JP2003347013A - セラミックヒータ - Google Patents

セラミックヒータ

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JP2003347013A
JP2003347013A JP2002153311A JP2002153311A JP2003347013A JP 2003347013 A JP2003347013 A JP 2003347013A JP 2002153311 A JP2002153311 A JP 2002153311A JP 2002153311 A JP2002153311 A JP 2002153311A JP 2003347013 A JP2003347013 A JP 2003347013A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極パッドの温度が従来に較べて高くなり、
電極パッドに関して、高い耐熱特性が要求されるように
なった。 【解決手段】セラミックヒータに形成したリード部材7
を接合する電極パッドに複数の溝部を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用の空燃比
検知センサ加熱用ヒータや気化器用ヒータ、半田ごて用
ヒータなどに使用するセラミックヒータに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、空燃比センサ加熱用ヒータ等
の自動車用のヒータとして図3(a)に示すようなセラ
ミックヒータ21が多用されており、例えば、アルミナ
を主成分とするセラミック体22中に、W、Re、Mo
等の高融点金属からなる発熱抵抗体23を内蔵し、電極
パッド24を介してリード部材27が接合されている
(特開平5−34313号、特開平5−161955号
公報等参照)。
【0003】上記円柱状のセラミックヒータを製造する
場合は、図3(b)に示すようにセラミック芯材30と
セラミックシート28を用意し、セラミックシート28
の一方面にW、Re、Mo等の高融点金属のペーストを
印刷して発熱抵抗体23と電極引出部23aを形成した
後、これらを形成した面が内側となるようにセラミック
シート28を上記セラミック芯材30の周囲に巻付け、
全体を焼成一体化することによりセラミックヒータ21
としていた。
【0004】セラミックシート28上には、発熱抵抗体
23に電極引出部23aが接続され、該電極引出部23
aの末端にスルーホール(不図示、以下同じ)が形成さ
れ裏面の電極パッド24と該電極引出部23aが接続さ
れている。スルーホールには、必要に応じて導体ペース
トが注入される。
【0005】そして、図3(c)に示す電極パッド24
部周辺の部分断面図のように、セラミックヒータ21は
側面に露出した電極パッド24の表面にはNiからなる
メッキ層25が形成され、該メッキ層25の表面にロウ
材26を介してリード部材27が接合され、このリード
部材27から通電することにより発熱抵抗体23が発熱
する仕組みである。
【0006】また、上記ロウ材26の酸化や硫化を防止
するため、ロウ材26の表面にはNiからなるメッキ層
25が形成されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、排気ガ
ス規制が厳しくなるにつれ、酸素センサを早く作動させ
て、早く燃料と空気の比率(空燃比)を理想的な混合比
に調整しなければならない。そこで、酸素センサの立ち
上がり時間を短くするためにセラミックヒータ21によ
り酸素センサを加熱するシステムが実施されている。
【0008】特に、最近は、この立ち上がり時間をさら
に短くするために、セラミックヒータ21の使用温度を
高くする傾向にある。一方、エンジン制御のエレクトロ
ニクス化により、エンジン周辺のスペースが手狭になる
傾向にあり、このため酸素センサが小型化する傾向にあ
り、セラミックヒータ21の全長方向の距離が短くなる
傾向にある。
【0009】このように、セラミックヒータ21の全長
方向の距離が短くなると、図3(a)に示すように、本
来、電極パッド24は、発熱抵抗体23からの熱伝導の
影響を受けて温度が上がり、加熱冷却の温度サイクルに
よりロウ付け強度が劣化しないようにするためには、で
きる限り発熱抵抗体23から離して配置させることが好
ましいが、上記小型化により次第に発熱抵抗体23と近
接してくることとなる。
【0010】ここで、セラミックヒータ21をなすセラ
ミック体28の熱膨張率は、材質がアルミナの場合7〜
8×10-6/℃であるのに対し、リード部材27を電極
パッド24に接合するロウ材26の熱膨張率は15〜2
2×10-6/℃と大きいため、セラミックヒータ21使
用中に電極パッド24付近の温度が高くなればなるほ
ど、この熱膨張率の差によって生じる熱応力の変化幅が
大きくなり、これにより、ロウ付け部が疲労し、リード
部材27の接合強度が低下することが問題となってき
た。
【0011】そこで、電極パッド24に関して、高い耐
熱特性の材料を選択することも考えられるが、そのよう
な材料を選択するのも困難であり、仮に選択出来たとし
ても、高価で製造コストも上がってしまうという問題が
あった。
【0012】本発明は上記の課題に鑑みて案出されたも
のであり、電極パッドの温度が高くなったとしても、電
極パッドの耐熱特性を向上させるとともに、使用中の熱
サイクルによるリード部材の接合強度を向上させたセラ
ミックヒータを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のセラミックヒー
タは、発熱抵抗体を内蔵して成るセラミック体の表面
に、前記発熱抵抗体に接続した電極パッドを形成し、該
電極パッドにロウ材を介してリード部材を接合してなる
セラミックヒータであって、少なくとも、前記電極パッ
ドに複数の溝部を形成したことを特徴とする。
【0014】また、本発明のセラミックヒータは、前記
セラミック体を円柱状に形成するとともに、前記リード
部材は前記セラミック体の全長方向に略平行に接合さ
れ、かつ、前記電極パッドの溝部は前記リード部材に対
して略平行に形成されていることを特徴とする。
【0015】なお、前記溝部は電極パッド表面に入るク
ラックを利用しても良い。
【0016】また、前記溝部同士の間隔を0.1〜1.
