JP3828428B2 - 薄膜磁気ヘッド、薄膜磁気ヘッド組立体及び記憶装置 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド、薄膜磁気ヘッド組立体及び記憶装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜磁気ヘッド、薄膜磁気ヘッド組立体及び記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハードディスク等の磁気記録媒体の高密度化に伴い、薄膜磁気ヘッドの性能向上が要求されている。薄膜磁気ヘッドとしては、読み出し用の磁気抵抗効果素子(以下、MR(Magneto Resistive)素子という)を有する再生ヘッドが含まれる。再生ヘッドの特性としては、バルクハウゼンノイズが小さいことが要求される。バルクハウゼンノイズを低減するためには、MR素子を挟むように硬質磁性層を配置して、MR素子に対してバイアス磁界を印加してMR素子に含まれるフリー層を単磁区化することが行われている。
【0003】
ところで、MR素子(フリー層)を挟むように硬質磁性層を配置すると、MR素子における硬質磁性層に隣接する端部近傍に、硬質磁性層からの磁界によって磁化の方向が固定されて信号磁界を検知することが出来ない領域(以下、不感領域という)が生じることとなる。そのため、MR素子に電流(センス電流)を供給するための一対の電極層をMR素子に重ならないように配置した場合には、供給された電流が不感領域を通ることとなり、再生ヘッドとしての出力が低下するという問題が存在する。この問題を解決するためには、電極層をMR素子に部分的に重なるように配置することが行われている(たとえば、特開平8−45037号公報、特開平9−282618号公報、特開平11−31313号公報、特開2000−76629号公報等)。
【0004】
電極層をMR素子上に重なるように配置した場合、MR素子における電極層と重なっている部分には電流が流れにくくなり、直接的に再生ヘッドの出力に寄与することはない。しかしながら、MR素子における電極層と重なっている部分は、磁気記録媒体から漏洩する磁界を吸収するため、吸収された磁界がトラック中央部の高感度領域まで伝達し、実効トラック幅が拡大するという読みにじみの問題が生じることとなる。この問題を解決するものとして、特開2001−176032号公報には、感磁層(フリー層)の一部に、金属層を介して強磁性金属層と反強磁性的交換結合した部分を設け、その部分の再生感度を下げる技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フリー層の一部と金属層を介して反強磁性的交換結合する強磁性金属層を設けた構造の薄膜磁気ヘッドを再生ヘッドとして用いた場合、再生出力が不安定になるという新たな問題を有することが判明した。
【0006】
強磁性金属層の磁化の向きは硬質磁性層から印加されるバイアス磁界によるフリー層の磁化の向きと反対方向であるために、硬質磁性層から印加されるバイアス磁界が強磁性金属層から発生する漏れ磁界で相殺されることとなる。このため、フリー層のトラック部分における強磁性金属層近傍部分は単磁区化されにくく非常に不安定な状態となってしまう。このように、強磁性金属層から発生する漏れ磁界がトラック部分のフリー層に悪影響を及ぼして、トラック部分のフリー層にて磁気記録媒体から漏洩する磁界を適切に検出することができなくなる。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、フリー層の両側領域における読みにじみを低減すると共に、再生出力を安定させることが可能な薄膜磁気ヘッド、並びに当該薄膜磁気ヘッドを備える薄膜磁気ヘッド組立体及び記憶装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る薄膜磁気ヘッドは、外部磁界に応じて磁化の向きが変化するフリー層を含む磁気抵抗効果素子と、フリー層の両側に当該フリー層と重なるように互いに離間して配置されて磁気抵抗効果素子に電流を供給するための一対の電極層と、磁気抵抗効果素子を挟むように配置されてフリー層にバイアス磁界を印加する硬質磁性層と、を備えた薄膜磁気ヘッドであって、フリー層の両側領域における電極層と重なっている部分と電極層との間に当該電極層と接して配置されてフリー層に反強磁性的交換結合する導電性の強磁性層を有し、強磁性層の磁気膜厚はフリー層の磁気膜厚よりも小さく設定されていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る薄膜磁気ヘッドでは、フリー層に反強磁性的交換結合する強磁性層がフリー層の両側領域における電極層と重なっている部分と電極層との間に当該電極層と接して配置されているので、フリー層における電極層と重なっている部分は再生感度が低くなる。これにより、フリー層の両側領域における読みにじみを低減することができる。
