JP2003335245A - チルト式ステアリング装置用昇降ブラケット付ステアリングコラムの製造方法 - Google Patents

チルト式ステアリング装置用昇降ブラケット付ステアリングコラムの製造方法

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JP2003335245A JP2003141595A JP2003141595A JP2003335245A JP 2003335245 A JP2003335245 A JP 2003335245A JP 2003141595 A JP2003141595 A JP 2003141595A JP 2003141595 A JP2003141595 A JP 2003141595A JP 2003335245 A JP2003335245 A JP 2003335245A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 部品点数が少なく、軽量で安価な構造を得
る。 【構成】 ステアリングコラム3の中間部に、このステ
アリングコラム3と一体で下方に膨出した凸状部11を
形成する。この凸状部11に、固定ブラケット6に形成
した長孔8と整合する通孔10を形成する。これら各孔
8、10に挿通したチルトボルト13の先端部で固定ブ
ラケット6の外側面から突出した部分に、チルトナット
14を螺合させ、基端部にチルトレバー12を結合固定
する。このチルトレバー12の操作により、上記チルト
ナット14の締め付け並びに締め付け解除を自在とした
チルト機構を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明に係るチルト式ステアリ
ング装置は、自動車を操舵する為のステアリングホイー
ルの高さ位置を調節するものである。 【0002】 【従来の技術】運転者の体格や運転姿勢等に応じてステ
アリングホイールの高さを変える為、チルト式ステアリ
ング装置と呼ばれるステアリングホイールの高さ位置調
節装置が従来から知られている。 【0003】このチルト式ステアリング装置は、従来か
ら各種構造のものが使用されている。そして、例えば、
図4〜6に示す様な構造により、ステアリングホイール
1の高さ位置調節を自在としている。後端部(上端部)
に固定されたステアリングホイール1の操作により回転
するステアリングシャフト2を、ステアリングコラム3
に挿通すると共に、このステアリングコラム3の前端部
(下端部)を車体に、横軸4を中心とする揺動自在に支
持している。一方、ステアリングコラム3の中間部は車
体に固定した固定ブラケット6により、上下位置の調節
を自在に支持している。 【0004】この様な、ステアリングホイール1の上下
位置を調節する所謂チルト機構は、図5〜6に詳示する
様に構成されている。即ち、車体の一部(ダッシュボー
ドの下側)に固定された固定ブラケット6には、互いに
平行な1対の鉛直板部7、7を設け、これら各鉛直板部
7、7の互いに整合する位置に、上記横軸4を中心とす
る円弧状で上下方向に長い長孔8、8を形成している。
又、ステアリングコラム3の中間部下面には剛性を有す
る金属板を折り曲げ形成して成る昇降ブラケット9を、
溶接等により固定している。この昇降ブラケット9は、
上記1対の鉛直板部7、7の間に挟まれる状態で固定さ
れている。又、この昇降ブラケット9には、横方向(図
4〜5の表裏方向、図6の左右方向)に亙る互いに同心
の通孔5、5を形成している。そして、この通孔5、5
と上記長孔8、8とに、杆状部材であるチルトボルト1
3を挿通している。このチルトボルト13の一端部(図
6の左端部)には押圧部である頭部13aを設けてい
る。そして、上記チルトボルト13の先端部で、固定ブ
ラケット6の外側面から突出した部分に、押圧部材であ
るチルトナット14を螺合させ、更に、このチルトナッ
ト14にチルトレバー12の基端部を結合固定してい
る。 【0005】上述の様に構成される従来のチルト式ステ
アリング装置により、運転者の体格等に応じて、ステア
リングホイール1の高さ位置を調節する場合には、上記
チルトレバー12を操作する事により上記チルトナット
14を弛め、このチルトナット14と上記頭部13aと
の間隔を広げる。この状態で、上記1対の鉛直板部7、
7の内側面と上記昇降ブラケット9の外側面との間に生
