JP2003329869A - ダブルクラッドファイバおよびその製造方法 - Google Patents

ダブルクラッドファイバおよびその製造方法

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JP2003329869A JP2002142375A JP2002142375A JP2003329869A JP 2003329869 A JP2003329869 A JP 2003329869A JP 2002142375 A JP2002142375 A JP 2002142375A JP 2002142375 A JP2002142375 A JP 2002142375A JP 2003329869 A JP2003329869 A JP 2003329869A
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JP2002142375A
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Daisuke Kaneya
大祐 金屋
Takamasa Yamashita
高雅 山下
実 ▲吉▼田
Minoru Yoshida
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多角形状を含む非円形形状の第1クラッド層
を有するダブルクラッドファイバにおいて第1クラッド
層と第2クラッド層とを精度高く同心配置する。 【解決手段】コア層1より屈折率の小さい材料から構成
されてコア層1の外周を覆って断面非真円形状の第1ク
ラッド層2を設ける。第1クラッド層2の外周に第1ク
ラッド層2より屈折率の小さい材料から構成された筒状
の第2クラッド層3を設ける。第1クラッド層2を第2
クラッド層3の内面に線接触させて保持する。第2クラ
ッド層3は、第1クラッド層2と同等材料からなり第1
クラッド層2に線接触する円筒内管3aと、円筒内管3
aの外周に同心配置されて円筒内管3aに面接触する円
筒状樹脂層3bとを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コア層の周囲に2
層の第1、第2クラッド層を設けたダブルクラッドファ
イバおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ダブルクラッドファイバと呼
ばれる光ファイバがある。ダブルクラッドファイバは、
主として増幅用光ファイバに用いられる。ダブルクラッ
ドファイバは、図4に示すように、コア層100と第
1、第2クラッド層101、102とを備えている。コ
ア層100は通常シングルモードコアから構成されてい
る。そして、このコア層100の周囲に、第1クラッド
層101(コア層100より屈折率が小さい)と第2ク
ラッド層102(第1クラッド層101より屈折率が小
さい)とを順次同心配置している。
【0003】ダブルクラッドファイバは、コア層100
に信号光を伝播させる一方、第1クラッド層101に励
起光を伝播させている。そして、第1クラッド層101
を伝播する励起光を伝播途中においてコア層100を横
切らせており、これによって、コア層100内において
信号光の増幅を行っている。
【0004】ダブルクラッドファイバの構成によれば、
励起光をコア層100より太径の第1クラッド層101
に入射することで高出力な励起が行え、その結果、シン
グルモードコアに励起光を入射する構成よりも光増幅器
としての利得あるいは光源としての出力が向上する。
【0005】ダブルクラッドファイバは、従来から、次
に示す第1〜第3の工程を順次実施することで作製され
る。第1の工程 軸心にコア層ガラス母材が配置されたガラス棒体からな
る第1クラッド層ガラス母材を形成する。第2の工程 加熱線引きにより、第1クラッド層ガラス母材とコア層
ガラス母材とを延伸することで、コア層100と第1ク
ラッド層101とを形成する。第3の工程 第1クラッド層101の周囲にポリマー樹脂からなる第
2クラッド層材料をコーティングすることで第2クラッ
ド層102を形成する。
【0006】なお、第2クラッド層102の周囲には通
常、樹脂保護層がコーティングされる。
【0007】このようにして作製されるダブルクラッド
ファイバにおいて、コア層100、第1クラッド層10
1、および第2クラッド層102は、それぞれ断面円形
形状をしており、互いに同心配置されている。
【0008】従来から、このようにして構成されるダブ
ルクラッドファイバにおいては、図5に示すように、第
