JP2005029573A - 腫瘍転移抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規な腫瘍転移抑制剤、腫瘍転移を抑制する医薬及び腫瘍転移抑制方法の提供。
【解決手段】下記式(I)で示されるピラゾロン誘導体(例えば、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン)等を有効成分として含む腫瘍転移抑制剤。
Figure 2005029573

【選択図】なし

Description

本発明は、ピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む腫瘍転移抑制剤に関する。
癌の治療法の開発を目的としたこれまでの研究により、癌の悪性化のメカニズム、増殖因子やその受容体、細胞内情報伝達系、並びに癌遺伝子や癌抑制遺伝子の役割についての理解は大きく進歩してきた。その一方で、これらの知見により、個々の癌を形成する悪性化のメカニズムは多数存在し、癌が非常に多様性に富んだ疾患であることも判明してきた。癌の治療のために現在用いられている外科手術、放射線療法、及び化学療法(細胞増殖阻害剤又はホルモン剤などの投与)は比較的非特異的な方法であり、有効性は個々の癌によって大きく変わる。特に癌の化学療法においては、多くの化学物質が医薬品として実用化されているが、多くの場合、薬効が不十分なだけでなく、その作用部位が癌細胞に限定されないために強い非特異的細胞毒性を有し、結果として副作用をもたらすことが臨床応用上の大きな問題となっている。
さらに、悪性腫瘍は、早期診断と治療法の進歩によりその治癒率が高まりつつあるが、転移が起こると現在の治療法では対処できないことが多く、悪性腫瘍転移の克服は医療上の重要な課題の1つとなっている。現在、腫瘍摘出に伴う転移抑制には化学療法剤が用いられているが、十分な効果を奏する腫瘍転移抑制剤は得られていない。従って、有効性の高い腫瘍転移抑制剤の開発が望まれている。
一方、下記式(I):
Figure 2005029573
(式中、R1は水素原子、アリール、炭素数1〜5のアルキル又は総炭素数3〜6のアルコキシカルボニルアルキルを表し、R2は、水素原子、アリールオキシ、アリールメルカプト、炭素数1〜5のアルキル又は1〜3のヒドロキシアルキルを表し、あるいは、R1及びR2は、共同して炭素数3〜5のアルキレンを表し、R3は水素原子、炭素数1〜5のアルキル、炭素数5〜7のシクロアルキル、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル、ベンジル、ナフチル又はフェニル、又は炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル、総炭素数2〜5のアルコキシカルボニル、炭素数1〜3のアルキルメルカプト、炭素数1〜4のアルキルアミノ、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、カルボキシル、シアノ、水酸基、ニトロ、アミノ、及びアセトアミドからなる群から選ばれる同一若しくは異なる1〜3個の置換基で置換されたフェニルを表す。)で表されるピラゾロン誘導体については、医薬の用途として、脳機能正常化作用(特許文献1参照)、過酸化脂質生成抑制作用(特許文献2参照)、抗潰瘍作用(特許文献3参照)、及び血糖上昇抑制作用(特許文献4参照)等が知られている。
また、上記式(I)の化合物のうち、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンを有効成分とする製剤は、2001年6月以来、脳保護剤(一般名「エダラボン」、商品名「ラジカット」:三菱ウェルファーマ株式会社製造・販売)として上市されている。この「エダラボン」は、活性酸素に対して高い反応性を有することが報告されている(非特許文献1;非特許文献2参照)。このように、エダラボンは活性酸素をはじめとする種々のフリーラジカルを消去することで、細胞障害などを防ぐ働きをするフリーラジカルスカベンジャーである。しかしながら、これまでエダラボンが腫瘍転移の抑制に対して有効であるか否かの検討については全く報告がない。
特公平5−31523号公報 特公平5−35128号公報 特開平3−215425号公報 特開平3−215426号公報 Kawai, H., et al., J. Phamacol. Exp. Ther., 281(2), 921, 1997 Wu, TW. et al., Life Sci, 67(19), 2387, 2000
本発明の課題は、腫瘍、特に好ましくは大腸腺癌などの悪性腫瘍の転移を抑制するために有用な腫瘍転移抑制剤並びに医薬及びこの医薬を用いた腫瘍転移抑制方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決することを目的として、式(I)で示されるピラゾロン誘導体による腫瘍転移の抑制効果について腫瘍モデル動物を用いて検討した。その結果、上記ピラゾロン誘導体の投与又は上記ピラゾロン誘導体とI型トポイソメラーゼ阻害剤とを併用することにより、腫瘍モデル動物の腫瘍の転移を抑制でき、生存率を向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、下記式(I):
Figure 2005029573
