JPH06235841A - 1×n色消しカプラおよびファイバ・オプティック・カプラならびに1×nファイバ・オプティック・カプラを作成する方法 - Google Patents

1×n色消しカプラおよびファイバ・オプティック・カプラならびに1×nファイバ・オプティック・カプラを作成する方法

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JPH06235841A
JPH06235841A JP5344585A JP34458593A JPH06235841A JP H06235841 A JPH06235841 A JP H06235841A JP 5344585 A JP5344585 A JP 5344585A JP 34458593 A JP34458593 A JP 34458593A JP H06235841 A JPH06235841 A JP H06235841A
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fiber
coupler
tube
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fibers
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JP5344585A
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Daniel A Nolan
アロイサイアス ノラン ダニエル
David L Weidman
リー ワイドマン デイビッド
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Corning Inc
Original Assignee
Corning Inc
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    • G02B6/2835Optical coupling means having data bus means, i.e. plural waveguides interconnected and providing an inherently bidirectional system by mixing and splitting signals forming multipart couplers without wavelength selective elements, e.g. "T" couplers, star couplers using lateral coupling between contiguous fibres to split or combine optical signals formed or shaped by thermal treatment, e.g. couplers
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    • G02B6/24Coupling light guides
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的広い波長帯域にわたってファイバ間で
比較的均一な結合を行うことができる単一モ−ド・ファ
イバ・オプティック・カプラを提供すること。 【構成】 この色消しファイバ・オプティック・カプラ
は3本の単一モ−ド光ファイバがそれらの長さの一部分
に沿って互いに融着されて結合領域を形成している形式
のものである。各ファイバはコアとクラッドを具備して
おり、ファイバクラッドの最低屈折率はn2である。これ
らのファイバは結合領域で三角形のアレイをなして配置
される。屈折率n3のマトリクスガラス体が結合領域を包
囲しており、n3は(n2 2-n3 2)/2n2 2に等しいΔ2-3の値が
0.125%より小さくなるような大きさだけn2より小さ
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は比較的広い波長帯域にわ
たってファイバ間の光の比較的均一な結合を行うことが
できる単一モ−ドファイバ・オプティック・カプラに関
する。
【0002】
【従来の技術】複数本のファイバをそれの適当な長さに
沿って並置関係に位置決めしかつクラッドを互いに融着
させてファイバを固着させかつコア間の間隔を減少させ
ることによって融着ファイバ・カプラが作成されてい
る。ファイバを加熱しかつ延伸する前に毛細チュ−ブに
ファイバを挿入し、それによって「オ−バ−クラッド・
カプラ」を形成することによって種々のカプラ特性を改
善することができる。オ−バ−クラッド・カプラを形成
するために、ファイバがチュ−ブに挿入され、チュ−ブ
が脱気され、そしてそれの中間領域が加熱されそしてフ
ァイバに対してコラプスされる。その中間領域の中央部
分がその後で延伸されて、所望の結合を得るのに必要な
直径および結合長となされる。
【0003】結合領域ではコアは伝播に対するそれらの
影響が非常に小さくなるように小さくなる。ファイバ・
クラッド直径が十分小さくなると、コアとクラッドの複
合体は結合領域における導波路の光誘導部分として機能
し、かつ周囲の低屈折率マトリクス材料はクラッドとし
て機能する。したがって、結合領域における隣接したフ
ァイバ・クラッド間でパワ−が伝達される。結合領域
(コア/クラッド/オ−バ−クラッド導波路)内におけ
るファイバの部分の基本モ−ドは、結合領域外における
ファイバを伝播する基本モ−ドとは異なる伝播定数を有
する。結合領域内にあるカプラ・ファイバの部分を伝播
する基本モ−ドの伝播定数を表わすために、本明細書で
は項βCRが本用いられる。結合領域における基本モ−ド
の伝播定数は実際には幾何学形状に対して連続的に変化
する。結合領域において一定の幾何学形状を有し、入力
および出力ファイバに対して無損失接続をなされたカプ
ラを考えることが、これらのカプラの挙動についての定
性的理解を得るために有用である。
【0004】結合比の波長依存性が非常に強い標準のカ
プラを作成するために従来は同一の光ファイバが用いら
れていた。すなわち、そのカプラが1310nmで3dB結合を
呈示する場合には、その波長依存性のために、1550nmで
は3dBカプラとしては機能することができない。「標準
のカプラ」は、約1310nmを中心としたウインド−(これ
を第1のウインド−と呼ぶ)におけるパワ−伝達特性で
特徴づけられうる。例えば、標準カプラは60nmウインド
−内で約±5%より大きくは変化しない結合比を呈示す
る。
【0005】「色消しカプラ」(achromatic coupler)
は結合比が標準カプラよりも波長に感応しにくいもので
ある。「色消しカプラ」の広く受入れられた定義は存在
しない。最も厳密でない定義は、第1のウインド−にお
いて標準カプラより良好なパワ−伝達特性を色消しカプ
ラが呈示することを要求するのみである。より現実的に
は、その第1のウインド−において色消しカプラが標準
カプラよりもはるかに良好な特性を有することを要求す
ること、すなわち特定された幅を有する2つのウインド
−において色消しカプラが低いパワ−伝達傾斜を呈示す
ることを要求することによって、仕様が厳しくなる。こ
れらのウインド−は幅が100nmでありかつ約1310nmおよ
び1530nmを中心としているものとして特定されうる。こ
れらのウインド−は同じ幅を有している必要はなく、そ
れらの幅は例えば80nmと60nmでありうる。最適性能を有
する色消しカプラは単一モ−ド動作領域の実質的に全体
にわたって低い値の結合パワ−傾斜を呈示し得るであろ
う。シリカをベ−スとした光ファイバの場合には、この
動作領域は例えば1260nmと1580nmの間として特定されう
る。
【0006】結合領域において基本モ−ドに対する異な
る伝播定数を有するファイバを用いることによって、す
なわち直径が異なるファイバおよび/または屈折率分布
が異なるファイバを用いてあるいは2本の同一ファイバ
の一方を他方よりも多くテ−パさせるまたはエッチング
することによって1つの形式の色消しカプラが作成され
ている。
【0007】米国特許第5011251号は、被結合フ
ァイバがファイバ・クラッド材料よりも低い屈折率n3
有するマトリクスガラスによって包囲されたオ−バ−ク
ラッド色消しファイバ・オプティック・カプラを教示し
ている。2つの導波路のβCRは、それらのファイバが異
なるクラッド屈折率を有しているから、結合領域で異な
る。第1のファイバのクラッドの屈折率n2と第2のファ
イバのクラッドの屈折率n2'との差は、比較的広い波長
帯域にわたってカプラの波長に対する結合比の変化が非
常に小さくなるようになされている。図1は米国特許第
5011251号に従って作成されたΔβ色消しカプラ
のスペクトルを示している。2つの出力の挿入損失曲線
は2つの通信ウインド−の中心近傍で交差しているが、
その曲線はそれらのウインド−の縁端近傍で散開してお
り、そしてウインド−の縁端におけるそれらの曲線間の
間隔は典型的には約1dBである。この間隔は「均一度」
(uniformity)と呼ばれ、1つの主要な標準団体である
ベルコアはTA1209と呼ばれる文書で1.0dBの所要均一度
と0.5dBの目的を要求している。
【0008】米国特許第5011251号はΔ2-3
(n2 2 -n3 2)/n2 2という式から値を得られる記号Δ2-3
よってチュ−ブの屈折率n3を特徴づけている。項Δはパ
−セントすなわちΔの百倍で表わされることが多い。市
販されている単一モ−ド光ファイバは通常はシリカの値
に等しいかあるいはそれに近い値n2を有している。その
チュ−ブのベ−スガラスとしてシリカが用いられた場合
には、チュ−ブの屈折率n3をn2より低い値に低下させる
目的で、B2O3のようなド−パントおよび必要に応じてフ
ッ素がそれに添加される。B2O3はチュ−ブの屈折率を低
下させるとともに、それの軟化点温度をもファイバのそ
れより低い値に低下させるという難点がある。上記米国
特許はΔ2-3が約0.2%以下の場合には、シリカチュ−ブ
中のB2O3の量は1×2または2×2カプラにおけるガラ
スチュ−ブを軟化させ、それによってコラプス工程時に
ファイバを過剰に変形させるのには不十分である。した
がって、標準カプラのΔ2-3の値は通常は0.26%と0.35
%の間であったが、上記米国特許に開示された形式の色
消しオ−バ−クラッド・カプラを作成する方法の再現性
を改善するためには、Δ2-3が0.4%より大きいことが好
ましい。
【0009】1992年7月15日に出願された米国特許出願
第07/913,390号は、複数本の単一モ−ド光ファイバがそ
れらの長さの一部分に沿って互いに融着されて屈折率n3
のマトリクスガラス体によって包囲された結合領域を形
成した形式のオ−バ−クラッド色消しファイバ・オプテ
ィック・カプラを教示している。そのカプラのテ−パと
n3は、広く離れた2つの波長におけるカプラの結合定数
が同一であり、色消し特性を与えるようになされてい
る。このような色消し特性を得るためには、n3はファイ
バのクラッド屈折率n2より、Δ2-3が0.125%以下となる
ような程度だけ低くなければならない。Δ2-3の値は非
断熱テ−パ過剰損失が0.5dB以下に保持されるように選
択されることが好ましい。非断熱テ−パ装置についての
論述がW.J.Stewart et al., "Design Limitation on Ta
pers and Couplers in Single-Mode Fibers", Proc. IO
POC, 1985, pages 559-562という刊行物に掲載されてい
る。この要件を満たすためには、Δ2-3は0.125%より小
さく、好ましくは約0.02%より小さくなければならな
い。Δ2-3が小さくなるにつれて、シリカをベ−スとし
たマトリクスガラス・チュ−ブ中に存在する屈折率低下
ド−パントが少なくなる。したがって、比較的硬いマト
リクスガラス・チュ−ブはカプラ形成方法のチュ−ブ・
コラプス工程時にファイバを変形させる。このようなフ
ァイバ変形はカプラ過剰損失を増大させ、テ−パの急峻
度の低下による過剰損失の低下を打消すことになりう
る。
【0010】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は結合
領域において光ファイバを過剰に歪ませることなしに単
一モ−ド・オ−バ−クラッド色消しファイバ・オプティ
ック・カプラを作成する方法を提供することである。他
の目的は広い波長帯域にわたって被結合パワ−の変化が
非常に小さいことによって特徴づけられる単一モ−ド・
オ−バ−クラッド色消しファイバ・オプティック・カプ
ラを提供することである。さらに他の目的は改善された
挿入損失均質度を有する1×2オ−バ−クラッド色消し
カプラを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】簡単には、本発明はNが
2または3である1×N色消しカプラに関する。このカ
プラはマトリクスガラスの細長い本体部と、この本体部
を貫通して延長している3つの光導波通路を具備してい
る。各通路はコア領域を具備しており、このコア領域は
それの屈折率より小さい屈折率を有するクラッド領域に
よって包囲されている。クラッド領域の最も低い屈折率
はn2である。光導波通路は、それらの通路の1つ中を伝
播する光パワ−の一部分が他に結合する結合領域を形成
するのに十分なだけ長い距離にわたって十分に近接して
延長する。コア領域は本体部の長手方向の軸線に直交す
る面内で見た場合に結合領域内に三角形配列で配置され
る。少なくとも通路に隣接した本体部の領域の屈折率は
n3である。ただし、n3はΔ 2-3の値が0.125%より小さく
なるような大きさだけn2より低い。なお、Δ2-3は(n2 2
- n3 2)/2n2 2に等しい。
【0012】このカプラは、第1および第2の対向端部
と中間領域を有するガラスチュ−ブを設けることによっ
て作成され得る。少なくとも穴に隣接したチュ−ブの内
側部分は屈折率n3を有している。入力ガラス光ファイバ
の一部分と2本の出力ガラス光ファイバの端部分が穴内
に配置される。第1のファイバの一部分がチュ−ブの第
1の端部から外に延長し、そして2本のファイバのそれ
ぞれの一部分がチュ−ブの第2の端部から外に延長す
る。チュ−ブの中間領域はファイバに対してコラプスさ
れ、そして直径を減少させかつ結合領域を形成するため
にその中間領域の中央部分が延伸される。結合領域内に
ある入力ファイバと出力ファイバの部分が、チュ−ブの
長手方向の軸線に直交する平面内で見た場合に三角形ア
レイとして配置される。
【0013】
【実施例】本発明はΔ2-3の値が比較的小さいことによ
って生ずる色消し性(achromaticity)を呈示する1つ
のクラスのオ−バ−クラッド・ファイバ・オプティック
・カプラの特定の実施例である。このようなカプラの動
作原理が図2に示された2×2カプラに関連して説明さ
れる。図2のカプラを作成するためには、光ファイバF
1およびF2が直径d1のガラス・オ−バ−クラッド・チュ
−ブOに挿通される。これらのファイバに隣接したチュ
−ブの少なくとも内側部分の屈折率はn3である。ファイ
バF1およびF2は屈折率n1のコアを有しており、このコ
アはn1より小さいがn3より大きいクラッドによって包囲
されている。チュ−ブOは脱気され、そしてそれの中間
領域がそれをファイバに対してコラプスさせるために加
熱される。チュ−ブが再加熱され、そしてそれの端部
が、コラプスされた中間領域の中央部分を延伸させるた
めに反対方向に引張られる。このチュ−ブのコラプスお
よび延伸作業は米国特許第5011251号に従って行
われ得る。2つのチュ−ブ端部が延伸工程時に互いから
離れる方向に移動する速度が合成延伸速度となる。チュ
−ブは一定の速度で延伸されてもよく、あるいは延伸速
度は連続的にまたは不連続のステップとして変化しても
よい。この延伸作業は予め定められた結合が得られた後
で停止しうる。その後で、チュ−ブが再加熱され、そし
て延伸が第2の延伸速度で生じ得る。もとの直径d1とネ
ックダウン領域Nの中央部分の直径d2の比が延伸比Rで
ある。領域Nには若干のテ−パが存在していて、それの
長手方向の中心が最小直径となるが、この領域Nは一定
の直径を有しているように示されている。このようにし
て得られたカプラの結合特性はチュ−ブOとファイバF
1およびF2の光学的および機械的特性のようなパラメ−
タと、長さz、ネックダウン領域Nおよびテ−パ領域T
のようなカプラ・パラメ−タによって決定される。
【0014】光パワ−が入力光ファイバに結合されるこ
とができ、かつカプラ作成方法における処理工程を制御
するために出力信号がモニタされ得る。例えば米国特許
第5011251号を参照されたい。下記の特定の実施
例では、出力パワ−は延伸時にはモニタされない。オ−
バ−クラッド・ファイバ・オプティック・カプラについ
ての従来の経験では、両方のステ−ジに対する全体の延
伸距離は通常12mmと16mmの間である。したがって、その
実施例で説明されるカプラは最初にその範囲内のある距
離だけ延伸される。このようにして得られた装置の光特
性が測定され、そしてその後で作成されるカプラの延伸
または伸長距離が所望の特性により近いものを得るよう
な態様で調節された。この処理によって、最適の延伸距
離が得られた。その後で、このタイプのすべてのカプラ
が所望の光特性を得るためにその最適距離だけ延伸され
た。しかし、延伸距離のようなプロセス・パラメ−タは
作成されたカプラの光学的特徴化の結果として微調整さ
れ得る。
【0015】1×2または2×2 2−ファイバ色消し
3dBカプラについて、それらの動作をモデル化するた
めに、被結合モ−ド理論を用いて理論的解析がなされ
た。その解析はA.W. Snyder and J.D. Love, Optical W
aveguide Theory, Chapman andHall, New York, 1983と
