JP2003336052A - プラズマディスプレイ装置 - Google Patents

プラズマディスプレイ装置

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JP2003336052A
JP2003336052A JP2002142661A JP2002142661A JP2003336052A JP 2003336052 A JP2003336052 A JP 2003336052A JP 2002142661 A JP2002142661 A JP 2002142661A JP 2002142661 A JP2002142661 A JP 2002142661A JP 2003336052 A JP2003336052 A JP 2003336052A
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mgal
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Masaki Aoki
正樹 青木
Hiroyuki Kawamura
浩幸 河村
Kazuhiko Sugimoto
和彦 杉本
Mitsuhiro Otani
光弘 大谷
Hiroshi Setoguchi
広志 瀬戸口
Junichi Hibino
純一 日比野
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • H01J11/00Gas-filled discharge tubes with alternating current induction of the discharge, e.g. alternating current plasma display panels [AC-PDP]; Gas-filled discharge tubes without any main electrode inside the vessel; Gas-filled discharge tubes with at least one main electrode outside the vessel
    • H01J11/10AC-PDPs with at least one main electrode being out of contact with the plasma
    • H01J11/12AC-PDPs with at least one main electrode being out of contact with the plasma with main electrodes provided on both sides of the discharge space
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 プラズマディスプレイ装置において、蛍光体
層の輝度の劣化を防止する。 【解決手段】 プラズマディスプレイ装置において、B
(1-x)MgAl1017:Eux青色蛍光体中のEuの量
xが0.2〜0.8でかつ、2価のEuイオンのうち、
15%〜75%を3価のEuイオンで置換した蛍光体を
用いることにより、パネル製造工程での輝度劣化の少な
い高輝度なプラズマディスプレイ装置が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はテレビなどの画像表
示に用いられ、かつ紫外線により励起されて発光する蛍
光体層を有するプラズマディスプレイ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータやテレビなどの画像
表示に用いられているカラー表示デバイスにおいて、プ
ラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)を用
いたプラズマディスプレイ装置は、大型で薄型軽量を実
現することのできるカラー表示デバイスとして注目され
ている。
【0003】プラズマディスプレイ装置は、いわゆる3
原色(赤、緑、青)を加法混色することにより、フルカ
ラー表示を行っている。このフルカラー表示を行うため
に、プラズマディスプレイ装置には3原色である赤
(R)、緑(G)、青(B)の各色を発光する蛍光体層
が備えられ、この蛍光体層を構成する蛍光体粒子はPD
Pの放電セル内で発生する紫外線により励起され、各色
の可視光を生成している。
【0004】上記各色の蛍光体に用いられる化合物とし
ては、例えば、赤色を発光する(YGd)BO3:Eu
3+、Y23:Eu3+、緑色を発光するZn2SiO4:M
2+、青色を発光するBaMgAl1017:Eu2+が知
られている。これらの各蛍光体は、所定の原材料を混ぜ
合わせた後、1000℃以上の高温で焼成することによ
り固相反応されて作製される(例えば、蛍光体ハンドブ
ック P219、225 オーム社参照)。この焼成に
より得られた蛍光体粒子は、粉砕してふるい分け(赤、
緑の平均粒径:2μm〜5μm、青の平均粒径:3μm
〜10μm)を行ってから使用している。
【0005】蛍光体粒子を粉砕、ふるい分け(分級)す
る理由は、一般にPDPに蛍光体層を形成する場合にお
いて、各色蛍光体粒子をペーストにしてスクリーン印刷
する手法、または細いノズルから蛍光体インキを吐出さ
せるインキジェット法等が用いられており、ペーストを
塗布した際に蛍光体の粒子径が小さく、均一である(粒
度分布がそろっている)方がよりきれいな塗布面が得易
いためである。つまり、蛍光体の粒子径が小さく、均一
で形状が球状に近いほど、塗布面がきれいになり、蛍光
体層における蛍光体粒子の充填密度が向上するととも
に、粒子の発光表面積が増加し、アドレス駆動時の不安
定性も改善される。理論的にはプラズマディスプレイ装
置の輝度を上げることができると考えられるからであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、蛍光体
粒子の粒径を小さくすることで蛍光体の表面積が増大し
たり、蛍光体中の欠陥が増大したりする。そのため、蛍
光体表面に多くの水や炭酸ガス、または炭化水素系の有
機物が付着しやすくなる。特に、Ba1-XMgAl10
17:EuX、Ba1-x-ySryMgAl1017:EuXのよ
うな2価のEuイオンが発光中心となる青色蛍光体の場
合は、これらの結晶構造が層状構造を有しており(例え
ば、ディスプレイアンドイメージング 1999.Vol.
7、pp225〜234)、その層の中でBa原子を含有する層
(Ba−O層)近傍の酸素(O)に欠損が、粒径に関係
なく存在しており、粒径が小さくなると、その欠陥量が
さらに増大するという課題を有している(例えば、応用
物理、第70巻 第3号 2001年 pp310)。
【0007】そのため、蛍光体のBa−O層の表面に空
気中に存在する水や炭化水素系ガスが選択的に吸着して
しまう。したがって、パネル製造工程中で水が大量にパ
ネル内に放出され、放電中に蛍光体やMgOと反応して
輝度劣化や色度変化(色度変化による色ずれや画面の焼
き付け)、あるいは駆動マージンの低下や放電電圧の上
昇といった課題が発生する。
【0008】また、水や炭化水素系ガスが選択的に青色
蛍光体に吸着するためペーストやインキを作製する時、
バインダー中のエチルセルロースが、青色蛍光体に吸着
しにくくなるため、蛍光体とエチルセルロースが分離し
やすくなる。エチルセルロースと蛍光体が分離すると、
細いノズルから蛍光体インキを塗布する場合、蛍光体は
速度勾配がゼロとなるノズル開口部付近に堆積し、結果
としてノズルの目詰まりを起こすという課題が発生す
る。
【0009】また、従来のPDPにおいて、蛍光体層の
形成は、蛍光体粒子を含有したインキを印刷法や、イン
