JP2003346309A - 薄膜磁気ヘッド、薄膜磁気ヘッド組立体、記憶装置及び薄膜磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド、薄膜磁気ヘッド組立体、記憶装置及び薄膜磁気ヘッドの製造方法

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JP2003346309A JP2002152800A JP2002152800A JP2003346309A JP 2003346309 A JP2003346309 A JP 2003346309A JP 2002152800 A JP2002152800 A JP 2002152800A JP 2002152800 A JP2002152800 A JP 2002152800A JP 2003346309 A JP2003346309 A JP 2003346309A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フリー層の両側領域における読みにじみを低
減すると共に、再生出力を安定させることが可能な薄膜
磁気ヘッド、当該薄膜磁気ヘッドを備える薄膜磁気ヘッ
ド組立体及び記憶装置、並びに薄膜磁気ヘッドの製造方
法を提供すること。 【解決手段】 MR素子7は、ピン層21、ピンド層2
3、非磁性層25及びフリー層27を含む。硬磁性層9
は、MR素子7を挟むように配置されて、フリー層27
にバイアス磁界を印加する。電極層15は、互いに離間
して一対配置され、フリー層27にセンス電流を供給す
る。フリー層27の両側領域における電極層15と重な
っている部分と電極層15との間に層構造体13が配置
されている。層構造体13は、非磁性層31、強磁性層
33及び反強磁性層35を含んでいる。強磁性層33
は、反強磁性層35により磁化方向が固定されており、
磁気膜厚がフリー層27の磁気膜厚よりも大きく設定さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜磁気ヘッド、
薄膜磁気ヘッド組立体、記憶装置及び薄膜磁気ヘッドの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク等の磁気記録媒体の高密
度化に伴い、薄膜磁気ヘッドの性能向上が要求されてい
る。薄膜磁気ヘッドとしては、読み出し用の磁気抵抗効
果素子(以下、MR(Magneto Resistive)素子とい
う)を有する再生ヘッドが含まれる。再生ヘッドの特性
としては、バルクハウゼンノイズが小さいことが要求さ
れる。バルクハウゼンノイズを低減するためには、MR
素子を挟むように硬磁性層を配置して、MR素子に対し
てバイアス磁界を印加してMR素子に含まれるフリー層
を単磁区化することが行われている。
【0003】ところで、MR素子(フリー層)を挟むよ
うに硬磁性層を配置すると、MR素子における硬磁性層
に隣接する端部近傍に、硬磁性層からの磁界によって磁
化の方向が固定されて信号磁界を検知することが出来な
い領域(以下、不感領域という)が生じることとなる。
そのため、MR素子に電流(センス電流)を供給するた
めの一対の電極層をMR素子に重ならないように配置し
た場合には、供給された電流が不感領域を通ることとな
り、再生ヘッドとしての出力が低下するという問題が存
在する。この問題を解決するためには、電極層をMR素
子に部分的に重なるように配置することが行われている
(たとえば、特開平8−45037号公報、特開平9−
282618号公報、特開平11−31313号公報、
特開2000−76629号公報等)。
【0004】電極層をMR素子上に重なるように配置し
た場合、MR素子における不感領域には電流が流れにく
くなり、直接的に再生ヘッドの出力に寄与することはな
い。しかしながら、MR素子における電極層と重なって
いる部分は、磁気記録媒体から漏洩する磁界を吸収する
ため、吸収された磁界がトラック中央部の高感度領域ま
で伝達し、実効トラック幅が拡大するという読みにじみ
の問題が生じることとなる。この問題を解決するものと
して、特開2001−176032号公報には、感磁層
(フリー層)の一部に、金属層を介して強磁性金属層と
反強磁性的交換結合した部分を設け、その部分の再生感
度を下げる技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フリー
層の一部と金属層を介して反強磁性的交換結合する強磁
性金属層を設けた構造の薄膜磁気ヘッドにおいて、外部
磁界が印加されると、フリー層における強磁性金属層と
反強磁性的交換結合した部分の磁化がトラック部分のフ
リー層の磁化と同じ方向となることがあり、実効トラッ
ク幅が拡大するという読みにじみの問題を解決するには
至っていないことが判明した。
【0006】本発明は、このような課題に鑑みてなされ
たものであり、フリー層の両側領域における読みにじみ
を低減して、実効トラック幅の拡大を抑制することが可
能な薄膜磁気ヘッド、当該薄膜磁気ヘッドを備える薄膜
磁気ヘッド組立体及び記憶装置、並びに薄膜磁気ヘッド
の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る薄膜磁気ヘ
ッドは、外部磁界に応じて磁化の向きが変化するフリー
層を含む磁気抵抗効果素子と、フリー層の両側に当該フ
リー層と重なるように互いに離間して配置されて磁気抵
抗効果素子に電流を供給するための一対の電極層と、を
備えた薄膜磁気ヘッドであって、フリー層の両側領域に
おける電極層と重なっている部分と電極層との間に配置
される層構造体を有し、層構造体は、磁化方向が固定さ
れる導電性の強磁性層と、強磁性層とフリー層との間に
配置される導電性の非磁性層と、強磁性層と電極層との
間に配置され、強磁性層の磁化方向を固定する導電性の
反強磁性層と、を含んでおり、強磁性層の磁気膜厚はフ
リー層の磁気膜厚よりも大きく設定されていることを特
徴としている。
【0008】本発明に係る薄膜磁気ヘッドでは、反強磁
性層により磁化方向が固定され且つ磁気膜厚がフリー層
の磁気膜厚よりも大きく設定された強磁性層がフリー層
の両側領域における電極層と重なっている部分と電極層
との間に配置されているので、外部磁界が印加される
と、フリー層における電極層と重なっている部分の磁化
はトラック部分のフリー層の磁化とは逆方向に向くこと
となる。これにより、フリー層の両側領域における読み
にじみを低減して、実効トラック幅の拡大を抑制するこ
とができる。
【0009】また、本発明に係る薄膜磁気ヘッドにおい
て、フリー層及び強磁性層は同じ材料からなり、強磁性
層の厚みはフリー層の厚みよりも大きく設定されている
ことが好適である。この場合には、強磁性層の磁気膜厚
をフリー層の磁気膜厚よりも大きくした構成を容易に実
現することができる。
【0010】また、本発明に係る薄膜磁気ヘッドにおい
て、層構造体は、反強磁性層と電極層との間に配置さ
れ、強磁性層の磁化方向とは反対の方向に磁化方向が固
定された固定磁化層を更に含むことが好適である。この
場合には、強磁性層と固定磁化層との間で閉じた磁界が