1クラッド層101を断面多角形状(図では方形)に成
形することが実施されている。これは、次のような目的
により実施される構造改良である。すなわち、ダブルク
ラッドファイバにおいて励起光を、第1クラッド層10
1と第2クラッド層102との界面において反射させる
ことで、第1クラッド層101内に保持させる。その
際、第1クラッド層101を多角形状にすることによ
り、各反射時それぞれにおける反射角度のばらつきを大
きくし、これによって励起光がコア層100を横切る頻
度を高めて(すなわち、スキュー光を減らして)増幅効
率を向上させている。
【0009】第1クラッド層101の整形(多角形状処
理)は第1クラッド層ガラス母材を研磨整形することで
実施される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ダブル
クラッドファイバにおいて第1クラッド層101を多角
形状とすると次のような不都合が生じる。すなわち、ダ
ブルクラッドファイバの製造時においては、第1クラッ
ド層101の構造上の特徴により第1クラッド層101
(コア層100を含む)の周囲に第2クラッド層102
を均一に形成することが困難となる。これは、多角形状
の第1クラッド層101では、その周囲に第2クラッド
層材料(ポリマ樹脂)を均等にコーティングすることが
できないことに起因している。第1クラッド層101の
周囲に第2クラッド層材料を均等にコーティングするこ
とができないのは、多角形状をした第2クラッド層10
1の外表面の位置がその軸心に対して円周方向に沿って
変動することに起因している。
【0011】第1クラッド層101(コア層100を含
む)の周囲に第2クラッド層102を均一に形成できな
いため、従来のダブルクラッドファイバでは、第1クラ
ッド層101(コア層100を含む)と第2クラッド層
102とを精度高く軸心合わせすることができず、両者
の間に偏心が生じていた。
【0012】このようにして両クラッド層101、10
2が互いに偏心した状態でダブルクラッドファイバが形
成されると次のような不具合が生じる。すなわち、偏心
の度合によっては、第2クラッド層102の外表面から
第1クラッド層101の角部(多角形状であるため角部
が存在する)が露出することが生じる。ガラス部材であ
る第1クラッド層101が露出して外部に剥き出しにな
ると、その部分での光ファイバの強度が弱くなって折れ
やすくなるという不具合が生じる。使用中に光ファイバ
が折れて励起光が空中に放出されると非常に危険な状態
となる。
【0013】また、上記偏心が生じた状態では、ダブル
クラッドファイバを他の光ファイバに溶融接続する際に
互いの軸心を精度高く一致させることが困難となる。精
度の高い軸心合わせができない状態で接続すると、光の
伝送効率が低下する。また、軸心合わせ精度が低い状態
では、ダブルクラッドファイバを他の光ファイバに溶融
接続することができなくなる場合もある。
【0014】したがって、本発明の主たる目的は、多角
形状を含む非円形形状の第1クラッド層を有するダブル
クラッドファイバにおいて、第1クラッド層と第2クラ
ッド層とを精度高く同心配置することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ためには、本発明のダブルクラッドファイバは、コア層
と、前記コア層より屈折率の小さい材料から構成されて
前記コア層の外周を覆って設けられた断面非真円形状の
第1クラッド層と、前記第1クラッド層より屈折率の小
さい材料から構成されて前記第1クラッド層の外周に設
けられた筒状の第2クラッド層とを有し、前記第1クラ
ッド層を前記第2クラッド層の内面に線接触させて保持
したことに特徴を有している。
【0016】また、本発明はダブルクラッドファイバの
製造方法において次のような工程を備えることに特徴が
ある。
【0017】すなわち、本発明の製造方法は、コア層ガ
ラス母材と前記コア層ガラス母材より屈折率の小さい第
1クラッド層ガラス母材とを有し前記コア層ガラス部材
の周囲に前記第1クラッド層ガラス部材を同心配置して
なる第1ガラス母材を形成する工程と、前記第1ガラス
母材の周面を断面多角形状に整形する工程と、前記第1
ガラス母材の外接円と同等寸法の内径を有するとともに
前記第1クラッド層ガラス母材と同等もしくはそれより
小さい屈折率を有する円筒内管ガラス母材を用意し、前
記第1ガラス母材を、この円筒内管ガラス母材に挿入装
着することで第2ガラス母材を形成する工程と、加熱線
引きにより、前記第2ガラス母材を延伸することで、内