じる摩擦力が小さくなる。そこで、この状態のまま、固
定ブラケット6の長孔8、8に沿ってチルトボルト13
を移動させ、前記ステアリングコラム3の後端部を昇降
させる事により、ステアリングホイール1を所望の高さ
位置に移動させる。 【0006】この様にしてステアリングホイール1の高
さを所望位置に移動させた状態で、チルトレバー12よ
り上記チルトナット14を締め付ける。この締め付けに
基づき、上記頭部13aとチルトナット14との間隔が
狭まり、上記1対の鉛直板部7、7の内側面が上記昇降
ブラケット9の外側面に強く押し付けられて、これら両
面間に生じる摩擦力が大きくなる。この結果、上記ステ
アリングコラム3の上部を調節後の位置に固定する事が
できる。 【0007】一方、実公昭63−30605号公報に
は、キャブオーバ型トラックの操舵装置を構成するステ
アリングコラムの下端部を枢支する為の構造として、図
7〜8に示す様な構造が記載されている。この構造で
は、ステアリングコラム17の下端部を圧入したボス部
18に形成した長孔8a、8aにカラー部材15を挿通
している。そして、このカラー部材15の両端部にブッ
シュ19、19を嵌め込み、これら各部材15、19に
挿通したボルト16により、上記ステアリングコラム1
7の下端部を固定ブラケット6aに、昇降及び揺動自在
に支持している。 【0008】ステアリングホイール1(図4)の前後位
置を調節する為のチルト操作時には、ボルト16を中心
にカラー部材15及びステアリングコラム17を揺動さ
せる。又、ステアリングホイールの上下位置を調節する
際には、上記カラー部材15を長孔8a、8aに沿って
移動(昇降)させる。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成され作
用する、従来のチルト式ステアリング装置のうち、図4
〜6に記載した第1例の構造の場合、チルト機構を構成
する昇降ブラケット9の存在により部品点数が多く、部
品製作、部品管理、組立作業が何れも面倒になり、製作
費が嵩む。更に、昇降ブラケット9をステアリングコラ
ム3に溶接固定する場合に、この溶接による熱の影響で
以下の様な問題を生じる。 ステアリングコラム3の一部外周面には、コラプシ
ブルステアリングコラムを構成すべく、予め面押し等の
塑成加工を施す場合があるが、この塑性加工部分が溶接
の熱により焼き戻りを起こし易い。そして焼き戻りが発
生した場合には、上記ステアリングコラム3の形状が不
安定になり、コラプシブルステアリングコラムを収縮さ
せる為の荷重が不安定になる可能性がある。 衝突事故に伴う一次衝突や二次衝突により、ステア
リングコラム3の全長が縮まると、前方に変位したイン
ナーコラムの先端縁と、アウターコラムの一部で上記溶
接の熱により変形した部分とが干渉して、上記ステアリ
ングコラムの収縮が円滑に行なわれない可能性がある。 昇降ブラケット9が溶接による熱で変形し、この昇
降ブラケット9の両側面と各鉛直板部7、7の内側面と
の接触状態が不良になると、チルト式ステアリング装置
の作動不良を起し易くなる。具体的には、昇降ブラケッ
ト9を昇降させるチルト操作力が不安定になったり、こ
の昇降ブラケット9を保持する為のチルト停止荷重を十
分に発生させにくくなる可能性がある。 【0010】又、前記図7〜8に記載した第2例の構造
の場合も、形状的にボス部18をステアリングコラム1
7と別体に造り、後から嵌合させる必要があり、やはり
製作費が嵩んでしまう。本発明のチルト式ステアリング
装置は、この様な事情に鑑みて発明したものである。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明のチルト式ステア
リング装置は、前述した従来のチルト式ステアリング装
置と同様に、後端部にステアリングホイールを固定する
ステアリングシャフトを挿通し、その前端部を横軸によ
り枢支されるステアリングコラムと、このステアリング
コラムの中間部下面に固設された昇降ブラケットと、こ
の昇降ブラケットに横方向に形成された通孔と、1対の
鉛直板部を備え、この鉛直板部により上記昇降ブラケッ
トを左右から挟む状態で車体に固定される固定ブラケッ
トと、上記各鉛直板部の一部で上記通孔に整合する部分
に形成された、上下方向に長い長孔と、この長孔と上記
通孔とを挿通された杆状部材と、この杆状部材の一端に