形成されやすくなり、当該強磁性層から発生する漏れ磁
界がフリー層のトラック部分に及ぼす影響が低く抑えら
れることとなる。これにより、強磁性層から発生する漏
れ磁界がフリー層のトラック部分に吸収されてノイズ成
分となるのを抑制することができる。この結果、フリー
層のトラック部分にて磁気記録媒体から漏洩する磁界を
適切に検出することができ、再生出力を安定させること
ができる。
【0011】また、本発明に係る薄膜磁気ヘッドにおい
て、固定磁化層は、永久磁石層を含むことが好適であ
る。この場合には、強磁性層との間で閉じた磁界を形成
し得る固定磁化層の構成を簡易且つ容易に実現すること
ができる。
【0012】また、本発明に係る薄膜磁気ヘッドにおい
て、固定磁化層は、磁化方向が固定される導電性の強磁
性層を含んでおり、層構造体は、固定磁化層に含まれる
強磁性層と電極層との間に配置され、当該強磁性層の磁
化方向を固定する導電性の反強磁性層を更に含むことが
好適である。
【0013】本発明に係る薄膜磁気ヘッド組立体は、上
記薄膜磁気ヘッドと、当該薄膜磁気ヘッドが取り付けら
れる可撓性部材と、を備えることを特徴としている。
【0014】本発明に係る薄膜磁気ヘッド組立体では、
薄膜磁気ヘッドが上記薄膜磁気ヘッドとされるので、上
述したように、フリー層の両側領域における読みにじみ
を低減することができる。
【0015】本発明に係る記憶装置は、信号を磁気的に
記録する磁気記録媒体と、磁気記録媒体から漏洩する磁
界の変化を電気信号に変換する上記薄膜磁気ヘッドと、
を備えることを特徴としている。
【0016】本発明に係る記憶装置では、薄膜磁気ヘッ
ドが上記薄膜磁気ヘッドとされるので、上述したよう
に、フリー層の両側領域における読みにじみを低減する
ことができる。
【0017】そして、本発明に薄膜磁気ヘッドの製造方
法は、外部磁界に応じて磁化の向きが変化するフリー層
を含む磁気抵抗効果素子を備えた薄膜磁気ヘッドの製造
方法であって、磁気抵抗効果素子の上に、導電性の非磁
性層と導電性の強磁性層と導電性の反強磁性層とを順次
積層して層構造体を形成する工程と、層構造体の上に所
望パターンのレジスト層を形成する工程と、レジスト層
をマスクとして層構造体の上に金属層を形成する工程
と、レジスト層を除去する工程と、金属層をマスクとし
て、非磁性層を残すように層構造体の一部を除去する工
程と、を含むことを特徴としている。
【0018】本発明に薄膜磁気ヘッドの製造方法では、
フリー層において、層構造体が配置される部分と当該層
構造体が配置されない部分とが形成される。フリー層に
おける層構造体が配置される部分の磁化は、外部磁界が
印加されると、フリー層における層構造体が配置されて
いない部分(フリー層のトラック部分に相当する部分)
の磁化とは逆方向に向くこととなる。これにより、フリ
ー層における層構造体が配置される部分での読みにじみ
を低減して、実効トラック幅の拡大を抑制することがで
きる。また、非磁性層を残すように層構造体の一部を除
去しているので、当該非磁性層にてフリー層を保護する
こともできる。
【0019】また、本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造
方法において、層構造体を形成する工程を行なうに際し
て、反強磁性層の上に永久磁石層を更に積層することが
好適である。この場合には、層構造体に含まれる強磁性
層との間で閉じた磁界を形成し得る構成を簡易且つ容易
に実現することができる。
【0020】また、本発明に薄膜磁気ヘッドの製造方法
は、外部磁界に応じて磁化の向きが変化するフリー層を
含む磁気抵抗効果素子を備えた薄膜磁気ヘッドの製造方
法であって、磁気抵抗効果素子の上に、導電性の非磁性
層と導電性の強磁性層とを順次積層して第1の層構造体
を形成する工程と、強磁性層の上に所望パターンのレジ
スト層を形成する工程と、レジスト層をマスクとして強
磁性層の上に少なくとも導電性の反強磁性層を積層して
第2の層構造体を形成する工程と、レジスト層をマスク
として第2の層構造体の上に金属層を形成する工程と、
レジスト層を除去する工程と、金属層をマスクとして、
非磁性層を残すように強磁性層を除去する工程と、を含
むことを特徴としている。
【0021】本発明に薄膜磁気ヘッドの製造方法では、
フリー層において、第1及び第2の層構造体が配置され
る部分と当該第1及び第2の層構造体が配置されない部
分とが形成される。フリー層における第1及び第2の層
構造体が配置される部分の磁化は、外部磁界が印加され
ると、フリー層における第1及び第2の層構造体が配置
されていない部分(フリー層のトラック部分に相当する
部分)の磁化とは逆方向に向くこととなる。これによ
り、フリー層における第1及び第2の層構造体が配置さ
れる部分での読みにじみを低減して、実効トラック幅の
拡大を抑制することができる。また、非磁性層を残すよ
うに強磁性層を除去しているので、当該非磁性層にてフ
リー層を保護することもできる。
【0022】また、本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造
方法において、第2の層構造体を形成する工程を行なう
に際して、反強磁性層の上に永久磁石層を更に積層する
ことが好適である。この場合、第1の層構造体に含まれ
る強磁性層との間で閉じた磁界を形成し得る構成を簡易
且つ容易に実現することができる。
【0023】なお、本明細書において、磁気膜厚は、厚
みt(m)の薄膜が有する単位面積あたりの磁荷のこと
であり、下記(1)式にて定義する。 磁気膜厚(A)=MS*×t … (1) MS*:飽和磁化(A/m)
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態に係る薄膜磁気
ヘッド、薄膜磁気ヘッド組立体、記憶装置及び薄膜磁気
ヘッドの製造方法について図面を参照して説明する。な
お、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素
には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略
する。なお、図1〜図3、図6及び図7においては、断
面を表すためのハッチングを省略している。また、
「上」及び「下」なる語は図1〜図3、図6及び図7の
上下に従う。
【0025】(第1実施形態)図1は薄膜磁気ヘッドM
H1の断面構造を説明するための概略図である。薄膜磁
気ヘッドMH1は、再生ヘッドとしての磁気検出素子M
Dと、記録ヘッドとしての磁界形成素子RDとを備えて
いる。磁気検出素子MDは、非磁性基板1、下部磁気シ
ールド層3、下部ギャップ層5、MR素子7、硬磁性層
9、非磁性層11、層構造体13、電極層15、上部ギ
ャップ層17、及び上部磁気シールド層19等を備えて
いる。
【0026】非磁性基板1は、Al23・TiC等を材
料としている。下部磁気シールド層3は、NiFe、セ
ンダスト、FeCo、FeCoNi等の軟磁性体を材料
とし、非磁性基板1上に成膜される。下部磁気シールド
層3の厚みは0.5μm〜4μmに設定される。下部ギ