側から順次同心配置されたコア層と第1クラッド層と円
筒内管とを形成する工程と、前記円筒内管の周囲に前記
第1クラッド層より屈折率の小さい透明樹脂を円筒状に
装着することで、この円筒状透明樹脂層と前記円筒内管
とからなる第2クラッド層を形成する工程と、を備える
ことに特徴がある。
【0018】本発明のダブルクラッドファイバおよびそ
の製造方法によれば、第1クラッド層は、第2クラッド
層に線接触することで保持されることになる。このよう
な構造においては次の構成を容易に実現することができ
る。すなわち、第1クラッド層を断面多角形状とすると
ともに、この第1クラッド層の角部を前記第2クラッド
層の内面に線接触させて保持することが可能となる。さ
らには、第2クラッド層を、前記第1クラッド層と同等
材料からなり前記第1クラッド層に線接触する円筒内管
と、前記円筒内管の外周に同心配置されて前記円筒内管
に面接触する円筒状樹脂層とを備えて構成することが可
能となる。
【0019】このように構成すれば、第1クラッド層に
対して第2クラッド層を精度高く同心配置することが可
能となる。
【0020】これは、 ・第1クラッド層の外接円と同等の内径を有する円筒内
管は第1クラッド層に対して容易に同心配置させること
が可能である、 ・円筒状をした円筒内管に対しては円筒状透明樹脂層を
容易に同心配置させることが可能である、という二つの
理由によっている。
【0021】なお、円筒内管の内径は第1クラッド層の
外接円と同等とするのが好ましい。このように構成すれ
ば、円筒内管を第1クラッド層に対してさらに容易に同
心配置することが可能になる。さらには、この状態で、
円筒内管の周囲に、円筒状樹脂層を設ければ、円筒状樹
脂層と円筒内管とからなる第2クラッド層を第1クラッ
ド層に対してさらに精度高く同心配置することが可能と
なる。
【0022】また、第1クラッド層に対して第2クラッ
ド層を同心配置するうえでは、上述したように、第1ク
ラッド層を多角形状とするのが好ましい。そうすれば、
第1クラッド層の軸心位置が把握しやすくなって、両ク
ラッド層の軸心合わせが容易になるうえにその位置合わ
せ精度も向上する。
【0023】また、前記円筒内管は、前記第1クラッド
層と同等もしくはそれより小さい屈折率を有する材料か
ら構成するのが好ましく、そうすれば、第1クラッド層
での光の閉じ込め効率を高めることができる。第1クラ
ッド層での光の閉じ込め効率を高めるうえにおいては、
円筒内管を、第1クラッド層より小さい屈折率を有する
材料から構成する方がさらに好ましい。
【0024】また、多角形状の第1クラッド層と円筒形
状の第2クラッド層との間に空隙が形成されるが、その
場合には、その空隙に第2クラッド層より屈折率の低い
空気クラッド層を設けることが可能となる。そうすれ
ば、第1クラッド層内に閉じ込める光(励起光)が周囲
に発散しにくくなって、その閉じ込め効率が向上する。
さらには空気クラッド層を設ければ、入射光に対してN
A(開口数)が大きくなり、その分、第1クラッド層を
伝播する光の量を多くすることができる。このようにし
て、第1クラッド層内での光(励起光)の閉じ込め効率
や光量を向上(増大)させれば、ダブルクラッドファイ
バを光増幅器に用いる場合においてその増幅効率を向上
させることが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態のダブ
ルクラッドファイバの構造を示す断面図である。このダ
ブルクラッドファイバは、コア層1と第1、第2クラッ
ド層2、3とを備えている。コア層1は通常シングルモ
ードコアから構成されている。そして、このコア層1の
周囲に、第1クラッド層2(コア層1より屈折率が小さ
い)と第2クラッド層3(第1クラッド層2より屈折率
が小さい)とを順次同心配置している。
【0026】コア層1と第1クラッド層2とは、ともに
ガラス材(例えば、石英ガラス材)から構成されてい
る。増幅用光ファイバとして用いられるこのダブルクラ
ッドファイバにおいては、コア層1は希土類元素(例え
ば、エルビウム)が添加されている。第1クラッド層2
は、コア層1より屈折率の低いガラス材により構成され
ている。第1クラッド層2は断面方形形状をしている。
コア層1は第1クラッド層2の軸心位置(中心位置であ
って、方形の第1クラッド層2の両対角線の交点位置)
に配置されている。
【0027】第2クラッド層3は円筒内管3aと円筒状
透明樹脂層3bとを備えている。円筒内管3aは、第1
クラッド層2と同等もしくはそれより小さい屈折率を有