(式中、R1は、水素原子、アリール基、炭素数1〜5のアルキル基又は総炭素数3〜6のアルコキシカルボニルアルキル基を表し;R2は、水素原子、アリールオキシ基、アリールメルカプト基、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を表し;あるいは、R1及びR2は、共同して炭素数3〜5のアルキレン基を表し;R3は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、ベンジル基、ナフチル基、フェニル基、又は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、総炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜3のアルキルメルカプト基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基及びアセトアミド基からなる群から選ばれる同一若しくは異なる1〜3個の置換基で置換されたフェニル基を表す。)
で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む、腫瘍転移抑制剤並びに医薬及びこの医薬を用いた腫瘍転移抑制方法が提供される。
本発明の好ましい態様によれば、式(I)で示されるピラゾロン誘導体は、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンである。
本発明の好ましい態様によれば、腫瘍は悪性腫瘍であり、さらに好ましくは大腸腺癌である。
本発明の好ましい態様によれば、本発明の腫瘍転移抑制剤は、肺への腫瘍転移を抑制するために使用できる。
本発明の別の側面によれば、上記式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分とする化合物とI型トポイソメラーゼ阻害剤とを同時に若しくは別々に又は逐次的に投与することを特徴とする医薬が提供される。
本発明の好ましい態様によれば、式(I)で示されるピラゾロン誘導体は、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンである。
本発明の好ましい態様によれば、I型トポイソメラーゼ阻害剤は塩酸イリノテカン又は塩酸ノギテカンである。
好ましい態様によれば、本発明の医薬は腫瘍転移抑制剤であり、さらに好ましくは、腫瘍が悪性腫瘍であり、さらに好ましくは腫瘍は大腸腺癌である。
本発明の好ましい態様によれば、本発明の医薬は、肺への腫瘍転移を抑制するために使用できる。
本発明のさらに別の側面によれば、上記式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物とI型トポイソメラーゼ阻害剤とを併用することを特徴とする腫瘍転移抑制方法が提供される。
上記の腫瘍転移抑制方法において、好ましくは、式(I)で示されるピラゾロン誘導体は3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンである。
上記の腫瘍転移抑制方法において、好ましくは、I型トポイソメラーゼ阻害剤は塩酸イリノテカン又は塩酸ノギテカンである。
上記の腫瘍転移抑制方法において、好ましくは腫瘍は悪性腫瘍であり、さらに好ましくは腫瘍は大腸腺癌である。
上記の腫瘍転移抑制方法において、好ましくは、肺への腫瘍転移を抑制することができる。
本発明のさらに別の局面によれば、上記式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物の予防及び/又は治療有効量をヒトを含む哺乳動物に投与する工程を含む、腫瘍の転移を抑制する方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、腫瘍転移抑制剤の製造のための式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物の使用が提供される。
本発明の腫瘍転移抑制剤並びに医薬及びこの医薬を用いた腫瘍転移抑制方法は、腫瘍の転移を効果的に抑制することができ、各種の癌に対する化学療法剤として有用である。
本発明による腫瘍転移抑制剤並びに医薬及びこの医薬を用いた腫瘍転移抑制方法は、本明細書に定義する式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を含む。
本発明で用いる式(I)で示される化合物は、互変異性により、以下の式(I')又は(I”)で示される構造をもとりうる。本明細書の式(I)には、便宜上、互変異性体のうちの1つを示したが、当業者には下記の互変異性体の存在は自明である。本発明の医薬の有効成分としては、下記の式(I')又は(I”)で表される化合物若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を用いてもよい。
Figure 2005029573
式(I)において、R1の定義におけるアリール基は単環性又は多環性アリール基のいずれでもよい。例えば、フェニル基、ナフチル基などのほか、メチル基、ブチル基などのアルキル基、メトキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、塩素原子などのハロゲン原子、又は水酸基等の置換基で置換されたフェニル基等が挙げられる。アリール部分を有する他の置換基(アリールオキシ基など)におけるアリール部分についても同様である。
1、R2及びR3の定義における炭素数1〜5のアルキル基は直鎖状、分枝鎖状のいずれでもよい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。アルキル部分を有する他の置換基(アルコキシカルボニルアルキル基)におけるアルキル部分についても同様である。
