JP2003342173A - Noラジカル消去剤 - Google Patents

Noラジカル消去剤

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JP2003342173A
JP2003342173A JP2003077304A JP2003077304A JP2003342173A JP 2003342173 A JP2003342173 A JP 2003342173A JP 2003077304 A JP2003077304 A JP 2003077304A JP 2003077304 A JP2003077304 A JP 2003077304A JP 2003342173 A JP2003342173 A JP 2003342173A
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pyrazolin
methyl
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carbon atoms
phenyl
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JP2003077304A
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English (en)
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Seiji Shioda
清二 塩田
Kazue Sato
和恵 佐藤
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Mitsubishi Pharma Corp
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Mitsubishi Pharma Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決課題】新規なNOラジカル消去剤を提供する。 【解決手段】下記の式 【化1】 (式中、各記号は明細書中で定義したものと同義であ
る。)で示されるピラゾロン誘導体その水和物、又はそ
の薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する。 【効果】本発明の化合物は、NOラジカルに起因する疾
患の予防や治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一酸化窒素ラジカ
ルの消去剤として有用な医薬に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一酸化窒素ラジカル(以下、NOラジカ
ルという。)は血管系をはじめ、神経系、免疫系など、
およそ体内のあらゆるところで多彩な作用を発揮してい
る。しかし通常の生体内メッセンジャーと比べて化学反
応性が高く、非常に不安定な分子であり、その強い生理
活性のゆえに、様々な病態との因果関係も指摘されてい
る。従ってNOを消去する薬剤は血管系、神経系、免疫
系の薬剤として有用であると考えられる。
【0003】本発明者らはCOX−2選択的阻害薬であ
るエトドラク(etodolac)にNOラジカル消去活性があ
ることを見出し、既に報告している(医学のあゆみ、1
99、471−472(2001))。
【0004】一方、以下に示す式(I)
【0005】
【化2】
【0006】(式中、R1は水素原子、アリール、炭素
数1〜5のアルキル又は総炭素数3〜6のアルコキシカ
ルボニルアルキルを表し、R2は、水素原子、アリール
オキシ、アリールメルカプト、炭素数1〜5のアルキル
又は1〜3のヒドロキシアルキルを表し、あるいは、R
1及びR2は、共同して炭素数3〜5のアルキレンを表
し、R3は水素原子、炭素数1〜5のアルキル、炭素数
5〜7のシクロアルキル、炭素数1〜3のヒドロキシア
ルキル、ベンジル、ナフチル又はフェニル、又は炭素数
1〜5のアルコキシ、炭素数1〜3のヒドロキシアルキ
ル、総炭素数2〜5のアルコキシカルボニル、炭素数1
〜3のアルキルメルカプト、炭素数1〜4のアルキルア
ミノ、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ、ハロゲン原
子、トリフルオロメチル、カルボキシル、シアノ、水酸
基、ニトロ、アミノ、及びアセトアミドからなる群から
選ばれる同一若しくは異なる1〜3個の置換基で置換さ
れたフェニルを表す。)で表されるピラゾロン誘導体に
ついては、医薬の用途として、脳機能正常化作用(特公
平5−31523号公報)、過酸化脂質生成抑制作用
(特公平5−35128号公報、例1の化合物)、抗潰
瘍作用(特開平3−215425号公報)、及び血糖上
昇抑制作用(特開平3−215426号公報)等が知ら
れている。しかしながら、これらの各刊行物には、この
化合物がNOラジカル消去活性を有することを示唆ない
し教示する記載はない。
【0007】また、上記式(I)の化合物は、2001
年6月以来、脳保護剤(一般名「エダラボン」、商品名
「ラジカット」:三菱ウェルファーマ株式会社製造・販
売)として上市されているが、この化合物がNOラジカ
ルの消去活性を有するという報告は未だかってなされて
いない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、NO
ラジカルの消去剤として有用な医薬を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題を
解決すべく鋭意努力した結果、従来、脳保護作用を有す
ることが知られていたピラゾロン誘導体、その水和物、