いう刊行物に教示されている原理に基づいた。この理論
にしたがって、図2の2×2オ−バ−クラッド・カプラ
のモ−ド・フィ−ルドは、他のファイバが存在しない場
合の、すなわちファイバがオ−バ−クラッド・インデッ
クス材料n3だけによって包囲されている状態におけるフ
ァイバF1およびF2のそれぞれの基本モ−ド数1および
数2の線形組合せであると仮定される。このような構造
については、伝播定数とモ−ド・フィ−ルドが正確に決
定される(M.J. Adams, An Introduction to Optical W
qaveguidesを参照されたい)。
【数1】
【数2】
【0016】2つのコア間の光結合を記述する結合定数
は数5の重なり積分として表わすことができる。
【数3】この式において数1および数2は2つのコアの
モ−ド・フィ−ルド、rおよびr'はそれぞれファイバF1
およびF2のコアの中心からの半径方向の距離、nはカプ
ラ全体の屈折率構造、n'はファイバF1のコアとクラッ
ドを屈折率n3のオ−バ−クラッド材料で置換した場合の
屈折率構造であり、そしてこの積分はカプラの全断面に
ついてものである(ただしn-n'はファイバF1のコアお
よびクラッドついて非ゼロであるにすぎない)。モ−ド
・フィ−ルドはこの式では規格化されており、すなわち
数4および数5は両方とも1に等しいと仮定されてい
る。
【数4】
【数5】
【0017】これらはテ−パ付き装置であるが、それら
の定性的な動作は、所定の結合長にわたって延伸比が一
定であり、この長さの外では結合がないと仮定すること
によって、すなわち図2の領域Nの直径が全長zにわた
って一定であると仮定することによって、十分にモデル
化される。結合定数が延伸比の急速に増加する関数であ
るから、この近似は満足し得るものであり、したがって
カプラの挙動は最も高い延伸比における挙動が支配的で
ある。この近似を用いた場合、コア1にパワ−が入射さ
れると、カプラの軸線に沿った長さzの関数として、2
つのコアにおけるパワ−は数6および数7で与えられ
る。
【数6】
【数7】ただし、係数Fは数8で与えられる。
【数8】ここで、β1およびβ2はそれぞれファイバF1
およびF2の伝播定数である。
【0018】本発明のように導波路1にユニット・パワ
−が導波路1に入射され、そして導波路2および3に結
合されかつ導波路2および3は互いに同一であるが導波
路1とは異なっている三導波路カプラの場合には、コア
内に残留するパワ−は、長さzの関数として、数9で与
えられる。ただし、Fは数10で表わされる。
【数9】
【数10】ここで、導波路1および2間の結合係数C12
は数5と同様の式で与えられるが、どの対が考慮されて
いるかに対して屈折率とモ−ドが適切なものとされた
[C12に対しては数1および数2、C23に対しては数2お
よび数11]。対称性によって、C13 = C12
【数11】
【0019】入力導波路からP2およびP3(P1→0)に数
12で表わされる完全な結合を有するためには、F=1で
あることが必要であり、そのためにはβ12=C23であ
る必要があることが解る。換言すると、完全な結合のた
めには、入力ファイバが2本の出力ファイバより若干大
きい伝播定数を有していなければならない。
【数12】
【0020】結果はテ−パに沿って結合方程式を積分す
ることによってより定量的となされ得る。ビ−ム伝播技
法(フ−リエ変換、有限差等)を用いることによってさ
らにより正確なシミュレ−ションがなされうるが、非常
に長い演算時間を要する。
【0021】Δ2-3値が0.35%のカプラにおける3つの
異なる波長に対する延伸比の関数として2×2カプラの
結合定数を決定するために、非結合モ−ド・モデルが用
いられた。カプラ・パラメ−タに関してなされた仮定の
ほとんどが標準のオ−バ−クラッド・カプラに関してな
された研究に基づいていた。ファイバF1およびF2は4
μmのコア半径を有する標準の125μm外径単一モ−ドフ
ァイバであると看做された。コアおよびクラッドの屈折
率n1およびn2はそれぞれ1.461000および1.455438である
と看做された。このモデルは図4のグラフを得るために
用いられた。このグラフは本発明のカプラにおいて色消
し性が改善された原因となる物理機構を示している。図
4において、結合定数は平行コア2×2カプラに対する
逆延伸比の関数としてプロットされている。所定の波長
における結合定数は延伸比の増加に伴って非常に急速に
増加することが判る。しかし、非常に高い延伸比で、曲
線に最大値が存在する。これは、事実上モ−ド・フィ−
ルド拡大が非常に大きくなって、2本のファイバのうち
の一方のファイバのコアとクラッドよりなる領域(これ
は結合定数の重なり積分が行われる領域である)におけ
るそれら2本のファイバ間の重なりがモ−ド・フィ−ル
ド振幅が減少するために事実上減少することによって生
ずる。その最大値におけるそれよりも著しく小さい延伸
比では、より長い波長における結合定数は、それの拡大
が回折効果により大きくなることによって、大きくな
る。しかし、この事実は、最大結合が生ずる延伸比が、
1つのコアからのモ−ド・フィ−ルドが他のコアからの
それと重なる程度をそれ以上のモ−ド・フィ−ルド拡大
が減少させる点によって決定されるので、より長い波長
における最大結合はより小さい延伸比で生ずることを意
味する。モ−ド・フィ−ルド拡大は所定の延伸比に対し
ては波長が長いほど大きくなるので、より長い波長に対
してはRのより小さい値で最大値が生ずる。図4に示さ
れているように、これが結合定数曲線を交差させる原因
となる。
【0022】単一の延伸比を有する非テ−パ平行コア装
置(図2参照)では、色消し特性(すなわち約1300およ
び1500nmにおいて等しい結合)を得るために、カプラの
幾何学形状は図4に示されているように2つの波長に対
する結合定数曲線の交点RCROSSにおいて動作するように
選択されるであろう。最大値RMAXまでのすべての延伸比
を含む幾何学形状を有するテ−パ付き装置では、RMAX
RCROSSを有すること(図4において交差点の左側に1/R
MAXを有すること)が必要である。これは、テ−パの端
部近傍における低い延伸比では(図5における破線5と
6の間の領域LWを参照されたい)、結合は波長が長く
なるにつれて強くなり、したがって波長の長い光がより
多く結合することによる。RMAX>RCROSSとなるようにテ
−パをつけることによって、結合は短い波長で強くなる
領域SW(破線4と5の間)をも含み、それによって延
伸比の小さい領域を補償する。領域SWおよびLWは図
5のチュ−ブ3bのテ−パに関するものである。RMAX
正確な値はテ−パ付き装置について結合方程式を数値積
分することによって決定されなければならない。
【0023】図4およびそれに関する上記の説明から、
Δ2-3が0.35%である色消しカプラを形成するためには
約10:1の延伸比が必要とされるであろうことが解る。こ
のような高い延伸比は下記の理由で比較的大きい過剰損
失を生ずることになりうる。高い延伸比は結合強度の増
大を生じ、より短い結合距離zを必要とする。この関係
が図5に示されており、この図では2つの延伸されたチ
ュ−ブ3aおよび3bの外表面がそれぞれ実線と破線で
示されている。チュ−ブ3bはチュ−ブ3aより大きい
延伸比を有しなければならないから、同じ結合を得るた
めには(パワ−伝達曲線の最初のサイクルで)チュ−ブ
3bはチュ−ブ3aより短い結合距離zを有していなけ
ればならない。パワ−伝達曲線については米国特許第5
011251号にその特許の第6図に関連して論述され
ている。
【0024】チュ−ブ3aの高い延伸比/短い結合距離
領域のテ−パの急竣なテ−パに対しては基本モ−ドLP01
からそれより高いモ−ドへの望ましくないモ−ド結合が
より強くなることが知られている。この非断熱結合はカ
プラの過剰損失を増大させることができる。
【0025】1×2ダブル・ウインド−・スイッチに対
する所要のテ−パ・パラメ−タを理論的に計算するため
に上記のモ−ドが用いられた。テ−パ付きカプラの延伸
比をそれの長さに沿った距離zの関数(最大延伸比点に
おけるzの原点)として説明することは、最大延伸比R
MAXとガウス幅パラメ−タω0を含むガウス関数として簡
単に与えられ得る。それは数13で与えられる。
【数13】標準2×2WDMカプラにおけるこれらのパ
ラメ−タの典型的な値は、3まら6までのRMAXと3000μm
から6000μmまでのω0である。このモデルは、パラメ−
タRMAXおよびω0の値がΔ2-3の非常に小さい値では現在
のカプラ値の範囲内にあることを示した。「現在のカプ
ラ」とは米国特許第5011251号に開示されている
Δ2-3が0.26%より大きいタイプのオ−バ−クラッド・
カプラを意味する。Δ2-3のより小さい値が図4の曲線
を右方に(延伸比の低い値の方に)かつ下方に(最大結
合定数のより小さい値の方に)変位させ、それによって
容易に実現可能な延伸比を有する色消しカプラを形成す
ることができる。Δ2-3の値が小さくなされるにつれ
て、RMAXの所要の値がより小さくなり、かつ必要とされ
る結合長(ガウス幅パラメ−タω0で表わされる)はよ
り長くなる。このようにして、テ−パは急竣度が小さく
なる。
【0026】使用され得るΔ2-3値の理論的最大値は非
断熱モ−ド結合による制限を考慮することによって得ら
れうる。伝播定数(β)がLP01およびLP02モ-ドについ
て計算された。LP02モ-ドは理想の整合したファイバ・
カプラにおいてLP01モ-ド結合する最低次のモ−ドであ
る。数7とLP01およびLP02モ-ドのβSから、パラメ−タ
数14および数15が決定された。
【数14】
【数15】ただし、aはコア半径であり、そしてzはカプ
ラ軸線に沿って測定される距離である。断熱動作のため
には、数16の関係が存在しなければならない。
【数16】ここで「NAT差」と呼ばれる数8の差パラメ
−タが1310および1550nmの波長に対して図6にΔ2-3
関数としてプロットされている。NAT差はそれら2つの
波長のそれぞれに対して0.02%から0.14%までのΔ2-3
値について計算された。1310NM曲線は約0.125%の可能
な最大理論Δ2-3値においてゼロのNAT差となる。実際の
経験から、1300-1550nmの範囲の波長において約0.045%
以下のΔ2-3値でもって色消し性が大きく改善され得る
ことが認められた。図9に示されたタイプの延伸装置で
実現され得るテ−パでは、Δ2-3が0.09%である場合に
は色消しカプラは形成できないであろう。しかし、0.04
5%より大きいΔ2-3値で色消しカプラを形成するために
は、より小さい外径を有するチュ−ブを使用することが
できるとともに、より小さいく、より密に集束された炎
を生じ得るバ−ナを使用することができる。約0.01%〜
0.02%のΔ2-3でもって最良の結果が得られた。Δ2-3
ついての測定能力の下限は0.01%である。
【0027】上記の説明は2ファイバ・カプラ、すなわ
ちオ−バ−クラッド・カプラが形成され得る最も単純な
ファイバ配列に関して本発明の原理を詳述したものであ
る。図3に示されているように、チュ−ブTをファイバ
に対してコラプスさせる工程の前にはファイバF1およ
びF2の両側には大きな空間Vが存在している。より容
易に形成されたテ−パ領域を有する低損失色消しカプラ
は比較的低いΔ2-3値を必要とする。したがって、2フ
ァイバ・アクロマットでは、チュ−ブのコラプス工程時
に高粘度チュ−ブによって加えられる圧力によってファ
イバが歪を与えられ、この歪がカプラの過剰損失を増大
させる原因となる。
【0028】このファイバの変形の問題は、図7および
8に示されている三角形のファイバ配列を用いることに
よって実質的に解消される。この実施例では、被覆2
3、24および25がそれぞれ被覆ファイバ17、18
および19の端部から剥離除去され、そしてそれらのフ
ァイバの端部には後述のように反射防止終端部が設けら
れる。入力ファイバ20がチュ−ブ10の穴11の1つ
の端部に挿入され、そして出力ファイバ21および22
が他の端部に挿入される。これらのファイバは少量のエ
ポキシによって所定の場所に固着される。その後で延伸
チャックにカプラ・プリフォ−ムが配置され、チュ−ブ
10が脱気され、そしてそれの中間領域が加熱されてフ
ァイバに対してコラプスされる。その後で、中間領域の
中央部分が延伸されて所望の結合を得るのに必要な直径
および結合長となされる。このようにしてファイバのコ
アは、カプラ本体の長手方向の軸線に対して直交する平
面内で見て、結合領域に三角形の配列で配置される。
【0029】カプラを延伸してテ−パ領域を形成し、入
力ファイバに入射されたパワ−が2本の出力ファイバに
実質的に等しくかつ完全に結合されるようになし、それ
によって図10に示された実質的に平行な挿入損失曲線
を生ずるようにすることができる。入力ファイバからの
パワ−伝達を最大にするためには、入力ファイバ・コア
/クラッド/オ−バ−クラッド導波路は2つの出力ファ
イバ・コア/クラッド/オ−バ−クラッド導波路のそれ
ぞれの伝播定数β2CRより若干大きい伝播定数β1CRを有
していなければならない。これは、例えば出力ファイバ
のクラッドに存在する量よりも若干多い塩素を入力ファ
イバのクラッドにド−プすることによって達成すること
ができる。この技法は入力ファイバのクラッドの屈折率
を出力ファイバのクラッドのそれよりも大きくするもの
であり、米国特許第5011251号に記載されてい
る。
【0030】オ−バ−クラッド色消し2×2カプラに関
して上述したようにΔ2-3の小さい値を用いることによ
って色消し性を改善する理論は3ファイバ1×2および
1×3カプラにも該当する。したがって、0.02%より小
さいΔ2-3値を用いることによって、図7および8の装
置の挿入損失曲線は比較的平坦となり、非常に良好な出
力ファイバ挿入損失均一度を呈示する。
【0031】図7および8の三角形の幾何学形状は図3
の2ファイバ幾何学形状よりも多く穴11にガラスを充
填するから、ファイバのまわりでチュ−ブガラスをコラ
プスさせる工程時におけるファイバ歪がより小さくな
る。したがって、図7および8の実施例によって作成さ
れたカプラはより小さい過剰損失を呈示する。
【0032】この1×2三角形ファイバ配列からは他の
利点も得られる。図3にしめされたもののような2ファ
イバ実施例における1または複数の挿通ファイバ中心か
ら被覆を剥離除去するのとは対照的に、ファイバの端部
だけが剥離除去されればよい。さらに、カプラ作成にた
いするこのアプロ−チはファイバがチュ−ブ穴に挿通さ
れることを必要としない。これらの差異によってこのカ
プラは製造が容易でかつ大量生産に適したものとなる。
【0033】この三角形ファイバ配列は色消し1×3パ
ワ−・スプリッタを作成するためにも使用できる。予め
定められた波長においては、入力パワ−の3分の1が入
力ファイバ内に残り、これがカプラを通じて継続しそし
て第3の出力ファイバとして機能する。この入力/継続
出力ファイバの端部ではなくて、それの中央領域から被
覆が剥離除去されなければならないことがわかる。入力
ファイバの出力部分を含めてすべてのファイバにおいて
パワ−を等化するために、入力/継続出力ファイバには
残りの出力ファイバのそれとは異なる伝播定数が与えら
れなければならない。ΔβCRとテ−パは、2本の被結合
出力ファイバの挿入損失曲線が図11の曲線58によっ
て示されているようになり、かつ入力/継続出力ファイ
バに対する挿入損失曲線は曲線57で示されているよう
になるように選定される。このようなΔβCR値は他のフ
ァイバとは異なるクラッド屈折率を有する入力ファイバ
を用いることによって得ることができる。このような1
×3 3ファイバ・カプラでは、1×2 3ファイバ・
カプラに必要とされるのと比較して、スル−プット・フ
ァイバと2本の被結合パワ−出力ファイバとの間に約3
倍の塩素不均衡が必要とされるであろう。入力/スル−
プット・ファイバに所要のレベルの入力パワ−を保持さ
せるのに必要な屈折率不均衡を与えるためには、塩素以
外のド−パントを用いてもよい。
【0034】所要の非常に小さいΔ2-3値を得るために
は多数の異なる手法がある。1つの手法は、純粋なSiO2
チュ−ブとそのシリカチュ−ブより大きい屈折率を与え
るために塩素をド−プされたクラッドを有する光ファイ
バを使用することを含む。この技法はチュ−ブとファイ
バ・クラッドの両方の屈折率について良好な制御を与え
る。偏波可変性は良好であった。このガラスの組合せの
主要な利点はチュ−ブとファイバとの間の粘度の差が非
常に小さくなるという点であった。これがファイバを変
形させかつ比較的大きい過剰損失を生ずる。
【0035】市販の単一モ−ド光ファイバは通常はシリ
カのそれに等しいかあるいはそれに近いn2の値を有す
る。このタイプのファイバが用いられる場合には、チュ
−ブは少量のB2O3(0.15重量%〜1.0重量%の範囲内)
をド−プされたシリカで作成され得る。B2O3はファイバ
のクラッドガラスに比較してチュ−ブガラスを軟化さ
せ、小さい過剰損失を有するカプラを形成することにな
る。
【0036】ファイバのクラッドガラスが屈折率を低下
させるドパントであるフッ素を含んでいる場合には、シ
リカチュ−ブは0.125%より小さいΔ2-3値を与えるのに
必要なレベルまでチュ−ブの屈折率を低下させるのに十
分な量のB2O3を含んでいてもよい。
【0037】他の手法はB2O3およびフッ素のような1つ
以上の屈折率減少ド−パントと、GeO2およびTiO2のよう
な1つ以上の屈折率増加ド−パントをド−プしたベ−ス
ガラスでチュ−ブを形成することである。これら2種類
のド−パントの組合せがΔ2-3の所望の値を生ずる屈折
率n3を与える。比較的柔らかいガラスのチュ−ブを用い
ることは、ファイバに対するそのチュ−ブのコラプシン
グ(collaping)をある程度改善し、それより硬いガラ
スの場合のようにファイバの形状を歪曲させることなし
にチュ−ブガラスがそれらのファイバのまわりで流動す