5mmとしても良い。
【0017】このような改良を実施することにより、溝
部との実質的な接触面積が向上し、電極パッドにロウ材
を接合するリード部材の接合強度を向上させ、耐久性良
好なセラミックヒータを得ることが出来るものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明のセラミックヒータ
の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0019】図1は、本発明のセラミックヒータの一実
施形態を示すものであり、図1(a)はセラミックヒー
タ1の部分切り欠き斜視図であり、(b)は、そのセラ
ミック体2部分の展開図である。
【0020】本発明のセラミックヒータ1は、図1
(a)に示すようにセラミック体2中に発熱抵抗体3を
内蔵し、該発熱抵抗体3に通電する電極パッド4を上記
セラミック体2の表面に備え、上記電極パッド4にメッ
キ層5を形成するとともに、ロウ材6を介してリード部
材7が接合されている。また、セラミック体2は同図
(b)に示すようにセラミックシート8の表面に、発熱
抵抗体3と電極引出部3aが形成され、さらに、その裏
面側に形成される電極パッド4との間をスルーホール
(不図示)で接合した構造となっている。こうして準備
されたセラミックシート8をセラミック芯材10に発熱
抵抗体3が内側になるように密着焼成することによって
発熱抵抗体3を内蔵したセラミックヒータ1を得ること
ができる。
【0021】また、上記セラミックシート8は、アルミ
ナ質セラミックス、窒化珪素質セラミックス、窒化アル
ミニウム質セラミックス、炭化珪素質セラミックス等の
各種セラミックスからなり、特に、Al23を88〜9
5重量%、SiO2を2〜7重量%、CaOを0.5〜
3重量%、MgOを0.5〜3重量%、ZrO2を1〜
3重量%からなるアルミナ質セラミックスを用いること
が好ましい。Al23含有量は88重量%未満となる
と、ガラス質が多くなるため通電時のマイグレーション
が大きくなる恐れがある。一方、Al23含有量が95
重量%を超えると、セラミック体2中に内蔵された発熱
抵抗体4の金属層内に拡散するガラス量が減少し、セラ
ミックヒータ1の耐久性が劣化する恐れがある。
【0022】また、セラミック体2は、例えば外径が2
〜20mm、長さが40〜200mm程度の円柱状で、
自動車の空燃比センサ加熱用のセラミックヒータ1とし
ては、外径が2〜4mm、長さが40〜65mmとする
ことが好ましい。
【0023】発熱抵抗体3は、発熱が起こる屈曲部3b
と電極パッド4から通電する電極引出部3aからなり、
この電極引出部3aからセラミックシート8の厚み方向
に貫通したスルーホール9を介して電極パッド4に接続
されている。発熱抵抗体3の材料としては、W、Mo、
Re等の高融点金属を主成分とするものであり、図1
(a)に示すように、屈曲部3bと電極引出部3aが出
来る限り離れるようにセラミック体2の両端部側に位置
するように配置するのが好ましい。この理由は、セラミ
ックヒータ1の小型化に伴って、セラミック体2の全長
方向の距離が短くなってきたとしても、充分、屈曲部3
bから発熱による熱が電極パッド24に伝わるのを緩和
させるためである。
【0024】更に、図1(c)に示すように発熱抵抗体
3のパターンに欠陥bが生じた場合、その欠陥部分の幅
tがパターン幅Tの1/2以下とすることが好ましい。
これは、上記欠陥の幅tがパターン幅Tの1/2を越え
ると、この部分で局部発熱し、発熱抵抗体3の抵抗値が
大きくなり耐久性が劣化するためである。このような欠
陥が発生する原因は、発熱抵抗体3をプリント形成する
時に、プリント製版にゴミが付着したためパターンが欠
けてしまったり、異物が混入し焼成時に焼失したりする
ことにより発生するものと思われる。プリントや密着工
程で、生のセラミックグリーンシート3を取り扱う工程
があるが、この工程の清浄度を向上させるとともに、万
一の欠陥の発生に関して、上記寸法以上の欠陥を取り除
くための検査工程の整備が重要である。
【0025】また、自動車用のヒータとして用いる場合
には、上記発熱抵抗体3の発熱長さが3〜15mmとな
るようにすることが好ましい。この発熱長さが3mmよ
り短くなると、通電時の昇温を早くすることができる
