
クランプ制御を実現することができる。
【0217】たとえば、信号処理用の多ビットのA/D
変換器は、サンプリング周波数が高く(撮像素子用のク
ランプではピクセルクロック相当)の場合、発生するデ
ジタルノイズの周波数も高くなるのに対して、本実施形
態の構成によれば、信号処理用のA/D変換器とは独立
にクランプレベルをデジタル化する専用の低分解能A/
D変換回路を設けたことで、信号処理用よりも低いサン
プリング周波数を使用することができ、ノイズの問題が
緩和される。よって、デジタル方式のクランプ回路を固
体撮像素子と同一の基板に集積しても、ノイズ発生量が
問題となる虞れを緩和することができる。
【0218】また、ビット分解能の異なる複数のクラン
プ回路を設けることで、デジタルノイズや回路規模の問
題を生じることのないデジタル方式のクランプ回路を実
現することもできる。たとえば、低階調でダイナミック
レンジが広く1階調あたりの精度が低いものと、中程度
の階調でダイナミックレンジが狭く1階調あたりの精度
が高い2つのD/A変換器を制御することにより、広い
ダイナミックレンジを補償しながら、高精度のD/A変
換器を必要とせずに、クランプレベルの精度が高いクラ
ンプ回路を構成することができる。
【0219】また、ノイズが大きいときには許容値を大
きく、ノイズが小さいときには許容値が小さくなるよう
に制御するなど、ノイズ量に適応した収束条件を逐次変
化させることにより、ノイズの大きさに応じて負帰還制
御を作用させるか否かを制御することができ、ノイズの
大きさに適応的なクランプ精度を持つ、安定重視のクラ
ンプシステムを実現することもできる。
【0220】また、電流出力型の固体撮像素子との組合
せにおいて、撮像信号の直流レベルを安定化させるクラ
ンプ回路を電流帰還型のクランプ回路としたことで、従
来のような電圧帰還型の構成の場合に必要だった電圧加
算器やDC成分カットするための容量素子などが不要に
なり、単純に信号電流にクランプ電流を帰還するだけ
で、出力信号のDCレベルを安定化する直流クランプが
可能となる。このため、部品点数を削減することがで
き、また信号が通過する回路数を減らすことができるた
め、ノイズの混入なども少なくすることができる。
【0221】さらに、クランプ電流を注入する回路自体
は、MOSトランジスタの定電流特性を用いることで簡
単に形成することができ、システムの単純化や素子数の
低減に貢献することができる。つまり、電流出力型の固
体撮像素子との組合せにおいて、電流信号検出部を構成
する電圧動作点設定部や電流サンプリング部あるいはク
ランプ部をすべて電流動作型の構成とすることで、撮像
部(受光部/画素部)と同一の半導体基板に電流信号検
出部やクランプ部を形成した一体型の固体撮像素子その
ものを撮像装置とすることができ、非常に都合がよい。
【0222】また、CDS回路やPGA回路も電流型の
信号処理を行なう構成とし、これらと電流帰還型のクラ
ンプ部とを組み合わせることで、限られた電源電圧のな
かで信号を処理する場合において、電圧信号で処理する
よりも回路のダイナミックレンジを確保しやすいという
利点もある。
【0223】以上、本発明を実施形態を用いて説明した
が、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲に
は限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実
施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そ
のような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的
範囲に含まれる。
【0224】また、上記の実施形態は、クレーム(請求
項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形
態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解
決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態に
は種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の
構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明を
抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つか
の構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおい
て、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明とし
て抽出され得る。
【0225】たとえば、スタートアップモード時とノー
マルモード時の何れの場合にも、クランプ電圧のフィー
ドバック量を1LSB単位としていたが、これに限ら
ず、たとえば、基準値との差が大きいほどステップ数を
大きくとってもよい。また、スタートアップモード時の
方がステップ数を大きくとるようにしてもよい。
【0226】また、ノーマルモード時には基準電圧を比
較パルスCPごとに所定幅で正負に変動させていたが
(図8(B)参照)、必ずしも比較パルスCPごとに切
り替えなくてもよい。たとえば、数パルス単位で交互に
切り替えてもよい。また、正側への変動時の継続パルス
数と負側への変動時の継続パルス数とを異なるものとて
もよい。
【0227】また、図10に示した回路を高分解能クラ
ンプ回路400に適用するものとして説明したが、同様
の回路を低分解能クランプ回路301に適用してもかま
わない。
【0228】また上記実施形態では、電流モードでクラ
ンプを実現する電流帰還型のクランプ回路の構成につい
て説明したが、これに限らず、従来のクランプ回路と同
様に、電圧加算器やDC成分カットするための容量素子
などを利用する電圧帰還型の構成としてもよい。この場
合、電流加算部280を電圧加算部などに変更すればよ
いし、これに応じて、電流電圧変換部220を取り除け
ばよい。
【0229】また、上記実施形態では、電流モードでC
DS機能をなす電流信号検出部5の具体例として、本願
出願人による特願2002−102108号に記載の第
1あるいは第6実施形態の構成を利用したが、これに限
らず、特願2002−102108号に記載のその他の
実施形態の構成を利用することもできる。勿論、特願2
002−102108号に記載の構成例に限らず、固体
撮像素子3にて取得した信号を電流信号で電流クランプ
部26側に伝達する構成のものであればよい。たとえ
ば、“IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICE,VOL44,N
o10「On-Focal-Plane Signal Processing for Current-
Mode Active Pixel Sensors;以下文献1という)”に
て提案されてる、2セル構成のカレントコピアを用いた
FPN抑制回路(CDS回路)と組み合わせてもかまわ
ない。
【0230】また上記実施形態では、MOSトランジス
タを用いて、電圧動作点設定部や電流サンプリング部、
あるいはクランプ電流を撮像信号に帰還するための電流
帰還部を構成する例を説明したが、接合(Junction)型
電界効果トランジスタやバイポーラ(Bipolar )型トラ
ンジスタを用いた構成であってもよい。
【0231】さらに、上記実施形態では感光部が行列状
(2次元状)に配されたエリアセンサを例に説明した
が、これに限らず、ラインセンサであってもよい。
【0232】また、電流信号検出部5内の各素子を、こ
れらとは相補関係となるものに変形可能なのはいうまで
もない。
【0233】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、クラン
プレベルをデジタル化するためのA/D変換部として、
信号処理用のA/D変換器とは独立に、低分解能のA/
D変換部を設けたので、比較的低いサンプリング周波数
を使用することができ、デジタルノイズの問題が緩和さ
れる。よって、デジタルノイズや回路規模の問題を生じ
ることのないデジタル方式のクランプ回路を構成するこ
とができる。これにより、デジタル方式のクランプ回路
を固体撮像素子と同一の基板に集積することもできる。
【0234】また、クランプレベルの変動に対する動作
速度や感度の違う複数のモードを切替制御する構成とす
れば、高速の引き込みとノイズに対する安定性という相
反する特性を持たせることができる。これにより、急激
なクランプレベルの変動に対し、急速にクランプレベル
を一定値に収束させることができ、また安定状態におい
ては感度を抑えることにより、ノイズによるクランプレ
ベルの変動を抑えることができる。