する円筒状のガラス製筒体から構成されている。円筒内
管3aの内径r1は第1クラッド層2の外接円の直径r
2と同等の径寸法に設定されている。
【0028】このように構成された円筒内管3aの内部
に方形形状をした第1クラッド層2が収納配置されてい
る。第1クラッド層2と円筒内管3aとが上述した形状
条件を満たしているので、次のようになる。すなわち、
第1クラッド層2の角部2aは円筒内管3aの内面に線
接触した状態で保持される。さらには、第1クラッド層
2は円筒内管3aに対して同心配置される。
【0029】円筒内管3aの内部に方形の第1クラッド
層2を収納しているので、第1クラッド層2の4周面と
円筒内管3aとの間にはそれぞれ空隙が形成されてい
る。この空隙には空気が侵入している。これにより、こ
の空隙は空気クラッド層4を形成している。空気クラッ
ド層4は空気層により構成されているので、第1クラッ
ド層2より屈折率が小さくなっている。
【0030】円筒状透明樹脂層3bは円筒内管3aに対
してその周面に同心状に形成されている。具体的にいえ
ば、円筒状透明樹脂層3bは円筒内管3aの周面に対し
て均等厚みを有する状態で装着されている。これにより
円筒状透明樹脂層3bは円筒内管3aの周面に面接触し
た状態で同心配置されている。
【0031】第2クラッド層3は機能的にみて実質的に
円筒状透明樹脂層3bにより構成されている。そのため
円筒内管3aは機能的には第1クラッド層2を保持でき
ればよい。したがって、円筒内管3aの厚みはダブルク
ラッドファイバの小径化を図るうえでできるだけ薄い方
が好ましい。しかしながら、円筒内管3aは製造時にお
いて破損することなく第1クラッド層2を保持可能な厚
みを必要とする。このような観点に基づいて円筒内管3
aの厚みは設定されている。
【0032】円筒状透明樹脂層3bの厚みは第1クラッ
ド層2内に励起光を閉じ込める機能および第1クラッド
層2やコア層1を機械的に保持する機能を発揮できる程
度に設定されている。
【0033】なお、円筒状透明樹脂層3bの外周側は、
図示はしないが保護シースにより被覆されていてもよ
い。
【0034】このダブルクラッドファイバでは、第1ク
ラッド層2に対して第2クラッド層3を精度高く同心配
置することができる。それは、次の二つの理由によって
いる。第1の理由は、円筒内管は3aが第1クラッド層
2の外接円r2と同等の内径r1を有しているために、
第1クラッド層2に対して円筒内管3aを容易に同心配
置させることができることである。第2の理由は、円筒
状をした円筒内管3aに対しては円筒状透明樹脂層3b
を容易に同心配置させることができることである。
【0035】さらには、第1クラッド層2が多角形状で
あることも、両クラッド層2、3の軸心合わせが容易に
なる理由となっている。
【0036】また、円筒内管3aを、第1クラッド層2
と同等もしくはそれより小さい屈折率を有する材料から
構成しているので、次のような利点がある。すなわち、
このように構成したダブルクラッドファイバに対して第
1クラッド層2に光(例えば、励起光)を導入する場合
において、第1クラッド層2に光を閉じ込める効率が高
まる。
【0037】円筒内管3aを、第1クラッド層2より小
さい屈折率を有する材料から構成しているので、第1ク
ラッド層2での光の閉じ込め効率がさらに高まる。
【0038】また、第1クラッド層2と第2クラッド層
3との間に空気クラッド層4を設けているので、第1ク
ラッド層5内に閉じ込める光(励起光)が周囲に発散し
にくくなって、光の閉じ込め効率がさらに向上する。さ
らには空気クラッド層4を設けることにより、入射光に
対するNA(開口数)が大きくなり、その分でも第1ク
ラッド層2を伝播する光の量を大きくすることができ
る。
【0039】次に、本発明のダブルクラッドファイバの
製造方法を図2を参照して説明する。
【0040】まず、図2(a)に示すように、第1ガラ
ス母材22を作製する。第1ガラス母材22は、コア層
ガラス母材20と第1クラッド層ガラス部材21とを備
えている。第1クラッド層ガラス母材21はコア層ガラ
ス母材20より屈折率の小さいガラス材料から構成され
ている。コア層ガラス母材20と第1クラッド層ガラス
部材21とが同心配置された第1ガラス母材22は周知
の方法であるVAD法(Vapor-phase axial deposition
法)により作製することができる。VAD法により作
製されるコア層ガラス母材20と第1クラッド層ガラス
母材21とは同心円状に形成される。
【0041】次に、図2(b)に示すように、第1ガラ
ス母材22の周面(具体的には第1クラッド層ガラス母