又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含む
医薬組成物がNOラジカルの消去活性を有することを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち本発明は、以下のNOラジカル消
去剤に関する。 (1)下記の式(I)
【0011】
【化3】
【0012】(式中、各記号は前記と同義である。)で
示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理的に許容さ
れる塩、又はそれらの水和物もしくは溶媒和物を有効成
分として含有するNOラジカル消去剤。
【0013】(2)3−メチル−1−フェニル−2−ピ
ラゾリン−5−オン若しくはその生理的に許容される
塩、又はそれらの水和物もしくは溶媒和物を有効成分と
して含有するNOラジカル消去剤。本発明のNOラジカ
ル消去剤に含有される前記式(I)のピラゾロン誘導体
は、合目的な任意の方法により合成することができ、好
ましい合成方法の例としては特開昭62−108814
号公報に記載されている方法が挙げられる。
【0014】本発明のNOラジカル消去剤の有効成分と
しては、遊離形態の前記式(I)のピラゾロン誘導体を
用いてもよいが、その任意の水和物や溶媒和物、あるい
は、前記式(I)のピラゾロン誘導体又はその任意の水
和物や溶媒和物の生理的に許容される塩を用いることも
できる。また、該ピラゾロン誘導体には特公平5−31
523号公報第5欄上段の化学構造式に示されるような
互変異性体(下式(I’)又は(I’’))が存在する
が、本発明の医薬の有効成分には、これらの異性体のす
べてが包含されることはいうまでもない。
【0015】
【化4】
【0016】前記式(I)において、R1の定義におけ
るアリール基としては、フェニル基並びにメチル基、ブ
チル基、メトキシ基、ブトキシ基、塩素原子及び水酸基
等の置換基で置換されたフェニル基等が挙げられる。
【0017】R1、R2及びR3の定義における炭素数1〜
5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec
−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基等が挙げられ
る。
【0018】R1の定義における総炭素数3〜6のアルコ
キシカルボニルアルキル基としては、メトキシカルボニ
ルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、プロポキシ
カルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、メ
トキシカルボニルプロピル基等が挙げられる。
【0019】R2の定義におけるアリールオキシ基とし
ては、フエノキシ基、p−メチルフエノキシ基、p−メ
トキシフエノキシ基、p−クロロフエノキシ基、p−ヒ
ドロキシフエノキシ基等が挙げられ、アリールメルカプ
ト基としては、フェニルメルカプト基、p−メチルフェ
ニルメルカプト基、p−メトキシフェニルメルカプト
基、p−クロロフェニルメルカプト基、p−ヒドロキシ
フェニルメルカプト基等が挙げられる。
【0020】R2及びR3の定義における炭素数1〜3のヒ
ドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、2
−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基等が
挙げられる。R3の定義における炭素数5〜7のシクロア
ルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基、シクロヘプチル基等が挙げられる。
【0021】R3の定義において、フェニル基の置換基
における炭素数1〜5のアルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブ
トキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられ、総炭素数2
〜5のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカル
ボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニ
ル基、ブトキシカルボニル基等が挙げられ、炭素数1〜3
のアルキルメルカプト基としては、メチルメルカプト
基、エチルメルカプト基、プロピルメルカプト基等が挙
げられ、炭素数1〜4のアルキルアミノ基としては、メチ
ルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチ
ルアミノ基等が挙げられ、総炭素数2〜8のジアルキルア
ミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ
基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等が挙げら
れる。
【0022】本発明で用いる式(I)の化合物の具体例
としては、例えば、以下に示す化合物が挙げられる。
【0023】3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリ
ン−5−オン、3−メチル−1−(2−メチルフェニ
ル)−2−ピラゾリン−5−オン、3−メチル−1−
(3−メチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン、
3−メチル−1−(4−メチルフェニル)−2−ピラゾ
リン−5−オン、3−メチル−1−(3,4−ジメチル
フェニル)−2−ピラゾリン−5−オン、1−(4−エ
チルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オ
ン、3−メチル−1−(4−プロピルフェニル)−2−
ピラゾリン−5−オン、1−(4−ブチルフェニル)−
3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン、1−(3−ト
リフルオロメチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾ
リン−5−オン、1−(4−トリフルオロメチルフェニ
ル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン、1−
(2−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリ
ン−5−オン、1−(3−メトキシフェニル)−3−メ
チル−2−ピラゾリン−5−オン、1−(4−メトキシ
フェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン、
1−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−メチル−2
−ピラゾリン−5−オン、1−(4−エトキシフェニ
ル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン、3−メ
チル−1−(4−プロポキシフェニル)−2−ピラゾリ
ン−5−オン、1−(4−ブトキシフェニル)−3−メ
チル−2−ピラゾリン−5−オン、1−(2−クロロフ
ェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン、1
−(3−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリ
ン−5−オン、1−(4−クロロフェニル)−3−メチ
ル−2−ピラゾリン−5−オン、1−(3,4−ジクロ
ロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オ
ン、1−(4−ブロモフェニル)−3−メチル−2−ピ
ラゾリン−5−オン、1−(4−フルオロフェニル)−
3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン、1−(3−ク
ロロ−4−メチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾ
リン−5−オン、1−(3−メチルメルカプトフェニ
ル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン、1−
(4−メチルメルカプトフェニル)−3−メチル−2−
ピラゾリン−5−オン、4−(3−メチル−5−オキソ
−2−ピラゾリン−1−イル)安息香酸、1−(4−エ
トキシカルボニルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾ
リン−5−オン、1−(4−ニトロフェニル)−3−メ
チル−2−ピラゾリン−5−オン、3−エチル−1−フ
ェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フェニル−3
−プロピル−2−ピラゾリン−5−オン、1,3−ジフ
ェニル−2−ピラゾリン−5−オン、3−フェニル−1
−(p−トリル)−2−ピラゾリン−5−オン、1−
(4−メトキシフェニル)−3−フェニル−2−ピラゾ
リン−5−オン、1−(4−クロロフェニル)−3−フ
ェニル−2−ピラゾリン−5−オン、3,4−ジメチル
−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、4−イソ
ブチル−3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−
5−オン、4−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチル
−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、3−メチ
ル−4−フェノキシ−1−フェニル−2−ピラゾリン−
5−オン、3−メチル−4−フェニルメルカプト−1−
フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、2,3a,4,
5,6,7−ヘキサヒドロ−2−フェニルインダゾール
−3−オン、3−(エトキシカルボニルメチル)−1−
フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フェニル−
2−ピラゾリン−5−オン、3−メチル−2−ピラゾリ
ン−5−オン、1,3−ジメチル−2−ピラゾリン−5
−オン、1−エチル−3−メチル−2−ピラゾリン−5
−オン、1−ブチル−3−メチル−2−ピラゾリン−5
−オン、1−(2−ヒドロキエチル)−3−メチル−2
−ピラゾリン−5−オン、1−シクロヘキシル−3−メ
チル−2−ピラゾリン−5−オン、1−ベンジル−3−
メチル−2−ピラゾリン−5−オン、1−(α−ナフチ
ル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン、1−メ
チル−3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、3−
メチル−1−(4−メチルフェニル)−2−ピラゾリン
−5−オン、1−(4−ブチルフェニル)−3−メチル
−2−ピラゾリン−5−オン、1−(4−メトキシフェ
ニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン、1−