キジェット法で塗布して作製している。
【0010】これらいずれの方法においても、インキ中
の有機バインダーや溶剤成分を除去するために、蛍光体
層形成後500℃〜600℃で焼成する必要がある。さ
らに前面ガラス基板と背面ガラス基板をフリットガラス
で接着するため再度400℃〜450℃で焼成するプロ
セス(封着プロセス)が必要である。
【0011】これらの焼成プロセスにおいて、従来使用
されていたBa1-XMgAl1017:EuXまたはBa
1-x-ySryMgAl1017:EuXは、焼成による輝度
劣化を抑えるためにEu原子の数xを0.1以下にして
いた(例えば、特開平11−323325号公報)。
【0012】これらの従来の課題を解決するために、蛍
光体を酸化雰囲気で焼成して、青色蛍光体の酸素欠陥を
補う方法が提案されているが、この方法では酸素欠陥は
なくなるが、蛍光体の輝度が低下するという課題が発生
する。
【0013】またこれら上記の課題を解決するために、
従来Ba−O層の欠陥の修復することを目的に、蛍光体
表面にAl23の結晶を全面にコーティングする方法が
考案されている。
【0014】しかしながら、全面にコートすることによ
って、コート層による紫外線の吸収が起こり、蛍光体ま
でに紫外線が届きにくくなり、発光輝度が低下するとい
う課題及びコーティングしてもなお紫外線によって蛍光
体がダメージを受け、輝度が低下するという課題があっ
た。
【0015】また酸素欠陥を低減するために、Euの量
xが0.2以下のBa1-XMgAl1 017:EuXの青色
蛍光体を酸素ガスを含む雰囲気で焼成し、2価のEuの
1部(15%以下)を3価にする試みが成されて来た。
しかし、2価を15%程度酸化させたのでは、ノズルの
目詰まりの解消は困難であり、しかも輝度も低下すると
いう課題があった。
【0016】本発明はこのような課題に鑑みなされたも
ので、Baを量含有する層(Ba−O層)近傍の酸素の
欠陥をなくすことで、青色蛍光体表面への水や炭化水素
の吸着を抑え、蛍光体の輝度劣化や色度変化、または放
電特性の改善を行うことを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、青色蛍光体のBaあるいは、Sr原子と置
換するEuの量を20%〜80%(Euの量xが0.2
≦x≦0.8)と従来より大幅に増加させて作製した2
価のEuを含む青色蛍光体を、酸化雰囲気で焼成して、
Euの2価の内15%〜75%を3価のEuに置換する
ことにより、Baを量含有する層(Ba−O層)近傍の
酸素の欠陥をなくし、青色蛍光体表面への水や炭化水素
系ガスの吸着を抑え、しかも蛍光体の輝度を低下させる
ことなく、パネルの輝度劣化や色度変化あるいは、放電
特性の改善を行うものである。
【0018】
【発明の実施の形態】ところで、PDPなどに用いられ
ている蛍光体は、固相反応法や水溶液反応法等で作製さ
れているが、粒子径が小さくなると欠陥が発生しやすく
なる。特に、固相反応では蛍光体を還元雰囲気で焼成し
たり、粉砕したりすることで、多くの欠陥が生成するこ
とが知られている。また、パネルを駆動する時の放電に
よって生じる波長が147nmの紫外線によっても、蛍
光体に欠陥が発生するということも知られている(例え
ば、電子情報通信学会 技術研究報告、EID99−9
4 2000年1月27日)。
【0019】特に、青色蛍光体であるBaMgAl10
17:Euは、蛍光体自身に酸素欠陥(特にBa−O層)
を有していることも知られている(例えば、応用物理、
第70巻 第3号 2001年 PP310)。図6
は、Ba1-XMgAl1017:EuX青色蛍光体のBa−
O層の構成を模式的に示した図である。
【0020】従来の青色蛍光体についてこれらの欠陥が
発生することそのものが、輝度劣化の原因であるとされ
てきた。すなわち、パネル駆動時に発生するイオンによ
る蛍光体への衝撃によってできる欠陥や、波長147n
mの紫外線によってできる欠陥が劣化の原因であるとさ
れてきた。
【0021】本発明者らは、輝度劣化の原因の本質は欠
陥が存在することだけで起こるのではなく、Ba−O層
近傍の酸素(O)欠陥に選択的に水や炭酸ガス、または
炭化水素系ガスが吸着し、その吸着した状態に紫外線や
イオンが照射されることによって蛍光体が水や炭化水素
と反応して輝度劣化や色ずれが起こることを見出した。
すなわち、青色蛍光体中のBa−O層近傍の酸素欠陥に
水や炭酸ガス、または炭化水素系ガスを吸着することに
よって、種々の劣化が起こるという知見を得た。
【0022】また、これらの欠陥に水や炭酸ガス、また
は炭化水素ガスが選択的に吸着するため、バインダー中
のエチルセルロースが蛍光体に吸着しにくくなる。その
ため蛍光体同士がエチルセルロースを介して互いに結合
しなくなり、速度勾配がゼロとなるノズル開口部近傍に
堆積して目詰まりを起こすという知見も得た。
【0023】本発明は、これらの知見に基づき、青色蛍
光体中のBa−O層近傍の酸素欠陥を低減させること
で、青色蛍光体の輝度を低下させることなく、パネル作
製工程やパネルの駆動時の青色蛍光体の劣化防止やノズ
ルの目詰まりの防止を行ったものである。すなわち、B
a−O層近傍の酸素欠陥を低減させるために、BaMg
Al1017:Eu、またはBaSrMgAl1017:E
uの結晶構造を有する青色蛍光体中のBa元素と置換し
ている2価のEuイオンの一部を3価のEuイオンで置
換することで、Ba−O層近傍の酸素欠陥を低減させた
ものである。
【0024】青色蛍光体であるBaMgAl1017:E
u中のEu(ユーロピウム)は、Ba(バリウム)の格
子に入り2価のプラスイオンとして存在しているその2
価イオンのうちの一部を蛍光体の酸化等によって3価の
Euイオンで置換するとプラスの電荷が結晶中に増大す
る。この+電荷を中和するために(電荷を補償するため
に)、Ba元素の近傍の酸素欠陥を−電荷を持つ酸素が
埋めるため、結果としてBa−O層近傍の酸素欠陥が低
減できるものと考えられる。
【0025】また、酸素欠陥が少なければ少ないほど、
各工程での劣化の度合いが少なくなる。ただし、3価の
イオンが多くなりすぎると、輝度が低下してしまうので
好ましくなく、Euの3価の量の特に好ましい量は、E
uの量xが0.2以上の場合15%〜75%である。
【0026】BaやSrと置換するEuの量xが0.2
(20%)以上0.8(80%)以下と従来より多い量
にすると、酸素欠陥をなくすために酸化雰囲気で蛍光体
を焼成する時、Euの量が0.2以上と多い場合、Eu
の2価の多くが(例えば75%が)3価になっても25
%の2価のEuが存在しているため、蛍光体としての輝
度は十分保たれる。青色に発光するのは、Baと置換し
た2価のEuイオンで、Ba1-XMgAl1017:EuX
においては、Euの量xが0.05〜0.2程度あれ
ば、輝度はほぼ一定になることがわかっており、Euの
濃度がこれ以上多くても輝度は濃度消光によって向上し
ない。
【0027】したがって、従来よりEuの量を多くして
(xが0.2以上)、酸化雰囲気で焼成すれば、多くの
量の3価のEuイオンを蛍光体内に導入しても、輝度を
低下させずに各工程での劣化の少ないPDPが得られ
る。
【0028】本発明の蛍光体の製造方法としては、従来
の酸化物や炭酸化物、または硝酸化物原料をフラックス
(CaF2、MgF2、EuF3等)を用いた固相焼結法
や、有機金属塩や硝酸塩を用い、これらを水溶液中で加
水分解したり、アルカリ等を加えて沈殿させる共沈法を
用いて蛍光体の前駆体を作製し、次にこれを熱処理する
液相法、または蛍光体原料が入った水溶液を加熱された
炉中に噴霧して作製する液体噴霧法等の蛍光体の製造方
法が考えられるが、いずれの方法で作製した蛍光体を用
いても、Ba1-XMgAl1017:EuX(ただし、0.