る。この実施例で必要とされるド−パントの込入った平
衡化のために、実施するのは困難である。
【0038】オ−バ−クラッド・チュ−ブは火炎加水分
解法と呼ばれることもある蒸気沈積技術によって作成さ
れるのが好ましい。このチュ−ブは溶融ガラスでまたは
ゾルゲル法によっても形成され得る。
【0039】色消しカプラを作成するためには、組成の
半径方向の変化を有するチュ−ブも用いられた。チュ−
ブの穴に隣接したそのチュ−ブの内側領域はΔ2-3の所
望の値を与える組成で形成される。このチュ−ブの残部
は内側領域とは異なる屈折率を有する1つ以上の領域で
形成され得る。図12に示された例では、内表面ris
遷移半径rtの間のチュ−ブの内側領域は、カプラに色消
し性を与えるのに十分なだけ低い値のΔ2-3を与えるあ
めに少量のB2O3を含むことができる。rtと外表面roの間
の外側チュ−ブ領域は内側領域より高い濃度のB2O3を含
みうる。このより高いB2O3濃度がより低い屈折率領域を
生じ、これによってより良好に光パワ−をとじ込める。
実質的に一定の半径方向屈折率チュ−ブと屈折率が半径
とともにステップ状に減少するチュ−ブとの両方を用い
て、同様の過剰損失を有するカプラが得られた。
【0040】入力ファイバと出力ファイバとの間の伝播
定数の相違は直径の異なるファイバを用いることによっ
ても得られる。
【0041】実施例1 1×2ダブル・ウインド−色消しファイバ・オプティッ
ク・カプラを作成する方法が図7〜9に示されている。
長さ3.8cm、外径2.8cm、および長手方向穴直径265μmの
ガラス毛細チュ−ブ10が用いられた。火炎加水分解法
で形成されたチュ−ブ10は、約0.5重量%のB2O3をド
−プされたシリカで形成された。
【0042】被覆ファイバ17、18および19はそれ
ぞれ直径250μmのウレタン・アクリラ−ト被覆23、2
4および25を有する直径125μmの単一モ−ド光ファイ
バ20、21および22の1.5メ−トル長で構成され
た。これらのファイバは米国特許第5011251号の
教示に従って作成されたものであり、8.5重量%GeO2
ド−プされたシリカよりなる直径8μmのコアを有してい
た。これらのファイバのカットオフ波長はカプラの動作
波長より短かった。例えば、最小動作波長が1260cmであ
る場合には、ファイバのカットオフ波長は1200nmと1250
nmとの間に選定される。
【0043】これらすべてのファイバを作成する方法の
最初の工程は同一であった。その方法の一般的な説明は
米国特許第5011251号および第4486212号
になされている。コア・ガラス粒子の被覆がマンドレル
上に沈積され、そしてそのコア・ガラス被覆の上にSiO2
粒子の薄い被覆が沈積された。マンドレルが除去され、
そしてそのようにして形成された多孔質プリフォ−ムが
アルミナ・マッフルを有する炉内に徐々に挿入され、そ
こでマンドレルが除去された中心穴内に塩素とヘリウム
を含んだガス混合物が流入している間に、そのプリフォ
−ムが乾燥されかつコンソリデ−トされた。ヘリウムと
酸素を含んだフラッシング・ガスがマッフルの底から上
方に流れた。多孔質プリフォ−ムがコンソリデ−トされ
た後で、穴が脱気され、そして管状体の下端部が加熱さ
れかつ延伸されて5mm中実ガラスロッドを形成した。こ
のロッドは複数の部分に切断され、それらの部分のそれ
ぞれが旋盤に支持され、そこでその各部分は、最終的な
多孔質プリフォ−ムを形成するためにSiO2クラッド・ガ
ラス粒子が沈積されるマンドレルとして機能する。
【0044】最終的な多孔質光ファイバ・プリフォ−ム
は従来のようにヘリウム、塩素および酸素を含んだガス
混合物中でコンソリデ−トされる。通常沈積されたクラ
ッドガラス粒子を乾燥させるのに十分な量である、使用
される塩素の量は、多孔質クラドガラス被覆の密度およ
びコンソリデ−ション温度を含む種々のパラメ−タに依
存する。入力ファイバ・クラッドにおける塩素濃度が0.
10重量%となりかつ出力ファイバ・クラッドにおける塩
素濃度が0.05重量%となるような条件で、入力ファイバ
および出力ファイバの最終的な多孔質プリフォ−ムが形
成されかつコンソリデ−トされた。入力ファイバおよび
出力ファイバのクラッドの屈折率は、Δ CLADSが0.005%
となるような値であった。ただし、ΔCLADS=(n2 2-
n2' 2)/n2 2、n 2は入力ファイバ10のクラッドの屈折
率、そしてn2'は出力ファイバ21および22のクラッ
ドの屈折率である。
【0045】被覆の6cmの長さ部分が各被覆ファイバの
端部から除去された。テ−パ端部を形成するためにファ
イバの端部が引張れかつ切断され間に、ファイバの被覆
を除去された領域の中央に炎を放射することによって、
ファイバの端部に反射防止終端部26、27および28
が形成された。ファイバ20の先端部が、ガラスを後退
させかつ丸みをつけられた端面を形成させるために、バ
−ナによって加熱された。その端面の直径は、もとの被
覆されていないファイバの直径に等しいかあるいはそれ
より若干小さかった。このようして得られた剥離された
端部領域は長さが約3.2cmであった。
【0046】ファイバの被覆を除去された部分が拭かれ
た。被覆24および25の端部領域が漏斗部の内部に来
るまで、ファイバ21および22がその漏斗部を通じて
穴11内に挿入され、そして端部26が中間領域27と
チュ−ブ端部15との間に位置決めされた。被覆23の
端部領域が漏斗部12の内部に来るまで、ファイバ20
が漏斗部12を通じて穴11内に挿入され、そして端部
27および28が中間領域27とチュ−ブ端部14との
間に位置決めされた。ファイバ18および19を漏斗部
13に付着させるために、それらのファイバ18および
19に対して端部15の近傍に、またファイバ17を漏
斗部12に付着させるためにそのファイバ17に対して
端部14の近傍に少量の紫外線硬化性接着剤(図示せ
ず)が適用された。プリフォ−ム31がリングバ−ナ3
4(図9)に挿入されかつ延伸チャック32および33
にクランプされた。それらのチャックはモ−タで制御さ
れるステ−ジ45および46上に取り付けられた。ファ
イバが真空アタッチメント41および41’に挿通さ
れ、その真空アタッチメント41および41’には真空
ライン42および42’がそれぞれ連結された。真空ア
タッチメント41および41’は米国特許第50112
51号に教示されているようにチュ−ブ10の端部に封
着された。所定の長さの細いゴムチュ−ブ43の1つの
端部が真空アタッチメント41のプリフォ−ム31とは
反対側の端部に付着された。そのチュ−ブの他の端部は
矢印44で示されているチュ−ブ・クランプ手段内に延
長している。上方の真空アタッチメント41’も同様に
チュ−ブ43’およびチュ−ブ・クランプ手段と関連し
ている。ファイバの被覆された部分がチュ−ブ43およ
び43’から延長した。チュ−ブ43および43’に対
して矢印44、44’で示されているように空気圧を放
射するこちによって、カプラ・プリフォ−ム31に真空
Vが印加され、それによってチュ−ブをその中を延長し
たファイバに対してクランプさせた。
【0047】チュ−ブ穴に46cm水銀の真空が連結された
状態で、リングバ−ナ34が点火された。このバ−ナに
それぞれ0.55slpmおよび1.10slpmの流量でガスと酸素を
供給することによって炎が発生された。リングバ−ナ3
4からの炎がチュ−ブ10を約12秒間加熱し、そしてチ
ュ−ブ中間領域27がファイバに対してコラプスした。
【0048】チュ−ブが冷却した後で、バ−ナが再点火
されたが、ガスと酸素の流量は両方ともそのままであっ
た。炎がコラプスされた領域の中央部をそれの材料の軟
化点まで加熱した。10秒後にバ−ナ34に対する酸素
の供給が停止された。ステ−ジ45および46が1.0cm/
secの合成速度で反対方向に引張られ、チュ−ブ10を
0.65cmだけ延伸させてネックダウン領域61(図12)
を形成したが、それのテ−パは入力ファイバに入射され
たパワ−が実質的に等しくかつ完全に2本の出力ファイ
バに結合されるようになされていた。
【0049】カプラが冷却した後で、真空ラインが除去
され、そして接着剤の滴62および63がチュ−ブの端
部14および15に適用された。その接着剤は紫外線に
露光されて硬化され、そしてカプラがチャックから除去
された。
【0050】実施例1に従って作成されたカプラのスペ
クトル挿入損失曲線が図10に示されている。この実施
例のカプラの挿入損失曲線は比較的平坦でかつ実質的に
平衡であり、それによって0.24dBの挿入損失均一度を呈
示する。その装置の過剰損失は1310nmおよび1550nmにお
いてそれぞれ0.04dBおよび0.37dBであった。実施例1に
従って作成されたカプラは1310nmにおいて約0.2dBの中
間過剰装置損失を呈示した。最低測定過剰損失は1310nm
において0.04dBであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の方法で作成された色消し1×2カプラの
スペクトル結合比曲線を示すグラフである。
【図2】オ−バ−クラッド2×2カプラの縦断面図であ
る。
【図3】コラプス工程の前におけるオ−バ−クラッド2
×2カプラの中間領域の横断面図である。
【図4】0.35%のΔ2-3値を有する2×2スイッチ・カ
プラの場合の3つの異なる波長における結合定数対逆延
伸比のグラプである。
【図5】異なる延伸比および異なる結合距離を有してい
るが同様の結合を有する2つのチュ−ブの外表面を示す
概略図である。
【図6】「NAT差」すなわち数13の差パラメ−タが131
0nmおよび1550nmの波長に対するΔ2-3の関数としてプロ
ットされたグラフである。
【図7】光ファイバを挿入された後におきえる毛細チュ
−ブの断面図である。
【図8】図7の線8−8に沿って見た断面図である。
【図9】毛細チュ−ブをコラプスさせかつそれの中間領
域を延伸させる装置の概略図である。
【図10】実施例1の方法で作成された色消し1×2カ
プラのスペクトル結合比曲線を示すグラフである。
【図11】色消し1×3カプラのスペクトル結合比を示
す理論的なグラフである。
【図12】1つの形式のチュ−ブの場合におけるチュ−
ブ半径の関数としてプロットされた屈折率のグラフであ
る。
【図13】延伸されかつ端部を封着されたファイバ・オ
プティック・カプラを示している。
【符号の説明】
10 ガラス毛細チュ−ブ 11 穴 12 漏斗部 15 チュ−ブ端部 17、18、19 被覆ファイバ 23、24、25 被覆 20、21、22 光ファイバ 26 端部 27 中間領域 31 プリフォ−ム 34 リングバ−ナ 62 接着剤の滴
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は比較的広い波長帯域にわ
たってファイバ間の光の比較的均一な結合を行うことが
できる単一モードファイバ・オプティック・カプラに関
する。
【0002】
【従来の技術】複数本のファイバをそれの適当な長さに
沿って並置関係に位置決めしかつクラッドを互いに融着
させてファイバを固着させかつコア間の間隔を減少させ
ることによって融着ファイバ・カプラが作成されてい
る。ファイバを加熱しかつ延伸する前に毛細チューブに
ファイバを挿入し、それによって「オーバークラッド・
カプラ」を形成することによって種々のカプラ特性を改
善することができる。オーバークラッド・カプラを形成
するために、ファイバがチューブに挿入され、チューブ
が脱気され、そしてそれの中間領域が加熱されそしてフ
ァイバに対してコラプスされる。その中間領域の中央部
分がその後で延伸されて、所望の結合を得るのに必要な
直径および結合長となされる。
【0003】結合領域ではコアは伝播に対するそれらの
影響が非常に小さくなるように小さくなる。ファイバ・
クラッド直径が十分小さくなると、コアとクラッドの複
合体は結合領域における導波路の光誘導部分として機能
し、かつ周囲の低屈折率マトリクス材料はクラッドとし
て機能する。したがって、結合領域における隣接したフ
ァイバ・クラッド間でパワーが伝達される。結合領域
(コア/クラッド/オーバークラッド導波路)内におけ
るファイバの部分の基本モードは、結合領域外における
ファイバを伝播する基本モードとは異なる伝播定数を有
する。結合領域内にあるカプラ・ファイバの部分を伝播
する基本モードの伝播定数を表わすために、本明細書で
は項βCRが本用いられる。結合領域における基本モー
ドの伝播定数は実際には幾何学形状に対して連続的に変
化する。結合領域において一定の幾何学形状を有し、入
力および出力ファイバに対して無損失接続をなされたカ
プラを考えることが、これらのカプラの挙動についての
定性的理解を得るために有用である。
【0004】結合比の波長依存性が非常に強い標準のカ
プラを作成するために従来は同一の光ファイバが用いら
れていた。すなわち、そのカプラが1310nmで3d
B結合を呈示する場合には、その波長依存性のために、
1550nmでは3dBカプラとしては機能することが
できない。「標準のカプラ」は、約1310nmを中心
としたウインドー(これを第1のウインドーと呼ぶ)に
おけるパワー伝達特性で特徴づけられうる。例えば、標
準カプラは60nmウインドー内で約±5%より大きく
は変化しない、結合比を呈示する。
【0005】「色消しカプラ」(achromatic
coupler)は結合比が標準カプラよりも波長に
感応しにくいものである。「色消しカプラ」の広く受入
れられた定義は存在しない。最も厳密でない定義は、第
1のウインドーにおいて標準カプラより良好なパワー伝
達特性を色消しカプラが呈示することを要求するのみで
ある。より現実的には、その第1のウインドーにおいて
色消しカプラが標準カプラよりもはるかに良好な特性を
有することを要求すること、すなわち特定された幅を有
する2つのウインドーにおいて色消しカプラが低いパワ
ー伝達傾斜を呈示することを要求することによって、仕
様が厳しくなる。これらのウインドーは幅が100nm
でありかつ約1310nmおよび1530nmを中心と
しているものとして特定されうる。これらのウインドー
は同じ幅を有している必要はなく、それらの幅は例えば
80nmと60nmでありうる。最適性能を有する色消
しカプラは単一モード動作領域の実質的に全体にわたっ
て低い値の結合パワー傾斜を呈示し得るであろう。シリ
カをベースとした光ファイバの場合には、この動作領域
は例えば1260nmと1580nmの間として特定さ
れうる。
【0006】結合領域において基本モードに対する異な
る伝播定数を有するファイバを用いることによって、す
なわち直径が異なるファイバおよび/または屈折率分布
が異なるファイバを用いてあるいは2本の同一ファイバ
の一方を他方よりも多くテーパさせるまたはエッチング
することによって1つの形式の色消しカプラが作成され
ている。
【0007】米国特許第5011251号は、被結合フ
ァイバがファイバ・クラッド材料よりも低い屈折率n
を有するマトリクスガラスによって包囲されたオーバー
クラッド色消しファイバ・オプティック・カプラを教示
している。2つの導波路のβCRは、それらのファイバ
が異なるクラッド屈折率を有しているから、結合領域で
異なる。第1のファイバのクラッドの屈折率nと第2
のファイバのクラッドの屈折率n’との差は、比較的
広い波長帯域にわたってカプラの波長に対する結合比の
変化が非常に小さくなるようになされている。図1は米
国特許第5011251号に従って作成されたΔβ色消
しカプラのスペクトルを示している。2つの出力の挿入
損失曲線は2つの通信ウインドーの中心近傍で交差して
いるが、その曲線はそれらのウインドーの縁端近傍で散
開しており、そしてウインドーの縁端におけるそれらの
曲線間の間隔は典型的には約1dBである。この間隔は
「均一度」(uniformity)と呼ばれ、1つの
主要な標準団体であるベルコアはTA1209と呼ばれ
る文書で1.0dBの所要均一度と0.5dBの目的を
要求している。
【0008】米国特許第5011251号はΔ2−3
(n −n )/n という式から値を得られる
記号Δ2−3によってチューブの屈折率nを特徴づけ
ている。項ΔはパーセントすなわちΔの百倍で表わされ
ることが多い。市販されている単一モード光ファイバは
通常はシリカの値に等しいかあるいはそれに近い値n
を有している。そのチューブのベースガラスとしてシリ
カが用いられた場合には、チューブの屈折率nをn
より低い値に低下させる目的で、Bのようなドー
パントおよび必要に応じてフッ素がそれに添加される。
はチューブの屈折率を低下させるとともに、そ
れの軟化点温度をもファイバのそれより低い値に低下さ
せるという難点がある。上記米国特許はΔ2−3が約
0.2%以下の場合には、シリカチューブ中のB
の量は1×2または2×2カプラにおけるガラスチュー
ブを軟化させ、それによってコラプス工程時にファイバ
を過剰に変形させるのには不十分である。したがって、
標準カプラのΔ2−3の値は通常は0.26%と0.3
5%の間であったが、上記米国特許に開示された形式の
色消しオーバークラッド・カプラを作成する方法の再現
性を改善するためには、Δ2−3が0.4%より大きい
ことが好ましい。
【0009】1992年7月15日に出願された米国特
許出願第07/913,390号は、複数本の単一モー
ド光ファイバがそれらの長さの一部分に沿って互いに融
着されて屈折率nのマトリクスガラス体によって包囲
された結合領域を形成した形式のオーバークラッド色消
しファイバ・オプティック・カプラを教示している。そ
のカプラのテーパとnは、広く離れた2つの波長にお
けるカプラの結合定数が同一であり、色消し特性を与え
るようになされている。このような色消し特性を得るた
めには、nはファイバのクラッド屈折率nより、Δ
2−3が0.125%以下となるような程度だけ低くな
ければならない。Δ2−3の値は非断熱テーパ過剰損失
が0.5dB以下に保持されるように選択されることが
好ましい。非断熱テーパ装置についての論述がW.J.