材21の周面)を研磨することで、第1ガラス母材22
の形状(具体的には第1クラッド層ガラス母材21の形
状)を多角形状(図では方形)形状に整形する。図中、
多角形に整形したのちの第1ガラス母材には符号23を
付している。
【0042】次に、円筒内管ガラス母材24を用意す
る。円筒内管ガラス母材24としては、第1ガラス母材
23の外接円(具体的には多角形状に整形後の第1クラ
ッド層ガラス母材21の外接円)と同等寸法の内径を有
するものを用意する。さらには、円筒内管ガラス母材2
4は、第1クラッド層ガラス母材21と同等もしくはそ
れより小さい屈折率を有するガラス材料から構成された
ものを用意する。
【0043】そして、図2(c)に示すように、第1ガ
ラス母材23を円筒内管ガラス母材24に挿入装着す
る。挿入装着したのち、円筒内管ガラス母材24を加熱
処理することで径方向に収縮させて、両母材23、24
を隙間なく強固に一体化する。これにより、第2ガラス
母材25を形成する。第2ガラス母材25においては、
第1ガラス母材23と円筒内管ガラス母材24との間に
は、その四方に断面三日月型の空隙26が形成される。
空隙26の両端は外部に開口しており、空隙26内には
空気が充填している。
【0044】次に、図2(d)に示すように、第2ガラ
ス母材25を加熱炉27で加熱しながら、その先端から
延伸処理(線引き処理)することで、ダブルクラッドフ
ァイバ材料線28を作製する。ダブルクラッドファイバ
材料線28は、図示はしないが、コア層1と第1クラッ
ド層2と円筒内管3aとを備えた構成となっている。
【0045】次に、ダブルクラッドファイバ材料線28
を樹脂コーティング装置29で透明ポリマー樹脂をコー
ティングする。コーティングする透明ポリマー樹脂は第
1クラッド層2より屈折率の小さいポリマー樹脂材料を
選定する。樹脂コーティングに際して、コーティング対
象であるダブルクラッドファイバ材料線28の周面(具
体的には円筒内管3aの周面)は円周面となっている。
そのため、コーティングされるポリマー樹脂、すなわ
ち、円筒状透明樹脂層3bは、ダブルクラッドファイバ
材料線28の周面(具体的には円筒内管3aの周面)に
対して同心状に形成される。こののち、第2クラッド層
3の周囲に図示しない樹脂保護層が形成される。これに
より、ダブルクラッドファイバが完成する。
【0046】このように作製されるダブルクラッドファ
イバにおいては、コア層1と第1クラッド層2と第2ク
ラッド層3(円筒内管3aおよび円筒状透明樹脂層3
b)とは、互いに精度高く同心配置されることになる。
【0047】なお、加熱線引き処理において、線引き精
度を高く維持するうえでは、第1クラッド層ガラス母材
21の融点と円筒内管ガラス母材24の融点とをほぼ同
じ値にしておくのが好ましい。両ガラス母材21、24
の融点は、添加する微量元素の種類および量を調整する
ことで任意に制御することができる。
【0048】上述した実施の形態においては、第1クラ
ッド層2として断面方形形状のものを用いた。本発明
は、このような第1クラッド層2を有するものに限るも
のでない。例えば、図3(a)に示すように、断面三角
形状の第1クラッド層30を設けることもできる。ま
た、図3(b)に示すように、断面五角形状の第1クラ
ッド層31を設けることもできる。また、図3(c)に
示すように、断面楕円形状の第1クラッド層32を設け
ることができる。また、図3(d)に示すように、非円
形形状(図では、方形を例にした多角形状)を有する第
1クラッド層33を、線接触保持部材34を介して円筒
内管3aの内面に線接触保持した構成であってもよい。
要は、多角形状を含んだ非円形形状の第1クラッド層
を、線接触により円筒内管に保持させた構成であればよ
い。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
多角形状を含む非円形形状の第1クラッド層を有するダ
ブルクラッドファイバにおいて、第1クラッド層と第2
クラッド層とを精度高く同心配置することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のダブルクラッドファイバ
の構成を示す断面図である。
【図2】実施の形態のダブルクラッドファイバの製造方
法の各工程を示す図である。
【図3】本発明の変形例を示す断面図である。
【図4】第1の従来例を示す断面図である。
【図5】第2の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 コア層 2 第1クラッド層 2a 角部 3 第2クラッド層 3a 円筒内管 3b 円筒