設けられた押圧部と上記杆状部材の他端部に係合した押
圧部材と、この押圧部材にその基端部を固定し、揺動に
伴って上記押圧部材と押圧部との間隔を拡縮自在なチル
トレバーとを備えている。 【0012】特に、本発明のチルト式ステアリング装置
に於いては、上記昇降ブラケットは、上記ステアリング
コラムの中間部を下方に膨出させる事によりこのステア
リングコラムと一体に形成された凸状部により構成され
ている。 【0013】 【作用】上述の様に構成される本発明のチルト式ステア
リング装置が、ステアリングシャフトを回転自在に支持
する作用、並びにステアリングホイールの上下位置を調
節する際の作用は、前述した従来のチルト式ステアリン
グ装置の場合と同様である。特に本発明の場合には、ス
テアリングコラムの外周面に昇降ブラケットを後から溶
接固定する手間が不要になる。この結果、この溶接に起
因する前述した様な不具合を防止すると共に、部品製
作、部品管理、組立作業を何れも簡略化して、製作費の
低減を図れる。 【0014】 【実施例】図1〜3は本発明の実施例を示している。
尚、本発明の特徴は、ステアリングコラム3に前記昇降
ブラケット9(図5〜6)に相当する凸状部11を、こ
のステアリングコラム3と一体に形成した点にある。そ
の他の部分の構成及び作用は前述した従来構造とほぼ同
様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説
明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を
中心に説明する。 【0015】ステアリングコラム3は、軟鋼板、アルミ
ニウム合金板等の金属板により、全体を円筒状に造られ
ている。そして、このステアリングコラム3の中間部
に、本発明の特徴である凸状部11を、このステアリン
グコラム3と一体に形成している。即ち、この凸状部1
1は、上記ステアリングコラム3の一部に塑性加工を施
す事により、ステアリングコラム3の下方(図1〜3の
下側)から膨出させている。又、この凸状部11を構成
する左右両側壁部には、上記ステアリングコラム3の幅
方向(図1、3の表裏方向、図2の左右方向)に亙る通
孔10、10を、互いに同心に形成している。そして、
これら両通孔10、10と、固定ブラケット6を構成す
る1対の鉛直板部7、7に形成した長孔8、8とにチル
トボルト13を挿通し、このチルトボルト13の先端部
にチルトナット14を螺合させている。このチルトナッ
ト14には、チルトレバー12の基端部を結合固定し、
ステアリングホイール1(図4)の高さ位置を調節する
為のチルト機構を構成している。 【0016】上述の様に構成される本発明のチルト式ス
テアリング装置により、運転者の体格等に応じて、ステ
アリングホイール1(図4)の高さ位置を調整する場合
には、従来と同様に上記チルトレバー12を操作する事
により、上記チルトナット14を弛め、このチルトナッ
ト14とチルトボルト13の頭部13aとの間隔を広げ
る。この状態で、上記1対の鉛直板部7、7の内側面と
ステアリングコラム3に形成した凸状部11の外側面と
の間に生じる摩擦力が小さくなる。そこで、上記各鉛直
板部7、7に形成した長孔8に沿ってチルトボルト13
を移動させてから、上記チルトレバー12によりチルト
ナット14を締め付ける。この作業により、ステアリン
グホイール1の高さを所望の位置に調節した状態で、ス
テアリングコラム3の上部を車体に固定した固定ブラケ
ット6に対して支持できる。 【0017】以上に述べた様に、本発明のチルト式ステ
アリング装置の場合には、ステアリングコラム3に予め
前記昇降ブラケット9(図5〜6)に相当する凸状部1
1が形成されているので、上記ステアリングコラム3に
上記昇降ブラケット9を後から固定する手間が不要にな
る。又、昇降ブラケット9を固定する為の溶接が不要に
なる為、前述した様な溶接に起因するステアリングコラ
ム3や昇降ブラケット9の変形を防止できる。この結
果、一次衝突時並びに二次衝突時の安全性を確実に確保
すると共に、良好なチルト操作性を確保し、しかも、部
品製作、部品管理、組立作業を何れも簡略化して、チル
ト式ステアリング装置の製作費の低減を図れる。 【0018】 【発明の効果】本発明のチルト式ステアリング装置は、
以上に述べた通り構成され作用するので、溶接の不要