【0010】
フリー層に反強磁性的交換結合する強磁性層の磁気膜厚がフリー層の磁気膜厚よりも小さく設定されているので、強磁性層から発生する漏れ磁界がトラック部分のフリー層に及ぼす影響が低く抑えられることとなる。これにより、トラック部分のフリー層にて磁気記録媒体から漏洩する磁界を適切に検出することができ、再生出力を安定させることができる。
【0011】
また、本発明に係る薄膜磁気ヘッドにおいて、フリー層と強磁性層との間に配置される導電性の非磁性層を更に有することが好適である。この場合には、フリー層と強磁性層との間において反強磁性的交換結合を適切且つ容易に生じさせることができる。また、この反強磁性的交換結合力を適切な値に管理することが容易に行える。
【0012】
また、本発明に係る薄膜磁気ヘッドにおいて、フリー層及び強磁性層は同じ材料からなり、強磁性層の厚みはフリー層の厚みよりも小さく設定されていることが好適である。この場合には、強磁性層の磁気膜厚をフリー層の磁気膜厚よりも小さくした構成を容易に実現することができる。
【0013】
一方、本発明に係る薄膜磁気ヘッドは、外部磁界に応じて磁化の向きが変化するフリー層を含む磁気抵抗効果素子と、フリー層の両側に当該フリー層と重なるように互いに離間して配置されて磁気抵抗効果素子に電流を供給するための一対の電極層と、磁気抵抗効果素子を挟むように配置されてフリー層にバイアス磁界を印加する硬質磁性層と、を備えた薄膜磁気ヘッドであって、フリー層の両側領域における電極層と重なっている部分と電極層との間に配置される層構造体を有し、層構造体は、フリー層に反強磁性的交換結合する導電性の第1強磁性層と、第1強磁性層に反強磁性的交換結合すると共に電極層と接する導電性の第2強磁性層と、を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る薄膜磁気ヘッドでは、フリー層に反強磁性的交換結合する第1強磁性層がフリー層の両側領域における電極層と重なっている部分と電極層との間に配置されているので、フリー層における電極層と重なっている部分は再生感度が低くなる。これにより、フリー層の両側領域における読みにじみを低減することができる。
【0015】
層構造体は第1強磁性層に反強磁性的交換結合すると共に電極層と接する第2強磁性層を含んでいるので、第1強磁性層と第2強磁性層との間で閉じた磁界が形成されやすくなり、第1強磁性層から発生する漏れ磁界がトラック部分のフリー層に及ぼす影響が低く抑えられることとなる。これにより、トラック部分のフリー層にて磁気記録媒体から漏洩する磁界を適切に検出することができ、再生出力を安定させることができる。
【0016】
また、本発明に係る薄膜磁気ヘッドにおいて、層構造体は、フリー層と第1強磁性層との間に配置される導電性の非磁性層を更に含むことが好適である。この場合には、フリー層と第1強磁性層との間において反強磁性的交換結合を適切且つ容易に生じさせることができる。また、この反強磁性的交換結合力を適切な値に管理することが容易に行える。
【0017】
また、本発明に係る薄膜磁気ヘッドにおいて、層構造体は、第1強磁性層と第2強磁性層との間に配置される導電性の非磁性層を更に含むことが好適である。この場合には、第1強磁性層と第2強磁性層との間において反強磁性的交換結合を適切且つ容易に生じさせることができる。また、この反強磁性的交換結合力を適切な値に管理することが容易に行える。
【0018】
また、本発明に係る薄膜磁気ヘッドにおいて、第1強磁性層の磁気膜厚と第2強磁性層の磁気膜厚とは同等に設定されていることが好適である。この場合には、第1強磁性層と第2強磁性層との間で閉じた磁界が形成された場合、フリー層に漏れる磁界が極めて少なくなり、第1強磁性層から発生する漏れ磁界がトラック部分のフリー層に及ぼす影響が極めて低く抑えられることとなる。なお、「同等」とは、材料の有する飽和磁化(Ms)と膜厚(t)との積Ms・tが等しいことを意味するものとする。
【0019】
本発明に係る薄膜磁気ヘッド組立体は、上記薄膜磁気ヘッドと、当該薄膜磁気ヘッドが取り付けられる可撓性部材と、を備えることを特徴としている。
【0020】
本発明に係る薄膜磁気ヘッド組立体では、薄膜磁気ヘッドが上記薄膜磁気ヘッドとされるので、上述したように、フリー層の両側領域における読みにじみを低減することができると共に、トラック部分のフリー層にて磁気記録媒体から漏洩する磁界を適切に検出して再生出力を安定させることができる。
【0021】
本発明に係る記憶装置は、情報を磁気的に記録する磁気記録媒体と、磁気記録媒体から漏洩する磁界の変化を電気信号に変換する上記薄膜磁気ヘッドと、を備えることを特徴としている。
【0022】
本発明に係る記憶装置では、薄膜磁気ヘッドが上記薄膜磁気ヘッドとされるので、上述したように、フリー層の両側領域における読みにじみを低減することができると共に、トラック部分のフリー層にて磁気記録媒体から漏洩する磁界を適切に検出して再生出力を安定させることができる。