が、セラミックヒータ1の耐久性を低下させる。一方、
15mmより長くすると昇温速度が遅くなり、昇温速度
を早くしようとするとセラミックヒータ1の消費電力が
大きくなる。
【0026】なお、上記発熱長さとは、図1(b)で示
す発熱抵抗体3における往復パターンの部分の長さfを
示す。この発熱長さfは、用途により種々選択されるも
のである。
【0027】電極パッド4は、W、Mo、Re等の高融
点金属を可塑剤や有機溶剤等により分散させた導電性ペ
ーストを焼き付け等により形成したメタライズ層からな
り、その表面にメッキ層5を形成しても良い。電極パッ
ド4にメッキ層5を形成することにより、ロウ材6の流
れを良くし、ロウ材6で接合する強度を向上させる作用
をなす。メッキ層5の材質としては、Ni、Cr、若し
くは、これらを主成分とする複合材料等からなり、1〜
5μmの厚みで形成される。
【0028】また、図2は電極パッド4の拡大図であ
る。図2に示したように、電極パッド4には溝部4aが
形成されている。この溝部4aを形成することにより、
ロウ材6が溝部8に入り込み、実質なロウ材6の接合面
積が増えるために接合強度を向上させ、リード部材7を
接合するロウ材6の引張強度を向上させることができ
る。特に、電極パッド4に熱サイクルが加わった後にリ
ード部材7の接合強度が低下するのを抑制できる。
【0029】溝部4aを形成する電極パッド4上の領域
としては、リード部材7と対向する領域が好ましい。こ
れにより、接合強度を更に向上させることができる。
【0030】電極パッド4に形成する溝部4aの方向は
限定するものではないが、特に、セラミックヒータ1の
全長方向に対して平行に形成することが好ましい。リー
ド部材7に働く応力は、図2(b)の矢印に示すよう
に、リード部材7を電極パッド4から垂直に引っ張る応
力となる。この応力に対して、電極パッド4に溝4aを
形成して電極パッド4の表面積を大きくすることによ
り、引張応力を緩和することができるからである。
【0031】また、更に好ましくは、上記溝部4aの間
隔gを0.1〜1.5mmとする。この間隔gが0.1
mmより小さいと、リード部材7による引張応力を支え
る電極パッド4の幅が狭いため使用中の熱サイクルによ
りリード部材7の引張強度が劣化しやすくなり、リード
部材7に作用する力を電極パッド4で支えるのが難しく
なり、引張強度が低下するので好ましくない。
【0032】また、上記溝部4aの間隔gが1.5mm
を越えると、リード線7に対向する電極パッド4の領域
の面積を上げる効果が小さくなるので、接合強度も下が
るため好ましくない。
【0033】更に、電極パッド8の厚みは80μm以下
とすることが好ましい。80μmを超えると電極パッド
8を構成する導電性粒子とセラミック体2の熱膨張差に
よる応力が大きくなるので、使用中の熱サイクルにより
疲労して電極パッド4のメタライズ強度が低下するため
である。また、電極パッド8の厚みが10μm未満で
は、電極パッド8中の導電性粒子のモザイク構造が十分
形成されず、このため磁器中から拡散するガラスの拡散
による強化も不充分となり、リード部材7の引張強度が
弱くなってしまうので好ましくない。
【0034】溝部4aの形成は、電極パッド4をセラミ
ック体2にプリントする際に、そのパターンを形成する
製版に溝8aとなる部分を形成することにより形成する
ことが好ましい。
【0035】なお、溝部4aは電極パッド4表面に入る
クラックを利用しても良い。このクラックによる溝部4
aの形成方法としては、電極パッド4を形成する時に、
電極パッド4のバインダを硬めに調整し、円柱状に形成
されたセラミック体2の周囲にセラミックシート8を周
回密着する際に、電極パッド4の表面にセラミック体2
の全長方向に略平行にクラックが入るものである。これ
は、電極パッド4用の導電性ペースト中に添加する可塑
剤の量を減少させることによって、電極パッド4生成形
体の可撓性を減少させることにより調整することができ
る。クラックの方向については、必ずしもセラミック体
2の全長方向に平行なクラックを形成しなくても良い。
【0036】また、電極パッド4を構成する高融点金属
からなる導電性粒子の平均粒径は1〜5μmとすること
が好ましい。1μmより小さいと電極パッド4の焼成収
縮がセラミック体2の焼成収縮より大きくなるのでセラ