2≦x≦0.8)中のEuの2価のイオンを3価のイオ
ンでその一部を置換することの効果があることが判明し
た。
【0029】ここで、蛍光体の製造方法の一例として、
青色蛍光体の固相反応法による製法について述べる。原
料として、BaCO3、MgCO3、Al23、Eu23
等の炭酸化物や酸化物と、焼結促進剤としてのフラック
ス(AlF3、BaCl2)を少量加えて1400℃で2
時間空気中で焼成した後(この時点ではEuはすべて3
価)、これを粉砕及びふるい分けを行い、次に1500
℃で2時間還元性雰囲気(H25%N2中)で焼成し(E
uを2価にする)、再び粉砕とふるい分けを行い、蛍光
体とする。
【0030】次にこの蛍光体を酸素(O2)中、酸素−
窒素(N2)中、水蒸気−窒素中、またはオゾン(O3
−窒素中の酸化雰囲気で700℃〜1100℃で焼成し
て、Eu2価の一部を3価にする。ただし、酸化雰囲気
での焼成は、1500℃での還元工程後同じ炉で降温時
の1100℃〜700℃の間に酸化させても良い。
【0031】ここで酸化工程の温度を700℃〜110
0℃としたのは、700℃以下あるいは、1100℃以
上で焼成すると輝度低下が大きいためであり、700℃
〜1100℃の間にEuの2価の一部が3価になるが、
輝度の低下が起こらない所があることが判明したためで
ある。
【0032】水溶液から蛍光体を作製する液相法の場合
は、蛍光体を構成する元素を含有する有機金属塩(例え
ばアルコキシドやアセチルアセトン)、または硝酸塩を
水に溶解した後、加水分解して共沈物(水和物)を作製
し、それを水熱合成(オートクレーブ中で結晶化)や、
空気中で焼成、または高温炉中に噴霧して得られた粉体
を1500℃で2時間、還元性雰囲気(H25%、N
2中)で焼成し粉砕とふるい分けする。次にこれをO2
2−N2、O3−N2中で700℃〜1100℃で焼成し
て蛍光体とする。
【0033】なお、Eu2価に対するEu3価の量は、
15%〜75%が好ましい。置換量が15%以下ではノ
ズルの目詰まりや輝度劣化を防止する効果が少なく、7
5%以上になると蛍光体の輝度の低下が見られるため好
ましくない。また、前記の2価のEuイオンの一部が3
価になったことについては、EXAFS(X−raya
bsorption nearedge struct
ure)の測定により同定した。
【0034】このように従来の青色蛍光体粉作製工程を
用いて、Ba1-XMgAl1017:EuX結晶中(ただ
し、0.2≦x≦0.8)のEuの2価イオンのうち、
15%〜75%をEuの3価のイオンで一部置換するこ
とで、青色蛍光体の輝度を低下させることなく、水や炭
化水素に対して強い(蛍光体焼成工程や、パネル封着工
程、パネルエージング工程、またはパネル駆動中に発生
する水や炭酸ガスに耐久性を持つ)青色蛍光体が得られ
る。また、インキジェット法で蛍光体層を塗布してもノ
ズルの目詰まりが起こらない。
【0035】すなわち、本発明に係るプラズマディスプ
レイ装置は、1色または複数色の放電セルが複数配列さ
れるとともに、各放電セルに対応する色の蛍光体層が配
設され、その蛍光体層が紫外線により励起されて発光す
るプラズマディスプレイパネルを備えたプラズマディス
プレイ装置であって、前記蛍光体層は青色蛍光体層を有
し、その青色蛍光体層は、Ba1-XMgAl1017:E
XまたはBa1-x-ySryMgAl1017:EuXの結晶
中(ただし、0.2≦x≦0.8)の2価のEuイオン
のうち、15%〜75%を3価のEuイオンにした青色
蛍光体粒子から構成されていることを特徴とする。
【0036】Ba1-XMgAl1017:EuXまたはBa
1-x-ySryMgAl1017:EuX(ただし、0.2≦
x≦0.8)の2価のEuイオンのうち、15%〜75
%を3価のEuイオンにした青色蛍光体粒子は、粒径が
0.05μm〜3μmと小さく、粒度分布も良好であ
る。また、蛍光体層を形成する蛍光体粒子の形状が球状
であれば、さらに充填密度が向上し、実質的に発光に寄
与する蛍光体粒子の発光面積が増加する。したがって、
プラズマディスプレイ装置の輝度も向上するとともに、
輝度劣化や色ずれが抑制されて輝度特性に優れたプラズ
マディスプレイ装置を得ることができる。
【0037】ここで、蛍光体粒子の平均粒径は、0.1
μm〜2.0μmの範囲がさらに好ましい。また、粒度
分布は最大粒径が平均値の4倍以下で最小値が平均値の
1/4以上がさらに好ましい。蛍光体粒子において紫外
線が到達する領域は、粒子表面から数百nm程度と浅
く、ほとんど表面しか発光しない状態であり、こうした
蛍光体粒子の粒径が2.0μm以下になれば、発光に寄
与する粒子の表面積が増加して蛍光体層の発光効率は高
い状態に保たれる。また3.0μm以上であると、蛍光
体の厚みが20μm以上必要となり放電空間が十分確保
できない。0.1μm以下であると欠陥が生じやすく輝
度が向上しない。
【0038】また、蛍光体層の厚みを蛍光体粒子の平均
粒径の8〜25倍の範囲内にすれば、蛍光体層の発光効
率が高い状態を保ちつつ、放電空間を十分に確保するこ
とができるので、プラズマディスプレイ装置における輝
度を高くすることができる。特に蛍光体の平均粒径が3
μm以下であるとその効果は大きい(映像情報メディア
学会 IDY2000−317.PP32)。
【0039】ここで、プラズマディスプレイ装置におけ
る青色蛍光体層に使用する具体的な蛍光体粒子として
は、2価のEuイオンのうち、15%〜75%3価のE
uにしたBa1-XMgAl1017:EuXまたはBa
1-x-ySryMgAl1017:EuXで表される化合物
(ただし、0.2≦x≦0.8)を用いることができ
る。ここで、前記化合物におけるxの値は、0.2≦x
≦0.80、0.1≦y≦0.5であれば輝度が高く好
ましい。
【0040】また、プラズマディスプレイ装置における
赤色蛍光体層に使用する具体的な蛍光体粒子としては、
2X3:EuX、もしくは(Y、Gd)1-XBO3:Eu
Xで表される化合物を用いることができる。ここで、赤
色蛍光体の化合物におけるXの値は、0.05≦X≦
0.20であれば、輝度及び輝度劣化に優れ好ましい。
【0041】また、プラズマディスプレイ装置における
緑色蛍光体層に使用する具体的な蛍光体粒子としては、
Ba1-XAl1219:MnX、もしくはZn2-XSiO4
Mn Xで表される化合物を用いることができる。ここ
で、上記緑色蛍光体の化合物におけるXの値は、0.0