な、軽量で安価なチルト式ステアリング装置を提供する
事ができる。又、溶接に伴う不具合の発生も防止でき
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例を示す、図5と同様の図。 【図2】図1のA−A断面図。 【図3】ステアリングコラムの斜視図。 【図4】本発明の対象となるチルト式ステアリング装置
の全体構成を示す側面図。 【図5】従来構造の第1例を示す、図4のB部拡大図。 【図6】同じく図4の拡大C−C断面図。 【図7】従来構造の第2例を示す要部斜視図。 【図8】図7のD−D断面図。 【符号の説明】 1 ステアリングホイール 2 ステアリングシャフト 3 ステアリングコラム 4 横軸 5 通孔 6、6a 固定ブラケット 7 鉛直板部 8、8a 長孔 9 昇降ブラケット 10 通孔 11 凸状部 12 チルトレバー 13 チルトボルト 13a 頭部 14 チルトナット 15 カラー部材 16 ボルト 17 ステアリングコラム 18 ボス部 19 ブッシュ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】 【提出日】平成15年6月12日(2003.6.1
2) 【手続補正1】 【補正対象書類名】明細書 【補正対象項目名】全文 【補正方法】変更 【補正内容】 【書類名】 明細書 【発明の名称】 チルト式ステアリング装置用昇降ブラ
ケット付ステアリングコラムの製造方法 【特許請求の範囲】 【請求項1】 後端部にステアリングホイールを固定す
るステアリングシャフトを挿通し、その前端部を横軸に
より枢支されるステアリングコラムと、このステアリン
グコラムの中間部下面に固設された昇降ブラケットと、
この昇降ブラケットに横方向に形成された通孔と、1対
の鉛直板部を備え、この鉛直板部により上記昇降ブラケ
ットを左右から挟む状態で車体に固定される固定ブラケ
ットと、上記各鉛直板部の一部で上記通孔に整合する部
分に形成された、上下方向に長い長孔と、この長孔と上
記通孔とを挿通された杆状部材と、この杆状部材の一端
に設けられた押圧部と、上記杆状部材の他端に係合した
押圧部材と、この押圧部材にその基端部を固定し、揺動
に伴って上記押圧部材と押圧部との間隔を拡縮させるチ
ルトレバーとを備えたチルト式ステアリング装置を構成
する上記ステアリングコラム及び上記昇降ブラケットを
得る為、金属板により全体を円筒状に造られたこのステ
アリングの中間部に塑性加工を施してこの中間部を下方
に膨出させる事で、このステアリングコラムと一体に形
成された凸状部を形成し、この凸状部により上記昇降ブ
ラケットを構成する、チルト式ステアリング装置用昇降
ブラケット付ステアリングコラムの製造方法。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明の対象となるチルト式ス
テアリング装置は、自動車を操舵する為のステアリング
ホイールの高さ位置を調節するものである。 【0002】 【従来の技術】運転者の体格や運転姿勢等に応じてステ
アリングホイールの高さを変える為、チルト式ステアリ
ング装置と呼ばれるステアリングホイールの高さ位置調
節装置が従来から知られている。 【0003】このチルト式ステアリング装置は、従来か
ら各種構造のものが使用されている。そして、例えば、
図4〜6に示す様な構造により、ステアリングホイール
1の高さ位置調節を自在としている。後端部(上端部)
に固定されたステアリングホイール1の操作により回転
するステアリングシャフト2を、ステアリングコラム3
に挿通すると共に、このステアリングコラム3の前端部
(下端部)を車体に、横軸4を中心とする揺動自在に支
持している。一方、ステアリングコラム3の中間部は車
体に固定した固定ブラケット6により、上下位置の調節
を自在に支持している。 【0004】この様な、ステアリングホイール1の上下
位置を調節する所謂チルト機構は、図5〜6に詳示する
様に構成されている。即ち、車体の一部(ダッシュボー
ドの下側)に固定された固定ブラケット6には、互いに
平行な1対の鉛直板部7、7を設け、これら各鉛直板部
7、7の互いに整合する位置に、上記横軸4を中心とす
る円弧状で上下方向に長い長孔8、8を形成している。
又、ステアリングコラム3の中間部下面には剛性を有す
る金属板を折り曲げ形成して成る昇降ブラケット9を、