【0023】
なお、本明細書において、磁気膜厚は、厚みt(m)の薄膜が有する単位面積あたりの磁荷のことであり、下記(1)式にて定義する。
磁気膜厚(A)=MS*×t … (1)
S*:飽和磁化(A/m)
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係る薄膜磁気ヘッド、薄膜磁気ヘッド組立体及び記憶装置について図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。なお、図1及び図2においては、断面を表すためのハッチングを省略している。
【0025】
(第1実施形態)
図1は薄膜磁気ヘッドMH1の断面構造を説明するための概略図である。薄膜磁気ヘッドMH1は、再生ヘッドとしての磁気検出素子MDと、記録ヘッドとしての磁界形成素子RDとを備えている。磁気検出素子MDは、非磁性基板1、下部磁気シールド層3、下部ギャップ層5、MR素子7、硬質磁性層9、非磁性層11、強磁性層13、電極層15、上部ギャップ層17、及び上部磁気シールド層19等を備えている。なお、「上」及び「下」なる語は図1の上下に従う。
【0026】
非磁性基板1は、Al23・TiC等を材料としている。下部磁気シールド層3は、NiFe、センダスト、CoFe、FeCoNi等の軟磁性体を材料とし、非磁性基板1上に成膜される。下部磁気シールド層3の厚みは0.5μm〜4μmに設定される。下部ギャップ層5は、Al23、AlN、SiO2等の非磁性の絶縁体を材料とし、下部磁気シールド層3上に成膜される。下部ギャップ層5の厚みは0.5nm〜3.0nmに設定される。
【0027】
MR素子7はGMR(Giant Magneto Resistive)素子であって、ピン層(反強磁性層)21、ピンド層(固定磁性層)23、非磁性層25、フリー層27を含んでいる。このMR素子7は、下部ギャップ層5上に、ピン層21、ピンド層23、非磁性層25、フリー層27を薄膜で順次積層成膜、パターンニング(イオンミリング、RIE等の手法が利用可能である)することにより構成される。ピン層21とピンド層23の界面では交換結合が生じ、これによりピンド層23の磁化の向きが一定の方向(トラック幅方向と直交する方向)に固定される。一方、フリー層27は磁気記録媒体からの漏洩磁界、すなわち、外部磁界に応じて磁化の向きが変化する。
【0028】
ピン層21は、PtMn、NiO等の反強磁性体を材料とし、下部ギャップ層5上に成膜される。ピン層21の厚みは0.3nm〜5.0nmに設定される。ピンド層23は、Fe、Co、Ni、NiFe、CoFe、CoZrNb、FeCoNi等の強磁性体を材料とし、ピン層21上に成膜される。ピンド層23の厚みは0.05nm〜0.5nmに設定される。非磁性層25は、Cu、Ru、Ir、Rh、Au、Ag等の非磁性体を材料とし、ピンド層23上に成膜される。非磁性層25の厚みは0.1nm〜0.4nmに設定される。フリー層27は、Fe、Co、Ni、NiFe、CoFe、CoZrNb、FeCoNi等の強磁性体を材料とし、非磁性層11上に成膜される。フリー層27の厚みは0.05nm〜2.0nmに設定される。
【0029】
硬質磁性層9は、MR素子7を挟むように配置されて、フリー層27にバイアス磁界を印加する。フリー層27の磁化の向きは、硬質磁性層9からのバイアス磁界によりトラック幅方向と平行な方向となっており、ピンド層23の磁化の向きと直交する方向である。この硬質磁性層9は、CoCrPt、CoPt、CoTa等の高保磁力を有する硬磁性体を材料として、MR素子7の両脇に下地層28を介して設けられる。下地層28は、TiW、Ta、CrTi等の金属材料からなり、MR素子7の側部及び下部ギャップ層5上に成膜される。なお、下地層28及び硬質磁性層9は、非磁性層11及び強磁性層13の成膜後に成膜される。硬質磁性層9の間隔は、最狭位置において、0.5μm程度に設定されている。硬質磁性層9上には保護層29が成膜されており、この保護層29はTa、Al23等からなる。
【0030】
非磁性層11は、Cu、Ru、Ir、Rh、Au、Ag等の導電性を有する非磁性体を材料とし、フリー層27上に成膜される。非磁性層11の厚みは0.03nm〜0.2nmに設定される。
【0031】
強磁性層13は、フリー層27の両側領域に対して一対配置されて、フリー層27に反強磁性的交換結合する。強磁性層13の磁化の向きは上述したバイアス磁界によるフリー層27の磁化の向きと反対方向となる。この強磁性層13は、Fe、Co、Ni、NiFe、CoFe、FeTa等の導電性を有する強磁性体を材料とし、非磁性層11上に成膜後パターンニングする(イオンミリング、RIE等の手法が利用可能である)ことにより形成される。強磁性層13の厚みは0.05nm〜0.5nmに設定される。一対の強磁性層13の間隔は、最狭位置において、0.1μm程度に設定されている。非磁性層11は、強磁性層13をパターンニングする際に、フリー層27を保護する機能も有することとなる。