【0235】また、ビット分解能の異なる複数種類のク
ランプ回路を切替制御する構成とすれば、高精度なA/
D変換やD/A変換を必要としなくても、高精度なクラ
ンプ制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電流出力方式の固体撮像素子と本発明に係る撮
像信号処理装置とを備えた撮像装置の一実施形態の構成
例を示す図である。
【図2】電流クランプ部を撮像装置の全体とともに示し
たブロック図である。
【図3】電流信号検出部の一実施形態の構成例を示す図
である。
【図4】撮像装置のより具体的な構成例を示した図であ
る。
【図5】クランプ回路の具体的な構成例を示す図であ
る。
【図6】クランプ回路のより具体的な構成例を示すブロ
ック図である。
【図7】クランプ回路におけるスタートアップモードの
制御動作を示すフローチャートである。
【図8】クランプ回路におけるノーマルモードの制御動
作を説明する図である。
【図9】デジタル回路の演算処理部を含むクランプ回路
を備えた撮像装置の他の実施形態を説明する図である。
【図10】高分解能クランプ回路の他の形態を説明する
図である。
【図11】図10に示す高分解能クランプ回路の処理手
順の一例を示すフローチャートである。
【図12】第1の調整処理および第2の調整処理の意義
について説明する図である。
【図13】図11に示す処理手順におけるステップS3
30〜S366の具体例を示す図である。
【符号の説明】
1…撮像装置、3…固体撮像素子、5…電流信号検出
部、7…電圧動作点設定部、9…電流サンプリング部、
20…出力回路、26…電流クランプ部、28…A/D
変換器、200…可変利得増幅器、220…電流電圧変
換部、250…クランプ回路、252…差動増幅器、2
60…制御電圧発生回路、280…電流加算部、290
…基準電圧源、300…クランプ回路、301…低分解
能クランプ回路、302…比較器、303…基準電圧発
生回路、304…アップダウンカウンタ、306…判定
回路、309…オンオフ制御部、310…レジスタカウ
ンタ、312…D/A変換器、314…電圧電流変換
器、320…モード切替判定回路、400…高分解能ク
ランプ回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小関 賢 神奈川県横浜市保土ヶ谷区神戸町134番地 ソニー・エルエスアイ・デザイン株式会 社内 Fターム(参考) 5C021 PA13 PA52 PA85 PA86 PA87 PA92 PA93 RC03 SA02 SA03 XA43 XA49 XA52 5C024 AX01 CX31 GY01 HX10 HX23 HX32 HX40

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気信号におけるクランプ部分の直流レ
    ベルを一定値に保持する直流レベル制御方法であって、 前記電気信号をデジタル信号に変換しデジタル信号処理
    をする信号処理系統用のA/D変換部とは独立に、前記
    信号処理系統用のA/D変換部よりもビット分解能が劣
    る直流レベル比較用のA/D変換部を用いて、当該直流
    レベル比較用のA/D変換部により前記電気信号におけ
    るサンプリング期間の直流レベルと予め定められている
    基準値とを比較することで前記直流レベルと前記基準値
    との差を求め、 求めた前記直流レベルと前記基準値との差が略零となる
    ように前記電気信号にクランプ信号を帰還することを特
    徴とする直流レベル制御方法。
  2. 【請求項2】 前記求めた直流レベルと前記基準値との
    差が予め定められた範囲以内に収まるまでは前記信号処
    理系統用のA/D変換部に用いられるサンプリングパル
    スよりも低速な第1のサンプリングパルスに基づいて前
    記電気信号に前記クランプ信号を帰還させるスタートア
    ップモードに設定し、 前記直流レベルと前記基準値との差が前記予め定められ
    た範囲内に収束した後には、前記直流レベルの変動に対
    する感度が前記スタートアップモードよりも低い感度を
    有するとともに前記信号処理系統用のA/D変換部に用
    いられるサンプリングパルスよりも低速な第2のサンプ
    リングパルスに基づいて前記電気信号にクランプ信号を
    帰還させるノーマルモードに設定することを特徴とする