ミック芯材との収縮差により電極パッド4に焼成時にク
ラックが入り、使用中の熱サイクルによりクラックが進
展してリード部材7の剥離強度が低下するので、好まし
くない。また、上記導電性粒子の平均粒径が5μmより
大きいと導電性粒子同志の焼結が不充分となり、リード
部材7の引張強度が低下してしまうので好ましくない。
【0037】メッキ層5は、リード部材7を電極パッド
4の表面にロウ材6で接合する際に、ロウ材6の流れを
良くし、接合強度を増すために形成される。膜厚として
は1〜5μmが好ましい。メッキ層5の材質としては、
Ni、Cr、若しくはこれらを主成分とする複合材料を
使用することができる。
【0038】ロウ材6としては、その材質をAu、C
u、Au−Cu、Au−Ni、Ag、Ag−Cu系のも
のが使用される。Au−Cuを用いたロウ材6として
は、Au含有量が25〜95重量%としAu−Niロウ
としてはAu含有量が50〜95重量%とすると、ロウ
材6で接合する温度を1000℃程度に設定でき、ロウ
材6で接合後の残留応力を低減できるので好ましい。ま
た、湿度が高い雰囲気中で使用する場合、Au系、Cu
系のロウ材6を用いた方がマイグレーションを発生しに
くくなるので好ましい。
【0039】また、ロウ材6の表面には、更に、メッキ
層5を形成すると腐食からロウ材6を保護するために好
ましい。
【0040】更に、電極パッド4の端部からロウ材6の
端部までの距離が少なくとも0.2mm以上あるように
することが好ましい。前記距離が0.2mm未満である
と、電極パッド4の端部がロウ材の収縮時に引っ張られ
て剥離しやすくなり、ロウ材6で接合する強度が低下す
るので、好ましくない。
【0041】また、図2に示す電極パッド4に形成され
るスルーホール9の位置とロウ材6の端部6aとの距離
を少なくとも0.2mm以上にすると、良好なロウ材6
で接合する強度を維持することができる。これにより、
メッキ層5の表面に形成したロウ材6が固化する際に大
きく収縮し、電極パッド4を剥がしてしまうというよう
な不具合を防止できるからである。
【0042】リード部材7は、線状、平板状に形成さ
れ、材質として耐熱性が良好なNi系、Fe−Ni系合
金等の金属製の材料を使用することが好ましい。これに
より、発熱抵抗体3からの熱伝達により、リード部材7
の温度が上昇して劣化するのを有効に防止することがで
きる。また、リード部材7の材質としてNiやFe−N
i合金を使用する場合は、その平均結晶粒径を400μ
m以下とすることが好ましい。上記平均粒径が400μ
mを越えると、使用時の振動および熱サイクルによりロ
ウ付け部近傍のリード部材7が疲労し、ロウ材6とリー
ド部材7の接合界面付近にクラックが発生しやすい。他
の材質についても、例えばリード部材7を形成する材質
の平均結晶粒径がリード部材7の厚みより大きくなる
と、ロウ材6とリード部材7の境界付近の粒界に応力が
集中してクラックが発生しやすいので好ましくない。
【0043】なお、ロウ材6で接合するの際の熱処理
は、試料間のバラツキを小さくするためには、ロウ材6
の融点より十分余裕をとった高めの温度で熱処理する必
要があるが、リード部材7の平均結晶粒径を400μm
以下と小さくするためには、ロウ材6で接合するの際の
温度をできるだけ下げ、処理時間を短くすればよい。
【0044】次に、図1(b)の展開斜視図を用いて、
本発明に用いられるセラミックヒータ1の製造方法を説
明する。
【0045】まず、セラミックシート8に電極引出部3
aと電極パッド4を接続するためのスルーホール9を作
製し、スル-ホール9の中にW、Mo、Re等の高融点
金属からなる導電性粒子を主成分とする導体を充填し、
その後セラミックシート8の表面に、発熱抵抗体3と電
極引出部3aを形成する。
【0046】そして、その裏面側にプリントや転写等の
手法を用いて電極パッド4を形成する。こうして準備し
たセラミックシート8をセラミック芯材10の表面に、
発熱抵抗体3が内側になるように積層密着したのち15
00〜1650℃の還元雰囲気中で焼成することにより
セラミック体2を形成する。
【0047】そしてさらに、電極パッド4の表面に電界
メッキ法や無電界メッキ法によりメッキ層5を形成した
後、メッキ層5上にリード部材7をロウ材6で接合し、