1≦X≦0.10であることが、輝度及び輝度劣化に優
れるため好ましい。
【0042】また、本発明に係るPDPの製造方法は、
背面パネルの基板上に、Ba1-XMgAl1017:EuX
またはBa1-x-ySryMgAl1017:EuXの青色蛍
光体(ただしxは0.2≦x≦0.8)の2価のEuの
内15%〜75%を3価のEuイオンにした青色蛍光体
粒子、赤色蛍光体粒子及び緑色蛍光体粒子と、バインダ
とからなるペーストをノズルから塗布して配設する配設
工程と、そのパネル上に配設されたペーストに含まれる
バインダを焼失させる焼成工程と、焼成工程により蛍光
体粒子が基板上に配設された背面パネルと表示電極を形
成した前面パネルとを重ね合わせて封着する工程とを備
えており、輝度、および輝度劣化に優れたプラズマディ
スプレイ装置を得ることができる。
【0043】また、本発明にかかる蛍光灯は、紫外線に
より励起されて可視光を発光する蛍光体層を有する蛍光
灯であって、前記蛍光体層は、青色蛍光体中の2価のE
uの内15%〜65%を3価のEuにした構成とするこ
とにより、蛍光体粒子自体が発光特性に優れ、輝度及び
輝度劣化に優れた蛍光灯とすることができる。
【0044】以下、本発明の一実施の形態によるプラズ
マディスプレイ装置について、図面を参照しながら説明
する。
【0045】図1はPDPにおける前面ガラス基板を取
り除いた概略平面図であり、図2は、PDPの画像表示
領域について一部を断面で示す斜視図である。なお、図
1においては表示電極群、表示スキャン電極群、アドレ
ス電極群の本数などについては分かり易くするため一部
省略して図示している。
【0046】図1に示すように、PDP100は、前面
ガラス基板101(図示せず)と、背面ガラス基板10
2と、N本の表示電極103と、N本の表示スキャン電
極104(N本目を示す場合はその数字を付す)と、M
本のアドレス電極107群(M本目を示す場合はその数
字を付す)と、斜線で示す気密シール層121とからな
り、各電極103、104、107による3電極構造の
電極マトリックスを有しており、表示電極103及び表
示スキャン電極104とアドレス電極107との交点に
セルが形成されている。123は画像表示領域である。
【0047】このPDP100は、図2に示すように、
前面ガラス基板101の1主面上に表示電極103、表
示スキャン電極104、誘電体ガラス層105、MgO
保護層106が配設された前面パネルと、背面ガラス基
板102の1主面上にアドレス電極107、誘電体ガラ
ス層108、隔壁109、及び蛍光体層110R、11
0G、110Bが配設された背面パネルとが張り合わさ
れ、前面パネルと背面パネルとの間に形成される放電空
間122内に放電ガスが封入された構成となっており、
図3に示すPDP駆動装置に接続することによりプラズ
マディスプレイ装置が構成されている。
【0048】プラズマディスプレイ装置は、図3に示す
ように、PDP100に表示ドライバ回路153、表示
スキャンドライバ回路154、アドレスドライバ回路1
55を有しており、コントローラ152の制御に従い点
灯させようとするセルにおいて表示スキャン電極104
とアドレス電極107に電圧を印加することによりその
間でアドレス放電を行い、その後表示電極103、表示
スキャン電極104間にパルス電圧を印加して維持放電
を行う。この維持放電により、当該セルにおいて紫外線
が発生し、この紫外線により励起された蛍光体層が発光
することでセルが点灯するもので、各色セルの点灯、非
点灯の組み合わせによって画像が表示される。
【0049】次に、上述したPDPについて、その製造
方法を図4及び図5を参照しながら説明する。
【0050】前面パネルは、前面ガラス基板101上
に、まず各N本の表示電極103及び表示スキャン電極
104(図2においては各2本のみ表示している)を交
互かつ平行にストライプ状に形成した後、その上から誘
電体ガラス層105で被覆し、さらに誘電体ガラス層1
05の表面にMgO保護層106を形成することによっ
て作製される。
【0051】表示電極103及び表示スキャン電極10
4は、ITOからなる透明電極と銀からなるバス電極と
から構成される電極であって、バス電極用の銀ペースト
はスクリーン印刷により塗布した後、焼成することによ
って形成される。
【0052】誘電体ガラス層105は、鉛系のガラス材
料を含むペーストをスクリーン印刷で塗布した後、所定
温度、所定時間(例えば560℃で20分)焼成するこ
とによって、所定の層の厚み(約20μm)となるよう
に形成する。上記鉛系のガラス材料を含むペーストとし
ては、例えば、PbO(70wt%)、B23(15w
t%)、SiO2(10wt%)、及びAl23(5w
t%)と有機バインダ(α−ターピネオールに10%の
エチルセルローズを溶解したもの)との混合物が使用さ
れる。ここで、有機バインダとは樹脂を有機溶媒に溶解
したものであり、エチルセルローズ以外に樹脂としてア
クリル樹脂、有機溶媒としてブチルカービトールなども
使用することができる。さらに、こうした有機バインダ
に分散剤(例えば、グリセルトリオレエート)を混入さ
せてもよい。
【0053】MgO保護層106は、酸化マグネシウム
(MgO)からなるものであり、例えばスパッタリング
法やCVD法(化学蒸着法)によって層が所定の厚み
(約0.5μm)となるように形成される。
【0054】一方、背面パネルは、まず背面ガラス基板
102上に、電極用の銀ペーストをスクリーン印刷法や
フォトグラフィー法で形成し、その後焼成することによ
ってM本のアドレス電極107が列設された状態に形成
される。その上に鉛系のガラス材料を含むペーストがス
クリーン印刷法で塗布されて誘電体ガラス層108が形
成され、同じく鉛系のガラス材料を含むペーストをスク
リーン印刷法により所定のピッチで繰り返し塗布した後
焼成することによって隔壁109が形成される。この隔
壁109により、放電空間122はライン方向に一つの
セル(単位発光領域)毎に区画される。
【0055】図4はPDP100の一部断面図である。
図4に示すように、隔壁109の間隙寸法Wが一定値3
2インチ〜50インチのHD−TVに合わせて130μ
m〜240μm程度に規定される。そして、隔壁109
間の溝に、赤色(R)、緑色(G)、及びBa1-XMg
Al1017:EuXまたはBa1-x-ySryMgAl10
17:EuX(ただし、Euの量xは、0.2≦x≦0.