ャップ層5は、Al23、AlN、SiO2等の非磁性
の絶縁体を材料とし、下部磁気シールド層3上に成膜さ
れる。下部ギャップ層5の厚みは5nm〜30nmに設
定される。
【0027】MR素子7はGMR(Giant Magneto Resi
stive)素子であって、ピン層(反強磁性層)21、ピ
ンド層(固定磁性層)23、非磁性層25、フリー層2
7を含んでいる。このMR素子7は、下部ギャップ層5
上に、ピン層21、ピンド層23、非磁性層25、フリ
ー層27を薄膜で順次積層成膜、パターンニング(イオ
ンミリング、RIE等の手法が利用可能である)するこ
とにより構成される。ピン層21とピンド層23の界面
では交換結合が生じ、これによりピンド層23の磁化の
向きが一定の方向(トラック幅方向と直交する方向)に
固定される。一方、フリー層27は磁気記録媒体からの
漏洩磁界、すなわち、外部磁界に応じて磁化の向きが変
化する。
【0028】ピン層21は、PtMn、NiO等の反強
磁性体を材料とし、下部ギャップ層5上に成膜される。
ピン層21の厚みは3nm〜50nmに設定される。ピ
ンド層23は、Fe、Co、Ni、NiFe、CoF
e、CoZrNb、FeCoNi等の強磁性体を材料と
し、ピン層21上に成膜される。ピンド層23の厚みは
0.5nm〜5nmに設定される。非磁性層25は、C
u、Ru、Rh、Ir、Au、Ag等の非磁性体を材料
とし、ピンド層23上に成膜される。非磁性層25の厚
みは1nm〜4nmに設定される。フリー層27は、F
e、Co、Ni、NiFe、CoFe、CoZrNb、
FeCoNi等の強磁性体を材料とし、非磁性層11上
に成膜される。フリー層27の厚みは0.5nm〜10
nmに設定される。
【0029】硬磁性層9は、MR素子7を挟むように配
置されて、フリー層27にバイアス磁界を印加する。フ
リー層27の磁化の向きは、硬磁性層9からのバイアス
磁界によりトラック幅方向と平行な方向となっており、
ピンド層23の磁化の向きと直交する方向である。この
硬磁性層9は、CoCrPt、CoPt、CoTa等の
高保磁力を有する硬磁性体を材料として、MR素子7の
両脇に下地層28を介して設けられる。下地層28は、
TiW、Ta、CrTi等の金属材料からなり、MR素
子7の側部及び下部ギャップ層5上に成膜される。な
お、下地層28及び硬磁性層9は、非磁性層11及び層
構造体13の成膜後に成膜される。硬磁性層9の間隔
は、最狭位置において、0.5μm程度に設定されてい
る。硬磁性層9上には保護層29が成膜されており、こ
の保護層29はTa、Al23等からなる。
【0030】層構造体13は、フリー層27の両側領域
における電極層15と重なっている部分と電極層15と
の間に配置されており、非磁性層31、強磁性層33及
び反強磁性層35を含んでいる。
【0031】非磁性層31は、Cu、Ru、Rh、I
r、Ta、Au、Ag等の導電性を有する非磁性体を材
料とし、フリー層27と強磁性層33との間に配置され
ている。非磁性層31の厚みは0.3nm〜2nmに設
定される。本実施形態において、非磁性層31は、フリ
ー層27上の全体にわたって成膜されており、トラック
部分のフリー層27上にも形成されている。
【0032】強磁性層33は、フリー層27の両側領域
に一対配置される。この強磁性層33は、Fe、Co、
Ni、NiFe、CoFe、FeTa等の導電性を有す
る強磁性体を材料とし、非磁性層31上に成膜後パター
ンニングする(イオンミリング、RIE(リアクティブ
・イオン・エッチング)等の手法が利用可能である)こ
とにより形成することができる。強磁性層33の厚みは
1nm〜4nmに設定される。一対の強磁性層33の間
隔は、最狭位置において、0.1μm程度に設定されて
いる。非磁性層31は、強磁性層33等をパターンニン
グする際に、フリー層27を保護する機能も有すること
となる。
【0033】ここで、強磁性層33の磁気膜厚はフリー
層27の磁気膜厚よりも大きく設定されている。たとえ
ば、フリー層27にCo90Fe10(飽和磁化MS*:15
12kA/m)を用いて厚みtを20nmに設定すると
フリー層27の磁気膜厚は30.24mAとなる。一
方、強磁性層33にCo90Fe10を用いた場合、強磁性
層33の厚みtを20nmよりも大きく設定することで
強磁性層33の磁気膜厚は30.24mAよりも大きく
なり、フリー層27の磁気膜厚よりも大きくなる。ま
た、強磁性層33にFeTa(飽和磁化MS*:1.51
2×106A/m)を用いた場合、強磁性層33の厚み
tを20nmよりも大きく設定することで強磁性層33
の磁気膜厚は30.24mAよりも大きくなり、Co90
Fe10を用いたフリー層27の磁気膜厚よりも大きくな
る。なお、Feの飽和磁化は1714kA/m、Coの
飽和磁化は1422kA/m、Niの飽和磁化は484
kA/m、Ni80Fe20の飽和磁化は796kA/mで
ある。
【0034】反強磁性層35は、強磁性層33と電極層
15との間に配置されており、フリー層27の両側領域
に一対配置される。この反強磁性層35は、IrMn、
PtMn、NiO、RuRhMn等の導電性を有する反
強磁性体を材料とし、強磁性層33上に成膜後パターン
ニングする(イオンミリング、RIE等の手法が利用可
能である)ことにより形成することができる。強磁性層
33は、反強磁性層35によりその磁化方向が固定され
ることとなる。反強磁性層35の厚みは2nm〜30n
mに設定される。一対の反強磁性層35の間隔は、最狭
位置において、0.1μm程度に設定されている。
【0035】電極層15は、フリー層27の両側にフリ
ー層27と当該重なるように互いに離間して配置され、
フリー層27に電流(センス電流)を供給する。この電
極層15は、Au、Ag等の導電性材料からなり、層構
造体13及び保護層29上に成膜される。電極層15上
には保護層30が成膜されており、この保護層30はT
a、Al23等からなる。一方の電極層15から供給さ
れた電子は、一方の層構造体13、フリー層27、非磁
性層11、他方の層構造体13を介して、他方の電極層
15に伝達される。なお、電流は電子とは逆方向に流れ
ることとなる。一対の電極層15の間隔は、最狭位置に
おいて、0.1μm程度に設定されており、硬磁性層9
の間隔よりも小さく設定されている。
【0036】フリー層27の両側領域において、フリー
層27の一部が電極層15と重なることとなり、層構造
体13(非磁性層31、強磁性層33及び反強磁性層3
5)はフリー層27の両側領域における電極層15と重
なっている部分と電極層15との間に配置される。フリ
ー層27における電極層15と重なっていない部分がト
ラック部分として機能する。光学トラック幅は、0.1
μm程度に設定されることとなる。
【0037】上部ギャップ層17は、Al23、Al
N、SiO2等の非磁性絶縁材料からなり、保護層29
及び非磁性層11上に成膜される。上部ギャップ層17
の厚みは5nm〜30nmに設定される。上部磁気シー
ルド層19は、NiFe、センダスト、FeCo、Fe
CoNi等の軟磁性体を材料とし、上部ギャップ層17
上に成膜される。上部磁気シールド層19の厚みは0.