Stewart et al.,”Design Li
mitation on Tapers and Co
uplers in Single−Mode Fib
ers”,Proc.IOPOC,1985,page
s 559−562という刊行物に掲載されている。こ
の要件を満たすためには、Δ2−3は0.125%より
小さく、好ましくは約0.02%より小さくなければな
らない。Δ2−3が小さくなるにつれて、シリカをベー
スとしたマトリクスガラス・チューブ中に存在する屈折
率低下ドーパントが少なくなる。したがって、比較的硬
いマトリクスガラス・チューブはカプラ形成方法のチュ
ーブ・コラプス工程時にファイバを変形させる。このよ
うなファイバ変形はカプラ過剰損失を増大させ、テーパ
の急峻度の低下による過剰損失の低下を打消すことにな
りうる。
【0010】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は結合
領域において光ファイバを過剰に歪ませることなしに単
一モード・オーバークラッド色消しファイバ・オプティ
ック・カプラを作成する方法を提供することである。他
の目的は広い波長帯域にわたって被結合パワーの変化が
非常に小さいことによって特徴づけられる単一モード・
オーバークラッド色消しファイバ・オプティック・カプ
ラを提供することである。さらに他の目的は改善された
挿入損失均質度を有する1×2オーバークラッド色消し
カプラを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】簡単には、本発明はNが
2または3である1×N色消しカプラに関する。このカ
プラはマトリクスガラスの細長い本体部と、この本体部
を貫通して延長している3つの光導波通路を具備してい
る。各通路はコア領域を具備しており、このコア領域は
それの屈折率より小さい屈折率を有するクラッド領域に
よって包囲されている。クラッド領域の最も低い屈折率
はnである。光導波通路は、それらの通路の1つ中を
伝播する光パワーの一部分が他に結合する結合領域を形
成するのに十分なだけ長い距離にわたって十分に近接し
て延長する。コア領域は本体部の長手方向の軸線に直交
する面内で見た場合に結合領域内に三角形配列で配置さ
れる。少なくとも通路に隣接した本体部の領域の屈折率
はnである。ただし、nはΔ2−3の値が0.12
5%より小さくなるような大きさだけnより低い。な
お、Δ2−3は(n −n )/2n に等し
い。
【0012】このカプラは、第1および第2の対向端部
と中間領域を有するガラスチューブを設けることによっ
て作成され得る。少なくとも穴に隣接したチューブの内
側部分は屈折率nを有している。入力ガラス光ファイ
バの一部分と2本の出力ガラス光ファイバの端部分が穴
内に配置される。第1のファイバの一部分がチューブの
第1の端部から外に延長し、そして2本のファイバのそ
れぞれの一部分がチューブの第2の端部から外に延長す
る。チューブの中間領域はファイバに対してコラプスさ
れ、そして直径を減少させかつ結合領域を形成するため
にその中間領域の中央部分が延伸される。結合領域内に
ある入力ファイバと出力ファイバの部分が、チューブの
長手方向の軸線に直交する平面内で見た場合に三角形ア
レイとして配置される。
【0013】
【実施例】本発明はΔ2−3の値が比較的小さいことに
よって生ずる色消し性(achromaticity)
を呈示する1つのクラスのオーバークラッド・ファイバ
・オプティック・カプラの特定の実施例である。このよ
うなカプラの動作原理が図2に示された2×2カプラに
関連して説明される。図2のカプラを作成するために
は、光ファイバFおよびFが直径dのガラス・オ
ーバークラッド・チューブOに挿通される。これらのフ
ァイバに隣接したチューブの少なくとも内側部分の屈折
率はnである。ファイバFおよびFは屈折率n
のコアを有しており、このコアはnより小さいがn
より大きいクラッドによって包囲されている。チューブ
Oは脱気され、そしてそれの中間領域がそれをファイバ
に対してコラプスさせるために加熱される。チューブが
再加熱され、そしてそれの端部が、コラプスされた中間
領域の中央部分を延伸させるために反対方向に引張られ
る。このチューブのコラプスおよび延伸作業は米国特許
第5011251号に従って行われ得る。2つのチュー
ブ端部が延伸工程時に互いから離れる方向に移動する速
度が合成延伸速度となる。チューブは一定の速度で延伸
されてもよく、あるいは延伸速度は連続的にまたは不連
続のステップとして変化してもよい。この延伸作業は予
め定められた結合が得られた後で停止しうる。その後
で、チューブが再加熱され、そして延伸が第2の延伸速
度で生じ得る。もとの直径dとネックダウン領域Nの
中央部分の直径dの比が延伸比Rである。領域Nには
若干のテーパが存在していて、それの長手方向の中心が
最小直径となるが、この領域Nは一定の直径を有してい
るように示されている。このようにして得られたカプラ
の結合特性はチューブOとファイバFおよびFの光
学的および機械的特性のようなパラメータと、長さz、
ネックダウン領域Nおよびテーパ領域Tのようなカプラ
・パラメータによって決定される。
【0014】光パワーが入力光ファイバに結合されるこ
とができ、かつカプラ作成方法における処理工程を制御
するために出力信号がモニタされ得る。例えば米国特許
第5011251号を参照されたい。下記の特定の実施
例では、出力パワーは延伸時にはモニタされない。オー
バークラッド・ファイバ・オプティック・カプラについ
ての従来の経験では、両方のステージに対する全体の延
伸距離は通常12mmと16mmの間である。したがっ
て、その実施例で説明されるカプラは最初にその範囲内
のある距離だけ延伸される。このようにして得られた装
置の光特性が測定され、そしてその後で作成されるカプ
ラの延伸または伸長距離が所望の特性により近いものを
得るような態様で調節された。この処理によって、最適
の延伸距離が得られた。その後で、このタイプのすべて
のカプラが所望の光特性を得るためにその最適距離だけ
延伸された。しかし、延伸距離のようなプロセス・パラ
メータは作成されたカプラの光学的特徴化の結果として
微調整され得る。
【0015】1×2または2×2 2−ファイバ色消し
3dBカプラについて、それらの動作をモデル化するた
めに、被結合モード理論を用いて理論的解析がなされ
た。その解析はA.W.Snyder and J.
D.Love,OpticalWaveguide T
heory,Chapman and Hall,Ne
w York,1983という刊行物に教示されている
原理に基づいた。この理論にしたがって、図2の2×2
オーバークラッド・カプラのモード・フィールドは、他
のファイバが存在しない場合の、すなわちファイバがオ
ーバークラッド・インデックス材料nだけによって包
囲されている状態におけるファイバFおよびFのそ
れぞれの基本モード数1および数2の線形組合せである
と仮定される。このような構造については、伝播定数と
モード・フィールドが正確に決定される(M.J.Ad
ams,An Introduction to Op
tical Wqaveguidesを参照された
い)。
【数1】
【数2】
【0016】2つのコア間の光結合を記述する結合定数
は数5の重なり積分として表わすことができる。
【数3】 この式において数1および数2は2つのコアのモード・
フィールド、rおよびr’はそれぞれファイバFおよ
びFのコアの中心からの半径方向の距離、nはカプラ
全体の屈折率構造、n’はファイバFのコアとクラッ
ドを屈折率nのオーバークラッド材料で置換した場合
の屈折率構造であり、そしてこの積分はカプラの全断面
についてものである(ただしn−n’はファイバF
コアおよびクラッドついて非ゼロであるにすぎない)。
モード・フィールドはこの式では規格化されており、す
なわち数4および数5は両方とも1に等しいと仮定され
ている。
【数4】
【数5】
【0017】これらはテーパ付き装置であるが、それら
の定性的な動作は、所定の結合長にわたって延伸比が一
定であり、この長さの外では結合がないと仮定すること
によって、すなわち図2の領域Nの直径が全長z(こわ
たって一定であると仮定することによって、十分にモデ
ル化される。結合定数が延伸比の急速に増加する関数で
あるから、この近似は満足し得るものであり、したがっ
てカプラの挙動は最も高い延伸比における挙動が支配的
である。この近似を用いた場合、コア1にパワーが入射
されると、カプラの軸線に沿った長さzの関数として、
2つのコアにおけるパワーは数6および数7で与えられ
る。
【数6】
【数7】 ただし、係数Fは数8で与えられる。
【数8】 ここで、βおよびβはそれぞれファイバF1および
F2の伝播定数である。
【0018】本発明のように導波路1にユニット・パワ
ーが導波路1に入射され、そして導波路2および3に結
合されかつ導波路2および3は互いに同一であるが導波
路1とは異なっている三導波路カプラの場合には、コア
内に残留するパワーは、長さzの関数として、数9で与
えられる。ただし、Fは数10で表わされる。
【数9】
【数10】 ここで、導波路1および2間の結合係数C12は数5と
同様の式で与えられるが、どの対が考慮されているかに
対して屈折率とモードが適切なものとされた[C12
対しては数1および数2、C23に対しては数2および
数11]。対称性によって、C13=C12
【数11】
【0019】入力導波路からPおよびP(P
0)に数12で表わされる完全な結合を有するために
は、F=1であることが必要であり、そのためにはβ
−β=C23である必要があることが解る。換言する
と、完全な結合のためには、入力ファイバが2本の出力
ファイバより若干大きい伝播定数を有していなければな
らない。
【数12】
【0020】結果はテーパに沿って結合方程式を積分す
ることによってより定量的となされ得る。ビーム伝播技
法(フーリエ変換、有限差等)を用いることによってさ
らにより正確なシミュレーションがなされうるが、非常
に長い演算時間を要する。
【0021】Δ2−3値が0.35%のカプラにおける
3つの異なる波長に対する延伸比の関数として2×2カ
プラの結合定数を決定するために、非結合モード・モデ
ルが用いられた。カプラ・パラメータに関してなされた
仮定のほとんどが標準のオーバークラッド・カプラに関
してなされた研究に基づいていた。ファイバFおよび
は4μmのコア半径を有する標準の125μm外径
単一モードファイバであると看做された。コアおよびク
ラッドの屈折率nおよびnはそれぞれ1.4610
00および1.455438であると看做された。この
モデルは図4のグラフを得るために用いられた。このグ
ラフは本発明のカプラにおいて色消し性が改善された原
因となる物理機構を示している。図4において、結合定
数は平行コア2×2カプラに対する逆延伸比の関数とし
てプロットされている。所定の波長における結合定数は
延伸比の増加に伴って非常に急速に増加することが判
る。しかし、非常に高い延伸比で、曲線に最大値が存在
する。これは、事実上モード・フィールド拡大が非常に
大きくなって、2本のファイバのうちの一方のファイバ
のコアとクラッドよりなる領域(これは結合定数の重な
り積分が行われる領域である)におけるそれら2本のフ
ァイバ間の重なりがモード・フィールド振幅が減少する
ために事実上減少することによって生ずる。その最大値
におけるそれよりも著しく小さい延伸比では、より長い
波長における結合定数は、それの拡大が回折効果により
大きくなることによって、大きくなる。しかし、この事
実は、最大結合が生ずる延伸比が、1つのコアからのモ
ード・フィールドが他のコアからのそれと重なる程度を
それ以上のモード・フィールド拡大が減少させる点によ
って決定されるので、より長い波長における最大結合は
より小さい延伸比で生ずることを意味する。モード・フ
ィールド拡大は所定の延伸比に対しては波長が長いほど
大きくなるので、より長い波長に対してはRのより小さ
い値で最大値が生ずる。図4に示されているように、こ
れが結合定数曲線を交差させる原因となる。
【0022】単一の延伸比を有する非テーパ平行コア装
置(図2参照)では、色消し特性(すなわち約1300
および1500nmにおいて等しい結合)を得るため
に、カプラの幾何学形状は図4に示されているように2
つの波長に対する結合定数曲線の交点RCROSSにお
いて動作するように選択されるであろう。最大値R
MAXまでのすべての延伸比を含む幾何学形状を有する
テーパ付き装置では、RMA >RCROSSを有する
こと(図4において交差点の左側に1/RMAXを有す
ること)が必要である。これは、テーパの端部近傍にお
ける低い延伸比では(図5における破線5と6の間の領
域LWを参照されたい)、結合は波長が長くなるにつれ
て強くなり、したがって波長の長い光がより多く結合す
ることによる。RMAX>RCROSSとなるようにテ
ーパをつけることによって、結合は短い波長で強くなる
領域SW(破線4と5の間)をも含み、それによって延
伸比の小さい領域を補償する。領域SWおよびLWは図
5のチューブ3bのテーパに関するものである。R
MAXの正確な値はテーパ付き装置について結合方程式
を数値積分することによって決定されなければならな
い。
【0023】図4およびそれに関する上記の説明から、
Δ2−3が0.35%である色消しカプラを形成するた
めには約10:1の延伸比が必要とされるであろうこと
が解る。このような高い延伸比は下記の理由で比較的大
きい過剰損失を生ずることになりうる。高い延伸比は結
合強度の増大を生じ、より短い結合距離zを必要とす
る。この関係が図5に示されており、この図では2つの
延伸されたチューブ3aおよび3bの外表面がそれぞれ
実線と破線で示されている。チューブ3bはチューブ3
aより大きい延伸比を有しなければならないから、同じ
結合を得るためには(パワー伝達曲線の最初のサイクル
で)チューブ3bはチューブ3aより短い結合距離zを
有していなければならない。パワー伝達曲線については
米国特許第5011251号にその特許の第6図に関連
して論述されている。
【0024】チューブ3aの高い延伸比/短い結合距離
領域のテーパの急竣なテーパに対しては基本モードLP
01からそれより高いモードへの望ましくないモード結
合がより強くなることが知られている。この非断熱結合
はカプラの過剰損失を増大させることができる。
【0025】1×2ダブル・ウインドー・スイッチに対
する所要のテーパ・パラメータを理論的に計算するため
に上記のモードが用いられた。テーパ付きカプラの延伸
比をそれの長さに沿った距離zの関数(最大延伸比点に
おけるzの原点)として説明することは、最大延伸比R
MAXとガウス幅パラメータωを含むガウス関数とし
て簡単に与えられ得る。それは数13で与えられる。
【数13】 標準2×2WDMカプラにおけるこれらのパラメータの
典型的な値は、3まら6まのRMAXと3000μmか
ら6000μmまでのωである。このモデルは、パラ
メータRMAXおよびωの値がΔ2−3の非常に小さ
い値では現在のカプラ値の範囲内にあることを示した。
「現在のカプラ」とは米国特許第5011251号に開
示されているΔ2−3が0.26%より大きいタイプの
オーバークラッド・カプラを意味する。Δ2−3のより
小さい値が図4の曲線を右方に(延伸比の低い値の方
に)かつ下方に(最大結合定数のより小さい値の方に)
変位させ、それによって容易に実現可能な延伸比を有す
る色消しカプラを形成することができる。Δ2−3の値
が小さくなされるにつれて、RMAXの所要の値がより
小さくなり、かつ必要とされる結合長(ガウス幅パラメ
ータωで表わされる)はより長くなる。このようにし
て、テーパは急竣度が小さくなる。
【0026】使用され得るΔ2−3値の理論的最大値は
非断熱モード結合による制限を考慮することによって得
られうる。伝播定数(β)がLP01およびLP02
ードについて計算された。LP02モードは理想の整合
したファイバ・カプラにおいてLP01モード結合する
最低次のモードである。数7とLP01およびLP02
モードのβから、パラメータ数14および数15が決
定された。
【数14】
【数15】 ただし、aはコア半径であり、そしてzはカプラ軸線に
沿って測定される距離である。断熱動作のためには、数
16の関係が存在しなければならない。
【数16】 ここで「NAT差」と呼ばれる数8の差パラメータが1
310および1550nmの波長に対して図6にΔ
2−3の関数としてプロットされている。NAT差はそ
れら2つの波長のそれぞれに対して0.02%から0.