    請求項1に記載の直流レベル制御方法。
  3. 【請求項3】 前記信号処理系統用のA/D変換部に用
    いられるサンプリングパルスよりも低速なサンプリング
    パルスに基づいて、所定期間に亘って前記クランプ部分
    の前記基準値に対する前記直流レベルの正方向のズレ量
    を求め、 さらに前記サンプリングパルスに基づいて、所定期間に
    亘って前記クランプ部分の前記基準値に対する前記直流
    レベルの負方向のズレ量を求め、 それぞれ求めた前記正方向のズレ量と前記負方向のズレ
    量とに基づいて前記クランプ部分に含まれるノイズの状
    態を求め、 この求めたノイズの状態を参照して、前記クランプ信号
    の前記電気信号への帰還を制御することを特徴とする請
    求項1に記載の直流レベル制御方法。
  4. 【請求項4】 電気信号におけるクランプ部分の直流レ
    ベルを一定値に保持するクランプ回路であって、 前記電気信号をデジタル信号に変換しデジタル信号処理
    をする信号処理系統用のA/D変換部とは独立に、前記
    信号処理系統用のA/D変換部よりもビット分解能が劣
    る直流レベル比較用のA/D変換部と、 前記直流レベル比較用のA/D変換部により前記電気信
    号におけるサンプリング期間の直流レベルと予め定めら
    れている基準値とを比較することで前記直流レベルと前
    記基準値との差を求め、求めた前記直流レベルと前記基
    準値との差が略零となるように前記電気信号にクランプ
    信号を帰還する帰還部とを備えたことを特徴とするクラ
    ンプ回路。
  5. 【請求項5】 前記帰還部は、 前記信号処理系統用のA/D変換部に用いられるサンプ
    リングパルスよりも低速な第1のサンプリングパルスに
    基づいて前記電気信号に前記クランプ信号を帰還させる
    スタートアップモード動作部と、 前記直流レベルの変動に対する感度が前記スタートアッ
    プモードよりも低い感度を有するとともに前記信号処理
    系統用のA/D変換部に用いられるサンプリングパルス
    よりも低速な第2のサンプリングパルスに基づいて前記
    電気信号にクランプ信号を帰還させるノーマルモード動
    作部と、 前記求めた直流レベルと前記基準値との差が予め定めら
    れた範囲以内に収まるまでは前記スタートアップモード
    動作部を作動させ、前記直流レベルと前記基準値との差
    が前記予め定められた範囲内に収束した後には、前記ノ
    ーマルモード動作部に切り替えて動作させるモード切替
    部とを有することを特徴とする請求項4に記載のクラン
    プ回路。
  6. 【請求項6】 前記スタートアップモード動作部は、前
    記第1のサンプリングパルスごとに前記直流レベルと前
    記基準値とを比較し、前記第1のサンプリングパルスご
    とに前記直流レベルと前記基準値との差が少なくなる方
    向に前記クランプ信号を表すデジタルデータを予め定め
    られているステップ分だけ変更することを特徴とする請
    求項5に記載のクランプ回路。
  7. 【請求項7】 前記スタートアップモード動作部は、前
    記基準値との差が少なくなる方向に前記予め定められて
    いるステップ分づつ前記クランプ信号を継続的に変更す
    ることで、前記直流レベルを前記基準値と等しくなる方
    向に移動させるものであり、 前記モード切替部は、前記直流レベルと前記基準値との
    差の少なくなる方向が略前記第1のサンプリングパルス
    ごとに切り替わるようになったことを条件として、前記
    直流レベルと前記基準値との差が前記予め定められた範
    囲内に収束したものとして、前記ノーマルモード動作部
    に切り替えて動作させることを特徴とする請求項6に記
    載のクランプ回路。
  8. 【請求項8】 前記モード切替部は、前記直流レベルと
    前記基準値との差の少なくなる方向の切り替わりの回数
    が予め定められた回数に達したことを条件として前記ノ
    ーマルモード動作部に切り替えて動作させることを特徴
    とする請求項7に記載のクランプ回路。
  9. 【請求項9】 前記ノーマルモード動作部は、前記第2
    のサンプリングパルスよりも高速で且つ前記信号処理系
    統用のA/D変換部に用いられるサンプリングパルスよ