5μm〜4μmに設定される。各シールド層3,19は
軟磁性体材料からなるため、検出対象の磁化遷移領域か
らの漏洩磁界以外の漏洩磁界のMR素子7内部への導入
を抑制する。
【0038】上述の「軟磁性」及び「硬磁性」なる語は
保持力の大きさを示す規定であるが、全体として「軟磁
性」及び「硬磁性」の機能を奏するものであれば、たと
えば、微視的或いは特定領域において規定外の材料或い
は構造を有するものであってもよい。たとえば、異なる
磁気特性の材料を磁気的に交換結合させたものや一部分
に非磁性体が含まれるものでもあっても、全体として軟
磁性及び硬磁性の機能を奏するものであればよい。
【0039】次に、薄膜磁気ヘッドMH1の機能につい
て説明する。フリー層27は、硬磁性層9によって、ト
ラック幅方向に単磁区化されている。フリー層27の磁
化の向きは、磁化遷移領域からの漏洩磁界によって、す
なわち磁化遷移領域がN極であるかS極であるかによっ
て、変化する。ピンド層23の磁化の向きはピン層21
によって固定されているので、フリー層27とピンド層
23の磁化方向間の余弦に対応する抵抗変化により、一
対の電極層15間における電子の伝達率(電流)が変化
することとなる。この電流の変化を検出することで、磁
気記録媒体の検出対象の磁化遷移領域からの漏洩磁界が
検出される。なお、供給電流(センス電流)を一定とし
つつ電圧を検出することで磁界検出を行なうこともで
き、一般にはこのような形式の検出が用いられる。
【0040】なお、データの磁気記録についても若干の
説明をしておく。薄膜磁気ヘッドMH1の磁気検出素子
MD上には磁気データを書き込むための磁界形成素子R
Dが機械的に結合している。磁気記録媒体の磁化遷移領
域への書き込みは、磁界形成素子RDからの漏洩磁界に
よって行われる。
【0041】以上説明したように、本第1実施形態によ
れば、反強磁性層35により磁化方向が固定され且つ磁
気膜厚がフリー層27の磁気膜厚よりも大きく設定され
た強磁性層33がフリー層27の両側領域における電極
層15と重なっている部分と電極層15との間に配置さ
れているので、外部磁界が印加されると、フリー層27
における電極層15と重なっている部分の磁化はトラッ
ク部分のフリー層27の磁化とは逆方向に向くこととな
る。これにより、フリー層27の両側領域における読み
にじみを低減して、実効トラック幅の拡大を抑制するこ
とができる。
【0042】また、本第1実施形態においては、フリー
層27及び強磁性層33は同じ材料からなり、強磁性層
33の厚みはフリー層27の厚みよりも大きく設定され
ている。これにより、強磁性層33の磁気膜厚をフリー
層27の磁気膜厚よりも大きくした構成を容易に実現す
ることができる。
【0043】(第2実施形態)図2は薄膜磁気ヘッドM
H2の断面構造を説明するための要部拡大概略図であ
る。薄膜磁気ヘッドMH2は、層構造体13が永久磁石
層(固定磁化層)を更に含む点で薄膜磁気ヘッドMH1
と相違する。
【0044】層構造体13は、非磁性層31、強磁性層
33、反強磁性層35及び永久磁石層37を含んでい
る。永久磁石層37は、反強磁性層35と電極層15と
の間に配置されており、フリー層27の両側領域に一対
配置される。この永久磁石層37は、CoCr、CoC
rTa、CoCrTaPt、CoCrPt、CoNiP
t、CoNiCr、CoPt、CoTa等の導電性を有
する反強磁性体を材料とし、その磁化方向は、強磁性層
33の磁化方向とは反対の方向に固定される。永久磁石
層37の厚みは5nm〜100nmに設定される。一対
の永久磁石層37の間隔は、最狭位置において、0.1
μm程度に設定されている。なお、永久磁石層37は、
反強磁性層35上に成膜後パターンニングする(イオン
ミリング、RIE等の手法が利用可能である)ことによ
り形成することができる。
【0045】以上説明したように、本第2実施形態によ
れば、反強磁性層35により磁化方向が固定され且つ磁
気膜厚がフリー層27の磁気膜厚よりも大きく設定され
た強磁性層33がフリー層27の両側領域における電極
層15と重なっている部分と電極層15との間に配置さ
れているので、上述した第1実施形態と同様に、フリー
層27の両側領域における読みにじみを低減して、実効
トラック幅の拡大を抑制することができる。
【0046】また、本第2実施形態において、層構造体
13は、反強磁性層35と電極層15との間に配置さ
れ、強磁性層33の磁化方向とは反対の方向に磁化方向
が固定された永久磁石層37を更に含んでいる。これに
より、強磁性層33と永久磁石層37との間で閉じた磁
界が形成されやすくなり、当該強磁性層33から発生す
る漏れ磁界がフリー層27のトラック部分に及ぼす影響
が低く抑えられることとなる。これにより、強磁性層3
3から発生する漏れ磁界がフリー層27のトラック部分
に吸収されてノイズ成分となるのを抑制することができ
る。この結果、フリー層27のトラック部分にて磁気記
録媒体から漏洩する磁界を適切に検出することができ、
再生出力を安定させることができる。また、強磁性層3
3との間で閉じた磁界を形成し得る構成を簡易且つ容易
に実現することができる。
【0047】(第3実施形態)図3は薄膜磁気ヘッドM
H3の断面構造を説明するための要部拡大概略図であ
る。薄膜磁気ヘッドMH3は、層構造体13が強磁性層
(固定磁化層)を更に含む点等で薄膜磁気ヘッドMH1
と相違する。
【0048】層構造体13は、非磁性層31、第1の強
磁性層33(第1及び第2実施形態における強磁性層3
3に相当)、第1の反強磁性層35(第1及び第2実施
形態における反強磁性層35に相当)、非磁性層41、
第2の強磁性層43及び第2の反強磁性層45を含んで
いる。
【0049】非磁性層41は、第2の強磁性層43と第
1の反強磁性層35との間に配置されており、フリー層
27の両側領域に一対配置される。非磁性層31の厚み
は0.3nm〜2nmに設定される。非磁性層41は、
Ta、Cu、Ru、Rh、Ir、Au、Ag等の導電性
を有する非磁性体を材料とし、その厚みは0.3nm〜
2nmに設定される。なお、非磁性層41は、第1の反
強磁性層35上に成膜後パターンニングする(イオンミ
リング、RIE等の手法が利用可能である)ことにより
形成することができる。この非磁性層41は、第2の強
磁性層43と第1の反強磁性層35との間の交換結合力
を断ち切るためのものである。このため、非磁性層41
を設ける代わりに、第2の強磁性層43と第1の反強磁
性層35の界面を粗しておくことで、第2の強磁性層4
3と第1の反強磁性層35との間の交換結合力を断ち切
るようにしてもよい。
【0050】第2の強磁性層43は、非磁性層41と第
2の反強磁性層45との間に配置されており、フリー層
27の両側領域に一対配置される。この第2の強磁性層