1の定義における総炭素数3〜6のアルコキシカルボニルアルキル基としては、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、プロポキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、メトキシカルボニルプロピル基等が挙げられる。
2の定義におけるアリールオキシ基としては、p−メチルフェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基、p−クロロフェノキシ基、p−ヒドロキシフェノキシ基等が挙げられ、アリールメルカプト基としては、フェニルメルカプト基、p−メチルフェニルメルカプト基、p−メトキシフェニルメルカプト基、p−クロロフェニルメルカプト基、p−ヒドロキシフェニルメルカプト基等が挙げられる。
2及びR3の定義における炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。R3の定義における炭素数5〜7のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。
3の定義において、フェニル基の置換基における炭素数1〜5のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられ、総炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が挙げられ、炭素数1〜3のアルキルメルカプト基としては、メチルメルカプト基、エチルメルカプト基、プロピルメルカプト基等が挙げられ、炭素数1〜4のアルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基等が挙げられ、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等が挙げられる。
本発明の腫瘍転移抑制剤並びに医薬及びこの医薬を用いた腫瘍転移抑制方法の有効成分(以下、本発明の有効成分と略すことがある)として好適に用いられる化合物(I)として、例えば、以下に示す化合物が挙げられる。
3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(2−メチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(3−メチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(4−メチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(3,4−ジメチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−エチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(4−プロピルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ブチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(2−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−エトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(4−プロポキシフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ブトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(2−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ブロモフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−フルオロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3−メチルメルカプトフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−メチルメルカプトフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
4−(3−メチル−5−オキソ−2−ピラゾリン−1−イル)安息香酸;
1−(4−エトキシカルボニルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ニトロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−エチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−フェニル−3−プロピル−2−ピラゾリン−5−オン;
1,3−ジフェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−フェニル−1−(p−トリル)−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−クロロフェニル)−3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3,4−ジメチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
4−イソブチル−3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