溶接等により固定している。この昇降ブラケット9は、
上記1対の鉛直板部7、7の間に挟まれる状態で固定さ
れている。又、この昇降ブラケット9には、横方向(図
4〜5の表裏方向、図6の左右方向)に亙る互いに同心
の通孔5、5を形成している。そして、この通孔5、5
と上記長孔8、8とに、杆状部材であるチルトボルト1
3を挿通している。このチルトボルト13の一端部(図
6の左端部)には押圧部である頭部13aを設けてい
る。そして、上記チルトボルト13の先端部で、固定ブ
ラケット6の外側面から突出した部分に、押圧部材であ
るチルトナット14を螺合させ、更に、このチルトナッ
ト14にチルトレバー12の基端部を結合固定してい
る。 【0005】上述の様に構成される従来のチルト式ステ
アリング装置により、運転者の体格等に応じて、ステア
リングホイール1の高さ位置を調節する場合には、上記
チルトレバー12を操作する事により上記チルトナット
14を弛め、このチルトナット14と上記頭部13aと
の間隔を広げる。この状態で、上記1対の鉛直板部7、
7の内側面と上記昇降ブラケット9の外側面との間に生
じる摩擦力が小さくなる。そこで、この状態のまま、固
定ブラケット6の長孔8、8に沿ってチルトボルト13
を移動させ、前記ステアリングコラム3の後端部を昇降
させる事により、ステアリングホイール1を所望の高さ
位置に移動させる。 【0006】この様にしてステアリングホイール1の高
さを所望位置に移動させた状態で、チルトレバー12よ
り上記チルトナット14を締め付ける。この締め付けに
基づき、上記頭部13aとチルトナット14との間隔が
狭まり、上記1対の鉛直板部7、7の内側面が上記昇降
ブラケット9の外側面に強く押し付けられて、これら両
面間に生じる摩擦力が大きくなる。この結果、上記ステ
アリングコラム3の上部を調節後の位置に固定する事が
できる。 【0007】一方、実公昭63−30605号公報に
は、キャブオーバ型トラックの操舵装置を構成するステ
アリングコラムの下端部を枢支する為の構造として、図
7〜8に示す様な構造が記載されている。この構造で
は、ステアリングコラム17の下端部を圧入したボス部
18に形成した長孔8a、8aにカラー部材15を挿通
している。そして、このカラー部材15の両端部にブッ
シュ19、19を嵌め込み、これら各部材15、19に
挿通したボルト16により、上記ステアリングコラム1
7の下端部を固定ブラケット6aに、昇降及び揺動自在
に支持している。 【0008】ステアリングホイール1(図4)の前後位
置を調節する為のチルト操作時には、ボルト16を中心
にカラー部材15及びステアリングコラム17を揺動さ
せる。又、ステアリングホイールの上下位置を調節する
際には、上記カラー部材15を長孔8a、8aに沿って
移動(昇降)させる。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成され作
用する、従来のチルト式ステアリング装置のうち、図4
〜6に記載した第1例の構造の場合、チルト機構を構成
する昇降ブラケット9の存在により部品点数が多く、部
品製作、部品管理、組立作業が何れも面倒になり、製作
費が嵩む。更に、昇降ブラケット9をステアリングコラ
ム3に溶接固定する場合に、この溶接による熱の影響で
以下の様な問題を生じる。 ステアリングコラム3の一部外周面には、コラプシ
ブルステアリングコラムを構成すべく、予め面押し等の
塑成加工を施す場合があるが、この塑性加工部分が溶接
の熱により焼き戻りを起こし易い。そして焼き戻りが発
生した場合には、上記ステアリングコラム3の形状が不
安定になり、コラプシブルステアリングコラムを収縮さ
せる為の荷重が不安定になる可能性がある。 衝突事故に伴う一次衝突や二次衝突により、ステア
リングコラム3の全長が縮まると、前方に変位したイン
ナーコラムの先端縁と、アウターコラムの一部で上記溶
接の熱により変形した部分とが干渉して、上記ステアリ
ングコラムの収縮が円滑に行なわれない可能性がある。 昇降ブラケット9が溶接による熱で変形し、この昇
降ブラケット9の両側面と各鉛直板部7、7の内側面と
の接触状態が不良になると、チルト式ステアリング装置
の作動不良を起し易くなる。具体的には、昇降ブラケッ
ト9を昇降させるチルト操作力が不安定になったり、こ
の昇降ブラケット9を保持する為のチルト停止荷重を十