14%までのΔ2−3値について計算された。1310
NM曲線は約0.125%の可能な最大理論Δ2−3
においてゼロのNAT差となる。実際の経験から、13
00−1550nmの範囲の波長において約0.045
%以下のΔ2−3値でもって色消し性が大きく改善され
得ることが認められた。図9に示されたタイプの延伸置
で実現され得るテーパては、Δ2−3が0.09%であ
る場合には色消しカプラは形成できないであろう。しか
し、0.045%より大きいΔ2−3値で色消しカプラ
を形成するためには、より小さい外径を有するチューブ
を使用することができるとともに、より小さいく、より
密に集束された炎を生じ得るバーナを使用することがで
きる。約0.01%〜0.02%のΔ2−3でもって最
良の結果が得られた。Δ2−3についての測定能力の下
限は0.01%である。
【0027】上記の説明は2ファイバ・カプラ、すなわ
ちオーバークラッド・カプラが形成され得る最も単純な
ファイバ配列に関して本発明の原理を詳述したものであ
る。図3に示されているように、チューブTをファイバ
に対してコラプスさせる工程の前にはファイバFおよ
びFの両側には大きな空間Vが存在している。より容
易に形成されたテーパ領域を有する低損失色消しカプラ
は比較的低いΔ2−3値を必要とする。したがって、2
ファイバ・アクロマットでは、チューブのコラプス工程
時に高粘度チューブによって加えられる圧力によってフ
ァイバが歪を与えられ、この歪がカプラの過剰損失を増
大させる原因となる。
【0028】このファイバの変形の問題は、図7および
8に示されている三角形のファイバ配列を用いることに
よって実質的に解消される。この実施例では、被覆2
3、24および25がそれぞれ被覆ファイバ17、18
および19の端部から剥離除去され、そしてそれらのフ
ァイバの端部には後述のように反射防止終端部が設けら
れる。入力ファイバ20がチューブ10の穴11の1つ
の端部に挿入され、そして出力ファイバ21および22
が他の端部に挿入される。これらのファイバは少量のエ
ポキシによって所定の場所に固着される。その後で延伸
チャックにカプラ・プリフォームが配置され、チューブ
10が脱気され、そしてそれの中間領域が加熱されてフ
ァイバに対してコラプスされる。その後で、中間領域の
中央部分が延伸されて所望の結合を得るのに必要な直径
および結合長となされる。このようにしてファイバのコ
アは、カプラ本体の長手方向の軸線に対して直交する平
面内で見て、結合領域に三角形の配列で配置される。
【0029】カプラを延伸してテーパ領域を形成し、入
力ファイバに入射されたパワーが2本の出力ファイバに
実質的に等しくかつ完全に結合されるようになし、それ
によって図10に示された実質的に平行な挿入損失曲線
を生ずるようにすることができる。入力ファイバからの
パワー伝達を最大にするためには、入力ファイバ・コア
/クラッド/オーバークラッド導波路は2つの出力ファ
イバ・コア/クラッド/オーバークラッド導波路のそれ
ぞれの伝播定数β2CRより若干大きい伝播定数β
1CRを有していなければならない。これは、例えば出
力ファイバのクラッドに存在する量よりも若干多い塩素
を入力ファイバのクラッドにドープすることによって達
成することができる。この技法は入力ファイバのクラッ
ドの屈折率を出力ファイバのクラッドのそれよりも大き
くするものであり、米国特許第5011251号に記載
されている。
【0030】オーバークラッド色消し2×2カプラに関
して上述したようにΔ2−3の小さい、値を用いること
によって色消し性を改善する理論は3ファイバ1×2お
よび1×3カプラにも該当する。したがって、0.02
%より小さいΔ2−3値を用いることによって、図7お
よび8の装置の挿入損失曲線は比較的平坦となり、非常
に良好な出力ファイバ挿入損失均一度を呈示する。
【0031】図7および8の三角形の幾何学形状は図3
の2ファイバ幾何学形状よりも多く穴11にガラスを充
填するから、ファイバのまわりでチューブガラスをコラ
プスさせる工程時におけるファイバ歪がより小さくな
る。したがって、図7および8の実施例によって作成さ
れたカプラはより小さい過剰損失を呈示する。
【0032】この1×2三角形ファイバ配列からは他の
利点も得られる。図3にしめされたもののような2ファ
イバ実施例における1または複数の挿通ファイバ中心か
ら被覆を剥離除去するのとは対照的に、ファイバの端部
だけが剥離除去されればよい。さらに、カプラ作成にた
いするこのアプローチはファイバがチューブ穴に挿通さ
れることを必要としない。これらの差異によってこのカ
プラは製造が容易でかつ大量生産に適したものとなる。
【0033】この三角形ファイバ配列は色消し1×3パ
ワー・スプリッタを作成するためにも使用できる。予め
定められた波長においては、入力パワーの3分の1が入
力ファイバ内に残り、これがカプラを通じて継続しそし
て第3の出力ファイバとして機能する。この入力/継続
出力ファイバの端部ではなくて、それの中央領域から被
覆が剥離除去されなければならないことがわかる。入力
ファイバの出力部分を含めてすべてのファイバにおいて
パワーを等化するために、入力/継続出力ファイバには
残りの出力ファイバのそれとは異なる伝播定数が与えら
れなければならない。ΔβCRとテーパは、2本の被結
合出力ファイバの挿入損失曲線が図11の曲線58によ
って示されているようになり、かつ入力/継続出力ファ
イバに対する挿入損失曲線は曲線57で示されているよ
うになるように選定される。このようなΔβCR値は他
のファイバとは異なるクラッド屈折率を有する入力ファ
イバを用いることによって得ることができる。このよう
な1×3 3ファイバ・カプラでは、1×2 3ファイ
バ・カプラに必要とされるのと比較して、スループット
・ファイバと2本の被結合パワー出力ファイバとの間に
約3倍の塩素不均衡が必要とされるであろう。入力/ス
ループット・ファイバに所要のレベルの入力パワーを保
持させるのに必要な屈折率不均衡を与えるためには、塩
素以外のドーパントを用いてもよい。
【0034】所要の非常に小さいΔ2−3値を得るため
には多数の異なる手法がある。1つの手法は、純粋なS
iOチューブとそのシリカチューブより大きい屈折率
を与えるために塩素をドープされたクラッドを有する光
ファイバを使用することを含む。この技法はチューブと
ファイバ・クラッドの両方の屈折率について良好な制御
を与える。偏波可変性は良好であった。このガラスの組
合せの主要な利点はチューブとファイバとの間の粘度の
差が非常に小さくなるという点であった。これがファイ
バを変形させかつ比較的大きい過剰損失を生ずる。
【0035】市販の単一モード光ファイバは通常はシリ
カのそれに等しいかあるいはそれに近いnの値を有す
る。このタイプのファイバが用いられる場合には、チュ
ーブは少量のB(0.15重量%〜1.0重量%
の範囲内)をドープされたシリカで作成され得る。B
はファイバのクラッドガラスに比較してチューブガ
ラスを軟化させ、小さい過剰損失を有するカプラを形成
することになる。
【0036】ファイバのクラッドガラスが屈折率を低下
させるドパントであるフッ素を含んでいる場合には、シ
リカチューブは0.125%より小さいΔ2−3値を与
えるのに必要なレベルまでチューブの屈折率を低下させ
るのに十分な量のBを含んでいてもよい。
【0037】他の手法はBおよびフッ素のような
1つ以上の屈折率減少ドーパントと、GeOおよびT
iOのような1つ以上の屈折率増加ドーパントをドー
プしたベースガラスでチューブを形成することである。
これら2種類のドーパントの組合せがΔ2−3の所望の
値を生ずる屈折率nを与える。比較的柔らかいガラス
のチューブを用いることは、ファイバに対するそのチュ
ーブのコラプシング(collaping)をある程度
改善し、それより硬いガラスの場合のようにファイバの
形状を歪曲させることなしにチューブガラスがそれらの
ファイバのまわりで流動する。この実施例で必要とされ
るドーパントの込入った平衡化のために、実施するのは
困難である。
【0038】オーバークラッド・チューブは火炎加水分
解法と呼ばれることもある蒸気沈積技術によって作成さ
れるのが好ましい。このチューブは溶融ガラスでまたは
ゾルゲル法によっても形成され得る。
【0039】色消しカプラを作成するためには、組成の
半径方向の変化を有するチューブも用いられた。チュー
ブの穴に隣接したそのチューブの内側領域はΔ2−3
所望の値を与える組成で形成される。このチューブの残
部は内側領域とは異なる屈折率を有する1つ以上の領域
で形成され得る。図12に示された例では、内表面r
isと遷移半径rの間のチューブの内側領域は、カプ
ラに色消し性を与えるのに十分なだけ低い値のΔ2−3
を与えるあめに少量のBを含むことができる。r
と外表面rの間の外側チューブ領域は内側領域より
高い濃度のBを含みうる。このより高いB
濃度がより低い屈折率領域を生じ、これによってより良
好に光パワーをとじ込める。実質的に一定の半径方向屈
折率チューブと屈折率が半径とともにステップ状に減少
するチューブとの両方を用いて、同様の過剰損失を有す
るカプラが得られた。
【0040】入力ファイバと出力ファイバとの間の伝播
定数の相違は直径の異なるファイバを用いることによっ
ても得られる。
【0041】実施例1 1×2ダブル・ウインドー色消しファイバ・オプティッ
ク・カプラを作成する方法が図7〜9に示されている。
長さ3.8cm、外径2.8cm、および長手方向穴直
径265μmのガラス毛細チューブ10が用いられた。
火炎加水分解法で形成されたチューブ10は、約0.5
重量%のBをドープされたシリカで形成された。
【0042】被覆ファイバ17、18および19はそれ
ぞれ直径250μmのウレタン・アクリラート被覆2
3、24および25を有する直径125μmの単一モー
ド光ファイバ20、21および22の1.5メートル長
で構成された。これらのファイバは米国特許第5011
251号の教示に従って作成されたものであり、8.5
重量%GeOをドープされたシリカよりなる直径8μ
mのコアを有していた。これらのファイバのカットオフ
波長はカプラの動作波長より短かった。例えば、最小動
作波長が1260cmである場合には、ファイバのカッ
トオフ波長は1200nmと1250nmとの間に選定
される。
【0043】これらすべてのファイバを作成する方法の
最初の工程は同一であった。その方法の一般的な説明は
米国特許第5011251号および第4486212号
になされている。コア・ガラス粒子の被覆がマンドレル
上に沈積され、そしてそのコア・ガラス被覆の上にSi
粒子の薄い被覆が沈積された。マンドレルが除去さ
れ、そしてそのようにして形成された多孔質プリフォー
ムがアルミナ・マッフルを有する炉内に徐々に挿入さ
れ、そこでマンドレルが除去された中心穴内に塩素とヘ
リウムを含んだガス混合物が流入している間に、そのプ
リフォームが乾燥されかつコンソリデートされた。ヘリ
ウムと酸素を含んだフラッシング・ガスがマッフルの底
から上方に流れた。多孔質プリフォームがコンソリデー
トされた後で、穴が脱気され、そして管状体の下端部が
加熱されかつ延伸されて5mm中実ガラスロッドを形成
した。このロッドは複数の部分に切断され、それらの部
分のそれぞれが旋盤に支持され、そこでその各部分は、
最終的な多孔質プリフォームを形成するためにSiO
クラッド・ガラス粒子が沈積されるマンドレルとして機
能する。
【0044】最終的な多孔質光ファイバ・プリフォーム
は従来のようにヘリウム、塩素および酸素を含んだガス
混合物中でコンソリデートされる。通常沈積されたクラ
ッドガラス粒子を乾燥させるのに十分な量である、使用
される塩素の量は、多孔質クラドガラス被覆の密度およ
びコンソリデーション温度を含む種々のパラメータに依
存する。入力ファイバ・クラッドにおける塩素濃度が
0.10重量%となりかつ出力ファイバ・クラッドにお
ける塩素濃度が0.05重量%となるような条件で、入
力ファイバおよび出力ファイバの最終的な多孔質プリフ
ォームが形成されかつコンソリデートされた。入力ファ
イバおよび出力ファイバのクラッドの屈折率は、Δ
CLADSが0.005%となるような値であった。た
だし、ΔCLADS=(n −n )/n 、n
は入力ファイバ10のクラッドの屈折率、そしてn
は出力ファイバ21および22のクラッドの屈折率であ
る。
【0045】被覆の6cmの長さ部分が各被覆ファイバ
の端部から除去された。テーパ端部を形成するためにフ
ァイバの端部が引張れかつ切断され間に、ファイバの被
覆を除去された領域の中央に炎を放射することによっ
て、ファイバの端部に反射防止終端部26、27および
28が形成された。ファイバ20の先端部が、ガラスを
後退させかつ丸みをつけられた端面を形成させるため
に、バーナによって加熱された。その端面の直径は、も
との被覆されていないファイバの直径に等しいかあるい
はそれより若干小さかった。このようして得られた剥離
された端部領域は長さが約3.2cmであった。
【0046】ファイバの被覆を除去された部分が拭かれ
た。被覆24および25の端部領域が漏斗部の内部に来
るまで、ファイバ21および22がその漏斗部を通じて
穴11内に挿入され、そして端部26が中間領域27と
チューブ端部15との間に位置決めされた。被覆23の
端部領域が漏斗部12の内部に来るまで、ファイバ20
が漏斗部12を通じて穴11内に挿入され、そして端部
27および28が中間領域27とチューブ端部14との
間に位置決めされた。ファイバ18および19を漏斗部
13に付着させるために、それらのファイバ18および
19に対して端部15の近傍に、またファイバ17を漏
斗部12に付着させるためにそのファイバ17に対して
端部14の近傍に少量の紫外線硬化性接着剤(図示せ
ず)が適用された。プリフォーム31がリングバーナ3
4(図9)に挿入されかつ延伸チャック32および33
にクランプされた。それらのチャックはモータで制御さ
れるステージ45および46上に取り付けられた。ファ
イバが真空アタッチメント41および41’に挿通さ
れ、その真空アタッチメント41および41’には真空
ライン42および42’がそれぞれ連結された。真空ア
タッチメント41および41’は米国特許第50112
51号に教示されているようにニューブ10の端部に封
着された。所定の長さの細いゴムチューブ43の1つの
端部が真空アタッチメント41のプリフォーム31とは
反対側の端部に付着された。そのチューブの他の端部は
矢印44で示されているチューブ・クランプ手段内に延
長している。上方の真空アタッチメント41’も同様に
チューブ43’およびチューブ・クランプ手段と関連し
ている。ファイバの被覆された部分がチューブ43およ
び43’から延長した。チューブ43および43’に対
して矢印44、44’で示されているように空気圧を放
射するこちによって、カプラ・プリフォーム31に真空
Vが印加され、それによってチューブをその中を延長し
たファイバに対してクランプさせた。
【0047】チューブ穴に46cm水銀の真空が連結さ
れた状態で、リングバーナ34が点火された。このバー
ナにそれぞれ0.55slpmおよび1.10slpm
の流量でガスと酸素を供給することによって炎が発生さ
れた。リングバーナ34からの炎がチューブ10を約1