【0032】
ここで、強磁性層13の磁気膜厚はフリー層27の磁気膜厚よりも小さく設定されている。たとえば、フリー層27にCo90Fe10(飽和磁化MS*:1512kA/m)を用いて厚みtを2.5nmに設定するとフリー層27の磁気膜厚は37.8mAとなる。一方、強磁性層13にFeTa(飽和磁化MS*:1.512×106A/m)を用いた場合、強磁性層13の厚みtを2.5nmよりも小さく設定することで強磁性層13の磁気膜厚は37.8mA未満となり、フリー層27の磁気膜厚よりも小さくなる。なお、Feの飽和磁化は1714kA/m、Coの飽和磁化は1422kA/m、Niの飽和磁化は484kA/m、Ni80Fe20の飽和磁化は796kA/mである。
【0033】
フリー層27と強磁性層13とが同じ材料からなる場合には、強磁性層13の厚みはフリー層27の厚みよりも小さく設定されることとなる。このように構成した場合、強磁性層13の磁気膜厚をフリー層27の磁気膜厚よりも小さくした構成を容易に実現することができる。
【0034】
電極層15は、フリー層27の両側にフリー層27と当該重なるように互いに離間して配置され、フリー層27に電流(センス電流)を供給する。この電極層15は、Au、Ag等の導電性材料からなり、強磁性層13及び保護層29上に成膜される。電極層15上には保護層31が成膜されており、この保護層31はTa、Al23等からなる。一方の電極層15から供給された電子は、一方の強磁性層13、非磁性層11、フリー層27、非磁性層11、他方の強磁性層13を介して、他方の電極層15に伝達される。なお、電流は電子とは逆方向に流れることとなる。一対の電極層15の間隔は、最狭位置において、0.1μm程度に設定されており、硬質磁性層9の間隔よりも小さく設定されている。
【0035】
フリー層27の両側領域において、フリー層27の一部が電極層15と重なることとなり、強磁性層13はフリー層27の両側領域における電極層15と重なっている部分と電極層15との間に配置される。フリー層27における電極層15と重なっていない部分がトラック部分として機能する。光学トラック幅は、0.1μm程度に設定されることとなる。
【0036】
上部ギャップ層17は、Al23、AlN、SiO2等の非磁性絶縁材料からなり、保護層29及び非磁性層11上に成膜される。上部ギャップ層17の厚みは0.5nm〜3.0nmに設定される。上部磁気シールド層19は、NiFe、センダスト、CoFe、FeCoNi等の軟磁性体を材料とし、上部ギャップ層17上に成膜される。上部磁気シールド層19の厚みは0.5μm〜4μmに設定される。各シールド層3,19は軟磁性体材料からなるため、検出対象の磁化遷移領域からの漏洩磁束以外の漏洩磁束のMR素子7内部への導入を抑制する。
【0037】
上述の「軟磁性」及び「硬磁性」なる語は保持力の大きさを示す規定であるが、全体として「軟磁性」及び「硬磁性」の機能を奏するものであれば、たとえば、微視的或いは特定領域において規定外の材料或いは構造を有するものであってもよい。たとえば、異なる磁気特性の材料を磁気的に交換結合させたものや一部分に非磁性体が含まれるものでもあっても、全体として軟磁性及び硬磁性の機能を奏するものであればよい。
【0038】
次に、薄膜磁気ヘッドMH1の機能について説明する。フリー層27は、硬質磁性層9によって、トラック幅方向に単磁区化されている。フリー層27の磁化の向きは、磁化遷移領域からの漏洩磁束によって、すなわち磁化遷移領域がN極であるかS極であるかによって、変化する。ピンド層23の磁化の向きはピン層21によって固定されているので、フリー層27とピンド層23の磁化方向間の余弦に対応する抵抗変化により、一対の電極層15間における電子の伝達率(電流)が変化することとなる。この電流の変化を検出することで、磁気記録媒体の検出対象の磁化遷移領域からの漏洩磁束が検出される。
【0039】
なお、データの磁気記録についても若干の説明をしておく。薄膜磁気ヘッドMH1の磁気検出素子MD上には磁気データを書き込むための磁界形成素子RDが機械的に結合している。磁気記録媒体の磁化遷移領域への書き込みは、磁界形成素子RDからの漏洩磁束によって行われる。
【0040】
以上説明したように、本第1実施形態によれば、フリー層27に反強磁性的交換結合する強磁性層13がフリー層27の両側領域における電極層15と重なっている部分と電極層15との間に配置されているので、フリー層27における電極層15と重なっている部分は再生感度が低くなる。これにより、フリー層27の両側領域における読みにじみを低減することができる。
【0041】