分に発生させにくくなる可能性がある。 【0010】又、前記図7〜8に記載した第2例の構造
の場合も、形状的にボス部18をステアリングコラム1
7と別体に造り、後から嵌合させる必要があり、やはり
製作費が嵩んでしまう。本発明のチルト式ステアリング
装置用昇降ブラケット付ステアリングコラムの製造方法
は、この様な事情に鑑みて発明したものである。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明の製造方法により
造られる昇降ブラケット付ステアリングコラムを組み込
チルト式ステアリング装置は、前述した従来のチルト
式ステアリング装置と同様に、後端部にステアリングホ
イールを固定するステアリングシャフトを挿通し、その
前端部を横軸により枢支されるステアリングコラムと、
このステアリングコラムの中間部下面に固設された昇降
ブラケットと、この昇降ブラケットに横方向に形成され
た通孔と、1対の鉛直板部を備え、この鉛直板部により
上記昇降ブラケットを左右から挟む状態で車体に固定さ
れる固定ブラケットと、上記各鉛直板部の一部で上記通
孔に整合する部分に形成された、上下方向に長い長孔
と、この長孔と上記通孔とを挿通された杆状部材と、こ
の杆状部材の一端に設けられた押圧部と上記杆状部材の
他端部に係合した押圧部材と、この押圧部材にその基端
部を固定し、揺動に伴って上記押圧部材と押圧部との間
隔を拡縮自在なチルトレバーとを備えている。 【0012】特に、本発明のチルト式ステアリング装置
用昇降ブラケット付ステアリングコラムの製造方法は、
チルト式ステアリング装置を構成する上記ステアリング
コラム及び上記昇降ブラケットを得る為、金属板により
全体を円筒状に造られたこのステアリングの中間部に塑
性加工を施してこの中間部を下方に膨出させる事で、こ
のステアリングコラムと一体に形成された凸状部を形成
する。そして、この凸状部により上記昇降ブラケットを
構成する。 【0013】 【作用】上述の様に構成される本発明の製造方法により
造られる昇降ブラケット付ステアリングコラムを組み込
んだチルト式ステアリング装置が、ステアリングシャフ
トを回転自在に支持する作用、並びにステアリングホイ
ールの上下位置を調節する際の作用は、前述した従来の
チルト式ステアリング装置の場合と同様である。特に本
発明のチルト式ステアリング装置用昇降ブラケット付ス
テアリングコラムの製造方法の場合には、ステアリング
コラムの外周面に昇降ブラケットを後から溶接固定する
手間が不要になる。この結果、この溶接に起因する前述
した様な不具合を防止すると共に、部品製作、部品管
理、組立作業を何れも簡略化して、製作費の低減を図れ
る。 【0014】 【実施例】図1〜3は本発明の実施例を示している。
尚、本発明の特徴は、ステアリングコラム3に前記昇降
ブラケット9(図5〜6)に相当する凸状部11を、こ
のステアリングコラム3と一体に形成する点にある。そ
の他の部分の構成及び作用は前述した従来構造とほぼ同
様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説
明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を
中心に説明する。 【0015】ステアリングコラム3は、軟鋼板、アルミ
ニウム合金板等の金属板により、全体を円筒状に造る
そして、このステアリングコラム3の中間部に、本発明
の特徴である凸状部11を、このステアリングコラム3
と一体に形成する。即ち、この凸状部11は、上記ステ
アリングコラム3の一部に塑性加工を施す事により、ス
テアリングコラム3の下方(図1〜3の下側)から膨出
させる。又、この凸状部11を構成する左右両側壁部に
は、上記ステアリングコラム3の幅方向(図1、3の表
裏方向、図2の左右方向)に亙る通孔10、10を、互
いに同心に形成する。そして、これら両通孔10、10
と、固定ブラケット6を構成する1対の鉛直板部7、7
に形成した長孔8、8とにチルトボルト13を挿通し、
このチルトボルト13の先端部にチルトナット14を螺
合させている。このチルトナット14には、チルトレバ
ー12の基端部を結合固定し、ステアリングホイール1
(図4)の高さ位置を調節する為のチルト機構を構成し
ている。 【0016】上述の様に構成される本発明の製造方法に
より造られる昇降ブラケット付ステアリングコラムを組