43は、Fe、Co、Ni、NiFe、CoFe、Fe
Ta等の導電性を有する強磁性体を材料とし、非磁性層
41上に成膜後パターンニングする(イオンミリング、
RIE等の手法が利用可能である)ことにより形成する
ことができる。第2の強磁性層43の厚みは1nm〜4
nmに設定される。一対の第2の強磁性層43の間隔
は、最狭位置において、0.1μm程度に設定されてい
る。
【0051】第2の反強磁性層45は、第2の強磁性層
43と電極層15との間に配置されており、フリー層2
7の両側領域に一対配置される。この第2の反強磁性層
45は、導電性を有する反強磁性体を材料とし、第2の
強磁性層43上に成膜後パターンニングする(イオンミ
リング、RIE等の手法が利用可能である)ことにより
形成することができる。第2の強磁性層43は、第2の
反強磁性層45によりその磁化方向が、第1の強磁性層
33の磁化方向とは反対の方向に固定されることとな
る。第2の反強磁性層45の厚みは2nm〜30nmに
設定される。一対の第2の反強磁性層45の間隔は、最
狭位置において、0.1μm程度に設定されている。
【0052】第1の強磁性層33の磁化方向と第2の強
磁性層43の磁化方向とを反対とするためには、製造上
の要請から、第1の反強磁性層35と第2の反強磁性層
45とで異なるネール温度を有する材料を用いることが
好ましい。第1の反強磁性層35に用いられる材料のネ
ール温度が第2の反強磁性層45に用いられる材料のネ
ール温度よりも低い場合における、第1の強磁性層33
と第2の強磁性層43との磁化方向を固定する手順は以
下のとおりである。
【0053】まず、第1の強磁性層33、第1の反強磁
性層35、第2の強磁性層43及び第2の反強磁性層4
5が積層された状態で、第1の強磁性層33、第1の反
強磁性層35、第2の強磁性層43及び第2の反強磁性
層45を、第1の反強磁性層35に用いられる材料と第
2の反強磁性層45に用いられる材料とのネール温度よ
り高い温度まで昇温する。次いで、第1の方向に磁界を
印加した状態で、第1の強磁性層33、第1の反強磁性
層35、第2の強磁性層43及び第2の反強磁性層45
を、第2の反強磁性層45に用いられる材料のネール温
度より低く且つ第1の反強磁性層35に用いられる材料
のネール温度より高い温度まで降温する。これにより、
第2の強磁性層43の磁化方向が固定されることとな
る。
【0054】そして、第1の方向とは反対方向である第
2の方向に磁界を印加した状態で、第1の反強磁性層3
5に用いられる材料のネール温度より低い温度まで降温
する。これにより、第1の強磁性層33の磁化方向が固
定されることとなる。
【0055】なお、第1の反強磁性層35に用いられる
材料のネール温度が第2の反強磁性層45に用いられる
材料のネール温度よりも高い場合には、上述した手順と
は逆となり、まず第1の強磁性層33の磁化方向を固定
し、その後に第2の強磁性層43の磁化方向を固定する
ことになる。
【0056】第1の反強磁性層35として、たとえば、
300℃より低いネール温度を有する、FeMn(ネー
ル温度:150℃〜200℃)、IrMn(ネール温
度:200℃〜250℃)、RuRhMn(ネール温
度:200℃〜250℃)等を用い、第2の反強磁性層
45として、たとえば、300℃より高いネール温度を
有する、PtMn(ネール温度:320℃程度)、Ni
Mn(ネール温度:350℃程度)等を用いることがで
きる。
【0057】以上説明したように、本第3実施形態によ
れば、第1の反強磁性層35により磁化方向が固定され
且つ磁気膜厚がフリー層27の磁気膜厚よりも大きく設
定された第1の強磁性層33がフリー層27の両側領域
における電極層15と重なっている部分と電極層15と
の間に配置されているので、上述した第1及び第2実施
形態と同様に、フリー層27の両側領域における読みに
じみを低減して、実効トラック幅の拡大を抑制すること
ができる。
【0058】また、本第3実施形態において、層構造体
13は、第1の反強磁性層35と電極層15との間に配
置され、第2の反強磁性層45により第1の強磁性層3
3の磁化方向とは反対の方向に磁化方向が固定された第
2の強磁性層43を更に含んでいる。これにより、第1
の強磁性層33と第2の強磁性層43との間で閉じた磁
界が形成されやすくなり、当該第1の強磁性層33から
発生する漏れ磁界がフリー層27のトラック部分に及ぼ
す影響が低く抑えられることとなる。これにより、第1
の強磁性層33から発生する漏れ磁界がフリー層27の
トラック部分に吸収されてノイズ成分となるのを抑制す
ることができる。この結果、フリー層27のトラック部
分にて磁気記録媒体から漏洩する磁界を適切に検出する
ことができ、再生出力を安定させることができる。
【0059】本発明の薄膜磁気ヘッドにおける、実効ト
ラック幅の拡大を抑制する効果を確認する試験を行っ
た。試験としては、以下の実施例1、比較例1及び2に
ついて、光学トラック幅及び実効トラック幅を測定し
た。光学トラック幅は、走査型電子顕微鏡(SEM)を
用いて測定した。また、実効トラック幅は、ピークから
6dB下がった位置でのトラックプロファイルの幅とし
ている。なお、トラックプロファイルは、磁気記録媒体
に所定のトラック幅(たとえば、0.05μm程度)の
細い領域に信号を記録し、この信号記録部分を磁気検出
素子(MR素子)に対してトラック幅方向に移動させる
ことによって求められる。実施例1、比較例1及び2に
おいて、MR素子等の構成は、 NiCr50/PtMn130/CoFe18/Ru8
/CoFe18/Cu18/CoFe20/Ru5(数
値の単位はÅ) とした。
【0060】(実施例1)層構造体の構成は、 CoFe33/IrMn50(数値の単位はÅ) とした。実施例1は上述した第1実施形態の構成に対応
している。
【0061】測定結果を表1に示す。
【表1】
【0062】(比較例1)比較例1は、層構造体を有さ
ない構成となっている。
【0063】測定結果を表2に示す。
【表2】
【0064】(比較例2)層構造体の構成は、 CoFe15/IrMn50(数値の単位はÅ) とした。比較例2は上述した第1実施形態の構成に対応
しているが、層構造体に含まれる強磁性層の磁気膜厚は
フリー層の磁気膜厚よりも小さく設定されている。
【0065】測定結果を表3に示す。
【表3】
【0066】上記した測定結果から分かるように、比較
例1においては、光学トラック幅が0.2μmより小さ
くなると、読みにじみが顕著に表れている。また、実施
例1と比較例2とを比べると、同じ光学トラック幅であ
っても、実施例1の方が実効トラック幅が狭くなってい
る。以上の結果、本発明の有効性が確認された。
【0067】次に、上述の薄膜磁気ヘッドMH1〜MH
3を用いた薄膜磁気ヘッド組立体HGAについて説明す