そして、フリー層27に反強磁性的交換結合する強磁性層13の磁気膜厚がフリー層27の磁気膜厚よりも小さく設定されているので、強磁性層13から発生する漏れ磁界がトラック部分のフリー層27に及ぼす影響が低く抑えられることとなる。これにより、トラック部分のフリー層27にて磁気記録媒体から漏洩する磁界を適切に検出することができ、再生出力を安定させることができる。
【0042】
また、本第1実施形態においては、フリー層27と強磁性層13との間に配置される導電性の非磁性層11を更に有している。これにより、フリー層27と強磁性層13との間において反強磁性的交換結合を適切且つ容易に生じさせることができる。また、この反強磁性的交換結合力を適切な値に管理することが容易に行える。
【0043】
(第2実施形態)
図2は薄膜磁気ヘッドMH2の断面構造を説明するための概略図である。薄膜磁気ヘッドMH2は、再生ヘッドとしての磁気検出素子MDと、記録ヘッドとして磁界形成素子RDとを備えている。磁気検出素子MDは、非磁性基板1、下部磁気シールド層3、下部ギャップ層5、MR素子7、硬質磁性層9、層構造体40、電極層15、上部ギャップ層17、及び上部磁気シールド層19等を備えている。なお、「上」及び「下」なる語は図2の上下に従う。
【0044】
層構造体40は、フリー層27の両側領域における電極層15と重なっている部分と電極層15との間に配置されており、非磁性層11、第1強磁性層41、非磁性層43、及び第2強磁性層45を含んでいる。
【0045】
第1強磁性層41は、フリー層27の両側領域に一対配置されて、フリー層27に反強磁性的交換結合する。第1強磁性層41の磁化の向きは上述したバイアス磁界によるフリー層27の磁化の向きと反対方向となる。この第1強磁性層41は、Fe、Co、Ni、NiFe、CoFe、FeTa等の導電性を有する強磁性体を材料とし、非磁性層11上に成膜後パターンニングする(イオンミリング、RIE等の手法が利用可能である)ことにより形成される。第1強磁性層41の厚みは0.05nm〜0.5nmに設定される。一対の第1強磁性層41の間隔は、最狭位置において、0.1μm程度に設定されている。第1強磁性層41は、フリー層27の両側領域における電極層15と重なっている部分と電極層15との間に配置される。
【0046】
非磁性層43は、Cu、Ru、Ir、Rh、Au、Ag等の導電性を有する非磁性体を材料とし、第1強磁性層41上に成膜される。非磁性層43の厚みは0.03nm〜0.2nmに設定される。
【0047】
第2強磁性層45は、それぞれの第1強磁性層41に対応して一対配置されて、第1強磁性層41に反強磁性的交換結合する。第2強磁性層45の磁化の向きは第1強磁性層41の磁化の向きと反対方向となる。この第2強磁性層45は、Fe、Co、Ni、NiFe、CoFe、FeTa等の導電性を有する強磁性体を材料とし、非磁性層43上に成膜後パターンニングする(イオンミリング、RIE等の手法が利用可能である)ことにより形成される。第2強磁性層45の厚みは0.05nm〜0.5nmに設定される。一対の第2強磁性層45の間隔は、最狭位置において、0.1μm程度に設定されている。第2強磁性層45は、第1強磁性層41と同じく、フリー層27の両側領域における電極層15と重なっている部分と電極層15との間に配置される。
【0048】
なお、第1強磁性層41、非磁性層43及び第2強磁性層45のパターンニングは、一括して行うことができる。非磁性層11は、第1強磁性層41、非磁性層43及び第2強磁性層45をパターンニングする際に、フリー層27を保護する機能も有することとなる。
【0049】
ここで、第1強磁性層41の磁気膜厚と第2強磁性層45の磁気膜厚とは同等に設定されている。第1強磁性層41と第2強磁性層45とが同じ材料からなる場合には、第1強磁性層41の厚みと第2強磁性層45の厚みとを同等に設定することで、第1強磁性層41の磁気膜厚と第2強磁性層45の磁気膜厚とを同等とすることができる。第1強磁性層41と第2強磁性層45とが異なる材料からなる場合には、飽和磁化MS*を考慮して各層41,45の厚みを設定することで、第1強磁性層41の磁気膜厚と第2強磁性層45の磁気膜厚とを同等とすることができる。なお、「同等」とは、材料の有する飽和磁化(Ms)と膜厚(t)との積Ms・tが等しいことを意味するものとする。
【0050】
以上説明したように、本第2実施形態によれば、フリー層27に反強磁性的交換結合する第1強磁性層41がフリー層27の両側領域における電極層15と重なっている部分と電極層15との間に配置されているので、フリー層27における電極層15と重なっている部分は再生感度が低くなる。これにより、フリー層27の両側領域における読みにじみを低減することができる。
【0051】
そして、層構造体40は第1強磁性層41に反強磁性的交換結合する第2強磁性層45を含んでいるので、第1強磁性層41と第2強磁性層45との間で閉じた磁界が形成されやすくなり、第1強磁性層41から発生する漏れ磁界がトラック部分のフリー層27に及ぼす影響が低く抑えられることとなる。これにより、トラック部分のフリー層27にて磁気記録媒体から漏洩する磁界を適切に検出することができ、再生出力を安定させることができる。