み込んだチルト式ステアリング装置により、運転者の体
格等に応じて、ステアリングホイール1(図4)の高さ
位置を調整する場合には、従来と同様に上記チルトレバ
ー12を操作する事により、上記チルトナット14を弛
め、このチルトナット14とチルトボルト13の頭部1
3aとの間隔を広げる。この状態で、上記1対の鉛直板
部7、7の内側面とステアリングコラム3に形成した凸
状部11の外側面との間に生じる摩擦力が小さくなる。
そこで、上記各鉛直板部7、7に形成した長孔8に沿っ
てチルトボルト13を移動させてから、上記チルトレバ
ー12によりチルトナット14を締め付ける。この作業
により、ステアリングホイール1の高さを所望の位置に
調節した状態で、ステアリングコラム3の上部を車体に
固定した固定ブラケット6に対して支持できる。 【0017】以上に述べた様に、本発明の製造方法によ
り造られる昇降ブラケット付ステアリングコラムを組み
込んだチルト式ステアリング装置の場合には、ステアリ
ングコラム3に予め前記昇降ブラケット9(図5〜6)
に相当する凸状部11を形成するので、上記ステアリン
グコラム3に上記昇降ブラケット9を後から固定する手
間が不要になる。又、昇降ブラケット9を固定する為の
溶接が不要になる為、前述した様な溶接に起因するステ
アリングコラム3や昇降ブラケット9の変形を防止でき
る。この結果、一次衝突時並びに二次衝突時の安全性を
確実に確保すると共に、良好なチルト操作性を確保し、
しかも、部品製作、部品管理、組立作業を何れも簡略化
して、チルト式ステアリング装置の製作費の低減を図れ
る。 【0018】 【発明の効果】本発明のチルト式ステアリング装置用昇
降ブラケット付ステアリングコラムの製造方法は、以上
に述べた通り構成され作用するので、溶接の不要な、軽
量で安価なチルト式ステアリング装置を提供する事がで
きる。又、溶接に伴う不具合の発生も防止できる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例を示す、図5と同様の図。 【図2】図1のA−A断面図。 【図3】ステアリングコラムの斜視図。 【図4】本発明の対象となるチルト式ステアリング装置
の全体構成を示す側面図。 【図5】従来構造の第1例を示す、図4のB部拡大図。 【図6】同じく図4の拡大C−C断面図。 【図7】従来構造の第2例を示す要部斜視図。 【図8】図7のD−D断面図。 【符号の説明】 1 ステアリングホイール 2 ステアリングシャフト 3 ステアリングコラム 4 横軸 5 通孔 6、6a 固定ブラケット 7 鉛直板部 8、8a 長孔 9 昇降ブラケット 10 通孔 11 凸状部 12 チルトレバー 13 チルトボルト 13a 頭部 14 チルトナット 15 カラー部材 16 ボルト 17 ステアリングコラム 18 ボス部 19 ブッシュ

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 後端部にステアリングホイールを固定す
    るステアリングシャフトを挿通し、その前端部を横軸に
    より枢支されるステアリングコラムと、このステアリン
    グコラムの中間部下面に固設された昇降ブラケットと、
    この昇降ブラケットに横方向に形成された通孔と、1対
    の鉛直板部を備え、この鉛直板部により上記昇降ブラケ
    ットを左右から挟む状態で車体に固定される固定ブラケ
    ットと、上記各鉛直板部の一部で上記通孔に整合する部
    分に形成された、上下方向に長い長孔と、この長孔と上
    記通孔とを挿通された杆状部材と、この杆状部材の一端
    に設けられた押圧部と、上記杆状部材の他端に係合した
    押圧部材と、この押圧部材にその基端部を固定し、揺動
    に伴って上記押圧部材と押圧部との間隔を拡縮させるチ
    ルトレバーとを備えたチルト式ステアリング装置に於い
    て、上記昇降ブラケットは上記ステアリングコラムの中
    間部を下方に膨出させる事により、このステアリングコ
    ラムと一体に形成された凸状部により構成されている事
    を特徴とするチルト式ステアリング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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