る。
【0068】図4は、薄膜磁気ヘッド組立体HGA主要
部の側面図である。薄膜磁気ヘッド組立体HGAは、薄
膜磁気ヘッドとして上記第1実施形態の薄膜磁気ヘッド
MH1を備えている。もちろん、第1実施形態の薄膜磁
気ヘッドMH1の代わりに、第2実施形態の薄膜磁気ヘ
ッドMH2あるいは第3実施形態の薄膜磁気ヘッドMH
3を用いるようにしてもよい。
【0069】この薄膜磁気ヘッド組立体HGAは、薄膜
磁気ヘッドMH1に加えて可撓性部材51を備えてい
る。可撓性部材51は、その長手方向と厚み方向を含む
平面内において撓むことができる。薄膜磁気ヘッドMH
1は、MR素子7における各層21,23,25,27
の積層方向と上記長手方向が略一致するように可撓性部
材51に取り付けられる。薄膜磁気ヘッドMH1は、非
磁性基板1をスライダとする機能素子であって、スライ
ダ1はMR素子7における各層21,23,25,27
の積層方向に沿って延びる凹溝53を有している。この
凹溝53は薄膜磁気ヘッドMH1浮上時の空力特性を規
定する。
【0070】薄膜磁気ヘッドMH1が取り付けられた可
撓性部材51は、薄膜磁気ヘッドMH1の受ける力によ
って厚み方向に撓むこととなる。MR素子7における各
層21,23,25,27の積層方向(可撓性部材51
の長手方向)は記録媒体の磁化遷移領域が連続してなる
トラック周方向に略一致する。
【0071】次に、上述の薄膜磁気ヘッドMH1〜MH
3(薄膜磁気ヘッド組立体HGA)を用いた記憶装置H
Dについて説明する。
【0072】図5は記憶装置HDの平面図である。この
記憶装置HDは筐体61を備えている。筐体61内部に
は薄膜磁気ヘッドMH1を有する薄膜磁気ヘッド組立体
HGAに加えて磁気記録媒体RMが配置される。なお、
薄膜磁気ヘッド組立体HGAは、可撓性部材51の長手
方向の一端部が固定されるアーム63を有するヘッド・
ジンバル・アセンブリである。アーム63が中央部近傍
に設けられた回転軸65を中心として回転すると、薄膜
磁気ヘッドMH1が磁気記録媒体RMの径方向に沿って
移動する。また、磁気記録媒体RMは円盤状であって、
その周方向に沿って磁化遷移領域が連続してなるトラッ
クを有し、円盤の中心に設けられた回転軸67を中心と
して回転すると磁化遷移領域は薄膜磁気ヘッドMH1に
対して相対的に移動する。
【0073】薄膜磁気ヘッドMH1(MR素子7)は、
MR素子7における各層21,23,25,27の積層
方向に平行な面が磁気記録媒体RMに対向するように配
置されており、磁気記録媒体RMの磁化遷移領域からの
漏洩磁界を検出することができる。このMR素子7にお
ける各層21,23,25,27の積層方向に平行な面
がエアベアリング面ABSとなる。なお、磁気記録媒体
RMへの記録方式としては長手磁気記録方式や垂直磁気
記録方式等を用いることができる。
【0074】以上説明したように、上記の薄膜磁気ヘッ
ド組立体HGA及び記憶装置HDでは、薄膜磁気ヘッド
が第1〜第3実施形態の薄膜磁気ヘッドMH1〜MH3
とされるので、フリー層27の両側領域における読みに
じみを低減して実効トラック幅の拡大を抑制することが
できる。また、薄膜磁気ヘッドとして第2及び第3実施
形態の薄膜磁気ヘッドMH2,MH3を用いた場合に
は、トラック部分のフリー層27にて磁気記録媒体RM
から漏洩する磁界を適切に検出して再生出力を安定させ
ることができる。
【0075】次に、図6(a)〜(e)及び図7(a)
〜(e)を参照して、薄膜磁気ヘッド、特に、薄膜磁気
ヘッドに含まれるMR素子及び層構造体の製造方法につ
いて説明する。なお、以下の説明においては、薄膜磁気
ヘッドとしては、第2実施形態の薄膜磁気ヘッドMH2
に対応する構成のものを用いる。図6(a)〜(e)及
び図7(a)〜(e)は、薄膜磁気ヘッドに含まれるM
R素子及び層構造体の製造方法を説明するための説明図
である。
【0076】図6(a)〜(e)に基づいて、薄膜磁気
ヘッドに含まれるMR素子及び層構造体の製造方法の一
例を説明する。
【0077】まず、図6(a)に示されるように、各層
21,23,25,27,31,33,35,37を規
定の厚みになるまで順次積層して、MR素子7及び層構
造体13を形成する。層構造体13は、MR素子7の上
に形成される。各層21,23,25,27,31,3
3,35,37の形成方法としては、スパッタリング法
を用いることができる。
【0078】続いて、図6(b)に示されるように、上
記工程によって形成された層構造体13(永久磁石層3
7)上に、所望パターンのレジスト層71を形成する。
レジスト層71の形成は、フォトリソグラフィ法を用い
ることができる。
【0079】次に、図6(c)に示されるように、上記
工程によって形成されたレジスト層71をマスクとし
て、層構造体13(永久磁石層37)上に金属層81を
形成する。金属層81は、Ta、TiW、Mo等を原材
料とするスパッタリング法を用いて形成することができ
る。
【0080】次に、図6(d)に示されるように、レジ
スト層71を除去(リフトオフ)する。これにより、層
構造体13(永久磁石層37)の表面の一部領域が露出
することとなる。
【0081】そして、図6(e)に示されるように、上
記工程によって形成された金属層81をマスクとして、
露出した一部領域を表面側から非磁性層31の表面まで
深さ方向に沿って除去し、金属層81によりマスクされ
た部分の強磁性層33、反強磁性層35及び永久磁石層
37を残留させる。残留した部分の間隔は、光学トラッ
ク幅となる。上記除去には、RIE法を用いることがで
きる。
【0082】以上のように、図6(a)〜(e)に示さ
れた製造方法によれば、フリー層27において、層構造
体13(強磁性層33、反強磁性層35及び永久磁石層
37)が配置される部分と当該層構造体13(強磁性層
33、反強磁性層35及び永久磁石層37)が配置され
ない部分とが形成される。フリー層27における層構造
体13(強磁性層33、反強磁性層35及び永久磁石層
37)が配置される部分の磁化は、外部磁界が印加され
ると、フリー層27における層構造体13(強磁性層3
3、反強磁性層35及び永久磁石層37)が配置されて
いない部分(フリー層27のトラック部分に相当する部
分)の磁化とは逆方向に向くこととなる。これにより、
フリー層27における層構造体13(強磁性層33、反
強磁性層35及び永久磁石層37)が配置される部分で
の読みにじみを低減して、実効トラック幅の拡大を抑制
することができる。また、非磁性層31を残すように層
構造体13の一部を除去しているので、当該非磁性層3
1にてフリー層27を保護することもできる。
【0083】また、図6(a)〜(e)に示された製造
方法において、層構造体13を形成する工程を行なうに