8)の2価のEuイオンのうち、15%〜75%が3価
のEuイオンで置換された青色(B)の各蛍光体粒子と
有機バインダとからなるペースト状の蛍光体インキを塗
布し、これを400〜590℃の温度で焼成して有機バ
インダを焼失させることによって、各蛍光体粒子が結着
してなる蛍光体層110R、110G、110Bが形成
される。この蛍光体層110R、110G、110Bの
アドレス電極107上における積層方向の厚みLは、各
色蛍光体粒子の平均粒径のおよそ8〜25倍程度に形成
することが望ましい。すなわち、蛍光体層に一定の紫外
線を照射したときの輝度(発光効率)を確保するため
に、蛍光体層は、放電空間において発生した紫外線を透
過させることなく吸収するために蛍光体粒子が最低でも
8層、好ましくは20層程度積層された厚みを保持する
ことが望ましい。それ以上の厚みとなれば蛍光体層の発
光効率はほとんどサチュレートしてしまうとともに、2
0層程度積層された厚みを超えると放電空間122の大
きさを十分に確保できなくなる。また、水熱合成法等に
より得られた蛍光体粒子のように、その粒径が十分小さ
く、かつ球状であれば、球状でない粒子を使用する場合
と比べ積層段数が同じ場合であっても蛍光体層充填度が
高まるとともに、蛍光体粒子の総表面積が増加するた
め、蛍光体層における実際の発光に寄与する蛍光体粒子
表面積が増加しさらに発光効率が高まる。この蛍光体層
110R、110G、110Bの合成方法、及び青色蛍
光体層に用いる2価のEuイオンのうち、15%〜75
%が3価のEuイオンに置換された青色蛍光体粒子の製
造法については後述する。
【0056】このようにして作製された前面パネルと背
面パネルは、前面パネルの各電極と背面パネルのアドレ
ス電極とが直交するように重ね合わせられるとともに、
パネル周縁部に封着用ガラスを配置し、これを例えば4
50℃程度で10〜20分間焼成して気密シール層12
1(図1)を形成させることにより封着される。そし
て、一旦放電空間122内を高真空(例えば、1.1×
10-4Pa)に排気した後、放電ガス(例えば、He−
Xe系、Ne−Xe系の不活性ガス)を所定の圧力で封
入することによってPDP100が作製される。
【0057】図5は、蛍光体層を形成する際に用いるイ
ンキ塗布装置の概略構成図である。図5に示すように、
インキ塗布装置200は、サーバ210、加圧ポンプ2
20、ヘッダ230などを備え、蛍光体インキを蓄える
サーバ210から供給される蛍光体インキは、加圧ポン
プ220によりヘッダ230に加圧されて供給される。
ヘッダ230にはインキ室230a及びノズル240
(内径が30μm〜120μm)が設けられており、加
圧されてインキ室230aに供給された蛍光体インキ
は、ノズル240から連続的に吐出されるようになって
いる。このノズル240の口径Dは、ノズルの目詰まり
防止のため30μm以上で、かつ塗布の際の隔壁からの
はみ出し防止のために隔壁109間の間隔W(約130
μm〜200μm)以下にすることが望ましく、通常3
0μm〜130μmに設定される。
【0058】ヘッダ230は、図示しないヘッダ走査機
構によって直線的に駆動されるように構成されており、
ヘッダ230を走査させるとともにノズル240から蛍
光体インキ250を連続的に吐出することにより、背面
ガラス基板102上の隔壁109間の溝に蛍光体インキ
が均一に塗布される。ここで、使用される蛍光体インキ
の粘度は25℃において、1500〜30000CP
(センチポイズ)の範囲に保たれている。
【0059】なお、上記サーバ210には図示しない攪
拌装置が備えられており、その攪拌により蛍光体インキ
中の粒子の沈殿が防止される。またヘッダ230は、イ
ンキ室230aやノズル240の部分も含めて一体成形
されたものであり、金属材料を機器加工ならびに放電加
工することによって作製されたものである。
【0060】また、蛍光体層を形成する方法としては、
上記方法に限定されるものではなく、例えば、フォトリ
ソ法、スクリーン印刷法、及び蛍光体粒子を混合させた
フィルムを配設する方法など、種々の方法を利用するこ
とができる。
【0061】蛍光体インキは、各色蛍光体粒子、バイン
ダ、溶媒とが混合され、1500〜30000センチポ
アズ(CP)となるように調合されたものであり、必要
に応じて、界面活性剤、シリカ、分散剤(0.1〜5w
t%)等を添加してもよい。
【0062】この蛍光体インキに調合される赤色蛍光体
としては、(Y、Gd)1-XBO3:EuX、またはY2X
3:EuXで表される化合物が用いられる。これらは、
その母体材料を構成するY元素の一部がEuに置換され
た化合物である。ここで、Y元素に対するEu元素の置
換量Xは、0.05≦X≦0.20の範囲となることが
好ましい。これ以上の置換量とすると、輝度は高くなる
ものの輝度劣化が著しくなることから実用上使用できに
くくなると考えられる。一方、この置換量以下である場
合には、発光中心であるEuの組成比率が低下し、輝度
が低下して蛍光体として使用できなくなるためである。
【0063】緑色蛍光体としては、Ba1-XAl
1219:MnX、またはZn2-XSiO4:MnXで表され
る化合物が用いられる。Ba1-XAl1219:MnXは、
その母体材料を構成するBa元素の一部がMnに置換さ
れた化合物であり、Zn2-XSiO4:MnXは、その母
体材料を構成するZn元素の一部がMnに置換された化
合物である。ここで、Ba元素及びZn元素に対するM
n元素の置換量Xは、上記赤色蛍光体のところで説明し
た理由と同様の理由により、0.01≦X≦0.10の
範囲となることが好ましい。
【0064】青色蛍光体としては、Ba1-XMgAl10
17:EuXまたはBa1-x-ySryMgAl1017:E
Xで(ただし、xは0.2≦x≦0.8)表される化
合物が用いられる。Ba1-XMgAl1017:EuXまた
はBa1-x-ySryMgAl10 17:EuXは(ただし、
xは0.2≦x≦0.8)、その母体材料を構成する2
価のBa元素の一部が2価のEuあるいは2価のSrに
置換された化合物である。ここで、Ba元素に対するE
u元素の置換量Xは、上記と同様の理由により、前者の
青色蛍光体は0.2≦X≦0.8、0.1≦Y≦0.5
の範囲となることが好ましい。また前記2価のEuイオ
ンと置換させる3価のEuイオンの置換量は、BaEu
(+2) 1-aEu(+3) aMgAl1017:Euとすると、0.