【0052】
また、本第2実施形態において、層構造体40はフリー層27と第1強磁性層41との間に配置される導電性の非磁性層11を更に含んでいる。これにより、フリー層27と第1強磁性層41との間において反強磁性的交換結合を適切且つ容易に生じさせることができる。また、この反強磁性的交換結合力を適切な値に管理することが容易に行える。
【0053】
また、本第2実施形態において、層構造体40は第1強磁性層41と第2強磁性層45との間に配置される導電性の非磁性層43を更に含んでいる。これにより、第1強磁性層41と第2強磁性層45との間において反強磁性的交換結合を適切且つ容易に生じさせることができる。また、この反強磁性的交換結合力を適切な値に管理することが容易に行える。
【0054】
また、本第2実施形態においては、第1強磁性層41の磁気膜厚と第2強磁性層45の磁気膜厚とは同等に設定されている。これにより、第1強磁性層41と第2強磁性層45との間で閉じた磁界が形成された場合、フリー層27に漏れる磁界が極めて少なくなり、第1強磁性層41から発生する漏れ磁界がトラック部分のフリー層27に及ぼす影響が極めて低く抑えられることとなる。第1強磁性層41の磁気膜厚と第2強磁性層45の磁気膜厚とは必ず同等に設定される必要はないが、フリー層27に漏れる磁界を極めて少なくする上で第1強磁性層41の磁気膜厚と第2強磁性層45の磁気膜厚とを同等に設定することがより好適である。
【0055】
本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、▲1▼フリー層に反強磁性的交換結合する強磁性層の磁気膜厚をフリー層の磁気膜厚よりも小さく設定する、▲2▼フリー層に反強磁性的交換結合する第1強磁性層と当該第1強磁性層に反強磁性的交換結合する第2強磁性層とを設ける、ことによって得られる再生出力を安定させる効果を確認する試験を行った。試験としては、以下の実施例1〜3、比較例1及び2について、外部磁界H(Oe:1Oe=79A/m)を変化させたときの抵抗変化量dR(Ω)を測定した。なお、実施例1〜3、比較例1及び2において、ピンド層は非磁性層を介在させた多層構造(第1ピンド層及び第2ピンド層)としている。
【0056】
(実施例1)
上述した第1実施形態の構成に対応し、MR素子、非磁性層及び強磁性層等の構成(材料及び厚さ)を以下のものとした。
【表1】
Figure 0003828428
フリー層の磁気膜厚は37.8mAとなり、強磁性層の磁気膜厚は22.68mAとなる。
【0057】
測定結果を図3に示す。図3から分かるように、外部磁界Hの変化に対して抵抗変化量dRは良好な線形応答性を有しており、再生出力が安定することが確認できた。
【0058】
(実施例2)
上述した第1実施形態の構成に対応し、MR素子、非磁性層及び強磁性層等の構成(材料及び厚さ)を以下のものとした。
【表2】
Figure 0003828428
フリー層の磁気膜厚は37.8mAとなり、強磁性層の磁気膜厚は30.24mAとなる。
【0059】
測定結果を図4に示す。図4から分かるように、外部磁界Hの変化に対して抵抗変化量dRは良好な線形応答性を有しており、再生出力が安定することが確認できた。
【0060】
(実施例3)
上述した第2実施形態の構成に対応し、MR素子、非磁性層、第1及び第2強磁性層等の構成(材料及び厚さ)を以下のものとした。
【表3】
Figure 0003828428
第1強磁性層の磁気膜厚は22.68mAとなり、第2強磁性層の磁気膜厚は22.68mAとなる。なお、フリー層の磁気膜厚は37.8mAとなる。
【0061】
測定結果を図5に示す。図5から分かるように、外部磁界Hの変化に対して抵抗変化量dRは良好な線形応答性を有しており、再生出力が安定することが確認できた。
【0062】
(比較例1)
MR素子、非磁性層及び強磁性層等の構成(材料及び厚さ)を以下のものとした。
【表4】
Figure 0003828428
フリー層の磁気膜厚は37.8mAとなり、強磁性層の磁気膜厚は37.8mAとなる。
【0063】
測定結果を図6に示す。図6から分かるように、外部磁界Hの変化に対して抵抗変化量dRは非線形応答性を有することとなり、再生出力が安定しないことが確認できた。
【0064】
(比較例2)
MR素子、非磁性層及び強磁性層等の構成(材料及び厚さ)を以下のものとした。
【表5】
Figure 0003828428
フリー層の磁気膜厚は37.8mAとなり、強磁性層の磁気膜厚は45.36mAとなる。
【0065】
測定結果を図7に示す。図7から分かるように、外部磁界Hの変化に対して抵抗変化量dRは非線形応答性を有することとなり、再生出力が安定しないことが確認できた。