2秒間加熱し、そしてチューブ中間領域27がファイバ
に対してコラプスした。
【0048】チューブが冷却した後で、バーナが再点火
されたが、ガスと酸素の流量は両方ともそのままであっ
た。炎がコラプスされた領域の中央部をそれの材料の軟
化点まで加熱した。10秒後にバーナ34に対する酸素
の供給が停止された。ステージ45および46が1.0
cm/secの合成速度で反対方向に引張られ、チュー
ブ10を0.65cmだけ延伸させてネックダウン領域
61(図12)を形成したが、それのテーパは入力ファ
イバに入射されたパワーが実質的に等しくかつ完全に2
本の出力ファイバに結合されるようになされていた。
【0049】カプラが冷却した後で、真空ラインが除去
され、そして接着剤の滴62および63がチューブの端
部14および15に適用された。その接着剤は紫外線に
露光されて硬化され、そしてカプラがチャックから除去
された。
【0050】実施例1に従って作成されたカプラのスペ
クトル挿入損失曲線が図10に示されている。この実施
例のカプラの挿入損失曲線は比較的平坦でかつ実質的に
平衡であり、それによって0.24dBの挿入損失均一
度を呈示する。その装置の過剰損失は1310nmおよ
び1550nmにおいてそれぞれ0.04dBおよび
0.37dBであった。実施例1に従って作成されたカ
プラは1310nmにおいて約0.2dBの中間過剰装
置損失を呈示した。最低測定過剰損失は1310nmに
おいて0.04dBであった。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は比較的広い波長帯域にわ
たってファイバ間の光の比較的均一な結合を行うことが
できる単一モードファイバ・オプティック・カプラに関
する。
【0002】
【従来の技術】複数本のファイバをそれの適当な長さに
沿って並置関係に位置決めしかつクラッドを互いに融着
させてファイバを固着させかつコア間の間隔を減少させ
ることによって融着ファイバ・カプラが作成されてい
る。ファイバを加熱しかつ延伸する前に毛細チューブに
ファイバを挿入し、それによって「オーバークラッド・
カプラ」を形成することによって種々のカプラ特性を改
善することができる。オーバークラッド・カプラを形成
するために、ファイバがチューブに挿入され、チューブ
が脱気され、そしてそれの中間領域が加熱されそしてフ
ァイバに対してコラプスされる。その中間領域の中央部
分がその後で延伸されて、所望の結合を得るのに必要な
直径および結合長となされる。
【0003】結合領域ではコアは伝播に対するそれらの
影響が非常に小さくなるように小さくなる。ファイバ・
クラッド直径が十分小さくなると、コアとクラッドの複
合体は結合領域における導波路の光誘導部分として機能
し、かつ周囲の低屈折率マトリクス材料はクラッドとし
て機能する。したがって、結合領域における隣接したフ
ァイバ・クラッド間でパワーが伝達される。結合領域
(コア/クラッド/オーバークラッド導波路)内におけ
るファイバの部分の基本モードは、結合領域外における
ファイバを伝播する基本モードとは異なる伝播定数を有
する。結合領域内にあるカプラ・ファイバの部分を伝播
する基本モードの伝播定数を表わすために、本明細書で
は項βCRが本用いられる。結合領域における基本モー
ドの伝播定数は実際には幾何学形状に対して連続的に変
化する。結合領域において一定の幾何学形状を有し、入
力および出力ファイバに対して無損失接続をなされたカ
プラを考えることが、これらのカプラの挙動についての
定性的理解を得るために有用である。
【0004】結合比の波長依存性が非常に強い標準のカ
プラを作成するために従来は同一の光ファイバが用いら
れていた。すなわち、そのカプラが1310nmで3d
B結合を呈示する場合には、その波長依存性のために、
1550nmでは3dBカプラとしては機能することが
できない。「標準のカプラ」は、約1310nmを中心
としたウインドー(これを第1のウインドーと呼ぶ)に
おけるパワー伝達特性で特徴づけられうる。例えば、標
準カプラは60nmウインドー内で約±5%より大きく
は変化しない結合比を呈示する。
【0005】「色消しカプラ」(achromatic
coupler)は結合比が標準カプラよりも波長に
感応しにくいものである。「色消しカプラ」の広く受入
れられた定義は存在しない。最も厳密でない定義は、第
1のウインドーにおいて標準カプラより良好なパワー伝
達特性を色消しカプラが呈示することを要求するのみで
ある。より現実的には、その第1のウインドーにおいて
色消しカプラが標準カプラよりもはるかに良好な特性を
有することを要求すること、すなわち特定された幅を有
する2つのウインドーにおいて色消しカプラが低いパワ
ー伝達傾斜を呈示することを要求することによって、仕
様が厳しくなる。これらのウインドーは幅が100nm
でありかつ約1310nmおよび1530nmを中心と
しているものとして特定されうる。これらのウインドー
は同じ幅を有している必要はなく、それらの幅は例えば
80nmと60nmでありうる。最適性能を有する色消
しカプラは単一モード動作領域の実質的に全体にわたっ
て低い値の結合パワー傾斜を呈示し得るであろう。シリ
カをベースとした光ファイバの場合には、この動作領域
は例えば1260nmと1580nmの間として特定さ
れうる。
【0006】結合領域において基本モードに対する異な
る伝播定数を有するファイバを用いることによって、す
なわち直径が異なるファイバおよび/または屈折率分布
が異なるファイバを用いてあるいは2本の同一ファイバ
の一方を他方よりも多くテーパさせるまたはエッチング
することによって1つの形式の色消しカプラが作成され
ている。
【0007】米国特許第5011251号は、被結合フ
ァイバがファイバ・クラッド材料よりも低い屈折率n
を有するマトリクスガラスによって包囲されたオーバー
クラッド色消しファイバ・オプティック・カプラを教示
している。2つの導波路のβCRは、それらのファイバ
が異なるクラッド屈折率を有しているから、結合領域で
異なる。第1のファイバのクラッドの屈折率nと第2
のファイバのクラッドの屈折率n’との差は、比較的
広い波長帯域にわたってカプラの波長に対する結合比の
変化が非常に小さくなるようになされている。図1は米
国特許第5011251号に従って作成されたΔβ色消
しカプラのスペクトルを示している。2つの出力の挿入
損失曲線は2つの通信ウインドーの中心近傍で交差して
いるが、その曲線はそれらのウインドーの縁端近傍で散
開しており、そしてウインドーの縁端におけるそれらの
曲線間の間隔は典型的には約1dBである。この間隔は
「均一度」(uniformity)と呼ばれ、1つの
主要な標準団体であるベルコアはTA1209と呼ばれ
る文書で1.0dBの所要均一度と0.5dBの目的を
要求している。
【0008】米国特許第5011251号はΔ2−3
(n −n )/n という式から値を得られる
記号Δ2−3によってチューブの屈折率nを特徴づけ
ている。項ΔはパーセントすなわちΔの百倍で表わされ
ることが多い。市販されている単一モード光ファイバは
通常はシリカの値に等しいかあるいはそれに近い値n
を有している。そのチューブのベースガラスとしてシリ
カが用いられた場合には、チューブの屈折率nをn
より低い値に低下させる目的で、Bのようなドー
バントおよび必要に応じてフッ素がそれに添加される。
はチューブの屈折率を低下させるとともに、そ
れの軟化点温度をもファイバのそれより低い値に低下さ
せるという難点がある。上記米国特許はΔ2−3が約
0.2%以下の場合には、シリカチューブ中のB
の量は1×2または2×2カプラにおけるガラスチュー
ブを軟化させ、それによってコラプス工程時にファイバ
を過剰に変形させるのには不十分である。したがって、
標準カプラのΔ2−3の値は通常は0.26%と0.3
5%の間であったが、上記米国特許に開示された形式の
色消しオーバークラッド・カプラを作成する方法の再現
性を改善するためには、Δ2−3が0.4%より大きい
ことが好ましい。
【0009】1992年7月15日に出願された米国特
許出願第07/913,390号は、複数本の単一モー
ド光ファイバがそれらの長さの一部分に沿って互いに融
着されて屈折率nのマトリクスガラス体によって包囲
された結合領域を形成した形式のオーバークラッド色消
しファイバ・オプティック・カプラを教示している。そ
のカプラのテーパとnは、広く離れた2つの波長にお
けるカプラの結合定数が同一であり、色消し特性を与え
るようになされている。このような色消し特性を得るた
めには、nはファイバのクラッド屈折率nより、Δ
2−3が0.125%以下となるような程度だけ低くな
ければならない。Δ2−3の値は非断熱テーパ過剰損失
が0.5dB以下に保持されるように選択されることが
好ましい。非断熱テーパ装置についての論述がW.J.
Stewart et al.,”Design Li
mitation on Tapers and Co
uplers in Single−Mode Fib
ers”,Proc.IOPOC,1985,page
s 559−562という刊行物に掲載されている。こ
の要件を満たすためには、Δ2−3は0.125%より
小さく、好ましくは約0.02%より小さくなければな
らない。Δ2−3が小さくなるにつれて、シリカをベー
スとしたマトリクスガラス・チューブ中に存在する屈折
率低下ドーパントが少なくなる。したがって、比較的硬
いマトリクスガラス・チューブはカプラ形成方法のチュ
ーブ・コラプス工程時にファイバを変形させる。このよ
うなファイバ変形はカプラ過剰損失を増大させ、テーパ
の急峻度の低下による過剰損失の低下を打消すことにな
りうる。
【0010】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的は結合
領域において光ファイバを過剰に歪ませることなしに単
一モード・オーバークラッド色消しファイバ・オプティ
ック・カプラを作成する方法を提供することである。他
の目的は広い波長帯域にわたって被結合パワーの変化が
非常に小さいことによって特徴づけられる単一モード・
オーバークラッド色消しファイバ・オプティック・カプ
ラを提供することである。さらに他の目的は改善された
挿入損失均質度を有する1×2オーバークラッド色消し
カプラを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】簡単には、本発明はNが
2または3である1×N色消しカプラに関する。このカ
プラはマトリクスガラスの細長い本体部と、この本体部
を貫通して延長している3つの光導波通路を具備してい
る。各通路はコア領域を具備しており、このコア領域は
それの屈折率より小さい屈折率を有するクラッド領域に
よって包囲されている。クラッド領域の最も低い屈折率
はnである。光導波通路は、それらの通路の1つ中を
伝播する光パワーの一部分が他に結合する結合領域を形
成するのに十分なだけ長い距離にわたって十分に近接し
て延長する。コア領域は本体部の長手方向の軸線に直交
する面内で見た場合に結合領域内に三角形配列で配置さ
れる。少なくとも通路に隣接した本体部の領域の屈折率
はnである。ただし、nはΔ2−3の値が0.12
5%より小さくなるような大きさだけnより低い。な
お、Δ2−3は(n −n )/2n に等し
い。
【0012】このカプラは、第1および第2の対向端部
と中間領域を有するガラスチューブを設けることによっ
て作成され得る。少なくとも穴に隣接したチューブの内
側部分は屈折率nを有している。入力ガラス光ファイ
バの一部分と2本の出力ガラス光ファイバの端部分が穴
内に配置される。第1のファイバの一部分がチューブの
第1の端部から外に延長し、そして2本のファイバのそ
れぞれの一部分がチューブの第2の端部から外に延長す
る。チューブの中間領域はファイバに対してコラプスさ
れ、そして直径を減少させかつ結合領域を形成するため
にその中間領域の中央部分が延伸される。結合領域内に
ある入力ファイバと出力ファイバの部分が、チューブの
長手方向の軸線に直交する平面内で見た場合に三角形ア
レイとして配置される。
【0013】
【実施例】本発明はΔ2−3の値が比較的小さいことに
よって生ずる色消し性(achromaticty)を
呈示する1つのクラスのオーバークラッド・ファイバ・
オプティック・カプラの特定の実施例である。このよう
なカプラの動作原理が図2に示された2×2カプラに関
連して説明される。図2のカプラを作成するためには、
光ファイバFおよびFが直径dのガラス・オーバ
ークラッド・チューブOに挿通される。これらのファイ
バに隣接したチューブの少なくとも内側部分の屈折率は
である。ファイバFおよびFは屈折率nのコ
アを有しており、このコアはnより小さいがnより
大きいクラッドによって包囲されている。チューブOは
脱気され、そしてそれの中間領域がそれをファイバに対
してコラプスさせるために加熱される。チューブが再加
熱され、そしてそれの端部が、コラプスされた中間領域
の中央部分を延伸させるために反対方向に引張られる。
このチューブのコラプスおよび延伸作業は米国特許第5
011251号に従って行われ得る。2つのチューブ端
部が延伸工程時に互いから離れる方向に移動する速度が
合成延伸速度となる。チューブは一定の速度で延伸され
てもよく、あるいは延伸速度は連続的にまたは不連続の
ステップとして変化してもよい。この延伸作業は予め定
められた結合が得られた後で停止しうる。その後で、チ
ューブが再加熱され、そして延伸が第2の延伸速度で生
じ得る。もとの直径dとネックダウン領域Nの中央部
分の直径dの比が延伸比Rである。領域Nには若干の
テーパが存在していて、それの長手方向の中心が最小直
径となるが、この領域Nは一定の直径を有しているよう
に示されている。このようにして得られたカプラの結合
特性はチューブOとファイバFおよびFの光学的お
よび機械的特性のようなパラメータと、長さz、ネック
ダウン領域Nおよびテーパ領域Tのようなカプラ・パラ
メータによって決定される。
【0014】光パワーが入力光ファイバに結合されるこ
とができ、かつカプラ作成方法における処理工程を制御
するために出力信号がモニタされ得る。例えば米国特許
第5011251号を参照されたい。下記の特定の実施
例では、出力パワーは延伸時にはモニタされない。オー
バークラッド・ファイバ・オプティック・カプラについ
ての従来の経験では、両方のステージに対する全体の延
伸距離は通常12mmと16mmの間である。したがっ
て、その実施例で説明されるカプラは最初にその範囲内
のある距離だけ延伸される。このようにして得られた装
置の光特性が測定され、そしてその後で作成されるカプ
ラの延伸または伸長距離が所望の特性により近いものを
得るような態様で調節された。この処理によって、最適
の延伸距離が得られた。その後で、このタイブのすべて
のカプラが所望の光特性を得るためにその最適距離だけ
延伸された。しかし、延伸距離のようなプロセス・パラ
メータは作成されたカプラの光学的特徴化の結果として
微調整され得る。
【0015】1×2または2×2 2−ファイバ色消し
3dBカプラについて、それらの動作をモデル化するた
めに、被結合モード理論を用いて理論的解析がなされ
た。その解析はA.W.Snyder and J.