4−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−4−フェノキシ−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−4−フェニルメルカプト−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3,3',4,5,6,7−ヘキサヒドロ−2−フェニル−2H−インダゾール−3−オン;
3−(エトキシカルボニルメチル)−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1,3−ジメチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−エチル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−ブチル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(2−ヒドロキエチル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−シクロヘキシル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−ベンジル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(α−ナフチル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−メチル−3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(4−メチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ブチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ブトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(2−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3,4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ヒドロキシメチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−アミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−メチルアミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−エチルアミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ブチルアミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(アセトアミドフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;及び
1−(4−シアノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン
本発明の有効成分である式(I)は遊離形態の化合物のほか、生理学的に許容される塩を用いてもよい。生理学的に許容される塩としては、塩酸、硫酸、臭化水素塩、リン酸等の鉱酸との塩;メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、酢酸、グリコール酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、シュウ酸、アスコルビン酸、クエン酸、サリチル酸、ニコチン酸、酒石酸等の有機酸との塩;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属との塩;アンモニア、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)ピペラジン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、エタノールアミン、N−メチルグルタミン、L−グルタミン等のアミンとの塩が挙げられる。また、グリシンなどのアミノ酸との塩を用いてもよい。
本発明の有効成分としては、上記式(I)で表される化合物若しくはその生理学的に許容される塩の水和物、又は上記式(I)で表される化合物若しくはその生理学的に許容される塩の溶媒和物を用いてもよい。溶媒和物を形成する有機溶媒の種類は特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどを例示することができる。また、上記式(I)で表される化合物は、置換基の種類により1以上の不斉炭素を有する場合があり、光学異性体又はジアステレオ異性体などの立体異性体が存在する場合がある。本発明の有効成分としては、純粋な形態の立体異性体、立体異性体の任意の混合物、ラセミ体などを用いてもよい。
式(I)で表される化合物はいずれも公知の化合物であり、特公平5−31523号公報などに記載された方法により当業者が容易に合成できる。
式(I)で表される化合物の投与量は特に限定されないが、通常は、有効成分である式(I)で示される化合物の重量として一般に経口投与の場合には一日あたり0.1〜1000mg/kg体重、好ましくは一日あたり0.5〜50mg/kg体重、であり、非経口投与の場合には一日あたり0.01〜100mg/kg体重、好ましくは0.1〜10mg/kg体重である。上記投与量は1日1回又は2〜3回に分けて投与するのが好ましく、年齢、病態、症状により適宜増減してもよい。