    りも低速な第3のサンプリングパルスごとに前記直流レ
    ベルと前記基準値との大小を判定し、この判定した大小
    の回数をそれぞれ計数し、この計数した大の回数および
    小の回数のうちの少なくとも一方が予め定められた回数
    に達したことを条件として、前記第2のサンプリングパ
    ルスに基づいて前記直流レベルと前記基準値との差が略
    零となるように前記電気信号にクランプ信号を帰還する
    ことを特徴とする請求項5に記載のクランプ回路。
  10. 【請求項10】 前記ノーマルモード動作部は、前記第
    3のサンプリングパルスの所定数ごとに、前記基準値を
    中心として、所定幅分だけ、正方向または負方向に略交
    互に変動させることを特徴とする請求項9に記載のクラ
    ンプ回路。
  11. 【請求項11】 前記直流レベル比較用の前記A/D変
    換部は、予め定められている基準値を設定する基準値設
    定部と、当該基準値設定部により設定された基準値と前
    記電気信号における前記サンプリング期間の直流レベル
    とを比較する比較部とを有するものであり、 前記サンプリング期間を除く期間には、前記基準値設定
    部と前記比較部とをスタンバイ状態に切り替える制御部
    を備えたことを特徴とする請求項4に記載のクランプ回
    路。
  12. 【請求項12】 前記帰還部は、 前記電気信号に帰還させる前記クランプ信号のビット分
    解能が比較的劣る第1の帰還部と、 ビット分解能が前記第1の帰還部よりも優る第2の帰還
    部と、 前記求めた直流レベルと前記基準値との差が予め定めら
    れた範囲以内に収まるまでは前記第1の帰還部を作動さ
    せ、前記直流レベルと前記基準値との差が前記予め定め
    られた範囲内に収束した後には、前記第2の帰還部に切
    り替えて動作させるモード切替部とを有することを特徴
    とする請求項4に記載のクランプ回路。
  13. 【請求項13】 前記帰還部は、 前記信号処理系統用のA/D変換部に用いられるサンプ
    リングパルスよりも低速なサンプリングパルスに基づい
    て、所定期間に亘って前記クランプ部分の前記基準値に
    対する前記直流レベルの正方向のズレ量を求める正方向
    ズレ量取得部と、 前記サンプリングパルスに基づいて、所定期間に亘って
    前記クランプ部分の前記基準値に対する前記直流レベル
    の負方向のズレ量を求める負方向ズレ量取得部と、 前記正方向ズレ量取得部が求めた前記正方向のズレ量と
    前記負方向ズレ量取得部が求めた前記負方向のズレ量と
    に基づいて前記クランプ部分に含まれるノイズの状態を
    求め、この求めたノイズの状態を参照して、前記クラン
    プ信号の前記電気信号への帰還を制御する判定制御部と
    を有することを特徴とする請求項4に記載のクランプ回
    路。
  14. 【請求項14】 前記判定制御部は、前記正方向のズレ
    量と前記負方向のズレ量とに基づいて、前記クランプ部
    分の中央値と、前記基準値に対する前記クランプ部分の
    誤差量とを求め、求めた前記中央値と前記誤差量とに基
    づいて、前記基準値に対する前記直流レベルの収束条件
    を変化させることを特徴とする請求項13に記載のクラ
    ンプ回路。
  15. 【請求項15】 前記判定制御部は、前記中央値と前記
    基準値との差が所定の許容範囲を越えたことを条件とし
    て、前記直流レベルと前記基準値との差が略零となるよ
    うに前記電気信号にクランプ信号を帰還させ、その後、
    前記所定の許容範囲を変化させることを特徴とする請求
    項14に記載のクランプ回路。
  16. 【請求項16】 前記正方向ズレ量取得部および前記負
    方向ズレ量取得部は、前記電気信号への前記クランプ信
    号の帰還量を一定に保持した状態で、前記サンプリング
    パルスごとに前記直流レベルと前記基準値とを比較し、
    この比較結果に基づいて前記基準値を所定量だけ変動さ
    せることにより、それぞれ対応する前記正方向のズレ量
    と前記負方向のズレ量とを求めることを特徴とする請求
    項13に記載のクランプ回路。
  17. 【請求項17】 前記正方向ズレ量取得部および前記負
    方向ズレ量取得部は、前記比較結果に基づいて前記基準
    値を所定量だけ一方の方向に変動させつつ、この変動の