D.Love,OpticalWaveguide T
heory,Chapman and Hall,Ne
w York,1983という刊行物に教示されている
原理に基づいた。この理論にしたがって、図2の2×2
オーバークラッド・カプラのモード・フィールドは、他
のファイバが存在しない場合の、すなわちファイバがオ
ーバークラッド・インデックス材料nだけによって包
囲されている状態におけるファイバFおよびFのそ
れぞれの基本モード数1および数2の線形組合せである
と仮定される。このような構造については、伝播定数と
モード・フィールドが正確に決定される(M.J.Ad
ams,An Introduction to Op
tical Wqaveguidesを参照された
い)。
【数1】
【数2】
【0016】2つのコア間の光結合を記述する結合定数
は数5の重なり積分として表わすことができる。
【数3】この式において数1および数2は2つのコアの
モード・フィールド、rおよびr’はそれぞれファイバ
およびFのコアの中心からの半径方向の距離、n
はカプラ全体の屈折率構造、n’はファイバFのコア
とクラッド屈折率nのオーバークラッド材料で置換し
た場合の屈折率構造であり、そしてこの積分はカプラの
全断面についてものである(ただしn−n’はファイバ
のコアおよびクラッドついて非ゼロであるにすぎな
い)。モード・フィールドはこの式では規格化されてお
り、すなわち数4および数5は両方とも1に等しいと仮
定されている。
【数4】
【数5】
【0017】これらはテーパ付き装置であるが、それら
の定性的な動作は、所定の結合長にわたって延伸比が一
定であり、この長さの外では結合がないと仮定すること
によって、すなわち図2の領域Nの直径が全長zにわた
って一定であると仮定することによって、十分にモデル
化される。結合定数が延伸比の急速に増加する関数であ
るから、この近似は満足し得るものであり、したがって
カプラの挙動は最も高い延伸比における挙動が支配的で
ある。この近似を用いた場合、コア1にパワーが入射さ
れると、カプラの軸線に沿った長さzの関数として、2
つのコアにおけるパワーは数6および数7で与えられ
る。
【数6】
【数7】ただし、係数Fは数8で与えられる。
【数8】ここで、βおよびβはそれぞれファイバF
1およびF2の伝播定数である。
【0018】本発明のように導波路1にユニット・パワ
ーが導波路1に入射され、そして導波路2および3に結
合されかつ導波路2および3は互いに同一であるが導波
路1とは異なっている三導波路カプラの場合には、コア
内に残留するパワーは、長さzの関数として、数9で与
えられる。ただし、Fは数10で表わされる。
【数9】
【数10】ここで、導波路1および2間の結合係数C
12は数5と同様の式で与えられるが、どの対が考慮さ
れているかに対して屈折率とモードが適切なものとされ
た[C12に対しては数1および数2、C23に対して
は数2および数11]。対称性によって、C13=C
12
【数11】
【0019】入力導波路からPおよびP(P
0)に数12で表わされる完全な結合を有するために
は、F=1であることが必要であり、そのためにはβ
−β=C23である必要があることが解る。換言する
と、完全な結合のためには、入力ファイバが2本の出力
ファイバより若干大きい伝播定数を有していなければな
らない。
【数12】
【0020】結果はテーパに沿って結合方程式を積分す
ることによってより定量的となされ得る。ビーム伝播技
法(フーリエ変換、有限差等)を用いることによってさ
らにより正確なシミュレーションがなされうるが、非常
に長い演算時間を要する。
【0021】Δ2−3値が0.35%のカプラにおける
3つの異なる波長に対する延伸比の関数として2×2カ
プラの結合定数を決定するために、非結合モード・モデ
ルが用いられた。カプラ・パラメータに関してなされた
仮定のほとんどが標準のオーバークラッド・カプラに関
してなされた研究に基づいていた。ファイバFおよび
は4μmのコア半径を有する標準の125μm外径
単一モードファイバであると看做された。コアおよびク
ラッドの屈折率nおよびnはそれぞれ1.4610
00および1.455438であると看做された。この
モデルは図4のグラフを得るために用いられた。このグ
ラフは本発明のカプラにおいて色消し性が改善された原
因となる物理機構を示している。図4において、結合定
数は平行コア2×2カプラに対する逆延伸比の関数とし
てプロットされている。所定の波長における結合定数は
延伸比の増加に伴って非常に急速に増加することが判
る。しかし、非常に高い延伸比で、曲線に最大値が存在
する。これは、事実上モード・フィールド拡大が非常に
大きくなって、2本のファイバのうちの一方のファイバ
のコアとクラッドよりなる領域(これは結合定数の重な
り積分が行われる領域である)におけるそれら2本のフ
ァイバ間の重なりがモード・フィールド振幅が減少する
ために事実上減少することによって生ずる。その最大値
におけるそれよりも著しく小さい延伸比では、より長い
波長における結合定数は、それの拡大が回折効果により
大きくなることによって、大きくなる。しかし、この事
実は、最大結合が生ずる延伸比が、1つのコアからのモ
ード・フィールドが他のコアからのそれと重なる程度を
それ以上のモード・フィールド拡大が減少させる点によ
って決定されるので、より長い波長における最大結合は
より小さい延伸比で生ずることを意味する。モード・フ
ィールド拡大は所定の延伸比に対しては波長が長いほど
大きくなるので、より長い波長に対してはRのより小さ
い値で最大値が生ずる。図4に示されているように、こ
れが結合定数曲線を交差させる原因となる。
【0022】単一の延伸比を有する非テーパ平行コア装
置(図2参照)では、色消し特性(すなわち約1300
および1500nmにおいて等しい結合)を得るため
に、カプラの幾何学形状は図4に示されているように2
つの波長に対する結合定数曲線の交点RCROSSにお
いて動作するように選択されるであろう。最大値R
MAXまでのすべての延伸比を含む幾何学形状を有する
テーパ付き装置では、RMAX>RCROSSを有する
こと(図4において交差点の左側に1/RMAXを有す
ること)が必要である。これは、テーパの端部近傍にお
ける低い延伸比では(図5における破線5と6の間の領
域LWを参照されたい)、結合は波長が長くなるにつれ
て強くなり、したがって波長の長い光がより多く結合す
ることによる。RMAX>RCROSSとなるようにテ
ーパをつけることによって、結合は短い波長で強くなる
領域SW(破線4と5の間)をも含み、それによって延
伸比の小さい領域を補償する。領域SWおよびLWは図
5のチューブ3bのテーパに関するものである。R
MAXの正確な値はテーパ付き装置について結合方程式
を数値積分することによって決定されなければならな
い。
【0023】図4およびそれに関する上記の説明から、
Δ2−3が0.35%である色消しカプラを形成するた
めには約10:1の延伸比が必要とされるであろうこと
が解る。このような高い延伸比は下記の理由で比較的大
きい過剰損失を生ずることになりうる。高い延伸比は結
合強度の増大を生じ、より短い結合距離zを必要とす
る。この関係が図5に示されており、この図では2つの
延伸されたチューブ3aおよび3bの外表面がそれぞれ
実線と破線で示されている。チューブ3bはチューブ3
aより大きい延伸比を有しなければならないから、同じ
結合を得るためには(パワー伝達曲線の最初のサイクル
で)チューブ3bはチューブ3aより短い結合距離zを
有していなければならない。パワー伝達曲線については
米国特許第5011251号にその特許の第6図に関連
して論述されている。
【0024】チューブ3aの高い延伸比/短い結合距離
領域のテーパの急竣なテーパに対しては基本モードLP
01からそれより高いモードへの望ましくないモード結
合がより強くなることが知られている。この非断熱結合
はカプラの過剰損失を増大させることができる。
【0025】1×2ダブル・ウインドー・スイッチに対
する所要のテーパ・パラメータを理論的に計算するため
に上記のモードが用いられた。テーパ付きカプラの延伸
比をそれの長さに沿った距離zの関数(最大延伸比点に
おけるzの原点)として説明することは、最大延伸比R
MAXとガウス幅パラメータのω含むガウス関数とし
て簡単に与えられ得る。それは数13で与えられる。
【数13】標準2×2WDMカプラにおけるこれらのパ
ラメータの典型的な値は、3まら6までのRMAXと3
000μmから6000μmまでのωである。このモ
デルは、パラメータRMAXおよびωの値がΔ2−3
の非常に小さい値では現在のカプラ値の範囲内にあるこ
とを示した。「現在のカプラ」とは米国特許第5011
251号に開示されているΔ2−3が0.26%より大
きいタイプのオーバークラッド・カプラを意味する。Δ
2−3のより小さい値が図4の曲線を右方に(延伸比の
低い値の方に)かつ下方に(最大結合定数のより小さい
値の方に)変位させ、それによって容易に実現可能な延
伸比を有する色消しカプラを形成することができる。Δ
2−3の値が小さくなされるにつれて、RMAXの所要
の値がより小さくなり、かつ必要とされる結合長(ガウ
ス幅パラメータωで表わされる)はより長くなる。こ
のようにして、テーパは急竣度が小さくなる。
【0026】使用され得るΔ2−3値の理論的最大値は
非断熱モード結合による制限を考慮することによって得
られうる。伝播定数(β)がLP01およびLP02
ードについて計算された。LP02モードは理想の整合
したファイバ・カプラにおいてLP01モード結合する
最低次のモードである。数7とLP01およびLP02
モードのβから、パラメータ数14および数15が決
定された。
【数14】
【数15】ただし、aはコア半径であり、そしてzはカ
プラ軸線に沿って測定される距離である。断熱動作のた
めには、数16の関係が存在しなければならない。
【数16】ここで「NAT差」と呼ばれる数8の差バラ
メータが1310および1550nmの波長に対して図
6にΔ2−3の関数としてプロットされている。NAT
差はそれら2つの波長のそれぞれに対して0.02%か
ら0.14%までのΔ2−3値について計算された。1
310NM曲線は約0.125%の可能な最大理論Δ
2−3値においてゼロNAT差となる。実際の経験か
ら、1300−1550nmの範囲の波長において約
0.045%以下のΔ2−3値でもって色消し性が大き
く改善され得ることが認められた。図9に示されたタイ
プの延伸装置で実現され得るテーパでは、Δ2−3
0.09%である場合には色消しカプラは形成できない
であろう。しかし、0.045%より大きいΔ2−3
で色消しカプラを形成するためには、より小さい外径を
有するチューブを使用することができるとともに、より
小さいく、より密に集束された炎を生じ得るバーナを使
用することができる。約0.01%〜0.02%のΔ
2−3でもって最良の結果が得られた。Δ2−3につい
ての測定能力の下限は0.01%である。
【0027】上記の説明は2ファイバ・カプラ、すなわ
ちオーバークラッド・カプラが形成され得る最も単純な
ファイバ配列に関して本発明の原理を詳述したものであ
る。図3に示されているように、チューブTをファイバ
に対してコラプスさせる工程の前にはファイバFおよ
びFの両側には大きな空間Vが存在している。より容
易に形成されたテーパ領域を有する低損失色消しカプラ
は比較的低いΔ2−3値を必要とする。したがって、2
ファイバ・アクロマットでは、チューブのコラプス工程
時に高粘度チューブによって加えられる圧力によってフ
ァイバが歪を与えられ、この歪がカプラの過剰損失を増
大させる原因となる。
【0028】このファイバの変形の問題は、図7および
8に示されている三角形のファイバ配列を用いることに
よって実質的に解消される。この実施例では、被覆2
3、24および25がそれぞれ被覆ファイバ17、18
および19の端部から剥離除去され、そしてそれらのフ
ァイバの端部には後述のように反射防止終端部が設けら
れる。入力ファイバ20がチューブ10の穴11の1つ
の端部に挿入され、そして出力ファイバ21および22
が他の端部に挿入される。これらのファイバは少量のエ
ポキシによって所定の場所に固着される。その後で延伸
チャックにカプラ・プリフォームが配置され、チューブ
10が脱気され、そしてそれの中間領域が加熱されてフ
ァイバに対してコラプスされる。その後で、中間領域の
中央部分が延伸されて所望の結合を得るのに必要な直径
および結合長となされる。このようにしてファイバのコ
アは、カプラ本体の長手方向の軸線に対して直交する平
面内で見て、結合領域に三角形の配列で配置される。
【0029】カプラを延伸してテーパ領域を形成し、入
力ファイバに入射されたパワーが2本の出力ファイバに
実質的に等しくかつ完全に結合されるようになし、それ
によって図10に示された実質的に平行な挿入損失曲線
を生ずるようにすることができる。入力ファイバからの
パワー伝達を最大にするためには、入力ファイバ・コア
/クラッド/オーバークラッド導波路は2つの出力ファ
イバ・コア/クラッド/オーバークラッド導波路のそれ
ぞれの伝播定数β2CRより若干大きい伝播定数β
1CRを有していなければならない。これは、例えば出
力ファイバのクラッドに存在する量よりも若干多い塩素
を入力ファイバのクラッドにドープすることによって達
成することができる。この技法は入力ファイバのクラッ
ドの屈折率を出力ファイバのクラッドのそれよりも大き
くするものであり、米国特許第5011251号に記載
されている。
【0030】オーバークラッド色消し2×2カプラに関
して上述したようにΔ2−3の小さい値を用いることに
よって色消し性を改善する理論は3ファイバ1×2およ
び1×3カプラにも該当する。したがって、0.02%
より小さいΔ2−3値を用いることによって、図7およ
び8の装置の挿入損失曲線は比較的平坦となり、非常に
良好な出力ファイバ挿入損失均一度を呈示する。
【0031】図7および8の三角形の幾何学形状は図3
の2ファイバ幾何学形状よりも多く穴11にガラスを充
填するから、ファイバのまわりでチューブガラスをコラ
プスさせる工程時におけるファイバ歪がより小さくな
る。したがって、図7および8の実施例によって作成さ
れたカプラはより小さい過剰損失を呈示する。
【0032】この1×2三角形ファイバ配列からは他の
利点も得られる。図3にしめされたもののような2ファ
イバ実施例における1または複数の挿通ファイバ中心か
ら被覆を剥離除去するのとは対照的に、ファイバの端部
だけが剥離除去されればよい。さらに、カプラ作成にた
いするこのアプローチはファイバがチューブ穴に挿通さ
れることを必要としない。これらの差異によってこのカ
プラは製造が容易でかつ大量生産に適したものとなる。
【0033】この三角形ファイバ配列は色消し1×3パ
ワー・スプリッタを作成するためにも使用できる。予め
定められた波長においては、入力パワーの3分の1が入
力ファイバ内に残り、これがカプラを通じて継続しそし
て第3の出力ファイバとして機能する。この入力/継続
出力ファイバの端部ではなくて、それの中央領域から被
覆が剥離除去されなければならないことがわかる。入力
ファイバの出力部分を含めてすべてのファイバにおいて
パワーを等化するために、入力/継続出力ファイバには
残りの出力ファイバのそれとは異なる伝播定数が与えら
れなければならない。ΔβCRとテーパは、2本の被結
合出力ファイバの挿入損失曲線が図11の曲線58によ
って示されているようになり、かつ入力/継続出力ファ
イバに対する挿入損失曲線は曲線57で示されているよ
うになるように選定される。このようなΔβCR値は他
のファイバとは異なるクラッド屈折率を有する入力ファ
イバを用いることによって得ることができる。このよう
な1×3 3ファイバ・カプラでは、1×2 3ファイ
バ・カプラに必要とされるのと比較して、スループット
・ファイバと2本の被結合パワー出力ファイバとの間に
約3倍の塩素不均衡が必要とされるであろう。入力/ス
ループット・ファイバに所要のレベルの入力パワーを保
持させるのに必要な屈折率不均衡を与えるためには、塩
素以外のドーパントを用いてもよい。
【0034】所要の非常に小さいΔ2−3値を得るため
には多数の異なる手法がある。1つの手法は、純粋なS
iOチューブとそのシリカチューブより大きい屈折率
を与えるために塩素をドーブされたクラッドを有する光
ファイバを使用することを含む。この技法はチューブと
ファイバ・クラッドの両方の屈折率について良好な制御
を与える。偏波可変性は良好であった。このガラスの組
合せの主要な利点はチューブとファイバとの間の粘度の
差が非常に小さくなるという点であった。これがファイ
バを変形させかつ比較的大きい過剰損失を生ずる。
【0035】市販の単一モード光ファイバは通常はシリ
カのそれに等しいかあるいはそれに近いnの値を有す
る。このタイプのファイバが用いられる場合には、チュ
ーブは少量のB(0.15重量%〜1.0重量%
の範囲内)をドープされたシリカで作成され得る。B
はファイバのクラッドガラスに比較してチューブガ
ラスを軟化させ、小さい過剰損失を有するカプラを形成
することになる。
【0036】ファイバのクラッドガラスが屈折率を低下
させるドパントであるフッ素を含んでいる場合には、シ
リカチューブは0.125%より小さいΔ2−3値を与
えるのに必要なレベルまでチューブの屈折率を低下させ
るのに十分な量のBを含んでいてもよい。
【0037】他の手法はBおよびフッ素のような
1つ以上の屈折率減少ドーパントと、GeOおよびT