(4−ブトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリ
ン−5−オン、1−(4−クロロフェニル)−3−メチ
ル−2−ピラゾリン−5−オン、1−(4−ヒドロキシ
フェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン、
1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−3−メチル−
2−ピラゾリン−5−オン、1−(2−ヒドロキシフェ
ニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン、1−
(3−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾ
リン−5−オン、1−(4−ヒドロキシフェニル)−3
−メチル−2−ピラゾリン−5−オン、1−(3,4−
ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−
5−オン、1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェ
ニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−(4−ヒドロキ
シメチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5
−オン、1−(4−アミノフェニル)−3−メチル−2
−ピラゾリン−5−オン、1−(4−メチルアミノフェ
ニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン、1−
(4−エチルアミノフェニル)−3−メチル−2−ピラ
ゾリン−5−オン、1−(4−ブチルアミノフェニル)
−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン、1−(4−
ジメチルアミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリ
ン−5−オン、1−(アセトアミドフェニル)−3−メ
チル−2−ピラゾリン−5−オン、1−(4−シアノフ
ェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン
【0024】前記式(I)のピラゾロン誘導体の塩とし
ては、酸付加塩又は塩基付加塩を用いることができる。
例えば、塩酸塩、硫酸塩、臭化水素酸塩、若しくはリン
酸塩などの鉱酸塩;メタンスルホン酸塩、パラトルエン
スルホン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、リン
ゴ酸塩、若しくはフマル酸塩などの有機酸塩;ナトリウ
ム塩、カリウム塩、若しくはマグネシウム塩などの金属
塩;アンモニウム塩;又は、エタノールアミン若しくは
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールなどの有機
アミン塩などを用いることができるが、生理的に許容さ
れるものであれば塩の種類は特に限定されることはな
い。
【0025】本発明のNOラジカル消去剤の投与形態は
特に制限されず、経口的・非経口的に投与することがで
きる。好ましくは、非経口的に、注射あるいは点滴によ
り静脈内に投与すればよい。本発明のNOラジカル消去
剤としての有効成分である前記式(I)の化合物又はそ
の塩の1種又は2種以上をそのまま患者に投与してもよ
いが、好ましくは、有効成分と薬理学的及び製剤学的に
許容しうる添加物を加え、当業者に周知な形態の製剤と
して提供されるべきである。
【0026】薬理学的及び製剤学的に許容しうる添加物
としては、例えば、賦形剤、崩壊剤ないし崩壊補助剤、
結合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基
剤、溶解剤ないし溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、
安定化剤、噴射剤、及び粘着剤等を用いることができ
る。経口投与に適する製剤の例としては、例えば、錠
剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤、又はシ
ロップ剤等を挙げることができ、非経口投与に適する製
剤としては、例えば、注射剤、点滴剤、又は坐剤などを
挙げることができる。
【0027】経口投与に適する製剤には、添加物とし
て、例えば、ブドウ糖、乳糖、D−マンニトール、デン
プン、又は結晶セルロース等の賦形剤;カルボキシメチ
ルセルロース、デンプン、又はカルボキシメチルセルロ
ースカルシウム等の崩壊剤又は崩壊補助剤;ヒドロキシ
プロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース、ポリビニルピロリドン、又はゼラチン等の結合
剤;ステアリン酸マグネシウム又はタルク等の滑沢剤;
ヒドロキシプロピルメチルセルロース、白糖、ポリエチ
レングリコール又は酸化チタン等のコーティング剤;ワ
セリン、流動パラフィン、ポリエチレングリコール、ゼ
ラチン、カオリン、グリセリン、精製水、又はハードフ
ァット等の基剤を用いることができる。注射あるいは点
滴用に適する製剤には、注射用蒸留水、生理食塩水、プ
ロピレングリコール等の水性あるいは用時溶解型注射剤
を構成しうる溶解剤又は溶解補助剤;ブドウ糖、塩化ナ
トリウム、D−マンニトール、グリセリン等の等張化
剤;無機酸、有機酸、無機塩基又は有機塩基等のpH調
節剤等の製剤用添加物を用いることができる。
【0028】非経口投与に適する製剤のうち注射または
点滴用に適する製剤には、注射用蒸留水、生理食塩水、