    デジタルステップの数を計数することにより、それぞれ
    対応する前記正方向のズレ量と前記負方向のズレ量とを
    求めることを特徴とする請求項16に記載のクランプ回
    路。
  18. 【請求項18】 画像を撮像する固体撮像素子と、 前記固体撮像素子から出力される撮像信号をデジタル信
    号に変換しデジタル信号処理をする信号処理系統用のA
    /D変換部とは独立に、前記信号処理系統用のA/D変
    換部よりもビット分解能が劣る直流レベル比較用のA/
    D変換部と、 前記直流レベル比較用のA/D変換部により前記撮像信
    号におけるサンプリング期間の直流レベルと予め定めら
    れている基準値とを比較することで前記直流レベルと前
    記基準値との差を求め、求めた前記直流レベルと前記基
    準値との差が略零となるように前記撮像信号にクランプ
    信号を帰還する帰還部とを備えたことを特徴とする撮像
    装置。
  19. 【請求項19】 前記帰還部は、 前記信号処理系統用のA/D変換部に用いられるサンプ
    リングパルスよりも低速なサンプリングパルスであって
    前記固体撮像素子の水平走査方向における光学的黒画素
    に対応する比較パルスに基づいて前記撮像信号に前記ク
    ランプ信号を帰還させるスタートアップモード動作部
    と、 前記直流レベルの変動に対する感度が前記スタートアッ
    プモードよりも低い感度を有するとともに前記信号処理
    系統用のA/D変換部に用いられるサンプリングパルス
    よりも低速な前記固体撮像素子の垂直走査を規定するパ
    ルスに基づいて前記撮像信号にクランプ信号を帰還させ
    るノーマルモード動作部と、 前記求めた直流レベルと前記基準値との差が予め定めら
    れた範囲以内に収まるまでは前記スタートアップモード
    動作部を作動させ、前記直流レベルと前記基準値との差
    が前記予め定められた範囲内に収束した後には、前記ノ
    ーマルモード動作部に切り替えて動作させるモード切替
    部とを有することを特徴とする請求項18に記載の撮像
    装置。
  20. 【請求項20】 前記ノーマルモード動作部は、前記信
    号処理系統用のA/D変換部に用いられるサンプリング
    パルスよりも低速な前記固体撮像素子の水平走査方向に
    おける光学的黒画素に対応する比較パルスごとに前記光
    学的黒画素の前記直流レベルと前記基準値との大小を判
    定し、この判定した大小の回数をそれぞれ計数し、この
    計数した大の回数および小の回数のうちの少なくとも一
    方が予め定められた回数に達したことを条件として、前
    記固体撮像素子の垂直走査の開始を規定するパルスに基
    づいて前記直流レベルと前記基準値との差が略零となる
    ように前記電気信号にクランプ信号を帰還することを特
    徴とする請求項19に記載の撮像装置。
  21. 【請求項21】 前記帰還部は、 前記撮像信号に帰還させる前記クランプ信号のビット分
    解能が比較的劣る第1の帰還部と、 ビット分解能が前記第1の帰還部よりも優る第2の帰還
    部と、 前記求めた直流レベルと前記基準値との差が予め定めら
    れた範囲以内に収まるまでは前記第1の帰還部を作動さ
    せ、前記直流レベルと前記基準値との差が前記予め定め
    られた範囲内に収束した後には、前記第2の帰還部に切
    り替えて動作させるモード切替部とを有することを特徴
    とする請求項18に記載の撮像装置。
  22. 【請求項22】 前記第1の帰還部は、前記信号処理系
    統用のA/D変換部に用いられるサンプリングパルスよ
    りも低速な前記固体撮像素子の垂直走査方向における光
    学的黒画素に対応する第1の比較パルスごとに前記光学
    的黒画素の前記直流レベルと前記基準値との差を求め、 前記第2の帰還部は、前記信号処理系統用のA/D変換
    部に用いられるサンプリングパルスよりも低速な前記固
    体撮像素子の水平走査方向における光学的黒画素に対応
    する第2の比較パルスごとに前記光学的黒画素の前記直
    流レベルと前記基準値との差を求めることを特徴とする
    請求項21に記載の撮像装置。
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