iOのような1つ以上の屈折率増加ドーパントをドー
プしたベースガラスでチューブを形成することである。
これら2種類のドーパントの組合せがΔ2−3の所望の
値を生ずる屈折率nを与える。比較的柔らかいガラス
のチューブを用いることは、ファイバに対するそのチュ
ーブのコラプシング(collaping)をある程度
改善し、それより硬いガラスの場合のようにファイバの
形状を歪曲させることなしにチューブガラスがそれらの
ファイバのまわりで流動する。この実施例で必要とされ
るドーパントの込入った平衡化のために、実施するのは
困難である。
【0038】オーバークラッド・チューブは火炎加水分
解法と呼ばれることもある蒸気沈積技術によって作成さ
れるのが好ましい。このチューブは溶融ガラスでまたは
ゾルゲル法によっても形成され得る。
【0039】色消しカプラを作成するためには、組成の
半径方向の変化を有するチューブも用いられた。チュー
ブの穴に隣接したそのチューブの内側領域はΔ2−3
所望の値を与える組成で形成される。このチューブの残
部は内側領域とは異なる屈折率を有する1つ以上の領域
で形成され得る。図12に示された例では、内表面r
isと遷移半径rの間のチューブの内側領域は、カプ
ラに色消し性を与えるのに十分なだけ低い値のΔ2−3
を与えるあめに少量のBを含むことができる。r
と外表面rの間の外側チューブ領域は内側領域より
高い濃度のBを含みうる。このより高いB
濃度がより低い屈折率領域を生じ、これによってより良
好に光パワーをとじ込める。実質的に一定の半径方向屈
折率チューブと屈折率が半径とともにステップ状に減少
するチューブとの両方を用いて、同様の過剰損失を有す
るカプラが得られた。
【0040】入力ファイバと出力ファイバとの間の伝播
定数の相違は直径の異なるファイバを用いることによっ
ても得られる。
【0041】実施例1 1×2ダブル・ウインドー色消しファイバ・オプティッ
ク・カプラを作成する方法が図7〜9に示されている。
長さ3.8cm、外径2.8cm、および長手方向穴直
径265μmのガラス毛細チューブ10が用いられた。
火炎加水分解法で形成されたチューブ10は、約0.5
重量%のBをドープされたシリカで形成された。
【0042】被覆ファイバ17、18および19はそれ
ぞれ直径250μmのウレタン・アクリラート被覆2
3、24および25を有する直径125μmの単一モー
ド光ファイバ20、21および22の1.5メートル長
で構成された。これらのファイバは米国特許第5011
251号の教示に従って作成されたものであり、8.5
重量%GeOをドープされたシリカよりなる直径8μ
mのコアを有していた。これらのファイバのカットオフ
波長はカプラの動作波長より短かった。例えば、最小動
作波長が1260cmである場合には、ファイバのカッ
トオフ波長は1200nmと1250nmとの間に選定
される。
【0043】これらすべてのファイバを作成する方法の
最初の工程は同一であった。その方法の一般的な説明は
米国特許第5011251号および第4486212号
になされている。コア・ガラス粒子の被覆がマンドレル
上に沈積され、そしてそのコア・ガラス被覆の上にSi
粒子の薄い被覆が沈積された。マンドレルが除去さ
れ、そしてそのようにして形成された多孔質プリフォー
ムがアルミナ・マッフルを有する炉内に徐々に挿入さ
れ、そこでマンドレルが除去された中心穴内に塩素とヘ
リウムを含んだガス混合物が流入している間に、そのプ
リフォームが乾燥されかつコンソリデートされた。ヘリ
ウムと酸素を含んだフラッシング・ガスがマッフルの底
から上方に流れた。多孔質プリフォームがコンソリデー
トされた後で、穴が脱気され、そして管状体の下端部が
加熱されかつ延伸されて5mm中実ガラスロッドを形成
した。このロッドは複数の部分に切断され、それらの部
分のそれぞれが旋盤に支持され、そこでその各部分は、
最終的な多孔質プリフォームを形成するためにSiO
クラッド・ガラス粒子が沈積されるマンドレルとして機
能する。
【0044】最終的な多孔質光ファイバ・プリフォーム
は従来のようにヘリウム、塩素および酸素を含んだガス
混合物中でコンソリデートされる。通常沈積されたクラ
ッドガラス粒子を乾燥させるのに十分な量である、使用
される塩素の量は、多孔質クラドガラス被覆の密度およ
びコンソリデーション温度を含む種々のパラメータに依
存する。入力ファイバ・クラッドにおける塩素濃度が
0.10重量%となりかつ出力ファイバ・クラッドにお
ける塩素濃度が0.05重量%となるような条件で、入
力ファイバおよび出力ファイバの最終的な多孔質プリフ
ォームが形成されかつコンソリデートされた。入力ファ
イバおよび出力ファイバのクラッドの屈折率は、Δ
CLADSが0.005%となるような値であった。た
だし、ΔCLADS=(n −n2’ )/n
は入力ファイバ10のクラッドの屈折率、そしてn
2’は出力ファイバ21および22のクラッドの屈折率
である。
【0045】被覆の6cmの長さ部分が各被覆ファイバ
の端部から除去された。テーパ端部を形成するためにフ
ァイバの端部が引張れかつ切断され間に、ファイバの被
覆を除去された領域の中央に炎を放射することによっ
て、ファイバの端部に反射防止終端部26、27および
28が形成された。ファイバ20の先端部が、ガラスを
後退させかつ丸みをつけられた端面を形成させるため
に、バーナによって加熱された。その端面の直径は、も
との被覆されていないファイバの直径に等しいかあるい
はそれより若干小さかった。このようして得られた剥離
された端部領域は長さが約3.2cmであった。
【0046】ファイバの被覆を除去された部分が拭かれ
た。被覆24および25の端部領域が漏斗部の内部に来
るまで、ファイバ21および22がその漏斗部を通じて
穴11内に挿入され、そして端部26が中間領域27と
チューブ端部15との間に位置決めされた。被覆23の
端部領域が漏斗部12の内部に来るまで、ファイバ20
が漏斗部12を通じて穴11内に挿入され、そして端部
27および28が中間領域27とチューブ端部14との
間に位置決めされた。ファイバ18および19を漏斗部
13に付着させるために、それらのファイバ18および
19に対して端部15の近傍に、またファイバ17を漏
斗部12に付着させるためにそのファイバ17に対して
端部14の近傍に少量の紫外線硬化性接着剤(図示せ
ず)が適用された。プリフォーム31がリングバーナ3
4(図9)に挿入されかつ延伸チャック32および33
にクランプされた。それらのチャックはモータで制御さ
れるステージ45および46上に取り付けられた。ファ
イバが真空アタッチメント41および41’に挿通さ
れ、その真空アタッチメント41および41’には真空
ライン42および42’がそれぞれ連結された。真空ア
タッチメント41および41’は米国特許第50112
51号に教示されているようにチューブ10の端部に封
着された。所定の長さの細いゴムチューブ43の1つの
端部が真空アタッチメント41のプリフォーム31とは
反対側の端部に付着された。そのチューブの他の端部は
矢印44で示されているチューブ・クランプ手段内に延
長している。上方の真空アタッチメント41’も同様に
チューブ43’およびチューブ・クランプ手段と関連し
ている。ファイバの被覆された部分がチューブ43およ
び43’から延長した。チューブ43および43’に対
して矢印44、44’で示されているように空気圧を放
射するこちによって、カプラ・プリフォーム31に真空
Vが印加され、それによってチューブをその中を延長し
たファイバに対してクランプさせた。
【0047】チューブ穴に46cm水銀の真空が連結さ
れた状態で、リングバーナ34が点火された。このバー
ナにそれぞれ0.55slpmおよび1.10slpm
の流量でガスと酸素を供給することによって炎が発生さ
れた。リングバーナ34からの炎がチューブ10を約1
2秒間加熱し、そしてチューブ中間領域27がファイバ
に対してコラプスした。
【0048】チューブが冷却した後で、バーナが再点火
されたが、ガスと酸素の流量は両方ともそのままであっ
た。炎がコラプスされた領域の中央部をそれの材料の軟
化点まで加熱した。10秒後にバーナ34に対する酸素
の供給が停止された。ステージ45および46が1.0
cm/secの合成速度で反対方向に引張られ、チュー
ブ10を0.65cmだけ延伸させてネックダウン領域
61(図12)を形成したが、それのテーパは入力ファ
イバに入射されたパワーが実質的に等しくかつ完全に2
本の出力ファイバに結合されるようになされていた。
【0049】カプラが冷却した後で、真空ラインが除去
され、そして接着剤の滴62および63がチューブの端
部14および15に適用された。その接着剤は紫外線に
露光されて硬化され、そしてカプラがチャックから除去
された。
【0050】実施例1に従って作成されたカプラのスベ
クトル挿入損失曲線が図10に示されている。この実施
例のカプラの挿入損失曲線は比較的平坦でかつ実質的に
平衡であり、それによって0.24dBの挿入損失均一
度を呈示する。その装置の過剰損失は1310nmおよ
び1550nmにおいてそれぞれ0.04dBおよび
0.37dBであった。実施例1に従って作成されたカ
プラは1310nmにおいて約0.2dBの中間過剰装
置損失を呈示した。最低測定過剰損失は1310nmに
おいて0.04dBであった。
【0051】
【発明の効果】オーバークラッド・カプラは異なるβを
有するファイバを用いるのではなくΔ2−3を非常に小
さくすることによって色消し性となされ得ることが認め
られた。Δ2−3は0.125%より小さくなければな
らないと計算され、約0.045%以下のΔ2−3値で
もって顕著な色消し性の改善が得られた。Δ2−3値を
このような低い値にすると、チューブガラスの粘度が高
くなる。この形式の2ファイバ色消しカプラ(図3)で
は、ファイバがチューブのコラプス工程時に高粘度チュ
ーブによって加えられる圧力により歪まされる。この歪
がカプラ過剰損失の増加の原因となる。
【0052】本発明によれば、三角形のファイバ配列
(図7および8)を用いることによってファイバの変形
の問題が実質的に解消された。その三角形のファイバ配
列は図3の2ファイバ幾何学形状よりも穴11を多くガ
ラスで充満するので、チューブガラスをファイバのまわ
りでコラプスさせる工程時により小さいファイバ歪を生
ずる。したがって、小さいカプラ過剰損失が達成され
た。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1×N色消しカプラにおいて、ただしN
    は2または3であり、前記カプラは、 細長いマトリクスガラス体と、 前記マトリクスガラス体を通じて延長しており、それぞ
    れコア領域と、このコア領域を包囲しておりそのコア領
    域の屈折率より小さい屈折率を有するクラッド領域を具
    備し、前記クラッド領域の最低屈折率がn2である3つの
    光導波通路を具備しており、 前記光導波通路は、その通路のうちの1つに通路を伝播
    する光パワ−の一部分が前記通路のうちの他の通路に結
    合する結合領域を形成するのに十分に長い距離だけ十分
    に接近して延長しており、 前記コア領域は前記マトリクスガラス体の長手方向軸線
    と直交する平面内で見た場合に前記結合領域内に三角形
    のアレイで配置されており、 少なくとも前記通路に隣接した前記体の領域の屈折率は
    n3であり、n3は(n2 2-n 32)/2n2 2に等しいΔ2-3の値が0.1
    25%より小さい大きさだけn2より小さい1×N色消しカ
    プラ。
  2. 【請求項2】 前記導波通路は光ファイバよりなる請求
    項1のカプラ。
  3. 【請求項3】 前記マトリクスガラスはそれを通じて前
    記ファイバが長手方向に延長している円筒状の体であ
    り、前記体のそれの端部から離れた部分の直径が前記端
    部の直径より小さい請求項2のカプラ。
  4. 【請求項4】 ファイバ・オプティック・カプラにおい
    て、 第1および第2の対向端部と中間領域を有するマトリク
    スガラスの細長い体と、 前記中間領域を通って長手方向に延長しており、それぞ
    れコアと、そのコアを包囲しておりかつそのコアの屈折
    率より小さい屈折率を有するクラッドを具備した1本の
    入力光ファイバおよび2本の出力光ファイバを具備して
    おり、前記光ファイバのクラッドの最低屈折率がn2であ
    り、前記光ファイバが前記中間領域内で三角形のアレイ
    で位置決めされており、 少なくとも前記ファイバに隣接した前記体の領域の屈折
    率はn3であり、n3は(n 22-n3 2)/2n2 2に等しいΔ2-3の値
    が0.125%より小さくなるような大きさだけn2より小さ
    く、 前記中間領域の中央部分の直径と前記中間領域の
    中央部分における前記光ファイバの直径は前記体の端部
    におけるぞれらの直径より小さく、 前記入力光ファイバは前記体の前記第1の端部から延長
    しており、 前記出力光ファイバは前記体の前記第2の端部から延長
    しているファイバ・オプティック・カプラ。
  5. 【請求項5】 前記マトリクスガラス体の組成はそれの
    半径方向全体にわたって実質的に均一である請求項4の
    ファイバ・オプティック・カプラ。
  6. 【請求項6】 前記マトリクスガラス体が前記光ファイ
    バに隣接していて屈折率n3を有する内側領域と、この内
    側領域に隣接した他の領域を具備しており、前記他の領
    域の屈折率がn3より小さい請求項4のファイバ・オプテ
    ィック・カプラ。
  7. 【請求項7】 入力光ファイバが前記体の前記第1の端
    部からだけ延長しており、前記ファイバはいずれも完全
    には前記体を貫通していない請求項4のファイバ・オプ
    ティック・カプラ。
  8. 【請求項8】 前記入力ファイバのクラッド屈折率が前
    記2本の出力ファイバのクラッド屈折率より大きい請求
    項7のファイバ・オプティック・カプラ。
  9. 【請求項9】 前記入力光ファイバが前記体を完全に通
    りかつ前記体の前記第1および第2の端部から延長して
    いる請求項4のファイバ・オプティック・カプラ。
  10. 【請求項10】 前記入力ファイバのクラッド屈折率が
    前記2本の出力ファイバのそれとは異なっている請求項
    9のファイバ・オプティック・カプラ。
  11. 【請求項11】 1×Nファイバ・オプティック・カプ
    ラを作成する方法において、ただしNは2または3であ
    り、前記方法は、 第1および第2の対向端部および中間領域を有するガラ
    スチュ−ブを設け、このチュ−ブの第1の端部からそれ
    の第2の端部まで長手方向の穴が延長しており、前記穴
    に隣接した前記チュ−ブの少なくとも内側部分が屈折率
    n3を有しており、 前記穴内に1本の入力ガラス光ファイバの一部分と2本
    の出力ガラス光ファイバの端部分を配置し、前記ファイ
    バのそれぞれがコアと、このコアを包囲していてそのコ
    アの屈折率より小さい屈折率を有するクラッドを有して
    おり、前記光ファイバのクラッドの最低屈折率はn2であ
    り、n2は(n2 2-n3 2)/2n2 2に等しいΔ2-3の値が0.125%よ
    り小さくなるような大きさだけn3より大きく、前記ファ
    イバの一部分が前記チュ−ブの第2の端部から突出して
    おり、 前記チュ−ブ中間領域を前記ファイバに対してコラプス
    させ、そして前記中間領域の中央部分を延伸してそれの
    直径を減寸させかつ結合領域を形成し、その結合領域で
    は前記入力ファイバと前記2本の出力ファイバが前記チ
    ュ−ブの長手方向軸線に直交する平面内で見て三角形の
    アレイで配置されるようにすることよりなる1×Nファ
    イバ・オプティック・カプラを作成する方法。
  12. 【請求項12】 前記チュ−ブの屈折率がそれの半径方
    向全体にわたって実質的に均一である請求項11の方
    法。
  13. 【請求項13】 前記チュ−ブは前記穴に隣接していて
    屈折率n3を有する内側領域と、この内側領域に隣接した
    他の領域を具備しており、前記他の領域の屈折率がn3
    り小さい請求項11の方法。
  14. 【請求項14】 前記入力光ファイバは前記チュ−ブの
    前記第1の端部からのみ延長し、前記2本の出力光ファ
    イバは前記チュ−ブの前記第2の端部から延長する請求
    項11の方法。
  15. 【請求項15】 前記入力ファイバのクラッド屈折率は
    前記2本の出力ファイバのクラッド屈折率より大きい請
    求項14の方法。
  16. 【請求項16】 前記入力光ファイバは前記チュ−ブの
    前記第1および第2の端部から延長し、前記2本の出力
    光ファイバは前記チュ−ブの前記第2の端部から延長し
    ている請求項11の方法。
  17. 【請求項17】 前記第1のファイバのクラッド屈折率
    は前記2本の出力ファイバの屈折率とは異なっている請
    求項16の方法。
JP5344585A 1992-12-31 1993-12-20 1×n色消しカプラおよびファイバ・オプティック・カプラならびに1×nファイバ・オプティック・カプラを作成する方法 Pending JPH06235841A (ja)

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