プロピレングリコール等の水性あるいは用時溶解型注射
剤を構成しうる溶解剤又は溶解補助剤;ブドウ糖、塩化
ナトリウム、D−マンニトール、グリセリン等の等張化
剤;無機酸、有機酸、無機塩基又は有機塩基等のpH調
節剤等の製剤用添加物を添加してもよい。なお、上記の
式(I)の化合物を有効成分とする脳保護剤(点滴剤)
が、すでに臨床において使用されているので(一般名
「エダラボン」、商品名「ラジカット」:三菱ウェルフ
ァーマ株式会社製造・販売)、本発明のNOラジカル消
去剤として、上記市販製剤をそのまま用いることができ
る。
【0029】本発明の医薬は、生体内に存在する過剰な
NOラジカルを消去し、正常なNOラジカル濃度にする
作用およびNOラジカルが過剰に発生することが予測さ
れる場合にあらかじめ投与し生体内に過剰なNOラジカ
ルが発生することを防止する作用を有している。すなわ
ち、本明細書においてNOラジカル消去剤とは、生体内
に存在するすべてのNOラジカルを完全に消去するもの
をいうのではなく、生体内にある過剰なNOラジカルを
消去し生体の維持に適切な量になるように調節するもの
をいう。
【0030】本発明の医薬の投与経路は特に限定され
ず、経口的または非経口的に投与することができる。例
えば、NOラジカルが急激に過剰発生している状態にあ
る患者には、本発明の医薬を静脈内、動脈内、又は心臓
内に注射により投与することが好ましい。また、NOラ
ジカルが常に過剰発生している状態にある患者には、予
防的に本発明の医薬を経口投与しておくか、注射若しく
は点滴などの非経口的投与によって予防的に投与するこ
とが好適である。
【0031】本発明の医薬の投与量は、予防又は治療の
目的、患者の年齢や状態などの条件に応じて適宜選択可
能であるが、一般的には、成人に対して0.1〜100
mg/kg程度を注射または点滴により投与するか、
0.1〜100mg/kg程度を経口的に投与すること
が好ましい。注射により投与する場合には、例えば、特
開昭63−132833号公報に記載された注射剤など
を用いることが好適である。なお、本発明の医薬の有効
成分である上記化合物は安全性が高く (マウス腹腔内投
与LD50 2012 mg/kg;ラット経口投与LD
50 3,500mg/kg: Registry of
Toxic Effects of Chemica
l Substances, 1981−1982) 、発
癌性もないことが証明されている(National
Cancer InstituteReport,8
9,1978)。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定される
ことはない。
【0033】合成例:1−フェニル−3−メチル−2−
ピラゾリン−5−オンの合成 エタノール50ml中にアセト酢酸エチル13.0g及
びフェニルヒドラジン10.8gを加え、3時間還流攪
拌した。反応液を放冷後、析出した結晶をろ取し、エタ
ノールより再結晶して、表題の化合物11.3gを無色
結晶として得た。 収率 67% 融点 127.5〜128.5℃
【0034】実験例1 1−フェニル−3−メチル−2
−ピラゾリン−5−オンのNOラジカル消去活性の測定 カルボキシ−PTIO(2−(4−カルボキシフェニ
ル)−4,4,5,5−テトラメチルイミダゾリン−1
−オキシ−3−オキサイドのナトリウム塩)と名付けら
れた、安定な有機ラジカルであるナイトロニルナイトロ
オキサイド誘導体は ex vivo および in vivo において
NOラジカルを特異的に消去する活性を持っていること
が既に報告されている(Biochemistry, 32, 827-832(19
93)、Biochem. Biophys. Res. Commun., 202, 923-930
(1994)、Life sci., 54, PL 185-190(1994))。ESR
でNOラジカルを検出する際、スピントラップ剤として
のカルボキシ−PTIOの有用性について報告している
いくつかの文献がある(J. Neurochem., 67, 2208-2211
(1996)、Res. Commun. Molecular. Patholo. Pharmacol
o., 96, 113-122(1997)、J. Neurochem., 76,1895-1904
(2001)、Methods of Enzymology. 268, 211-222(199
6))。
【0035】今回は20μMのカルボキシ−PTIOと
50μMのNOC−7(1−ヒドロキシ−2−オキソ−
3−(N−メチル−3−アミノプロピル)−3−メチル
−1−トリアゼン)(同仁化学社製)の反応混液から発
生したNOラジカルを30%DMSO存在下の0.1M
リン酸緩衝液(pH7.4)中で測定した。NOラジカ
ル供与体として開発されたNOC−7はアルカリ溶液中
では安定だが、中性および酸性条件下ではNOラジカル
を生成する不安定な化合物(37度、pH7.4条件下
で半減期5分)である。カルボキシ−PTIOのESR
シグナルは強度比=1:2:3:2:1の5つのピーク
で構成されていた。NOC−7から発生したNOラジカ
ルは以下の反応式に示すように、カルボキシ−PTIO
をカルボキシ−PTI(1−オキソ−2−(4−カルボ
キシフェニル)−4,4,5,5−テトラメチルイミダ
ゾリンのナトリウム塩)へと変換させ、カルボキシ−P
TIのESRシグナルは7つのピークとなって現れた。
【0036】
【化5】
【0037】カルボキシ−PTIのラジカル強度はカル
ボキシ−PTIOとNOC−7の反応時間と共に増強
し、20分で最高値に達し、その後変化はなかった(図
1)。カルボキシ−PTIOのESRシグナルか、カル
ボキシ−PTIのESRシグナルかはシグナルの数やシ