一方、本発明の医薬及びこの医薬を用いた腫瘍転移抑制方法で用いることが可能なもう一つの有効成分であるI型トポイソメラーゼ阻害剤としては塩酸イリノテカン、塩酸ノギテカンを例として挙げることができ、好ましくは塩酸イリノテカンを例として挙げることができる。I型トポイソメラーゼ阻害剤は遊離形態の化合物のほか、既に式(I)について述べたのと同様な生理学的に許容される塩又はそれらの水和物若しくは溶媒和物として用いてもよい。I型トポイソメラーゼ阻害剤の一つである塩酸イリノテカンは公知の化合物であり、特開昭61−85319号公報などに記載された方法により当業者が容易に合成できる。I型トポイソメラーゼ阻害剤の投与量は特に限定されないが、一般には経口投与の場合、一日あたり0.1〜1000mg/kg体重、好ましくは一日あたり0.5〜50mg/kg体重であり、非経口投与の場合には一日あたり0.01〜100mg/kg体重、好ましくは一日あたり0.1〜10mg/kg体重である。上記投与量は1日1回又は2〜3回に分けて投与するのが好ましく、年齢、病態、症状により適宜増減しても良い。
本発明の有効成分である上記式(I)で表される化合物及びI型トポイソメラーゼ阻害剤若しくはそれらの生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物をそのまま投与してもよいが、一般的には、有効成分である上記の物質と薬理学的及び製剤学的に許容される添加物を含む医薬組成物を調製して投与することが好ましい。
薬理学的及び製剤学的に許容しうる添加物としては、例えば、賦形剤、崩壊剤ないし崩壊補助剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基剤、溶解剤ないし溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、安定化剤、噴射剤、及び粘着剤等を用いることができる。
経口投与に適する医薬組成物には、添加物として、例えば、ブドウ糖、乳糖、D−マンニトール、デンプン、又は結晶セルロース等の賦形剤;カルボキシメチルセルロース、デンプン、又はカルボキシメチルセルロースカルシウム等の崩壊剤又は崩壊補助剤;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、又はゼラチン等の結合剤;ステアリン酸マグネシウム又はタルク等の滑沢剤;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、白糖、ポリエチレングリコール又は酸化チタン等のコーティング剤;ワセリン、流動パラフィン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、カオリン、グリセリン、精製水、又はハードファット等の基剤を用いることができる。
注射あるいは点滴用に適する医薬組成物には、注射用蒸留水、生理食塩水、プロピレングリコール等の水性あるいは用時溶解型注射剤を構成しうる溶解剤又は溶解補助剤;ブドウ糖、塩化ナトリウム、D−マンニトール、グリセリン等の等張化剤;無機酸、有機酸、無機塩基又は有機塩基等のpH調節剤等の添加物を用いることができる。
本発明の腫瘍転移抑制剤並びに医薬及びこの医薬を用いた腫瘍転移抑制方法に用いる薬剤の形態は特に限定されず、当業者に利用可能な種々の形態をとることができる。経口投与に適する医薬として、例えば、固体の製剤用添加物を用いて錠剤、散剤、顆粒剤、硬ゼラチンカプセル剤、坐剤、又はトローチ剤などを調製することができ、液状の製剤用添加物を用いてシロップ剤、乳剤、軟ゼラチンカプセル剤などを調製することができる。また、非経口投与に適する医薬として、注射剤、点滴剤、吸入剤、坐剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤などを調製することができる。なお、上記の式(I)の化合物を有効成分とする脳保護剤(点滴剤)が、すでに臨床において使用されているので(一般名「エダラボン」、商品名「ラジカット」:三菱ウェルファーマ株式会社製造・販売)、本発明の腫瘍転移抑制剤において上記市販製剤をそのまま用いることができる。
本発明の腫瘍転移抑制剤並びに医薬及びこの医薬を用いた腫瘍転移抑制方法に用いる薬剤の投与経路は特に限定されず、経口的又は非経口的に投与することができる。非経口投与の投与経路も特に限定されず、静脈内、筋肉内、皮内、皮下に注射投与することができる。
本発明の腫瘍転移抑制剤は式(I)の化合物を単独で使用することもできるが、I型トポイソメラーゼ阻害剤と併用することにより、腫瘍転移抑制効果をさらに効果的に発揮することができ、累積生存率もさらに効果的に改善する。
式(I)の化合物とI型トポイソメラーゼ阻害剤とを同時に若しくは別々に又は逐次的に用いる場合の投与形態は、特に限定されず、投与時に式(I)の化合物とI型トポイソメラーゼ阻害剤とが組み合わされていればよい。この様な投与形態としては、例えば(1)式(I)の化合物とI型トポイソメラーゼ阻害剤とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)式(I)の化合物とI型トポイソメラーゼ阻害剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)式(I)の化合物とI型トポイソメラーゼ阻害剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での逐次投与、(4)式(I)の化合物とI型トポイソメラーゼ阻害剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)式(I)の化合物とI型トポイソメラーゼ阻害剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での逐次投与等がある。また、逐次投与の場合、式(1)の化合物とI型トポイソメラーゼ阻害剤の投与の順番はいずれが先でも良い。具体的には式(1)の化合物とI型トポイソメラーゼ阻害剤とを別々に注射剤とし、その注射剤を同時に又は逐次的に投与することが例示される。また、本発明の腫瘍転移抑制方法について、「併用する」というときは上記(1)から(5)の投与形態の場合を含む。