【0066】
このように、▲1▼フリー層に反強磁性的交換結合する強磁性層の磁気膜厚をフリー層の磁気膜厚よりも小さく設定した実施例1及び2、▲2▼フリー層に反強磁性的交換結合する第1強磁性層と当該第1強磁性層に反強磁性的交換結合する第2強磁性層とを設けた実施例3の方が、再生出力が安定することとなる。これは、強磁性層からの漏れ磁界がトラック部分のフリー層に及ぼす影響が極めて低く抑えられているためであり、本発明の有効性が確認された。
【0067】
次に、上述の薄膜磁気ヘッドMH1,MH2を用いた薄膜磁気ヘッド組立体HGAについて説明する。
【0068】
図8は、薄膜磁気ヘッド組立体HGA主要部の側面図である。薄膜磁気ヘッド組立体HGAは、薄膜磁気ヘッドとして上記第1実施形態の薄膜磁気ヘッドMH1を備えている。もちろん、第1実施形態の薄膜磁気ヘッドMH1の代わりに、上記第2実施形態の薄膜磁気ヘッドMH2を用いるようにしてもよい。
【0069】
この薄膜磁気ヘッド組立体HGAは、薄膜磁気ヘッドMH1に加えて可撓性部材51を備えている。可撓性部材51は、その長手方向と厚み方向を含む平面内において撓むことができる。薄膜磁気ヘッドMH1は、MR素子7における各層21,23,25,27の積層方向と上記長手方向が略一致するように可撓性部材51に取り付けられる。薄膜磁気ヘッドMH1は、非磁性基板1をスライダとする機能素子であって、スライダ1はMR素子7における各層21,23,25,27の積層方向に沿って延びる凹溝53を有している。この凹溝53は薄膜磁気ヘッドMH1浮上時の空力特性を規定する。
【0070】
薄膜磁気ヘッドMH1が取り付けられた可撓性部材51は、薄膜磁気ヘッドMH1の受ける力によって厚み方向に撓むこととなる。MR素子7における各層21,23,25,27の積層方向(可撓性部材51の長手方向)は記録媒体の磁化遷移領域が連続してなるトラック周方向に略一致する。
【0071】
次に、上述の薄膜磁気ヘッドMH1,MH2(薄膜磁気ヘッド組立体HGA)を用いた記憶装置HDについて説明する。
【0072】
図9は記憶装置HDの平面図である。この記憶装置HDは筐体61を備えている。筐体61内部には薄膜磁気ヘッドMH1を有する薄膜磁気ヘッド組立体HGAに加えて磁気記録媒体RMが配置される。なお、薄膜磁気ヘッド組立体HGAは、可撓性部材51の長手方向の一端部が固定されるアーム63を有するヘッド・ジンバル・アセンブリである。アーム63が中央部近傍に設けられた回転軸65を中心として回転すると、薄膜磁気ヘッドMH1が磁気記録媒体RMの径方向に沿って移動する。また、磁気記録媒体RMは円盤状であって、その周方向に沿って磁化遷移領域が連続してなるトラックを有し、円盤の中心に設けられた回転軸67を中心として回転すると磁化遷移領域は薄膜磁気ヘッドMH1に対して相対的に移動する。
【0073】
薄膜磁気ヘッドMH1(MR素子7)は、MR素子7における各層21,23,25,27の積層方向に平行な面が磁気記録媒体RMに対向するように配置されており、磁気記録媒体RMの磁化遷移領域からの漏洩磁束を検出することができる。このMR素子7における各層21,23,25,27の積層方向に平行な面がエアベアリング面ABSとなる。なお、磁気記録媒体RMへの記録方式としては長手磁気記録方式や垂直磁気記録方式等を用いることができる。
【0074】
以上説明したように、上記の薄膜磁気ヘッド組立体HGA及び記憶装置HDでは、薄膜磁気ヘッドが第1あるいは第2実施形態の薄膜磁気ヘッドMH1,MH2とされるので、フリー層27の両側領域における読みにじみを低減することができると共に、トラック部分のフリー層27にて磁気記録媒体RMから漏洩する磁界を適切に検出して再生出力を安定させることができる。
【0075】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。たとえば、各層の構造は単一の材料からなる必要はなく、全体として規定の機能を奏するものであれば、複数の材料からなることとしてもよく、たとえば、合金として、混在して或いは層構造の組み合わせとしてもよい。また、これらの層間に他の層が介在することとしてもよい。
【0076】
また、本実施形態においては、薄膜磁気ヘッドMH1,MH2が再生ヘッドとしての磁気検出素子MDと、記録ヘッドとしての磁界形成素子RDとを備えているが、磁気検出素子MDのみを備えるものであってもよい。
【0077】
また、第2実施形態において、フリー層27に対して配置される強磁性層は、2層構造(第1強磁性層41及び第2強磁性層45)としているが、4層以上の偶数層構造としてもよい。ただし、製造工程の簡略化からの観点からは、フリー層に対して配置される強磁性層は2層構造(第1強磁性層41及び第2強磁性層45)であることが好ましい。