グナル強度比により簡単に見分けることが出来る(図
2)。また、NOラジカルの強度はカルボキシ−PTI
の最初のピーク(図2中、矢印で示した。)と酸化マン
ガンのピークとの比から求めた。
【0038】ところで、カルボキシ−PTIOはアスコ
ルビン酸やチオール化合物等の様々な還元剤により非特
異的に還元されやすいことが知られている。従って、本
発明化合物の還元活性をNOラジカル消去活性として測
定してしまうことが危惧された。そこで、本発明化合物
の還元活性をNOラジカル消去活性として測定すること
がないことを確認するため、0.1Mリン酸緩衝液(p
H7.4)中でカルボキシ−PTIO(20μM)と1
−フェニル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン
(0.1〜1000μM)を混合した。しかしいずれの
濃度においても混合後5分間、1−フェニル−3−メチ
ル−2−ピラゾリン−5−オンはカルボキシ−PTIO
を還元しなかった。以上のことから、1−フェニル−3
−メチル−2−ピラゾリン−5−オンのNOラジカル消
去活性は混合後3分の時点で測定することとした。
【0039】次に、カルボキシ−PTIOとNOC−7
から生成されるカルボキシ−PTIと1−フェニル−3
−メチル−2−ピラゾリン−5−オンの相互作用につい
て次に示す方法で試験を行った。リン酸緩衝液(pH
7.4)中、NOC−7(50μM)とカルボキシ−P
TIO(20μM)を20分間攪拌しカルボキシ−PT
Iを生成させた。その後、1−フェニル−3−メチル−
2−ピラゾリン−5−オンを加え、3分後にカルボキシ
−PTIのシグナルを測定した。1−フェニル−3−メ
チル−2−ピラゾリン−5−オンが低濃度(10μ)で
あるとカルボキシ−PTIのシグナルは消失しなかった
が、高濃度にすると(500μM、1000μM)にす
ると顕著にカルボキシ−PTIのシグナルが消失(それ
ぞれ20%、40%)した(図3および図4)。これら
の結果から1−フェニル−3−メチル−2−ピラゾリン
−5−オンのEC50値は9.3μMと算出された。
【0040】最後に今回使用した機器および機器の条件
設定を以下に示す。 機器:JEOL JES RE1X、X−band E
SR装置(100KHz、日本電子社製) 機器の条件設定: センターフィールド(center field):335.0±
5.0mT マイクロウェーブパワー(microwave power):5mW モジュレーションアンプリチュード(modulation ampli
tude):0.1mT ゲイン(gain):200 タイムコンスタント(time constant):0.1秒 スキャンニングタイム(scanning time):2分
【0041】以上の結果から、本発明の医薬がNOラジ
カルを消去することが明らかになり、血管系、神経系、
免疫系の薬剤として有用であると考えられる。
【0042】
【発明の効果】本発明の医薬はNOラジカル消去剤とし
て有用である。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】カルボキシ−PTIのラジカル強度の経時変化
を示す図である。
【図2】カルボキシ−PTIOとカルボキシ−PTIの
ESRシグナルを示す図である。
【図3】1−フェニル−3−メチル−2−ピラゾリン−
5−オン濃度とNOラジカル強度の関係を示す図であ
る。
【図4】1−フェニル−3−メチル−2−ピラゾリン−
5−オン濃度変化によるカルボキシ−PTIのESRシ
グナルの変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 231/26 C07D 231/26

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下式(I) 【化1】 (式中、R1は水素原子、アリール、炭素数1〜5のア
    ルキル又は総炭素数3〜6のアルコキシカルボニルアル
    キルを表し、R2は、水素原子、アリールオキシ、アリ
    ールメルカプト、炭素数1〜5のアルキル又は1〜3の
    ヒドロキシアルキルを表し、あるいは、R1及びR2は、
    共同して炭素数3〜5のアルキレンを表し、R3は水素
    原子、炭素数1〜5のアルキル、炭素数5〜7のシクロ
    アルキル、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル、ベンジ
    ル、ナフチル又はフェニル、又は炭素数1〜5のアルコ
    キシ、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル、総炭素数2
    〜5のアルコキシカルボニル、炭素数1〜3のアルキル
    メルカプト、炭素数1〜4のアルキルアミノ、総炭素数
    2〜8のジアルキルアミノ、ハロゲン原子、トリフルオ
    ロメチル、カルボキシル、シアノ、水酸基、ニトロ、ア
    ミノ、及びアセトアミドからなる群から選ばれる同一若
    しくは異なる1〜3個の置換基で置換されたフェニルを
    表す。)で表されるピラゾロン誘導体若しくはその生理
    的に許容される塩、又はそれらの水和物もしくは溶媒和
    物を有効成分として含有する一酸化窒素ラジカル消去
    剤。
  2. 【請求項2】3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリ
    ン−5−オン若しくはその生理的に許容される塩、又は
    それらの水和物もしくは溶媒和物を有効成分として含有
    する一酸化窒素ラジカル消去剤。
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