また、本発明の腫瘍転移抑制剤並びに医薬及びこの医薬を用いた腫瘍転移抑制方法は、腫瘍の転移に先立って予防的に投与しておくこともできる。また、腫瘍の転移を発症した患者に対しては、症状の悪化の防止ないしは症状の軽減などを目的として、本発明の腫瘍転移抑制剤を該患者に投与することができる。
本発明の腫瘍転移抑制剤並びに医薬及びこの医薬を用いた腫瘍転移抑制方法は、腫瘍転移の抑制のために広く使用することができる。腫瘍の転移とは、具体的には、患者に存在していた腫瘍(癌細胞)が他の部位に転移してそこで自律的に増殖していくことを言う。本発明の腫瘍転移抑制剤は、このような腫瘍の転移を防止するために使用することができる。なお、腫瘍の転移は主として、リンパ行性転移、血行性転移、接触性転移及び播種性転移の4通りの経路により生じるが、本発明の腫瘍転移抑制剤は、これらの何れにも適用可能である。
本発明の腫瘍転移抑制剤並びに医薬及びこの医薬を用いた腫瘍転移抑制方法は、腫瘍の再発予防のために使用することもできる。腫瘍の再発とは手術等で腫瘍を一旦切除した後、一定期間経過後に別の部位で腫瘍が着床/増殖していくことを言う。腫瘍の再発は、例えば、手術の際における癌細胞の取り残し等が原因となり、残存した癌細胞が別の部位に転移することによって生じる。従って、本発明の腫瘍転移抑制剤は、手術に先立って患者に投与することによって、癌の再発を予防することができる。
本発明の腫瘍転移抑制剤並びに医薬及びこの医薬を用いた腫瘍転移抑制方法を用いることができる原発癌の種類は特には限定されず、良性腫瘍及び悪性腫瘍の全てを包含するが、好ましくは悪性腫瘍である。悪性腫瘍の具体例としては、大腸腺癌、肺癌、胃癌、肝臓癌、乳癌などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、本発明の腫瘍転移抑制剤により抑制することができる転移巣の部位も特には限定されず、例えば、肺、肝臓などが挙げられ、特に好ましくは肺である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により限定されるものではない。
合成例:3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン(以下、エダラボンと称す)の合成
エタノール50ml中にアセト酢酸エチル13.0g及びフェニルヒドラジン10.8gを加え、3時間還流攪拌した。反応液を放冷後、析出した結晶をろ取し、エタノールより再結晶して、表題の化合物11.3gを無色結晶として得た。
収率 67%
融点 127.5〜128.5℃
試験例1:
2×104個のColon26大腸腺癌細胞(Corbett TH et al., Cancer Res., 1975, 35: 2434-9)をマウス(BALB/c、雄、6週齢)の尾静脈より静脈内投与し、18日後にそれぞれのマウスを犠牲死させ、肺を摘出した。摘出した肺の表面の腫瘍結節を肉眼的に数えた。また、各々の治療群別の生存曲線を作成した。実験は、以下の群のマウスについて行った。
エダラボン投与群:エダラボンをColon26大腸腺癌細胞の投与の翌日(第一日目)から投与を開始し、第1日目、第2日目、第6日目、第7日目、第11日目、第12日目、第16日目及び第17日目に、30mg/kg/1回の投与量を1日当たり2回ずつ腹腔内投与した。
CPT−11投与群:CPT−11(塩酸イリノテカン、I型I型DNAトポイソメラーゼ阻害剤)(第一製薬)をColon26大腸腺癌細胞の投与の翌日(第一日目)から投与を開始し、第1日目、第6日目、第11日目及び第16日目に、30mg/kg/1回の投与量で1日当たり1回ずつ腹腔内投与した。
エダラボン+CPT−11投与群:エダラボンとCPT−11の両方を、それぞれエダラボン投与群及びCPT−11投与群の場合と同様に投与した。
無処置群:コントロール群として、エダラボンもCPT−11も投与しない群を無処置群とした。
肺の表面の腫瘍結節数の測定結果を図1に示し、生存曲線を図2に示す。図1に示す通り、エダラボン投与群、及びエダラボン+CPT−11投与群では、無処置群と比較して、肺の表面の腫瘍結節数が有意に減少し、腫瘍の転移が抑制されていた。一方、無処置群とCPT−11投与群では有意差は認められなかった。さらに図2に示す通り、エダラボン投与群、及びエダラボン+CPT−11投与群では、無処置群と比較して、生存率の向上が認められた。以上の結果から、エダラボンの投与により、腫瘍の転移を効果的に抑制できることが実証された。
図1は、腫瘍モデルマウスを用いた実験において、肺の表面の腫瘍結節数を測定した結果を示す。 図2は、腫瘍モデルマウスを用いた実験における生存曲線を示す。

Claims (18)

  1. 下記式(I):
    Figure 2005029573