15≦a≦0.75の範囲となることが好ましい。すな
わち15%〜75%の範囲がノズルの目詰まり防止に対
して特に好ましい。
【0065】これらの蛍光体の合成方法については後述
する。
【0066】蛍光体インキに調合されるバインダとして
は、エチルセルローズやアクリル樹脂を用い(インキの
0.1〜10wt%を混合)、溶媒としては、α−ター
ピネオール、ブチルカービトールを用いることができ
る。なお、バインダとして、PMAやPVAなどの高分
子を、溶媒として、ジエチレングリコール、メチルエー
テルなどの有機溶媒を用いることもできる。
【0067】本実施の形態においては、蛍光体粒子に
は、固相焼成法、水溶液法、噴霧焼成法、水熱合成法に
より製造されたものが用いられる。
【0068】青色蛍光体 (Ba1-XMgAl1017:EuXについて)まず、一例
として、混合液作製工程において、原料となる硝酸バリ
ウムBa(NO32、硝酸マグネシウムMg(N
32、硝酸アルミニウムAl(NO33、硝酸ユーロ
ピウムEu(NO32を、モル比が1−X:1:10:
X(0.2≦X≦0.8)となるように混合し、これを
水性媒体に溶解して混合液を作製する。この水性媒体に
はイオン交換水、純水が不純物を含まない点で好ましい
が、これらに非水溶媒(メタノール、エタノールなど)
が含まれていても使用することができる。
【0069】次に、水和混合液を金、または白金などの
耐食性、耐熱性を持つものからなる容器に入れて、例え
ばオートクレーブなどの加圧しながら加熱することがで
きる装置を用い、高圧容器中で所定温度(100〜30
0℃)、所定圧力(0.2MPa〜10MPa)の下で
水熱合成(12〜20時間)を行う。
【0070】次に、この粉体を還元雰囲気下(例えば水
素を5%、窒素を95%含む雰囲気)で、所定温度、所
定時間(例えば、1350℃で2時間)焼成し次にこれ
を分級し、これをO2、O2−N2、H2O−N2あるいは
3−N2中、700℃〜1100℃で焼成することによ
り、還元雰囲気下で作製した青色蛍光体中の2価のEu
〈還元雰囲気下で作製した青色蛍光体のEuはほとんど
2価〉のうち、15%〜75%を3価のEuで置換した
所望の青色蛍光体Ba1-XMgAl1017:EuX(ただ
し、xは0.2≦x≦0.8)を得ることができる。2
価から3価への置換量のコントロールは、O2濃度、酸
化時間、酸化温度を調整した。
【0071】また、O2、O2−N2、H2O−N2、O3
2中で焼成する時に、Al23やSiO2、La23
の酸化物やLaF2、AlF3等のフッ化物をこれらの元
素を含有する有機化合物(例えばアルコキシドやアセチ
ルアセトン)を用いて、蛍光体表面に加水分解法(蛍光
体粉とアルコール、及び有機化合物を混合して有機化合
物を蛍光体表面で加水分解しその後アルコールを除去し
焼成する方法)を用いて付着させれば、青色蛍光体の劣
化特性やノズルの目詰まりはさらに改良される。なお、
これらの酸化物やフッ化物のコーティング量は、紫外線
が通過する必要から必要最小限が望ましい。すなわち
0.1μm以下、特に0.01μm以下が望ましい。
【0072】また、水熱合成を行うことにより得られる
蛍光体粒子は、形状が球状となり、かつ粒径が従来の固
相反応から作製されるものと比べて小さく(平均粒径:
0.05μm〜2.0μm程度)形成される。なお、こ
こでいう「球状」とは、ほとんどの蛍光粒子の軸径比
(短軸径/長軸径)が、例えば0.9以上1.0以下と
なるように定義されるものであるが、必ずしも蛍光体粒
子のすべてがこの範囲に入る必要はない。
【0073】また、前記水和混合物を金、または白金の
容器に入れずに、この水和混合物をノズルから高温炉に
吹き付けて蛍光体を合成する噴霧法によって得られた青
色蛍光体を用い、これをO2、O2−N2、H2O−N2
またはO3−N2中で焼成しても作製することができる。
【0074】(Ba1-x-ySryMgAl1017:EuX
について)この蛍光体は、上述したBa1-XMgAl10
17:EuX(ただし、xは0.2≦x≦0.8)と原
料が異なるのみで固相反応法で作製する。以下、その使
用する原料について説明する。
【0075】原料として、水酸化バリウムBa(OH)
2、水酸化ストロンチウムSr(OH)2、水酸化マグネ
シウムMg(OH)2、水酸化アルミニウムAl(O
H)3、水酸化ユーロピウムEu(OH)2を必要に応じ
たモル比となるように秤量し、これらをフラックスとし
てのAlF3と共に混合し、これを空気中1100℃で
焼成した後、還元雰囲気下(例えば水素を5%、窒素を
95%の雰囲気)で所定温度(1100℃から1600
℃で2時間)焼成する。次に、1100℃〜1600℃
からの降温中の1100℃以下700℃以上でO2
2、O2、H2O−N2あるいはO3−N2を焼成炉に導入
して、Euの2価イオンの一部を3価のイオンで置換し
た青色蛍光体を得る。
【0076】なお、蛍光体の原料として、酸化物、硝酸
塩、水酸化物を主に用いたが、Ba、Sr、Mg、A
l、Eu等の元素を含む有機金属化合物、例えば金属ア
ルコキシドやアセチルアセトン等を用いて、蛍光体を作
製することもできる。また、O 2、O2−N2、O3−N2
中で焼成するときに、Al23、SiO2、AlF3、L
23、LaF2等を、同時に金属アルコキシドやアセ
チルアセトンを用いた加水分解法によってコーティング
すれば、蛍光体の劣化特性はさらに改良される。
【0077】緑色蛍光体 (Zn2-XSiO4:MnXについて)まず、混合液作製
工程において、原料である、硝酸亜鉛Zn(NO3)、
硝酸珪素Si(NO32、硝酸マンガンMn(NO32
をモル比で2−X:1:X(0.01≦X≦0.10)
となるように混合し、次にこの混合溶液をノズルから超
音波を印加しながら1500℃に加熱した後に噴霧して
緑色蛍光体を作製する。
【0078】(Ba1-XAl1219:MnXについて)ま
ず、混合液作製工程において、原料である、硝酸バリウ
ムBa(NO32、硝酸アルミニウムAl(NO32
硝酸マンガンMn(NO32がモル比で1−X:12:
X(0.01≦X≦0.10)となるように混合し、こ
れをイオン交換水に溶解して混合液を作製する。
【0079】次に、水和工程においてこの混合液に塩基
性水溶液(例えばアンモニア水溶液)を滴下することに
より、水和物を形成させる。その後、水熱合成工程にお
いて、この水和物とイオン交換水を白金や金などの耐食
性、耐熱性を持つものからなるカプセル中に入れて、例
えばオートクレーブを用いて高圧容器中で所定温度、所
定圧力(例えば、温度100〜300℃、圧力0.2M
Pa〜10MPa)の条件下で、所定時間(例えば、2
〜20時間)水熱合成を行う。
【0080】その後、乾燥することにより、所望のBa
1-XAl1219:MnXが得られる。この水熱合成工程に
より、得られる蛍光体は粒径が0.1μm〜2.0μm
程度となり、その形状が球状となる。次にこの粉体を空
気中で800℃〜1100℃でアニール後分級して、緑
色の蛍光体とする。
【0081】赤色蛍光体 ((Y、Gd)1-XBO3:EuXについて)混合液作製
工程において、原料である、硝酸イットリウムY2(N
33と水硝酸ガドリミウムGd2(NO33とホウ酸
3BO3と硝酸ユーロピウムEu2(NO33を混合
し、モル比が1−X:2:X(0.05≦X≦0.2
0)(YとGdの比は65対35)となるように混合
し、次にこれを空気中で1200℃〜1350℃で2時
間熱処理した後、分級して赤色蛍光体を得る。
【0082】(Y2-X3:EuXについて)混合液作製
工程において、原料である、硝酸イットリウムY2(N
32と硝酸ユーロピウムEu(NO32を混合し、モ
ル比が2−X:X(0.05≦X≦0.30)となるよ
うにイオン交換水に溶解して混合液を作製する。
【0083】次に、水和工程において、この水溶液に対