接合したリード部材7とロウ材6の全領域にメッキ層5
を形成することでセラミックヒータ1が形成される。
【0048】
【実施例】(実験例1)Al23を主成分とし、SiO
2、CaO、MgO、ZrO2を合計10重量%になるよ
うに調整した乾燥後のセラミックシート8を準備し、こ
の表面に発熱抵抗体3を形成した。具体的には、W−R
eを用い発熱長さ5mmで4往復のパターンとなるよう
に形成する屈曲部23bとWからなる電極引出部3aと
をプリントした。
【0049】次に、セラミックシート8の裏面に電極パ
ッド4をプリント形成した。そして、Wからなる電極引
出部3aの末端にスルーホール9を形成し、ここにWを
有機溶剤および可塑剤に分散させた導電性ペーストを注
入する事により電極パッド4と電極引出部3a間の導通
をとった。
【0050】スルーホール9の位置は電極パッド4上に
形成した。そして、発熱抵抗体3の表面にセラミックシ
ート8と略同一の成分からなるコート層を形成して充分
乾燥した後、さらに前記セラミックシート8と略同一の
組成のセラミックスを分散させた積層液を塗布して、こ
うして準備したセラミックシート8をセラミック芯材2
の周囲に巻回し、1500〜1600℃で焼成すること
により、セラミック体2を得た。
【0051】この時、予め、電極パッド4に溝部4aが
形成できるように加工した雌型を有するプリント製版を
用いて、以下の表1に示すように電極パッド4の表面
に、溝部4aを0.05〜2.0mmの間隔で形成した
ものであって、セラミック体2の周方向に形成した資料
1及び全長方向に平行に形成した資料No.2〜7と、
クラックを形成した資料No.9とを準備した。
【0052】資料No.9のクラックとしては、電極パ
ッド4を形成するインク用に、バインダとしてエチルセ
ルロースを、可塑剤としてDBPを重量比で10:1と
なるようにして調整し、さらに溶剤を添加して粘度調整
したものを準備し、更にミックシート8上にプリント形
成し、このようにして準備したセラミックシート8をセ
ラミック芯材10の周囲に周回密着して形成した。
【0053】このようにして生じさせたクラックを双眼
顕微鏡にて観察すると、複数のクラックが全長方向に略
平行に生じていた。
【0054】また、比較例として溝部4aを形成しない
No.8を作製して、これとの耐久性の変化を確認し
た。
【0055】但し、この時、全資料(1〜9)の電極パ
ッド4の厚みは30μmに統一した。
【0056】
【表1】
【0057】その後、電極パッド4上に無電界メッキ法
によりNiからなるメッキ層5を形成し、リード部材7
をロウ材6によりメッキ層5上に接合し、さらに、これ
らの上に無電界メッキ法によりNiからなるメッキ層5
を形成した。このようにしてセラミックヒータ1を作製
した。
【0058】このセラミックヒータ1のそれぞれに60
0℃×200時間の連続耐久テストをした後、電極パッ
ド4の温度を常温から400℃間を3分加熱、3分冷却
の評価を行い、連続耐久テスト3000回後のリード部
材7の引張強度をプッシュプールゲージにて測定し、耐
久テスト前のリード部材7における引張強度と比較し
た。なお、評価基準としては、リード部材7の引張強度
が30N以上であるものは◎、20N以上30N未満の
ものは○、10N以上20N未満のものは△、10N未
満のものは×とした。
【0059】これらの結果を、表1に示した。
【0060】
【表2】
【0061】表2から判るように、溝部4aを形成しな
かったNo.8は、耐久テスト後の引張強度が20N以
下と低くなった。これに対し、溝部4aを形成したN
o.1〜7は、20N以上の引張強度を示した。特に、
全長方向に平行に形成した溝部4aの間隔を0.1〜
1.5mmとしたNo.2〜6は、耐久テスト後のリー
ド部材7の引張強度が30〜50Nと高くなることが判
った。
【0062】(実験例2)セラミックヒータ1に形成す
る電極パッド4の厚みを10〜80μmと変化させる以
外は実験例1の資料No.4と同様の構成にしてリード
部材7の耐久テスト後の引張強度を調査した。
【0063】評価基準としては、リード部材7の引張強
度が30N以上であるものは◎、20N以上30N未満
のものは○、10N以上20N未満のものは△、10N
未満のものは×とした。
【0064】これらの結果を表3に示す。