【0078】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明によれば、フリー層の両側領域における読みにじみを低減すると共に、再生出力を安定させることが可能な薄膜磁気ヘッド、並びに当該薄膜磁気ヘッドを備える薄膜磁気ヘッド組立体及び記憶装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る薄膜磁気ヘッドの断面構造を説明するための概略図である。
【図2】第2実施形態に係る薄膜磁気ヘッドの断面構造を説明するための概略図である。
【図3】実施例1における外部磁界と抵抗変化量との関係を示す線図である。
【図4】実施例2における外部磁界と抵抗変化量との関係を示す線図である。
【図5】実施例3における外部磁界と抵抗変化量との関係を示す線図である。
【図6】比較例1における外部磁界と抵抗変化量との関係を示す線図である。
【図7】比較例2における外部磁界と抵抗変化量との関係を示す線図である。
【図8】薄膜磁気ヘッド組立体主要部の側面図である。
【図9】図8に示す薄膜磁気ヘッド組立体を用いた記憶装置の平面図である。
【符号の説明】
7…磁気抵抗効果素子(MR素子)、9…硬質磁性層、11…非磁性層、13…強磁性層、15…電極層、21…ピン層、23…ピンド層、25…非磁性層、27…フリー層、41…第1強磁性層、43…非磁性層、45…第2強磁性層、51…可撓性部材、HD…記憶装置、HGA…薄膜磁気ヘッド組立体、MD…磁気検出素子、MH1,MH2…薄膜磁気ヘッド、RM…磁気記録媒体。

Claims (9)

  1. 外部磁界に応じて磁化の向きが変化するフリー層を含む磁気抵抗効果素子と、前記フリー層の両側に当該フリー層と重なるように互いに離間して配置されて前記磁気抵抗効果素子に電流を供給するための一対の電極層と、前記磁気抵抗効果素子を挟むように配置されて前記フリー層にバイアス磁界を印加する硬質磁性層と、を備えた薄膜磁気ヘッドであって、
    前記フリー層の両側領域における前記電極層と重なっている部分と前記電極層との間に当該電極層と接して配置されて前記フリー層に反強磁性的交換結合する導電性の強磁性層を有し、
    前記強磁性層の磁気膜厚は前記フリー層の磁気膜厚よりも小さく設定されていることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 前記フリー層と前記強磁性層との間に配置される導電性の非磁性層を更に有することを特徴とする請求項1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 前記フリー層及び前記強磁性層は同じ材料からなり、前記強磁性層の厚みは前記フリー層の厚みよりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 外部磁界に応じて磁化の向きが変化するフリー層を含む磁気抵抗効果素子と、前記フリー層の両側に当該フリー層と重なるように互いに離間して配置されて前記磁気抵抗効果素子に電流を供給するための一対の電極層と、前記磁気抵抗効果素子を挟むように配置されて前記フリー層にバイアス磁界を印加する硬質磁性層と、を備えた薄膜磁気ヘッドであって、
    前記フリー層の両側領域における前記電極層と重なっている部分と前記電極層との間に配置される層構造体を有し、
    前記層構造体は、前記フリー層に反強磁性的交換結合する導電性の第1強磁性層と、前記第1強磁性層に反強磁性的交換結合すると共に前記電極層と接する導電性の第2強磁性層と、を含むことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  5. 前記層構造体は、前記フリー層と前記第1強磁性層との間に配置される導電性の非磁性層を更に含むことを特徴とする請求項4に記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 前記層構造体は、前記第1強磁性層と前記第2強磁性層との間に配置される導電性の非磁性層を更に含むことを特徴とする請求項4に記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 前記第1強磁性層の磁気膜厚と前記第2強磁性層の磁気膜厚とは同等に設定されていることを特徴とする請求項4に記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の薄膜磁気ヘッドと、当該薄膜磁気ヘッドが取り付けられる可撓性部材と、を備えることを特徴とする薄膜磁気ヘッド組立体。
  9. 信号を磁気的に記録する磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体から漏洩する磁界の変化を電気信号に変換する請求項1〜7のいずれか一項に記載の薄膜磁気ヘッドと、を備えることを特徴とする記憶装置。
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