して塩基性水溶液(例えば、アンモニア水溶液)を添加
し、水和物を形成させる。
【0084】その後、水熱合成工程において、この水和
物とイオン交換水を白金や金などの耐食性、耐熱性を持
つものからなる容器中に入れ、例えばオートクレーブを
用いて高圧容器中で温度100〜300℃、圧力0.2
MPa〜10MPaの条件下で、3〜12時間水熱合成
を行う。その後、得られた化合物の乾燥を行うことによ
り、所望のY2X3:EuXが得られる。
【0085】次に、この蛍光体を空気中で1300℃〜
1400℃2時間アニールした後、分級して赤色蛍光体
とする。この水熱合成工程により得られる蛍光体は、粒
径が0.1μm〜2.0μm程度となり、かつその形状
が球状となる。この粒径、形状は発光特性に優れた蛍光
体層を形成するのに適している。
【0086】なお、上述したPDP100の蛍光体層1
10R、110Gについては、従来用いられてきた蛍光
体で、蛍光体層110Bについては、蛍光体を構成する
Eu2価のイオンの一部をEuの3価のイオンで置換し
た蛍光体粒子を使用した。特に、従来の青色蛍光体は、
本発明の青色蛍光体と比べて、各工程中の劣化が大きい
ため3色同時に発光した場合の白色の色温度は低下する
傾向があった。そのため、プラズマディスプレイ装置に
おいては、回路的に青色以外の蛍光体(赤、緑)のセル
の輝度を下げることにより白表示の色温度を改善してい
たが、本発明にかかる製造方法により製造された青色蛍
光体を使用すれば、青色セルの輝度が高まり、またパネ
ル作製工程中における劣化も少ないため、他の色のセル
の輝度を意図的に下げることが不要となる。したがっ
て、全ての色のセルの輝度を意図的に下げることが不要
となる。したがって、全ての色のセルの輝度をフルに使
用することができるので、白表示の色温度が高い状態を
保ちつつ、プラズマディスプレイ装置の輝度を上げるこ
とができる。
【0087】また、本発明に係る青色蛍光体は、同じ紫
外線により励起、発光する蛍光灯にも応用することがで
きる。その場合には、蛍光管内壁に塗布されている従来
の青色蛍光体粒子を構成する2価のEuイオンを3価の
Euイオンで置換した青色蛍光体からなる蛍光体層に置
換すればよい。このように本発明を蛍光灯に適用すれ
ば、従来の蛍光灯より輝度及び輝度劣化に優れたものが
得られる。
【0088】以下、本発明のプラズマディスプレイ装置
の性能を評価するために、上記実施の形態に基づくサン
プルを作製し、そのサンプルについて性能評価実験を行
った。その実験結果を検討する。
【0089】作製した各プラズマディスプレイ装置は、
42インチの大きさを持ち(リブピッチ150μmのH
D−TV仕様)、誘電体ガラス層の厚みは20μm、M
gO保護層の厚みは0.5μm、表示電極と表示スキャ
ン電極の間の距離は0.08mmとなるように作製し
た。また、放電空間に封入される放電ガスは、ネオンを
主体にキセノンガスを5%混合したガスであり、所定の
放電ガス圧で封入されている。
【0090】サンプル1〜9のプラズマディスプレイ装
置に用いる各青色蛍光体粒子には、Ba1-XMgAl10
17:EuXまたはBa1-x-ySryMgAl1017:E
Xの組成(ただし、xは0.2≦x≦0.8)の蛍光
体を構成する2価のEuイオンのうち15%〜75%を
3価のEuイオンで置換した蛍光体を用い、それぞれの
合成条件を表1に示す。
【0091】
【表1】
【0092】サンプル1〜4は、赤色蛍光体に(Y、G
d)1-XBO3:EuX、緑色蛍光体にZn2-XSiO4
MnX、青色蛍光体にBa1-XMgAl1017:EuX
用いた組み合わせのものであり、蛍光体の合成の方法、
発光中心となるEu、Mnの置換比率、すなわちY、B
a元素に対するEuの置換比率、およびZn元素に対す
るMnの置換比率および2価のEuイオンと置換する3
価のEuイオン量を表1のように変化させたものであ
る。また、サンプル1〜4の青色蛍光体は、コーティン
グする元素を含有した金属アルコキシド、またはアセチ
ルアセトンを用いて加水分解法で酸化物、またはフッ化
物をコーティングしたものである。
【0093】サンプル5〜9は、赤色蛍光体にY
2-X3:EuX、緑色蛍光体にBa1-XAl 1219:Mn
X、青色蛍光体にBa1-x-ySryMgAl1017:EuX
を用いた組み合わせのものであり、上記と同様、蛍光体
合成方法の条件、発光中心の置換比率及び青色蛍光体を
構成する2価のEuイオンと置換する3価のEuイオン
量を表1のように変化させたものである。また、サンプ
ル5〜6は、加水分解法にて酸化物、またはフッ化物を
コーティングしたものである。
【0094】また、蛍光体層の形成に使用した蛍光体イ
ンキは、表1に示す各蛍光体粒子を使用して蛍光体、樹
脂、溶剤、分散剤を混合して作製した。
【0095】そのときの蛍光体インキの粘度(25℃)
について測定した結果を、いずれも粘度が1500〜3
0000CPの範囲に保たれている。形成された蛍光体
層を観察したところ、いずれも隔壁壁面に均一に蛍光体
インキが塗布され、しかも目詰まり無く塗布できた。ま
た、各色における蛍光体層に使用される蛍光体粒子につ
いては、平均粒径0.1〜3.0μm、最大粒径8μm
以下の粒径のものが各サンプルに使用されている。
【0096】サンプル10は、青色蛍光体にBa1-X
gAl1017:EuXにおいて、Euの量xが0.15
でEu3価の量が80%のサンプルである。サンプル1
1は、青色蛍光体にBa1-x-ySryMgAl1017:E
Xにおいて、xが0.3でyが0.3で、酸化処理の
ないサンプル(Euは、ほぼ2価)である。
【0097】なお、表1のEuイオンの2価、3価の測
定は、XANES法(X−rayabsorption
near edge structure)で測定し
た。
【0098】(実験1)作製されたサンプル1〜9及び
比較サンプル10、11について、背面パネル製造工程
における蛍光体焼成工程(520℃、20分)におい
て、青色の輝度がどう変化するかをモデル実験(青色の
焼成前後の変化率、焼成前は粉体の焼成後はペーストを
塗布、焼成後の輝度を測定)で行い、輝度及び輝度変化
率を測定した。
【0099】(実験2)パネル製造工程におけるパネル
張り合せ工程(封着工程450℃、20分)前後の青色
蛍光体の輝度変化(劣化)率を測定した。
【0100】(実験3)パネルを青色に点燈した時の輝
度及び輝度劣化変化率の測定は、プラズマディスプレイ
装置に電圧200V、周波数100kHzの放電維持パ
ルスを100時間連続して印加し、その前後におけるパ
ネル輝度を測定し、そこから輝度劣化変化率(<〔印加
後の輝度−印加前の輝度〕/印加前の輝度>*100)
を求めた。
【0101】また、アドレス放電時のアドレスミスにつ
いては画像を見てちらつきがあるかないかで判断し、1
ヶ所でもあればありとしている。また、目詰まりについ
ては、内径80μmのノズルを用い200時間連続塗布
を行いノズルの目詰まりの有無を調べた。
【0102】これら実験1〜3の各色の輝度及び輝度劣
化変化率についての結果を表2に示す。
【0103】
【表2】
【0104】表2に示すように比較サンプル10におい
て、Euの量が0.15と少なく、しかも3価のEuイ
オンが80%のサンプルでは、各工程での変化は少なく
良好であるが、青表示の輝度が低くなってしまう。
【0105】また比較サンプル11において、青色蛍光
体2価のEuイオンを3価のEuイオンで置換していな
いサンプルでは、各工程における輝度劣化率が大きい、
特に青色は蛍光体焼成工程で6.5%、封着工程で2
2.5%、200V、100kHzの加速寿命テストで
30%の輝度低下が見られまたアドレスミスやノズルの
目詰まりがあるのに対し、サンプル1〜9については青
色の変化率がすべて0.3%以下の値となっており、し
かもアドレスミスもない。これは、青色蛍光体を構成す
るBa1-XMgAl1017:EuXまたはBa1-x-ySry