際して、反強磁性層35の上に永久磁石層37を更に積
層している。これにより、層構造体13に含まれる強磁
性層33との間で閉じた磁界を形成し得る構成を簡易且
つ容易に実現することができる。
【0084】続いて、図7(a)〜(e)に基づいて、
薄膜磁気ヘッドに含まれるMR素子及び層構造体の製造
方法の一例を説明する。
【0085】まず、図7(a)に示されるように、各層
21,23,25,27,31,33を規定の厚みにな
るまで順次積層して、MR素子7及び第1の層構造体1
3aを形成する。第1の層構造体13aは、MR素子7
の上に形成される。各層21,23,25,27,3
1,33の形成方法としては、スパッタリング法を用い
ることができる。
【0086】続いて、図7(b)に示されるように、上
記工程によって形成された第1の層構造体13a(強磁
性層33)上に、所望パターンのレジスト層73を形成
する。レジスト層73の形成は、フォトリソグラフィ法
を用いることができる。
【0087】次に、図7(c)に示されるように、上記
工程によって形成されたレジスト層73をマスクとし
て、第1の層構造体13a(強磁性層33)上に各層3
5,37を規定の厚みになるまで順次積層して、第2の
層構造体13bを形成する。各層35,37の形成方法
としては、スパッタリング法を用いることができる。続
いて、図7(c)に示されるように、レジスト層71を
マスクとして、第2の層構造体13b(永久磁石層3
7)上に金属層81を形成する。金属層81は、上述し
たように、Ta、TiW、Mo等を原材料とするスパッ
タリング法を用いて形成することができる。
【0088】次に、図7(d)に示されるように、レジ
スト層73を除去(リフトオフ)する。これにより、第
1の層構造体13a(強磁性層33)の表面の一部領域
が露出することとなる。
【0089】そして、図7(e)に示されるように、上
記工程によって形成された金属層81をマスクとして、
露出した一部領域を表面側から非磁性層31の表面まで
深さ方向に沿って除去し、金属層81によりマスクされ
た部分の強磁性層33、反強磁性層35及び永久磁石層
37を残留させる。残留した部分の間隔は、光学トラッ
ク幅となる。また、第1の層構造体13aと第2の層構
造体13bとで、層構造体13が構成されることとな
る。上記除去には、RIE法を用いることができる。
【0090】以上のように、図7(a)〜(e)に示さ
れた製造方法によれば、フリー層27において、第1及
び第2の層構造体13a,13b(強磁性層33、反強
磁性層35及び永久磁石層37)が配置される部分と当
該第1及び第2の層構造体13a,13b(強磁性層3
3、反強磁性層35及び永久磁石層37)が配置されな
い部分とが形成される。フリー層27における第1及び
第2の層構造体13a,13b(強磁性層33、反強磁
性層35及び永久磁石層37)が配置される部分の磁化
は、外部磁界が印加されると、フリー層27における第
1及び第2の層構造体13a,13b(強磁性層33、
反強磁性層35及び永久磁石層37)が配置されていな
い部分(フリー層27のトラック部分に相当する部分)
の磁化とは逆方向に向くこととなる。これにより、フリ
ー層27における第1及び第2の層構造体13a,13
b(強磁性層33、反強磁性層35及び永久磁石層3
7)が配置される部分での読みにじみを低減して、実効
トラック幅の拡大を抑制することができる。また、非磁
性層31を残すように強磁性層33を除去しているの
で、当該非磁性層31にてフリー層27を保護すること
もできる。
【0091】また、図7(a)〜(e)に示された製造
方法において、第2の層構造体13bを形成する工程を
行なうに際して、反強磁性層35の上に永久磁石層37
を更に積層している。これにより、第1の層構造体13
aに含まれる強磁性層33との間で閉じた磁界を形成し
得る構成を簡易且つ容易に実現することができる。
【0092】本発明は、上述した実施形態に限定される
ものではない。たとえば、各層の構造は単一の材料から
なる必要はなく、全体として規定の機能を奏するもので
あれば、複数の材料からなることとしてもよく、たとえ
ば、合金として、混在して或いは層構造の組み合わせと
してもよい。また、これらの層間に他の層が介在するこ
ととしてもよい。
【0093】また、本実施形態においては、薄膜磁気ヘ
ッドMH1〜MH3が再生ヘッドとしての磁気検出素子
MDと、記録ヘッドとしての磁界形成素子RDとを備え
ているが、磁気検出素子MDのみを備えるものであって
もよい。
【0094】また、上述した薄膜磁気ヘッドに含まれる
MR素子及び層構造体の製造方法については、薄膜磁気
ヘッドとして、第2実施形態の薄膜磁気ヘッドMH2に
対応する構成のものに適用した例を説明したが、第1及
び第3実施形態の薄膜磁気ヘッドMH1,3に対応する
構成のものにも適用することができる。
【0095】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明に
よれば、フリー層の両側領域における読みにじみを低減
して、実効トラック幅の拡大を抑制することが可能な薄
膜磁気ヘッド、当該薄膜磁気ヘッドを備える薄膜磁気ヘ
ッド組立体及び記憶装置、並びに薄膜磁気ヘッドの製造
方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る薄膜磁気ヘッドの断面構造
を説明するための概略図である。
【図2】第2実施形態に係る薄膜磁気ヘッドの断面構造
を説明するための要部拡大概略図である。
【図3】第3実施形態に係る薄膜磁気ヘッドの断面構造
を説明するための要部拡大概略図である。
【図4】薄膜磁気ヘッド組立体主要部の側面図である。
【図5】図4に示す薄膜磁気ヘッド組立体を用いた記憶
装置の平面図である。
【図6】薄膜磁気ヘッドに含まれるMR素子及び層構造
体の製造方法を説明するための説明図である。
【図7】薄膜磁気ヘッドに含まれるMR素子及び層構造
体の製造方法を説明するための説明図である。
【符号の説明】
7…磁気抵抗効果素子(MR素子)、9…硬磁性層、1
3…層構造体、13a…第1の層構造体、13b…第2
の層構造体、15…電極層、21…ピン層、23…ピン
ド層、25…非磁性層、27…フリー層、31…非磁性
層、33…強磁性層(第1の強磁性層)、35…反強磁
性層(第1の反強磁性層)、37…永久磁石層、41…
非磁性層、43…第2の強磁性層、45…第2の反強磁
性層、51…可撓性部材、71,73…レジスト層、8
1…金属層、HD…記憶装置、HGA…薄膜磁気ヘッド
組立体、MD…磁気検出素子、MH1〜3…薄膜磁気ヘ
ッド、RM…磁気記録媒体。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年10月18日(2002.10.