【0065】
【表3】
【0066】表3から判るように、何れも10N未満の
ものは無かったが、電極パッド4の厚みが10μmのN
o.10は、耐久テスト後のリード部材7の引張強度が
26Nと低くなっていた。このNo.10は、電極パッ
ド4の厚みが薄いため、引張強度が弱まっているものと
推察した。
【0067】また、厚みが80μmのNo.16は、引
張強度が28Nと低くなっていた。このNo.16は、
電極パッド4の厚みが60μを越えるため、Wを主成分
とする電極パッド4とセラミック体2の熱膨張差が、引
張強度を低下させたものと推察した。
【0068】これに対し、上記厚みを20〜60μmと
したNo.11〜15は耐久テスト後の引張強度が30
N以上と良好な引張強度を示した。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、発熱抵抗体を内蔵して
成るセラミック体の表面に、前記発熱抵抗体に接続した
電極パッドを形成し、該電極パッドにロウ材を介してリ
ード部材を接合してなるセラミックヒータにおいて、少
なくとも、前記電極パッドのリード部材と対向する領域
に複数の溝部を形成したために、接合面積が向上して電
極パッドにロウ材で接合したリード部材が耐久後に剥離
することなく、耐久性良好なセラミックヒータを提供で
きるものである。
【0070】また、前記セラミック体を円柱状に形成す
るとともに、前記リード部材は前記セラミック体の全長
方向に略平行に接合され、かつ、前記電極パッドの溝部
は前記リード部材に対して略平行に形成したために、リ
ード部材に働く剥離応力に対する接合長さが増加して電
極パッドにロウ材で接合したリード部材が耐久後に剥離
することなく、耐久性良好なセラミックヒータを提供で
きるものである。
【0071】さらに、前記溝部を電極パッド表面に入る
クラックに置き換えても、上述と同様な効果を有するも
のである。
【0072】また、前記溝部同士の間隔を0.1〜1.
5mmとすることにより、使用中の熱サイクルに対し
て、リード部材の引張強度低下を抑制できるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明のセラミックヒータの斜視図
であり、(b)はその展開斜視図であり、(c)は、発
熱抵抗体パターンの拡大図である。
【図2】(a)は、本発明のセラミックヒータの電極パ
ッドの拡大図であり、(b)はリード部材に作用する応
力を示す模式図である。
【図3】(a)は、従来のセラミックヒータの斜視図で
あり、(b)はその展開斜視図であり、(c)はそのリ
ード部材ロウ付け部の断面図である。
【符号の説明】
1:セラミックヒータ 2:セラミック体 3:発熱抵抗体 4:電極パッド 5:メッキ層 6:ロウ材 7:リード部材 8:セラミックシート 10:セラミック芯材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 3/18 G01N 27/46 325Z 3/48 F02M 31/12 301K

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱抵抗体を内蔵して成るセラミック体
    の表面に、前記発熱抵抗体に接続した電極パッドを形成
    し、該電極パッドにロウ材を介してリード部材を接合し
    てなるセラミックヒータにおいて、 前記電極パッドに複数の溝部を形成したことを特徴とす
    るセラミックヒータ。
  2. 【請求項2】 前記セラミック体を円柱状に形成すると
    ともに、前記リード部材は前記セラミック体の全長方向
    に略平行に接合され、かつ、前記電極パッドの溝部は前
    記リード部材に対して略平行に形成されていることを特
    徴とする請求項1記載のセラミックヒータ。
  3. 【請求項3】 前記溝部は電極パッド表面に入るクラッ
    クであることを特徴とする請求項1又は2記載のセラミ
    ックヒータ。
  4. 【請求項4】前記溝部同士の間隔を0.1〜1.5mm
    に形成したことを特徴とする請求項1〜3記載のセラミ
    ックヒータ。
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