状透明樹脂層 4 空気クラッド層 r1 円筒内管3aの内径 r
2 外接円直径 20 コア層ガラス母材 21 第1クラッド層ガラス
母材 22 第1ガラス母材(円形) 23 第1ガラス母材(方形) 24 円筒内管ガラス母材 26 第2ガラス
母材 26 空隙 27 加熱炉 28 ダブルクラッドファイバ材料線 29 樹脂コーティング装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲吉▼田 実 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 2H050 AA01 AB03Z AC13 AC36 AC62 AD00 5F072 AB09 AK06 YY17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア層と、 前記コア層より屈折率の小さい材料から構成されて前記
    コア層の外周を覆って設けられた断面非真円形状の第1
    クラッド層と、 前記第1クラッド層より屈折率の小さい材料から構成さ
    れて前記第1クラッド層の外周に設けられた筒状の第2
    クラッド層とを有し、 前記第1クラッド層を前記第2クラッド層の内面に線接
    触させて保持した、 ことを特徴とするダブルクラッドファイバ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のダブルクラッドファイ
    バにおいて、 前記第1クラッド層を断面多角形状とするとともに、こ
    の第1クラッド層の角部を前記第2クラッド層の内面に
    線接触させて保持した、 ことを特徴とするダブルクラッドファイバ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のダブルクラッドファイ
    バにおいて、 前記第2クラッド層は、 前記第1クラッド層と同等材料からなり前記第1クラッ
    ド層に線接触する円筒内管と、 前記円筒内管の外周に同心配置されて前記円筒内管に面
    接触する円筒状樹脂層と、 を備えている、 ことを特徴とするダブルクラッドファイバ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のダブルクラッドファイ
    バにおいて、 前記円筒内管は、前記第1クラッド層の外接円と同等の
    内径を有している、 ことを特徴とするダブルクラッドファイバ。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載のダブルクラッ
    ドファイバにおいて、 前記円筒内管を、前記第1クラッド層と同等もしくはそ
    れより小さい屈折率を有する材料から構成する、 ことを特徴とするダブルクラッドファイバ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載のダ
    ブルクラッドファイバにおいて、 前記第1クラッド層と前記第2クラッド層との間に設け
    られた空隙に空気クラッド層を設ける、 ことを特徴とするダブルクラッドファイバ。
  7. 【請求項7】 コア層ガラス母材と前記コア層ガラス母
    材より屈折率の小さい第1クラッド層ガラス母材とを有
    し前記コア層ガラス部材の周囲に前記第1クラッド層ガ
    ラス部材を同心配置してなる第1ガラス母材を形成する
    工程と、 前記第1ガラス母材の周面を断面多角形状に整形する工
    程と、 前記第1ガラス母材の外接円と同等寸法の内径を有する
    とともに前記第1クラッド層ガラス母材と同等もしくは
    それより小さい屈折率を有する円筒内管ガラス母材を用
    意し、前記第1ガラス母材を、この円筒内管ガラス母材
    に挿入装着することで第2ガラス母材を形成する工程
    と、 加熱線引きにより前記第2ガラス母材を延伸すること
    で、内側から順次同心配置されたコア層と第1クラッド
    層と円筒内管とを形成する工程と、 前記円筒内管の周囲に前記第1クラッド層より屈折率の
    小さい透明樹脂を円筒状に装着することで、この円筒状
    透明樹脂層と前記円筒内管とからなる第2クラッド層を
    形成する工程と、 を含むことを特徴とするダブルクラッドファイバの製造
    方法。
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