18)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る薄膜磁気ヘ
ッドは、外部磁界に応じて磁化の向きが変化するフリー
層を含む磁気抵抗効果素子と、フリー層の両側に当該フ
リー層と重なるように互いに離間して配置されて磁気抵
抗効果素子に電流を供給するための一対の電極層と、磁
気抵抗効果素子を挟むように配置されてフリー層にバイ
アス磁界を印加する硬磁性層と、を備えた薄膜磁気ヘッ
ドであって、フリー層の両側領域における電極層と重な
っている部分と電極層との間に配置される層構造体を有
し、層構造体は、磁化方向が固定される導電性の強磁性
層と、強磁性層とフリー層との間に配置される導電性の
非磁性層と、強磁性層と電極層との間に配置され、強磁
性層の磁化方向を固定する導電性の反強磁性層と、を含
み、強磁性層の磁気膜厚はフリー層の磁気膜厚よりも大
きく設定されており、外部磁界が印加されると、フリー
層における電極層と重なっている部分の磁化はフリー層
におけるトラック部分の磁化とは逆方向に向くことを特
徴としている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】そして、本発明に薄膜磁気ヘッドの製造方
法は、上記薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、磁気抵
抗効果素子の上に、導電性の非磁性層と導電性の強磁性
層と導電性の反強磁性層とを順次積層して層構造体を形
成する工程と、層構造体の上に所望パターンのレジスト
層を形成する工程と、レジスト層をマスクとして層構造
体の上に金属層を形成する工程と、レジスト層を除去す
る工程と、金属層をマスクとして、非磁性層を残すよう
に層構造体の一部を除去する工程と、を含むことを特徴
としている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】また、本発明に薄膜磁気ヘッドの製造方法
は、上記薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、磁気抵抗
効果素子の上に、導電性の非磁性層と導電性の強磁性層
とを順次積層して第1の層構造体を形成する工程と、強
磁性層の上に所望パターンのレジスト層を形成する工程
と、レジスト層をマスクとして強磁性層の上に少なくと
も導電性の反強磁性層を積層して第2の層構造体を形成
する工程と、レジスト層をマスクとして第2の層構造体
の上に金属層を形成する工程と、レジスト層を除去する
工程と、金属層をマスクとして、非磁性層を残すように
強磁性層を除去する工程と、を含むことを特徴としてい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 照沼 幸一 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5D034 BA02 BA03 BA04 BA05 BA12 CA04 CA08 DA07

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部磁界に応じて磁化の向きが変化する
    フリー層を含む磁気抵抗効果素子と、前記フリー層の両
    側に当該フリー層と重なるように互いに離間して配置さ
    れて前記磁気抵抗効果素子に電流を供給するための一対
    の電極層と、を備えた薄膜磁気ヘッドであって、 前記フリー層の両側領域における前記電極層と重なって
    いる部分と前記電極層との間に配置される層構造体を有
    し、 前記層構造体は、 磁化方向が固定される導電性の強磁性層と、 前記強磁性層と前記フリー層との間に配置される導電性
    の非磁性層と、 前記強磁性層と前記電極層との間に配置され、前記強磁
    性層の磁化方向を固定する導電性の反強磁性層と、を含
    んでおり、 前記強磁性層の磁気膜厚は前記フリー層の磁気膜厚より
    も大きく設定されていることを特徴とする薄膜磁気ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 前記フリー層及び前記強磁性層は同じ材
    料からなり、前記強磁性層の厚みは前記フリー層の厚み
    よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1
    に記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記層構造体は、 前記反強磁性層と前記電極層との間に配置され、前記強
    磁性層の磁化方向とは反対の方向に磁化方向が固定され
    た固定磁化層を更に含むことを特徴とする請求項1に記
    載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記固定磁化層は、永久磁石層を含むこ
    とを特徴とする請求項3に記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記固定磁化層は、磁化方向が固定され
    る導電性の強磁性層を含んでおり、 前記層構造体は、前記固定磁化層に含まれる前記強磁性
    層と前記電極層との間に配置され、当該強磁性層の磁化
    方向を固定する導電性の反強磁性層を更に含むことを特
    徴とする請求項3に記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の薄
    膜磁気ヘッドと、当該薄膜磁気ヘッドが取り付けられる
    可撓性部材と、を備えることを特徴とする薄膜磁気ヘッ
    ド組立体。
  7. 【請求項7】 信号を磁気的に記録する磁気記録媒体
    と、前記磁気記録媒体から漏洩する磁界の変化を電気信
    号に変換する請求項1〜5のいずれか一項に記載の薄膜
    磁気ヘッドと、を備えることを特徴とする記憶装置。
  8. 【請求項8】 外部磁界に応じて磁化の向きが変化する
    フリー層を含む磁気抵抗効果素子を備えた薄膜磁気ヘッ
    ドの製造方法であって、 前記磁気抵抗効果素子の上に、導電性の非磁性層と導電
    性の強磁性層と導電性の反強磁性層とを順次積層して層
    構造体を形成する工程と、 前記層構造体の上に所望パターンのレジスト層を形成す
    る工程と、 前記レジスト層をマスクとして前記層構造体の上に金属
    層を形成する工程と、 前記レジスト層を除去する工程と、 前記金属層をマスクとして、前記非磁性層を残すように
    前記層構造体の一部を除去する工程と、を含むことを特
    徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記層構造体を形成する工程において、
    前記反強磁性層の上に永久磁石層を更に積層することを
    特徴とする請求項8に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 外部磁界に応じて磁化の向きが変化す
    るフリー層を含む磁気抵抗効果素子を備えた薄膜磁気ヘ
    ッドの製造方法であって、 前記磁気抵抗効果素子の上に、導電性の非磁性層と導電
    性の強磁性層とを順次積層して第1の層構造体を形成す
    る工程と、 前記強磁性層の上に所望パターンのレジスト層を形成す
    る工程と、 前記レジスト層をマスクとして前記強磁性層の上に少な
    くとも導電性の反強磁性層を積層して第2の層構造体を
    形成する工程と、 前記レジスト層をマスクとして前記第2の層構造体の上
    に金属層を形成する工程と、 前記レジスト層を除去する工程と、 前記金属層をマスクとして、前記非磁性層を残すように
    前記強磁性層を除去する工程と、を含むことを特徴とす
    る薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第2の層構造体を形成する工程に
    おいて、前記反強磁性層の上に永久磁石層を更に積層す
    ることを特徴とする請求項10に記載の薄膜磁気ヘッド
    の製造方法。
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