    (式中、R1は、水素原子、アリール基、炭素数1〜5のアルキル基又は総炭素数3〜6のアルコキシカルボニルアルキル基を表し;R2は、水素原子、アリールオキシ基、アリールメルカプト基、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を表し;あるいは、R1及びR2は、共同して炭素数3〜5のアルキレン基を表し;R3は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、ベンジル基、ナフチル基、フェニル基、又は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、総炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜3のアルキルメルカプト基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基及びアセトアミド基からなる群から選ばれる同一若しくは異なる1〜3個の置換基で置換されたフェニル基を表す。)
    で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む、腫瘍転移抑制剤。
  2. 式(I)で示されるピラゾロン誘導体が3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンである請求項1に腫瘍転移抑制剤。
  3. 腫瘍が悪性腫瘍である、請求項1又は2に記載の腫瘍転移抑制剤。
  4. 腫瘍が大腸腺癌である、請求項1から3の何れかに記載の腫瘍転移抑制剤。
  5. 肺への腫瘍転移を抑制するための、請求項1から4の何れかに記載の腫瘍転移抑制剤。
  6. 下記式(I):
    Figure 2005029573
    (式中、R1は、水素原子、アリール基、炭素数1〜5のアルキル基又は総炭素数3〜6のアルコキシカルボニルアルキル基を表し;R2は、水素原子、アリールオキシ基、アリールメルカプト基、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を表し;あるいは、R1及びR2は、共同して炭素数3〜5のアルキレン基を表し;R3は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、ベンジル基、ナフチル基、フェニル基、又は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、総炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜3のアルキルメルカプト基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基及びアセトアミド基からなる群から選ばれる同一若しくは異なる1〜3個の置換基で置換されたフェニル基を表す。)
    で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分とする化合物とI型トポイソメラーゼ阻害剤とを同時に若しくは別々に又は逐次的に投与することを特徴とする医薬。
  7. 式(I)で示されるピラゾロン誘導体が3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンである請求項6に記載の医薬。
  8. I型トポイソメラーゼ阻害剤が塩酸イリノテカン又は塩酸ノギテカンである請求項6又は7に記載の医薬。
  9. 腫瘍転移抑制剤である請求項6から8の何れかに記載の医薬。
  10. 腫瘍が悪性腫瘍である請求項9に記載の医薬。
  11. 腫瘍が大腸腺癌である請求項9又は10に記載の医薬。
  12. 肺への腫瘍転移を抑制するための請求項9から11の何れかに記載の医薬。
  13. 下記式(I):
    Figure 2005029573
    (式中、R1は、水素原子、アリール基、炭素数1〜5のアルキル基又は総炭素数3〜6のアルコキシカルボニルアルキル基を表し;R2は、水素原子、アリールオキシ基、アリールメルカプト基、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を表し;あるいは、R1及びR2は、共同して炭素数3〜5のアルキレン基を表し;R3は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、ベンジル基、ナフチル基、フェニル基、又は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、総炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜3のアルキルメルカプト基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基及びアセトアミド基からなる群から選ばれる同一若しくは異なる1〜3個の置換基で置換されたフェニル基を表す。)
    で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物とI型トポイソメラーゼ阻害剤とを併用することを特徴とする腫瘍転移抑制方法。
  14. 式(I)で示されるピラゾロン誘導体が3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンである請求項13に記載の腫瘍転移抑制方法。
  15. I型トポイソメラーゼ阻害剤が塩酸イリノテカン又は塩酸ノギテカンである、請求項13又は14に記載の腫瘍転移抑制方法。
  16. 腫瘍が悪性腫瘍である請求項13から15の何れかに記載の腫瘍転移抑制方法。
  17. 腫瘍が大腸腺癌である請求項13から16の何れかに記載の腫瘍転移抑制方法。
  18. 肺への腫瘍転移を抑制するための請求項13から17の何れかに記載の腫瘍転移抑制方法。

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