MgAl1017:EuXにおいて、Euの量xを0.2
〜0.8と従来より多くし、しかも2価のEuイオンの
うち、15%〜75%を3価のEuイオンで置換するこ
とにより、青色蛍光体中の酸素欠陥(特にBa−O近傍
の酸素欠陥)が大幅に減少したためである。このため蛍
光体焼成時のまわりの雰囲気による水あるいは、パネル
封着時のMgOや隔壁、封着フリット材および蛍光体か
ら出た水が蛍光体の表面の欠陥層(Ba−O層近傍酸素
欠陥)に吸着しなくなったためである。
【0106】(実験4)モデル実験として、Euの量x
が0.2〜0.8と多い青色蛍光体を用いて、この蛍光
体のEuの2価のEuイオンのうち、15%〜75%を
3価のEuイオンで置換していない蛍光体を60℃90
%の相対湿度中に10分間放置した後、100℃で乾燥
し、その後これらの蛍光体のTDS分析(昇温脱離ガス
質量分析)の結果、水の物理吸着(100℃付近)及び
化学吸着(300℃〜500℃)のピークが置換処理を
したサンプル1〜11と比較して30倍多い結果となっ
た。
【0107】(実験5)上記実験1においては、本発明
に係る青色蛍光体をプラズマディスプレイ装置に用いて
いたが、同じく紫外線により励起されることにより発光
する蛍光灯に本発明に係る蛍光体を適用した蛍光灯サン
プルを作製した。
【0108】公知の蛍光灯において、ガラス管内壁に形
成される蛍光体層に、上記表1に示すサンプル7の条件
下で作製した各色の蛍光体を混合したものを塗布するこ
とによって得られる蛍光体層を用いた蛍光灯サンプル1
2を作製した。比較例として、従来の固相反応で作製
し、置換処理していないサンプル11(表1)の条件下
の各色蛍光体を混合したものを塗布して比較蛍光灯サン
プル13も同様に作製した。その結果を表3に示す。
【0109】
【表3】
【0110】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、蛍光体層
を構成する青色蛍光体の結晶中のBaと置換するEu量
が0.2〜0.8で、かつEu原子のうち、2価のEu
イオン濃度が25%〜85%で3価のEuイオン濃度が
15%〜75%とすることにより、蛍光体層の各種工程
での劣化を防止することができ、PDPや蛍光灯の輝度
及び寿命を改善することができるとともに、信頼性を向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るプラズマディスプ
レイパネルの前面ガラス基板を除いた平面図
【図2】同パネルの画像表示領域の構造の一部を断面で
示す斜視図
【図3】同パネルを用いたプラズマディスプレイ装置の
ブロック図
【図4】同パネルの画像表示領域の構造を示す断面図
【図5】同パネルの蛍光体層を形成する際に用いるイン
キ塗布装置の概略構成図
【図6】Ba1-XMgAl1017:EuX青色蛍光体のB
a−O層の構成を模式的に示す図
【符号の説明】
100 PDP 101 前面ガラス基板 103 表示電極 104 表示スキャン電極 105 誘電体ガラス層 106 MgO保護層 107 アドレス電極 108 誘電体ガラス層 109 隔壁 110R 蛍光体層(赤) 110G 蛍光体層(緑) 110B 蛍光体層(青) 122 放電空間
フロントページの続き (72)発明者 杉本 和彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 大谷 光弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 瀬戸口 広志 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 日比野 純一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4H001 CA02 CA04 CC03 CC04 CC08 XA08 XA12 XA13 XA38 XA56 YA63 5C040 FA01 FA04 GB03 GB14 GG08 KB02 KB28 MA03 MA10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1色または複数色の放電セルが複数配列
    されるとともに、各放電セルに対応する色の蛍光体層が
    配設され、その蛍光体層が紫外線により励起されて発光
    するプラズマディスプレイパネルを備えたプラズマディ
    スプレイ装置であって、前記蛍光体層は青色蛍光体層を
    有し、その青色蛍光体層は、Ba1-XMgAl1017
    EuXまたはBa1-x-ySryMgAl1017:EuXで表
    される化合物で構成され、当該蛍光体を構成するEu原
    子の数xが、0.2以上0.8以下で、かつEu原子の
    うち、2価のEuイオン濃度が25%〜85%で3価の
    Euイオン濃度が15%〜75%であることを特徴とす
    るプラズマディスプレイ装置。
  2. 【請求項2】 紫外線により励起されて可視光を発光す
    るBa1-XMgAl1017:EuXまたはBa1-x-ySry
    MgAl1017:EuXの結晶構造からなる青色蛍光体
    であって、当該蛍光体を構成するEu原子の数xが、
    0.2以上0.8以下で、かつ当該Eu原子のうち、2
    価のEuイオン濃度が25%〜85%で3価のEuイオ
    ン濃度が15%〜75%であることを特徴とする蛍光
    体。
  3. 【請求項3】 紫外線により励起されて可視光を発光す
    る2価のEuイオンを発光母体に持ちかつ、Euの原子
    数xが0.2以上0.8以下のBa1-XMgAl
    1017:EuXまたはBa1-x-ySryMgAl1017
    EuXの青色蛍光体を酸化雰囲気で焼成して、2価のE
    uイオンのうちの15%〜75%を3価にすることを特
    徴とする蛍光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 2価のEuイオンを母体に持ちかつXが
    0.2以上0.8以下のBa1-XMgAl1017:EuX
    またはBa1-x-ySryMgAl1017:EuXの青色蛍
    光体粉末を、アルコール溶液中でAl、La、Si、の
    元素を含有するアルコキシドあるいはアセチルアセトン
    と共に混合して加水分解させ、アルコールを除去した
    後、酸化雰囲気で焼成して、2価のEuイオンの内の1
    5%〜75%を3価にしながら蛍光体の表面にAl、L
    a、Siの酸化物、またはフッ化物を形成することを特
    徴とする蛍光体の製造方法。
  5. 【請求項5】 酸化雰囲気が、酸素、酸素−窒素、オゾ
    ン−窒素、または水蒸気(H2O)−窒素(N2)で、焼
    成温度が700℃〜1100℃であることを特徴とする
    請求項4記載の蛍光体の製造方法。
  6. 【請求項6】 Ba1-XMgAl1017:EuXまたはB
    1-x-ySryMgAl 1017:EuXで表される蛍光体
    において、yが0.5以下0.1以上であることを特徴
    とする請求項2記載の蛍光体。
  7. 【請求項7】 Ba、Sr、Mg、Al、Euを含有す
    る酸化物、炭酸化物あるいは金属塩及びフラックスを混
    合する工程と、この混合物を空気中で焼成して炭酸や塩
    を分解する工程と、還元雰囲気中で焼成してEu原子の
    状態を2価にする工程と、酸化雰囲気中で焼成してEu
    の2価のイオン濃度を25%〜85%、3価のイオン濃
    度を15%〜75%にする工程とを有することを特徴と
    する蛍光体の製造方法。
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